説明

遠隔制御用監視端末器および遠隔監視制御システム

【課題】照明器具の複数の操作パターンを選択し設定可能とすることによって、部品を共通化し、コストの低減化を図る。
【解決手段】本発明の遠隔制御用監視端末器は、ケース本体と;押圧操作領域を規定するための複数の操作部を備えた操作パネルと;ケース本体に配設されるとともに、前記操作パネルの裏面に配設され、押圧検知可能な複数のタッチ検出部を有し、前記操作パネルの前記操作部の位置に対応付けて前記複数のタッチ検出部のうち少なくとも一つ以上のタッチ検出部からなる検出エリアを設定可能なタッチ基板と;前記タッチ基板と電気的に接続され、前記タッチ検出部が押圧検知したときに操作信号を出力する伝送部と;を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建物内の天井面に配設された複数の照明器具に操作信号を出力して遠隔操作する遠隔制御用監視端末器および遠隔監視制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば建物内の天井面に配設された複数の照明器具は、遠隔操作可能な遠隔制御用監視端末器の手動操作に応じて操作信号が出力され、この操作信号を受信した中央処理装置によってオン/オフが制御される。
【0003】
このような遠隔制御用監視端末器は、壁等に配設された固定枠に取り付けられるケース本体と、このケース本体に取り付けられる遠隔操作用の操作部とを有して主要部が構成されている。
【0004】
操作部は、複数の照明器具の内、所定の照明器具を遠隔操作する操作パターンに応じて形成されており、例えば、グループ毎の照明器具を夫々遠隔操作するための複数種の操作スイッチや、照明器具の照明状態を変化させるための調光用操作スイッチ等を有して構成されている。
【0005】
このように、操作部には所定の操作パターンに応じて複数種類のものがあるため、この操作部が取り付けられるケース本体は、取り付けられる操作部の種類に合わせて成型することにより形成されている。従って、ケース本体についても複数種のものがあり、取り付けられる操作部に合った形状のケース本体が使用されるようになっている。
【0006】
このような、従来の遠隔制御用監視端末器を有する遠隔監視制御システムとしては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
この特許文献1には、中央処理装置からの伝送線を介して照明負荷の照明状態を制御するとともに照明負荷を監視する遠隔制御用監視端末器、センサ端末器、ワイヤレス受信器、人感センサ等が接続され、遠隔制御用監視端末器、センサ端末器、ワイヤレス送信機からの送信データ(送信信号)を受信したワイヤレス受信器、人感センサからの送信データに基づいて照明負荷の照明状態を制御する遠隔監視制御システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−91568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の遠隔制御用端末機器では、ケース本体は操作部の種類毎に応じた形状のものが必要であるため、ケース本体の種類毎に成形するための金型が必要となったり、操作部の種類毎に在庫を確保することが必要であるため、コストが高価になってしまうといった問題点があった。また、操作部が接点の開閉機構が設けられたタンブラースイッチや回動機構を有する調光用スイッチ等の場合には、使用頻度によっては接点の開閉機構や回動機構が摩耗してしまい耐久性の点で問題点があった。
【0009】
特許文献1の遠隔監視制御システムは、このような遠隔制御用監視端末器の低コスト化、及び耐久性向上を図るための具体的な手段については、なんら開示も示唆もされてはおらず、問題解決には至っていないのが現状である。
【0010】
また、操作部がタッチパネル等である場合には、通常の調光用スイッチとは異なり、接触を検知してオンオフ操作等を行うために、操作感覚が得られず、使用者が所望するスイッチを操作できたか否かを認識できず、再操作しオンオフ操作を繰り返す等の誤操作が生じてしまう虞がある。
【0011】
さらに、タッチパネルを用いたスイッチは、隣接する操作部が誤検出しやすく、意図しない照明エリアの照明を制御してしまうという不具合が考えられる。
【0012】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みてなされたもので、照明器具の複数の操作パターンを選択し設定可能とすることによって、部品を共通化し、コストの低減化を図ることができる共に耐久性の高い遠隔制御用監視端末器を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、簡単な構成で、操作部の誤操作を防止することのできる遠隔制御用監視端末器を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る遠隔制御用監視端末器は、ケース本体と;押圧操作領域を規定するための複数の操作部を備えた操作パネルと;ケース本体に配設されるとともに、前記操作パネルの裏面に配設され、押圧検知可能な複数のタッチ検出部を有し、前記操作パネルの前記操作部の位置に対応付けて前記複数のタッチ検出部のうち少なくとも一つ以上のタッチ検出部からなる検出エリアを設定可能なタッチ基板と;前記タッチ基板と電気的に接続され、前記タッチ検出部が押圧検知したときに操作信号を出力する伝送部と;を具備したことを特徴とする。
【0015】
押圧検知可能なタッチ検出部とは、例えば人が接触したことを電気的に検知可能であればよく、例えば、操作パネルは、誘電率と厚さを適宜選択することによってタッチ検出部による押圧検知が可能となり、例えばアクリル、紙、木、などを使用することができる。
【0016】
また、操作パネルの操作部は例えば、紙にプリントして表示したものでもよいし、アクリル板の裏面側にプリントしてもよく、使用者が視覚的又は手触りなどで判別できる構成であればよい。
【0017】
検出エリアとは、例えば同じ検出エリアに設定されたタッチ検出部のうちいずれか一が押圧検知したときに同一の操作信号を出力するために関連付けされたタッチ検出部のグループであり、操作パネルの一つの操作部に対して、一つの検出エリアが設定される。
【0018】
また、検出エリアの設定は2回路用、3回路用、4回路用など複数パターンの操作パネルに対応して設定変更が可能である。
伝送部は、例えば専用の基板上に設けたものであってもよいし、タッチ基板に設けてもよい。
【0019】
タッチ検出部の設定は、設定器を用いて設定してもよいし、設定器に限らず、遠隔制御用監視端末器が伝送線を介して接続される中央処理装置からの設定情報に基づいて設定を行うように制御しても良い。また、タッチ検出部の設定操作によって複数のスイッチによる検出エリアの選択、及びこれらスイッチに照明負荷の照明状態を可変させるための可変スイッチ機能の割り当てを行うことができる。
【0020】
本発明の遠隔制御用監視端末器は、中央処理装置に対し、伝送線を介して、各種端末器、センサ端末器、人感センサ等が接続される遠隔監視制御システムに適用可能であるが、この遠隔監視制御システムに限定されることはなく、通常室内に設置された照明負荷を点灯制御又は消灯制御するための壁スイッチ等にも適用可能である。
【0021】
本発明の請求項2に係る遠隔制御用監視端末器は、請求項1に記載の遠隔制御用監視端末器において、前記複数のタッチ検出部は、所定の押圧操作されることによって照明負荷の出力を可変させるための可変スイッチ機能を割り当てて設定可能であることを特徴とする。
【0022】
所定の押圧操作とは、例えば隣接する複数のタッチ検出部が所定の順番で順次押圧を検知した場合には照明負荷の出力を変化させるように設定させることができる。
【0023】
本発明の請求項3に係る遠隔制御用監視端末器は、前記タッチ検出部の押圧検知レベルを検出する押圧検知レベル検出部と;前記押圧検知レベル検出部で検出した押圧検知レベルと予め設定した閾値とを比較する制御部と;を具備し、前記タッチ基板は、各操作部の検出エリア間の位置に対応付けて複数のタッチ検出部のうち少なくとも一つ以上のタッチ検出部からなる誤操作検出エリアを設定可能であり、前記伝送部は、前記検出エリアのうち押圧検知レベルが閾値以上の検出エリアに隣接する前記誤操作検出エリアの押圧検知レベルが閾値未満のときに操作信号を出力し、前記誤操作検出エリアの押圧検知レベルが閾値以上のときは、この誤操作検出エリアに隣接する検出エリアの操作信号を出力しないことを特徴とする。
【0024】
前記押圧検知レベル検出部は、例えばタッチ検出部に設けてもよいしタッチ検出部が配設される基板に設けてもよい。
制御部は、前記タッチ基板又は前記伝送部に設けて構成してもよいし、前記タッチ基板と前記伝送部とが一体的に構成した場合にはこの一体的に構成した基板に設けて構成してもよい。
【0025】
閾値は、予め設定された数値だけではなく、適宜変更可能であってもよいし、上限値及び下限値を有する所定範囲の閾値であってもよい。タッチ検出部の操作信号の生成は、前記タッチ基板、又は前記伝送部で行ってもよい。
【0026】
本発明の請求項4に係る遠隔制御用監視端末器は、前記タッチ検出部の押圧検知レベルを検出する押圧検知レベル検出部と;前記押圧検知レベル検出部で検出した押圧検知レベル同士を比較する制御部と;を具備し、前記タッチ基板は、各操作部の検出エリア間の位置に対応付けて複数のタッチ検出部のうち少なくとも一つ以上のタッチ検出部からなる誤操作検出エリアを設定可能であり、前記伝送部は、前記検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルが、隣接する誤操作検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルよりも大きいときに検出エリアに対応する操作信号を出力し、検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルが隣接する誤操作検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルよりも小さいときは操作信号を出力しないことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項5に係る遠隔制御用監視端末器は、請求項3又は請求項4に記載の遠隔制御用監視端末器において、前記制御部は、前記複数のタッチ検出部の内、所定のタッチ検出部の操作を検出したときから予め設定された所定の時間内に、再度タッチ検出部の操作を検出したときには、再度操作したタッチ検出部の操作信号を出力しないように制御することを特徴とする。
【0028】
予め設定された所定の時間は、適宜変更可能であり、例えばタッチ検出部の誤操作を迅速に使用者に告知するためには、短い時間に設定することが望ましい。
【0029】
タッチ検出部が操作されたこととは、タッチ検出部が押圧検知したときでもよいし、操作信号出力後、なんらかの返信を受信したときでもよい。
告知手段は、例えば、表示部による表示又は音声によっておこなってもよい。表示部のみの構成であれば、低コストで、タッチ検出部の操作表示及びタッチ検出部の誤操作を告知するための表示を行う告知手段を構成できる。
【0030】
表示又は音声によっておこなう告知は、異なる動作状態に切り換えることによってタッチ検出部の操作を告知するものである。例えば、表示部の表示を反転表示させたり、2つの表示部を選択的に表示させたり、又は、音声再生部の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切り換えることを意味している。
【0031】
本発明の請求項に係る遠隔制御用監視端末器は、請求項1に記載の遠隔制御用監視端末器において、前記タッチ検出部の押圧検知レベルを検出する押圧検知レベル検出部を有し、前記伝送部は、前記押圧検知レベル検出部によって前記タッチ検出部が押圧検知した状態から押圧検知してない状態に変わったときに操作信号を出力することを特徴とする。
【0032】
タッチ検出部が押圧検知した状態から押圧検知してしない状態に変わったときとは、使用者の指がタッチ検出部から離れたときを意味している。
【0033】
尚、タッチ検出部の操作が予め決められた所定の時間内に行われた場合のみを有効にしてもよく、所定の時間を過ぎてから使用者の指がタッチ検出部から離れた場合には当該操作をキャンセルするようにしてもよい。
【0034】
本発明の請求項に係る遠隔制御用監視端末器は、請求項1に記載の遠隔制御用監視端末器において、前記タッチ検出部が押圧検知した状態が予め決められた所定の時間を経過してから押圧検知していない状態に変わっても前記タッチ検出部の操作信号を出力しないことを特徴とする。
【0035】
タッチ検出部の押圧検知時間を予め決められた所定の時間を経過してとは、例えば使用者が該タッチ検出部の押下を継続して行う長押し操作を意味している。この場合、使用者は長押し操作をすることで、該タッチ検出部による操作を取り消すといった操作方法を認識することが必要である。
【0036】
本発明の請求項に係る遠隔制御用監視端末器は、請求項または請求項に記載の遠隔制御用監視端末器において、前記伝送部は、前記複数のタッチ検出部の内、少なくとも2つのタッチ検出部を一方から他方へ操作しながら移動するスライド操作が行われた場合には、前記スライド操作されたタッチ検出部の操作信号を出力しないことを特徴とする。
【0037】
前記スライド操作の検出は、例えば少なくとも2つのタッチ検出部の押圧検知レベルが前記閾値以上で、かつ継続して検出した場合にスライド操作が行われたものとして検出する。或いは少なくとも2つのタッチ検出部の押圧検知時間を見て、スライド操作が行われたことを検出しても良い。
また、スライド操作が行われた場合には、少なくとも最初に操作されたタッチ検出部の操作信号を出力しないようにしてもよい。
【0038】
本発明の請求項に係る遠隔制御用監視端末器は、請求項ないし請求項の何れか1項に記載の遠隔制御用端末器において、前記押圧検知レベルの閾値を補正し設定する自動補正を行うことが可能であって、前記伝送部は、前記自動補正が行われている際に、前記タッチ検出部の操作があった場合には、前記タッチ検出部の操作を受け付けずに前記自動補正を行う補正優先モード、または前記自動補正を取り消して前記タッチ検出部の操作を優先する操作優先モードを実行することを特徴とする。
自動補正は、遠隔制御用監視端末器が設置された場合に自動的に行われるように構成してもよいし、設置後、使用者の操作によって行われるようにしてもよい。
【0039】
本発明の請求項10に係る遠隔制御用監視端末器は、請求項ないし請求項の何れか1項に記載の遠隔制御用端末器において、前記タッチ基板は、前記複数のタッチ検出部を構成する複数の電極を、一方向のみに並設し、使用状態において前記電極が横方向に並設されることを特徴とする。
複数の電極数は、例えば12個、又は24個とすることが望ましい。これら複数の電極は、操作パネルの操作部のパターンに応じて割り当てられるようになっている。
本発明の請求項11に係る遠隔監視制御システムは、複数の照明負荷と;請求項1ないし10のいずれか一に記載の遠隔制御用端末器と;伝送線に接続され、前記遠隔制御用端末器から出力された操作信号を受信し、この操作信号に基づき伝送線を介して照明負荷を制御する中央処理装置と;を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
請求項1の本発明によれば、操作部に合わせて検出エリアを設定可能なタッチ基板を具備することによって、部品を共通化し、コストの低減化を図ることが可能となる。
【0041】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得る他に、前記複数のタッチ検出部は、所定の押圧操作されることによって照明負荷の出力を可変させるための可変スイッチ機能を割り当てて設定可能であるので、消耗する可変駆動機構を用いずに、可変スイッチとして構成でき、よって、耐久性の高い遠隔監視制御端末器を実現できる。
【0042】
請求項3の発明によれば、タッチ検出部の正常な操作又は誤操作を確実に検出できるとともに、その操作又は誤操作に基づく操作信号の出力の有無を確実に制御可能となる。
【0043】
請求項4の本発明によれば、操作された検出エリアのタッチ検出部に隣接する他の検出エリアのタッチ検出部による誤操作を確実に防止することができる。
【0044】
請求項5の本発明によれば、短時間内でのタッチ検出部の誤操作を確実に防止することができる。
【0045】
請求項の発明によれば、タッチ検出部の正常な操作又は誤操作を確実に検出できる。
【0046】
請求項の発明によれば、タッチ検出部の正常な操作又は誤操作を確実に検出できるとともに、その操作又は誤操作に基づく操作信号の出力の有無を確実に制御可能となる。
【0047】
請求項の発明によれば、使用者の意図に基づいて誤操作を容易にキャンセルすることができる。
【0048】
請求項の発明によれば、設置環境に伴いノイズが発生しても、閾値を最適化するように自動補正することで、機器動作の安定化を図ることができる。また、補正優先モード及び操作優先モードを設けたことにより、自動補正による設定を自由に行うことができ、使い勝手を向上できる。
【0049】
請求項10の発明によれば、操作パネルの操作部のパターンに合わせて、タッチ基板の検出エリアの設定を行うことができ、また、複数の電極をタッチ基板に対して横方向に並設したことにより、構造的にタッチ検出部の誤操作を確実に防止することができる。
請求項11の発明によれば、請求項1ないし10に記載の効果を有する遠隔制御用監視端末器を用いた遠隔監視制御システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態に係る遠隔制御用監視端末器を有する遠隔監視制御システムの全体的構成図。
【図2】遠隔制御用監視端末器の構成を説明するための分解斜視図。
【図3】図3から図6は遠隔制御用監視端末器の組立工程を説明するもので、ケース本体に伝送基板を取付後、この伝送基板に接続部を取り付けた状態を示す説明図。
【図4】図3の工程後にタッチ基板を取り付けてタッチ基板の一部を破断した状態を示す説明図。
【図5】図4の工程後においてタッチ基板の貫通孔からLEDが露出する状態を示す説明図。
【図6】図5の工程後にアクリル部材を取り付けた状態を示す説明図。
【図7】操作パネル上に配設されるプレートの具体的な構成を示す図。
【図8】プレートとタッチ基板との間に介在する操作パネルの構成を示す図、
【図9】操作パネルの第1変形例を示す図。
【図10】操作パネルの第2変形例を示す図。
【図11】操作パネルの第3変形例を示す図。
【図12】遠隔制御用監視端末器の他の変形例を示す図。
【図13】遠隔制用御監視端末器の電気的な回路構成を示すブロック図。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る遠隔制御用監視端末器の主要部を構成するタッチ処理部及びその周辺部の回路構成を示すブロック図。
【図15】図14の押圧検知レベル検出部の具体的な構成、及び検出された各操作部に応じた押圧検知レベルの特性を説明するための説明図。
【図16】再操作の誤操作を判断するためのエラー検知時間範囲を説明する説明図。
【図17】図16のエラー検知時間範囲を超えたときに再操作した場合の動作を説明する説明図。
【図18】制御部による操作部の誤操作防止のための基本制御動作例を示すフローチャート。
【図19】制御動作例の変形例を示し、同じ操作部が再操作された場合に対応するフローチャート。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る遠隔制御用監視端末器の、複数の電極を縦方向に設けた縦型のタッチ基板の構成を示す構成図。
【図21】複数の電極を横方向に設けた横型のタッチ基板の構成を示す構成図。
【図22】4つの操作部を備えた横型の操作パネルの構成を示す構成図。
【図23】2つの操作部を備えた横型の操作パネルの構成を示す構成図。
【図24】3つの操作部を備えた横型の操作パネルの構成を示す構成図。
【図25】1つの操作部を備えた横型の操作パネルの構成を示す構成図。
【図26】6つの操作部を備えた横型の操作パネルの構成を示す構成図。
【図27】上下4つずつに配置して8つの操作部を備えた横型の操作パネルの構成を示す構成図。
【図28】本発明の第4の実施の形態に係る遠隔制御用監視端末器の制御部による操作部の誤操作に対処するための基本制御動作例を示すフローチャート。
【図29】制御部による操作部の誤操作防止のための基本制御動作例を示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。 (第1の実施の形態)
図1から図13は本発明の遠隔制御用監視端末器の第1の実施の形態に係り、図1は遠隔制御用監視端末器を有する遠隔監視制御システムの全体的構成図、図2は遠隔制御用監視端末器の構成を説明するための分解斜視図、図3から図6は遠隔制御用監視端末器の組立工程を説明するための説明図であり、図3はケース本体に伝送基板を取付後、この伝送基板に接続部を取り付けた状態を示し、図4は図3の工程後にタッチ基板を取り付けてタッチ基板の一部を破断した状態を示し、図5は図4の工程後においてタッチ基板の貫通孔からLEDが露出する状態を示し、図6は図5の工程後にアクリル部材を取り付けた状態を示している。また、図7は操作パネル上に配設されるプレートの具体的な構成を示す図、図8はプレートとタッチ基板との間に介在する操作パネルの構成を示す図、図9は操作パネルの第1変形例を示す図、図10は操作パネルの第2変形例を示す図、図11は操作パネルの第3変形例を示す図、図12は遠隔制御用監視端末器の他の変形例を示す図、図13は遠隔制御用監視端末器の電気的な回路構成を示すブロック図である。
【0052】
図1に示す遠隔監視制御システムは、中央処理装置1を有している。この中央処理装置1には、2線伝送線2を介して制御端末器3、後述する遠隔制御用監視端末器10、センサ端末器4、ワイヤレス受信器5、6、人感センサ7が接続される。また、ワイヤレス受信器5に対して赤外線で信号を送信するワイヤレス送信器8と、ワイヤレス受信器6に対して赤外線で信号を送受するワイヤレス送受信器9とが設けられている。
【0053】
中央処理装置1は、本システムを統括的に制御するもので、マイクロコンピュ−タを備えて構成されている。中央処理装置1は、遠隔制御用監視端末器10と制御端末器3に接続されている照明負荷との対応関係(割り付け)を記憶するメモリ(図示せず)を有している。
【0054】
また、中央処理装置1は、各端末器の固有のアドレスを設定するアドレス設定モ−ドを設定可能である。また、中央処理装置1は、アドレスを設定するアドレス設定手段及びそのアドレスを表示する表示部を有している。
【0055】
制御端末器3は、例えば4回路の照明負荷が接続可能で、このような制御端末器3が伝送線2に複数接続されている。尚、照明負荷は、例えば照明器具を構成している。
センサ端末器4は、例えば周囲が暗くなると照明負荷を点灯させるための端末器である。このセンサ端末器4は、マイクロコンピュ−タを有して構成されており、伝送インタフェ−スを介して伝送線2に接続される。また、センサ端末器4は、光を検出するセンサ部、表示部、センサ端末器4のアドレスデ−タを記憶するメモリを有している。
【0056】
ワイヤレス送信器8は、照明負荷の点灯/消灯情報を例えば赤外線でワイヤレス受信器5に送信する。このワイヤレス送信器8は、マイクロコンピュ−タ、伝送線2に接続可能とする伝送インタフェ−ス、照明制御情報を赤外線で送信する赤外線送信部、ワイヤレス送信器8のアドレスデ−タを記憶するメモリを有して構成されている。
【0057】
ワイヤレス送受信器9は、照明負荷の点灯/消灯情報等をワイヤレス受信器6間で赤外線で送受信するための端末器である。このワイヤレス送受信器9は、マイクロコンピュ−タ、赤外線を送信する赤外線送信部、赤外線を受信する赤外線受信部、照明負荷を点灯/消灯制御するための操作ボタン、ワイヤレス送信器9のアドレスデ−タを記憶するメモリを有して構成されている。
【0058】
人感センサ7は、人の存在を検知して照明負荷を点灯制御するための端末器である。この人感センサ7は、マイクロコンピュ−タを備えて構成され、伝送インタフェ−スを介して伝送線2に接続される。さらに、この人感センサ7は、人の存在を人から放射される赤外線を検知する赤外線検出部、人感センサ7のアドレスデ−タを記憶するメモリ75を有して構成されている。
【0059】
ワイヤレス受信器5は、ワイヤレス送信器8から送信される赤外線信号を受信する。このワイヤレス受信器5は、マイクロコンピュ−タを備えて構成され、伝送インタフェ−スを介して伝送線2に接続される。また、このワイヤレス受信器5には、ワイヤレス受信器6のアドレスデ−タを記憶するアドレス設定部、赤外線を受信する赤外線受信ユニットが設けられている。尚、ワイヤレス受信器6は、赤外線を送信可能とするための赤外線送信ユニットを有している。
【0060】
遠隔制御用監視端末器10は、例えば壁スイッチのように照明負荷を遠隔操作で点灯/消灯制御、及び監視制御するものである。
【0061】
このような遠隔制御システムは、中央処理装置1によって、制御端末器3、センサ端末器4、遠隔制御用監視端末器10等のアドレス設定や、中央処理装置1内のメモリ(図示しない)内に格納するデータの設定を行うことができるとともに、遠隔制御用監視端末器10によって照明負荷の点灯/消灯制御が可能である。
【0062】
次に、このような本実施の形態の遠隔制御用監視端末器10の具体的な構成、及び組立手順を、図2から図8を参照して説明する。
【0063】
図2に示すように、遠隔制御用監視端末器10は、タッチパネル方式を用いて構成されたもので、既存のサイズと略同様に形成されたケース本体11と、このケース本体11内に配設される伝送部としての伝送基板12と、この伝送基板12と接続部17を介して電気的に接続されるタッチ基板13と、このタッチ基板13の上面に積層される操作パネル14と、この操作パネル14の所定領域を露出するように操作パネル14の外枠部材であるプレート15とを有して構成されている。尚、伝送基板12とタッチ基板13とを一つの基板として構成しても良い。
【0064】
ケース本体11は、例えば壁内に埋設されるもので、設定機器等と電気的に接続するためのコネクタ部16が設けられ、伝送基板12、タッチ基板13及び操作パネル14を内部に収容可能に構成されている。
【0065】
コネクタ部16は、例えば4本の接続ピン16aを有して構成されている。そして、このコネクタ部16には、タッチ基板13の後述するタッチ操作部20の検出エリアを設定する場合には、設定のための設定器が電気的に接続されるようになっている。
【0066】
このようなケース本体11の所定箇所には、図3に示すように伝送基板12が配設される。この伝送基板12には、操作信号等を伝送線2に伝送するのに必要な各種回路が設けられている。また、伝送基板12には、使用者の操作に応答して表示状態が切り替わる告知手段としての表示用発光素子(LED)19が例えば4組設けられている。
【0067】
尚、表示用発光素子19は、2個で1組として構成して、照明負荷の点灯状態及び消灯状態を夫々表示するものである。また、表示用発光素子19は、図2に示す配置位置及び個数に限定されるものではなく、基板13A及び操作パネル14の操作部22の構成に合わせて配置位置及び個数が設定される。さらに、伝送基板12は、このような表示用発光素子19を設けずに構成しても良い。
【0068】
また、伝送基板12には、操作信号等を伝送線2に伝送するための接続線を接続する伝送端子18が設けられている。
そして、伝送基板12には接続部17が立設され、この接続部17の上部に重ねるように基板13Aが配設される(図4及び図5参照)。こうして、伝送基板12とタッチ基板13とが、接続部17を介して電気的に接続される。尚、接続部17は、例えば基板形状のコネクタを用いて伝送基板12とタッチ基板13とを電気的に導通させるものであるが、これに限定されることはなく、例えばフレキシブル基板や接続線等を用いて電気的に接続しても良い。
【0069】
タッチ基板13は、図2に示すように、タッチ操作部20が基板13A上に設けられて構成されている。このタッチ操作部20は、操作パネル14の操作部22のパターンに応じて、複数の検出エリアの割り当てやスイッチ機能を自在に変更し設定できるようになっている。この場合、複数の検出エリアの割り当てやスイッチ機能の変更及び設定は、コネクタ部16に接続された設定器により入力することで行われるようになっている。
【0070】
尚、スイッチ機能とは、例えば単に照明負荷の点灯指示又は消灯指示のスイッチ作用だけではなく、例えば所定の押圧操作されることによって指定した照明負荷の出力を可変させるための可変スイッチとしての機能である。そのため、タッチ操作部20は、可変スイッチとしての機能も割り当てることも可能である。
【0071】
また、タッチ基板13の基板13Aには、複数の貫通穴21が設けられている。これらの貫通穴21は、伝送基板12の複数の表示用発光素子19に配置位置に合わせて設けられている。そして、組立後にはこれらの貫通穴21に表示用発光素子19が挿通されることで、タッチ基板13の表面に露出するようになっている(図5参照)。
【0072】
このようなタッチ基板13の表面上には、操作パネル14が配設される。この操作パネル14は、タッチ基板13のタッチ操作部20の配置位置に合わせて操作部22が設けられている。また、操作パネル14の操作部22の近傍には、操作部22に割り当てられたグループスイッチや個別スイッチ等の名称を示す識別部23が夫々設けられている。
【0073】
操作パネル14は、例えば透明なアクリル板を用いて構成されたもので、このアクリル板の裏面に操作部22がプリントされるようになっている。尚、識別部23は、同じようにアクリル板にプリントして設けても良く、或いはアクリル板の裏面にシールや紙を貼り付けて設けても良い。
この操作パネル14は、例えば図示しない両面テープ等により、タッチ基板13の表面に貼着される(図6参照)。
【0074】
そして、操作パネル14の上からプレート15が配設されてケース本体11に固定される。このプレート15は、図7に示すように、操作パネル14の操作部22及び識別部23が露出するように開口部15aが設けられている。従って、プレート15がケース本体11に固定されると、開口部15aを介して操作パネル14の操作部22及び識別部23が露出することになる。
【0075】
本実施の形態では、基板13Aのタッチ操作部20は、操作部22のパターンに応じて複数のタッチ操作部20の検出エリアの割り当てが自在に変更し設定可能であるので、操作部22のパターンが異なった操作パネル14でもこの操作パネル14の操作部22に基づく操作信号を出力できるので、複数種の操作パネル14を用いることが可能である。そのため、いずれの種類の操作パネル14でも1種類のケース本体11で遠隔制御監視端末器10を構成できる。
【0076】
ここで、操作パネル14の具体的な構成例について図8を参照して説明する。
【0077】
例えば4つのグループの照明負荷を遠隔操作制御及び監視制御するように設定器によってタッチ操作部20の検出エリアを割り当てた場合には、操作パネル14は図8に示すように構成されたものが用いられる。
【0078】
具体的には、操作パネル14は、第1〜第4のグループ名を夫々示す第1〜第4識別部23a〜23dを有する識別部23と、第1〜第4グループに対応するスイッチである第1〜第4操作部22a〜22dを有する操作部22と、各表示用発光素子19毎に設けられて各表示用発光素子19からの光を透過して認識させるLED表示部24とを備えて構成される。
【0079】
この場合、第1〜第4操作部22a〜22dは、ケース本体11の図8中の上下方向(タッチ操作部20の配置方向に合わせた方向)に併設され、これらの操作部22a〜22dの横には、第1〜第4識別部23a〜23dがそれぞれ配置されている。尚、LED表示部24についても、これら操作部22a〜22dと識別部23a〜23dとの夫々の間に設けられている。
【0080】
また、操作部22のパターンを変えたものとしては、例えば、操作パネル14において、操作部22の数を、照明負荷のグループ数に合わせて減らしたり、或いは増やしたりして構成される。勿論、識別部23及びLED表示部24は、操作部22の数に合わせるように設けて構成される。
【0081】
尚、操作パネル14は、図8に示すような構成に限定されるものではなく、例えば図9〜図11の変形例に示すように構成しても良い。このような操作パネル14の変形例を図9〜図11を参照して説明する。尚、図9〜図11に示す変形例では、伝送基板12上の表示用発光素子19の配置位置が図2に示す本実施の形態のものと異なっているものとして説明する。
【0082】
図9の第1変形例に示すように、操作パネル14Aは、図8に示す操作パネル14と同様に第1〜第4操作部22a〜22dを有する操作部22を有しているが、第1〜第4識別部23については設けないで構成している。
【0083】
尚、このような場合には、第1〜第4識別部23a〜23dをシールとして構成し、操作パネル14A上の所定箇所、或いは第1〜第4操作部22a〜22d上に貼り付けて識別するように構成すれば良い。
【0084】
また、図10の第2変形例に示す操作パネル14Bは、例えば3つのグループの照明負荷を遠隔操作制御及び監視制御するように設定器によってタッチ操作部20の複数のスイッチ群を割り当てた場合に対応した3回路用のものであり、第1〜第3操作部22a〜22cを有して構成している。
【0085】
尚、この第2変形例においても、前記同様に第1〜第3識別部23a〜23cをシールとして構成し、操作パネル14B上の所定箇所、或いは第1〜第3操作部22a〜22c上に貼り付けて識別するように構成すれば良い。
【0086】
また、図11の第3変形例に示す操作パネル14Cは、例えば2つのグループの照明負荷を遠隔操作制御及び監視制御するように設定器によってタッチ操作部20の複数のスイッチ群を割り当てた場合に対応した2回路用のものであり、第1及び第2操作部22a、22bを有して構成している。
【0087】
尚、この第3変形例においても、前記同様に第1及び第2識別部23a、23bをシールとして構成し、操作パネル14C上の所定箇所、或いは第1及び第2操作部22a、22b上に貼り付けて識別するように構成すれば良い。
【0088】
また、図9〜図11に示す変形例の操作パネル14A〜14Cは、操作部22を増減したとしても、その操作部22に対応する表示用発光素子19の表示を対応させて表示するための予備のLED表示部24aが設けられている。
【0089】
また、このような構成の遠隔制御用監視端末器10は、例えば図12の変形例に示すように、コネクタ部16を下部(図12中下側)に設けたケース本体11Aに替えて、このケース本体11A内部に収容されるように伝送基板12、基板13A、操作パネル14を構成しても良い。つまり、本実施の形態の主要部を有していれば良く、コネクタ部16、表示用発光素子19、伝送基板12、タッチ基板13、操作パネル14のレイアウトについては限定されることはない。
【0090】
次に、このような構成の遠隔制御用監視端末器10の主要部となる電気的な回路構成、及び作用について、図13を参照して説明する。
図13に示すように、遠隔制御用監視端末器10は、タッチ基板13上に設けられたタッチ操作部20及びタッチ処理部30と、伝送基板12上に設けられた伝送処理部31、表示部を構成する表示用発光素子19と、設定端子を構成するコネクタ部16の接続ピン16aと、伝送基板12上に設けられた電源部32とを有して構成されている。
【0091】
尚、電源部32は、図1の中央処理装置1から伝送線2を介して伝送された電圧信号に基づき、遠隔制御用監視端末器10が駆動するのに必要な電力を得て、図13中の各ブロックに電力を供給している。
タッチ操作部20は、操作パネル14の操作部22が押圧操作されることにより、この押圧操作されたタッチ操作部20の検出信号をタッチ処理部30に出力する。タッチ処理部30は、この検出信号を受信すると操作信号を生成し伝送処理部31に出力する。
【0092】
伝送処理部31は、操作信号を伝送線2上に接続される中央制御装置1、制御端末器3、又は各照明負荷に対して出力する。
【0093】
ここで、作業者は、操作部22のパターンの異なる操作パネル14の入れ替え作業を行ったとする。
この場合、作業者は、ケース本体11のコネクタ部16に設定器を接続し、この設定器を用いて、入り替えたパターンの操作部22に合わせるように、複数のタッチ操作部20の検出エリアの割り当てを変更し設定する。
【0094】
これにより、タッチ操作部20のパターンの異なる操作パネル14を入れ替えて構成した場合でも、タッチ操作部20が、入れ替えられた操作部22のパターンに対応して設定されるので、操作部22の押圧操作に応じた操作信号を伝送線2に出力することが可能となる。
【0095】
また、タッチ操作部20を、可変スイッチとしてのスイッチ機能を割り当てた場合には、遠隔制御用監視端末器10は、照明負荷の出力を可変させるための操作信号を出力することも可能である。
【0096】
従って、第1の実施の形態によれば、操作部22のパターンの異なる操作パネル14を入れ替えて構成した場合でも、パターンに応じた操作信号を出力することができるので、ケース本体11を共通して用いることができ、遠隔制御用監視端末器10のコスト低減化を図ることが可能となる。
【0097】
また、タッチ操作部20を可変スイッチとしてのスイッチ機能を割り当てることも出来るので、消耗品である可変スイッチ等を用いずに可変スイッチを構成でき、よって、耐久性の高い遠隔制御用監視端末器10の実現が可能となる。
【0098】
尚、本発明の遠隔制御用監視端末器10は、中央処理装置1からの伝送線2に、各種端末器3、センサ端末器4、人感センサ7等が接続される遠隔監視制御システムに適用されるが、この遠隔監視制御システムに限定されることはなく、通常室内に設置された照明負荷を点灯制御又は消灯制御するための壁スイッチ等にも適用可能である。
【0099】
ところで、本発明の遠隔制御監視端末機器10は、簡単な構成で、操作部22の誤操作を防止することができるように構成されている。このような実施の形態を図14〜図19を用いて説明する。
【0100】
(第2の実施の形態)
図14から図19は本発明の遠隔制御用監視端末器の第2の実施の形態に係り、図14は第2の実施の形態の主要部を構成するタッチ処理部及びその周辺部の回路構成を示すブロック図、図15は図14のタッチ基板の具体的な構成、及び検出された各操作部に応じた押圧検知レベルの特性を説明するための説明図、図16は再操作の誤操作を判断するためのエラー検知時間範囲を説明する説明図、図17は図16のエラー検知時間範囲を超えたときに再操作した場合の動作を説明する説明図、図18の制御部による操作部の誤操作防止のための基本制御動作例を示すフローチャート、図19は制御動作例の変形例を示し、同じ操作部が再操作された場合に対応するフローチャートである。
【0101】
第2の実施の形態の遠隔制御用監視端末器は、第1の実施の形態と略同様に構成されているが、操作部22の誤操作を防止するための構成(告知手段、押圧検知レベル検出部及び制御部等)が付加されている。
【0102】
このような構成を、図14及び図15を参照して説明する。
図14に示すように、タッチ処理部30は、操作信号生成部41と、押圧検知処理部42と、制御部43と、メモリ44とを有して主要部が構成されている。
【0103】
制御部43には、告知手段を構成するLED表示部24と音声再生部45とが電気的に接続されている。
LED表示部24は、第1の実施の形態の2個で1組として構成される表示用発光素子19(図3及び図4参照)に対応して設けられている。また、このLED表示部24の配置位置は、例えば、第1の実施の形態における図8又は図9に示すような配置位置とする構成が望ましい。
【0104】
LED表示部24は、制御部43による制御によって、操作部22(第1〜第4操作部22a〜22d)を介してタッチ操作部20が押圧検知したときに、対応する表示用発光素子19が点灯することで、タッチ操作部20が操作されたことを表示する。
【0105】
また、音声再生部45は、音声を再生することによって、LED表示部24のオン状態、又はオフ状態を使用者に告知するためのものであり、制御部43の制御によって制御される。
【0106】
尚、前記告知手段は、視覚、聴覚、触覚の何れかで認識可能な構成であればよく、少なくともこれらの内の1つを具備していればよい。例えば本実施の形態では、LED表示部24及び音声再生部45を備えて構成したが、これに限定されるものではない。実際には、LED表示部24のみを設けて告知手段として構成すれば、簡単な構成で且つ低コストで構成することが可能である。
【0107】
次に、タッチ処理部30及びタッチ操作部20の具体的な構成を説明する。
図14に示すように、タッチ処理部30の操作信号生成部41は、タッチ操作部20と電気的に接続され、タッチ操作部20の操作に基づく操作信号を生成し、伝送処理部31に出力する。
【0108】
尚、この操作信号生成部41は、制御部43によって、操作信号を生成処理したり、又は操作信号の生成処理を停止したり制御されるように構成しても良く、或いは、単に操作信号を生成して、伝送処理部31に出力する構成であっても良い。
【0109】
本実施の形態では、タッチ操作部20に、このタッチ操作部20の押圧検知レベルを検知する押圧検知レベル検出部40が設けられている。
【0110】
この押圧検知レベル検出部40は、操作部22(タッチ操作部20)の押圧検知レベルを夫々検出し、タッチ処理部30の押圧検知処理部42に出力する。
【0111】
押圧検知処理部42は、供給された押圧検知レベルに信号処理を施して制御部43に出力する。
【0112】
制御部43は、押圧検知処理部42から供給される押圧検知レベルに基づいて、前記操作信号生成部41及び告知手段を構成するLED表示部24、音声再生部45を制御する。
【0113】
この場合、制御部43は、メモリ44に格納されている、予め設定された押圧検知レベルの閾値及び時間情報を用いて、検出した押圧検知レベルの比較や、押圧検知レベルの検出時間の比較等を行う。
【0114】
具体的には、制御部43は、押圧検知処理部42からの押圧検知レベルと予め設定された閾値SLとで比較を行い、押圧検知レベルが前記閾値SLを超えた場合には操作信号を出力させ、一方、押圧検知レベルが前記閾値SLを超えない場合には操作信号を出力しないように伝送処理部31を制御する。
【0115】
尚、前記閾値SLは、予め設定された数値だけではなく、例えば、適宜変更可能な上限値SLH及び下限値SLLを有する所定範囲の閾値SLであってもよい。また、この閾値SLは、使用者によって適宜変更可能で有る他に、例えば設置位置の環境条件や使用条件等によってその所定範囲の閾値SLが自動的に可変される周知の機能を用いても良い。
【0116】
また、本実施の形態では、制御部43は、タッチ操作部20が押圧検知したあとに、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を変化させるように制御する。
【0117】
表示又は音声再生の動作状態を変化させるとは、例えば表示部の表示を反転表示させたり、2つのLED表示部24を選択的に表示させたり、又は、音声再生部45の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切り換えることを意味している。
【0118】
すなわち、操作部20はタッチパネルが採用されているので実際の操作感覚が得られず、再操作してしまったり等、誤操作が生じてしまう虞れがあるが、本実施の形態によれば、タッチ操作部20が押圧検知したあとに、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を、表示又は音声再生とは異なる動作状態に切り換えられるので、操作部22を操作したことを確実に使用者に告知することが可能であり、操作部22の誤操作を確実に防止することができる。
【0119】
次に、タッチ基板13の構成について図15を参照して説明する。
【0120】
図15(a)は基板13A上にタッチ操作部20が設けられたタッチ基板13の構成を示す簡略した断面図、図15(b)は第3操作部及び近傍を操作した場合に検出された押圧検知レベルの特性図、図15(c)は第4操作部及び近傍を操作した場合に検出された押圧検知レベルの特性図、図15(d)は第3操作部及び第4操作部を操作した場合に検出された押圧検知レベルの特性図を夫々示している。
【0121】
図15(a)に示すように、押圧検知レベル検出部40は、操作パネル14の裏面と基板13Aのタッチ操作部20との間にそれぞれ配設される。
【0122】
タッチ操作部20は、複数の検出エリア(具体的には第1〜第4操作部22a〜22d)に対応した複数の操作検出用電極41a〜41dと、タッチ操作部20の隣り合う検出エリア間に設けられた誤操作検出エリア(具体的には第1〜第4操作部22〜22dとの間)に配置される誤操作検出用電極40a〜40cとを有して構成されている。
【0123】
つまり、押圧検知レベル検出部40は、操作部22の操作時に、第1〜第4操作部22a〜22dに対応した複数の電極によって、検出エリアに対応する第1〜第4操作部22a〜22dの夫々の押圧検知レベルを検出する。
【0124】
また、押圧検知レベル検出部40は、第1〜第4操作部22a〜22dとの間に配置される誤操作検出用電極40a〜40cによって、第1〜第4操作部22a〜22dの夫々の間及び周辺部における誤操作検出エリアの押圧検知レベルの検出が可能である。
【0125】
尚、押圧検知レベル検出部40は、タッチ操作部20とは別に設けて構成しても良いが、タッチ操作部20と一体的に構成すれば、製造工程簡易化及び低コスト化を図る点で有効である。
また、図15(a)は誤操作検出エリアに対応する操作パネルの一部を省略して示している。
【0126】
ところで、所定の操作部22を操作した後、又は同時に意図せずに同じ操作部22又は他の操作部22や近傍を再操作してしまうといった誤操作が考えられる。
【0127】
しかしながら、本実施の形態の遠隔制御用監視端末器は、このような操作部22の誤操作を確実に防止することが可能である。
【0128】
例えば、制御部43は、操作部22の操作時からLED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の切換完了時までの時間内に、操作された操作部22が再度操作された場合には、この再度操作された操作部22の操作信号の生成及び出力を取り消すように操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御する。
【0129】
また、制御部43は、複数の第1〜第4操作部22a〜22dの内、例えば第3操作部22cの操作を検出したときに、前記第3操作部22cに隣接するその他の操作部(例えば第2操作部22b又は第4操作部22d)を誤って操作したときには、その他の操作部(例えば第2操作部22b又は第4操作部22d)の操作信号の生成及び出力を取り消すように操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御する。
【0130】
例えば、図15(b)では操作検出用電極41c、41d及び誤操作検出用電極40cに対応する押圧検知レベルが閾値SLを超えている。ここで、それぞれの押圧検知レベルを比較すると使用者が操作した操作部22cに対応する操作検出用電極41cの押圧検知レベルが最も大きく、次に誤操作検出用電極40cの押圧検知レベルが大きく、使用者が操作した位置から最も遠い操作検出用電極41dの押圧検知レベルが最も小さい。
【0131】
そこで、最も大きい押圧検知レベルの検出エリアに対応する操作信号のみを出力することによって、使用者が意図した操作部の操作を実行することができる。
【0132】
しかしながら、2ヵ所の操作部を同時に操作する場合も考えられるが上記方法ではいずれか一方の操作がキャンセルされることになる。
【0133】
そこで、誤操作検出用電極40cよりも小さい押圧検知レベルの操作検出用電極41dの操作信号を出力せず、誤操作検出用電極40cよりも大きい押圧検知レベルの操作検出用電極41cは操作信号を出力するようにする。
【0134】
例えば、図15(d)は、操作検出用電極41c、41d、誤操作用電極40cはいずれも閾値SLを超えている。しかし、操作検出用電極41c、41dの押圧検知レベルは誤操作用電極40cの押圧検知レベルよりも大きいため、第3操作部及び第4操作部の操作信号を出力する。
【0135】
このように制御することによって、使用者が意図しない操作部の操作をキャンセルすることができるとともに、使用者が意図的に隣り合う検出エリアを操作したときは、隣り合う検出エリア間の誤操作検出エリアの押圧検知レベルが最も小さくなるので、両方の検出エリアに対応する操作信号を出力することができる。
【0136】
勿論、検出した押圧検知レベルと閾値SLとの比較を行い、比較結果に基づき、操作信号の生成及び出力の有無を制御することもできる。
【0137】
例えば、図15(c)では各検出エリアの中で操作検出用電極41dの押圧検知レベルのみが閾値を超えており、操作検出用電極41dに対応する操作信号のみを出力するようにしてもよい。また、図15(c)において、誤操作検出用電極40cの押圧検知レベルが閾値を超えた場合には、操作検出用電極41dの操作信号をキャンセルしてもよい。
【0138】
一方、複数の操作部が操作された場合に、操作部の再操作が所定の時間範囲内で行われたか否かを判別し、所定の時間内である場合には後から操作された操作部の操作をキャンセルするようにしてもよい。
【0139】
所定の時間範囲は、例えばメモリ44に格納された時間情報である。すなわち、図16に示すように、例えば第3操作部22cの操作後、所定の時間範囲としてのエラー検知時間範囲t0内に、第4操作部22dが操作された場合には、制御部43は、この第4操作部22dによる操作を誤操作として判断して、前記同様に操作信号の生成及び出力を取り消すように制御する。
【0140】
逆に、図17に示すように、第4操作部22dの操作がエラー検知時間範囲t0以降に行われた場合には、制御部43は、この第4操作部22dによる操作を有効(正常)な操作と判断して、この第4操作部22dによる操作信号の生成及び出力を行うように制御する。
【0141】
尚、前記エラー検知時間範囲t0は、勿論適宜変更設定可能である。また、エラー検知時間範囲t0の時間情報は、メモリ44に格納されているが、これに限定されることはなく、制御部43内にエラー検知時間範囲t0を計測するタイマーカウンタを設けて時間を計測するように構成してもよい。
【0142】
また、制御部43は、押圧検知レベル検出部40からの検出結果が誤操作検出用押圧検知レベルを含む押圧検知レベルであった場合に、最初に操作した操作部以外に操作された他の操作部の誤操作として判断して、前記同様に操作信号の生成及び出力を取り消すように制御することも可能である。
【0143】
尚、本実施の形態では、制御部43は、所定の操作部(例えば同じ操作部)が二度押しされて、いずれの押圧検知レベルも閾値SLを超えた場合には有効であると判断して、この操作部の操作信号の生成及び出力を行うように制御することも可能である。
【0144】
また、本実施の形態では、操作部22の操作信号の生成は、タッチ処理部30側に行うように構成したが、伝送処理部31内で行ってもよい。また、制御部43についても、電送処理部31に設けて構成してもよい。ここで、製造工程の簡易化及びコスト低減化を考慮すると、図14に示すタッチ処理部30と伝送処理部31とを一体的に構成することが望ましい。
【0145】
次に、このような遠隔制御用監視端末器の制御部の特徴となる制御例について、図18及び図19を参照して説明する。
いま、使用者が例えば図8又は図9に示すような構成の操作パネル14を有する遠隔制御用監視端末器を操作するものとする。すると、制御部43は、図示しないメモリから図18に示すプログラムを読み出して起動させて、ステップS1にて、遠隔制御用端末機器の初期化及び校正処理を行い、ステップS2に移行する。
【0146】
尚、初期化及び校正処理では、例えば、第1の実施の形態にて説明した複数の操作部22に応じたタッチ操作部20の検出エリアの設定や、閾値SL及びエラー検知時間範囲t0の設定(例えばタイマーカウンタリセット)等が行われる。
【0147】
そして、制御部43は、ステップS2の処理で、タッチ操作部20の入力待ち及びLED表示部24の表示待ち(音声再生部54の動作待ち)となるように各ブロックをスタンバイさせ、処理をステップS3に移行する。
【0148】
ステップS3の判断処理では、制御部43は、押圧検知レベル検出部40により検出した押圧検知レベルから、複数の操作部22が押圧されたか否かを判断し、複数の操作部22が押圧されてないと判断した場合には処理をステップS4に移行し、逆に複数の操作部22が押圧されたと判断した場合には処理をステップS5に移行する。
【0149】
複数の操作部22が押圧された場合、制御部43は、ステップS5の判断処理にて、押圧検知処理部42からの押圧検知レベル内に、誤操作検出用電極40a〜40cにより検出された誤操作検出用押圧検知レベルがあるか否かを判断し、あると判断した場合にはステップS6に処理を移行し、ないと判断した場合には処理をステップS4に移行する。
【0150】
ステップS6では、制御部43は、押圧検知処理部43からの各押圧検知レベル同士で比較を行う。この場合、操作検出用電極41a〜41dの押圧検知レベルが誤操作検出用押圧検知レベルよりも大きいときに操作部22による操作を有効と判断し処理をステップS4に移行する。
【0151】
尚、本実施の形態では、前記ステップS5の判断処理で、誤操作検出用電極40a〜40cにより検出された誤操作検出用押圧検知レベルがあると判断した場合には、例えば、ステップS16に移行して処理を行っても良い。
【0152】
この場合、ステップS16の処理では、制御部43は、各押圧検知レベルの検出時間を比較し、図15及び図16に示すエラー検知時間範囲t0内であるか否かを判断する。後に検出した押圧検知レベルの検出がエラー検知時間範囲t0内に存在する場合には、先に押圧された操作部22による操作を有効と判断し(先押し検知処理)、処理をステップS4に移行する。
【0153】
そして、ステップS4の処理により、制御部43は、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を、例えばLED表示部24の表示を反転表示させたり、2つのLED表示部24を選択的に表示させたり、又は、音声再生部45の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切換制御する。
【0154】
そして、制御部43は、続くステップS7の処理により、先押し検知した操作部22の操作を有効(正常)と判断して、この操作信号を生成及び出力するように操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御する。
【0155】
その後、制御部43は、続くステップS8の判断処理で、LED表示部24と音声再生部45との動作状態を確認し、動作してないと判断した場合には処理をステップS2に戻し、動作していると判断した場合には、続くステップS9による処理で、再度、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を、例えばLED表示部24の表示を反転表示させたり、2つのLED表示部24を選択的に表示させたり、又は、音声再生部45の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切換制御して使用者に告知する。そして、処理をステップS2に戻す。
【0156】
尚、本実施の形態の制御部43は、図19に示すような変形例のフローチャートを実行することも可能である。すなわち、この変形例は、複数の操作部の内、同じ操作部の再操作があった場合に適用される。
【0157】
具体的には、使用者が例えば図8又は図9に示すような構成の操作パネル14を有する遠隔制御用監視端末器を操作するものとする。すると、制御部43は、図18に示すプログラムと同様に、図示しないメモリから図19に示すプログラムを読み出して起動させて、ステップS1にて、遠隔制御用端末機器の初期化及び校正処理を行い、ステップS2に移行する。
【0158】
そして、制御部43は、ステップS2の処理で、タッチ操作部20の入力待ち及びLED表示部24の表示待ち(音声再生部54の動作待ち)となるように各ブロックをスタンバイさせ、処理をステップS20に移行する。
【0159】
ステップS20の判断処理では、制御部43は、押圧検知レベル検出部40により検出した押圧検知レベルから、同じ操作部22が押圧されたか否かを判断し、同じ操作部22が押圧されてないと判断した場合には処理をステップS21に移行し、逆に同じ操作部22が押圧されたと判断した場合には処理をステップS22に移行する。
【0160】
同じ操作部22が押圧された場合、つまり、二度押しされた場合には、制御部43は、ステップS22の処理にて、操作部22の操作後、エラー検知時間範囲t0内に、同じ操作部22が操作されたものであると、この二度押しした操作部22による操作を誤操作として判断して、この二度押しした操作部22による操作信号の生成及び出力を取り消すように操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御する。そして、処理をステップS21に移行する。
【0161】
ステップS21の処理では、制御部43は、先押し検知した操作部22の操作を有効(正常)と判断して、この操作信号を生成及び出力するように操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御する。
【0162】
その後、制御部43は、続くステップS8の判断処理で、LED表示部24と音声再生部45との動作状態を確認し、動作してないと判断した場合には処理をステップS21に戻し、動作していると判断した場合には、続くステップS9による処理で、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を、例えばLED表示部24の表示を反転表示させたり、2つのLED表示部24を選択的に表示させたり、又は、音声再生部45の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切換制御して使用者に告知する。そして、処理をステップS2に戻す。
【0163】
従って、第2の実施の形態によれば、上述したように、制御部43により告知手段を制御することによって、簡単な構成で、操作部22の誤操作を防止することが可能となる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0164】
(第3の実施の形態)
図20から図27は本発明の遠隔制御用監視端末器の第3の実施の形態に係り、図20は複数の電極を縦方向に設けた縦型のタッチ基板の構成を示す構成図、図21は複数の電極を横方向に設けた横型のタッチ基板の構成を示す構成図、図22から図27は横型のタッチ基板に対応する横型の操作パネルの構成を示す構成図であって、図22は4つの操作部を備えたもの、図23は2つの操作部を備えたもの、図24は3つの操作部を備えたもの、図25は1つの操作部を備えたもの、図26は6つの操作部を備えたもの、図27は上下4つずつに配置して8つの操作部を備えたものをそれぞれ示している。
【0165】
本実施の形態の遠隔制御用監視端末器では、タッチ基板13は、複数のタッチ操作部20を構成する複数の電極を、タッチ基板13に対して縦方向、または横方向に並設して構成される。
【0166】
まず、複数の電極をタッチ基板13に対して縦方向に並設した縦型のタッチ基板の構成について説明する。
図20に示すように、縦型のタッチ基板13は、タッチ操作部20を有し、このタッチ操作部20は、複数の検出エリアの割り当て及びスイッチ機能を自在に変更し設定するのに必要な複数の電極20a〜20lがタッチ基板13に対して縦方向に並設されている。
【0167】
この場合、図20に示す構成例では、12個の電極20a〜20lがタッチ操作部20に配設されている。勿論、電極の数は、これに限定されるものではなく、例えば12個の電極20a〜20lを左右にそれぞれ2分割することで24個の電極を配設しても良い。
【0168】
即ち、電極の数は、操作パネル14の操作部22のパターンに応じて設定される。例えば、1個、2個、3個、又は4個の操作部22を有するそれぞれの操作パネル14に対し、一つの共通のタッチ操作部で対応させようとすると、電極の数は、上述したように12個、24個といったように操作部22の数が公約数となる数に設定される。
【0169】
そして、このようにタッチ操作部20に複数の電極(12個、又は24個)を設けて構成することにより、操作部22のパターンに対応する検出エリアのグループ化が可能となる。
【0170】
例えば、1個の操作部22を有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、12個の電極20a〜20lを1つのグループとして割り当てることにより1つの検出エリアを構成できる。また、2個の操作部22を有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、6個ずつの電極20a〜20f、20g〜20lを2つのグループとして割り当てることにより2つの検出エリアを構成できる。また、3個の操作部22を有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、4個ずつの電極20a〜20d、20e〜h、20i〜20lを3つのグループとして割り当てることにより3つの検出エリアを構成できる。このようにして、操作部22のパターンに対応する検出エリアのグループを構成できる。
【0171】
次に、複数の電極をタッチ基板13に対して横方向に並設した横型のタッチ基板13の構成について説明する。
横型のタッチ基板13は、図20にて説明した縦型のタッチ基板13をそのまま横方向に配置した状態で用いられる。すなわち、横型のタッチ基板13は、縦型のタッチ基板13と同様に、タッチ操作部20を有し、このタッチ操作部20は、複数の検出エリアの割り当て及びスイッチ機能を自在に変更し設定するのに必要な複数の電極20a〜20lがタッチ基板12に対して横方向に並設されている。
【0172】
この場合、横型のタッチ基板13は、縦型のタッチ基板13と同様に、12個の電極20a〜20lがタッチ操作部20に配設される。勿論、電極の数は、これに限定されるものではなく、例えば、図21に示すように、12個の電極20a〜20lを左右にそれぞれ2分割することで24個の電極20a1〜20l1、20a2〜20l2を配設しても良い。
【0173】
尚、電極の数は、上述した縦型のタッチ基板13と同様に、操作パネル14の操作部22のパターンに応じて設定される。例えば、1個、2個、3個、又は4個の操作部22を有する操作パネル14とすると、電極の数は、上述したように12個、24個といったように公約数となる数に設定される。
【0174】
また、横型のタッチ基板13は、縦型のタッチ基板と同様に、タッチ操作部20に複数の電極(12個、又は24個)を設けて構成することにより、操作部22のパターンに対応する検出エリアのグループ化が可能となる。
【0175】
本実施の形態では、横型のタッチ基板13に対応して、操作パネル14についても横型に構成される。ここで、操作パネル14の各種操作パターンに応じた構成が図22〜図27に示されている。
【0176】
例えば、12個の電極20a〜20lを有する横型のタッチ基板13であるものとすると、4個の操作部50a〜50dを有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、3個ずつの電極20a〜20c、20d〜20f、20g〜20i、20j〜20lを4つのグループとして割り当てることにより4つの検出エリアを構成できる。つまり、図22に示すように、操作パネル14は、4個の操作部50a〜50dを有する操作部50を形成できる。
【0177】
また、2個の操作部51a、51bを有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、6個ずつの電極20a〜20f、20g〜20lを2つのグループとして割り当てることにより2つの検出エリアを構成できる。つまり、図23に示すように、操作パネル14は、2個の操作部51a、51bを有する操作部51を形成できる。
【0178】
また、3個の操作部52a〜52cを有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、4個ずつの電極20a〜20d、20e〜h、20i〜20lを3つのグループとして割り当てることにより3つの検出エリアを構成できる。つまり、図24に示すように、操作パネル14は、3個の操作部52a〜52cを有する操作部52を形成できる。
【0179】
また、1個の操作部53aを有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、12個の電極20a〜20lを1つのグループとして割り当てることにより1つの検出エリアを構成できる。つまり、図25に示すように、操作パネル14は、1個の操作部53aを有する操作部53を形成できる。
【0180】
さらに、6個の操作部54a〜54fを有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、2個ずつの電極20a及び20b、20c及び20d、20e及び20f、20g及び20h、20i及び20j、20k及び20lを6つのグループとして割り当てることにより6つの検出エリアを構成できる。つまり、図26に示すように、操作パネル14は、6個の操作部54a〜54fを有する操作部54を形成できる。
【0181】
さらにまた、上下4個ずつに配置された8個の操作部55a〜55hを有する操作パネル14である場合、タッチ操作部20は、図21に示すタッチ基板13を用いるとともに、3個ずつの電極20a1〜20c1、20d1〜20f1、20g1〜20i1、20j1〜20l1、20a2〜20c2、20d2〜20f2、20g2〜20i2、20j2〜20l2を上下8つのグループとして割り当てることにより上下8つの検出エリアを構成できる。つまり、図27に示すように、操作パネル14は、8個の操作部55a〜55hを有する操作部55を形成できる。
【0182】
尚、このような操作部50〜55は、例えば、接続される照明器具の明るさを変更するための階調毎に操作可能な操作面となるように構成しても良い。具体的には、1つの操作部の操作面は、照明器具の明るさの階調毎に上下方向、または左右方向に色分けして構成する。そして、制御部43(図14参照)は、この操作部に対応するタッチ基板13の電極によって階調毎に操作されたことを検知するとともに、この階調変更の操作に基づく操作信号を伝送処理部31により中央処理装置1に出力させる。このことにより、照明器具の明るさを容易に変更できる。
【0183】
上記の如く、本実施の形態の遠隔制御用監視端末器においては、タッチ基板13は、複数のタッチ操作部20を構成する複数の電極を、タッチ基板13に対して縦方向、または横方向に並設して構成されているので、操作部22のパターンに対応する検出エリアのグループ化が可能となる。よって、遠隔制御用端末器の設置状況に合わせて、タッチ基板13の検出エリアの組み合わせを行うことが可能となる。
【0184】
また、横型のタッチ基板13及び操作パネル14を用いて横型の遠隔制御用端末器として構成することにより、縦型の遠隔制御用端末器よりも、隣接する2カ所の操作部の同時操作あるいはスライド操作などの誤操作を防止することができる。
【0185】
つまり、縦型の操作パネル14であった場合、使用者は、縦方向に隣接する2つの操作部を誤って同時操作あるいはスライド操作してしまう虞があったが、本実施の形態では、操作パネル14の操作部50〜55を横型としたことで、構造的に前記誤操作を防ぐ構造であるため、使用者は確実に操作したい操作部を操作することができる。
【0186】
従って、第3の実施の形態によれば、上述したように、タッチ基板13の複数の電極を縦方向、または横方向に並設したことにより、遠隔制御用端末器の設置状況に合わせて、タッチ基板13の検出エリアの組み合わせを行うことが可能となる。
【0187】
また、タッチ基板13の複数の電極を横方向に並設して横型のタッチ基板13及び操作パネル14と構成したことで、簡単な構成で、操作部22の誤操作を防止することが可能となる。その他の効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0188】
(第4の実施の形態)
図28及び図29は本発明の遠隔制御用監視端末器の第4の実施の形態に係り、図28は図14の制御部による操作部の誤操作に対処するための基本制御動作例を示すフローチャート、図29は図14の制御部による操作部の誤操作防止のための基本制御動作例を示すフローチャートである。尚、第4の実施の形態の遠隔制御用監視端末器は、第2の実施の形態の図14に示す回路構成を有しており、この図14に示す回路構成を用いて第4の実施の形態について説明する。
【0189】
第4の実施の形態に遠隔制御用監視端末機器10は、誤操作検出エリアを設定することなく操作部22の誤操作を防止することができるように改良されている。
操作部22の誤操作を防止するための一例としては、遠隔制御用監視端末器10は、操作部22の先押し操作優先モードと、操作部22の内の複数の操作部の操作を受け付け可能な複数操作可能モードとのいずれか一方を設定可能である。
【0190】
先押し優先モードを設定した場合、図14に示す制御部43は、先押し操作された操作部22を優先とし、その後に操作された操作部22の操作をキャンセルするように制御する。すなわち、制御部43は、先押しされた操作部22に基づく操作信号を伝送処理部31を介して出力させるとともに、その後に操作された操作部22の操作による入力を取り消し、つまり、操作信号を出力させないように制御する。
【0191】
例えば、先押し操作された操作部22の押圧検知レベルが閾値を超えてから予め設定された所定時間又は先押し操作された操作部22から使用者の指が離れるまでの間は他の操作部22の操作をキャンセルするようにしてもよいし、先押し操作された操作部22の操作信号を出力した時点で押圧検知レベルが閾値を超える他の全ての操作部22の操作をキャンセルするようにしてもよい。
このように構成することによって、短時間に複数回操作部22が誤操作された場合に、最先の操作のみを有効にし、他の操作をキャンセルすることができる。
【0192】
一方、複数操作可能モードを設定した場合、制御部43は、複数の操作部22による操作に基づくそれぞれの操作信号を伝送処理部31を介して出力させる。また、制御部43は、複数の操作部22の同時操作方法、例えば、時間及びパターンの違いを認識して特定の動作を行わせることにより、操作部22のロック機能のオン/オフ等の重要操作、又はイタズラ防止が可能となり、また、セキュリティの向上を図るための手段として有効である。
【0193】
これにより、先押し優先モードと複数操作可能モードとの2つのモードを切替設定可能に構成したことにより、操作部22の誤操作を防止することができる。
尚、先押し優先モードと複数操作可能モードとの切替方法は、例えば操作部22を所定時間継続して操作する長押し操作、又は操作パターン、又は操作範囲などを用いて切り替えるように構成すれば良い。
【0194】
また、本実施の形態では、図28に示すプログラムを実行することにより、操作部22の誤操作を防止することも可能である。このような制御部43の制御動作例について図28を用いて説明する。
【0195】
具体的には、使用者が例えば図8又は図9に示すような構成の操作パネル14を有する遠隔制御用監視端末器を操作するものとする。
制御部43は、起動時に図19に示すプログラムと同様に、図示しないメモリから図28に示すプログラムを読み出して、ステップS1にて、遠隔制御用端末機器の初期化及び校正処理を行い、ステップS2に移行する。
【0196】
そして、制御部43は、ステップS2の処理で、タッチ操作部20の入力待ち及びLED表示部24の表示待ち(音声再生部54の動作待ち)となるように各ブロックをスタンバイさせ、処理をステップS30に移行する。
【0197】
ステップS30の判断処理では、制御部43は、押圧検知レベル検出部40により検出した押圧検知レベルから操作部22が押圧されたことを判断すると、このときの押圧時間を検知し、この検知した押圧検知時間が予め設定された時間内であるか否かの判断を行う。
【0198】
この場合、押圧検知時間が予め設定された時間内であると判断した場合には処理をステップS31に移行し、逆に時間以上であると判断した場合には処理をステップS32に移行する。
【0199】
押圧検知時間が予め設定された時間内であると判断した場合には、制御部43は、ステップS31の処理にて、予め設定された時間内に使用者の指が操作部22から離れたと判断して、使用者の指が操作部22から離れた瞬間にこの操作部22による操作をオンさせる。
【0200】
すなわち、制御部43は、続くステップS21の処理で、操作部22の操作を有効(正常)と判断して、この操作信号を生成及び出力するように操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御して処理をステップS8に移行する。
【0201】
一方、押圧検知時間が予め設定された時間以上であると判断した場合には、制御部43は、ステップS32の処理にて、予め設定された時間以上、使用者の指が操作部22を押下した状態、すなわち、長押ししたと判断して、この操作部22による操作の入力を取り消しするように制御する。
【0202】
すなわち、制御部43は、続くステップS21の処理で、操作部22の操作を無効(取り消し)と判断して、この操作信号を生成及び出力しないよう操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御して処理をステップS8に移行する。尚、この場合の長押し操作方法及び予め設定された時間等については、使用者が予め認識しておく必要がある。
【0203】
その後、制御部43は、続くステップS8の判断処理で、LED表示部24と音声再生部45との動作状態を確認し、動作してないと判断した場合には処理をステップS21に戻し、動作していると判断した場合には、続くステップS9による処理で、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を、例えばLED表示部24の表示を反転表示させたり、2つのLED表示部24を選択的に表示させたり、又は、音声再生部45の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切換制御して使用者に告知する。そして、処理をステップS2に戻す。
【0204】
従って、このような制御を行うことにより、操作部22の正常な操作及び誤操作を確実に判断することができるので、操作部22の誤操作を確実に防止することができる。
【0205】
尚、誤操作を防止する方法として、前述した先押し優先モードと組合せてもよい。
【0206】
この場合には、先押しされた操作部22から所定時間内に使用者の指が離れた場合、当該先押しされた操作を有効にするとともにその時点までに操作された他の操作を全てキャンセルすることができる。
【0207】
このように構成することで確実に誤操作を防止することができる。
【0208】
尚、本実施の形態では、操作部22の複数のタッチ操作部20による誤操作を防止するために、後述する変形例も適用可能である。すなわち、本変形例では、操作パネル14の複数のタッチ操作部20の内、少なくとも2つのタッチ操作部20を一方から他方へ操作しながら移動するスライド操作が行われた場合には、誤操作であると判断して、操作されたタッチ操作部の操作信号を出力しないように制御する。このような制御部43による制御例について図29を用いて説明する。
【0209】
いま、使用者が例えば図8又は図9に示すような構成の操作パネル14を有する遠隔制御用監視端末器を操作するものとする。
すると、制御部43は、図示しないメモリから図29に示すプログラムを読み出して起動させて、ステップS1にて、遠隔制御用端末機器の初期化及び校正処理を行い、ステップS2に移行する。
【0210】
そして、制御部43は、ステップS2の処理で、タッチ操作部20の入力待ち及びLED表示部24の表示待ち(音声再生部54の動作待ち)となるように各ブロックをスタンバイさせ、処理をステップS30に移行する。
【0211】
ステップS30の判断処理では、制御部43は、押圧検知レベル検出部40により検出した押圧検知レベルから、複数の操作部22が押圧されたか否かを判断し、複数の操作部22が押圧されてないと判断した場合には処理をステップS4に移行し、逆に複数の操作部22が押圧されたと判断した場合には処理をステップS40に移行する。
【0212】
複数の操作部22が押圧された場合、制御部43は、ステップS40の処理にて、押圧検知処理部43からの各押圧検知レベルと予め設定された押圧検知レベルとの比較を行う。
この場合、2つの押圧検知レベルが予め設定された押圧検知レベル以上であり、この値が維持された状態で連続的に検出されると、制御部43は、2つのタッチ操作部20を操作しながら移動するスライド操作が行われたものと判断して、これら2つの操作部22による操作の入力を取り消しするように制御する。
【0213】
すなわち、制御部43は、操作部22の操作を誤操作であると判断して、これらの操作信号を生成及び出力しないよう操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御して処理をステップS4に移行する。
【0214】
尚、本実施の形態では、前記ステップS30の判断処理で、複数の操作部が押圧されたと判断した場合には、例えば、ステップS41に移行して処理を行っても良い。
【0215】
この場合、ステップS41の処理では、制御部43は、各押圧検知レベルの検知時間を比較し、予め設定された検知時間範囲内であるか否かを判断する。各押圧検知レベルの検知時間が予め設定された検知時間範囲内に存在する場合は、2つのタッチ操作部20を操作しながら移動するスライド操作が行われたものと判断して、これら2つの操作部22による操作の入力を取り消しするように制御する。
【0216】
すなわち、制御部43は、操作部22の操作を誤操作であると判断して、これらの操作信号を生成及び出力しないよう操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御して処理をステップS4に移行する。
【0217】
尚、制御部43は、ステップS41の処理で、各押圧検知レベルの検知時間に基づいて、2つのタッチ操作部20間を操作しながら移動するスライド操作が行われたか否かを判断しても良い。すなわち、2つの押圧検知レベルの検知時間がとぎれることなく継続した状態である場合、あるいは押圧検知レベルが検知されない検知時間がない場合には、前記スライド操作が行われたと判断することができる。
【0218】
そして、ステップS4の処理により、制御部43は、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を、例えばLED表示部24の表示を反転表示させたり、2つのLED表示部24を選択的に表示させたり、又は、音声再生部45の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切換制御する。
【0219】
そして、制御部43は、続くステップS7の処理により、複数の操作部22が押下されずに、先押し検知した操作部22の操作を有効(正常)と判断して、この操作信号を生成及び出力するように操作信号生成部41及び伝送処理部31を制御する。
【0220】
その後、制御部43は、続くステップS8の判断処理で、LED表示部24と音声再生部45との動作状態を確認し、動作してないと判断した場合には処理をステップS2に戻し、動作していると判断した場合には、続くステップS9による処理で、再度、LED表示部24と音声再生部45との少なくとも一方の動作状態を、例えばLED表示部24の表示を反転表示させたり、2つのLED表示部24を選択的に表示させたり、又は、音声再生部45の音声再生を連続的又は断続的に再生したりする動作状態に切換制御して使用者に告知する。そして、処理をステップS2に戻す。
【0221】
尚、上記変形例ではスライド操作した場合に、スライド操作された全ての操作部22の操作をキャンセルすることができるものであるが、スライド操作されたときに先に操作された操作部22の操作のみをキャンセルするようにしてもよい。
【0222】
このようにすることで、例えば、誤って異なる操作部22を操作した場合、意図する操作部22までスライド操作すれば、誤って先に操作した操作部22のみをキャンセルし、所望の操作部22の操作を行うことができる。
【0223】
従って、第4の実施の形態によれば、上述したように、制御することにより、前記第2の実施の形態と同様に、操作部22の誤操作を防止することが可能となる。
【0224】
ところで、遠隔制御用監視端末器10を建物内に設置する場合、壁内部に配設された鉄筋あるいは金属管などの部材、或いは環境条件によって、制御部43内のクロック周波数(閾値)に悪影響を及ぼす虞がある。
しかしながら、本実施の形態の遠隔制御用監視端末器10は、建物内に設置した場合に、その設置状態に応じて、制御部43内のクロック周波数を正常に維持するための補正処理を行うことが可能である。このような実施の形態を後述する。
【0225】
(第5の実施の形態)
遠隔制御用監視端末器10を建物内に設置すると、壁内部に配設された鉄筋あるいは金属管などの部材等の影響によって、押圧検知レベル検出部40が常にノイズを検知し、誤検出してしまう虞がある。
【0226】
そこで、遠隔制御用監視端末器10の起動時には操作部22が操作されていないときの検出値が0になるように補正を行う必要がある。
【0227】
また、一旦検出値の0補正を行っても、使用に伴い湿度や温度変化等、電源や周囲に設置される電子機器等によって、多少のノイズを検出することがある。
【0228】
従って、所定の閾値を越えるか否かで押圧検知している場合、このノイズの影響によって、操作されたときの検出レベルとノイズレベルとの比(S/N比)が変化してしまい、正確な検出が出来ないという虞がある。
【0229】
そこで、本実施の形態の遠隔制御用監視端末器10は、このような環境条件の変化に応じて正確に押圧検知できるように押圧検知レベル及び閾値を補正することができる補正手段を有している。
【0230】
この補正手段は、図示はしないが制御部43内に設けられており、例えばタッチ基板13を建物内の所定位置に設置して起動したときに、押圧検知レベルの0補正を行い、起動中にはノイズの検出レベルに応じて適宜閾値を設定するものである。
【0231】
すなわち、制御部43は、このような自動補正モードの実行が可能であり、遠隔制御用監視端末器10の動作を安定させることができる。
【0232】
尚、本実施の形態では、制御部43は、前記自動補正モードの実行中に、操作部22による操作がなされた場合に、この自動補正モードの実行を優先して行い該操作部22による操作を無効にする補正優先モードと、前記自動補正モードの実行を中断して操作部22による操作を優先する制御を行う操作優先モードとの2つのモードを任意に設定可能である。
【0233】
すなわち、使用者は、予め操作部22を操作することにより、補正優先モードか、あるいは操作優先モードかを予め設定しておく。
【0234】
例えば、使用者が予め補正優先モードを設定したとすると、制御部43は、前記自動補正モードの実行中に、操作部22による操作がなされた場合には、第2の実施の形態の告知手段より、例えば“自動補正モード実行中のため操作を受け付けません”等を使用者に告知すると同時に、引き続き自動補正モードを実行させて補正を行う。
【0235】
また、使用者が予め操作優先モードを設定したとすると、制御部43は、前記自動補正モードの実行中に、操作部22による操作がなされた場合には、第2の実施の形態の告知手段より、例えば“自動補正モードを取り消して操作を受け付けます”等を使用者に告知すると同時に、自動補正モードを中止させ、そして、操作部22の操作に基づく操作信号を生成し出力させる。
【0236】
従って、第5の実施の形態によれば、自動補正モードを自動的に行うことにより、遠隔制御用監視端末器10の動作の安定化を図ることが可能となる。また、2つの操作優先モード及び補正優先モードの実行が可能であるため、自動補正モードを使用者に応じて自由に実行し設定することが可能となる。
【0237】
以上の実施の形態に記載した発明は、その実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、前記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0238】
例えば、実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0239】
10…遠隔制御用監視端末器、
11…ケース本体、
12…伝送部としての伝送基板、
13…タッチ基板、
14、14A〜14C…操作パネル、
17…接続部、
19、24、45…告知手段
20…タッチ操作部、
22…操作部、
40…押圧検知レベル検出部、
41…操作信号生成部、
42…押圧検知処理部、
43…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース本体と;
押圧操作領域を規定するための複数の操作部を備えた操作パネルと;
ケース本体に配設されるとともに、前記操作パネルの裏面に配設され、押圧検知可能な複数のタッチ検出部を有し、前記操作パネルの前記操作部の位置に対応付けて前記複数のタッチ検出部のうち少なくとも一つ以上のタッチ検出部からなる検出エリアを設定可能なタッチ基板と;
前記タッチ基板と電気的に接続され、前記タッチ検出部が押圧検知したときに操作信号を出力する伝送部と;
を具備したことを特徴とする遠隔制御用監視端末器。
【請求項2】
前記複数のタッチ検出部は、所定の押圧操作されることによって照明負荷の出力を可変させるための可変スイッチ機能を割り当てて設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御用監視端末器。
【請求項3】
前記タッチ検出部の押圧検知レベルを検出する押圧検知レベル検出部と;
前記押圧検知レベル検出部で検出した押圧検知レベルと予め設定した閾値とを比較する制御部と;を具備し、
前記タッチ基板は、各操作部の検出エリア間の位置に対応付けて複数のタッチ検出部のうち少なくとも一つ以上のタッチ検出部からなる誤操作検出エリアを設定可能であり、
前記伝送部は、前記検出エリアのうち押圧検知レベルが閾値以上の検出エリアに隣接する前記誤操作検出エリアの押圧検知レベルが閾値未満のときに操作信号を出力し、前記誤操作検出エリアの押圧検知レベルが閾値以上のときは、この誤操作検出エリアに隣接する検出エリアの操作信号を出力しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔制御用監視端末器。
【請求項4】
前記タッチ検出部の押圧検知レベルを検出する押圧検知レベル検出部と;
前記押圧検知レベル検出部で検出した押圧検知レベル同士を比較する制御部と;を具備し、
前記タッチ基板は、各操作部の検出エリア間の位置に対応付けて複数のタッチ検出部のうち少なくとも一つ以上のタッチ検出部からなる誤操作検出エリアを設定可能であり、
前記伝送部は、前記検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルが、隣接する誤操作検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルよりも大きいときに検出エリアに対応する操作信号を出力し、検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルが隣接する誤操作検出エリアのタッチ検出部の押圧検知レベルよりも小さいときは操作信号を出力しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の遠隔制御用監視端末器。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数のタッチ検出部の内、所定のタッチ検出部の操作を検出したときから予め設定された所定の時間内に、再度タッチ検出部の操作を検出したときには、再度操作したタッチ検出部の操作信号を出力しないように制御することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の遠隔制御用監視端末器。
【請求項6】
前記タッチ検出部の押圧検知レベルを検出する押圧検知レベル検出部を有し、
前記伝送部は、前記押圧検知レベル検出部によって前記タッチ検出部が押圧検知した状態から押圧検知してない状態に変わったときに操作信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御用監視端末器。
【請求項7】
前記伝送部は、前記タッチ検出部が押圧検知した状態が予め決められた所定の時間を経過してから押圧検知していない状態に変わっても前記タッチ検出部の操作信号を出力しないことを特徴とする請求項に記載の遠隔制御用監視端末器。
【請求項8】
前記伝送部は、前記複数のタッチ検出部の内、少なくとも2つのタッチ検出部を一方から他方へ操作しながら移動するスライド操作が行われた場合には、前記スライド操作されたタッチ検出部の操作信号を出力しないことを特徴とする請求項または請求項に記載の遠隔制御用監視端末器。
【請求項9】
前記押圧検知レベルの閾値を自動的に補正し設定する自動補正を行うことが可能であって、前記伝送部は、前記自動補正が行われている際に、前記タッチ検出部の操作があった場合には、前記タッチ検出部の操作を受け付けずに前記自動補正を行う補正優先モード、または前記自動補正を取り消して前記タッチ検出部の操作を優先する操作優先モードを実行することを特徴とする請求項ないし請求項の何れか1項に記載の遠隔制御用端末器。
【請求項10】
前記タッチ基板は、前記複数のタッチ検出部を構成する複数の電極を、前記タッチ基板に対して一方向のみに並設し、使用状態において前記電極が横方向に並設されることを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の遠隔制御用端末器。
【請求項11】
複数の照明負荷と;
請求項1ないし10のいずれか一に記載の遠隔制御用端末器と;
伝送線に接続され、前記遠隔制御用端末器から出力された操作信号を受信し、この操作信号に基づき伝送線を介して照明負荷を制御する中央処理装置と;
を具備したことを特徴とする遠隔監視制御システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2013−51738(P2013−51738A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257621(P2012−257621)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2009−66624(P2009−66624)の分割
【原出願日】平成21年3月18日(2009.3.18)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】