遊技盤
【課題】障害釘の振動に依存することなく、簡単な構成にて、少なくとも1つの障害釘に対する少なくとも1つの遊技球の衝突経路を良好に表示するようにした遊技盤を提供する。
【解決手段】支持板70は、スタートチャッカー40cの左側にて遊技板20に形成した矩形状の左側組み付け穴部21に嵌装支持されている。一連の障害釘51a〜51eは、支持板70の幅方向中央部にその長手方向に沿い、所定の間隔をおいて板厚方向に打ち込まれている。導電膜80は、一連の障害釘51a〜51eの各径方向一側に沿い支持板70の表面に帯状に設けられている。各一連の発光ダイオード90a〜90e、100a〜100eは、支持板70の両凹所72a、72b内に挿通固定されている。少なくとも1つの遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちの少なくとも1つの障害釘に衝突して導電膜80と接触したとき、当該少なくとも1つの衝突障害釘に対応する少なくとも1つの両発光ダイオードが発光する。
【解決手段】支持板70は、スタートチャッカー40cの左側にて遊技板20に形成した矩形状の左側組み付け穴部21に嵌装支持されている。一連の障害釘51a〜51eは、支持板70の幅方向中央部にその長手方向に沿い、所定の間隔をおいて板厚方向に打ち込まれている。導電膜80は、一連の障害釘51a〜51eの各径方向一側に沿い支持板70の表面に帯状に設けられている。各一連の発光ダイオード90a〜90e、100a〜100eは、支持板70の両凹所72a、72b内に挿通固定されている。少なくとも1つの遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちの少なくとも1つの障害釘に衝突して導電膜80と接触したとき、当該少なくとも1つの衝突障害釘に対応する少なくとも1つの両発光ダイオードが発光する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機または雀球遊技機等の各種の遊技機において球衝突経路を表示するに適した遊技盤に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技盤としては、下記特許文献1に記載のパチンコ遊技機に採用してなる遊技盤が提案されている。この遊技盤においては、通電素材からなる多数の障害釘が、その各首下部にて、当該遊技盤に対しその表面から打ち込まれている。また、光ファイバー、リング状の通電板、発光体、通電コード及び通電電源部が、上述の多数の障害釘に対して、障害釘毎に設けられている。
【0003】
そこで、上述の多数の障害釘のうちの一障害釘を例にとり、この一障害釘に対する光ファイバー、リング状の通電板、発光体、通電コード及び通電電源部の構成について説明する。
【0004】
光ファイバーは、上記一障害釘に挿通されており、この光ファイバーは、その先端部にて、上記一障害釘の先端発光部に位置している。また、当該光ファイバーは、その後端部を、上記一障害釘の首下部から遊技盤を通りその裏面側に露出させて、遊技盤の裏面に設けた発光体に指向させている。また、リング状の通電板は、上記一障害釘に対し遊技盤の表面に沿いリング状の間隙部をおくように、当該一障害釘と同心的に遊技盤の表面に設けられている。
【0005】
発光体及び通電電源部は、遊技盤の裏側に配設されており、発光体は、その両側端子にて、上記一障害釘の首下部及び通電電源部の一側端子にそれぞれ接続されている。通電コードは、遊技盤のうち上記一障害釘の近傍部位に形成した貫通孔部にその裏面側から挿通されており、この通電コードは、通電板の一部と通電電源部の他側端子との間に接続されている。
【0006】
従って、パチンコ球が上記一障害釘に衝突したとき、このパチンコ球が上記一障害釘と通電板との双方に同時に接触すれば、発光体が、通電電源部により通電コード、パチンコ球及び上記一障害釘を介し通電されて、発光する。これに伴い、光ファイバーが、発光体からの光を導入して、上記一障害釘の先端発光部にて、発光する。
【特許文献1】特開2000-225237号公報
【特許文献2】実開昭61-31485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の遊技盤においては、光ファイバー自体は本来の光源ではないことから、発光体が、本来の光源として、上述のごとく、遊技盤の裏面側に設けられている。このため、光ファイバー及び発光体の双方が障害釘毎に必須の構成素子となり、遊技盤としての構成が複雑になるという不具合が生ずる。
【0008】
また、上述のように光ファイバーを障害釘に挿通するためには、当該障害釘の外径が小さいにもかかわらず、障害釘毎に、その軸方向に沿い貫通孔部を形成するという困難な作業が必須となるのは勿論のこと、上述のように貫通孔部を形成した上で、光ファイバーを障害釘の貫通孔部に挿通するという面倒な作業が必須となるという不具合が発生する。
【0009】
また、上述のごとく、パチンコ球が障害釘に衝突したときに発光体に通電するため、通電板が障害釘毎に遊技盤の表面に別々に形成され、かつ、通電コードが、障害釘毎に、遊技盤の貫通孔部に挿通するように設けられている。このことは、遊技盤としての構成をさらに複雑にするという不具合を招く。
【0010】
これに対しては、上記特許文献2に記載のパチンコ遊技機に採用してなる遊技盤が提案されている。この遊技盤では、振動感知器、発光器及び電気回路が、上記特許文献1と同様に遊技盤に打ち込まれた多数の障害釘に対し、障害釘毎に設けられている。
【0011】
そこで、上記特許文献1と同様に、一障害釘を例にとり、この一障害釘に対する発光器、振動感知器及び電気回路の構成について説明すると、発光器は、上記一障害釘と隣り合うように、遊技盤にその表面側から設けられている。従って、パチンコ球により衝突された一障害釘が、当該一障害釘自体ではなく、その近傍の発光器の発光でもって認識されるものの、上記特許文献1における光ファイバーやこの光ファイバーを障害釘に挿通する構成が不要となる。
【0012】
しかしながら、上記特許文献2の遊技盤では、振動感知器が、遊技盤の裏側にて上記一障害釘の首下部に設けられて、パチンコ球の上記一障害釘への衝突による当該一障害釘の振動を感知するようになっている。
【0013】
このため、当該遊技盤を採用したパチンコ遊技機を配設した遊技ホールで発生する色々の外乱振動が当該遊技盤の上記一障害釘に伝わると、パチンコ球の衝突による上記一障害釘の振動だけではなく、上述の外乱振動までもが、振動感知器により感知されるという不具合を招く。
【0014】
また、電気回路は、振動感知器の感知信号を増幅して発光器を発光させるべく当該発光器に出力するようになっている。
【0015】
しかしながら、このように、電気回路でもって、単に、振動感知器の感知信号を増幅するだけでは、当該感知信号が上述の外乱振動をも含む信号のままで電気回路により増幅されてしまう。その結果、発光器は、パチンコ球の衝突による障害釘の振動だけでなく、上述の外乱振動によっても、発光してしまい、球衝突経路の認識が良好にはなされ難いという不具合を招く。
【0016】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、障害釘の振動に依存することなく、簡単な構成にて、少なくとも1つの障害釘に対する少なくとも1つの遊技球の衝突経路を良好に表示するようにした遊技盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る遊技盤は、請求項1の記載によれば、
電気絶縁性遊技板(20、70)と、
この遊技板の表面に分散して打ち込まれる多数の障害釘(50、51a〜51e)と、
1つ或いは複数の遊技球(S)が、多数の障害釘のうち所定の並び方向に並ぶ一連の障害釘(51a〜51e)の1つ或いは複数の障害釘と衝突したとき、上記1つ或いは複数の遊技球を介し上記1つ或いは複数の障害釘と電気的に接続するように一連の障害釘の上記所定の並び方向に沿い遊技板の表面に設けられる単一の導電膜(80)と、
単一の導電膜の一部から遊技板を通りその裏面側に延出する単一の共通配線(80a)と、
遊技板に設けられて一連の障害釘に対応する一連の表示部位を有する表示手段(60、90a〜90e、100a〜100e)と、
直流電源(V)と、
一連の障害釘と直流電源との間に接続されて単一の導電膜の上記1つ或いは複数の衝突障害釘との電気的接続に伴い当該1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する抵抗値を互いに異なる目標抵抗値として生成する抵抗手段(200a〜200e)と、共通抵抗(210)とを備えて、上記目標抵抗値を生成してなる抵抗手段、上記1つ或いは複数の衝突障害釘、上記1つ或いは複数の遊技球、単一の導電膜、共通抵抗及び直流電源でもって閉回路を構成することで、上記目標抵抗値を生成してなる抵抗手段及び共通抵抗により直流電源の直流電圧を分圧し単一の導電膜から分圧電圧を発生する分圧手段(200)と、
この分圧手段から単一の共通配線を介し上記分圧電圧を入力されて保持電圧として保持する電圧保持手段(300)と、
1つ或いは複数の遊技球の一連の障害釘との間で生ずると予測される一連の衝突態様に対応して一連の目標電圧を順次同一の電圧方向へ変化するように順次決定する目標電圧決定手段(800〜820、960〜990、821、991、822、992)と、
この目標電圧決定手段が目標電圧を決定する毎に当該目標電圧に対応する照合電圧を発生する照合電圧発生手段(400、400A、400B)と、
この照合電圧発生手段が照合電圧を発生する毎に、当該照合電圧を電圧保持手段(300)に保持された保持電圧と比較する比較手段(500、W)と、
この比較手段から順次発生する比較出力のうちの一比較出力が上記保持電圧に対応したとき一連の目標電圧のうち上記一比較出力に対応する目標電圧に基づき上記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定する表示部位決定手段(900〜940)と、
この表示部位決定手段により決定された上記1つ或いは複数の表示部位を表示作動させるように表示手段を駆動制御する駆動制御手段(950、993、700a〜700e)とを備える。
【0018】
これによれば、表示手段が、その各表示部位により、従来技術にて述べた光ファイバーのような余分な構成部材に依存することなく、直接、表示することとなる。しかも、表示手段は、上述のように一連の障害釘とは別体であることから、従来技術にて述べたような光ファイバーの障害釘に対する挿通する構成や作業が不要となる。
【0019】
その結果、当該遊技盤をパチンコ遊技機等の遊技機に採用すれば、遊技機としての構成や組み立て作業が従来よりもより一層簡単になる。
【0020】
また、上述のごとく、障害釘が遊技球の衝突により電気的に接続される導電膜が、一連の障害釘に共通となるように、単一に構成されているから、従来技術で述べたように障害釘毎に通電板を設ける構成は不要となる。これに伴い、単一の導電膜を遊技板の裏側に設けた駆動制御手段と電気的に接続する接続部材が、従来技術で述べたように障害釘毎に通電コードを設ける必要もなく、単一の共通配線のみで済む。従って、遊技盤としての構成、ひいては、遊技機としての構成が、さらに簡単になる。
【0021】
また、遊技球の障害釘との衝突に伴う表示手段の表示部位による表示が、従来技術にて述べたような振動感知器の感知信号及びこの感知信号を増幅する電気回路とは異なり、遊技球を介する障害釘と単一の導電膜との電気的接続でもってなされる。従って、当該遊技盤を設けた遊技機が、遊技ホールに配設されたとき、表示手段は、当該遊技ホールで生ずる遊技球の障害釘との衝突以外の外乱振動とは係わりなく、遊技球の障害釘との衝突のみに応答して正しく表示し得る。その結果、遊技球の衝突経路が良好に認識され得る。
【0022】
以上述べたことから分かるように、当該遊技盤によれば、障害釘の振動に依存することなく、簡単な構成にて、各障害釘に対する遊技球の衝突経路を、表示手段の表示部位による表示でもって、球衝突経路として良好に表示し得るという相乗的な作用効果が達成され得る。
【0023】
また、上述のような構成の分圧手段、電圧保持手段、目標電圧決定手段、照合電圧発生手段及び表示部位決定手段を採用したので、1つの遊技球が、一連の障害釘のいずれかに衝突する場合は勿論のこと、複数の遊技球が、一連の障害釘のうちの複数の障害釘に同時に衝突する場合でも、当該1つの遊技球による球衝突経路或いは当該複数の遊技球の同時衝突による球衝突経路が良好に表示され得る。
【0024】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の遊技盤において、
分圧手段は、
一連の障害釘に接続される一連の単独抵抗(200a〜200e)を有し、当該一連の単独抵抗のうち上記1つ或いは複数の衝突障害釘に接続してなる1つ或いは複数の単独抵抗でもって、上記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応した上記目標抵抗値を有する単独抵抗回路或いは並列抵抗回路を形成するように、抵抗手段を構成して、
上記1つ或いは複数の衝突障害釘との単一の導電膜の電気的接続に伴い、上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路、上記1つ或いは複数の衝突障害釘、上記1つ或いは複数の遊技球、単一の導電膜、共通抵抗及び直流電源でもって閉回路を構成することで、上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路と共通抵抗とでもって直流電源の直流電圧を分圧し単一の導電膜から上記分圧電圧を発生することを特徴とする。
【0025】
このように抵抗手段を構成することにより、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
【0026】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載の遊技盤において、
目標電圧決定手段は、
カウントアップ手段(800〜820)と、
上記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応して抵抗手段により形成される上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の上記目標抵抗値と所定カウントアップ値との一連の対応関係を表す第1データに基づき、カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が上記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する目標抵抗値を順次決定する目標抵抗値決定手段(821、824)とを備えて、
上記目標電圧とこれに対応する上記目標抵抗値との一連の対応関係を表す第2データから、目標抵抗値決定手段による目標抵抗値の決定毎に、当該目標抵抗値に基づき目標電圧を決定することを特徴とする。
【0027】
このように、目標電圧決定手段が、上述のような構成のカウントアップ手段及び目標抵抗値決定手段を有することにより、請求項2に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
【0028】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の遊技盤において、
目標抵抗値決定手段は、
上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の上記目標抵抗値毎に、この目標抵抗値に代えて、当該目標抵抗値の誤差範囲を特定してなる一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を上記所定カウントアップ値に対応させて上記第1データとして、この第1データに基づき、カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が上記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を前記目標抵抗値に代えて順次決定し、
目標電圧決定手段は、上記一連の目標電圧に代えて、一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧に、上記各一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を対応させて、上記第2データとし、この第2データから、上記一対の最小抵抗値及び最大抵抗値毎に、当該一対の最小抵抗値及び最大抵抗値に基づき一対の最小電圧及び最大電圧を前記目標電圧に代えて決定し、
照合電圧発生手段は、目標電圧決定手段が上記一対の最小電圧及び最大電圧を決定する毎に、当該一対の最小電圧及び最大電圧に対応する一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を上記照合電圧に代えて発生し、
比較手段は、照合電圧発生手段が上記一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を発生する毎に当該一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を電圧保持手段に保持された保持電圧と比較するウインドウコンパレータ(W)であり、
このウインドウコンパレータから上記比較出力として順次発生する両比較信号のうちの一両比較信号が上記保持電圧に対応したとき、表示部位決定手段は、上記一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧のうち上記一両比較信号に対応する一対の最小電圧及び最大電圧に基づき上記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定することを特徴とする。
【0029】
これによれば、抵抗手段により生成される目標抵抗値にばらつきによる誤差があっても、これに影響されることなく、1つ或いは複数の遊技球の1つ或いは複数の障害釘との衝突態様に応じた目標抵抗値決定手段による第1データに基づく一対の最小抵抗値及び最大抵抗値の決定、目標電圧決定手段による上記第2データに基づく一対の最小電圧及び最大電圧の決定のもとに、ウインドウコンパレータの比較出力に基づき、1つの遊技球の1つの障害釘との衝突或いは複数の遊技球の複数の障害釘との同時衝突に対応する1つ或いは複数の障害釘の衝突経路を良好に表示し得る。
【0030】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用してなるパチンコ遊技機の第1実施形態を示している。このパチンコ遊技機は、パチンコホール内の島に他のパチンコ遊技機とともに立設されるもので、当該パチンコ遊技機は、機枠F、遊技機本体B及び前扉Dを備えている。なお、機枠Fは、上記島において上板と下板(図示しない)との間に挟持されて支持される。また、前扉Dは、遊技機本体Bの板状本体枠Ba(後述する)とともに機枠Fにその前後方向に開閉可能に支持されている。
【0032】
遊技機本体Bは、板状本体枠Ba及び遊技盤Bbを備えている。遊技盤Bbは、遊技板20(図2参照)を有しており、この遊技板20は、互いに積層した複数のベニア板に化粧板を貼り付けて構成されて、板状本体枠Baの中空部に嵌装されている。なお、遊技板20の表面、即ち上記化粧板の表面は遊技盤Bbの盤面に相当する。
【0033】
また、遊技盤Bbは、図2にて示すごとく、ガイドレール30、スルーチャッカー40a、ゲート40b、スタートチャッカー40c、アタッカー40d並びに障害釘群50を有する。
【0034】
スルーチャッカー40aは、遊技板20の中央開口部の中心の直下にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。ゲート40bは、遊技板20の上記中央開口部の左側にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。スタートチャッカー40cは、スルーチャッカー40aの直下にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。アタッカー40dは、スタートチャッカー40cの直下にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。
【0035】
障害釘群50は、球衝突経路表示装置U(後述する)の各一連の障害釘51a〜51e並びに残りの多数の障害釘52でもって構成されている。一連の障害釘51a〜51eは、後述のごとく球衝突経路表示装置Uの支持板70に打ち込まれている。多数の障害釘52は、図2に示すごとく、遊技盤Bbの盤面のうちガイドレール30の内周側の領域において分散して打ち込まれている。
【0036】
また、遊技盤Bbは、図2に示すごとく、図柄表示装置60を有しており、この図柄表示装置60は、遊技板20の上記中央開口部に嵌装されている。
【0037】
また、遊技盤Bbは、球衝突経路表示装置Uを備えており、この球衝突経路表示装置Uは、スタートチャッカー40cの左側にて遊技板20に設けられている。
【0038】
当該球衝突経路表示装置Uは、図3にて示すごとく、矩形状の支持板70、上述した一連の障害釘51a〜51e、導電膜80、一側及び他側の各一連の発光ダイオード90a〜90e、100a〜100e並びに一側及び他側の各透明カバー110a、110bを備えている。
【0039】
支持板70は、図4にて示すごとく、遊技板20の矩形状の組み付け穴部21に嵌装されており、この支持板70は、その各前側フランジ部71にて、各ネジ22によって、遊技板20の組み付け穴部21の両端側部位にその前面側から締着支持されている。ここで、矩形状の組み付け穴部21は、図3に示すごとく、スタートチャッカー40cの左側部位近傍から左上方に向け傾斜するように、遊技板20に貫通状に形成されている。なお、支持板70は、電気絶縁材料(例えば、積層ベニヤ板)でもって形成されている。
【0040】
一連の障害釘51a〜51eは、その各首下部にて、支持板70の幅方向中央部にその長手方向(所定の並び方向)に沿い、所定の間隔をおいて板厚方向に打ち込まれている。なお、一連の障害釘51a〜51eが、図4にて例示するごとく、その各先端部にて遊技板20の裏面側を臨むように、遊技板20のうち各障害釘51a〜51eの先端部よりも裏面側部位は、貫通状に形成されている。
【0041】
導電膜80は、図3にて示すごとく、一連の障害釘51a〜51eの各径方向一側(上記所定の並び方向の一側)に沿い支持板70の表面に所定の幅でもって帯状に設けられている。この導電膜80は、その幅方向一側縁部にて、一連の障害釘51a〜51eとの間に、間隙を形成するように設けられている。これにより、導電膜80は、一連の障害釘51a〜51eから電気的に絶縁される。また、導電膜80の幅は、例えば、1つの遊技球Sを、障害釘51a〜51eのいずれかと導電膜80との双方に同時に接触させるように選定されている。なお、導電膜80の表面は、遊技盤Bbの盤面と同一平面内にある。
【0042】
一側の一連の発光ダイオード90a〜90eは、支持板70にその表面側から形成した一側凹所72a内にてその底壁に挿通固定されており、当該一連の発光ダイオード90a〜90eの各発光部91a〜91eは一側凹所72a内に露出している。また、他側の一連の発光ダイオード100a〜100eは、支持板70にその表面側から形成した他側凹所72b内にて、その底壁に挿通固定されており、当該一連の発光ダイオード100a〜100eの各発光部101a〜101eは他側凹所72b内に露出している。
【0043】
ここで、一連の発光ダイオード100a〜100eの各々は、それぞれ、一連の障害釘51a〜51eの各々を介し一連の発光ダイオード90a〜90eの各々に対応するように位置している。一例を挙げれば、発光ダイオード100aは、障害釘51aを介し発光ダイオード90aに対応するように位置している。なお、一側凹所72aは、一連の障害釘51a〜51eの径方向一側(上記所定の並び方向の一側)にて導電膜80に沿い支持板70に形成されており、他側凹所72bは、一連の障害釘51a〜51eの径方向他側(上記所定の並び方向の他側)にて一連の障害釘51a〜51eに沿い支持板70に形成されている。
【0044】
一側透明カバー110aは、一側凹所72aの開口部に嵌めこまれて、一連の発光ダイオード90a〜90eの各発光部91a〜91eを覆蓋する。また、他側透明カバー110bは、他側凹所72bの開口部に嵌めこまれて、一連の発光ダイオード100a〜100eの各発光部101a〜101eを覆蓋する。
【0045】
次に、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eを発光駆動するための駆動制御回路Eの構成について、図5を参照して説明する。駆動制御回路Eは、直流電源Vに接続した分圧回路200と、電圧保持回路300と、デジタル−アナログ変換器400(以下、D−A変換器400ともいう)と、コンパレータ500と、マイクロコンピュータ600と、一連の発光駆動回路700a〜700eとによって構成されている。
【0046】
分圧回路200は、上述の一連の障害釘51a〜51e及び導電膜80と、一連の単独抵抗200a〜200eと、導電膜80に接続した共通抵抗210とでもって構成されている。
【0047】
一連の単独抵抗200a〜200eは、その各一端にて、それぞれ、支持板70の各貫通孔部を通り、一連の障害釘51a〜51eに接続されており、当該一連の単独抵抗200a〜200eの各他端は、直流電源Vの正側端子に接続されている。ここで、直流電源Vは、その負側端子にて接地されている。また、共通抵抗210は、一連の単独抵抗200a〜200e及び直流電源Vと共に、支持板70の裏面に配設されており、この共通抵抗210は、その一端にて、支持板70の貫通孔部を通り導電膜80の一部に接続されており、当該共通抵抗210の他端は、接地されている。
【0048】
本実施形態では、各単独抵抗200a、200b、200c、200d及び200eの標準抵抗値を、それぞれ、Ra、Rb、Rc、Rd及びReで表すものとすれば、各単独抵抗200a〜200eの標準抵抗値は、Ra<Rb<Rc<Rd<Reとなるように設定されている。
【0049】
このように構成した分圧回路200において、1つの遊技球が一連の障害釘51a〜51eのいずれかと衝突したとき、導電膜80の一連の障害釘51a〜51eのいずれかとの電気的接続のもと、一連の単独抵抗200a〜200eのうち上記衝突障害釘に接続した単独抵抗及び共通抵抗210が、直流電源Vの直流電圧を分圧し導電膜80から分圧電圧として発生させる。また、複数の遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘に同時に衝突したとき、一連の単独抵抗200a〜200eのうち上記複数の衝突障害釘に接続した複数の単独抵抗からなる並列抵抗回路及び共通抵抗210が直流電源Vの直流電圧を分圧し導電膜80から分圧電圧として発生する。
【0050】
ここで、上記並列抵抗回路が、上述した複数の衝突障害釘による複数の遊技球との衝突態様によって、どのように構成されるかについて説明する。
1.上記複数の衝突障害釘が一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれか2つの障害釘の場合
(1)上記いずれか2つの障害釘が、例えば、両障害釘51a、51bの場合には、上記並列抵抗回路は、両単独抵抗200a、200bの並列接続でもって構成される。従って、両単独抵抗200a、200bの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(ab)は、次の式(1)により求められる。
【0051】
Rt(ab)=(Ra・Rb)/(Ra+Rb)・・・(1)
(2)上記いずれか2つの障害釘が、障害釘51aと障害釘51c〜51eのいずれかとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200aと各単独抵抗200c〜200eのいずれかとの並列接続でもって構成される。
【0052】
従って、上述の各単独抵抗200c〜200eのいずれかが単独抵抗200c、200d或いは200eである場合には、両単独抵抗200a、200c、両単独抵抗200a、200d或いは両単独抵抗200a、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(ac)、Rt(ad)或いはRt(ae)は、次の各式(2)、(3)或いは(4)に基づき、
Rt(ac)=(Ra・Rc)/(Ra+Rc)・・・(2)、
Rt(ad)=(Ra・Rd)/(Ra+Rd)・・・(3)、或いは
Rt(ae)=(Ra・Re)/(Ra+Re)・・・(4)
として求められる。本第1実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reを前提として、Rt(ab)<Rt(ac)<Rt(ad)<Rt(ae)<Raが成立するようになっている。
(3)上記複数の衝突障害釘が、障害釘51bと障害釘51c〜51eのいずれかとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200bと単独抵抗200c〜200eのいずれかとの並列接続でもって構成される。
【0053】
従って、上述の各単独抵抗200c〜200eのいずれかが単独抵抗200c、200d或いは200eである場合には、両単独抵抗200b、200c、両単独抵抗200b、200d或いは両単独抵抗200b、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(bc)、Rt(bd)或いはRt(be)は、次の式(5)、(6)或いは(7)に基づき、
Rt(bc)=(Rb・Rc)/(Rb+Rc)・・・(5)、
Rt(bd)=(Rb・Rd)/(Rb+Rd)・・・(6)、或いは
Rt(be)=(Rb・Re)/(Rb+Re)・・・(7)
として求められる。
【0054】
本実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reを前提として、Ra<Rt(bc)<Rt(bd)<Rt(be)<Rbが成立するようになっている。
(4)上記複数の衝突障害釘が障害釘51cと障害釘51d、51eのいずれかとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200cと単独抵抗200d、200eのいずれかとの並列接続でもって構成される。
【0055】
従って、上述の各単独抵抗200d、200eのいずれかが単独抵抗200d或いは200eである場合には、両単独抵抗200c、200d或いは両単独抵抗200c、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(cd)或いはRt(ce)は、次の式(8)或いは(9)に基づき、
Rt(cd)=(Rc・Rd)/(Rc+Rd)・・・(8)、或いは
Rt(ce)=(Rc・Re)/(Rc+Re)・・・(9)
として求められる。
【0056】
本実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reを前提として、Rb<Rt(cd)<Rt(ce)<Rcが成立するようになっている。
(5)上記複数の衝突障害釘が、両障害釘51d、51eの場合には、上記並列抵抗回路は、両単独抵抗200d、200eの並列接続でもって構成される。従って、両単独抵抗200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(de)は、次の式(10)に基づき、
Rt(de)=(Rd・Re)/(Rd+Re)・・・(10)
として求められる。
【0057】
本実施形態では、上述したRb<Rt(cd)<Rt(ce)<Rcを前提に、Rt(ce)<Rt(de)<Rcが成立するようになっている。
2.上記複数の衝突障害釘が、一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれか3つの障害釘の場合
(1)上記いずれか3つの障害釘が、障害釘51aと各障害釘51b〜51eのうちのいずれか2つとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200aと各単独抵抗200b〜200eのうちのいずれか2つとの並列接続でもって構成される。
【0058】
従って、上述の各単独抵抗200b〜200eのうちのいずれか2つが、両単独抵抗200b、200c、両単独抵抗200b、200d或いは両単独抵抗200b、200eである場合には、3つの単独抵抗200a、200b、200c、3つの単独抵抗200a、200b、200d或いは3つの単独抵抗200a、200b、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abc)、Rt(abd)或いはRt(abe)は、次の式(11)、(12)或いは(13)に基づき、
Rt(abc)=(Ra・Rb・Rc)/(Ra・Rb+Rb・Rc+Rc・Ra)・・・(11)、
Rt(abd)=(Ra・Rb・Rd)/(Ra・Rb+Rb・Rd+Rd・Ra)・・・(12)、或いは
Rt(abe)=(Ra・Rb・Re)/(Ra・Rb+Rb・Re+Re・Ra)・・・(13)
として求められる。
【0059】
また、上述の各単独抵抗200b〜200eのうちのいずれか2つが、両単独抵抗200c、200d、両単独抵抗200c、200e或いは両単独抵抗200d、200eである場合には、3つの単独抵抗200a、200c、200d、3つの単独抵抗200a、200c、200e或いは3つの単独抵抗200a、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(acd)、Rt(ace)或いはRt(ade)は、次の式(14)、(15)或いは(16)に基づき、
Rt(acd)=(Ra・Rc・Rd)/(Ra・Rc+Rc・Rd+Rd・Ra)・・・(14)、
Rt(ace)=(Ra・Rc・Re)/(Ra・Rc+Rc・Re+Re・Ra)・・・(15)、或いは
Rt(ade)=(Ra・Rd・Re)/(Ra・Rd+Rd・Re+Re・Ra)・・・(16)
として求められる。
【0060】
本実施形態では、上述したRt(ab)<Rt(ac)<Rt(ad)<Rt(ae)<Raを前提に、Rt(abc)<Rt(abd)<Rt(abe)<Rt(ab)、及びRt(ab)<Rt(acd)<Rt(ace)<Rt(ade)<Rt(ac)が成立するようになっている。
(2)上記いずれか3つの障害釘が、障害釘51bと各障害釘51c〜51eのうちのいずれか2つとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200bと各単独抵抗200c〜200eのうちのいずれか2つとの並列接続でもって構成される。
【0061】
従って、上述の各単独抵抗200c〜200eのうちのいずれか2つが、両単独抵抗200c、200d、両単独抵抗200c、200e或いは両単独抵抗200d、200eである場合には、3つの単独抵抗200b、200c、200d、3つの単独抵抗200b、200c、200e或いは3つの単独抵抗200b、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(bcd)、Rt(bce)或いはRt(bde)は、次の式(17)、(18)或いは(19)に基づき、
Rt(bcd)=(Rb・Rc・Rd)/(Rb・Rc+Rc・Rd+Rd・Rb)・・・(17)、
Rt(bce)=(Rb・Rc・Re)/(Rb・Rc+Rc・Re+Re・Rb)・・・(18)、或いは
Rt(bde)=(Rb・Rd・Re)/(Rb・Rd+Rd・Re+Re・Rb)・・・(19)
として求められる。本実施形態では、上述したRa<Rt(bc)<Rt(bd)<Rt(be)<Rbを前提に、Ra<Rt(bcd)<Rt(bce)<Rt(bde)<Rt(bc)が成立するようになっている。
(3)上記いずれか3つの障害釘が、各障害釘51c、51d、51eの場合には、上記並列抵抗回路は、各単独抵抗200c、200d、200eの並列接続でもって構成される。従って、各単独抵抗200c、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(cde)は、次の式(20)に基づき、
Rt(cde)=(Rc・Rd・Re)/(Rc・Rd+Rd・Re+Re・Rc)・・・(20)
として求められる。本実施形態では、上述したRa<Rt(bc)<Rt(bd)<Rt(be)<Rbを前提に、Rt(be)<Rt(cde)<Rbが成立するようになっている。
3.上記複数の衝突障害釘が、一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれか4つの障害釘の場合
この場合には、上記並列抵抗回路は、一連の単独抵抗200a〜200eのうち上記いずれか4つの障害釘にそれぞれ接続してなる各単独抵抗の並列接続でもって構成される。
(1)上記いずれか4つの障害釘が、各障害釘51a、51b、51c、51d或いは各障害釘51a、51b、51c、51eである場合には、4つの単独抵抗200a、200b、200c、200d或いは4つの単独抵抗200a、200b、200c、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abcd)或いはRt(abce)は、次の式(21)或いは(22)に基づき、
Rt(abcd)=(Ra・Rb・Rc・Rd)/(Rb・Rc・Rd+Rc・Rd・Ra+Rd・Ra・Rb+Ra・Rb・Rc)
・・・(21)、或いは
Rt(abce)=(Ra・Rb・Rc・Re)/(Rb・Rc・Re+Rc・Re・Ra+Re・Ra・Rb+Ra・Rb・Rc)
・・・(22)
として求められる。本実施形態では、上述したRt(abc)<Rt(abd)<Rt(abe)<Rt(ab)を前提に、Rt(abcd)<Rt(abce)<Rt(abc)が成立するようになっている。
(2)上記いずれか4つの障害釘が、各障害釘51a、51b、51d、51e、各障害釘51a、51c、51d、51e或いは各障害釘51b、51c、51d、51eである場合には、4つの単独抵抗200a、200b、200d、200e、4つの単独抵抗200a、200c、200d、200e或いは4つの単独抵抗200b、200c、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abde)、Rt(acde)或いはRt(bcde)は、次の式(23)、(24)或いは(25)に基づき、
Rt(abde)=(Ra・Rb・Rd・Re)/(Rb・Rd・Re+Rd・Re・Ra+Re・Ra・Rb+Ra・Rb・Rd)
・・・(23)、
Rt(acde)=(Ra・Rc・Rd・Re)/(Rc・Rd・Re+Rd・Re・Ra+Re・Ra・Rc+Ra・Rc・Rd)
・・・(24)、或いは
Rt(bcde)=(Rb・Rc・Rd・Re)/(Rc・Rd・Re+Rd・Re・Rb+Re・Rb・Rc+Rb・Rc・Rd)
・・・(25)
として求められる。
【0062】
本実施形態では、上述したRt(abcd)<Rt(abce)<Rt(abc)を前提に、Rt(abce)<Rt(abde)<Rt(abc)が成立し、上述したRt(abc)<Rt(abd)<Rt(abe)<Rt(ab)を前提に、Rt(abe)<Rt(acde)<Rt(ab)が成立し、また、上述したRt(ac)<Rt(ad)<Rt(ae)<Raを前提に、Rt(ae)<Rt(bcde)<Raが成立するようになっている。
4.上記複数の衝突障害釘が、各障害釘51a、51b、51c、51d及び51eの5つである場合
この場合には、上記並列抵抗回路は、各単独抵抗200a、200b、200c、200d、200eの並列接続でもって構成される。従って、各単独抵抗200a、200b、200c、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abcde)は、分子をXとし、分母をYとすると、次の各式(26)及び(27)のもと、次の式(28)に基づき、
X=Ra・Rb・Rc・Rd・Re・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(26)、
Y=Rb・Rc・Rd・Re+Rc・Rd・Re・Ra・Rb+Re・Ra・Rb・Rc+Ra・Rb・Rc・Rd・・・(27)、
Rt(abcde)=X/Y・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(28)
として求められる。本実施形態では、上述したRt(abcd)<Rt(abce)<Rt(abc)を前提に、Rt(abcde)<Rt(abcd)が成立するようになっている。
【0063】
電圧保持回路300は、その入力端子にて、共通配線80aを介し導電膜80に接続されており、当該電圧保持回路300は、導電膜80から共通配線80aを通し分圧回路200から分圧電圧を受けて保持電圧として保持する。ここで、電圧保持回路300は、支持板70の裏面に配設されている。共通配線80aは、その一端にて、導電膜80に接続されており、この共通配線80aの他端は、支持板70の貫通孔部(図示しない)を通り電圧保持回路300の入力端子に接続されている。なお、電圧保持回路300としては、日本サーキットデザイン(株)製PH−201A型ピークホールド回路が採用されている。
【0064】
D−A変換器400は、マイクロコンピュータ600から後述のように順次出力される第1〜第31の目標電圧を順次アナログ変換して第1〜第31の照合電圧としてコンパレータ500に出力する。
【0065】
コンパレータ500は、電圧保持回路300からの保持電圧をD−A変換器400から順次発生する照合電圧と比較する。そして、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400から順次発生する照合電圧のうちいずれかの照合電圧に達すると、コンパレータ500は、ハイレベル(Hレベル)の比較信号を発生する。電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400から順次発生する第1〜第31の照合電圧のうちいずれかの照合電圧よりも低いとき、コンパレータ500は、ローレベル(Lレベル)の比較信号を発生する。なお、電圧保持回路300が保持電圧を保持していないとき、コンパレータ500の正側入力端子は、実質的に開放状態にある。このため、コンパレータ500の出力はない。
【0066】
マイクロコンピュータ600は、図6及び図7にてそれぞれ示す各フローチャートに従い、主制御プログラム及び割り込み制御プログラムを実行する。このマイクロコンピュータ600は、上記主制御プログラムの実行中において、カウントアップ値Nの加算処理のもとに、目標電圧の出力に要する種々の処理を行う。また、マイクロコンピュータ600は、上記割り込み制御プログラムの実行中において、コンパレータ500からの比較信号のレベルに基づき、発光ダイオードの駆動に要する種々の処理を行う。なお、マイクロコンピュータ600は、その作動開始に伴い、上記主制御プログラムの実行を開始し、また、コンパレータ500からの比較信号の出力毎に、上記割り込み制御プログラムの実行を開始する。また、上記主制御プログラム及び上記割り込み制御プログラムは、マイクロコンピュータ600のROMにこのマイクロコンピュータにより読み出し可能に予め記憶されている。
【0067】
また、本第1実施形態において、マイクロコンピュータ600のROMには、図8にて示すような抵抗値−カウントアップ値データが予め記憶されている。当該抵抗値−カウントアップ値データは、一連のカウントアップ値N1〜N31と一連の目標抵抗値(標準抵抗値或いは標準並列合成抵抗値からなる)との対応関係を表す。例えば、各カウントアップ値N1〜N5は、各目標抵抗値である各標準並列合成抵抗値Rt(abcde)、Rt(abcd)、Rt(abce)、Rt(abde)及びRt(abc)に対応する。また、各カウントアップ値N26〜N31は、それぞれ、各目標抵抗値である各標準並列合成抵抗値Rt(cd)、Rt(ce)、Rt(de)、各標準抵抗値Rc、Rd及びReに対応する。
【0068】
本実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reにおいて、一標準抵抗値とこの一標準抵抗値に対し大小関係において互いに隣り合う各標準抵抗値との間の差は、互いに異なっている。従って、上述のような大小関係において互いに隣り合う標準並列合成抵抗値或いは標準抵抗値の間の差は、一致するとは限らない。なお、図8の図表において、中央欄に記載の対応目標抵抗値(対応の標準並列合成抵抗値或いは標準抵抗値)は、右欄に記載の並列抵抗又は単独抵抗に対応する。例えば、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)は、5つの単独抵抗200a〜200eの並列抵抗に対応する。
【0069】
また、上記ROMには、マイクロコンピュータ600からD−A変換器400に出力される目標電圧と、上述した各目標抵抗値と、両一連の発光ダイオードとの間において、図9の図表にて示すような対応関係を表す目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータが予め記憶されている。
【0070】
当該目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータは、一連の目標電圧、一連の目標抵抗値及び両一連の発光ダイオードとの間の対応関係を表す。例えば、第1目標電圧は、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)及び各両第1〜第5の発光ダイオードに対応する。また、また、第31照合電圧は、目標抵抗値である標準抵抗Re及び両第5発光ダイオードに対応する。
【0071】
なお、各両第1、第2、第3、第4及び第5の発光ダイオードとは、各両発光ダイオード90a、100a;90b、100b;90c、100c;90d、100d及び90e、100eをいう。また、本実施形態では、第1〜第31の目標電圧は、第1目標電圧から第31目標電圧にかけて順次低くなるように設定されている。但し、これら各目標電圧において、一目標電圧と大小関係で互いに隣り合う各目標電圧との差は、上述のごとく、大小関係において互いに隣り合う標準並列合成抵抗値或いは標準抵抗値の間の差が一致するとは限らない。
【0072】
一連の発光駆動回路700a〜700eは、図5から明らかなように、それぞれ、各一対の発光ダイオード90a、100a;〜;90e、100eに対応するもので、各発光駆動回路700a〜700eは、マイクロコンピュータ600による制御のもと、それぞれ、対応の各一対の発光ダイオード90a、100a;〜;90e、100eを発光駆動する。なお、一連の発光駆動回路700a〜700eは、D−A変換器400、コンパレータ500及びマイクロコンピュータ600と共に支持板70の裏面に配設されている。
【0073】
以上のように構成した本第1実施形態において、当該パチンコ遊技機が遊技可能状態におかれると、マイクロコンピュータ600が、図6のフローチャートに従い上記主制御プログラムの実行を開始する。
【0074】
現段階において、当該パチンコ遊技機の操作ハンドルHが未操作状態にあれば、遊技球は発射されていないため、電圧保持回路300は保持電圧を保持しない。従って、コンパレータ500は比較信号を出力しない状態にある。よって、上記割り込み制御プログラムの割り込み実行はマイクロコンピュータ600によりなされない状態にある。
【0075】
上述の主制御プログラムの実行開始に伴い、ステップ800において、カウントアップデータがN=0とクリアされる。ついで、ステップ810において、上記カウントアップデータがN=N+1=1と加算更新される。
【0076】
然る後、ステップ820において、カウントアップデータがN=Niか否かが判定される。ここで、Niは、上述したカウントアップ値を表し、i=1、2、・・・・、31のいずれかを表す(図8参照)。
【0077】
現段階では、N=0≠Niであることから、ステップ820における判定はNOとなる。以後、カウントアップデータNが、カウントアップ値N1〜N31のうちN1と一致するまで、ステップ810におけるN=N+1の加算更新処理及びこの加算更新処理に基づく820におけるN=Niの成立の有無の判定処理が繰り返される。
【0078】
このような状態において、N=N1になると、ステップ820において、YESと判定される。すると、次のステップ821において、目標抵抗値決定処理がなされる。これに伴い、対応目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)が、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N1に基づきサーチされて決定される。ついで、ステップ822において、第1目標電圧が、上記ROMに記憶済みの上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータから上記目標抵抗値(標準並列合成抵抗値Rt(abcde))に基づき決定される。これに伴い、ステップ823における目標電圧出力処理において、ステップ822で決定した第1目標電圧が、D−A変換器400に出力されて、当該D−A変換器400により、第1照合電圧として発生される。
【0079】
現段階では、上述のごとく、N=N1故、NがN31と一致しないことから、ステップ823における処理後、ステップ830においてNOと判定されて上記主制御プログラムはステップ810に戻る。そして、当該ステップ810において、N=N+1=2と加算更新される。然る後は、N=N2となるまで、両ステップ820、810を通る処理が繰り返される。
【0080】
このような状態において、N=N2になると、ステップ820において、YESと判定される。すると、次のステップ821において、対応目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcd)が、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N2に基づきサーチされて決定される。ついで、ステップ822において、第2目標電圧が、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータから上記目標抵抗値(標準並列合成抵抗値Rt(abcd))に基づき決定される。これに伴い、ステップ823において、ステップ822で決定した第2目標電圧が、D−A変換器400により、第2照合電圧として発生される。
【0081】
現段階では、上述のごとく、N=N2故、NがN31と一致しないことから、ステップ823における処理後、ステップ830においてNOと判定されて上記主制御プログラムはステップ810に戻る。
【0082】
以後、上述と同様に、ステップ810〜ステップ830を通る繰り返し処理を行うことで、N=N3、・・・・、N31に順次達し、第3〜第31の目標電圧が、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータに基づき、順次、決定されて出力され、D−A変換器400により、第3〜第31の照合電圧として発生される。
【0083】
然る後、ステップ830において、N=N31に基づき、YESと判定されると、上記主制御プログラムは、リターンステップを通りスタートステップに戻り、ステップ800以後の処理が再び上述と同様になされる。
【0084】
このようにして、D−A変換器400は、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31の目標電圧に基づき第1〜第31の照合電圧を順次繰り返し発生している。
【0085】
このような状態において、当該パチンコ遊技機の上皿内の遊技球が、遊技者による操作ハンドルHの操作に伴い、ガイドレール30から遊技盤Bbの遊技領域内に順次発射されると、これら各遊技球は、順次、遊技盤Bbの盤面に沿い多数の障害釘52を介し転動して下方へ向かう。ここで、このように下方へ向かう各遊技球のうちの複数の遊技球が球衝突経路表示装置Uに向かうものとする。
【0086】
しかして、このようにして球衝突経路表示装置Uに向かう複数の遊技球のうちの1つが、一連の障害釘51a〜51eのうちの1つの障害釘、例えば障害釘51aに衝突して当該障害釘51aとこれに対する導電膜80の近傍部位とに同時に接触すると、このように接触した障害釘51aが、上記遊技球を介して導電膜80に電気的に接続される。これに伴い、障害釘51aは、導電膜80を介し共通抵抗210に電気的に接続される。
【0087】
これにより、分圧回路200においては、障害釘51aに接続してなる単独抵抗200aが共通抵抗210と直列接続される。従って、分圧回路200は、単独抵抗200a及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを通して電圧保持回路300に出力する。これにより、分圧回路200からの分圧電圧は電圧保持回路300により保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗値Raに対応)として保持される。
【0088】
このように保持された保持電圧がコンパレータ500に出力されると、この保持電圧は、コンパレータ500により、D−A変換器400から順次発生する照合電圧と比較される。これに伴い、当該保持電圧が、D−A変換器400から順次発生する照合電圧よりも低い間では、コンパレータ500は、Lレベルの比較信号を繰り返し発生する。
【0089】
具体的には、D−A変換器400から順次発生する照合電圧が目標抵抗値である標準抵抗値Raに対応する第17照合電圧になるまでは、コンパレータ500は、Lレベルの比較信号を繰り返し発生する。このため、当該コンパレータ500からの比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの割り込みが図7のフローチャートに従い開始され、ステップ900において、Lレベルの比較信号のセット処理及びステップ910におけるNOとの判定処理が繰り返される。
【0090】
然る後、D−A変換器400からの照合電圧が、上記保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗Raに対応)と一致する第17照合電圧になると、コンパレータ500は、Hレベルの比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ900において、当該Hレベルの比較信号がセットされ、このHレベルの比較信号に基づきステップ910においてYESと判定される。
【0091】
この判定に伴い、ステップ920において、先回の比較信号はLレベルか否かが判定される。現段階において、ステップ900にてセットされた最新の比較信号(上記Hレベルの比較信号)の前の比較信号は、上述のごとく、Lレベルであることから、ステップ920における判定はYESとなる。
【0092】
このため、ステップ930における目標電圧のセット処理では、上述したステップ900にてセット済みの最新のHレベルの比較信号がコンパレータ500からの発生根拠となっている第17目標電圧(D−A変換器400からの第17照合電圧に対応)がセットされる。
【0093】
ここで、この第17目標電圧に対応するD−A変換器400からの第17照合電圧は、上述したコンパレータ500からのHレベルの比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗Raに対応)に等しい。そして、この第17目標電圧は両第1発光ダイオードである両発光ダイオード90a、100aに対応する(図9参照)。
【0094】
そこで、ステップ930における処理後、ステップ940における発光ダイオードのサーチ処理において、両発光ダイオード90a、100aが、ステップ930でセット済みの最新の目標電圧である第17目標電圧に基づき、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータからサーチされる。そして、次のステップ950において発光ダイオードの駆動処理のもと、両発光ダイオード90a、100aが、発光駆動回路700aにより発光駆動されて、各発光部91a、101aから各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、遊技球の障害釘51aとの衝突が表示される。
【0095】
上述のように遊技球が障害釘51aに衝突した後、例えば、当該遊技球が障害釘51dに衝突すると同時に他の2つの遊技球が各障害釘51b、51cにそれぞれ衝突して、これら3つの遊技球が、それぞれ、各障害釘51b、51c、51d及びその導電膜80の各近傍部位に同時に接触すると、3つの障害釘51b、51c、51dが各対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0096】
これにより、分圧回路200においては、上記3つの障害釘51b、51c、51dに接続してなる3つの単独抵抗200b、200c及び200dが並列抵抗回路(標準並列合成値Rt(bcd)を有する)を構成して共通抵抗210と直列接続される。
【0097】
従って、分圧回路200は、当該並列抵抗回路(目標抵抗値である標準並列合成値Rt(bcd)を有する)及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを通して電圧保持回路300に出力する。これにより、分圧回路200からの分圧電圧は電圧保持回路300により保持電圧(目標抵抗値である標準並列合成値Rt(bcd)に対応)として保持される。
【0098】
このように保持された保持電圧は、コンパレータ500により、D−A変換器400から順次発生する照合電圧と比較される。これに伴い、当該照合電圧が、上述の3つの単独抵抗200b、200c及び200dの標準並列合成抵抗値Rt(bcd)に対応する第18照合電圧になるまでは、コンパレータ500は、Lレベルの比較信号を繰り返し発生する。このため、当該コンパレータ500からの比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの割り込みが図7のフローチャートに従い開始され、ステップ900において、Lレベルの比較信号のセット処理及びステップ910におけるNOとの判定処理が繰り返される。
【0099】
然る後、D−A変換器400からの照合電圧が、保持電圧(目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(bcd)に対応)と一致する第18照合電圧になると、コンパレータ500は、Hレベルの比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ900において、当該Hレベルの比較信号がセットされ、このHレベルの比較信号に基づきステップ910においてYESと判定される。
【0100】
この判定に伴い、ステップ920におけるYESとの判定が上述と同様になされ、ステップ930において、上述したステップ900にてセットされた最新の比較信号(Hレベルの比較信号)の発生根拠となる第18目標電圧(D−A変換器400からの第18照合電圧に対応)がセットされる。
【0101】
ここで、この第18目標電圧に対応するD−A変換器400からの第18照合電圧は、上述したコンパレータ500からのHレベルの比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(bcd)に対応)に等しい。そして、この第18目標電圧は各両第2〜第4の発光ダイオードである各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c:90d、100dに対応する。
【0102】
ついで、ステップ940における発光ダイオードサーチ処理において、ステップ930でセット済みの最新の目標電圧が第18目標電圧であること及びこの第18目標電圧が両第2〜第4の発光ダイオードを特定対象とすることから、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c:90d、100dが上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータに基づきサーチされて、決定される。
【0103】
これに伴い、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが、それぞれ、各対応の発光駆動回路700b、700c、700dにより発光駆動されて、各発光部91b、101b、91c、101c及び91d、101dから各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、上述のように遊技球の障害釘51aとの衝突後の3つの遊技球の3つの障害釘51b〜51eとの同時衝突が表示される。
【0104】
然る後、障害釘51dに衝突した遊技球が、障害釘51eに衝突して当該障害釘51e及びその導電膜80の近傍部位に同時に接触すると、当該障害釘51eが対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0105】
これにより、分圧回路200においては、障害釘51eに接続してなる単独抵抗200e及び共通抵抗210が直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを介し電圧保持回路300に出力されて保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗値Reに対応)として保持される。
【0106】
然る後、上述と実質的に同様にして、D−A変換器400から順次発生する照合電圧が、単独抵抗200eの標準抵抗値Reに対応する第31照合電圧になると、コンパレータ500は、Hレベルの比較信号を発生する。このため、ステップ910においてYESと判定される。そして、ステップ930において、第31目標電圧(D−A変換器400からの第31照合電圧に対応)がセットされる。
【0107】
これに伴い、ステップ940において、第31目標電圧が両第5の発光ダイオードを特定対象とすることから、両発光ダイオード90e、100eが、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータに基づきサーチされ、決定される。このため、両発光ダイオード90e、100eが、発光駆動回路700eにより発光駆動されて、各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、上述のように3つの遊技球の3つの障害釘51b〜51eとの同時衝突後の遊技球の障害釘51eとの衝突が表示される。
【0108】
以上のように、遊技球が、障害釘51aに衝突した後、他の2つの遊技球と共に3つの障害釘51b、51c及び51dに同時衝突し、ついで、障害釘51eに衝突する場合には、両発光ダイオード90a、100aが発光した後、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが発光し、然る後、両発光ダイオード90e、100eが発光することで、単一の遊技球の衝突や3つの遊技球の同時衝突であっても、これらの遊技球の衝突経路が適正に表示され得る。
【0109】
また、上述のような遊技球の衝突態様に限ることなく、遊技球と一連の障害釘51a〜51eのいずれかとの衝突や複数の遊技球と一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘との同時衝突によっても、上述と実質的に同様にして、遊技球の衝突経路の表示が適正に表示され得る。
【0110】
以上説明したように、本第1実施形態において、球衝突経路表示装置Uでは、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eが、その各発光部91a〜91e及び101a〜101eにて、支持板70の各凹所72a、72b内に露出するように、当該各凹所72a、72bの底壁に挿通固定されている。
【0111】
このため、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eは、駆動される両対応発光ダイオード毎に、従来技術にて述べた光ファイバーのような余分な構成部材に依存することなく、各発光部にて、光を、各凹所72a、72b内から支持板70の表面側へ、直接、出射することなる。しかも、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eは、上述のように一連の障害釘51a〜51eとは別体であることから、従来技術にて述べたような光ファイバーの障害釘に対する挿通構成や挿通作業が不要となる。
【0112】
従って、当該球衝突経路表示装置Uの構成や光源としての各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eの組み付け作業が簡単になる。その結果、パチンコ遊技機としての構成や組み立て作業が従来よりもより一層簡単になる。
【0113】
また、上述のように、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eの各発光部は、支持板70の各凹所72a、72b内にて、当該各凹所72a、72bの開口部に設けた各透明カバー110a、110bにより覆蓋されている。従って、遊技球Sの発光部との衝突が、当該透明カバーにより未然に防止され得る。ここで、透明カバーは透明であるから、発光ダイオードは、透明カバー110a或いは110bを通り、光を容易に透過させ得るので、当該光の視認は容易である。
【0114】
また、上述のごとく、障害釘が遊技球Sの衝突により電気的に接続される導電膜80が、一連の障害釘51a〜51eに共通となるように、単一に構成されているから、従来技術で述べたように障害釘毎に通電板を設ける構成は不要となる。これに伴い、単一の導電膜80を支持板70の裏側に設けた駆動制御回路Eと電気的に接続する接続部材が、従来技術で述べたように障害釘毎に通電コードを設ける必要もなく、単一の共通配線80aのみで済む。従って、球衝突経路表示装置Uとしての構成、ひいては、パチンコ遊技機としての構成が、さらに簡単になる。
【0115】
また、遊技球Sの障害釘との衝突に伴う発光ダイオードの発光が、従来技術にて述べたような振動感知器の感知信号及びこの感知信号を増幅する電気回路とは異なり、遊技球Sを介する障害釘と単一の導電膜80との電気的接続でもってなされる。従って、当該球衝突経路表示装置Uを設けたパチンコ遊技機が、ホールに配設されたとき、発光ダイオードは、当該ホールで生ずる遊技球の障害釘との衝突以外の外乱振動とは係わりなく、遊技球の障害釘との衝突のみに応答して正しく発光され得る。その結果、遊技球の衝突経路が良好に認識され得る。
【0116】
以上述べたことから分かるように、障害釘の振動に依存することなく、簡単な構成にて、球衝突経路表示装置Uの一連の障害釘のいずれかに対応する一連の発光ダイオードを遊技者側から視認可能に保護しつつ、各障害釘に対する遊技球の衝突経路を、各発光ダイオードの発光でもって、球衝突経路として良好に表示し得るという相乗的な作用効果が達成され得る。
【0117】
また、上述のように、本第1実施形態では、球衝突経路表示装置Uにおいて、上述のように構成した分圧回路200、電圧保持回路300、D−A変換器400及びコンパレータ500が採用され、かつ上述のようにマイクロコンピュータ600のROMに記憶した抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)及び目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータ(図9参照)が、駆動すべき発光ダイオードを特定するデータとして採用されている。
【0118】
そして、このような構成及びデータのもとに、1つ或いは複数の遊技球が、一連の障害釘51a〜51eのうちの1つ或いは複数の障害釘に衝突することで、当該1つ或いは複数の障害釘及び導電膜80の双方に接触すると、各単独抵抗200a〜200eのうち上述のように衝突した上記1つ或いは複数の障害釘に接続した1つ或いは複数の単独抵抗が、導電板80と直流電源Vとの間で互いに、単独抵抗回路或いは並列抵抗回路を構成して、共通抵抗210と直列接続され、当該共通抵抗210と共に直流電源Vの直流電圧を分圧し、上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路に対応する分圧電圧を導電板80から共通配線80aを介して電圧保持回路300に出力されて保持電圧として保持される。
【0119】
従って、このような保持電圧及びD−A変換器400から順次出力される第1〜第31の照合電圧(マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31の目標電圧に対応)のもとにコンパレータ500から順次発生する比較信号を利用することで、当該比較信号が上記保持電圧に基づきLレベルからHレベルへ変化したときの目標電圧に対応する発光ダイオードがサーチされて駆動される。
【0120】
これにより、1つの遊技球が、一連の障害釘51a〜51eのいずれかに衝突する場合は勿論のこと、複数の遊技球が、一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘に同時に衝突する場合でも、当該1つの遊技球による球衝突経路或いは当該複数の遊技球の同時衝突による球衝突経路が良好に表示され得る。
【0121】
特に、分圧回路200においては、上述のごとく、一連の単独抵抗200a〜200eの各々が、それぞれ、一連の障害釘51a〜51eの各々と直流電源Vの正側端子との間に接続されるとともに、共通抵抗210が、その一端にて導電膜80の一部に接続され、他端にて接地されている。このため、複数の遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘に同時に衝突する場合には、一連の単独抵抗200a〜200eのうち当該障害釘に接続した複数の単独抵抗が並列抵抗回路を構成して共通抵抗210と直列回路となって直流電源Vの直流電圧を分圧する。
【0122】
ここで、本第1実施形態では、上述のごとく、一連の単独抵抗200a〜200eの各標準抵抗値は、互いに相違し、かつ、上記並列抵抗回路の標準並列合成抵抗値も、互いに相違するとともに、上記各標準抵抗値とも相違する。そして、このような相違を前提として、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)及び目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータ(図9参照)を採用することで、1つの遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれの障害釘に衝突しても、また、複数の遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれの複数の障害釘に同時に衝突しても、上述の抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)及び目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータ(図9参照)を利用して、遊技球による衝突された1つ或いは複数の障害釘に対応する発光ダイオードを特定して駆動し得る。その結果、上述のように、1つの遊技球による球衝突経路或いは複数の遊技球の同時衝突による球衝突経路が良好に表示され得る。
【0123】
また、上述のように分圧回路200が構成されているから、当該分圧回路200において直流電圧の分圧に要する単独抵抗の数が必要最小限の数に減少され得る。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態において、上記第1実施形態にて述べた分圧回路200の一連の単独抵抗200a〜200eとして汎用の抵抗を採用する場合、これら一連の単独抵抗200a〜200eの各標準抵抗値Ra〜Reの実際の値は、通常、±1(%)の誤差範囲以内でばらつく。これに伴い、上記第1実施形態にて述べた各標準並列合成抵抗値Rt(ab)〜Rt(abcde)の実際の値もばらつく。
【0124】
本第2実施形態において、一連の単独抵抗200a〜200eの各標準抵抗値については、例えば、Ra=10(kΩ)、Rb=20(kΩ)、Rc=40(kΩ)、Rd=50(kΩ)及びRe=100(kΩ)とする。
【0125】
これに伴い、上述の各標準並列合成抵抗値Rt(ab)〜Rt(abcde)は、図11の図表にて示すような値をとる。この図表は、標準並列合成抵抗値をその具体的な値でもって示すものであるが、例えば、標準並列合成抵抗値Rt(ab)は、6.667(kΩ)であり、また、標準並列合成抵抗値Rt(abcde)は、4.878(kΩ)である。
【0126】
また、当該各標準抵抗値Ra〜Reの標準抵抗最小値及び標準抵抗最大値を、それぞれ、Ramin〜Remin及びRamax〜Remaxで表すと、これらRamin〜Remin及びRamax〜Remaxは、図12の図表にて示す通りである。この図表は、標準抵抗値の標準抵抗最小値及び標準抵抗最大値の具体的な値を示す。例えは、標準抵抗値Raに対応する標準抵抗最小値Ramin及び標準抵抗最大値Ramaxは、それぞれ、9.900(kΩ)及び10.100(kΩ)であり、また、標準抵抗値Reに対応する標準抵抗最小値Remin及び標準抵抗最大値Remaxは、それぞれ、99.000(kΩ)及び101.000(kΩ)である。
【0127】
また、当該各標準並列合成抵抗値Rt(ab)〜Rt(abcde)の並列合成抵抗最小値及び並列合成抵抗最大値を、それぞれ、Rt(ab)min〜Rt(abcde)min及びRt(ab)max〜Rt(abcde)maxで表すと、これら、Rt(ab)min〜Rt(abcde)min及びRt(ab)max〜Rt(abcde)maxは、図13の図表で示す通りである。
【0128】
この第2実施形態では、上述のような標準抵抗値及び標準並列合成抵抗値のばらつきを考慮して、上記第1実施形態にて述べた各フローチャートに代えて、図14及び図15にて示す各フローチャートが採用されている。これに伴い、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ600は、図14のフローチャートに従い上記主制御プログラムの実行を行い、また、図15のフローチャートに従い上記割り込み制御プログラムの実行を行う。
【0129】
また、本第2実施形態では、マイクロコンピュータ600のROMには、目標抵抗値(標準並列合成抵抗値又は標準抵抗値)と、対応抵抗最小値(対応の並列合成抵抗最小値又は標準抵抗最小値)と、対応抵抗最大値(対応の並列合成抵抗最大値又は標準抵抗最大値)との間の対応関係が、目標抵抗値−最小最大抵抗値データとして予め記憶されている(図16参照)。
【0130】
ここで、第1〜第31の抵抗最小値は、それぞれ、Rt(abcde)min〜Reminに対応し、また、第1〜第31の抵抗最大値は、それぞれ、Rt(abcde)max〜Remaxに対応する。
【0131】
また、本第2実施形態では、マイクロコンピュータ600のROMには、マイクロコンピュータ600からD−A変換器400に出力される最小目標電圧(以下、最小電圧ともいう)及び最大目標電圧(以下、最大電圧ともいう)と、対応の抵抗最小値(並列合成抵抗最小値又は標準抵抗最小値)及び対応の抵抗最大値(並列合成抵抗最大値又は標準抵抗最大値)と、両一連の第1〜第5の発光ダイオードとの間において、図17の図表にて示すような対応関係を表す目標最小最大電圧−発光ダイオードデータが予め記憶されている。
【0132】
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたD−A変換器400及びコンパレータ500に代えて、両D−A変換器400A、400B及びウインドウコンパレータWが、図10にて示すごとく、採用されている。
【0133】
D−A変換器400Aは、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31最小電圧をアナログ変換し、第1〜第31の最小照合電圧としてウインドウコンパレータWに出力する。また、D−A変換器400Bは、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31最大電圧をアナログ変換し、第1〜第31の最大照合電圧としてウインドウコンパレータWに出力する。
【0134】
ウインドウコンパレータWは、両コンパレータ部500A、500Bを有しており、コンパレータ部500Aは、電圧保持回路300からの保持電圧をD−A変換器400Aから順次発生する第1〜第31の最小照合電圧と比較する。そして、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Aから順次発生する第1〜第31の最小照合電圧のうちいずれかの最小照合電圧よりも低いとき、コンパレータ部500Aは、Lレベルの比較信号を発生する。また、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Aから順次発生する第1〜第31の最小照合電圧のうちいずれかの最小照合電圧よりも高いとき、コンパレータ部500Aは、Hレベルの比較信号を発生する。なお、電圧保持回路300が保持電圧を保持していないとき、コンパレータ部500Aの正側入力端子は、実質的に開放状態にある。このため、コンパレータ部500Aの出力はない。また、以下、コンパレータ部500Aからの比較信号は第1比較信号という。
【0135】
コンパレータ部500Bは、電圧保持回路300からの保持電圧をD−A変換器400Bから順次発生する第1〜第31の最大照合電圧と比較する。そして、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Bから順次発生する第1〜第31の最大照合電圧のうちいずれかの最大照合電圧よりも低いとき、コンパレータ部500Bは、Hレベルの比較信号を発生する。また、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Bから順次発生する第1〜第31の最大照合電圧のうちいずれかの最大照合電圧よりも高いとき、コンパレータ部500Bは、Lレベルの比較信号を発生する。なお、電圧保持回路300が保持電圧を保持していないとき、コンパレータ部500Bの正側入力端子は、実質的に開放状態にある。このため、コンパレータ部500Bの出力はない。また、コンパレータ部500Bからの比較信号は、第2比較信号という。
【0136】
しかして、当該ウインドウコンパレータWによれば、電圧保持回路300からの保持電圧が、両D−A変換器400A、400Bから互いに対応して発生する最小照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)及び最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)の間の値をとるときには、第1比較信号がHレベルになるとともに、第2比較信号がLレベルになる。
【0137】
また、電圧保持回路300からの保持電圧が、両D−A変換器400A、400Bから互いに対応して発生する最小照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)及び最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)のうち、最小照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)よりも低くなると、第1及び第2の比較信号は共にLレベルになる。また、電圧保持回路300からの保持電圧が、両D−A変換器400A、400Bから互いに対応して発生する照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)及び最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)のうち、最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)よりも高くなると、第1及び第2の比較信号は共にHレベルになる。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0138】
以上のように構成した本第2実施形態において、当該パチンコ遊技機が遊技可能状態におかれると、マイクロコンピュータ600が、図14のフローチャートに従い上記主制御プログラムの実行を開始する。
【0139】
現段階において、電圧保持回路300が、上記第1実施形態と同様に、保持電圧を発生していない状態にあれば、図15のフローチャートに従う上記割り込み制御プログラムの割り込み実行はマイクロコンピュータ600によりなされない状態にある。
【0140】
上述の主制御プログラムの実行開始に伴い、上記第1実施形態と同様に、N=N1に基づきステップ820においてYESと判定されると、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)が、上記第1実施形態と同様に、ステップ821において、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N1に基づきサーチされて、決定される。
【0141】
ついで、ステップ824における目標最小抵抗値及び目標最大抵抗値の決定処理では、第1最小抵抗値(Rt(abcde)min)及び第1最大抵抗値(Rt(abcde)max)が、上記目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)から上記目標抵抗値(Rt(abcde))に基づき決定される。
【0142】
これに伴い、ステップ825における最小電圧及び最大電圧の決定処理では、第1最小電圧及び第1最大電圧が、上記ROMに記憶済みの目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)からRt(abcde)min(第1最小抵抗値)及びRt(abcde)max(第1最大抵抗値)に基づき決定される。ついで、ステップ826において、ステップ825で決定した第1最小電圧及び第1最大電圧が、各D−A変換器400A、400Bに出力されて、当該各D−A変換器400A、400Bにより、第1最小照合電圧及び第1最大照合電圧として発生される。
【0143】
ステップ830におけるNOとの判定後、上記第1実施形態と同様にN=N2になると、ステップ820において、YESと判定され、次のステップ821において、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcd)が、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N2に基づきサーチされて、決定される。
【0144】
これに伴い、ステップ824において、第2最小抵抗値(Rt(abcd)min)及び第2最大抵抗値(Rt(abcd)max)が、上記目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)から上記目標抵抗値(Rt(abcd))に基づき決定される。すると、ステップ825において、第2最小電圧及び第2最大電圧が、目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図17参照)から上記目標抵抗値(Rt(abcd))に基づき決定される。ついで、ステップ826において、ステップ825で決定した第2最小電圧及び第2最大電圧が、各D−A変換器400A、400Bに出力されて、当該各D−A変換器400A、400Bにより、第2最小照合電圧及び第2最大照合電圧として発生される。
【0145】
以後、同様にして、ステップ810〜ステップ830を通る繰り返し処理を行うことで、N=N3、・・・・、N31に順次達し、第3〜第31の目標最小抵抗値及び目標最大抵抗値が、上記目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)に基づき、順次、決定されて出力され、第3〜第31の最小電圧及び最大電圧が、上記目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)に基づき決定され、ステップ826において、ステップ825で決定した第3〜第31の最小電圧及び最大電圧が、各D−A変換器400A、400Bに出力されて、当該各D−A変換器400A、400Bにより、第3〜第31の最小照合電圧及び最大照合電圧として発生される。
【0146】
ステップ830において、N=N31に基づき、YESと判定されると、上記主制御プログラムは、リターンステップを通りスタートステップに戻り、ステップ800以後の処理が再び上述と同様になされる。
【0147】
このようにして、両D−A変換器400A、400Bは、それぞれ、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31の最小電圧及び最大電圧に基づき第1〜第31の最小照合電圧及び最大照合電圧を順次繰り返し発生している。
【0148】
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、球衝突経路表示装置Uに向かう複数の遊技球のうちの1つが、例えば、障害釘51aの頭部部位に衝突して、直流電源Vの直流電圧が、分圧回路200によりその単独抵抗200a及び共通抵抗210でもって、分圧されて、分圧電圧として発生すると、この分圧電圧は、電圧保持回路300により保持電圧(標準抵抗Raに対応)として保持される。
【0149】
このように保持された保持電圧は、ウインドウコンパレータWにより、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧と比較される。ここで、上記保持電圧(標準抵抗Raに対応)は、標準抵抗Raが標準抵抗最小値Raminに対応する電圧と標準最大抵抗値Ramaxに対応する電圧との間の範囲以内でばらつく。
【0150】
従って、上記保持電圧(標準抵抗Raに対応)が、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧のうち、第17最小電圧及び第17最大電圧に対応する第17最小照合電圧及び第17最大照合電圧の間に入るまでは、ウインドウコンパレータWは第1及び第2の比較信号を共にLレベルにて繰り返し発生する。
【0151】
このため、ウインドウコンパレータWからのLレベルの第1及び第2の比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの割り込みが図12のフローチャートに従い開始され、960において、当該Lレベルの第1及び第2の比較信号が繰り返しセットされ、ステップ970においてYESとの判定が繰り返される。
【0152】
然る後、上記保持電圧(標準抵抗Raに対応)が、上述の第17最小照合電圧及び第17最大照合電圧の間に入ると、ウインドウコンパレータWは、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ960において、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がセットされ、ステップ970において、NOと判定される。
【0153】
ついで、ステップ980において、上述のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に基づきYESと判定される。すると、ステップ990において、先回の第1及び第2の比較信号は共にLレベルであることから、YESと判定される。
【0154】
このため、ステップ991における最小電圧及び最大電圧のセット処理では、上述したステップ960にてセット済みの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がウインドウコンパレータWからの発生の根拠となっている第17最小電圧(抵抗最小値Ramin及び第17最小照合電圧に対応)及び第17最大電圧(抵抗最大値Ramax及び第17最大照合電圧に対応)がセットされる。
【0155】
ここで、第17最小照合電圧及び第17最大照合電圧は、上述したウインドウコンパレータWからの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(標準抵抗Raに対応)に対応する。
【0156】
そこで、ステップ992における発光ダイオードのサーチ処理において、ステップ991でセット済みの第17最小電圧及び第17最大電圧に基づき、両第1発光ダイオードである両発光ダイオード90a、100aが上記目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)からサーチされて決定される。そして、ステップ993における発光ダイオードの駆動処理にて、両発光ダイオード90a、100aが、発光駆動回路700aにより発光駆動されて、各発光部91a、101aから各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、遊技球の障害釘51aとの衝突が表示される。
【0157】
然る後、上記第1実施形態と同様に、3つの遊技球が、それぞれ、各障害釘51b、51c、51d及びその導電膜80の各近傍部位に同時に接触すると、3つの障害釘51b、51c、51dが各対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0158】
これに伴い、分圧回路200は、上述と同様に、3つの単独抵抗200b、200c及び200dからなる並列抵抗回路(標準並列合成値Rt(bcd)を有する)及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを通して電圧保持回路300に出力されて保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)として保持される。
【0159】
このように保持された保持電圧は、ウインドウコンパレータWにより、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧と比較される。ここで、上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)は、標準抵抗最小値Rt(bcd)minに対応する電圧と標準最大抵抗値Rt(bcd)maxに対応する電圧との間の範囲以内でばらつく。
【0160】
従って、上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)が、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧のうち、第18最小電圧及び第18最大電圧に対応する第18最小照合電圧及び第18最大照合電圧の間に入るまでは、ウインドウコンパレータWは第1及び第2の比較信号を共にLレベルにて繰り返し発生する。
【0161】
このため、ウインドウコンパレータWからのLレベルの第1及び第2の比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの960において、当該Lレベルの第1及び第2の比較信号が繰り返しセットされ、ステップ970においてYESとの判定が繰り返される。
【0162】
然る後、上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)が、上述の第18最小照合電圧及び第18最大照合電圧の間に入ると、ウインドウコンパレータWは、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みのステップ960において、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がセットされ、上述と同様にステップ970において、NOと判定され、両ステップ980、990においてYESと判定される。
【0163】
このため、ステップ991における最小電圧及び最大電圧のセット処理では、上述したステップ960にてセット済みの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がウインドウコンパレータWからの発生の根拠となっている第18最小電圧(抵抗最小値Rt(bcd)min及び第18最小照合電圧に対応)及び第18最大電圧(抵抗最大値Rt(bcd)max及び第18最大照合電圧に対応)がセットされる。ここで、第18最小照合電圧及び第18最大照合電圧は、電圧保持回路300からの上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)に対応する。
【0164】
従って、ステップ992における発光ダイオードのサーチ処理において、ステップ991でセット済みの第18最小電圧及び第18最大電圧に基づき、各両第2〜第4の発光泥オードである各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが、目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)からサーチされ手決定される。そして、ステップ993における発光ダイオードの駆動処理にて、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが各発光駆動回路700b、700c、700dにより発光駆動されて各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、上述のように遊技球の障害釘51aとの衝突後の3つの遊技球の各障害釘51b、51c、51dとの同時衝突が表示される。
【0165】
然る後、障害釘51dに衝突した遊技球が、上述と同様に、障害釘51eの頭部側部位及びその導電膜80の近傍部位に同時に接触すると、当該障害釘51eが対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0166】
これにより、分圧回路200は、障害釘51eに接続してなる単独抵抗200e及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを介し電圧保持回路300に出力されて保持電圧(標準抵抗値Reに対応)として保持される。
【0167】
然る後、上記保持電圧(標準抵抗Reに対応)が、第31最小照合電圧及び第31最大照合電圧の間に入ると、ウインドウコンパレータWは、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ960において、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がセットされ、ステップ970において、NOと判定される。
【0168】
ついで、ステップ980において、上述のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に基づきYESと判定される。すると、ステップ990において、先回の第1及び第2の比較信号は共にLレベルであることから、YESと判定される。
【0169】
このため、ステップ991における最小電圧及び最大電圧のセット処理では、上述したステップ960にてセット済みの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がウインドウコンパレータWからの発生の根拠となっている第31最小電圧(抵抗最小値Remin及び第31最小照合電圧に対応)及び第31最大電圧(抵抗最大値Remax及び第31最大照合電圧に対応)がセットされる。
【0170】
ここで、第31最小照合電圧及び第31最大照合電圧は、上述したウインドウコンパレータWからの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(標準抵抗Reに対応)に対応する。
【0171】
そこで、ステップ992における発光ダイオードのサーチ処理において、ステップ991でセット済みの第31最小電圧及び第31最大電圧に基づき、両第5の発光ダイオードである両発光ダイオード90e、100eが上記目標最小最大電圧−発光ダイオードデータからサーチされ決定される。そして、ステップ993における発光ダイオードの駆動処理にて、両発光ダイオード90e、100eが、発光駆動回路700eにより発光駆動されて、各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、遊技球の障害釘51eとの衝突が表示される。
【0172】
以上によれば、本第2実施形態において、分圧回路200の一連の単独抵抗200a〜200bの各標準抵抗値Ra〜Reの実際の値が上述のごとく誤差範囲以内でばらつきがあっても、これに影響されることなく、1つ或いは複数の遊技球の1つ或いは複数の障害釘との衝突態様に応じて決まる分圧電圧(保持電圧)の出力、上述した目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)に基づく目標抵抗値の決定、上述した目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)に基づく最小電圧及び最大電圧の決定のもとに、ウインドウコンパレータWの比較出力に基づき、上記衝突態様に対応する1つ或いは複数の障害釘の衝突経路が良好に表示される。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0173】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)球衝突経路表示装置Uの一連の障害釘の数は、各一連の発光ダイオードの数と共に、適宜変更してもよい。
(2)球衝突経路表示装置Uの発光源は、発光ダイオードに限ることなく、ランプ、蛍光放電管等の各種の発光素子であってもよい。
(3)上記各実施形態においてマイクロコンピュータ220のROMに記憶したデータは、当該ROMに限ることなく、外付けのメモリに記憶してもよい。
(4)球衝突経路表示装置Uにおいて、各一連の発光ダイオード90a〜90e、100a〜100eを廃止するとともに、図柄表示装置60の上記各一連の発光ダイオードに対応する各一連の表示部位にて、当該各一連の発光ダイオードによる球衝突経路表示と同様に、球衝突経路を表示するように図柄表示装置60を表示作動させるようにしてもよい。また、この図柄表示装置60の表示作動に代えて、例えば、図柄表示装置60の枠に設けた各一連のランプを、球衝突経路を表示するように点灯させてもよい。
(5)球衝突経路表示装置Uの支持板70は、遊技板20の一部であってもよい。また、導電膜80は、図柄表示装置60の枠(絶縁板の表面にメッキを施して形成されている)の各下縁部でもって構成してもよい。この場合、一連の障害釘としは、上記枠の下縁部の近傍に位置する各障害釘を利用すればよい。
(6)本発明の実施にあたり、上記各実施形態とは異なり、各単独抵抗200a〜200eを接地し、共通抵抗210を導電膜80と直流電源Vの正側端子との間に接続してもよい。
(7)本発明の実施にあたり、上記各実施形態とは異なり、共通抵抗210を介し一連の単独抵抗200a〜200eを接地するとともに、導電膜80を直流電源Vの正側端子に接続するようにしてもよい。
(8)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態とは異なり、カウントアップ値Niの増大に伴い対応の目標抵抗値(図8参照)が順次減少するようにし、これに伴い、目標電圧(図9参照)ひいては照合電圧も順次低下するようにしてもよい。このようなことは、上記第2実施形態でも同様である。
(9)また、本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べたステップ800〜ステップ820及びステップ830の処理は、次のように変更してもよい。即ち、変数値n=1〜31と上記一連のカウントアップ値N1〜N31との対応関係を表すカウントアップ値−変数値データを予めマイクロコンピュータ600のROMに記憶しておく。当該カウントアップ値−変数値データにおいては、例えば、n=1がカウントアップ値N1に対応し、n=2がカウントアップ値N2に対応し、n=31がカウントアップ値N31に対応する。
【0174】
そして、ステップ800にてn=0とクリアし、ステップ810にて、n=n+1と加算更新し、ステップ820に代わる読み出しステップにて、ステップ810における更新変数値nに基づき上記カウントアップ値−変数値データから対応のカウントアップ値Niを読み出す。例えば、n=1であれば、カウントアップ値N1を読み出す。また、n=2であれば、カウントアップ値N2を読み出す。また、n=31であれば、カウントアップ値N31を読み出す。
【0175】
しかして、上記読み出しステップにカウントアップ値Niを読み出す毎に、このカウントアップ値Niに基づき、ステップ821において、上記抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)から対応の目標抵抗値を決定する。その後、各ステップ822、823の処理が上記各実施形態と同様になされる。ステップ830において、n=31になったときYESと判定される。
【0176】
上述のようにカウントアップ値−変数値データを用いてnの加算更新毎にカウントアップ値を決定することで、上記抵抗値−カウントアップ値データに基づく目標抵抗値の決定が促進される。従って、遊技球の障害釘との衝突、特に複数の遊技球の複数の障害釘との同時衝突が、球衝突経路として、より一層タイミングよく円滑に表示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明が適用されるパチンコ遊技機の第1実施形態を、前扉の開状態で示す正面図である。
【図2】上記第1実施形態の遊技機本体の拡大正面図である。
【図3】上記第1実施形態の遊技盤の部分拡大正面図である。
【図4】図3に4−4線に沿う断面図である。
【図5】上記第1実施形態の駆動制御回路の接続構成図である。
【図6】上記第1実施形態のマイクロコンピュータにより実行される主制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】上記第1実施形態のマイクロコンピュータにより実行される割り込み制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】上記第1実施形態におけるカウントアップ値、対応の目標抵抗値及び並列抵抗又は単独抵抗の間の対応関係を示す図表である。
【図9】上記第1実施形態における目標電圧、対応の目標抵抗値及び対応発光ダイオードの間の対応関係を示す図表である。
【図10】本発明の第2実施形態の要部を示すブロック図である。
【図11】上記第2実施形態における一連の標準並列合成抵抗値の具体的抵抗値を示す図表である。
【図12】上記第2実施形態における一連の標準抵抗値に対応する各標準抵抗最小値及び標準抵抗最大値の具体的抵抗値を示す図表である。
【図13】上記第2実施形態における一連の並列合成抵抗最小値及び一連の並列合成抵抗最大値の各具体的抵抗値を示す図表である。
【図14】上記第2実施形態におけるマイクロコンピュータにより実行される主制御プログラムを示すフローチャートである。
【図15】上記第2実施形態におけるマイクロコンピュータにより実行される割り込み制御プログラムを示すフローチャートである。
【図16】上記第2実施形態における目標抵抗値、対応の並列合成抵抗最小値又は標準抵抗最小値及び対応の並列合成抵抗最大値又は標準抵抗最大値の間の関係を示す図表である。
【図17】上記第2実施形態における最小電圧、対応抵抗最小値、最大電圧、対応抵抗最大値及び対応発光ダイオードの間の関係を示す図表である。
【符号の説明】
【0178】
V…直流電源、W…ウインドウコンパレータ、20…遊技板、50…障害釘群、
51a〜51e…障害釘、60…図柄表示装置、70…支持板、
80…単一の導電膜、80a…単一の共通配線、
90a〜90e、100a〜100e…発光ダイオード、200…分圧回路、
200a〜200e…単独抵抗、210…共通抵抗、600…マイクロコンピュータ、
300…電圧保持回路、400、400A、400B…D−A変換器、
500…コンパレータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機または雀球遊技機等の各種の遊技機において球衝突経路を表示するに適した遊技盤に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技盤としては、下記特許文献1に記載のパチンコ遊技機に採用してなる遊技盤が提案されている。この遊技盤においては、通電素材からなる多数の障害釘が、その各首下部にて、当該遊技盤に対しその表面から打ち込まれている。また、光ファイバー、リング状の通電板、発光体、通電コード及び通電電源部が、上述の多数の障害釘に対して、障害釘毎に設けられている。
【0003】
そこで、上述の多数の障害釘のうちの一障害釘を例にとり、この一障害釘に対する光ファイバー、リング状の通電板、発光体、通電コード及び通電電源部の構成について説明する。
【0004】
光ファイバーは、上記一障害釘に挿通されており、この光ファイバーは、その先端部にて、上記一障害釘の先端発光部に位置している。また、当該光ファイバーは、その後端部を、上記一障害釘の首下部から遊技盤を通りその裏面側に露出させて、遊技盤の裏面に設けた発光体に指向させている。また、リング状の通電板は、上記一障害釘に対し遊技盤の表面に沿いリング状の間隙部をおくように、当該一障害釘と同心的に遊技盤の表面に設けられている。
【0005】
発光体及び通電電源部は、遊技盤の裏側に配設されており、発光体は、その両側端子にて、上記一障害釘の首下部及び通電電源部の一側端子にそれぞれ接続されている。通電コードは、遊技盤のうち上記一障害釘の近傍部位に形成した貫通孔部にその裏面側から挿通されており、この通電コードは、通電板の一部と通電電源部の他側端子との間に接続されている。
【0006】
従って、パチンコ球が上記一障害釘に衝突したとき、このパチンコ球が上記一障害釘と通電板との双方に同時に接触すれば、発光体が、通電電源部により通電コード、パチンコ球及び上記一障害釘を介し通電されて、発光する。これに伴い、光ファイバーが、発光体からの光を導入して、上記一障害釘の先端発光部にて、発光する。
【特許文献1】特開2000-225237号公報
【特許文献2】実開昭61-31485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の遊技盤においては、光ファイバー自体は本来の光源ではないことから、発光体が、本来の光源として、上述のごとく、遊技盤の裏面側に設けられている。このため、光ファイバー及び発光体の双方が障害釘毎に必須の構成素子となり、遊技盤としての構成が複雑になるという不具合が生ずる。
【0008】
また、上述のように光ファイバーを障害釘に挿通するためには、当該障害釘の外径が小さいにもかかわらず、障害釘毎に、その軸方向に沿い貫通孔部を形成するという困難な作業が必須となるのは勿論のこと、上述のように貫通孔部を形成した上で、光ファイバーを障害釘の貫通孔部に挿通するという面倒な作業が必須となるという不具合が発生する。
【0009】
また、上述のごとく、パチンコ球が障害釘に衝突したときに発光体に通電するため、通電板が障害釘毎に遊技盤の表面に別々に形成され、かつ、通電コードが、障害釘毎に、遊技盤の貫通孔部に挿通するように設けられている。このことは、遊技盤としての構成をさらに複雑にするという不具合を招く。
【0010】
これに対しては、上記特許文献2に記載のパチンコ遊技機に採用してなる遊技盤が提案されている。この遊技盤では、振動感知器、発光器及び電気回路が、上記特許文献1と同様に遊技盤に打ち込まれた多数の障害釘に対し、障害釘毎に設けられている。
【0011】
そこで、上記特許文献1と同様に、一障害釘を例にとり、この一障害釘に対する発光器、振動感知器及び電気回路の構成について説明すると、発光器は、上記一障害釘と隣り合うように、遊技盤にその表面側から設けられている。従って、パチンコ球により衝突された一障害釘が、当該一障害釘自体ではなく、その近傍の発光器の発光でもって認識されるものの、上記特許文献1における光ファイバーやこの光ファイバーを障害釘に挿通する構成が不要となる。
【0012】
しかしながら、上記特許文献2の遊技盤では、振動感知器が、遊技盤の裏側にて上記一障害釘の首下部に設けられて、パチンコ球の上記一障害釘への衝突による当該一障害釘の振動を感知するようになっている。
【0013】
このため、当該遊技盤を採用したパチンコ遊技機を配設した遊技ホールで発生する色々の外乱振動が当該遊技盤の上記一障害釘に伝わると、パチンコ球の衝突による上記一障害釘の振動だけではなく、上述の外乱振動までもが、振動感知器により感知されるという不具合を招く。
【0014】
また、電気回路は、振動感知器の感知信号を増幅して発光器を発光させるべく当該発光器に出力するようになっている。
【0015】
しかしながら、このように、電気回路でもって、単に、振動感知器の感知信号を増幅するだけでは、当該感知信号が上述の外乱振動をも含む信号のままで電気回路により増幅されてしまう。その結果、発光器は、パチンコ球の衝突による障害釘の振動だけでなく、上述の外乱振動によっても、発光してしまい、球衝突経路の認識が良好にはなされ難いという不具合を招く。
【0016】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、障害釘の振動に依存することなく、簡単な構成にて、少なくとも1つの障害釘に対する少なくとも1つの遊技球の衝突経路を良好に表示するようにした遊技盤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題の解決にあたり、本発明に係る遊技盤は、請求項1の記載によれば、
電気絶縁性遊技板(20、70)と、
この遊技板の表面に分散して打ち込まれる多数の障害釘(50、51a〜51e)と、
1つ或いは複数の遊技球(S)が、多数の障害釘のうち所定の並び方向に並ぶ一連の障害釘(51a〜51e)の1つ或いは複数の障害釘と衝突したとき、上記1つ或いは複数の遊技球を介し上記1つ或いは複数の障害釘と電気的に接続するように一連の障害釘の上記所定の並び方向に沿い遊技板の表面に設けられる単一の導電膜(80)と、
単一の導電膜の一部から遊技板を通りその裏面側に延出する単一の共通配線(80a)と、
遊技板に設けられて一連の障害釘に対応する一連の表示部位を有する表示手段(60、90a〜90e、100a〜100e)と、
直流電源(V)と、
一連の障害釘と直流電源との間に接続されて単一の導電膜の上記1つ或いは複数の衝突障害釘との電気的接続に伴い当該1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する抵抗値を互いに異なる目標抵抗値として生成する抵抗手段(200a〜200e)と、共通抵抗(210)とを備えて、上記目標抵抗値を生成してなる抵抗手段、上記1つ或いは複数の衝突障害釘、上記1つ或いは複数の遊技球、単一の導電膜、共通抵抗及び直流電源でもって閉回路を構成することで、上記目標抵抗値を生成してなる抵抗手段及び共通抵抗により直流電源の直流電圧を分圧し単一の導電膜から分圧電圧を発生する分圧手段(200)と、
この分圧手段から単一の共通配線を介し上記分圧電圧を入力されて保持電圧として保持する電圧保持手段(300)と、
1つ或いは複数の遊技球の一連の障害釘との間で生ずると予測される一連の衝突態様に対応して一連の目標電圧を順次同一の電圧方向へ変化するように順次決定する目標電圧決定手段(800〜820、960〜990、821、991、822、992)と、
この目標電圧決定手段が目標電圧を決定する毎に当該目標電圧に対応する照合電圧を発生する照合電圧発生手段(400、400A、400B)と、
この照合電圧発生手段が照合電圧を発生する毎に、当該照合電圧を電圧保持手段(300)に保持された保持電圧と比較する比較手段(500、W)と、
この比較手段から順次発生する比較出力のうちの一比較出力が上記保持電圧に対応したとき一連の目標電圧のうち上記一比較出力に対応する目標電圧に基づき上記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定する表示部位決定手段(900〜940)と、
この表示部位決定手段により決定された上記1つ或いは複数の表示部位を表示作動させるように表示手段を駆動制御する駆動制御手段(950、993、700a〜700e)とを備える。
【0018】
これによれば、表示手段が、その各表示部位により、従来技術にて述べた光ファイバーのような余分な構成部材に依存することなく、直接、表示することとなる。しかも、表示手段は、上述のように一連の障害釘とは別体であることから、従来技術にて述べたような光ファイバーの障害釘に対する挿通する構成や作業が不要となる。
【0019】
その結果、当該遊技盤をパチンコ遊技機等の遊技機に採用すれば、遊技機としての構成や組み立て作業が従来よりもより一層簡単になる。
【0020】
また、上述のごとく、障害釘が遊技球の衝突により電気的に接続される導電膜が、一連の障害釘に共通となるように、単一に構成されているから、従来技術で述べたように障害釘毎に通電板を設ける構成は不要となる。これに伴い、単一の導電膜を遊技板の裏側に設けた駆動制御手段と電気的に接続する接続部材が、従来技術で述べたように障害釘毎に通電コードを設ける必要もなく、単一の共通配線のみで済む。従って、遊技盤としての構成、ひいては、遊技機としての構成が、さらに簡単になる。
【0021】
また、遊技球の障害釘との衝突に伴う表示手段の表示部位による表示が、従来技術にて述べたような振動感知器の感知信号及びこの感知信号を増幅する電気回路とは異なり、遊技球を介する障害釘と単一の導電膜との電気的接続でもってなされる。従って、当該遊技盤を設けた遊技機が、遊技ホールに配設されたとき、表示手段は、当該遊技ホールで生ずる遊技球の障害釘との衝突以外の外乱振動とは係わりなく、遊技球の障害釘との衝突のみに応答して正しく表示し得る。その結果、遊技球の衝突経路が良好に認識され得る。
【0022】
以上述べたことから分かるように、当該遊技盤によれば、障害釘の振動に依存することなく、簡単な構成にて、各障害釘に対する遊技球の衝突経路を、表示手段の表示部位による表示でもって、球衝突経路として良好に表示し得るという相乗的な作用効果が達成され得る。
【0023】
また、上述のような構成の分圧手段、電圧保持手段、目標電圧決定手段、照合電圧発生手段及び表示部位決定手段を採用したので、1つの遊技球が、一連の障害釘のいずれかに衝突する場合は勿論のこと、複数の遊技球が、一連の障害釘のうちの複数の障害釘に同時に衝突する場合でも、当該1つの遊技球による球衝突経路或いは当該複数の遊技球の同時衝突による球衝突経路が良好に表示され得る。
【0024】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載の遊技盤において、
分圧手段は、
一連の障害釘に接続される一連の単独抵抗(200a〜200e)を有し、当該一連の単独抵抗のうち上記1つ或いは複数の衝突障害釘に接続してなる1つ或いは複数の単独抵抗でもって、上記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応した上記目標抵抗値を有する単独抵抗回路或いは並列抵抗回路を形成するように、抵抗手段を構成して、
上記1つ或いは複数の衝突障害釘との単一の導電膜の電気的接続に伴い、上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路、上記1つ或いは複数の衝突障害釘、上記1つ或いは複数の遊技球、単一の導電膜、共通抵抗及び直流電源でもって閉回路を構成することで、上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路と共通抵抗とでもって直流電源の直流電圧を分圧し単一の導電膜から上記分圧電圧を発生することを特徴とする。
【0025】
このように抵抗手段を構成することにより、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
【0026】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項2に記載の遊技盤において、
目標電圧決定手段は、
カウントアップ手段(800〜820)と、
上記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応して抵抗手段により形成される上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の上記目標抵抗値と所定カウントアップ値との一連の対応関係を表す第1データに基づき、カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が上記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する目標抵抗値を順次決定する目標抵抗値決定手段(821、824)とを備えて、
上記目標電圧とこれに対応する上記目標抵抗値との一連の対応関係を表す第2データから、目標抵抗値決定手段による目標抵抗値の決定毎に、当該目標抵抗値に基づき目標電圧を決定することを特徴とする。
【0027】
このように、目標電圧決定手段が、上述のような構成のカウントアップ手段及び目標抵抗値決定手段を有することにより、請求項2に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
【0028】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、請求項3に記載の遊技盤において、
目標抵抗値決定手段は、
上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の上記目標抵抗値毎に、この目標抵抗値に代えて、当該目標抵抗値の誤差範囲を特定してなる一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を上記所定カウントアップ値に対応させて上記第1データとして、この第1データに基づき、カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が上記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を前記目標抵抗値に代えて順次決定し、
目標電圧決定手段は、上記一連の目標電圧に代えて、一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧に、上記各一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を対応させて、上記第2データとし、この第2データから、上記一対の最小抵抗値及び最大抵抗値毎に、当該一対の最小抵抗値及び最大抵抗値に基づき一対の最小電圧及び最大電圧を前記目標電圧に代えて決定し、
照合電圧発生手段は、目標電圧決定手段が上記一対の最小電圧及び最大電圧を決定する毎に、当該一対の最小電圧及び最大電圧に対応する一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を上記照合電圧に代えて発生し、
比較手段は、照合電圧発生手段が上記一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を発生する毎に当該一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を電圧保持手段に保持された保持電圧と比較するウインドウコンパレータ(W)であり、
このウインドウコンパレータから上記比較出力として順次発生する両比較信号のうちの一両比較信号が上記保持電圧に対応したとき、表示部位決定手段は、上記一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧のうち上記一両比較信号に対応する一対の最小電圧及び最大電圧に基づき上記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定することを特徴とする。
【0029】
これによれば、抵抗手段により生成される目標抵抗値にばらつきによる誤差があっても、これに影響されることなく、1つ或いは複数の遊技球の1つ或いは複数の障害釘との衝突態様に応じた目標抵抗値決定手段による第1データに基づく一対の最小抵抗値及び最大抵抗値の決定、目標電圧決定手段による上記第2データに基づく一対の最小電圧及び最大電圧の決定のもとに、ウインドウコンパレータの比較出力に基づき、1つの遊技球の1つの障害釘との衝突或いは複数の遊技球の複数の障害釘との同時衝突に対応する1つ或いは複数の障害釘の衝突経路を良好に表示し得る。
【0030】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用してなるパチンコ遊技機の第1実施形態を示している。このパチンコ遊技機は、パチンコホール内の島に他のパチンコ遊技機とともに立設されるもので、当該パチンコ遊技機は、機枠F、遊技機本体B及び前扉Dを備えている。なお、機枠Fは、上記島において上板と下板(図示しない)との間に挟持されて支持される。また、前扉Dは、遊技機本体Bの板状本体枠Ba(後述する)とともに機枠Fにその前後方向に開閉可能に支持されている。
【0032】
遊技機本体Bは、板状本体枠Ba及び遊技盤Bbを備えている。遊技盤Bbは、遊技板20(図2参照)を有しており、この遊技板20は、互いに積層した複数のベニア板に化粧板を貼り付けて構成されて、板状本体枠Baの中空部に嵌装されている。なお、遊技板20の表面、即ち上記化粧板の表面は遊技盤Bbの盤面に相当する。
【0033】
また、遊技盤Bbは、図2にて示すごとく、ガイドレール30、スルーチャッカー40a、ゲート40b、スタートチャッカー40c、アタッカー40d並びに障害釘群50を有する。
【0034】
スルーチャッカー40aは、遊技板20の中央開口部の中心の直下にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。ゲート40bは、遊技板20の上記中央開口部の左側にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。スタートチャッカー40cは、スルーチャッカー40aの直下にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。アタッカー40dは、スタートチャッカー40cの直下にて遊技盤Bbの盤面に取付けられている。
【0035】
障害釘群50は、球衝突経路表示装置U(後述する)の各一連の障害釘51a〜51e並びに残りの多数の障害釘52でもって構成されている。一連の障害釘51a〜51eは、後述のごとく球衝突経路表示装置Uの支持板70に打ち込まれている。多数の障害釘52は、図2に示すごとく、遊技盤Bbの盤面のうちガイドレール30の内周側の領域において分散して打ち込まれている。
【0036】
また、遊技盤Bbは、図2に示すごとく、図柄表示装置60を有しており、この図柄表示装置60は、遊技板20の上記中央開口部に嵌装されている。
【0037】
また、遊技盤Bbは、球衝突経路表示装置Uを備えており、この球衝突経路表示装置Uは、スタートチャッカー40cの左側にて遊技板20に設けられている。
【0038】
当該球衝突経路表示装置Uは、図3にて示すごとく、矩形状の支持板70、上述した一連の障害釘51a〜51e、導電膜80、一側及び他側の各一連の発光ダイオード90a〜90e、100a〜100e並びに一側及び他側の各透明カバー110a、110bを備えている。
【0039】
支持板70は、図4にて示すごとく、遊技板20の矩形状の組み付け穴部21に嵌装されており、この支持板70は、その各前側フランジ部71にて、各ネジ22によって、遊技板20の組み付け穴部21の両端側部位にその前面側から締着支持されている。ここで、矩形状の組み付け穴部21は、図3に示すごとく、スタートチャッカー40cの左側部位近傍から左上方に向け傾斜するように、遊技板20に貫通状に形成されている。なお、支持板70は、電気絶縁材料(例えば、積層ベニヤ板)でもって形成されている。
【0040】
一連の障害釘51a〜51eは、その各首下部にて、支持板70の幅方向中央部にその長手方向(所定の並び方向)に沿い、所定の間隔をおいて板厚方向に打ち込まれている。なお、一連の障害釘51a〜51eが、図4にて例示するごとく、その各先端部にて遊技板20の裏面側を臨むように、遊技板20のうち各障害釘51a〜51eの先端部よりも裏面側部位は、貫通状に形成されている。
【0041】
導電膜80は、図3にて示すごとく、一連の障害釘51a〜51eの各径方向一側(上記所定の並び方向の一側)に沿い支持板70の表面に所定の幅でもって帯状に設けられている。この導電膜80は、その幅方向一側縁部にて、一連の障害釘51a〜51eとの間に、間隙を形成するように設けられている。これにより、導電膜80は、一連の障害釘51a〜51eから電気的に絶縁される。また、導電膜80の幅は、例えば、1つの遊技球Sを、障害釘51a〜51eのいずれかと導電膜80との双方に同時に接触させるように選定されている。なお、導電膜80の表面は、遊技盤Bbの盤面と同一平面内にある。
【0042】
一側の一連の発光ダイオード90a〜90eは、支持板70にその表面側から形成した一側凹所72a内にてその底壁に挿通固定されており、当該一連の発光ダイオード90a〜90eの各発光部91a〜91eは一側凹所72a内に露出している。また、他側の一連の発光ダイオード100a〜100eは、支持板70にその表面側から形成した他側凹所72b内にて、その底壁に挿通固定されており、当該一連の発光ダイオード100a〜100eの各発光部101a〜101eは他側凹所72b内に露出している。
【0043】
ここで、一連の発光ダイオード100a〜100eの各々は、それぞれ、一連の障害釘51a〜51eの各々を介し一連の発光ダイオード90a〜90eの各々に対応するように位置している。一例を挙げれば、発光ダイオード100aは、障害釘51aを介し発光ダイオード90aに対応するように位置している。なお、一側凹所72aは、一連の障害釘51a〜51eの径方向一側(上記所定の並び方向の一側)にて導電膜80に沿い支持板70に形成されており、他側凹所72bは、一連の障害釘51a〜51eの径方向他側(上記所定の並び方向の他側)にて一連の障害釘51a〜51eに沿い支持板70に形成されている。
【0044】
一側透明カバー110aは、一側凹所72aの開口部に嵌めこまれて、一連の発光ダイオード90a〜90eの各発光部91a〜91eを覆蓋する。また、他側透明カバー110bは、他側凹所72bの開口部に嵌めこまれて、一連の発光ダイオード100a〜100eの各発光部101a〜101eを覆蓋する。
【0045】
次に、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eを発光駆動するための駆動制御回路Eの構成について、図5を参照して説明する。駆動制御回路Eは、直流電源Vに接続した分圧回路200と、電圧保持回路300と、デジタル−アナログ変換器400(以下、D−A変換器400ともいう)と、コンパレータ500と、マイクロコンピュータ600と、一連の発光駆動回路700a〜700eとによって構成されている。
【0046】
分圧回路200は、上述の一連の障害釘51a〜51e及び導電膜80と、一連の単独抵抗200a〜200eと、導電膜80に接続した共通抵抗210とでもって構成されている。
【0047】
一連の単独抵抗200a〜200eは、その各一端にて、それぞれ、支持板70の各貫通孔部を通り、一連の障害釘51a〜51eに接続されており、当該一連の単独抵抗200a〜200eの各他端は、直流電源Vの正側端子に接続されている。ここで、直流電源Vは、その負側端子にて接地されている。また、共通抵抗210は、一連の単独抵抗200a〜200e及び直流電源Vと共に、支持板70の裏面に配設されており、この共通抵抗210は、その一端にて、支持板70の貫通孔部を通り導電膜80の一部に接続されており、当該共通抵抗210の他端は、接地されている。
【0048】
本実施形態では、各単独抵抗200a、200b、200c、200d及び200eの標準抵抗値を、それぞれ、Ra、Rb、Rc、Rd及びReで表すものとすれば、各単独抵抗200a〜200eの標準抵抗値は、Ra<Rb<Rc<Rd<Reとなるように設定されている。
【0049】
このように構成した分圧回路200において、1つの遊技球が一連の障害釘51a〜51eのいずれかと衝突したとき、導電膜80の一連の障害釘51a〜51eのいずれかとの電気的接続のもと、一連の単独抵抗200a〜200eのうち上記衝突障害釘に接続した単独抵抗及び共通抵抗210が、直流電源Vの直流電圧を分圧し導電膜80から分圧電圧として発生させる。また、複数の遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘に同時に衝突したとき、一連の単独抵抗200a〜200eのうち上記複数の衝突障害釘に接続した複数の単独抵抗からなる並列抵抗回路及び共通抵抗210が直流電源Vの直流電圧を分圧し導電膜80から分圧電圧として発生する。
【0050】
ここで、上記並列抵抗回路が、上述した複数の衝突障害釘による複数の遊技球との衝突態様によって、どのように構成されるかについて説明する。
1.上記複数の衝突障害釘が一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれか2つの障害釘の場合
(1)上記いずれか2つの障害釘が、例えば、両障害釘51a、51bの場合には、上記並列抵抗回路は、両単独抵抗200a、200bの並列接続でもって構成される。従って、両単独抵抗200a、200bの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(ab)は、次の式(1)により求められる。
【0051】
Rt(ab)=(Ra・Rb)/(Ra+Rb)・・・(1)
(2)上記いずれか2つの障害釘が、障害釘51aと障害釘51c〜51eのいずれかとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200aと各単独抵抗200c〜200eのいずれかとの並列接続でもって構成される。
【0052】
従って、上述の各単独抵抗200c〜200eのいずれかが単独抵抗200c、200d或いは200eである場合には、両単独抵抗200a、200c、両単独抵抗200a、200d或いは両単独抵抗200a、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(ac)、Rt(ad)或いはRt(ae)は、次の各式(2)、(3)或いは(4)に基づき、
Rt(ac)=(Ra・Rc)/(Ra+Rc)・・・(2)、
Rt(ad)=(Ra・Rd)/(Ra+Rd)・・・(3)、或いは
Rt(ae)=(Ra・Re)/(Ra+Re)・・・(4)
として求められる。本第1実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reを前提として、Rt(ab)<Rt(ac)<Rt(ad)<Rt(ae)<Raが成立するようになっている。
(3)上記複数の衝突障害釘が、障害釘51bと障害釘51c〜51eのいずれかとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200bと単独抵抗200c〜200eのいずれかとの並列接続でもって構成される。
【0053】
従って、上述の各単独抵抗200c〜200eのいずれかが単独抵抗200c、200d或いは200eである場合には、両単独抵抗200b、200c、両単独抵抗200b、200d或いは両単独抵抗200b、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(bc)、Rt(bd)或いはRt(be)は、次の式(5)、(6)或いは(7)に基づき、
Rt(bc)=(Rb・Rc)/(Rb+Rc)・・・(5)、
Rt(bd)=(Rb・Rd)/(Rb+Rd)・・・(6)、或いは
Rt(be)=(Rb・Re)/(Rb+Re)・・・(7)
として求められる。
【0054】
本実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reを前提として、Ra<Rt(bc)<Rt(bd)<Rt(be)<Rbが成立するようになっている。
(4)上記複数の衝突障害釘が障害釘51cと障害釘51d、51eのいずれかとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200cと単独抵抗200d、200eのいずれかとの並列接続でもって構成される。
【0055】
従って、上述の各単独抵抗200d、200eのいずれかが単独抵抗200d或いは200eである場合には、両単独抵抗200c、200d或いは両単独抵抗200c、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(cd)或いはRt(ce)は、次の式(8)或いは(9)に基づき、
Rt(cd)=(Rc・Rd)/(Rc+Rd)・・・(8)、或いは
Rt(ce)=(Rc・Re)/(Rc+Re)・・・(9)
として求められる。
【0056】
本実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reを前提として、Rb<Rt(cd)<Rt(ce)<Rcが成立するようになっている。
(5)上記複数の衝突障害釘が、両障害釘51d、51eの場合には、上記並列抵抗回路は、両単独抵抗200d、200eの並列接続でもって構成される。従って、両単独抵抗200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(de)は、次の式(10)に基づき、
Rt(de)=(Rd・Re)/(Rd+Re)・・・(10)
として求められる。
【0057】
本実施形態では、上述したRb<Rt(cd)<Rt(ce)<Rcを前提に、Rt(ce)<Rt(de)<Rcが成立するようになっている。
2.上記複数の衝突障害釘が、一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれか3つの障害釘の場合
(1)上記いずれか3つの障害釘が、障害釘51aと各障害釘51b〜51eのうちのいずれか2つとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200aと各単独抵抗200b〜200eのうちのいずれか2つとの並列接続でもって構成される。
【0058】
従って、上述の各単独抵抗200b〜200eのうちのいずれか2つが、両単独抵抗200b、200c、両単独抵抗200b、200d或いは両単独抵抗200b、200eである場合には、3つの単独抵抗200a、200b、200c、3つの単独抵抗200a、200b、200d或いは3つの単独抵抗200a、200b、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abc)、Rt(abd)或いはRt(abe)は、次の式(11)、(12)或いは(13)に基づき、
Rt(abc)=(Ra・Rb・Rc)/(Ra・Rb+Rb・Rc+Rc・Ra)・・・(11)、
Rt(abd)=(Ra・Rb・Rd)/(Ra・Rb+Rb・Rd+Rd・Ra)・・・(12)、或いは
Rt(abe)=(Ra・Rb・Re)/(Ra・Rb+Rb・Re+Re・Ra)・・・(13)
として求められる。
【0059】
また、上述の各単独抵抗200b〜200eのうちのいずれか2つが、両単独抵抗200c、200d、両単独抵抗200c、200e或いは両単独抵抗200d、200eである場合には、3つの単独抵抗200a、200c、200d、3つの単独抵抗200a、200c、200e或いは3つの単独抵抗200a、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(acd)、Rt(ace)或いはRt(ade)は、次の式(14)、(15)或いは(16)に基づき、
Rt(acd)=(Ra・Rc・Rd)/(Ra・Rc+Rc・Rd+Rd・Ra)・・・(14)、
Rt(ace)=(Ra・Rc・Re)/(Ra・Rc+Rc・Re+Re・Ra)・・・(15)、或いは
Rt(ade)=(Ra・Rd・Re)/(Ra・Rd+Rd・Re+Re・Ra)・・・(16)
として求められる。
【0060】
本実施形態では、上述したRt(ab)<Rt(ac)<Rt(ad)<Rt(ae)<Raを前提に、Rt(abc)<Rt(abd)<Rt(abe)<Rt(ab)、及びRt(ab)<Rt(acd)<Rt(ace)<Rt(ade)<Rt(ac)が成立するようになっている。
(2)上記いずれか3つの障害釘が、障害釘51bと各障害釘51c〜51eのうちのいずれか2つとの場合には、上記並列抵抗回路は、単独抵抗200bと各単独抵抗200c〜200eのうちのいずれか2つとの並列接続でもって構成される。
【0061】
従って、上述の各単独抵抗200c〜200eのうちのいずれか2つが、両単独抵抗200c、200d、両単独抵抗200c、200e或いは両単独抵抗200d、200eである場合には、3つの単独抵抗200b、200c、200d、3つの単独抵抗200b、200c、200e或いは3つの単独抵抗200b、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(bcd)、Rt(bce)或いはRt(bde)は、次の式(17)、(18)或いは(19)に基づき、
Rt(bcd)=(Rb・Rc・Rd)/(Rb・Rc+Rc・Rd+Rd・Rb)・・・(17)、
Rt(bce)=(Rb・Rc・Re)/(Rb・Rc+Rc・Re+Re・Rb)・・・(18)、或いは
Rt(bde)=(Rb・Rd・Re)/(Rb・Rd+Rd・Re+Re・Rb)・・・(19)
として求められる。本実施形態では、上述したRa<Rt(bc)<Rt(bd)<Rt(be)<Rbを前提に、Ra<Rt(bcd)<Rt(bce)<Rt(bde)<Rt(bc)が成立するようになっている。
(3)上記いずれか3つの障害釘が、各障害釘51c、51d、51eの場合には、上記並列抵抗回路は、各単独抵抗200c、200d、200eの並列接続でもって構成される。従って、各単独抵抗200c、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(cde)は、次の式(20)に基づき、
Rt(cde)=(Rc・Rd・Re)/(Rc・Rd+Rd・Re+Re・Rc)・・・(20)
として求められる。本実施形態では、上述したRa<Rt(bc)<Rt(bd)<Rt(be)<Rbを前提に、Rt(be)<Rt(cde)<Rbが成立するようになっている。
3.上記複数の衝突障害釘が、一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれか4つの障害釘の場合
この場合には、上記並列抵抗回路は、一連の単独抵抗200a〜200eのうち上記いずれか4つの障害釘にそれぞれ接続してなる各単独抵抗の並列接続でもって構成される。
(1)上記いずれか4つの障害釘が、各障害釘51a、51b、51c、51d或いは各障害釘51a、51b、51c、51eである場合には、4つの単独抵抗200a、200b、200c、200d或いは4つの単独抵抗200a、200b、200c、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abcd)或いはRt(abce)は、次の式(21)或いは(22)に基づき、
Rt(abcd)=(Ra・Rb・Rc・Rd)/(Rb・Rc・Rd+Rc・Rd・Ra+Rd・Ra・Rb+Ra・Rb・Rc)
・・・(21)、或いは
Rt(abce)=(Ra・Rb・Rc・Re)/(Rb・Rc・Re+Rc・Re・Ra+Re・Ra・Rb+Ra・Rb・Rc)
・・・(22)
として求められる。本実施形態では、上述したRt(abc)<Rt(abd)<Rt(abe)<Rt(ab)を前提に、Rt(abcd)<Rt(abce)<Rt(abc)が成立するようになっている。
(2)上記いずれか4つの障害釘が、各障害釘51a、51b、51d、51e、各障害釘51a、51c、51d、51e或いは各障害釘51b、51c、51d、51eである場合には、4つの単独抵抗200a、200b、200d、200e、4つの単独抵抗200a、200c、200d、200e或いは4つの単独抵抗200b、200c、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abde)、Rt(acde)或いはRt(bcde)は、次の式(23)、(24)或いは(25)に基づき、
Rt(abde)=(Ra・Rb・Rd・Re)/(Rb・Rd・Re+Rd・Re・Ra+Re・Ra・Rb+Ra・Rb・Rd)
・・・(23)、
Rt(acde)=(Ra・Rc・Rd・Re)/(Rc・Rd・Re+Rd・Re・Ra+Re・Ra・Rc+Ra・Rc・Rd)
・・・(24)、或いは
Rt(bcde)=(Rb・Rc・Rd・Re)/(Rc・Rd・Re+Rd・Re・Rb+Re・Rb・Rc+Rb・Rc・Rd)
・・・(25)
として求められる。
【0062】
本実施形態では、上述したRt(abcd)<Rt(abce)<Rt(abc)を前提に、Rt(abce)<Rt(abde)<Rt(abc)が成立し、上述したRt(abc)<Rt(abd)<Rt(abe)<Rt(ab)を前提に、Rt(abe)<Rt(acde)<Rt(ab)が成立し、また、上述したRt(ac)<Rt(ad)<Rt(ae)<Raを前提に、Rt(ae)<Rt(bcde)<Raが成立するようになっている。
4.上記複数の衝突障害釘が、各障害釘51a、51b、51c、51d及び51eの5つである場合
この場合には、上記並列抵抗回路は、各単独抵抗200a、200b、200c、200d、200eの並列接続でもって構成される。従って、各単独抵抗200a、200b、200c、200d、200eの並列接続による標準並列合成抵抗値Rt(abcde)は、分子をXとし、分母をYとすると、次の各式(26)及び(27)のもと、次の式(28)に基づき、
X=Ra・Rb・Rc・Rd・Re・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(26)、
Y=Rb・Rc・Rd・Re+Rc・Rd・Re・Ra・Rb+Re・Ra・Rb・Rc+Ra・Rb・Rc・Rd・・・(27)、
Rt(abcde)=X/Y・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(28)
として求められる。本実施形態では、上述したRt(abcd)<Rt(abce)<Rt(abc)を前提に、Rt(abcde)<Rt(abcd)が成立するようになっている。
【0063】
電圧保持回路300は、その入力端子にて、共通配線80aを介し導電膜80に接続されており、当該電圧保持回路300は、導電膜80から共通配線80aを通し分圧回路200から分圧電圧を受けて保持電圧として保持する。ここで、電圧保持回路300は、支持板70の裏面に配設されている。共通配線80aは、その一端にて、導電膜80に接続されており、この共通配線80aの他端は、支持板70の貫通孔部(図示しない)を通り電圧保持回路300の入力端子に接続されている。なお、電圧保持回路300としては、日本サーキットデザイン(株)製PH−201A型ピークホールド回路が採用されている。
【0064】
D−A変換器400は、マイクロコンピュータ600から後述のように順次出力される第1〜第31の目標電圧を順次アナログ変換して第1〜第31の照合電圧としてコンパレータ500に出力する。
【0065】
コンパレータ500は、電圧保持回路300からの保持電圧をD−A変換器400から順次発生する照合電圧と比較する。そして、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400から順次発生する照合電圧のうちいずれかの照合電圧に達すると、コンパレータ500は、ハイレベル(Hレベル)の比較信号を発生する。電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400から順次発生する第1〜第31の照合電圧のうちいずれかの照合電圧よりも低いとき、コンパレータ500は、ローレベル(Lレベル)の比較信号を発生する。なお、電圧保持回路300が保持電圧を保持していないとき、コンパレータ500の正側入力端子は、実質的に開放状態にある。このため、コンパレータ500の出力はない。
【0066】
マイクロコンピュータ600は、図6及び図7にてそれぞれ示す各フローチャートに従い、主制御プログラム及び割り込み制御プログラムを実行する。このマイクロコンピュータ600は、上記主制御プログラムの実行中において、カウントアップ値Nの加算処理のもとに、目標電圧の出力に要する種々の処理を行う。また、マイクロコンピュータ600は、上記割り込み制御プログラムの実行中において、コンパレータ500からの比較信号のレベルに基づき、発光ダイオードの駆動に要する種々の処理を行う。なお、マイクロコンピュータ600は、その作動開始に伴い、上記主制御プログラムの実行を開始し、また、コンパレータ500からの比較信号の出力毎に、上記割り込み制御プログラムの実行を開始する。また、上記主制御プログラム及び上記割り込み制御プログラムは、マイクロコンピュータ600のROMにこのマイクロコンピュータにより読み出し可能に予め記憶されている。
【0067】
また、本第1実施形態において、マイクロコンピュータ600のROMには、図8にて示すような抵抗値−カウントアップ値データが予め記憶されている。当該抵抗値−カウントアップ値データは、一連のカウントアップ値N1〜N31と一連の目標抵抗値(標準抵抗値或いは標準並列合成抵抗値からなる)との対応関係を表す。例えば、各カウントアップ値N1〜N5は、各目標抵抗値である各標準並列合成抵抗値Rt(abcde)、Rt(abcd)、Rt(abce)、Rt(abde)及びRt(abc)に対応する。また、各カウントアップ値N26〜N31は、それぞれ、各目標抵抗値である各標準並列合成抵抗値Rt(cd)、Rt(ce)、Rt(de)、各標準抵抗値Rc、Rd及びReに対応する。
【0068】
本実施形態では、上述したRa<Rb<Rc<Rd<Reにおいて、一標準抵抗値とこの一標準抵抗値に対し大小関係において互いに隣り合う各標準抵抗値との間の差は、互いに異なっている。従って、上述のような大小関係において互いに隣り合う標準並列合成抵抗値或いは標準抵抗値の間の差は、一致するとは限らない。なお、図8の図表において、中央欄に記載の対応目標抵抗値(対応の標準並列合成抵抗値或いは標準抵抗値)は、右欄に記載の並列抵抗又は単独抵抗に対応する。例えば、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)は、5つの単独抵抗200a〜200eの並列抵抗に対応する。
【0069】
また、上記ROMには、マイクロコンピュータ600からD−A変換器400に出力される目標電圧と、上述した各目標抵抗値と、両一連の発光ダイオードとの間において、図9の図表にて示すような対応関係を表す目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータが予め記憶されている。
【0070】
当該目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータは、一連の目標電圧、一連の目標抵抗値及び両一連の発光ダイオードとの間の対応関係を表す。例えば、第1目標電圧は、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)及び各両第1〜第5の発光ダイオードに対応する。また、また、第31照合電圧は、目標抵抗値である標準抵抗Re及び両第5発光ダイオードに対応する。
【0071】
なお、各両第1、第2、第3、第4及び第5の発光ダイオードとは、各両発光ダイオード90a、100a;90b、100b;90c、100c;90d、100d及び90e、100eをいう。また、本実施形態では、第1〜第31の目標電圧は、第1目標電圧から第31目標電圧にかけて順次低くなるように設定されている。但し、これら各目標電圧において、一目標電圧と大小関係で互いに隣り合う各目標電圧との差は、上述のごとく、大小関係において互いに隣り合う標準並列合成抵抗値或いは標準抵抗値の間の差が一致するとは限らない。
【0072】
一連の発光駆動回路700a〜700eは、図5から明らかなように、それぞれ、各一対の発光ダイオード90a、100a;〜;90e、100eに対応するもので、各発光駆動回路700a〜700eは、マイクロコンピュータ600による制御のもと、それぞれ、対応の各一対の発光ダイオード90a、100a;〜;90e、100eを発光駆動する。なお、一連の発光駆動回路700a〜700eは、D−A変換器400、コンパレータ500及びマイクロコンピュータ600と共に支持板70の裏面に配設されている。
【0073】
以上のように構成した本第1実施形態において、当該パチンコ遊技機が遊技可能状態におかれると、マイクロコンピュータ600が、図6のフローチャートに従い上記主制御プログラムの実行を開始する。
【0074】
現段階において、当該パチンコ遊技機の操作ハンドルHが未操作状態にあれば、遊技球は発射されていないため、電圧保持回路300は保持電圧を保持しない。従って、コンパレータ500は比較信号を出力しない状態にある。よって、上記割り込み制御プログラムの割り込み実行はマイクロコンピュータ600によりなされない状態にある。
【0075】
上述の主制御プログラムの実行開始に伴い、ステップ800において、カウントアップデータがN=0とクリアされる。ついで、ステップ810において、上記カウントアップデータがN=N+1=1と加算更新される。
【0076】
然る後、ステップ820において、カウントアップデータがN=Niか否かが判定される。ここで、Niは、上述したカウントアップ値を表し、i=1、2、・・・・、31のいずれかを表す(図8参照)。
【0077】
現段階では、N=0≠Niであることから、ステップ820における判定はNOとなる。以後、カウントアップデータNが、カウントアップ値N1〜N31のうちN1と一致するまで、ステップ810におけるN=N+1の加算更新処理及びこの加算更新処理に基づく820におけるN=Niの成立の有無の判定処理が繰り返される。
【0078】
このような状態において、N=N1になると、ステップ820において、YESと判定される。すると、次のステップ821において、目標抵抗値決定処理がなされる。これに伴い、対応目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)が、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N1に基づきサーチされて決定される。ついで、ステップ822において、第1目標電圧が、上記ROMに記憶済みの上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータから上記目標抵抗値(標準並列合成抵抗値Rt(abcde))に基づき決定される。これに伴い、ステップ823における目標電圧出力処理において、ステップ822で決定した第1目標電圧が、D−A変換器400に出力されて、当該D−A変換器400により、第1照合電圧として発生される。
【0079】
現段階では、上述のごとく、N=N1故、NがN31と一致しないことから、ステップ823における処理後、ステップ830においてNOと判定されて上記主制御プログラムはステップ810に戻る。そして、当該ステップ810において、N=N+1=2と加算更新される。然る後は、N=N2となるまで、両ステップ820、810を通る処理が繰り返される。
【0080】
このような状態において、N=N2になると、ステップ820において、YESと判定される。すると、次のステップ821において、対応目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcd)が、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N2に基づきサーチされて決定される。ついで、ステップ822において、第2目標電圧が、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータから上記目標抵抗値(標準並列合成抵抗値Rt(abcd))に基づき決定される。これに伴い、ステップ823において、ステップ822で決定した第2目標電圧が、D−A変換器400により、第2照合電圧として発生される。
【0081】
現段階では、上述のごとく、N=N2故、NがN31と一致しないことから、ステップ823における処理後、ステップ830においてNOと判定されて上記主制御プログラムはステップ810に戻る。
【0082】
以後、上述と同様に、ステップ810〜ステップ830を通る繰り返し処理を行うことで、N=N3、・・・・、N31に順次達し、第3〜第31の目標電圧が、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータに基づき、順次、決定されて出力され、D−A変換器400により、第3〜第31の照合電圧として発生される。
【0083】
然る後、ステップ830において、N=N31に基づき、YESと判定されると、上記主制御プログラムは、リターンステップを通りスタートステップに戻り、ステップ800以後の処理が再び上述と同様になされる。
【0084】
このようにして、D−A変換器400は、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31の目標電圧に基づき第1〜第31の照合電圧を順次繰り返し発生している。
【0085】
このような状態において、当該パチンコ遊技機の上皿内の遊技球が、遊技者による操作ハンドルHの操作に伴い、ガイドレール30から遊技盤Bbの遊技領域内に順次発射されると、これら各遊技球は、順次、遊技盤Bbの盤面に沿い多数の障害釘52を介し転動して下方へ向かう。ここで、このように下方へ向かう各遊技球のうちの複数の遊技球が球衝突経路表示装置Uに向かうものとする。
【0086】
しかして、このようにして球衝突経路表示装置Uに向かう複数の遊技球のうちの1つが、一連の障害釘51a〜51eのうちの1つの障害釘、例えば障害釘51aに衝突して当該障害釘51aとこれに対する導電膜80の近傍部位とに同時に接触すると、このように接触した障害釘51aが、上記遊技球を介して導電膜80に電気的に接続される。これに伴い、障害釘51aは、導電膜80を介し共通抵抗210に電気的に接続される。
【0087】
これにより、分圧回路200においては、障害釘51aに接続してなる単独抵抗200aが共通抵抗210と直列接続される。従って、分圧回路200は、単独抵抗200a及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを通して電圧保持回路300に出力する。これにより、分圧回路200からの分圧電圧は電圧保持回路300により保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗値Raに対応)として保持される。
【0088】
このように保持された保持電圧がコンパレータ500に出力されると、この保持電圧は、コンパレータ500により、D−A変換器400から順次発生する照合電圧と比較される。これに伴い、当該保持電圧が、D−A変換器400から順次発生する照合電圧よりも低い間では、コンパレータ500は、Lレベルの比較信号を繰り返し発生する。
【0089】
具体的には、D−A変換器400から順次発生する照合電圧が目標抵抗値である標準抵抗値Raに対応する第17照合電圧になるまでは、コンパレータ500は、Lレベルの比較信号を繰り返し発生する。このため、当該コンパレータ500からの比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの割り込みが図7のフローチャートに従い開始され、ステップ900において、Lレベルの比較信号のセット処理及びステップ910におけるNOとの判定処理が繰り返される。
【0090】
然る後、D−A変換器400からの照合電圧が、上記保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗Raに対応)と一致する第17照合電圧になると、コンパレータ500は、Hレベルの比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ900において、当該Hレベルの比較信号がセットされ、このHレベルの比較信号に基づきステップ910においてYESと判定される。
【0091】
この判定に伴い、ステップ920において、先回の比較信号はLレベルか否かが判定される。現段階において、ステップ900にてセットされた最新の比較信号(上記Hレベルの比較信号)の前の比較信号は、上述のごとく、Lレベルであることから、ステップ920における判定はYESとなる。
【0092】
このため、ステップ930における目標電圧のセット処理では、上述したステップ900にてセット済みの最新のHレベルの比較信号がコンパレータ500からの発生根拠となっている第17目標電圧(D−A変換器400からの第17照合電圧に対応)がセットされる。
【0093】
ここで、この第17目標電圧に対応するD−A変換器400からの第17照合電圧は、上述したコンパレータ500からのHレベルの比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗Raに対応)に等しい。そして、この第17目標電圧は両第1発光ダイオードである両発光ダイオード90a、100aに対応する(図9参照)。
【0094】
そこで、ステップ930における処理後、ステップ940における発光ダイオードのサーチ処理において、両発光ダイオード90a、100aが、ステップ930でセット済みの最新の目標電圧である第17目標電圧に基づき、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータからサーチされる。そして、次のステップ950において発光ダイオードの駆動処理のもと、両発光ダイオード90a、100aが、発光駆動回路700aにより発光駆動されて、各発光部91a、101aから各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、遊技球の障害釘51aとの衝突が表示される。
【0095】
上述のように遊技球が障害釘51aに衝突した後、例えば、当該遊技球が障害釘51dに衝突すると同時に他の2つの遊技球が各障害釘51b、51cにそれぞれ衝突して、これら3つの遊技球が、それぞれ、各障害釘51b、51c、51d及びその導電膜80の各近傍部位に同時に接触すると、3つの障害釘51b、51c、51dが各対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0096】
これにより、分圧回路200においては、上記3つの障害釘51b、51c、51dに接続してなる3つの単独抵抗200b、200c及び200dが並列抵抗回路(標準並列合成値Rt(bcd)を有する)を構成して共通抵抗210と直列接続される。
【0097】
従って、分圧回路200は、当該並列抵抗回路(目標抵抗値である標準並列合成値Rt(bcd)を有する)及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを通して電圧保持回路300に出力する。これにより、分圧回路200からの分圧電圧は電圧保持回路300により保持電圧(目標抵抗値である標準並列合成値Rt(bcd)に対応)として保持される。
【0098】
このように保持された保持電圧は、コンパレータ500により、D−A変換器400から順次発生する照合電圧と比較される。これに伴い、当該照合電圧が、上述の3つの単独抵抗200b、200c及び200dの標準並列合成抵抗値Rt(bcd)に対応する第18照合電圧になるまでは、コンパレータ500は、Lレベルの比較信号を繰り返し発生する。このため、当該コンパレータ500からの比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの割り込みが図7のフローチャートに従い開始され、ステップ900において、Lレベルの比較信号のセット処理及びステップ910におけるNOとの判定処理が繰り返される。
【0099】
然る後、D−A変換器400からの照合電圧が、保持電圧(目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(bcd)に対応)と一致する第18照合電圧になると、コンパレータ500は、Hレベルの比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ900において、当該Hレベルの比較信号がセットされ、このHレベルの比較信号に基づきステップ910においてYESと判定される。
【0100】
この判定に伴い、ステップ920におけるYESとの判定が上述と同様になされ、ステップ930において、上述したステップ900にてセットされた最新の比較信号(Hレベルの比較信号)の発生根拠となる第18目標電圧(D−A変換器400からの第18照合電圧に対応)がセットされる。
【0101】
ここで、この第18目標電圧に対応するD−A変換器400からの第18照合電圧は、上述したコンパレータ500からのHレベルの比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(bcd)に対応)に等しい。そして、この第18目標電圧は各両第2〜第4の発光ダイオードである各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c:90d、100dに対応する。
【0102】
ついで、ステップ940における発光ダイオードサーチ処理において、ステップ930でセット済みの最新の目標電圧が第18目標電圧であること及びこの第18目標電圧が両第2〜第4の発光ダイオードを特定対象とすることから、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c:90d、100dが上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータに基づきサーチされて、決定される。
【0103】
これに伴い、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが、それぞれ、各対応の発光駆動回路700b、700c、700dにより発光駆動されて、各発光部91b、101b、91c、101c及び91d、101dから各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、上述のように遊技球の障害釘51aとの衝突後の3つの遊技球の3つの障害釘51b〜51eとの同時衝突が表示される。
【0104】
然る後、障害釘51dに衝突した遊技球が、障害釘51eに衝突して当該障害釘51e及びその導電膜80の近傍部位に同時に接触すると、当該障害釘51eが対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0105】
これにより、分圧回路200においては、障害釘51eに接続してなる単独抵抗200e及び共通抵抗210が直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを介し電圧保持回路300に出力されて保持電圧(目標抵抗値である標準抵抗値Reに対応)として保持される。
【0106】
然る後、上述と実質的に同様にして、D−A変換器400から順次発生する照合電圧が、単独抵抗200eの標準抵抗値Reに対応する第31照合電圧になると、コンパレータ500は、Hレベルの比較信号を発生する。このため、ステップ910においてYESと判定される。そして、ステップ930において、第31目標電圧(D−A変換器400からの第31照合電圧に対応)がセットされる。
【0107】
これに伴い、ステップ940において、第31目標電圧が両第5の発光ダイオードを特定対象とすることから、両発光ダイオード90e、100eが、上記目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータに基づきサーチされ、決定される。このため、両発光ダイオード90e、100eが、発光駆動回路700eにより発光駆動されて、各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、上述のように3つの遊技球の3つの障害釘51b〜51eとの同時衝突後の遊技球の障害釘51eとの衝突が表示される。
【0108】
以上のように、遊技球が、障害釘51aに衝突した後、他の2つの遊技球と共に3つの障害釘51b、51c及び51dに同時衝突し、ついで、障害釘51eに衝突する場合には、両発光ダイオード90a、100aが発光した後、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが発光し、然る後、両発光ダイオード90e、100eが発光することで、単一の遊技球の衝突や3つの遊技球の同時衝突であっても、これらの遊技球の衝突経路が適正に表示され得る。
【0109】
また、上述のような遊技球の衝突態様に限ることなく、遊技球と一連の障害釘51a〜51eのいずれかとの衝突や複数の遊技球と一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘との同時衝突によっても、上述と実質的に同様にして、遊技球の衝突経路の表示が適正に表示され得る。
【0110】
以上説明したように、本第1実施形態において、球衝突経路表示装置Uでは、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eが、その各発光部91a〜91e及び101a〜101eにて、支持板70の各凹所72a、72b内に露出するように、当該各凹所72a、72bの底壁に挿通固定されている。
【0111】
このため、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eは、駆動される両対応発光ダイオード毎に、従来技術にて述べた光ファイバーのような余分な構成部材に依存することなく、各発光部にて、光を、各凹所72a、72b内から支持板70の表面側へ、直接、出射することなる。しかも、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eは、上述のように一連の障害釘51a〜51eとは別体であることから、従来技術にて述べたような光ファイバーの障害釘に対する挿通構成や挿通作業が不要となる。
【0112】
従って、当該球衝突経路表示装置Uの構成や光源としての各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eの組み付け作業が簡単になる。その結果、パチンコ遊技機としての構成や組み立て作業が従来よりもより一層簡単になる。
【0113】
また、上述のように、各一連の発光ダイオード90a〜90e及び100a〜100eの各発光部は、支持板70の各凹所72a、72b内にて、当該各凹所72a、72bの開口部に設けた各透明カバー110a、110bにより覆蓋されている。従って、遊技球Sの発光部との衝突が、当該透明カバーにより未然に防止され得る。ここで、透明カバーは透明であるから、発光ダイオードは、透明カバー110a或いは110bを通り、光を容易に透過させ得るので、当該光の視認は容易である。
【0114】
また、上述のごとく、障害釘が遊技球Sの衝突により電気的に接続される導電膜80が、一連の障害釘51a〜51eに共通となるように、単一に構成されているから、従来技術で述べたように障害釘毎に通電板を設ける構成は不要となる。これに伴い、単一の導電膜80を支持板70の裏側に設けた駆動制御回路Eと電気的に接続する接続部材が、従来技術で述べたように障害釘毎に通電コードを設ける必要もなく、単一の共通配線80aのみで済む。従って、球衝突経路表示装置Uとしての構成、ひいては、パチンコ遊技機としての構成が、さらに簡単になる。
【0115】
また、遊技球Sの障害釘との衝突に伴う発光ダイオードの発光が、従来技術にて述べたような振動感知器の感知信号及びこの感知信号を増幅する電気回路とは異なり、遊技球Sを介する障害釘と単一の導電膜80との電気的接続でもってなされる。従って、当該球衝突経路表示装置Uを設けたパチンコ遊技機が、ホールに配設されたとき、発光ダイオードは、当該ホールで生ずる遊技球の障害釘との衝突以外の外乱振動とは係わりなく、遊技球の障害釘との衝突のみに応答して正しく発光され得る。その結果、遊技球の衝突経路が良好に認識され得る。
【0116】
以上述べたことから分かるように、障害釘の振動に依存することなく、簡単な構成にて、球衝突経路表示装置Uの一連の障害釘のいずれかに対応する一連の発光ダイオードを遊技者側から視認可能に保護しつつ、各障害釘に対する遊技球の衝突経路を、各発光ダイオードの発光でもって、球衝突経路として良好に表示し得るという相乗的な作用効果が達成され得る。
【0117】
また、上述のように、本第1実施形態では、球衝突経路表示装置Uにおいて、上述のように構成した分圧回路200、電圧保持回路300、D−A変換器400及びコンパレータ500が採用され、かつ上述のようにマイクロコンピュータ600のROMに記憶した抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)及び目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータ(図9参照)が、駆動すべき発光ダイオードを特定するデータとして採用されている。
【0118】
そして、このような構成及びデータのもとに、1つ或いは複数の遊技球が、一連の障害釘51a〜51eのうちの1つ或いは複数の障害釘に衝突することで、当該1つ或いは複数の障害釘及び導電膜80の双方に接触すると、各単独抵抗200a〜200eのうち上述のように衝突した上記1つ或いは複数の障害釘に接続した1つ或いは複数の単独抵抗が、導電板80と直流電源Vとの間で互いに、単独抵抗回路或いは並列抵抗回路を構成して、共通抵抗210と直列接続され、当該共通抵抗210と共に直流電源Vの直流電圧を分圧し、上記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路に対応する分圧電圧を導電板80から共通配線80aを介して電圧保持回路300に出力されて保持電圧として保持される。
【0119】
従って、このような保持電圧及びD−A変換器400から順次出力される第1〜第31の照合電圧(マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31の目標電圧に対応)のもとにコンパレータ500から順次発生する比較信号を利用することで、当該比較信号が上記保持電圧に基づきLレベルからHレベルへ変化したときの目標電圧に対応する発光ダイオードがサーチされて駆動される。
【0120】
これにより、1つの遊技球が、一連の障害釘51a〜51eのいずれかに衝突する場合は勿論のこと、複数の遊技球が、一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘に同時に衝突する場合でも、当該1つの遊技球による球衝突経路或いは当該複数の遊技球の同時衝突による球衝突経路が良好に表示され得る。
【0121】
特に、分圧回路200においては、上述のごとく、一連の単独抵抗200a〜200eの各々が、それぞれ、一連の障害釘51a〜51eの各々と直流電源Vの正側端子との間に接続されるとともに、共通抵抗210が、その一端にて導電膜80の一部に接続され、他端にて接地されている。このため、複数の遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちの複数の障害釘に同時に衝突する場合には、一連の単独抵抗200a〜200eのうち当該障害釘に接続した複数の単独抵抗が並列抵抗回路を構成して共通抵抗210と直列回路となって直流電源Vの直流電圧を分圧する。
【0122】
ここで、本第1実施形態では、上述のごとく、一連の単独抵抗200a〜200eの各標準抵抗値は、互いに相違し、かつ、上記並列抵抗回路の標準並列合成抵抗値も、互いに相違するとともに、上記各標準抵抗値とも相違する。そして、このような相違を前提として、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)及び目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータ(図9参照)を採用することで、1つの遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれの障害釘に衝突しても、また、複数の遊技球が一連の障害釘51a〜51eのうちのいずれの複数の障害釘に同時に衝突しても、上述の抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)及び目標電圧−目標抵抗値−発光ダイオードデータ(図9参照)を利用して、遊技球による衝突された1つ或いは複数の障害釘に対応する発光ダイオードを特定して駆動し得る。その結果、上述のように、1つの遊技球による球衝突経路或いは複数の遊技球の同時衝突による球衝突経路が良好に表示され得る。
【0123】
また、上述のように分圧回路200が構成されているから、当該分圧回路200において直流電圧の分圧に要する単独抵抗の数が必要最小限の数に減少され得る。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態において、上記第1実施形態にて述べた分圧回路200の一連の単独抵抗200a〜200eとして汎用の抵抗を採用する場合、これら一連の単独抵抗200a〜200eの各標準抵抗値Ra〜Reの実際の値は、通常、±1(%)の誤差範囲以内でばらつく。これに伴い、上記第1実施形態にて述べた各標準並列合成抵抗値Rt(ab)〜Rt(abcde)の実際の値もばらつく。
【0124】
本第2実施形態において、一連の単独抵抗200a〜200eの各標準抵抗値については、例えば、Ra=10(kΩ)、Rb=20(kΩ)、Rc=40(kΩ)、Rd=50(kΩ)及びRe=100(kΩ)とする。
【0125】
これに伴い、上述の各標準並列合成抵抗値Rt(ab)〜Rt(abcde)は、図11の図表にて示すような値をとる。この図表は、標準並列合成抵抗値をその具体的な値でもって示すものであるが、例えば、標準並列合成抵抗値Rt(ab)は、6.667(kΩ)であり、また、標準並列合成抵抗値Rt(abcde)は、4.878(kΩ)である。
【0126】
また、当該各標準抵抗値Ra〜Reの標準抵抗最小値及び標準抵抗最大値を、それぞれ、Ramin〜Remin及びRamax〜Remaxで表すと、これらRamin〜Remin及びRamax〜Remaxは、図12の図表にて示す通りである。この図表は、標準抵抗値の標準抵抗最小値及び標準抵抗最大値の具体的な値を示す。例えは、標準抵抗値Raに対応する標準抵抗最小値Ramin及び標準抵抗最大値Ramaxは、それぞれ、9.900(kΩ)及び10.100(kΩ)であり、また、標準抵抗値Reに対応する標準抵抗最小値Remin及び標準抵抗最大値Remaxは、それぞれ、99.000(kΩ)及び101.000(kΩ)である。
【0127】
また、当該各標準並列合成抵抗値Rt(ab)〜Rt(abcde)の並列合成抵抗最小値及び並列合成抵抗最大値を、それぞれ、Rt(ab)min〜Rt(abcde)min及びRt(ab)max〜Rt(abcde)maxで表すと、これら、Rt(ab)min〜Rt(abcde)min及びRt(ab)max〜Rt(abcde)maxは、図13の図表で示す通りである。
【0128】
この第2実施形態では、上述のような標準抵抗値及び標準並列合成抵抗値のばらつきを考慮して、上記第1実施形態にて述べた各フローチャートに代えて、図14及び図15にて示す各フローチャートが採用されている。これに伴い、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ600は、図14のフローチャートに従い上記主制御プログラムの実行を行い、また、図15のフローチャートに従い上記割り込み制御プログラムの実行を行う。
【0129】
また、本第2実施形態では、マイクロコンピュータ600のROMには、目標抵抗値(標準並列合成抵抗値又は標準抵抗値)と、対応抵抗最小値(対応の並列合成抵抗最小値又は標準抵抗最小値)と、対応抵抗最大値(対応の並列合成抵抗最大値又は標準抵抗最大値)との間の対応関係が、目標抵抗値−最小最大抵抗値データとして予め記憶されている(図16参照)。
【0130】
ここで、第1〜第31の抵抗最小値は、それぞれ、Rt(abcde)min〜Reminに対応し、また、第1〜第31の抵抗最大値は、それぞれ、Rt(abcde)max〜Remaxに対応する。
【0131】
また、本第2実施形態では、マイクロコンピュータ600のROMには、マイクロコンピュータ600からD−A変換器400に出力される最小目標電圧(以下、最小電圧ともいう)及び最大目標電圧(以下、最大電圧ともいう)と、対応の抵抗最小値(並列合成抵抗最小値又は標準抵抗最小値)及び対応の抵抗最大値(並列合成抵抗最大値又は標準抵抗最大値)と、両一連の第1〜第5の発光ダイオードとの間において、図17の図表にて示すような対応関係を表す目標最小最大電圧−発光ダイオードデータが予め記憶されている。
【0132】
また、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたD−A変換器400及びコンパレータ500に代えて、両D−A変換器400A、400B及びウインドウコンパレータWが、図10にて示すごとく、採用されている。
【0133】
D−A変換器400Aは、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31最小電圧をアナログ変換し、第1〜第31の最小照合電圧としてウインドウコンパレータWに出力する。また、D−A変換器400Bは、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31最大電圧をアナログ変換し、第1〜第31の最大照合電圧としてウインドウコンパレータWに出力する。
【0134】
ウインドウコンパレータWは、両コンパレータ部500A、500Bを有しており、コンパレータ部500Aは、電圧保持回路300からの保持電圧をD−A変換器400Aから順次発生する第1〜第31の最小照合電圧と比較する。そして、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Aから順次発生する第1〜第31の最小照合電圧のうちいずれかの最小照合電圧よりも低いとき、コンパレータ部500Aは、Lレベルの比較信号を発生する。また、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Aから順次発生する第1〜第31の最小照合電圧のうちいずれかの最小照合電圧よりも高いとき、コンパレータ部500Aは、Hレベルの比較信号を発生する。なお、電圧保持回路300が保持電圧を保持していないとき、コンパレータ部500Aの正側入力端子は、実質的に開放状態にある。このため、コンパレータ部500Aの出力はない。また、以下、コンパレータ部500Aからの比較信号は第1比較信号という。
【0135】
コンパレータ部500Bは、電圧保持回路300からの保持電圧をD−A変換器400Bから順次発生する第1〜第31の最大照合電圧と比較する。そして、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Bから順次発生する第1〜第31の最大照合電圧のうちいずれかの最大照合電圧よりも低いとき、コンパレータ部500Bは、Hレベルの比較信号を発生する。また、電圧保持回路300からの保持電圧がD−A変換器400Bから順次発生する第1〜第31の最大照合電圧のうちいずれかの最大照合電圧よりも高いとき、コンパレータ部500Bは、Lレベルの比較信号を発生する。なお、電圧保持回路300が保持電圧を保持していないとき、コンパレータ部500Bの正側入力端子は、実質的に開放状態にある。このため、コンパレータ部500Bの出力はない。また、コンパレータ部500Bからの比較信号は、第2比較信号という。
【0136】
しかして、当該ウインドウコンパレータWによれば、電圧保持回路300からの保持電圧が、両D−A変換器400A、400Bから互いに対応して発生する最小照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)及び最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)の間の値をとるときには、第1比較信号がHレベルになるとともに、第2比較信号がLレベルになる。
【0137】
また、電圧保持回路300からの保持電圧が、両D−A変換器400A、400Bから互いに対応して発生する最小照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)及び最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)のうち、最小照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)よりも低くなると、第1及び第2の比較信号は共にLレベルになる。また、電圧保持回路300からの保持電圧が、両D−A変換器400A、400Bから互いに対応して発生する照合電圧(例えば、第1最小照合電圧)及び最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)のうち、最大照合電圧(例えば、第1最大照合電圧)よりも高くなると、第1及び第2の比較信号は共にHレベルになる。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0138】
以上のように構成した本第2実施形態において、当該パチンコ遊技機が遊技可能状態におかれると、マイクロコンピュータ600が、図14のフローチャートに従い上記主制御プログラムの実行を開始する。
【0139】
現段階において、電圧保持回路300が、上記第1実施形態と同様に、保持電圧を発生していない状態にあれば、図15のフローチャートに従う上記割り込み制御プログラムの割り込み実行はマイクロコンピュータ600によりなされない状態にある。
【0140】
上述の主制御プログラムの実行開始に伴い、上記第1実施形態と同様に、N=N1に基づきステップ820においてYESと判定されると、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcde)が、上記第1実施形態と同様に、ステップ821において、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N1に基づきサーチされて、決定される。
【0141】
ついで、ステップ824における目標最小抵抗値及び目標最大抵抗値の決定処理では、第1最小抵抗値(Rt(abcde)min)及び第1最大抵抗値(Rt(abcde)max)が、上記目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)から上記目標抵抗値(Rt(abcde))に基づき決定される。
【0142】
これに伴い、ステップ825における最小電圧及び最大電圧の決定処理では、第1最小電圧及び第1最大電圧が、上記ROMに記憶済みの目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)からRt(abcde)min(第1最小抵抗値)及びRt(abcde)max(第1最大抵抗値)に基づき決定される。ついで、ステップ826において、ステップ825で決定した第1最小電圧及び第1最大電圧が、各D−A変換器400A、400Bに出力されて、当該各D−A変換器400A、400Bにより、第1最小照合電圧及び第1最大照合電圧として発生される。
【0143】
ステップ830におけるNOとの判定後、上記第1実施形態と同様にN=N2になると、ステップ820において、YESと判定され、次のステップ821において、目標抵抗値である標準並列合成抵抗値Rt(abcd)が、抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)からカウントアップ値N2に基づきサーチされて、決定される。
【0144】
これに伴い、ステップ824において、第2最小抵抗値(Rt(abcd)min)及び第2最大抵抗値(Rt(abcd)max)が、上記目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)から上記目標抵抗値(Rt(abcd))に基づき決定される。すると、ステップ825において、第2最小電圧及び第2最大電圧が、目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図17参照)から上記目標抵抗値(Rt(abcd))に基づき決定される。ついで、ステップ826において、ステップ825で決定した第2最小電圧及び第2最大電圧が、各D−A変換器400A、400Bに出力されて、当該各D−A変換器400A、400Bにより、第2最小照合電圧及び第2最大照合電圧として発生される。
【0145】
以後、同様にして、ステップ810〜ステップ830を通る繰り返し処理を行うことで、N=N3、・・・・、N31に順次達し、第3〜第31の目標最小抵抗値及び目標最大抵抗値が、上記目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)に基づき、順次、決定されて出力され、第3〜第31の最小電圧及び最大電圧が、上記目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)に基づき決定され、ステップ826において、ステップ825で決定した第3〜第31の最小電圧及び最大電圧が、各D−A変換器400A、400Bに出力されて、当該各D−A変換器400A、400Bにより、第3〜第31の最小照合電圧及び最大照合電圧として発生される。
【0146】
ステップ830において、N=N31に基づき、YESと判定されると、上記主制御プログラムは、リターンステップを通りスタートステップに戻り、ステップ800以後の処理が再び上述と同様になされる。
【0147】
このようにして、両D−A変換器400A、400Bは、それぞれ、マイクロコンピュータ600から順次出力される第1〜第31の最小電圧及び最大電圧に基づき第1〜第31の最小照合電圧及び最大照合電圧を順次繰り返し発生している。
【0148】
このような状態において、上記第1実施形態と同様に、球衝突経路表示装置Uに向かう複数の遊技球のうちの1つが、例えば、障害釘51aの頭部部位に衝突して、直流電源Vの直流電圧が、分圧回路200によりその単独抵抗200a及び共通抵抗210でもって、分圧されて、分圧電圧として発生すると、この分圧電圧は、電圧保持回路300により保持電圧(標準抵抗Raに対応)として保持される。
【0149】
このように保持された保持電圧は、ウインドウコンパレータWにより、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧と比較される。ここで、上記保持電圧(標準抵抗Raに対応)は、標準抵抗Raが標準抵抗最小値Raminに対応する電圧と標準最大抵抗値Ramaxに対応する電圧との間の範囲以内でばらつく。
【0150】
従って、上記保持電圧(標準抵抗Raに対応)が、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧のうち、第17最小電圧及び第17最大電圧に対応する第17最小照合電圧及び第17最大照合電圧の間に入るまでは、ウインドウコンパレータWは第1及び第2の比較信号を共にLレベルにて繰り返し発生する。
【0151】
このため、ウインドウコンパレータWからのLレベルの第1及び第2の比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの割り込みが図12のフローチャートに従い開始され、960において、当該Lレベルの第1及び第2の比較信号が繰り返しセットされ、ステップ970においてYESとの判定が繰り返される。
【0152】
然る後、上記保持電圧(標準抵抗Raに対応)が、上述の第17最小照合電圧及び第17最大照合電圧の間に入ると、ウインドウコンパレータWは、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ960において、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がセットされ、ステップ970において、NOと判定される。
【0153】
ついで、ステップ980において、上述のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に基づきYESと判定される。すると、ステップ990において、先回の第1及び第2の比較信号は共にLレベルであることから、YESと判定される。
【0154】
このため、ステップ991における最小電圧及び最大電圧のセット処理では、上述したステップ960にてセット済みの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がウインドウコンパレータWからの発生の根拠となっている第17最小電圧(抵抗最小値Ramin及び第17最小照合電圧に対応)及び第17最大電圧(抵抗最大値Ramax及び第17最大照合電圧に対応)がセットされる。
【0155】
ここで、第17最小照合電圧及び第17最大照合電圧は、上述したウインドウコンパレータWからの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(標準抵抗Raに対応)に対応する。
【0156】
そこで、ステップ992における発光ダイオードのサーチ処理において、ステップ991でセット済みの第17最小電圧及び第17最大電圧に基づき、両第1発光ダイオードである両発光ダイオード90a、100aが上記目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)からサーチされて決定される。そして、ステップ993における発光ダイオードの駆動処理にて、両発光ダイオード90a、100aが、発光駆動回路700aにより発光駆動されて、各発光部91a、101aから各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、遊技球の障害釘51aとの衝突が表示される。
【0157】
然る後、上記第1実施形態と同様に、3つの遊技球が、それぞれ、各障害釘51b、51c、51d及びその導電膜80の各近傍部位に同時に接触すると、3つの障害釘51b、51c、51dが各対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0158】
これに伴い、分圧回路200は、上述と同様に、3つの単独抵抗200b、200c及び200dからなる並列抵抗回路(標準並列合成値Rt(bcd)を有する)及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを通して電圧保持回路300に出力されて保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)として保持される。
【0159】
このように保持された保持電圧は、ウインドウコンパレータWにより、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧と比較される。ここで、上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)は、標準抵抗最小値Rt(bcd)minに対応する電圧と標準最大抵抗値Rt(bcd)maxに対応する電圧との間の範囲以内でばらつく。
【0160】
従って、上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)が、両D−A変換器400A及び400Bから順次発生する最小照合電圧及び最大照合電圧のうち、第18最小電圧及び第18最大電圧に対応する第18最小照合電圧及び第18最大照合電圧の間に入るまでは、ウインドウコンパレータWは第1及び第2の比較信号を共にLレベルにて繰り返し発生する。
【0161】
このため、ウインドウコンパレータWからのLレベルの第1及び第2の比較信号毎に、上記割り込み制御プログラムの960において、当該Lレベルの第1及び第2の比較信号が繰り返しセットされ、ステップ970においてYESとの判定が繰り返される。
【0162】
然る後、上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)が、上述の第18最小照合電圧及び第18最大照合電圧の間に入ると、ウインドウコンパレータWは、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みのステップ960において、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がセットされ、上述と同様にステップ970において、NOと判定され、両ステップ980、990においてYESと判定される。
【0163】
このため、ステップ991における最小電圧及び最大電圧のセット処理では、上述したステップ960にてセット済みの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がウインドウコンパレータWからの発生の根拠となっている第18最小電圧(抵抗最小値Rt(bcd)min及び第18最小照合電圧に対応)及び第18最大電圧(抵抗最大値Rt(bcd)max及び第18最大照合電圧に対応)がセットされる。ここで、第18最小照合電圧及び第18最大照合電圧は、電圧保持回路300からの上記保持電圧(標準並列合成値Rt(bcd)に対応)に対応する。
【0164】
従って、ステップ992における発光ダイオードのサーチ処理において、ステップ991でセット済みの第18最小電圧及び第18最大電圧に基づき、各両第2〜第4の発光泥オードである各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが、目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)からサーチされ手決定される。そして、ステップ993における発光ダイオードの駆動処理にて、各両発光ダイオード90b、100b;90c、100c;90d、100dが各発光駆動回路700b、700c、700dにより発光駆動されて各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、上述のように遊技球の障害釘51aとの衝突後の3つの遊技球の各障害釘51b、51c、51dとの同時衝突が表示される。
【0165】
然る後、障害釘51dに衝突した遊技球が、上述と同様に、障害釘51eの頭部側部位及びその導電膜80の近傍部位に同時に接触すると、当該障害釘51eが対応の遊技球及び導電膜80を介して共通抵抗210に電気的に接続される。
【0166】
これにより、分圧回路200は、障害釘51eに接続してなる単独抵抗200e及び共通抵抗210により、直流電源Vの直流電圧を分圧し分圧電圧として導電膜80及び共通配線80aを介し電圧保持回路300に出力されて保持電圧(標準抵抗値Reに対応)として保持される。
【0167】
然る後、上記保持電圧(標準抵抗Reに対応)が、第31最小照合電圧及び第31最大照合電圧の間に入ると、ウインドウコンパレータWは、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号を発生する。これに伴い、上記割り込み制御プログラムの割り込みが開始されると、ステップ960において、Hレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がセットされ、ステップ970において、NOと判定される。
【0168】
ついで、ステップ980において、上述のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に基づきYESと判定される。すると、ステップ990において、先回の第1及び第2の比較信号は共にLレベルであることから、YESと判定される。
【0169】
このため、ステップ991における最小電圧及び最大電圧のセット処理では、上述したステップ960にてセット済みの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号がウインドウコンパレータWからの発生の根拠となっている第31最小電圧(抵抗最小値Remin及び第31最小照合電圧に対応)及び第31最大電圧(抵抗最大値Remax及び第31最大照合電圧に対応)がセットされる。
【0170】
ここで、第31最小照合電圧及び第31最大照合電圧は、上述したウインドウコンパレータWからの最新のHレベルの第1比較信号及びLレベルの第2比較信号に対応する電圧保持回路300からの保持電圧(標準抵抗Reに対応)に対応する。
【0171】
そこで、ステップ992における発光ダイオードのサーチ処理において、ステップ991でセット済みの第31最小電圧及び第31最大電圧に基づき、両第5の発光ダイオードである両発光ダイオード90e、100eが上記目標最小最大電圧−発光ダイオードデータからサーチされ決定される。そして、ステップ993における発光ダイオードの駆動処理にて、両発光ダイオード90e、100eが、発光駆動回路700eにより発光駆動されて、各透明カバー110a、110bを通して光を出射する。これにより、遊技球の障害釘51eとの衝突が表示される。
【0172】
以上によれば、本第2実施形態において、分圧回路200の一連の単独抵抗200a〜200bの各標準抵抗値Ra〜Reの実際の値が上述のごとく誤差範囲以内でばらつきがあっても、これに影響されることなく、1つ或いは複数の遊技球の1つ或いは複数の障害釘との衝突態様に応じて決まる分圧電圧(保持電圧)の出力、上述した目標抵抗値−最小最大抵抗値データ(図16参照)に基づく目標抵抗値の決定、上述した目標最小最大電圧−発光ダイオードデータ(図17参照)に基づく最小電圧及び最大電圧の決定のもとに、ウインドウコンパレータWの比較出力に基づき、上記衝突態様に対応する1つ或いは複数の障害釘の衝突経路が良好に表示される。その他の作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0173】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)球衝突経路表示装置Uの一連の障害釘の数は、各一連の発光ダイオードの数と共に、適宜変更してもよい。
(2)球衝突経路表示装置Uの発光源は、発光ダイオードに限ることなく、ランプ、蛍光放電管等の各種の発光素子であってもよい。
(3)上記各実施形態においてマイクロコンピュータ220のROMに記憶したデータは、当該ROMに限ることなく、外付けのメモリに記憶してもよい。
(4)球衝突経路表示装置Uにおいて、各一連の発光ダイオード90a〜90e、100a〜100eを廃止するとともに、図柄表示装置60の上記各一連の発光ダイオードに対応する各一連の表示部位にて、当該各一連の発光ダイオードによる球衝突経路表示と同様に、球衝突経路を表示するように図柄表示装置60を表示作動させるようにしてもよい。また、この図柄表示装置60の表示作動に代えて、例えば、図柄表示装置60の枠に設けた各一連のランプを、球衝突経路を表示するように点灯させてもよい。
(5)球衝突経路表示装置Uの支持板70は、遊技板20の一部であってもよい。また、導電膜80は、図柄表示装置60の枠(絶縁板の表面にメッキを施して形成されている)の各下縁部でもって構成してもよい。この場合、一連の障害釘としは、上記枠の下縁部の近傍に位置する各障害釘を利用すればよい。
(6)本発明の実施にあたり、上記各実施形態とは異なり、各単独抵抗200a〜200eを接地し、共通抵抗210を導電膜80と直流電源Vの正側端子との間に接続してもよい。
(7)本発明の実施にあたり、上記各実施形態とは異なり、共通抵抗210を介し一連の単独抵抗200a〜200eを接地するとともに、導電膜80を直流電源Vの正側端子に接続するようにしてもよい。
(8)本発明の実施にあたり、上記第1実施形態とは異なり、カウントアップ値Niの増大に伴い対応の目標抵抗値(図8参照)が順次減少するようにし、これに伴い、目標電圧(図9参照)ひいては照合電圧も順次低下するようにしてもよい。このようなことは、上記第2実施形態でも同様である。
(9)また、本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べたステップ800〜ステップ820及びステップ830の処理は、次のように変更してもよい。即ち、変数値n=1〜31と上記一連のカウントアップ値N1〜N31との対応関係を表すカウントアップ値−変数値データを予めマイクロコンピュータ600のROMに記憶しておく。当該カウントアップ値−変数値データにおいては、例えば、n=1がカウントアップ値N1に対応し、n=2がカウントアップ値N2に対応し、n=31がカウントアップ値N31に対応する。
【0174】
そして、ステップ800にてn=0とクリアし、ステップ810にて、n=n+1と加算更新し、ステップ820に代わる読み出しステップにて、ステップ810における更新変数値nに基づき上記カウントアップ値−変数値データから対応のカウントアップ値Niを読み出す。例えば、n=1であれば、カウントアップ値N1を読み出す。また、n=2であれば、カウントアップ値N2を読み出す。また、n=31であれば、カウントアップ値N31を読み出す。
【0175】
しかして、上記読み出しステップにカウントアップ値Niを読み出す毎に、このカウントアップ値Niに基づき、ステップ821において、上記抵抗値−カウントアップ値データ(図8参照)から対応の目標抵抗値を決定する。その後、各ステップ822、823の処理が上記各実施形態と同様になされる。ステップ830において、n=31になったときYESと判定される。
【0176】
上述のようにカウントアップ値−変数値データを用いてnの加算更新毎にカウントアップ値を決定することで、上記抵抗値−カウントアップ値データに基づく目標抵抗値の決定が促進される。従って、遊技球の障害釘との衝突、特に複数の遊技球の複数の障害釘との同時衝突が、球衝突経路として、より一層タイミングよく円滑に表示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明が適用されるパチンコ遊技機の第1実施形態を、前扉の開状態で示す正面図である。
【図2】上記第1実施形態の遊技機本体の拡大正面図である。
【図3】上記第1実施形態の遊技盤の部分拡大正面図である。
【図4】図3に4−4線に沿う断面図である。
【図5】上記第1実施形態の駆動制御回路の接続構成図である。
【図6】上記第1実施形態のマイクロコンピュータにより実行される主制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】上記第1実施形態のマイクロコンピュータにより実行される割り込み制御プログラムを示すフローチャートである。
【図8】上記第1実施形態におけるカウントアップ値、対応の目標抵抗値及び並列抵抗又は単独抵抗の間の対応関係を示す図表である。
【図9】上記第1実施形態における目標電圧、対応の目標抵抗値及び対応発光ダイオードの間の対応関係を示す図表である。
【図10】本発明の第2実施形態の要部を示すブロック図である。
【図11】上記第2実施形態における一連の標準並列合成抵抗値の具体的抵抗値を示す図表である。
【図12】上記第2実施形態における一連の標準抵抗値に対応する各標準抵抗最小値及び標準抵抗最大値の具体的抵抗値を示す図表である。
【図13】上記第2実施形態における一連の並列合成抵抗最小値及び一連の並列合成抵抗最大値の各具体的抵抗値を示す図表である。
【図14】上記第2実施形態におけるマイクロコンピュータにより実行される主制御プログラムを示すフローチャートである。
【図15】上記第2実施形態におけるマイクロコンピュータにより実行される割り込み制御プログラムを示すフローチャートである。
【図16】上記第2実施形態における目標抵抗値、対応の並列合成抵抗最小値又は標準抵抗最小値及び対応の並列合成抵抗最大値又は標準抵抗最大値の間の関係を示す図表である。
【図17】上記第2実施形態における最小電圧、対応抵抗最小値、最大電圧、対応抵抗最大値及び対応発光ダイオードの間の関係を示す図表である。
【符号の説明】
【0178】
V…直流電源、W…ウインドウコンパレータ、20…遊技板、50…障害釘群、
51a〜51e…障害釘、60…図柄表示装置、70…支持板、
80…単一の導電膜、80a…単一の共通配線、
90a〜90e、100a〜100e…発光ダイオード、200…分圧回路、
200a〜200e…単独抵抗、210…共通抵抗、600…マイクロコンピュータ、
300…電圧保持回路、400、400A、400B…D−A変換器、
500…コンパレータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気絶縁性遊技板と、
この遊技板の表面に分散して打ち込まれる多数の障害釘と、
1つ或いは複数の遊技球が、前記多数の障害釘のうち所定の並び方向に並ぶ一連の障害釘の1つ或いは複数の障害釘と衝突したとき、前記1つ或いは複数の遊技球を介し前記1つ或いは複数の障害釘と電気的に接続するように前記一連の障害釘の前記所定の並び方向に沿い前記遊技板の表面に設けられる単一の導電膜と、
前記単一の導電膜の一部から前記遊技板を通りその裏面側に延出する単一の共通配線と、
前記遊技板に設けられて前記一連の障害釘に対応する一連の表示部位を有する表示手段と、
直流電源と、
前記一連の障害釘と前記直流電源との間に接続されて前記単一の導電膜の前記1つ或いは複数の衝突障害釘との電気的接続に伴い当該1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する抵抗値を互いに異なる目標抵抗値として生成する抵抗手段と、共通抵抗とを備えて、前記目標抵抗値を生成してなる前記抵抗手段、前記1つ或いは複数の衝突障害釘、前記1つ或いは複数の遊技球、前記単一の導電膜、前記共通抵抗及び前記直流電源でもって閉回路を構成することで、前記目標抵抗値を生成してなる前記抵抗手段及び前記共通抵抗により前記直流電源の直流電圧を分圧し前記単一の導電膜から分圧電圧を発生する分圧手段と、
この分圧手段から前記単一の共通配線を介し前記分圧電圧を入力されて保持電圧として保持する電圧保持手段と、
1つ或いは複数の遊技球の前記一連の障害釘との間で生ずると予測される一連の衝突態様に対応して一連の目標電圧を順次同一の電圧方向へ変化するように順次決定する目標電圧決定手段と、
この目標電圧決定手段が目標電圧を決定する毎に当該目標電圧に対応する照合電圧を発生する照合電圧発生手段と、
この照合電圧発生手段が照合電圧を発生する毎に、当該照合電圧を前記電圧保持手段に保持された保持電圧と比較する比較手段と、
この比較手段から順次発生する比較出力のうちの一比較出力が上記保持電圧に対応したとき前記一連の目標電圧のうち前記一比較出力に対応する目標電圧に基づき前記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定する表示部位決定手段と、
この表示部位決定手段により決定された前記1つ或いは複数の表示部位を表示作動させるように前記表示手段を駆動制御する駆動制御手段とを備える遊技盤。
【請求項2】
前記分圧手段は、
前記一連の障害釘に接続される一連の単独抵抗を有し、当該一連の単独抵抗のうち前記1つ或いは複数の衝突障害釘に接続してなる1つ或いは複数の単独抵抗でもって、前記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応した前記目標抵抗値を有する単独抵抗回路或いは並列抵抗回路を形成するように、前記抵抗手段を構成して、
前記1つ或いは複数の衝突障害釘との前記単一の導電膜の電気的接続に伴い、前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路、前記1つ或いは複数の衝突障害釘、前記1つ或いは複数の遊技球、前記単一の導電膜、前記共通抵抗及び前記直流電源でもって閉回路を構成することで、前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路と前記共通抵抗とでもって前記直流電源の直流電圧を分圧し前記単一の導電膜から前記分圧電圧を発生することを特徴とする請求項1に記載の遊技盤。
【請求項3】
前記目標電圧決定手段は、
カウントアップ手段と、
前記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応して前記抵抗手段により形成される前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の前記目標抵抗値と所定カウントアップ値との一連の対応関係を表す第1データに基づき、前記カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が前記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する目標抵抗値を順次決定する目標抵抗値決定手段とを備えて、
前記目標電圧とこれに対応する前記目標抵抗値との一連の対応関係を表す第2データから、前記目標抵抗値決定手段による目標抵抗値の決定毎に、当該目標抵抗値に基づき目標電圧を決定することを特徴とする請求項2に記載の遊技盤。
【請求項4】
前記目標抵抗値決定手段は、
前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の前記目標抵抗値毎に、この目標抵抗値に代えて、当該目標抵抗値の誤差範囲を特定してなる一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を前記所定カウントアップ値に対応させて前記第1データとして、この第1データに基づき、前記カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が前記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を前記目標抵抗値に代えて順次決定し、
前記目標電圧決定手段は、前記一連の目標電圧に代えて、一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧に、前記各一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を対応させて、前記第2データとし、この第2データから、前記一対の最小抵抗値及び最大抵抗値毎に、当該一対の最小抵抗値及び最大抵抗値に基づき一対の最小電圧及び最大電圧を前記目標電圧に代えて決定し、
前記照合電圧発生手段は、前記目標電圧決定手段が前記一対の最小電圧及び最大電圧を決定する毎に、当該一対の最小電圧及び最大電圧に対応する一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を前記照合電圧に代えて発生し、
前記比較手段は、前記照合電圧発生手段が前記一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を発生する毎に当該一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を前記電圧保持手段に保持された保持電圧と比較するウインドウコンパレータであり、
このウインドウコンパレータから前記比較出力として順次発生する両比較信号のうちの一両比較信号が前記保持電圧に対応したとき、前記表示部位決定手段は、前記一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧のうち前記一両比較信号に対応する一対の最小電圧及び最大電圧に基づき前記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定することを特徴とする請求項3に記載の遊技盤。
【請求項1】
電気絶縁性遊技板と、
この遊技板の表面に分散して打ち込まれる多数の障害釘と、
1つ或いは複数の遊技球が、前記多数の障害釘のうち所定の並び方向に並ぶ一連の障害釘の1つ或いは複数の障害釘と衝突したとき、前記1つ或いは複数の遊技球を介し前記1つ或いは複数の障害釘と電気的に接続するように前記一連の障害釘の前記所定の並び方向に沿い前記遊技板の表面に設けられる単一の導電膜と、
前記単一の導電膜の一部から前記遊技板を通りその裏面側に延出する単一の共通配線と、
前記遊技板に設けられて前記一連の障害釘に対応する一連の表示部位を有する表示手段と、
直流電源と、
前記一連の障害釘と前記直流電源との間に接続されて前記単一の導電膜の前記1つ或いは複数の衝突障害釘との電気的接続に伴い当該1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する抵抗値を互いに異なる目標抵抗値として生成する抵抗手段と、共通抵抗とを備えて、前記目標抵抗値を生成してなる前記抵抗手段、前記1つ或いは複数の衝突障害釘、前記1つ或いは複数の遊技球、前記単一の導電膜、前記共通抵抗及び前記直流電源でもって閉回路を構成することで、前記目標抵抗値を生成してなる前記抵抗手段及び前記共通抵抗により前記直流電源の直流電圧を分圧し前記単一の導電膜から分圧電圧を発生する分圧手段と、
この分圧手段から前記単一の共通配線を介し前記分圧電圧を入力されて保持電圧として保持する電圧保持手段と、
1つ或いは複数の遊技球の前記一連の障害釘との間で生ずると予測される一連の衝突態様に対応して一連の目標電圧を順次同一の電圧方向へ変化するように順次決定する目標電圧決定手段と、
この目標電圧決定手段が目標電圧を決定する毎に当該目標電圧に対応する照合電圧を発生する照合電圧発生手段と、
この照合電圧発生手段が照合電圧を発生する毎に、当該照合電圧を前記電圧保持手段に保持された保持電圧と比較する比較手段と、
この比較手段から順次発生する比較出力のうちの一比較出力が上記保持電圧に対応したとき前記一連の目標電圧のうち前記一比較出力に対応する目標電圧に基づき前記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定する表示部位決定手段と、
この表示部位決定手段により決定された前記1つ或いは複数の表示部位を表示作動させるように前記表示手段を駆動制御する駆動制御手段とを備える遊技盤。
【請求項2】
前記分圧手段は、
前記一連の障害釘に接続される一連の単独抵抗を有し、当該一連の単独抵抗のうち前記1つ或いは複数の衝突障害釘に接続してなる1つ或いは複数の単独抵抗でもって、前記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応した前記目標抵抗値を有する単独抵抗回路或いは並列抵抗回路を形成するように、前記抵抗手段を構成して、
前記1つ或いは複数の衝突障害釘との前記単一の導電膜の電気的接続に伴い、前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路、前記1つ或いは複数の衝突障害釘、前記1つ或いは複数の遊技球、前記単一の導電膜、前記共通抵抗及び前記直流電源でもって閉回路を構成することで、前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路と前記共通抵抗とでもって前記直流電源の直流電圧を分圧し前記単一の導電膜から前記分圧電圧を発生することを特徴とする請求項1に記載の遊技盤。
【請求項3】
前記目標電圧決定手段は、
カウントアップ手段と、
前記一連の衝突態様の各々毎に当該衝突態様に対応して前記抵抗手段により形成される前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の前記目標抵抗値と所定カウントアップ値との一連の対応関係を表す第1データに基づき、前記カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が前記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する目標抵抗値を順次決定する目標抵抗値決定手段とを備えて、
前記目標電圧とこれに対応する前記目標抵抗値との一連の対応関係を表す第2データから、前記目標抵抗値決定手段による目標抵抗値の決定毎に、当該目標抵抗値に基づき目標電圧を決定することを特徴とする請求項2に記載の遊技盤。
【請求項4】
前記目標抵抗値決定手段は、
前記単独抵抗回路或いは並列抵抗回路の前記目標抵抗値毎に、この目標抵抗値に代えて、当該目標抵抗値の誤差範囲を特定してなる一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を前記所定カウントアップ値に対応させて前記第1データとして、この第1データに基づき、前記カウントアップ手段から順次発生するカウントアップ値が前記所定カウントアップ値のいずれかに達する毎にこのいずれかの所定カウントアップ値に対応する一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を前記目標抵抗値に代えて順次決定し、
前記目標電圧決定手段は、前記一連の目標電圧に代えて、一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧に、前記各一対の最小抵抗値及び最大抵抗値を対応させて、前記第2データとし、この第2データから、前記一対の最小抵抗値及び最大抵抗値毎に、当該一対の最小抵抗値及び最大抵抗値に基づき一対の最小電圧及び最大電圧を前記目標電圧に代えて決定し、
前記照合電圧発生手段は、前記目標電圧決定手段が前記一対の最小電圧及び最大電圧を決定する毎に、当該一対の最小電圧及び最大電圧に対応する一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を前記照合電圧に代えて発生し、
前記比較手段は、前記照合電圧発生手段が前記一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を発生する毎に当該一対の最小照合電圧及び最大照合電圧を前記電圧保持手段に保持された保持電圧と比較するウインドウコンパレータであり、
このウインドウコンパレータから前記比較出力として順次発生する両比較信号のうちの一両比較信号が前記保持電圧に対応したとき、前記表示部位決定手段は、前記一連の目標電圧の各々の誤差範囲を特定する一対の最小電圧及び最大電圧のうち前記一両比較信号に対応する一対の最小電圧及び最大電圧に基づき前記1つ或いは複数の衝突障害釘に対応する1つ或いは複数の表示部位を決定することを特徴とする請求項3に記載の遊技盤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−89828(P2009−89828A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−262208(P2007−262208)
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(591044614)株式会社足立ライト工業所 (114)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月5日(2007.10.5)
【出願人】(591044614)株式会社足立ライト工業所 (114)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]