説明

遊技用装置、及び遊技用システム

【課題】離席した前の客の有価価値と後から入金した客の有価価値を混同することを極力防止する。
【解決手段】台間機3、4、6はカード処理部を備え、台間機3、4、6の制御部は、カード処理部により読み取った情報から有価価値を特定し、特定した有価価値を減算してパチンコ玉を貸し出すとともに、入金またはパチンコ玉の計数によって有価価値を付与する。付与した有価価値は、残有価価値に加算更新する。そして制御部は、計数操作を受け付けると、入金の受け付けを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場において、入金金額に対応した有価価値を付与し、当該有価価値を記憶媒体に対応させ、当該有価価値を用いて遊技する遊技用装置に関し、特に異なる遊技者の有価価値を、既に記憶媒体に対応させた前の遊技者の有価価値に混ぜてしまわないようにするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示す記憶媒体処理装置、記憶媒体処理方法および記憶媒体処理システムにおいては、図30のステップS311において、受け入れた記憶媒体に対応し、入金分の有価価値の加算更新を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4080522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような特許文献1に記載された記憶媒体処理装置、記憶媒体処理方法及び記憶媒体処理システムでは、前の客が休憩等を理由に離席した際当該遊技機では空席となっているので、他の後の客が、空席となった記憶媒体処理装置に前の客の有価価値が残っていることに気が付かず入金してしまうと、前の客の有価価値に、後の客の有価価値を混ぜてしまうという問題が発生する。すると、有価価値の何処までが前の客のもので、何処からが後の客のものか記憶に頼るしかなく、両者の記憶に基づく主張が食い違えばトラブルになる。
【0005】
本発明の遊技用装置、及び遊技システムは、上記問題に鑑みてなされたものであり、離席した前の客の有価価値と後から入金した客の有価価値を混同することを極力防止可能な遊技用装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の遊技用装置は、有価価値を特定可能な情報を記憶可能な記憶媒体を処理する記憶媒体処理手段と、前記記憶媒体処理手段によって処理された記憶媒体に係る有価価値を特定する有価価値特定手段と、前記有価価値を減算して遊技をなす為の処理を行う有価価値減算手段と、入金または遊技媒体の計数によって有価価値を付与する有価価値付与手段と、前記有価価値付与手段によって付与された有価価値を前記有価価値に加算更新する有価価値加算更新手段と、を備えた遊技用装置であって、遊技機毎に設けられた遊技媒体を計数する各台計数手段と、前記各台計数手段による計数に基づいて、入金の受け付けを禁止する入金受付禁止手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、各台計数手段による計数に基づいて、入金の受け付けを禁止する入金受付禁止手段を備えるので、離席した前の客の有価価値と後から入金した客の有価価値を混同することを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態の記憶媒体処理システム全体の構成を示す図である。
【図2】会員用ICカードおよび非会員用ICカードの斜視図である。
【図3】発券機の外観を示す側面図である。
【図4】発券機の構成部を示す図である。
【図5】発券機における動作の流れを示す図である。
【図6】台間機の平面図である。
【図7】台間機(ユニット)の一例を示す平面図である。
【図8】カード処理機の斜視図である。
【図9】図8のカード処理機のA−A断面図である。
【図10】図8のカード処理機のB−B断面図である。
【図11】会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送動作を示す図8のA−A断面図である。
【図12】会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送動作を示す図8のA−A断面図である。
【図13】会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送動作を示す図8のA−A断面図である。
【図14】会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送動作を示す図8のA−A断面図である。
【図15】会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送動作を示す図8のA−A断面図である。
【図16】会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送動作を示す図8のA−A断面図である。
【図17】会員用ICカードまたは非会員用ICカードの搬送動作を示す図8のA−A断面図である。
【図18】台間機の処理部を示す図である。
【図19】台間機における基本動作の流れを示す図である。
【図20】管理装置の構成部を示す図である。
【図21】管理装置における動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による遊技用装置及び遊技用システムを説明する。図1は同実施形態における遊技用装置及び遊技用システムを含むシステム1全体の構成を示す図である。また、図2(a)に会員の遊技者が使用するカード形状記憶媒体である会員用ICカード30の斜視図、図2(b)に非会員の遊技者が使用するカード形状記憶媒体である非会員用ICカード31の斜視図を示す。
【0010】
ここで、会員の遊技者とは、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの属性情報が会員の遊技者を互いに識別するIDに基づいて管理装置13に登録され、会員用ICカード30を有する遊技者をいう。また、非会員の遊技者とは、会員登録されていない一般の遊技者をいう。管理装置13は、他に、各遊技台の遊技情報に係る各種情報を各遊技台毎に管理するホールコンピュータとしての機能、記憶媒体(会員用ICカード30、非会員用ICカード31)毎に異なる識別情報であるID情報に基づいて、各種有価価値(度数情報、持数情報、貯数情報、再プレー用貯数情報、ポイント情報等)を記憶管理するカード管理コンピュータとしての機能、各種景品の入出庫数、在庫数、景品交換に必要な景品交換用有価価値数、景品交換による景品交換用有価価値の減算と更新を行う景品管理コンピュータとしての機能、上記した如くの会員管理コンピュータとして機能を備える。ホールコンピュータ、カード管理コンピュータ、景品管理コンピュータ、会員管理コンピュータの各機能は、1乃至複数のコンピュータで構成することができる。勿論、各1の機能(ホールコンピュータ、カード管理コンピュータ、景品管理コンピュータ、会員管理コンピュータ)を複数のコンピュータによって分散処理してもよい。また管理装置13は、パーソナルコンピュータ17において、各種設定を行え、かつ遊技に係る各種データを所望の形態で表示可能である。
【0011】
この一実施形態の記憶媒体処理システム1では、複数のパチンコ機2および複数のパチンコ機2のそれぞれに接続された台間機3、4、複数のスロットマシン機5およびスロットマシン機5間に接続された台間機6が島コンピュータ7を介してネットワーク8に接続されている。また、ネットワーク8には、計数機9、精算機10、景品管理機(POS)11、再プレー受付機12、発券機20、データ表示機21、データ公開機22なども接続されている。また、パチンコ機2、スロットマシン機5には、夫々パチンコ玉、メダルを計数する各台計数機(図示しない)を備え、台間機3、4、6においては、計数したパチンコ玉、メダルは、内蔵される近接センサー(金属の近接を検知するもの)によって検知されてその数量合計をカウントし、記憶部に有価価値の1つである計数値として記憶される(例えば特願2008−026928、特願2008−189189)。
【0012】
なお、近接センサは、上流から下流にかけて2個並べて配置され、近接センサ処理回路は、上流から下流に流下する場合に+1カウントアップし、下流から上流に逆流する場合に−1をカウントダウンする。また近接センサ処理回路は、近接センサの波形は正弦波状であるが、正弦波が所定値を超えた場合にONとなるコンパレータにローパスフィルタを加えて構成され、1の正弦波に対し、1クロックの矩形波に変換し、変換後の矩形波をカウントアップするカウンタが備えられた電子回路によって構成される。
【0013】
これらの機器からの情報は、ネットワーク8を介して管理装置13に出力され、さらに、プロトコルコンバータ14、モデム15を介してカードセンタ16に送信される。また、管理装置13は、例えば、パーソナルコンピュータ17などとも接続されている。また、管理装置13からの情報は、ネットワーク8を介して各機器に出力される。
【0014】
以下に、本発明の一実施の形態の記憶媒体処理システム1を構成する記憶媒体や各機器のそれぞれについて説明する。<会員用ICカード30および非会員用ICカード31> 次に、図2に示された(a)会員用ICカード30および(b)非会員用ICカード31について説明する。会員用ICカード30および非会員用ICカード31は、従来から遊技システムで使用されていたICチップを有する記憶媒体であり、カード形状を有している。非会員用ICカード31は、会員用ICカード30よりもカードの縦および横の長さが短く、さらに、厚さが薄く構成されている。
【0015】
これらの会員用ICカード30や非会員用ICカード31は、ICチップと、そのICチップを取り巻くアンテナ部とを有する非接触型の記憶媒体であり、アンテナ部を介してICチップに情報の読み書きをすることができる。会員用ICカード30または非会員用ICカード31を用いたシステム1においては、それぞれについて、次に示した管理システムの内のいずれか1つを採用することができる。
【0016】
会員用ICカード30は、(1)IDだけの記録情報を有し、その他の情報は管理装置13において管理されるシステム、または、(2)ID以外に度数などの有価情報などの情報を有し、さらに、その情報は管理装置13においても管理されるシステムを採用することができる。
【0017】
ここで、会員用ICカード30を用いた場合の情報とは、ID、度数、貸玉、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技者の獲得玉)、勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、入金、追加入金、貸玉数、貯玉数、再プレー用貯玉数、再プレー用貯メダル数、再プレー手数料、ポイント、遊技台種別などの情報、これらの情報を履歴情報、日毎情報、週毎情報とした情報、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの会員情報などをいう。また、これらに限るものではなく、遊技管理を行う上で必要な情報であれば管理することができる。さらに、これらの情報は、会員用ICカード30を用いた場合の会員として処理される情報である。
【0018】
また、上記ポイントには、来店ポイント(台間機に会員用ICカードを差し込むと付与されるポイント)、貸玉ポイント(貸し玉数に応じて付与されるポイント)、勝敗ポイント(アウト数からセーフ数の差に応じて、負けた客に付与されるポイント)、稼動ポイント(アウト数に応じて付与されるポイント)などがある。また、会員用ICカード30を用いた場合の管理装置13によって管理される情報は、これらに限るものではなく、遊技管理を行う上で必要な情報であれば管理することができる。
【0019】
非会員用ICカード31は、(3)IDだけの記録情報を有し、その他の情報は管理装置13において管理されるシステム、(4)度数などの有価情報などの情報を有し、管理装置13においてはその情報を管理しないシステム、(5)ID以外に度数などの有価情報などの情報を有し、さらに、その情報は管理装置13においても管理されるシステムを採用することができる。(4)は、管理装置13において情報の管理をする必要がある会員用ICカード30には採用されない。
【0020】
ここで、非会員用ICカード31を用いた場合の情報とは、度数、貸玉、入金、追加入金、貸玉数などの情報、これらの情報を所定の期間に限って管理する情報などをいう。これらの情報は、非会員用ICカード31を用いた場合の非会員として処理される情報である。また、これらの情報には、アウト(発射玉)、セーフ(遊技機への供給玉、つまり遊技の上皿への供給玉:遊技者の獲得玉)、勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、貯玉数、再プレー用貯玉数、再プレー手数料、ポイント、遊技台種別などが含まれない点で会員用ICカード30を用いた場合の会員として処理される情報と異なる。また、非会員用ICカード31を用いた場合の管理装置13によって管理されている情報は、これらに限るものではなく、遊技管理を行う上で必要な情報であれば管理することができる。
【0021】
ここで、記憶媒体処理システム1において処理する有価価値情報を説明する。有価価値情報としては、各種ポイント情報、入金額に対応し、100円1度数の単位で管理され、貸玉、貸メダルに伴う遊技媒体(玉、メダル)の放出数に応じて減算される度数情報、各台計数機(図示しない)または遊技機2、または5が列設された区画の1の単位とする島の端に設置される計数機9によって計数された計数値であって遊技媒体で再放出する際に通常手数料分の減算なしに再放出量のみに応じた量を減算される持数情報、各台計数機で計数した遊技台から他の遊技台に移動する際に非会員用ICカード31または会員用ICカード30を他の台間機3、4、6に挿入するか、または/及び翌日になった場合に持数有価価値情報が変換される貯数情報、貯数情報の内10,000円100度数を限度に貯数情報を変換した再プレー可能な再プレー用貯数情報(上記再放出する際に通常手数料分を再放出量に応じた減算分に上乗せして減算する)、上記ポイント情報等が例示できる。これらの有価価値情報は、会員用ICカード30、非会員用ICカード31(非会員用ICカード31では貯数情報、再プレー用貯数情報は扱わない)に記憶されるとともに、同じく記憶されるID情報に基づいて特定可能に管理装置13の記憶部に記憶される。なお、上記持数有価価値情報、貯数有価価値情報、再プレー用有価価値情報は景品交換に用いることができる為、景品交換用有価価値と呼ぶことにし、度数情報は、入金に対応して付与され、遊技による遊技媒体の貸出量に対応して減算され、残数を精算機10で返金可能であり、景品交換に持ちることのできないものとする。なお、持数情報、貯数情報、再プレー貯数情報は、それぞれ、パチンコ玉数、メダル数を表す、持玉数情報と持メダル数情報、貯玉数情報と貯メダル数情報、再プレー用貯玉数情報と再プレー用貯メダル数情報がある。また、パチンコ玉の貸玉単価、1玉当り4円、2円、1円等の各種単価に対応した持玉数情報、貯玉数情報、再プレー用貯玉数情報、メダルの貸しメダル単価、2枚当り20円、10円、5円等の各種単価に対応した持メダル数情報、貯メダル数情報、再プレー用貯メダル数情報を記憶媒体(非会員用ICカード31、会員用ICカード30)のID情報に基づいて、即ち口座毎に記憶管理する。
【0022】
そして、記憶媒体処理システム1における精算機10に挿入された記憶媒
体(30、31)の情報に基づき特定される度数有価価値情報分を現金として返金可能であり、記憶媒体処理システム1における景品管理機(POS)11においては、受け付けた記憶媒体(30、31)の情報に基づき特定される持数有価価値情報と貯数有価価値情報、及び再プレー用貯数、即ち景品交換用有価価値全ての合算値の範囲内で景品交換することができる。また持数有価価値情報としては、計数したパチンコ玉数である持玉数、計数したメダル数である持メダル数、貯数有価価値情報としては、パチンコ玉数である貯玉数、メダル数である貯メダル数を例示できる。
【0023】
<発券機20> 図3は、発券機20の外観を示す側面図、図4は発券機20の構成部を示す図、図5は発券機20における動作の流れを示す図である。まず、図3を参照して、発券機20の構成について説明する。図3には、発券機20を側面から見た図が示されており、カード挿入口20a、紙幣挿入口20b、購入度数ボタン20cで主に構成されている。
【0024】
発券機20は、紙幣挿入口20bから挿入された紙幣額に対して購入度数ボタン20cで選択された金額に対応する度数を、会員用ICカード30に更新したり、会員用ICカード30が用いられない場合には、その金額に対応する度数が記録された非会員用ICカード31の発行を行うものである。
【0025】
ここで、度数とは、入金された金額を度数化したもので、例えば、1万円を度数化すると100度数となる。また、発券機20では、会員用ICカード30を利用する場合に、来店ポイントが付与される。付与された来店ポイントは、管理装置13において、会員用ICカード30のIDに基づいて管理されているポイント数に加算される。
【0026】
図4に示すように、発券機20は、制御部100、カード処理部101、非会員用カード発行部102、選択ボタン検知部103、貨幣識別部104から構成されている。制御部100は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。この制御部100では、カード処理部101、非会員用カード発行部102、選択ボタン検知部103、貨幣識別部104の各機部間の信号の出入力、および、ネットワーク8を介して管理装置13との間の信号の出入力を制御している。
【0027】
カード処理部101は、会員カード処理部として機能し、カード挿入口20aから挿入された会員用ICカード30に記憶された、例えば、IDやそのIDで管理されている有価情報などの読み取り、その読み取った情報の制御部100への出力、制御部100からの更新された有価情報などの会員用ICカード30への書き込みなどを行うもので、例えば、リーダライタなどで構成される。非会員用カード発行部102は、非会員カード処理部として機能し、紙幣挿入口20bから挿入された紙幣額に対して購入度数ボタン20cで選択された金額に対応する度数を非会員用ICカード31に記録し、さらにIDを付与して発行を行うもので、例えば、リーダライタなどで構成される。
【0028】
選択ボタン検知部103は、購入度数ボタン20c、取消/釣りボタン20dが押されたこ貨幣識別部104は、紙幣挿入口20bから挿入される4種類の紙幣を識別し、識別した紙幣の情報を制御部100に出力するものである。また、制御部100からの情報に基づいて、紙幣返却口20fから紙幣を返却する。そして、制御部100によって制御される、カード処理部101、非会員用カード発行部102、選択ボタン検知部103、貨幣識別部104の各機器部は、次のように動作する(図5)。
【0029】
次に、図5を参照してその動作を説明する。貨幣識別部104は、紙幣が入金された否かを判定する(ステップS110)。ステップS110の判定でNoの場合には、繰り返しステップS110の判定を行う。ステップS110の判定でYesの場合には、貨幣識別部104は、入金された紙幣の識別を行い、その識別情報を制御部100に出力する(ステップS111)。また、貨幣識別部104で識別された紙幣は、発券機20内の紙幣回収部に回収される(ステップS111)。
【0030】
購入度数ボタン20cで希望のボタンが押されたが否かを選択ボタン検知部103が判定する(ステップS112)。ステップS112の判定で、OFFのままの場合には、制御部100は待機状態となり、例えば、この状態で取消/釣りボタン20dが押されたことがステップS123で判定されると、入金された紙幣は紙幣返却口20fから返却される(ステップS124)。
【0031】
ステップS112の判定で、希望の金額の購入度数ボタン20cが押されたことが選択ボタン検知部103で判定された場合には、例えば、購入度数ボタン20cが連続して押されていても同じ動作を繰り返さないようにするために、購入度数ボタン20cのON履歴がクリアされる(ステップS113)。そして、選択された購入度数ボタン20cの情報は、制御部100に出力される。
【0032】
次に、制御部100は、貨幣識別部104で識別された紙幣の金額と選択ボタン検知部103から出力された選択された購入度数ボタン20cの金額の情報に基づいて、比較判定を行う(ステップS114)。
【0033】
ステップS114の判定で、識別された紙幣の金額が購入度数ボタン20cの金額より小さい場合(Noの場合)には、制御部100は待機状態となり、例えば、この状態で取消/釣りボタン20dが押されたことがステップS123で判定されると、入金された紙幣は紙幣返却口20fから返却される(ステップS124)。
【0034】
一方、ステップS114の判定で、識別された紙幣の金額が購入度数ボタン20cの金額以上の場合(Yesの場合)には、カード処理部101は、会員用ICカード30が挿入されているか否かを判定する(ステップS115)。
【0035】
ステップS115の判定で、Yesの場合、カード処理部101は、会員用ICカード30に記憶されたIDを読み取り、読み取ったIDを制御部100に出力する(ステップS116)。さらに制御部100は、そのID、貨幣識別部104で識別された紙幣の金額、選択された購入度数ボタン20cの金額をネットワーク8を介して管理装置13に送信する(ステップS116)。また、会員用ICカード30を利用の場合に付与される来店ポイントが付与され、付与された来店ポイントは、管理装置13において、会員用ICカード30のIDに基づいて管理されているポイント数に加算される(ステップS116)。管理装置13は、読み取られたIDの度数残高に、購入した度数を追加し、その更新された情報をネットワーク8を介して制御部100に出力する(ステップS116)。
【0036】
そして、制御部100は、その情報をカード処理部101に出力し、カード処理部101は、その情報を表示部20eに出力し、表示部20eは、例えば、度数残高などを表示する(ステップS117)。会員用ICカード30は、カード処理部101によってカード挿入口20aから返却(カード挿入口20aへ返送)される。(ステップS118)。 一方、ステップS115の判定で、Noの場合、非会員用カード発行部102は、貯留された非会員用ICカード31にIDを付与し、その情報を制御部100に出力する(ステップS119)。
【0037】
制御部100は、そのID情報、貨幣識別部104で識別された紙幣の金額、選択された購入度数ボタン20cの金額をネットワーク8を介して管理装置13に送信する(ステップS120)。また、非会員用カード発行部102は、付与されたIDを非会員用ICカード31に記録し、その非会員用ICカード31を、例えば、カード挿入口20aから発行する(ステップS121)。
【0038】
ここで、制御部100において、貨幣識別部104で識別された紙幣の金額から選択された購入度数ボタン20cの金額が減じ、残金額に対応する情報を表示部20eに出力する(ステップS122)。そして、制御部100から出力された残金額に対応する情報に基づいて、表示部20eでは、その残金額を表示する(ステップS122)。
【0039】
ここで、ステップS123において、選択ボタン検知部103のよって取消/釣りボタン20dが押されたことが判定(Yesの場合)されると、その情報を制御部100に出力する。制御部100は、貨幣識別部104に残金を返却するための情報を出力する。そして、貨幣識別部104は、その情報に基づいて、残金を紙幣返却口20fから返却する(ステップS124)。一方、ステップS123の判定がNoの場合、制御部100は待機状態となる。
【0040】
<再プレー受付機12> 再プレー受付機12は、会員用ICカード30を受け付け可能であり、非会員用ICカード31は受け付けできない。再プレー受付機12は、会員用ICカード30に記憶されたIDと共に、管理装置13の再プレーFLG、貯玉数および再プレー用貯玉数の情報を書き換えるための要求信号を、ネットワーク8を介して管理装置13に送信し、当該要求信号とIDを受けた管理装置13では、貯数有価価値情報を減算して、減算分を再プレー可能な再プレー用有価価値として10、000円100度数を限度にIDに基づき記憶部に登録することで再プレーを行える状態にするものである。なお、パチンコホールによっては、再プレー受付機12を設けず、台間機3、4、6で再プレー用有価価値を登録する場合もある。
【0041】
再プレーFLGは、管理装置13に書き込まれている情報で、再プレーを可能にしたり、不可能にしたりするものであり、例えば、1が書き込まれていれば再プレー可能、0が書き込まれていれば再プレー不可能になる。ここで、再プレーとは、計数機9において計数され貯玉された貯玉数のうち所定の金額(例えば1万円)に相当する玉数を再プレー用貯玉数とし、その再プレー用貯玉数分の貸玉の貸し出しによって、遊技をすることをいう。また、再プレー受付機12では、会員用ICカード30の利用によって付与されるポイントを、例えば、再プレー用貯玉数に還元することもできる。
【0042】
<台間機3、4、6> 次に、遊技用装置として機能する台間機3、4、6について、図6に示す台間機3、4、6の平面図および図1を参照して説明する。図6には、3種類の台間機3、4、6を正面から見た図が示されており、(a)の台間機3(ユニット)および(b)の台間機4(サンド)はパチンコ用であり、(c)の台間機6(台間メダル貸し機)はスロットマシン用である。
【0043】
台間機3(ユニット)は、パチンコ機2と情報通信ができるので、パチンコ機2の貸玉ボタンが押されると、パチンコ機2内部からパチンコ機2の上皿へ直接パチンコ玉を供給することができる。一方、台間機4(サンド)は、パチンコ機2と情報通信ができないので、パチンコ玉は、サンドのノズルよりパチンコ機2の上皿へ供給される。
【0044】
また、台間機6(台間メダル貸し機)は、台間機4(サンド)と同様に遊技機と情報通信ができないので、メダルは、台間機6(台間メダル貸し機)のメダル払出口に供給され、遊技者によってスロットマシン機5に移動される。なお、台間機6(台間メダル貸し機)のメダル払出口にノズルを取り付け、自動的にメダルがスロットマシン機5のメダル払出口に供給されるようにしてもよい。
【0045】
また、各台間機3、4、6には、カード挿入口3a、4a、6a、貸玉ボタン3b、4b(遊技機に貸玉ボタンを有しているので台間機3(ユニット)にはない場合もある。)、再プレー用貸玉ボタン3c、4c、貸メダルボタン6b、再プレー用貸メダルボタン6c、返却ボタン3d、4d、6d、表示部3e、4e、6e、ランプ3f、4f、6f、カード回収部3g、4g、6gなどが設けられている。カード挿入口3a、4a、6aは、台間機3、4、6への会員用ICカード30または非会員用ICカード31の挿入または排出を行な
うところである。
【0046】
会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口3a、4a、6aから挿入されると、会員用ICカード30または非会員用ICカード31は、カード処理部として機能するリーダライタ部に搬送され、会員用ICカード30または非会員用ICカード31のIDなどの情報が読み取られる。
【0047】
ここで、1枚の会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口3a、4a、6aから挿入されると、例えば、ソレノイドなどの機械的手段によって、カード挿入口3a、4a、6aが封鎖されるので、他の会員用ICカード30または非会員用ICカード31を挿入することはできなくなる。これによって、複数の会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口3a、4a、6aに挿入されることで生じるカード詰りなどを防止することができる。また、ソレノイドなどの機械的手段を用いずに、他の方法でカード詰りなどを防止してもよい。
【0048】
貸玉ボタン3b、4bは、遊技者がパチンコ玉の貸し出しを要求するときに、押されるボタンである。例えば、貸玉ボタン3b、4bが1回押されると500円分のパチンコ玉が貸し出しされる。なお、パチンコ玉の貸し出しは、500円単位で行われる。
【0049】
貸メダルボタン6bは、遊技者がメダルの貸し出しを要求するときに押されるボタンである。例えば、貸メダルボタン6bが1回押されると1000円分のメダルが貸し出しされる。なお、メダルの貸し出しは、1000円単位で行われる。 再プレー用貸玉ボタン3c、4cおよび再プレー用貸メダルボタン6cは、再プレー受付機12において再プレー手続が行われた会員用ICカード使用時にのみ利用され、再プレー用に利用することができるパチンコ玉またはメダルを貸し出しするときに押される。
【0050】
表示部3e、4e、6eは、例えば、度数、貯数、持数、再プレー用有価価値などの有価価値を表示する。これによって、これら度数等の有価価値を確認でき、入金のタイミングを図ることができる。また、表示部3e、4e、6eには、度数以外の情報を表示してもよい。ランプ3f、4f、6fは、遊技している遊技者が、会員または非会員なのかを視覚的に識別するためのもので、例えば、会員の場合は赤色、非会員の場合は青色が発光する。
【0051】
カード回収部3g、4g、6gは、後述する会員カード処理部および非会員カード処理部として機能するカード処理機200の非会員用カードを貯留するカード貯留部において、非会員用カードの貯留限度量に達した場合に、非会員用カードを回収するものである。カード回収部3g、4g、6gに回収された非会員用カードは、従業員などによって、例えば、営業終了後などに回収される。
【0052】
また、遊技機を列設配備した島内に紙幣搬送装置を設置するスペースがない場合、2台の台間機3、4、6に対し1台の割合で、台間機3、4、6の上部の固定されたランプ板部に、貯留機構付き紙幣識別装置19が設置されることもある。この貯留機構付き紙幣識別装置19は、4種類の紙幣に対応できるコンパクトサイズの紙幣識別機であり、台間機3、4、6および島コンピュータ7と情報通信ができるように接続されている。また、貯留機構付き紙幣識別装置19は、2台のパチンコ機2またはスロットマシン機5に対して1台の割合で設けられているため、貯留機構付き紙幣識別装置19の紙幣挿入口19aに入金されたときには、2台のパチンコ機2またはスロットマシン機5の内どちらのパチンコ機2またはスロットマシン機5への入金かを判定する必要がある。そこで、貯留機構付き紙幣識別装置19に2個の遊技機指定ボタン19bを設け、入金された側の遊技機指定ボタン19bを押すことによって、入金された側のパチンコ機2またはスロットマシン機5の指定を行う。また、図7に示した台間機3(ユニット)の一例のように、貯留機構付き紙幣識別装置19の機能は、台間機3、4、6の本体に一体的に構成することもできる。
【0053】
<カード処理機200> 次に、カード挿入口3a、4a、6aから挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31の処理を行うカード処理機200を図8乃至17を参照して説明する。図8は、カード処理機200の斜視図を示す。また、図9は、図8のカード処理機200のA−A断面図、図10は、図8のカード処理機200のB−B断面図を示す。
【0054】
カード処理機200は、カード処理機本体201a、カード処理機開壁部201b、カード挿入口202、リーダライタ部203、カード貯留部204、カード取込上部205、カード取込下部206、挿入検知センサ208、位置セット検知センサ209、落下検知センサ210、搬送ベルト214、搬送タイヤ215から主に構成されている。
【0055】
リーダライタ部203は、IC部203a、アンテナ部203bから構成される。リーダライタ部203では、挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31からの情報の読み取りや、会員用ICカード30または非会員用ICカード31への情報の書き込みが行われる。また、リーダライタ部203は、カード処理機開壁部201bの外壁側に設置され、会員用ICカード30または非会員用ICカード31とカード処理機開壁部201bの壁部を介して情報の送受信を行っている。
【0056】
なお、リーダライタ部203で読み取り、書き込み、または、読み取りおよび書き込みが不可能な会員用ICカード30または非会員用ICカード31が挿入された場合には、その会員用ICカード30または非会員用ICカード31は、カード挿入口202から返却(カード挿入口202へ返送)される。
【0057】
搬送ベルト214は、リーダライタ部203に対向して、カード処理機本体201aに設けられた開口部に配置され、回転軸によって伝達された搬送ステップモータの回転によって、搬送ベルト214は動作する。搬送ベルト214の動作によって、カード挿入口202から挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31は、所定の位置まで搬送される。
【0058】
カード貯留部204は、度数残高がゼロになった非会員用ICカード31を貯留する部分である。また、会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口202に挿入されずに、貨幣が台間機に挿入され、遊技終了後に度数残高がある場合には、その度数残高およびIDを記憶させて発券するための非会員用ICカード31がカード貯留部204から取り出される。カード貯留部204は、カード処理機開壁部201bのカード通路側の壁に、非会員用ICカード31の縦横のサイズよりも大きな縦横サイズの凹部を形成することによって構成される。
【0059】
カード貯留部204の凹部には、凹部に一端が固定され、他端がカード支持板207に固定されたばねが設けられている。また、カード貯留部204の凹部には、限界検知部が設置されている。この限界検知部は、カード貯留部204が貯留できる非会員用ICカード31の許容貯留量に達したときに検知するものである。限界検知部には、例えば、光学的センサや接触により検知するスイッチなどが用いられる。
【0060】
カード取込上部205およびカード取込下部206は、カード貯留部204に非会員用ICカード31を取り込むときに、非会員用ICカード31をカード貯留部204に押し込む動作をするものである。また、カード取込上部205およびカード取込下部206は、カード貯留部204から非会員用ICカード31を取り出す動作をするものである。また、カード取込上部205およびカード取込下部206は、カード支持板207によって押圧される非会員用ICカード31を、その押圧される側と対向する側から支え、非会員用ICカード31がカード貯留部204から放出されるのを防いでいる。
【0061】
挿入検知センサ208、位置セット検知センサ209および落下検知センサ210は、例えば、光学的センサで構成される。各検知センサは、2つの対になるセンサで構成され、2つの対になるセンサは、カード通路を挟んで対向するように配置されている。ここで、2つの対になるセンサの一方は発光部、他方は受光部で構成されている。
【0062】
挿入検知センサ208は、会員用ICカード30または非会員用ICカード31が、カード挿入口202に挿入されたことを検知する投受光部からなる光学式センサである。位置セット検知センサ209は、会員用ICカード30または非会員用ICカード31が、リーダライタ部203との情報のやり取り(交信)を行える位置(リードライト位置)にあるか否かを検知するセンサである。また、位置セット検知センサ209は、非会員用ICカード31をカード貯留部204に貯留する際に、非会員用ICカード31が所定の位置に搬送されたか否かを検知するセンサとしても用いられる。落下検知センサ210は、非会員用ICカード31をカード回収部216に回収する際に、カード処理機200からカード回収部216に向けて落下されたか否かを検知するセンサとして用いられる。
【0063】
また、図9に示すように、カード処理機本体201aの内壁には、カード種区別部材218が設置されている。カード種区別部材218は、会員用ICカード30および非会員用ICカード31をそれぞれの縦横の長さまたは厚さなどのカードサイズから区別するものである。
【0064】
例えば、カードの縦方向(搬送方向と垂直な方向)の長さによって区別する場合には、カード種区別部材218の重力方向(図9では下方向)の長さを調整して、非会員用ICカード31のみが通過できるようにする。また、カードの厚さによって区別する場合には、カード種区別部材218の幅方向(カード通路の幅方向)の長さを調整して、非会員用ICカード31のみが通過できるようにする。このカード種区別部材218を設けることで、会員用ICカード30よりカードサイズの小さい非会員用ICカード31のみをカード貯留部204に貯留可能な位置に移動することができ、会員用ICカード30が、カード貯留部204に誤って貯留されるのを防止することができる。
【0065】
搬送タイヤ215は、カード貯留部204に対向するカード処理機本体201aに設けられた開口部に配置され、回転軸を介して伝えられた搬送ステップモータと隣接するステップモータの駆動力によって回転させられる。
【0066】
また、搬送タイヤ215の回転軸を非会員用ICカード31面に対して垂直方向に作動させる。つまり、ソレノイドを一方に突出させると、搬送タイヤ215は、非会員用ICカード31面から離れる方向に動作し、ソレノイドを他方に突出させると、搬送タイヤ215は、非会員用ICカード31面を押圧する方向に動作する。この搬送タイヤ215は、非会員用ICカード31をカード回収部216と連通したカード排出部217に導く場合に作動する。このように、搬送タイヤ215を設けることで、スムーズに非会員用ICカード31をカード排出部217に導くことができる。
【0067】
次に、カード挿入口202から挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31の搬送動作を図11乃至17を参照して説明する。挿入検知センサ208が、カード挿入口202から会員用ICカード30または非会員用ICカード31が挿入されたことを検知すると、搬送ステップモータ236を駆動し、搬送ベルト214を作動させる(図11)。
【0068】
会員用ICカード30または非会員用ICカード31は、搬送ベルト214によって、リーダライタ部203との情報のやり取り(交信)を行える位置(リードライト位置)まで搬送される。そして、その位置に会員用ICカード30または非会員用ICカード31が搬送されたことが、位置セット検知センサ209によって検知されると、搬送ベルト214の動作を停止させる(図12)。
【0069】
会員用ICカード30または非会員用ICカード31の情報が、リーダライタ部203で読み取られる。会員用ICカード30が用
いられた場合には、遊技終了後、台間機3、4、6の返却ボタン3d、4d、6dが押されると、最新の情報がリーダライタ部203によって会員用ICカード30に書き込まれ、カード挿入口202から返却(カード挿入口202へ返送)される。なお、会員用ICカード30が用いられた場合には、度数残高がゼロでもカード挿入口202から返却(カード挿入口202へ返送)される(図13)。
【0070】
非会員用ICカード31が用いられた場合には、遊技終了後、台間機3、4、6の返却ボタン3d、4d、6dが押され、度数残高を有すれば、最新の情報がリーダライタ部203によって非会員用ICカード31に書き込まれ、カード挿入口202から返却(カード挿入口202へ返送)される(図13)。
【0071】
一方、度数残高がゼロのときには、搬送ベルト214を再度作動し、非会員用ICカード31は、カード貯留部204に対向する位置まで搬送される(図14)。ここで、カード貯留部204の限界検知部231によって検知されずに、非会員用ICカード31の貯留量に余裕があれば、非会員用ICカード31は、カード貯留部204に貯留される。
【0072】
一方、カード貯留部204の限界検知部によって貯留限界量に達したことが検知された場合には、搬送タイヤ215を回転させ、非会員用ICカード31をカード排出部217に導く(図15)。カード排出部217に導かれた非会員用ICカード31は、カード回収部216に落下し、カード回収部216に回収される(図15)。落下検知センサ210は、非会員用ICカード31が、カード排出部217を通過したことを検知し、その通過後、搬送タイヤ215の回転が停止させる。
【0073】
なお、上述した会員用ICカード30または非会員用ICカード31の搬送動作は、会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口202から挿入された場合である。
【0074】
次に、会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口202に挿入されずに、貨幣が貯留機構付き紙幣識別装置19に挿入された場合について説明する。会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口202に挿入されずに、貨幣が貯留機構付き紙幣識別装置19に挿入されると、カード貯留部204から貯留されている非会員用ICカード31は、カード取込上部205およびカード取込下部206を回転させることによって、カード取込下部206上に取り出される(図16)。そして、搬送ステップモータ236を駆動し、搬送ベルト214を作動させ、非会員用ICカード31が、リーダライタ部203との情報のやり取り(交信)を行える位置(リードライト位置)まで搬送される(図17および図12)。
【0075】
遊技終了後、台間機3、4、6の返却ボタン3d、4d、6dが押され、度数残高を有すれば、最新の情報がリーダライタ部203によって非会員用ICカード31に書き込まれ、カード挿入口202から返却(カード挿入口202へ返送)される(図13)。
【0076】
一方、度数残高がゼロのときには、搬送ベルト214を再度作動し、非会員用ICカード31は、カード貯留部204に対向する位置まで搬送される(図14)。そして、再度、非会員用ICカード31は、カード貯留部204に貯留される。
【0077】
なお、ここでは、会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード挿入口202に挿入されずに、貨幣が貯留機構付き紙幣識別装置19に挿入された場合に、貨幣が貯留機構付き紙幣識別装置19に挿入されたのち直ちに、カード貯留部204から非会員用ICカード31が取り出される例を示したが、カード貯留部204からの非会員用ICカード31の取り出しは、遊技終了後、台間機3、4、6の返却ボタン3d、4d、6dが押され、度数残高を有することが確認されてから行われてもよい。
【0078】
前述したカード処理機200においては、非会員用ICカード31は、その厚さ方向が重力方向に対して垂直になる姿勢で、挿入、搬送、およびカード貯留部204内に積層されて貯留される。従って、本カード処理機は、幅狭に形成することができ、例えば4cm幅のパチンコ台間等の、幅狭な空間にも好適に設置することが可能となる。
【0079】
さらに、カード処理機200は、カード回収部216が、カード搬送分岐部よりも重力方向の下方部に備えられている。従って、ICカード31をカード回収部216に搬送する場合、ICカード31を重力に抗して搬送するようなリフトアップ装置が不要であり、装置を小型化できる。そして更に、ICカード31を垂直にカード処理して、カード貯留部204が満杯でなければそのままカード貯留部204に再発行可能に貯留し、満杯であれば、そのままの姿勢を維持して重力作用を利用して回収することができるため、必要なカード搬送機構を必要最小限にすることができる。このため装置を小型にすることができる。
【0080】
<台間機3、4、6の動作> 次に、図18および19を参照して、台間機3、4、6の動作について説明する。各台間機3、4、6における基本的な動作は同じであるので、ここでは、一例として台間機3(ユニット)における動作について説明する。図18は台間機3、4、6の処理部を示す図、図19は台間機3、4、6における動作の流れを示す図である。
【0081】
また、ここでは、会員用ICカード30または非会員用ICカード31は、IDだけを有し、その他の情報は管理装置13において管理されるシステムにおける動作の説明をする。さらに、この説明では、会員用ICカード30を利用する場合には、再プレー受付機12で再プレー受付された後においては、再プレーFLGが1、再プレーに利用可能な玉数を再プレー用貯玉数として管理装置13が有しているシステムであることを前提とする。
【0082】
図18に示すように、台間機3は、制御部300、カード処理部301、カード貯留処理部302、カード位置検知部303、選択ボタン検知部304、貨幣識別部305、入力操作部306及び表示部307から構成されている。
【0083】
制御部300は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。この制御部300では、カード処理部301、カード貯留処理部302、カード位置検知部303、選択ボタン検知部304、貨幣識別部305の各機部間の信号の出入力、および、島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13との間の信号の出入力を制御している。ここで、島コンピュータ7は、パチンコ機2、スロットマシン機5および台間機3、4、6と、ネットワーク8との間の情報の通信を行うもので、データロガなどで構成されている。
【0084】
カード処理部301は、カード挿入口3aから挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31に記憶された、例えば、IDやそのIDで管理されている有価情報などの読み取り、その読み取った情報の制御部300への出力、制御部300からの更新された有価情報などの会員用ICカード30または非会員用ICカード31への書き込みなどを行うもので、例えば、リーダライタなどで構成される。
【0085】
カード貯留処理部302は、非会員用ICカード31のカード貯留部204への貯留、カード貯留部204からの取り出しまたはカード回収部216への搬送を行うもので、前述したカード取込上部205およびカード取込下部206などで構成される。また、カード貯留処理部302は、カード貯留部204が貯留できる非会員用ICカード31の貯留限界量に達したか否かを判定する機能も有するものである。
【0086】
カード位置検知部303は、会員用ICカード30または非会員用ICカード31の搬送が、適切に行われたか否かを検知するもので、前述した、主に光学式センサで構成される、挿入検知センサ208、位置セット検知センサ209、落下検知センサ210などで構成される。選択ボタン検知部304は、貸玉ボタン3b、再プレー用貸玉ボタン3c、返却ボタン3dが押されたことを検知し、その押された信号に基づいて、制御部300に信号を出力するものである。
【0087】
貨幣識別部305は、貯留機構付き紙幣識別装置19からの信号に基づき4種類の紙幣を識別し、識別した紙幣の情報を制御部300に出力するものである。ここでは、貨幣識別部305は、台間機3に一体的に構成されている。入力操作部306は、遊技者が操作して情報入力を行うものである。表示部307は、情報表示を行う表示装置である。入力操作部306と表示部307は、一体になっていてもよく、例えば、タッチパネル付きの液晶表示装置で構成する。そして、制御部300によって制御される、カード処理部301、カード貯留処理部302、カード位置検知部303、選択ボタン検知部304、貨幣識別部305の各機器部は、下記のように動作する。
【0088】
紙幣挿入禁止部308は、紙幣識別装置19に挿入可能に開口される開口部を挿入不可能に突出ピンを突き出し、紙幣の挿入を妨げる機構を有する。紙幣挿入禁止部308においては、制御部300によって図19(ステップS309)に示す如く、紙幣挿入禁止するか否かの指令信号に応じて突出ピンを進退させる。紙幣挿入禁止部308は、下記のように動作する。
【0089】
次に、図19を参照して動作を説明する。制御部300は、各台計数機の計数結果を、既述の近接センサ処理回路のカウント値を読み出して記憶部に持数として積算して記憶する(ステップS308)。なお持数としては持玉数、持メダル数があり、台間機毎に設定される貸玉単価、例えば1玉4円、2円、1円、貸しメダル単価、例えば1枚30円、10円、5円の各貸出単価に応じて異なるパラメータとして処理される。
【0090】
次いで制御部300は、所定の操作(第1の操作)があったか否かの履歴情報を記憶部から読み出し、予め設定された所定の操作(第1の操作、各台計数手段による計数の実績を含む)があった場合に、紙幣挿入を禁止するべく、紙幣挿入禁止部308の突出ピンを紙幣挿入口に紙幣挿入が不可能な位置に突出させる指示信号を出力し(ステップS309、YESの場合)、ステップS313に移行する。一方、制御部300は、予め設定された所定の操作(第2の操作)があった場合か、各種有価価値(度数、貯数、持数、再プレー用貯数、ポイント等)が遊技の進行に伴い全て0であると判別した場合、のいずれかの場合に、紙幣挿入を可能とするべく、紙幣挿入禁止部308の突出ピンを紙幣挿入口に紙幣挿入が可能な位置に退去させる指示信号を出力し(ステップS309、NOの場合)、ステップS310に移行する。受けた制御部300からの上記指示信号に応じて、紙幣挿入禁止部308は、電磁ソレノイドを作動させ、突出ピンを進退させる。なおここで遊技の進行に伴い、制御部300は、全ての各種有価価値が0となったと判別した場合、制御部300は、所定の操作(第1の操作)、所定の操作(第2の操作)の履歴は全てクリアする。
【0091】
所定の操作(第1の操作)としては、遊技用装置(台間機3、4、6)もしくは当該遊技用装置と接続される各種機器(遊技機を含む)における、貸玉ボタンの押圧信号の受信、再プレーボタン押圧信号の受信、ビルバリへの入金した際にビルバリから生じる各種信号の内少なくとも1種の信号の受信、記憶媒体の返却ボタン押圧信号の受信、各台計数機が付属する場合には各台計数機への計数信号または計数値信号の受信、リモコンからの各種指示信号の受信、等が例示できる。所定の操作(第2の操作)としては、遊技用装置(台間機3、4、6)もしくは当該遊技用装置と接続される各種機器(遊技機を含む)における、例えば、入金可と表示されたボタン(液晶パネル上のタッチ画面等を含む)の押圧信号の受信、の他、タッチパネルのタッチ信号の受信、玉貸ボタンの押圧信号の受信、返却ボタンの押圧信号の受信、リモコンの所定操作
の受信、等を例示できる。
【0092】
なお、ステップS309において、制御部300は、下記に記載する遊技継続判定、即ち、「遊技非継続」と判定した後所定時間内であると判定した場合、前記入金受付禁止手段による紙幣の受け付け可能とするべく、紙幣挿入禁止部308の突出ピンを紙幣挿入口に紙幣挿入が可能な位置に退去させる指示信号を出力し(ステップS309、NOの場合)、ステップS310へ移行し、所定時間経過後であると判定した場合、前記入金受付禁止手段による紙幣の受け付けの禁止を行うべく、指示信号を出力し、紙幣挿入禁止部308の突出ピンを紙幣挿入口に紙幣挿入が不可能な位置に突出させる指示信号を出力し(ステップS309、YESの場合)、ステップS313へ移行するようにしてもよい。
【0093】
遊技継続判定としては、台間機3、4の場合であれば、遊技機がパチンコ機であるので、制御部300は、
1) パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知が第2の所定時間(例えば1分、2分等機種毎に異なる最長リーチの時間を設定するとよい。管理装置13から設定される)を超えて途絶えたと判定した場合に、「遊技非継続」と判定し、第2の所定時間途絶えなかった場合に、「遊技継続」と判定する
2) パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知数が、第3の所定期間(例えば1分、2分等機種毎に異なる最長リーチの時間を設定するとよい。管理装置13から設定される)が所定値以下であると判定した場合に、「遊技非継続」と判定し、第3の所定期間に所定値より大である場合に、「遊技継続」と判定する、
3) 遊技機のパチンコ玉の発射装置の操作がOFF状態(パチンコ遊技機における発射装置のハンドルから手を離した旨の信号に基づく)と判定した場合、「遊技非継続」と判定し、ON状態の場合、「遊技継続」と判定する、
1)〜3)のいずれか(少なくとも1つを含む)によって判定する。
【0094】
一方、遊技継続判定としては、台間機6の場合であれば、遊技機がスロットマシンであるので、制御部300は、
4) スロットマシンからのメダルの投入の検知(IN信号)が第4の所定時間(例えば1分、2分等機種毎に異なる最長リーチの時間を設定するとよい。管理装置13から設定される)を超えて途絶えたと判定した場合に、「遊技非継続」と判定し、第4の所定時間途絶えなかったと判定した場合に「遊技継続」と判定する
5) スロットマシンからのメダルの投入の検知(IN信号)、賞として払いだされる払出の検知(OUT信号)、またはスロットマシンの複数の図柄を描画した複数のリールを回転させる為のレバー操作、が第5の所定期間(例えば1分、2分等機種毎に異なる最長リーチの時間を設定するとよい。管理装置13から設定される)に所定値以下であると判定した場合に、「遊技非継続」と判定し、第5の所定期間に所定値より大である場合に、「遊技継続」と判定する
4)〜5)のいずれか(少なくとも1つを含む)によって判定される(ステップS309)。このようにすることで、さらに高精度な遊技継続判定をすることができる。
【0095】
このように、遊技の継続を判定する遊技継続判定手段を備え、前記遊技継続判定手段によって遊技非継続と判定された後所定時間内であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行わず、所定時間経過後であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行うので、パチンコ遊技機におけるリーチ(例えば3種の絵柄の内、2種が揃い、残り1種が確定しない状態)における演出(長いもので数分かかる)時には、遊技者は遊技を行わず、当該演出を見入る為、演出期間である所定時間内においては、入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行わず、演出期間を過ぎた所定時間後においては、入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行うことができる。またこのように入金受付禁止手段による入金の受け付けを禁止する状態を、有価価値の残数0となった場合に自動的に解除するので、継続して遊技する客、及び次に客が速やかに入金して遊技を開始できる。
【0096】
遊技継続判定は、他に、遊技用装置の遊技者側を撮像するカメラ等で、制御部300が、定期的、或いは何らかの操作(入金、計数、何かのボタン押圧操作)時に撮像し、前回もしくはそれより前の撮像と比較して、今回の撮像結果が異なる遊技者あるいは遊技者が存在しない場合に「遊技非継続」と判定し、同一遊技者であると判定した場合に「遊技継続」と判定するようなことを例示できる(ステップS309)。またカメラではなく、各台計数機の遊技者側に設けた赤外線センサにより継続して遊技者を検知している場合「遊技継続」と判定し、継続して遊技者を検知しない場合に「遊技非継続」と判定するようにしてもよい(ステップS309)。また、第1の操作として、遊技用装置(台間機3、4、6)もしくは遊技用装置と接続される各種機器(遊技機を含む)における、貸玉ボタンの押圧信号の受信、再プレーボタン押圧信号の受信、ビルバリへの入金した際にビルバリから生じる各種信号等の内に複数種の操作であり、第2の操作は、遊技用装置(台間機3、4、6)もしくは遊技用装置と接続される各種機器(遊技機を含む)における、所定の1種の操作(例えば、入金可と表示されたボタンの押圧)とするとよい。このように第1の操作を複数種とすることで、遊技者が操作方法を知らなくても自然に入金不可の状態とすることができ、空席状態の場合に後から来た客の誤った追加入金を防止でき、第2の操作を所定の1種の操作とする(しかも「入金可」表示すればわかりやすい)ことで、例えば、客の1万円分の計数値(有価価値)を残して所望の景品交換をしたい、そしてもう少し遊技したいとか、有価価値の残数がある、発射玉が遊技機の皿上にない状態で追加入金したい等、遊技機を熟知したベテラン遊技客の要望に答えるとともに、空席状態の場合に後から来た遊技客の意図しない遊技用装置への接触等で、入金可能になってしまうことを防止できる(ステップS309)。
【0097】
制御部300は、会員用ICカード30、非会員用ICカード31または紙幣を受け入れるまで待機状態にある。貨幣識別部305は、紙幣の受け入れがされたか否かを判定する(ステップS310)。
【0098】
ステップS310の判定で、Yesの場合、貨幣識別部305は、紙幣の入金額に対応する度数を制御部300に出力する。カード処理部301またはカード位置検知部303は常に会員用ICカード30または非会員用ICカード31が挿入されたか否かを判定している。そして、カード処理部301またはカード位置検知部303によって、会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード処理部301に挿入されていることが判定された場合、カード処理部301で会員用ICカード30または非会員用ICカード31のIDが読み取られ、制御部300に出力される。
【0099】
制御部300は、貨幣識別部305からの紙幣の入金額に対応する度数とカード処理部301からのIDの情報を島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13に送信する(ステップS311)。管理装置13に送信された情報は、管理装置13に記録される(ステップS311)。ここで挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31が読み取りまたは書き込みが不可能な場合は、カード処理部301は、会員用ICカード30または非会員用ICカード31を返却する。
【0100】
一方、カード処理部301またはカード位置検知部303によって、会員用ICカード30または非会員用ICカード31がカード処理部301に挿入されていないと判定された場合、前述した非会員用ICカード31のカード貯留部204からの取出動作(図26)で説明したように、カード貯留処理部302によって、カード貯留部204から非会員用ICカード31が取り出される。そして、取り出された非会員用ICカード31は、カード処理部301に搬送される(ステップS312)。
【0101】
そして、カード処理部301に搬送された非会員用ICカード31は、カード処理部301によってIDが与えられる(ステップS312)。制御部300は、そのIDおよび紙幣の入金額に対応する度数を管理装置13に出力し、非会員用ICカード31にオフラインとなった場合に備え記憶する(ステップS312)。管理装置13は、その情報をIDに基づいて記録する(ステップS312)。そして、ステップS318へ進む。
【0102】
ステップS310の判定で、Noの場合には、カード位置検知部303によって、会員用ICカード30または非会員用ICカード31が挿入されているか否かが判定される(ステップS313)。ステップS313の判定で、Noの場合には、制御部300は待機状態となる。ステップS313の判定で、Yesの場合には、カード処理部301によって、会員用ICカード30または非会員用ICカード31の情報の読み取りおよび書き込みが可能か否かが判定される(ステップS314)。
【0103】
ステップS314の判定で、Yesの場合には、制御部300は、カード処理部301に会員用ICカード30または非会員用ICカード31を返却する情報を出力する。その情報を受け取ったカード処理部301は、カード挿入口3aから会員用ICカード30または非会員用ICカード31を返却(カード挿入口3aへ返送)する(ステップS315)。
【0104】
ステップS314の判定で、Noの場合には、カード位置検知部303によって、会員用ICカード30または非会員用ICカード31の搬送に不良があるか否かが判定される(ステップS316)。ステップS316の判定で、Yesの場合には、制御部300は、表示部3eに搬送不良が発生したことを表示させる(ステップS317)。また、制御部300は、島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13に、搬送不良の情報を出力する。管理装置13は、その搬送不良の情報に基づいて、景品管理機(POS)11などに搬送不良が発生に基づく情報を出力する(ステップS317)。また、ブザー、場内放送などで搬送不良が発生したことを報知することもできる(ステップS317)。ここで、カード搬送不良の原因となるカードが取り除かれるまで待機したのちステップS318へ進む。
【0105】
ステップS316の判定で、Noの場合には、会員用ICカード30または非会員用ICカード31に記憶されたIDをカード処理部301で読み取る(ステップS318)。カード処理部301は、読み取ったIDを、制御部300に出力し、さらに制御部300はそのIDを管理装置13に送信する。そして、管理装置13は、そのIDで管理されている有価情報などを読み取り、読み取った情報をネットワーク8、島コンピュータ7を介して制御部300へ送信する(ステップS318)。制御部300は、管理装置13から送信された情報のうち有価情報の一部を、表示部3eに表示する(ステップS318)。
【0106】
ステップS310において、貯留機構付き紙幣識別装置19の紙幣挿入口19aから入金がされたとき(S310でYES)には、貨幣識別部305でその入金額を判定し、その入金額の情報を制御部300に出力する(ステップS318)。制御部300は、入金額に対応した度数情報、ステップS308において各台計数機で計数された結果、即ち持数情報、を島コンピュータ7、ネットワーク8を介して管理装置13に定期的(管理装置13から送信権を得た場合、即ち各台間機3、4、6毎に順次)に送信する(ステップS318)。管理装置13では、制御部700における記憶部に、ID情報で特定される記憶エリアにその入金分の度数情報、及び持数情報を度数残高に積算して書き込む(ステップS318)。但し、記憶媒体(会員用ICカード30、非会員用ICカード31)への書き込みは、制御部300が、ステップS334、ステップS336のカード返却時に全ての有価価値情報(度数情報、持数情報、貯数情報、再プレー用貯数情報、ポイント数)を書き込むので、ここでは行わない(ステップS318)。無線交信式データキャリア(ICタグ)である30、31は、書き込み回数の使用限度が数千回であり、書き込み頻度を極力減らしたい。
【0107】
選択ボタン検知部304で、遊技者が貸玉ボタン3bを選択することに基づく貸玉要求信号が入力されたか否かが判定される(ステップS319)。ステップS319の判定がYesの場合には、その貸玉要求信号が制御部300に出力される(ステップS320)。
【0108】
制御部300では、会員用ICカード30または非会員用ICカード31のIDに対応する度数残高を管理装置13から読み出し、この度数残高と貸玉要求信号に相当する度数とを比較し、度数残高が貸玉要求信号に相当する度数より大きければ、その貸玉要求信号に基づく貸玉排出動作信号を制御部300を介してパチンコ機2の制御部に送信し、所定数のパチンコ玉のパチンコ機2の上皿への貸し出しを行わせる(ステップS320)。
【0109】
また、制御部300は、度数残高から貸玉要求信号に相当する度数を減算し、その減算された度数残高を管理装置13へ送信する。管理装置13は、その減算された度数残高に基づく情報をID毎に書き込む。(ステップS320)。さらに、会員用ICカード30が利用されている場合には、管理装置13では、貸玉要求信号に相当する度数に応じて付与されるポイントをIDに基づいて加算する(ステップS321)。
【0110】
ステップS319の判定がNoの場合には、選択ボタン検知部304で、遊技者が再プレー用貸玉ボタン3cを選択することに基づく再プレー用貸玉要求信号が入力されたか否かが判定される(ステップS322)。
【0111】
ステップS322の判定がYesの場合には、再プレー用貸玉要求信号がIDに基づいて、制御部300から管理装置13に送信される。管理装置13は、IDに基づいて管理されている再プレーFLGの値を制御部300に出力する。
【0112】
制御部300では、管理装置13からの再プレーFLGの値を判定する(ステップS323)。再プレー受付機12で受付されたときには、管理装置13内の記録値である再プレーFLGが1となり、受付されていないときには、再プレーFLGが0となっている。ステップS323の判定において、再プレーFLGが1であることが制御部300によって判定された場合、制御部300は、再プレー用貸玉要求信号をパチンコ機2の制御部に出力する(ステップS324)。パチンコ機2の制御部は、パチンコ機2から所定数のパチンコ玉の貸し出しを行わせる(ステップS324)。また、制御部300は、再プレー用貸玉要求信号に相当する玉数の情報を管理装置13に出力する。そして、管理装置13では、再プレー用貯玉数から再プレー用貸玉要求信号に相当する玉数が減算され、減算後の再プレー用貯玉数がID毎に書き込まれる(ステップS324)。なお、再プレーフラグは、再プレー受付機12、または台間機3、4、6によって再プレー用有価価値(再プレー用貯玉数、再プレー用貯メダル数)を1万円相当の範囲で登録する際に管理装置13がこれらの機器からの再プレー用有価価値の登録値を受信すると1とし、再プレー用有価価値が0となった場合に管理装置13の制御部700が0とするようにしてもよい。また台間機3、4、6への記憶媒体(30、31)の受付時に管理装置13からネットワーク8を介して台間機3、4、6の制御部300がID情報に対応した再プレーフラグを受信するようにしてもよい。ステップS326において再プレーフラグを0としてもよい。
【0113】
一方、ステップS323の判定において、再プレーFLGが0であることが制御部300によって判定された場合、パチンコ玉の貸し出しは行われず、ステップS327へ進む。このときには、例えば、制御部300は、表示部3eに「再プレーできません。」などの表示をさせることもできる。また、ステップS322でNoと判定されると、ステップS325に進む。
【0114】
続いて、制御部300は、管理装置13から再プレー用貯玉数の情報を受信し、との通信によって得た再プレー用貯玉数が0か否かを判定する(ステップS325)。ステップS325の判定において、Yesの場合には、制御部300は、再プレーFLGの数値を0に書き換える情報を管理装置13に出力する(ステップS326)。そして、管理装置13では、IDに基づいて再プレーFLGの数値が0に書き換える(ステップS326)。
【0115】
ステップS325の判定において、Noの場合には、選択ボタン検知部304で、返却ボタン3dを選択することに基づく返却要求信号が入力されたか否かが判定される(ステップS327)。ステップS327の判定において、Noの場合には、選択ボタン検知部304は、その情報を制御部300に出力する。そして、カード処理部301またはカード位置検知部303は、会員用ICカード30が挿入されているか否かを判定する(ステップS328)。
【0116】
ステップS328の判定において、Yesの場合には、カード処理部301またはカード位置検知部303は、その情報を制御部300に出力する。そして、制御部300は、ランプ3fに赤色を点灯させ(ステップS329)、ソレノイドでカード挿入口3aを封鎖させる(ステップS330)。
【0117】
一方、ステップS328の判定において、Noの場合には、カード処理部301またはカード位置検知部303は、その情報は制御部300に出力する。続いて、カード処理部301またはカード位置検知部303は、非会員用ICカード31が挿入されているか否かを判定する(ステップS331)。
【0118】
ステップS331の判定において、Yesの場合には、カード処理部301またはカード位置検知部303は、その情報を制御部300に出力する。そして、制御部300は、ランプ3fに青色を点灯させ(ステップS332)、ソレノイドでカード挿入口3aを封鎖させる(ステップS330)。ステップS331の判定において、No
の場合には、リターンしてスタートに戻る。
【0119】
ステップS327の判定において、Yesの場合には、選択ボタン検知部304は、その情報を制御部300に出力する。さらに、カード処理部301またはカード位置検知部303が、非会員用ICカード31があるか否かを判定する(ステップS333)。
【0120】
ステップS333の判定において、Noの場合には、カード処理部301またはカード位置検知部303は、その情報を制御部300に出力する。制御部300は、カード処理部301に、カード挿入口3aより会員用ICカード30を返却する情報を出力する。カード処理部301は、その情報に基づいて会員用ICカード30を返却(カード挿入口3aへ返送)する(ステップS334)。次いで返却に際し、制御部300は、会員用ICカード30に係るID情報と、最終的な全ての有価価値情報を管理装置13にネットワーク8を介して送信する。管理装置13の制御部700では受信したID情報に基づいて全ての有価価値情報(度数情報、貯数情報、持数情報、再プレー用貯数情報、ポイント等)を記憶部に記憶更新する。また制御部300は、返却に先だって、全ての有価価値情報(度数情報、貯数情報、持数情報、再プレー用貯数情報、ポイント等)を会員用ICカード30に書き込む(ステップS334)。
【0121】
一方、ステップS333における判定で、Yesの場合には、カード処理部301またはカード位置検知部303は、その情報を制御部300に出力する。続いて、カード処理部301は、非会員用ICカード31に度数残高があるか否かを判定する(ステップS335)。
【0122】
ステップS335の判定において、Yesの場合には、カード処理部301は、その情報を制御部300に出力する。制御部300は、カード処理部301に、カード挿入口3aより非会員用ICカード31を返却する情報を出力する。そして、カード処理部301は、その情報に基づいて非会員用ICカード31を返却(カード挿入口3aへ返送)する(ステップS336)。次いで返却に際し、制御部300は、非会員用ICカード31に係るID情報と、最終的な全ての有価価値情報を管理装置13にネットワーク8を介して送信する。管理装置13の制御部700では受信したID情報に基づいて全ての有価価値情報を記憶部に記憶更新する。また制御部300は、返却に先だって、全ての有価価値情報(度数情報、貯数情報、持数情報、再プレー用貯数情報、ポイント等)を非会員用ICカード31に書き込む(ステップS336)。なお、ここで非会員用ICカード31がリーダライタ部203になく、カード貯留部204にもない状態で内部記憶部に各有価価値を記憶している場合、表示部3e、4e、6eに「CArd」と表示し、店員にカード補充が必要な旨をネットワーク8を介して管理装置13に通知し、管理装置13の制御部700はインカムにより店員に音声で台番号とカード補充が必要な旨を報知する。なお、この際、管理装置13の制御部700は当該台間機3、4、6の台番号を通知される情報に含まれる台間機のアドレス情報により特定される。
【0123】
ステップS335の判定において、Noの場合には、カード処理部301は、その情報を制御部300に出力する。続いて、カード貯留処理部302は、カード貯留部204が貯留量が限界か否かを判定する(ステップS337)。
【0124】
ステップS337の判定において、Yesの場合には、カード貯留処理部302は、その情報を制御部300に出力する。制御部300は、前述した非会員用ICカード31のカード排出部217への誘導動作を行わせる情報をカード貯留処理部302に出力する。そして、カード貯留処理部302は、非会員用ICカード31をカード回収部216へ搬送する(ステップS338)。
【0125】
ステップS337の判定において、Noの場合には、カード貯留処理部302は、その情報を制御部300に出力する。制御部300は、前述した非会員用ICカード31のカード貯留部204への貯留動作を行わせる情報をカード貯留処理部302に出力する。そして、カード貯留処理部302は、非会員用ICカード31をカード貯留部204に貯留する(ステップS339)。
【0126】
<計数機9> 計数機9は、パチンコ機2またはスロットマシン5を列設した島設備の端部に設けられる島端計数機と呼ばれるもので、投入されるパチンコ玉またはメダルの数量を計数するものである。会員用ICカード30のみを受け入れるカード挿入口に会員用ICカード30が挿入された場合には、会員用ICカード30に記憶されたIDを読み取り、計数された計数値が持数(持玉数、持メダル数)としてそのIDに基づき管理装置13に記憶される。管理装置13において記憶管理される有価価値としては、度数有価価値、持数、貯数、再プレー用貯数の関係は既述の通りである。
【0127】
島端計数機9は、例えばパチンコ玉1玉を1円、2円、または4円で貸し出しする営業形態の各コーナーの内、2円貸しコーナーのみに設置され、1円と4円貸しコーナーは各台計数機が設置される運用形態、メダル1枚を5円貸し、20円貸しする営業形態の各コーナーの内5円貸しコーナーのみに設置される、20円貸しコーナーは各台計数機が設置される運用形態等、パチンコホールが適宜選択して運用する際に当該島端計数機が設置される。
【0128】
一方、会員用ICカード30、または非会員用ICカード31がカード挿入口に挿入されない場合には、計数された情報を、例えば、バーコードとしてレシートに記録し、そのレシートがレシート発券口から発行される。また、このレシートには、簡易管理用IDが記録され、その簡易管理用IDは、そのレシートを用いて景品交換されるまで、管理装置13では計数機9で計数された玉数とともに管理される。
【0129】
<景品管理機(POS)11> 景品管理機(POS)11は、カード挿入口より挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31より読み取ったIDに基づき持数、再プレー用貯数、貯数等の計数した結果に基づく景品交換用有価価値を参照し、景品交換用有価価値により交換される景品種別と数量の表示を行い、景品払出機18が併設される場合、景品払出機18へ払い出す景品の種別と数量を指示するものである。また、計数機9で発券されたレシートを用いる場合には、バーコードリーダでレシートに記録された情報を読み取り、その情報に基づく景品交換用有価価値の範囲で景品交換を行うものである。
【0130】
特殊景品ボタン11eが押された場合の景品は、例えば、大景品(2500円)、小景品(1000円)などがあり、貯玉数より端玉(景品と交換後の残り玉)を最小にするよう計算されて、例えば、景品払出機18が併設されている場合には、景品が自動的に払い出される。景品払出機18が併設されていない場合には、表示された交換される景品の種別と数量の表示に基づいて、店員などによって景品が払い出される。また、例えば、タバコ、ジュースなどの一般景品と交換する場合には、一般景品選択部11fにより、交換したい景品や個数を選択し、景品交換を行う。一般景品と交換する場合には、店員などが景品を払い出すことが多いが、景品払出機などで自動的に景品を払い出すこともできる。
【0131】
<精算機10> 精算機10は、カード挿入口10aより挿入された会員用ICカード30または非会員用ICカード31の度数残高を現金で返却するものである。ここで、度数とは、入金された金額を度数化したもので、例えば、1万円を度数化すると100度数となる。度数残高とは、度数から使用した度数分を差し引いた残りの度数である。
【0132】
また、精算機10では、会員用ICカード30の利用によって付与されるポイントを、例えば、現金化によって還元してもよい。
【0133】
会員用ICカード30が挿入された場合は、精算機10に設けられた暗証番号入力用テンキーボードによって暗証番号が入力されると、会員用ICカード30に記憶された暗証番号と入力された暗証番号との照合が行われ、それらが一致すれば精算動作を行う。これによって、会員の遊技者の場合には、例えば、会員用ICカード30を落として、第三者に会員用ICカード30が渡っても、暗証番号がわからない限りは、度数残高が現金化されることはない。このようにすると遊技者が、例えば、トイレに行くためなどで離席した場合、会員用ICカードを盗まれても度数残高を現金化されることはない。
【0134】
また、第三者に会員用ICカード30が渡った場合、第三者に度数残高分を遊技に使用されることが考えられるが、台間機と管理装置13とが連携して、例えば、台間機にて入力した会員番号や暗証番号に基づいて、その会員用ICカード30を各機器に使用できないように制御することなどもできる。
【0135】
非会員用ICカード31を用いる場合には、度数残高として保持できる期間が、例えば、1日などのように限られているため、その期間内でなければ、精算機10で度数残高を精算し、現金化することができない。これによって、非会員用ICカード31が、パチンコホールやスロットマシンホールの外部に持ち出され、紛失したり、傷つけられたりするのを防止することができる。
【0136】
<管理装置13> 図20は、管理装置13の構成部を示す図、図21は、管理装置13における動作の流れを示す図である。管理装置13は、各種遊技機の調整を行う為の遊技台毎の遊技情報(個別台履歴情報、平均値等の集計情報)、一部遊技台グループ毎遊技情報(平均値等の集計情報)、税務申告用のパチンコホール全体の遊技情報等を記憶管理し、指示に応じて出力するホールコンピュータ機能、入金から台間機3、4、6による遊技用の利用、精算機10による残有価価値の現金の返金迄の度数有価価値を記憶媒体(会員用ICカード30、非会員用ICカード31)のID情報にもとづいて記憶管理し、指示に応じて出力するカード管理機能、島端計数機9または各台計数機の計数結果に基づく持数、貯数、再プレー用有価価値等の景品交換用有価価値を記憶媒体(会員用ICカード30、非会員用ICカード31、レシート)のID情報に基づいて記憶管理し、かつ景品交換品の入庫、出庫、在庫、景品交換に基づく景品交換品と景品交換用有価価値の増減を記憶媒体のID情報に応じて記憶管理し、指示に応じて出力する景品交換管理機能、会員の遊技動向情報、再プレーに関連したデータ(再プレー手数料を含む)を会員用ICカード30のID情報に基づいて記憶管理する会員管理機能を有する。
【0137】
図1に示されているように、管理装置13は、複数のパチンコ機2、複数のパチンコ機2のそれぞれに接続された台間機3、4、複数のスロットマシン機5、スロットマシン機5間に接続された台間機6と島コンピュータ7およびネットワーク8を介して接続されている。また、管理装置13は、計数機9、精算機10、景品管理機(POS)11、再プレー受付機12、発券機20、データ表示機21、データ公開機22などともネットワーク8を介して接続されている。
【0138】
さらに、ネットワーク8を介して管理装置13に入力された情報は、プロトコルコンバータ14、モデム15を介してカードセンタ16に送信される。また、管理装置13は、例えば、パーソナルコンピュータ17などとも接続され、パーソナルコンピュータ17で管理装置13の情報を見ることができる。また、パーソナルコンピュータ17は、管理装置13で管理している各情報にアクセスことができるので、各情報の表示や印刷をすることができる。さらに、パーソナルコンピュータ17では、例えば、再プレー手数料の設定などの管理装置13の種々の設定や会員登録などを行うこともできる。
【0139】
管理装置13は、台間機3、4、6、計数機9、精算機10、景品管理機(POS)11、再プレー受付機12、発券機20、データ表示機21、データ公開機22などの機器からの情報を管理するものである。前述した各機器毎の管理装置13との情報の通信に基づいて、管理装置
13には後述するような様々な情報が記憶されている。
【0140】
また、管理装置13は、各遊技機における、例えば、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を各遊技機の上部に取り付けられたデータ表示機21に出力することもできる。データ表示機21では、これらの情報を表示部に表示して、遊技台の情報を遊技者に提供する。またパーソナルコンピュータ17を介して各遊技機の遊技情報の個別台表示、集計した結果であるパチンコホール全体、特定の遊技機機種毎の集計遊技情報を指示に基づいて店員に表示する。
【0141】
さらに、管理装置13は、例えば、各遊技機におけるスランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報、遊技台ランキング、遊技台毎の勝敗などの情報をデータ公開機22に出力することもできる。データ公開機22では、これらの情報を表示部に表示して、遊技台の情報を遊技者に提供する。
【0142】
図20に示すように、管理装置13は、制御部700、カード管理機能(会員カード情報管理部701、非会員カード情報管理部702)、入出力処理部703、ホールコン機能704、会員管理機能705、景品交換管理機能706から構成されている。制御部700は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。この制御部700では、会員カード情報管理部701、非会員カード情報管理部702、出力処理部703の各機部間の信号の出入力、および、ネットワーク8を介して各機器との間の信号の出入力を制御している。また、制御部700は、管理装置13とネットワーク8を介して各機器の制御部と通信できるように接続されている。
【0143】
管理装置13は、ホールコンピュータ機能、カード管理機能、景品交換管理機能、会員管理機能の各機能毎に別個のコンピュータで構成してもよいし、各機能毎または一部機能グループ毎に1のコンピュータで構成してもよいし、少なくとも1の機能を複数のコンピュータによって分散実行する形態で構成してもよい。夫々の機能間で各種データを共有し、各種演算結果をパーソナルコンピュータ13に表示することができる。
【0144】
会員カード情報管理部701は、各機器に会員用ICカード30が用いられたときの情報を管理するものである。会員カード情報管理部701が管理する情報管理一覧表は、管理装置13に接続された、例えば、パーソナルコンピュータ17などで見ることができる。
【0145】
会員用ICカード30が用いられた場合には、会員用ICカード30のIDに基づき、情報管理一覧表に記載されているような、例えば、貯玉数、度数残高、再プレー用貯玉数、ポイント、台間機又は発券機に挿入した金額、精算金額などを管理している。これらのデータは、会員用ICカード30のID毎に管理され、さらに、履歴情報、日毎情報、週毎情報などとしても管理されている。情報管理一覧表は、日毎情報である。
【0146】
なお、会員用ICカード30を用いた会員の遊技者用の管理項目は、情報管理一覧表に記載された管理項目に限るものではなく、例えば、遊技した遊技台種毎のアウト(発射玉)、セーフ(遊技の上皿への供給玉、つまり遊技者の獲得玉)、勝敗情報(セーフからアウトを減じたもの)、大当たり回数、CR機売上などの情報や、会員の遊技者の住所、氏名、年齢、好きな台、連絡先なども管理項目とすることもできる。
【0147】
非会員カード情報管理部702は、各機器に非会員用ICカード31が用いられたときの情報を管理するものである。非会員カード情報管理部702が管理する情報管理一覧表は、管理装置13に接続された、例えば、パーソナルコンピュータ17などで見ることができる。
【0148】
非会員用ICカード31が用いられた場合には、非会員用ICカード31のIDに基づき、情報管理一覧表751に記載されているような、例えば、度数残高、台間機又は発券機に挿入した金額、精算金額などを管理している。これらのデータは、非会員用ICカード31のID毎に管理される。非会員用ICカード31を用いる場合には、度数残高を保持できる期間が、例えば、1日などのように限られている。そのため、その期間内でなければ、精算機10で度数残高を精算し、現金化することができない。
【0149】
非会員用ICカード31が用いられた場合には、度数残高を保持できる期間に対応した情報が管理されている。なお、レシート発券時の簡易管理IDおよび玉数(計数機9で計数されたもの)の情報は、偽造されたレシートが使用されるのを防ぐために、一時的に管理されている。したがって、景品管理機(POS)11における景品交換時において、レシートの適正を確認した後には、簡易管理IDおよび玉数の情報は、管理装置13から消去される。
【0150】
ここで、非会員用ICカード31が用いられた場合には、アウト(発射玉)、セーフ(遊技の上皿への供給玉、つまり遊技者の獲得玉)、勝敗(セーフからアウトを減じたもの)、貯玉数、再プレー用貯玉数、再プレー手数料、ポイント、遊技台種別、大当たり回数、CR機売上などの情報が含まれない点で、会員用ICカード30のを用いた場合の情報とは異なる。
【0151】
入出力処理部703は、カードセンタ16に送信する、例えば、一日の営業結果などの情報を、会員カード情報管理部701および非会員カード情報管理部702に管理されているデータに基づいて管理している。例えば、パーソナルコンピュータ17などから終業処理の信号が管理装置13に入力されると、カードセンタ16に送信する情報を制御部700を介してプロトコルコンバータ14に出力する。プロトコルコンバータ14に出力された情報は、モデム15を介してカードセンタ16に送信される。また入出力処理部703は、ネットワーク8を介して各種機器との通信を行う。また入出力処理部703は、パーソナルコンピュータ17とのデータ授受を行う。
【0152】
そして、制御部700によって制御される、会員カード情報管理部701、非会員カード情報管理部702、入出力処理部703の各機器部は、次のように動作する(図21)。なお、各機器との情報の通信についての動作は、各機器の説明部分で述べたので、ここでは、管理装置13に入力された情報の管理動作について主に説明する。
【0153】
次に、図21を参照してその動作を説明する。管理装置13の制御部700に、発券機20、再プレー受付機12、台間機3、4、6、計数機9、景品管理機(POS)11、精算機10などからの情報が入力される(ステップS710)。
【0154】
ステップS710で入力された情報は、制御部700で、会員用ICカード30のを用いた場合の情報か否かが判定される(ステップS711)。ステップS711の判定で、Yesの場合には、入力された情報は、会員カード情報管理部701に出力される(ステップS712)。会員カード情報管理部701では、その入力された情報に基づいて、例えば、IDおよび項目毎に入力情報が管理される(ステップS712)。
【0155】
ステップS711の判定で、Noの場合には、入力された情報は、非会員カード情報管理部702に出力される(ステップS713)。非会員カード情報管理部702では、その入力された情報に基づいて、例えば、IDおよび項目毎に入力情報が管理される(ステップS713)。
【0156】
次に、出力処理部703において、パーソナルコンピュータ17などから終業処理信号が管理装置13に入力されたか否かが判定される(ステップS714)。ステップS714の判定で、Noの場合には、制御部700は待機状態となる。ステップS714の判定で、Yesの場合には、出力処理部703から、例えば、会員カード情報管理部701および非会員カード情報管理部702で管理されているデータに基づいて集計された一日の営業結果などの情報が、制御部700、プロトコルコンバータ14およびモデム15を介してカードセンタ16に送信される(ステップS715)。
【0157】
次に、出力処理部703において、パーソナルコンピュータ17などからデータ送信要求信号が管理装置13に入力されたか否かが判定される(ステップS716)。ステップS716の判定で、Noの場合には制御部700は待機状態となる。ステップS716の判定で、Yesの場合には、会員カード情報管理部701および非会員カード情報管理部702に管理されているデータに基づいて、例えば、所定のデータを、パーソナルコンピュータ17などに出力する(ステップS717)。会員カード情報管理部701および非会員カード情報管理部702に管理されているデータに基づいて、出力されたデータは、パーソナルコンピュータ17の画面に表示される。
【0158】
次に、始業処理を実施する(ステップS718)。始業処理とは、上記した各機器との通信がネットワークを介して可能か否か、および、各機器の自己診断機能により、各機器における故障の有無を確認する。この確認において、各機器との通信ができない場合や各機器で故障があると判断された場合には、店員に報知される。
【0159】
なお、上記における各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより記憶媒体処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0160】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0161】
「本発明について」
既述した通り、本発明は、特許文献1に記載された記憶媒体処理装置、記憶媒体処理方法及び記憶媒体処理システムにおいて、前の客が休憩等を理由に離席した際当該遊技機では空席となっているので、他の後の客が、空席となった記憶媒体処理装置に前の客の有価価値が残っていることに気が付かず入金してしまうと、前の客の有価価値に、後の客の有価価値を混ぜてしまうという問題が発生する。すると、有価価値の何処までが前の客のもので、何処からが後の客のものか記憶に頼るしかなく、両者の記憶に基づく主張が食い違えばトラブルになる、という課題を解決する。
【0162】
「他の解決手段」
上記課題への対応として、有価価値の残数0の場合入金可、有価価値の残数が0でない場合入金不可とするようなことを容易に想定できる。
【0163】
「他の解決手段の課題」
しかしながら、この場合、例えば、客の1万円分の計数値(有価価値)を残して所望の景品交換をしたい、そしてもう少し遊技したい場合に、入金できないのは不都合である。また、パチンコ遊技機の場合、大当り後所定時間内に大当り継続を確定する為の入賞口に入賞しないと大当りが無効になってしまう。この為、遊技機の皿上に発射可能なパチンコ玉がなく、かつ、有価価値の残数0の状態、即ち貸玉ができない状態で大当りとなった場合、財布から紙幣を取り出して記憶媒体処理装置(遊技用装置)に入金して識別させ、次いで有価価値化するのに時間がかかり、その時間経過に伴い大当りが無効になってしまうことを恐れ、最小貸玉単位である有価価値の残数500円相当となったところで追加入金しておきたいが、対応できなくなるので不都合である。
【0164】
「下記付記項の課題」
以下付記項に示す遊技用装置、及び遊技システムは、上記問題に鑑みてなされたものであり、離席した前の客の有価価値と後から入金した客の有価価値を混同することを極力防止でき、かつ有価価値の残数がある状態でも追加入金可能な遊技用装置、及び遊技システムを提供することを目的とする。
【0165】
「付記項1」
当初出願の請求項1または2記載の遊技用装置の構成に加え、
前記入金受付禁止手段によってなされた入金の受け付けの禁止状態を解除する為の第2の操作を受け付ける入金禁止状態解除操作受付手段と、
前記第2の操作を受け付けた場合に、入金の受け付けの禁止状態を解除する入金禁止状態解除手段と、を備えることを特徴とする。
【0166】
「付記項2」
当初出願の請求項1、請求項2、または付記項1いずれか記載の遊技用装置の構成に加え、
遊技の継続を判定する遊技継続判定手段、を備え、
前記遊技継続判定手段によって遊技非継続と判定された後所定時間内であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行わず、所定時間経過後であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行うことを特徴とする遊技用装置である。
【0167】
「付記項3」
当初出願の請求項1、請求項2、付記項1、または付記項2のいずれか記載の遊技用装置の構成に加え、
前記入金受付禁止手段による入金の受け付けを禁止する状態を、有価価値の残数0となった場合に自動的に解除することを特徴とする遊技用装置である。
【0168】
「付記項4」
付記項2、3いずれか記載の遊技用装置の構成に加え、
前記遊技継続判定手段は、
遊技機がパチンコ機であれば、
6)
パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知が第2の所定時間を超えて途絶えた場合に、遊技非継続と判定し、第2の所定時間途絶えなかった場合に、遊技継続と判定する
7)
パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知数が、第3の所定期間に所定値以下である場合に、遊技非継続と判定し、第3の所定期間に所定値より大である場合に、遊技継続と判定すする、
8)
遊技機のパチンコ玉の発射装置の操作がOFF状態の場合、遊技非継続と判定し、ON状態の場合、遊技継続と判定する、
1)〜3)のいずれかによって判定され、
遊技機がスロットマシンであれば、
9)
が第4の所定時間を超えて途絶えた場合に、遊技非継続と判定し、第4の所定時間途絶えなかった場合に遊技継続と判定する
10)スロットマシンからのメダルの投入の検知(IN信号)、賞として払いだされる払出の検知(OUT信号)、またはスロットマシンの複数の図柄を描画した複数のリールを回転させる為のレバー操作、が第5の所定期間に所定値以下である場合に、遊技非継続と判定し、第5の所定期間に所定値より大である場合に、遊技継続と判定する
4)〜5)のいずれかによって判定されることを特徴とする遊技用装置、である。
【0169】
「付記項1の効果」
上記本発明の遊技用装置、遊技用システムによれば、各台計数手段による計数に基づいて、入金の受け付けを禁止する入金受付禁止手段を備えるので、離席した前の客の有価価値と後から入金した客の有価価値を混同することを極力防止することができ、かつ、第2の操作を受け付けた場合に、入金の受け付けの禁止状態を解除する入金禁止状態解除手段、を備えるので、有価価値の残数がある状態でも追加入金可能とできる。
【0170】
「付記項2の効果」
遊技の継続を判定する遊技継続判定手段を備え、前記遊技継続判定手段によって遊技非継続と判定された後所定時間内であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行わず、所定時間経過後であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行うので、パチンコ遊技機におけるリーチ(例えば3種の絵柄の内、2種が揃い、残り1種が確定しない状態)における演出(長いもので数分かかる)時には、遊技者は遊技を行わず、当該演出を見入る為、演出期間である所定時間内においては、入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行わず、演出期間を過ぎた所定時間後においては、入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行うことができる。
【0171】
「付記項3の効果」
入金受付禁止手段による入金の受け付けを禁止する状態を、有価価値の残数0となった場合に自動的に解除するので、継続して遊技する客、及び次に客が速やかに入金して遊技を開始できる。
【0172】
「付記項4の効果」
パチンコ機であれば、
1)
パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知が第2の所定時間を超えて途絶えた場合に、遊技非継続と判定し、第2の所定時間途絶えなかった場合に、遊技継続と判定する
2)
パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知数が、第3の所定期間に所定値以下である場合に、遊技非継続と判定し、第3の所定期間に所定値より大である場合に、遊技継続と判定すする、
3)
遊技機のパチンコ玉の発射装置の操作がOFF状態の場合、遊技非継続と判定し、ON状態の場合、遊技継続と判定する、
1)〜3)のいずれかによって判定され、
遊技機がスロットマシンであれば、
4)
が第4の所定時間を超えて途絶えた場合に、遊技非継続と判定し、第4の所定時間途絶えなかった場合に遊技継続と判定する
5)
スロットマシンからのメダルの投入の検知(IN信号)、賞として払いだされる払出の検知(OUT信号)、またはスロットマシンの複数の図柄を描画した複数のリールを回転させる為のレバー操作、が第5の所定期間に所定値以下である場合に、遊技非継続と判定し、第5の所定期間に所定値より大である場合に、遊技継続と判定する
4)〜5)のいずれかによって判定される、ので、高精度な遊技継続判定をすることができる。
【0173】
「請求項及び付記項の解釈」
<記憶媒体処理手段について>
「有価価値を特定可能な情報」としては、有価価値自体{入金額に対応した度数情報、計数した遊技媒体数に対応し、再び遊技に供する際に通常、手数料(入金または遊技に供する遊技媒体数を超えた手数料分の遊技媒体数を徴収する)を要しない持数(例えば、持玉数、持メダル数がある)、再び遊技に供する際に手数料を徴収可能な貯数(例えば、貯玉数、貯メダル数がある)、ポイント等}、ID情報等が例示できる。ID情報は、遊技用装置から管理装置へ送信され、管理装置は受信したID情報に基づいて、記憶部に記憶された有価価値情報を特定することができる。ID情報としては、記憶部における記憶媒体毎に異なる有価価値が記憶されたメモリエリアの相対アドレス、または相対アドレスに変換可能な情報等が例示できる。記憶媒体に有価価値のみ、ID情報のみ、を記憶して有価価値を特定することができるが、遊技用装置と、管理装置の間の通信ができない場合を考慮して、有価価値情報と、ID情報の両方を記憶媒体に記憶するのが一般的である。
【0174】
また、「記憶媒体を処理する」としては、情報の読み取り、情報の書き込み、記憶媒体の搬送等が例示できる。記憶媒体にID情報のみを記憶する場合、記憶媒体の工場出荷時に既に記憶されているので、ID情報を書き込む必要はないが、有価価値の残数が0となった非会員用ICカード31を用いる場合、新たな入金または計数の都度、ID情報を新たなに書き込むようにしてもよい。勿論、有価価値自体の書き込み、読み出しをすることも例示できる。
【0175】
<有価価値特定手段について>
「有価価値を特定する」としては、記憶媒体に記憶されている有価価値(上記度数、持数、貯数、ポイント等)を記憶媒体から読み出して遊技用装置の記憶部に記憶する処理、記憶媒体に記憶されているID情報を読み出して管理装置に送信し、該管理装置では受信したID情報に基づいて、管理装置の記憶部に記憶された有価価値情報を遊技用装置に送信し、受信した有価価値情報を、遊技用装置が記憶部に記憶する処理等が例示できる。
【0176】
<有価価値減算手段について>
「有価価値を減算して遊技をなす為の処理を行う」としては、例えば、有価価値である度数情報、持数情報、貯数情報のいずれかを減算し、減算分の遊技媒体(例えばパチンコ玉、メダル)を遊技用装置から放出するか、または遊技機に放出させる指示を行う処理が例示できる。また他には、減算分の有価価値を賭け金とし、賭けた有価価値の大きさに抽選された役毎に異なる乗数を掛けた賞としての有価価値を付与し、抽選が外れると賭けた有価価値が没収されるカジノに設置されるスロットマシン等における賭け金処理が例示できる。
【0177】
<有価価値付与手段について>
「入金によって有価価値を付与する」としては、遊技用装置に付属するビルバリ(貨幣識別装置)によって識別された貨幣の種別に応じた有価価値(度数情報)の付与を例示できる。また「遊技媒体の計数によって有価価値を付与する」としては、遊技用装置に付属する各台計数機によって計数された数に応じた有価価値(持数情報)の付与を例示できる。
【0178】
<有価価値加算更新手段について>
「有価価値付与手段によって付与された有価価値を前記有価価値に加算更新する」としては、有価価値減算手段、有価価値付与手段、有価価値特定手段の各手段の処理の結果である元の有価価値情報に、有価価値付与手段によって新たに生じた有価価値を加算して、更新する処理が例示できる。
【0179】
<操作受付手段について>
「遊技用装置に係る所定の第1の操作を受け付ける」としては、例えば、遊技用装置もしくは遊技用装置と接続される各種機器(遊技機を含む)における、貸玉ボタンの押圧信号の受信、再プレーボタン押圧信号の受信、ビルバリへの入金した際にビルバリから生じる各種信号の内少なくとも1種の信号の受信、記憶媒体の返却ボタン押圧信号の受信、各台計数機が付属する場合には各台計数機への計数信号または計数値信号の受信、リモコンからの各種指示信号の受信、等が例示できる。
【0180】
<入金禁止手段について>
「入金の受け付けを禁止する」とは、例えば紙幣挿入口に紙幣らしきものを光学式投受光部が検知すると遊技用装置の奥側に搬送させる状態から奥側へ搬送させない状態とするとか、紙幣を通常の識別を行う状態から紙幣挿入口に挿入防止ピンを突き出し、紙幣挿入を妨げる状態にするとか、通常の紙幣識別を行う搬送動作状態から一旦受け入れた紙幣を遊技客が取り出し可能な位置に戻す為の搬送動作を行う状態にする等が例示できる。
【0181】
「入金の受け付けを禁止する」ことに代えて、計数を禁止する、即ち、計数機のシャッタを閉とし、計数させないようにしてもよい。しかしながら、現在各台計数機に導く玉受け皿に手動で開閉させるシャッタを付けない構造の各台計数機が多く、この場合パチンコ遊技機の下皿から排出されるパチンコ玉を、他のパチンコ遊技機に持ち運ぶことができない。この為、遊技することなくいきなり計数する場合、パチンコホール外からの持込み玉の計数、即ち不正行為であるので、賞として排出された玉数であるセーフ数+放出数(貸玉数+再プレー玉数)−パチンコ台への打ち込み玉数であるアウト数、の範囲で計数を許可するようにしているので、入金を禁止すれば、他人の有価価値に、後から来た遊技客の有価価値を混ぜてしまうことを防止できる。
【0182】
<入金禁止状態解除手段について>
「第2の操作を受け付ける」としては、例えば、入金可と表示されたボタンの押圧信号の受信、の他、タッチパネルのタッチ信号の受信、玉貸ボタンの押圧信号の受信、返却ボタンの押圧信号の受信、リモコンの所定操作の受信、等を例示できる。
【0183】
<入金禁止状態解除手段について>
「入金の受け付けの禁止状態を解除する」としては、例えば、紙幣挿入口に紙幣らしきものを光学式投受光部が検知すると遊技用装置の奥側に搬送させない状態から搬送させる状態にするとか、紙幣挿入口に挿入防止ピンを紙幣挿入を妨げる突き出した状態から、紙幣挿入可能なひっこめた状態にするとか、一旦受け入れた紙幣を遊技客が取り出し可能な位置に戻す為の搬送動作を行う状態から通常の紙幣識別を行う状態にする等が例示できる。
【0184】
<遊技継続判定手段について>
「遊技の継続を判定する」としては、例えば当初出願明細書記載の付記項4に例示したもの以外に、遊技用装置の遊技者側を撮像するカメラ等で、定期的、或いは何らかの操作(入金、計数、何かのボタン押圧操作)時に撮像し、前回の撮像と比較して、異なる遊技者あるいは遊技者が存在しない場合に、「遊技非継続」と判定し、同一遊技者であると判定した場合に「遊技継続」と判定するようなことを例示できる。またカメラではなく、各台計数機の遊技者側に設けた赤外線センサーにより継続して遊技者を検知している場合「遊技継続」と判定し、継続して遊技者を検知しない場合に「遊技非継続」と判定するようにしてもよい。
【0185】
<「遊技機がパチンコ機であれば」、「遊技機がスロットマシンであれば」の解釈について>
本発明は、遊技用装置の制御部が、自身がパチンコ機に隣接される台間機なのか、スロットマシンに隣接される台間機なのかの判断を行うものを含み、かつ、遊技用装置の制御部が、そのような判断を行わず、台間機がパチンコ機に隣接されるものであれば、4)〜5)のいずれかの制御ソフトを搭載せずに、1)〜3)のいずれかによって判定される制御のみで構成され、台間機がスロットマシンに隣接されるものであれば、1)〜3)のいずれかの制御ソフトを搭載せずに、4)〜5)のいずれかによって判定される制御のみで構成されようにする場合も含む。
【0186】
また、「1)から3)のいずれかによって判定され」としては、1)から3)の少なくとも1つによって判定される場合を含み、「4)〜5)いずれかによって判定され」としては4)〜5)の少なくとも1つによって判定される場合を含む。
【0187】
「請求項及び付記項と、本実施の形態との関係」<当初出願の請求項1>
有価価値を特定可能な情報を記憶可能な記憶媒体を処理する記憶媒体処理手段(例えばカード処理機301として例示)と、
前記記憶媒体処理手段によって処理された記憶媒体に係る有価価値(例えば度数情報、貯数情報、持数情報、ポイントを例示)を特定する有価価値特定手段(ステップS311)と、
前記有価価値を減算して遊技をなす為の処理を行う有価価値減算手段(ステップS320として例示)と、
入金または遊技媒体の計数によって有価価値を付与する有価価値付与手段(例えばステップS308、S311として例示)と、
前記有価価値付与手段によって付与された有価価値を前記有価価値に加算更新する有価価値加算更新手段(例えばステップS311として例示)と、を備えた遊技用装置(例えば台間機3、4、6として例示)であって、
遊技機毎に設けられた遊技媒体を計数する各台計数手段(例えばステップS308において例示)と、
前記各台計数手段による計数に基づいて、入金の受け付けを禁止する入金受付禁止手段(例えば紙幣挿入禁止部308、ステップS309にて例示)と、
を備えることを特徴とする遊技用装置、である。
【0188】
<当初出願の請求項2>
請求項1記載の遊技用装置を複数備え、前記遊技用装置における記憶媒体処理手段によって処理される記憶媒体の有価価値を記憶管理し、前記遊技用装置と通信可能に接続される(例えば島コンピュータ7、ネットワーク8として例示)管理装置(例えば管理装置13として例示)からなる遊技用システム(例えばシステム1を例示)。
【0189】
「付記項1」
当初出願の請求項1または2記載の遊技用装置の構成に加え、
前記入金受付禁止手段によってなされた入金の受け付けの禁止状態を解除する為の第2の操作(例えば、入金可と表示されたボタンの押圧信号の受信を例示)を受け付ける入金禁止状態解除操作受付手段(例えば紙幣挿入禁止部308、図19ステップS309を例示)と、
前記第2の操作を受け付けた場合に、入金の受け付けの禁止状態を解除する入金禁止状態解除手段(例えば紙幣挿入禁止部308、図19ステップS309を例示)と、を備えることを特徴とする。
「付記項2」
当初出願の請求項1、請求項2、または付記項1いずれか記載の遊技用装置の構成に加え、
遊技の継続を判定する遊技継続判定手段(例えば図19ステップS309を例示)、を備え、
前記遊技継続判定手段によって遊技非継続と判定された後所定時間内であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行わず、所定時間経過後であれば、前記入金受付禁止手段による入金の受け付けの禁止を行うこと(例えば図19ステップS309を例示)を特徴とする遊技用装置である。
【0190】
「付記項3」
当初出願の請求項1、請求項2、付記項1、または付記項2のいずれか記載の遊技用装置の構成に加え、
前記入金受付禁止手段による入金の受け付けを禁止する状態を、有価価値の残数0となった場合に自動的に解除すること(例えば図19ステップS309を例示)を特徴とする遊技用装置である。
【0191】
「付記項4」
付記項2、3いずれか記載の遊技用装置の構成に加え、
前記遊技継続判定手段は、
遊技機がパチンコ機であれば、
11)パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知が第2の所定時間を超えて途絶えた場合に、遊技非継続と判定し、第2の所定時間途絶えなかった場合に、遊技継続と判定する
12)パチンコ機からの排出玉(アウト玉)または賞として払い出される賞玉(セーフ玉)の検知数が、第3の所定期間に所定値以下である場合に、遊技非継続と判定し、第3の所定期間に所定値より大である場合に、遊技継続と判定すする、
13)遊技機のパチンコ玉の発射装置の操作がOFF状態の場合、遊技非継続と判定し、ON状態の場合、遊技継続と判定する、
1)〜3)のいずれかによって判定され、
遊技機がスロットマシンであれば、
14)が第4の所定時間を超えて途絶えた場合に、遊技非継続と判定し、第4の所定時間途絶えなかった場合に遊技継続と判定する
15)スロットマシンからのメダルの投入の検知(IN信号)、賞として払いだされる払出の検知(OUT信号)、またはスロットマシンの複数の図柄を描画した複数のリールを回転させる為のレバー操作、が第5の所定期間に所定値以下である場合に、遊技非継続と判定し、第5の所定期間に所定値より大である場合に、遊技継続と判定する
4)〜5)のいずれかによって判定されることを特徴とする遊技用装置、である(例えば図19ステップS309を例示)。
【符号の説明】
【0192】
1…遊技用装置 2…パチンコ機 3、4、6…台間機 5…スロットマシン機 7…島コンピュータ 8…ネットワーク 9…計数機 10…精算機 11…景品管理機(POS) 12…再プレー受付機 13…管理装置 14…プロトコルコンバータ 15…モデム 16…カードセンタ 17…パーソナルコンピュータ 18…景品払出機 19…貯留機構付き紙幣識別装置 19a…紙幣挿入口 19b…台間機指定ボタン 20…発券機 21…データ表示機 22…データ公開機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有価価値を特定可能な情報を記憶可能な記憶媒体を処理する記憶媒体処理手段と、
前記記憶媒体処理手段によって処理された記憶媒体に係る有価価値を特定する有価価値特定手段と、
前記有価価値を減算して遊技をなす為の処理を行う有価価値減算手段と、
入金または遊技媒体の計数によって有価価値を付与する有価価値付与手段と、
前記有価価値付与手段によって付与された有価価値を前記有価価値に加算更新する有価価値加算更新手段と、
を備えた遊技用装置であって、
遊技機毎に設けられた遊技媒体を計数する各台計数手段と、
前記各台計数手段による計数に基づいて、入金の受け付けを禁止する入金受付禁止手段と、を備えることを特徴とする遊技用装置。
【請求項2】
請求項1記載の遊技用装置を複数備え、前記遊技用装置における記憶媒体処理手段によって処理される記憶媒体の有価価値を記憶管理し、前記遊技用装置と通信可能に接続される管理装置からなる遊技用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図20】
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【図21】
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【図18】
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【図19】
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