説明

遮光スクリーン装置

【課題】 全開状態で扇形の窓の一部が遮蔽されることを抑え、見栄えがよいうえに窓を確実に閉じることができる遮光スクリーン装置を提供する。
【解決手段】 扇形のスクリーン10a・10bと、スクリーン10a・10bを巻き取る円錐台状のドラム11a・11bと、スクリーン10a・10bをドラム11a・11bから繰り出す駆動機構12a・12bを有する。駆動機構12a・12bは、スクリーン10a・10bに取り付ける支持バー16a・16bと、窓枠5の上枠部5bに沿って配置するガイドレール18a・18bと、ガイドレール18a・18bを介して支持バー16a・16bを連結するギヤードケーブル17a・17bと、ギヤードケーブル17a・17bを駆動するギヤードモータ20を有する。ギヤードケーブル17a・17bが駆動されることで、スクリーン10a・10bがドラム11a・11bから繰り出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅やオフィスビルなどの建物の窓に設けられて、日光などの外光や内部の光を遮る(遮光)ために使用される遮光スクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
前記遮光スクリーン装置として、例えば特許文献1には、半円形状の窓に扇形のカーテン(スクリーン)を配置し、そのカーテンを開くことで採光し、また閉じることで遮光するものが提案されている。
【0003】
具体的には、特許文献1では、窓枠の円弧状の上枠部に沿ってレールを配置し、その円弧状のレールに複数個のランナを取り付けて、当該ランナにカーテンを吊り下げている。そして、ランナをレールに沿って移動させることで、カーテンを開閉操作している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−36471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載のものにあっては、カーテン(スクリーン)を開いたときには当該カーテンが窓枠の下部に集束されるために(特許文献1の補正後の明細書の段落0013および図1参照)、その集束したカーテンによって窓の下部が遮蔽されてしまい、適正な採光を行うことができないといった問題がある。
【0006】
また、カーテンは柔軟性を有しているために、例えば特許文献1の図1に示す半開状態にしたときには当該カーテンが自重で垂れ下がった状態になり、見栄えが悪いことになる。さらにカーテンを全閉させようとしても、垂れ下がっている分だけ窓を完全には閉じることができない虞があるといった問題がある。
【0007】
本発明は、かかる不都合を解決することを目的とするものであり、開いた状態のスクリーンで扇形の窓の一部が遮蔽されることを抑えるとともに、見栄えがよいうえにスクリーンで窓を確実に閉じることができる遮光スクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記不都合を解決するものである。すなわち本発明は、建物に設けている扇形の窓3に配置する遮光スクリーン装置であって、扇形のスクリーン10a・10bと、扇形の窓枠5の下端を成す直線状の下枠部5aに配置してあってスクリーン10a・10bを巻き取る円錐台形状のドラム11a・11bと、スクリーン10a・10bをドラム11a・11bから繰り出させるための駆動機構12a・12bとを有しており、駆動機構12a・12bは、スクリーン10a・10bの遊端に取り付けている支持バー16a・16bと、窓枠5の円弧状の上枠部5bに沿って配置している円弧状のガイドレール18a・18bと、そのガイドレール18a・18bを介して支持バー16a・16bに一端を連結しているケーブル17a・17bと、ケーブル17a・17bを駆動する駆動手段とを有しており、支持バー16a・16bは、スクリーン10a・10bの円弧状周縁の径方向に延びていて、その長さ方向の一端がスクリーン10a・10bの周縁の中心点O1・O2の位置で揺動可能に支持されており、前記中心点O1・O2は、円弧状の上枠部5bの径方向の中心部に位置しており、ドラム11a・11bは、小径側がスクリーン10a・10bの前記中心点O1・O2側に位置しており、スクリーン10a・10bがドラム11a・11bから繰り出されて上枠部5bに沿って扇状に広げられることで、窓3が覆われることを特徴とする。
【0009】
ここでの扇形の窓3には、図1に示す半円形状の窓や円形状の窓なども該当する。スクリーン10a・10bとドラム11a・11bとは、窓3にそれぞれ一個ずつ配置する場合と、窓3にそれぞれ複数個配置する場合とが含まれる。駆動手段は、手動式である場合と、モータである場合などが含まれる。
【0010】
詳しくは、スクリーン10a・10bをそれぞれ巻き取る二つのドラム11a・11bが、窓枠5の円弧状の上枠部5bの径方向の中心部を挟んで配置されており、駆動機構12a・12bは、各スクリーン10a・10bの遊端にそれぞれ取り付けている二本の支持バー16a・16bと、上枠部5bに沿って配置している二本の円弧状のガイドレール18a・18bと、各ガイドレール18a・18bを介して各支持バー16a・16bに一端をそれぞれ連結している二本のケーブル17a・17bと、それらのケーブル17a・17bを駆動する駆動手段とを有していることを特徴とする。
【0011】
ここでは、各ケーブル17a・17bに対応させて駆動手段をそれぞれ配置する場合と、両ケーブル17a・17bを一つの駆動手段で駆動する場合などが該当する。各支持バー16a・16bは、一つの前記中心点O1・O2を中心にそれぞれ揺動してもよく、各支持バー16a・16bにそれぞれ対応する複数の前記中心点O1・O2を中心にそれぞれ揺動してもよい。
【0012】
より詳しくは、窓3を全閉状態にしたときには、支持バー16a・16bどうしが突き合わされた状態になっているものとすることができる。支持バー16a・16bどうしは、窓3の左右中央位置で突き合わされてもよく、窓3の左右のいずれか一方に偏った位置で突き合わされてもよい。
【0013】
スクリーン10a・10bには、その円弧状の周縁の径方向に延びる補強芯材15を配置しているものとすることができる。補強芯材15は、配置本数が多いほうが好ましいが、少なくとも一本配置すればよい。
【0014】
ケーブル17a・17bと支持バー16a・16bとを連結するための機構を具体的に説明すると、ガイドレール18a・18b内に、ケーブル17a・17bの一端を連結している連結ブロック23a・23bをガイドレール18a・18bに沿って移動可能に配置しており、その連結ブロック23a・23bには、ガイドレール18a・18bから支持バー16a・16b側へ突出するピン24を設けており、支持バー16a・16bには、当該支持バー16a・16bの長さ方向に延びる長孔25を形成しており、その長孔25に、連結ブロック23a・23bのピン24が支持バー16a・16bの長さ方向に相対移動可能な状態で係合している。
【0015】
また、ケーブル17a・17bと支持バー16a・16bとを連結するための連結機構としては、ケーブル17a・17bの一端を連結していてガイドレール18a・18bに沿って移動可能なケーブルブロック31と、一端をケーブルブロック31に揺動自在に取り付けているとともに他端を支持バー16a・16bに揺動自在に取り付けているロッド33とを有しているものとすることができる。
【0016】
また、ケーブル17a・17bは、ギヤードケーブルからなり、そのギヤードケーブル17a・17bに噛合するギヤホイール19が、駆動手段としてのモータ20に連結していることで、ギヤードケーブル17a・17bがモータ20によって駆動されるものとすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の遮光スクリーン装置は、スクリーン10a・10bを扇形に形成しているので、そのスクリーン10a・10bによって扇形の窓3を確実に覆って遮光することができる。そのうえで、窓3を開状態にしたときには、スクリーン10a・10bがドラム11a・11bに巻き取られてコンパクトに纏められている。これによって、スクリーン10a・10bを全開したときにスクリーン10a・10bによって窓3の一部が遮蔽されることが抑制されて、適正な採光を行うことができる。
【0018】
また、スクリーン10a・10bの遊端に沿って支持バー16a・16bを取り付けているので、スクリーン10a・10bの遊端の強度が高くなって、スクリーン10a・10bがたるみ難くなり、その分だけスクリーン10a・10bの見栄えがよくなる。
【0019】
二枚のスクリーン10a・10bを有していると、それらのスクリーン10a・10bで、例えば、窓3のうち、その円弧方向の任意の一部のみから採光することができる。
【0020】
窓3を全閉状態にしたときに支持バー16a・16bどうしが突き合わされた状態になっていると、両スクリーン10a・10bの遊端間に隙間が生じることを抑えて的確に遮光することができるとともに、両支持バー16a・16bが一体化してその支持バー16a・16bの見栄えがよくなる。しかも、例えば二つのスクリーン10a・10bの支持バー16a・16bどうしが前後にずれるように構成した場合よりも、支持バー16a・16bの配置用のスペースの前後幅を小さくできる。
【0021】
スクリーン10a・10bに補強芯材15を配置すると、スクリーン10a・10bの強度がより高まってドラム11a・11bから繰り出したスクリーン10a・10bの周縁がよじれたりすることなどが確実に抑えられる。
【0022】
支持バー16a・16bの長さ方向に延びる長孔25に、連結ブロック23a・23bのピン24が支持バー16a・16bの長さ方向に相対移動可能に係合していると、例えば製造誤差によって支持バー16a・16bとガイドレール18a・18bとの位置関係が適正な状態からずれていても、その分だけ連結ブロック23a・23bのピン24が支持バー16a・16bの長さ方向に相対移動して、前記ずれを吸収することができる。これによって、前記ずれに起因して連結ブロック23a・23bがガイドレール18a・18bに引っ掛かって、スクリーン10a・10bが広がり難くなることを防止することができる。
【0023】
ケーブルブロック31にケーブル17a・17bの一端を連結し、そのケーブルブロック31と支持バー16a・16bとを揺動自在なロッド33で接続していると、例えば製造誤差によって支持バー16a・16bとガイドレール18a・18bとの位置関係が適正な状態からずれていても、ロッド33の揺動によって前記ずれを吸収することができ、前述と同様にスクリーン10a・10bが広がり難くなることを防止することができる。
【0024】
ケーブル17a・17bがギヤードケーブルからなり、そのギヤードケーブル17a・17bに噛合するギヤホイール19が駆動手段としてのモータ20に連結していると、モータ20によってケーブル17a・17bを確実に駆動することができる。それによって、支持バー16a・16bをガイドレール18a・18bに沿って確実に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の遮光スクリーン装置を配置した半円形状の窓の縦断正面図である。
【図2】遮光スクリーン装置を配置した窓の縦断側面図である。
【図3】スクリーンで窓を全閉した状態を示す縦断正面図である。
【図4】スクリーンで窓を半閉した状態を示す縦断正面図である。
【図5】図3のA―A線矢視断面図である。
【図6】図3のB―B線矢視断面図である。
【図7】支持バーの他の実施例を示す断面図である。
【図8】遮光スクリーン装置の他の実施例を示す正面図である。
【図9】図8のC―C線矢視断面図である。
【図10】支持バーとギヤードケーブルの連結機構の他の実施例の要部を示す正面図である。
【図11】図10のD―D線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る遮光スクリーン装置の一実施例を図1ないし図6に基づいて説明する。その遮光スクリーン装置は、図2に示すように、オフィスビルなどの建物の外壁2に設けている半円形状(扇形)の窓3に配置している。その窓3の扇形の窓枠5には、空間6を隔てて対向する内外一対の半円形状の透明ガラス7・8を取り付けている。
【0027】
遮光スクリーン装置は、図1に示すように、窓枠5の下端を成す直線状の下枠部5aから前記空間6内に進出可能な一対の扇形(円弧状)のスクリーン10a・10b(図3および図4参照)と、それらのスクリーン10a・10bをそれぞれ巻き取る左右一対の円錐台形状のドラム11a・11bと、各スクリーン10a・10bを各ドラム11a・11bからそれぞれ繰り出させるための二つの駆動機構12a・12bとを有している。各ドラム11a・11bおよび各駆動機構12a・12bは、窓枠5の下枠部5a内にそれぞれ配置している。
【0028】
各スクリーン10a・10bは、例えば耐紫外線性や耐熱性に優れた合成樹脂製の布からなり、図4に示すように、円弧状の周縁からその周縁の径方向に延びる合成樹脂製または金属製の補強芯材15を配置している。補強芯材15は、スクリーン10a・10bの周方向に複数本分散状に配置している。各ドラム11a・11bの両端は、窓枠5内に取り付けた固定具13・14にそれぞれ回転自在に支持している。各ドラム11a・11bは、内蔵のねじりコイルバネ(図示せず)によってスクリーン10a・10bを巻き取る方向(回転方向)に付勢されている。
【0029】
各駆動機構12a・12bは、図1に示すように、各スクリーン10a・10bの遊端(先端)にそれぞれ取り付けている支持バー16a・16bと、窓枠5の半円形(円弧状)の上枠部5bに沿って配置している円弧状のガイドレール18a・18bと、そのガイドレール18a・18bを介して支持バー16a・16bに一端を連結しているギヤードケーブル17a・17bと、ギヤードケーブル17a・17bに噛合するギヤホイール19と、そのギヤホイール19に連結しているギヤードモータ(駆動手段)20とを有している。ギヤードモータ20およびギヤホイール19によってギヤードケーブル17a・17bが駆動される。
【0030】
各支持バー16a・16bは、対応するスクリーン10a・10bの遊端に沿って当該スクリーン10a・10bの円弧状の周縁の径方向に延びており、その長さ方向の一端がスクリーン10a・10bの円弧状の周縁の中心点O1・O2の位置に配置している一個の支持具21に揺動可能に支持されている。前記中心点O1・O2は、窓枠5の上枠部5bの径方向の中心部に位置している。支持具21は、窓枠5の下枠部5a内に取り付けている。各ドラム11a・11bは、その小径側が前記中心点O1・O2側に位置している。また、左右のドラム11a・11bの仮想軸線26a・26bは、前記中心点O1・O2をそれぞれ通っている。左右のドラム11a・11bは、前記中心点O1・O2を挟んで左右対称位置に配置している。
【0031】
ガイドレール18a・18bは、図3および図5に示すように、窓枠5の上枠部5bの内周側および外周側に並べて配置している。それらのガイドレール18a・18bは、断面四角形状の中空をそれぞれ有しており、前面にはガイドレール18a・18bに沿って延びる開口22をそれぞれ有している。各ガイドレール18a・18bの両端面はそれぞれ開口している。
【0032】
各ガイドレール18a・18bの中空内には、ギヤードケーブル17a・17bの一端を連結している連結ブロック23a・23bをそれぞれ配置している。各連結ブロック23a・23bは、当該ガイドレール18a・18bに沿ってスライド移動可能になっている。各連結ブロック23a・23bの前面には、図5に示すように、ガイドレール18a・18bから当該ガイドレール18a・18bの開口22を通って支持バー16a・16b側へ突出するピン24をそれぞれ設けている。
【0033】
各支持バー16a・16bの長さ方向の他端部(窓枠5の上枠部5b側となる端部)には、図3および図5に示すように、当該支持バー16a・16bの長さ方向(図3では上下方向)に延びる長孔25をそれぞれ形成しており、その長孔25に、連結ブロック23a・23bのピン24の先端部が、支持バー16a・16bの長さ方向に相対移動可能に係合している。それにより、各ギヤードケーブル17a・17bが連結ブロック23a・23bを介して支持バー16a・16bにそれぞれ連結されている。
【0034】
連結ブロック23a・23bのピン24の先端には、ナット28が締め込まれており、それによってピン24が支持バー16a・16bの長孔25から抜け出ることを防止している。各連結ブロック23a・23bは、ガイドレール18a・18bの中空の断面形状に合わせて四角柱状に形成している。
【0035】
各ガイドレール18a・18bの一方の端面には、図1に示すように、ギヤードケーブル17a・17bをギヤホイール19(ギヤードモータ20)にそれぞれ導くとともにギヤードケーブル17a・17bの遊端側を収容するケーブルチューブ27を接続している。そのケーブルチューブ27の一端は、ガイドレール18a・18bの端面の開口に接続しており、各ギヤードケーブル17a・17bは、ケーブルチューブ27を介してガイドレール18a・18b内に導かれている。
【0036】
そして、例えば操作スイッチ(図示せず)での操作によってギヤードモータ20を駆動することで、ギヤードケーブル17a・17bがケーブルチューブ27内に退入駆動され、それに伴って支持バー16a・16bがギヤードケーブル17a・17b側に引っ張られて、スクリーン10a・10bがドラム11a・11bから繰り出されて、窓枠5の上枠部5bに沿って扇状に広げられる(図3および図4の状態)。それにより、窓3がスクリーン10a・10bで覆われて遮光される。
【0037】
前記操作スイッチは、ドラム11a・11bからのスクリーン10a・10bの繰り出し量を任意に調節できるようになっており、例えば外光に合わせてドラム11a・11bからのスクリーン10a・10bの繰り出し量を設定することができる。なお、図3は、両スクリーン10a・10bによって、窓枠5から露出している透明ガラス7・8の全面をほぼ覆った全閉状態を示している。
【0038】
前記両スクリーン10a・10bで窓3を全閉状態にするために、ギヤードモータ20およびギヤホイール19によってギヤードケーブル17a・17bを駆動したときには、両支持バー16a・16bが前記中心点O1・O2を中心に揺動し、図6に示すように、支持バー16a・16bどうしが接近して(図6の仮想線図参照)、突き合わされる(図6の実線図参照)。これにより、両支持バー16a・16b間に隙間が生じることが抑えられる。また、支持バー16a・16bどうしが突き合わされたときに両支持バー16a・16b間に隙間が生じても、その隙間は、図6に示すようにクランク状に屈曲しており、これによって光が前記隙間を通り抜けることが防止されて、確実に遮光することができる。
【0039】
このように、支持バー16a・16bどうしが突き合わされるようにしたことで、例えば支持バー16a・16bどうしが前後にずれるように構成した場合よりも、支持バー16a・16bの配置用のスペースの前後幅を小さくできる。
【0040】
各スクリーン10a・10bは、例えば任意の色を施されるようになっており、各スクリーン10a・10bの色を変えた場合には、スクリーン10a・10bを繰り出したときに、各スクリーン10a・10bの色によって建物の外壁2に模様が形成されることになる。
【0041】
スクリーン10a・10bを繰り出した状態でギヤードケーブル17a・17bの駆動を停止したときには、ギヤードモータ20の回転はロックされる。その状態で、スクリーン10a・10bを開くために、例えば操作スイッチでの操作によって前記ロックを解除したときには、ドラム11a・11bは、内蔵のねじりコイルバネの付勢力によって回転して、スクリーン10a・10bを巻き取る(図1の状態)。
【0042】
図3および図4では、両スクリーン10a・10bを同時に繰り出す場合を示しているが、前記操作スイッチは、いずれか一方のスクリーン10a・10bのみの繰り出しを設定できるように構成している。
【0043】
例えば図7に示すように一方の支持バー16aを断面凹字状に形成するとともに、他方の支持バー16bを断面凸字状に形成して、前記支持バー16a・16bどうしが突き合わされたときに両支持バー16a・16b間に隙間が生じても、その隙間が屈曲するように構成してもよい。
【0044】
また、図9に示すように、各支持バー16a・16bどうしを前後にずらすとともに、各支持バー16a・16bの前後端に両スクリーン10a・10bをそれぞれ取り付け、図8の全閉状態で、図9に示すように両スクリーン10a・10bがほぼ隙間なく前後に重なるようにしてもよい。この場合、遮光性がより高まることになる。
【0045】
前記実施例では、支持バー16a・16bの長孔25に連結ブロック23a・23bのピン24を係合することで、例えば製造誤差によって支持バー16a・16bとガイドレール18a・18bとの位置関係が適正な状態からずれていても、連結ブロック23a・23bのピン24が、支持バー16a・16bの長さ方向に相対移動して前記ずれを吸収しているが、図10および図11に示す連結機構によっても前記ずれを吸収することができる。
【0046】
つまり、この実施例の各連結機構は、ギヤードケーブル17a・17bの一端を連結していてガイドレール18a・18bに沿って移動可能なケーブルブロック31と、一端(図11では右側)をケーブルブロック31に揺動自在に取り付けているとともに他端(図11では左側)を支持バー16a・16bに揺動自在に取り付けているロッド33とを有している。
【0047】
具体的には、ロッド33の一端をピン34によってケーブルブロック31に揺動自在に取り付けており、ロッド33の他端をケーブルブロック31の前面に設けているピン35を支持バー16a・16bに設けた孔36を通し、当該ピン35の先端にナット37を締め込むことで、そのロッド33の他端を支持バー16a・16bに揺動自在に取り付けている。
【0048】
本発明は、例えば操作スイッチでスクリーン10a・10bの繰り出しを設定することで、従来とは異なる遮光を行うことができる。加えて、スクリーン10a・10bを開いたときには、当該スクリーン10a・10bがドラム11a・11bに巻き取られてコンパクトに纏められる。
【0049】
また、スクリーン10a・10bの遊端に沿って支持バー16a・16bを取り付けているので、スクリーン10a・10bの遊端の強度が高くなって、スクリーン10a・10bがたるみ難くなり、それによって的確に遮光することができるとともに、見栄えをよくすることができる。
【0050】
本発明の遮光スクリーン装置を配置した窓3を建物の外壁2に上下左右に並べることで、各ドラム11a・11bから繰り出されたスクリーン10a・10bによって建物の意匠効果をより向上させることができる。
【0051】
前記説明では、ギヤホイール19と噛合するギヤードケーブル17a・17bを連結ブロック23a・23bに連結しているが、例えばギヤホイール19と噛合不能なケーブル(ワイヤロープ)を連結ブロック23a・23bに連結してもよい。その場合、ケーブルは、例えば窓枠5内に配置したリールに巻き取られるようにしておき、そのリールにモータを連結する。そして、そのモータを駆動することによってドラム11a・11bからスクリーン10a・10bが繰り出される。
【0052】
前記説明では、ねじりコイルバネによってスクリーン10a・10bをドラム11a・11bに巻き取っているが、モータなどによってドラム11a・11bを駆動してスクリーン10a・10bをドラム11a・11bに巻き取ってもよい。
【符号の説明】
【0053】
3 窓
5 窓枠
5a 下枠部
5b 上枠部
10a・10b スクリーン
11a・11b ドラム
12a・12b 駆動機構
15 補強部材
16a・16b 支持バー
17a・17b ギヤードケーブル
18a・18b ガイドレール
19 ギヤホイール
20 ギヤードモータ
23a・23b 連結ブロック
24 ピン
25 長孔
31 ケーブルブロック
33 ロッド
O1・O2 中心点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けている扇形の窓(3)に配置する遮光スクリーン装置であって、
扇形のスクリーン(10a・10b)と、扇形の窓枠(5)の下端を成す直線状の下枠部(5a)に配置してあってスクリーン(10a・10b)を巻き取る円錐台形状のドラム(11a・11b)と、スクリーン(10a・10b)をドラム(11a・11b)から繰り出させるための駆動機構(12a・12b)とを有しており、
駆動機構(12a・12b)は、スクリーン(10a・10b)の遊端に取り付けている支持バー(16a・16b)と、窓枠(5)の円弧状の上枠部(5b)に沿って配置している円弧状のガイドレール(18a・18b)と、そのガイドレール(18a・18b)を介して支持バー(16a・16b)に一端を連結しているケーブル(17a・17b)と、ケーブル(17a・17b)を駆動する駆動手段とを有しており、
支持バー(16a・16b)は、スクリーン(10a・10b)の円弧状周縁の径方向に延びていて、その長さ方向の一端がスクリーン(10a・10b)の周縁の中心点(O1・O2)の位置で揺動可能に支持されており、
前記中心点(O1・O2)は、円弧状の上枠部(5b)の径方向の中心部に位置しており、
ドラム(11a・11b)は、小径側がスクリーン(10a・10b)の前記中心点(O1・O2)側に位置しており、
スクリーン(10a・10b)がドラム(11a・11b)から繰り出されて上枠部(5b)に沿って扇状に広げられることで、窓(3)が覆われることを特徴とする遮光スクリーン装置。
【請求項2】
スクリーン(10a・10b)をそれぞれ巻き取る二つのドラム(11a・11b)が、窓枠(5)の円弧状の上枠部(5b)の径方向の中心部を挟んで配置されており、
駆動機構(12a・12b)は、各スクリーン(10a・10b)の遊端にそれぞれ取り付けている二本の支持バー(16a・16b)と、上枠部(5b)に沿って配置している二本の円弧状のガイドレール(18a・18b)と、各ガイドレール(18a・18b)を介して各支持バー(16a・16b)に一端をそれぞれ連結している二本のケーブル(17a・17b)と、それらのケーブル(17a・17b)を駆動する駆動手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の遮光スクリーン装置。
【請求項3】
前記窓(3)を全閉状態にしたときには、支持バー(16a・16b)どうしが突き合わされた状態になっていることを特徴とする請求項2記載の遮光スクリーン装置。
【請求項4】
スクリーン(10a・10b)には、その円弧状の周縁の径方向に延びる補強芯材(15)を配置していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遮光スクリーン装置。
【請求項5】
ガイドレール(18a・18b)内には、ケーブル(17a・17b)の一端を連結している連結ブロック(23a・23b)を当該ガイドレール(18a・18b)に沿って移動可能に配置しており、
その連結ブロック(23a・23b)には、ガイドレール(18a・18b)から支持バー(16a・16b)側へ突出するピン(24)を設けており、
支持バー(16a・16b)には、当該支持バー(16a・16b)の長さ方向に延びる長孔(25)を形成しており、
その長孔(25)には、連結ブロック(23a・23b)のピン(24)が支持バー(16a・16b)の長さ方向に相対移動可能な状態で係合していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遮光スクリーン装置。
【請求項6】
ケーブル(17a・17b)と支持バー(16a・16b)とを連結するための連結機構を有しており、
その連結機構は、ケーブル(17a・17b)の一端を連結していてガイドレール(18a・18b)に沿って移動可能なケーブルブロック(31)と、一端をケーブルブロック(31)に揺動自在に取り付けているとともに他端を支持バー(16a・16b)に揺動自在に取り付けているロッド(33)とを有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の遮光スクリーン装置。
【請求項7】
ケーブル(17a・17b)は、ギヤードケーブルからなり、
そのギヤードケーブル(17a・17b)に噛合するギヤホイール(19)が、駆動手段としてのモータ(20)に連結していることで、ギヤードケーブル(17a・17b)がモータ(20)によって駆動されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遮光スクリーン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−40112(P2012−40112A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182674(P2010−182674)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(397000160)株式会社豊和 (47)
【Fターム(参考)】