過電流継電器
【課題】 本発明は故障電流を検出して、早速に故障電流に応じ、ブレーカを駆動する駆動信号を生成することができる過電流継電器を提供する。
【解決手段】本発明の過電流継電器100は、故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力する少なくても一つのホールセンサ110と、ホール電圧信号を濾波するために用いられて、指数関数波形のみを有して濾波された信号を出力するフィルタ120と、参考電圧を提供する参考電圧発生器130と、濾波された信号と参考電圧を比較し、濾波された信号が参考電圧となる時、トリガ信号を出力するコンパレーター140と、トリガ信号によりトリガされ、ブレーカを駆動するために用いられる駆動信号を出力するブレーカドライバ150と含む。
【解決手段】本発明の過電流継電器100は、故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力する少なくても一つのホールセンサ110と、ホール電圧信号を濾波するために用いられて、指数関数波形のみを有して濾波された信号を出力するフィルタ120と、参考電圧を提供する参考電圧発生器130と、濾波された信号と参考電圧を比較し、濾波された信号が参考電圧となる時、トリガ信号を出力するコンパレーター140と、トリガ信号によりトリガされ、ブレーカを駆動するために用いられる駆動信号を出力するブレーカドライバ150と含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電流継電器に関し、特にホールセンサを利用する過電流継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力システムにおいて、過電流継電器は故障の電力線からの故障電流を例えばブレーカへの信号に変換して、故障した電力線を電力システムから断線して、故障電流よる損害を避けるように電力システム全体を保護する。図1は、従来の継電器15を含む一般的な保護回路10の回路図である。
【0003】
保護回路10において、周知のように、コンバータ(CT)13は交流(AC)バス21からの故障電流を検出するために用いられる。交流(AC)バス21にカップリングされる設備は故障した時、大きな電流がACバス21に流れる可能性があり、ACバス21にカップリングされた電力システム(非表示)を損害する。継電器15は、コンバータ(CT)13により検出された故障電流を1つの信号に変換して、この信号をブレーカ17へ転送する。ブレーカ17は操作を行って、電力システムからACバス21を切り離す。
【0004】
周知のように、コンバータ13は鉄心を含むので、磁気ヒステリシスの現象が存在する。大きな過電流は検出された時、非線形的なコンバータが電流を励起して、コンバータ13の中の磁束密度が飽和する。なお、検出された電流の波形は歪んでいる。この歪みはブレーカ17の遮断動作を遅延することが可能である。
【0005】
図2は従来技術における異なる継電器のトリップ曲線を示す略図である。図2において、水平軸は電流を表し、垂直軸は遮断時間を表す。図2に示すように、これらのトリップ曲線は放物線である。異なる継電器の特性は異なる曲率を有する。したがって、一つの電力システムにおいて、異なるメーカの各種類の継電器を採用する時、トリップ曲線の間の干渉を回避するために、継電器の差異に対する考慮の上に、隣接のトリップ曲線の間に必要な時間間隔を維持することが必要である。コンバータの検出が歪んだ時、コンバータの検出の歪みによる時間遅延は、ブレーカの不適な駆動操作を発生する可能性がある。
【0006】
図3は電力線の故障期間における、理想的な三相コンバータの電流波形を示す図である。図3に示すように、各相に対して、コンバータの電流波形のエンベロープ(envelope)は滑らかな曲線であるはずである。図4は電力線の故障期間に、歪んだ一相コンバータの電流波形を示す図である。図4に示すように、電流波形のエンベロープは明白である。
【0007】
前述のように、コンバータ13の飽和磁束密度は時間遅延が起きるために、継電器15はすぐに故障電流に対する反応ができない。従って、提供する電力品質とシステムの安全に影響があるため、前述の問題を解決することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、故障電流を検出して、早速に故障電流に応じ、ブレーカを駆動する駆動信号を生成することができる過電流継電器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的を達成するために、本発明の過電流継電器は、故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力する少なくても一つのホールセンサと、ホール電圧信号を濾波するために用いられて、指数関数波形のみを有して濾波された信号を出力するフィルタ120と、参考電圧を提供する参考電圧発生器と、濾波された信号と参考電圧を比較し、濾波された信号が参考電圧となる時、トリガ信号を出力するコンパレーターと、トリガ信号によりトリガされ、ブレーカを駆動するために用いられる駆動信号を出力するブレーカドライバと含む。
【0010】
本発明の過電流継電器は、主要部、検出部及び変換部を有する。ホールセンサは検出部に設けられる。未使用の時、検出部は主要部から分離される。使用の時、検出部はまた主要部にカップリングされる。未使用の時、変換部は主要部から分離されてもよい。使用の時、変換部は主要部にカップリングされる。変換部は、後で利用するためにホールセンサのホール電圧信号をデジタル信号と、光信号に変換する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来技術における従来の継電器を含む一般的な保護回路の回路図である。
【図2】従来技術における異なる継電器のトリップ曲線を示す略図である。
【図3】電力線の故障期間における、理想的な三相コンバータの電流波形を示す図である。
【図4】電力線の故障期間における、歪んだ一相コンバータの電流波形を示す図である。
【図5】本発明の一つの実施例における過電流継電器の回路図である。
【図6】従来技術におけるコンバータ及び本発明のホールセンサが検出された故障電流の波形を示す図である。
【図7】本発明におけるフィルタで正弦波を濾波されたホール電圧信号の波形を示す略図である。
【図8】本発明における過電流継電器の濾波されたホール電圧信号Vhf、参考電圧Vr及びトリガ信号Coの波形を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例における過電流継電器の回路図である。
【図10】図9に示す過電流継電器の応用例を示す略図である。
【図11】図9に示す過電流継電器の他の応用例を示す略図である。
【図12】本発明の他のまた一つの実施例における過電流継電器の回路図である。
【図13】本発明における過電流継電器の主要部の各側視図である。
【図14】本発明における過電流継電器の主要部と検出部の組合図である。
【図15】本発明の他のまた一つの実施例における過電流継電器の回路図である。
【図16】本発明における過電流検出/変換装置を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の上記目的と特徴と効果が更に明らかに理解できるように、添付図面を参照して詳しく説明する。
【0013】
本発明はホールセンサを利用して、故障電流を検出することにより、コンバータ(CT)の使用を回避する。従って、本発明はコンバータの飽和磁束密度によって起きる時間遅延を回避する。
【0014】
図5は本発明の一つの実施例における過電流継電器100の回路図である。過電流継電器100は電力線等の故障電流を検出するために用いられるホールセンサ110を有する。ホールセンサは周知の装置である。ホールセンサは電力システムを流れる電流の磁束密度を検出することによって、ホール電場を生成してホール電圧信号が得られる。ホールセンサ110は検出された電流をホール電圧信号に変換する。ホールセンサ110は鉄心を含まないので、故障電流が大きくても歪み現象は発生しない。図6は従来技術におけるコンバータ及び本発明のホールセンサがそれぞれ検出された故障電流の波形61、63を示す図である。図6に示すように、本発明の過電流継電器100は検出した故障電流の波形が真の故障電流の波形と接近する。
【0015】
例えば、三相電力システムにおいて、電力システムの電力線(非図示)に故障が発生した場合に、電流波形が大きな交流故障電流のみを含むことではなく、指数関数的な減衰波も含む。即ち、故障電流Iwを反応するホールセンサ110のホール電圧信号Vhは、正弦波と指数関数波を含む。過電流継電器100において、フィルタ120は、ホール電圧信号Vhの正弦波を濾波する。フィルタ120が出力した濾波された信号Vhfは指数関数波のみを含む。図7は正弦波を濾波されたホール電圧信号Vhfの波形を示す略図である。
【0016】
フィルタ120の出力信号Vhfは、コンパレーター140によって、参考電圧Vrと比較される。前述参考電圧Vrは参考電圧発生器130により提供される。
【0017】
一旦濾波されたホール電圧信号Vhfが参考電圧Vrとなる時、コンパレーター140はトリガ信号Coを出力して、ブレーカドライバ150をトリガする。最初指数関数波は急に上昇する。トリガ信号Coは簡単な方形波パルスであって、且つ故障電流が発生する時、数微秒以内で生成できる。従って、一旦故障電流が検出された、非常的に短い時間以内にブレーカを駆動するためにブレーカドライバ150がトリガされる。ブレーカドライバ150がトリガされる時、駆動信号Sdを生成する。駆動信号Sdはブレーカ(非図示)を駆動するために用いられ、故障の電力線を電力システムから断線する。図8は濾波されたホール電圧信号Vhf、参考電圧Vr及びトリガ信号Coの波形を示す図である。トリガ信号Coは方形波、例えばパルスである。方形波Coの立ち上がりエッジは、ブレーカドライバ150をトリガでき、ブレーカ(非図示)を駆動する。ブレーカドライバ150はサイリスタにより実現できる。
【0018】
過電流継電器100に提供された電力は交流電Vpac或いは直流電Vpdcである。例えば、交流電Vpacは115Vの交流電圧である。この交流電圧はAC-DC整流器103によって、適当な電位(例えば5V)の直流電圧に変換される。この低直流電圧はホールセンサ110と参考電圧発生器130に提供される。例えば、参考電圧発生器130は5Vの直流電圧を受信して、必要な電位を有する参考電圧を出力する。なるべく、参考電圧発生器130が連続的に調整でき、各種の必要な参考電圧を提供する。
【0019】
過電流継電器100は直流(DC)電力システムに用いられてもできる。直流故障電流は正弦波を含まない。従って、フィルタ120の出力Vhfは、ホールセンサ110のホール電圧信号Vhと似る。特にこの場合に、濾波されたホール電圧信号Vhfは、また急に上昇する区間を有する。従って、過電流継電器100はまた早速に故障電流に応じる。過電流継電器100が直流電力システムに用いられる場合に、DC-DCコンバータ105は高電力電圧Vpdc(例えば115V)を低電圧(例えば5V)に変換して、この低電圧をホールセンサ110と参考電圧発生器130に提供する。交流電力システム及び直流電力システムの両者にも適用されるために、なるべく過電流継電器100はAC-DC整流器103及びDC-DCコンバータ105を含む。
【0020】
図9は本発明の他の実施例における過電流継電器200の回路図である。この実施例において、過電流検出部210は複数のホールセンサ214、216、218を有する。過電流検出部210は過電流継電器200の過電流継電器主要部201の外に設けられる。例えば、ホールセンサ214、216、218は電力線ケーブルを囲うように設けられ、故障電流を検出する。過電流継電器主要部201は三つフィルタ222、224、226及び三つ対応のコンパレーター242、244、246を有する。これらのフィルタ222、224、226はホールセンサ214、216、218のホール電圧信号Vh1、Vh2、Vh3をそれぞれ濾波して、濾波された信号Vhf1、Vhf2、Vhf3を出力する。これらのコンパレーター242、244、246は、濾波された信号Vhf1、Vhf2、Vhf3と参考電圧発生器230による提供された参考電圧Vrをそれぞれ比較し、濾波された信号のうちどちらか一つが参考電圧Vrとなる時、故障電流が発生したことになる。これらのコンパレーター242、244、246による出力された方形波形式(例えばパルス)のトリガ信号Coはブレーカ(CB)ドライバ250をトリガする。ブレーカドライバ250はサイリスタにより実現できる。ブレーカドライバ250はトリガされ、ブレーカ(CB、非図示)を駆動するために用いられる駆動信号Sdを出力する。ブレーカは操作され、故障が発生された区間を切り離す。
【0021】
図9に示すように、過電流継電器200は高交流電圧(例えば115V)を低直流電圧(例えば5V)に変換するAC-DC整流器203のみを有する。ただし、過電流継電器200は高直流電電圧を低直流電圧に変換するDC-DCコンバータ(非図示)のみを有してもよい。代わりに、過電流継電器200は過電流継電器100はAC-DC整流器103及びDC-DCコンバータ105を有してもよい。
【0022】
本発明の過電流継電器は、他の従来技術の保護装置に併用することができる。図10と図11は図9に示す過電流継電器の二つ応用例を示す略図である。図10において、過電流継電器200は、従来技術の電磁接触器保護回路(magnetic contactor (MC) tripping protection circuit)80に併用する。電磁接触器保護回路80は三相電動機等の負荷に応用される。ホールセンサ214、216、218は接点部品(MC)83にカップリングされる。故障電流が検出された時に、ブレーカドライバ250は、駆動信号Sdを電磁接触器保護回路80の制御回路81に転送する。制御回路81は接点部品83をオフして、電源から負荷を切り離す。図11において、過電流継電器200は、従来技術のノーヒューズブレーカ(NFB)90に協同して動作する。ノーヒューズブレーカ90のスイッチ94はホールセンサ214、216、218にそれぞれカップリングされる。故障電流が検出された時に、過電流継電器200が直ぐに生成した駆動信号Sdは、ノーヒューズブレーカ90の復帰スプリング92をトリガして、スイッチ94をオフするにより、ノーヒューズブレーカ90にカップリングされる設備を切り離す。
【0023】
図12は本発明のもう一つの実施例における過電流継電器300の回路図である。過電流継電器300は過電流継電器主要部301、過電流検出部310、及び過電流変換部360を含む。主要部301はDC-DCコンバータ305(及び/又はAC-DC整流器)、フィルタ320、第一参考電圧発生器331、第二参考電圧発生器332、第三参考電圧発生器333、第一コンパレーター341、第二コンパレーター343、時間遅延ユニット344、第三コンパレーター345、第一ブレーカ(CB)ドライバ351、第二ブレーカドライバ353及び内蔵のホールセンサ312を含む。検出部310はオプションの複数のホールセンサ314、316、318を有する。検出部310はリムーバブルできるように過電流継電器主要部301にカップリングされる。過電流変換部360もオプションのものであって、直流電圧の中の残留細波が除去できるDC-DCコンバータ362(オプション)、比率調節器364、アナログ-デジタル変換回路366及びデジタル-光変換回路368を有する。前述部品については後程詳しく説明する。
【0024】
過電流検出部310は、追加のホールセンサ、例えばホールセンサ314、316、318を含む。図面に示すように、これらの追加のホールセンサ314、316、318は主要部301の内蔵のホールセンサ312と協同して動作する。例えば、これらの四つホールセンサ312、314、316、318は電力線ケーブル(非図示)を囲うようにアレンジされ、設けられる。
【0025】
ホールセンサ312〜318は故障電流を検出した時、ホール電圧信号Vhは正弦波(存在の場合)の除去のためにフィルタ320に送信される。前述のように指数関数波は保存される。フィルタ320が出力した濾波された信号Vhfは指数関数波のみを含む。フィルタ320の出力信号Vhfは、第一コンパレーター341によって、第一参考電圧発生器331による提供された第一参考電圧Vr1と比較される。一旦濾波されたホール電圧信号Vhfが第一参考電圧Vr1となる時、第一コンパレーター341は第一トリガ信号Co1(例えばパルスである)を出力して、第一ブレーカ(CB)ドライバ351をトリガする。それに対して、第一ブレーカドライバ351は、ブレーカ(CB、非図示)を駆動するために用いられる第一駆動信号Sd1を生成する。ただし、各種の原因で、ブレーカは正常操作ができない可能性がある。本実施例の過電流継電器300はさらに二重保護を提供する。濾波された信号Vhfも第二コンパレーター343に転送され、第二参考電圧発生器333による提供された第二参考電圧Vr2と比較される。第二参考電圧Vr2は第一参考電圧Vr1より、少し大きくなる。濾波されたホール電圧信号Vhfが第二参考電圧Vr2となる時、第二コンパレーター343はトリガ信号Co2(例えばパルスである)を出力する。例えば、時点T1に第二コンパレーター343の出力Co2は、時間遅延ユニット334によって、時間Δtだけ遅延される。時間遅延ユニット334の遅延時間Δtは必要に応じて調整できる。遅延された第二コンパレーター343の出力信号Co2dは、時点T2に第三コンパレーター345によって、濾波された信号Vhfと比較される。T2=T1+Δt。時点T2に故障電流が存在した場合に、ブレーカは時点T2ですぐには動作しない。濾波された信号Vhfの波形はまた指数関数波形を有し、遅延された第二コンパレーター343の出力Co2dと交差する。この場合に、第三コンパレーター345は方波形式(例えばパルスである)のトリガ信号Co3を出力して、第二ブレーカ(CB、非図示)ドライバ353をトリガする。第二ブレーカドライバ353は第二駆動信号Sd2を生成してブレーカを駆動する。
【0026】
過電流変換部360は、ホールセンサからのホール電圧信号Vhをデジタル信号及び/又はさらに光信号に変換する。比率調節器364はホールセンサからのホール電圧信号Vhの電位を調整するために用いられる。アナログ-デジタル変換回路366は、アナログのホール電圧信号Vhのをデジタル信号に変換する。このデジタル信号は外部装置に転送することができ、例えば、従来技術の継電器またはアンメーターに転送して、他の応用に用いられる。デジタル-光変換回路368は、アナログ-デジタル変換回路366からのデジタル信号を光信号に変換して、ファイバーを介して転送されることができる。
【0027】
過電流継電器主要部301は独立の過電流継電器であってもよい。図13は本発明における過電流継電器300の主要部301の各側視図である。主要部301はケーシング302を有する。ケーシング302の上に電力線にカップリングされるプラグと電流検出部302のプラグを設けられ、且つ調整鍵(調整桿)も設けられる。本実施例において、過電流継電器主要部301は交流/直流(AC/DC)プラグ380、USBプラグ381、過電流継電器300をブレーカ(非図示)にカップリングするブレーカ(CB)復帰プラグ385、参考電圧発生器331、333の電位を調整するために用いられる調整桿383及び時間遅延ユニット344の遅延時間を調整するために用いられる他の調整桿384を含む。
【0028】
過電流検出部310は独立の過電流継電器であってもよい。例えば、過電流検出部310はシリコンで作成されたソフトストリップ311を含む。未使用の時、ソフトストリップ311は過電流検出部310から分離される。図14は過電流継電器300の主要部301と検出部310の組合図である。ソフトストリップ311の両端にはコネクタ、例えばUSBコネクタ(非図示)がである。ホールセンサ314、316、318はソフトストリップ311に設けられ、電気的にこれらのコネクタにカップリングされる。使用の時、過電流検出部310は、これらのUSBコネクタ(非図示)によって、主要部301のUSBプラグ381にカップリングされる。これらのUSBプラグ381はケーシング302の内のフィルタ320電気的にカップリングされる。例えば、故障電流を検出するために、過電流検出部310のソフトストリップ311は電力線ケーブルを囲うために用いられる。過電流検出部310は、コネクタが主要部301のUSBプラグ381にカップリングされることによって、主要部301にカップリングされる。それによって、過電流検出部310のホールセンサ314、316、318と主要部301の内蔵のホールセンサ312は、電力線ケーブルを囲うように設けられることができる。
【0029】
図15は本発明のもう一つの実施例における過電流継電器400の回路図である。過電流継電器400は図12に示す過電流継電器300と似る。二つ図面の中に、類似な参考番号は同じ部分を表示する。ただ一つの差異では、図12に示す過電流継電器300はDC-DCコンバータ305を有して、過電流継電器400がAC-DC整流器403を有する。
【0030】
図16は本発明における過電流検出/変換装置500を示す略図である。過電流検出/変換装置500は、故障電流を検出する機能及び検出された故障電流をデジタル信号及び/又は光信号に変換する機能のみを有する。即ち、過電流検出/変換装置500はブレーカ(非図示)を駆動する機能を有することではない。過電流検出/変換装置500は、検出部510及び変換部560を有する。検出部510は、故障電流を検出するために用いられ、対応のホール電圧信号を出力する複数のホールセンサ514、516、518を有する。変換部560は内蔵のホールセンサ512を含む。従って、変換部560は検出部510にカップリングされなくても使用できる。変換部560と検出部510は組合せた場合に、ホールセンサ512がホールセンサ514、516、518に協同して動作する。変換部560は比率調節器564を有して、ホール電圧信号の電位を調整する。調整されたホール電圧信号は、アナログ-デジタル(A/D)変換回路566によって、デジタル信号に変換される。デジタル信号はさらに、デジタル-光(D/Op)変換回路568によって光信号に変換される。図5に示す過電流継電器100と同じように、過電流検出/変換装置500はAC-DC整流器503及びDC-DCコンバータ562を有する。過電流検出/変換装置500は、交流電または直流電により提供されてもよい。実際的に、過電流検出/変換装置500の外観は図13または図14に示す過電流継電器300と同様でもよい。
【0031】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を上記の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0032】
10 保護回路、13 コンバータ(CT)、15 継電器、17 ブレーカ(CB)、21 バス、80 電磁接触器(MC)保護回路、81 制御回路、83 接点部品、90 ノーヒューズブレーカ、92 復帰スプリング、94 スイッチ、100 過電流継電器、103 AC-DC整流器、105 DC-DCコンバータ、110 ホールセンサ、120 フィルタ、130 参考電圧発生器、140 コンパレーター、150 ブレーカドライバ、200 過電流継電器、201 主要部、203 AC-DC整流器、210 検出部、214 ホールセンサ、216 ホールセンサ、218 ホールセンサ、222 第一フィルタ、224 第二フィルタ、226 第三フィルタ、230 参考電圧発生器、242 第一コンパレーター、244 第二コンパレーター、246 第三コンパレーター、250 ブレーカドライバ、300 過電流継電器、301 主要部、302 ケーシング、305 DC-DCコンバータ、310 検出部、311 ソフトストリップ、312 ホールセンサ、314 ホールセンサ、316 ホールセンサ、318 ホールセンサ、320 フィルタ、331 第一参考電圧発生器、333 第二参考電圧発生器、341 第一コンパレーター、343 第二コンパレーター、344 時間遅延ユニット、345 第三コンパレーター、351 第一ブレーカドライバ、353 第二ブレーカドライバ、360 変換部、362 DC-DCコンバータ、364 比率調節器、366 アナログ-デジタル(A/D)変換回路、368 デジタル-光(D/Op)変換回路、380 電源プラグ、381 USBプラグ、383 調整桿、384 調整桿、385 ブレーカ(CB)復帰プラグ、400 過電流継電器、401 主要部、403 AC-DC整流器、410 検出部、412 ホールセンサ、414 ホールセンサ、416 ホールセンサ、418 ホールセンサ、420 フィルタ、431 第一参考電圧発生器、433 第二参考電圧発生器、441 第一コンパレーター、443 第二コンパレーター、444 時間遅延ユニット、445 第三コンパレーター、451 第一ブレーカドライバ、453 第二ブレーカドライバ、460 変換部、462 DC-DCコンバータ、464 比率調節器、466 アナログ-デジタル(A/D)変換回路、468 デジタル-光(D/Op)変換回路、500 過電流検出/変換装置、503 AC-DC整流器、510 検出部、512 ホールセンサ、514 ホールセンサ、516 ホールセンサ、518 ホールセンサ、560 変換部、562 DC-DCコンバータ、564 比率調節器、566 アナログ-デジタル(A/D)変換回路、568 デジタル-光(D/Op)変換回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、過電流継電器に関し、特にホールセンサを利用する過電流継電器に関する。
【背景技術】
【0002】
電力システムにおいて、過電流継電器は故障の電力線からの故障電流を例えばブレーカへの信号に変換して、故障した電力線を電力システムから断線して、故障電流よる損害を避けるように電力システム全体を保護する。図1は、従来の継電器15を含む一般的な保護回路10の回路図である。
【0003】
保護回路10において、周知のように、コンバータ(CT)13は交流(AC)バス21からの故障電流を検出するために用いられる。交流(AC)バス21にカップリングされる設備は故障した時、大きな電流がACバス21に流れる可能性があり、ACバス21にカップリングされた電力システム(非表示)を損害する。継電器15は、コンバータ(CT)13により検出された故障電流を1つの信号に変換して、この信号をブレーカ17へ転送する。ブレーカ17は操作を行って、電力システムからACバス21を切り離す。
【0004】
周知のように、コンバータ13は鉄心を含むので、磁気ヒステリシスの現象が存在する。大きな過電流は検出された時、非線形的なコンバータが電流を励起して、コンバータ13の中の磁束密度が飽和する。なお、検出された電流の波形は歪んでいる。この歪みはブレーカ17の遮断動作を遅延することが可能である。
【0005】
図2は従来技術における異なる継電器のトリップ曲線を示す略図である。図2において、水平軸は電流を表し、垂直軸は遮断時間を表す。図2に示すように、これらのトリップ曲線は放物線である。異なる継電器の特性は異なる曲率を有する。したがって、一つの電力システムにおいて、異なるメーカの各種類の継電器を採用する時、トリップ曲線の間の干渉を回避するために、継電器の差異に対する考慮の上に、隣接のトリップ曲線の間に必要な時間間隔を維持することが必要である。コンバータの検出が歪んだ時、コンバータの検出の歪みによる時間遅延は、ブレーカの不適な駆動操作を発生する可能性がある。
【0006】
図3は電力線の故障期間における、理想的な三相コンバータの電流波形を示す図である。図3に示すように、各相に対して、コンバータの電流波形のエンベロープ(envelope)は滑らかな曲線であるはずである。図4は電力線の故障期間に、歪んだ一相コンバータの電流波形を示す図である。図4に示すように、電流波形のエンベロープは明白である。
【0007】
前述のように、コンバータ13の飽和磁束密度は時間遅延が起きるために、継電器15はすぐに故障電流に対する反応ができない。従って、提供する電力品質とシステムの安全に影響があるため、前述の問題を解決することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、故障電流を検出して、早速に故障電流に応じ、ブレーカを駆動する駆動信号を生成することができる過電流継電器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的を達成するために、本発明の過電流継電器は、故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力する少なくても一つのホールセンサと、ホール電圧信号を濾波するために用いられて、指数関数波形のみを有して濾波された信号を出力するフィルタ120と、参考電圧を提供する参考電圧発生器と、濾波された信号と参考電圧を比較し、濾波された信号が参考電圧となる時、トリガ信号を出力するコンパレーターと、トリガ信号によりトリガされ、ブレーカを駆動するために用いられる駆動信号を出力するブレーカドライバと含む。
【0010】
本発明の過電流継電器は、主要部、検出部及び変換部を有する。ホールセンサは検出部に設けられる。未使用の時、検出部は主要部から分離される。使用の時、検出部はまた主要部にカップリングされる。未使用の時、変換部は主要部から分離されてもよい。使用の時、変換部は主要部にカップリングされる。変換部は、後で利用するためにホールセンサのホール電圧信号をデジタル信号と、光信号に変換する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】従来技術における従来の継電器を含む一般的な保護回路の回路図である。
【図2】従来技術における異なる継電器のトリップ曲線を示す略図である。
【図3】電力線の故障期間における、理想的な三相コンバータの電流波形を示す図である。
【図4】電力線の故障期間における、歪んだ一相コンバータの電流波形を示す図である。
【図5】本発明の一つの実施例における過電流継電器の回路図である。
【図6】従来技術におけるコンバータ及び本発明のホールセンサが検出された故障電流の波形を示す図である。
【図7】本発明におけるフィルタで正弦波を濾波されたホール電圧信号の波形を示す略図である。
【図8】本発明における過電流継電器の濾波されたホール電圧信号Vhf、参考電圧Vr及びトリガ信号Coの波形を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例における過電流継電器の回路図である。
【図10】図9に示す過電流継電器の応用例を示す略図である。
【図11】図9に示す過電流継電器の他の応用例を示す略図である。
【図12】本発明の他のまた一つの実施例における過電流継電器の回路図である。
【図13】本発明における過電流継電器の主要部の各側視図である。
【図14】本発明における過電流継電器の主要部と検出部の組合図である。
【図15】本発明の他のまた一つの実施例における過電流継電器の回路図である。
【図16】本発明における過電流検出/変換装置を示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の上記目的と特徴と効果が更に明らかに理解できるように、添付図面を参照して詳しく説明する。
【0013】
本発明はホールセンサを利用して、故障電流を検出することにより、コンバータ(CT)の使用を回避する。従って、本発明はコンバータの飽和磁束密度によって起きる時間遅延を回避する。
【0014】
図5は本発明の一つの実施例における過電流継電器100の回路図である。過電流継電器100は電力線等の故障電流を検出するために用いられるホールセンサ110を有する。ホールセンサは周知の装置である。ホールセンサは電力システムを流れる電流の磁束密度を検出することによって、ホール電場を生成してホール電圧信号が得られる。ホールセンサ110は検出された電流をホール電圧信号に変換する。ホールセンサ110は鉄心を含まないので、故障電流が大きくても歪み現象は発生しない。図6は従来技術におけるコンバータ及び本発明のホールセンサがそれぞれ検出された故障電流の波形61、63を示す図である。図6に示すように、本発明の過電流継電器100は検出した故障電流の波形が真の故障電流の波形と接近する。
【0015】
例えば、三相電力システムにおいて、電力システムの電力線(非図示)に故障が発生した場合に、電流波形が大きな交流故障電流のみを含むことではなく、指数関数的な減衰波も含む。即ち、故障電流Iwを反応するホールセンサ110のホール電圧信号Vhは、正弦波と指数関数波を含む。過電流継電器100において、フィルタ120は、ホール電圧信号Vhの正弦波を濾波する。フィルタ120が出力した濾波された信号Vhfは指数関数波のみを含む。図7は正弦波を濾波されたホール電圧信号Vhfの波形を示す略図である。
【0016】
フィルタ120の出力信号Vhfは、コンパレーター140によって、参考電圧Vrと比較される。前述参考電圧Vrは参考電圧発生器130により提供される。
【0017】
一旦濾波されたホール電圧信号Vhfが参考電圧Vrとなる時、コンパレーター140はトリガ信号Coを出力して、ブレーカドライバ150をトリガする。最初指数関数波は急に上昇する。トリガ信号Coは簡単な方形波パルスであって、且つ故障電流が発生する時、数微秒以内で生成できる。従って、一旦故障電流が検出された、非常的に短い時間以内にブレーカを駆動するためにブレーカドライバ150がトリガされる。ブレーカドライバ150がトリガされる時、駆動信号Sdを生成する。駆動信号Sdはブレーカ(非図示)を駆動するために用いられ、故障の電力線を電力システムから断線する。図8は濾波されたホール電圧信号Vhf、参考電圧Vr及びトリガ信号Coの波形を示す図である。トリガ信号Coは方形波、例えばパルスである。方形波Coの立ち上がりエッジは、ブレーカドライバ150をトリガでき、ブレーカ(非図示)を駆動する。ブレーカドライバ150はサイリスタにより実現できる。
【0018】
過電流継電器100に提供された電力は交流電Vpac或いは直流電Vpdcである。例えば、交流電Vpacは115Vの交流電圧である。この交流電圧はAC-DC整流器103によって、適当な電位(例えば5V)の直流電圧に変換される。この低直流電圧はホールセンサ110と参考電圧発生器130に提供される。例えば、参考電圧発生器130は5Vの直流電圧を受信して、必要な電位を有する参考電圧を出力する。なるべく、参考電圧発生器130が連続的に調整でき、各種の必要な参考電圧を提供する。
【0019】
過電流継電器100は直流(DC)電力システムに用いられてもできる。直流故障電流は正弦波を含まない。従って、フィルタ120の出力Vhfは、ホールセンサ110のホール電圧信号Vhと似る。特にこの場合に、濾波されたホール電圧信号Vhfは、また急に上昇する区間を有する。従って、過電流継電器100はまた早速に故障電流に応じる。過電流継電器100が直流電力システムに用いられる場合に、DC-DCコンバータ105は高電力電圧Vpdc(例えば115V)を低電圧(例えば5V)に変換して、この低電圧をホールセンサ110と参考電圧発生器130に提供する。交流電力システム及び直流電力システムの両者にも適用されるために、なるべく過電流継電器100はAC-DC整流器103及びDC-DCコンバータ105を含む。
【0020】
図9は本発明の他の実施例における過電流継電器200の回路図である。この実施例において、過電流検出部210は複数のホールセンサ214、216、218を有する。過電流検出部210は過電流継電器200の過電流継電器主要部201の外に設けられる。例えば、ホールセンサ214、216、218は電力線ケーブルを囲うように設けられ、故障電流を検出する。過電流継電器主要部201は三つフィルタ222、224、226及び三つ対応のコンパレーター242、244、246を有する。これらのフィルタ222、224、226はホールセンサ214、216、218のホール電圧信号Vh1、Vh2、Vh3をそれぞれ濾波して、濾波された信号Vhf1、Vhf2、Vhf3を出力する。これらのコンパレーター242、244、246は、濾波された信号Vhf1、Vhf2、Vhf3と参考電圧発生器230による提供された参考電圧Vrをそれぞれ比較し、濾波された信号のうちどちらか一つが参考電圧Vrとなる時、故障電流が発生したことになる。これらのコンパレーター242、244、246による出力された方形波形式(例えばパルス)のトリガ信号Coはブレーカ(CB)ドライバ250をトリガする。ブレーカドライバ250はサイリスタにより実現できる。ブレーカドライバ250はトリガされ、ブレーカ(CB、非図示)を駆動するために用いられる駆動信号Sdを出力する。ブレーカは操作され、故障が発生された区間を切り離す。
【0021】
図9に示すように、過電流継電器200は高交流電圧(例えば115V)を低直流電圧(例えば5V)に変換するAC-DC整流器203のみを有する。ただし、過電流継電器200は高直流電電圧を低直流電圧に変換するDC-DCコンバータ(非図示)のみを有してもよい。代わりに、過電流継電器200は過電流継電器100はAC-DC整流器103及びDC-DCコンバータ105を有してもよい。
【0022】
本発明の過電流継電器は、他の従来技術の保護装置に併用することができる。図10と図11は図9に示す過電流継電器の二つ応用例を示す略図である。図10において、過電流継電器200は、従来技術の電磁接触器保護回路(magnetic contactor (MC) tripping protection circuit)80に併用する。電磁接触器保護回路80は三相電動機等の負荷に応用される。ホールセンサ214、216、218は接点部品(MC)83にカップリングされる。故障電流が検出された時に、ブレーカドライバ250は、駆動信号Sdを電磁接触器保護回路80の制御回路81に転送する。制御回路81は接点部品83をオフして、電源から負荷を切り離す。図11において、過電流継電器200は、従来技術のノーヒューズブレーカ(NFB)90に協同して動作する。ノーヒューズブレーカ90のスイッチ94はホールセンサ214、216、218にそれぞれカップリングされる。故障電流が検出された時に、過電流継電器200が直ぐに生成した駆動信号Sdは、ノーヒューズブレーカ90の復帰スプリング92をトリガして、スイッチ94をオフするにより、ノーヒューズブレーカ90にカップリングされる設備を切り離す。
【0023】
図12は本発明のもう一つの実施例における過電流継電器300の回路図である。過電流継電器300は過電流継電器主要部301、過電流検出部310、及び過電流変換部360を含む。主要部301はDC-DCコンバータ305(及び/又はAC-DC整流器)、フィルタ320、第一参考電圧発生器331、第二参考電圧発生器332、第三参考電圧発生器333、第一コンパレーター341、第二コンパレーター343、時間遅延ユニット344、第三コンパレーター345、第一ブレーカ(CB)ドライバ351、第二ブレーカドライバ353及び内蔵のホールセンサ312を含む。検出部310はオプションの複数のホールセンサ314、316、318を有する。検出部310はリムーバブルできるように過電流継電器主要部301にカップリングされる。過電流変換部360もオプションのものであって、直流電圧の中の残留細波が除去できるDC-DCコンバータ362(オプション)、比率調節器364、アナログ-デジタル変換回路366及びデジタル-光変換回路368を有する。前述部品については後程詳しく説明する。
【0024】
過電流検出部310は、追加のホールセンサ、例えばホールセンサ314、316、318を含む。図面に示すように、これらの追加のホールセンサ314、316、318は主要部301の内蔵のホールセンサ312と協同して動作する。例えば、これらの四つホールセンサ312、314、316、318は電力線ケーブル(非図示)を囲うようにアレンジされ、設けられる。
【0025】
ホールセンサ312〜318は故障電流を検出した時、ホール電圧信号Vhは正弦波(存在の場合)の除去のためにフィルタ320に送信される。前述のように指数関数波は保存される。フィルタ320が出力した濾波された信号Vhfは指数関数波のみを含む。フィルタ320の出力信号Vhfは、第一コンパレーター341によって、第一参考電圧発生器331による提供された第一参考電圧Vr1と比較される。一旦濾波されたホール電圧信号Vhfが第一参考電圧Vr1となる時、第一コンパレーター341は第一トリガ信号Co1(例えばパルスである)を出力して、第一ブレーカ(CB)ドライバ351をトリガする。それに対して、第一ブレーカドライバ351は、ブレーカ(CB、非図示)を駆動するために用いられる第一駆動信号Sd1を生成する。ただし、各種の原因で、ブレーカは正常操作ができない可能性がある。本実施例の過電流継電器300はさらに二重保護を提供する。濾波された信号Vhfも第二コンパレーター343に転送され、第二参考電圧発生器333による提供された第二参考電圧Vr2と比較される。第二参考電圧Vr2は第一参考電圧Vr1より、少し大きくなる。濾波されたホール電圧信号Vhfが第二参考電圧Vr2となる時、第二コンパレーター343はトリガ信号Co2(例えばパルスである)を出力する。例えば、時点T1に第二コンパレーター343の出力Co2は、時間遅延ユニット334によって、時間Δtだけ遅延される。時間遅延ユニット334の遅延時間Δtは必要に応じて調整できる。遅延された第二コンパレーター343の出力信号Co2dは、時点T2に第三コンパレーター345によって、濾波された信号Vhfと比較される。T2=T1+Δt。時点T2に故障電流が存在した場合に、ブレーカは時点T2ですぐには動作しない。濾波された信号Vhfの波形はまた指数関数波形を有し、遅延された第二コンパレーター343の出力Co2dと交差する。この場合に、第三コンパレーター345は方波形式(例えばパルスである)のトリガ信号Co3を出力して、第二ブレーカ(CB、非図示)ドライバ353をトリガする。第二ブレーカドライバ353は第二駆動信号Sd2を生成してブレーカを駆動する。
【0026】
過電流変換部360は、ホールセンサからのホール電圧信号Vhをデジタル信号及び/又はさらに光信号に変換する。比率調節器364はホールセンサからのホール電圧信号Vhの電位を調整するために用いられる。アナログ-デジタル変換回路366は、アナログのホール電圧信号Vhのをデジタル信号に変換する。このデジタル信号は外部装置に転送することができ、例えば、従来技術の継電器またはアンメーターに転送して、他の応用に用いられる。デジタル-光変換回路368は、アナログ-デジタル変換回路366からのデジタル信号を光信号に変換して、ファイバーを介して転送されることができる。
【0027】
過電流継電器主要部301は独立の過電流継電器であってもよい。図13は本発明における過電流継電器300の主要部301の各側視図である。主要部301はケーシング302を有する。ケーシング302の上に電力線にカップリングされるプラグと電流検出部302のプラグを設けられ、且つ調整鍵(調整桿)も設けられる。本実施例において、過電流継電器主要部301は交流/直流(AC/DC)プラグ380、USBプラグ381、過電流継電器300をブレーカ(非図示)にカップリングするブレーカ(CB)復帰プラグ385、参考電圧発生器331、333の電位を調整するために用いられる調整桿383及び時間遅延ユニット344の遅延時間を調整するために用いられる他の調整桿384を含む。
【0028】
過電流検出部310は独立の過電流継電器であってもよい。例えば、過電流検出部310はシリコンで作成されたソフトストリップ311を含む。未使用の時、ソフトストリップ311は過電流検出部310から分離される。図14は過電流継電器300の主要部301と検出部310の組合図である。ソフトストリップ311の両端にはコネクタ、例えばUSBコネクタ(非図示)がである。ホールセンサ314、316、318はソフトストリップ311に設けられ、電気的にこれらのコネクタにカップリングされる。使用の時、過電流検出部310は、これらのUSBコネクタ(非図示)によって、主要部301のUSBプラグ381にカップリングされる。これらのUSBプラグ381はケーシング302の内のフィルタ320電気的にカップリングされる。例えば、故障電流を検出するために、過電流検出部310のソフトストリップ311は電力線ケーブルを囲うために用いられる。過電流検出部310は、コネクタが主要部301のUSBプラグ381にカップリングされることによって、主要部301にカップリングされる。それによって、過電流検出部310のホールセンサ314、316、318と主要部301の内蔵のホールセンサ312は、電力線ケーブルを囲うように設けられることができる。
【0029】
図15は本発明のもう一つの実施例における過電流継電器400の回路図である。過電流継電器400は図12に示す過電流継電器300と似る。二つ図面の中に、類似な参考番号は同じ部分を表示する。ただ一つの差異では、図12に示す過電流継電器300はDC-DCコンバータ305を有して、過電流継電器400がAC-DC整流器403を有する。
【0030】
図16は本発明における過電流検出/変換装置500を示す略図である。過電流検出/変換装置500は、故障電流を検出する機能及び検出された故障電流をデジタル信号及び/又は光信号に変換する機能のみを有する。即ち、過電流検出/変換装置500はブレーカ(非図示)を駆動する機能を有することではない。過電流検出/変換装置500は、検出部510及び変換部560を有する。検出部510は、故障電流を検出するために用いられ、対応のホール電圧信号を出力する複数のホールセンサ514、516、518を有する。変換部560は内蔵のホールセンサ512を含む。従って、変換部560は検出部510にカップリングされなくても使用できる。変換部560と検出部510は組合せた場合に、ホールセンサ512がホールセンサ514、516、518に協同して動作する。変換部560は比率調節器564を有して、ホール電圧信号の電位を調整する。調整されたホール電圧信号は、アナログ-デジタル(A/D)変換回路566によって、デジタル信号に変換される。デジタル信号はさらに、デジタル-光(D/Op)変換回路568によって光信号に変換される。図5に示す過電流継電器100と同じように、過電流検出/変換装置500はAC-DC整流器503及びDC-DCコンバータ562を有する。過電流検出/変換装置500は、交流電または直流電により提供されてもよい。実際的に、過電流検出/変換装置500の外観は図13または図14に示す過電流継電器300と同様でもよい。
【0031】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を上記の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と範囲を脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0032】
10 保護回路、13 コンバータ(CT)、15 継電器、17 ブレーカ(CB)、21 バス、80 電磁接触器(MC)保護回路、81 制御回路、83 接点部品、90 ノーヒューズブレーカ、92 復帰スプリング、94 スイッチ、100 過電流継電器、103 AC-DC整流器、105 DC-DCコンバータ、110 ホールセンサ、120 フィルタ、130 参考電圧発生器、140 コンパレーター、150 ブレーカドライバ、200 過電流継電器、201 主要部、203 AC-DC整流器、210 検出部、214 ホールセンサ、216 ホールセンサ、218 ホールセンサ、222 第一フィルタ、224 第二フィルタ、226 第三フィルタ、230 参考電圧発生器、242 第一コンパレーター、244 第二コンパレーター、246 第三コンパレーター、250 ブレーカドライバ、300 過電流継電器、301 主要部、302 ケーシング、305 DC-DCコンバータ、310 検出部、311 ソフトストリップ、312 ホールセンサ、314 ホールセンサ、316 ホールセンサ、318 ホールセンサ、320 フィルタ、331 第一参考電圧発生器、333 第二参考電圧発生器、341 第一コンパレーター、343 第二コンパレーター、344 時間遅延ユニット、345 第三コンパレーター、351 第一ブレーカドライバ、353 第二ブレーカドライバ、360 変換部、362 DC-DCコンバータ、364 比率調節器、366 アナログ-デジタル(A/D)変換回路、368 デジタル-光(D/Op)変換回路、380 電源プラグ、381 USBプラグ、383 調整桿、384 調整桿、385 ブレーカ(CB)復帰プラグ、400 過電流継電器、401 主要部、403 AC-DC整流器、410 検出部、412 ホールセンサ、414 ホールセンサ、416 ホールセンサ、418 ホールセンサ、420 フィルタ、431 第一参考電圧発生器、433 第二参考電圧発生器、441 第一コンパレーター、443 第二コンパレーター、444 時間遅延ユニット、445 第三コンパレーター、451 第一ブレーカドライバ、453 第二ブレーカドライバ、460 変換部、462 DC-DCコンバータ、464 比率調節器、466 アナログ-デジタル(A/D)変換回路、468 デジタル-光(D/Op)変換回路、500 過電流検出/変換装置、503 AC-DC整流器、510 検出部、512 ホールセンサ、514 ホールセンサ、516 ホールセンサ、518 ホールセンサ、560 変換部、562 DC-DCコンバータ、564 比率調節器、566 アナログ-デジタル(A/D)変換回路、568 デジタル-光(D/Op)変換回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過電流継電器であって、故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力する第一ホールセンサと、前記ホール電圧信号を濾波するために用いられて、濾波された信号を出力するフィルタと、第一参考電圧を提供する第一参考電圧発生器と、前記フィルタが出力した前記濾波された信号と前記第一参考電圧を比較し、前記濾波された信号が前記第一参考電圧となる時、第一トリガ信号を出力する第一コンパレーターと、前記第一トリガ信号によりトリガされ、ブレーカを駆動するために用いられる第一駆動信号を出力する第一ブレーカドライバと含むことを特徴とする過電流継電器。
【請求項2】
前記フィルタは、前記ホール電圧信号の正弦波を濾し、前記ホール電圧信号の指数関数波を通過させることを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項3】
前記第一ホールセンサと協同して、故障電流を検出し、前記ホール電圧信号を出力する少なくても一つの第二ホールセンサを更に有することを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項4】
前記少なくても一つの第二ホールセンサは、分離の検出部に設けられて、使用の時に前記フィルタにカップリングすることを特徴とする請求項3に記載の過電流継電器。
【請求項5】
少なくても一つの追加の第一ホールセンサと、少なくても一つの追加のフィルタと、少なくても一つの追加の第一コンパレーターとを有し、前記第一ホールセンサは故障電流をそれぞれ検出し、前記フィルタは、前記ホール電圧信号をそれぞれ濾波し、前記第一コンパレーターは前記フィルタの出力と前記第一参考電圧をそれぞれ比較して、前記ブレーカドライバにカップリングされたことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項6】
前記第一参考電圧より高い第二参考電圧を提供する第二参考電圧発生器と、前記濾波された信号と前記第二参考電圧を比較し、前記濾波された信号が前記第二参考電圧となる時、一つの出力値を出力する第二コンパレーターと、前記濾波された信号と前記第二コンパレーターの出力値を比較するために用いられ、前記濾波された信号が前記第二コンパレーターの出力値となる時、第二トリガ信号を出力する第三コンパレーターと、前記第二トリガ信号によりトリガされ、前記ブレーカを駆動するために用いられる第二駆動信号を出力する第二ブレーカドライバとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項7】
前記第二コンパレーターの出力所定時間に遅延する時間遅延ユニットをさらに有し、前記第三コンパレーターが前記濾波された信号と前記遅延された第二コンパレーターの出力値を比較することを特徴とする請求項6に記載の過電流継電器。
【請求項8】
前記ホール電圧信号をデジタル信号に変換するために用いられるアナログ-デジタル変換回路と、前記デジタル信号を光信号に変換するために用いられるデジタル-光変換回路とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項9】
故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力するホールセンサと、前記ホール電圧信号をデジタル信号に変換するために用いられるアナログ-デジタル変換回路とを含むことを特徴とする電流検出/変換装置。
【請求項10】
前記デジタル信号を光信号に変換するために用いられるデジタル-光変換回路をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の電流検出/変換装置。
【請求項1】
過電流継電器であって、故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力する第一ホールセンサと、前記ホール電圧信号を濾波するために用いられて、濾波された信号を出力するフィルタと、第一参考電圧を提供する第一参考電圧発生器と、前記フィルタが出力した前記濾波された信号と前記第一参考電圧を比較し、前記濾波された信号が前記第一参考電圧となる時、第一トリガ信号を出力する第一コンパレーターと、前記第一トリガ信号によりトリガされ、ブレーカを駆動するために用いられる第一駆動信号を出力する第一ブレーカドライバと含むことを特徴とする過電流継電器。
【請求項2】
前記フィルタは、前記ホール電圧信号の正弦波を濾し、前記ホール電圧信号の指数関数波を通過させることを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項3】
前記第一ホールセンサと協同して、故障電流を検出し、前記ホール電圧信号を出力する少なくても一つの第二ホールセンサを更に有することを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項4】
前記少なくても一つの第二ホールセンサは、分離の検出部に設けられて、使用の時に前記フィルタにカップリングすることを特徴とする請求項3に記載の過電流継電器。
【請求項5】
少なくても一つの追加の第一ホールセンサと、少なくても一つの追加のフィルタと、少なくても一つの追加の第一コンパレーターとを有し、前記第一ホールセンサは故障電流をそれぞれ検出し、前記フィルタは、前記ホール電圧信号をそれぞれ濾波し、前記第一コンパレーターは前記フィルタの出力と前記第一参考電圧をそれぞれ比較して、前記ブレーカドライバにカップリングされたことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項6】
前記第一参考電圧より高い第二参考電圧を提供する第二参考電圧発生器と、前記濾波された信号と前記第二参考電圧を比較し、前記濾波された信号が前記第二参考電圧となる時、一つの出力値を出力する第二コンパレーターと、前記濾波された信号と前記第二コンパレーターの出力値を比較するために用いられ、前記濾波された信号が前記第二コンパレーターの出力値となる時、第二トリガ信号を出力する第三コンパレーターと、前記第二トリガ信号によりトリガされ、前記ブレーカを駆動するために用いられる第二駆動信号を出力する第二ブレーカドライバとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項7】
前記第二コンパレーターの出力所定時間に遅延する時間遅延ユニットをさらに有し、前記第三コンパレーターが前記濾波された信号と前記遅延された第二コンパレーターの出力値を比較することを特徴とする請求項6に記載の過電流継電器。
【請求項8】
前記ホール電圧信号をデジタル信号に変換するために用いられるアナログ-デジタル変換回路と、前記デジタル信号を光信号に変換するために用いられるデジタル-光変換回路とをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の過電流継電器。
【請求項9】
故障電流を検出するために用いられ、ホール電圧信号を出力するホールセンサと、前記ホール電圧信号をデジタル信号に変換するために用いられるアナログ-デジタル変換回路とを含むことを特徴とする電流検出/変換装置。
【請求項10】
前記デジタル信号を光信号に変換するために用いられるデジタル-光変換回路をさらに有することを特徴とする請求項9に記載の電流検出/変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−200109(P2011−200109A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58619(P2011−58619)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(503378235)国立台湾科技大学 (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(503378235)国立台湾科技大学 (32)
【Fターム(参考)】
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