説明

遮蔽部付き圧力調理器

【課題】特定の使用者が持つ恐怖感の軽減を助ける構造を備えた新規の家庭用圧力調理器を提供する。
【解決手段】家庭用圧力調理器1に関し、この圧力調理器は少なくとも、鍋2と、前記鍋に追加するように設計された蓋3と、前記蓋3をロック/ロック解除するための手段とを備えており、前記圧力調理器1は、前記ロック/ロック解除手段が、前記鍋2の壁を通って嵌め込まれた少なくとも1個のロック開口部と、蓋3上のロック位置とロック解除位置の間に可動取り付け部を設けた1本のピンとを備えており、前記ロック位置では前記ピンが前記ロック開口部内で係合し、前記ロック解除位置では前記ピンが前記ロック開口部にロックされておらず、前記圧力調理器1はさらに、前記鍋2に取り付けて、前記ロック開口部を覆い隠すための遮蔽部100を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理用容器タイプの台所道具の一般的な技術範囲に関し、特に、加圧蒸気を使用する物を含む、食品を調理するよう設計された加圧式調理用深鍋のような圧力調理器の技術範囲に関する。
【0002】
本発明は特に、家庭用圧力調理器に関し、この家庭用圧力調理器は、
−壁を備えた鍋と、
−鍋に取り付けて、鍋と共に実質的に不浸透性の調理チャンバを形成ように設計された蓋と、
‐鍋に対して蓋をロック/ロック解除する手段とを備えている。
【背景技術】
【0003】
家庭用圧力調理器はよく知られた調理器具である。家庭用圧力調理器は、通常、食品を収容するように設計された金属製の鍋と、蓋で構成されており、蓋はやはり金属製であり、鍋に追加してロックすることで、鍋と共に不浸透性の調理チャンバを形成するように設計されている。
【0004】
このような圧力調理器は、チャンバの圧力および温度を上昇させて、内部の食品を加圧調理するべく、熱源(例えば調理用レンジの最上部)の影響に晒されるように設計されている。
【0005】
蓋を鍋に対してロック/ロック解除する多様なタイプの手段が存在するが、最も一般的なもののほんの数例として、特にクランプ、差し込みピン、ジョーを設けたシステムが挙げられる。
【0006】
一般にこれら周知のロック/ロック解除手段は、特に安全性の観点から見て、蓋を鍋に被せる機能を完璧に実施することで、作成された調理チャンバが内部圧力を信頼性が高く安全な方法で上昇させられるようにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これら周知のロック/ロック解除手段はその外観が非常に技術的であるために、多くの潜在的使用者に恐怖感を生じさせてしまう。こうした潜在的使用者は、特に加圧調理に使用していない時の、使い慣れた鍋のような従来の調理器具とかけ離れたように感じる、これほどまでに技術的に見える器具をどのように使用したらよいかわからずに恐怖感を覚えてしまう。ロック/ロック解除手段の外観は、圧力調理器が高圧および高温で動作するということを、潜在的使用者に全く無意識に思い起こさせる。これが潜在使用者の恐怖を増大させ、家庭用調理器具というよりも複雑で危険な機械として映る圧力調理器の使用に対して或る抵抗を引き起こさせる。
【0008】
最後に、周知の圧力調理器は、多数の使用者または潜在的使用者に恐怖感を生じさせる場合が多い。この感覚は、こうした器具が非常に単純で安全に使用できることから、根拠のないものである。この恐怖感は彼らの意識に残り、調理の迅速性および品質といった利点を持つにもかかわらず、多くの人々をこうした器具の使用から遠ざけてしまう。
【0009】
本発明に指定された目的は、上述した様々な欠点を克服し、特定の使用者が持つ恐怖感の軽減を助ける構造を備えた新規の家庭用圧力調理器を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、構造が特に単純な新規の家庭用圧力調理器を提案することである。
【0011】
本発明の別の目的は、構造が特に小型で安価な新規の家庭用圧力調理器を提案することである。
【0012】
本発明の別の目的は、非常に単純、迅速、安価な構造を備えた新規の家庭用圧力調理器を提案することである。
【0013】
本発明の別の目的は、異なる部品を限定された個数しか使用しない、新規の家庭用圧力調理器を提案することである。
【0014】
本発明の別の目的は、通常の鍋と非常に似た全体的外観を有する新規の家庭用圧力調理器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に指定されたこれらの目的は家庭用圧力調理器によって達成され、この家庭用圧力調理器は少なくとも、
− 壁を備えた鍋と、
− 鍋に追加してこれと共に調理チャンバを形成するように設計された蓋と、
− 蓋を鍋に対してロック/ロック解除するための手段とを備えており、
圧力調理器は、ロック/ロック解除手段が、鍋の壁を通って嵌め込まれた少なくとも1個のロック開口部と、蓋上のロック位置とロック解除位置の間に可動取り付け部を設けた1本のピンとを備えており、ロック位置ではピンがロック開口部内で係合し、ロック解除位置ではピンがロック開口部にロックされておらず、この圧力調理器はさらに、鍋に取り付けて、ロック開口部を覆い隠し、これを実質的に調理チャンバの外側から隠すための遮蔽部を備えていることを特徴とする。
【0016】
本発明のこれ以外の特定の局面は、限定ではなく例証の方法で提供された添付の図面を参照しながら以下の説明を読解することでより詳細に明白となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明による圧力調理器1は、家庭環境において様々な食品を圧力下で調理するように設計されている。すなわち本発明は家庭用圧力調理器である。
【0018】
したがって、本発明による圧力調理器1は、携帯可能(すなわち手で動かせる)で独立した性質を持つ台所道具である。
【0019】
有利なことに、本発明による圧力調理器1は受熱式鍋であり、調理用レンジの最上部といった外部熱源の効果によって圧力を上昇させるように設計されている。
【0020】
本発明による圧力調理器1は、調理用容器を形成し、実質的に軸X−X’に従った回転対称を有利に設けた鍋2を備えていることが好ましい。これ以降の説明において、「軸方向」という用語はこの対称軸X−X’の方向、器具の通常使用時における垂直方向と類似した方向を意味する。鍋2は例えば、また通常、アルミニウムやステンレス鋼のような金属材料から成る未完成金属片を型押しして製造する。
【0021】
鍋2はさらに壁を備えており、この壁自体は、ここで示す実施形態において、
‐ 例えば円盤状をした基部2Aと、
‐ 基部2Aから上昇してこれを包囲している側壁2Bとを備えており、上記側壁2Bは実質的に環状であり、調理する食品を鍋2内に導入できるようにするための上方開口部2Cを画定しており;上記側壁2Bはさらに、鍋2の内部と対向した内面30と、この内面の反対側に位置する外面31とを設けている。
【0022】
本発明による圧力調理器1はさらに、上記鍋2に追加してこれと共に調理チャンバを形成するように設計された蓋3を備えており、この調理チャンバは、内部の圧力を上昇させられるように、実質的に不浸透性である、即ち十分な機密性を有することが好ましい。
【0023】
こうして鍋2と蓋3を連結させて形成されたチャンバは、その内部で圧力が相当に増加できるように設計されているため、調理中にチャンバ内の圧力が大気圧よりも大幅に、例えば大気圧を10kPa以上、好ましくは20kPa以上超えて上昇することができる。また、非常に短時間で効率的な調理を可能にするために、内部圧力が大気圧を実質的に40〜110kPa、好ましくは実質的に50〜100kPa超えるようにチャンバを設計することが考えられる。
【0024】
蓋3は、優先的には鍋2の形状と相補し合う平円形である。必要に応じて蓋3を有利に鍋2上にロックまたはロック解除することができ、蓋3をロックすることで、圧力の影響で蓋3が逃げることなく、チャンバが内部圧力を上昇させられるようになる。
【0025】
この目的のために、圧力調理器1は蓋3を鍋2にロック/ロックする解除手段4を備えていることが好ましい。ロック/ロック解除手段4は、蓋3が鍋2に関連してロックされ(特に図3に示す)、蓋3が鍋2に取り付けられた形状と、蓋3が鍋2に関連してロック解除され(特に図4に示す)、蓋3を鍋2から自由に離すことができる形状との間で移動するように有利に設計されている。
【0026】
図に示すように、ロック/ロック解除手段4は少なくとも、鍋2の壁を通る、即ち鍋の壁の厚さE全体を貫通したロック開口部50A、50B、60A、60Bを備えている。図に示す例では、圧力調理器1は、鍋2の側壁2Bの上方部分80に配置されている、即ち鍋2の上方開口部2Cに向いて配置されていることが好ましい4個のロック開口部50A、50B、60A、60Bを備えている。図に示すように、上記ロック開口部50A、50B、60A、60Bは対毎にグループ化されており、この対どうしは正反対の位置にて対向している。
【0027】
本発明によれば、ロック/ロック解除手段4はさらに、少なくとも1本のピン5A、5B、6A、6Bを蓋3上の可動取り付け部と共に備えており、この可動取り付け部は、蓋3が鍋2から離れることをピン/ストライクプレートシステムと同様の方法で完全に防止するために、蓋3がロックされ(特に図3に示す)、ピン5A、5B、6A、6Bが対応するロック開口部50A、50B、60A、60B内に係合した位置と、蓋3を鍋に対して自由に動かせるようにするために、ピン5A、5B、6A、6Bが対応するロック開口部50A、50B、60A、60Bからロック解除され、また特に蓋3と鍋2を離すために使用される、蓋3がロック解除された(図4に示す)位置との間に配置される。
【0028】
図に示すように、圧力調理器1は、ロック開口部50A、50B、60A、60Bの数に対応した多数のピン5A、5B、6A、6Bを備えていることが好ましい。即ち、このケースにおいては、圧力調理器1は、それぞれ開口部50A、50B、60A、60Bと係合するように設計された4本のピン5A、5B、6A、6Bを備えている。ピン5A、5B、6A、6Bは、蓋3上の、格納位置(図4に示す)と展開位置(図3に示す)の間で平行移動できる取り付け部を設けていることが好ましく、上記格納位置では、ピン5A、5B、6A、6Bが蓋3から側方に突出することがないように蓋3内部に格納され、上記展開位置では、各ピン5A、5B、6A、6Bがそれぞれ対応する開口部50A、50B、60A、60B内に突出し、格納位置から展開位置への移行は、鍋2の基部2Aと平行であることが好ましい蓋3の主要延長面と実質的に平行する方向に従った平行動作によって実施される。
【0029】
図に示した実施形態によれば、ロック/ロック解除手段4は、X−X’軸に関連して相互に正反対の位置に配置された2個の二また部分5、6を有利に備えており、各二また部分5、6は、ピン5A、5Bから成る第1の対と、ピン6A、6Bから成る第2の対をそれぞれ形成している。例えば、二また部分は、一端がフォーク形状をした一体型の金属板で形成されており、フォークの各爪部分はピン5A、5B、6A、6Bに関連している。各二また部分5、6は、X−X’軸に関連した放射状に移動する取り付け部を設けている。
【0030】
上記二また部分5、6は、当業者に周知である任意の手段によって駆動される。例えば、図に示すように、ロック/ロック解除手段4は使用者によって手動で制御される。このために、圧力調理器1は、蓋3に搭載され、X−X’軸に従って回転する制御ノブ7Aを備えていることが好ましい。このノブ7Aは、二また部分5、6に機械的に接続しており、一方向へノブ7A回転させると、ピン5A、5B、6A、6Bが放射状に(求心的に)格納され、ノブ7Aをこれと反対の方向へ回転させると、ピン5A、5B、6A、6Bが遠心的に放射状に移動して、各ピンが対応するロック開口部50A、50B、60A、60B内に係合する。二また部分5、6は、当業者に周知の任意の手段で、ノブ7Aによって駆動される。例えば、ノブ7Aを、駆動開口部70を設けたプレートに取り付けることができ、この場合、二また部分5、6自体は、これに対応する、駆動開口部70内に係合するピン51に取り付けられている。したがって、ノブ7Aを回転させるとこれに付随して駆動開口部70が回転し、これにより、傾斜効果で、また二また部分5、6の平行移動案内との組み合わせにて、この回転の動作がこの二また部分5、6の放射状の平行移動動作に変換される。
【0031】
本発明によれば、上記少なくとも1個のロック開口部50A、50B、60A、60Bを覆い隠して、ロック開口部を実質的に調理チャンバの外部から隠すために、圧力調理器1は鍋2に取り付けた(また好ましくは鍋2の側壁2Bに取り付けた)遮蔽部100を備えている。
【0032】
換言すれば、遮蔽部100の目的は、圧力調理器1が閉鎖されている際に、即ち蓋3が鍋2に取り付けられている際に、開口部50A、50B、60A、60Bを使用者の目から隠すことである。そのため、その動作原理と並んで使用者に最大の恐怖をもたらすロックシステムの一部が使用者に見えなくなる。これにより、圧力調理器1の使用時に使用者が持つ恐怖感が軽減される。さらにこれにより、ロック開口部内に誤って物体が導入されて器具の正確な動作が阻害されることを防止できるので、ロックの信頼性および使用者の安全性も拡大する。
【0033】
これ以外のロック/ロック解除システムを隠すために、圧力調理器1は、特に二また部分5、6とその駆動手段(開口部70、ピン51)を見えないようにするべく蓋3に追加および取り付けたカバー400を備えていることが好ましい。カバー400と、遮蔽部100と、ピンおよびロック開口部の係合に基づいたロック/ロック解除手段4との組み合わせにより、蓋ロックシステムを、非常に単純で信頼性が高くさらに安価な方法で、使用者の目から完全に隠すことが可能となる。
【0034】
圧力調理器1は少なくとも、鍋2に取り付けた、また好ましくは鍋2の壁に直接取り付けたグリップ部20を有利に備えている。グリップ部20は、特に上記圧力調理器1が調理済みまたは未調理の食品と、恐らくは調理液とによって充填されている際に、使用者が鍋2自体だけでなく、とりわけ圧力調理器1全体(鍋2と蓋3の組み立てで形成された全体)を扱えるように設計されている。したがって、グリップ部20は、使用者が落下の危険なく必要に応じて圧力調理器1を手で動かすために、圧力調理器1を、容易かつしっかり掴めるように設計されている。図に示すように、グリップ部20は、鍋2の外側の壁に取り付けた少なくとも1本のハンドル21を備えていることが好ましい。上記ハンドル21は、実質的に鍋2からその外部に向かって、X−X’軸に対して放射状に延びている。
【0035】
図に示した例では、圧力調理器1は、X−X’軸に関連して相互に正反対に位置決めされた2本のハンドル21、22を設けており、上記ハンドル21、22は鍋2の側壁2Bから鍋2の外側へ向かって放射状に延びている。
【0036】
グリップ部20は鍋2上に非常に有利に合致および位置決めされて、上記遮蔽部100を形成している。換言すれば、図に示す例に対応した、この特に好ましい実施形態では、グリップ部20は、圧力調理器1の扱いを可能にし、さらにロック開口部50A、50B、60A、60Bを隠すという2つの機能を設けている。このような2つの機能は、工業製造上の単純性とこれに関連するコスト面に関して特に重要である。
【0037】
好ましくは、また図に示すように、2本のハンドル21、22は同一であり、それぞれが例えば、鍋2の壁に直接、つまり鍋2の外面31に取り付けられた基部210、220を備えている。各基部210、220からは、使用者が手で持てるように設計されたハンドル211、221がそれぞれ延びている。
【0038】
安全で、安定し、信頼性の高いロックを確保するために、上記ピン5A、5B、6A、6Bの一部が、対応するロック開口部50A、50B、60A、60Bを通って鍋2の外側へ突出している、即ち、特に図3、図5に示すように、各ピン5A、5B、6A、6Bが、対応する開口部50A、50B、60A、60Bを貫通して鍋2の反対側へ突出していることが好ましい。
【0039】
図に示すようにこのケースでは、遮蔽部100に、対応するロック開口部50A、50B、60A、60B上に開口した少なくとも1つの目隠しの内部窪みが有利に設けられ、ピンの上記突出部分を内部に収容できるようになっている。
【0040】
その結果、図に示した実施形態によれば、各基部210、220は、目隠しの内部窪みを形成する空洞210A、210B、220A、220Bを有利に設けており、上記空洞は、各ピン5A、5B、6A、6Bが展開位置にあり、外壁31を超えて突出すると、開口部50A、50B、60A、60Bの反対側に位置決めされて、これらのピンをそれぞれ収容するように設計された窪みを形成するように設計されている。
【0041】
グリップ部20は、グリップ部20と鍋2の間に機械接続、好ましくは組み込まれた機械接続を形成できるようにする、少なくとも1個の取り付け部20Aの手段によって鍋2に取り付けられていることが好ましい。グリップ部20は鍋2とは別個に独立し、取り付け手段20Aによって鍋2に追加および取り付けられていることが好ましい。これにより、取り付け手段20Aが受容的になる、即ちグリップ部20を鍋2に直接取り付けられるようになる。
【0042】
取り付け手段20Aは、少なくとも、鍋2の壁から鍋2の外側へ延びた細長い取り付け要素201Aを有利に備える。取り付け手段20Aはさらに、鍋2の壁を通る、即ち、鍋2の上記壁の厚さE全体を貫通する取り付け口200Aを備えていることが好ましい。このケースでは、また図に示すように、取り付け要素201Aは上記取り付け口200Aを通って延びていることが好ましい。したがって、取り付け要素201Aは、取り付け口200Aから入って鍋の壁の厚さE全体を貫通する。
【0043】
取り付け要素201Aは、図に示すように、グリップ部20が付いた外端部202Aと、取り付け口200Aの周囲で鍋2と接触するヘッド部分が据え付けられた内端部203Aとの間で、取り付け口200Aを通って延びていることが好ましい。
【0044】
各ハンドル21、22は、同一の方法で、即ち、先述の説明による取り付け口と取り付け要素を備えるこれに関連した取り付け手段の手段によって鍋2に取り付けられていることが好ましい。
【0045】
取り付け要素201Aは少なくともネジ40を有利に備えており、このネジ40は、ヘッド部40Aと、このヘッド部40Aから取り付け口200Aを通って延びるねじ切りロッド40Bとを具備している。グリップ部20は、ねじきりロッド40Bがねじ込まれるタップ穴50を有利に具備しており、ヘッド部40A(ロッド40Bの直径よりも大きい直径を有する)は鍋2の内部に位置決めされて、この内部と、即ち側壁2Aの内面30に対して接触する。
【0046】
各ハンドル21、22は、その基部210、220の中央に嵌め込んだタップ穴内にねじ込まれるネジの手段によって取り付けられることが好ましい。
【0047】
取り付け手段20Aは、グリップ部20に取り付けられ、ロック開口部50A、50B、60A、60B内に挿入された支持要素300を少なくとも備えることが好ましい。図に示す例では、支持要素300は、各ハンドル21、22から延びた突出部301、302を備えている。例えば、各ハンドル21、22はそれぞれ対応する2個の突出部301、302を具備しており、この突出部は対応するハンドルと同じ材料から成り、ロック開口部50A、50B、60A、60B内に取り付けられている。したがって、図5に示すように、ハンドル21の2個の突出部のそれぞれはロック開口部60A、60B内に係合し、ハンドル21がネジ40の軸周囲で回転することを防止している。ロック開口部50A、50B、60A、60Bは実質的に横長形状であり、支持要素300を形成している突出部がこれらのロック開口部の一端内に導入されることが好ましい。
【0048】
そのため、各ロック開口部50A、50B、60A、60Bは、ピン5A、5B、6A、6Bと係合して蓋3を鍋2の上にロックできるようにし、また、上記ハンドルの突出部(またはこれ以外の同等部分)と係合してハンドル21、22を適所に保持するという2つの機能を備えている。
【0049】
しかしながら、本発明の範囲から逸脱せずに、突出部の代わり、または代用として、壁2Bの外部に向かう変形を提供してボスを作成することも考えられ、このボスは、ハンドル内に取り付けたこれとは反対の形状と係合して、ハンドルを適所に保持するように設計されている。
【0050】
支持要素300は、ハンドルが、主な取り付けとなる取り付けネジ40Aの軸周囲で回転することを阻止するためにのみ提供されることが好ましい。
【0051】
しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、単純に取り付けパットをロック開口部50A、50B、60A、60Bに係合させて、ハンドルを取り付けることも考えられる。
【0052】
またさらに、やはり本発明の範囲から逸脱せずに、側壁2Bの外面に溶着させた金属ブリッジに、ハンドル21、22を通常の方法で取り付けることも考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による家庭用圧力調理器を全体斜視図によって示す。
【図2】図1の圧力調理器を、実質的に垂直である2つの断面平面に従った一般的な部分断面斜視図で示す。
【図3】蓋が鍋上にロックされた状態にある図1、図2の圧力調理器を、特に露出および断面化した平面図にて示す。
【図4】蓋が鍋からロック解除された状態にある図1〜図3の圧力調理器を、特に露出および断面化した平面図にて示す。
【図5】図1〜図4の圧力調理器の鍋を、側部断面図によって示す。
【図6】図5に示した鍋の拡大詳細部分を、図5の線A−Aに従った断面図にて示す。
【図7】図1〜図4の圧力調理器の詳細を、断面斜視図によって示す。
【符号の説明】
【0054】
1 家庭用圧力調理器
2 鍋
2A 基部
2B 側璧
2C 上方開口部
3 蓋
4 ロック/ロック解除手段
5A、5B、6A、6B ピン
5、6 二また部分
7A ノブ
20 グリップ部
21、22 ハンドル
20A 取り付け手段
30 内面
31 外面
40 ネジ
40A ヘッド部
40B ねじきりロッド
50 タップ穴
50A、50B、60A、60B ロック開口部
70 駆動開口部
100 遮蔽部
200A 取り付け口
201A 取り付け要素
202A 外端部
203A 内端部
210、220 基部
211、221 ハンドル
210A、210B、220A、220B 内部窪み(空洞)
300 支持要素
400 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用圧力調理器(1)であって、少なくとも、
壁を備えた鍋(2)と、
前記鍋に追加してこれと共に調理チャンバを形成するように設計された蓋(3)と、
前記蓋(3)を前記鍋(2)に対してロック/ロック解除するための手段(4)とを備えており、
前記圧力調理器(1)は、前記ロック/ロック解除手段(4)が、前記鍋(2)の壁を通って嵌め込まれた少なくとも1個のロック開口部(50A、50B、60A、60B)と、蓋(3)上のロック位置とロック解除位置の間に可動取り付け部を設けた1本のピン(5A、5B、6A、6B)とを備えており、前記ロック位置では前記ピン(5A、5B、6A、6B)が前記ロック開口部(50A、50B、60A、60B)内で係合し、前記ロック解除位置では前記ピン(5A、5B、6A、6B)が前記ロック開口部(50A、50B、60A、60B)にロックされておらず、前記圧力調理器(1)はさらに、前記鍋(2)に取り付けて、前記ロック開口部(50A、50B、60A、60B)を覆い隠し、これを実質的に調理チャンバの外側から隠すための遮蔽部(100)を備えていることを特徴とする、家庭用圧力調理器(1)。
【請求項2】
前記鍋(2)の壁自体が基部(2A)と、前記基部(2A)の外周からそのままの状態で上昇した側壁(2B)とを備えており、前記遮蔽部(100)は前記側壁(2B)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の圧力調理器(1)。
【請求項3】
前記鍋(2)に取り付けられたグリップ部(20)を備えており、前記グリップ部(20)は前記鍋(2)上に合致し、位置決めされて、前記遮蔽部(100)を形成していることを特徴とする、請求項1または2に記載の圧力調理器(1)。
【請求項4】
前記グリップ部(20)は、前記鍋(2)の外側にて、前記鍋(2)の壁に取り付けられたハンドル(21、22)を備えていることを特徴とする、請求項3に記載の圧力調理器(1)。
【請求項5】
前記グリップ部(20)は、少なくとも1個の支持要素(300)を備えた取り付け手段(20A)によって前記鍋(2)に取り付けられており、前記支持要素は、前記グリップ部(20)に取り付けられ、前記ロック開口部(50A、50B、60A、60B)に挿入されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の圧力調理器(1)。
【請求項6】
前記取り付け手段(20A)は、前記鍋(2)の壁から前記鍋(2)の外側へ延びた細長い取り付け要素(201A)を備えていることを特徴とする、請求項5に記載の圧力調理器(1)。
【請求項7】
前記取り付け手段(20A)は、前記鍋(2)の壁を通過する取り付け口(200A)を備えており、前記取り付け要素(201A)は前記取り付け口(200A)を通って延びていることを特徴とする、請求項6に記載の圧力調理器(1)。
【請求項8】
前記ピン(5A、5B、6A、6B)はロック位置にあり、前記ピン(5A、5B、6A、6B)の一部は前記ロック開口部(50A、50B、60A、60B)を通って前記鍋(2)の外側へ向かって突出しており、前記遮蔽部(100)には、前記ピン(5A、5B、6A、6B)の前記突出部分を内部に収容するべく対応するロック開口部(50A、50B、60A、60B)上に開口した少なくとも1個の目隠しの内部窪み(210A、210B、220A、220B)が据え付けられていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の圧力調理器(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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