説明

道路標識

【課題】全体の厚さ寸法を小さくすることができる道路標識を提供する。
【解決手段】文字、図形等を切欠き形成した貫通部2を有するAl板1と、Al板1の表
て面に一体状に積層された有色彩の再帰性反射シート3と、白色系の半透明の反射シート
4を一体状に透明アクリル板5に積層して、Al板1の裏面に取着具10にて固着された裏
当て板20と、裏当て板20の後方に所定間隔を介して配設された乳白色半透明板6と、を具
備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路標識に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路標識は、朝日および西日の逆光線が当たっても表面の文字や記号を認識でき
るように、反射材を接着した透明強化プラスチック板の背後に、所定間隔をもって、光線
を分散しながら通過可能な半透明乳白色強化プラスチック板を設置したものがある(例え
ば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、半透明乳白色強化プラスチック板の背面に、補強用の骨組みが必要であり、こ
の補強用の骨組みの影が映らない(前面から骨組みがぼんやりと見えない)ように、上記
所定間隔を例えば 200mmと大きく設定しなければならないという欠点があった。さらに、
このように大きな間隔を保つために上辺、下辺、左右両側辺を包囲して、全体を箱型とせ
ねばならなかった。
【特許文献1】特許第3468506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、全体の厚さ寸法が大きい点である。また、箱型で大容積とな
る点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明に係る道路標識は、文字、図形等を切欠き形成した貫通部を有するAl板と、該Al板の表て面に一体状に積層された有色彩の再帰性反射シートと、白色系の半透明の反射シートを一体状に透明アクリル板に積層して、上記Al板の裏面に取着具にて固着された裏当て板と、を具備し、さらに、上記取着具を、上記Al板の貫通部を避けた位置に配設すると共に、上記取着具はAl型材から成り、上記Al板の裏面に溶接にて固着されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の道路標識によれば、全体の厚さ寸法を小さくすることができる。さらに、全体
を箱型とする必要もなくなり、軽量化と構造の簡素化を図り得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1・図2は、本発明の実施の一形態を示す。この道路標識は、朝日および西日の逆光
線が当たっても表面の文字、図形等を認識できるように構成されている。すなわち、文字
、図形等を切欠き形成した貫通部(切欠)2を有するAl板1を具備する。Al板1の表
て面に一体状に(例えば60℃〜80℃で5分〜8分の熱融着により)積層された有色彩の再
帰性反射シート3を具備する。再帰性反射シート3の色彩は、青色や緑色が好ましい。
【0008】
白色系の半透明の反射シート4を一体状に透明アクリル板5に積層して、Al板1の裏
面に取着具10にて固着された裏当て板20を具備する。反射シート4を再帰性のものとする
のが好ましい。裏当て板20が、少なくとも貫通部2を裏面から閉じるように、Al板1の
全面の一部にのみ配設されている。
【0009】
裏当て板20の後方に(比較的小さい)所定間隔を介して配設された乳白色半透明板6を
具備する。すなわち、乳白色半透明板6と取着具10がボルト・ナット結合等の連結部材11
にて連結されている。乳白色半透明板6を、Al板1の大きさの全面的又は部分的のいず
れの大きさに設定しても良い。すなわち、貫通部2の裏側対応部のみに、部分的に乳白色
半透明板6を設けても良い。取着具10が、Al板1の貫通部2を避けた位置に配設されて
いる。
【0010】
取着具10はAl型材から成ると共にAl板1の裏面に溶接10’(例えばスポット溶接)
にて固着されている。取着具10と、裏当て板20の外周端縁部20Aとの間に、コーキング材
13が介設されている。コーキング材13は、例えばシリコン系のものを用いることができる
。取着具10と、裏当て板20の外周端縁部20Aとの間、かつ、コーキング材13の内部側(空
気に触れない側)に、コーキング止め材12を有するのが好ましい。
【0011】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、連結部材11としては、角筒型やH型
断面やコの字断面の型材や折曲材を使用することも可能であって、しかも、4辺に配設し
たり、平行な2辺に沿ってのみ配設するも、好ましい。
【0012】
以上のように、本発明は、文字、図形等を切欠き形成した貫通部2を有するAl板1と
、Al板1の表て面に一体状に積層された有色彩の再帰性反射シート3と、白色系の半透
明の反射シート4を一体状に透明アクリル板5に積層して、Al板1の裏面に取着具10に
て固着された裏当て板20と、裏当て板20の後方に所定間隔を介して配設された乳白色半透
明板6と、を具備するので、全体の厚さ寸法T(図2参照)を小さくすることができる。
特に、従来の道路標識は、全体の厚さ寸法が約 200mmと大きかった(厚かった)ところ、
本願発明の道路標識では、全体の厚さ寸法Tを約65mm〜70mmに小さく(薄く)することが
できる。また、全体を箱型とするためのハウジング状枠を省略することができるので、コ
ストダウンすることができる。そして、軽量である。さらに、高価な透明アクリル板5を
一部(文字、図形等がない部分)省略することができる。
【0013】
また、取着具10を、Al板1の貫通部2を避けた位置に配設したので、貫通部2が暗く
なることを防止することができる。
【0014】
また、取着具10はAl型材から成ると共にAl板1の裏面に溶接10’にて固着され、し
かも、取着具10と、裏当て板20の外周端縁部20Aとの間に、コーキング材13が介設されて
いるので、Al板1に裏当て板20を確実に固着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の一形態を示す斜視図である。
【図2】要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0016】
1 Al板
2 貫通部
3 再帰性反射シート
4 反射シート
5 透明アクリル板
10 取着具
10’溶接
13 コーキング材
20 裏当て板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字、図形等を切欠き形成した貫通部(2)を有するAl板(1)と、
該Al板(1)の表て面に一体状に積層された有色彩の再帰性反射シート(3)と、
白色系の半透明の反射シート(4)を一体状に透明アクリル板(5)に積層して、上記Al板(1)の裏面に取着具(10)にて固着された裏当て板(20)と、
を具備し、
さらに、上記取着具(10)を、上記Al板(1)の貫通部(2)を避けた位置に配設すると共に、上記取着具(10)はAl型材から成り、上記Al板(1)の裏面に溶接(10’)にて固着されていることを特徴とする道路標識。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−256714(P2011−256714A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216591(P2011−216591)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【分割の表示】特願2008−102491(P2008−102491)の分割
【原出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(599147595)光和産業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】