説明

遮蔽によるマーキング方法及び除去によるマーキング方法及び変色によるマーキング方法

【課題】光学式認識コードをより容易にマーキングする方法を実現する。
【解決手段】まず、布の被印物28に対して、赤のリボン状糸30rと、緑のリボン状糸30gと、青のリボン状糸30bと、を3本並べて縫い込む。次に、前記リボン状糸30r、30g、30bの所定部位に黒の刺繍パッチ32a〜32lを縫い付けることによって、前記リボン状糸30r、30g、30bを覆って隠す。これら2つの工程によって、前記黒の刺繍パッチ32a〜32lが設けられていない部分の色彩が外部に露出することとなり、布の被印物28上に、光学式認識コードをマーキングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色彩を用いた光学式認識コードの新しいマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
古典的な白と黒とから成るバーコードに比べて飛躍的に情報量を増やすことができる等の理由によって、白と黒、灰色(無彩色)以外のいわゆる有彩色を利用した色彩付きの光学式認識コードが種々知られている。
【0003】
これらの白黒のバーコードや、有彩色のバーコードは、いずれも「バー」の位置・幅が厳密に定められているコードである。
【0004】
これに対して、色の変化や遷移、色彩の組み合わせ等で情報を表し、各「バー」に厳密な位置や幅(大きさ)を要求しない光学式認識コードが最近開発されている。
【0005】
例えば、下記特許文献1には、有彩色を利用して、色の遷移や組み合わせで情報を表す光学式認識コードが開示されている。ここで開示されている光学式認識コードは、各セルに色を付して情報を表すが、その「セル」の位置や大きさは表そうとする情報には直接には影響を及ぼさない。あくまでも情報は、セルに付された色彩の組み合わせ・遷移(変化)によって表される。なお、ここで言うセルとは、所定の色が付された領域を言い、従来のバーコードの「バー」に相当するものである。
【0006】
また、本願発明者らは、例えば、「1Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196705)や、「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)を独自に開発している。これらも、上記特許文献1と同様に、色彩の遷移(変化)・色彩の組み合わせによって情報を表しており、各セルの位置や大きさは「固定」ではなくかなりの自由度が存在する。理論的には、位置や大きさは完全に自由であるが、読み取りの際の効率等を考慮して事実上、セルの大きさはある程度は必要である。しかし、読み取りが円滑に行える限り、セルの大きさや位置には一切制限は存在しない。
【0007】
このように、色彩の遷移等で情報を表す新しい種類の光学式認識コードは、従来の古典的なバーコード、あるいはそれ(バー)に色(有彩色)を付したカラーバーコードと異なり、その表現するデータは、コードを構成するマーキングパターンの寸法形状には直接には依存しないという特徴を有している。すなわち、上で述べたように、マーキングされた色の順番もしくは境界部分の色の前後関係のみに依存するのである。
【0008】
さて、本発明はこのような自動認識のためのマーキング技術分野に属し、上記新しい種類のコードの特徴を生かすことで、従来では達成困難な用途にマーキングを施し、自動認識技術の活用分野を拡大しようとするものである。
【0009】
従来のバーコードは白黒(明暗)の太さや位置でデータを表現するため、マーキングもこれら太さや位置情報が正確に表現できる方法が求められた。したがって、この従来のバーコードでは、通常のマーキング方法は「正確な印刷」であり、バーコードを付する媒体は伸縮しない紙の表面や、固形物上の平坦な物体面(平面)などであった。
【0010】
然るに、上述した新しい種類の光学式認識コード(以下、このような種類の認識コードを、便宜上「カラービットコード」と呼ぶ)は色の並び順のみでデータを表現するものであるから、マーキングにおいて従来のバーコードとは全く別の手段が可能になる。
【0011】
すなわち、マーキング手段自身や、マーキング作業環境が起因となって寸法精度を出しにくい手段であっても、色の順番が所定の配列でさえあればカラービットコードのマーキングとして有用である。
【0012】
しかしながら、カラービットコードの上記特徴に鑑みたマーキング方法は、未だ知られていない。
【0013】
従来のマーキング技術
すなわち、従来から知られているバーコードのマーキング技術は、被印字物の表面への印刷やインクジェット、熱転写、等のプリンティングやレーザーマーキング、又は予めマーキングされたシールの貼り付けのようなマーキング技術も知られている。
【0014】
しかし、これらのマーキング技術は、マーキング条件が厳密に調整されたプリンタや印刷機器、専用マーキング機器などを前提としており、このようなマーキング技術をカラービットコードに対して適用した場合は、むしろ必要以上の寸法精度が得られる。もちろんこれは何ら問題ではない。
【0015】
このような従来のマーキング技術は、一方において、異形面や凹凸面、またラフな位置精度など、形状、位置精度が不安定な対象物へのマーキングは困難である。具体的には、マーキングそのものができなかったり、更に過剰な設備や調整が必要であったりする等である。
【0016】
ところが、上述したように、新しい種類の「カラービットコード」は、高い印字精度を必要としないので、柔軟な材質や、凹凸面にも理論上マーキング可能であり、且つ、読み取り可能であるという特徴を有しているので、むしろ、異形面、凹凸面、柔軟な材質へのマーキングこそ、容易に行える技術が望まれている。
【0017】
繰り返しになるが、従来の自動認識用マーキング手段としては、従来のバーコード用の「印刷」や「プリンタ」の如き手段である。これらは、伸縮性をほとんど有しない材質の、ある程度平らな面、を前提としているので、柔軟な材質や、凹凸面へのマーキングには適さないことは容易に理解できよう。
【0018】
そこで、その他の伸縮性のある材質や柔軟な材質や、凹凸面にマーキングするのに適した技術が望まれている。これらは、「ラフなマーキング」、あるいは「塗装」や「描画」といった広範囲の技術を応用するものが好ましいとは考えられるが、未だそのような技術は知られていない。
【0019】
更に、マーキング作業の環境をみても、従来のバーコードマーキング手段は印刷やプリンタ技術が適用できる環境下に限られており、これ以外の異なった環境下での技術は開発されていない。
【0020】
新しい種類の光学式認識コードの対象物への付与
そこで、上述した新しい種類のカラービットコードを用いる場合は、従来の自動認識用マーキング(=バーコードマーキング)では困難な場合でもマーキングできる技術が望ましい。例えば、
(1)寸法精度を正確に保つことの困難な形状の物体へのマーキング
(2)寸法精度を正確に保つことの困難な環境条件下でのマーキング
(3)寸法精度を正確に保つことが困難な媒体を用いたマーキング
が望まれている。
【0021】
用語
ここで、用語の説明を行う。
【0022】
「困難な形状の物体」における「物体」とは、光学式認識コードを付与する対象物を言い。特に「被印物」と呼ぶ場合もある。困難な形状とは、その表面が平滑な面ではなく、通常の印刷やシールの貼付が困難な場合を言う。例えば、凹凸面、ざらざらした面、波状面、起毛した面、等を言う。ここでは、形状という表現を採用したが、要するに印刷やシールの貼付が困難な場合一般を意味する。
【0023】
このような印刷の寸法精度を正確に保つことが困難な対象物に対しても、カラービットコードを付与したいという要望は大きい。
【0024】
「困難な環境条件」とは、温度や湿度等の条件が厳しい場合を言う。
【0025】
「困難な媒体」における「媒体」とは、光学式認識コードを付与するに際して、前記「困難な形状の物体」に付着する媒体を言う。具体的には「インク」などを言い、その他、光学式認識コードを印字した「粘着シール」や「タグ」等もここで言う「媒体」の一つである。
【0026】
また、光学式認識コードを対象物に付する動作を「マーキング」と呼ぶ。例えば、従来の手法で言えば、印刷や(粘着)シールの貼付、タグの取り付け、などが「マーキング」の好適な一例であった。
【0027】
従来の先行特許技術
例えば、下記特許文献1には、色の組み合わせ、色の遷移によって情報を表すコードの例が示されている。
【0028】
また、下記特許文献2には、複数の商品を集積包装(シュリンクラップ)する場合に、その商品のバーコードを読み取らないように遮蔽し、新しい包装上のバーコードを読み取らせる工夫が開示されている。下記特許文献3も同様である。
【0029】
また、下記特許文献4には、複数の缶詰のバーコードを遮蔽できるシュリンクラップ包装が開示されている。
【0030】
【特許文献1】特開2003−281481号公報
【特許文献2】特開2004−323050号公報
【特許文献3】特開2003−192019号公報
【特許文献4】特開2004−083075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
このように、光学式認識コードは極めて有用なものであるが、被印物によってはそのマーキングに困難が生じる場合もある。
【0032】
特に、有彩色を用いた光学式認識コードにおいては、利用する色彩の数だけインク等を準備する必要があり、マーキング作業は繁雑になりがちであった。したがって、商品販売直前にマーキングすること等は、困難であり、特に、上述したように凹凸のある面等においては、更にマーキングが困難となりがちであった。
【0033】
本発明は、以上述べたような状況に基づきなされたものであり、その目的は、従来の方法に比べて、光学式認識コードをより容易にマーキングする方法を実現することである。
【0034】
特に、本発明は、有彩色を利用した光学式認識コードを、より容易にマーキングする方法を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0035】
この目的を実現するために、本発明は、2段階によるマーキング方法を提案する。
【0036】
まず、予め工場等で、有色の物体を被印物に付着させておく。そして次にその物体を所定の遮蔽物で遮蔽することによって、最終的なカラービットコードをマーキングするのである。
【0037】
このように、本発明は、被印物に対する色の付着(インクや糸色など)と、その遮蔽(シールの貼付、刺繍パッチの付与など)という2ステップによって、マーキングを行うことをその原理とする。
【0038】
具体的には、本発明は、以下のような手段を採用する。
【0039】
(1)本発明は、上記課題を解決するために、有色体を被印物上に配置する有色体配置ステップと、前記有色体上に、遮蔽部材を配置する遮蔽部材配置ステップと、を含み、前記遮蔽部材によって遮蔽されずに露出している前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0040】
(2)また、本発明は、上記課題を解決するために、有色体を被印物上に配置する有色体配置ステップと、前記有色体の所定部位を除去する有色体除去ステップと、を含み、前記有色体除去ステップにおいて除去されずに露出している前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする除去による光学式認識コードマーキング方法である。
【0041】
(3)また、本発明は、上記課題を解決するために、有色体を被印物上に配置する有色体配置ステップと、前記有色体の所定部位を変色させる有色体変色ステップと、を含み、前記有色体変色ステップにおいて変色されなかった前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法である。
【0042】
(4)また、本発明は、上記課題を解決するために、透光性を有する有色体を明色である被印物上に配置する有色体配置ステップと、前記被印物の所定部位を暗色に変色させる被印物変色ステップと、を含み、前記被印物変色ステップにおいて変色されずに残った前記被印物上に配置される前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法である。
【0043】
(5)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)〜(3)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体は、有彩色を有する物体であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0044】
(6)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(5)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体は、前記被印物上に刺繍されている有彩色の糸色であり、前記被印物は、繊維製品であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0045】
(7)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)〜(3)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体は、有彩色を有する顔料又は染料を含むことを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0046】
(8)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(7)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体は、前記被印物上に印刷することによって前記被印物上に配置されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0047】
(9)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)又は(5)〜(8)のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキングシステムにおいて、前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色を有する部材であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0048】
(10)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(9)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色を有する糸色を前記被印物上に刺繍することによって形成されており、前記被印物は、繊維製品であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0049】
(11)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)又は(5)〜(8)のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色の顔料又は染料であり、印刷によって、この遮蔽部材が前記被印物上に配置されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0050】
(12)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)又は(5)〜(8)のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色を有する粘着シールであり、この遮蔽部材が前記被印物上に配置・固定されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0051】
(13)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)又は(5)〜(8)のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色のシート部材であり、開口部を1箇所又は複数箇所有しており、この遮蔽部材は前記被印物上に配置され、前記開口部を通じて下部に配置された有色体が露出することを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0052】
(14)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(1)又は(5)〜(8)のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記遮蔽部材は、透明のシート部材であり、表面又は内部に、前記有色体の色とは異なる色に着色された部位を有しており、この遮蔽部材が前記被印物上に配置され、前記着色された部位によって下部に配置された有色体が遮蔽されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0053】
(15)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(2)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体除去ステップにおける所定部位の有色体は、前記被印物の所定部位が堀削されることによって除去されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0054】
(16)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(2)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体除去ステップにおける所定部位の有色体は、前記被印物の所定部位に開口部が設けられることによって除去されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0055】
(17)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(3)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体変色ステップにおける所定部位の有色体は、加熱されることによって変色することを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0056】
(18)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(3)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記有色体変色ステップにおける所定部位の有色体は、光が照射されることによって変色することを特徴とする光学式認識コードマーキング方法である。
【0057】
(19)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(4)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記被印物変色ステップにおける所定部位の被印物は、加熱されることによって暗色に変色し、前記被印物の変色されなかった他の部位上に配置される前記有色体の色彩が外部に呈示されることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法である。
【0058】
(20)また、本発明は、上記課題を解決するために、上記(4)に記載の光学式認識コードマーキング方法において、前記被印物変色ステップにおける所定部位の被印物は、光が照射されることによって暗色に変色し、前記被印物の変色されなかった他の部位上に配置される前記有色体の色彩が外部に呈示されることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法である。
【発明の効果】
【0059】
以上述べたように、本発明によれば、予め被印物上に有色体を配置し、その上に黒色などの遮蔽部材を配置することによって、光学式認識コードをマーキングしたので、容易にマーキングを行うことが可能である。
【0060】
特に、色彩を利用した光学式認識コードにおいては、利用する各色彩を、各コードに合わせてそれぞれ制御してマーキングを行うことが従来は必要であったが、本発明によれば、コードに基づく制御は前記有色体の色とは異なる色を有する黒色(又は地色)だけでよく、簡易にマーキングを行えるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、図面を参照して、本発明に係るカラービットマーキングの好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0062】
実施の形態1
本実施の形態では、被印物に対して色糸を織り込んだり刺繍することでカラービットコードを実現した例を説明する。本実施の形態において特徴的なことは、色糸を表出、遮蔽することによって光学式認識コードをマーキングしたことである。
【0063】
まず、本実施の形態では、帯状に色のついたリボンや線材を被印物上に配置し、次に、別の遮蔽部材でその上を覆うことでカラービットコードを実現している。これらリボン・線材は、請求の範囲の有色体・物体の好適な一例に相当する。
【0064】
その様子が図1に示されている。図1に示す例では、
(1)まず、布の被印物28に対して、リボン状糸30を縫い込む。
【0065】
(2)リボン状糸30の所定部位を黒色の刺繍パッチ32a〜32lで覆って隠す。
【0066】
という2個の工程によって、カラービットコードが布の被印物28上にマーキングされる様子が示されている。
【0067】
なお、本文では、「カラービットコード」を、「光学式認識コードであって、色彩の組み合わせ、遷移、変化で情報を表現し、各色彩の領域(セル)の大きさ・間隔は直接には表現したい情報に影響を及ぼさないコード」を意味する総称として用いている。
【0068】
さて、図1(a)に示すように、布の被印物28上には、赤のリボン状糸30rと、緑のリボン状糸30gと、青のリボン状糸30bとが3本並んで縫いつけられている。そして、刺繍によって、黒の刺繍パッチ32が所定の位置に設けられている。
【0069】
この結果、刺繍パッチ32a〜32lが設けられていない部分の色彩が外部に露出し、カラービットコードを構成することができる。このような黒い刺繍パッチ32a〜32lによって図1(b)に示すようなカラービットコードが得られている。図1(b)においては、RやG、Bと記された長方形が各セルを表す。
【0070】
なお、ここで示した例は、「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適
である。
【0071】
このような手法によれば、繊維製品に対して、工場出荷時点で有彩色のリボン状糸30を縫いつけておき、小売店で黒の刺繍パッチ32a〜32lを刺繍することによって、容易にカラービットコードをマーキングすることができる。
【0072】
なお、ここでは、黒色の刺繍パッチ32a〜32lを利用したが、布の被印物28の地色と同色のパッチとすることも好ましい。
【0073】
小売店等では、種々の色彩をマーキングする手段を準備することは繁雑な作業となりがちであり負担が増大してしまうが、本実施の形態によれば、小売店では黒色の刺繍パッチ30を付する手段さえ用意すれば足りるので、極めて簡単に有彩色を利用した光学式認識コードをマーキングすることができ、利便性に富むシステムを構築することが可能である。
【0074】
なお、赤や青、緑色のリボン状糸30r、30b、30gは、請求の範囲における有色体の好適な一例に相当する。また、リボン状であることは、物体の好適な一例を表す。また、黒色の刺繍パッチ32a〜32lは、請求の範囲の遮蔽部材の好適な一例に相当する。さらに、黒色の刺繍パッチ32a〜32lは被印物の布製品の色と同色のパッチとすることもデザイン上だけでなく、コードの読み取り精度の向上の点からも好適である。
【0075】
実施の形態2
同様に、帯状に色のついたリボンや線材を印刷や別部材で覆うことでカラービットコードを実現した他の例を説明する。
【0076】
図2(a)に示す例では、まず、布の被印物38上に、赤のリボン状糸40rと、緑のリボン状糸40gと、青のリボン状糸40bとが3本並んで縫いつけられている。そして、刺繍によって、黒の刺繍パッチ42が所定の位置に設けられている。
【0077】
この結果、刺繍パッチ42a〜42rが設けられていない部分の色彩が外部に露出し、カラービットコードを構成することができる。このような黒い刺繍パッチ42a〜42rによって図2(b)に示すようなカラービットコードが得られている。図2(b)においては、RやG、Bと記された長方形が各セルを表している。
【0078】
なお、ここで示した例は、例えば、「1Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196705)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適である。
【0079】
実施の形態3
本実施の形態では、帯状に色が印刷された紙面上に、開口部を有する遮蔽紙を被せることでカラービットコードを実現した例を説明する。本実施の形態において特徴的なことは、遮蔽紙に孔を開けるという簡単な方法によって、下部の色帯の色が開口部を通じて外部に露出され、光学式認識コードをマーキングできることである。
【0080】
図3(a)に示す例では、まず、紙の被印物48上に、赤の色帯50rと、緑の色帯50gと、青の色帯50bとが3本並んで印刷されている。
【0081】
そして、紙の被印物48上には白色の遮蔽紙52aが配置されており、遮蔽紙52aには所定の位置に開口部52b〜52xが開けられている。
【0082】
この結果、開口部52b〜52xの下部に位置する色帯50r、50g、50bの色彩が開口部を通じて外部に露出し、カラービットコードを構成することができる。このような遮蔽紙52aによって、図3(b)に示すようなカラービットコードが得られている。図2(b)においては、RやG、Bと記された長方形が各セルを表す。
【0083】
なお、ここで示した例は、「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適である。
【0084】
また、ここで示した例では、開口部52b〜52xは円形であるが、下部に位置する色帯の色彩を外部に露出できれば、任意の形に開口部を開けることができる。
【0085】
このような手法によれば、例えば封書の郵便物等を送る場合において、予め色帯が印刷された書面を封筒に入れておき、封筒に孔を開けることで、簡単に、外部に郵便カスタマバーコードなどを表示することができる。
【0086】
実施の形態4
同様に、帯状に色が印刷された紙面を、遮蔽部を設けた透明のシート状部材で覆うことでカラービットコードを実現した例を説明する。
【0087】
図4(a)に示す例では、まず、紙の被印物58上に、赤の色帯60rと、緑の色帯50gと、青の色帯50bとが3本並んで印刷されている。
【0088】
そして、紙の被印物58上にはプラスチック製の透明シート62aが配置されており、透明シート62aには所定の位置に印刷によって黒色の遮蔽部62b〜62mが設けている。
【0089】
この結果、遮蔽部62b〜62mが設けられていない部分の色彩が外部に透過し、カラービットコードを構成することができる。このような遮蔽部62b〜62mによって図4(b)に示すようなカラービットコードが得られている。図4(b)においては、RやG、Bと記された長方形が各セルを表している。
【0090】
なお、ここで示した例は、例えば、「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適である。
【0091】
実施の形態5
本実施の形態では、帯状に色が塗布された木板を用いて、エンドミルなどで所定部位を堀削してカラービットコードを実現した例を説明する。
【0092】
図5(a)に示す例では、まず、木板68上に、ペンキを用いて、赤の色帯70rと、緑の色帯70gと、青の色帯70bとが3本並んで描かれている。
【0093】
次に、板68の所定部位をエンドミル65を用いて堀削する。堀削によって、図5(b)に示すように、板68の表面に堀削部72a〜72dが設けられている。
【0094】
この結果、堀削部72a〜72dが設けられていない部分の色彩が木板68上に残ることとなり、カラービットコードを構成することができる。このように、堀削部72a〜72dを設けることによって、図5(c)に示すようなカラービットコードが得られている。図5(c)においては、RやG、Bと記された長方形が各セルを表している。
【0095】
なお、ここで示した例は、例えば「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適である。
【0096】
実施の形態6
本実施の形態では、帯状に色が塗布された木板を用いて、ドリルなどで所定部位に開口部を設けることによって、カラービットコードを実現した例を説明する。
【0097】
図6(a)に示す例では、まず、木板78上に、ペンキを用いて、赤の色帯80rと、緑の色帯80gと、青の色帯80bとが3本並んで描かれている。
【0098】
次に、ドリル75を用いて木板78の所定部位に開口部を設ける。図6(b)では、開口部82a〜82dが設けられた様子を示している。
【0099】
この結果、開口部82a〜82dが設けられていない部分の色彩が木板78上に残ることとなり、カラービットコードを構成することができる。このように、開口部82a〜82dを設けることによって、図6(c)に示すようなカラービットコードが得られている。図6(c)においては、RやG、Bと記された長方形が各セルを表している。
【0100】
なお、ここで示した例は、例えば「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適である。
【0101】
実施の形態7
本実施の形態では、透光性を有する有色体が帯状に印刷された感熱紙を、サーマルヘッドなどで所定部位を加熱し、変色させることによってカラービットコードを実現した例を説明する。
【0102】
図7(a)に示す例では、明色(例えば白色)の感熱紙88上に、赤の色帯90rと、緑の色帯90gと、青の色帯90bとが3本並んで印刷された様子を示している。それぞれの色帯は透光性を有している。感熱紙88で光が反射されることによって、赤の色帯90rは赤色に、緑の色帯90gは緑色に、青の色帯90bは青色に、それぞれ肉眼で識別することができる。
【0103】
次に、サーマルヘッド85を用いて感熱紙88の所定部位を加熱する。この所定部位には、上記色帯90r、90g、90bが印刷されており、感熱紙88を暗色に変色させることによって、外部にこの暗色を呈示させることが可能である。明色から暗色(例えば黒色)に変色された部分が暗色部92a〜92hである。図7(b)は、感熱紙88上に暗色部92a〜92hが形成された様子を示している。
【0104】
また、図7(b)における断面C−C’を図7(c)に示している。サーマルヘッド85によって感熱紙88の所定部位が加熱され、暗色部89a〜89cが形成されている。暗色部89a〜89cが形成された部位は光が反射されず、色を呈示しない。具体的には、領域94a、94c、94eは黒色である。これに対して、暗色部が形成されていない部位は、光が反射されるため、感熱紙88上に配置された透光性を有する青の色帯の色を肉眼で識別することができる。
【0105】
この結果、変色されずに残った部位の色帯の色が外部に呈示され、図7(d)に示すようなカラービットコードを得る。図7(d)においては、RやG、Bと記された長方形がカラービットコードの各セルを表している。
【0106】
なお、ここで示した例は、例えば「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適である。
【0107】
実施の形態8
本実施の形態では、所定の強い光が照射されることによって変色する性質を有する有色体が帯状に印刷された紙を、レーザーヘッドなどで所定部位にレーザー光を照射させることによって変色させて、カラービットコードを実現した例を説明する。
【0108】
図8(a)に示す例では、紙98に、赤の色帯100rと、緑の色帯100gと、青の色帯100bとが3本並んで印刷された様子を示している。赤の色帯100rと、緑の色帯100gと、青の色帯100bは、いずれも光を照射されることによって変色する性質を有する有色体である。
【0109】
次に、レーザーヘッド95で有色体にレーザー光を照射し、有色体の所定部位を明色から暗色に変色させる。明色から暗色に変色された部分が暗色部102a〜102hである。図8(b)は、有色体に暗色部102a〜102hが形成された様子を示している。
【0110】
また、図8(b)における断面C”−C”’を図8(c)に示している。レーザーヘッド95で青の色帯100bにレーザー光を照射することによって、青の色帯100b中に変色部101a〜101cが設けられ、領域104a、104c、104eは黒色に変色する。一方、領域104b、104d、104fでは色の変化はなく、青の色帯の色がそのまま肉眼で識別できる。
【0111】
この結果、変色されずに残った色帯の色が外部に呈示され、図8(d)に示すようなカラービットコードを得る。図8(d)においては、RやG、Bと記された長方形がカラービットコードを表している。
【0112】
なお、ここで示した例は、例えば「1.5Dカラービットコード」と呼ぶ光学式認識コード(特願2006−196548)であるが、もちろん他のコード体系を採用することも好適である。
【0113】
変形例
上述した本実施の形態1や2では刺繍の例を示したが、覆うことができれば、他の印刷やシールなど、種々の手法を利用することができる。また、被印物の性質その他の条件によって好適な材料・手法を選択できる。
【0114】
例えば、前記有色体の色とは異なる色のインクを用いて印刷を行うことによって覆い、隠すことが好適である。このようなインクは顔料や染料を用いて構成することが可能である。すなわち、この顔料や染料が、請求の範囲における遮蔽部材の好適な一例となる。
【0115】
また、例えば、前記有色体の色とは異なる色の粘着シールを用いて色の付いたリボンや線材を覆い、隠すことが好適である。このような粘着シールは、請求の範囲における遮蔽部材の好適な一例となる。
【0116】
また、上述した本実施の形態3では遮蔽シートとして紙を用いた例を示したが、覆うことができれば、プラスチック製シートや薄板など、種々の材質の部材及び手法を利用することができる。被印物の性質その他の条件によって好適な材料・手法を選択できる。
【0117】
例えば、前記有色体の色とは異なる色の紙に、所定の開口部を設け、前記紙を被印物に被せることによって覆い、隠すことが好適である。すなわち、この紙が、請求の範囲における遮蔽部材の好適な一例となる。
【0118】
また、上述した本実施の形態4では透明シートとしてプラスチック製の透明シートを用いた例を示したが、有色体の色彩を外部に透過させることができれば、ガラス板など、種々の材料及び手法を利用することができる。また、被印物の性質その他の条件によって好適な材料・手法を選択できる。
【0119】
また、さらに、上述した本実施の形態4では、遮蔽部を印刷によって設ける例を示したが、遮蔽部を設けることができれば、他の手法及び材料を利用することができる。例えば、シールを透明シートに貼り付けたり、マーカーで透明シートにマーキングすることによって遮蔽部を設けるなどの手法は好適な一例となる。また、被印物の性質その他の条件によって好適な材料・手法を選択できる。
【0120】
また、上述した本実施の形態5及び6では、木板に堀削部又は開口部を設ける例を示したが、堀削部又は開口部を設けることができれば、他の手法及び材料を利用することができる。例えば、プリント配線板や金属製の板を利用して堀削部又は開口部を設けるなどの手法は好適な一例となる。また、被印物の性質その他条件によって好適な材料・手法を選択できる。
【0121】
また、さらに、上述した本実施の形態5及び6では、ペンキを用いて色を塗布する例を示したが、有色体を構成することができれば、他の手法及び材料を利用することができる。例えば、金属箔や導電性インク、インクジェットプリンターのインク、顔料や染料を用いて有色体を構成することが好適な一例となる。また、被印物の性質その他条件によって好適な材料及び塗布方法を選択できる。
【0122】
さらに、上述した本実施の形態7では、明色(例えば白色)の感熱紙に暗色部(例えば黒色)を設ける例を示したが、加熱や光の照射によって暗色部を設けることができれば、他の手法及び材料を利用することができる。例えば、光によって暗色に変色する色素を用いて被印物を構成することが好適な一例となる。また、被印物及び有色体の性質その他の条件によって好適な材料及び配置方法を選択できる。
【0123】
また、上記実施の形態7では、明色の例として白色を示したが、光を反射する明るい色であれば、どのような色彩でも構わない。例えば、クリーム色や象牙色などの光反射率の高い色彩であればよく、例えば銀色などでも好適である。
【0124】
また、上記実施の形態7では、暗色の例として黒色を示したが、光をほとんど反射しない色彩であればよく、例えば暗い灰色等でも好ましい。
【0125】
また、さらに上述した本実施の形態8では、紙に、光を照射することによって変色する性質を有する有色体を印刷し、所定の強い光を照射して変色部を設ける例を示したが、過熱や光の照射によって変色部を設けることができれば、他の手法及び材料を利用することができる。例えば、加熱によって変色する色素を用いて有色体を構成することが好適な一例となる。また、変色部の色が有色体の色とは異なる色であれば、有色体の材料及び塗布手法を任意に選択できる。また、被印物及び有色体の性質その他条件によって好適な材料及び配置方法を選択できる。すなわち、マーキングに用いている色とは異なる色であればどのような色を用いても構わない。
【0126】
このように、まず、有色体(糸色、色の付いたリボン・線材、透光性を有するインク)を被印物(布、木板、プリント配線基板、感熱紙、紙)上に配置しておき、次に、遮蔽部材(黒色等の刺繍や印刷、シール、開口部を有する紙、遮蔽部を設けた透明シート)で覆う又は開口部を設ける又は堀削する又は加熱や光の照射によって変色させることによって光学式認識コードをマーキングすることができる。遮蔽部材は、被印物と同色とすることも好適である。
【0127】
マーキングのタイミング
さて、本実施の形態によれば、予め有色体を被印物に設けておき、販売直前に遮蔽部材を用いて所望の光学式認識コードをマーキングする等の方法を採用することが可能である。このような手法を採用すれば、販売の現場で、例えば黒色のマーカー等のみを準備することによって販売直前にマーキングを行うことができ、利便性の高いマーキングを行うことが可能である。
【0128】
特に、このようなシステムを採用する場合は、利用する色彩の数の変化(増加)等にも柔軟に対応することができる。すなわち、有色体を被印物に付する複雑な作業は工場等で一括して行い、最終的なマーキングは、1色の遮蔽部材だけで行うので、変更が工場等だけで済むからである。したがって、小売店等のシステムをい変更せずに色彩数の変更等に柔軟に対応することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本実施の形態1の帯状に色のついたリボンや線材を印刷や別部材で覆うことでカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【図2】本実施の形態2の帯状に色のついたリボンや線材を印刷や別部材で覆うことでカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【図3】本実施の形態3の帯状に色が印刷された紙面を開口部を設けた紙で覆うことでカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【図4】本実施の形態4の帯状に色が印刷された紙面を、遮蔽部を設けた透明のシート状部材で覆うことでカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【図5】本実施の形態5の帯状に色が塗布された木板に、堀削部を設けることによってカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【図6】本実施の形態6の、帯状に色が塗布された木板に、開口部を設けることによってカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態7の、帯状に色が印刷された感熱紙に、暗色部を設けることによってカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【図8】本実施の形態8の、紙に印刷された色帯に暗色部を設けることによってカラービットコードを実現した例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0130】
28 被印物7
30 リボン状糸
30r 赤のリボン状糸
30b 青のリボン状糸
30g 緑のリボン状糸
32a〜32l 黒の刺繍パッチ
38 布の被印物
40 リボン状糸
40r 赤のリボン状糸
40b 青のリボン状糸
40g 緑のリボン状糸
42a〜42r 黒の刺繍パッチ
48 紙の被印物
50 印刷された色帯
50r 赤の色帯
50b 青の色帯
50g 緑の色帯
52a 遮蔽紙
52b〜52x 開口部
58 紙の被印物
60 印刷された色帯
60r 赤の色帯
60b 青の色帯
60g 緑の色帯
62a 透明シート
62b〜62m 黒の遮蔽部
65 エンドミル
68 木板
70r 赤の色帯
70b 青の色帯
70g 緑の色帯
72a〜72d 堀削部
75 ドリル
78 木板
80r 赤の色帯
80b 青の色帯
80g 緑の色帯
82a〜82d 開口部
85 サーマルヘッド
88 感熱紙
89a〜89c 暗色部
90r 赤の色帯
90b 青の色帯
90g 緑の色帯
92a〜92h 暗色部
94a〜94f 領域
95 レーザーヘッド
98 紙
100r 赤の色帯
100b 青の色帯
100g 緑の色帯
101a〜101c 暗色部
102a〜102h 暗色部
104a〜104f 領域
C−C’ 断面
C”−C”’ 断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有色体を被印物上に配置する有色体配置ステップと、
前記有色体上に、遮蔽部材を配置する遮蔽部材配置ステップと、
を含み、
前記遮蔽部材によって遮蔽されずに露出している前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項2】
有色体を被印物上に配置する有色体配置ステップと、
前記有色体の所定部位を除去する有色体除去ステップと、
を含み、
前記有色体除去ステップにおいて除去されずに露出している前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする除去による光学式認識コードマーキング方法。
【請求項3】
有色体を被印物上に配置する有色体配置ステップと、
前記有色体の所定部位を変色させる有色体変色ステップと、
を含み、
前記有色体変色ステップにおいて変色されなかった前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法。
【請求項4】
透光性を有する有色体を明色である被印物上に配置する有色体配置ステップと、
前記被印物の所定部位を暗色に変色させる被印物変色ステップと、
を含み、
前記被印物変色ステップにおいて変色されずに残った前記被印物上に配置される前記有色体の部位が、光学式認識コードを形成していることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法。
【請求項5】
請求項1〜3に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体は、有彩色を有する物体であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項6】
請求項5に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体は、前記被印物上に刺繍されている有彩色の糸色であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項7】
請求項1〜3に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体は、有彩色を有する顔料又は染料を含むことを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項8】
請求項7に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体は、前記被印物上に印刷することによって前記被印物上に配置されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項9】
請求項1又は5〜8のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキングシステムにおいて、
前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色を有する部材であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項10】
請求項9に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色を有する糸色を前記被印物上に刺繍することによって形成されており、
前記被印物は、繊維製品であることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項11】
請求項1又は5〜8のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色の顔料又は染料であり、印刷によって、この遮蔽部材が前記被印物上に配置されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項12】
請求項1又は5〜8のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色の粘着シールであり、この遮蔽部材が前記被印物上に配置・固定されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項13】
請求項1又は5〜8のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記遮蔽部材は、前記有色体の色とは異なる色のシート部材であり、開口部を1箇所又は複数箇所有しており、この遮蔽部材は前記被印物上に配置され、前記開口部を通じて下部に配置された有色体が露出することを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項14】
請求項1又は5〜8のいずれか1項に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記遮蔽部材は、透明のシート部材であり、表面又は内部に、前記有色体の色とは異なる色に着色された部位を有しており、この遮蔽部材が前記被印物上に配置され、前記着色された部位によって下部に配置された有色体が遮蔽されることを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項15】
請求項2に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体除去ステップにおける所定部位の有色体は、前記被印物の所定部位が堀削されることによって除去されることを特徴とする除去による光学式認識コードマーキング方法。
【請求項16】
請求項2に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体除去ステップにおける所定部位の有色体は、前記被印物の所定部位に開口部が設けられることによって除去されることを特徴とする除去による光学式認識コードマーキング方法。
【請求項17】
請求項3に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体変色ステップにおける所定部位の有色体は、加熱されることによって変色することを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項18】
請求項3に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記有色体変色ステップにおける所定部位の有色体は、光が照射されることによって変色することを特徴とする光学式認識コードマーキング方法。
【請求項19】
請求項4に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記被印物変色ステップにおける所定部位の被印物は、加熱されることによって暗色に変色し、前記被印物の変色されなかった他の部位上に配置される前記有色体の色彩が外部に呈示されることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法。
【請求項20】
請求項4に記載の光学式認識コードマーキング方法において、
前記被印物変色ステップにおける所定部位の被印物は、光が照射されることによって暗色に変色し、前記被印物の変色されなかった他の部位上に配置される前記有色体の色彩が外部に呈示されることを特徴とする変色による光学式認識コードマーキング方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−282352(P2008−282352A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128398(P2007−128398)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(506226175)ビーコア株式会社 (39)
【Fターム(参考)】