説明

道路切削機及び切削深さを測定するための方法

【課題】掘削深さ測定精度向上と、所定深さからの偏りの最小化を図る。
【解決手段】昇降支柱12、13を介してトラックアセンブリ2、3により支持される機械フレーム4と、地面8の処理のために機械フレーム上に支持された切削ロール6と、地面上に載置するように配置されるエッジ保護用の高さ調整可能なサイドプレート10と、切削ロールの後側に移動方向で配置されるとともに、動作中に、切削ロールによる切削トラックへと下降されるようになっている高さ調整可能な剥離手段14と、切削ローラの切削深さを制御するための制御手段23とを備える自走式道路切削機1において、地面上に載置する第1のセンサ手段における現在の切削深さによって引き起こされる上昇か、切削トラックの表面上への第2のセンサ手段の下降を検出する測定手段により、制御手段23が現在の切削深さを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【関連外国出願】
【0001】
本出願は、この開示内容が参照として本明細書に組み入れられる2006年12月22日のドイツ特許出願10 2006 062 129.8の優先権を主張する。
【発明の分野】
【0002】
本発明は、請求項1のプリアンブルに係る特に冷間切削機のような自走式道路切削機、及び、請求項27のプリアンブルに係る切削深さを測定するための方法に関する。
【関連技術の説明】
【0003】
前述したような道路切削機において、機械フレームは、昇降支柱を介して機械フレームに接続される車輪又はキャタピラトラックを備えるトラックアセンブリによって支持され、昇降支柱により、機械フレームを水平面内に或いは地面と平行に或いは所定の縦方向の傾き及び/又は横方向の傾きに維持することができる。
【0004】
地面又は路面を加工するための切削ロールは機械フレームで支持される。
【0005】
切削ロールの前端側近傍には、高さ調整可能なサイドプレートが道路切削機の外壁にエッジプロテクタとして設けられており、これらのサイドプレートは、動作時に、切削トラック(切削わだち)の切削されていない側縁部で地面又は路面上に載置される。移動方向で見て切削ロールの後側には、高さ調整可能な剥離手段が設けられており、この剥離手段は、動作時、切削ロールによって形成された切削トラック内へと下降されて切削トラック内に残存する切削材料を剥ぎ取ることができる。また、道路切削機は、切削ロールの切削深さを制御するための制御手段を有している。
【0006】
既知の道路切削機に伴う問題は、切削深さを正確に十分制御することができず、そのため、切削作業中に切削深さを繰り返し手で測定しなければならないということである。特にコンクリート等の硬質な路面が切削される場合には、工具が激しく摩耗し、それにより、切断円の直径の減少によって切削深さ設定が乱される。例えば、コンクリート切削時の工具の摩耗は、ほんの100mの後に15mmの切削半径の差をもたらし、それにより、例えば機械フレームに対するサイドプレートの調整の測定が十分正確とならない。切削深さが不十分であると、時間がかかる切削トラックの再加工を行なわなければならない。切削トラックが深すぎると、所望の地面又は路面レベルを得るために、より多くの建築材料をその後に加えなければならない。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、道路切削機の動作中における切削深さ測定の精度を高め、それによって、所定の切削深さからの偏りを最小限に抑えることである。
【0008】
本発明は、少なくとも1つの測定手段が、地面又は路面上に載置する第1のセンサ手段の上昇及び/又は切削トラックの底部への第2のセンサ手段の下降を検出し、当該上昇又は下降が現在の切削深さに対応して行なわれることを有利に提供する。少なくとも1つの測定手段によって供給される測定値から、制御手段は、切削ロール又は第2のセンサ手段の測定手段のレベルで切削深さを決定することができる。
【0009】
ここで、測定は、切削ロールの背後に近接して配置され或いは別個のセンサ手段が設けられる場合には剥離手段の直ぐ背後に配置された剥離手段のレベルで行なわれることが好ましい。
【0010】
剥離手段をセンサ手段として使用すると、切削トラックにおける何らかの不均一性によって測定誤差が引き起こされないという点で有益である。他の利点は、剥離手段の下縁が摩耗から保護されるという点である。
【0011】
代替の方法として、制御手段は、少なくとも1つの測定手段の測定値を使用して、切削ロール軸のレベルで切削ロールの現在の切削深さを決定することができる。これは、機械フレームの傾き位置を考慮に入れてもよい計算によって行なわれることが好ましい。
【0012】
測定手段は位置検出手段によって形成されることが好ましい。1つの実施形態において、第1のセンサ手段は、機械フレームに対して回動可能及び高さ調整可能となるように切削ロールの前方の両側に配置されたサイドプレートのうちの少なくとも一方によって形成される。地面又は路面上に載置するサイドプレートはこれらに対して押圧され、それにより、第2のセンサ手段の位置の変化の測定が機械フレームに対して切削トラックにおいて更に行なわれる場合には、動作中の機械フレームに対するサイドプレートの位置変化が切削深さの正確な検出を可能にする。
【0013】
サイドプレートにおいても、それらの下縁が摩耗から保護されるという利点がある。
【0014】
ここで、測定手段は、サイドプレート及び/又は剥離手段と結合されるケーブルラインと、機械フレームに対する剥離手段及びサイドプレートの位置の変化又は剥離手段すなわち第2のセンサ手段に対するサイドプレートのうちの少なくとも一方の相対的な変位を測定する位置センサとしての関連するケーブルラインセンサとを備えていてもよい。
【0015】
サイドプレート及び剥離手段と結合されるケーブルラインは、剥離手段のレベルでほぼ延びる略垂直面内で切削トラックと直交して配置されることが好ましい。
【0016】
これにより、剥離プレートでの測定のための基準面に対して異なる基準面をサイドプレートでの測定において使用することにより測定誤差が引き起こされることを回避できる。
【0017】
これを達成するため、ケーブルラインが一方で剥離手段と結合され且つ他方でガイドローラを介して少なくとも一方のサイドプレートと結合され、それにより、ケーブルラインセンサが例えばガイドローラで切削深さを直ちに測定するようになっていてもよい。
【0018】
他の代替案において、サイドプレートは、当該サイドプレートと対向する側縁に対応する測定手段を有しており、この測定手段は、少なくとも1つの隣接するサイドプレートに対する剥離手段の相対的な変位又は剥離手段に対する少なくとも一方のサイドプレートの相対的な変位を測定する。
【0019】
他の代替の実施形態によれば、剥離手段は、剥離手段において垂直に直線的にガイドされ且つ移動方向を横切って延びる高さ調整可能な少なくとも1つのビームを第1の検出手段として含んでおり、上記ビームが切削トラックの近傍で地面又は路面上に載置し、好ましくは高さ及び傾きに関して剥離手段に対するビームの位置を測定手段によって測定することができる。
【0020】
サイドプレートは、重力によって、切削機により切削された切削トラックの近傍で地面又は路面の縁部上に載置されても良く、あるいは、液圧手段によって縁部上に押圧されてもよい。
【0021】
また、剥離手段は、液圧手段を使用して切削トラックの表面上に押圧されてもよい。
【0022】
サイドプレートを地面又は路面上に押圧する或いは剥離手段を切削トラックの底部に対して押圧するための液圧手段は、組み込まれた位置検出システムを備えていてもよい。
【0023】
サイドプレート及び/又は剥離手段を上昇させ或いは下降させるため、位置検出システムが組み込まれた複数の、好ましくはそれぞれ2つのピストン/シリンダユニットが設けられても良く、その位置検出信号は、剥離手段の位置と少なくとも1つの第1のセンサ手段の位置との間の相対的な差から現在の切削深さを計算するために制御手段によって使用される。
【0024】
測定手段から位置検出信号を受ける制御手段は、機械フレームと地面又は路面との間の平行度を所望の切削深さで確立するために、移動方向で見て後側の昇降支柱の上昇状態を自動制御するようになっている。
【0025】
機械フレームに対して回動可能となるように地面又は路面上に載置するサイドプレートは、移動方向で離間される測定手段を備えていても良く、制御手段は、サイドプレートからの測定信号と剥離手段からの測定信号との間の差から、地面又は路面に対する機械フレームの縦方向の傾き及び/又は横方向の傾きを測定することができる。
【0026】
前側及び/又は後側の昇降支柱は、上昇状態を検出するための位置検出システムを含んでいてもよい。測定手段から位置検出信号を受ける制御手段は、機械フレームが所定の傾きを成すように或いは移動方向を横切る移動距離に依存する所定の横方向の傾きを成すように、全ての昇降支柱の状態を制御することができる。
【0027】
切削ロールの切削深さにおける現在の設定値は、前側昇降支柱を使用して調整されることが好ましい。
【0028】
以下は、添付図面に関連する本発明の好ましい実施形態の詳細な説明である。
【好ましい実施形態の説明】
【0029】
図1に示される道路切削機は、2つの前側無限軌道2と少なくとも1つの後側無限軌道3とを有するトラックアセンブリによって支持された機械フレーム4を備えている。無限軌道2、3は、昇降支柱12、13を介して機械フレーム4と接続されている。無限軌道2、3の代わりに車輪が使用されてもよいことは言うまでもない。
【0030】
昇降支柱12、13を使用すると、機械フレーム4を上昇させ或いは下降させ或いは地面又は路面8に対して所定の傾斜位置をとるように移動させることができる。機械フレーム4内に支持された切削ロール6はロールケース9によって取り囲まれており、ロールケース9は、機械フレーム4の前側部分にある切削された材料を第2のコンベヤ手段13へと搬送するコンベヤベルト11へ向けて、移動方向で見て前側が開放している。切削された材料をトラック上へ供給してもよい第2のコンベヤ手段13は、例えば、その長さに起因して図1に完全に示されていない。切削ロール6の後側には高さ調整可能な剥離手段14が配置されており、この剥離手段14は、動作時には、切削ロール6によって形成された切削トラック17に剥離プレート15を係合させるとともに、切削トラック17の底部を剥離プレート15に剥ぎ取らせ、それにより、切削された材料を剥離プレートの後側の切削トラック17内に残さないようにする。
【0031】
切削ロール6の上側には、運転操作及び切削操作の全ての制御機能のため、車両オペレータ用の制御パネルを有する運転台5が設けられている。また、運転台は、切削ロール6の切削深さを制御するための制御手段23も含んでいる。
【0032】
切削ロール6の前端近傍の両側に配置されたサイドプレート10及び剥離手段14には、剥離手段14のレベルで現在の切削深さの決定を可能にし、又は、切削ロールの回転軸のレベルで切削深さの計算を可能にする測定手段16が設けられている。ここで、切削深さは、地面又は路面に対して垂直な平面内で決定され、この平面は、切削ロールの回転軸と平行で且つ当該回転軸を含んでいる。
【0033】
したがって、地面又は路面8上における第1のセンサ手段、例えばサイドプレート10の位置、及び/又は、第2のセンサ手段、例えば剥離手段の下降を検出することができる。好ましくは位置検出手段によって形成される測定手段16は、センサ手段、例えばサイドプレート10又はビーム20又は剥離プレート15の機械フレーム4に対する或いは互いに対する変位を測定する。
【0034】
図2に示される実施形態は、地面又は路面8上に載置し且つ剥離プレート15の下端縁19に対して垂直に直線状に延びる溝24内において剥離手段の剥離プレート15でガイドされるセンサ手段としてのビーム20を示している。2つの互いに平行な溝24を剥離プレート15に設けることができ或いは検出手段としての機能を果たすビーム20を剥離手段14で高さ調整できるように異なる態様でガイドできることは言うまでもない。位置検出手段の形態で設けられる測定手段16は、剥離手段14に対するビーム20の変位を検出する。2つの水平に離間される溝24が使用される場合には、切削トラック17の左側及び切削トラック17の右側で切削深さを個別に検出できる。また、これは、地面又は路面8に対する機械フレーム4の傾きを決定できる可能性を与える。
【0035】
図3は、剥離手段14の剥離プレート15を液圧手段によって上昇させることができ或いは下降させることができる別の実施形態を図示している。
【0036】
液圧手段は、組み込まれた位置検出システムを有するピストン/シリンダユニット26、28によって形成されている。このことは、ピストン/シリンダユニット26、28が剥離手段のストローク移動を可能にするだけでなく更に位置信号も生成できることを意味している。
【0037】
図3から明らかなように、ピストン/シリンダユニット26、28は、機械フレーム4に対して接続された一端部と、剥離プレート15に対して接続された他端部とを有している。
【0038】
図4は、切削トラック17の切削深さを検出するためにサイドプレート10と剥離手段との間の相対的な動きが直接に測定される実施形態を示している。これを達成するため、測定手段16の要素38、40が例えばサイドプレート10及びこれと対向する剥離プレート15に設けられる。これらの要素は、サイドプレート10に対する剥離プレート15の相対的な変位の検出を可能にする。この変位は図4の切削深さsに対応している。例えば、相対的な変位を測定するそのような測定手段は、光学系によって、例えば光センサを用いてスケールを読み取ることによって、あるいは、電磁システム又は誘導システムによって形成されてもよい。
【0039】
代替の方法として、図5に示されるように、サイドプレート10と剥離プレート15との間の相対位置検出システムは、ケーブルラインセンサ21と組み合わせられるケーブルライン22によって形成されてもよい。ケーブルライン22は、一方では剥離手段14の剥離プレート15と結合され、他方ではガイドローラ35を介してサイドプレート10のうちの少なくとも一方と結合され、それにより、ケーブルラインセンサ21からの信号が現在の切削深さの値を直ちに示すことができるようになっている。
【0040】
サイドプレート10自体は、ケーブルライン及びケーブルラインセンサを用いて或いは位置検出手段が組み込まれたピストン/シリンダユニット30、32を用いて機械フレーム4又は第2のセンサ手段に対するそれらの位置を監視することにより第1のセンサ手段として使用することができる。
【0041】
例えば、測定手段は、機械フレーム4に対するサイドプレート10の変位を測定することもできる。2つの測定手段が使用される場合、すなわち、移動方向で見て1つの測定手段がサイドプレート10の前方で使用され、もう1つの測定手段がサイドプレートの後側で使用される場合には、地面又は路面8に対する機械フレーム4の縦方向の傾きを決定できるとともに、切削ロール6の両側にあるサイドプレート10の両方に関する測定値を比較することにより機械フレーム4の横方向の傾きを決定することもできる。
【0042】
図6は、機械フレーム4に取り付けられたケーブルラインセンサ21を備えるケーブルライン22が剥離手段15の両側に配置される好ましい実施形態を図示している。機械の両側では、サイドプレート10にも、機械フレーム4に締結されたケーブルラインセンサ21及びケーブルライン22が設けられている。切削深さsは、サイドプレート10におけるケーブルラインセンサ21の測定値と剥離手段15のケーブルラインセンサ21の測定値との間の差から決定される。ここで、測定誤差を避けるため、測定は、同じ略垂直面内で行なわれるべきことが好ましい。
【0043】
図7a〜7cは、サイドプレート10及び剥離プレート14におけるケーブルラインセンサ(21)を図示し、この図面は、ケーブルラインセンサが実質的に同じ面の他のセンサの後側に配置されているので、1つのケーブルラインセンサ(21)のみを指し示している。
【0044】
図7a、b、cは、地面又は路面8が機械フレーム4と平行ではないケースを示すためのものであり、測定手段によって示される測定切削深さ値は、角度誤差に起因して補正されなければならない。これは、機械フレーム4の縦方向の傾きが、剥離手段14の近傍の剥離プレート15すなわち第2のセンサ手段のレベルで測定信号に悪影響を与えるからである。固定された幾何学的関係、すなわち、切削ロール6の回転軸からの剥離プレート15の距離により、測定切削深さ値を補正することができ、それにより、移動方向における水平からの角度の偏りを知ることができるとともに、切削ロール軸のレベルで現在の切削深さを計算することができる。移動方向における角度の偏りは、例えば、キャタピラトラックアセンブリ2、3の昇降支柱12、13の位置又はピストン/シリンダユニット30、32の位置から決定されてもよい。
【0045】
どの程度サイドプレート10が機械フレーム4に対して回動できるのかは、図7a〜図7cから更に明らかである。ピストン/シリンダユニット30、32には位置検出システムも設けられており、これらの測定信号は、機械フレーム4からのサイドプレート10の距離を決定するためにケーブルラインセンサ21に代わる手段として使用されてもよい。
【0046】
図7cは、機械フレーム4が地面と平行に位置している場合における少なくとも1つのサイドプレート10の位置を図示している。図7a〜図7cに示される剥離プレート15はロールケース9に位置されており、その結果、切削ロール6の回転軸からの剥離プレート14の距離を明確に決定することができ、それにより、機械フレーム4が地面と平行でない場合に切削深さ補正の計算を行なうことができる。
【0047】
制御手段23は、受けた位置検出信号から、切削ロール軸のレベルで現在の切削深さを計算することができるとともに、場合により、切削ロール6の垂直調整のための制御信号を生成することもできる。
【0048】
制御手段23は、移動方向で見て後側の少なくとも1つの昇降支柱13の上昇状態を自動制御することができ、それにより、機械フレーム4と地面又は路面8との間で、あるいは、水平面に対して、あるいは、所定の望ましい切削面に対して平行を成すことができることが好ましい。
【0049】
本発明をその特定の実施形態に関して説明して図示してきたが、本発明をこれらの例示的な実施形態に限定しようとするものではない。当業者であれば分かるように、以下の請求項によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、変形及び改良を成すことができる。したがって、添付の請求項及びその等価物の範囲内に入るそのような全ての変形及び改良が本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】冷間切削機を示している。
【図2】剥離プレートに取り付けられた第1のセンサ手段を図示している。
【図3】剥離手段の剥離プレートを上昇させ或いは下降させるための2つのピストン/シリンダユニットを示している。
【図4】サイドプレートと剥離手段との間の位置的差異を測定するための光学装置を図示している。
【図5】サイドプレートと剥離手段との間に設けられるケーブルライン測定手段を図示している。
【図6】好ましい実施形態を図示している。
【図7a】機械フレームと地面又は路面との間に平行度がないときに剥離手段の剥離プレートで生じる測定誤差の概略図である。
【図7b】機械フレームと地面又は路面との間に平行度がないときに剥離手段の剥離プレートで生じる測定誤差の概略図である。
【図7c】機械フレームと地面又は路面との間に平行度がないときに剥離手段の剥離プレートで生じる測定誤差の概略図である。
【符号の説明】
【0051】
1…自走式道路切削機、2…前側無限軌道、3…後側無限軌道、4…機械フレーム、5…運転台、6…切削ロール、8…地面(路面)、9…ロールケース、10…サイドプレート、11…コンベヤベルト、12、13…昇降支柱、14、15…剥離プレート(剥離手段)、16…測定手段、17…切削トラック、20…ビーム、21…ケーブルラインセンサ、22…ケーブルライン、23…制御手段、24…溝、26、30…シリンダユニット、35…ガイドローラ。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 昇降支柱(12、13)を介して機械フレーム(4)を支持するトラックアセンブリと、
− 地面又は路面(8)の処理のために前記機械フレーム(4)上に支持された切削ローラ(6)と、
− 処理されるべき地面又は路面(8)上に載置するように配置されるエッジ保護用の高さ調整可能なサイドプレート(10)と、
− 前記切削ローラ(6)の後側に移動方向で配置されるとともに、動作中に、前記切削ローラ(6)によって形成される切削トラック(17)へと下降されるようになっている高さ調整可能な剥離手段(14)と、
− 前記切削ローラ(6)の切削深さを制御するための制御手段(23)と、
を備える、特に冷間切削機のような自走式の道路切削機(1)において、
少なくとも1つの測定手段(16)が、処理されるべき地面又は路面(8)上に載置する第1のセンサ手段における現在の切削深さによって引き起こされる上昇、及び/又は、前記切削トラック(17)の表面上への第2のセンサ手段の下降を検出するようになっており、前記制御手段(23)が、前記少なくとも1つの測定手段(16)の測定値から、前記切削ローラ(6)の切削深さを得ることを特徴とする道路切削機(1)。
【請求項2】
前記制御手段(23)が、前記少なくとも1つの測定手段(16)の測定値から、前記第2のセンサ手段のレベルで前記切削ロール(6)の切削深さを得る、請求項1に記載の道路切削機。
【請求項3】
前記制御手段(23)が、前記少なくとも1つの測定手段(16)の測定値から、切削ロール軸のレベルで前記切削ロール(6)の現在の切削深さを得る、請求項1に記載の道路切削機。
【請求項4】
前記第2のセンサ手段が剥離手段(14)を備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項5】
前記測定手段(16)が位置検出手段を備えている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項6】
前記第1のセンサ手段が少なくとも1つのサイドプレート(10)を備え、当該サイドプレートが、前記機械フレーム(4)に対して高さ調整可能で且つ回動可能な形態で前記切削ロール(6)の端部側の両側に配置されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項7】
前記測定手段(16)が、前記第1のセンサ手段及び/又は前記第2のセンサ手段に対して結合されるケーブルライン(22)と、位置検出手段としてのケーブルラインセンサ(21)とを備えている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項8】
前記測定手段(16)が、前記第2のセンサ手段に対する前記第1のセンサ手段の変位、又は、前記機械フレーム(4)に対する前記第1のセンサ手段及び前記第2のセンサ手段のそれぞれの変位を検出する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項9】
ケーブルライン(22)が、一方で前記剥離手段(14)に対して結合されるとともに、他方で偏向ロール(35)を介して前記少なくとも1つのサイドプレート(10)に対して結合され、それにより、ケーブルラインセンサ(21)が切削深さを直接に測定するようになっている、請求項7又は8に記載の道路切削機。
【請求項10】
前記サイドプレート(10)と側縁で対向する前記剥離手段(14)が、前記少なくとも1つのサイドプレート(10)に対する前記剥離手段(14)の相対的な変位を測定するための1つの測定手段(16)をそれぞれ備えている、請求項6〜9のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項11】
前記剥離手段(14)が、剥離方向(14)で前記剥離手段(14)の下縁に対して垂直にガイドされ且つ移動方向を横切って延びる高さ調整可能な少なくとも1つのビーム(20)を備え、前記ビームが第1のセンサ手段としての機能を果たし、前記ビームが前記切削トラック(17)に隣接して地面又は路面(8)上に載置し、前記ビームの位置が、前記測定手段(16)により、好ましくは高さ及び傾きに関して前記剥離手段(14)に対して測定可能である、請求項1又は2に記載の道路切削機。
【請求項12】
前記サイドプレート(10)が、重力の作用下で、前記切削ロール(6)によって切削される前記切削トラックに隣接する縁部上に載置する、請求項6〜11のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項13】
前記切削ロール(6)によって切削される前記切削トラック(9)に隣接する縁部上へ前記サイドプレート(10)を押圧するため及び/又は切削トラック(9)の底部上へ前記剥離手段(14)を押圧するために液圧手段が設けられる、請求項6〜12のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項14】
前記液圧手段が、位置検出手段が組み込まれたピストン/シリンダユニット(26、28)を備えている、請求項9に記載の道路切削機。
【請求項15】
前記サイドプレート(10)及び/又は前記剥離手段(14)を上昇させ或いは下降させるため、位置検出システムが組み込まれた複数の、好ましくはそれぞれ2つのピストン/シリンダユニット(26、28、30、32)が設けられ、前記機械フレーム(4)に対する前記位置検出システムの位置検出信号が、現在の切削深さを計算するために前記制御手段(23)によって使用される、請求項6〜14のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項16】
前記測定手段(16)の位置検出信号を受ける前記制御手段(23)が、前記機械フレーム(4)と地面又は路面(8)或いは所定の切削面との間で平行を成すために、移動方向において後側の昇降支柱(13)の上昇状態を自動制御するようになっている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項17】
前記機械フレーム(4)に対して回動可能な態様で地面又は路面(8)上に載置する前記サイドプレート(10)には、移動方向に互いに離間して配置される2つの測定手段(16a、16b)が設けられ、前記制御手段(23)が、前記サイドプレート(10)の測定信号間の差から、地面又は路面(8)に対する前記機械フレーム(4)の縦方向の傾き及び/又は横方向の傾きを測定するようになっている、請求項16に記載の道路切削機。
【請求項18】
前側及び/又は後側の前記昇降支柱(12、13)には、上昇状態を検出するための位置検出システムが設けられている、請求項1〜17のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項19】
前記測定手段(16)の位置検出信号を受ける前記制御手段(23)が、前記機械フレーム(4)が所定の横方向の傾きを成すように或いは移動方向と直交し且移動距離に依存する過程を経る所定の横方向の傾きを成すように、全ての前記昇降支柱(12、13)の上昇状態を制御するようになっている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項20】
前記切削ロール(6)の切削深さにおける現在の所望値が前側昇降支柱(12)によって調整できる、請求項18又は19に記載の道路切削機。
【請求項21】
前記サイドプレート(10)及び/又は前記剥離手段(14)及び全ての前記昇降支柱(12、13)の全ての測定手段(16)の位置検出信号を受ける前記制御手段(23)が、前記測定手段(16)の位置検出信号及び/又は切削深さにおける所望値の望ましい位置依存変化にしたがって、処理される経路長の途中の前記昇降支柱(12、13)の結果的な上昇位置を設定するようになっている、請求項1〜20のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項22】
切削されていない地面又は路面(8)に関する前記測定手段(16)の測定信号のゼロレベルを設定できる、請求項1〜21のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項23】
前記各昇降支柱(12、13)が、その下端に、車輪又はキャタピラトラックアセンブリのためのキャリア(11)を備え、距離センサ(30)が、地面又は路面(8)からの前記キャリア(11)の距離を測定するとともに、測定信号を、前記昇降支柱(12、13)の上昇位置に関して前記制御手段(23)へ送信し、及び/又は、前記切削ローラ(6)の切削深さに関して前記制御手段(23)へ送信するようになっている、請求項1〜22のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項24】
前記切削ローラ(6)が、前記機械フレーム(4)の作業深さの略全体にわたって延びている、請求項1〜23のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項25】
前記切削ローラ(6)が、高さ調整可能な態様で前記機械フレーム(4)内に支持されている、請求項1〜24のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項26】
前記制御手段(23)が、受けた位置検出信号から現在の切削深さを得るとともに、前記切削ロール(6)の高さ調整のための制御信号を生成する、請求項1〜25のいずれか一項に記載の道路切削機。
【請求項27】
特に冷間切削機のような道路切削機(1)における切削深さを測定するための方法であって、前記切削機が切削ロール(6)を用いて地面又は路面(8)を切削するようになっており、切削のため、前記切削ロール(6)を有する前記道路切削機が所定の切削深さに対応して下降され、前記道路切削機のサイドプレート(10)が切削トラック(17)に隣接して少なくとも一方側で処理されていない地面又は路面(8)上に配置され、前記切削ロール(6)によって形成された切削トラック(17)内へ剥離プレート(15)が下降される方法において、
前記切削トラック(17)の地面の位置を検出する第2のセンサ手段の測定値に関連して、処理されていない地面又は路面(8)の位置を検出する少なくとも1つの第1のセンサ手段の測定値を検出することにより、あるいは、機械フレーム(4)に関して前記両方のセンサ手段の測定値を測定することにより、前記切削トラック(17)の切削深さの測定が行なわれる、方法。
【請求項28】
前記切削トラック(17)に隣接する側縁が前記サイドプレート(10)によって押さえ付けられ、少なくとも一方の前記サイドプレート(10)が前記第1のセンサ手段として使用され、切削された表面を剥ぎ取るための剥離プレート(15)が前記第2のセンサ手段として使用される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記道路切削機の機械フレーム(4)が地面又は路面(8)と平行に延びていないときに、前記切削ローラ(6)の回転軸と前記第2のセンサ手段との間の差にしたがって、測定された切削深さ値の補正が行なわれる、請求項27又は28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【公開番号】特開2008−163734(P2008−163734A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−330314(P2007−330314)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(301064954)ヴィルトゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (25)
【氏名又は名称原語表記】Wirtgen GmbH
【Fターム(参考)】