説明

運転情報記録装置及び車両周囲画像再現システム

【課題】俯瞰画像関連の画像データの有効活用が図れる技術を提供する。
【解決手段】ドライブレコーダ30は、自車両の走行中に発生し得る所定種類のイベントの発生を監視し、発生したことを検出したイベントの内容及び発生時間を示す情報を記録媒体(メモリカード)50に記録する機能、自車両に取り付けられている複数台のカメラからの複数の画像データに基づき自車両周辺についての俯瞰画像を表す画像データを繰り返し生成する俯瞰画像生成装置20から、俯瞰画像を表す画像データ、複数台のカメラからの複数の画像データ及び俯瞰画像を表す画像データの生成過程で生成される画像データの中の少なくとも1種の画像データを繰り返し取得する機能、取得した各画像データを、各画像データの生成時刻が分かる形で記録媒体50に記録する機能を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転情報記録装置と車両周囲画像再現システムとに関する。
【背景技術】
【0002】
車両の前後左右の様子を示す4種の画像データに基づき、車両周辺についての、さまざまな視点からの俯瞰画像をディスプレイ上に表示する装置(以下、俯瞰画像生成装置と表記する)が、実用化されている。
【0003】
俯瞰画像生成装置を車両に搭載しておけば、ドライバが、バックミラー等では確認しにくい場所や確認できない場所の様子を確認しながら車両を運転することができるため、より安全な運転が可能となる。
【0004】
なお、本明細書で説明する技術に関連する技術が記載されている文献としては、以下の特許文献1、2が存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−096312号公報
【特許文献2】特開2000−128031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したように、俯瞰画像生成装置を車両に搭載しておけば、より安全な運転が可能となるのであるが、既存の俯瞰画像生成装置は、その時点(現時点)における俯瞰画像をディスプレイ上に表示することしかできない。そして、俯瞰画像の画像データや、俯瞰画像生成用の各カメラからの画像データは、事故等の原因究明にも利用できるデータである。従って、そのような観点から考えると、既存の俯瞰画像生成装置は、俯瞰画像関連の画像データを十分に有効活用していないものとなっていることになる。
【0007】
そこで、本発明の課題は、俯瞰画像関連の画像データの有効活用が図れる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の運転情報記録装置は、車両に取り付けられている複数のカメラからの複数の画像データに基づき、当該車両周辺についての俯瞰画像を表す俯瞰画像データを生成する俯瞰画像生成手段と、車両に対するイベントの発生を検出し、当該検出されたイベントの内容及び発生時間を示す情報を記録媒体に記録する運転状況記録手段と、俯瞰画像生成手段から、俯瞰画像データ、複数のカメラからの複数の画像データ及び俯瞰画像データの生成過程で生成される画像データの中の少なくとも1種の画像データを取得する画像データ取得手段と、画像データ取得手段により取得された少なくとも1種の画像データを、複数のカメラによる画像データの生成時刻と対応づけてメモリカードに記録する画像データ記録手段とを備える。
【0009】
すなわち、本発明の運転情報記録装置は、従来、運転中に、周囲の状況確認にしか使用されていなかった俯瞰画像関連の画像データを、運転状況に関する情報と共にメモリカードに記録する。そして、俯瞰画像関連の画像データがメモリカードに記録されていれば、事故や危険な運転をしてしまった原因等をより究明し易くなる。従って、本発明の運転情
報記録装置によれば、俯瞰画像関連の画像データの有効活用が図れることになる。
【0010】
本発明の運転情報記録装置の画像データ記録手段としては、“俯瞰画像データの生成過程で生成される複数の画像データを合成した画像データを俯瞰画像生成手段から取得する”手段を採用しておくことが出来る。
【0011】
本発明の第1の態様の車両周囲画像再現システムは、車両周囲を撮影するカメラにより撮影される複数の画像を合成処理して車両周囲の俯瞰画像を表示する俯瞰画像表示部と、車両周囲画像の画像データを記録するドライブレコーダ部と、ドライブレコーダ部により記録された画像データに基づき車両周囲の画像を表示するドラレコ画像再生部とを備え、ドライブレコーダ部は、俯瞰画像表示部の合成した俯瞰画像の俯瞰画像データを記録媒体に記録し、ドラレコ画像再生部は、記録媒体に記録された俯瞰画像データに基づき俯瞰画像を表示する。
【0012】
すなわち、本発明の第1の態様の車両周囲画像再現システムは、実運転時に俯瞰画像表示部により表示されていた画像そのものをドラレコ画像再生部が表示(再生)できる構成を有している。従って、この本発明の第1の態様の車両周囲画像再現システムによっても、俯瞰画像関連の画像データの有効活用が図れる。
【0013】
また、本発明の第2の態様の車両周囲画像再現システムは、車両周囲を撮影するカメラにより撮影される複数の画像を合成処理して車両周囲の俯瞰画像を表示する俯瞰画像表示部と、車両周囲画像の画像データを記録するドライブレコーダ部と、ドライブレコーダ部により記録された画像データに基づき車両周囲の画像を表示するドラレコ画像再生部とを備え、ドライブレコーダ部は、カメラにより撮影されたカメラ画像のカメラ画像データと、俯瞰画像表示部による俯瞰画像生成に用いられる俯瞰画像パラメータとを記録媒体に記録し、ドラレコ画像再生部は、記録媒体に記録されたカメラ画像データと俯瞰画像パラメータに基づき俯瞰画像生成し、当該生成した俯瞰画像を表示する。
【0014】
すなわち、本発明の第2の態様の車両周囲画像再現システムは、実運転時に表示されていた画像以外の俯瞰画像(視点を変えた俯瞰画像、俯瞰画像が表示されていなかった実運転時の時刻に対する俯瞰画像)、特定のカメラ画像等の様々な画像をドラレコ画像再生部が表示できる構成を有している。従って、この第2の態様の車両周囲画像再現システムは、俯瞰画像関連の画像データを、上記した第1の態様の車両周囲画像再現システムよりも有効に利用できるシステムとなっていると言うことが出来る。
【0015】
また、本発明の第3の態様の車両周囲画像再現システムは、車両周囲を撮影するカメラにより撮影される複数の画像を合成処理して車両周囲の俯瞰画像を表示する俯瞰画像表示部と、車両周囲画像の画像データを記録するドライブレコーダ部と、ドライブレコーダ部により記録された画像データに基づき車両周囲の画像を表示するドラレコ画像再生部とを備え、ドライブレコーダ部は、俯瞰画像表示部における俯瞰画像生成処理過程で生成される投影画像の投影画像データと、俯瞰画像表示部による投影画像から俯瞰画像生成に用いられる投影後パラメータとを記録媒体に記録し、ドラレコ画像再生部は、記録媒体に記録された投影画像データと投影後パラメータに基づき俯瞰画像生成し、当該生成した俯瞰画像を表示する。
【0016】
すなわち、本発明の第3の態様の車両周囲画像再現システムは、第2の態様の車両周囲画像再現システムよりも表示可能な画像の種類(パターン)は少ないが、実運転時に俯瞰画像表示部により表示されていた画像以外の画像をドラレコ画像再生部が表示(再生)できる構成を有している。従って、この第2の態様の車両周囲画像再現システムも、俯瞰画像関連の画像データを、上記した第1の態様の車両周囲画像再現システムよりも有効に利
用できるシステムとなっていると言うことが出来る。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、俯瞰画像関連の画像データの有効活用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る運転状況監視システムの、俯瞰画像生成装置及びナビゲーション装置を中心とした構成図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る運転状況監視システムの、ドライブレコーダを中心とした構成図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る俯瞰画像生成装置が備える画像処理部の構成図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る画像処理部内の視点変換部及び画像生成部による表示画像信号の生成手順の説明図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る運転状況監視システムのドライブレコーダにより実行される情報記録処理の流れ図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る運転状況監視システム用の運転内容評価装置の構成図である。
【図7】図7は、運転内容評価装置の制御部が実行する俯瞰画像生成処理の流れ図である。
【図8】図8は、本発明の第2実施形態に係る運転状況監視システムのドライブレコーダにより実行される情報記録処理の流れ図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係る運転状況監視システムの、ドライブレコーダを中心とした構成図である。
【図10】図10は、ドライブレコーダの記録画像を俯瞰画像で再生する方法(3パターン)についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
《第1実施形態》
図1及び図2に、本発明の第1実施形態に係る運転状況監視システムの構成を示す。まず、これらの図を用いて、本実施形態に係る運転状況監視システムの概要を説明する。
【0021】
本実施形態に係る運転状況監視システムは、車両(自動車)に搭載されるシステムである。図1及び図2に示されているように、運転状況監視システムは、ナビゲーション装置10、俯瞰画像生成装置20及びドライブレコーダ30を備えている。また、運転状況監視システムは、俯瞰画像生成装置20と接続されたフロントカメラ41F、サイドカメラ41R、サイドカメラ41L及びバックカメラ41B(図1)、並びに、ドライブレコーダ30と接続されたカメラ42、マイク43、記録スイッチ44及び操作部45(図2)を備えている。
【0022】
ナビゲーション装置10(図1)は、この運転状況監視システムを搭載した車両(以下、自車両と表記する)の現在位置、目的地までのルート等が示されている地図をディスプレイ11に表示する装置である。また、ナビゲーション装置10は、俯瞰画像生成装置20からの、自車両を中心とした自車両周辺の俯瞰画像(以下、単に俯瞰画像とも表記する)を表す表示画像信号(映像信号)に基づく俯瞰画像表示をディスプレイ11に行わせる機能等も有している。
【0023】
俯瞰画像生成装置20は、自車両に取り付けられた4台のカメラ41(41F、41R
、41L及び41B)による撮影結果に基づき周期的に俯瞰画像の画像データ(以下、俯瞰画像データと表記する)を生成し、生成した俯瞰画像データ群から上記表示画像信号を生成してナビゲーション装置10に供給(送信)する装置である。この俯瞰画像生成装置20は、各カメラ41による撮影結果を示す画像データである撮影画像データを撮影日時情報と共に、ドライブレコーダ30に供給する機能も有している。
【0024】
ドライブレコーダ30(図2)は、車速センサ等からの情報に基づき、複数種類のイベント(急加速等)が発生するのを監視し、或るイベントの発生検出時に、そのイベントの発生位置等を示す運転内容情報を記録媒体50(SDHC(Secure Digital High-Capacity)カード等)に記録する装置である。ドライブレコーダ30は、イベント発生前後におけるカメラ42による撮影結果を記録媒体50に記録する機能、俯瞰画像生成装置20から供給される各情報(1組の撮影画像データ及び撮影日時情報)記録媒体50に記録する機能等も有している。
【0025】
本実施形態では、イベントの発生を検出した場合に、そのイベントに関する運転内容情報を記録媒体に記録する構成(イベント記録方式)を一例として記載するが、他の実施形態である記録媒体へ運転内容情報を定期的に記録する構成(常時記録方式)であっても、本実施形態と同様の処理が実行される。尚、常時記録方式は、イベントの発生を検出する機能を有する場合、イベントの種類に関する種類情報及びイベントの発生時刻に関する時刻情報、イベントの発生位置に関する位置情報等を、画像情報と対応付けられて記録媒体に記録される。
【0026】
以下、運転状況監視システムの構成及び機能をさらに具体的に説明する。
【0027】
〔ナビゲーション装置10〕
図1に示されているように、ナビゲーション装置10は、ディスプレイ11、操作部12、音声出力部13、制御部14、GPS(Global Positioning System)受信機15及
び不揮発性メモリ16を備えている。
【0028】
ディスプレイ11は、タッチスクリーン(液晶ディスプレイ等に透明なタッチパネルを重ねたディスプレイ装置)として機能し、各種情報(地図等)を表示する。また、タッチスクリーンとしてのディスプレイ11は、各種の指示や地図上の位置の指定をユーザ(通常、自車両の運転者)から受け付け、受け付けた指示/指定を信号として制御部14に出力する。
【0029】
操作部12は、自車両内のユーザが操作しやすい位置に配置され、各種のユーザ操作を受け付けて、受け付けたユーザ操作を信号として制御部14に出力する。
【0030】
音声出力部13は、制御部14から供給される音声データに応じた音声(案内音声)を出力する。GPS受信機15は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、現時点における自車位置(自車両の位置)を取得する。GPS受信機15は、地球上における緯度経度で表現された位置情報として自車位d置を取得して制御部14へ出力する。
【0031】
不揮発性メモリ16は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成され、ナビゲーション装置10のファームウェアとしてのプログラムや、ユーザへの案内に用いる地図データ及び音声データなどを記憶する。
【0032】
制御部14は、不揮発性メモリ16上のプログラムに従って演算処理を行うことで各種の制御機能を実現するCPU(Central Processing Unit)、演算処理の作業領域となる
RAM(Random Access Memory)、俯瞰画像生成装置20及びドライブレコーダ30と通
信を行うための通信回路等から構成され、ナビゲーション装置10内の各部を統合的に制御する。
【0033】
この制御部14(及びナビゲーション装置10の他の各部)は、例えば、自車両のイグニッションスイッチのオンにより起動される。
【0034】
制御部14は、起動されると、所定のイニシャル処理を実行する。制御部14は、イニシャル処理が完了すると、操作部12やディスプレイ11に対する操作を通じてユーザから各種の指示を受け付ける状態となる。そして、制御部14は、例えば、地図の表示指示を受け付けた際には、GPS受信機15からの自車位置と不揮発性メモリ16上の地図データとに基づき、各時点における自車位置が示された地図をディスプレイ11に表示する処理を開始し、地図表示の終了指示を受け付けた際に当該処理を終了する。
【0035】
また、制御部14は、俯瞰画像(自車両を中心とした自車両周辺の俯瞰画像)の表示指示を受け付けた際には、所定内容の信号出力要求コマンドを俯瞰画像生成装置20に対して送信する。次いで、制御部14は、当該信号出力要求コマンドの受信により俯瞰画像生成装置20から出力されることになる、俯瞰画像を表す表示画像信号をディスプレイ11に供給するための処理を開始する。そして、制御部14は、俯瞰画像表示の中止指示を受け付けた際に、所定内容の信号出力停止要求コマンドを俯瞰画像生成装置20に送信してから当該処理を終了する。
【0036】
さらに、制御部14は、操作部12やディスプレイ11に対する操作を通じてユーザから、表示する俯瞰画像の視点位置(画像処理部21に生成させる俯瞰画像データの視点位置)の変更指示、撮影画像データ等の記録媒体50への記録の開始指示である連携指示、当該記録の終了指示である連携停止指示等を受け付ける。
【0037】
視点位置の変更指示を受け付けると、制御部14は、ユーザが指定した視点位置を表す情報を含めた視点位置変更指示コマンドを俯瞰画像生成装置20に送信する。また、連携指示、連携停止指示を受け付けると、制御部14は、それぞれ、所定内容の連携指示コマンド、連携停止指示コマンドを、俯瞰画像生成装置20及びドライブレコーダ30に送信する。
【0038】
そして、制御部14(及びナビゲーション装置10の他の各部)は、例えば、自車両のイグニッションスイッチのオフにより動作を停止する。
【0039】
〔俯瞰画像生成装置20〕
俯瞰画像生成装置20(図1)は、画像処理部21、通信回路22、制御部23、カード読取部24及び不揮発性メモリ25を備えている。
【0040】
俯瞰画像生成装置20(画像処理部21)と接続されている各カメラ41(41F、41R、41L、41B)は、対物レンズとして魚眼レンズや超広角レンズが用いられた、180度以上の画角を有するカメラである。フロントカメラ41Fは、通常、自車両のフロントバンパの左右略中心に、その光軸が自車両の前方(前進方向)を向いた姿勢で取り付けられる。バックカメラ41Bは、通常、自車両のリアバンパの左右略中心に、その光軸が自車両の後方(後進方向)を向いた姿勢で取り付けられる。サイドカメラ41Rは、通常、自車両の右側のドアミラーに、その光軸が右方を向いた姿勢で取り付けられる。サイドカメラ41Lは、通常、自車両の左のドアミラー等に、その光軸が左方を向いた姿勢で取り付けられる。
【0041】
制御部23は、CPU、RAM、各種インタフェース回路等から構成され、俯瞰画像生
成装置20内の各部を統合的に制御する。図1に示されているように、この制御部23には、自車両の操舵角センサ、変速機、照度センサ、車速センサからの情報(つまり、自車両の操舵角、シフトポジション、照度、車速)が入力されている。また、制御部23は、通信用の信号線によってナビゲーション装置10の制御部14と接続されている。
【0042】
通信回路22は、ドライブレコーダ30との間で通信(情報交換)を行うための回路である。制御部23は、この通信回路22を利用して、ドライブレコーダ30との間で通信を行う。
【0043】
不揮発性メモリ25は、俯瞰画像生成装置20のファームウェアとしてのプログラムを記憶した書き換え可能な不揮発性メモリ(例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ)である。この不揮発性メモリ25には、制御部23により読み出されて画像処理部21に設定される車両情報及び対応関係情報が設定データとして格納されている。これらの情報の詳細については、画像処理部21の詳細説明時に説明する。
【0044】
カード読取部24は、特定仕様の記録媒体(SDカード等)からデータを読み出すためのユニットである。俯瞰画像生成装置20は、新たなプログラムや設定データを記録した記録媒体を、このカード読取部24にセットすることにより、不揮発性メモリ25上のプログラムや設定データを更新できる装置として構成されている。
【0045】
画像処理部21は、俯瞰画像生成装置20用のものとして開発された集積回路であり、俯瞰画像生成演算処理を効率良く行えるような回路構成(例えば、分岐・判断処理よりも、積算等の演算処理に適した構造)となっている。画像処理部21は、4台のカメラ41による撮影結果に基づき、上記表示画像信号を生成して出力する表示画像信号出力機能と、4台のカメラ41による撮影結果を出力する撮影結果出力機能とを有している。
【0046】
図3に、画像処理部21の構成を示す。この図3に示されているように、画像処理部21は、それぞれ、フロントカメラ41F、サイドカメラ41R、サイドカメラ41L、バックカメラ41Bに接続された4つのA/Dコンバータ211と、A/Dコンバータ211毎に設けられた4つの画像書込部212と、フレームメモリ213と、画像読出部214と、視点変換部215と、画像生成部216とを、備えている。
【0047】
画像処理部21が備える各A/Dコンバータ211は、自身に入力されている画像信号に対してA/D(analog-to-digital)変換を行う。フレームメモリ213は、4種の撮
影画像データを同時に記憶できる容量を有しており、各画像書込部212は、『各A/Dコンバータ211による1フレーム分の画像信号のA/D変換結果を撮影画像データとしてフレームメモリ213の自ユニット専用の記憶領域に書き込む書込処理』を周期的に(例えば1/30秒周期で)行う。
【0048】
尚、画像処理部21内には、表示画像信号出力機能を利用するか否かを指定するための第1指定値、及び、撮影結果出力機能を利用するか否かを指定するための第2指定値が、制御部23により設定される指定値用レジスタ(図示略)が設けられている。そして、画像処理部21内の各A/Dコンバータ211及び各画像書込部212は、指定値用レジスタ上の少なくとも一方の指定値が、対応する機能(表示画像信号出力機能又は撮影結果出力機能)を利用することを示す値である場合に上記のように動作し、それ以外の場合には動作しない回路となっている。
【0049】
画像読出部214も、指定値用レジスタ上の少なくとも一方の指定値が、対応する機能を利用すること示す値である場合に動作し、それ以外の場合には動作しない回路である。ただし、画像読出部214は、指定値用レジスタ上の第1、第2指定値の組み合わせに応
じた内容の動作を行う。
【0050】
具体的には、画像読出部214は、以下のように動作する。尚、以下の説明において、第1指定値〔利用〕、第1指定値〔非利用〕とは、それぞれ、表示画像信号出力機能を利用すること、表示画像信号出力機能を利用しないことを示す第1指定値のことである。同様に、第2指定値〔利用〕、第2指定値〔非利用〕とは、それぞれ、撮影結果出力機能を利用すること、撮影結果出力機能を利用しないことを示す第2指定値のことであり、第1指定値〔非利用〕、第2指定値〔非利用〕が、各指定値の初期値(画像処理部21への通電開始直後の指定値用レジスタ上の各指定値の値)である。
【0051】
画像読出部214は、第1指定値〔利用〕と第2指定値〔非利用〕とが指定値用レジスタに設定されている場合には、『フレームメモリ213に記憶された4種の撮影画像データを読み出し、読み出した4種の撮影画像データの全ての内容を含む結合画像データを生成して視点変換部215に供給する画像読出処理』を、周期的に(通常、画像書込部212による書込処理の実行周期と同周期で)行う。
【0052】
画像読出部214は、第1指定値〔利用〕と第2指定値〔利用〕とが指定値用レジスタに設定されている場合には、画像読出処理と『フレームメモリ213上の4種の撮影画像データをそのまま制御部23に対して出力する撮影結果出力処理』とを、周期的に行う。また、画像読出部214は、第1指定値〔非利用〕と第2指定値〔利用〕とが指定値用レジスタに設定されている場合には、撮影結果出力処理のみを、周期的に行う。
【0053】
視点変換部215及び画像生成部216は、第1指定値〔利用〕が指定値用レジスタに設定されている場合に動作し、それ以外の場合には動作しない回路である。すなわち、視点変換部215及び画像生成部216は、画像読出部214から視点変換部215に結合画像データ(4種の撮影画像データを含むデータ)が供給される場合にのみ動作する。
【0054】
動作している視点変換部215は、『制御部23により設定されている車両情報、対応関係情報及び視点位置を用いて、画像読出部214が生成した結合画像データから俯瞰画像データを生成する俯瞰画像データ生成処理』を、周期的に(通常、画像読出処理の実行周期と同周期で)行う。尚、制御部23による車両情報等の設定タイミングについては、制御部23の機能説明時に説明する。
【0055】
また、動作している画像生成部216は、視点変換部215が周期的に生成する俯瞰画像データから、ナビゲーション装置10のディスプレイ11に供給するための表示画像信号を生成して制御部23に出力する。
【0056】
ここまでの説明から明らかなように、この画像処理部21は、第1指定値〔利用〕及び第2指定値〔非利用〕が指定値用レジスタに設定されている場合には、表示画像信号のみを出力し、第1指定値〔利用〕及び第2指定値〔利用〕が指定値用レジスタに設定されている場合には、表示画像信号及び撮影画像データを出力し、第1指定値〔非利用〕及び第2指定値〔利用〕が指定値用レジスタに設定されている場合には、撮影画像データのみを出力し、第1指定値〔非利用〕及び第2指定値〔非利用〕が指定値用レジスタに設定されている場合には、何も出力しないように構成された回路となっている。
【0057】
以下、図4を用いて、画像処理部21の視点変換部215及び画像生成部216の機能をさらに具体的に説明すると共に、画像処理部21(視点変換部215)に設定される車両情報及び対応関係情報の詳細を説明する。尚、この図4は、視点変換部215及び画像生成部216による表示画像信号の生成手順の説明図である。また、以下の説明では、指定値用レジスタに、第1指定値〔利用〕及び第2指定値〔非利用〕が設定されている(画
像処理部21が、表示画像信号のみを出力する状態で動作している)ものとする。
【0058】
第1指定値〔利用〕及び第2指定値〔非利用〕が指定値用レジスタに設定されている状態では、画像処理部21内の各部が動作する。また、画像読出部214は、上記した内容の画像読出処理のみを周期的に行う。
【0059】
従って、フレームメモリ213に、周期的に、4台のカメラ41の撮影結果を示す撮影画像データP1〜P4が記憶され、それらから、周期的に、結合画像データ(撮影画像データP1〜P4の全ての内容を含む画像データ)が生成されることになる。
【0060】
そして、視点変換部215により、画像読出部214により生成された結合画像データに対する俯瞰画像データ生成処理が行われる。
【0061】
或る結合画像データに対する俯瞰画像データ生成処理を開始した視点変換部215は、当該結合画像データを、仮想的な三次元空間における立体曲面52に投影する。立体曲面52は、図4に示してあるように、略半球状(お椀形状)をしており、その中心部分(お椀の底部分)が、自車両が存在する位置として定められている。
【0062】
不揮発性メモリ25から読み出されて画像処理部21(視点変換部215)に設定される対応関係情報は、結合画像データ中の各画素データをこの立体曲面52のどの画素の画素データとするかを規定しており、視点変換部215は、設定されている対応関係情報を利用して、結合画像データを、仮想的な三次元空間における立体曲面52に投影する。尚、詳細説明は省略するが、対応関係情報の内容(結合画像データ中の各画素データに立体曲面52上の画素との対応関係)は、各カメラ41の位置、向き、各カメラ41の対物レンズの仕様等に基づき、決定されている。
【0063】
また、不揮発性メモリ25から読み出されて視点変換部215に設定される車両情報は、自車両の3次元形状や色を示しており、視点変換部215は、上記処理と並行的に、設定されている車両情報に基づき、自車両の三次元形状及び各部の色を示すポリゴンモデルを仮想的に構成する。
【0064】
そして、視点変換部215は、立体曲面52に投影した結合画像データ(以下、合成画像データと表記する)に基づき、設定されている視点位置から立体曲面52(立体曲面52上の合成画像データ)の中央部分を見た画像を表す俯瞰画像データを生成する。
【0065】
次いで、視点変換部215は、生成した俯瞰画像データのほぼ中心に、構成済みのポリゴンモデルをレンダリングすることにより生成した自車両の俯瞰画像データ(設定されている視点位置から見た様子を表すもの)を重畳する。そして、視点変換部215は、そのようにして生成した俯瞰画像データを画像生成部216に供給してから、1回分の俯瞰画像データ生成処理を終了する。
【0066】
画像生成部216は、視点変換部215から周期的に供給される俯瞰画像データに、制御部23から与えられている情報(文字列や線画)に応じた画像データ(画素データ群)を追加して、表示画像信号(映像信号)を生成する。画像生成部216は、例えば、ディスプレイ11に供給すると図4に示してあるような画面54が表示されることになる表示画像信号を生成する。
【0067】
次に、制御部23の機能を説明する。
【0068】
制御部23(及び俯瞰画像生成装置20内の他の各部)は、例えば、自車両のイグニッ
ションスイッチのオンにより起動され、例えば、自車両のイグニッションスイッチのオフにより動作を停止する。
【0069】
制御部23は、起動されると、所定のイニシャル処理を実行する。制御部23は、イニシャル処理が完了すると、不揮発性メモリ25から、車両情報及び対応関係情報を読み出し、読み出した各情報を画像処理部21(視点変換部215)に設定する(図3参照)。また、制御部23は、デフォルトの視点位置(例えば、自車両の真上)を画像処理部21(視点変換部215)に設定する。
【0070】
その後、制御部23は、ナビゲーション装置10(制御部14)から、上記した信号出力要求コマンド、連携指示コマンド等が送信されてくるのを監視する処理を開始する。
【0071】
制御部23は、信号出力要求コマンドを受信した際には、後述する撮影結果送信処理を実行中であってもなくても、第1指定値〔利用〕(表示画像信号出力機能を利用することを示す第1指定値)を画像処理部21内の指定値用レジスタに設定する。次いで、制御部23は、『画像処理部21からの表示画像信号(第1指定値〔利用〕の設定により画像処理部21が出力し始める表示画像信号)をナビゲーション装置10に送信する表示画像信号送信処理』を開始する。既に説明したように、信号出力要求コマンドを送信したナビゲーション装置10(制御部14)は、俯瞰画像生成装置20からの表示画像信号をディスプレイ11に供給するための処理を開始している。従って、制御部23の上記動作によりディスプレイ11に、俯瞰画像(動画)が表示されることになる。
【0072】
また、制御部23は、制御部14から視点位置変更指示コマンドが送信されてきた場合には、当該コマンド中の情報が示している視点位置を画像処理部21に設定する。その結果、ディスプレイ11にそれまでとは異なる視点位置から見た俯瞰画像が表示されることになる。
【0073】
制御部23は、信号出力停止要求コマンドを受信した際に、第1指定値〔非利用〕(表示画像信号出力機能を利用しないことを示す第1指定値)を指定値用レジスタに設定してから、それまで実行していた表示画像信号送信処理を終了する。すなわち、信号出力停止要求コマンドを受信した際、制御部23は、画像処理部21を表示画像信号を出力しない状態に制御してから、それまで実行していた表示画像信号送信処理を終了する。
【0074】
また、制御部23は、連携指示コマンドを受信した際には、表示画像信号送信処理を実行中であってもなくても、不揮発性メモリ25上の車両情報及び対応関係情報をドライブレコーダ30に送信する。次いで、制御部23は、第2指定値〔利用〕(撮影結果出力機能を利用することを示す第2指定値)を画像処理部21内の指定値用レジスタに設定する。その後、制御部23は、『画像処理部21から4種の撮影画像データが入力される度に、それらの撮影画像データを現在日時を示す撮影日時情報と共にドライブレコーダ30に送信する撮影結果送信処理』を開始する。そして、制御部23が送信した各情報が、ドライブレコーダ30により記録媒体50に記録される(詳細は後述)。
【0075】
制御部23は、連携停止指示コマンドを受信した際には、第2指定値〔非利用〕(撮影結果出力機能を利用しないことを示す第2指定値)を指定値用レジスタに設定する。すなわち、連携停止指示コマンドを受信した際、制御部23は、画像処理部21を撮影画像データを出力しない(撮影結果出力処理を行わない)状態に制御する。そして、制御部23は、それまで実行していた撮影結果送信処理を終了する。
【0076】
〔ドライブレコーダ30の構成〕
ドライブレコーダ30(図2)は、リーダライタ31、計時回路32、加速度センサ3
3、GPS受信機34、通信回路35、制御部36、画像処理回路37、RAM38及び不揮発性メモリ39を備えている。また、ドライブレコーダ30には、カメラ42、マイク43、記録スイッチ44、操作部45等が接続されている。
【0077】
記録スイッチ44は記録媒体50への記録指示を受け付けるスイッチである。ユーザは、この記録スイッチ44を押下することにより、衝突などの事故には至らなかったものの危険を感じた場合などの所望のタイミングで動画データを記録媒体50に記録することができる。
【0078】
操作部45は、複数のボタンを含んで構成され、ユーザから各種設定などの入力を受け付ける。記録スイッチ44及び操作部45で受け付けたユーザの操作内容は、信号として制御部36に入力される。
【0079】
カメラ42は、レンズと撮像素子とを備えており、電子的に画像情報を取得する。本実施形態では、カメラ42は、その光軸が車両の前方に向けられた状態でフロントガラスの上部付近の車両の前方の領域についての画像情報を取得できる位置(例えばルームミラーとフロントガラスの間)に配置される。図示してあるように、記録スイッチ44及び操作部45からのデータは、制御部36に入力されており、カメラ42からの画像信号は、画像処理回路37に入力されている。
【0080】
計時回路32は、現在時刻に対応した信号を発生して、制御部36へ出力する。計時回路32は、例えば、内蔵電池を有することで、外部から電力供給を受けなくても動作して正確な時刻を計時する。
【0081】
加速度センサ33は、自車両に加わる衝撃の大きさを示す加速度を、重力加速度のsGを単位として検出する。検出される加速度は、現在時刻における加速度の瞬間値であり、例えば、互いに直行する3軸、又は、2軸に応じた向きに大きさを持つ。加速度センサ33は、このような加速度に対応した信号を制御部36へ出力する。
【0082】
GPS受信機34は、複数のGPS衛星からの信号を受信して、現時点における自車位置(自車両の位置)を取得する。GPS受信機34は、地球上における緯度経度で表現された位置情報として自車位置を取得して制御部14へ出力する。尚、GPS受信機34は、GPS衛星からの信号に基づき、正確な時刻を検出できるため、計時回路32として使用すること、あるいは計時回路32の時刻を修正することに利用することが可能である。
【0083】
通信回路35は、ドライブレコーダ30と他装置(ナビゲーション装置10等)との間で通信を行うための回路である。マイク43は、自車両の周辺で発生している音を電気信号に変換する機器である。このマイク43の出力は、図示を省略した信号処理回路を介して、RAM38に入力(記憶)されている。
【0084】
不揮発性メモリ39は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成され、ドライブレコーダ30のファームウェアとしてのプログラムや設定パラメタなどを記憶する。この不揮発性メモリ39には、運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)のセットアップ時等に、自車両の識別情報である車両番号が設定パラメタとして記憶される。
【0085】
制御部36は、不揮発性メモリ39に記憶されているプログラムに従って各種処理を実行するユニット(CPUを中心としたユニット)である。ドライブレコーダ30の各部を制御する機能は、不揮発性メモリ39に予め記憶されたプログラムに従って制御部36が演算処理を実行することにより実現される。図示してあるように、この制御部36には、車速センサからのデータや、イグニッションキーの状態を検知するためのIGセンサから
のデータが入力されている。
【0086】
画像処理回路37は、カメラ42から入力される画像信号に対してA/D変換、輝度補正、コントラスト補正等を行うことにより、特定形式(例えば、JPEG形式)のデジタルの画像データを生成し、生成した画像データをRAM38に記憶する。マイク43とRAM38間に設けられている信号処理回路(図示略)は、マイク43からの信号をデジタルデータ(以下、サウンドデータと表記する)に変換して、RAM38に記憶する。
【0087】
RAM38の記憶領域のうちの一部(以下、リングバッファ領域と表記する)はリングバッファとして利用される。このリングバッファ領域が用いられて、画像処理回路37において処理された、過去一定時間分の画像データ、及び、信号処理回路において処理された、過去一定時間分のサウンドデータが常時に記憶される。この時、加速度センサ33によって取得された加速度データや車速センサによって取得された車速データ等を含む運転データも常時に記憶される。制御部36は、運転データと、画像データ及びサウンドデータとを関連付けてRAM38に記憶する。すなわち、制御部36は、画像処理回路37において処理された画像データ及び信号処理回路において処理されたサウンドデータと、各データがカメラ42又はマイク43により取得された時刻における運転データとを関連付けて、RAM38のリングバッファ領域に格納する。
【0088】
尚、リングバッファ領域のサイズは、例えば、およそ40秒分の画像データ及びサウンドデータを記憶しておくことが出来るように定められる。
【0089】
リーダライタ31は、記録媒体50を装着するためのカードスロットを有し、制御部36の制御下、カードスロットに装着された記録媒体50からのデータの読み取りや、当該記録媒体50へのデータの書き込みを行う。
【0090】
制御部36は、新たな記録媒体50がリーダライタ31にセットされると、不揮発性メモリ39上の車両番号を、以降記録する情報が自ドライブレコーダ30による記録情報である旨を示す情報として、記録媒体50に記録する。
【0091】
また、事故や危険挙動などのイベントが生じたとき、制御部36は、RAM38のリングバッファ領域に記憶された画像データ及びサウンドデータから動画データを生成する。さらに、制御部36は、RAM38のリングバッファ領域に記憶された運転データを利用して、発生したイベントの種類等を示す運転内容情報を生成する。そして、制御部36は、リーダライタ31を制御することにより、生成した動画データ、運転内容情報及びリングバッファ領域上の一部の運転データを、リーダライタ31のカードスロットに装着されている記録媒体50に記録する。
【0092】
〔ドライブレコーダ30の動作例〕
ドライブレコーダ30は、例えば、車両のイグニッションスイッチのオンにより起動される。ドライブレコーダ30が起動されると、制御部36がイニシャル処理を実行する。そして、イニシャル処理が完了すると、ドライブレコーダ30内の各部(主として、不揮発性メモリ39上のプログラムに従った制御部36)により情報記録処理が開始される。
【0093】
図5に、情報記録処理の流れ図を示す。尚、この情報記録処理は、記録媒体50がリーダライタ31に装着されている状態で実行されるものである。
【0094】
すなわち、ドライブレコーダ30内では、イニシャル処理が完了した直後から、カメラ42による車両の周辺の様子を示す画像データの取得、マイク43による車両の周辺で発生している音を示すサウンドデータの取得、及び、計時回路32、加速度センサ33、G
PS受信機34、車速センサ等による運転データの取得が開始される。取得された画像データ、サウンドデータ及び運転データは、RAM38のリングバッファ領域に記憶される(ステップS101)。これ以降、ドライブレコーダ30の動作中にわたって、画像データ、サウンドデータ及び運転データは、継続的にRAM38に記憶される。例えば、画像データは、毎秒30回の割合で、継続的にRAM38に記憶される。この時、画像データは、30fps(毎秒30フレーム)のフレームレートで記憶されていることになる。尚、同一時刻に取得された画像データ及びサウンドデータと、運転データとは、関連付けられている。
【0095】
このように画像データ、サウンドデータ及び運転データが継続的に記憶される一方で、例えば、自車両のイグニッションスイッチをオフにする等の、ドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントが発生したか否かが監視される(ステップS102)。例えば、車両のイグニッションスイッチがオフにされると(ステップS102;YES)、この情報記録処理が終了され、ドライブレコーダ30は動作を停止する。
【0096】
他方、ドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントが発生していなければ(ステップS102;NO)、所定のイベントが発生したか否かが監視される(ステップS103)。
【0097】
このステップS103では、以下の条件(A)〜(C)を満足するイベント等の発生の有無が監視される。
【0098】
(A)加速度センサ33が、所定以上の加速度を、所定時間以上継続して検出した。例えば、加速度センサ33が、0.40G以上の加速度を100ミリ秒以上継続して検出した。
(B)車両が所定以上の速度で走行中に、車速センサが、所定の期間内に所定以上の減速を検出した。例えば、車両が速度60km/h以上で走行中に、車速センサが検出した減速での1秒間の速度差が14km/h以上となった。
(C)記録スイッチ44がユーザにより押下された。
【0099】
尚、各条件における所定の値及び閾値は、それぞれユーザにより設定及び変更可能であってもよい。
【0100】
条件(A)は、比較的強い加速度が発生しており、車両の衝突事故発生の蓋然性が高い状況に関する条件である。当該条件(A)を満足するイベントは「G検知」と呼ばれる。
条件(B)は、車両において比較的急激な減速が生じており、事故が急迫した蓋然性が高い状況に関する条件である。この条件(B)を満足するイベントは「急減速」と呼ばれる。
条件(C)は、ユーザ(代表的には車両のドライバ)が動画データの記録を所望する状況に関する条件である。この条件(C)を満足するイベントは「スイッチ操作」と呼ばれる。
【0101】
或るイベントが発生した場合(ステップS103;YES)、例えば、G検知、急減速等が発生した場合には、イベント発生前の12秒間と発生後の8秒間との合計20秒分の画像データ、サウンドデータ及び運転データが、RAM38のリングバッファ領域から読み出される。また、例えば、スイッチ操作が発生した場合には、イベント発生後、任意の時間分の画像データ、サウンドデータ及び運転データが、RAM38のリングバッファ領域から読み出される。この時、必要であれば、リングバッファ領域以外の領域から画像データや運転データが読み出されてもよい。尚、該任意の時間は、不揮発性メモリ39に格納される設定値として予め設定された時間であってもよいし、情報処理装置において時間
を指定し、記録媒体50を介して設定されてもよい。
【0102】
そして、読み出された画像データ及びサウンドデータから動画データが生成される。この動画データは、イベントの発生時における車両の周辺の様子を示すものとなる。生成された動画データ、及び、RAM38のリングバッファ領域から読み出された運転データは記録媒体50に記録される(ステップS104)。また、発生したイベントの種類(G検知、急減速等)を示す情報、イベントの発生日時を示す情報、及び、イベントの発生時における車両の位置データ(イベント発生時にGPS受信機34により検出された位置データ)を含む運転内容情報も、記録媒体50に記録される(ステップS104)。
【0103】
尚、ステップS102に係るドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントの監視処理は実行されなくてもよい。この時、例えば、ユーザがイグニッションスイッチをオフにした時点でドライブレコーダ30の動作を停止させる処理が強制的に発生し、実行されることにより、ドライブレコーダ30の動作は停止する。
【0104】
次に、ナビゲーション装置10からの連携指示コマンド等及び俯瞰画像生成装置20からの撮影画像データ等に対する制御部36の動作を説明する。制御部36は、上記情報記録処理と並行的に、以下の処理も行う。
【0105】
制御部36は、ナビゲーション装置10からの連携指示コマンドを受信すると、車両情報及び対応関係情報が俯瞰画像生成装置20から送信されてくるのを待機する。そして、制御部36は、車両情報及び対応関係情報を受信した際には、受信した情報を記録媒体50に記録する。
【0106】
その後、制御部36は、『俯瞰画像生成装置20から4種の撮影画像データと撮影時刻情報が送信されてくる度に、それらを相互に関連づけた形で記録媒体50に記録するデータ記録処理』を開始する。尚、制御部36が実行するデータ記録処理は、記録媒体50内に記憶される俯瞰画像生成装置20からのデータの総サイズが、予め定められているサイズ以下となるように、過去に記録したデータを消去しながらデータを記録媒体50に記録する処理である。
【0107】
そして、制御部36は、ナビゲーション装置10からの連携停止指示コマンドを受信した時(又はユーザがイグニッションスイッチをオフにした時)に、データ記録処理を終了する。
【0108】
〔運転状況監視システムの総合的な動作〕
上記説明から既に明らかであるとは考えるが、ここで、本実施形態に係る運転状況監視システムの総合的(全体的)な動作を説明しておくことにする。
【0109】
ユーザが、自車両のイグニッションスイッチをオンにすると、俯瞰画像生成装置20の画像処理部21に、不揮発性メモリ25上の車両情報及び対応関係情報と、デフォルトの指定位置とが設定される。なお、第1指定値、第2指定値の初期値が、それぞれ、第1指定値〔非利用〕、第2指定値〔非利用〕であるため、車両情報等が設定されても、画像処理部21は、情報(表示画像信号等)を出力しない状態をとり続ける。
【0110】
その後、ユーザが、操作部12等の操作により連携指示を出すと、ナビゲーション装置10(制御部14)が、俯瞰画像生成装置20及びドライブレコーダ30に対して連携指示コマンドを送信する。
【0111】
連携指示コマンドを受信した俯瞰画像生成装置20(制御部23)は、不揮発性メモリ
39上の車両情報及び対応関係情報をドライブレコーダ30(制御部36)に送信し、第2指定値〔利用〕を画像処理部21内の指定値用レジスタに設定する。
【0112】
連携指示コマンドを受信したドライブレコーダ30内の制御部36は、車両情報及び対応関係情報が俯瞰画像生成装置20から送信されてくるのを監視(待機)しており、車両情報及び対応関係情報を受信した際には、受信した各情報をリーダライタ31にセットされている記録媒体50に記録する。
【0113】
従って、ユーザが連携指示を出すと、記録媒体50に、4種の撮影画像データから俯瞰画像データを生成するのに必要とされる情報(車両情報及び対応関係情報)が記録さることになる。
【0114】
また、指定値用レジスタに第2指定値〔利用〕が設定された画像処理部21は、4種の撮影画像データを周期的に出力する状態となり、第2指定値〔利用〕の設定を終えた制御部23は、『画像処理部21から4種の撮影画像データが入力される度に、それらの撮影画像データを現在日時を示す撮影日時情報と共にドライブレコーダ30に送信する撮影結果送信処理』を開始する。そして、車両情報等の記録媒体50への記録を終えた制御部36は、『俯瞰画像生成装置20から4種の撮影画像データと撮影時刻情報が送信されてくる度に、それらを相互に関連づけた形で記録媒体50に記録するデータ記録処理』を開始する。従って、記録媒体50に、4種の撮影画像データと撮影時刻情報とからなる情報が追加されていくことになる。
【0115】
ユーザが、さらに俯瞰画像の表示指示を出した場合には、ナビゲーション装置10から俯瞰画像生成装置20へ信号出力要求コマンドが送信され、信号出力要求コマンドを受信した俯瞰画像生成装置20内の制御部23により、画像処理部21の指定値用レジスタに第1指定値〔利用〕(表示画像信号出力機能を利用することを示す第1指定値)が設定される。
【0116】
指定値用レジスタに第1指定値〔利用〕が設定されると、それまで動作していなかった画像処理部21内の視点変換部215及び画像生成部216が動作を開始する。また、それまで撮影結果出力処理(フレームメモリ213に記憶された4種の撮影画像データをそのまま制御部23に対して出力する処理)しか行っていなかった画像読出部214が、『フレームメモリ213に記憶された4種の撮影画像データを読み出し、読み出した4種の撮影画像データの全ての内容を含む結合画像データを生成して視点変換部215に供給する画像読出処理』も周期的に行うようになる。
【0117】
そして、第1指定値〔利用〕の設定を終えた制御部23は、『画像処理部21からの表示画像信号をナビゲーション装置10に送信する表示画像信号送信処理』を開始しており、信号出力要求コマンドを送信した制御部14は、俯瞰画像生成装置20からの表示画像信号をディスプレイ11に供給する処理を開始している。
【0118】
従って、ユーザが、さらに俯瞰画像の表示指示を出した場合、俯瞰画像生成装置20からの表示画像信号に応じた俯瞰画像がディスプレイ11に表示されながら、ドライブレコーダ30にセットされている記録媒体50に、撮影画像データ等が追加されていくことになる。
【0119】
その後、ユーザが俯瞰画像表示の停止指示を出した場合、運転状況監視システムは、俯瞰画像の表示指示が出される前と同じ状態になる。また、ユーザが、俯瞰画像表示の停止指示ではなく、連携停止指示を出した場合、運転状況監視システムは、俯瞰画像生成装置20からの表示画像信号に応じた画像がディスプレイ11に表示され、記録媒体50への
撮影画像データ等の記録が行われない状態となる。
【0120】
そして、運転状況監視システムは、例えば、自車両のイグニッションスイッチがオフされたときに、動作を停止する。
【0121】
〔運転内容評価装置60〕
図6に、運転内容評価装置60の構成を示す。
【0122】
この運転内容評価装置60は、第1実施形態に係る運転状況監視システムが搭載された複数台の車両のドライバによる運転内容を、各運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)により記録媒体50に記録された情報から評価するための情報処理装置として開発した装置である。図6に示されるように、運転内容評価装置60は、バス63で相互に接続された、記憶部61、制御部62、入出力部64、カードスロット65等を有している。
【0123】
記憶部61は、制御部62が実行するプログラム(図示略)や、運転者別(車両番号別)に、各運転者についての運転内容情報、動画データ、撮影画像データ等を管理しておくための運転履歴データベース110(以下、運転履歴DB110とも表記する)を記憶する。
【0124】
この記憶部61は、例えば、ハードディスクやフラッシュメモリ等によって実現される。尚、記憶部61は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSDカード等の着脱可能な記録媒体により実現されてもよい。また、記憶部61に記憶される各種情報は、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の外部記録媒体から取得されてもよい。
【0125】
入出力部64は、運転内容評価装置60の外部に存在する装置との間で各種データを授受するための1又は複数のインタフェースである。入出力部64は、例えば、LAN(Local Area Network)ケーブルを接続するためのインタフェース、ユーザインタフェースと接続するためのインタフェース、又はUSB等のインタフェースである。
【0126】
入出力部64は、タッチパネル、テンキー、キーボード、マウス等の操作装置65と接続する。また、入出力部64は、ディスプレイ66と接続する。操作装置65がタッチパネルである場合、操作装置65とディスプレイ66とは、一体の装置として構成されてもよい。
【0127】
カードスロット65は、記録媒体50を着脱可能に構成され、装着された記録媒体50からのデータの読み取りや、記録媒体50へのデータの書き込みを行う。運転内容評価装置60(制御部62)は、このカードスロット65を介して、記録媒体50に記録されている各種情報を取得する。
【0128】
制御部62は、マイクロプロセッサ又はCPU等の1又は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM、RAM、インタフェース回路等)とを有する。制御部62は、記憶部61に格納されているプログラムを実行することにより、各種データについての演算と各構成の制御とを実行する。
【0129】
この制御部62は、データベース更新処理、評価処理、撮影画像表示処理、俯瞰画像生成処理等を行う。
【0130】
<データベース更新処理>
データベース更新処理は、カードスロット65に装着された記録媒体50上の各種情報(撮影画像データ、車両情報、対応関係情報、運転内容情報、動画データ等)を、当該記録媒体50に記憶されている車両番号に対応づけた形で運転履歴DB110に登録する処理である。制御部62は、このデータベース更新処理を、記録媒体50上の情報の取り込み指示を受け付けたときに実行する。尚、制御部62が実行するデータベース更新処理は、同じ車両番号に対応づけられた車両情報及び対応関係情報が、運転履歴DB110内に既に登録されていた場合、車両情報及び対応関係情報を運転履歴DB110に登録(追加)しない処理となっている。
【0131】
<評価処理>
評価処理は、運転内容の評価を実行するための指示を受け付けたときに制御部62が実行する処理である。この評価処理を開始した制御部62は、評価対象とする運転者(車両)、評価対象とする期間等からなる検索条件をユーザ(運転内容評価装置60の操作者)に指定させるための画面をディスプレイ66に表示し、検索条件の指定を受けつける。この画面には、検索条件の指定完了後に押下すべきアイテム(以下、検索ボタンと表記する)も設けられている。検索ボタンが押下されたことを検出すると、制御部62は、ユーザが指定した検索条件を満たす運行内容情報を運転履歴DB110から検索する。そして、制御部62は、各運転者について検索された運行内容情報の数及び内容から、各運転者の運転内容を評価し、評価結果を、表示中の画面内に表示する。
【0132】
制御部62は、検索条件が再設定されて検索ボタンが押下されると、再設定された検索条件を満たす運行内容情報を運転履歴DB110から検索する。そして、制御部62は、各運転者について検索した運行内容情報の数及び内容から、各運転者の運転内容を評価し、評価結果を表示中の画面内に表示する。
【0133】
制御部62は、評価処理の終了が指示された際に、上記のような内容の評価処理を終了する。
【0134】
<撮影画像表示処理>
撮影画像表示処理は、運転履歴DB110内の各種画像データ(撮影画像データ、動画データ)に基づく画像(静止画、動画)表示をディスプレイ66に行わせる処理である。この撮影画像表示処理の実行指示を受け付けた制御部62は、まず、表示する画像(正確には、表示する画像の元データ)をユーザに選択させるための表示画像選択受付処理を行う。
【0135】
表示画像選択受付処理は、表示する画像の元データ(撮影画像データ、動画データ)の検索条件(車両番号、撮影日時範囲等)をユーザに入力させ、ユーザが入力した検索条件を満たす元データを運転履歴DB110から検索し、検索した元データの属性情報(車両番号、撮影日時等)のリストを表示して、そのリストの中からユーザに表示する画像の元データを選択させるといった手順の処理である。
【0136】
この表示画像選択受付処理は、表示する画像の元データ(以下、処理対象データと表記する)として、ユーザが、動画データ(カメラ42、マイク43による撮影、録音結果)、1組の撮影画像データ(同一車両内の4台のカメラ41による同一日時の撮影結果を表す4種の撮影画像データ)、又は、或る期間(ユーザが指定する期間)内に撮影された複数組の撮影画像データを選択できるものとなっている。
【0137】
表示画像選択受付処理を終えた制御部62は、ユーザが処理対象データとして動画データを選択した場合には、選択された動画データを運転履歴DB110から読み出し、読み出した動画データに基づく表示をディスプレイ66に行わせる。そして、制御部62は、
他の画像の表示が指示された際には、表示画像選択受付処理を再び実行し、画像表示の終了が指示された際に、撮影画像表示処理を終了する。
【0138】
また、制御部62は、ユーザが処理対象データとして1組の撮影画像データを選択した場合には、俯瞰画像生成処理を実行する。
【0139】
図7に、俯瞰画像生成処理の流れ図を示す。尚、この俯瞰画像生成処理の各ステップの処理は、運転履歴DB110から読み出した情報、制御部62が生成したデータが、制御部62内のRAM上に記憶される処理である。また、この図及びこの図に関する説明において、注目視点位置とは、俯瞰画像生成処理の開始前に定められている視点位置のことであり、注目車両とは、俯瞰画像の表示対象となっている車両のことである。
【0140】
図示してあるように、俯瞰画像生成処理を開始した制御部62は、まず、運転履歴DB110から、車両番号を介して、処理対象データ(表示する画像の元データである1組の撮影画像データ)に対応付けられている車両情報及び対応関係情報を読み出す(ステップS200)。
【0141】
次いで、制御部62は、処理対象データを運転履歴DB110から読み出し(ステップS201)、対応関係情報を参照することにより、処理対象データを所定形状の立体曲面(図4における立体曲面52)に投影した合成画像データを生成する(ステップS202)。さらに、制御部62は、生成した合成画像データから、立体曲面上の画像の中央部分を注目視点位置(俯瞰画像表示処理開始前に定められている視点位置;例えば、真上)より見た画像を表す俯瞰画像データを生成する(ステップS203)。尚、このステップS203の処理は、合成画像データをRAM上に残す形で行われる。
【0142】
また、制御部62は、運転履歴DB110から読み出した車両情報に基づき、注目車両の三次元形状及び各部の色を示すポリゴンモデルを仮想的に構成する(ステップS204)。次いで、制御部62は、構成したポリゴンモデルをレンダリングすることにより、注目車両を注目視点位置から見た俯瞰画像データを生成する(ステップS205)。このステップS205の処理も、ポリゴンモデルをRAM上に残す形で行われる。
【0143】
その後、制御部62は、ステップS203、S205の処理で生成した2つの俯瞰画像データを重畳することにより、表示用俯瞰画像データを生成(ステップS206)してから、この俯瞰画像生成処理を終了する。
【0144】
俯瞰画像生成処理を終えた制御部62は、当該俯瞰画像生成処理により生成した表示用俯瞰画像データに基づく表示をディスプレイ66に行わせる。より具体的には、制御部62は、俯瞰画像生成処理により生成した表示用俯瞰画像データに基づく表示が行われる領域を有し、視点位置の変更指示を受け付けられる画面をディスプレイ66上に表示する。
【0145】
そして、制御部62は、視点位置の変更指示、他の画像の表示指示、画像表示の終了指示等を受け付ける状態となり、視点位置の変更指示を受け付けた場合には、図7のステップS203、S205、S206からなる処理と本質的には同内容の視点位置変更画像生成処理を実行する。すなわち、制御部62は、まず、RAM上に残っている合成画像データから、立体曲面上の画像の中央部分をユーザにより指定された注目視点位置より見た画像を表す俯瞰画像データを生成する。次いで、制御部62は、RAM上に残っているポリゴンモデルをレンダリングすることにより、注目車両を、注目視点位置から見た俯瞰画像データを生成する。そして、制御部62は、新たに生成した2つの俯瞰画像データを重畳することにより表示用俯瞰画像データを生成してから、視点位置変更画像生成処理を終了する。
【0146】
視点位置変更画像生成を終えた制御部62は、当該処理により生成した表示用俯瞰画像データに基づく表示をディスプレイ66に行わせてから、視点位置の変更指示、他の画像の表示指示、画像表示の終了指示等を受け付ける状態に戻る。そして、制御部62は、他の画像の表示が指示された際には、表示画像選択受付処理を再び実行し、画像表示の終了が指示された際に、撮影画像表示処理を終了する。
【0147】
表示画像選択受付処理を終えた制御部62は、ユーザが、或る期間(以下、指定期間と表記する)内に撮影された複数組の撮影画像データを処理対象データとして選択した場合には、まず、図7のステップS200と同じ処理を行う。すなわち、制御部62は、運転履歴DB110から、車両番号を介して、処理対象データ(この場合、複数組の撮影画像データ)に対応付けられている車両情報及び対応関係情報を読み出す処理を行う。
【0148】
その後、制御部62は、処理対象データ中の各1組の撮影画像データ毎に、図7のステップS201〜S206と本質的には同内容の処理により、表示用俯瞰画像データを生成する。
【0149】
より具体的には、制御部62は、撮影日時が最も早い1組の撮影画像データについては、当該1組の撮影画像データを処理対象データとした、合成画像データを意図的にRAM上に残さない点のみが図7のステップS201〜S206の処理と異なる処理を行うことにより、表示用俯瞰画像データを生成する。また、制御部62は、撮影日時が2番目以降の各組の撮影画像データについては、各組の撮影画像データを処理対象データとした、合成画像データを意図的にRAM上に残さない点と、ポリゴンモデルを生成しない点(ステップS203の処理が行われない点)が図7のステップS201〜S206の処理と異なる処理を行うことにより、表示用俯瞰画像データを生成する。
【0150】
その後、制御部62は、生成した複数の表示用俯瞰画像データから動画データを生成し、生成した表示用俯瞰画像データに基づく画像表示をディスプレイ66に行わせる。
【0151】
そして、制御部62は、視点位置の変更指示、他の画像の表示指示、画像表示の終了指示等を受け付ける状態となり、視点位置の変更指示を受け付けた場合には、処理対象となっている各組の撮影画像データ毎に、注目視点位置をユーザにより指定された視点位置に変更した表示用俯瞰画像データを生成する。次いで、制御部62は、生成した複数の表示用俯瞰画像データから動画データを生成し、生成した表示用俯瞰画像データに基づく画像表示をディスプレイ66に行わせるから、視点位置の変更指示、他の画像の表示指示、画像表示の終了指示等を受け付ける状態に戻る。
【0152】
また、制御部62は、他の画像の表示が指示された際には、表示画像選択受付処理を再び実行する。そして、制御部62は、画像表示の終了が指示された際に、撮影画像表示処理を終了する。
【0153】
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)は、何組かの撮影画像データと、各組の撮影画像データから俯瞰画像データを生成するのに必要とされる情報(車両情報及び対応関係情報)とを記録媒体50に記録する機能を有している。従って、本実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)を車両に搭載しておけば、記録媒体50に記録された情報に基づき、当該車両に関する各種視点からの俯瞰画像をディスプレイに表示させることにより、事故や危険な運転をしてしまった原因を究明するといったことが可能となる。
【0154】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態に係る運転状況監視システムは、ドライブレコーダ30の構成及び機能のみが第1実施形態に係る運転状況監視システムと異なるシステムである。そのため、以下では、第1実施形態と同様の構成等については同じ符号を用いて同様の説明を省略し、第2実施形態に係る運転状況監視システムのドライブレコーダ30(以下、第2ドライブレコーダ30とも表記する)の構成、機能を中心に、第2実施形態に係る運転状況監視システムの構成、機能を説明する。
【0155】
第2ドライブレコーダ30(図2参照)は、第1実施形態に係る運転状況監視システムのドライブレコーダ30(以下、第1ドライブレコーダ30とも表記する)のRAM38よりも大容量のRAM38を備えている。
【0156】
また、第2ドライブレコーダ30内の制御部36は、第1ドライブレコーダ30内の制御部36と同様に、ナビゲーション装置10からの連携指示コマンドを受信すると、車両情報及び対応関係情報が俯瞰画像生成装置20から送信されてくるのを待機する。そして、制御部36は、車両情報及び対応関係情報を受信した際には、受信した情報を記録媒体50に記録する。
【0157】
ただし、第2ドライブレコーダ30内の制御部36は、車両情報等を記録媒体50に記録した後、上記したデータ記録処理ではなく、『俯瞰画像生成装置20から4種の撮影画像データと撮影日時情報が送信されてくる度に、それらを相互に関連づけた形で、予め定められているRAM38上の撮影画像データ用記憶領域に記録するデータ記憶処理』を開始する。尚、このデータ記憶処理は、最新の複数組の撮影画像データ及び撮影日時情報が撮影画像データ用記憶領域に記憶されているように、過去に記憶したデータを消去しながらデータを撮影画像データ用記憶領域に記憶する処理である。
【0158】
そして、制御部36は、連携停止指示コマンドを受信したときに、上記データ記憶処理を終了する。
【0159】
また、第2ドライブレコーダ30では、上記したものとは異なる内容(手順)の情報記録処理が実行される。
【0160】
図8に、第2ドライブレコーダ30内で実行される情報記録処理の流れ図を示す。
【0161】
この情報記録処理のステップS301〜S304の処理は、それぞれ、第1ドライブレコーダ30が実行する情報記録処理(図5参照)のステップS101〜S104と同内容の処理である。
【0162】
すなわち、第2ドライブレコーダ30における情報記録処理(図8)では、まず、画像データ(カメラ42による撮影結果)、サウンドデータ(マイク43による録音結果)及び運転データ(車速、加速度等からなるデータ)が、RAM38のリングバッファ領域に記憶される(ステップS301)。その後、ドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントが発生したか否かが判断され(ステップS302)、例えば、車両のイグニッションスイッチがオフにされると(ステップS302;YES)、この情報記録処理が終了されてドライブレコーダ30は動作を停止する。
【0163】
他方、ドライブレコーダ30の動作を停止させるイベントが発生していなければ(ステップS302;NO)、所定のイベントが発生したか否かが判断される(ステップS303)。そして、イベントが発生していなかった場合(ステップS303;NO)には、ステップS301以降の処理が再び実行される。
【0164】
また、或るイベントが発生していた場合(ステップS303;YES)には、イベント発生前後、又は、イベント発生後の所定時間分の画像データ、サウンドデータ及び運転データが、RAM38のリングバッファ領域から読み出される。そして、読み出された画像データ及びサウンドデータから動画データが生成され、生成された動画データ、及び、RAM38のリングバッファ領域から読み出された運転データが記録媒体50に記録される(ステップS304)。また、発生したイベントの種類(G検知、急減速等)を示す情報、イベントの発生日時を示す情報、及び、イベントの発生時における車両の位置データを含む運転内容情報も記録媒体50に記録される(ステップS304)。
【0165】
そして、第1ドライブレコーダ30における情報記録処理(図5)は、記録媒体50への情報の記録後、ステップS101からの処理が実行される処理であったが、第2ドライブレコーダ30における情報記録処理では、記録媒体50への情報の記録(ステップS304)後、連携動作中であるか否かが判断される(ステップS305)。このステップでは、上記内容のデータ記憶処理を実行中であるか否かにより、連携動作中であるか否かが判断される。
【0166】
そして、連携動作中でなかった場合(ステップS305;NO)には、ステップS301以降の処理が再び実行される。
【0167】
一方、連携動作中であった場合(ステップS305;YES)には、RAM38の撮影画像データ用記憶領域内の、イベント発生前後又はイベント発生後の上記所定時間分の撮影画像データ群及び撮影日時情報群が記録媒体50に記録される(ステップS306)。そして、そのような情報の記録媒体50への記録後、ステップS301以降の処理が再び実行される。
【0168】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)は、イベント発生時刻近傍の時間帯に取得された撮影画像データだけを記録媒体50に記録する構成を有している。そして、事故や危険な運転をしてしまった原因の究明に役に立つデータは、通常、イベント発生時刻近傍の時間帯に取得された撮影画像データである。従って、この第2実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)を車両に搭載しておけば、記録媒体50に記録された情報に基づき、当該車両に関する各種視点からの俯瞰画像をディスプレイに表示させることにより事故や危険な運転をしてしまった原因を究明することが可能となると共に、記録媒体50の記憶容量をより有効に利用できることになる。
【0169】
《第3実施形態》
以下、本発明の第3実施形態に係る運転状況監視システムの構成、機能を、第2実施形態に係る運転状況監視システムと異なる部分を中心に説明する。
【0170】
図9に、第3実施形態に係る運転状況監視システムが備えるドライブレコーダ30(以下、第3ドライブレコーダ30とも表記する)の構成を示す。
【0171】
本実施形態に係る運転状況監視システムは、第2実施形態に係る運転状況監視システム内のドライブレコーダ30(図2参照)を、図9に示されている構成を有する第3ドライブレコーダ30に置き換えた上で、カメラ42を除去したシステムである。
【0172】
この第3ドライブレコーダ30が備える画像処理回路37′は、フロントカメラ41Fが生成した画像データを、通常のカメラにより自車両の前方を撮影した画像を表す画像データに変換した上で、RAM38に予め確保されている前方画像データ記憶領域(図示略)に、当該前方画像データ記憶領域をリングバッファとして利用した形で記憶する回路で
ある。
【0173】
そして、第3ドライブレコーダ30内の制御部36は、俯瞰画像生成装置20からの各撮影画像データをRAM38の撮影画像データ用記憶領域内に記憶する際に、フロントカメラ41Fの撮影結果を示す撮影画像データを複製して画像処理回路37′に供給する処理も行うように構成(プログラミング)されている。
【0174】
以上の説明から明らかなように、この第3実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)は、各組の撮影画像データから俯瞰画像データを生成するのに必要とされる情報とを記録媒体50に記録する構成であって、カメラ42を設けなくても、自車両の前方の様子を記録媒体50に記録できる構成を有している。
【0175】
従って、第3実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)は、第2実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)と同様の作用効果を奏する、第2実施形態に係る運転状況監視システム(ドライブレコーダ30)よりも低コストで実現可能なシステムとなっていると言うことが出来る。
【0176】
《変形形態》
上記した各実施形態に係る運転状況監視システムは、各種の変形を行えるものである。例えば、各実施形態に係る運転状況監視システムの俯瞰画像生成装置20を、各組の撮影画像データを、動作中は、常時、ドライブレコーダ30に送信する装置に変形することが出来る。また、俯瞰画像生成装置20を、撮影画像データではない俯瞰画像関連データ(合成画像データ、俯瞰画像データ、表示画像信号、表示画像信号をデジタル化したデータ等)をドライブレコーダ30に送信する装置や、複数種類の俯瞰画像関連データ(例えば、合成画像データ及び俯瞰画像データ)をドライブレコーダ30に送信する装置に変形することが出来る。ただし、任意視点からの俯瞰画像を表示(再生)できるようにしておくために、各組の撮影画像データ(或いは結合画像データ)か合成画像データが、記録媒体50に記録されるようにしておくことが望ましい。
【0177】
また、第2、第3実施形態に係る運転状況監視システム内のドライブレコーダ30を、発生を検出したイベントがG検知イベントであった場合、1組の撮影画像データ中の加速度センサ33によって検出された加速度の向きとは反対方向のカメラ41による1つ又は2つの撮影画像データが記録媒体50に記録されるシステムに変形することも出来る。また、各実施形態に係る運転状況監視システムは、俯瞰画像生成装置20が自発的にドライブレコーダ30に撮影画像データ等を送信するシステムであったが、各実施形態に係る運転状況監視システムを、ドライブレコーダ30から要求されたときに俯瞰画像生成装置20が撮影画像データ等を返送するシステムに変形することも出来る。
【0178】
さらに、第1実施形態に係る運転状況監視システムを、所定の条件(例えば、車速が規定速度以下等)を満たす場合にのみ、撮影画像データ等が記録媒体50に記録されるシステムに変形することも出来る。尚、そのような運転状況監視システムは、俯瞰画像生成装置20を所定の条件を満たす場合にのみ撮影画像データ等をドライブレコーダ30の送信する装置に変形することによっても、ドライブレコーダ30を所定の条件を満たす場合にのみ、俯瞰画像生成装置20からの撮影画像データ等を記録媒体50に記録する装置に変形することによっても、実現することが出来る。
【0179】
また、上記した運転内容評価装置60についても、様々な変形を行うことが出来る。例えば、運転内容評価装置60を、記録媒体50上の情報をデータベースに記憶することなく、記録媒体50上の情報に基づき、俯瞰画像表示や運転内容の評価を行う装置に変形することが出来る。
【0180】
次に、ドライブレコーダの記録画像を俯瞰画像で再生する方法の3パターンについて、その基本的方法、および効果について説明する。
【0181】
[パターンA]
パターンAは、図10の[A]に示すように、ドライブレコーダのメモリカードに俯瞰画像生成装置が生成した俯瞰画像データ(車載表示装置に表示した俯瞰画像の画像データ)を記録するもので、俯瞰画像データと共に、走行データ(速度,加速度等)や運転データ(アクセル,ギア,ハンドル等の運転操作等)が、時刻データに関連付けられて記録される。
【0182】
ドラレコ再生装置は、装着(接続)されたメモリカードに記録された俯瞰画像データを読み込み俯瞰画像を表示する。また、俯瞰画像データと共に記録された走行データや運転データを読み込み、俯瞰画像と共に走行状態や運転状態を時刻に関連づけて、例えば横軸を時間軸とし、各時間における速度や加速度をグラフ表示したり、過大な加速度発生等のイベントの発生時刻にマークを表示する等の表示を行う。また、走行データや運転データ、また時刻、あるいはイベントのデータに基づき、各種事象の発生時刻を検索し、検索された時刻付近の俯瞰画像、走行データや運転データを表示する。尚、俯瞰画像(動画)を表示する際には、俯瞰画像の該当時刻を時間軸上(グラフ上)を当該時刻に同期して移動するマーク等で表示するのが好ましい。
【0183】
このパターンAの方法では、実運転時に表示されていた画像そのものが表示される、つまり実運転時における表示画像そのものを再現できると言う特徴がある。
【0184】
[パターンB]
パターンBは、図10の[B]に示すように、ドライブレコーダのメモリカードに各カメラ画像(あるいはこれらを1画像に合成した画像)を記録するもので、カメラ画像データと共に、走行データ(速度,加速度等)や運転データ(アクセル,ギア,ハンドル等の運転操作等)が、時刻データに関連付けられて記録される。また、俯瞰画像生成に必要なパラメータ(各カメラの取付位置や撮影方向等のデータ)も合わせてメモリカードに記録される。尚、これらパラメータは、俯瞰画像生成装置における俯瞰画像生成処理で用いられるパラメータと同一で、ドラレコ再生装置には、俯瞰画像生成装置と同じアルゴリズムの俯瞰画像生成プログラムが記憶され、俯瞰画像生成時にはこれらパラメータを使用することにより、俯瞰画像生成装置と同じ俯瞰画像が生成されることになる。
【0185】
ドラレコ再生装置は、装着(接続)されたメモリカードに記録された各カメラの画像データと俯瞰画像生成パラメータに基づき俯瞰画像を生成して表示する。また、カメラ画像データと共に記録された走行データや運転データを読み込み、生成した俯瞰画像と共に走行状態や運転状態を時刻に関連づけて、例えば横軸を時間軸とし、各時間における速度や加速度をグラフ表示したり、過大な加速度発生等のイベントの発生時刻にマークを表示する等の表示を行う。また、走行データや運転データ、また時刻、あるいはイベントのデータに基づき、各種事象の発生時刻を検索し、検索された時刻付近の俯瞰画像、走行データや運転データを表示する。尚、俯瞰画像(動画)を表示する際には、俯瞰画像の該当時刻を時間軸上(グラフ上)を当該時刻に同期して移動するマーク等で表示するのが好ましい。
【0186】
このパターンBの方法では、実運転時に表示されていた画像以外の俯瞰画像(視点を変えた俯瞰画像、俯瞰画像が表示されていなかった実運転時の時刻に対する俯瞰画像)や特定のカメラ画像等、いろいろなパターンで画像を表示できると言う特徴がある。
【0187】
[パターンC]
パターンCは、図10の[C]に示すように、ドライブレコーダのメモリカードに俯瞰画像作成用の投影画像データ(視点を決めて俯瞰画像を生成する元になる画像)を記録するもので、投影画像データと共に、走行データ(速度,加速度等)や運転データ(アクセル,ギア,ハンドル等の運転操作等)が、時刻データに関連付けられて記録される。また、俯瞰画像生成に必要なパラメータ(視点変換用のデータ)も合わせてメモリカードに記録される。尚、これらパラメータは、俯瞰画像生成装置で用いられるパラメータと同一で、ドラレコ再生装置には、俯瞰画像生成装置と同じアルゴリズムの俯瞰画像生成プログラム(投影画像データ生成後のプログラム)が記憶され、俯瞰画像生成時にはこれらパラメータが使用することにより、俯瞰画像生成装置と同じ俯瞰画像が生成されることになる。
【0188】
ドラレコ再生装置は、装着(接続)されたメモリカードに記録された投影画像データと俯瞰画像生成パラメータに基づき俯瞰画像を生成して表示する。また、投影画像データと共に記録された走行データや運転データを読み込み、生成した俯瞰画像と共に走行状態や運転状態を時刻に関連づけて、例えば横軸を時間軸とし、各時間における速度や加速度をグラフ表示したり、過大な加速度発生等のイベントの発生時刻にマークを表示する等の表示を行う。また、走行データや運転データ、また時刻、あるいはイベントのデータに基づき、各種事象の発生時刻を検索し、検索された時刻付近の俯瞰画像、走行データや運転データを表示する。尚、俯瞰画像(動画)を表示する際には、俯瞰画像の該当時刻を時間軸上(グラフ上)を当該時刻に同期して移動するマーク等で表示するのが好ましい。
【0189】
尚、このパターンCの方法では、実運転時に表示されていた画像以外の俯瞰画像(視点を変えた俯瞰画像、俯瞰画像が表示されていなかった実運転時の時刻に対する俯瞰画像)等、パターンBよりはやや自由度が低いものの、いろいろなパターンで画像を表示できると言う特徴がある。
【符号の説明】
【0190】
10 ナビゲーション装置
11、66 ディスプレイ
12、45 操作部
14、23、36、62 制御部
16、25、39 不揮発性メモリ
20 俯瞰画像生成装置
21 画像処理部
30 ドライブレコーダ
50 記録媒体
60 運転内容評価装置
64 入出力部
65 カードスロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付けられている複数のカメラからの複数の画像データに基づき、当該車両周辺についての俯瞰画像を表す俯瞰画像データを生成する俯瞰画像生成手段と、
前記車両に対するイベントの発生を検出し、当該検出されたイベントの発生時間を示す情報を記録媒体に記録する運転状況記録手段と、
前記俯瞰画像生成手段から、前記俯瞰画像データ、前記複数のカメラからの前記複数の画像データ及び前記俯瞰画像データの生成過程で生成される画像データの中の少なくとも1種の画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データ取得手段により取得された前記少なくとも1種の画像データを、前記複数のカメラによる画像データの生成時刻と対応づけてメモリカードに記録する画像データ記録手段と、
を備えることを特徴とする運転情報記録装置。
【請求項2】
前記画像データ取得手段は、
前記俯瞰画像データの生成過程で生成される複数の画像データを合成した画像データを前記俯瞰画像生成手段から取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の運転情報記録装置。
【請求項3】
車両周囲を撮影するカメラにより撮影される複数の画像を合成処理して車両周囲の俯瞰画像を表示する俯瞰画像表示部と、車両周囲画像の画像データを記録するドライブレコーダ部と、ドライブレコーダ部により記録された画像データに基づき車両周囲の画像を表示するドラレコ画像再生部とを備えた車両周囲画像再現システムにおいて、
前記ドライブレコーダ部は、前記俯瞰画像表示部の合成した俯瞰画像の俯瞰画像データを記録媒体に記録し、
前記ドラレコ画像再生部は、前記記録媒体に記録された俯瞰画像データに基づき俯瞰画像を表示することを特徴とする車両周囲画像再現システム。
【請求項4】
車両周囲を撮影するカメラにより撮影される複数の画像を合成処理して車両周囲の俯瞰画像を表示する俯瞰画像表示部と、車両周囲画像の画像データを記録するドライブレコーダ部と、ドライブレコーダ部により記録された画像データに基づき車両周囲の画像を表示するドラレコ画像再生部とを備えた車両周囲画像再現システムにおいて、
前記ドライブレコーダ部は、前記カメラにより撮影されたカメラ画像のカメラ画像データと、前記俯瞰画像表示部による俯瞰画像生成に用いられる俯瞰画像パラメータとを記録媒体に記録し、
前記ドラレコ画像再生部は、前記記録媒体に記録されたカメラ画像データと俯瞰画像パラメータに基づき俯瞰画像生成し、当該生成した俯瞰画像を表示することを特徴とする車両周囲画像再現システム。
【請求項5】
車両周囲を撮影するカメラにより撮影される複数の画像を合成処理して車両周囲の俯瞰画像を表示する俯瞰画像表示部と、車両周囲画像の画像データを記録するドライブレコーダ部と、ドライブレコーダ部により記録された画像データに基づき車両周囲の画像を表示するドラレコ画像再生部とを備えた車両周囲画像再現システムにおいて、
前記ドライブレコーダ部は、前記俯瞰画像表示部における俯瞰画像生成処理過程で生成される投影画像の投影画像データと、前記俯瞰画像表示部による前記投影画像から俯瞰画像生成に用いられる投影後パラメータとを記録媒体に記録し、
前記ドラレコ画像再生部は、前記記録媒体に記録された投影画像データと投影後パラメータに基づき俯瞰画像生成し、当該生成した俯瞰画像を表示することを特徴とする車両周囲画像再現システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−253609(P2012−253609A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125483(P2011−125483)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】