説明

遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法

【課題】遮水性能が優れ、接続、遮水処理の作業性が良好であり、さらに熱源の使用が制限等されているところでも、ケーブル接続、遮水処理作業を容易に行うことができる遮水型常温収縮性補強絶縁筒及びこれを用いたケーブル接続部を提供する。
【解決手段】補強絶縁筒体3を拡径治具8のテーパ部10及び大径部9へと順次滑らせる工程、筒状コア2の上に常温収縮性の補強絶縁筒体3を弾性的に拡径された状態で支持させる工程、遮水層4を形成して複合筒状体とする工程及び前記複合筒状体の粘着層6上に被せて拡径状態で支持させる工程を有する遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電力ケーブルの接続に用いる遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電力供給の高信頼性を確保するために、電力ケーブル本体だけでなく、ケーブル接続部にも高い遮水性能が要求され、ケーブル接続部に遮水処理が施されている。
従来のケーブル接続部の遮水構造は、例えば、架橋ポリエチレン絶縁に代表されるプラスチック絶縁電力ケーブルのケーブル導体接続部とその両側のケーブル絶縁体とに跨って、ゴム製の補強絶縁筒を設け、この補強絶縁筒の上に、熱収縮性チューブ内に金属箔を周方向へ筒状に巻いて形成される遮水層を埋め込み成形した遮水性熱収縮チューブを被せ、このチューブを熱収縮させて補強絶縁筒の外周面に密着してなるものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来構造のものでは、ケーブル接続部の形成現場において、ケーブル導体接続部等の上に補強絶縁筒を設けた後に、その上に遮水性熱収縮チューブを被せるが、補強絶縁筒の外周面が真円形にならずいびつになり、その上に遮水性熱収縮チューブを被せて収縮させても、均等に密着せず、両者間に微小な隙間が生じ易い。このため、その隙間から浸水し、この浸水が長期間続くと、接続部が絶縁劣化する恐れがあった。
また、ケーブル接続、遮水処理の作業工程が増えて作業が煩雑になるほか、作業時間もかかり、作業性が悪くなる問題があった。
さらに、遮水性熱収縮チューブを収縮させる熱源を必要とし、熱源の使用が制限されていたり、狭い場所では、接続、遮水処理を行うことが難しかった。
【0004】
本発明は上記の問題点を解決し、遮水性能が優れ、接続、遮水処理の作業性が良好であり、さらに熱源の使用が制限等されているところでも、ケーブル接続、遮水処理作業を容易に行うことができる遮水型常温収縮性補強絶縁筒を提供する遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法を供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明においては、(1)大径部9とテーパ部10と小径部11とからなり、大径部9が円形状であって内部に筒状コアが収容された拡径治具8を、小径部11側から常温収縮性の補強絶縁筒体3に挿入し、補強絶縁筒体3を拡径治具8のテーパ部10及び大径部9へと順次滑らせる工程、(2)補強絶縁筒体3を大径部9の端部を越えさせ、補強絶縁筒体3を筒状コアに乗り移らせて、筒状コア2の上に常温収縮性の補強絶縁筒体3を弾性的に拡径された状態で支持させる工程、(3)その後、粘着層6で両側からサンドイッチした金属箔4Aを、前記補強絶縁筒体3の外周面に周方向へ筒状に巻いて、その相対向する両側縁4B、4Cをオーバーラップさせ、遮水層4を形成して複合筒状体とする工程、(4)前記補強絶縁筒体3を拡径するとき用いたものよりも一回り大きな拡径治具8の大径部9に前記複合筒状体を挿入した状態で、小径部11側から常温収縮性の防水保護層5を挿入しテーパ部10及び大径部9の外周面上に順次滑らせ、最終的に前記複合筒状体の粘着層6上に被せて拡径状態で支持させる工程を有することを特徴とする遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法で、更に、前記(4)の工程に代えて、工程(5)前記複合筒状体の外径より若干大きい内径を有する解体可能な筒状コア2に、前記拡径治具8を用いて防水保護層5を予め拡径状態で支持させておく工程、(6)前記複合筒状体上に、この筒状コア2で拡径支持された防水保護層5を配置し、筒状コア2を解体除去することにより、防水保護層5をその自己収縮力により複合筒状体の上に被せて拡径状態で支持させる工程を用いることを特徴とする遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法が提供される。
【0006】
本発明によると、予め常温収縮性の補強絶縁筒体、遮水層及び常温収縮性の防水保護層が密着して一体に形成されている補強絶縁筒を用いてケーブル接続、遮水処理作業を行うので、補強絶縁筒体、遮水層及び防水保護層の取付け、被覆作業を同時に行え、接続、遮水処理作業工程が減少し、これら作業を簡単かつ短時間に行うことができ、作業性が高めることができる。
また、遮水層は粘着層の中に埋め込んだ状態で保持されているので、補強絶縁筒体と遮水層との間及び遮水層と防水保護層との間に浸水の原因となる隙間ができにくく、浸水を予防し、ケーブル接続部の絶縁劣化の進行を遅らせることができる。
さらに、ケーブル接続、遮水処理作業に熱源を必要としないので、熱源の使用が制限される場所や熱源を収納しにくい狭い場所においても、これらの作業を行うことができ、作業能率が向上する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
即ち、本発明によると、予め常温収縮性の補強絶縁筒体、遮水層及び常温収縮性の防水保護層が密着して一体に形成されている補強絶縁筒を用いてケーブル接続、遮水処理作業を行うので、補強絶縁筒体、遮水層及び防水保護層の取付け、被覆作業を同時に行え、接続、遮水処理作業工程が減少し、これら作業を簡単かつ短時間に行うことができ、作業性が高めることができる。
【0008】
また、遮水層は粘着層の中に埋め込んだ状態で保持されているので、補強絶縁筒体と遮水層との間及び遮水層と防水保護層との間に浸水の原因となる隙間ができにくく、浸水を予防し、ケーブル接続部の絶縁劣化の進行を遅らせることができる。
【0009】
さらに、ケーブル接続、遮水処理作業に熱源を必要としないので、熱源の使用が制限される場所や熱源を収納しにくい狭い場所においても、これらの作業を行うことができ、作業能率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。図1に示すように、本発明に係る遮水型常温収縮性補強絶縁筒1は、解体可能な円筒形の筒状コア2と、筒状コア2上に弾性的に、即ち、弾性を保持したまま、拡径された状態で支持される常温収縮性の補強絶縁筒体3と、その上に形成される遮水層4と、遮水層4の外周面に被覆される常温収縮性の防水保護層5と、遮水層4を埋め込んだ状態で保持して補強絶縁筒体3と防水保護層5とを密着させる粘着層(接着層)6とを有する。
【0011】
筒状コア2は、例えば、ポリプロピレンよりなる断面角形の紐状体をスパイラル状に巻回して円筒状に形成し、隣接する紐状体同士を溶着等して型崩れしないようにしたものが使用される。この筒状コア2は、紐状体を筒状コア2の一端側から内側へ引っ張って筒状コア2内の中空孔を通して他端側へ引き出すことにより、筒状コア2を一端側から徐々に解体除去することができる構成になっている。
【0012】
補強絶縁筒体3は、一般に絶縁性能が高く、また成形加工性に優れたエチレンプロピレンゴムやシリコーンゴム等をベースゴムとして使用し、内部導電層3A、補強絶縁体3B及び外部導電層3Cとが紡錘形状となるよう一体にモールド成形された、全体で1つの部品(1ピース)で構成され、筒状コア2上に半径方向へ弾性的に(弾性状態を保持して)拡径された状態で支持される。
【0013】
遮水層4は、図2に詳細に示すように、厚さ0.01〜0.1mmの銅、アルミニウム、鉛等よりなる金属箔(金属フイルム、シートを含む)4Aを周方向へ円筒状に巻いて、その相対向する両側縁4B、4Cを5〜20mm、好ましくは10〜15mm程度オーバーラップさせ、そのオーバーラップ部分を粘着材で水密にシールし、粘着層6の厚さ方向(半径方向)の内部に埋め込んだ状態で保持する。
なお、金属箔4Aは1枚の金属箔を円筒状に折り曲げ成形して形成するものばかりでなく、2枚以上の金属箔を周方向へ各箔の両側縁がオーバーラップするように巻いて形成してもよい。さらに、金属箔を波形状(コルゲート状)に加工して周方向へ伸縮性を持たせるようにしてもよい。このように、複数枚の金属箔や波形状金属箔を用いると、遮水型常温収縮性補強絶縁筒1をケーブル接続、遮水処理に使用し、常温収縮させても、金属箔に局部的に大きなひずみが加わるのを抑制し、亀裂、しわの発生を防止する上で有効である。
【0014】
防水保護層5は、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム材料を主体として筒状体に成形され、遮水層4上に半径方向へ弾性的に拡径された状態で支持される。
【0015】
粘着層6は、例えば、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ポリ酢酸ビニル等の絶縁性ゴム、プラスチック材料で構成される。
【0016】
なお、7は銅、アルミニウム等の導電材料で出来た接地線からなる接地部材であり、補強絶縁筒体3と遮水層4の内側に設けた粘着層6との間に、補強絶縁筒1の長手方向に沿って、両端が該筒端部から露出するように配在され、該補強絶縁筒1内に埋め込まれている。この接地部材7は、補強絶縁筒1がケーブル導体接続部等の上に設けられた後、両側のケーブルの金属遮蔽層に接続され、両遮蔽層を電気的に導通する。この実施形態では、接地部材7を設けたが、遮水層4の金属箔4Aを接地部材代わりに用い、この両端に接地引出し部を設けて、これを両ケーブルの金属遮蔽層に接続し両遮蔽層同士を電気的に導通するようにしてもよい。
【0017】
本実施形態の遮水型常温収縮性補強絶縁筒1は上記のような構成になっている。この絶縁筒1は、前記筒状コア2を解体除去することにより、補強絶縁筒体3及び防水保護層5が常温で収縮して縮径する。この際、補強絶縁筒体3、接地部材7、遮水層4及び防水保護層5は、粘着層6で一体に密着されているので、該補強絶縁筒1をケーブル接続部の導体接続部等の上に被せて常温収縮させても、遮水層4を構成する金属箔4Aが局部的なストレスを受け亀裂が生じるとか、逆にしわが生じるようなことがなく、遮水性能が優れている。
【0018】
次に上記遮水型常温収縮性補強絶縁筒1の製造方法を説明する。先ず、筒状コア2の上に常温収縮性の補強絶縁筒体3を弾性的に拡径された状態で支持させる。具体的には、図3に示すような、筒状コア挿入孔9Aを有する円形状の大径部9、テーパ部10及び円形状の小径部11からなる拡径治具8を用いる。
即ち、この拡径治具8における大径部9側の筒状コア挿入孔9Aに筒状コア2を挿入すると共に、小径部11側から常温収縮性の補強絶縁筒体3を挿入する。
【0019】
なお、拡径治具8の大径部9、テーパ部10及び小径部11の外周面には、補強絶縁筒体3の拡径作業を容易にするために、シリコーンオイル、シリコーングリース、フッ素オイル、エチレングリコール、パラフィンワックス等の潤滑剤を予め塗布しておくことが好ましい。潤滑剤は補強絶縁筒体3の材質等に応じて適宜選択される。
【0020】
次に、補強絶縁筒体3を拡径治具8のテーパ部10及び大径部9の外周面に順次滑らせていく。そして、補強絶縁筒体3の先端が大径部9の端部を越えると、補強絶縁筒体3が自己収縮して筒状コア2の後端部に乗り移り、その収縮力で筒状コア2に把持される。
さらに、補強絶縁筒体3を大径部9の外周面上に滑らせて押し込むと、筒状コア2が筒状コア挿入孔9Aから徐々に抜き出てきて、補強絶縁筒体3は筒状コア2上に完全に乗り移り、図4に示すように、筒状コア2上に拡径状態で支持される。
【0021】
次に、補強絶縁筒体3の上に、その長手方向に沿って、例えば、1本又は複数本の銅、アルミニウム等で出来た接地線を筒状に螺旋巻きし、若しくは複数本の接地線を筒状に編組し、又は複数本の接地線を編組して出来た編組シートを筒状に縦添え成形する等して形成された接地部材7を、補強絶縁筒体3の両端から所望長さ引き出されるように取付け固定する。その後、粘着層6で両側からサンドイッチされ、粘着層6内に埋め込んだ金属箔4Aを、前記補強絶縁筒体3の外周面に周方向へ筒状に巻いて、その相対向する両側縁4B、4C(図示省略)をオーバーラップさせ、そのオーバーラップ部分を粘着材で水密にシールし、遮水層4を形成する(図5参照)。
【0022】
次に、この遮水層4上の粘着層6の外周面に常温収縮性の防水保護層5を被せて支持させる。この防水保護層5を被せる方法について、例えば、次の2通りの方法を説明する。
第1の方法は、前記拡径治具8を用いる方法である。この場合、拡径治具8は、前記補強絶縁筒体3を拡径するとき用いたものよりも一回り大きなものを用いる。拡径方法は補強絶縁筒体3の拡径方法と同じである。即ち、大径部9側の筒状コア挿入孔9Aに筒状コア2で支持された補強絶縁筒体3及び遮水層4等の複合筒状体を挿入すると共に、小径部11側から常温収縮性の防水保護層5を挿入する。そして、この複合筒状体をテーパ部10及び大径部9の外周面上に順次滑らせることにより、最終的に前記複合筒状体の粘着層6上に被せて拡径状態で支持させる方法である。
【0023】
第2の方法は、前記複合筒状体の外径より若干大きい内径を有する解体可能な別の筒状コア2に、前記拡径治具8を用いて防水保護層5を予め拡径状態で支持させておく。次に、この筒状コア2で拡径支持された防水保護層5を前記複合筒状体の上に嵌挿し、この筒状コア2を解体除去することにより、防水保護層5をその自己収縮力により複合筒状体の上に被せて拡径状態で支持させる方法である。
【0024】
このようにして、前記筒状コア2上に常温収縮性の補強絶縁筒体3、接地部材7、遮水層4及び防水保護層を粘着層6により一体に密着させることにより、図1に示すような構成の遮水型常温収縮性補強絶縁筒1を製造する。
【0025】
次に、この遮水型常温収縮性補強絶縁筒1をケーブル直線接続部(中間接続部)に適用した例を図6、7により説明する。
先ず、図6に示すように、接続すべき2本の電力ケーブル(架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル)12の端部から、導体13、ケーブル絶縁体14、ケーブル外部導電層15、金属遮蔽層16、ケーブル遮水層17及びケーブルシース18を段剥ぎして段階的に露出させる。
【0026】
次に、両電力ケーブル12のケーブルシース18上に各々遮水型常温収縮チューブ19を通し、また一方の電力ケーブル12のケーブルシース18上に本発明に係る遮水型常温収縮性補強絶縁筒1を通して予め待機させておく。
【0027】
遮水型常温収縮チューブ19は、解体可能な筒状コア20と、筒状コア20上に弾性的に拡径された状態で支持される内側の常温収縮性チューブ層21及び外側の常温収縮性チューブ層22と、金属箔を周方向へ筒状に巻いてその相対向する両側縁をオーバーラップさせて形成され、内側の常温収縮性チューブ層21及び外側の常温収縮性チューブ層22との間に介在される遮水層23と、遮水層23の内外周面に付着して形成され、遮水層23と常温収縮性チューブ層21、22とを密着させる粘着層24とを備えている。
【0028】
次に、両ケーブル12の導体13を導体接続スリーブ25内に通して突合せ、導体スリーブ25を圧縮クランプしてケーブル導体接続部26を形成する。
次にケーブルシース18上に待機させておいた遮水型常温収縮性補強絶縁筒1を、ケーブル導体接続部26及びその両側のケーブル絶縁体14を覆い、両端がケーブル外部導電層15に跨るようにケーブル導体接続部26の真上に移動して位置決めする。
【0029】
次に、遮水型常温収縮性補強絶縁筒1の筒状コア2をその一端側から徐々に解体除去して、補強絶縁筒体3及び防水保護層5を一端側から徐々に自己収縮作用により常温収縮させ、筒状コア2の解体後、遮水型常温収縮性補強絶縁筒1をケーブル導体接続部20、その両側のケーブル絶縁体14及びケーブル外部導電層15を覆うように装着する。
【0030】
次に、遮水型常温収縮性補強絶縁筒1の両端から各々引き出されている接地部材7を両電力ケーブルの金属遮蔽層16及び金属遮水層17にバインド線等の固定部材27で接続する。
【0031】
次に、遮水型常温収縮性補強絶縁筒1の紡錘形状の先細り両端部及びケーブルシース18の段剥ぎ端部付近に、各々粘着水密シート28を巻き付ける。その後、ケーブルシース18上に予め待機しておいた遮水型常温収縮チューブ19を遮水型常温収縮性補強絶縁筒1の紡錘状先細り両端部及びケーブルシース18に跨る位置まで移動させ、その筒状コア20を解体除去して該チューブ19の常温収縮性チューブ層21、22を常温収縮させる。これにより、図7に示すように、遮水型常温収縮チューブ19を遮水型常温収縮性補強絶縁筒1の両端部、金属遮蔽層16、金属遮水層17及びケーブルシース18を覆うように密着させ、遮水型常温収縮性補強絶縁筒1の両端を気密液密に封止する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る遮水型常温収縮性補強絶縁筒の上半部縦断面図である。
【図2】図1の遮水層において、金属箔のオーバーラップ部分を一部拡大して示す横断面図である。
【図3】図1に示す筒状コアの上に補強絶縁筒体を拡径して支持させる方法の説明図である。
【図4】図3に示す拡径方法により、筒状コア上に補強絶縁筒体が支持された状態を示す縦断面図である。
【図5】図4に示す補強絶縁筒体の外周面に遮水層を形成した状態を示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る遮水型常温収縮性補強絶縁筒を用いてケーブル直線接続部を形成する方法を示す上半部断面説明図である。
【図7】図6に示す方法で組み立てられたケーブル直線接続部を示す上半部縦断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 遮水型常温収縮性補強絶縁筒
2 筒状コア
3 補強絶縁筒体
3A 内部導電層
3B 補強絶縁体
3C 外部導電層
4 遮水層
4A 金属箔
4B 側縁
4C 側縁
5 防水保護層
6 粘着層
7 接地部材
8 拡径治具
9 大径部
9A 筒状コア挿入孔
10 テーパ部
11 小径部
12 電力ケーブル
13 導体
14 ケーブル絶縁体
15 ケーブル外部導電層
16 金属遮蔽層
17 金属遮水層
18 ケーブルシース
19 遮水型常温収縮チューブ
20 筒状コア
21 内側の常温収縮性チューブ層
22 外側の常温収縮性チューブ層
23 遮水層
24 粘着層
25 導体接続スリーブ
26 ケーブル導体接続部
27 固定部材
28 粘着水密シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)〜(4)の工程を有する遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法。
(1)大径部9とテーパ部10と小径部11とからなり、大径部9が円形状であって内部に筒状コアが収容された拡径治具8を、小径部11側から常温収縮性の補強絶縁筒体3に挿入し、補強絶縁筒体3を拡径治具8のテーパ部10及び大径部9へと順次滑らせる工程。
(2)補強絶縁筒体3を大径部9の端部を越えさせ、補強絶縁筒体3を筒状コアに乗り移らせて、筒状コア2の上に常温収縮性の補強絶縁筒体3を弾性的に拡径された状態で支持させる工程。
(3)その後、粘着層6で両側からサンドイッチした金属箔4Aを、前記補強絶縁筒体3の外周面に周方向へ筒状に巻いて、その相対向する両側縁4B、4Cをオーバーラップさせ、遮水層4を形成して複合筒状体とする工程。
(4)前記補強絶縁筒体3を拡径するとき用いたものよりも一回り大きな拡径治具8の大径部9に前記複合筒状体を挿入した状態で、小径部11側から常温収縮性の防水保護層5を挿入しテーパ部10及び大径部9の外周面上に順次滑らせ、最終的に前記複合筒状体の粘着層6上に被せて拡径状態で支持させる工程。
【請求項2】
請求項1の(4)の工程に代えて、下記の工程(5)(6)を用いることを特徴とする遮水型常温収縮性補強絶縁筒の製造方法。
(5)前記複合筒状体の外径より若干大きい内径を有する解体可能な筒状コア2に、前記拡径治具8を用いて防水保護層5を予め拡径状態で支持させておく工程。
(6)前記複合筒状体上に、この筒状コア2で拡径支持された防水保護層5を配置し、筒状コア2を解体除去することにより、防水保護層5をその自己収縮力により複合筒状体の上に被せて拡径状態で支持させる工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−325494(P2007−325494A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177551(P2007−177551)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【分割の表示】特願2000−41964(P2000−41964)の分割
【原出願日】平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】