説明

遊技用システム及び各台貸出機

【課題】 各遊技機に対応して設けられる遊技媒体貸出機に受け入れられた現金について、現金を引き出す際の利便性を向上させる。
【解決手段】 各遊技機に対応して備えられた台間玉貸機20と、台間玉貸機20に受け入れられたパチンコ玉の貸出に使用されていない残金情報を記憶するカード管理機を備え、台間玉貸機20は、受け入れられた残金金額を上限とした任意の金額を指定する入力操作部13と、入力操作部13により指定された金額を特定する所定情報が書き込まれたICカードを発行し、発行されたICカードの所定情報を読み取るカード発行・読取部15を備え、カード管理機が、入力操作部13により指定された金額を当該カード管理機に記憶された対応する台間玉貸機20の残金情報から減算するとともに、カード発行・読取部15により読み取られたICカードが示す金額を当該カード管理機に記憶された対応する台間玉貸機20の残金情報に加算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機に対して一対一で対応して備えられ、対応する遊技機に遊技媒体を直接貸出することができる各台貸出機を備えた遊技用システムと、この遊技用システムに備えられる各台貸出機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機やスロットマシンに代表される遊技機は、貸し出された遊技媒体を使用して遊技を行い、貸し出された遊技媒体以上のより多くの遊技媒体が獲得できるように遊技を楽しむものである。ここで、遊技機で使用される遊技媒体は、各遊技機と一対一で対応して備えられた各台貸出機を介して、対応する遊技機に直接に貸出が行われることが一般的である。
この種の遊技機に対応した各台の貸出機は、遊技機島に列設された遊技機と遊技機の間(台間)に設置される縦長の機械により構成され、隣接する一方(右隣又は左隣)の遊技機と一対一で対応するようになっており、現金やプリペードカード、会員カード等の有価価値の投入を受け入れて、投入された有価価値に相当する遊技媒体数を上限として、所定の遊技媒体数を対応する遊技機に直接貸し出す装置である。
【0003】
具体的には、各台貸出機は、遊技者により投入された現金を受け入れ、受け入れられた現金金額の範囲で、遊技者が指定した数の遊技媒体を対応する遊技機に払い出して貸出を行う。従って、遊技者は投入した金額の範囲内で繰り返し遊技媒体の貸出を受けることができる。
そして、遊技媒体の貸出に使用されなかった現金については、遊技者の返却操作等に応じて、残金情報が一枚のカードやコイン等の記憶媒体に書き込まれて発行・排出されるようになっており、発行されたカード等の記憶媒体は、再度各台貸出機に投入されて残金の範囲内で遊技媒体の貸出を受けたり、別途設置された現金精算機に挿入されて残金を現金として引き出して精算・換金できるようになっている。
【0004】
このように遊技媒体貸出機が遊技機に一対一に対応して備えられることにより、遊技者が遊技機に着席した状態で、投入した現金金額の範囲で繰り返し遊技媒体の貸出を受けることができ、遊技者にとって利便性の高いものとなっており、各台貸出機は、遊技場の遊技媒体貸出システムにおいて広く採用されている。
この種の各台貸出機としては、例えば特許文献1に開示されている遊技媒体貸出システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−097660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、以上のような遊技機と対応して備えられる各台の遊技媒体貸出機では、投入されて受け入れられた現金は、遊技媒体の貸出に使用される場合の他、残金の一部を引き出すことはできず、遊技媒体の貸出に使用されなかった残金は、一括して一枚のカード等に残金情報が書き込まれて返却されるようになっており、投入した現金の一部のみを精算したり他者に引き渡したりすることができないという問題があった。
すなわち、遊技機と一対一で対応して備えられる各台の遊技媒体貸出機では、所定の金額単位、例えば、千円、五千円、一万円という紙幣金額単位で現金が受け入れられるようになっており、受け入れられた金額を上限として、その金額の範囲で遊技媒体の貸出が繰り返し行われるようになっている。そして、遊技媒体の貸出に使用されなかった残金については、貸出機に備えられた所定のボタン(返却ボタン・精算ボタン)等を操作することで、残金額を特定する所定情報が書き込まれた記憶媒体(ICカード等)が発行され、その記憶媒体を他の遊技媒体貸出機で使用して遊技媒体の貸出を受けたり、所定の精算機において残金に相当する現金の返却・精算を行えるようになっている。
【0007】
ところが、このような残金を返却・精算するための記憶媒体は、貸出機に投入されて遊技媒体の貸出に使用されなかった残金を一括して返却するためのもので、残金のうちの一部について、任意の金額等を指定して発行するようなことはできなかった。
このため、残金の一部の金額のみを精算して現金化したり、一部金額を書き込んだ記憶媒体を発行して他の遊技者に譲渡するようなことはできなかった。
【0008】
従って、いったん遊技媒体貸出機に投入した現金の残金の一部を他の遊技者に譲渡するような場合には、まず、遊技媒体貸出機に受け入れられている残金の全額を示す記憶媒体を発行して他の遊技者に渡し、他の遊技者はその記憶媒体を別の遊技媒体貸出機に投入して自ら使用する分の遊技媒体の貸出を受けて、残った残金を示す記憶媒体を発行してそれを元の遊技者に返却する、あるいは、他の遊技者が受け取った記憶媒体を所定の精算機で精算して残金を全額現金化し、そのうちの自らの分の現金を受け取って差額の残金を元の遊技者に返却する、というようなきわめて煩雑な手順が必要であった。
このため、遊技機に対応して備えられる各台の遊技媒体貸出機では、残金の一部引き出しを行う場合の利便性がきわめて悪いという問題があった。
【0009】
さらに、このように一度投入した現金は一括返却しない限り引き出すことができない遊技媒体貸出機では、景品交換やサービス提供を受ける際にも不利不便があった。
遊技場では、遊技機で遊技中の遊技者に対して、各種商品の販売等のサービスの提供が行われることがあり、このような遊技中の遊技者に対する商品の販売は現金で行われることが一般的となっている。
例えば、所謂ワゴンサービスと呼ばれるサービス提供に際しては、所定の商品・景品を搭載したワゴン(台車)を島端等に置いて、販売員が各遊技者の近傍を巡回して注文を聞き、各種の飲料や食品、グッズ類等を販売することが行われ、この場合、商品代金の支払いは、遊技者の手持ちの現金で行われる。具体的には、例えばコーヒー一杯分の代金が200円であれば、コーヒーを注文した遊技者は、これをその場で現金で支払うことになる。
【0010】
従って、遊技者は自分の財布やポケット等から現金を取り出して、ワゴンサービスの販売員にその場で現金を手渡して代金の支払いが行われる。
しかしながら、遊技中の遊技者が景品交換用の代金を財布やポケット等から取り出すのは面倒であり、特に小銭がない場合に、小額の代金(例えばコーヒー200円等)を紙幣で支払うと、釣り銭の授受や確認、財布等への収納等の作業が煩わしく、手軽に小額景品等の購入がしづらいという問題があった。
また、遊技者が手持ちの現金をすべて遊技媒体貸出機に投入してしまっているような場合、貸出機側に残金があったとしても、それを使用するにはいったん遊技を中止して、残金の返却操作を行い、発行された遊技媒体を現金精算機で精算しなければ現金化することはできす、従って、ワゴンサービスを受けるためにそのような精算処理を行うことはきわめて煩瑣であり、現実にはそのようなことを行う遊技者はほとんどあり得なかった。
【0011】
上述のように、遊技機と一対一で対応して備えられる各台の遊技媒体貸出機では、所定の紙幣金額単位で現金が受け入れられるようになっており、その金額の範囲で遊技媒体の貸出が行われ、遊技媒体の貸出に使用されていない残金は、いつでも遊技媒体の貸出に使用できるようにプールされるようになっている。従って、このプールされた残金から、景品交換用の小額代金を引き出して支払いに充てることができれば、財布やポケット等から現金を取り出して支払いや釣り銭の授受を行うよりも遙かに便利なものとなる。
【0012】
ところが、従来の遊技媒体貸出機では、上述したように、貸出機に投入されて遊技媒体の貸出に使用されなかった残金は、一括でのみ返却が可能であり、しかもそれは精算カード等の所定の記憶媒体を介して返却されるようになっており、現金自体を引き出すことは勿論のこと、残金のうちの一部について任意の金額等を指定して記憶媒体を発行することもできなかった。
このため、ワゴンサービス等の代金支払いについて、遊技媒体貸出機にプールされている残金を使用するようなことはできず、景品交換等の際の現金支払いに有効利用するようなことは不可能であった。
【0013】
本発明は、以上のような問題を解決するために提案されたものであり、遊技機と一対一で対応して設けられる各台の遊技媒体貸出機に受け入れられた残金の一部引き出し・精算を可能とし、残金の一部精算や、遊技者間での現金の共有、ワゴンサービス等のサービス提供時の決済等の利便性を飛躍的に向上させることができる遊技用システム及び遊技媒体貸出機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の遊技用システムは、遊技機と一対一に対応して備えられた、現金を受け入れる現金受入手段と、前記現金受入手段で受け入れられる現金金額を含む当該遊技機に対する遊技媒体の貸出に使用可能な所定の貯留金額に相当する遊技媒体数を上限値として当該遊技機における遊技で使用される遊技媒体を貸し出す貸出手段と、前記貯留金額を上限とした任意の引落金額を指定する入力手段と、所定の記憶媒体を発行する記憶媒体発行手段と、を備え、前記記憶媒体発行手段が、前記貯留金額を所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とするとともに、前記入力手段により引落金額が指定されると当該引落金額を所定の記憶媒体に書き込み、当該記憶媒体に書き込まれた引落金額を前記貯留金額から減算して新たな貯留金額として所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とする構成としてある。
【0015】
また、本発明の遊技用システムは、前記所定の記憶媒体に書き込まれた引落金額を読み取る記憶媒体読取手段を備え、前記記憶媒体発行手段が、前記記憶媒体読取手段で読み取られた記憶媒体に書き込まれた引落金額を前記貯留金額に加算して新たな貯留金額として所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とする構成としてある。
【0016】
また、本発明の遊技用システムは、前記貯留金額を遊技機単位で記憶する現金管理装置を備え、前記現金管理装置が、前記記憶媒体発行手段により発行可能状態とされた記憶媒体に書き込まれた貯留金額及び前記所定の記憶媒体に書き込まれた引落金額と、前記記憶媒体読取手段により読み取られた記憶媒体に書き込まれた引落金額を記憶する構成としてある。
【0017】
さらに、本発明の遊技媒体貸出機は、遊技機と一対一に対応して備えられた、現金を受け入れる現金受入手段と、前記現金受入手段で受け入れられる現金金額を含む当該遊技機に対する遊技媒体の貸出に使用可能な所定の貯留金額に相当する遊技媒体数を上限値として当該遊技機における遊技で使用される遊技媒体を貸し出す貸出手段と、前記貯留金額を上限とした任意の引落金額を指定する入力手段と、所定の記憶媒体を発行する記憶媒体発行手段と、を備え、前記記憶媒体発行手段が、前記貯留金額を所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とするとともに、前記入力手段により引落金額が指定されると当該引落金額を所定の記憶媒体に書き込み、当該記憶媒体に書き込まれた引落金額を前記貯留金額から減算して新たな貯留金額として所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とする構成としてある。
【発明の効果】
【0018】
本発明の遊技用システム及び遊技媒体貸出機によれば、遊技機と一対一で対応して設けられる各台の遊技媒体貸出機に受け入れられた残金の一部引き出し・精算を可能とすることができる。
これにより、遊技媒体貸出機に受け入れられた現金について、残金の一部精算や、遊技者間での現金の共有、ワゴンサービス等のサービス提供時の決済等の利便性を飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る遊技用システムの構成を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る台間玉貸機及び各台計数機を備えた遊技機を示す概略正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る台間玉貸機及び各台計数機の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る台間玉貸機及び各台計数機に備えられる入力操作部の詳細を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るホールコンピュータの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るホールコンピュータで行われるICカード読取時の遊技媒体の価値換算処理の具体例を示す説明図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る各台計数機(台間玉貸機)で発行される記録媒体の発行動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機で計数済みの遊技媒体から所望の遊技媒体数を指定して出玉引落に係るICカードを発行する場合である。
【図8】本発明の一実施形態に係る各台計数機(台間玉貸機)で発行される記録媒体の発行及び読取動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機で計数済みの遊技媒体から所望の遊技媒体数を指定して出玉引落に係るICカードを発行するとともに、発行されたICカードを読み取り遊技媒体データの合算を行う場合である。
【図9】本発明の一実施形態に係る各台計数機(台間玉貸機)で発行される記録媒体の発行動作の具体例を示す説明図であり、台間玉貸機に投入済みの現金遊技から所望の金額を指定して現金引落に係るICカードを発行する場合である。
【図10】本発明の一実施形態に係る各台計数機(台間玉貸機)で発行される記録媒体の発行及び読取動作の具体例を示す説明図であり、台間玉貸機に投入済みの現金遊技から所望の金額を指定して現金引落に係るICカードを発行するとともに、発行されたICカードを読み取り現金データの合算を行う場合である。
【図11】本発明の一実施形態に係る各台計数機(台間玉貸機)で発行される記録媒体の発行動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機で計数済みの遊技媒体から所望の遊技媒体数を指定するとともに、台間玉貸機に投入済みの現金遊技から所望の金額を指定して出玉引落・現金引落に係るICカードを発行する場合である。
【図12】本発明の一実施形態に係る各台計数機(台間玉貸機)で発行される記録媒体の発行動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機で計数済みの遊技媒体から所望の遊技媒体数を指定するとともに、台間玉貸機に投入済みの現金遊技から所望の金額を指定して出玉引落・現金引落に係るICカードを発行し、発行されたICカードを読み取り遊技媒体データ・現金データの合算を行う場合である。
【図13】本発明の一実施形態に係る遊技用システムにおける各台計数機で計数された遊技媒体又は台間玉貸機に投入された現金によりサービス景品が行われた場合の管理装置(ホールコンピュータ)の景品交換履歴データを示す説明図であり、(a)は時間別景品交換履歴データ、(b)は一日のトータル景品交換履歴データを示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る遊技用システム及びこの遊技用システムに備えられる遊技媒体貸出機の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
ここで、以下の実施形態に示す本発明の遊技用システムは、プログラム(ソフトウェア)に制御されたコンピュータにより動作するようになっている。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような本発明の所定の処理、例えば、遊技媒体貸出機に投入される現金金額データや各台計数機で計数される遊技媒体数の管理装置(カード管理機・ホールコンピュータ)への送受信、管理装置における遊技媒体貸出機・各台計数機毎の残金・遊技媒体数の記憶・抽出・演算(加算・減算)・更新等を行わせる。
このように、本発明に係る遊技用システムにおける各処理,動作は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段により実現されるものである。なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
【0021】
[遊技用システム]
図1は、本実施形態に係る遊技用システムの構成を模式的に示す説明図であり、図2は、本実施形態に係る台間玉貸機及び各台計数機を備えたパチンコ機を示す概略正面図である。また、図3は、図2に示す本実施形態の台間玉貸機及び各台計数機の内部構成を示す機能ブロック図である。
これらの図に示す本実施形態に係る遊技用システム1は、複数の遊技機が設置される遊技場(ホール)に備えられるシステムであって、図1に示すように、遊技機として複数のパチンコ機100が列設されるとともに、各パチンコ機100に対して一対一に対応して各台計数機10と台間玉貸機20が備えられるようになっている。
また、各パチンコ機100には、それぞれ台コンピュータ30が備えられ、複数の台コンピュータ30が、ネットワークを介して島コンピュータ40に接続されている。さらに、島コンピュータ40が接続されるネットワークには、ホールコンピュータ50、景品交換装置60、計数値管理装置70、カード管理機90の各機器・装置がデータ通信可能に接続されている。
そして、本実施形態では、各パチンコ機100に対応して備えられる各台計数機10で計数された遊技媒体や台間玉貸機20に投入された現金について、任意に引き出し可能とすることにより、遊技媒体の共有や景品交換・現金精算の利便性を向上させることができるものである。
【0022】
[パチンコ機]
パチンコ機100は、本発明を適用可能な遊技機の一例であり、本実施形態では、複数のパチンコ機100が、遊技場内に所定のレイアウトで列設され、所定数のパチンコ機100が一単位として所謂遊技機島を構成するようになっている。
なお、パチンコ機100は、任意の構成・機種・遊技形態等のものが採用可能であり、例えば、表示器に特定の図柄が表示されると所定の入賞口が開放する所謂「セブン機」や、遊技盤面の特定の入賞口にパチンコ玉が入ると羽根と呼ばれる動作部が繰り返し動作を行う所謂「羽根物機」等、各種のパチンコ機があり、いずれのパチンコ機であっても本実施形態に係る遊技用システムに適用可能である。
【0023】
図2に示すように、パチンコ機100の正面には、高さ方向上下に上皿101及び下皿102が備えられている。
上皿101は、パチンコ機100の遊技盤面の下側に配設され、パチンコ機100の遊技に使用するパチンコ玉を貯留するための玉貯留部である。
具体的には、上皿101には、後述する台間玉貸機20から貸し出される貸出玉と、パチンコ機100から払い出される獲得玉、及び各台計数機10で計数されたものを再度使用する返却玉のそれぞれが払い出されて、上皿101内に貯められるようになっている。
そして、遊技者がパチンコ機100の発射ハンドル100aを操作することにより、上皿101に貯められたパチンコ玉が1球ずつパチンコ機100の遊技盤面に弾球・発射されて、パチンコ遊技が行えるようになっている。
【0024】
下皿102は、上皿101に貯留仕切れずにあふれたオーバーフロー玉が貯留される玉貯留部である。
また、この下皿102には、図示しないレバー操作等の所定の操作により、上皿101に貯留されている貯留玉を流し込むことができるようになっている。
さらに、下皿102の底面側には、図2に示すように、後述する各台計数機10の計数玉受入部10bが配設されており、図示しないレバー操作等の所定の操作を行うことにより下皿102の底面が開口し、下皿102に貯留されているパチンコ玉を各台計数機10の計数玉受入部10bの投入口12aに落下させて流し込むことができるようになっている。
【0025】
この計数玉受入部10bの投入口12aは、後述するように各台計数機10内に備えられた計数部12(図3参照)に連通しており、投入口12aに落下・流入したパチンコ玉は、計数部12に搬送されて計数処理された後、遊技場側に回収されるようになっている。
従って、遊技者は、遊技終了時や遊技中の任意のタイミングで、上皿や下皿に貯まっているパチンコ玉を各台計数機10の投入口12aに流し込んで、持ち玉の計数を随時行うことができる。
これにより、遊技者は、計数のために離れた場所にある計数機までパチンコ玉を持ち歩く必要がなくなり、任意のタイミングで随時、手持ちのパチンコ玉を計数処理することができ、計数処理についての負担のない快適な遊技が行えるようになる。
【0026】
[各台計数機・台間玉貸機]
各台計数機10は、パチンコ機100と一対一に対応して備えられた、対応するパチンコ機100において遊技で使用されていない遊技媒体を計数するための計数手段である。
また、台間玉貸機20は、パチンコ機100と一対一に対応して備えられた、対応するパチンコ機100における遊技で使用される遊技媒体(パチンコ玉)を貸し出す貸出手段であり、本発明に係る「遊技媒体貸出機」を構成している。
以下、本実施形態に係る各台計数機10及び台間玉貸機20の具体的構成について、図2〜図4を参照して説明する。
【0027】
図2に示すように、各台計数機10はパチンコ機100に隣接(図2では左隣)して設置されるようになっており、実際にはパチンコ機100と隣接する他のパチンコ機(図示せず)との間のスペース、所謂「台間」に設置される遊技場設備である。
本実施形態の各台計数機10は、図2に示すように、パチンコ機100に隣接してパチンコ機100とほぼ同じ高さに構成される縦長の本体部10aと、この本体部10aの下端部からパチンコ機100の下皿の下側(底面側)に突出する計数玉受入部10bとを備えた正面L字形状に構成されている。
そして、計数玉受入部10bの上面のパチンコ機100の下皿102の底面の位置に、上述したように、各台計数機10内の計数部12(図3参照)に連通した投入口12aが備えられており、パチンコ機100の下皿102の底面から落下したパチンコ玉が投入口12aに落下・流入するようになっている。
投入口12aに落下・流入したパチンコ玉は、各台計数機10内部の計数部12により計数処理され、その後遊技場側に回収されるようになっている。
【0028】
また、台間玉貸機20は、各台計数機10の縦長の本体部10aとパチンコ機100との間(台間)に備えられる遊技媒体貸出機であり、本実施形態では、各台計数機10の本体部10aとほぼ同様の大きさの遊技媒体貸出機が備えられている。
ここで、台間玉貸機20は、各台計数機10と別体に形成された玉貸機を隣接等して配置するようにしてもよく、各台計数機10と一体的に構成されるようにしてもよい。また、各台計数機10自体に玉貸機の構成・機能を備えるようにしてもよい。
【0029】
各台計数機10の本体部10aの正面には、図2に示すように、入力操作部13、カード発行・読取部14、ノズル15aの各部が備えられている。
また、各台計数機10の本体部10aと隣接する台間玉貸機20側の正面には、紙幣投入口21a、会員カード読取部23が備えられている。
また、各台計数機10及び台間玉貸機20の内部構成は、図3に示すように、本実施形態では一体的に構成されており、制御部11、計数部12、入力操作部13、カード発行・読取部14、返却部15、記憶部16、通信部17、現金受入部21、玉貸出部22、会員カード読取部23が備えられるようになっている。
【0030】
制御部11は、各台計数機10の各部の制御を行う制御手段であり、中央演算処理装置(CPU)等を備えるコンピュータにより構成される。
計数部12は、投入口12aに投入されたパチンコ玉を計数・カウントする計数手段であり、本発明に係る「計数手段」を構成している。
具体的には、計数部12は、パチンコ玉が流入・転動可能な玉流路にセンサ(例えばフォトインタラプタや近接センサ等)が配設され、センサを通過するパチンコ玉が検知されて計数されるようになっている。
この計数部12の計数結果は、計数値信号として出力され、記憶部16に記憶されるとともに、通信部17及びネットワークを介して、後述するホールコンピュータ50や計数値管理装置70に送信される(図1参照)。
【0031】
入力操作部13は、各台計数機10の本体部10aの正面に配設された遊技者が入力操作可能な入力手段である。具体的には、入力操作部13は、対応するパチンコ機100に対して貸出可能なパチンコ玉、すなわち、各台計数機10で計数済みのパチンコ玉や、他の各台計数機10で発行されたICカード2により特定・譲渡されたパチンコ玉、会員カードに貯玉(貯留)されていたパチンコ玉等のパチンコ玉数から引き落とす(譲渡する)引落出玉(譲渡出玉)の玉数(引落出玉数:本発明に係る引落遊技媒体数)や、対応するパチンコ機100に対するパチンコ玉の貸出に使用可能な金額、すなわち、台間玉貸機20に投入済みの現金や、他の各台計数機10で発行されたICカード2や所定のプリペイドカード等により特定・譲渡される現金相当の有価価値から引き落とす(譲渡する)引落現金(譲渡現金)の金額(引落金額:本発明に係る引落金額)の指定・入力等を行う、後述するICカードの発行操作等を行うための手段であり、本発明に係る「入力手段」を構成している。
【0032】
このように、各台計数機10で計数済みのパチンコ玉や、他の各台計数機10で発行されたICカード2により特定・譲渡されたパチンコ玉、会員カードに貯玉(貯留)されていたパチンコ玉等の、各台計数機10が対応するパチンコ機100に対して貸出可能なパチンコ玉数が、本発明に係る対応する当該遊技機(パチンコ機100)に対して貸出可能な「所定の貯留遊技媒体数」である。
また、台間玉貸機20に投入済みの現金や、他の各台計数機10で発行されたICカード2や所定のプリペイドカード等により特定・譲渡される現金相当の有価価値等の、各台計数機10が対応するパチンコ機100に対するパチンコ玉の貸出に使用可能な金額が、本発明に係る対応する当該遊技機(パチンコ機100)に対する遊技媒体の貸出に使用可能な「所定の貯留金額」である。
【0033】
図4は、本実施形態に係る各台計数機10に備えられる入力操作部13の詳細を示す正面図である。
同図に示すように、入力操作部13は、表示部13aとキー入力部13bとを備えている。
表示部13aは、計数済みのパチンコ玉数や、投入済みの現金や計数済みの玉数、指定された引落出玉数や引落金額の値を表示するための表示手段であり、例えば液晶表示パネルやLED等で構成されている。
この表示部13aには、計数部12で計数済みのパチンコ玉数や、紙幣投入口21aから投入されて現金受入部21で受入された現金のうち、パチンコ玉の貸出に使用されていない残金額等の所定情報が表示され、遊技者は、表示部13aの表示内容を視認・確認しながら、遊技者は所望の引落出玉数や引落金額の指定・入力・変更等の操作が行えるようになっている。
【0034】
キー入力部13bは、引落出玉数や引落金額の値を指定・入力するための入力手段であり、例えば、押下操作可能な物理キーやタッチ操作可能なボタンを備えたタッチパネル等で構成されている。
具体的には、本実施形態では、図4に示すように、キー入力部13bのキー(ボタン)として、数字入力用のテンキー、金額を指定する「円」キー、玉数を指定する「玉」キー、玉数指定・金額指定を追加するための「追加」キー、ワゴンサービス用のICカード発行を指定する「サービス」キー、出玉引落(出玉譲渡)のためのICカード発行を指定する「出玉引落」キー、現金引落(現金譲渡)のためのICカード発行を指定する「現金引落」キー、最終的なICカードの発行を確定・指示する「発行」キー、投入した現金の範囲でパチンコ玉の貸出を指示する「貸出」キー、計数処理された玉数の範囲でパチンコ玉の返却(再貸出)を指示する「戻し」キー等が備えられている。
【0035】
そして、このようなキー入力部13bを遊技者が入力操作することで、玉貸処理や返却処理等の通常の処理動作の他、出玉引落(出玉譲渡)や現金引落(現金譲渡)等の本発明に係る所望の処理動作を入力・指定して実行させることができるようになっている。
具体的には、計数済みのパチンコ玉から一部又は全部のパチンコ玉を引き出す出玉引落(出玉譲渡)処理を行う場合には次のような入力操作が行われる。
まず、遊技者は「出玉引落」キーを操作する。
「出玉引落」キーが操作されると、表示部13aには、既に計数処理された計数済みのパチンコ玉数や、他の各台計数機10で発行されたICカード2により特定・譲渡されたパチンコ玉、会員カードに貯玉(貯留)されていたパチンコ玉等の当該パチンコ機100に貸出可能な貯留パチンコ玉数(本発明に係る貯留遊技媒体数)が表示される。そして、遊技者はその貯留パチンコ玉数を上限とした任意の数を、テンキーを操作して値(引落出玉数)を指定することができる。また、指定した玉数に追加がある場合には、「追加」キーを操作することで、追加の玉数が指定可能となる。
【0036】
指定した玉数で誤り等がなければ「発行」キーを操作することで、指定した玉数を特定する所定情報が書き込まれたICカード2が、後述するカード発行・読取部14から発行される。また、指定された玉数データ(引落出玉数データ)は、発行されたICカード2を特定する所定の識別情報とともに記憶部16に記憶されるとともに、通信部17から台コンピュータ30、島コンピュータ40を介して、ホールコンピュータ50に送信される(図1参照)。
そして、引落出玉数データを受信したホールコンピュータ50では、対応する遊技機の計数済みの玉数等の貯留パチンコ玉数データから引落出玉数が減算され、玉数データが更新される。
【0037】
また、紙幣投入口21aから投入して台間玉貸機20に受け入れられた現金や、他の各台計数機10で発行されたICカード2や所定のプリペイドカード等により特定・譲渡される現金相当の有価価値等のうち、未だ貸玉に使用されていない残金(貯留金額)がある場合に、その未使用の残金(貯留金額)から一部又は全部の現金を引き出す現金引落(現金譲渡)処理を行う場合には次のような入力操作が行われる。
まず、遊技者は「現金引落」キーを操作する。
「現金引落」キーが操作されると、表示部13aには、紙幣投入口21aに投入され現金受入部21で受入済みの現金等のうち、未だパチンコ玉の貸出に使用されていない残金額(貯留金額)が表示され、遊技者はその残金額を上限とした任意の数をテンキーを操作して値(引落金額)を指定することができる。また、指定した金額に追加がある場合には、「追加」キーを操作することで、追加の金額が指定可能となる。
【0038】
指定した金額で誤り等がなければ「発行」キーを操作することで、指定した金額を特定する所定情報が書き込まれたICカード2が、カード発行・読取部14から発行される。また、指定された金額データ(引落金額データ)は、発行されたICカード2を特定する所定の識別情報とともに記憶部16に記憶されるとともに、通信部17から台コンピュータ30、島コンピュータ40を介して、カード管理機90に送信される(図1参照)。
そして、引落金額データを受信したカード管理機90では、対応する遊技機の投入済みの金額データから引落金額が減算され、貯留金額(残金)データが更新される。
【0039】
さらに、計数済みのパチンコ玉等の貯留パチンコ玉数や投入・受入済みの現金の残金等の貯留金額により、景品交換サービスを受ける場合には次のような入力操作が行われる。
まず、遊技者は「サービス」キーを操作し、続いて「出玉引落」キー又は「現金引落」キーを操作する。
「出玉引落」キー又は「現金引落」キーが操作されると、表示部13aには、引落可能なパチンコ玉数又は残金額が表示され、遊技者はそのパチンコ玉数又は残金額を上限とした任意の数をテンキーを操作して値(玉数又は金額)を指定することができる。また、指定したパチンコ玉数又は金額に追加がある場合には、「追加」キーを操作することで、追加指定ができる。
【0040】
指定した玉数又は金額で誤り等がなければ「発行」キーを操作することで、指定した玉数又は金額を特定する所定情報が書き込まれたICカード2が、カード発行・読取部14から発行される。指定された玉数データ又は金額データは、発行されたICカード2を特定する所定の識別情報とともに記憶部16に記憶されるとともに、通信部17から台コンピュータ30、島コンピュータ40を介して送出され、玉数データがホールコンピュータ50に送信されるとともに、金額データがカード管理機90に送信され、ホールコンピュータ50、カード管理機90の対応する貯留玉数データ、貯留金額データが更新される(図1参照)。
【0041】
また、以上のような「出玉引落」、「現金引落」、「サービス」に係るICカード2の発行操作は、それぞれ個別に行えるとともに、「出玉引落」、「現金引落」、「サービス」のいずれか二以上の操作について共通のICカード2として発行操作を行うこともできる。
すなわち、上述した「出玉引落」、「現金引落」、「サービス」のいずれかの入力指定に続いて「追加」キーを操作することで、「出玉引落」、「現金引落」、「サービス」のいずれかの指定を同時に行うことができる。
この場合には、「出玉引落」、「現金引落」、「サービス」のうち、2以上の入力指定がされたICカード2が発行されることになる。
これにより、例えば、「出玉引落」の玉数と「現金引落」の金額を一つ(同一)のICカード2により指定・特定することができ、例えば他の遊技者に対して計数済みのパチンコ玉と投入済みの現金の双方を、一枚のICカード2によって共有・譲渡することが可能となり、譲渡を受けた遊技者は複数のICカードを持ち歩く必要がなく、複数遊技者間の遊技媒体及び現金の共有の利便性をより高めることができる。
【0042】
このようなキー入力部13bを備えることで、遊技者は、パチンコ玉の貸出や返却は勿論のこと、任意の玉数や金額を指定して、出玉引落(出玉譲渡)や現金引落(現金譲渡)、ワゴンサービスの景品交換を行うためのICカード2を発行することができる。
従って、発行されたICカード2により投入済み現金の一部精算が行え、また、発行されたICカード2を他の遊技者に引き渡すことで、計数済みのパチンコ玉等の貯留パチンコ玉数の一部譲渡(出玉譲渡)や、投入・受入済みの現金等の貯留金額の一部譲渡(現金譲渡)が行え、さらに、発行されたICカード2をワゴンサービス等を行う遊技場側の従業員に引き渡すことで、貯留パチンコ玉数や貯留金額の一部によって景品交換・商品の購入(出玉引落・現金引落)が行えるようになる。
キー入力部13bで入力される出玉引落や現金引落の数値は明確かつ正確であり、パチンコ玉数を手で数えたり、パチンコ玉の現物を持ち歩く必要もなく、何個のパチンコ玉数、いくらの現金を引き渡したか等についても当事者間で明確に把握・認識することができ、きわめて利便性の高い出玉や現金の共有・譲渡を実現することができる。
【0043】
なお、入力操作部13の構成については、図4に示したものに限定されず、入力手段としての機能を果たす限り任意の構成とすることができる。
例えば、本実施形態では、入力操作部13は各台計数機10の正面部に備えられるようになっているが、入力操作部13は他の部位に備えられる場合でも良い。具体的には、台間玉貸機20の正面にタッチパネル式の入力手段を設けて入力操作部13とすることができ、また、各台計数機10や台間玉貸機20を含む台間機に備えられる表示入力手段(所謂台間表示機・テレビサンド)を設けて入力操作部13として機能させることもできる。さらに、入力操作部13を各台計数機10や台間玉貸機20から着脱可能・携帯可能な携帯型・リモコン型の入力操作部13とすることもできる。
【0044】
また、キー入力部13bのキー構成は、図4に示したものに限らず、ワゴンサービスで交換可能な景品名(例えば、「コーヒー」、「ジュース」、「タバコ」等)を指定する景品名キーを備えることもできる。
また、表示部13aとキー入力部13bとを単一の液晶表示装置により構成し、キー入力部13bをタッチパネル表示とし、キー入力操作を行わない場合には、他の表示、例えば、遊技に関連した演出表示や告知表示、宣伝広告表示等を表示させることもできる。
【0045】
カード発行・読取部14は、上述した入力操作部13の入力操作に応じて所定のICカード2(図1参照)を発行するとともに、いずれかの各台計数機10で発行されたICカード2の読取処理を行うICカード用リーダライタとして機能する手段であり、本発明に係る「記録媒体発行手段」及び「記録媒体読取手段」を構成する。
具体的には、カード発行・読取部14は、上述した入力操作部13の入力操作に応じて、所定のICカード2を発行する。
【0046】
カード発行・読取部14には、予め複数のICカード2が未発行状態で格納されており、入力操作部13の入力操作に応じて所定情報が書き込まれた所定のICカード2が発行される。
また、カード発行・読取部14には、当該カード発行・読取部14又は他の遊技機に対応するカード発行・読取部14で発行された発行済みのICカード2が挿入され受け入れられるようになっている。受け入れられたICカード2は、カード発行・読取部14により当該ICカード2に書き込まれた所定情報が読み出されて、カード発行・読取部14内に格納され、入力操作部13の入力操作に応じて、再度新たなICカード2として発行されるようになっている。
【0047】
ICカード2は、カード基板に所定の情報を書き込み・書き換え可能なICチップを搭載した記録媒体であり、本発明に係る「記録媒体」を構成する。
本実施形態では、このICカード2に対して、カード発行・読取部14が、入力操作部13で指定された「出玉引落」に係る計数済みのパチンコ玉数や他の各台計数機10で発行されたICカード2により譲渡・合算されたパチンコ玉、会員カードに貯玉(貯留)されていたパチンコ玉等の当該パチンコ機100に貸出可能な貯留パチンコ玉数を上限とした任意のパチンコ玉数(引落出玉数)、又は「現金引落」に係る現金受入部21で受入済みの現金や他の各台計数機10で発行されたICカード2や所定のプリペイドカード等により特定される現金相当の有価価値等のうち未だパチンコ玉の貸出に使用されていない残金額である貯留金額を上限とした任意の金額(引落金額)を特定するための所定情報を書き込むようになっている。
【0048】
ここで、本実施形態では、カード発行・読取部14により発行されるICカード2に書き込まれる所定の情報として、そのICカード2を特定する識別情報を当該ICカード2のICチップに書き込むようにしてある。
ICカード2を特定する識別情報は、例えば各ICカードに付与される固有の数字、文字、記号等からなる識別番号、識別コード等からなるもので、予め識別情報を付与・書込したICカード2を用意し、カード発行・読取部14に格納しておくことができる。また、識別情報が付与されていないICカード2を格納しておき、カード発行の都度、カード発行・読取部14により発行するICカード2に所定の識別情報を書き込むようにしてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、カード発行・読取部14は、後述する紙幣投入口21aを介して投入された現金が現金受入部21で受け入れられたり、他の各台計数機10で発行されたICカード2や所定のプリペイドカード等の有価価値を示す所定の記録媒体が挿入されると、その受け入れられた現金金額・有価価値金額で示される貯留金額をICカード2に書き込んで発行可能状態とする。
そして、その貯留金額の範囲でパチンコ玉の貸出が行われると、貯留金額のうち未だパチンコ玉の貸出に使用されていない残金額を新たな貯留金額としてICカード2に書き込んで発行可能状態とする。
【0050】
すなわち、カード発行・読取部14は、台間玉貸機20に現金や他の各台計数機10で発行されたICカード2や所定のプリペイドカード等が投入・挿入されてパチンコ玉の貸出に使用可能な貯留金額が特定・識別されると、その貯留金額と同額の金額を書き込んだICカード2を生成し発行可能状態とし、貯留金額の中からパチンコ玉の貸出が行われる都度、貸出に使用された金額を差し引いて更新された貯留金額と同額の金額を書き込んだICカード2を生成し発行可能状態とし、常に貯留金額の残金を更新したICカード2を発行可能な待機状態としておくようになっている。
これにより、例えば台間玉貸機20に現金を投入した遊技者が残金の一括精算操作を行った場合、残金金額を書き込んだICカード2が直ちに発行され、ICカード2を介して残金が返金されるようになっている。
【0051】
なお、パチンコ玉の貸出に使用されていない残金額が書き込まれて発行可能な待機状態とされるICカード2は、最初に投入金額を書き込んだICカード2に対して残金が変動する都度、金額情報を更新(上書き)することができる。
また、残金が変動する都度、新たなICカード2を生成して発行可能としてもよい。その場合は、変動前の残金を書き込んだICカード2は、書き込まれた残金情報が消去(削除)されて初期化・回収され、次に発行されるICカード2として使用されることになる。
【0052】
そして、カード発行・読取部14は、入力操作部13により受入残金の中から所定の引落金額が指定されてカード発行操作が行われると、指定・入力された引落金額を書き込んだICカード2を発行する。
さらに、カード発行・読取部14は、ICカード2が発行されると、発行されたICカード2に書き込まれた引落金額を現在の残金金額から減算して新たな残金金額として、その残金金額を新たなICカード2に書き込んで発行可能状態とする。
このようにして、カード発行・読取部14では、台間玉貸機20に現金が投入された後は、常に現在の残金金額を書き込んだICカード2が発行可能状態に準備されるとともに、その残金金額の範囲内で、入力操作部13のカード発行操作に応じて、随時、任意の引落金額が指定されたICカード2が発行されるようになる。これにより、現金引落に係るICカード2が迅速かつ正確に誤りなく発行されることになる。
【0053】
ここで、貯留金額が書き込まれて発行可能な待機状態とされるICカード2や引落金額・引落出玉数が指定されて発行されるICカード2は、カード発行・読取部14により発行される複数のICカード2が所定の発行順に格納される場合に、カード発行・読取部14が、入力操作部13によるカードの発行操作に応じてICカード2を所定の発行順に従って発行する。
また、カード発行・読取部14は、外部から挿入されて書込データが読み取られたICカード2を、格納されている発行用ICカードの所定の発行順位のカードとして回収する。
【0054】
具体的には、カード発行・読取部14により発行される複数のICカード2が所定の発行順に格納される場合に、カード発行・読取部14は、発行順が最上位のICカード2に貯留金額を書き込んで発行可能状態にするとともに、他のICカード2が挿入されて引落金額や引落パチンコ玉数が読み取られると、そのICカード2を回収して、発行順の最上位のICカードとして格納させる。
このようにすると、外部からカード発行・読取部14にICカード2が挿入されると、その挿入されたICカード2を発行順位最上位のカードとして回収・再使用して変動後の貯留金額や引落金額が書き込まれることになり、同一のICカード2が繰り返し使用されることになる。
【0055】
これにより、ICカード2の再使用・繰り返し使用が可能となり、発行用に格納しておくべきICカード2の枚数を可能な限り抑制して、ICカード2の効率的な使用・管理が可能となる。
また、このように挿入されたICカード2がデータ更新されてそのまま排出・再発行されると、遊技者が同じICカード2を繰り返し使用できることになる。すなわち、同日であれば同一の遊技者により同一のICカード2が使い回されることになり、未使用のカードが同一人に対して何枚も使用されることが防止でき、新たな遊技者には新たなカードを発行することが可能となる。
さらに、このように同一人に同一のICカード2が繰り返し発行されると、例えば遊技者がICカード2の余白部分をメモ代わりに使用するようなことも可能となり、遊技者にとってもより利便性の高いカード使用が可能となる。
【0056】
また、カード発行・読取部14は、他のICカード2が挿入されて引落金額や引落パチンコ玉数が読み取られると、そのICカード2を回収して、発行順の最下位のICカードとして格納させる。
このようにすると、外部からカード発行・読取部14にICカード2が挿入されると、その挿入されたICカード2を発行順位最下位のカードとして回収され、格納されている他のICカード2のうち発行順位が最上位のカードに変動後の貯留金額や引落金額が書き込まれることになる。
【0057】
これにより、更新後のデータが書き込まれて発行されるICカード2は、予め格納されているICカードのうちは発行順位が最上位のカードとなり、挿入されたICカードのデータの読出・消去の動作と新たなICカードへのデータの書込・更新の動作を同時並行して行うことができ、ICカード2の回収・発行動作をより高速化し行うことができ、迅速なカード発行処理が可能となる。
また、このように挿入されたICカード2は回収して発行順位最下位のカードとして格納し、格納済みカードの発行順位最上位のカードから順番に発行することで、例えば積載格納されたカードの一番下から順番に発行し、回収したカードは積載格納されたカードの一番上に搭載して回収することができ、カードの格納構造を簡略化してカード格納空間の省スペース化を図ることができ、各台計数機10が設置される制限された台間スペースを有効活用することが可能となる。
以上のようなカード発行・読取部14におけるICカード2の発行・読取・回収等の具体的動作については、後に更に詳述する(図7〜図12参照)。
【0058】
なお、本実施形態では、カード発行・読取部14では、計数済みのパチンコ玉等の貯留パチンコ玉数から一部又は全部のパチンコ玉を引き出す場合の引落出玉数については、ICカード2には書き込まれないようになっている。
入力操作部13で指定・入力される引落出玉数については、計数済みのパチンコ玉数や他の各台計数機10で発行されたICカード2により譲渡・合算されたパチンコ玉、会員カードに貯玉(貯留)されていたパチンコ玉等の当該パチンコ機100に貸出可能な貯留パチンコ玉数とともに、すべてホールコンピュータ50側にデータ送信され、ホールコンピュータ50側で記憶・管理されるようになっている。そして、発行されたICカード2に係る引落出玉数は、当該ICカード2が挿入・使用された各台計数機10(台間玉貸機20)からホールコンピュータ50へのデータ照会・問い合わせにより、引落出玉数が特定されるようになっている。
従って、カード発行・読取部14では、発行するICカード2には、引落出玉数自体を示す情報は書き込まれないようになっている。
【0059】
そして、このようなICカード2に書き込まれる識別情報や引落金額情報は、そのICカード2の発行操作に係る上述した「出玉引落」、「現金引落」、「サービス」の入力操作で指定されるパチンコ玉数又は現金金額の情報を関連付けて記憶されるようになっている。
具体的には、カード発行・読取部14によりICカード2が発行される際に、当該ICカード2の識別情報と、そのICカード2の発行操作に際して指定・入力されたパチンコ玉数又は現金金額の情報が関連付けられて、各台計数機10の記憶部16に記憶されるとともに、当該情報が、通信部17から台コンピュータ30、島コンピュータ40を介して送出される。
そして、島コンピュータ40から、パチンコ玉数データについては、対応するICカード2の識別情報とともにホールコンピュータ50に送信され、現金金額データについては、対応するICカード2の識別情報とともにカード管理機90に送信されるようになっている(図1参照)。
【0060】
以上のように、カード発行・読取部14により発行されるICカード2には、そのICカード2を特定する識別情報、引落金額情報が書き込まれるようになっているが、ICカード2には、その他の情報を書き込むようにすることもできる。
例えば、ICカード2に書き込まれる所定情報として、入力操作部13により指定される出玉引落情報に係るパチンコ玉数を示す数値情報を含ませることもできる。
このようにすると、ICカード2自体が引落出玉数情報を保有することになり、ICカード2がその後他の各台計数機10や台間玉貸機20、景品管理装置60等で使用される場合に、ホールコンピュータ50や計数値管理装置70への記録データの照会処理を省略することができ、処理の更なる高速化等を図ることが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、ICカード2には、引落金額情報が書き込まれるようになっているが、引落金額についても、引落出玉数情報の場合と同様に、ICカード2には書き込ませずに、管理装置(本実施形態の場合「カード管理機90」)に照合・問い合わせを行うようにしても良い。
このようにすると、ICカード2自体には金額情報が書き込まれないことになり、紛失・盗難等した場合にも、引落金額の不正使用等をより有効に防止してセキュリティ機能を高めることができるメリットがある。
さらに、ICカード2に書き込まれる現金情報、引落金額情報や、台間玉貸機20に投入される現金情報について、本実施形態ではカード管理機90で記憶し一括管理するようになっているが、これらの現金情報、引落金額情報を、カード管理機90とともに、あるいは、カード管理機90に代わって、ホールコンピュータ50で記憶・管理することも可能である。この場合には、ホールコンピュータ50が本発明に係る「現金管理装置」を構成することになる。
【0062】
また、以上のICカード2を発行するカード発行・読取部14は、入力操作部13でパチンコ玉数情報が指定されて出玉引落が行われる場合、指定されるパチンコ玉数(引落出玉数)が所定数以上である場合に、ICカード2を発行するようになっている。従って、出玉引落の指定・入力が行われる場合に、指定されるパチンコ玉数(引落出玉数)が所定数以下である場合には、ICカード2の発行が行われないようになっている。
同様に、カード発行・読取部14は、入力操作部13で現金金額情報が指定されて現金引落が行われる場合に、指定される現金金額(引落金額)が所定金額以上である場合に、ICカード2を発行する。従って、現金引落の指定・入力が行われる場合に、指定される現金金額(引落金額)が所定数以下である場合には、ICカード2の発行が行われない。
【0063】
ICカードは、カード基材にICチップが搭載・埋設等され、所定のコーティングや印刷等が施されるもので、一定の製造原価がかかるものである。従って、例えばパチンコ玉1個や2個、非常に小額の現金のためにICカード2の発行が繰り返されては、遊技場の経営に与える影響は少なくない。また、本来出玉の共有は所定数(例えばドル箱1個分:パチンコ玉1000〜2000個)以上のパチンコ玉を貸し借りするのが通常であり、あまりに少数の出玉共有というのは現実にはあり得ない。
一方、ワゴンサービスの景品交換に出玉引落や現金引落を使用する場合には、比較的少数のパチンコ玉や小額の現金によるカード発行の必要が考えられるが、その場合でも一定の値以上のパチンコ玉や金額は必要になる。例えば、ワゴンサービスの景品交換でもっとも小額の景品であるコーヒーでも、コーヒー1杯分の代金は200円程度はするもので、200円相当分のパチンコ玉が50個であれば、少なくとも、その程度以上の個数指定・金額指定によるカード発行が許容されれば問題はない。
【0064】
そこで、本実施形態では、出玉ICカードの製造原価や、出玉引落・現金引落される可能性のある最低個数・金額等を考慮して、所定数以上のパチンコ玉数、所定金額以上の現金金額が指定された場合に限り、ICカード2の発行を許容・実行し、所定数以下のパチンコ玉数が指定された場合や、所定金額以上の現金金額が指定された場合には、ICカード2の発行を行わないようにしている。
具体的には、例えばパチンコ玉数の場合は10個以上、現金金額であれば100円以上が指定された場合に限り、ICカード2を発行するようにし、それ以下の値が指定された場合にはICカード2を発行しないようにする。
これにより、ICカード2の無用な濫発行を防止して、本システムを導入する遊技場の健全な経営が維持・向上させることができるようになっている。
【0065】
なお、このようなICカード2の発行制限を行う引落出玉数や引落金額は、任意の値を設定することができ、また、引落出玉数や引落金額によるカード発行制限を設けないこともできる。
また、このようなICカード2の発行制限の有無を切替・選択可能に構成することができる。この場合には、各台計数機10等にカード発行制限の有無を選択可能に切り替える切替手段を設けることができ、遊技場の従業者等が随時切替可能とすることもできる。
すなわち、カード発行・読取部14は、切替手段等による所定の切替操作に応じて、入力操作部13で指定される引落出玉数が所定数以上・引落金額が所定金額以上である場合にICカード2を発行するようにすることができる。
これにより、営業方針等に応じたより柔軟なカード発行サービスを提供することが可能となる。
【0066】
また、以上のような本実施形態に係るICカード2は、本発明に係る「記録媒体」の一例であり、上述したICカード以外の形態を取ることも勿論可能である。すなわち、入力操作部13により指定・入力されたパチンコ玉数や現金金額を特定するための所定情報を読み書き可能な記録媒体であれば、ICカード以外の形態のものであっても良い。ICカード以外の形態としては、例えばICチップを実装・搭載する基材をコイン(メダル)型にしたICコインや、情報の読み書きに磁気データを使用する磁気カード、所定情報をバーコードや二次元コードで記載・印刷したカード等、所定情報が読み書き可能な記録媒体であればどのようなものであっても良い。
【0067】
また、記録媒体としては、例えば携帯電話機やPDAなどの携帯端末・無線通信端末により構成することもできる。
また、このように記録媒体を携帯端末により構成する場合には、カード発行・読取部14は、記録媒体となる携帯端末に対して引落出玉数データ・引落金額データを送信して書き込み、また、携帯端末に書き込まれた引落出玉数データ・引落金額データを受信して読み取るリーダライタ機能を備えた装置等により構成される。
そして、この場合には、記録媒体となる携帯端末に対する引落出玉数データ・引落金額データの送信・書込が、上述したICカード2の生成・発行に相当するものであり、また、記録媒体となる携帯端末に書き込まれた引落出玉数データ・引落金額データの受信・読取が、上述したICカード2の挿入・受入・読込に相当する。
また、このように携帯端末が記録媒体を構成する場合には、その携帯端末に予め付与された所定の識別情報、例えば遊技場側で付与されて携帯端末に設定される会員番号や、その携帯端末の電話番号・メールアドレス・端末機器番号等が、上述したICカード2に書き込まれる識別情報に相当することになる。
【0068】
返却部15は、入力操作部13の「戻し」キーの操作に応じて、既に計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数を上限として、入力操作部13で指定された所定の玉数のパチンコ玉を返却(再貸出)するための手段である。
具体的には、返却部15は、遊技者に返却(再貸出)するパチンコ玉の返却数をカウントするカウント手段(例えばフォトインタラプタや近接センサ等のセンサ)を備えており、入力操作部13の「戻し」キーが操作されると、計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数を上限として、入力操作部13で指定された所定の玉数のパチンコ玉をセンサによりカウントし、所定数のパチンコ玉をパチンコ機100の上皿101に排出・返却する。
返却部15で返却されたパチンコ玉数は、返却数信号として出力され、台コンピュータ30、島コンピュータ40を介してホールコンピュータ50に入力され(図1参照)、既にホールコンピュータ50に記憶されている該当する各台計数機10での計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数から減算される。
【0069】
記憶部16は、各台計数機10で処理される各種信号・データを保持・記憶するための記憶手段であり、RAM、ROM、ハードディスク等により構成される。
ここで、各台計数機10に備えられる記憶部16は、上述したように、カード発行・読取部14によりICカード2が発行される際に、当該ICカード2の識別情報と、そのICカード2の発行操作に際して指定・入力された出玉引落に係るパチンコ玉数(引落出玉数)又は現金引落に係る現金金額(引落金額)の情報が関連付けられて、各台計数機10の記憶部16に記憶されるようになっている。このICカード2の発行に係るパチンコ玉数又は現金金額の情報は、本実施形態では、ICカード2の識別情報とともに最終的にホールコンピュータ50又はカード管理機90で記憶・管理されるようになっている。このため、各台計数機10の記憶部16において記憶・保持されるICカード2に係るパチンコ玉数、現金金額、カードの識別情報等は、ホールコンピュータ50又はカード管理機90に格納後は必要なくなる。従って、これらの情報は、ホールコンピュータ50又はカード管理機90に送出・格納後は、記憶部16からは消去することができる。これにより、記憶部16が不要・無用な情報により格納領域が占有されて各台計数機10における記憶領域の容量が不足したりデータ処理速度が低下する等の不具合が発生することを未然に防止することができる。
【0070】
但し、各台計数機10の各記憶部16において、その各台計数機10で発行されるICカード2に関する出玉引落に係るパチンコ玉数、現金引落に係る現金金額、及び当該ICカードの識別情報等を記憶・管理することも可能である。その場合には、各台計数機10の記憶部16が、本発明に係る「遊技媒体管理装置」、「現金管理装置」を構成することになる。
このように、発行済みのICカード2の出玉引落に係るパチンコ玉数、現金引落に係る現金金額、ICカードの識別情報等を各台計数機10の記憶部16で記憶・管理することで、ホールコンピュータ50やカード管理機90の負荷を低減できるとともに、各台計数機10が自ら備える記憶部16においてデータの記憶・参照・更新等を行えるので、データ処理をより高速化することが可能となる。
【0071】
通信部17は、各台計数機10を対応する台コンピュータ30と接続し、台コンピュータ30との間でデータの送受信を行うデータ通信手段である。
なお、通信部17と台コンピュータ30との接続は、通常はケーブル等を介して有線接続されるが、データ通信が可能である限り無線により接続することもできる。
そして、この通信部17から、各台計数機10及び台間玉貸機20で生成・出力された計数値データ及び現金データが送出され、台コンピュータ30・島コンピュータ40を介して、ホールコンピュータ50、景品交換装置60、計数値管理装置70又はカード管理機90所定の機器・装置に送信されることになる。
【0072】
台間玉貸機20は、パチンコ機100と一対一に備えられたパチンコ玉の貸出手段であり、具体的には、図3に示すように、現金受入部21、玉貸出部22、会員カード読取部23の各部を備えている。
現金受入部21は、台間玉貸機20の正面に備えられた紙幣投入口21a(図2参照)を介して投入される現金(紙幣)を読み取り、投入された金額を受入金額として受け入れる。受け入れられた現金の金額データは記憶部16に記憶される。
そして、現金受入部21は、受け入れた現金の金額に相当するパチンコ玉数を上限値として、入力操作部13で指定された所定数のパチンコ玉を玉貸部22から貸し出させるように制御する。この現金受入部21が本発明に係る「現金受入手段」を構成する。
【0073】
玉貸出部22は、パチンコ機100と一対一に対応して備えられた、当該パチンコ機100における遊技で使用されるパチンコ玉を貸し出す貸出手段であり、本発明に係る「貸出手段」を構成している。
具体的には、玉貸出部22は、現金受入部21からの制御により、入力操作部13で指定された所定数のパチンコ玉をノズル15a(図2参照)又はパチンコ機内部からパチンコ機100の上皿に直接払い出して貸出するようになっている。
例えば、パチンコ機100や入力操作部13に備えられた「貸出」ボタン(図4参照)を押下操作する毎に、所定金額(例えば500円)に相当する所定数のパチンコ玉(例えば125玉)が、ノズル15aやパチンコ機内部からパチンコ機100の上皿に払い出される。従って、遊技者は、「貸出」ボタンの押下操作を繰り返すことで、貯留金額の範囲で所望のパチンコ玉数を繰り返し払い出して貸出を受けることができる。
この玉貸出部22から貸出されたパチンコ玉数は、貸玉数信号として記憶部16に記憶されるとともに、通信部17、台コンピュータ30、島コンピュータ40を介して、ホールコンピュータ50に入力され(図1参照)、その貸出数情報が記憶・管理される。
【0074】
会員カード読取部23は、遊技場で会員に対して発行される会員カードを読み取り、各種の処理動作を行うための手段であり、カードリーダライタとして機能する。具体的には、会員カード読取部23は、所定の会員カードが挿入可能となっており、会員カードが挿入されると、当該カードに記憶された各種の情報、例えば当該会員の識別情報や当該会員の貯玉情報等を読み出す。そして、この会員カード読取部23で会員カードが読み取られた遊技者には、会員向けの各種サービス、例えば遊技機情報の閲覧や貯玉の引出(再プレイ)等のサービスが提供される。すなわち、会員カードに読み取られた貯玉数は、当該パチンコ機100に対して貸出可能なパチンコ玉数として貯留パチンコ玉数に合算され、パチンコ玉の貸出やICカード2による出玉引落に使用することができる。
この会員カード読取部23で読み取られた所定の会員情報は、通信部17、台コンピュータ30、島コンピュータ40を介して、ホールコンピュータ50に入力されて記憶・管理される(図1参照)。
【0075】
なお、この会員カード読取部23で読み取り可能な会員カードは、カードの構成や機能、会員の内容等は特に限定されない。
例えば、会員カードは、ICカードや磁気カード、バーコード等を表示したカード等、所定の会員情報等を読み書き可能な記憶媒体であれば、どのような構成のカードであってもよい。
また、会員カードは、氏名や電話番号等を登録した正規の会員に発行される本来の会員カードや、遊技場に来店した当日のみ有効となるビジターカード、所定の金額で販売されるプリペードカード等、会員の内容や種類などに応じて発行される各種カードが含まれる
さらに、会員カード読取部23は、上述したカード発行・読取部14と同一(単一)の装置(カードリーダライタ)により構成することもできる。その場合には、各台計数機10・台間玉貸機20の正面に備えられるカード挿入口(図2参照)は一つとなる。
【0076】
また、会員カードについても、上述したICカード2の場合と同様に、例えば携帯電話機やPDAなどの携帯端末・無線通信端末により構成することもできる。
この場合、カード読取部23は、会員カードとして機能する携帯端末に対して所定のデータを送信して書き込み、また、携帯端末に書き込まれた所定のデータを受信して読み取るリーダライタ機能を備えた装置等により構成されることになる。
また、このように携帯端末が会員カードを構成する場合には、遊技場側で付与された所定の会員番号等の会員識別情報が、携帯端末に記録・設定されることになる。
【0077】
[台コンピュータ]
台コンピュータ30は、パチンコ機100に対して一対一に対応して1台ずつ備えられる情報処理装置からなり、所謂「台コン」と呼ばれる、パチンコ機100とホールコンピュータ50、カード管理機90等を結ぶ中継装置である。
具体的には、台コンピュータ30は、パチンコ機100及び各台計数機10(台間玉貸機20を含む)から入力される信号に基づいて、パチンコ機100及び各台計数機10の状態を検出するとともに、検出した各種の状態を示す情報(状態信号)や、各台計数機10からの計数情報等を受信・記憶するとともに、それらの情報をネットワークを介して島コンピュータ40に送信する。
【0078】
そして、台コンピュータ30から送信される各種の情報・信号は、島コンピュータ40に中継された後、ネットワーク接続されたホールコンピュータ50や、景品交換装置60、計数値管理装置70、又はカード管理機90の所定の機器・装置に受信される。
例えば、パチンコ機100から出力される各種の遊技状態を示す遊技信号は、ネットワーク、島コンピュータ40を経由してホールコンピュータ50に中継・入力される。また、各台計数機10で生成・出力されるパチンコ玉の計数情報やICカードの識別情報は、ネットワーク、島コンピュータ40を経由してホールコンピュータ50に入力されるとともに、計数値管理装置70にも入力される。さらに、台間玉貸機20で生成・出力される受け入れられた現金やパチンコ玉の貸出に使用された現金・残金等の現金情報は、ネットワーク、島コンピュータ40を経由してカード管理機90に入力される。
【0079】
なお、台コンピュータ30は、本実施形態では、各パチンコ機100・各台計数機10・台間玉貸機20とホールコンピュータ50・カード管理機90等の中継器として機能するもので、中継データは送信すべき機器・装置に送信された後は、台コンピュータ30で記憶・管理する必要はない。
但し、台コンピュータ30において、対応するパチンコ機100の遊技情報データや各台計数機10での計数情報データ、当該各台計数機10で発行されるICカード2に関する出玉引落に係るパチンコ玉数及び当該ICカードの識別情報等を記憶して管理することも可能である。その場合には、台コンピュータ30が、後述するホールコンピュータ50とともに、あるいはホールコンピュータ50に代わって、本発明に係る「遊技媒体管理装置」を構成することになる。
同様に、台コンピュータ30において、対応するパチンコ機100の台間玉貸機20で受け入れられる現金情報データや、当該台間玉貸機20(各台計数機10)で発行されるICカード2に関する現金引落に係る現金金額及び当該ICカードの識別情報等を記憶して管理することも可能である。その場合には、台コンピュータ30が、後述するカード管理機90とともに、あるいはカード管理機90に代わって、本発明に係る「現金管理装置」を構成することになる。
【0080】
[島コンピュータ]
島コンピュータ40は、複数のパチンコ機100からなる遊技機島、すなわち「島」単位で備えられる情報処理装置からなり、所謂「島コン」と呼ばれる各パチンコ機100に備えられる台コンピュータ30とホールコンピュータ50を結ぶ中継装置である。
具体的には、島コンピュータ40は、接続下にある複数の各台コンピュータ30から送信されるパチンコ機100及び各台計数機10(台間玉貸機20を含む)から出力された信号に基づくパチンコ機100の状態を示す情報(状態信号)や、各台計数機10からの計数情報等を受信し、当該情報を島単位で記憶・管理する。
【0081】
そして、島コンピュータ40は、これら各台コンピュータ30から受信した情報・信号を、ネットワーク接続されたホールコンピュータ50や、景品交換装置60、計数値管理装置70、及びカード管理機90の所定の機器・装置に送信する。
なお、図1では、図示の便宜上、3台のパチンコ機100が一つの「島」を構成し、1台の島コンピュータ40が備えられるようになっているが、遊技機島の遊技台数が3台に限られるものではなく、また、遊技機島及びそれを管理する島コンピュータ40の数も一つに限られるものではなく、複数の遊技機島が備えられ、各遊技機島毎に島コンピュータ40が備えられるものである。
【0082】
なお、島コンピュータ40は、上述した台コンピュータ30と同様、本実施形態では、各パチンコ機100・各台計数機10・台間玉貸機20とホールコンピュータ50・カード管理機90等の中継器として機能するもので、中継データは送信すべき機器・装置に送信された後は、島コンピュータ40で記憶・管理する必要はない。
但し、島コンピュータ40において、対応する島に属するパチンコ機100の遊技情報データや各台計数機10での計数情報データ、当該各台計数機10で発行されるICカード2に関する出玉引落に係るパチンコ玉数及び当該ICカードの識別情報等を記憶して管理することも可能である。その場合には、島コンピュータ40が、ホールコンピュータ50とともに、あるいはホールコンピュータ50に代わって、本発明に係る「遊技媒体管理装置」を構成することになる。
同様に、島コンピュータ40において、対応する島に属するパチンコ機100の台間玉貸機20で受け入れられる現金情報データや、当該台間玉貸機20(各台計数機10)で発行されるICカード2に関する現金引落に係る現金金額及び当該ICカードの識別情報等を記憶して管理することも可能である。その場合には、島コンピュータ40が、カード管理機90とともに、あるいはカード管理機90に代わって、本発明に係る「現金管理装置」を構成することになる。
【0083】
[ホールコンピュータ]
ホールコンピュータ50は、遊技場を管理するための管理装置を構成する情報処理装置からなり、中央演算処理装置(CPU)や記憶手段(ROM、RAM、ハードディスク等)、入力手段(キーボード、ポインティングデバイス等)、出力手段(ディスプレイ、プリンタ等)を備えている。このホールコンピュータ50が、本発明に係る「遊技媒体管理装置」を構成している。
具体的には、ホールコンピュータ50は、ネットワークを介して島コンピュータ40、景品交換装置60、計数値管理装置70、カード管理機90とデータ通信可能に接続され、各機器と所定のデータ通信を行う。
【0084】
図5は、本実施形態に係るホールコンピュータ50の概略構成を示す機能ブロック図である。
同図に示すように、ホールコンピュータ50は、制御部51、通信部52、記憶部53、入力操作部54、出力表示部55等の各部を備える構成となっている。
制御部51は、ホールコンピュータ50の各部の制御を行う制御手段であり、中央演算処理装置(CPU)等を備えるコンピュータにより構成される。
通信部52は、島コンピュータ40、景品交換装置60、計数値管理装置70、カード管理機90が接続された遊技場内のネットワーク(LAN等)に接続され、島コンピュータ40、景品交換装置60、計数値管理装置70、カード管理機90との間でデータの送受信を行うデータ通信手段である。この通信部52により、ホールコンピュータ50は、島コンピュータ40を介して複数の台コンピュータ30とデータ送受信可能に接続され、各台コンピュータ30に対応するパチンコ機100や各台計数機10で生成された各種データが、ホールコンピュータ50に送信され記憶・管理されるようになっている。
なお、通信部52と遊技場内ネットワークとの接続は、通常はケーブル等を介して有線接続されるが、データ通信が可能である限り無線により接続することもできる。
【0085】
記憶部53は、ホールコンピュータ50で処理される各種信号・データを保持・記憶するための記憶手段であり、RAM、ROM、ハードディスク等により構成される。
入力操作部54は、操作者がホールコンピュータ50に対する入力操作を行うための入力手段であり、キーボードやマウス(ポインティングデバイス)等で構成される。
出力表示部55は、ホールコンピュータ50におけるデータ処理結果を操作者が視認できるように出力・表示するための出力表示手段であり、液晶ディスプレイ等からなる表示装置や、表示装置の表示結果を所定の用紙や帳票類に印字出力するプリンタ等が含まれる。
【0086】
そして、以上のような構成からなるホールコンピュータ50により、各パチンコ機100や各台計数機10で生成・出力された各種の遊技データや計数値データが、台コンピュータ30・島コンピュータ40を介してホールコンピュータ50に送信・入力され、これらのデータがホールコンピュータ50で記憶・管理されることになる。
具体的には、ホールコンピュータ50は、島コンピュータ40から送信されるパチンコ機100及び各台計数機10から生成・出力される各種情報・信号を受信し、また、景品交換装置60からの景品交換情報を通信部52を介して受信して、記憶部53に記憶する。
例えば、ホールコンピュータ50は、パチンコ機100及び各台計数機10から、台コンピュータ30及び島コンピュータ40を介して送信される、遊技信号(大当り信号、確変信号、セーフ信号、アウト信号)、貸玉数信号、計数信号、再プレイ玉数信号等を収集して、所定の遊技データを集計・管理する。これにより、遊技場に設置されるすべての各台計数機10におけるパチンコ機毎の貸出数及び取得数が、ホールコンピュータ50に集計・管理されることになる。
【0087】
このように、ホールコンピュータ50では、遊技場に設置される複数のパチンコ機100や他の遊技機に関する各種情報を、パチンコ機・遊技機毎に記憶・管理しており、各パチンコ機100に対応して備えられる各台計数機10に関する情報も、対応するパチンコ機100の情報とともに、パチンコ機毎に記憶・管理されるようになっている。従って、このホールコンピュータ50が、本発明に係る計数手段で計数された遊技媒体数を遊技機単位で記憶する「遊技媒体管理装置」を構成している。
そして、本実施形態のホールコンピュータ50では、上述したカード発行・読取部14においてICカード2が発行される際に、当該ICカード2の識別情報と、そのICカード2の発行操作に際して指定・入力されたパチンコ玉数(引落出玉数)の情報が関連付けられて送信され、該当するパチンコ機100及び各台計数機10に関する情報として、また、発行済みのICカード2の情報として、これらの情報がホールコンピュータ50の記憶部53に記憶されるようになっている。
【0088】
具体的には、ホールコンピュータ50では、カード発行・読取部14においてICカード2が発行される際に、入力操作部13により出玉引落として指定されるパチンコ玉数を、既にホールコンピュータ50に記憶されている該当する各台計数機10での計数済みのパチンコ玉数や他の各台計数機10で発行されたICカード2により譲渡・合算されたパチンコ玉、会員カードに貯玉(貯留)されていたパチンコ玉等の当該パチンコ機100に貸出可能な貯留パチンコ玉数から減算するようになっている。
また、ホールコンピュータ50では、カード発行・読取部14において発行済みのICカード2が読み取られると、読み取られたICカード2に書き込まれた所定情報により特定されるパチンコ玉数を、ホールコンピュータ50に記憶されている該当する各台計数機10での計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数に加算するようになっている。
【0089】
さらに、ホールコンピュータ50は、パチンコ機100毎にパチンコ玉数の貸出単価や景品交換率として異なる値が設定されている場合に、その貸出単価や景品交換率を対応するパチンコ機と関連付けて記憶している。そして、その貸出単価や景品交換率に基づいて、ICカード2を介して加算されるパチンコ玉数について所定の換算処理を行うようになっている。
これにより、パチンコ玉の貸出単価や景品交換率として複数の貸出単価や景品交換率が設定されている場合において、それら貸出単価や景品交換率が異なる遊技機間でICカード2の発行及び読取が行われても、貸出単価や景品交換率を反映した換算処理を行うことで、遊技場・遊技者に損失・損害等を与えることなく、ICカード2を介した正確・公正な遊技媒体の引落・譲渡が行えるようなる。
【0090】
具体的には、ホールコンピュータ50は、各パチンコ機100に対応して当該パチンコ機100で使用されるパチンコ玉に関する所定の換算価値情報を記憶部53に記憶している。
ここで、ホールコンピュータ50に記憶される所定の換算価値情報としては、各パチンコ機に対応して設定される当該パチンコ機100で使用されるパチンコ玉の所定の貸出単価がある。例えば、パチンコ機に対応してパチンコ玉1玉4円・3円・2円・1円等と異なる貸出単価が設定される場合がある。そこで、本実施形態のホールコンピュータ50は、このパチンコ玉の貸出単価(1玉4円・3円・2円・1円等)を示すデータを、対応するパチンコ機の台番号や識別番号と関連付けて記憶部53に記憶している。
また、ホールコンピュータ50に記憶される所定の換算価値情報としては、各パチンコ機に対応して設定される当該パチンコ機100で使用されるパチンコ玉についての景品交換率がある。例えば、パチンコ機に対応してパチンコ玉1玉の景品交換率100%(等価交換)・70%・50%等と異なる景品交換率が設定される場合がある。そこで、本実施形態のホールコンピュータ50は、このようなパチンコ玉の景品交換率(100%・70%・50%等)を示すデータを、対応するパチンコ機の台番号や識別番号と関連付けて記憶部53に記憶している。
【0091】
そして、ホールコンピュータ50は、このように記憶部53に記憶される遊技機単位のパチンコ玉の貸出単価や景品交換率に基づいて、ICカード2に対する所定の価値換算処理を行うようになっている。
まず、ホールコンピュータ50は、各パチンコ機100に対応する入力操作部13により引落出玉数が指定・入力されると、その指定された引落出玉数を、その引落出玉数に対応するICカード2に書き込まれた所定情報、すなわちICカード2の識別情報と関連付けて記憶部53に記憶する。そして、ホールコンピュータ50は、その引落出玉数を、その引落出玉数が指定・入力された入力操作部13が対応するパチンコ機100について記憶部53に記憶されている計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数から減算する。
【0092】
また、ホールコンピュータ50は、各パチンコ機100に対応するカード発行・読取部14に発行済みの任意のICカード2が挿入されて読み取られると、その読み取られたICカード2に書き込まれた所定情報、すなわちICカード2の識別情報により特定される引落出玉数を記憶部53から読み出す。
そして、ホールコンピュータ50は、記憶部53から読み出された引落出玉数について、同じく記憶部53に記憶・設定されている所定の換算価値情報に基づいて、ICカード2が挿入されたカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100で使用されるパチンコ玉の玉数に換算する価値換算処理を行い、換算後の玉数を当該ICカード2に係る引落出玉数として、そのICカード2が挿入されたカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100の計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数に加算し、記憶部53のデータを更新する。
【0093】
価値換算処理は、具体的には以下のように行われる。
まず、換算価値情報として、各パチンコ機100で使用されるパチンコ玉の貸出単価のみが複数設定されている場合には、ホールコンピュータ50は、価値換算処理を以下のようにして行う。
すなわち、ホールコンピュータ50は、カード発行・読取部14により読み取られたICカード2に書き込まれた所定情報(識別情報)により特定される引落出玉数を記憶部53から読み出す。
また、そのICカード2が発行されたカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100で使用されるパチンコ玉の貸出単価を記憶部53から読み出し、読み出された貸出単価を対応する引落出玉数に積算する。
さらに、ICカード2が挿入されたカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100で使用されるパチンコ玉の貸出単価を記憶部53から読み出し、その貸出単価で既に求められている積算値を除算する。
この除算した値が示すパチンコ玉数を換算処理後の引落出玉数として、ICカード2が挿入された移動先のカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100の計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数に加算し、記憶部53のデータを更新する。
【0094】
次に、換算価値情報として、各パチンコ機100で使用されるパチンコ玉の貸出単価と景品交換率の双方が、複数設定されている場合には、ホールコンピュータ50は、価値換算処理を以下のようにして行う。
すなわち、ホールコンピュータ50は、カード発行・読取部14により読み取られたICカード2に書き込まれた所定情報(識別情報)により特定される引落出玉数を記憶部53から読み出す。
また、そのICカード2が発行されたカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100で使用されるパチンコ玉の貸出単価と景品交換率の双方を記憶部53から読み出し、読み出された貸出単価及び景品交換率を、対応する引落出玉数に積算する。
さらに、ICカード2が挿入されたカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100で使用されるパチンコ玉の貸出単価を記憶部53から読み出し、その貸出単価で既に求められている積算値を除算する。
この除算した値が示すパチンコ玉数を換算処理後の引落出玉数として、ICカード2が挿入された移動先のカード発行・読取部14が対応するパチンコ機100の計数済みのパチンコ玉数等の貯留パチンコ玉数に加算し、記憶部53のデータを更新する。
【0095】
以下、換算価値情報として各パチンコ機100で使用されるパチンコ玉の貸出単価と景品交換率の双方が設定されている場合の、ホールコンピュータ50における価値換算処理の具体例を、図6を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態に係るホールコンピュータ50で行われるパチンコ玉の貸出単価と景品交換率の双方が設定されている場合の価値換算処理の具体例を示す説明図である。
同図に示す例では、パチンコ玉の貸出単価・景品交換率として、貸出単価1玉4円・景品交換率2円/1玉(50%)と、貸出単価1玉1円・景品交換率0.5円/1玉(50%)の2種類が設定されている場合に、ICカード2を介した出玉引落によるパチンコ玉の移動が行われる場合である。
【0096】
まず、図6左欄は、貸出単価1玉4円・景品交換率50%(2円/1玉)のパチンコ機100に対応するカード発行・読取部14でICカード2を発行して出玉引落を行い、そのICカード2を貸出単価1玉1円のパチンコ機100に対応するカード発行・読取部14で読み取らせて出玉の移動・合算を行う場合である。
貸出単価1玉4円で景品交換率50%の場合、そのパチンコ機で獲得・使用されたパチンコ玉が、ICカード2を介して貸出単価1玉1円のパチンコ機に移動・譲渡された場合、(1玉×4円×50%)÷1円=2玉/1円となり、4円コーナーの1玉の景品交換率を反映した価値は、1円コーナーでは1円2玉相当となる(図6左欄(a))。
従って、例えば1玉4円コーナーのパチンコ機で獲得・使用されたパチンコ玉の中から2000玉を、ICカード2を介して1玉1円コーナーのパチンコ機に移動させた場合、(2000玉×4円×50%)÷1円=4000玉となる(図6左欄(b))。
この場合、ICカード2の移動先である1円コーナーのパチンコ機で元々1000玉の計数済みのパチンコ玉があった場合、ICカード2を介して移動・譲渡されたパチンコ玉4000玉が加算され、1000玉+4000玉=5000玉となり、移動先のパチンコ機の計数済みのパチンコ玉数は5000玉となり、ホールコンピュータ50の記憶部53のデータが更新される(図6左欄(c))。
【0097】
次に、図6右欄は、貸出単価1玉1円・景品交換率50%のパチンコ機100に対応するカード発行・読取部14でICカード2を発行して出玉引落を行い、そのICカード2を貸出単価1玉4円のパチンコ機100に対応するカード発行・読取部14で読み取らせて出玉の移動・合算を行う場合である。
貸出単価1玉1円で景品交換率50%の場合、そのパチンコ機で獲得・使用されたパチンコ玉が、ICカード2を介して貸出単価1玉4円のパチンコ機に移動・譲渡された場合、(1玉×1円×50%)÷4円=0.5玉/4円=0.125玉/1円となり、1円コーナーの1玉の景品交換率を反映した価値は、4円コーナーでは1円0.125玉となり、4円コーナーの1玉にするには、1÷0.125=8で1円コーナー8玉分が必要となる(図6右欄(a))。
従って、例えば1玉1円コーナーのパチンコ機で獲得・使用されたパチンコ玉の中から2400玉を、ICカード2を介して1玉4円コーナーのパチンコ機に移動させた場合、(2400玉×1円×50%)÷4円=300玉となる(図6右欄(b))。
この場合、ICカード2の移動先である4円コーナーのパチンコ機で元々1000玉の計数済みのパチンコ玉があった場合、ICカード2を介して移動・譲渡されたパチンコ玉300玉が加算され、1000玉+300玉=1300玉となり、移動先のパチンコ機の計数済みのパチンコ玉数は1300玉となり、ホールコンピュータ50の記憶部53のデータが更新される(図6右欄(c))。
【0098】
以上のようにして、本実施形態では、パチンコ玉の貸出単価や景品交換率として複数の貸出単価や景品交換率が設定されている場合に、ホールコンピュータ50によりパチンコ玉についての所定の価値換算処理が行われる。
これにより、貸出単価や景品交換率が異なる遊技機間でICカード2の発行及び読取が行われても、貸出単価や景品交換率を反映した換算処理が行われることで、遊技場・遊技者に損失・損害等を与えることなく、ICカード2を介した正確・公正な遊技媒体の引落・譲渡が行えるようなる。
【0099】
以上説明したように、本実施形態では、ホールコンピュータ50により、複数のパチンコ機100に対応する各台計数機10(台間玉貸機20)において発行されたICカード2の識別情報とそれに関連するパチンコ玉数情報(引落出玉情報)が記憶され、複数のICカード2に係る引落出玉情報が集中的に管理されるようになり、ICカード2がその後他の各台計数機10や景品管理装置60、精算機80等で使用された場合にも、ホールコンピュータ50の記録データを照会・参照することで、直ちにデータ照合することができる。従って、ICカード2の発行等に不正行為などがあっても容易かつ迅速に検知・発見することが可能となる。
また、引落出玉数を示す情報として、ICカード2自体には、当該ICカード2を特定するための識別情報のみが記載され、その他の情報(パチンコ玉数を示す情報)は記載されないことにより、ICカード2それ自体には引落出玉数を示す重要情報等は記載されないことになり、ICカード2が紛失・盗難等した場合でも重要情報が漏洩することがなくなり、遊技用システムのセキュリティ機能を高く保つことができるようになる。
【0100】
このように、本実施形態では、ホールコンピュータ50において、ICカード2の発行に係るパチンコ玉数情報(引落出玉数情報)が、ICカード2の識別情報とともに一括して記憶・管理されるようになっている。
ホールコンピュータ50は、台コンピュータ30や島コンピュータ40等の中継器機を介して、最終的に遊技場に設置される全遊技機、計数機、貸出機、景品交換装置から情報・データが収集・管理される装置であり、ICカード2を介した引落出玉情報も、ホールコンピュータ50で一括して管理・記憶されることが好ましい。特に、ICカード2を介した引落出玉情報は、パチンコ玉の計数情報等の貯留パチンコ玉数を示す情報であり、パチンコ機の管理情報として有用かつ必至な情報となるものであり、ホールコンピュータ50で記憶・管理することが好ましい。
そこで、本実施形態では、ICカード2の発行に係るパチンコ玉数情報(引落出玉情報)を、ホールコンピュータ50で一括して記憶・管理するようにしてある。
【0101】
但し、ICカード2の発行に係るパチンコ玉数情報(引落出玉情報)を、ホールコンピュータ50とともに、あるいは、ホールコンピュータ50に代わって、他の装置により記憶・管理することもできる。
本実施形態では、各パチンコ機100・各台計数機10・台間玉貸機20とホールコンピュータ50・カード管理機90等の中継器として機能する台コンピュータ30や島コンピュータ40が備えられている。
また、後述するように、各台計数機10における計数値データを管理する計数値管理装置70を備えており、また、現金精算を行うための精算機80の現金精算データを管理するカード管理機90を備えている。
従って、例えば、ICカード2の発行に係るパチンコ玉数情報(出玉引落情報)について、ホールコンピュータ50とともに、あるいは、ホールコンピュータ50に代わって、台コンピュータ30や島コンピュータ40、計数値管理装置70、カード管理機90で、それぞれ記憶・管理することもできる。このようにすることで、情報を管理・記憶する装置の負荷を分散することができ、ホールコンピュータ50の負荷を減らすことができ、ホールコンピュータ50及びシステム全体の処理の高速化等を図ることができる。なお、そのようにした場合、台コンピュータ30や島コンピュータ40、計数値管理装置70、カード管理機90が、ホールコンピュータ50とともに、あるいは、ホールコンピュータ50に代わって、本発明に係る「遊技媒体管理装置」を構成することになる。
【0102】
[景品交換装置]
景品交換装置60は、所定のパチンコ玉数に応じて交換可能な所定の景品情報を管理する装置であり、本発明に係る「景品交換手段」を構成する。
本実施形態の景品交換装置60は、遊技場の景品交換カウンター等の適所に設置される情報処理装置であり、ネットワークを介してホールコンピュータ50等とデータ通信可能に接続されている。
【0103】
そして、景品交換装置60は、遊技者から提示されるパチンコ玉数の計数結果に応じた所定の景品交換処理を行うようになっている。
具体的には、景品交換装置60は、図1に示すように、各台計数機10のカード発行・読取部14で発行されたICカード2に書き込まれた所定情報を読み取る読取手段となるICカードリーダー60aを備えており、このICカードリーダー60aにより読み取られた所定情報により特定されるパチンコ玉数により交換可能な所定の景品情報を抽出し、景品交換処理を確定させる交換処理を実行する交換処理手段を構成している。
なお、図1では、図示の便宜上、1台の景品交換装置60のみを示しているが、景品交換装置60は、遊技場の規模やフロア構成等に応じて複数備えることができる。
【0104】
景品交換装置60による景品交換処理は、まず、カード発行・読取部14により発行されたICカード2が、景品交換処理60に提示されてカードの受付処理が行われる。
具体的には、景品交換装置60に備えられるICカードリーダ60a(図1参照)により、ICカード2の識別情報が読み出され、この識別情報に基づいて、景品交換装置60は識別情報が読み出されたICカード2に対応するデータをホールコンピュータ50から読み出して照合処理を行う。ここで、識別情報に基づくホールコンピュータ50からのデータとの照合処理に成功しなかった場合には、景品交換装置60は照合エラーと判断して所定の警告表示等を出力する。
【0105】
このように、ICカード2の識別情報に基づく景品交換装置60とホールコンピュータ50との間での照合処理が行われることにより、カードの盗難や改変・偽造等を発見し不正行為の発見・防止を図ることができる。
景品交換装置60によりホールコンピュータ50からのデータ読み出しが行われた場合には、読み出されたデータに含まれる貯留パチンコ玉数情報に従い、そのパチンコ玉数を上限とする範囲で、ICカード2を介して特定された引落出玉数に相当する所定の景品との景品交換処理が行われる。
【0106】
また、景品交換装置60は、図1に示すように、ハンディターミナル61を備えている。
ハンディターミナル61は、携帯可能な小型の情報処理端末であり、図1に示すように、カード読取部61aやキー入力部61b、表示部61c等の各部・機能を備えており、景品交換装置60と無線又は有線を介してデータ通信可能に接続されている。そして、ハンディターミナル61は、景品交換装置60とデータ通信を行うことで、上述した景品交換装置60とともに、所定のパチンコ玉数に応じて交換可能な所定の景品情報を管理することができ、本発明に係る「景品交換手段」を構成する。
本実施形態のハンディターミナル61は、景品交換装置60と無線によりデータ通信可能に構成された、遊技場を巡回する従業員等が携帯可能な小型の情報処理端末からなり、ハンディターミナル61で処理されたデータは、無線ネットワークを介して景品交換装置60に送信・記録され、また、景品交換装置60で記録・管理されているデータが、ハンディターミナル61で受信・照会できるようになっている。
【0107】
そして、このハンディターミナル61においても、景品交換装置60における場合と同様にして、遊技者から提示されるパチンコ玉数の計数結果に応じた所定の景品交換処理が行えるようになっている。
具体的には、ハンディターミナル61は、図1に示すように、各台計数機10のカード発行・読取部14で発行されたICカード2に書き込まれた所定情報を読み取る読取手段となるカード読取部61aを備えている。カード読取部61aは、ICカード2が挿入可能に構成され内部に備えられた図示しないカードリーダーにより、ICカード2のICチップに書き込まれている所定情報を読み取るようになっている。そして、ハンディターミナル61は、カード読取部61aにより読み取られた所定情報により特定されるパチンコ玉数により交換可能な所定の景品情報を抽出し、景品交換処理を確定させる交換処理を実行する交換処理手段を構成している。
なお、このハンディターミナル61についても、図1では、図示の便宜上、1台のハンディターミナル61のみを示しているが、ハンディターミナル61は、遊技場の規模やフロア構成、従業員数等に応じて複数備えることができることは言うまでもない。
【0108】
景品交換装置60又はハンディターミナル61で交換処理された景品の景品名、数量、処理時刻、交換されたパチンコ玉数・現金金額、ICカード2の識別情報等を含む景品交換履歴データは、ネットワークを介してホールコンピュータ50又はカード管理機90に送出され、ホールコンピュータ50又はカード管理機90において記憶・管理される。
具体的には、景品交換装置60又はハンディターミナル61でICカード2が読み取られると、ICカード2に書き込まれた識別情報に基づいて、当該ICカード2に係るデータをホールコンピュータ50又はカード管理機90に問い合わせて照合処理が行われる。ホールコンピュータ50では、送信された識別情報に基づいて対応するパチンコ機100に係る貯留パチンコ玉数が読み出され、照合処理が行われる。同様に、カード管理機90では、送信された識別情報に基づいて対応するパチンコ機100に係る貯留金額が読み出されて、照合処理が行われる。
【0109】
景品交換装置60では、ホールコンピュータ50又はカード管理機90での照合されたパチンコ玉情報又は現金情報に従い、そのパチンコ玉数又は現金に相当する所定の景品との景品交換処理を行う。ハンディターミナル61でICカード2の受付が行われた場合には、景品交換処理の結果をハンディターミナル61に送信する。これにより、景品交換装置60又はハンディターミナル61を介して、パチンコ玉又は現金と所定の景品、例えばコーヒーやジュース、タバコ等との交換処理が行われ、その景品がICカード2を提示した遊技者に引き渡される。
【0110】
景品交換装置60又はハンディターミナル61での景品交換処理が完了すると、ホールコンピュータ50では、所定の景品交換履歴情報が記憶・更新されることになる。
図13に、ホールコンピュータ50で記憶・管理される景品交換履歴情報の一例を示す。図13は、本実施形態の遊技用システムにおける貯留パチンコ玉数又は貯留金額に基づいてICカード2を介して景品交換処理が行われた場合のホールコンピュータ50の景品交換履歴データを示す説明図であり、(a)は時間別景品交換履歴データ、(b)は一日のトータル景品交換履歴データを示している。
同図に示すように、ホールコンピュータ50で記憶・管理される景品交換履歴情報としては、時間別の景品交換履歴データや一日のトータル景品交換履歴データ等があり、ハンディターミナル61で交換処理された景品の景品名、数量、処理時刻、交換されたパチンコ玉数・現金金額、ICカードの識別情報等を含む景品交換履歴データがホールコンピュータ50において記憶・管理されるようになっている。
【0111】
以上のような景品交換装置60又はハンディターミナル61における景品交換処理により、ICカード2の引き渡し(譲渡)を受けた遊技者が、そのICカード2を景品交換カウンター等に設置された景品交換装置60や、遊技場内を巡回する従業員が所持するハンディターミナル61に提示することで、そのICカード2によって特定されるパチンコ玉数や現金金額に応じた所望の景品との交換処理を行うことができる。これにより、ICカード2を譲り受けた遊技者は、各台計数機10による計数済みのパチンコ玉等の貯留パチンコ玉数や投入・受入済みの現金等の貯留金額の一部(又は全部)による景品交換・商品の購入(出玉引落・現金引落)が行えるようになる。
また、ICカード2を介した景品交換処理は、パチンコ玉数や現金を手で数えて従業員等に渡す必要がなく、また、景品と交換するために授受されるパチンコ玉数、現金金額も明確となり、景品交換処理の履歴データも残るため、景品交換処理がきわめて簡易かつ迅速・正確に行えるとともに、不明朗なパチンコ玉数との交換や、従業員の不正行為等も確実に防止でき、利便性・安全性に優れた景品交換システムを実現することができる。
【0112】
[計数値管理装置]
計数値管理装置70は、ネットワークを介して遊技機島毎に設置された島コンピュータ40と接続される情報処理装置であり、島コンピュータ40、台コンピュータ30を中継器として、各台計数機10から出力される計数値データを受信して記憶・管理する管理装置となっている。
具体的には、計数値管理装置70は、台コンピュータ30から送信される各台計数機10における計数値データと、ICカード2が発行される毎に各台計数機10から送信されるICカード2の識別情報をネットワークを介して受信するようになっており、受信した計数値データを対応するICカード2の識別情報と関連付けて記憶・管理している。
そして、計数値管理装置70には、液晶ディスプレイ等からなる表示手段が備えられ、各種の計数値データを各台計数機10単位でリアルタイムに表示することができるとともに、ICカード2の識別情報毎の計数値データをリアルタイムで表示・出力できるようなっている。
【0113】
このように、本実施形態では、計数値管理装置70が、ホールコンピュータ50とともに、各台計数機10で生成・出力された計数値データ及び当該各台計数機10で発行されるICカード2の識別情報を対応付けて記憶・管理するようになっている。
上述したように、各台計数機10から出力される計数値データ及びICカード2の識別情報は、ホールコンピュータ50で一括して記憶・管理されるようになっているが、ホールコンピュータ50の負荷軽減等を図るとともに、システムの処理速度の向上等のために、本実施形態では計数値管理装置70を備えることができる。この場合、ICカード2の発行に係るパチンコ玉数情報(出玉引落情報)については、計数値管理装置70でも記憶・管理されることになる。このようにすることで、情報を管理・記憶する装置の負荷を分散することができ、ホールコンピュータ50の負荷を減らすことができ、ホールコンピュータ50及びシステム全体の処理の高速化等を図ることができる。
【0114】
従って、このような計数値管理装置70を備える場合には、ホールコンピュータ50とともに、計数値管理装置70が、本発明に係る計数手段で計数された遊技媒体数を記憶する「遊技媒体管理装置」を構成することになる。
但し、各台計数機10から出力されるデータは、最終的にホールコンピュータ50で記憶・管理されるものであるので、計数値管理装置70については、適宜省略可能である。
また、遊技場の規模やフロア構成等に応じて、計数値管理装置70を複数台備えることも勿論可能である。
【0115】
[精算機・カード管理機]
精算機80は、各台計数機10で発行されたICカード2を受け入れて、当該ICカード2に書き込まれた所定情報により特定される「現金出玉」に係る現金金額に応じた現金を払い出すための現金払出装置であり、カード管理機90とデータ通信可能に接続されている。
カード管理機90は、精算機80を管理・制御するための情報処理装置であり、精算機80に接続されるとともに、ネットワークを介してホールコンピュータ50とデータ通信可能に接続されている。そして、カード管理機90では、ICカード2の発行に係る現金金額情報(引落金額情報)について記憶・管理するようになっている。
【0116】
精算機80は、ICカード2が挿入・読取可能に構成されるとともに、払い出すべき所定額の現金が収容されている。
カード管理機90は、精算機80を管理・制御しており、精算機80に各台計数機10で発行されたICカード2が挿入され、ICカード2に書き込まれている識別情報等が読み出されると、その識別情報等に基づいて、自己の記憶手段(図示省略)に記憶されている現金情報を参照し、当該ICカード2の「現金引落」に係る現金金額を照合・特定する。
そして、カード管理機90による現金金額の照合処理が確定すると、精算機80から照合された金額に対応した現金が払い出される。
【0117】
具体的には、カード管理機90は、遊技場に設置される複数の各遊技機(パチンコ機100)に対応する各台間玉貸機20の現金受入部21で受け入れられた現金金額や他の各台計数機10で発行されたICカード2や所定のプリペイドカード等により特定される現金相当の有価価値等のうち未だパチンコ玉の貸出に使用されていない残金額である貯留金額を遊技機単位で記憶する、本発明に係る「現金管理装置」を構成している。
そして、このような「現金管理装置」を構成するカード管理機90は、各パチンコ機100に対応するいずれかの各台計数機10のカード発行・読取部14により発行可能状態とされたICカード2に書き込まれた残金金額と、カード発行・読取部14により発行されたICカード2に書き込まれた引落金額、カード発行・読取部14により読み取られたICカード2に書き込まれた引落金額の各金額情報データを一括して記憶するようになっている。
【0118】
このように、本実施形態では、カード管理機90が、各台計数機10(台間玉貸機20)で生成・出力される現金データを、当該各台計数機10で発行されるICカード2の識別情報を対応付けて一括して記憶・管理できるようになっている。
そして、このような精算機80及びカード管理機90により、ICカード2を譲り受けた遊技者は、各台計数機10による受入済みの現金等の貯留金額の一部(又は全部)による現金の精算(現金譲渡)が行えるようになる。
【0119】
精算機80における現金精算処理は以下のようにして行われる。
ICカード2を介して精算機80において現金精算処理が行われる場合には、まず、所定のICカード2が精算機80に挿入される。
精算機80では、挿入されたICカード2の識別情報が読み出され、この識別情報に基づいて、現金データを管理するカード管理機90で記憶されている現金データとの照合が行われる。すなわち、精算機80は、精算機80で読み出されたICカード2の識別情報に対応する現金データ(貯留金額データ)をカード管理機90から読み出して照合処理を行う。
【0120】
そして、識別情報に基づくカード管理機90とのデータ照合にエラーがあった場合には、精算機80では照合エラーと判断して所定の警告表示等を出力する。なお、照合エラーとなる場合としては、例えばカードの識別情報に一致するものがない場合や、カードが改竄等されて識別情報が読み出せないような場合、カードから読み出された現金情報がカード管理機90に記憶されている金額データと一致しない場合等である。
カード管理機90とのデータ照合が成功した場合には、読み出されたデータに含まれる現金情報に従い、精算機80において現金の排出・払い戻しが行われる。
【0121】
上述したように、各パチンコ機100及び各台計数機10から出力されるパチンコ玉数に関するデータ、計数値データは、対応する各台計数機10で発行されるICカード2の識別情報と関連付けられてホールコンピュータ50で一括して記憶・管理されるようになっているが、現金データに関しては、カード管理機90で一括して管理されるようになっている。すなわち、ICカード2の発行に係る現金情報(現金引落情報)については、カード管理機90で記憶・管理されることになる。このようにすることで、情報を管理・記憶する装置の負荷を分散することができ、ホールコンピュータ50の負荷を減らすことができ、ホールコンピュータ50及びシステム全体の処理の高速化等を図ることができる。
また、このように現金の払出管理を、ホールコンピュータ50とは別の専用の装置(精算機80及びカード管理機90)で行うことにより、現金の払出管理に関して、遊技場の管理と切り離して取り扱うことが可能となり、例えば、精算機80及びカード管理機90の管理・運用のみを、遊技場とは別の専門会社等に委ねることもできる。
なお、この精算機80及びカード管理機90についても、図1では、図示の便宜上、精算機80及びカード管理機90が1台ずつ示してあるが、これらを遊技場の規模やフロア構成等に応じて複数備えることも勿論可能である。
【0122】
以上のように、本実施形態では、カード管理機90により、発行されたICカード2の識別情報とそれに関連する引落現金情報を含む現金金額情報が記憶され、集中的に管理されるようになり、ICカード2がその後他の各台計数機10や景品管理装置60、精算機80等で使用された場合にも、カード管理機90の記録データを照会・参照することで、直ちにデータ照合することができる。従って、ICカード2の発行等に不正行為などがあっても容易かつ迅速に検知・発見することが可能となる。
また、特に現金金額情報(現金引落情報)を専用の装置(カード管理機90)で記憶・管理することにより、現金情報に関して、遊技場の管理と切り離して管理して取り扱うことが可能となる。
但し、ICカード2の発行に係る引落現金情報を含む現金金額情報を、カード管理機90とともに、あるいは、カード管理機90に代わって、他の装置により記憶・管理することもできる。例えば、ICカード2の発行に係る引落現金情報についても、引落出玉数情報を含む出玉情報、遊技機情報を記憶・管理するホールコンピュータ50において記憶・管理することもできる。
【0123】
[ICカードの発行・読取]
次に、以上のような本実施形態の遊技用システムにおける、カード発行・読取部でのICカードの発行・読取の処理動作の具体例について、図7〜図12を参照して説明する。
[出玉の引落]
図7は、本実施形態に係る各台計数機10(台間玉貸機20)で発行されるICカード2の発行動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機10で計数済みのパチンコ玉から所望の玉数を指定して出玉引落に係るICカード2を発行する場合である。
同図に示す例では、各台計数機10のカード発行・読取部14には、予め所定の識別情報としてカードID「123」・「125」・「127」が付与された3枚のICカード2が、所定の排出順に格納されているものとする。
【0124】
この状態で、各台計数機10で、対応するパチンコ機100で獲得され又は使用されないパチンコ玉が計数され、「3000玉」のパチンコ玉が計数されると、当該計数済みデータが対応するパチンコ機100の台番号等とともにホールコンピュータ50に送信され記憶される(図7(a)参照)。
その後、計数済みのパチンコ玉「3000玉」の中から「1000玉」が引落出玉として入力操作部13により指定されると、その引落出玉数データと関連付けられたICカードとして、排出順が第1位のカードID「123」が付与されたICカード2が発行・排出される。また、その引落出玉数データが、発行されたICカード2の識別情報(カードIC「123」)と関連付けられてホールコンピュータ50に送信・記憶される(図7(b)参照)。発行されたICカード2には、カードID「123」以外の情報は何も書き込まれていない。
【0125】
この「1000玉」引落に係るICカード2が発行されると、ホールコンピュータ50側の対応する計数済みのパチンコ玉データから、ICカード発行に係る「1000玉」の引落出玉数が減算され、計数済みデータは「2000玉」に更新される(図7(b)参照)。
また、ホールコンピュータ50には、ICカードに係る発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2が引落出玉数「1000玉」として発行されたことが記録される(図7(b)参照)。
これにより、発行済みのカードID「123」のICカード2の発行履歴データがホールコンピュータ50で記録・管理されることになり、当該ICカードが他の装置・機器(各台計数機10・台間玉貸機20・景品交換装置60等)で使用されると、ホールコンピュータ50へのデータ照会により引落出玉数「1000玉」の情報が照合され、当該「1000玉」の範囲でパチンコ玉の貸出や景品交換等が行われることになる。
【0126】
[出玉の合算]
図8は、本実施形態に係る各台計数機10(台間玉貸機20)で発行されるICカード2の発行動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機10で計数済みのパチンコ玉から所望の玉数を指定して出玉引落に係るICカード2を発行するとともに、発行されたICカード2を読み取り計数済みのパチンコ玉データとの合算を行う場合である。
同図に示す例では、上述した図7で示した状態から、引落出玉数「1000玉」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2を、当該ICカード2が発行された各台計数機10に再度挿入して引落出玉の合算を行う場合を示している。
【0127】
まず、引落出玉数「1000玉」に係るカードID「123」のICカード2が発行された状態(図7(b)参照)では、各台計数機10のカード発行・読取部14には、カードID「125」・「127」が付与された2枚のICカード2が排出順に格納されている(図8(a)参照)。なお、この状態では、ICカード2には、カードID「125」・「127」以外の情報は何も書き込まれていない。
また、ホールコンピュータ50には、計数済みのパチンコ玉データとして「2000玉」のデータが記憶されている(図8(a)参照)。
また、ホールコンピュータ50には、ICカードに係る発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2が引落出玉数「1000玉」として発行されたことが記録される(図8(a)参照)。
【0128】
以上の状態の各台計数機10に対して、引落出玉数「1000玉」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が挿入されると、ICカード2の読取・回収・データの合算が行われる。
以下、挿入されたICカードが、排出順位の最初のカードとして回収・格納される場合(図8(b))と、排出順位の最後のカードとして回収・格納される場合(図8(c))について説明する。
【0129】
まず、図8(b)に示す例では、引落出玉数「1000玉」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が挿入されると、カード発行・読取部14によりカードID「123」が読み取られ、当該カードID「123」がホールコンピュータ50に送信される。
ホールコンピュータ50では、受信したカードID「123」に対応するデータとして引落出玉数「1000玉」のデータが記憶部53から読み出され、当該「1000玉」のデータが、ICカード2が挿入された各台計数機10に対応するパチンコ機100の計数済みのパチンコ玉データ「2000玉」に加算され、当該計数済みのパチンコ玉データが「3000玉」に更新される(図8(b)参照)。
また、ホールコンピュータ50は、ICカードに係る発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2の引落出玉数「0玉」として記録するか、又はカードID「123」の履歴データ自体を抹消して管理対象から除外する(図8(b)参照)。
カードID「123」が読み取られたICカード2は、各台計数機10内で、排出順位の最初のカードとして回収され、次回のカード発行に備えた状態で格納されることになる(図8(b)参照)。
【0130】
一方、図8(c)に示す例では、上述した図8(b)とほぼ同様のICカード2の読取・回収・データの合算・更新処理が行われる。
但し、図8(c)に示す例では、カードID「123」が読み取られたICカード2は、各台計数機10内で、排出順位の最後のカードとして回収され、次回のカード発行に備えた状態で格納されるようになっている(図8(c)参照)。
このように、出玉引落用にいったん発行された発行済みのICカード2は、各台計数機10に挿入されることで回収され、再度、次回のカード発行用として所定の排出順位に従って格納されることになる。
以上のようにして、発行済みの出玉引落に係るICカード2は、いずれかの各台計数機10に挿入されることで、対応する出玉引落データが、ICカード2が挿入された各台計数機10に対応するパチンコ機100の計数済みデータに合算されて、以後の遊技や景品交換・貯玉等に使用できるようになる。
【0131】
[現金の引落]
図9は、本実施形態に係る各台計数機10(台間玉貸機20)で発行されるICカード2の発行動作の具体例を示す説明図であり、台間玉貸機20に投入済みの現金から所望の金額を指定して現金引落に係るICカード2を発行する場合である。
同図に示す例では、上述した図7で示した場合と同様、各台計数機10のカード発行・読取部14には、予め所定の識別情報としてカードID「123」・「125」・「127」が付与された3枚のICカード2が、所定の排出順に格納されているものとする。
【0132】
この状態で、台間玉貸機20(各台計数機10)に、現金「10000円」が投入され現金受入部21で受け入れられると、カード発行・読取部14では、排出順が第1位のICカード(カードID「123」)に対して、受入済みの現金金額「10000円」を示す情報を書き込んで発行可能状態とする(図9(a)参照)。この状態では、カードID「123」のICカードは、発行可能状態のままカード発行・読取部14の内部に格納された状態とされ、ICカードは発行されない。
また、この状態で、台間玉貸機20に受入済みの現金データ「10000円」が、対応するパチンコ機100の台番号や発行可能状態のICカードの識別情報(カードID「123」)等とともにカード管理機90に送信され記憶され、ICカードの発行履歴データとしても記憶される(図9(a)参照)。
【0133】
その後、受入済みの現金「10000円」の中から「3000円」が引落金額として入力操作部13により指定されると、その引落金額データが、排出順が第1位のカードID「123」が付与されたICカード2に書き込まれて発行・排出される。また、その引落金額データが、発行されたICカード2の識別情報(カードIC「123」)と関連付けられてカード管理機90に送信・記憶され、ICカードの発行履歴データとしても記憶される(図9(b)参照)。
【0134】
この「3000円」引落に係るICカード2が発行されると、カード発行・読取部14では、排出順が第2位のICカード(カードID「125」)に対して、減算された受入済みの現金金額「7000円」を示す情報を書き込んで発行可能状態とする(図9(b)参照)。この状態では、カードID「125」のICカードは、発行可能状態のままカード発行・読取部14の内部に格納された状態とされ、ICカードは発行されない。
また、この状態で、台間玉貸機20に減算された受入済みの現金(残金)データ「7000円」が、対応するパチンコ機100の台番号や発行可能状態のICカードの識別情報(カードID「125」)等とともにカード管理機90に送信され受入済みの現金データが「7000円」に更新・記憶される(図8(b)参照)。
これにより、発行済みのカードID「123」のICカード2の発行履歴データがカード管理機90で記録・管理されることになり、当該ICカードが他の装置・機器(各台計数機10・台間玉貸機20・景品交換装置60・精算機80等)で使用されると、カード管理機90へのデータ照会により引落金額「3000円」の情報が照合され、当該「3000円」の範囲でパチンコ玉の貸出や景品交換、現金の精算等が行われることになる。
【0135】
[現金の合算]
図10は、本実施形態に係る各台計数機10(台間玉貸機20)で発行されるICカード2の発行動作の具体例を示す説明図であり、台間玉貸機20に投入済みの現金遊技から所望の金額を指定して現金引落に係るICカード2を発行するとともに、発行されたICカード2を読み取り受入済みの現金データとの合算を行う場合である。
同図に示す例では、上述した図9で示した状態から、引落金額「3000円」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2を、当該ICカード2が発行された各台計数機10に再度挿入して引落金額の合算を行う場合を示している。
【0136】
まず、引落金額「3000円」に係るカードID「123」のICカード2が発行された状態(図9(b)参照)では、各台計数機10のカード発行・読取部14には、カードID「125」・「127」が付与された2枚のICカード2が排出順に格納されている(図10(a)参照)。なお、この状態では、ICカード2は、排出順が第1位のICカード(カードID「125」)に受入済みの現金金額「7000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態となっており(図10(a)参照)、また、排出順位が下位のICカードにはカードID「127」以外の情報は何も書き込まれていない。
また、カード管理機90には、ICカードに係る発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2が引落金額「3000円」、カードID「125」のICカード2が引落金額「7000円」として発行履歴データが記録される(図10(a)参照)。
【0137】
以上の状態の各台計数機10に対して、引落金額「3000円」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が挿入されると、ICカード2の読取・回収・データの合算が行われる。
以下、挿入されたICカードが、排出順位の最初のカードとして回収・格納される場合(図10(b))と、排出順位の最後のカードとして回収・格納される場合(図10(c))について説明する。
【0138】
まず、図10(b)に示す例では、引落金額「3000円」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が各台計数機10に挿入されると、カード発行・読取部14によりカードID「123」と引落金額「3000円」が読み取られ、カードID「123」のICカード2が排出順位第1位の最初のカードとして回収・格納される。そして、この排出順第1位のICカード(カードID「123」)に対して、書き込まれていた引落金額「3000円」のデータが更新され、受入済みの現金金額「7000円」を加算した「10000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態とされる(図10(b)参照)。
また、受入済みの現金金額「7000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態とされていたカードID「125」のICカードが、金額データが消去(「0円」と書込)され、排出順第2位として次回カード発行用に格納される。
【0139】
また、発行可能状態とされたICカード2の識別情報と書き込まれた金額データ(カードID「123」:10000円)、及び金額データが更新されICカード2の識別情報と金額データ(カードID「125」:0円)は、カード管理機90に送信・記憶され、ICカードの発行履歴データとして記憶される(図10(b)参照)。
この状態で、カード管理機90には、カードID「123」:10000円と、カードID「125」:0円の情報が記憶されるとともに、カードID「123」及び「125」のカード発行履歴が記憶される。
【0140】
一方、図10(c)に示す例では、上述した図10(b)とほぼ同様のICカード2の読取・回収・データの合算・更新処理が行われる。
但し、図10(c)に示す例では、カードID「123」が読み取られたICカード2は、各台計数機10内で、排出順位の最後のカードとして回収され、次回のカード発行に備えた状態で格納されるようになっている(図10(c)参照)。
【0141】
まず、図10(c)に示す例では、引落金額「3000円」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が各台計数機10に挿入されると、カード発行・読取部14によりカードID「123」と引落金額「3000円」が読み取られ、カードID「123」のICカード2が排出順位最後のカードとして回収・格納される(図10(c)参照)。このとき、カードID「123」のICカードに書き込まれていた金額データ「3000円」は消去(「0円」と書込)されて、排出順最後の位置に次回カード発行用として格納される。
そして、受入済みの現金金額「7000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態とされていたカードID「125」のICカードが、排出順位第1位のカードとなる。この排出順第1位のICカード(カードID「125」)に対して、カードID「123」のICカード2に書き込まれていた引落金額「3000円」のデータと、受入済みの現金金額「7000円」を加算した「10000円」を示す情報が新たに書き込まれて発行可能状態とされる(図10(c)参照)。
【0142】
また、発行可能状態とされたICカード2の識別情報と書き込まれた金額データ(カードID「125」:10000円)、及び金額データが更新されICカード2の識別情報と金額データ(カードID「123」:0円)は、カード管理機90に送信・記憶され、ICカードの発行履歴データとして記憶される(図10(c)参照)。
この状態で、カード管理機90には、カードID「123」:0円と、カードID「125」:10000円の情報が記憶されるとともに、カードID「123」及び「125」のカード発行履歴が記憶される。
【0143】
このように、現金引落用にいったん発行された発行済みのICカード2は、各台計数機10に挿入されることで回収され、再度、次回のカード発行用として所定の排出順位に従って格納されることになる。
以上のようにして、発行済みの現金引落に係るICカード2は、いずれかの各台計数機10に挿入されることで、対応する現金引落データが、ICカード2が挿入された各台計数機10(台間玉貸機20)に対応するパチンコ機100の受入済みの現金データに合算されて、以後の遊技や景品交換・精算等に使用できるようになる。
【0144】
[出玉及び現金の引落]
図11は、本実施形態に係る各台計数機10(台間玉貸機20)で発行されるICカード2の発行動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機10で計数済みのパチンコ玉から所望の玉数を指定するとともに、台間玉貸機20に投入済みの現金遊技から所望の金額を指定して出玉引落及び現金引落に係るICカード2を発行する場合である。
同図に示す例では、各台計数機10のカード発行・読取部14には、予め所定の識別情報としてカードID「123」・「125」・「127」が付与された3枚のICカード2が、所定の排出順に格納されており、計数済みのパチンコ玉が「3000玉」、受入済みの現金が「7000円」あり、各データがホールコンピュータ50及びカード管理機90に記憶・管理されているものとする。
この状態では、排出順が第1位のICカード(カードID「123」)には受入済みの現金金額「7000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態となっている(図10(a)参照)。
【0145】
この状態で、各台計数機10の入力操作部13が操作され、「2000円」の現金引落と、「1000玉」の出玉引落が指定されるとする。
この場合、まず、計数済みのパチンコ玉「3000玉」の中から「1000玉」が引落出玉として入力操作部13により指定されると、その引落出玉数データ「1000玉」が、排出順が第1位のカードID「123」と関連付けられてホールコンピュータ50に送信・記憶される(図11(b)参照)。
また、受入済みの現金「7000円」の中から「2000円」が引落金額として入力操作部13により指定されると、その引落金額データが、排出順第1位のカードID「123」のICカード2に書き込まれる。
また、その引落金額データが、対応するICカード2の識別情報(カードIC「123」)と関連付けられてカード管理機90に送信・記憶され、ICカードの発行履歴データとして記憶される(図11(b)参照)。
【0146】
このカードID「123」のICカード2の発行動作と同時に、カード発行・読取部14では、排出順が第2位のICカード(カードID「125」)に対して、減算された受入済みの現金金額「5000円」を示す情報を書き込んで発行可能状態とする(図11(b)参照)。この状態では、カードID「125」のICカードは、発行可能状態のままカード発行・読取部14の内部に格納された状態とされ、ICカードは発行されない。
その後、出玉引落及び現金引落が指定されたカードID「123」のICカード2が発行・排出される。
【0147】
カード管理機90には、発行されたICカードに係る引落現金データ「2000円」が、対応するパチンコ機100の台番号や発行可能状態のICカードの識別情報(カードID「123」)等とともに送信され、また、減算された受入済みの現金(残金)データ「5000円」が、対応するパチンコ機100の台番号や発行可能状態のICカードの識別情報(カードID「125」)等とともに送信され、引落現金データ及び受入済みの現金データが記憶・更新される(図11(b)参照)。
また、カード管理機90には、現金引落に係るICカードの発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2が引落金額「7000円」、「2000円」として発行されたことが記録される(図11(b)参照)。
【0148】
ホールコンピュータ50では、対応する計数済みのパチンコ玉データ「3000玉」から、ICカード発行に係る「1000玉」の引落出玉数が減算され、計数済みデータは「2000玉」に更新される(図11(b)参照)。
また、ホールコンピュータ50には、出玉引落に係るICカードの発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2が引落出玉数「1000玉」として発行されたことが記録される(図11(b)参照)。
【0149】
以上により、まず、カード管理機90で、発行済みのカードID「123」のICカード2の現金引落に係る発行履歴データが記録・管理されることになり、当該ICカードが他の装置・機器(各台計数機10・台間玉貸機20・景品交換装置60・精算機80等)で使用されると、カード管理機90へのデータ照会により引落金額「2000円」の情報が照合され、当該「2000円」の範囲でパチンコ玉の貸出や景品交換、現金の精算等が行われることになる。
また、ホールコンピュータ50では、発行済みのカードID「123」のICカード2の出玉引落に係る発行履歴データが記録・管理されることになり、当該ICカードが他の装置・機器(各台計数機10・台間玉貸機20・景品交換装置60等)で使用されると、ホールコンピュータ50へのデータ照会により引落出玉数「1000玉」の情報が照合され、当該「1000玉」の範囲でパチンコ玉の貸出や景品交換等が行われることになる。
【0150】
[出玉及び現金の合算]
図12は、本実施形態に係る各台計数機10(台間玉貸機20)で発行されるICカード2の発行動作の具体例を示す説明図であり、各台計数機10で計数済みのパチンコ玉から所望の玉数を指定するとともに、台間玉貸機20に投入済みの現金遊技から所望の金額を指定して出玉引落・現金引落に係るICカード2を発行し、発行されたICカード2を読み取りパチンコ玉データ・現金データとの合算を行う場合である。
同図に示す例では、上述した図11で示した状態から、引落金額「2000円」、引落出玉数「1000玉」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2を、当該ICカード2が発行された各台計数機10に再度挿入して引落金額及び引落出玉の合算を行う場合を示している。
【0151】
まず、引落金額「2000円」、引落出玉数「1000玉」に係るカードID「123」のICカード2が発行された状態(図11(b)参照)では、各台計数機10のカード発行・読取部14には、カードID「125」・「127」が付与された2枚のICカード2が排出順に格納されている(図12(a)参照)。なお、この状態では、ICカード2は、排出順が第1位のICカード(カードID「125」)には受入済みの現金金額「5000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態となっている(図12(a)参照)。また、排出順位が下位のICカードにはカードID「127」以外の情報は何も書き込まれていない。
【0152】
また、この状態で、カード管理機90には、ICカードに係る発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2が引落金額「2000円」、カードID「125」のICカード2が引落金額「5000円」の履歴データが記録され、かつ、現金引落に係るICカードの発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2について引落金額「7000円」、「2000円」の発行がなされたことが記録されている(図12(a)参照)。
また、ホールコンピュータ50には、計数済みのパチンコ玉データとして「2000玉」のデータが記憶されており、出玉引落に係るICカードの発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2が引落出玉数「1000玉」として発行されたことが記録されている(図12(a)参照)。
【0153】
以上の状態の各台計数機10に対して、引落金額「2000円」、引落出玉数「1000玉」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が挿入されると、ICカード2の読取・回収・データの合算が行われる。
以下、挿入されたICカードが、排出順位の最初のカードとして回収・格納される場合(図12(b))と、排出順位の最後のカードとして回収・格納される場合(図12(c))について説明する。
【0154】
まず、図12(b)に示す例では、引落金額「2000円」、引落出玉数「1000玉」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が各台計数機10に挿入されると、カード発行・読取部14によりカードID「123」と引落金額「2000円」が読み取られ、カードID「123」のICカード2が排出順位第1位の最初のカードとして回収・格納される。そして、この排出順第1位のICカード(カードID「123」)に対して、書き込まれていた引落金額「2000円」のデータが更新され、受入済みの現金金額「5000円」を加算した「7000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態とされる(図12(a)参照)。
また、受入済みの現金金額「5000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態とされていたカードID「125」のICカードが、金額データが消去(「0円」と書込)され、排出順第2位として次回カード発行用に格納される。
【0155】
また、カード発行・読取部14によりカードID「123」が読み取られ、当該カードID「123」がホールコンピュータ50に送信される。
ホールコンピュータ50では、受信したカードID「123」に対応するデータとして引落出玉数「1000玉」のデータが記憶部53から読み出され、当該「1000玉」のデータが、ICカード2が挿入された各台計数機10に対応するパチンコ機100の計数済みのパチンコ玉データ「2000玉」に加算され、当該計数済みのパチンコ玉データが「3000玉」に更新される(図12(b)参照)。
また、ホールコンピュータ50は、ICカードに係る発行履歴データとして、カードID「123」のICカード2の引落出玉数「0玉」として記録するか、又はカードID「123」の履歴データ自体を抹消して管理対象から除外する(図12(b)参照)。
【0156】
また、カード発行・読取部14で発行可能状態とされたICカード2の識別情報と書き込まれた金額データ(カードID「123」:7000円)、及び金額データが更新されICカード2の識別情報と金額データ(カードID「125」:0円)は、カード管理機90に送信・記憶され、ICカードの発行履歴データとして記憶される(図12(b)参照)。
この状態で、カード管理機90には、カードID「123」:7000円と、カードID「125」:0円の情報が記憶されるとともに、カードID「123」のカード発行履歴が記憶される。
【0157】
一方、図12(c)に示す例では、上述した図12(b)とほぼ同様のICカード2の読取・回収・データの合算・更新処理が行われる。
但し、図12(c)に示す例では、カードID「123」が読み取られたICカード2は、各台計数機10内で、排出順位の最後のカードとして回収され、次回のカード発行に備えた状態で格納されるようになっている(図12(c)参照)。
【0158】
まず、図12(c)に示す例では、引落金額「2000円」に係る発行済みのカードID「123」のICカード2が各台計数機10に挿入されると、カード発行・読取部14によりカードID「123」と引落金額「2000円」が読み取られ、カードID「123」のICカード2が排出順位最後のカードとして回収・格納される(図10(c)参照)。このとき、カードID「123」のICカードに書き込まれていた金額データ「2000円」は消去(「0円」と書込)されて、排出順最後の位置に次回カード発行用として格納される。
そして、受入済みの現金金額「5000円」を示す情報が書き込まれて発行可能状態とされていたカードID「125」のICカードが、排出順位第1位のカードとなる。この排出順第1位のICカード(カードID「125」)に対して、カードID「123」のICカード2に書き込まれていた引落金額「2000円」のデータと、受入済みの現金金額「5000円」を加算した「7000円」を示す情報が新たに書き込まれて発行可能状態とされる(図12(c)参照)。
【0159】
また、発行可能状態とされたICカード2の識別情報と書き込まれた金額データ(カードID「125」:7000円)、及び金額データが更新されICカード2の識別情報と金額データ(カードID「123」:0円)は、カード管理機90に送信・記憶され、ICカードの発行履歴データとして記憶される(図12(c)参照)。
この状態で、カード管理機90には、カードID「123」:0円と、カードID「125」:7000円の情報が記憶されるとともに、カードID「123」のカード発行履歴が記憶される。
なお、出玉引落「1000玉」に係るカード発行・読取部14及びホールコンピュータ50における処理動作については、上述し図12(b)の場合と同様である。
【0160】
以上のようにして、本実施形態では、「出玉引落」の玉数と「現金引落」の金額を一つ(同一)のICカード2により指定・特定して、引落及び合算することができる。
これにより、例えば他の遊技者に対して計数済みのパチンコ玉と投入済みの現金の双方を、一枚のICカード2によって共有・譲渡することが可能となり、譲渡を受けた遊技者は複数のICカードを持ち歩く必要がなく、複数遊技者間の遊技媒体及び現金の共有の利便性をより高めることができる。
【0161】
以上説明したように、本実施形態の遊技用システム1及び台間玉貸機20、各台計数機10によれば、パチンコ機100と一対一で対応して設けられる各台計数機10で計数されたパチンコ玉や、台間玉貸機20に投入された現金について、任意の玉数や金額を指定して所定のICカード2を随時発行し、そのICカード2に係る玉数や金額データを既に計数済みのパチンコ玉データ(貯留パチンコ玉数データ)や受入済みの現金データ(貯留金額データ)に合算することができる。
これにより、本実施形態の遊技用システム1では、パチンコ玉の現物の払出や移動・受渡等を一切必要とすることなく、貯留したパチンコ玉や現金の移動・共有・合算等を迅速かつ確実・明確に実行することができ、複数の遊技者間でパチンコ玉や現金を共有することが可能となり、遊技媒体・現金を共有する場合の利便性を飛躍的に向上させることができる。
また、ICカード2は、ワゴンサービス等のサービス提供時の決済としても使用できるとともに、精算機80による精算・現金引出にも使用でき、景品交換や台間玉貸機20に受け入れられた残金の引き出し・精算の利便性も格段に向上させることができる。
【0162】
また、本実施形態では、ICカード2を介して複数の遊技機間でパチンコ玉の移動が行われる場合に、各遊技機におけるパチンコ玉の貸出単価や景品交換率に異なる値が設定されている場合、その貸出単価や景品交換率を反映させた所定の価値換算処理を行うようにしてあり、異なる貸出単価や景品交換率の遊技機間でパチンコ玉の移動・譲渡を行っても、遊技者や遊技場に損失・損害等を生じさせることなく、公正かつ正確なパチンコ玉の移動・譲渡が行えるようになる。
従って、本実施形態の遊技用システム1は、各台計数機10と台間玉貸機20が一対一で対応して備えられるパチンコ機100等の遊技機に好適な遊技用システム及び各台計数機を提供することができる。
【0163】
以上、本発明の遊技用システムと、この遊技用システムに備えられる遊技媒体貸出機について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係る遊技用システム及び遊技媒体貸出機は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、各台計数機10と台間玉貸機20を別体のものとして構成していたが、計数手段や貸出手段、現金受入手段等の各台計数機及び遊技媒体貸出機の機能が一体となった装置を採用することもできる。
【0164】
また、本発明に係る遊技媒体貸出機は、必ずしも、各台計数機の機能を備えていなくても良い。すなわち、遊技機と一対一に対応して備えられる装置であって、本発明に係る「貸出手段」、「現金受入手段」、「記憶手段」、「入力手段」、「記憶媒体発行手段」、及び「記憶媒体読取手段」を備える遊技媒体貸出機であれば、各台計数機の機能を備えない遊技媒体貸出機であっても、本発明の適用を妨げるものではない。
また、上記各実施形態では、本発明を適用する遊技機としてパチンコ機を例にとって説明したが、本発明が適用可能な遊技機は、パチンコ機に限らず、各台計数機及び各台の遊技媒体貸出装置を適用可能な遊技であれば、例えば、スロットマシン、アレンジボール機,雀球機等、どのような遊技機であっても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0165】
本発明は、遊技機毎に設置されている各台の遊技媒体貸出機や、各台計数機を備える遊技用システムとして広く利用することができる。
【符号の説明】
【0166】
1 遊技用システム
2 ICカード
10 各台計数機
20 台間玉貸機
30 台コンピュータ
40 島コンピュータ
50 計数値管理装置
60 景品交換装置
61 ハンディターミナル
70 ホールコンピュータ
80 精算機
90 カード管理機
100 パチンコ機(遊技機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機と一対一に対応して備えられた、
現金を受け入れる現金受入手段と、
前記現金受入手段で受け入れられる現金金額を含む当該遊技機に対する遊技媒体の貸出に使用可能な所定の貯留金額に相当する遊技媒体数を上限値として当該遊技機における遊技で使用される遊技媒体を貸し出す貸出手段と、
前記貯留金額を上限とした任意の引落金額を指定する入力手段と、
所定の記憶媒体を発行する記憶媒体発行手段と、を備え、
前記記憶媒体発行手段が、前記貯留金額を所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とするとともに、前記入力手段により引落金額が指定されると当該引落金額を所定の記憶媒体に書き込み、当該記憶媒体に書き込まれた引落金額を前記貯留金額から減算して新たな貯留金額として所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とする
ことを特徴とする遊技用システム。
【請求項2】
前記所定の記憶媒体に書き込まれた引落金額を読み取る記憶媒体読取手段を備え、
前記記憶媒体発行手段が、前記記憶媒体読取手段で読み取られた記憶媒体に書き込まれた引落金額を前記貯留金額に加算して新たな貯留金額として所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とする請求項1記載の遊技用システム。
【請求項3】
前記貯留金額を遊技機単位で記憶する現金管理装置を備え、
前記現金管理装置が、
前記記憶媒体発行手段により発行可能状態とされた記憶媒体に書き込まれた貯留金額及び前記所定の記憶媒体に書き込まれた引落金額と、前記記憶媒体読取手段により読み取られた記憶媒体に書き込まれた引落金額を記憶する請求項2記載の遊技用システム。
【請求項4】
前記記録媒体発行手段により発行される複数の記録媒体が所定の発行順に格納され、
前記記録媒体発行手段が、
前記入力手段により指定された引落金額が書き込まれた記録媒体を、前記所定の発行順に従って発行するとともに、前記記録媒体読取手段により前記引落金額を読み取られた記録媒体を、前記発行順の所定順位の記録媒体として回収する請求項2又は3記載の遊技用システム。
【請求項5】
前記記録媒体発行手段が、
前記記録媒体読取手段により前記所定情報を読み取られた記録媒体を、前記所定の発行順の最上位の記録媒体として回収する請求項4記載の遊技用システム。
【請求項6】
前記記録媒体発行手段が、
前記記録媒体読取手段により前記所定情報を読み取られた記録媒体を、前記所定の発行順の最下位の記録媒体として回収する請求項4記載の遊技用システム。
【請求項7】
前記記憶媒体に、当該記憶媒体を特定する所定の識別情報が書き込まれる請求項1乃至6のいずれか一項記載の遊技用システム。
【請求項8】
前記記憶媒体発行手段が、所定の切替操作に応じて、前記入力手段で指定される引落金額が所定額以上である場合に、前記記憶媒体を発行する請求項1乃至7のいずれか一項記載の遊技用システム。
【請求項9】
所定の現金金額に応じて交換可能な所定の景品情報を管理する景品交換手段を備え、
前記景品交換手段が、前記記憶媒体に書き込まれた所定情報を読み取る読取手段と、この読取手段により読み取られた所定情報により特定される金額により交換可能な所定の景品情報を抽出し、景品交換処理を確定させる交換処理手段と、を備える請求項1乃至8のいずれか一項記載の遊技用システム。
【請求項10】
前記遊技機と一対一に対応して備えられた、当該遊技機における遊技で使用されていない遊技媒体を計数する計数手段を備えた各台計数機と、
複数の各遊技機に対応する各計数手段で計数される遊技媒体数を含む当該遊技機に対して貸出可能な所定の貯留遊技媒体数を遊技機単位で記憶する遊技媒体管理装置と、を備え、
前記入力手段が、前記貯留遊技媒体数を上限とした任意の引落遊技媒体数を指定し、
前記記憶媒体読取手段が、所定の記憶媒体に書き込まれた前記入力手段により指定された前記引落遊技媒体数を特定するための所定情報を読み取り、
前記遊技媒体管理装置が、
前記入力手段により指定された引落遊技媒体数を、対応する記録媒体に書き込まれた所定情報と関連付けて記憶するとともに、当該引落媒体数を当該入力手段が対応する遊技機の前記貯留遊技媒体数から減算し、
前記記録媒体読取手段により読み取られた記録媒体に書き込まれた所定情報により特定される引落遊技媒体数を、当該記録媒体読取手段が対応する遊技機の前記貯留遊技媒体数に加算する請求項2又は3記載の遊技用システム。
【請求項11】
前記入力手段により指定される前記引落金額及び前記遊技媒体数を特定するための所定情報が、同一の前記記憶媒体に書き込まれて発行される請求項7乃至9のいずれか一項記載の遊技用システム。
【請求項12】
遊技機と一対一に対応して備えられた、
現金を受け入れる現金受入手段と、
前記現金受入手段で受け入れられる現金金額を含む当該遊技機に対する遊技媒体の貸出に使用可能な所定の貯留金額に相当する遊技媒体数を上限値として当該遊技機における遊技で使用される遊技媒体を貸し出す貸出手段と、
前記貯留金額を上限とした任意の引落金額を指定する入力手段と、
所定の記憶媒体を発行する記憶媒体発行手段と、を備え、
前記記憶媒体発行手段が、前記貯留金額を所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とするとともに、前記入力手段により引落金額が指定されると当該引落金額を所定の記憶媒体に書き込み、当該記憶媒体に書き込まれた引落金額を前記貯留金額から減算して新たな貯留金額として所定の記憶媒体に書き込んで発行可能状態とする
ことを特徴とする遊技媒体貸出機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−83512(P2011−83512A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240066(P2009−240066)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】