説明

過冷却浮遊水滴のための飛行中に働く複数視野の検出器

【課題】本装置は、浮遊水滴の存在を検出し、かつ、レーザビームが雲を貫通したとき、そのビームの横方向散乱を測定することによって、それら水滴の直径のプロファイルを反映した情報を提供する。
【解決手段】飛行中に働く複数視野の水滴センサは、照射部と検出部とを備える。照射部は、光ビームを出力するように構成された、第1の光学的ビームエミッタを備える。検出部は、後方散乱光の第1の部分を、サークルツウライン変換器の内側反射面に向けて導くように構成された万華鏡と、サークルツウライン変換器によって反射された光を受光するように構成された、少なくとも第1の検出器を有する複数視野のサブシステムと、後方散乱光の第2の部分を受光するように構成された単一視野のサブシステムとを備え、第2の部分は、サークルツウライン変換器によって反射されていない。単一視野のサブシステムは、単一視野中の情報に基づき、液体水滴と氷晶の間を区別するためのデュアルチャネル円偏光検出器を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊液体水滴を検出するための航空機搭載の飛行中に働くセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
浮遊水滴の検出および水滴サイズに従ったそれらの分類は、飛行中に働く着氷状態検出器の重要な機能である。膨らませて使う防護カバーなど、航空機上の現在の防除氷装置は、小さな水滴(たとえば、直径の平均値が<50μm)からの氷の蓄積に対して申し分なく適しているが、衝突する水滴が大きいとき、氷の蓄積を防ぐことができない恐れがある。
【0003】
具体的には、過冷却の大きい水滴(SLD:supercooled large droplet)を正しく識別する能力は、着氷状態センサに求められるクリティカルな安全機能として、迅速に認められることになりつつある。SLDは、通常、直径が40μmより大きく、温度が水の氷結温度よりかなり低い。SLDが飛行機の翼の前縁に当たったとき、SLDは、前縁を越えて転がり、防氷装置がアクセスできないが、航空機の制御にクリティカルな位置で氷結しがちである。過冷却の大きい水滴は、1994年、インディアナ州ローズローン(Roselawn)で起きたATR−72の致命的な墜落事故など、いくつかの航空機事故を引き起こしていると考えられる。
【0004】
散乱場所の密度が高い(雲など)、柔軟な目標物をレーザビームによって調べたとき、それらは、複数の散乱を生じることになる。複数の散乱のために、光線は、ライダー受光器に戻る前に、2つ以上の散乱事象を被る。ライダーの複数の散乱のほとんどの解析は、検出された光線のそれぞれが、多数の小角度の前方散乱(ライダーから離れて伝搬し、およびそれに向かって伝搬する両方の間に)、およびライダー受光器に向かうその後方散乱に関与する、1つの単一の大角度(〜180°)の散乱事象を被る。小角度の前方散乱は、粒子のまわりの光の回折に主に起因し、これらの小角度は、レーザビームが柔軟な目標物を貫通したとき、受光される光の視野を増加させることに大いに関与する。複数の散乱の過程では、光線が、横方向に拡散し、受光される視野は、柔軟な目標物を構成する散乱粒子のサイズ分布および密度に依存して、レーザの発散を越えて拡大することになる。
【0005】
粒子直径(d)、レーザ波長(λ)および前方散乱回折角(β)の間の一般的関係は、次のようである。
【0006】
【数1】

【0007】
これは、水滴直径と散乱角度の間の単比例関係である。しかし、雲内では、水滴のサイズ分布が存在し、散乱角度は、この分布に従って変化することになる。しかし、一般的に言うと、小さな粒子は、大きな散乱角度を生じ、逆も同様である。
【0008】
図1に、ライダービームが、受光器52から距離Rに位置する雲50中に距離xだけ貫通したときの視野の簡単化した図を示す。散乱角度がβである場合、視野θは、次の式から得ることができる。
【0009】
【数2】

【0010】
、ただしθおよびβが小さい極限の場合 (2)
【0011】
R=1000m、x=200m、λ=1μm、およびd=5μm(水の雲の典型的な例)の場合、視野θは、ほぼ40mradであり、それは、従来技術による複数視野のライダーシステムが用いる最大の視野に対応する。しかし、過冷却の大きい水滴の場合、水滴サイズは、50μmから100μmを超える範囲である。水滴が40μmの雲中では、視野は、5mradまで減少し、100μm以上の場合、視野は、2mradより小さい。視野の水滴サイズとの逆比例関係は、互いに密接に凝集した、大きな水滴によって生成される複数の視野が、レーザビームの発散によって自然に生成される単一散乱の視野に近づくことを意味する。
【0012】
図2に、後方散乱光を反射する水滴によって生成された複数の視野が、どのように焦点面に現れるのか示す。出射する平行光ビーム54が水滴を照射し、水滴からの後方散乱光56が1つまたは複数の受光器レンズ58を通過し、その後、後方散乱光は、その全体が60で示される、光軸Aに沿って配置された検出器の領域中で受光される。検出器の焦点面62の上側半分において、複数視野が、その全体を64で示す同心リングにマッピングされる。
【0013】
複数視野(MFOV:multiple field−of−view)検出器の背後にあるコンセプトは、複数の検出器要素を受光器オプティックの焦点面中に配置し、様々な視野からの後方散乱を同時に測定するということである。焦点面では、様々なFOV(field−of−view:視野)が、異なる空間位置を占め、光軸からの距離(y)が、次の関係に従ってFOVに比例する。
y=f・θ (3)
【0014】
ただし、fは、受光器オプティックの焦点距離である。直径が2インチ(5.08cm)で、受光器レンズがf/2.5であるライダーの場合、変位が、ライダーの光軸に対して角度0.5mrad毎に63μmである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5,239,352号明細書
【特許文献2】米国特許第4,893,003号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1に、MFOVライダー後方散乱を検出するための、従来技術による受光器が開示されている。図3および4に、この従来技術による受光器71が、光軸74を有する受光器オプティック72の焦点面「f」中に配置された、複数要素の放射線検出器73を有していることを示す。検出器73は、いくつかの同心円形シリコン検出器要素(PINダイオード)73−1、73−2、73−3および73−4からなる。4つの別々の検出器要素があることの結果として、受光器71は、いくつかの視野間で、受光された後方散乱放射線の信号を区別することができる。ライダーのレーザビームの発散より大きい、いずれかの視野について受光された後方散乱信号は、複数の散乱に起因する。
【0017】
検出器要素の帯域幅は、ビームが雲を貫通したとき、5メートルより小さいレンジ分解能を確保するように十分広い。この検出器中では、それぞれの検出器要素が視野の所与の範囲にわたって信号を積分し、単一値を生成する。4つの同心検出器要素は、次の視野をカバーする。
73−1 0〜3.75mrad
73−2 3.75〜12.5mrad
73−3 12.5〜25.0mrad
73−4 25.0〜37.5mrad
【0018】
検出器要素73−1は、全体の単一散乱信号と、その上多少の複数の散乱を測定し、検出器要素73−2から73−4は、複数の散乱だけを測定する。しかし、過冷却の大きな水滴の検出には、3.75mradに固定されたFOVを限界にすることができる。というのは、役立つ散乱情報のほとんどが、この単一FOV内に完全に含まれることになり得、また、このFOVは、単一散乱信号全体を含むからである。したがって、大きな水滴に起因する複数の散乱を、単一散乱に起因する複数の散乱から識別する方法がない。さらに、FOVは、固定され、再構成することができない。
【0019】
特許文献2に、ファブリーペロー干渉計(Fabry−Perot interferometer)とともに使用される、サークルツウライン干渉計光学システム(CLIO:circle−to−line interferometer optical system)が開示されている。図5および6に見られるように、CLIOシステムは、内側円錐形反射面81を備える円錐形反射器セグメント80を備える。円錐形反射面81は、ファブリーペロー干渉計によって生成された円形干渉縞情報82を含む入射平行光線83を反射するように方向付けされる。光線83は、円錐形反射器セグメント80の円錐軸84に実質的に平行な方向に伝搬する。円形干渉縞情報82は、反射された光線83が、分光分析に使用される種類の電荷結合素子など、従来の線形アレイの検出器87によって受光されたとき、線形情報に変換される。干渉計の干渉縞の半径は、干渉計の反射面の間隔、分光計中に光を反射する粒子の速度、光の波長によって、および干渉計に入る光の位相コヒーレンスによって決定される。円錐の頂点は、円錐軸84が円形干渉縞パターン82の焦点面と交わるところに位置付けることができる。検出された円形干渉縞パターン82の方位角は、ミラー85の所定の配列を備える遠隔万華鏡86(図6)を使用して減少させることができる。反射面81を有する直角の円錐は、円形干渉縞情報を、検出器87が配置された平面P上にラインとして反映する。図7に見られるように、入射角θiは、反射角θrで平面P上に反射され、それによって、円錐の頂点Vからの距離xにおいて検出される、円錐に入る円の半径yにおける情報と1対1のマッピングが生成される。したがって、交番する明るい領域と暗い領域を含む入射円形干渉縞情報が、線形アレイの検出器87に沿った交番する明るい領域と暗い領域として検出される。
【課題を解決するための手段】
【0020】
一般的に言うと、本発明は、照射部および後方散乱光の検出部を備える、浮遊水滴センサを対象とする。本装置は、浮遊水滴の存在を検出し、かつ、レーザビームが雲を貫通したとき、そのビームの横方向散乱を測定することによって、それら水滴の直径のプロファイルを反映した情報を提供する。本装置が「大きな」水滴の存在を検出したとき、本装置は、その検出事項をプロセッサに伝えることができ、また、プロセッサは、外気温度を受け取り、水滴が過冷却の大きい水滴であると見なすことができるかどうかを決める。そうであった場合、関連したコンピュータが、パイロットに警報を送る、またはその状況に適したものになることができる、どのような防氷装置でも始動させるなど、適切な処置を取る。
【0021】
一態様では、本発明は、照射部と検出部とを備える、飛行中に働く複数視野の水滴センサを対象とする。照射部は、光ビームを出力するように構成された第1の光学的ビームエミッタを備える。検出部は、前記光ビームによって照射された水滴からの後方散乱光が、そこを通過することを許すように構成されたウインドウと、前記後方散乱光が前記ウインドウを通過した後、その後方散乱光を合焦させるように構成された第1のレンズと、第1のレンズを通過した後方散乱光の第1の部分をサークルツウライン変換器(circle−to−line converter)の内側反射面に向けて導くように構成された万華鏡と、サークルツウライン変換器によって反射された光を受光するように構成された、少なくとも第1の検出器を備える複数視野(multiple field−of−view)のサブシステムと、第1のレンズを通過した後方散乱光の第2の部分を受光するように構成された単一視野(single field−of−view)のサブシステムとを備え、第2の部分は、サークルツウライン変換器によって反射されていない。
【0022】
単一視野のサブシステムは、水と氷晶の間を識別するために、円偏光された光を使用することができる。そのような場合、照射部は、光ビームを受光し、直線偏光された照射ビームを出力するように構成された第1の直線偏光子と、直線偏光された照射ビームを受光し、円偏光された照射ビームを出力するように構成された第1の円偏光要素とをさらに備える。さらに、検出部は、ウインドウを通過した円偏光された後方散乱光を受光し、直線偏光された後方散乱光を出力するように構成された第2の円偏光要素と、直線偏光された後方散乱光を、第1の成分の直線偏光された後方散乱光および第2の成分の直線偏光された後方散乱光に分光するように構成された第1の偏光ビームスプリッタと、第1の成分の直線偏光された後方散乱光を検出し、それに応答して第1の信号を出力するように構成された第1の成分の光検出器と、第2の成分の直線偏光された後方散乱光を検出し、それに応答して第2の信号を出力するように構成された第2の成分の光検出器と、第1の成分の光検出器および第2の成分の光検出器によってそれぞれ出力された第1の信号および第2の信号を受け取り、前記第1の信号および第2の信号に基づき、氷の状態を反映した、少なくとも1つのパラメータを計算するように構成されたプロセッサとをさらに備える。
【0023】
本発明は、次のパラグラフの形で整理することができる。
【0024】
パラグラフ1:
飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
照射部であって、
光ビームを出力するように構成された第1の光学的ビームエミッタを備える、照射部と、
検出部であって、
前記光ビームによって照射された水滴からの後方散乱光が、そこを通過することを許すように構成されたウインドウ、
前記後方散乱光が前記ウインドウを通過した後、その後方散乱光を合焦させるように構成された第1のレンズ、
第1のレンズを通過した後方散乱光の第1の部分を、サークルツウライン変換器の内側反射面に向けて導くように構成された万華鏡、
サークルツウライン変換器によって反射された光を受光するように構成された、少なくとも第1の検出器を備える複数視野のサブシステム、および
第1のレンズを通過した後方散乱光の第2の部分を受光するように構成された単一視野のサブシステムを備える、検出部とを備え、
第2の部分は、サークルツウライン変換器によって反射されていない。
【0025】
パラグラフ2:
パラグラフ1に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
サークルツウライン変換器の内側反射面と第1の検出器の間に配置されたファイバ光学プレートであって、そのファイバ光学プレートは、サークルツウライン変換器によって反射された光学像を転送するように構成される、ファイバ光学プレートをさらに備える。
【0026】
パラグラフ3:
パラグラフ1乃至2のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
複数視野のサブシステムは、第2の検出器であって、その第2の検出器は、また、サークルツウライン変換器によって反射された光を受光するように構成される、第2の検出器をさらに備え、
第2の検出器は、第1の検出器によって検出される視野角より大きい視野角に対応して、反射された後方散乱光を検出するように構成される。
【0027】
パラグラフ4:
パラグラフ3に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
第1の検出器および第2の検出器のそれぞれが、検出器要素の線形アレイを備える。
【0028】
パラグラフ5:
パラグラフ1乃至4のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
サークルツウライン変換器の焦点面と第1の検出器の間に配置された光学的要素の第1のセットであって、その光学的要素の第1のセットは、サークルツウライン変換器からの小さな視野の反射を増幅する、光学的要素の第1のセットと、
サークルツウライン変換器の焦点面と第2の検出器の間に配置された光学的要素の第2のセットとをさらに備える。
【0029】
パラグラフ6:
パラグラフ5に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
光学的要素の第1のセットは、
少なくとも2つのレンズと、
2つのレンズの間に介装された帯域通過フィルタとを備える。
【0030】
パラグラフ7:
パラグラフ1乃至6のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
サークルツウライン変換器は、勾配が変動する先細エリアを備え、
頂点に近い、先細エリアの内側反射面の勾配が1.0未満である。
【0031】
パラグラフ8:
パラグラフ1乃至7のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
単一視野のサブシステムは、ビームストップを備える。
【0032】
パラグラフ9:
パラグラフ1乃至8のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
単一視野のサブシステムは、フォトダイオードを備える。
【0033】
パラグラフ10:
パラグラフ1乃至9のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
第1のレンズと単一視野のサブシステムの間に介装された平行化レンズをさらに備え、
平行化レンズの位置は、センサの光軸に沿って軸方向に調節可能である。
【0034】
パラグラフ11:
パラグラフ1乃至10のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
第1の光学的ビームエミッタは、
その出力が直線偏光される発光ダイオードと、
レーザとからなる群の少なくとも1つを備える。
【0035】
パラグラフ12:
パラグラフ1乃至11のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
センサの光照射軸に沿って光ビームを反射するように構成された反射器をさらに備える。
【0036】
パラグラフ13:
パラグラフ1乃至12のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
複数視野のサブシステムおよび前記単一視野のサブシステムによって出力された信号を受け取り、かつ、2つのサブシステムからの前記信号に基づき、水滴の状態を反映した、少なくとも1つのパラメータを計算するように構成されたプロセッサをさらに備える。
【0037】
パラグラフ14:
パラグラフ1乃至13のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
単一視野のサブシステムは、水と氷晶の間を識別するために、円偏光された光を用いる。
【0038】
パラグラフ15:
パラグラフ1乃至14のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
照射部は、
光ビームを受光し、直線偏光された照射ビームを出力するように構成された第1の直線偏光子と、
直線偏光された照射ビームを受光し、円偏光された照射ビームを出力するように構成された第1の円偏光要素とをさらに備え、
検出部は、
ウインドウを通過した、円偏光された後方散乱光を受光し、直線偏光された後方散乱光を出力するように構成された第2の円偏光要素と、
直線偏光された後方散乱光を、第1の成分の直線偏光された後方散乱光および第2の成分の直線偏光された後方散乱光に分光するように構成された第1の偏光ビームスプリッタと、
第1の成分の直線偏光された後方散乱光を検出し、それに応答して第1の信号を出力するように構成された第1の成分の光検出器と、
第2の成分の直線偏光された後方散乱光を検出し、それに応答して第2の信号を出力するように構成された第2の成分の光検出器と、
第1の成分の光検出器および第2の成分の光検出器によってそれぞれ出力された第1の信号および第2の信号を受け取り、かつ前記第1の信号および第2の信号に基づき、氷の状態を反映した、少なくとも1つのパラメータを計算するように構成されたプロセッサとをさらに備える。
【0039】
パラグラフ16:
パラグラフ15に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
第1の偏光ビームスプリッタと第1の成分の光検出器の間に介装された第2の直線偏光子であって、その第2の直線偏光子は、第1の成分の光検出器による検出に先立ち、第1の成分の直線偏光された後方散乱光をさらに直線偏光するように構成される、第2の直線偏光子をさらに備える。
【0040】
パラグラフ17:
パラグラフ15または16に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
第1の円偏光要素は、第1の4分の1波長板を備え、
第2の円偏光要素は、第2の4分の1波長板を備える。
【0041】
パラグラフ18:
パラグラフ15乃至17のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
センサの光照射軸に沿って円偏光された照射ビームを反射するように構成された反射器と、
第1の偏光ビームスプリッタと第1の成分の光検出器の間に介装された第2の直線偏光子であって、その第2の直線偏光子は、第1の成分の光検出器による検出に先立ち、第1の成分の直線偏光された後方散乱光をさらに直線偏光するように構成される、第2の直線偏光子と、
第1の成分の光検出器および第2の成分の光検出器によってそれぞれ出力された第1の信号および第2の信号を受け取り、かつ前記第1の信号および第2の信号に基づき、氷の状態を反映した、少なくとも1つのパラメータを計算するように構成されたプロセッサとをさらに備える。
【0042】
パラグラフ19:
パラグラフ18に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサは、
ウインドウと第2の円偏光要素の間に介装された第1のレンズと、
第1の直線偏光子と第1の成分の光検出器の間に介装された第2のレンズと、
第2の直線偏光子と第2の成分の光検出器の間に介装された第3のレンズと、
第1のレンズと第2の円偏光要素の間に介装された平行化レンズとをさらに備える。
【0043】
パラグラフ20:
パラグラフ19に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサでは、
第2のレンズおよび第3のレンズは、コンデンサレンズであり、
平行化レンズの位置は、センサの光軸に沿って軸方向に調節可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】雲中での複数の散乱の形状を示す図である。
【図2】水滴によって生成された複数の視野が、焦点面上の複数の同心リング上にどのようにマッピングされるのかを示す図である。
【図3】特許文献1に開示された、大気の後方散乱を検出するための従来技術による複数視野の検出器の透視側面図である。
【図4】同心検出器要素を示して、図3の従来技術による検出器の焦点面を示す図である。
【図5】特許文献2に開示された、従来技術による円錐形サークルツウライン干渉計検出器を示す図である。
【図6】図5の検出器と組み合わされた万華鏡状のミラーアセンブリを示す図である。
【図7】図5の検出器上への入射干渉縞パターンのマッピングを示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による、後方散乱光を検出するためのシステムを示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による円錐形反射器を示す図である。
【図10】図9の円錐形反射器に関し、完全なMFOV光線軌跡パターンを示す図である。
【図11】図9の円錐形反射器に関し、小角度のMFOVを求める検出器のピクセルを示す図である。
【図12】図9の円錐形反射器に関し、大角度のMFOVを求める検出器のピクセルを示す図である。
【図13】本発明の一実施形態による、先細の円錐形反射器の頂点領域を示す図である。
【図14】図13の先細の円錐形反射器の横方向断面を示す図である。
【図15】図13の先細の円錐形反射器に関し、完全なMFOV光線軌跡パターンを示す図である。
【図16】本発明による、MFOV検出器アセンブリの一実施形態を示す図である。
【図17】本発明による、MFOV検出器アセンブリの別の実施形態を示す図である。
【図18】浮遊水分の検出のためのデュアルチャネル円偏光センサの概略図である。
【図19】図18のデュアルチャネル円偏光センサに対応した、例示のレイアウトを示す図である。
【図20】図16のMFOV検出器アセンブリおよびデュアルチャネル偏光センサを備える、統合システムの一実施形態を示す図である。
【図21】図17のMFOV検出器アセンブリおよびデュアルチャネル偏光センサを備える、統合システムの別の実施形態を示す図である。
【図22】図16のMFOV検出器アセンブリおよび照射部を備える、単独型MFOVシステムの一実施形態を示す図である。
【図23】図17のMFOV検出器アセンブリおよび照射部を備える、単独型MFOVシステムの別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
上述した特許文献1および特許文献2は、参照によって、本発明を理解するために必要となる範囲で本明細書に組み込まれるものとする。
【0046】
一般に、関連性がある水滴サイズの情報の大部分は、レーザビームの発散角に近接する、狭い範囲の角度内に含まれる。
【0047】
図8に、水滴からの後方散乱光を検出するためのシステム100について、全体的なコンセプトを示す。後方散乱光102は、最初、光学的に透明なウインドウ(図示せず)を通過し、次いで、合焦レンズ108がその後に続く平行化レンズ106を備えることができる受光器オプティックを通過することができる。合焦された後方散乱光110の一部分は、円錐形反射器114の円錐形内側反射面112に突き当たり、その反射器は、サークルツウライン変換器(CLC:circle−to−line converter)として作用し、合焦された後方散乱光110を平面検出器120上に反射し、その検出器は、焦点面中に配置され、一実施形態では検出器要素の線形アレイを備える。
【0048】
直角サークルツウライン変換器
図9に、システム100中で用いることができる種類のCLC114の一実施形態を示す。説明の目的で、図9のCLCは、円錐軸Aを含む焦点面Pのまわりで対称である、完全な円錐として描かれていることを理解されたい。そのように、CLCは、完全な円錐として形成し、次いで、厚さが0.1mmなど、最小限の材料損失を想定して、焦点面Pに沿って2つにスライスすることができる。
【0049】
CLC114は、円錐半径がRcのベース126、所定の壁厚さがtcで円錐高さがHcである円錐形壁126、および頂点130を有する。一実施形態では、円錐半径Rcは、25.4mmであり、壁厚さtcは、5mmであり、円錐高さHcは、25.4mmである。頂点130は、頂角εを有する。一実施形態では、頂角εは、ε=90°±0.5°など、許容誤差が限定された直角であり、したがって45°の円錐角を与える。反射面112は、円錐軸Aに沿った一定の勾配mを有する、つまり円錐角が45°なので、勾配m=1である。
【0050】
反射面112は、高度に反射性である(たとえば、1550nmなどの関心がある波長および入射角45°において、>95%、または実に>98%である)。さらに、表面形状(60/40またはそれより良い)によって、可視波長および近赤外線波長において良好な光学品質が確保される。円錐を製造する、いくつかの考えられる方法は、金属基材のワイヤ放電加工(EDM)、精密加工されたマンドレルの上での金属円錐の電鋳法、および金属(好ましくはアルミニウム)基材のダイヤモンドによる旋盤加工である。円錐が製作された後、それは、保護されたアルミニウムまたは金など、適切な反射面で覆われる。
【0051】
いくつかの実施形態では、頂点130の近くに、光学的に透明な開口132が存在し、それは、長さdAだけ円錐軸Aに沿って頂点130から延在する。頂角が約90°のCLC114では、光学的に透明な開口132の直径d0は、おおよそ2dAである。光学的に透明な領域132は、反射性材料を欠いており、したがって円錐軸Aに沿ってCLC114に入る光が、焦点面に向けて反射されるよりむしろ頂点130を通過することが可能になる。いくつかの実施形態では、光学的に透明な開口132は、円錐軸Aに沿った長さ寸法dAが、約0.05mmである。
【0052】
検出器120によって検出されるラインに変換される円形リング(図2参照)が、雲または霧の媒体内の光の散乱から生成される。光の波長、水滴のサイズ分布および水滴密度は、CLC114に入る光の半径方向の広がりに影響を及ぼす。
【0053】
表1に、円錐頂点132に対して、様々な視野によって生成されるラインの位置を示す。視野は、当初、1度の4分の1の分数で指定され、後に、mradに変換され、これは、その非整数の指定をmradで示す。長さL=5mmの線形アレイのセンサ120が、CLC114のために、FOVの全範囲を捉えるのに十分である。しかし、小さなFOV(すなわち、頂点130に近い)において要求される分解能は、困難だがやりがいのあるものになり得る。というのは、過冷却の大きい水滴が、5mradより小さいFOVを生じる可能性があり、それは、円錐頂点から始めの0.75mm内にすべて含まれるからである。線形アレイのセンサ120を覆う保護の光学ウインドウを取り除き、起こり得る汚染に検出器要素を晒すことに気が進まない場合、焦点面の中継画像化または束ねたファイバの画像転送装置の使用などの選択肢が、適切な代替方法になることができる。
【0054】
【表1】

【0055】
図10に、CLC114のためにf/2.4の受光器オプティックを使用した、光線軌跡のシミュレーションを提示する。光線軌跡は、長手方向検出器軸がA’、長さがL、幅がWである検出器120上に重ねられた、表1のFOVラインを含む。長さが長さL=5mmである、検出器要素の線形アレイを備える検出器120は、図9のCLC114についてパラメータが指定されたと仮定すると、関心あるFOVを捉えるのに十分である。最も大きいFOVにおいて、できるだけ多く集光するために、検出器要素は、少なくとも幅w=2mmとすべきである(すなわち、「幅」は、検出器軸A’に対して垂直の方向で取られ、「長さ」を大いに超え、その長さは、検出器軸A’に沿って取られる)。図10に見られるように、検出器120は、大きい水滴の存在を検出するために、CLC114の頂点130の極めて近くで光をサンプリングする。一実施形態では、検出器120の検出器要素は、円錐軸に沿った寸法で、および円錐軸に対して垂直な寸法に沿って円錐面に向けて、それらの両方で60μm内まで頂点に接近する。
【0056】
ラインの間隔に加えて、殊に頂点130の近くで、厚さおよび曲率の問題もあり、それらの両方は、分解能に影響を及ぼす。1.1mradのFOVについてのライン160および34.9mradのFOVについてのライン162など、CLC114によって生成されたFOVラインは、焦点面P上に重ねられたとき、厚さが、検出器軸A’に沿って有限であり、この厚さによって、検出器120の検出器要素に求められる最小限のピクセルサイズが限定される。また、FOVライン160および162は、わずかな量の曲率を示し、この曲率は、検出器120の角分解能の制限になる。
【0057】
図11に、それぞれのピクセル長さが検出器軸A’に沿ってw11である、隣接したピクセルx1およびx2によって検出された、0.54mradの小さなFOV170および0.68mradの小さなFOV172における、ライン幅が限定された分解能を示す。2つのFOV間の0.14mradの分離は、約20μmの直線間隔になると解釈される。ピクセル長さw11が20μmの間隔より小さい限り、1つのピクセルで1つのFOVから検出される光は、他のFOVから検出される光に流れ出ることがない。したがって、検出器120を構成する線形アレイのピクセルについて、w11=20μmがピクセル長さである場合、これら2つのはっきりと異なるFOV170および172から疑いもなく集光することが可能になる。ピクセル幅がw11=20μmで、FOVのスペクトル全体(5mmに相当)を受け入れるために、検出器120には、約250個のピクセルの線形アレイが必要になる。
【0058】
大きなFOVにおいては、ライン曲率によって、さらに分解能が低下する。図12に、それぞれのピクセル長さが検出器軸A’に沿ってw12である、隣接したピクセルx3およびx4によって検出された、33.2mradの大きなFOV174および34.9mradの大きなFOV176における、ライン幅が限定された分解能を示す。2つのFOV間の1.7mradの分離は、約204μmの直線間隔になると解釈される。ピクセル長さw12が204μmの間隔より小さい限り、1つのピクセルで1つのFOVから検出される光は、他のFOVから検出される光に流れ出ることがない。したがって、検出器120を構成する線形アレイのピクセルについて、w12=204μmがピクセル長さである場合、これら2つのはっきりと異なるFOV174および176から疑いもなく集光することが可能になる。
【0059】
ピクセル幅が25μmから30μmまでの、画像化するための線形アレイを入手でき、したがって、システムの本来の角分解能を小さな視野で活用することが可能である。2つの例は、the Hamamatsu S3902/S3903(これは、波長が300から1100nmに適したシリコンセンサである)、およびthe SUI Linear Photodiode Array(これは、波長が900nmから1800nmに適したInGaAsセンサである)である。個々の検出器要素の小さなサイズおよびそれに続く数の増加によって、検出される視野の幅および分布を、ソフトウェアを介して信号を適切にまとめることによって調整することが可能になる。たとえば、特定のFOVの範囲が2つの隣接した検出器要素をカバーしている場合、その範囲は、4つの隣接した要素からの信号を加え合わすように、制御ソフトウェアを修正することによって、たやすく倍にすることができる。検出器要素の数が多くなるほど、特定サイズの分布の計算に入ってくる視野の位置および幅を選択する上で、柔軟性がますます増す。以下に述べるように、そのような市販の線形アレイを、他の光学的要素とともに使用することができる。また、用語「線形アレイ」は、ピクセルの一次元アレイも、装置が事実上一次元アレイとして機能するように、1方向に沿った(「行」または「列」)ピクセルが互いに電気的にグループにまとめられたピクセルの二次元アレイも指すことができることを理解されたい。
【0060】
先細のサークルツウライン変換器
図13に、本発明の別の実施形態による先細のCLC214のプロファイルを示す。先細のエリア214aが頂点230の近くに主に存在し、そこでは内側の先細の反射面212は、勾配が1.0未満である。
【0061】
図14に、先細のCLC214の横方向断面を示す。先細のCLC214は、円錐軸Aに沿って勾配mが変動する、内側の先細の反射面212を有する。より具体的には、先細のCLC214では、ある瞬間の勾配m<1が円錐軸Aの近くで存在する。先細の反射面212のある瞬間の勾配mが1からはずれた場合、反射された光線は、ポイントVからの距離lにおいて画像面に当たる。勾配がm<1になることによって、反射されるスポットが左側に向けて移動し、一方勾配がm>1になることによって、スポットが右側に向かって移動する。したがって、先細のCLC214は、反射されるスポットが、何らかの規定された関数l(y)に従ってポイントVからの距離lに位置するように、鏡面仕上げの面のある瞬間の勾配を変化させる。
【0062】
距離l(y)は、ある瞬間の勾配mに関して次のように表される。
【0063】
l(y)=x−s
=y−ytan(ψ) (4)
=y・(1−tan(2・θi−π/2))
l(y)=y・(1−tan(2・cot-1(m)−π/2))
【0064】
ただし、θiは、入射する合焦される光線216が内側の先細の反射面204に当たる角度であり、θrは、反射角である。yは、入射する合焦される光線216の半径(高さ)である。xは、光線216がそれに反射される焦点面P上のポイントVからポイントV0までの距離であり、ただし内側の先細の反射面212のある瞬間の勾配が、m=1(V0は、光線216が内側の先細の反射面212に当たるところの直接下にある)と仮定するものである。sは、xとlの間の差である。そして、ψ=2θi−π/2である。
【0065】
図9に見られるものなど、直角のCLC114は、先細のCLC214の極端な場合である。m=1である、簡単な円錐形のCLCの場合、関数は、l(y)=yである。水滴選別の場合、この関数は、大きな水滴に関する情報が、線形アレイによって分解が不可能な、小さい空間範囲に圧縮されないように、別の形を取ることが望ましく、たとえ、ある瞬間の勾配mを変更することが、画像面上に鋭く焦点を合わせるという反射器の能力を落とすことになっても望ましい。m=1の勾配によって、レンズの画像面が、CLCの画像面上に1対1でマッピングされることが保証され、そこに線形アレイが位置決めされる。いずれかの他の勾配によって、画像がピンぼけにされ、分解能を減少させる恐れがあり、したがって許容レベルまでピンぼけを抑えておくことが望ましい。
【0066】
y(これは、FOV角度θに正比例する)の関数として、CLCの勾配を次第に減らすことによって、線形アレイの検出器上に対数で表された間隔を得ることが可能になる。規定された関数は、l(y)=Aln(y)である。ただし、Aは、とりわけ、検出器の特質によって決まる、ある定数である。l(y)=Aln(y)を上記の式(4)に代入することによって、先細のCLC214に対するyの関数として、ある瞬間の勾配mの解は、次のようになる。
【0067】
【数3】

【0068】
定数Aは、先細のCLCの勾配が1に等しい、特定のFOVを決定付ける。画像ひずみが最も小さくなるのは、このFOVの場合である。というのは、先細の円錐が、直角の反射性円錐を最も良く模擬することになるからであり、それは集光レンズの画像面を線形アレイの検出器上に直接マッピングする。このFOVは、関心ある領域、および勾配が1からずれたとき、必ず生じるひずみに対する許容誤差に応じて、小さくまたは大きくすることができる。この場合、目標は、直径が大きい(>40μm)水滴を正確に選別することであり、したがって先細の円錐の線形領域が、約10mrad、または(上記の表1から)y〜1.5mmになるように選択される。次いで、定数Aは、1.5mm/ln(1.5)に等しい、または一般に次のようになる。
【0069】
【数4】

【0070】
ただし、fは、受光器オプティックの焦点距離であり、θは、最も高い画像化忠実度が要求されるFOVである。
【0071】
図14に、CLC114でのシミュレーションと同じf/2.4の受光器オプティックに対して、先細のCLC214によって生成されたラインの光線軌跡のシミュレーションを示す。ラインは、CLC114によって生成されたスペースと同じスペースを占める。次の表2では、CLC114および先細のCLC214について、0.54mradである最小のFOVに対して、3つのはっきりと異なるFOV間の物理的間隔を比較している。
【0072】
【表2】

【0073】
表2に見られるように、5mradより小さい視野について(つまり、大きい水滴について)、間隔は、先細のCLCの場合、増加する。しかし、それぞれのFOVのひずみ(拡散)は、より大きくなることがある。したがって、20μmだけの間隔が、CLC114では0.68mradから0.54mradを分離するために必要であったが、50μmかそれぐらいの間隔が、先細のCLC214では0.68mradから0.54mradを分離するために、必要になる可能性がある。
【0074】
ファイバ光学プレートによる画像転送
図16に、本発明によるMFOV検出器アセンブリ240の一実施形態を示す。MFOV検出器アセンブリ240は、入射する後方散乱光244を受光するための受光器オプティック242と、合焦された後方散乱光が受光器オプティック242から現れた後、それを誘導するための万華鏡246と、反射された画像を捉えるために、導かれ合焦された後方散乱光をMFOVサブシステム250の方向に反射するためのCLC248とを備える。この実施形態では、MFOVサブシステム250は、ファイバ光学画像転送プレート254がその上に位置決めされた検出器252を備える。以下で述べるように、単一FOVサブシステム260が、単一散乱262からの光を捉え、そして簡単なビームストップ、1つまたは複数のフォトダイオード、またはデュアルチャネル偏光センサを備えることができる。
【0075】
MFOVサブシステム250および単一FOVサブシステム260の出力が、過冷却の水滴の1つまたは複数の存在、氷および他の環境および/または天候の状態を反映した、1つまたは複数のパラメータを計算するための電気回路網264に供給される。一実施形態では、電気回路網264は、特定用途向け集積回路またはプロセッサを備えることができる。別の実施形態では、電気回路網264は、比較器、加算器などのディスクリート論理回路を備えることができる。アナログツウデジタル変換器なども、電気回路網264中にまだ組み込まれていない場合、備えることができることもさらに理解されたい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のパラメータは、出力の比を含むことができる。他の実施形態では、1つまたは複数のパラメータは、出力の比較を含むことができる。他の、より複雑なパラメータも可能である。電気回路網264は、いずれかのそのようなパラメータを計算した後、決定を示す、警報を信号で送るなどするために、1つまたは複数の信号299を出力することができる。
【0076】
2つのサブシステム250および260の出力が、いくつかの処置を取る、または提案するために使用することができる、水滴のサイズ分布および他のパラメータを決定するように構成されたプロセッササブシステム(図16に図示せず)に供給されることを理解されたい。
【0077】
単一散乱に起因する光線を複数散乱に起因する光線から分離するために、CLC248が円錐台の形状を有するように、CLC248の頂点が除去される(ダイヤモンドによる旋盤加工またはワイヤEDMなどによって)。円錐台の小さな端部における有効直径Dは、f・Δθによって与えられる。ただし、fは、受光器オプティックの焦点距離であり、Δθは、送られたレーザビームの遠距離場の発散である。円錐の頂点を光学的穴と置き換えることによって、単一散乱から受光された光は、検出器252中に反射されず、それによって、この光のランダムな散乱を減少させる。そのような実施形態では、CLC248は、単一散乱に起因する散乱光から、雲から受光された多重に散乱された光を分離するように構成される。照射信号の発散は、この分離を実施するという、CLC248の実用性を制限する恐れがある。というのは、極めて大きい水滴からの複数散乱は、レーザビームの発散角内に依然として止まることになり、単一散乱および複数散乱が互いに混じり合うことになるからである。
【0078】
検出器252が、範囲に分解された、雲を貫通する強度プロファイルを生成するように十分広い帯域幅を有する場合、簡単なビームストップは、単一散乱を減衰させ、それが検出器252中に漏れ出ないように防止することができる。しかし、フレームレートが遅すぎる、線形CCDアレイを備える検出器の場合、CLC248の背後に配置された高速フォトダイオードは、単一散乱信号が雲を通過したとき、その減少をモニタリングすることができる。範囲に応じた、この強度プロファイルは、雲の減衰係数、およびMFOVデータから得られた水滴のサイズ分布とともに、液体水含有量の推定に関する情報をもたらすことができる。
【0079】
一実施形態では、CLC248は、90°の方位角範囲だけをカバーする。CLC114および214が、全180°の方位角範囲を有するものとして示されているが、ほとんどの光学的検出器は、受光角が45°を超えない。したがって、CLCの90°の方位角区域または4分の1セクタは、検出器252が利用できるすべてになることがある。互いに対して直角に配置された、平坦な万華鏡状のミラー246aおよび246bのペアを備える万華鏡246は、そうでなければ焦点面上の完全な円上に届くことになる光を、CLC248の減少された方位角範囲(たとえば、90°)に一致する、より小さい角度セグメントに変換する。検出器252の透視図から、同心視野が360°の方位角範囲にわたって現れる、すなわち90°が受光器オプティック242から直接に、その他の270°が万華鏡状のミラー246aおよび246b中での反射から現れることが分かる。したがって、受光器オプティック242の全方位角視野は、90°の方位角範囲中に折り重ねられ、それは、CLC248が受け取り、検出器252に反射することができる。
【0080】
ファイバ光学画像転送プレート254は、Hamamatsuのパーツナンバー J5734を使用して実現することができ、レンズを使用することなく画像を転送するために使用される。プレート254は、互いに束ねられた多数の光学的ファイバを備える。プレート内のファイバは、直径が小さく(通常3μm)、ほぼ90°の受光角にわたって光を受光する。プレート254の表面は、画像がプレート254の下にある検出器252に直接転送されるように、CLC248の焦点面上におかれるように配置される。
【0081】
レンズ中継による画像転送
図17に、本発明によるMFOV検出器アセンブリ270の別の実施形態を示す。MFOV検出器アセンブリ270は、受光器オプティック242、万華鏡246、CLC248および単一FOVサブシステム260を含む、図16のMFOV検出器アセンブリ240と同じ構成要素の多くを備える。しかし、MFOV検出器アセンブリ270は、MFOV検出器アセンブリ240中に見られるMFOVサブシステム250と異なるMFOVサブシステム280を有する。
【0082】
MFOVサブシステム280は、CLC248の焦点面の下に配置された光学的要素の複数のセット282および292を使用する。一実施形態では、光学的要素の第1のセット282は、CLC248からの小さいFOV反射を増幅し、次いでそれは、第1の検出器288によって受光され、一方光学的要素の第2のセット292は、CLC248からの大きいFOV反射を増幅して、第2の検出器298上に送る。
【0083】
光学的要素の第1のセット282は、反射された光が最初それを通過する平行化レンズ284と、日光などの周辺光を軽減させるための帯域通過フィルタ286と、反射された光学的信号が第1の検出器288によって捉えられる前に、それを増幅するための拡大レンズ287とを備えることができる。光学的要素の第2のセット282は、同様に、平行化レンズ294と、帯域通過フィルタ296と、合焦レンズ297とを備えることができる。
【0084】
拡大は、小角度における散乱を画像化するために殊に役立ち、そこには、大きい水滴の密度に関する情報の大部分が含まれる。それぞれのレンズ284および294は、CLC248の焦点面を通り過ぎて発散する光線のいくらかの部分を集光し、それらを平行化する。(大きい水滴からの)小さいFOV反射のための第1の合焦レンズ287は、大きいFOV反射のための第2の合焦レンズ297より大幅に反射された信号を拡大するように構成することができる。というのは、大きいFOV反射は、検出に適切なサイズのものに、既になっていることがあるからである。いくつかの実施形態では、第2の合焦レンズ297は、完全に省略することができる。というのは、大きいFOV反射に対応する光線ラインは、十分なサイズおよび間隔のものになっていることがあるからである。
【0085】
MFOV検出器アセンブリ270は、日光中で使用されることになるので、帯域通過フィルタ286および296は、既知の波長の入射光に応答して生成された後方散乱光が通過することをなお可能にしながら、できるだけ多く周辺光を排除するように構成することができる。いくつかの実施形態では、帯域通過フィルタ286および296は、平行光に最良に働くように設計された薄膜コーティングを使用する。そのようなフィルタは、当業者によく知られている。また、レンズ284および294の平行化作用によって、平行化レンズ284および294と、合焦レンズ287および297の間隔は、クリティカルでなく、2つ以上の帯域フィルタの挿入が可能になるように、調節することができる。
【0086】
また、MFOV検出器アセンブリ270の形状は、単一散乱光線を、受光器オプティック242の全開口にわたって集光することが可能なように構成される。光線262aによって例示されるように、事実上、受光器オプティック242によって集光された単一散乱光線のいずれも、光学的要素のセット282および292よって、または検出器288および298によって遮られず、したがって事実上、受光器オプティック242全体からの単一散乱のすべてが、単一FOVサブシステム260、たとえばフォトダイオードまたはデュアルチャネル偏光センサに入る。
【0087】
MFOVサブシステム280および単一FOVサブシステム260の出力は、過冷却の水滴の1つまたは複数の存在、氷および他の天候状態を反映した、1つまたは複数のパラメータを計算するための電気回路網265に供給される。一実施形態では、電気回路網265は、特定用途向け集積回路またはプロセッサを備えることができる。別の実施形態では、電気回路網264は、比較器、加算器などのディスクリート論理回路を備えることができる。アナログツウデジタル変換器なども、電気回路網265中にまだ組み込まれていない場合、備えることができることもさらに理解されたい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のパラメータは、出力の比を含むことができる。他の実施形態では、1つまたは複数のパラメータは、出力の比較を含むことができる。さらに他の実施形態では、検出器288および298上で受光された光の強度の空間的分布は、現在の天候状態に関して決定するために、基準データと比較することができる。他の、より複雑なパラメータも可能である。電気回路網265は、いずれかのそのようなパラメータを計算した後、決定を示す、警報を信号で送るなどするために、1つまたは複数の信号299を出力することができる。
【0088】
デュアルチャネル円偏光センサ
一般に、球状の水滴からの、レーザ光などの照射光の直接反射は、純粋に鏡面反射であるが、氷晶からの直接反射は、そうではない。
【0089】
水滴は、理想的には、完全ミラーのように作用し、反射されたレーザ光を、偏光状態を変化させずにそれ自体の後方に散乱させる。入射光が水平に、または垂直に偏光されている場合、反射された光は、同様に水平に、または垂直に偏光される。したがって、脱偏光(depolarization)の程度が比較的低い後方散乱偏光は、液体水の雲を示す。円偏光の場合、回転電場の方向が反射時変化しないが、入射波のポインティング(Poynting)ベクトルの変化によって、円偏光の向き(sense)が変化する。したがって、右方向に円偏光された入射ビームは、反射時に左方向に円偏光されることになり、その逆も同様である。
【0090】
他方では、氷晶は、反射光の偏光状態が、1つには、そのファセットからの複数の内部反射によって、および1つには氷の複屈折によって変化する傾向がある。浮遊氷晶からの反射された光は、入射光が純粋な偏光状態であるとき、2つの直交する偏光状態の混合になる。後方散乱光の、両方の直交する偏光状態をモニタリングすることによって、水滴を氷晶から区別することが可能になる。
【0091】
しかし、雲の中では、光は、直接の後方散乱に加えて、水滴サイズのレーザ波長に対する比が1に近いが、または1よりわずかに大きいときはいつでも、かなりの小角度の前方散乱を被る。この過程は、ミー(Mie)散乱として知られている。ほとんどの雲の中では、水滴は1から10μmの範囲であり、一方通常の可視波長および近赤外線波長は、0.4から2.0μmの範囲である。浮遊水滴は、可視および近赤外線の光学的センサに対してミー散乱を生じる。前方散乱光は、結局のところ、投射されたレーザビームと一致する光学的受光器に向けて後方散乱されることがある。それが生じたとき、その偏光状態は、光が前方散乱を被ることなく直接水滴から反射された場合、そうであるはずのものの域を越えて、変化することになる。単一後方散乱が付随して起きる、この一連の前方散乱事象は、複数散乱として知られており、それは、球状の水滴からの単一散乱事象によって生成される信号と全く似ていない、脱偏光された(de−polarized)信号を生じる。
【0092】
円偏光は、水の雲と氷の雲の間を区別する助けになるように、浮遊水滴および氷晶センサ中で使用することができる。
【0093】
雲が水滴から構成されている場合、円偏光の基本的な「向き(sense)」は、複数散乱の存在にかかわらず、変化しない。照射光が右方向に円偏光された場合(「RHC(right hand circularly polarized)」)、純粋な水の雲からの後方散乱光は、左方向に円偏光された(「LHC(left hand circularly polarized)」)成分だけを有することになる。複数散乱は、光を楕円偏光させる線形成分を導入することによって、この光の偏光純度を低下させることになる。しかし、光が、ストークス(Stokes)成分に分解されたとき、円成分は、雲が完全に液体水滴から構成されている限り、なお左方向に円偏光されることになり、決して右方向に円偏光されない。
【0094】
雲が完全に氷晶から構成されている場合、ストークスベクトルの円成分は、複数散乱によって、または氷晶の複屈折によって導入された他の線形成分の存在にかかわらず、右方向に円偏光されることになる。したがって、ストークスベクトルの4番目の成分をモニタリングした場合、純粋な氷晶の雲の存在があれば、円偏光の方向または向きの、はっきりと異なる疑いなしの「反転(flip)」を示すことになる。
【0095】
図18に、水と氷晶を区別するために、円偏光された光を用いるデュアルチャネル円偏光システム300の概略図を示す。システム300は、2つの直線偏光子314および348と、その機能を以下に述べる、2つの4分の1波長板の形態での2つの円偏光要素316および333とを備える。システム300は、照射部310および検出部330を備える。
【0096】
照射部310は、第1の光ビームを出力する光学的ビームエミッタ312を備える。光学的ビームエミッタ312は、レーザ、または代替え実施形態として、その出力が直線偏光される発光ダイオードを備えることができる。照射側直線偏光子314は、第1の光ビーム(これは、既に直線偏光されたものとすることができる)を光学的ビームエミッタ312から受光し、直線偏光された照射ビームを出力することによって、高偏光純度を確保する助けとなる。一実施形態では、照射側直線偏光子314は、モデルナンバーがDP−050−NIR2−2であり、米国コロラド州FrederickのMeadowlark Opticsから入手できる。
【0097】
いくつかの実施形態では、直線偏光された照射ビームは、第1の円偏光要素316に提供される前に、まず、照射側偏光ビームスプリッタキューブ315(図19参照)によって反射される。一実施形態では、照射側偏光ビームスプリッタキューブ315は、モデルナンバーがBB−050−IR2であり、米国コロラド州FrederickのMeadowlark Opticsから入手できる。
【0098】
第1の円偏光要素316は、直線偏光された照射ビームを受光し、それを円偏光された照射ビーム318に変形する。一実施形態では、円偏光要素316は、直線偏光された光を円偏光された光に変形する4分の1波長板を備える。一実施形態では、4分の1波長板316は、モデルナンバーがCP−050−905であり、米国コロラド州FrederickのMeadowlark Opticsから入手できる。
【0099】
示した実施形態では、また、照射部310は、システム300の光照射軸Aに沿って、かつ雲302の方向に、円偏光された照射ビーム318を反射するように構成された反射器320を備える。反射器320は、円偏光を変化させてはならない。一実施形態では、反射器は、一プロトタイプでは400:1より良い円偏光純度をもたらした、標準の保護された金のミラーを備える。
【0100】
システム300は、円偏光された照射ビーム318を雲302の方向に向けるものとして示してあるが、システム300は、使用の間、雲を通過していることがある航空機上に搭載されていることを理解されたい。また、システム300は、通常、10から20メートルの範囲で雲の氷を検出するように構成されていることを、ここで留意されたい。当業者に知られているように、その範囲は、光学的ビームエミッタ312に印加されるパルスの持続期間およびタイミングによって決定され、そのタイミングは、検出部330と関連付けられる。
【0101】
円偏光された照射ビーム318は、雲302中のスペースのボリュームを照射する。それに応じて、雲302中のスペースのその瞬間のボリューム内の水分によって、円偏光された照射ビーム318の後方散乱が引き起こされ、それによって、円偏光された後方散乱光322が生じ、システム300の方向に進む。
【0102】
システム300の検出部330は、円偏光された後方散乱光322がそれを通過することを許すように構成されたウインドウ332を備える。示した実施形態では、円偏光された後方散乱光322は、まず、ウインドウ332を通過し、第2の円偏光要素333に向かい、それは、また、4分の1波長板とすることができる。
【0103】
第2の円偏光要素333は、ウインドウ332を通過した円偏光された後方散乱光を受光し、直線偏光された後方散乱光を出力する。後方散乱光322は、第2の円偏光要素333に到達する前に、後方散乱光322を合焦させるための第1のレンズ336および平行化レンズ338を通過する。
【0104】
一実施形態では、平行化レンズ338は、米国ニュージャージー州のThor Labs of Newtonから入手できるパーツナンバーSM1V10など、可変長のレンズチューブ中に取り付けられる。可変長のレンズチューブは、第2の部分に対して軸方向に移動する、ネジ付きの第1の部分を有する。これによって、センサの光軸Aに沿った平行化レンズの軸方向位置を、双頭の矢印338aで示すように、調節することが可能になる。この特徴によって、ユーザーは、平行化レンズ338と第1のレンズ336の間の距離を制御し、それによって、一実施形態では約10から約20メートルである、その通常の動作範囲において、効率的に散乱光を集光するように、システム300を構成することが可能になる。システム300中の平行化レンズ338は、同様に軸方向に調節可能とすることができることを理解されたい。
【0105】
検出側偏光ビームスプリッタキューブ334が、第2の円偏光要素333からの直線偏光された後方散乱光を、第1の成分の直線偏光された後方散乱光340および第2の成分の直線偏光された後方散乱光340に分光するように構成される。
【0106】
一実施形態では、第1の成分の直線偏光された後方散乱光340は、検出側直線偏光子348、および第1の成分の直線偏光された後方散乱光340を第1の成分の光検出器344上に合焦させる第1のコンデンサレンズ342を通過する。同様に、第2の成分の直線偏光された後方散乱光350は、第2の成分の直線偏光された後方散乱光を第2の成分の光検出器354上に合焦させる第2のコンデンサレンズ352を通過する。
【0107】
成分光検出器344および354のそれぞれの出力は、一般に、当業者に知られるように、フィルタリングおよび増幅を含むことができる、追加の信号処理演算346および356を受ける。次いで、その出力は、雲302中の氷の存在を反映した、1つまたは複数のパラメータを計算するための電気回路網360に加えられる。一実施形態では、電気回路網360は、特定用途向け集積回路またはプロセッサを備えることができる。別の実施形態では、電気回路網360は、比較器、加算器などのディスクリート論理回路を備えることができる。アナログツウデジタル変換器なども、電気回路網360中にまだ組み込まれていない場合、備えることができることもさらに理解されたい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のパラメータは、出力の比を含むことができる。他の実施形態では、1つまたは複数のパラメータは、出力の比較を含むことができる。他の、より複雑なパラメータも可能である。電気回路網360は、いずれかのそのようなパラメータを計算した後、決定を示す、警報を信号で送るなどするために、1つまたは複数の信号370を出力することができる。
【0108】
図19に、図18に示す飛行中に働く雲の氷検出システム300と実質的に同じ構成要素を有するシステム400の例示のレイアウトを示す。図19に見られるように、光学的ビームエミッタ312からの光を照射側直線偏光子314に結合するために、円形化し平行化するオプティック313を使用することができる。さらに、照射側偏光ビームスプリッタキューブ315が、照射側直線偏光子314の出力を反射器320に向けて再誘導する。
【0109】
一実施形態では、検出側偏光ビームスプリッタキューブ334は、送られたビームに対して大きいコントラスト比(200:1)を有し、反射されたビームに対して小さいコントラスト比(20:1)を有する。送られた光と同じように偏光された、かなりの量の光が常に受光されるので、この偏光は、コントラスト比が小さく、第1の成分の光検出器344と結合された、反射されたチャネル(reflected channel)(「LHCチャネル」)中に渡される。氷晶の存在を特徴付ける、直交した偏光は、コントラスト比が大きく、第2の成分の光検出器354と結合された、直接チャネル(direct channel)(「RHCチャネル」)中に入る。原理の説明としては、氷は、雲中では、液体水よりそれほど広くは存在していない可能性があり、氷の存在を正確に検出するために、高コントラストが必要であるということである。「水」チャネル中の低コントラスト比を補うために、追加の直線偏光子348が、その比を改善するために加えられる。プロトタイプシステムの偏光測定値によって、「氷」検出用(RHC)チャネルについて400:1より良いコントラスト比が示され、「水」検出用(LHC)チャネルについて50:1より良いコントラスト比が示されている。チャネルは、純粋な水滴の雲に対してより大きい信号を示すことが予想されるチャネル、および純粋な氷晶の雲に対してより大きい信号を示すことが予想されるチャネルに従って、「水検出用」および「氷検出用」と名前を付ける。これらは、直線偏光のスキームが「平行」である偏光チャネルおよび「垂直」である偏光チャネルにそれぞれ対応する。しかし、検出側直線偏光子348は、LHCチャネルについてのコントラスト比がより大きい場合、必要でないことがあることを理解されたい。
【0110】
希薄な水の雲について、照射ビームが右方向に円偏光された(「RHC」)場合、反射された光は、左方向に円偏光される(「LHC」)。さらに、4分の1波長板333は、適切に設定された場合(すなわち、板の「速軸」が、ビームスプリッタキューブの偏光軸に対して45°の角度である)、受光される光のすべては、直線偏光された光に変換され、それは、第1の成分の光検出器344(「LHC」)に入る。
【0111】
システム300では、円偏光されていない、いずれかの光が、第2の円偏光要素333をなお通過することになり、その対応した平行および垂直の線形成分に分解されることになる。したがって、システム300は、複数散乱が存在したとき、チャネル間で「クロストーク」をなお示す恐れがある。しかし、円偏光の方向は、雲が完全に水から構成されている場合、変化することがないキーパラメータである。
【0112】
4番目のストークス成分V(これは、円偏光の方向を指定する)は、2つの成分の光検出器344および354中の信号から、次の関係を使用して導き出すことができる。
【0113】
【数5】

【0114】
式中、ILHCおよびIRHCは、成分の光検出器344および354で受け取られた強度にそれぞれ対応する。線形システムに対する、よく知られた脱偏光比(depolarization ratio)δに関して、次のようになる。
【0115】
【数6】

【0116】
Vについての式が示すように、Vの符号は、δ(2つの直交した信号の比)が1を通過したとき、変化する。2つの信号が比較器の入力に渡された場合、水から氷への遷移によって、浮遊氷晶の存在を示すために、光または音響の警報器など、簡単な指示器を起動することができる。さらに、比較器は、望まれているどのような状態(純粋な氷または混合相)についても閾値警報を生成するように、変更することができる。たとえば、純粋な氷晶の雲だけが飛行に危険であると考えられる場合、Vの値は、〜0.27とすべきであり、比較器は、RHC信号のLHC信号に対する比(δ)が1.7を超えたときだけ、警報を発することができる。
【0117】
警報についての閾値を設定する、1つの簡単な方法は、センサの光軸のまわりで、4分の1波長板333の速軸と検出側偏光ビームスプリッタキューブ334の間の相対角度を変更することである。4分の1波長板333は、板の速軸の方向付けにかかわらず、円偏光を、直線偏光の2つの等しい直交した成分に変換する。しかし、4分の1波長板333の後にある検出側偏光ビームスプリッタキューブ334の相対的な方向付けによって、2つの成分の光検出器344および354に入る直線偏光された光の成分の相対的割合が制御される。たとえば、完全に氷晶から構成された雲の場合、RHC成分の光検出器354(氷検出用チャネル)における信号の、LHC成分の光検出器344(水検出用チャネル)における信号に対する比は、1.7である。ただし、4分の1波長板333の速軸が、検出側偏光ビームスプリッタキューブ334の軸に対して45°であるものとする。速軸の角度が、LHC成分の光検出器344に向けて回転された場合、検出側偏光ビームスプリッタキューブ334に入る光の直線偏光軸も回転し、2つの成分の光検出器344および354中で2つのほぼ等しい信号が生成されることになる。そのような場合、電気回路網360は、信号が等しく、氷の雲の存在を示すときはいつでも閾値警報を送る、極めて簡単で安価な比較器を備えることができる。4分の1波長板333の正確な回転角度は、実験によって決定すべきであるが、原理は、所望の閾値にかかわらず、同じである。
【0118】
MFOV/デュアルチャネル円偏光システムの実現
図20に、図16の実施形態によるMFOV検出器アセンブリ240を、図18および19のデュアルチャネル円偏光センサ300とともに備える、統合システム500の一実施形態を示す。図20に見られるように、両方のデュアルチャネル円偏光のために、およびMFOV検出のためにも、デュアルチャネル円偏光センサ300の照射部310を使用することができる。第1のレンズ336を通過した後方散乱光322の少なくとも一部分は、万華鏡246に沿って誘導され、CLC248から反射され、そしてMFOVサブシステム250によって検出される。MFOVサブシステム250の検出器252の出力は、図16に関して上記に述べた、MFOV検出器の電気回路網264に誘導される。しかし、MFOV検出器の電気回路網264およびデュアルチャネル円偏光の電気回路網360は、単一の共通の回路に結合することができ、したがって決定信号299および370がそのような共通の回路から出力されることを理解されたい。
【0119】
図21に、図17の実施形態によるMFOV検出器アセンブリ270を、図18および19のデュアルチャネル円偏光センサ300とともに備える、統合システム550の別の実施形態を示す。やはり、両方のデュアルチャネル円偏光のために、およびMFOV検出のためにも、デュアルチャネル円偏光センサ300の照射部310を使用することができる。第1のレンズ336を通過した後方散乱光の少なくとも一部分は、万華鏡246に沿って誘導され、CLC248から反射され、そしてMFOVサブシステム280によって検出される。MFOVサブシステム250の検出器288および298の出力は、図17に関して上記に述べた、MFOV検出器の電気回路網265に誘導される。しかし、MFOV検出器の電気回路網265およびデュアルチャネル円偏光の電気回路網360は、単一の共通の回路に結合することができ、したがって決定信号299および370がそのような共通の回路から出力されることを理解されたい。
【0120】
MFOVの実現
図22および23に、MFOV検出器アセンブリ240および270をそれぞれ組み込み、デュアルチャネル円偏光センサ300がない、単独型MFOVシステム600および650の実施形態を示す。したがって、システム600および650は、偏光された光が必要でない。
【0121】
図22および23の両方に見られるように、照射部610は、第1の光ビームを出力する光学的ビームエミッタ612を備える。光学的ビームエミッタ612は、レーザ、または代替え実施形態として、その出力が直線偏光される発光ダイオードを備えることができる。照射側直線偏光子614が、光学的ビームエミッタ612から第1の光ビーム(これは、既に直線偏光されている可能性がある)を受光し、直線偏光された照射ビーム618を出力することによって、高偏光純度を確保する助けとなる。一実施形態では、照射側直線偏光子614は、モデルナンバーがDP−050−NIR2−2であり、米国コロラド州FrederickのMeadowlark Opticsから入手できる。
【0122】
MFOVシステム600および650では、また、照射部610は、MFOVシステム600および650の光照射軸Aに沿って、かつ雲602の方向に、直線偏光された照射ビーム618を反射するように構成された反射器620を備える。反射器620は、直線偏光を変化させてはならない。照射部610が、直線偏光された照射ビーム618を雲602の方向に誘導するものとして示されているが、MFOVシステム600および650は、使用中、雲を通過していることがある航空機上に搭載されることを理解されたい。また、MFOVシステム600および650は、通常、航空機のプロペラ後流を越えて、好ましくは航空機の外板から10から20メートルまでで、過冷却の液体水滴を検出するように構成されることを、ここで留意されたい。当業者に知られているように、範囲は、光学的ビームエミッタ612からのレーザパルスの送信とMFOV検出器によるそのパルスの受信の間の時間遅延によって決定される。
【0123】
直線に照射するビーム618は、雲602中のスペースのボリュームを照射する。それに応答して、雲602中のスペースのその瞬間のボリューム内の水滴および氷晶によって、直線偏光された照射ビーム618の後方散乱が引き起こされ、それによって、後方散乱光622が生成され、それは、検出器アセンブリ240(図22)および270(図23)の方向に進む。後方散乱光は、ウインドウ632を通過し、次いで後方散乱光622を合焦させるための第1のレンズ636を通過する。
【0124】
単一散乱光を受光するように構成された平行化レンズ638は、米国ニュージャージー州のThor Labs of Newtonから入手できるパーツナンバーがSM1V10など、可変長のレンズチューブ中に取り付けられる。可変長のレンズチューブは、第2の部分に対して軸方向に移動する、ネジ付きの第1の部分を有する。これによって、センサの光軸Aに沿った平行化レンズの軸方向位置を、双頭の矢印638aで示すように、調節することが可能になる。この特徴によって、ユーザーは、平行化レンズ638と第1のレンズ636の間の距離を制御し、それによって、一実施形態では約10から約20メートルである、その通常の動作範囲において、効率的に単一散乱光を集光するように、MFOVシステム600および650を構成することが可能になる。
【0125】
図23に見られるように、MFOVシステム600では、第1のレンズ636を通過した後方散乱光622の少なくとも一部分は、万華鏡246に沿って誘導され、CLC248から反射され、そしてMFOVサブシステム250によって検出される。MFOVサブシステム250の検出器252の出力は、図16に関して上記に述べた、MFOV検出器の電気回路網264に誘導される。その一方で、フォトダイオードまたはビームストップとして実装された単一FOVサブシステム260は、単一散乱262からの光を捉え、また、その出力をMFOV検出器の電気回路網264に送る。次いで、MFOV検出器の電気回路網264は、過冷却の水滴の存在、氷および他の環境および/または天候の状態を反映した、1つまたは複数のパラメータを計算し、かつ決定を示す、警報を信号で送るなどするために、信号299を出力する。
【0126】
図23に見られるように、MFOVシステム660では、第1のレンズ636を通過した後方散乱光622の少なくとも一部分は、万華鏡246に沿って誘導され、CLC248から反射され、そしてMFOVサブシステム280によって検出される。MFOVサブシステム280の検出器288および298の出力は、図17に関して上記に述べた、MFOV検出器の電気回路網265に誘導される。その一方で、フォトダイオードまたはビームストップとして実装された単一FOVサブシステム260は、単一散乱262からの光を捉え、その出力をMFOV検出器の電気回路網265に送る。次いで、MFOV検出器の電気回路網265は、過冷却の水滴の存在、氷および他の環境および/または天候の状態を反映した、1つまたは複数のパラメータを計算し、かつ決定を示す、警報を信号で送るなどするために、信号299を出力する。
【0127】
本発明は、本明細書で上記に複数の態様および実施形態に関して述べてきたが、これらの態様および実施形態は、例として提示され、本発明を限定する意図がないことを理解されたい。それゆえ、実施形態の様々な構成要素および態様を必要に応じて組み合わすことができることを、したがって理解されたい。それゆえ、本発明は、いずれかの具体的な実施形態に、または態様に限定すべきでなく、むしろ本明細書に添付された特許請求の範囲に記載されたものに従った広さおよび範囲によって解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行中に働く複数視野の水滴センサにおいて、
照射部であって、
光ビームを出力するように構成された第1の光学的ビームエミッタを備える、照射部と、
検出部であって、
前記光ビームによって照射された水滴からの後方散乱光が、そこを通過することを許すように構成されたウインドウ、
前記後方散乱光が前記ウインドウを通過した後、その後方散乱光を合焦させるように構成された第1のレンズ、
前記第1のレンズを通過した前記後方散乱光の第1の部分を、サークルツウライン変換器の内側反射面に向けて導くように構成された万華鏡、
前記サークルツウライン変換器によって反射された光を受光するように構成された、少なくとも第1の検出器を備える複数視野のサブシステム、および
前記第1のレンズを通過した前記後方散乱光の第2の部分を受光するように構成された単一視野のサブシステムを備える、検出部と
を備え、
前記第2の部分は、前記サークルツウライン変換器によって反射されていないことを特徴とする飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項2】
前記サークルツウライン変換器の前記内側反射面と前記第1の検出器の間に配置されたファイバ光学プレートであって、前記ファイバ光学プレートは、前記サークルツウライン変換器によって反射された光学像を転送するように構成される、ファイバ光学プレートをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項3】
前記複数視野のサブシステムは、第2の検出器であって、前記第2の検出器は、また、前記サークルツウライン変換器によって反射された光を受光するように構成される、第2の検出器をさらに備え、
前記第2の検出器は、前記第1の検出器によって検出される視野角より大きい視野角に対応して、反射された後方散乱光を検出するように構成されることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項4】
前記第1の検出器および前記第2の検出器のそれぞれが、検出器要素の線形アレイを備えることを特徴とする請求項3に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項5】
前記サークルツウライン変換器の焦点面と前記第1の検出器の間に配置された光学的要素の第1のセットであって、前記光学的要素の第1のセットは、前記サークルツウライン変換器からの小さな視野の反射を増幅する、光学的要素の第1のセットと、
前記サークルツウライン変換器の前記焦点面と前記第2の検出器の間に配置された光学的要素の第2のセットと
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項6】
前記光学的要素の第1のセットは、
少なくとも2つのレンズと、
前記2つのレンズの間に介装された帯域通過フィルタと
を備えることを特徴とする請求項5に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項7】
前記サークルツウライン変換器は、勾配が変動する先細エリアを備え、
頂点に近い、前記先細エリアの内側反射面の勾配が1.0未満であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項8】
前記単一視野のサブシステムは、ビームストップを備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項9】
前記単一視野のサブシステムは、フォトダイオードを備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項10】
前記第1のレンズと前記単一視野のサブシステムの間に介装された平行化レンズをさらに備え、
前記平行化レンズの位置は、前記センサの光軸に沿って軸方向に調節可能であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項11】
前記第1の光学的ビームエミッタは、
その出力が直線偏光される発光ダイオードと、
レーザと
からなる群の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項12】
前記センサの光照射軸に沿って前記光ビームを反射するように構成された反射器をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項13】
前記複数視野のサブシステムおよび前記単一視野のサブシステムによって出力された信号を受け取り、かつ、前記2つのサブシステムからの前記信号に基づき、水滴の状態を反映した、少なくとも1つのパラメータを計算するように構成されたプロセッサをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項14】
前記単一視野のサブシステムは、水と氷晶の間を識別するために、円偏光された光を用いることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項15】
前記照射部は、
前記光ビームを受光し、直線偏光された照射ビームを出力するように構成された第1の直線偏光子と、
前記直線偏光された照射ビームを受光し、円偏光された照射ビームを出力するように構成された第1の円偏光要素と
をさらに備え、
前記検出部は、
前記ウインドウを通過した、円偏光された後方散乱光を受光し、直線偏光された後方散乱光を出力するように構成された第2の円偏光要素と、
前記直線偏光された後方散乱光を、第1の成分の直線偏光された後方散乱光および第2の成分の直線偏光された後方散乱光に分光するように構成された第1の偏光ビームスプリッタと、
前記第1の成分の直線偏光された後方散乱光を検出し、それに応答して第1の信号を出力するように構成された第1の成分の光検出器と、
前記第2の成分の直線偏光された後方散乱光を検出し、それに応答して第2の信号を出力するように構成された第2の成分の光検出器と、
前記第1の成分の光検出器および第2の成分の光検出器によってそれぞれ出力された前記第1の信号および第2の信号を受け取り、かつ前記第1の信号および第2の信号に基づき、氷の状態を反映した、少なくとも1つのパラメータを計算するように構成されたプロセッサと
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項16】
前記第1の偏光ビームスプリッタと前記第1の成分の光検出器の間に介装された第2の直線偏光子であって、前記第2の直線偏光子は、前記第1の成分の光検出器による検出に先立ち、前記第1の成分の直線偏光された後方散乱光をさらに直線偏光するように構成される、第2の直線偏光子をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項17】
前記第1の円偏光要素は、第1の4分の1波長板を備え、
前記第2の円偏光要素は、第2の4分の1波長板を備えることを特徴とする請求項15または16に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項18】
前記センサの光照射軸に沿って前記円偏光された照射ビームを反射するように構成された反射器と、
前記第1の偏光ビームスプリッタと前記第1の成分の光検出器の間に介装された第2の直線偏光子であって、前記第2の直線偏光子は、前記第1の成分の光検出器による検出に先立ち、前記第1の成分の直線偏光された後方散乱光をさらに直線偏光するように構成される、第2の直線偏光子と、
前記第1の成分の光検出器および第2の成分の光検出器によってそれぞれ出力された前記第1の信号および第2の信号を受け取り、かつ前記第1の信号および第2の信号に基づき、氷の状態を反映した、少なくとも1つのパラメータを計算するように構成されたプロセッサと
をさらに備えることを特徴とする請求項15乃至17のいずれかに記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項19】
前記ウインドウと前記第2の円偏光要素の間に介装された第1のレンズと、
前記第1の直線偏光子と前記第1の成分の光検出器の間に介装された第2のレンズと、
前記第2の直線偏光子と前記第2の成分の光検出器の間に介装された第3のレンズと、
前記第1のレンズと前記第2の円偏光要素の間に介装された平行化レンズと
をさらに備えることを特徴とする請求項18に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。
【請求項20】
前記第2のレンズおよび第3のレンズは、コンデンサレンズであり、
前記平行化レンズの位置は、前記センサの光軸に沿って軸方向に調節可能であることを特徴とする請求項19に記載の飛行中に働く複数視野の水滴センサ。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−27741(P2011−27741A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165900(P2010−165900)
【出願日】平成22年7月23日(2010.7.23)
【出願人】(506283927)ローズマウント・エアロスペース・インコーポレーテッド (26)
【氏名又は名称原語表記】ROSEMOUNT AEROSPACE INC.
【Fターム(参考)】