説明

遠心分離機用スクリューコンベア、及び、円筒状部材の内周側リブの補修・補強方法、並びに、補強・補修用部材

【課題】遠心分離機に用いられるスクリューコンベアのコンベアハブ内周面に取り付けられているリブ等が破損した場合に、これを円滑にかつ簡単に補修する方法、或いは、破損が生じる前にリブを補強する方法、及び、補強又は補修のために用いられる専用の部材を提供する。
【解決手段】上縁から下方へ向かって形成された複数の切欠2aを有し、下縁から上方へ向かって所定の幅で切り欠かれた二条の直線状の溝2bを有する筒状本体2と、横幅寸法が、筒状本体の内径寸法に対応した大きさに設定されるとともに、中央に、下辺から上方へ向かって所定の幅で切り欠かれた直線状の溝3aが形成された挿入板3と、上面の外縁が全周的に面取りされ、テーパ面4aが形成されたキャップ4と、によって構成される補修用部材1を用いてコンベアハブ12内のリブ13を補修する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠心分離機に用いられるスクリューコンベアのコンベアハブ内周面に取り付けられているリブなどのように、円筒状部材の内周面から中心軸線(円筒状部材の軸線)に向かって突出するように取り付けられた平板状の部材を補強し、或いは、それらが破損した場合にこれを補修する方法、及び、補強又は補修のために用いられる専用の部材、更に、それらの部材によって強化された遠心分離機用スクリューコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
遠心分離機は、中空のボウルと、その内部においてボウルと同軸的に配置されたスクリューコンベアとを有し、これらを高速で回転させることにより、処理原液供給管からボウル内に導入した処理原液を遠心力により分離し、個別に排出するように構成されている。
【0003】
遠心分離機において使用されるスクリューコンベアは、通常、円筒状のコンベアハブと、その外周面に取り付けられた螺旋状のフライトとによって構成されているが、図8及び図9に示すように、コンベアハブ22の内部に、部分的に複数枚のリブ23(内周側リブ)が取り付けられたスクリューコンベア21も存在する。
【0004】
これらのリブ23は、厚さ寸法が均一な平板状材をコンベアハブ22の内周面から中心軸線に向かって突出するように、それぞれ等しい間隔(図9の例では60°間隔)を置いて配置してなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−202435号公報
【特許文献1】特開2004−202436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8に示すような遠心分離機(コンベアハブ22の内部にリブ23が取り付けられているスクリューコンベア21を使用する遠心分離機)の使用中に、リブ23が破損してしまった場合、例えば、コンベアハブ22の内周面とリブ23との溶接部分の強度が低下してしまった場合や、部分的に溶接が剥がれてしまい、リブ23がコンベアハブ22に対してしっかりと固定されていない状態となってしまった場合、或いは、リブ23がコンベアハブ22の内周面から脱落してしまったような場合、機械を分解して補修する必要がある。
【0007】
しかしながら、破損したリブ23を事後的に補修することが困難な場合がある。具体的には、リブ23は、コンベアハブ22の内周面に取り付けられているため、これを補修するためには、作業者はコンベアハブ22の内側から破損部位にアプローチする必要があるが、コンベアハブ22の内径が小さい場合、コンベアハブ22内において作業スペースを確保できず、或いは、作業者が破損部位に直接アクセスすることができないことがある。
【0008】
本発明は、上記のような従来技術を解決すべくなされたものであって、円筒状部材の内周側リブ(遠心分離機に用いられるスクリューコンベアのコンベアハブ内周面に取り付けられているリブ等)が破損した場合に、これを円滑にかつ簡単に補修する方法、或いは、破損が生じる前にリブを補強する方法、及び、補強又は補修のために用いられる専用の部材、更に、それらの部材によって強化された遠心分離機用スクリューコンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材は、筒状本体、及び、挿入板によって構成され、筒状本体は、基本形状が円筒状で、上縁から下方へ向かって所定の幅で形成された複数の切欠を有するとともに、下縁から上方へ向かって所定の幅で切り欠かれた二条の直線状の溝を有し、挿入板は、横幅寸法が、筒状本体の内径寸法に対応した大きさに設定されるとともに、中央に、下辺から上方へ向かって所定の幅で切り欠かれた直線状の溝が形成されていることを特徴としている。
【0010】
この内周側リブの補修・補強用部材は、筒状本体、挿入板のほかに、キャップを有していることが好ましく、キャップは、上面の外縁が全周的に面取りされ、テーパ面が形成されていることが好ましい。また、キャップは、平面形状が円形で、その下半部が筒状本体の内径よりも僅かに小さく、また、上半部が筒状本体の内径よりも大きく、外径よりも小さい寸法に設定されていることが好ましい。尚、挿入板は、筒状本体内に挿入された状態で予め一体化されていてもよい。
【0011】
本発明に係る円筒状部材の内周側リブの補修・補強方法は、円筒状部材における内周側リブの本来の固定位置に、円筒状部材の外周面から内部の空洞まで貫通する貫通孔を形成し、筒状本体を、円筒状部材の外周面側から貫通孔内に挿入し、筒状本体に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、筒状本体を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で、筒状本体と内周側リブとを溶接して、筒状本体を内周側リブに対して固定し、筒状本体内に挿入板を挿入し、挿入板に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、挿入板を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で挿入板と内周側リブとを溶接し、更に、挿入板と筒状本体とを溶接し、挿入板を内周側リブ及び筒状本体に対して固定し、筒状本体の切欠の外周側のエッジと、貫通孔の内周面とを溶接して、筒状本体を円筒状部材に対して固定し、キャップを、筒状本体の上部に装着して貫通孔を閉塞し、筒状本体のテーパ面、貫通孔の内周面、キャップの外周面、及び、キャップのテーパ面を溶接して一体化することすることを特徴としている。
【0012】
尚、この方法において、挿入板が筒状本体内に挿入された状態で予め一体化されている内周側リブの補修・補強用部材を用いる場合には、円筒状部材に貫通孔を形成した後、挿入板が挿入された状態で予め一体化されている筒状本体を、円筒状部材の外周面側から貫通孔内に挿入し、筒状本体に形成されている溝内、及び、挿入板に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、筒状本体及び挿入板を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で、筒状本体と内周側リブとを溶接して、筒状本体を内周側リブに対して固定し、筒状本体の切欠の外周側のエッジと、貫通孔の内周面とを溶接して、筒状本体を円筒状部材に対して固定する。
【0013】
尚、本発明において「内周側リブ」とは、円筒状部材の内周面から中心軸線に向かって突出するように取り付けられた平板状の部材を意味し、リブとして機能するもののみならず、仕切板や、その他の用途に用いられるフィン等を広く包含する概念である。
【0014】
また、本発明に係る遠心分離機用スクリューコンベアは、上記円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材を用いてコンベアハブ内に取り付けられている内周側リブを補強したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材を用いれば、円筒状部材(遠心分離機用スクリューコンベアのコンベアハブ等)の内周面に取り付けられているリブが破損した場合に、円筒状部材の外周面側から破損部位にアクセスすることができるため、円筒状部材内において作業スペースを確保できないような場合であっても、破損箇所を円滑にかつ簡単に補修することができ、また、円筒状部材の内周側リブを円滑にかつ簡単に補強することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態「円筒状部材の内周側リブの補修用部材」の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施形態「円筒状部材の内周側リブの補修方法」の説明図であり、補修対象となる遠心分離機用コンベアハブ12(円筒状部材)の一部を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態「円筒状部材の内周側リブの補修方法」の説明図であり、コンベアハブ12に形成した貫通孔14の周辺部位の拡大斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態「円筒状部材の内周側リブの補修方法」の説明図であり、コンベアハブ12、リブ13、及び、筒状本体2の断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態「円筒状部材の内周側リブの補修方法」の説明図であり、コンベアハブ12、リブ13、筒状本体2の各断面、及び、挿入板3の側面を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第2実施形態「円筒状部材の内周側リブの補修方法」の説明図であり、コンベアハブ12、リブ13、筒状本体2の各断面、及び、挿入板3、キャップ4の各側面を示す図である。
【図7】図7は、本発明の第2実施形態「円筒状部材の内周側リブの補修方法」の説明図であり、コンベアハブ12、リブ13、筒状本体2の各断面、及び、挿入板3、キャップ4の各側面を示す図である。
【図8】図8は、従来の遠心分離機の部分断面図である。
【図9】図9は、図8に示したX−X線によるスクリューコンベア21の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、本発明の実施形態について説明する。本発明は、内周面にリブ、フィン、又は、仕切板等の平板状の部材(以下、これらを総称して「リブ」或いは「内周側リブ」と言う。)が取り付けられている円筒状部材(遠心分離機用コンベアハブ、ロータリーキルンの円筒部、回転ドラム等)において、リブが破損した場合にこれを補修する方法(円筒状部材の内周側リブの補修方法)、或いは、リブを補強する方法(円筒状部材の内周側リブの補強方法)として実施することができるほか、円筒状部材の内周側リブの補修或いは補強の際に用いる専用の部材(円筒状部材の内周側リブの補修用部材、又は 補強用部材)として実施することもできる。また、補強用部材を使用することによって強化された遠心分離機用スクリューコンベアとしても実施することができる。
【0018】
まず、本発明の第1実施形態として、「円筒状部材の内周側リブの補修用部材」について説明する。本実施形態に係る補修用部材1は、図1に示すように、筒状本体2、挿入板3、及び、キャップ4によって構成されている。これらはいずれも金属製(ステンレス、チタン等)である。
【0019】
筒状本体2は、基本形状が円筒状で、上縁から下方へ向かって所定の幅で形成された切欠2aを複数(本実施形態においては四つ)有するとともに、下縁から上方へ向かって所定の幅で切り欠かれた二条の直線状の溝2bを有している。これらの溝2bは、筒状本体2の中心軸線を挟んで対称的な位置に形成され、各溝2bの幅は、補修しようとするリブの厚さ寸法に対応した寸法(リブを隙間なく進入させることができる寸法)に設定されている。尚、筒状本体2の上縁は、外周側が面取りされ、テーパ面2cが形成されている。
【0020】
挿入板3は、横幅寸法が、筒状本体2の内径寸法に対応した大きさとなっており、筒状本体2内へ問題なく差し込むことができ、かつ、差し込んだ際に筒状本体2の内部で挿入板3があばれないような寸法に設定されている。また、挿入板3の中央には、筒状本体2の溝2bと同様に、下辺から上方へ向かって所定の幅(補修しようとするリブの厚さ寸法に対応した寸法)で切り欠かれた直線状の溝3aが形成されている。
【0021】
キャップ4は、平面形状が円形で、その下半部は筒状本体2の内径よりも僅かに小さく、また、上半部は筒状本体2の内径よりも大きく、外径よりも小さい寸法に設定されている。従って、筒状本体2の上部にキャップ4を被せると、下半部のみが筒状本体2の内側へ嵌合するようになっている。また、キャップ4の上面は、外縁が全周的に面取りされ、テーパ面4aが形成されている。
【0022】
尚、以上に説明した円筒状部材の内周側リブの補修用部材1は、「円筒状部材の内周側リブの補強用部材」としても使用することができる。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態として、「円筒状部材の内周側リブの補修方法」を遠心分離機用コンベアハブ内リブに適用する場合の例について説明する。図2は、遠心分離機用コンベアハブ12(円筒状部材)の一部を示す斜視図である。図示されているように、コンベアハブ12の内部には、複数枚のリブ13(内周側リブ)が、コンベアハブ12の内周面から中心軸線に向かって突出するように取り付けられている。尚、コンベアハブ12の外周面には、螺旋状のフライトが取り付けられているが、この図においては便宜上、表示を省略している。
【0024】
コンベアハブ12の内部に取り付けられているリブ13が破損した場合、例えば、コンベアハブ12の内周面とリブ13との溶接部分の強度が低下してしまった場合や、部分的に溶接が剥がれてしまい、リブ13がコンベアハブ12に対してしっかりと固定されていない場合、或いは、リブ13の全体がコンベアハブ12の内周面から脱落してしまい、リブ13を新たに取り付ける必要があるような場合、図2に示すように、コンベアハブ12におけるリブ13の本来の固定位置に、コンベアハブ12の外周面から内部の空洞まで貫通する孔(貫通孔14)を形成する。
【0025】
この貫通孔14は、図1に示した補修用部材1の筒状本体2の外径に対応した大きさ(筒状本体2を隙間なく差し込むことができる大きさ)とする。尚、形成する貫通孔14の個数は、リブ13の破損状況等に応じて適宜決定する。また、貫通孔14の形成位置は、コンベアハブ12の外周面に取り付けられているフライト(図示せず)に干渉しない位置とする。
【0026】
次に、図3に示すように、筒状本体2を、コンベアハブ12の外周面側から貫通孔14内に挿入する。このとき、図4に示すように、筒状本体2に形成されている溝2b内に、コンベアハブ12の内側において延在するリブ13が進入するような形とし、筒状本体2をリブ13の左右に跨がせるような状態とする。
【0027】
筒状本体2は、貫通孔14の最も奥まで(リブ13が溝2b内の最も奥まで進入した状態まで)挿入させると、図5に示すように、上縁が貫通孔14内に没する状態となり、かつ、すべての切欠2aが、貫通孔14の内壁面によって外側から全面的に閉塞された状態(すべての切欠2aが、全体的に貫通孔14の内壁面に臨んだ状態)となるような構成となっている。
【0028】
この状態で、筒状本体2とリブ13とを溶接して、筒状本体2をリブ13に対して固定する。具体的には、溶接棒の先端を、コンベアハブ12の外周面側から貫通孔14を介して筒状本体2内に差し込み、溝2bの内周側のエッジと、リブ13との入隅部分(図5に示すクロスハッチAの部分)に対して、すみ肉溶接を行う。
【0029】
次に、図5に示すように、筒状本体2内に挿入板3を挿入する。このとき、挿入板3の溝3a内にリブ13が進入するような形とし、挿入板3をリブ13の左右に跨がせるような状態とする。そして、図6に示すように、挿入板3を最も奥まで挿入したら、挿入板3とリブ13とを溶接し、更に、挿入板3と筒状本体2とを溶接し、挿入板3をリブ13及び筒状本体2に対して固定する。具体的には、溶接棒の先端を、コンベアハブ12の外周面側から貫通孔14を介して筒状本体2内に差し込み、溝3aのエッジと、リブ13との入隅部分(図6に示すクロスハッチBの部分)、及び、挿入板3の各側縁3bと、筒状本体2の内周面との入隅部分(図6に示すクロスハッチCの部分)に対して、それぞれすみ肉溶接を行う。
【0030】
続いて、筒状本体2の切欠2aの外周側のエッジと、貫通孔14の内周面との入隅部分に対して、ぞれぞれすみ肉溶接を行って、筒状本体2をコンベアハブ12に対して固定する。そして、キャップ4を、筒状本体2の上部に装着し、貫通孔14を閉塞する(図7参照)。尚、キャップ4は、筒状本体2の上縁に対して適正な状態(下半部を筒状本体2の上縁内側に嵌合させた状態)で装着させると、図7に示すように、全体が貫通孔14内に没する状態となり、かつ、上面4bが、コンベアハブ12の外周面における貫通孔14の周縁部14aとほぼ同じ高さ位置となるように構成されている。
【0031】
貫通孔14の内側においてキャップを筒状本体2に装着すると、キャップ4のテーパ面4aと貫通孔14の内周面との間、及び、筒状本体2のテーパ面2cの上方に、リング状の隙間Dが形成されることになり、この隙間Dに溶接棒の先端を差し込んで、筒状本体2のテーパ面2c、貫通孔14の内周面、キャップ4の外周面4c、及び、キャップ4のテーパ面4aを溶接して一体化する。このとき、リング状の隙間Dが溶接ビードによって埋まるようにする。
【0032】
尚、本実施形態においては、筒状本体2を貫通孔14内に挿入し、筒状本体2とリブ13とを溶接により固定した後に、筒状本体2内に挿入板3を挿入しているが、当初より筒状本体2内に挿入板3が挿入され、溶接等によって予め一体化された状態のものを、貫通孔14内に挿入し、その後、リブ13と、筒状本体2及び挿入板3とを、溶接により一体化させるようにしてもよい。
【0033】
以上に説明したような方法によれば、内周面にリブが取り付けられている円筒状部材(遠心分離機用コンベアハブ)において、リブが破損した場合に、円滑に、かつ、簡単に補修することができる。尚、この円筒状部材の内周側リブの補修方法を実施した場合、円筒状部材乃至リブの強度は補修前と比べて大きくなる。従って、この方法は、リブが破損した場合のみならず、リブが破損する前に、「円筒状部材の内周側リブを補強する方法」として実施することもできる。
【0034】
尚、本実施形態においては、「円筒状部材の内周側リブの補修方法」を遠心分離機用コンベアハブ内リブに適用する場合の例について説明したが、適用対象はこれには限定されず、内周面にリブ、フィン、又は、仕切板等の平板状の部材が取り付けられている円筒状部材(ロータリーキルンの円筒部、回転ドラム等)であれば、どのようなものにも適用することができる。
【0035】
更に、スクリューコンベアを完成部品として遠心分離機に組み込む前に、即ち、スクリューコンベアの製造工程において上記方法を実行することにより、図1に示した補修用部材1によって強化された「遠心分離機用スクリューコンベア」として実施することもできる。
【符号の説明】
【0036】
1:補修用部材、
2:筒状本体、
2a:切欠、
2b:溝、
2c:テーパ面、
3:挿入板、
3a:溝、
3b:側縁、
4:キャップ、
4a:テーパ面、
4b:上面、
12:コンベアハブ、
13:リブ、
14:貫通孔、
14a:周縁部、
21:スクリューコンベア、
22:コンベアハブ、
23:リブ、
24:フライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状部材内に取り付けられている内周側リブを補修し、又は、補強するための部材であって、
筒状本体、及び、挿入板によって構成され、
筒状本体は、基本形状が円筒状で、上縁から下方へ向かって所定の幅で形成された複数の切欠を有するとともに、下縁から上方へ向かって所定の幅で切り欠かれた二条の直線状の溝を有し、
挿入板は、横幅寸法が、筒状本体の内径寸法に対応した大きさに設定されるとともに、中央に、下辺から上方へ向かって所定の幅で切り欠かれた直線状の溝が形成されていることを特徴とする、円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材。
【請求項2】
筒状本体、挿入板、及び、キャップによって構成され、
キャップは、上面の外縁が全周的に面取りされ、テーパ面が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材。
【請求項3】
キャップは、平面形状が円形で、その下半部が筒状本体の内径よりも僅かに小さく、また、上半部が筒状本体の内径よりも大きく、外径よりも小さい寸法に設定されていることを特徴とする、請求項2に記載の円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材。
【請求項4】
挿入板が、筒状本体内に挿入された状態で予め一体化されていることを特徴とする、請求項1に記載の円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材。
【請求項5】
請求項1に記載の円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材を用いて、円筒状部材内に取り付けられている内周側リブを補修し、又は、補強するための方法であって、
円筒状部材における内周側リブの本来の固定位置に、円筒状部材の外周面から内部の空洞まで貫通する貫通孔を形成し、
筒状本体を、円筒状部材の外周面側から貫通孔内に挿入し、筒状本体に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、筒状本体を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で、筒状本体と内周側リブとを溶接して、筒状本体を内周側リブに対して固定し、
筒状本体内に挿入板を挿入し、挿入板に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、挿入板を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で挿入板と内周側リブとを溶接し、更に、挿入板と筒状本体とを溶接し、挿入板を内周側リブ及び筒状本体に対して固定し、
筒状本体の切欠の外周側のエッジと、貫通孔の内周面とを溶接して、筒状本体を円筒状部材に対して固定することを特徴とする、円筒状部材の内周側リブの補修・補強方法。
【請求項6】
請求項2又は請求項3に記載の円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材を用いて、円筒状部材内に取り付けられている内周側リブを補修し、又は、補強するための方法であって、
円筒状部材における内周側リブの本来の固定位置に、円筒状部材の外周面から内部の空洞まで貫通する貫通孔を形成し、
筒状本体を、円筒状部材の外周面側から貫通孔内に挿入し、筒状本体に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、筒状本体を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で、筒状本体と内周側リブとを溶接して、筒状本体を内周側リブに対して固定し、
筒状本体内に挿入板を挿入し、挿入板に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、挿入板を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で挿入板と内周側リブとを溶接し、更に、挿入板と筒状本体とを溶接し、挿入板を内周側リブ及び筒状本体に対して固定し、
筒状本体の切欠の外周側のエッジと、貫通孔の内周面とを溶接して、筒状本体を円筒状部材に対して固定し、
キャップを、筒状本体の上部に装着して貫通孔を閉塞し、筒状本体のテーパ面、貫通孔の内周面、キャップの外周面、及び、キャップのテーパ面を溶接して一体化することを特徴とする、円筒状部材の内周側リブの補修・補強方法。
【請求項7】
請求項4に記載の円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材を用いて、円筒状部材内に取り付けられている内周側リブを補修し、又は、補強するための方法であって、
円筒状部材における内周側リブの本来の固定位置に、円筒状部材の外周面から内部の空洞まで貫通する貫通孔を形成し、
挿入板が挿入された状態で予め一体化されている筒状本体を、円筒状部材の外周面側から貫通孔内に挿入し、筒状本体に形成されている溝内、及び、挿入板に形成されている溝内に内周側リブを進入させて、筒状本体及び挿入板を内周側リブの左右に跨がせるような状態とし、この状態で、筒状本体と内周側リブとを溶接して、筒状本体を内周側リブに対して固定し、
筒状本体の切欠の外周側のエッジと、貫通孔の内周面とを溶接して、筒状本体を円筒状部材に対して固定することを特徴とする、円筒状部材の内周側リブの補修・補強方法。
【請求項8】
請求項2又は請求項3に記載の円筒状部材の内周側リブの補修・補強用部材を用いてコンベアハブ内に取り付けられている内周側リブを補強したことを特徴とする遠心分離機用スクリューコンベア。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−157845(P2012−157845A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21227(P2011−21227)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(591162022)巴工業株式会社 (32)
【Fターム(参考)】