説明

遊技用記憶媒体

【課題】遊技者が遊技に使用する遊技用記憶媒体の所有者を識別可能とする遊技用記憶媒体を提供すること。
【解決手段】遊技場における遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーが記憶された遊技用記憶媒体であって、遊技用記憶媒体貸出機58により遊技用記憶媒体が遊技者に貸出される際に、入力手段56から所有者の識別情報を入力して、遊技用記憶媒体には記憶されることを特徴とする遊技用記憶媒体。遊技用記憶媒体により遊技機で遊技する場合や、景品交換機70で景品を交換する場合は、所有者の識別情報を入力手段62、68から入力し、遊技用記憶媒体に記憶されている識別情報と一致した場合に、遊技が開始され、景品の交換が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコやスロットマシン等の遊技機が設置される店舗において、これらの遊技に使用する遊技球、若しくはメダル等の遊技媒体を貸し出すための遊技媒体貸出システムに使用する遊技用記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技媒体であるパチンコ玉やメダルを使用する遊技機で遊技をするためには、従来、現金で玉貸し機やメダル貸し機から遊技媒体を払い出してから遊技をしていたが、遊技媒体の貸し出し操作における遊技者の利便性向上を図るため、1回の貸し出し操作で高額な遊技媒体の貸し出しにも対応可能な遊技媒体貸出方式が求められ、プリペイドカード、またはICコイン等の遊技用記憶媒体を利用したシステムが提案されている(特許文献1及び2等参照)。
【0003】
このような貸出装置のシステムにおいては、各遊技用記憶媒体の金銭的価値を有する論理マネーを記憶していることから、情報の不正な改ざんを防止するため、遊技用記憶媒体に個別のIDコードを付し、遊技媒体貸出機が遊技用記憶媒体に記憶されたIDコード及び有価価値を示す情報を読み取って管理サーバが管理することで、個々の遊技用記憶媒体に記憶された論理マネーを管理する方式が採用されている(特許文献3等参照)。
【0004】
また、遊技用記憶媒体そのものの不正な偽造を防止するために、遊技用記憶媒体に電子的な認証情報を記憶し、管理サーバの認証データにより真偽判定してセキュリティを確保
する提案もされている(特許文献4等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−18109号公報
【特許文献2】特開2003−19341号公報
【特許文献3】特開2006−158843号公報
【特許文献4】特開2006−149525号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
遊技用記憶媒体には遊技に使用する論理マネーが記憶されているので、論理マネーデータを改ざんして遊技を行い、または現金の払い戻しを受ける等の不正行為に対しては、各店舗で様々なセキュリティ対策を施している。しかしながら、遊技用記憶媒体が正当なものであったとしても、遊技者が落としてしまった場合や、遊技用記憶媒体を遊技機に挿入したまま席を離れているときに、他の遊技者がその遊技用記憶媒体を不正に入手してしまった場合などは、正当な持ち主が分からなくなってしまい、正当な持ち主でない場合であっても正当な遊技用記憶媒体であれば使用可能であり、他人に不正に使用されてしまうという問題があった。
【0007】
また、店舗の従業員や遊技者が、遊技用記憶媒体を偶然に拾って店舗管理者に届けたとしても、その遊技用媒体は所有者が分からず、例え落とし主が名乗り出たとしても、正当な落とし主かどうかの判断ができなかった。このため、遊技者と店舗或いは遊技者同士の争いとなるという問題にもなっていた。
【0008】
本発明は、こうした従来の問題に鑑みてなされたものであり、他人の不正な使用を防止し、正当な所有者を特定できる遊技用記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、発明者が鋭意検討した結果、遊技用記憶媒体は、情報の記憶手段を備えていることに着目して、遊技用記憶媒体の所有者が識別可能な以下の発明を完成するに至った。
【0010】
(1) 遊技場における遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーが記憶された遊技用記憶媒体であって、前記記憶媒体は遊技者識別情報を記憶する遊技者識別情報記憶手段を備え、前記遊技用記憶媒体が遊技者に貸出される際に、前記遊技用記憶媒体には遊技者識別情報が記憶されること、遊技者識別情報としては、少なくとも暗証番号又は生体情報であることを特徴とする遊技用記憶媒体。
【0011】
(1)に記載の発明は、遊技場における遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーが記憶された遊技用記憶媒体について、遊技者識別情報記憶手段を備え、遊技者に貸出される際に、貸出される遊技用記憶媒体に、遊技者が個人の識別情報を入力して遊技用記憶媒体に記憶してから、遊技用記憶媒体を貸出すことを特徴としている。
【0012】
遊技者個人の識別情報は、遊技用記憶媒体に記憶されると同時に、貸出す際に遊技用記憶媒体の貸出装置から、管理サーバに送信され、管理サーバの記憶手段に記憶されて管理される。従って、遊技者が紛失してしまった場合であっても、店舗に届けられた遊技用記憶媒体の個人識別情報を、管理サーバを使用して読み取り、遊技者から聞き取った個人識別情報と一致した場合は、その遊技者に遊技者用記憶媒体を返却する。例え複数の遊技者からの紛失届けがされた場合であっても、間違いなく正当な所有者に返却できる。当然、遊技用記憶媒体に記憶された識別情報を、遊技者が入力して、一致した遊技者に遊技用記憶媒体を返却するようにしてもよい。いずれにしろ個人の識別情報が遊技用記憶媒体に記憶されているため、その識別情報と何らかの方法で一致するか否かを検出して、一致した遊技者が正当な所有者として、容易に識別できる。
【0013】
遊技用記憶媒体貸出機より、遊技者が現金を投入して、遊技用記録媒体に貸し出しを受ける際の個人識別情報としては、暗証番号又は遊技者の生体情報を使用する。暗証番号は英数字の使用が可能で、貸出された本人のみしか知りえない情報であり、遊技者の個人識別情報として使用できる。また、利用可能な生体情報としては、指紋、静脈、虹彩や顔形状等がある。生体情報は、人間が本来的に持つ情報であり、偽装が極めて困難であって、セキュリティ対策としても有効である。遊技用記憶媒体貸出機に生体情報の入力手段を設けて、遊技者が生体情報を入力したときに、管理サーバへの送信と遊技媒体への書き込みを行い、遊技媒体を貸出す。生体情報は、通常暗号化されて、暗号情報として記憶される。
【0014】
(2) 前記遊技用記憶媒体の投入に応じて前記遊技者識別情報を読み取り記憶する手段と、遊技者識別情報入力手段と、前記遊技用記憶媒体から読み取り記憶された遊技者識別情報と、遊技者が前記識別情報入力手段により入力した入力情報とを比較する比較手段と、前記比較手段により比較したときに、情報が一致した場合には一致信号を検出し、遊技機からの遊技媒体を払い出す遊技媒体貸出手段と、前記遊技用記憶媒体を取り出す際に、遊技者の識別情報を入力し、前記遊技用記憶媒体に記憶された識別情報と一致した場合に、前記遊技用記憶媒体が遊技台から返却する遊技媒用記憶媒体返却手段とを備えた計数機付き玉貸機。
【0015】
(2)に記載の発明は、遊技者個人の識別情報が記憶された遊技用記憶媒体を使用して遊技する場合の計数機付き玉貸機についての発明であり、計数機付き玉貸機には、遊技用記憶媒体に記憶された遊技者識別情報を読み取る手段と、遊技者が遊技をする前に入力できる入力手段と、入力情報を比較する比較手段と、情報が一致した場合の信号検知手段を備えている。遊技者が遊技する際に、計数機付き玉貸機に入力した識別情報と遊技用記憶媒体に記憶されている識別情報が一致した場合の一致信号を検知して、計数機付き玉貸機で一致信号を検知して遊技が開始できるようにしている。
【0016】
計数機付き玉貸機では、一致信号を検出した場合に、計数機付き玉貸機からの遊技媒体払い出しを許可する。店舗内で遊技者が、遊技用記憶媒体を紛失してしまい、他人に拾われた場合であっても、遊技用記憶媒体貸出機で入力した個人の識別情報と一致しない限り、遊技機が使用可能な状態にならず、遊技用記憶媒体の不正使用を防止することができる。また、計数機付き玉貸機に遊技用記憶媒体が投入されると、遊技機のIDとそこに使用されている遊技用記憶媒体のID及び遊技者により入力された識別情報が、管理サーバから監視できるので、正当な遊技用記憶媒体の所有者が店舗管理者に届け出ていれば、どの遊技台で使用されているか監視でき、不正使用の判断が可能である。
【0017】
遊技用記憶媒体を取り出す際にも、遊技者の識別情報を入力し、遊技用記憶媒体に記憶された識別情報と一致した場合にのみ、遊技用記憶媒体が計数機付き玉貸機から返却される。これにより、遊技者が遊技中に遊技台から離れた場合に、その間隙をぬって他人が不正に遊技用記憶媒体を盗み出す行為を防止することができる。
【0018】
(3) 前記遊技用記憶媒体の投入に応じて前記遊技者識別情報を読み取り記憶する手段と、遊技者識別情報入力手段と、前記遊技用記憶媒体から読み取り記憶された遊技者識別情報と、遊技者が前記識別情報入力手段により入力した入力情報とを比較する比較手段と、前記比較手段により比較したときに、情報が一致した場合には一致信号を検出する信号検知手段と、一致信号を検出した場合は、景品交換機からの景品交換を行う景品交換手段と、前記遊技用記憶媒体を取り出す際に、遊技者の識別情報を入力し、前記遊技用記憶媒体に記憶された識別情報と一致した場合に、前記遊技用記憶媒体を景品交換機から返却する遊技用記憶媒体返却手段とを備えた景品交換機。
【0019】
(3)に記載の発明は、景品交換機においても、景品交換の際に、遊技用記憶媒体に入力された個人の識別情報を入力する手段を有し、入力された識別情報が一致した場合に一致信号を検知する手段を備えている。遊技用記憶媒体を使用した不正な景品交換を防止するためである。
【0020】
遊技用記憶媒体により景品交換機で景品を交換する場合に、遊技用記憶媒体と景品交換機で入力されたに識別情報との一致信号が検出された場合にのみ景品交換できる。識別情報の一致により、遊技用記憶媒体の正当な所有者であることを認証して、景品交換を許可するものである。
【0021】
景品交換機において、遊技用記憶媒体を取り出す際にも、遊技者の識別情報を入力し、遊技用記憶媒体に記憶された識別情報と一致した場合に、前記遊技用記憶媒体が景品交換機から返却される。正当な遊技用記憶媒体の所有者でない他人が、一旦景品交換機に遊技用記憶媒体を投入すると、景品交換機で景品が交換できないばかりか、遊技用記憶媒体は取り出すことができず、不正な行為をした遊技者に再度遊技用記憶媒体が渡ることがないようにするためである。また、この場合には景品交換機にある遊技用記憶媒体の識別情報を管理サーバで読み取り、正当な所有者を判断することもできる。
【0022】
(4) 前記遊技用記憶媒体は、情報を記憶するICメモリチップを内包し、無線通信によりその記憶内容の読出と記録が可能なICコインであること、を特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の遊技用記憶媒体。
【0023】
(4)に記載の発明は、遊技用記憶媒体が、情報を記憶するICメモリチップを内包して無線通信によりその記憶内容の読出と記録が可能なICコインであることを特徴としている。ICコインは、外形は500円玉大の硬貨に似た遊技用記憶媒体であるが、外観はすべて同一で、所有者が所持していることの事実のみが正当な所有者の証明であった。このことは、一度紛失した場合には誰が所有していたICコインかを判断することが極めて困難なことを意味している。従って、遊技用記憶媒体としてICコインを対象として本発明を適用することで、正当な所有者の判断や不正な使用を防止できる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、遊技用記憶媒体に個人の識別情報を記憶することにより、遊技者が遊技用記憶媒体を紛失したり落としたりして所有者が不明となった場合でも、容易に正当な所有者を判別できる効果を有している。また、遊技用記憶媒体を不正に入手して遊技機で遊技しようとしても、遊技台に備えられた計数機付き玉貸機が、遊技用記憶媒体に記憶してある識別情報の一致を要求するので遊技ができず、しかも計数機付き玉貸機に入れた遊技用記憶媒体を取り戻す際にも識別情報を要求されるので、再度入手することができない。景品交換機においても同様な効果を有し、不正な所有者は景品交換できないばかりか、一度挿入した景品交換機から遊技用記憶媒体を取り出すことができない。これにより、遊技用記憶媒体の不正な使用を防止する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ICコインの内部構造を示す概略図である。
【図2】本発明の暗証番号付きICコインを使用する場合の店舗の管理システムのブロック図である。
【図3】本発明の暗証番号を識別する識別情報制御手段のプロック図である。
【図4】遊技台に備えられた計数機付き玉貸機を具体的に説明するための概略図である。
【図5】本発明の生体情報を遊技用記憶媒体に記憶する場合の店舗管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、遊技用記憶媒体としてICコインを使用した場合について図1から図5を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【実施例1】
【0027】
図1は、遊技用記憶媒体としてのICコイン10を説明する図である。ICコイン10の構造は、コイン形状の外周12に沿って内側にループコイル14と、ICチップ20が搭載され、ICチップには、制御手段22、記憶手段24と個人の識別情報を記憶する識別情報記憶手段26が設けられている。
【0028】
ICコイン10にある記憶手段24に記憶される情報は、例えば、ICコインごとのIDナンバー、ICコインの発行日時、論理マネーとしての有価情報、ICコインの電子証明書、ICコインを発行した遊技用記憶媒体貸出機の番号等が記憶されている。そして、識別情報記憶手段26に、遊技用記憶媒体10を貸し出す際に遊技者が入力した暗証番号が記憶される。
【0029】
図2は、本発明によるICコイン10を使用した場合の管理システム50の概略を示す図である。管理サーバ52には管理端末54が接続され、店舗管理者の管理用に使用される。管理サーバ52には、遊技用記憶媒体貸出機58、遊技台に備えられている計数機付き玉貸機64及び景品交換機70が通信回線を介して接続されている。
【0030】
遊技用記憶媒体貸出機58には遊技者が個人の識別情報を入力するための入力手段56と、識別情報制御手段60が備えられている。遊技者が遊技用記憶媒体の貸出を受ける際には、遊技用記憶媒体貸出機58に紙幣又は硬貨を投入して同等の有価価値を有する論理マネー情報をICコイン10の記憶手段24に書き込み、入力手段56から暗証番号を入力してICコイン10に備えられた記憶手段26に記憶する。
【0031】
遊技者がICコイン10の貸出を受け、計数機付き玉貸機64に投入すると、計数機付き玉貸機64では識別情報の入力を要求し、遊技者は貸出を受ける際に入力した暗証番号を、計数機付き玉貸機64の入力手段62から入力する。そして、識別情報制御手段66により、遊技用記憶媒体10と入力した暗証番号が一致した場合には、遊技機での遊技が許可され、遊技の開始が可能となる。遊技中は、ICコイン10に記憶されている論理マネーによりパチンコ玉を購入して、遊技をする。
【0032】
そして、遊技を終了する場合は、例えば返却ボタンを押して遊技の終了したことを示す信号を計数機付き玉貸機64に送信すると、計数機付き玉貸機64は識別情報を要求し、入力手段62から遊技者が暗証番号を入力する。識別情報制御手段66では、入力した暗証番号と、投入されているICコイン10に記憶されている暗証番号が一致しているか判断して、一致していれば、ICコイン10を返却する制御を行う。
【0033】
景品交換機70では、ICコイン10を投入して、記憶されている論理マネーに相当する景品を交換する。景品の交換の際、ICコイン10を投入すると、景品交換機70は、識別情報の入力を要求し、入力手段68から、遊技者が暗証番号を入力する。景品交換機に備えられた識別情報制御手段72は、このとき入力した暗証番号が、投入したICコイン10に記憶されている暗証番号と一致した場合は、景品交換機70での景品が交換できるよう制御する。
【0034】
景品交換機70においても、計数機付き玉貸機64と同様に、一度は景品交換機70にICコインの投入をしたが、再度取り戻す場合は、暗証番号を要求する。そして、入力された暗証番号が、ICコイン10に記憶されている暗証番号と一致した場合のみ、ICコイン10を戻す。
【0035】
管理サーバ52では、遊技用記憶媒体貸出機58、計数機付き玉貸機64及び景品交換機70でのICコイン10情報が記憶され管理されている。このため、ICコイン10が拾われて届け出された場合でも、管理者は管理端末により、ICコイン10の情報を読み取って、暗証番号を知ることができる。従って、紛失したとの届出があった場合は、暗証番号を聞き、ICコイン10に記憶されている暗証番号と一致した遊技者を正当な所有者として、ICコイン10を返すことができる。
【0036】
図3は、図2における識別情報制御手段60、66、72を説明する図である。図3において識別情報制御手段80は、ICコイン情報R/W(読み取り/書き込み)手段82、入力情報読取手段84、識別情報比較手段86及び識別情報一致検出手段88から成っている。ICコイン情報R/W手段82では、ICコイン10にあるアンテナ14からの信号を読み込み、アンテナ14を介して信号を送り、記憶手段24に情報を書き込み、さらに入力情報読取手段84からの、遊技者により入力された暗証番号を識別情報記憶手段26に書き込む。
【0037】
計数機付き玉貸機64及び景品交換機70では、ICコイン情報R/W手段82により読み込まれた暗証番号と、入力情報の読取により読み込まれた暗証番号を、識別情報比較手段86により比較して、一致したかどうかを識別情報一致検出手段88により検出し、一致した場合には、計数機付き玉貸機64或いは景品交換機70に検出信号を出力する。
【0038】
図4は、本発明によるICコイン10を使用して、実際の遊技機で遊技する場合について説明するための具体例を示す図であり、パチンコの遊技台Pに備えられた出力遊技媒体を計数する計数機付き玉貸機100の図である。図4に示すように、パチンコの遊技台Pの側方(通常は、隣接する遊技台の間)には台側玉払出機130(一般的には「台間サンド」等と呼ばれている)が設置されている。
【0039】
台側玉払出機130の下方には、パチンコ玉を回収する玉回収部104が、台側玉払出機130と一体的に設置されている。玉回収部104の前面には、計数機付き玉貸機100に連結される連結開口部が設けられている。
【0040】
実施例の遊技機は、図4に示すように、遊技台Pの下皿P1とカウンターQの上面との間に配設される玉受け部102と、遊技台Pの側方に設置された玉回収部104と、下皿P1から落下して玉受け部102に受け取られたパチンコ玉を回収連結部に案内する玉案内部103と、回収されるパチンコ玉を計数する玉計数ユニット(図示せず)とを備えている。
【0041】
台側玉払出機130の前面には、ICコイン投入口134、ICコイン返却口136、カード挿入口138、イルミネーションランプ124、表示部140、パチンコ玉を遊技台Pの上皿P2に供給する玉供給ノズル132があり、その他、各種表示ランプ、各種表示部、各種操作ボタン等が設けられている。上皿P2は、遊技台Pに供給するパチンコ玉を一時的に貯留する皿である。また、入力手段142への入力により、遊技者がICコインへ入力した暗証番号と同一の番号を入力して遊技を開始する。入力手段142には遊技を終了する場合にICコインの返却を求める返却ボタンも装備され、遊技を終了する場合に返却ボタン押し、暗証番号を入力する。入力手段142は、取り外し可能な携帯端末であってもよく、この場合、入力手段142は無線通信可能な機能を備え、イルミネーションランプ124の位置に受信アンテナが併設される。入力の方法としては、入力手段142によらず、表示部140をタッチパネル方式として、表示部140が入力手段としての機能を兼用することもできる。計数機付き玉貸機100には、出玉の計数手段150、演算手段160、記憶手段170及び識別情報制御手段180が備えられて、パチンコ玉数の計測や、ICコインの遊技情報、即ち、獲得したパチンコ玉の数量や論理マネー及び暗証番号の管理が、管理サーバと連携して行われる。
【実施例2】
【0042】
個人の識別情報としての暗証番号は、忘れてしまうことがあり、この場合は例え本人であってもICコイン等の遊技用記憶媒体は正当な持ち主に返却されなくなる問題がある。このような問題に対しては、生体情報を個人の識別情報として使用することができる。生体情報は、人間が本来的に持つ固有の情報であり、忘れるということが無く、確実に本人認証ができる特徴を持つ。
【0043】
生体情報を遊技用記憶媒体に利用するためには、図2に示した入力手段として生体認証装置を使用して入力する。生体情報としては、指紋、指静脈、掌静脈、虹彩等がある。これらの生体情報は、生体認証装置の入力情報から特徴点を通常抽出して、その情報を暗号化して記憶される。図1のICコインの場合は、生体認証装置から抽出した特徴点は、識別情報記憶手段26に記憶され、同時に管理サーバにICコインのID番号と共に送信され記憶される。
【0044】
図5は、生体情報を使用した場合の管理システム200の概略を示す図である。図2で示した管理システムに対して、入力手段56、68、62としては生体認証装置が使用され、管理サーバ52には生体情報の暗号化/複合化手段210が設けられる。また、遊技用記憶媒体貸出機58、遊技台に備えられた計数機付き玉貸機64と景品交換機70の識別情報制御手段60,66,72にもそれぞれ暗号化/複合化手段220、230、240が設けられる。
【0045】
遊技者が遊技用記憶媒体の貸出を受ける際には、遊技用記憶媒体貸出機58に紙幣又は硬貨を投入して同等の有価価値を有する論理マネー情報をICコイン10の記憶手段24に書き込み、入力手段56としての生体認証装置から生体情報を入力し、暗号化/復号化手段220により暗号化されICコイン10に備えられた記憶手段26に記憶する。暗号化された生体情報は、ICコインのID番号と共に管理サーバ52にも送信され記憶される。
【0046】
生体情報は、複数の情報を入力することにより、より認証機能を確実にする。例えば、指紋や指静脈の場合は、人差し指と中指の生体情報を入力して記憶するようにする。掌静脈の場合は、右手と左手の掌静脈を入力する。
【0047】
また、同一の生体情報、例えば人差し指の指紋についていえば、人差し指の指紋情報を、複数回の認証操作を繰り返して特徴点の抽出を行い、識別情報としての生体情報とする。高精度に特徴点を抽出するためである。
【0048】
このようにして生体情報を個人の識別情報とした場合のその後の遊技や景品交換での取り扱いは、実施例1で述べたと同様である。遊技者がICコイン10の貸出を受け、計数機付き玉貸機64に投入すると、計数機付き玉貸機64では識別情報の入力を要求し、遊技者は貸出を受ける際に入力した生体情報を、遊技機64の入力手段62から入力する。そして、識別情報制御手段66により、遊技用記憶媒体10と入力した生体情報が一致した場合には、遊技機64での遊技が許可され遊技の開始が可能となる。景品交換機70についても入力情報が生体情報であって、生体情報が一致した場合に景品交換が行われることになる。
【0049】
以上、本発明について具体的な実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。例えば、遊技用記憶媒体としてICカードや磁気カード等を使用することも可能である。上記実施形態は、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0050】
10 ICコイン
20 ICチップ
50 管理システム
52 管理サーバ
58 遊技用記憶媒体貸出機
64 計数機付き玉貸機
70 景品交換機
56、62、68 入力手段
60、66、72 識別情報制御手段
80 識別情報制御手段
82 ICコイン情報R/W手段
88 識別情報一致検出手段
100 計数機付き玉貸機
130 台側玉払出機
134 ICコイン投入口
136 ICコイン返却口
142 入力手段
150 計数手段
160 演算手段
170 記憶手段
180 識別情報制御手段
200 生体情報を用いた場合の管理システム
210 220、230、240 暗号化/復号化手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場における遊技に使用可能な有価価値を示す情報である論理マネーが記憶された遊技用記憶媒体であって、
前記記憶媒体は遊技者識別情報を記憶する遊技者識別情報記憶手段を備え、
前記遊技用記憶媒体が遊技者に貸出される際に、前記遊技用記憶媒体には遊技者識別情報が記憶されること、
遊技者識別情報としては、少なくとも暗証番号又は生体情報であること、
を特徴とする遊技用記憶媒体。
【請求項2】
前記遊技用記憶媒体の投入に応じて前記遊技者識別情報を読み取り記憶する手段と、
遊技者識別情報入力手段と、
前記遊技用記憶媒体から読み取り記憶された遊技者識別情報と、遊技者が前記識別情報入力手段により入力した入力情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段により比較したときに、情報が一致した場合には一致信号を検出し、遊技機からの遊技媒体を払い出す遊技媒体貸出手段と、
前記遊技用記憶媒体を取り出す際に、遊技者の識別情報を入力し、前記遊技用記憶媒体に記憶された識別情報と一致した場合に、前記遊技用記憶媒体が遊技台から返却する遊技媒用記憶媒体返却手段と、
を備えた計数機付き玉貸機。
【請求項3】
前記遊技用記憶媒体の投入に応じて前記遊技者識別情報を読み取り記憶する手段と、
遊技者識別情報入力手段と、
前記遊技用記憶媒体から読み取り記憶された遊技者識別情報と、遊技者が前記識別情報入力手段により入力した入力情報とを比較する比較手段と、
前記比較手段により比較したときに、情報が一致した場合には一致信号を検出する信号検知手段と、
一致信号を検出した場合は、景品交換機からの景品交換を行う景品交換手段と、
前記遊技用記憶媒体を取り出す際に、遊技者の識別情報を入力し、前記遊技用記憶媒体に記憶された識別情報と一致した場合に、前記遊技用記憶媒体を景品交換機から返却する遊技用記憶媒体返却手段と、
を備えた景品交換機。
【請求項4】
前記遊技用記憶媒体は、
情報を記憶するICメモリチップを内包し、無線通信によりその記憶内容の読出と記録が可能なICコインであること、
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の遊技用記憶媒体。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate