遠隔共同作業支援システム、情報処理装置及びプログラム
【課題】複数の利用者が順次配信される画像を参照しながら共同作業を行う場合において、配信される画像を各利用者が同じタイミングで参照できなくても、共同作業の効率が下がりにくくすること。
【解決手段】画像受信部26は、画像配信部24が順次配信する表示対象画像とその識別情報とを順次受信し、画像更新部28は、表示対象画像が受信されるごとに表示手段に表示される表示対象画像を更新し、指示受信部32は、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信し、第1表示制御部36は、指示受信部32が受信した指示情報に基づき、指示画像を表示手段に表示させ、処理部38は、指示受信部32が受信した識別情報と表示手段に表示中の表示対象画像の識別情報とが異なる場合、指示受信部32が受信した指示情報に基づく指示画像に関し既定の処理を実行する。
【解決手段】画像受信部26は、画像配信部24が順次配信する表示対象画像とその識別情報とを順次受信し、画像更新部28は、表示対象画像が受信されるごとに表示手段に表示される表示対象画像を更新し、指示受信部32は、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信し、第1表示制御部36は、指示受信部32が受信した指示情報に基づき、指示画像を表示手段に表示させ、処理部38は、指示受信部32が受信した識別情報と表示手段に表示中の表示対象画像の識別情報とが異なる場合、指示受信部32が受信した指示情報に基づく指示画像に関し既定の処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔共同作業支援システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像配信手段により遠隔地にいる利用者の情報端末に画像が配信され、情報端末に表示された画像に関して利用者が指示の入力を行う情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−33756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、それぞれが異なる拠点にいる複数の利用者の各々が画像配信手段により順次配信される画像を参照しながら共同作業を行う場合において、画像配信手段により順次配信される画像を各利用者が同じタイミングで参照することができなくても、共同作業の効率が下がらないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る遠隔共同作業支援システムは、画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、利用者が指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報を送信する指示送信手段と、指示情報を受信する指示受信手段と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、を含む情報処理装置を複数含み、前記画像受信手段は、画像配信手段により順次配信される、表示対象画像と、該表示対象画像の識別情報と、を受信し、前記指示送信手段は、前記利用者が前記指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、を送信し、前記指示受信手段は、他の前記情報処理装置から送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信し、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する処理手段とを含むことを特徴とする。
【0006】
また、請求項9に係る情報処理装置は、画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項10に係るプログラムは、画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段、前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段、前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段、他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる手段、前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0008】
なお、上記プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介して提供されてもよいし、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な各種情報記録媒体に格納されて提供されてもよい。
【0009】
また、上記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記録媒体に記憶されてもよい。情報記録媒体としては、例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、MD、DVD−ROM、ICカードなどを用いることができる。
【0010】
また、請求項2に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項1に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、前記画像配信手段と、をさらに含み、前記画像配信手段は、前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、前記処理手段は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記処理を実行することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記処理手段は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して、前記表示手段に警告表示を表示させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記処理手段は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示画像表示制御手段による前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像の表示を制限すること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2乃至4のいずれかに係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像と、を関連づけて処理対象記憶手段に記憶させる手段と、前記処理対象記憶手段に記憶される識別情報が、前記画像受信手段により受信された識別情報と一致する場合に、該識別情報に関連づけられた指示画像に関する前記処理の実行を停止する停止手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項1に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記遠隔共同作業支援システムは、画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、前記画像配信手段と、をさらに含み、前記画像配信手段は、前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報の送信元の前記情報処理装置の利用者への警告のため、警告情報を送信する警告送信手段をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2乃至6のいずれかに係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記情報処理装置は、前記画像受信手段により受信された表示対象画像を記憶手段に記憶させる手段と、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記記憶手段に記憶される、前記受信手段により受信された前記識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2乃至6のいずれかに係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された識別情報により識別される表示対象画像の提供を他の情報処理装置に対して要求するための要求情報を送信することにより、該識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,9,10の発明によれば、それぞれが異なる拠点にいる複数の利用者の各々が画像配信手段により順次配信される画像を参照しながら共同作業を行う場合において、画像配信手段により順次配信される画像を各利用者が同じタイミングで参照することができなくても、共同作業の効率が下がらないようになる。
【0018】
請求項2の発明によれば、指示画像が将来の表示対象画像に関するものであることを利用者が気づきやすくなる。
【0019】
請求項3の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、指示画像が将来の表示対象画像に関するものであることを利用者がより気づきやすくなる。
【0020】
請求項4の発明によれば、指示画像が将来の表示対象画像に関する指示画像である場合、表示されなくなる。
【0021】
請求項5の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、共同作業の効率がより下がりにくくなる。
【0022】
請求項6の発明によれば、利用者が、他の利用者がまだ見ていない画像に関して指示を行ったことに気づきやすくなる。
【0023】
請求項7,8の発明によれば、ある利用者(利用者X)の見ている画像よりも古い画像に関して他の利用者(利用者Y)が指示を行った場合に、利用者Yによる指示の対象となった画像が利用者Xに提示されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るクライアント端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システムにて実現される機能群を示す機能ブロック図である。
【図4】画像テーブルの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るサーバ及びクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の実施形態に係るサーバ及びクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【図7】処理対象テーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【図9】モニタの表示内容の一例を示す図である。
【図10】モニタの表示内容の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システム1の構成の一例を示す図である。同図に示すように、遠隔共同作業支援システム1は、サーバ2と、複数のクライアント端末4(情報処理装置)と、を含む。サーバ2及び各クライアント端末4はネットワークに接続されている。本実施形態では、各クライアント端末4のネットワーク通信速度が異なる場合を想定している。例えば、各クライアント端末4が異なる国に設置されている場合を想定している。
【0026】
[サーバ]
サーバ2は、公知のサーバシステムであり、制御部2aと、記憶部2bと、ネットワークインタフェース2cと、ビデオカメラ2dと、プロジェクタ2eと、を含む。これらは、バス2fにより相互に接続されている。また、サーバ2は、ビームスプリッタ2gも含む。
【0027】
制御部2aは例えばマイクロプロセッサであり、記憶部2bに記憶されるプログラムに従って情報処理を実行する。記憶部2bは、RAMやハードディスクであり、上記プログラムが格納される。また、記憶部2bには情報処理の過程で必要となる各種データも格納される。
【0028】
ネットワークインタフェース2cは、ネットワークインタフェースカードである。ネットワークインタフェース2cは、制御部2aから出力されるデータをネットワークに送信する。また、ネットワークインタフェース2cは、ネットワークからデータを受信する。
【0029】
ビームスプリッタ2gは、例えばハーフミラーである。ビームスプリッタ2gは、ビデオカメラ2dと、プロジェクタ2eと、で画角及び光軸を一致させるために設けられている。ビデオカメラ2dは、撮像対象であるホワイトボード6の画像を撮像する。プロジェクタ2eは、投影対象であるホワイトボード6に画像を投影する。本実施形態の場合、プロジェクタ2eは、後述する指示画像8をホワイトボード6に投影する。
【0030】
[クライアント端末]
クライアント端末4は、例えばパーソナルコンピュータである。図2に、クライアント端末4のハードウェア構成の一例を示す。同図に示すように、クライアント端末4は、制御部4aと、主記憶部4bと、ハードディスク4cと、操作入力部4dと、モニタ4eと、ネットワークインタフェース4fと、を含む。これらは、バス4gに接続されている。
【0031】
制御部4aは例えばマイクロプロセッサであり、主記憶部4bに記憶されるプログラムに従って情報処理を実行する。主記憶部4bは、RAMであり、上記プログラムが格納される。このプログラムは、コンピュータ読取可能な情報記憶媒体から読み出されて主記憶部4bに格納されてもよいし、ネットワークから受信されて主記憶部4bに格納されてもよい。
【0032】
また、主記憶部4bには情報処理の過程で必要となる各種データも格納される。
【0033】
ハードディスク4cは、各種情報を格納する。操作入力部4dは、キーボードやマウス等であり、ユーザの操作内容を表す情報を制御部4aに出力する。モニタ4e(表示手段)は、制御部4aから出力される情報を表示する。
【0034】
ネットワークインタフェース4fは、ネットワークインタフェースカードである。ネットワークインタフェース4fは、制御部4aから出力されるデータをネットワークに送信する。また、ネットワークインタフェース4fは、ネットワークからデータを受信する。
【0035】
[遠隔共同作業支援システムの概要]
遠隔共同作業支援システム1では、サーバ2がビデオカメラ2dにより撮像された画像を表示対象画像として各クライアント端末4に順次配信し、表示対象画像を受信した各クライアント端末4がそれをモニタ4eに順次表示するようになっている。本実施形態の場合、図1に示すように、各クライアント端末4は、図1に示すメイン画面10aに表示対象画像を表示する。
【0036】
そして、この遠隔共同作業支援システム1では、各クライアント端末4のユーザが、表示対象画像を見ながら共同作業を行う。例えば、各クライアント端末4のユーザは、各自、メイン画面10aに表示されたホワイトボード6を見ながら、共同で、ホワイトボード6の記載内容の修正を行う。
【0037】
具体的には、各ユーザは、ホワイトボード6の記載中に修正すべき修正箇所を見つけた場合、ホワイトボード6を管理している管理ユーザに修正箇所を指示する。本実施形態の場合、各ユーザは、修正箇所を管理ユーザに指示するために、修正箇所に指示画像8を投影するための指示操作を行う。正確には、各ユーザは、修正箇所に対応するメイン画面10a上の位置を指定し、図1に示すボタン12を押下する操作を行う。
【0038】
指示操作が行われると、プロジェクタ2eにより指示画像8を表す投影光が発射され、修正箇所に指示画像8が投影される(図1参照)。管理ユーザは、ホワイトボード6に投影された指示画像8を基に、ホワイトボード6の記載内容を修正することとなる。なお、図1では、指示画像8を斜め十字の記号として表している。
【0039】
また、ユーザにより指示操作が行われると、指示操作に対応する指示情報が、他のユーザのクライアント端末4に配信されるようになっている。そのため、指示操作が行われると、他のユーザのクライアント端末4において、指示情報に基づき、メイン画面10aに指示画像8が表示されるようになっている。よって、ユーザは、他のユーザが指示した修正箇所を参照しながら、他の修正箇所を指示することができる。つまり、各ユーザは、修正箇所を互いに指示しあうことができる。なお、指示情報には、例えば、修正箇所の位置データなどが含まれる。
【0040】
なお、ユーザにより指示操作が行われると、そのユーザのクライアント端末4においても、メイン画面10aに指示画像8が表示されるようになっている。そのため、例えば、あるユーザXとあるユーザYとにより指示操作が行われた場合、ユーザXの指示操作に基づく指示画像8と、及びユーザYの指示操作に基づく指示画像8と、が各クライアント端末4において表示されることとなる。
【0041】
先述のように、この遠隔共同作業支援システム1では、各クライアント端末4のネットワーク通信速度が異なっている。そのため、画像データはデータ量が大きいので、表示対象画像を受信するのに要する時間は各クライアント端末4で大きく異なることになる。その結果、遠隔共同作業支援システム1では、同じ表示対象画像の表示されるタイミングが、各クライアント端末4で大きく異なることとなる。一方、位置データはデータ量が小さいので、指示情報を受信するのに要する時間は各クライアント端末4でほぼ同じになる。その結果、この遠隔共同作業支援システム1では、指示画像8は、表示対象画像とは異なり、指示画像8の表示されるタイミングが、各クライアント端末4でほぼ同じになる。
【0042】
表示対象画像の表示されるタイミングは各クライアント端末4で大きく異なるが、指示画像8の表示されるタイミングは各クライアント端末4でほぼ同じであるような場合、例えば、以下の事態が発生する。例えば、ネットワーク通信速度が遅いクライアント端末Xにホワイトボード6が状態Xであるときの表示対象画像が表示され、ネットワーク通信速度が速いクライアント端末Yにホワイトボード6が状態Xよりも後の状態である状態Yであるときの表示対象画像が表示されている場合を想定する。この場合において、クライアント端末YのユーザYが指示操作を行った場合、クライアント端末Xでは状態Xのホワイトボード6に関して指示画像8が表示されることとなる。そのため、クライアント端末XのユーザXは、実際にはユーザYが状態Yのホワイトボード6に関して修正箇所を指示したにもかかわらず、ユーザYが状態Xのホワイトボード6に関して修正箇所を指示したものと勘違いし、その結果、共同作業の効率が下がる可能性がある。
【0043】
この点、遠隔共同作業支援システム1では、表示対象画像の表示されるタイミングは各クライアント端末4で大きく異なるが指示画像8の表示されるタイミングは各クライアント端末4でほぼ同じであるような場合でも、共同作業の効率が下がらないよう図られている。以下、この点について説明する。
【0044】
[機能ブロック及び処理]
図3は、遠隔共同作業支援システム1にて実現される機能群のうち本発明に関連する機能群を示す機能ブロック図である。同図に示すように遠隔共同作業支援システム1では、画像取得部20と、識別情報取得部22と、画像配信部24と、画像受信部26と、画像更新部28と、指示送信部30と、指示受信部32と、比較部34と、第1表示制御部36と、処理部38と、警告送信部40と、取得部42と、第2表示制御部44と、処理停止部46と、が実現される。本実施形態の場合、画像取得部20と識別情報取得部22と画像配信部24と、はサーバ2にて実現される。一方、画像受信部26と、画像更新部28と、指示送信部30と、指示受信部32と、第1表示制御部36と、処理部38と、警告送信部40と、取得部42と、第2表示制御部44と、処理停止部46と、は、各クライアント端末4にて実現される。これらは、クライアント端末4の制御部4aが主記憶部4bに記憶される上記プログラムに従って動作することにより実現される。
【0045】
[画像取得部]
画像取得部20は、ビデオカメラ2dと制御部2aとを主として実現される。画像取得部20は、ビデオカメラ2dにより撮像されているホワイトボード6の画像を表示対象画像として順次取得する(図5のS101)。
【0046】
[識別情報取得部]
識別情報取得部22は、制御部2aを主として実現される。識別情報取得部22は、画像取得部20により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が取得されたタイミングを特定するための情報を取得する(図5のS102)。本実施形態の場合、識別情報取得部22は、表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が取得されたときの時刻を取得する。
【0047】
[画像配信部]
画像配信部24は、サーバ2のネットワークインタフェース2cを主として実現される。画像配信部24は、画像取得部20により取得された表示対象画像と、識別情報取得部22により取得された該表示対象画像の識別情報と、を各クライアント端末4に順次配信する(図5のS103)。
【0048】
[画像受信部]
画像受信部26は、クライアント端末4のネットワークインタフェース4fと制御部4aとを主として実現される。画像受信部26は、画像配信部24により順次配信される、表示対象画像と、その識別情報と、を受信して取得する(図5のS201)。
【0049】
なお、本実施形態の場合、画像受信部26は、受信した表示対象画像とその識別情報とを関連づけて、ハードディスク4cに記憶される画像テーブル(記憶手段)に記憶させる(図5のS203)。ここでは、画像テーブルは、1〜N(Nは例えば「5」)番目に新しく受信した表示対象画像を、その識別情報と関連づけて記憶している。図4は、画像テーブルの一例を示している。
【0050】
[画像更新部]
画像更新部28は、制御部4aを主として実現される。画像更新部28は、画像受信部26により表示対象画像が受信されるごとに、画像受信部26により受信された表示対象画像で、モニタ4eに表示される表示対象画像を更新する(図5のS202)。
【0051】
[処理−その1]
図5は、サーバ2及び各クライアント端末4にて行われる処理であって、画像取得部20、識別情報取得部22、画像配信部24、画像受信部26、及び画像更新部28に関連する処理を示すフローチャート図である。図5(a)は、サーバ2にて行われる処理を示し、図5(b)は、各クライアント端末4にて行われる処理を示している。
【0052】
図5(a)は、所定時間(例えば、0.1〜1秒)間隔で行われる。すなわち、制御部2a(画像取得手段)は、ビデオカメラ2dが撮像している画像を、表示対象画像として取得する(S101)。また、制御部2a(識別情報取得手段)は、表示対象画像の識別情報として、現在時刻を取得する(S102)。そして、制御部2a(画像配信手段)は、表示対象画像とその識別情報と、を各クライアント端末4に配信する(S103)。
【0053】
図5(b)は、クライアント端末4が表示対象画像を受信するごとに行われる。すなわち、制御部4a(画像受信手段、識別情報取得手段)は、サーバ2から配信された、表示対象画像とその識別情報とを受信する(S201)。そして、制御部4a(更新手段)は、受信した表示対象画像で、メイン画面10aに表示される表示対象画像を更新する(S202)。また、制御部4aは、受信した表示対象画像とその識別情報とを関連づけて上記画像テーブルに記憶させる(S203)。
【0054】
[指示送信部]
指示送信部30は、制御部4aとネットワークインタフェース4fとを主として実現される。指示送信部30は上述の指示操作が行われた場合に、該指示操作に対応する指示情報を、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像(すなわち、最近受信された表示対象画像)の識別情報とともに、サーバ2に送信する(図6(a))。指示送信部30により送信された、指示情報と識別情報とは、サーバ2により他のクライアント端末4に転送されることとなる(図6(b))。なお、指示送信部30は、指示情報と識別情報とを、他のクライアント端末4に直接送信してもよい。
【0055】
[処理−その2]
図6は、サーバ2及び各クライアント端末4にて行われる処理であって、指示送信部30に関連する処理を示すフローチャート図である。図6(a)は、クライアント端末4にて行われる処理を示し、図6(b)は、サーバ2にて行われる処理を示す。
【0056】
図6(a)の処理は、指示操作が行われた場合に行われる。すなわち、指示操作が行われた場合、制御部4a(指示送信手段)は、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報を、注目識別情報として、画像テーブルから読み出して取得する(S301)。そして、制御部4a(指示送信手段)は、注目識別情報と、指示操作に対応する指示情報と、をサーバ2に送信する(S302)。
【0057】
また、制御部4aは、修正箇所に対応するメイン画面10a上の位置に指示画像8を表示させる(S303)。S303のステップにより、指示画像8の表示が開始される。
【0058】
図6(b)の処理は、サーバ2が、クライアント端末4から送信された、注目識別情報と、指示情報と、を受信した場合に実行される。すなわち、サーバ2の制御部2aは、指示情報に基づいて、プロジェクタ2eに指示画像8を表す投影光を発射させる(S401)。これにより、修正箇所に対応するホワイトボード6上の位置に指示画像8が投影される。そして、制御部2aは、注目識別情報と、指示情報と、を他のクライアント端末4に転送する(S402)。
【0059】
[指示受信部]
指示受信部32は、ネットワークインタフェース4fを主として実現される。指示受信部32は、他のクライアント端末4から送信された指示情報と識別情報とを受信する。
【0060】
[比較部]
比較部34は、制御部4aを主として実現される。比較部34は、指示受信部32により受信された識別情報と、メイン画面10aに現在表示されている表示対象画像の識別情報と、を比較する(図8のS502、S507)。
【0061】
[第1表示制御部]
第1表示制御部36(指示画像表示制御手段)は、制御部4aを主として実現される。第1表示制御部36は、指示受信部32により受信された指示情報に基づいて、メイン画面10aに指示画像8を表示させる(図1参照)。その結果、指示情報に基づく指示画像8の表示が開始される。第1表示制御部36の機能の詳細は後述する(図8のS503,S512)。
【0062】
[処理部]
処理部38は、制御部4aを主として実現される。処理部38は、比較部34による比較の結果、指示受信部32により受信された識別情報と、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8に関して予め定められた特別処理を実行する。
【0063】
本実施形態の場合、処理部38は、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻(タイミング)が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻(タイミング)よりも早い時刻(タイミング)である場合に、上記特別処理として、メイン画面10aに警告表示を表示させる。例えば、処理部38は、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8の表示態様を変更する。例えば、処理部38は、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8を点滅表示させるようにしてもよい。また、例えば、処理部38は、メイン画面10aに、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8に関連づけて、警告画像60(後述の図9)を表示させるようにしてもよい(図8のS504)。
【0064】
上記特別処理により、ユーザは、指示画像8が将来の表示対象画像に関するものであることに気づく。その結果、指示画像8が現在の表示対象画像に関するものであるとユーザが勘違いしにくくなる。
【0065】
なお、処理部38は、上記特別処理として、第1表示制御部36による、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8の表示を制限する処理を実行してもよい。この場合も、指示画像8が表示されることにより、該指示画像8が現在の表示対象画像に関するものであるとユーザが勘違いしにくくなる。
【0066】
また、本実施形態の場合、処理部38は、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも早い時刻である場合に、指示受信部32により受信された識別情報と、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8と、を関連づけてハードディスク4cに記憶される処理対象テーブルに記憶させる(図8のS506)。図7に、処理対象テーブルの一例を示す。処理対象テーブルの記憶内容から、どの指示画像8に関して上記特別処理が行われているかがわかる。
【0067】
[警告送信部]
警告送信部40は、制御部4aとネットワークインタフェース4fとを主として実現される。警告送信部40は、比較部34の比較の結果、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも早い時刻である場合に、指示受信部32により受信された識別情報の送信元のクライアント端末Xのユーザに警告を行うため、警告情報を送信する(図8のS505)。例えば、警告送信部40は、警告情報を、クライアント端末Xに直接送信したり、警告情報を、サーバ2を介してクライアント端末Xに送信する。この場合、警告送信部40は、警告情報をサーバ2に送信することとなる。
【0068】
クライアント端末Xでは、警告情報がモニタ4eに表示されることとなる。その結果、クライアント端末Xのユーザは、他のユーザがまだ見ていない表示対象画像に関して指示操作を行ったことに気づく。
【0069】
[取得部]
取得部42は、制御部4aとネットワークインタフェース4fとを主として実現される。取得部42は、比較部34の比較の結果、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも遅い時刻である場合に、指示受信部32により受信された上記識別情報により識別される表示対象画像を取得する(図8のS508乃至S510)。
【0070】
本実施形態の場合、取得部42は、指示受信部32により受信された識別情報により識別される表示対象画像を、画像テーブルから読み出して取得する。すなわち、取得部42は、指示受信部32により受信された識別情報と関連づけられた表示対象画像を画像テーブルから読み出して取得する。
【0071】
但し、取得部42は、指示受信部32により受信された識別情報により識別される表示対象画像が画像テーブルにない場合、該表示対象画像の提供要求を他のクライアント端末4(例えば、注目識別情報の送信元のクライアント端末4)に送信することにより、該表示対象画像を取得する。なお、取得部42は、サーバ2を介して提供要求を他のクライアント端末4に送信してもよい。
【0072】
[第2表示制御部]
第2表示制御部44は、制御部4aを主として実現される。第2表示制御部44は、取得部42により取得された表示対象画像を、モニタ4eに表示させる。第2表示制御部44の機能の詳細は後述する(図8のS511)。
【0073】
[処理−その3]
図8は、各クライアント端末4にて行われる処理であって、指示受信部32と、比較部34と、第1表示制御部36と、処理部38と、警告送信部40と、取得部42と、第2表示制御部44と、に関連する処理を示すフローチャート図である。この処理は、図6のS402のステップでサーバ2が転送した、注目識別情報と、指示情報と、をクライアント端末4が受信するごとに実行される。
【0074】
すなわち、制御部4aは、注目識別情報と、指示情報と、を受信すると(S501)、注目識別情報により特定される時刻(以下、時刻X)が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻(以下、時刻Y)よりも早い時刻であるか否かを判定する(S502)。
【0075】
注目識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも早い時刻である場合(S502のY)、制御部4a(第1表示制御部)は、指示情報に基づいて、メイン画面10aに指示画像8を表示させる(S503)。すなわち、制御部4aは、指示画像8の表示を開始する。
【0076】
そして、制御部4a(処理手段)は、指示画像8に関連づけて、上述の警告画像60をメイン画面10aに表示させる(S504)。すなわち、制御部4aは、指示画像8に関して、上記特別処理の実行を開始する。図9は、警告画像60が表示されているときのモニタ4eの表示内容を示す。点線で囲まれた文字列画像が、警告画像60を示している。
【0077】
また、制御部4a(警告送信手段)は、上述の警告情報をサーバ2に送信する(S505)。この警告情報は、サーバ2により、指示情報の送信元のクライアント端末4へ転送され、この警告情報が該クライアント端末4のモニタ4eに出力されることとなる。
【0078】
また、制御部4aは、注目識別情報と、指示情報に基づく指示画像8と、を関連づけて、上述の処理対象テーブルに記憶させる(S506)。
【0079】
一方、制御部4aは、時刻Xが、時刻Yよりも早い時刻でない場合(S502のN)、制御部4aは、時刻Xが、時刻Yよりも遅い時刻であるか否かを判定する(S507)。
【0080】
注目識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも遅い時刻である場合(S507のY)、制御部4a(取得手段)は、S508〜S510のステップにより、注目識別情報により識別される表示対象画像を取得する。
【0081】
すなわち、制御部4aは、注目識別情報により識別される表示対象画像が上記画像テーブルに記憶されているか否かを判定する(S508)。注目識別情報により識別される表示対象画像が上記画像テーブルに記憶されている場合(S508のY)、制御部4aは、S510のステップにおいて、注目識別情報により識別される表示対象画像を画像テーブルから読み出して取得する。一方、注目識別情報により識別される表示対象画像が上記画像テーブルに記憶されていない場合(S508のN)、制御部4aは、注目識別情報により識別される表示対象画像の提供要求をサーバ2を介して他のクライアント端末4(例えば、指示情報の送信元のクライアント端末4)に送信し(S509)、S510のステップにおいて、注目識別情報により識別される表示対象画像を他のクライアント端末4から受信して取得する。
【0082】
そして、制御部4a(第2表示制御手段)は、S510のステップで取得した表示対象画像を、モニタ4eに表示させる(S511)。本実施形態の場合、制御部4aは、サブ画面10bを新たに設け、サブ画面10bに、S510のステップで取得した表示対象画像を表示させる。この際、制御部4aは、指示情報に基づいて、修正箇所に対応するサブ画面10b上の位置に指示画像8を表示させるようにしてもよい。図10は、サブ画面10bが表示されているときのモニタ4eの表示内容を示す。なお、制御部4aは、S510のステップで取得した表示対象画像をメイン画面10aに表示させてもよい。
【0083】
また、制御部4a(第1表示制御手段)は、S503のステップと同様にして、メイン画面10aに指示画像8を表示させ(S512)、指示画像8の表示を開始する。
【0084】
一方、時刻Xが、時刻Yよりも遅い時刻でない場合、すなわち、時刻Xと時刻Yとが同時刻である場合、注目識別情報により特定される時刻と、が一致する場合(S507のN)、制御部4a(第1表示制御部)は、S512のステップに進む。
【0085】
[処理停止部]
処理停止部46は、制御部4aを主として実現される。処理停止部46は、処理対象テーブル(処理対象記憶手段)に記憶される識別情報が、該識別情報が処理対象テーブルに記憶された後に画像受信部26により受信された識別情報と一致する場合に、処理対象テーブルに記憶される上記識別情報に関連づけられた指示画像8に関する上記特別処理の実行を停止する。処理停止部46の機能の詳細は後述する(図11)。
【0086】
[処理−その4]
図11は、クライアント端末4が表示対象画像を受信したときに図5(b)以外に行われる処理を示すフローチャート図である。この処理は、図5(b)の処理と同様に、クライアント端末4が表示対象画像を受信するごとに行われる。
【0087】
すなわち、S201のステップにおいて、サーバ2から配信された、表示対象画像とその識別情報(識別情報Xとする)とを受信すると、制御部4aは、処理対象テーブルに識別情報Xが記憶されているか否かを判定する(S601)。処理対象テーブルに識別情報Xが記憶されている場合(S601のY)、制御部4a(停止手段)は、識別情報Xに関連づけられた指示画像Xに関する上記特別処理の実行を停止する(S602)。すなわち、制御部4aは、指示画像Xに関連づけて警告画像60をメイン画面10aに表示させることを停止する。
【0088】
そして、制御部4aは、処理対象テーブルから識別情報Xのレコードを削除する(S603)。
【0089】
[まとめ]
本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システム1によれば、画像配信手段により順次配信される画像を各ユーザが同じタイミングで参照することができなくても、共同作業の効率が下がらないようになる。
【0090】
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0091】
例えば、サーバ2は、ホワイトボード6を拡大して撮像する拡大カメラを備えていてもよい。
【0092】
また、例えば、指示画像8は、記号に限らず、テキストであってもよい。
【0093】
また、例えば、画像取得部20と、識別情報取得部22と、画像配信部24と、がサーバ2で実現されるのではなく、いずれかのクライアント端末4で実現されてもよい。この場合、遠隔共同作業支援システム1は、サーバ2を備える必要はない。
【符号の説明】
【0094】
1 遠隔共同作業支援システム、2 サーバ、2a,4a 制御部、2b 記憶部、2c,4f ネットワークインタフェース、2d ビデオカメラ、2e プロジェクタ、2f,4g バス、4 クライアント端末、4b 主記憶部、4c ハードディスク、4d 操作入力部、4e モニタ、6 ホワイトボード、8 指示画像、10a メイン画面、10b サブ画面、12 ボタン、20 画像取得部、22 識別情報取得部、24 画像配信部、26 画像受信部、28 画像更新部、30 指示送信部、32 指示受信部、34 比較部、36 第1表示制御部、38 処理部、40 警告送信部、42 取得部、44 第2表示制御部、46 処理停止部、60 警告画像。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔共同作業支援システム、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像配信手段により遠隔地にいる利用者の情報端末に画像が配信され、情報端末に表示された画像に関して利用者が指示の入力を行う情報処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−33756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、それぞれが異なる拠点にいる複数の利用者の各々が画像配信手段により順次配信される画像を参照しながら共同作業を行う場合において、画像配信手段により順次配信される画像を各利用者が同じタイミングで参照することができなくても、共同作業の効率が下がらないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る遠隔共同作業支援システムは、画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、利用者が指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報を送信する指示送信手段と、指示情報を受信する指示受信手段と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、を含む情報処理装置を複数含み、前記画像受信手段は、画像配信手段により順次配信される、表示対象画像と、該表示対象画像の識別情報と、を受信し、前記指示送信手段は、前記利用者が前記指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、を送信し、前記指示受信手段は、他の前記情報処理装置から送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信し、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する処理手段とを含むことを特徴とする。
【0006】
また、請求項9に係る情報処理装置は、画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項10に係るプログラムは、画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段、前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段、前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段、他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる手段、前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段、としてコンピュータを機能させるプログラムである。
【0008】
なお、上記プログラムは、インターネットなどの通信ネットワークを介して提供されてもよいし、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な各種情報記録媒体に格納されて提供されてもよい。
【0009】
また、上記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な情報記録媒体に記憶されてもよい。情報記録媒体としては、例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、MD、DVD−ROM、ICカードなどを用いることができる。
【0010】
また、請求項2に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項1に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、前記画像配信手段と、をさらに含み、前記画像配信手段は、前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、前記処理手段は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記処理を実行することを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記処理手段は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して、前記表示手段に警告表示を表示させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記処理手段は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示画像表示制御手段による前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像の表示を制限すること、を特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2乃至4のいずれかに係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像と、を関連づけて処理対象記憶手段に記憶させる手段と、前記処理対象記憶手段に記憶される識別情報が、前記画像受信手段により受信された識別情報と一致する場合に、該識別情報に関連づけられた指示画像に関する前記処理の実行を停止する停止手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項1に係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記遠隔共同作業支援システムは、画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、前記画像配信手段と、をさらに含み、前記画像配信手段は、前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報の送信元の前記情報処理装置の利用者への警告のため、警告情報を送信する警告送信手段をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2乃至6のいずれかに係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記情報処理装置は、前記画像受信手段により受信された表示対象画像を記憶手段に記憶させる手段と、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記記憶手段に記憶される、前記受信手段により受信された前記識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る遠隔共同作業支援システムは、請求項2乃至6のいずれかに係る遠隔共同作業支援システムにおいて、前記情報処理装置は、前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された識別情報により識別される表示対象画像の提供を他の情報処理装置に対して要求するための要求情報を送信することにより、該識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,9,10の発明によれば、それぞれが異なる拠点にいる複数の利用者の各々が画像配信手段により順次配信される画像を参照しながら共同作業を行う場合において、画像配信手段により順次配信される画像を各利用者が同じタイミングで参照することができなくても、共同作業の効率が下がらないようになる。
【0018】
請求項2の発明によれば、指示画像が将来の表示対象画像に関するものであることを利用者が気づきやすくなる。
【0019】
請求項3の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、指示画像が将来の表示対象画像に関するものであることを利用者がより気づきやすくなる。
【0020】
請求項4の発明によれば、指示画像が将来の表示対象画像に関する指示画像である場合、表示されなくなる。
【0021】
請求項5の発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、共同作業の効率がより下がりにくくなる。
【0022】
請求項6の発明によれば、利用者が、他の利用者がまだ見ていない画像に関して指示を行ったことに気づきやすくなる。
【0023】
請求項7,8の発明によれば、ある利用者(利用者X)の見ている画像よりも古い画像に関して他の利用者(利用者Y)が指示を行った場合に、利用者Yによる指示の対象となった画像が利用者Xに提示されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システムの構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るクライアント端末のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システムにて実現される機能群を示す機能ブロック図である。
【図4】画像テーブルの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るサーバ及びクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の実施形態に係るサーバ及びクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【図7】処理対象テーブルの一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【図9】モニタの表示内容の一例を示す図である。
【図10】モニタの表示内容の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態に係るクライアント端末にて行われる処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システム1の構成の一例を示す図である。同図に示すように、遠隔共同作業支援システム1は、サーバ2と、複数のクライアント端末4(情報処理装置)と、を含む。サーバ2及び各クライアント端末4はネットワークに接続されている。本実施形態では、各クライアント端末4のネットワーク通信速度が異なる場合を想定している。例えば、各クライアント端末4が異なる国に設置されている場合を想定している。
【0026】
[サーバ]
サーバ2は、公知のサーバシステムであり、制御部2aと、記憶部2bと、ネットワークインタフェース2cと、ビデオカメラ2dと、プロジェクタ2eと、を含む。これらは、バス2fにより相互に接続されている。また、サーバ2は、ビームスプリッタ2gも含む。
【0027】
制御部2aは例えばマイクロプロセッサであり、記憶部2bに記憶されるプログラムに従って情報処理を実行する。記憶部2bは、RAMやハードディスクであり、上記プログラムが格納される。また、記憶部2bには情報処理の過程で必要となる各種データも格納される。
【0028】
ネットワークインタフェース2cは、ネットワークインタフェースカードである。ネットワークインタフェース2cは、制御部2aから出力されるデータをネットワークに送信する。また、ネットワークインタフェース2cは、ネットワークからデータを受信する。
【0029】
ビームスプリッタ2gは、例えばハーフミラーである。ビームスプリッタ2gは、ビデオカメラ2dと、プロジェクタ2eと、で画角及び光軸を一致させるために設けられている。ビデオカメラ2dは、撮像対象であるホワイトボード6の画像を撮像する。プロジェクタ2eは、投影対象であるホワイトボード6に画像を投影する。本実施形態の場合、プロジェクタ2eは、後述する指示画像8をホワイトボード6に投影する。
【0030】
[クライアント端末]
クライアント端末4は、例えばパーソナルコンピュータである。図2に、クライアント端末4のハードウェア構成の一例を示す。同図に示すように、クライアント端末4は、制御部4aと、主記憶部4bと、ハードディスク4cと、操作入力部4dと、モニタ4eと、ネットワークインタフェース4fと、を含む。これらは、バス4gに接続されている。
【0031】
制御部4aは例えばマイクロプロセッサであり、主記憶部4bに記憶されるプログラムに従って情報処理を実行する。主記憶部4bは、RAMであり、上記プログラムが格納される。このプログラムは、コンピュータ読取可能な情報記憶媒体から読み出されて主記憶部4bに格納されてもよいし、ネットワークから受信されて主記憶部4bに格納されてもよい。
【0032】
また、主記憶部4bには情報処理の過程で必要となる各種データも格納される。
【0033】
ハードディスク4cは、各種情報を格納する。操作入力部4dは、キーボードやマウス等であり、ユーザの操作内容を表す情報を制御部4aに出力する。モニタ4e(表示手段)は、制御部4aから出力される情報を表示する。
【0034】
ネットワークインタフェース4fは、ネットワークインタフェースカードである。ネットワークインタフェース4fは、制御部4aから出力されるデータをネットワークに送信する。また、ネットワークインタフェース4fは、ネットワークからデータを受信する。
【0035】
[遠隔共同作業支援システムの概要]
遠隔共同作業支援システム1では、サーバ2がビデオカメラ2dにより撮像された画像を表示対象画像として各クライアント端末4に順次配信し、表示対象画像を受信した各クライアント端末4がそれをモニタ4eに順次表示するようになっている。本実施形態の場合、図1に示すように、各クライアント端末4は、図1に示すメイン画面10aに表示対象画像を表示する。
【0036】
そして、この遠隔共同作業支援システム1では、各クライアント端末4のユーザが、表示対象画像を見ながら共同作業を行う。例えば、各クライアント端末4のユーザは、各自、メイン画面10aに表示されたホワイトボード6を見ながら、共同で、ホワイトボード6の記載内容の修正を行う。
【0037】
具体的には、各ユーザは、ホワイトボード6の記載中に修正すべき修正箇所を見つけた場合、ホワイトボード6を管理している管理ユーザに修正箇所を指示する。本実施形態の場合、各ユーザは、修正箇所を管理ユーザに指示するために、修正箇所に指示画像8を投影するための指示操作を行う。正確には、各ユーザは、修正箇所に対応するメイン画面10a上の位置を指定し、図1に示すボタン12を押下する操作を行う。
【0038】
指示操作が行われると、プロジェクタ2eにより指示画像8を表す投影光が発射され、修正箇所に指示画像8が投影される(図1参照)。管理ユーザは、ホワイトボード6に投影された指示画像8を基に、ホワイトボード6の記載内容を修正することとなる。なお、図1では、指示画像8を斜め十字の記号として表している。
【0039】
また、ユーザにより指示操作が行われると、指示操作に対応する指示情報が、他のユーザのクライアント端末4に配信されるようになっている。そのため、指示操作が行われると、他のユーザのクライアント端末4において、指示情報に基づき、メイン画面10aに指示画像8が表示されるようになっている。よって、ユーザは、他のユーザが指示した修正箇所を参照しながら、他の修正箇所を指示することができる。つまり、各ユーザは、修正箇所を互いに指示しあうことができる。なお、指示情報には、例えば、修正箇所の位置データなどが含まれる。
【0040】
なお、ユーザにより指示操作が行われると、そのユーザのクライアント端末4においても、メイン画面10aに指示画像8が表示されるようになっている。そのため、例えば、あるユーザXとあるユーザYとにより指示操作が行われた場合、ユーザXの指示操作に基づく指示画像8と、及びユーザYの指示操作に基づく指示画像8と、が各クライアント端末4において表示されることとなる。
【0041】
先述のように、この遠隔共同作業支援システム1では、各クライアント端末4のネットワーク通信速度が異なっている。そのため、画像データはデータ量が大きいので、表示対象画像を受信するのに要する時間は各クライアント端末4で大きく異なることになる。その結果、遠隔共同作業支援システム1では、同じ表示対象画像の表示されるタイミングが、各クライアント端末4で大きく異なることとなる。一方、位置データはデータ量が小さいので、指示情報を受信するのに要する時間は各クライアント端末4でほぼ同じになる。その結果、この遠隔共同作業支援システム1では、指示画像8は、表示対象画像とは異なり、指示画像8の表示されるタイミングが、各クライアント端末4でほぼ同じになる。
【0042】
表示対象画像の表示されるタイミングは各クライアント端末4で大きく異なるが、指示画像8の表示されるタイミングは各クライアント端末4でほぼ同じであるような場合、例えば、以下の事態が発生する。例えば、ネットワーク通信速度が遅いクライアント端末Xにホワイトボード6が状態Xであるときの表示対象画像が表示され、ネットワーク通信速度が速いクライアント端末Yにホワイトボード6が状態Xよりも後の状態である状態Yであるときの表示対象画像が表示されている場合を想定する。この場合において、クライアント端末YのユーザYが指示操作を行った場合、クライアント端末Xでは状態Xのホワイトボード6に関して指示画像8が表示されることとなる。そのため、クライアント端末XのユーザXは、実際にはユーザYが状態Yのホワイトボード6に関して修正箇所を指示したにもかかわらず、ユーザYが状態Xのホワイトボード6に関して修正箇所を指示したものと勘違いし、その結果、共同作業の効率が下がる可能性がある。
【0043】
この点、遠隔共同作業支援システム1では、表示対象画像の表示されるタイミングは各クライアント端末4で大きく異なるが指示画像8の表示されるタイミングは各クライアント端末4でほぼ同じであるような場合でも、共同作業の効率が下がらないよう図られている。以下、この点について説明する。
【0044】
[機能ブロック及び処理]
図3は、遠隔共同作業支援システム1にて実現される機能群のうち本発明に関連する機能群を示す機能ブロック図である。同図に示すように遠隔共同作業支援システム1では、画像取得部20と、識別情報取得部22と、画像配信部24と、画像受信部26と、画像更新部28と、指示送信部30と、指示受信部32と、比較部34と、第1表示制御部36と、処理部38と、警告送信部40と、取得部42と、第2表示制御部44と、処理停止部46と、が実現される。本実施形態の場合、画像取得部20と識別情報取得部22と画像配信部24と、はサーバ2にて実現される。一方、画像受信部26と、画像更新部28と、指示送信部30と、指示受信部32と、第1表示制御部36と、処理部38と、警告送信部40と、取得部42と、第2表示制御部44と、処理停止部46と、は、各クライアント端末4にて実現される。これらは、クライアント端末4の制御部4aが主記憶部4bに記憶される上記プログラムに従って動作することにより実現される。
【0045】
[画像取得部]
画像取得部20は、ビデオカメラ2dと制御部2aとを主として実現される。画像取得部20は、ビデオカメラ2dにより撮像されているホワイトボード6の画像を表示対象画像として順次取得する(図5のS101)。
【0046】
[識別情報取得部]
識別情報取得部22は、制御部2aを主として実現される。識別情報取得部22は、画像取得部20により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が取得されたタイミングを特定するための情報を取得する(図5のS102)。本実施形態の場合、識別情報取得部22は、表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が取得されたときの時刻を取得する。
【0047】
[画像配信部]
画像配信部24は、サーバ2のネットワークインタフェース2cを主として実現される。画像配信部24は、画像取得部20により取得された表示対象画像と、識別情報取得部22により取得された該表示対象画像の識別情報と、を各クライアント端末4に順次配信する(図5のS103)。
【0048】
[画像受信部]
画像受信部26は、クライアント端末4のネットワークインタフェース4fと制御部4aとを主として実現される。画像受信部26は、画像配信部24により順次配信される、表示対象画像と、その識別情報と、を受信して取得する(図5のS201)。
【0049】
なお、本実施形態の場合、画像受信部26は、受信した表示対象画像とその識別情報とを関連づけて、ハードディスク4cに記憶される画像テーブル(記憶手段)に記憶させる(図5のS203)。ここでは、画像テーブルは、1〜N(Nは例えば「5」)番目に新しく受信した表示対象画像を、その識別情報と関連づけて記憶している。図4は、画像テーブルの一例を示している。
【0050】
[画像更新部]
画像更新部28は、制御部4aを主として実現される。画像更新部28は、画像受信部26により表示対象画像が受信されるごとに、画像受信部26により受信された表示対象画像で、モニタ4eに表示される表示対象画像を更新する(図5のS202)。
【0051】
[処理−その1]
図5は、サーバ2及び各クライアント端末4にて行われる処理であって、画像取得部20、識別情報取得部22、画像配信部24、画像受信部26、及び画像更新部28に関連する処理を示すフローチャート図である。図5(a)は、サーバ2にて行われる処理を示し、図5(b)は、各クライアント端末4にて行われる処理を示している。
【0052】
図5(a)は、所定時間(例えば、0.1〜1秒)間隔で行われる。すなわち、制御部2a(画像取得手段)は、ビデオカメラ2dが撮像している画像を、表示対象画像として取得する(S101)。また、制御部2a(識別情報取得手段)は、表示対象画像の識別情報として、現在時刻を取得する(S102)。そして、制御部2a(画像配信手段)は、表示対象画像とその識別情報と、を各クライアント端末4に配信する(S103)。
【0053】
図5(b)は、クライアント端末4が表示対象画像を受信するごとに行われる。すなわち、制御部4a(画像受信手段、識別情報取得手段)は、サーバ2から配信された、表示対象画像とその識別情報とを受信する(S201)。そして、制御部4a(更新手段)は、受信した表示対象画像で、メイン画面10aに表示される表示対象画像を更新する(S202)。また、制御部4aは、受信した表示対象画像とその識別情報とを関連づけて上記画像テーブルに記憶させる(S203)。
【0054】
[指示送信部]
指示送信部30は、制御部4aとネットワークインタフェース4fとを主として実現される。指示送信部30は上述の指示操作が行われた場合に、該指示操作に対応する指示情報を、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像(すなわち、最近受信された表示対象画像)の識別情報とともに、サーバ2に送信する(図6(a))。指示送信部30により送信された、指示情報と識別情報とは、サーバ2により他のクライアント端末4に転送されることとなる(図6(b))。なお、指示送信部30は、指示情報と識別情報とを、他のクライアント端末4に直接送信してもよい。
【0055】
[処理−その2]
図6は、サーバ2及び各クライアント端末4にて行われる処理であって、指示送信部30に関連する処理を示すフローチャート図である。図6(a)は、クライアント端末4にて行われる処理を示し、図6(b)は、サーバ2にて行われる処理を示す。
【0056】
図6(a)の処理は、指示操作が行われた場合に行われる。すなわち、指示操作が行われた場合、制御部4a(指示送信手段)は、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報を、注目識別情報として、画像テーブルから読み出して取得する(S301)。そして、制御部4a(指示送信手段)は、注目識別情報と、指示操作に対応する指示情報と、をサーバ2に送信する(S302)。
【0057】
また、制御部4aは、修正箇所に対応するメイン画面10a上の位置に指示画像8を表示させる(S303)。S303のステップにより、指示画像8の表示が開始される。
【0058】
図6(b)の処理は、サーバ2が、クライアント端末4から送信された、注目識別情報と、指示情報と、を受信した場合に実行される。すなわち、サーバ2の制御部2aは、指示情報に基づいて、プロジェクタ2eに指示画像8を表す投影光を発射させる(S401)。これにより、修正箇所に対応するホワイトボード6上の位置に指示画像8が投影される。そして、制御部2aは、注目識別情報と、指示情報と、を他のクライアント端末4に転送する(S402)。
【0059】
[指示受信部]
指示受信部32は、ネットワークインタフェース4fを主として実現される。指示受信部32は、他のクライアント端末4から送信された指示情報と識別情報とを受信する。
【0060】
[比較部]
比較部34は、制御部4aを主として実現される。比較部34は、指示受信部32により受信された識別情報と、メイン画面10aに現在表示されている表示対象画像の識別情報と、を比較する(図8のS502、S507)。
【0061】
[第1表示制御部]
第1表示制御部36(指示画像表示制御手段)は、制御部4aを主として実現される。第1表示制御部36は、指示受信部32により受信された指示情報に基づいて、メイン画面10aに指示画像8を表示させる(図1参照)。その結果、指示情報に基づく指示画像8の表示が開始される。第1表示制御部36の機能の詳細は後述する(図8のS503,S512)。
【0062】
[処理部]
処理部38は、制御部4aを主として実現される。処理部38は、比較部34による比較の結果、指示受信部32により受信された識別情報と、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8に関して予め定められた特別処理を実行する。
【0063】
本実施形態の場合、処理部38は、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻(タイミング)が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻(タイミング)よりも早い時刻(タイミング)である場合に、上記特別処理として、メイン画面10aに警告表示を表示させる。例えば、処理部38は、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8の表示態様を変更する。例えば、処理部38は、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8を点滅表示させるようにしてもよい。また、例えば、処理部38は、メイン画面10aに、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8に関連づけて、警告画像60(後述の図9)を表示させるようにしてもよい(図8のS504)。
【0064】
上記特別処理により、ユーザは、指示画像8が将来の表示対象画像に関するものであることに気づく。その結果、指示画像8が現在の表示対象画像に関するものであるとユーザが勘違いしにくくなる。
【0065】
なお、処理部38は、上記特別処理として、第1表示制御部36による、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8の表示を制限する処理を実行してもよい。この場合も、指示画像8が表示されることにより、該指示画像8が現在の表示対象画像に関するものであるとユーザが勘違いしにくくなる。
【0066】
また、本実施形態の場合、処理部38は、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも早い時刻である場合に、指示受信部32により受信された識別情報と、指示受信部32により受信された指示情報に基づく指示画像8と、を関連づけてハードディスク4cに記憶される処理対象テーブルに記憶させる(図8のS506)。図7に、処理対象テーブルの一例を示す。処理対象テーブルの記憶内容から、どの指示画像8に関して上記特別処理が行われているかがわかる。
【0067】
[警告送信部]
警告送信部40は、制御部4aとネットワークインタフェース4fとを主として実現される。警告送信部40は、比較部34の比較の結果、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも早い時刻である場合に、指示受信部32により受信された識別情報の送信元のクライアント端末Xのユーザに警告を行うため、警告情報を送信する(図8のS505)。例えば、警告送信部40は、警告情報を、クライアント端末Xに直接送信したり、警告情報を、サーバ2を介してクライアント端末Xに送信する。この場合、警告送信部40は、警告情報をサーバ2に送信することとなる。
【0068】
クライアント端末Xでは、警告情報がモニタ4eに表示されることとなる。その結果、クライアント端末Xのユーザは、他のユーザがまだ見ていない表示対象画像に関して指示操作を行ったことに気づく。
【0069】
[取得部]
取得部42は、制御部4aとネットワークインタフェース4fとを主として実現される。取得部42は、比較部34の比較の結果、指示受信部32により受信された識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも遅い時刻である場合に、指示受信部32により受信された上記識別情報により識別される表示対象画像を取得する(図8のS508乃至S510)。
【0070】
本実施形態の場合、取得部42は、指示受信部32により受信された識別情報により識別される表示対象画像を、画像テーブルから読み出して取得する。すなわち、取得部42は、指示受信部32により受信された識別情報と関連づけられた表示対象画像を画像テーブルから読み出して取得する。
【0071】
但し、取得部42は、指示受信部32により受信された識別情報により識別される表示対象画像が画像テーブルにない場合、該表示対象画像の提供要求を他のクライアント端末4(例えば、注目識別情報の送信元のクライアント端末4)に送信することにより、該表示対象画像を取得する。なお、取得部42は、サーバ2を介して提供要求を他のクライアント端末4に送信してもよい。
【0072】
[第2表示制御部]
第2表示制御部44は、制御部4aを主として実現される。第2表示制御部44は、取得部42により取得された表示対象画像を、モニタ4eに表示させる。第2表示制御部44の機能の詳細は後述する(図8のS511)。
【0073】
[処理−その3]
図8は、各クライアント端末4にて行われる処理であって、指示受信部32と、比較部34と、第1表示制御部36と、処理部38と、警告送信部40と、取得部42と、第2表示制御部44と、に関連する処理を示すフローチャート図である。この処理は、図6のS402のステップでサーバ2が転送した、注目識別情報と、指示情報と、をクライアント端末4が受信するごとに実行される。
【0074】
すなわち、制御部4aは、注目識別情報と、指示情報と、を受信すると(S501)、注目識別情報により特定される時刻(以下、時刻X)が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻(以下、時刻Y)よりも早い時刻であるか否かを判定する(S502)。
【0075】
注目識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも早い時刻である場合(S502のY)、制御部4a(第1表示制御部)は、指示情報に基づいて、メイン画面10aに指示画像8を表示させる(S503)。すなわち、制御部4aは、指示画像8の表示を開始する。
【0076】
そして、制御部4a(処理手段)は、指示画像8に関連づけて、上述の警告画像60をメイン画面10aに表示させる(S504)。すなわち、制御部4aは、指示画像8に関して、上記特別処理の実行を開始する。図9は、警告画像60が表示されているときのモニタ4eの表示内容を示す。点線で囲まれた文字列画像が、警告画像60を示している。
【0077】
また、制御部4a(警告送信手段)は、上述の警告情報をサーバ2に送信する(S505)。この警告情報は、サーバ2により、指示情報の送信元のクライアント端末4へ転送され、この警告情報が該クライアント端末4のモニタ4eに出力されることとなる。
【0078】
また、制御部4aは、注目識別情報と、指示情報に基づく指示画像8と、を関連づけて、上述の処理対象テーブルに記憶させる(S506)。
【0079】
一方、制御部4aは、時刻Xが、時刻Yよりも早い時刻でない場合(S502のN)、制御部4aは、時刻Xが、時刻Yよりも遅い時刻であるか否かを判定する(S507)。
【0080】
注目識別情報により特定される時刻が、現在メイン画面10aに表示されている表示対象画像の識別情報により特定される時刻よりも遅い時刻である場合(S507のY)、制御部4a(取得手段)は、S508〜S510のステップにより、注目識別情報により識別される表示対象画像を取得する。
【0081】
すなわち、制御部4aは、注目識別情報により識別される表示対象画像が上記画像テーブルに記憶されているか否かを判定する(S508)。注目識別情報により識別される表示対象画像が上記画像テーブルに記憶されている場合(S508のY)、制御部4aは、S510のステップにおいて、注目識別情報により識別される表示対象画像を画像テーブルから読み出して取得する。一方、注目識別情報により識別される表示対象画像が上記画像テーブルに記憶されていない場合(S508のN)、制御部4aは、注目識別情報により識別される表示対象画像の提供要求をサーバ2を介して他のクライアント端末4(例えば、指示情報の送信元のクライアント端末4)に送信し(S509)、S510のステップにおいて、注目識別情報により識別される表示対象画像を他のクライアント端末4から受信して取得する。
【0082】
そして、制御部4a(第2表示制御手段)は、S510のステップで取得した表示対象画像を、モニタ4eに表示させる(S511)。本実施形態の場合、制御部4aは、サブ画面10bを新たに設け、サブ画面10bに、S510のステップで取得した表示対象画像を表示させる。この際、制御部4aは、指示情報に基づいて、修正箇所に対応するサブ画面10b上の位置に指示画像8を表示させるようにしてもよい。図10は、サブ画面10bが表示されているときのモニタ4eの表示内容を示す。なお、制御部4aは、S510のステップで取得した表示対象画像をメイン画面10aに表示させてもよい。
【0083】
また、制御部4a(第1表示制御手段)は、S503のステップと同様にして、メイン画面10aに指示画像8を表示させ(S512)、指示画像8の表示を開始する。
【0084】
一方、時刻Xが、時刻Yよりも遅い時刻でない場合、すなわち、時刻Xと時刻Yとが同時刻である場合、注目識別情報により特定される時刻と、が一致する場合(S507のN)、制御部4a(第1表示制御部)は、S512のステップに進む。
【0085】
[処理停止部]
処理停止部46は、制御部4aを主として実現される。処理停止部46は、処理対象テーブル(処理対象記憶手段)に記憶される識別情報が、該識別情報が処理対象テーブルに記憶された後に画像受信部26により受信された識別情報と一致する場合に、処理対象テーブルに記憶される上記識別情報に関連づけられた指示画像8に関する上記特別処理の実行を停止する。処理停止部46の機能の詳細は後述する(図11)。
【0086】
[処理−その4]
図11は、クライアント端末4が表示対象画像を受信したときに図5(b)以外に行われる処理を示すフローチャート図である。この処理は、図5(b)の処理と同様に、クライアント端末4が表示対象画像を受信するごとに行われる。
【0087】
すなわち、S201のステップにおいて、サーバ2から配信された、表示対象画像とその識別情報(識別情報Xとする)とを受信すると、制御部4aは、処理対象テーブルに識別情報Xが記憶されているか否かを判定する(S601)。処理対象テーブルに識別情報Xが記憶されている場合(S601のY)、制御部4a(停止手段)は、識別情報Xに関連づけられた指示画像Xに関する上記特別処理の実行を停止する(S602)。すなわち、制御部4aは、指示画像Xに関連づけて警告画像60をメイン画面10aに表示させることを停止する。
【0088】
そして、制御部4aは、処理対象テーブルから識別情報Xのレコードを削除する(S603)。
【0089】
[まとめ]
本発明の実施形態に係る遠隔共同作業支援システム1によれば、画像配信手段により順次配信される画像を各ユーザが同じタイミングで参照することができなくても、共同作業の効率が下がらないようになる。
【0090】
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。
【0091】
例えば、サーバ2は、ホワイトボード6を拡大して撮像する拡大カメラを備えていてもよい。
【0092】
また、例えば、指示画像8は、記号に限らず、テキストであってもよい。
【0093】
また、例えば、画像取得部20と、識別情報取得部22と、画像配信部24と、がサーバ2で実現されるのではなく、いずれかのクライアント端末4で実現されてもよい。この場合、遠隔共同作業支援システム1は、サーバ2を備える必要はない。
【符号の説明】
【0094】
1 遠隔共同作業支援システム、2 サーバ、2a,4a 制御部、2b 記憶部、2c,4f ネットワークインタフェース、2d ビデオカメラ、2e プロジェクタ、2f,4g バス、4 クライアント端末、4b 主記憶部、4c ハードディスク、4d 操作入力部、4e モニタ、6 ホワイトボード、8 指示画像、10a メイン画面、10b サブ画面、12 ボタン、20 画像取得部、22 識別情報取得部、24 画像配信部、26 画像受信部、28 画像更新部、30 指示送信部、32 指示受信部、34 比較部、36 第1表示制御部、38 処理部、40 警告送信部、42 取得部、44 第2表示制御部、46 処理停止部、60 警告画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、
前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、
利用者が指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報を送信する指示送信手段と、
指示情報を受信する指示受信手段と、
前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、を含む情報処理装置を複数含み、
前記画像受信手段は、
画像配信手段により順次配信される、表示対象画像と、該表示対象画像の識別情報と、を受信し、
前記指示送信手段は、
前記利用者が前記指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、を送信し、
前記指示受信手段は、
他の前記情報処理装置から送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信し、
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する処理手段と、
を含むこと、
を特徴とする遠隔共同作業支援システム。
【請求項2】
前記遠隔共同作業支援システムは、
画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、
前記画像配信手段と、をさらに含み、
前記画像配信手段は、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、
前記処理手段は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記処理を実行すること、
を特徴とする請求項1に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項3】
前記処理手段は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して、前記表示手段に警告表示を表示させること、
を特徴とする請求項2に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項4】
前記処理手段は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示画像表示制御手段による前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像の表示を制限すること、
を特徴とする請求項2に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像と、を関連づけて処理対象記憶手段に記憶させる手段と、
前記処理対象記憶手段に記憶される識別情報が、前記画像受信手段により受信された識別情報と一致する場合に、該識別情報に関連づけられた指示画像に関する前記処理の実行を停止する停止手段と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項6】
前記遠隔共同作業支援システムは、
画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、
前記画像配信手段と、をさらに含み、
前記画像配信手段は、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報の送信元の前記情報処理装置の利用者への警告のため、警告情報を送信する警告送信手段をさらに含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
前記画像受信手段により受信された表示対象画像を記憶手段に記憶させる手段と、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記記憶手段に記憶される、前記受信手段により受信された前記識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された識別情報により識別される表示対象画像の提供を他の情報処理装置に対して要求するための要求情報を送信することにより、該識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、
をさらに含むこと、
を特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項9】
画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、
前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、
他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段と、
前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、
前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段、
前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段、
他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段、
前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる手段、
前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項1】
画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、
前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、
利用者が指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報を送信する指示送信手段と、
指示情報を受信する指示受信手段と、
前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、を含む情報処理装置を複数含み、
前記画像受信手段は、
画像配信手段により順次配信される、表示対象画像と、該表示対象画像の識別情報と、を受信し、
前記指示送信手段は、
前記利用者が前記指示操作を行った場合に、該指示操作に対応する指示情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、を送信し、
前記指示受信手段は、
他の前記情報処理装置から送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信し、
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する処理手段と、
を含むこと、
を特徴とする遠隔共同作業支援システム。
【請求項2】
前記遠隔共同作業支援システムは、
画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、
前記画像配信手段と、をさらに含み、
前記画像配信手段は、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、
前記処理手段は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記処理を実行すること、
を特徴とする請求項1に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項3】
前記処理手段は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して、前記表示手段に警告表示を表示させること、
を特徴とする請求項2に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項4】
前記処理手段は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合に、前記指示画像表示制御手段による前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像の表示を制限すること、
を特徴とする請求項2に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報と、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像と、を関連づけて処理対象記憶手段に記憶させる手段と、
前記処理対象記憶手段に記憶される識別情報が、前記画像受信手段により受信された識別情報と一致する場合に、該識別情報に関連づけられた指示画像に関する前記処理の実行を停止する停止手段と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項6】
前記遠隔共同作業支援システムは、
画像を表示対象画像として順次取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像の識別情報として、該表示対象画像が前記画像取得手段により取得されたタイミングを特定するための情報を取得する識別情報取得手段と、
前記画像配信手段と、をさらに含み、
前記画像配信手段は、
前記画像取得手段により取得された表示対象画像と、前記識別情報取得手段により取得された該表示対象画像の識別情報と、を前記複数の情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも早いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された前記識別情報の送信元の前記情報処理装置の利用者への警告のため、警告情報を送信する警告送信手段をさらに含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項7】
前記情報処理装置は、
前記画像受信手段により受信された表示対象画像を記憶手段に記憶させる手段と、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記記憶手段に記憶される、前記受信手段により受信された前記識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項8】
前記情報処理装置は、
前記指示受信手段により受信された識別情報により特定されるタイミングが、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報により特定されるタイミングよりも遅いタイミングである場合、前記指示受信手段により受信された識別情報により識別される表示対象画像の提供を他の情報処理装置に対して要求するための要求情報を送信することにより、該識別情報により識別される表示対象画像を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得される表示対象画像を前記表示手段に表示させる手段と、
をさらに含むこと、
を特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の遠隔共同作業支援システム。
【請求項9】
画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段と、
前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段と、
他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段と、
前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる指示画像表示制御手段と、
前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段と、
を含むことを特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
画像配信手段により順次配信される表示対象画像を順次受信する画像受信手段、
前記画像配信手段により順次配信される表示対象画像の識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記画像受信手段により表示対象画像が受信されるごとに、表示手段に表示される表示対象画像を更新する更新手段、
他の情報処理装置により送信された、指示情報と、表示対象画像の識別情報と、を受信する指示受信手段、
前記指示受信手段により受信された指示情報に基づいて、指示画像を前記表示手段に表示させる手段、
前記指示受信手段により受信された識別情報と、前記表示手段に表示されている表示対象画像の識別情報と、が異なる場合に、前記指示受信手段により受信された指示情報に基づく指示画像に関して予め定められた処理を実行する手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−41185(P2011−41185A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−189145(P2009−189145)
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月18日(2009.8.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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