説明

遮蔽装置

【課題】畳み込み持における畳み代を減少させるとともに、引き出し時に生じるパネルスクリーン間の隙間を減少させる。
【解決手段】遮蔽装置は、第1及び第2カーテンレール11,12が互いに所定の間隔をあけて並列に配置され、パネルスクリーン16の上縁に第1及び第2ランナ13,14が設けられ、第1ランナ13が第1カーテンレール11に走行可能に設けられ、第2ランナ14が第2カーテンレール12に走行可能に設けられる。第1及び第2ランナ13,14にパネルスクリーン16の上縁が揺動部材22を介して取付けられ、揺動部材22が揺動することによりパネルスクリーン16は第1及び第2カーテンレール11,12の長手方向に直交するパネルスクリーン16の前面側又は後面側に移動可能に構成される。パネルスクリーン16は、棒状の吊桿17と、そこに吊設されたカーテン生地18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のパネルスクリーンをカーテンレールに吊設して構成され、屋内を間仕切り、或いは、屋内の開口部を遮蔽するためにその複数のパネルスクリーンを開閉操作して使用される遮蔽装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、棒状の吊桿にカーテン生地、シート状物又は板材を吊設させた複数枚のパネルスクリーンにより屋内を間仕切り、或いは、屋内の開口部を遮蔽する遮蔽装置が知られている。この複数のパネルスクリーンを有する遮蔽装置においては、そのパネルスクリーンを引き出した際に、隣り合うパネルスクリーンとの間に重なりを持たせるため、1枚若しくは2枚のパネルスクリーンを吊設する毎に1条のカーテンレールを必要としていた。そのため、例えば4枚のパネルスクリーンを吊設する際には、4条若しくは2条のカーテンレールによってパネルスクリーンを吊設する必要があった。このように、パネルスクリーンを吊設するカーテンレールの数はパネルスクリーンの枚数に応じて決定されており、パネルスクリーンの枚数が増加すればするほどカーテンレールの数が増加し、パネルスクリーンを設置するために必要となるスペースが大きくなるという問題点があった。
【0003】
この点を解消するために、パネルスクリーンをカーテンレールに対して水平方向において僅かに傾斜させて吊設することで、パネルスクリーンの枚数に関係なく2本のカーテンレールにてパネルスクリーンを開閉可能に支持した遮蔽装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的に説明すると、この遮蔽装置では、第1及び第2カーテンレールを並列に配置し、パネルスクリーンの上縁の長手方向の両端に第1及び第2ランナを設け、その第1ランナを第1カーテンレールに走行可能に設け、第2ランナを第2カーテンレールに走行可能に設ける。するとパネルスクリーンの上縁はその長手方向がカーテンレールの長手方向に対して水平面内において僅かに傾斜し、畳み込み操作時には隣り合うパネルスクリーンの重なりを大きくすることで開度を大きくし、引き出し操作時には隣り合うパネルスクリーンの重なりを小さくすることにより、複数枚のパネルスクリーンにより屋内を間仕切り、或いは屋内の開口部を遮蔽するようになっている。
【特許文献1】実公平1−7830号公報(実用新案登録請求の範囲、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、パネルスクリーンの上縁をカーテンレールに対して水平面内において傾斜させ、第1及び第2カーテンレールにその傾斜させたパネルスクリーンを開閉可能に吊設した上記従来の遮蔽装置では、第1及び第2カーテンレールの間隔によりパネルスクリーンの傾斜角度が決定される。このため、その第1及び第2カーテンレールの間隔を狭くしてカーテンレールに対するパネルスクリーンの傾斜角度を小さくすると、畳み込み操作時に隣り合うパネルスクリーンとの重なりを大きくすることができずに、畳み込み操作時に重なり合う複数のパネルスクリーンの全体のカーテンレールの長手方向における畳み代が拡大する不具合があった。一方、第1及び第2カーテンレールの間隔を広げてカーテンレールに対するパネルスクリーンの傾斜角度を大きくすると、畳み込み操作時に隣り合うパネルスクリーンとの重なりが大きくなり、その畳み代を減少させることができるけれども、引き出し操作時に隣り合うパネルスクリーンと間に生じる隙間が拡大して遮蔽効果が減少する不具合があった。
本発明の目的は、畳み込み操作時における畳み代を減少させるとともに、引き出し操作時に生じるパネルスクリーン間の隙間を減少し得る遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、第1及び第2カーテンレール11,12が並列に配置され、パネルスクリーン16の上縁の長手方向の両端部に第1及び第2ランナ13,14が設けられ、第1ランナ13が第1カーテンレール11に走行可能に設けられ、第2ランナ14が第2カーテンレール12に走行可能に設けられた遮蔽装置の改良である。
その特徴ある構成は、第1及び第2ランナ13,14にパネルスクリーン16の上縁が揺動部材22を介して取付けられ、揺動部材22が揺動することによりパネルスクリーン16は第1及び第2カーテンレール11,12の長手方向に直交するパネルスクリーン16の前面側又は後面側に移動可能に構成されたところにある。
【0006】
この請求項1に記載された遮蔽装置では、複数のパネルスクリーン16を畳み込むと、パネルスクリーン16はそれぞれ前面側又は後面側に移動し、第1及び第2カーテンレール11,12の長手方向に直交する方向、即ちパネルスクリーン16の前面側及び後面側において複数のパネルスクリーン16は互いに重なり合う。このため、隣り合うパネルスクリーン16との重なり代は大きくなり、畳み込み時に重なり合う複数のパネルスクリーン16全体のカーテンレール11,12の長手方向における幅で表される畳み代を著しく減少させることができる。
一方、複数枚のパネルスクリーン16を引き出して屋内を間仕切り、或いは、屋内の開口部をその複数枚のパネルスクリーン16で遮蔽すると、隣り合うパネルスクリーン16との重なり代は小さくなり、前面側又は後面側に移動していたパネルスクリーン16はそれぞれ中立位置に復元するので、引き出し操作時における一のパネルスクリーン16の側端部と、それに隣接するパネルスクリーン16の重なり合う側端部との間に生じる隙間を減少させることができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、更に図5に示すように、パネルスクリーン16は、第1及び第2カーテンレール11,12に沿って設けられ両端部に第1ランナ13及び第2ランナ14が設けられた棒状の吊桿17と、吊桿17に吊設されたカーテン生地18とを備え、カーテン生地18は上部が面ファスナ23を介して吊桿17に取付けられたことを特徴とする。
この請求項2に記載された遮蔽装置では、面ファスナ23を介してカーテン生地18を吊桿17に取付けるので、季節や気分等にあわせて異なる模様や色柄を有する複数種類のカーテン生地18を吊桿17に取付けることが可能になり、吊桿17から取外すことによりカーテン生地18のみの洗浄も可能となる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明であって、更に図7に示すように、棒状の吊桿17に長手方向に移動可能な上部スライダ24が設けられ、一のパネルスクリーン16の上部スライダ24が一のパネルスクリーン16に隣接する他のパネルスクリーンの吊桿17に連結材26により連結されたことを特徴とする。
この請求項3に記載された遮蔽装置では、畳み込み状態から引き出し端のパネルスクリーン16を引き出すと、その吊桿17に連結材26を介して連結された隣接するパネルスクリーン16における上部スライダ24は、その隣接するパネルスクリーン16の吊桿17においてその長手方向に移動する。引き出し端のパネルスクリーン16の引き出しを継続すると、隣接するパネルスクリーン16における上部スライダ24は吊桿17の移動可能な範囲の端部にまで至り、その吊桿17上においてその移動を停止する。引き出し端のパネルスクリーン16の引き出しを更に継続すると、その吊桿17に連結材26を介して連結された隣接するパネルスクリーン16における上部スライダ24はその吊桿17と一体となってその隣接するパネルスクリーン16を引っ張り、引き出し端のパネルスクリーン16の移動にあわせてその隣接するパネルスクリーン16を移動させる。よって、この請求項3に記載された遮蔽装置では、畳み込み状態の複数枚のパネルスクリーン16を引き出す際に、引き出し端のパネルスクリーン16を引き出すだけで、それに連動して隣接するパネルスクリーン16を順次引き出すことが可能となる。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明であって、パネルスクリーン16は、吊桿17に吊設されたカーテン生地18の下部に面ファスナを介して取付けられたウエイトバー19を有し、ウエイトバー19に長手方向に移動可能な下部スライダが設けられ、一のパネルスクリーン16の下部スライダが一のパネルスクリーン16に隣接する他のパネルスクリーン16のウエイトバー19に連結材により連結されたことを特徴とする。
この請求項4に記載された遮蔽装置では、畳み込み状態から引き出し端のパネルスクリーン16を引き出すと、そのウエイトバー19に連結材を介して連結された隣接するパネルスクリーン16における下部スライダは、その隣接するパネルスクリーン16のウエイトバー19においてその長手方向に移動し、その移動可能な範囲の端部にまで至り、そのウエイトバー19上においてその移動を停止する。引き出し端のパネルスクリーン16の引き出しを更に継続すると、そのウエイトバー19に連結材を介して連結された隣接するパネルスクリーン16における下部スライダはそのウエイトバー19と一体となってその隣接するパネルスクリーン16を引っ張って、その隣接するパネルスクリーン16を移動させる。よって、この請求項4に記載された遮蔽装置では、畳み込み状態の複数枚のパネルスクリーン16を引き出す際に、パネルスクリーン16の下部を構成するウエイトバー19が必要以上にその前面側又は後面側に移動することを防止しつつ、パネルスクリーン16を順次引き出すことができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の遮蔽装置では、第1及び第2ランナにパネルスクリーンの上縁を揺動部材を介して取付け、パネルスクリーンがその前面側又は後面側に移動可能に構成したので、複数のパネルスクリーンを畳み込むと、パネルスクリーンはそれぞれ前面側又は後面側に移動し、第1及び第2カーテンレールの長手方向に直交する方向に複数のパネルスクリーンが互いに重なり合う。このため、隣り合うパネルスクリーンとの重なり代は大きくなり、畳み込み時に重なり合う複数のパネルスクリーン全体のカーテンレールの長手方向における幅で表される畳み代を著しく減少させることができる。一方、複数枚のパネルスクリーンを引き出すと、前面側又は後面側に移動していたパネルスクリーンはそれぞれ中立位置に復元するので、引き出し操作時における一のパネルスクリーンの側端部と、それに隣接するパネルスクリーンの重なり合う側端部との間に生じる隙間を減少させることができる。
【0011】
また、パネルスクリーンが棒状の吊桿と面ファスナを介してそこに吊設されたカーテン生地とを備えれば、異なる模様や色柄を有する複数種類のカーテン生地を吊桿に取付けることが可能になる。そして、その吊桿に移動可能な上部スライダを設け、その上部スライダを隣接する他のパネルスクリーンに連結材により連結することにより、引き出し端のパネルスクリーンを引き出すだけで、それに連動して隣接するパネルスクリーンを順次引き出すことが可能となる。
更に、パネルスクリーンが、吊桿に吊設されたカーテン生地の下部に取付けられたウエイトバーを有するものであれば、そのウエイトバーに移動可能な下部スライダを設け、その下部スライダを隣接する他のパネルスクリーンのウエイトバーに連結材により連結することにより、畳み込み状態の複数枚のパネルスクリーンを引き出す際に、パネルスクリーンの下部を構成するウエイトバーが必要以上にその前面側又は後面側に移動することを防止しつつ、パネルスクリーンを順次引き出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の遮蔽装置10は、互いに所定の間隔をあけて並列に配置された第1及び第2カーテンレール11,12を備える。この実施の形態における第1及び第2カーテンレール11,12は金属又は樹脂の押出成形により作られ、それらは隣接して一体的に形成される。そしてこの第1及び第2カーテンレール11,12はそれぞれが同一の断面形状に形成される。即ち、第1及び第2カーテンレール11,12は、断面が四角形であって長手方向に連続して形成された第1及び第2空間11a,12aと、この第1及び第2空間11a,12aの幅より小さな幅を有し、この第1及び第2空間11a,12aの下部をその下方に存在する外部に開放する第1及び第2スリット11b,12bを備える。この一体的に形成された第1及び第2カーテンレール11,12は、取付ブラケット15を介して水平であってかつ真っ直ぐな状態で壁面に固定される。
【0013】
本発明の遮蔽装置10は、第1カーテンレール11に走行可能に設けられた第1ランナ13と、第2カーテンレール12に走行可能に設けられた第2ランナ14を備える。第1ランナ13と第2ランナ14は同一構造であるので、第2ランナ14を代表して説明すると、このランナ14は、第2カーテンレール12における第2スリット12bの幅より大きく第2空間12aの幅より小さな外径を有する円板状の2枚のフランジ14a,14bが、第2スリット12bの幅より小さな外径を有する断面円形のボス14dを介して積層された構造を有し、下段のフランジ14bには取付片14fが下方に突出して設けられ、その取付片14fには取付孔14gが形成される。そして、上段のフランジ14aを第2カーテンレール12における第2空間12aに挿入し、その上段のフランジ14aと下段のフランジ14bを接続するボス14dを第2カーテンレール12の第2スリット12bに挿入することにより、この第2ランナ14は、第2カーテンレール12を長手方向に移動可能に構成される。そして、同様に、第1ランナ13の上段のフランジ13aを第1カーテンレール11における第1空間11aに挿入し、その上段のフランジ13aと下段のフランジ13bを接続するボス13dを第1カーテンレール11の第1スリット11bに挿入することにより、この第1ランナ13は、第1カーテンレール11を長手方向に移動可能に構成される。
【0014】
また、本発明の遮蔽装置10は、上縁が上述した第1及び第2ランナ13,14に吊持されるパネルスクリーン16を備える。この実施の形態におけるパネルスクリーン16は、図1及び図2に示すように、その上部を形成し第1ランナ13及び第2ランナ14に吊持される棒状の吊桿17と、その吊桿17に吊設されたカーテン生地18と、このカーテン生地18の下部に取付けられたウエイトバー19とを備える。この吊桿17は金属又は樹脂の押出成形材からなる板材であって、図5に示すようにその断面形状にあってはその上端及び下端がパネルスクリーン16の後面側にそれぞれ折り返され、互いに対向する凹溝が上下にそれぞれ形成される。そして、この吊桿17の両端には、第1及び第2ランナ13,14を取付けるための取付部材21が取付けられる。
【0015】
図4〜図6に示すように、この取付部材21は、吊桿17の上下における凹溝にその上縁及び下縁が挿入されてその吊桿17の端部に挿入される平板状の挿入部21aと、その挿入部21aの端縁にその挿入部21aと一体的に形成された取付部本体21bとを備える。挿入部21aには、その中央部分に挿入方向を底とするU字状の切欠き21cが形成される。このU字状の切欠き21cにより包囲された部分により弾性片21dが形成され、その弾性片21dの挿入方向端部には吊桿17側に突出する係止用突起21eが形成される。この係止用突起21eに対応する吊桿17にはその係止用突起21eの外径に相応する係止孔17aが形成され、挿入部21aを吊桿17の端部から挿入すると、弾性片21dは弾性変形して係止用突起21eを吊桿17から遠ざける。そして係止用突起21eが係止孔17aに対向した段階で復元して係止用突起21eが係止孔17aに挿入して係止され、これにより取付部材21はこの吊桿17の長手方向の両端にそれぞれ取付けられる。
【0016】
図1に戻って、取付部材21の取付部本体21bにはその上部に被取付孔21fが形成される。この被取付孔21fと第1ランナ13及び第2ランナ14における取付孔13g,14gとの間には長円状に加工されたリングからなる揺動部材22により連結される。即ち、パネルスクリーンを構成する吊桿17は、この取付部材21及び揺動部材22を介して第1ランナ13及び第2ランナ14に吊持される。そして、図1の拡大図に示すように、この揺動部材22はパネルスクリーン16の上縁にその長手方向に直交する幅方向に揺動することにより第1及び第2ランナ13,14に対してパネルスクリーンは第1及び第2カーテンレール11,12の長手方向に直交する幅方向である、パネルスクリーン16の前面側又は後面側に移動可能に構成される。
【0017】
図5に示すように、この吊桿17の室内側の片面には長手方向に面ファスナの一方23aが添着され、カーテン生地18の上部には長手方向に面ファスナの他方23bが添着される。そして、このカーテン生地18の上部はこの面ファスナ23を介して吊桿17に取外し可能に取付けられる。図1〜図3に戻って、カーテン生地18の下部に取付けられたウエイトバー19は吊桿17と同一構造のものが用いられる。図示しないが、このウエイトバー19のパネルスクリーン16の前面側の片面には長手方向に面ファスナの一方が添着され、カーテン生地18の下部には長手方向に面ファスナの他方が添着される。そして、このカーテン生地18の下部にはこの面ファスナを介してウエイトバー19が取外し可能に取付けられる。カーテン生地18の添着は上下方向で対称構造となるため、上下を反転しても添着可能であり、意匠上の多様性を得ることができる。
【0018】
図7及び図8に示すように、棒状の吊桿17には、その長手方向に移動可能な上部スライダ24が設けられる。この上部スライダ24は、上下が吊桿17の上下に形成された溝に挿入されてその吊桿17に対して長手方向に移動可能に構成された平板部24aと、その平板部24aの端縁に吊桿17から遠ざかるようにその平板部24aと一体的に形成された立上り部24bとを備える。この上部スライダ24における立上り部24bには、連結材であるチェーン26の一端が取付けられ、そのチェーン26の他端はそのパネルスクリーン16に隣接する他のパネルスクリーン16の吊桿17に連結される。具体的には他の吊桿17の端部に取付けられた取付部材21に接続される。
【0019】
一方、図示しないが、ウエイトバー19にも、その長手方向に移動可能な下部スライダが設けられ、一のパネルスクリーン16の下部スライダが一のパネルスクリーン16に隣接する他のパネルスクリーン16のウエイトバー19に連結材により連結される。この下部スライダの構造は上部スライダ24を他のパネルスクリーン16の吊桿17に連結材により連結する構造と同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0020】
図1に戻って、パネルスクリーン16の上縁に設けられた第1及び第2ランナ13,14の内の一方である第1ランナ13は第1カーテンレール11に走行可能に設けられ、他方である第2ランナ14は第2カーテンレール12に走行可能に設けられる。従って、図3に示すように、パネルスクリーン16は互いに並設された第1及び第2カーテンレール11,12に対して水平方向において僅かに傾斜してその第1及び第2カーテンレール11,12に吊設される。また、図2に示す符号27は、引き出し端のパネルスクリーン16における取付部材21に吊持され、そのパネルスクリーン16を第1及び第2カーテンレール11,12に沿って移動させるための操作ハンドル27を示す。
【0021】
このように構成された本発明の遮蔽装置では、複数のパネルスクリーン16を畳み込むと、図1に示すように互いに重なり合うパネルスクリーン16はそれぞれ前面側又は後面側に移動し、第1及び第2カーテンレール11,12の長手方向に直交する方向、即ちパネルスクリーン16の前面側及び後面側において複数のパネルスクリーン16は互いに重なり合う。このため、図3に示すように、隣り合うパネルスクリーン16との重なり代は大きくなり、畳み込み時に重なり合う複数のパネルスクリーン16全体のカーテンレール11,12の長手方向における幅Hで表される畳み代を著しく減少させることができる。
【0022】
一方、複数枚のパネルスクリーン16を引き出して屋内を間仕切り、或いは、屋内の開口部をその複数枚のパネルスクリーン16で遮蔽すると、隣り合うパネルスクリーン16との重なり代は小さくなり、前面側又は後面側に移動していたパネルスクリーン16はそれぞれ中立位置に復元する。このため、引き出し操作時における一のパネルスクリーン16の側端部と、それに隣接するパネルスクリーン16の重なり合う側端部との間に生じる隙間D(図3)は減少し、隣り合うパネルスクリーンと間に生じる隙間Dが拡大して遮蔽効果が減少するような事態を有効に回避することができる。
【0023】
ここで、本発明の遮蔽装置により屋内を間仕切り、或いは、屋内の開口部を遮蔽するには、畳み込み状態の複数枚のパネルスクリーン16を順次引き出す必要がある。この実施の形態では、パネルスクリーン16の吊桿17に移動可能な上部スライダ24を設け、その上部スライダ24を隣接する他のパネルスクリーンの吊桿17に連結材26により連結したので、操作ハンドル37を操作して畳み込み状態から引き出し端のパネルスクリーン16を引き出すと、図7及び図8に示すように、その吊桿17に連結材26を介して連結された隣接するパネルスクリーン16における上部スライダ24は、その隣接するパネルスクリーン16の吊桿17においてその長手方向に移動する。引き出し端のパネルスクリーン16の引き出しを継続すると、隣接するパネルスクリーン16における上部スライダ24は吊桿17の移動可能な範囲の端部にまで至り、その吊桿17上においてその移動を停止する。
【0024】
そして、引き出し端のパネルスクリーン16の引き出しを更に継続すると、その吊桿17に連結材26を介して連結された隣接するパネルスクリーン16における上部スライダ24はその吊桿17と一体となってその隣接するパネルスクリーン16を引っ張り、引き出し端のパネルスクリーン16の移動にあわせてその隣接するパネルスクリーン16を移動させる。よって、畳み込み状態の複数枚のパネルスクリーン16を引き出す際に、引き出し端のパネルスクリーン16を引き出すだけで、それに連動して隣接するパネルスクリーン16を順次引き出すことが可能となる。そして、パネルスクリーン16を構成するカーテン生地18の側端部を、隣り合うパネルスクリーン16のカーテン生地18の側端部に重なり合させることにより、複数枚のパネルスクリーン16による遮蔽が行われ、この遮蔽状態では、畳み込み状態で前面側又は後面側に移動していたパネルスクリーン16がそれぞれ中立位置に復元し、あるパネルスクリーン16の側端部と、それに隣接するパネルスクリーン16の重なり合う側端部との間に生じる隙間D(図3)が最小となる。
【0025】
また、この実施の形態では、ウエイトバー19にも移動可能な下部スライダを設け、その下部スライダを隣接する他のパネルスクリーン16のウエイトバー19に連結材により連結したので、パネルスクリーン16の下部を構成するウエイトバー19が必要以上にその前面側又は後面側に移動することを防止することができる。そして、パネルスクリーン16を引き出すと、その下部スライダはその移動可能な範囲の端部にまで至り、そのウエイトバー19上において停止して連結材を介して連結された隣接するパネルスクリーン16を引っ張る。このため、畳み込み状態の複数枚のパネルスクリーン16を引き出す際に、パネルスクリーン16の下部を構成するウエイトバー19が必要以上にその前面側又は後面側に移動することを防止しつつ、順次パネルスクリーン16を速やかに引き出すことを可能にする。
【0026】
なお、上述した実施の形態では、第1及び第2カーテンレール11,12が押出成形により隣接して一体的に形成される場合を説明したが、第1及び第2カーテンレール11,12が互いに所定の間隔をあけて並列に配置される限り、第1及び第2カーテンレール11,12はそれぞれが別に独立した市販のカーテンレールを用いても良い。この場合には市販のカーテンレールを用いることができ、市販のカーテンレールには、その長さ方向に続く蟻溝を有するチャンネル型レールと、スリットのないパイプ型レールがあり、いずれのレールであっても本発明の第1及び第2カーテンレール11,12として用いることができる。
【0027】
また、上述した実施の形態では、第1及び第2カーテンレール11,12が取付ブラケット15を介して壁面に固定される場合を説明したが、第1及び第2カーテンレール11,12は互いに所定の間隔をあけて並列に配置される限り、第1及び第2カーテンレール11,12を天井に設けても良い。
更に、上述した実施の形態では、棒状の吊桿17にカーテン生地18が吊設されたパネルスクリーン16を説明したが、パネルスクリーン16は、吊桿17にシート状物を吊設させたものであっても良く、吊桿17に板材を吊設させたものであっても良い。このように吊設するものを変更可能な吊桿17を備えれば、その吊桿17に吊設されるものを変更するだけの比較的単純な作業で、見栄えの異なるパネルスクリーン16を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明実施形態の遮蔽装置の側面図である。
【図2】その遮蔽装置のパネルスクリーンが畳み込まれた状態を示す正面図である。
【図3】図2の下面図である。
【図4】図2のA部拡大図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図4のC−C線断面図である。
【図7】3枚のパネルスクリーンの上部を後面側から見た拡大図である。
【図8】その3枚のパネルスクリーンの位置関係を示す上面図である。
【符号の説明】
【0029】
11 第1カーテンレール
12 第2カーテンレール
13 第1ランナ
14 第2ランナ
16 パネルスクリーン
17 吊桿
18 カーテン生地
19 ウエイトバー
22 揺動部材
23 面ファスナ
24 上部スライダ
26 連結材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2カーテンレール(11,12)が並列に配置され、パネルスクリーン(16)の上縁の長手方向の両端部に第1及び第2ランナ(13,14)が設けられ、前記第1ランナ(13)が前記第1カーテンレール(11)に走行可能に設けられ、前記第2ランナ(14)が前記第2カーテンレール(12)に走行可能に設けられた遮蔽装置において、
第1及び第2ランナ(13,14)にパネルスクリーン(16)の上縁が揺動部材(22)を介して取付けられ、
前記揺動部材(22)が揺動することにより前記パネルスクリーン(16)は第1及び第2カーテンレール(11,12)の長手方向に直交する前記パネルスクリーン(16)の前面側又は後面側に移動可能に構成された
ことを特徴とする遮蔽装置。
【請求項2】
パネルスクリーン(16)は、第1及び第2カーテンレール(11,12)に沿って設けられ両端部に第1ランナ(13)及び第2ランナ(14)が設けられた棒状の吊桿(17)と、前記吊桿(17)に吊設されたカーテン生地(18)とを備え、前記カーテン生地(18)は上部が面ファスナ(23)を介して前記吊桿(17)に取付けられた請求項1記載の遮蔽装置。
【請求項3】
棒状の吊桿(17)に長手方向に移動可能な上部スライダ(24)が設けられ、一のパネルスクリーン(16)の前記上部スライダ(24)が前記一のパネルスクリーン(16)に隣接する他のパネルスクリーンの吊桿(17)に連結材(26)により連結された請求項2記載の遮蔽装置。
【請求項4】
パネルスクリーン(16)は、吊桿(17)に吊設されたカーテン生地(18)の下部に面ファスナを介して取付けられたウエイトバー(19)を有し、前記ウエイトバー(19)に長手方向に移動可能な下部スライダが設けられ、一のパネルスクリーン(16)の下部スライダが前記一のパネルスクリーン(16)に隣接する他のパネルスクリーン(16)のウエイトバー(19)に連結材により連結された請求項3記載の遮蔽装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−291439(P2008−291439A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135342(P2007−135342)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000109923)トーソー株式会社 (84)
【Fターム(参考)】