説明

選択的アンドロゲン受容体モジュレーターを用いる腎疾患、熱傷、創傷および脊髄損傷の処置

本発明は、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する方法;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する方法;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)を投与する段階含む方法;4)脊髄損傷を伴う対象を処置する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、および/またはSARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与することによる方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
[001] 本発明は、腎疾患、熱傷、創傷、脊髄損傷、ならびに不随意の体重減少および/または生殖腺機能低下を伴う状態の予防および治療に関する。より具体的には、本発明は、対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物(impurity)もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与することにより、対象において末期腎疾患、熱傷、創傷および/または脊髄損傷の発生を治療、予防、抑制、阻止または軽減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
[002] 多様な疾患および/または状態が生殖腺機能低下、ならびに腎疾患、中枢神経系損傷、熱傷および慢性創傷を含めた異化作用の影響を受けている。
【0003】
[003] 米国(US)では、腎不全の発病率および有病率が上昇している。末期腎疾患メディケアプログラム(end-stage renal disease (ESRD) Medicare-funded program)に登録される患者数が、ほぼ1973年の受益者数10,000から1983年の86,354、そして2002年12月31日の431,284に増加した。2002年だけでも100,359人の患者がUS ESRDプログラムに参入した。慢性腎疾患(CKD)はESRDの前駆疾患であり、腎臓が身体から廃棄物を適正に除去できない場合に起きる。CKDは進行の遅い疾患であり、糖尿病、高血圧症および貧血症が併発状態となる可能性がある。
【0004】
[004] CKDは、腎機能稼働量を証明する病期方式を用いて診断され(1期=正常な腎機能)、初期には患者は症状を示さない場合がしばしばある。5期のCKDがESRDであり、腎機能は完全不能またはほぼ完全不全となり、通常は腎機能がベースラインの10%未満である場合に起きる。
【0005】
[005] ESRDの随伴症状には、生殖腺機能低下、不随意の体重減少、疲労その他が含まれる。
[006] 熱傷は、テストステロン減少、窒素レベル低下および骨無機質密度(BMD)低下をもたらし、これらはその損傷後、1年間も持続する場合があり、創傷治癒の障害、感染リスクの増大、除脂肪体重の損失、リハビリテーションの妨げ、および熱傷生存者の社会復帰の遅れを伴う。熱傷の結果として開始した異化作用により、不随意の体重減少が著しくなり、問題がさらに複雑になる。
【0006】
[007] 脊髄損傷の結果、中枢神経伝達物質の分泌または産生が変化し、このため視床下部-下垂体-副腎系機能障害が起き、これによりテストステロンその他のホルモンレベルが低下する可能性がある。脊髄損傷(SCI)または他の急性疾患もしくは外傷には、特徴的に同化作用の低下と合わせて異化作用の亢進が含まれ、その結果、除脂肪組織量が減少しやすい状態になる。異化プロセスを放置する限り、栄養利用障害は持続するであろう。除脂肪体重の低下の影響には、創傷の発生および治癒機構の障害が含まれる。脊髄損傷患者は、栄養およびタンパク質の不足と固定状態が合わさるため、とこずれ(褥瘡)のリスクが高くなる。
【0007】
[008] 慢性創傷は、糖尿病、循環問題、固定その他を含めた多数の状態により起きる可能性がある。たとえば糖尿病の場合に問題を複雑にするのは神経障害の存在であり、これは足潰瘍形成のリスクを高める。
【0008】
[009] これらの状態に対する治療および療法は多数あるが、理想的なものはない。アンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達経路が除脂肪筋量、筋強度および筋タンパク質合成を増大させることが示されており、かつ生殖腺機能低下はこれらの状態に関連するので、ARシグナル伝達経路を標的とする分子はこれらの疾患および/または状態の処置に有用である可能性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の概要
[0010] 本発明は、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する方法;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和し、または創傷の治癒を増強もしくは促進する方法;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する方法;4)脊髄損傷を伴う対象を処置する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、および/またはSARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0010】
[0011] 1態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式Iの化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである:
【0011】
【化1】

【0012】
式中:
Gは、OまたはSであり;
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【0013】
【化2】

【0014】
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3である。
【0015】
[0012] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式IIの化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである:
【0016】
【化3】

【0017】
式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【0018】
【化4】

【0019】
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである。
[0013] 1態様において、SARM化合物はXがOである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はYがCF3である式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがNO2である式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがCNである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがハロゲン、すなわちF、Cl、BrまたはIである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがNHCOCH3である式IIの化合物である。
【0020】
[0014] 他の態様において、SARM化合物はXがOであり、ZがNO2であり、YがCF3であり、かつQがハロゲンである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はXがOであり、ZがCNであり、YがCF3であり、かつQがハロゲンである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はXがOであり、ZがCNであり、YがCF3であり、かつQがCNである式IIの化合物である。
【0021】
[0015] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式IIIの化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである:
【0022】
【化5】

【0023】
式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
Aは、
【0024】
【化6】

【0025】
から選択される環であり;
Bは、
【0026】
【化7】

【0027】
から選択される環であり;
その際、AとBが同時にベンゼン環であることはできず;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Q1およびQ2は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SR、
【0028】
【化8】

【0029】
であり;
Q3およびQ4は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり;
W1は、O、NH、NR、NOまたはSであり;
W2は、NまたはNOである。
【0030】
[0016] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式IVの化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである:
【0031】
【化9】

【0032】
式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
Tは、OH、OR、-NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
R2は、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、NR2、SRであり;
R3は、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、Sn(R)3であり;あるいは、(R)3はそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造:
【0033】
【化10】

【0034】
で表わされる縮合環系を形成し:
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、Br、Cl、I、CNまたはSn(R)3であり;
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OH、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【0035】
【化11】

【0036】
nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜3の整数である。
[0017] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式VIの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0037】
【化12】

【0038】
[0018] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式VIIの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0039】
【化13】

【0040】
[0019] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式VIIIの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0041】
【化14】

【0042】
[0020] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式IXの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0043】
【化15】

【0044】
[0021] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式Xの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0045】
【化16】

【0046】
[0022] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式XIの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0047】
【化17】

【0048】
[0023] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式XIIの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0049】
【化18】

【0050】
[0024] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式XIIIの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである:
【0051】
【化19】

【0052】
式中のQは、式Iについて前記に定めたものである。
[0025] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式XIVの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである:
【0053】
【化20】

【0054】
式中のQは、式Iについて前記に定めたものである。
[0026] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式XVIの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0055】
【化21】

【0056】
[0027] 他の態様において、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する;ならびに/あるいは4)脊髄損傷を伴う対象を処置するのに有効なSARM化合物は、式XVII、XVIII、XIX、XXの構造で表わされる化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型、結晶、またはそのいずれかの組合わせである。
【0057】
【化22】

【0058】
[0028] 1態様において、投与はSARMおよび医薬的に許容できるキャリヤーを含む医薬組成物を投与することを含む。
発明の詳細な記述
[0029] 本発明は、1)腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する方法;2)創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和する方法;3)熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和する方法;4)脊髄損傷を伴う対象を処置する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、および/またはSARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0059】
選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)
[0030] 選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)は、一群のアンドロゲン受容体標的薬(ARTA)であり、1態様においてはアンドロゲン活性、他の態様においては同化活性、または他の態様においてはその組合わせを示す。1態様において、異なるSARMがアンドロゲン活性と同化作用の両方をもつけれども両者間の相対活性が異なる場合がある。したがって、たとえばあるSARMは同化活性がより大きく、アンドロゲン活性がより小さい、あるいは他の態様においてはアンドロゲン活性がより大きく、同化活性がより小さい、あるいは他の態様においては同化活性とアンドロゲン活性が両方とも高い、あるいは他の態様においてはいずれの活性レベルも中間的である。SARMの選択にはそのような活性レベルに対する要求を反映させることができ、そのような選択は本発明の1態様である。
【0060】
[0031] 他の態様において、SARM活性はSARMを投与される対象の遺伝的背景をも反映する場合がある。SARMは対象においてアンドロゲン受容体を結合し、そのような結合に対する遺伝的影響(1態様においては受容体に関して、または他の態様においては内因性ホルモン産生に関して)が対象におけるSARM活性に影響を与える可能性がある。そのような考慮および1態様において、SARMの選択を個々の対象に適応させること(1態様においては、使用する療法薬の特異的選択という点で個別化医薬である)が本発明の他の態様である。
【0061】
[0032] SARMはアンドロゲン受容体の非ステロイド系リガンドである。1態様において、これらの薬剤は多様なホルモン関連状態、たとえば性的機能障害、性欲低下、勃起機能障害、生殖腺機能低下、サルコペニア(筋減弱症)、オステオペニア(骨減弱症)、骨粗鬆症、認知および気分の変調、うつ病、貧血症、脱毛症、肥満症、良性前立腺肥大および/または前立腺癌の処置に有用である。さらに、SARMは経口テストステロン置換療法および前立腺癌造影に有用である。SARMは、アンドロゲンがその受容体に結合することにより影響される多様な疾患、障害および/または状態の処置に有用であり、したがってそのような雄性および/または雌性の処置に有用である。たとえば、SARMは雌性において多様なホルモン関連状態の処置に有用であり、これにはたとえば性的機能障害、性欲低下、生殖腺機能低下、サルコペニア、オステオペニア、骨粗鬆症、認知および気分の変調、うつ病、貧血症、脱毛症、肥満症、子宮内膜症、乳癌、子宮癌および卵巣癌が含まれる。
【0062】
[0033] 1態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式Iの構造を特徴とする:
【0063】
【化23】

【0064】
式中:
Gは、OまたはSであり;
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【0065】
【化24】

【0066】
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3である。
【0067】
[0034] 1態様において、SARMは式Iの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式Iの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式Iの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式Iの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式Iの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式Iの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、未精製物、多型またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0068】
[0035] 1態様において、SARM化合物はXがOである式Iの化合物である。1態様において、SARM化合物はGがOである式Iの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがNO2である式Iの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがCNである式Iの化合物である。他の態様において、SARM化合物はYがCF3である式Iの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがNHCOCH3である式Iの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがFである式Iの化合物である。他の態様において、SARM化合物はTがOHである式Iの化合物である。他の態様において、SARM化合物はR1がCH3である式Iの化合物である。
【0069】
[0036] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式IIの構造を特徴とする:
【0070】
【化25】

【0071】
式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【0072】
【化26】

【0073】
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである。
[0037] 1態様において、SARMは式IIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式IIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式IIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式IIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式IIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式IIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式IIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかのいずれかの組合わせである。
【0074】
[0038] 1態様において、SARM化合物はXがOである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがNO2である式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがCNである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はYがCF3である式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがNHCOCH3である式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがFである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがハロゲン、すなわちF、Cl、BrまたはIである式IIの化合物である。
【0075】
[0039] 他の態様において、SARM化合物はXがOであり、ZがNO2であり、YがCF3であり、かつQがハロゲンである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はXがOであり、ZがNO2であり、YがCF3であり、かつQがNHCOCH3である式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はXがOであり、ZがCNであり、YがCF3であり、かつQがハロゲンである式IIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はXがOであり、ZがCNであり、YがCF3であり、かつQがNHCOCH3である式IIの化合物である。
【0076】
[0040] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式IIIの構造を特徴とする:
【0077】
【化27】

【0078】
式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
Tは、OH、OR、-NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
Aは、
【0079】
【化28】

【0080】
から選択される環であり;
Bは、
【0081】
【化29】

【0082】
から選択される環であり;
その際、AとBが同時にベンゼン環であることはできず;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、CR3またはSnR3であり;
Q1およびQ2は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SR、
【0083】
【化30】

【0084】
であり;
Q3およびQ4は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり;
W1は、O、NH、NR、NOまたはSであり;
W2は、NまたはNOである。
【0085】
[0041] 1態様において、SARMは式IIIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式IIIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0086】
[0042] 1態様において、SARM化合物はXがOである式IIIの化合物である。1態様において、SARM化合物はGがOである式IIIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はTがOHである式IIIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はR1がCH3である式IIIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがNO2である式IIIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがCNである式IIIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はYがCF3である式IIIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがNHCOCH3である式IIIの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがFである式IIIの化合物である。
【0087】
[0043] 置換基ZおよびYは、これらの置換基をもつ環(以下、”A環”)のいずれの位置にあってもよい。1態様において、置換基ZはA環のパラ位にある。他の態様において、置換基YはA環のメタ位にある。他の態様において、置換基ZはA環のパラ位にあり、かつ置換基YはA環のメタ位にある。
【0088】
[0044] 置換基Q1およびQ2は、これらの置換基をもつ環(以下、”B環”)のいずれの位置にあってもよい。1態様において、置換基Q1はB環のパラ位にある。他の態様において、置換基Q2はHである。他の態様において、置換基Q1はB環のパラ位にあり、かつ置換基Q2はHである。他の態様において、置換基Q1はNHCOCH3であってB環のパラ位にあり、かつ置換基Q2はHである。
【0089】
[0045] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式IVの構造を特徴とする:
【0090】
【化31】

【0091】
式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
Tは、OH、OR、-NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
R2は、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、NR2、SRであり;
R3は、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、SnR3であり;あるいは、R3はそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造:
【0092】
【化32】

【0093】
で表わされる縮合環系を形成し:
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、Br、Cl、I、CNまたはSnR3であり;
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OH、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【0094】
【化33】

【0095】
nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜3の整数である。
[0046] 1態様において、SARMは式IVの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式IVの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式IVの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式IVの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式IVの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式IVの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0096】
[0047] 1態様において、SARM化合物はXがOである式IVの化合物である。1態様において、SARM化合物はGがOである式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがNO2である式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はZがCNである式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はYがCF3である式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがNHCOCH3である式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがFである式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はTがOHである式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はR1がCH3である式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがFであり、かつR2がCH3である式IVの化合物である。他の態様において、SARM化合物はQがFであり、かつR2がClである式IVの化合物である。
【0097】
[0048] 置換基Z、YおよびR3は、これらの置換基をもつ環(以下、”A環”)のいずれの位置にあってもよい。1態様において、置換基ZはA環のパラ位にある。他の態様において、置換基YはA環のメタ位にある。他の態様において、置換基ZはA環のパラ位にあり、かつ置換基YはA環のメタ位にある。
【0098】
[0049] 置換基QおよびR2は、これらの置換基をもつ環(以下、”B環”)のいずれの位置にあってもよい。1態様において、置換基QはB環のパラ位にある。1態様において、置換基QはB環のパラ位にある。他の態様において、置換基QはNHCOCH3であってB環のパラ位にある。
【0099】
[0050] 本明細書中で考慮するように、整数mおよびnが1より大きい場合、置換基R2およびR3は1つの特定の置換基に限定されることはなく、前記に挙げた置換基のいかなる組合わせであってもよい。
【0100】
[0051] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式Vの構造を特徴とする:
【0101】
【化34】

【0102】
[0052] 1態様において、SARMは式Vの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式Vの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式Vの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式Vの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式Vの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式Vの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0103】
[0053] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式VIの構造を特徴とする:
【0104】
【化35】

【0105】
[0054] 1態様において、SARMは式VIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式VIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式VIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式VIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式VIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式VIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0106】
[0055] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式VIIの構造を特徴とする。
【0107】
【化36】

【0108】
[0056] 1態様において、SARMは式VIIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式VIIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式VIIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0109】
[0057] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式VIIIの構造を特徴とする。
【0110】
【化37】

【0111】
[0058] 1態様において、SARMは式VIIIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式VIIIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0112】
[0059] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式IXの構造を特徴とする。
【0113】
【化38】

【0114】
[0060] 1態様において、SARMは式IXの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式IXの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式IXの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式IXの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式IXの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式IXの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0115】
[0061] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式Xの構造を特徴とする。
【0116】
【化39】

【0117】
[0062] 1態様において、SARMは式Xの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式Xの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式Xの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式Xの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式Xの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式Xの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0118】
[0063] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XIの構造を特徴とする。
【0119】
【化40】

【0120】
[0064] 1態様において、SARMは式XIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0121】
[0065] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XIIの構造を特徴とする。
【0122】
【化41】

【0123】
[0066] 1態様において、SARMは式XIIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XIIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XIIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0124】
[0067] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XIIIの構造を特徴とする:
【0125】
【化42】

【0126】
式中のQは、式Iについて前記に定めたものである。
[0068] 1態様において、SARMは式XIIIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XIIIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0127】
[0069] 1態様において、SARMはQがFである式XIIIの化合物である。他の態様において、SARMはQがClである式XIIIの化合物である。他の態様において、SARMはQがBrである式XIIIの化合物である。他の態様において、SARMはQがIである式XIIIの化合物である。他の態様において、SARMはQがNHCOCH3である式XIIIの化合物である。
【0128】
[0070] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XIVの構造を特徴とする:
【0129】
【化43】

【0130】
式中のQは、式Iについて前記に定めたものである。
[0071] 1態様において、SARMは式XIVの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XIVの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XIVの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0131】
[0072] 1態様において、SARMはQがFである式XIVの化合物である。他の態様において、SARMはQがClである式XIVの化合物である。他の態様において、SARMはQがBrである式XIVの化合物である。他の態様において、SARMはQがIである式XIVの化合物である。他の態様において、SARMはQがNHCOCH3である式XIVの化合物である。
【0132】
[0073] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XVの構造を特徴とする。
【0133】
【化44】

【0134】
[0074] 1態様において、SARMは式XVの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XVの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XVの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XVの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XVの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XVの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0135】
[0075] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XVIの構造を特徴とする。
【0136】
【化45】

【0137】
[0076] 1態様において、SARMは式XVIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XVIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XVIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0138】
[0077] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XVIIの構造を特徴とする。
【0139】
【化46】

【0140】
[0078] 1態様において、SARMは式XVIIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XVIIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0141】
[0079] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XVIIIの構造を特徴とする。
【0142】
【化47】

【0143】
[0080] 1態様において、SARMは式XVIIIの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XVIIIの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0144】
[0081] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XIXの構造を特徴とする。
【0145】
【化48】

【0146】
[0082] 1態様において、SARMは式XIXの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XIXの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XIXの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0147】
[0083] 他の態様において、本発明方法に有効なSARM化合物は式XXの構造を特徴とする。
【0148】
【化49】

【0149】
[0084] 1態様において、SARMは式XXの化合物の類似体である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の誘導体である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の異性体である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の代謝産物である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の医薬的に許容できる塩である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の医薬製剤である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の水和物である。他の態様において、SARMは式XXの化合物のN-オキシドである。他の態様において、SARMは式XXの化合物の結晶である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の多型である。他の態様において、SARMは式XXの化合物の未精製物である。他の態様において、SARMは式XXの化合物のプロドラッグである。他の態様において、SARMは式XXの化合物の類似体、誘導体、代謝産物、異性体、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、結晶、多型、未精製物またはプロドラッグのいずれかの組合わせである。
【0150】
[0085] 本発明のSARM化合物中の置換基Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHと定義される。
【0151】
[0086] ”アルキル”基は、飽和脂肪族炭化水素を表わし、直鎖、分枝鎖および環式アルキル基を含む。1態様において、アルキル基は1〜12個の炭素をもつ。他の態様において、アルキル基は1〜7個の炭素をもつ。他の態様において、アルキル基は1〜6個の炭素をもつ。他の態様において、アルキル基は1〜4個の炭素をもつ。アルキル基は置換されていなくてもよく、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよびチオアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよい。
【0152】
[0087] ”アルケニル”基は、不飽和炭化水素を表わし、1以上の二重結合をもつ直鎖、分枝鎖および環式基を含む。アルケニル基は1つの二重結合、2つの二重結合、3つの二重結合などをもつことができる。アルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルなどである。アルケニル基は置換されていなくてもよく、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシル、チオおよびチオアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよい。
【0153】
[0088] ”ハロアルキル”基は、前記に定義したアルキル基が1個以上のハロゲン原子、たとえばF、Cl、BrまたはIで置換されたものである。
[0089] ”アリール”基は、少なくとも1つの炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基をもつ芳香族基を表わし、置換されていなくてもよく、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、チオおよびチオアルキルから選択される1個以上の基で置換されていてもよい。限定ではないアリール環の例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリルなどである。
【0154】
[0090] ”ヒドロキシ”基は、OH基を表わす。本発明化合物中のTがORである場合にRがOHではないことは当業者に理解される。ハロ基はF、Cl、BrまたはIを表わす。
[0091] ”アリールアルキル”基は、アリールに結合したアルキルを表わし、アルキルおよびアリールは前記に定義したものである。アリールアルキル基の例はベンジル基である。
【0155】
[0092] 本明細書中で考慮するように、本発明はSARM化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはその組合わせの使用に関する。1態様において、本発明はSARM化合物の類似体の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の誘導体の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の異性体の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の代謝産物の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の医薬的に許容できる塩の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の医薬製剤の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の水和物の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物のN-オキシドの使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物のプロドラッグの使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の多型の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の結晶の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の未精製物の使用に関する。他の態様において、本発明はSARM化合物の類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせの使用に関する。
【0156】
[0093] 1態様において、用語”異性体”には、光学異性体および類似体、構造異性体および類似体、立体配置異性体および類似体などが含まれるが、これらに限定されない。
[0094] 1態様において、本発明はSARM化合物の多様な光学異性体の使用を包含する。本発明のSARMが少なくとも1つのキラル中心をもつことは当業者に認識されるであろう。したがって、本発明方法に用いられるSARMは、光学活性形またはラセミ形として存在および単離することができる。ある化合物は多型性をも示す場合がある。本発明は、ラセミ形、光学活性形、多型形もしくは立体異性形、またはその混合物であって本明細書に記載する状態の処置に有用な特性をもつ形ののものをいずれも包含することを理解すべきである。1態様において、SARMは純粋な(R)異性体である。他の態様において、SARMは純粋な(S)異性体である。他の態様において、SARMは(R)異性体と(S)異性体の混合物である。他の態様において、SARMは等量の(R)異性体と(S)異性体を含むラセミ混合物である。光学活性形の製造方法は当技術分野で周知である(たとえば、再結晶法によるラセミ形の分割、光学活性出発物質からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を用いるクロマトグラフィー分離による)。
【0157】
[0095] 本発明には、アミノ置換化合物と有機酸および無機酸、たとえばクエン酸および塩酸との”医薬的に許容できる塩類”が含まれる。本発明には、本明細書に記載する化合物のアミノ置換基のN-オキシドも含まれる。医薬的に許容できる塩類は、フェノール化合物から、無機塩基、たとえば水酸化ナトリウムで処理することによっても製造できる。また、脂肪族および芳香族カルボン酸を用いてフェノール化合物のエステル、たとえば酢酸エステルおよび安息香酸エステルを製造することもできる。
【0158】
[0096] 本発明にはさらに、SARM化合物の誘導体が含まれる。1態様において、”誘導体”にはエーテル誘導体、酸誘導体、アミド誘導体、エステル誘導体などが含まれるが、これらに限定されない。そのほかさらに、本発明にはSARM化合物の水和物が含まれる。1態様において、”水和物”には半水和物、1水和物、2水和物、3水和物などが含まれるが、これらに限定されない。
【0159】
[0097] 本発明にはさらに、SARM化合物の代謝産物が含まれる。1態様において、”代謝産物”は他の物質から代謝または代謝プロセスにより産生されるいずれかの物質を意味する。
【0160】
[0098] 本発明にはさらに、SARM化合物の医薬製剤が含まれる。用語”医薬製剤”は、本明細書に定める医薬用途に適切な組成物(医薬組成物)を意味する。
本発明方法に使用するための組成物
[0099] 1態様において、本発明方法に従って投与するためのSARMおよび他のいずれかの化合物は組成物中にあってもよい。本発明組成物は、ある態様においては医薬的に許容できるキャリヤーを含む。
【0161】
[00100] 医薬的に許容できるキャリヤーまたはその成分として使用できる物質の若干例は、下記のものである:糖類、たとえば乳糖、グルコースおよびショ糖;デンプン、たとえばトウモロコシデンプンおよびバレイショデンプン;セルロースおよびその誘導体、たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよびメチルセルロース;トラガカント末;モルト;ゼラチン;タルク;固体滑沢剤、たとえばステアリン酸およびステアリン酸マグネシウム;硫酸カルシウム;植物油、たとえばラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびカカオ脂;ポリオール、たとえばプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;アルギン酸;乳化剤、たとえば商品名TweenTM系乳化剤;湿潤剤、たとえばラウリル硫酸ナトリウム;着色剤;着香剤;錠剤調製剤、安定剤;酸化防止剤;保存剤;発熱物質を含まない水;等張塩類溶液;ならびにリン酸緩衝液。本発明組成物と組み合わせて用いる医薬的に許容できるキャリヤーの選択は、基本的に本発明化合物を投与する様式により決定される。その化合物を注射する場合、医薬的に許容できる好ましいキャリヤーは、血液適合性の懸濁化剤を含む無菌生理食塩水であり、そのpHは約7.4に調整されている。
【0162】
[00101] その化合物を投与するのに好ましい様式が経口である場合、1態様において、使用する単位剤形には錠剤、カプセル剤、トローチ剤、咀しゃく錠などを含めることができる。そのような単位剤形は、安全かつ有効な量の目的化合物(1種類以上)を含み、それはそれぞれ1態様においては約0.7もしくは3.5 mg〜約280 mg/70 kg、または他の態様においては約0.5もしくは10 mg〜約210 mg/70 kgである。経口投与のための単位剤形の製造に適切な医薬的に許容できるキャリヤーは、当技術分野で周知である。錠剤は慣用される医薬的に適合性の佐剤、たとえば不活性希釈剤、たとえば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、マンニトール、乳糖およびセルロース;結合剤、たとえばデンプン、ゼラチンおよびショ糖;崩壊剤、たとえばデンプン、アルギン酸およびクロスカルメロース;滑沢剤、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルクを含む。粉末混合物の流動性を改善するために、流動促進剤、たとえば二酸化ケイ素を使用できる。外観のために、着色剤、たとえばFD & C色素を添加することができる。甘味剤および矯味矯臭剤、たとえばアスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミントおよびフルーツフレーバーは、咀しゃく錠に有用な佐剤である。カプセル剤は一般に、前記に示した1種類以上の固体希釈剤を含む。キャリヤー成分の選択は、味、コストおよび貯蔵安定性などの二次的考慮事項に依存する。これらは本発明の目的にとって決定的ではなく、当業者が容易に選択できる。
【0163】
[00102] 経口用組成物には、液剤、乳剤、懸濁液剤などを含めることができる。そのような組成物の調製に適切な医薬的に許容できるキャリヤーは、当技術分野で周知である。そのような経口液状組成物は、ある態様においては約0.012 %〜約0.933 %、または他の態様においては約0.033 %〜約0.7 %の目的化合物(1種類以上)を含む。シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および懸濁液剤の代表的なキャリヤー成分には、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液糖、ソルビトールおよび水が含まれる。懸濁液剤について、代表的な懸濁化剤には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース(たとえばAvicel(商標)、RC-591)、トラガカントおよびアルギン酸ナトリウムが含まれる;代表的な湿潤剤には、レシチンおよびポリエチレンオキシドソルビタン(たとえばポリソルベート(polysorbate)80)が含まれる。代表的な保存剤には、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが含まれる。経口液状組成物は、前記に示した1種類以上の成分、たとえば甘味剤、着香剤および着色剤を含有してもよい。
【0164】
[00103] 全身送達を達成するのに有用な他の組成物には、舌下および口腔剤形が含まれる。そのような組成物は、1種類以上の可溶性充填剤、たとえばショ糖、ソルビトールおよびマンニトール;ならびに結合剤、たとえばアラビアゴム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むことができる。前記に示した流動促進剤、滑沢剤、甘味剤、着色剤、酸化防止剤および着香剤を含有してもよい。
【0165】
[00104] 活性が望まれる部位へ本発明化合物を送達するためにも組成物を使用できる;たとえば眼障害のための点眼剤、ゲル剤およびクリーム剤。
[00105] 本発明方法に使用するための組成物には、液剤または乳剤を含めることができる。これは、ある態様においては安全かつ有効な量のSARMおよび所望により他の化合物を含む、局所鼻内投与のための水性液剤または乳剤である。そのような組成物は約0.01 %〜約10.0 % w/v、より好ましくは約0.1 %〜約2.0 %の本発明化合物を含むことができ、これらは鼻内経路により本発明化合物を全身送達するために使用できる。
【0166】
[00106] 本発明組成物は、下記のものを含有してもよい:保存剤、たとえば塩化ベンザルコニウムおよびチメロサールなど;キレート化剤、たとえばエデト酸ナトリウムなど;緩衝剤、たとえばリン酸塩、クエン酸塩および酢酸塩;等張化剤、たとえば塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、マンニトールなど;酸化防止剤、たとえばアスコルビン酸、アセチルシスチン、メタ亜硫酸水素ナトリウムなど;芳香剤;粘度調節剤、たとえばセルロースおよびその誘導体を含めたポリマー;ならびにポリビニルアルコール、ならびに必要に応じてこれらの水性組成物のpHを調整するための酸および塩基。本発明組成物は局所麻酔薬または他の有効薬剤を含有してもよい。本発明組成物はスプレー剤、ミスト剤、滴剤などとして使用できる。
【0167】
[00107] 他の組成物には乾燥粉末が含まれる。組成物を噴霧および吸入投与用として配合することができる。そのような組成物を、噴霧手段付き容器に収容することができる。そのような組成物は、下記のものを含有することができる:噴射剤、たとえばクロロフルオロカーボン12/11および12/114、または他の態様においては他のフルオロカーボン、無毒性揮発性物質;溶媒、たとえば水、グリセロールおよびエタノール:これらには必要に応じて有効物質を溶媒和物または懸濁するための補助溶媒が含まれる;安定剤、たとえばアスコルビン酸、メタ亜硫酸水素ナトリウム;保存剤、たとえば塩化セチルピリジニウムおよび塩化ベンザルコニウム;張力調整剤、たとえば塩化ナトリウム;緩衝剤;ならびに矯味矯臭剤、たとえばサッカリンナトリウム。
【0168】
[00108] 経口投与に有用な本発明の他の組成物には、固形製剤、たとえば錠剤およびカプセル剤、ならびに液状製剤、たとえば液剤、懸濁液剤および乳剤(たとえば軟ゼラチンカプセル剤)が含まれる。そのような組成物を常法によりコーティングすることができ、ある態様においては、目的作用を延長させるために本発明化合物が消化管内に多様な時点で放出されるようなpH依存性または時間依存性のコーティングがこれに含まれる。そのような剤形は、1種類以上の酢酸フタル酸セルロース、ポリフタル酸酢酸ビニル、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、Eudragit(商標)コーティング、ろうおよびセラックを含有するが、これらに限定されない。
【0169】
[00109] 本発明方法に従って使用するための化合物は、眼内、経口、非経口投与することができ、これにはたとえば点眼剤として適切な配合物の使用が含まれる。眼内投与については、軟膏剤または点滴用液剤を当技術分野で既知の眼内送達方式、たとえばアプリケーターまたは点眼器具により送達できる。そのような組成物は、粘液擬似物質(mucomimetic)、たとえばヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリビニルアルコール、保存剤、たとえばソルビン酸、EDTAまたは塩化ベンザルコニウム、ならびに常用量の希釈剤および/またはキャリヤーを含有することができる。調剤に関する情報については、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第16版, Mack Publishing, ペンシルベニア州イーストン, 1980、および後続版を参照。
【0170】
[00110] 他の多数の投与ビヒクルは当業者に自明であろう。これには徐放性配合物、リポソーム配合物およびポリマーマトリックスが含まれるが、これらに限定されない。
[00111] 他の態様において、本発明組成物は1日当たり約0.1または0.5〜4 mg/kg体重、の量で投与するように配合されたSARMを含有するであろう。
【0171】
[00112] 多様な態様の投与範囲が本発明により考慮される。投与量は0.1〜80 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は0.1〜50 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は0.1〜20 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は0.1〜10 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は0.1〜5 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は0.5〜5 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は0.5〜50 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は5〜80 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は35〜65 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は35〜65 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は20〜60 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は40〜60 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は45〜60 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は40〜60 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は60〜120 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は120〜240 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は40〜60 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は240〜400 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は45〜60 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は15〜25 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は5〜10 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は55〜65 mg/日の範囲であってもよい。他の態様において、投与量は20 mg/日であってもよい。他の態様において、投与量は40 mg/日であってもよい。他の態様において、投与量は60 mg/日であってもよい。
【0172】
[00113] SARM薬剤を含有する医薬組成物は、非経口、癌近辺(paracancerally)、経粘膜、経皮、筋肉内、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、頭蓋内、膣内または腫瘍内など、当業者に既知のいずれかの方法で対象に投与することができる。
【0173】
[00114] 1態様においては、医薬組成物を経口投与し、したがって経口投与に適切な剤形で、すなわち固形製剤または液状製剤として配合する。適切な経口用固形配合物には、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、ペレット剤などが含まれる。適切な経口用液状配合物には、液剤、懸濁液剤、分散液剤、乳剤、油剤などが含まれる。本発明の1態様においては、SARM化合物をカプセル内に配合する。この態様によれば、本発明組成物はSARM有効化合物および不活性キャリヤーまたは希釈剤のほかに、硬ゼラチンカプセルを含む。
【0174】
[00115] さらに他の態様においては、医薬組成物を液状製剤の静脈内、動脈内または筋肉内注射により投与する。適切な液状配合物には、液剤、懸濁液剤、分散液剤、乳剤、油剤などが含まれる。1態様においては、医薬組成物を静脈内投与し、したがって静脈内投与に適切な剤形で配合する。他の態様においては、医薬組成物を動脈内投与し、したがって動脈内投与に適切な剤形で配合する。他の態様においては、医薬組成物を筋肉内投与し、したがって筋肉内投与に適切な剤形で配合する。
【0175】
[00116] さらに他の態様においては、医薬組成物を体表に局所投与し、したがって局所投与に適切な剤形で配合する。適切な局所配合物には、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、滴剤などが含まれる。局所投与のために、SARM薬剤またはそれらの生理的に許容できる誘導体、たとえば塩類、エステル、N-オキシドなどを製造し、生理的に許容できる希釈剤中の液剤、懸濁液剤または乳剤(医薬用キャリヤーを含むもの、または含まないもの)として適用する。
【0176】
[00117] さらに他の態様においては、医薬組成物を坐剤、たとえば直腸坐剤または尿道坐剤として投与する。さらに他の態様においては、医薬組成物をペレット剤の皮下埋込みにより投与する。他の態様において、ペレット剤はSARM薬剤をある期間にわたって制御放出する。
【0177】
[00118] 他の態様においては、有効化合物をベシクル、特にリポソーム中で送達することができる(参照:Langer, Science 249: 1527-1533 (1990); Treat et al., Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler (編者), Liss, ニューヨーク, pp. 353-365 (1989); Lopez-Berestein, 前掲, pp. 317-327;全般に前掲を参照)。
【0178】
[00119] そのほか、本発明組成物は下記のものをさらに含有することができる:結合剤(たとえばアラビアゴム、トウモロコシデンプン、ゼラチン、カルボマー、エチルセルロース、グァーガム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン)、崩壊剤(たとえばトウモロコシデンプン、バレイショデンプン、アルギン酸、二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グァーガム、グリコール酸デンプンナトリウム)、多様なpHおよびイオン強度の緩衝剤(たとえばトリス-HCl、酢酸塩、リン酸塩)、表面への吸収を防ぐための添加剤、たとえばアルブミンまたはゼラチン、界面活性剤(たとえばTween 20、Tween 80、プルロニック(Pluronic)F68、胆汁酸塩)、プロテアーゼ阻害剤、表面活性剤(たとえばラウリル硫酸ナトリウム)、透過促進剤、可溶化剤(たとえばグリセロール、ポリエチレングリセロール)、酸化防止剤(たとえばアスコルビン酸、メタ亜硫酸水素ナトリウム、ブチル化ヒドロキシアニソール)、安定剤(たとえばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、増粘剤(たとえばカルボマー、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、グァーガム)、甘味剤(たとえばアスパルテーム、クエン酸)、保存剤(たとえばチメロサール、ベンジルアルコール、パラベン類)、滑沢剤(たとえばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、流動補助剤(たとえばコロイド状二酸化ケイ素)、可塑剤(たとえばフタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル)、乳化剤(たとえばカルボマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ラウリル硫酸ナトリウム)、コーティング用ポリマー(たとえばポロキサマーまたはポロキサミン)、コーティングおよびフィルム形成剤(たとえばエチルセルロース、アクリレート、ポリメタクリレート)、および/または佐剤。
【0179】
[00120] 1態様において、本明細書に示す医薬組成物は制御放出組成物、すなわち投与後にSARM化合物をある期間にわたって放出する組成物である。制御放出または持続放出組成物には、親油性デポ製剤(たとえば脂肪酸、ろう、油)が含まれる。他の態様において、本発明組成物は即時放出組成物、すなわち投与直後にSARM化合物をすべて放出する組成物である。
【0180】
[00121] 他の態様においては、制御放出システムで送達する医薬組成物を静脈注入、埋込み式浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、または他の投与様式のために配合することができる。1態様においては、ポンプを使用できる(参照:Langer, 前掲; Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987); Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989))。他の態様においては、ポリマー材料を使用できる。さらに他の態様においては、制御放出システムを療法標的、たとえば脳の近辺に配置することができ、したがって全身用量のわずかな部分が必要となるにすぎない(たとえば、Goodson, Medical Applications of Controlled Release, 前掲, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照)。他の制御放出システムは、Langer(Science 249:1527-1533 (1990))による概説中に考察されている。
【0181】
[00122] 本発明組成物には、有効物質をポリマー化合物、たとえばポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルなどの粒状製剤の中もしくは上、あるいはリポソーム、マイクロエマルション、ミセル、単層もしくは多層ベシクル、赤血球ゴーストまたはスフェロプラスト上に含有させることも含まれる。そのような組成物は物理的状態、溶解性、安定性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響を与えるであろう。
【0182】
[00123] ポリマー(たとえばポロキサマーまたはポロキサミン)でコーティングした粒状組成物、および組織特異的な受容体、リガンドもしくは抗原に対する抗体に結合した化合物、または組織特異的受容体のリガンドに結合した化合物も本発明に包含される。
【0183】
[00124] 水溶性ポリマー、たとえばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリプロリンの共有結合により修飾した化合物も本発明に包含される。修飾した化合物は、静脈内注射後、対応する非修飾化合物より実質的に長い血中半減期を示すことが知られている(Abuchowski et al., 1981;Newmark et al., 1982;およびKatre et al., 1987)。そのような修飾は、水溶液中における化合物の溶解性を高め、凝集を排除し、化合物の物理的および化学的安定性を高め、化合物の免疫原性および反応性を大幅に低下させる可能性もある。その結果、そのようなポリマー-化合物付加物を非修飾化合物より低頻度または低用量で投与することにより、目的とするインビボ生物活性を達成できる。
【0184】
[00125] 有効成分を含有する医薬組成物の調製は当技術分野で周知であり、たとえば混合法、造粒法または錠剤成形法による。療法有効成分はしばしば、医薬的に許容できる、かつ有効成分と適合性である賦形剤と混合される。経口投与のためには、SARM薬剤またはそれらの生理的に耐容できる誘導体、たとえば塩類、エステル、N-オキシドなどを、この目的に慣用される添加剤、たとえばビヒクル、安定剤または不活性希釈剤と混合し、常法により投与に適切な剤形、たとえば錠剤、コーティング錠、硬または軟ゼラチンカプセル剤、水性、アルコール性または油性液剤に変換する。非経口投与のためには、SARM薬剤またはそれらの生理的に耐容できる誘導体、たとえば塩類、エステル、N-オキシドなどを、所望によりこの目的に慣用される適切な物質、たとえば可溶化剤などと共に、液剤、懸濁液剤または乳剤に変換する。
【0185】
[00126] 有効成分を、中和した医薬的に許容できる塩の形で組成物中に配合することができる。医薬的に許容できる塩類には酸付加塩(ポリペプチドまたは抗体分子の遊離アミノ基と形成)が含まれ、それらは無機酸、たとえば塩酸もしくはリン酸、または有機酸、たとえば酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などと形成される。遊離カルボキシル基から形成される塩類も、無機塩基、たとえばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウムまたは鉄(III)の水酸化物、および有機塩基、たとえばイソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどから誘導できる。
【0186】
[00127] 医薬に使用するためには、SARMの塩類は医薬的に許容できる塩類であろう。しかし、他の塩類は本発明化合物またはそれらの医薬的に許容できる塩類の製造に有用である可能性がある。本発明化合物の医薬的に許容できる適切な塩類には酸付加塩が含まれ、それらはたとえば本発明化合物の溶液を、医薬的に許容できる酸、たとえば塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸の溶液と混合することにより形成できる。
【0187】
SARMの特性
[00128] 本明細書に記載する疾患および/または障害および/または状態の予防および治療に有用なSARMは、ある態様においてアンドロゲン受容体アゴニスト(ARアゴニスト)、部分アゴニストまたはアンドロゲン受容体アンタゴニスト(ARアンタゴニスト)に分類できる。
【0188】
[00129] 受容体アゴニストは、受容体に結合してそれらを活性化する物質である。受容体の部分アゴニストは、受容体に結合してそれらを部分的に活性化する物質である。受容体アンタゴニストは、受容体に結合してそれらを不活性化する物質である。本発明方法に使用するためのSARM化合物は組織選択的作用をもち、その際、ある薬剤はそのSARMが存在する組織に応じてアゴニスト、部分アゴニストおよび/またはアンタゴニストとなる可能性がある。たとえば、SARM化合物は筋組織を刺激することにより同化活性を示す可能性があり、あるいは前立腺のアンドロゲン受容体によるシグナル伝達を阻害することにより抗アンドロゲン活性を阻害する可能性がある。1態様において、本発明方法に有用なSARMはアゴニストである。他の態様において、SARMはARアンタゴニストであり、したがってARに結合して不活性化するのに有用である。本発明化合物がARアゴニストであるか、またはアンタゴニストであるかを判定するためのアッセイ法は、当業者に周知である。たとえば、ARアゴニスト活性は、SARM化合物がAR含有組織、たとえば前立腺および精嚢の増殖を維持および/または刺激する能力を重量で測定してモニターすることにより判定できる。ARアンタゴニスト活性は、SARM化合物がAR含有組織の増殖を阻害する能力をモニターすることにより判定できる。
【0189】
[00130] 他の態様においては、本発明のSARM化合物を部分ARアゴニスト/アンタゴニストとして分類できる。1態様において、SARMは特定の組織ではARアゴニストであってAR応答遺伝子の転写を促進し(たとえば筋同化作用)、同時に他の組織でこれらの化合物はARへのテストステロン/DHT結合の競合阻害薬として作用して自然のアンドロゲン結合を阻害することにより抗アンドロゲン薬となる。
【0190】
[00131] 本発明方法に使用するためのSARM化合物は、可逆的または不可逆的にアンドロゲン受容体に結合する。1態様において、SARM化合物はアンドロゲン受容体に可逆的に結合する。他の態様において、SARM化合物はアンドロゲン受容体に不可逆的に結合する。本発明化合物は、アンドロゲン受容体をアルキル化しうる(すなわち共有結合の形成)官能基(アフィニティーラベル)を含むことができる。したがって、この場合、本発明化合物は受容体に不可逆的に結合するので、ステロイド、たとえば内因性リガンドDHTおよびテストステロンにより置換できない。
【0191】
[00132] 1態様において、本発明方法はSARM化合物を唯一の有効成分として投与することを含む。しかし、SARM化合物を本明細書に記載する1種類以上の療法薬と組み合わせて投与することを含む処置方法も、本発明の範囲に含まれる。これらの薬剤には、ある態様においてLHRH類似体、可逆的抗アンドロゲン薬、抗エストロゲン薬、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、抗癌薬、5-αレダクターゼ阻害薬、アロマターゼ阻害薬、プロゲスチン、他の選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)、テストステロン、同化作用性ステロイド、成長ホルモン、もしくは他の核内ホルモン受容体を介して作用する薬剤、またはそのいずれかの組合わせが含まれる。
【0192】
[00133] したがって、1態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物をLHRH類似体と組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を可逆的抗アンドロゲン薬と組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を抗エストロゲン薬と組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物をSERMと組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を抗癌薬と組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を5-αレダクターゼ阻害薬と組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物をアロマターゼ阻害薬と組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物をプロゲスチンと組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を他のSARMと組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物をテストステロンと組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を同化作用性ステロイドと組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を成長ホルモンと組み合わせて含む組成物の使用を提供する。他の態様において本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター化合物を他の核内ホルモン受容体を介して作用する薬剤と組み合わせて含む組成物の使用を提供する。
【0193】
選択的アンドロゲンモジュレーター化合物の活性
腎疾患および関連状態
[00134] 1態様において、本発明は、腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を治療する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物、結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0194】
[00135] 他の態様において、本発明は、対象における腎臓の疾患または障害を予防する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物、結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0195】
[00136] 他の態様において、本発明は、対象における腎臓の疾患または障害に関連する症状の発生を治療、予防、抑制、阻止または軽減する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物、結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0196】
[00137] 1態様において腎臓の疾患または障害は急性であり、あるいは他の態様においては慢性である。1態様において、この処置が有用である可能性のある腎臓の疾患または障害の臨床指標には、尿円柱、GFR測定値、または他の腎機能マーカーが含まれる。
【0197】
[00138] 1態様において、本発明方法は腎臓の疾患または障害の素質がある対象に有用である。1態様において、対象に関して”腎臓の疾患または障害の素質がある”という句は”リスクがある対象”と同義語であり、急性もしくは慢性腎不全のリスクがある対象、または対象が機能性腎単位の漸減に伴って進行性腎機能喪失を生じると論理的に予想される場合に腎置換療法を必要とするリスクがある対象を含む。その対象にリスクがあるかは、関連する医療または動物医療の当業者がルーティンになしうる判定である。
【0198】
[00139] 慢性腎不全のリスクがある対象または腎置換療法を必要とするリスクがある対象には下記のものが含まれるが、これらに限定されない:慢性腎不全、末期腎疾患、慢性糖尿病性腎障害、高血圧性腎硬化症、慢性糸球体性腎炎、遺伝性腎炎および/または腎形成異常に罹患しているとみなすことができる対象;生検により糸球体肥大、尿細管肥大、慢性糸球体硬化症および/または慢性尿細管間質硬化症が指示される対象;超音波、MRI、CATスキャン、または他の非侵襲性検査により腎線維症が指示される対象;異常な数の広域(broad)尿円柱が尿沈降物中に存在する対象;慢性的にその対象の予想GFRの約50%未満、特に約40%未満、30%未満または20%未満のGFRをもつ対象;少なくとも約50 kgの体重があり、かつ慢性的に約50 ml/分未満、または約40 ml/分未満、30 ml/分未満、20 ml/分未満のGFRをもつヒト男性対象;少なくとも約40 kgの体重があり、かつ慢性的に約40 ml/分未満、または約30 ml/分未満、20 ml/分未満、10 ml/分未満のGFRをもつヒト女性対象;健康であるが他の点では類似の対象がもつ機能性腎単位数の約50%未満、特に約40%未満、30%未満、または20%未満の機能性腎単位数をもつ対象;腎臓が1つである対象;あるいは腎移植を受けた対象。
【0199】
[00140] 本発明方法は、指示した処置が必要ないかなる哺乳動物対象にも使用できる。本発明方法に従って処置できる哺乳動物対象には、限定ではないがヒト対象またはヒト患者が含まれる。
【0200】
[00141] しかし本発明はさらに、ヒトの愛玩動物として飼育されている家畜化した哺乳動物(たとえばイヌ、ネコ、ウマ)、商業的に著しい価値のある哺乳動物(たとえば乳牛、肉牛、スポーツ用動物)、科学的に著しい価値のある哺乳動物(たとえば絶滅危惧種の捕獲標本または非捕獲標本)、または他の価値がある哺乳動物の処置にも使用できる。
【0201】
[00142] 医療または動物医療の当業者は、本発明の治療/予防方法が必要な対象を認識する訓練を受けている。特に、本発明および他の処置方法に関連する臨床試験および非臨床試験ならびに蓄積された経験は、その対象が本発明方法による処置を要する状態、疾患もしくは障害のリスク、たとえば慢性腎疾患、たとえば末期腎疾患のリスク、または腎置換療法を必要とするリスクなどをもつかどうか、あるいは本発明による処置を含めてどの特定の処置がその対象の要求に最適かどうかを当業者が判定する際の情報をもたらすと期待される。
【0202】
[00143] 1態様において、哺乳動物対象は、その対象が機能性腎単位の漸減に伴って一般に進行性腎機能喪失に至る状態に罹患していると既に診断された場合、または罹患しているとみなされる場合、慢性腎不全のリスクまたは腎置換療法を必要とするリスクがあるとみなすことができる。そのような状態には慢性腎不全、末期腎疾患、慢性糖尿病性腎障害、高血圧性腎硬化症、慢性糸球体性腎炎、遺伝性腎炎、腎形成異常などが含まれるが、これらに限定されない。これらおよび当技術分野で既知の他の疾患および状態は、一般に機能性腎単位の漸減および慢性腎不全の発症をもたらす。
【0203】
[00144] 医療または動物医療の当業者は、腎生検試料の検査に基づいて予後、診断または処置の決定を行う場合がしばしばある。そのような生検により、腎障害の診断に有用な多くの情報が得られるが、その方法は侵襲性であり、非健康であると推定される腎臓にさらに外傷を与えるのはすべての患者にとって不適切である可能性がある。それにもかかわらず、慢性腎不全のリスクまたは腎置換療法を必要とするリスクがある対象は、腎生検を含めた組織学的指標により認識でき、これには糸球体肥大、尿細管肥大、糸球体硬化症、尿細管間質硬化症などが含まれるが、これらに限定されない。
【0204】
[00145] 腎臓の形態を評価するための、より侵襲性の少ない方法には、MRI、CATおよび超音波スキャンが含まれる。造影剤またはイメージング剤(たとえば放射性色素)を用いるスキャン法もあるが、これらのうちあるものは腎臓の組織および構造体に対して特に有害であり、したがってそれらの使用は慢性腎不全のリスクがある対象には推奨できないことを留意すべきである。そのような非侵襲性スキャン法は、対象に慢性腎不全のリスクまたは腎置換療法を必要とするリスクをもたらす腎線維症または腎硬化症、限局性腎壊死、腎嚢胞、および肉眼的腎肥大などの状態を検出するために採用できる。
【0205】
[00146] 予後、診断および/または処置の決定は、ある態様においては腎機能の臨床指標に基づいて行うことができる。そのような指標のひとつは、尿沈渣中に異常な数の”広域”または”腎不全”尿円柱が存在することである。これは尿細管肥大の指標であり、慢性腎不全の典型である代償性腎肥大を示唆する。腎機能の他の指標は、糸球体流速(GFR)であり、これは特定のマーカーのクリアランス速度を定量することにより直接測定でき、あるいは間接的な測定値から推量できる。
【0206】
[00147] 本発明の処置方法は必ずしもいずれか特定のGFRまたは他の特定の腎機能マーカーの尺度を示している対象に限定されないことを留意するのが重要である。
[00148] 1態様において、腎疾患を伴う対象、特に末期腎疾患(ESRD)を伴う男性対象は、生殖腺機能低下を患っており、ある対象は中等度ないし重篤な随伴性タンパク質-エネルギー栄養不良(PEM)を伴い、このためより高いEPO要求量、より低いQOL評点、およびより高い死亡率を生じる。多くの対象が、疲労、食欲不振、筋脆弱化など、生殖腺機能低下に関連する他の症状を伴う。ある態様において、本発明の処置方法は、腎臓の疾患または障害により対象に起きた生殖腺機能低下に関連する症状の処置に有用である。
【0207】
[00149] 1態様において、本発明方法による処置が求められる対象は、糖尿病性腎障害を伴う対象である。糖尿病性腎障害は糖尿病の合併症であり、早期に、一般に糖尿病の臨床診断がなされる前に発症する。腎障害の最も早期の臨床証拠は、低いけれども異常なレベル(>30 mg/日または20μg/分)の尿中アルブミンの出現(ミクロアルブミン尿症)であり、続いてアルブミン尿症(>300 mg/24時間または200μg/分)が起き、これが10〜15年間にわたって進行する。I型糖尿病患者の場合、早期に、患者がミクロアルブミン尿症を発症する時期までに、糖尿病性高血圧症が一般に顕性となる。顕性腎障害が起きると、糸球体濾過速度(GFR)が経時的に(数年間の場合がある)低下し、結果的に糖尿病個体における末期腎疾患(ESRD)となる。
【0208】
[00150] 1態様において、用語”処置”または”処置する”は、障害寛解処置のほか予防処置も表わす。1態様において、用語”軽減する”、”抑制する”または”阻止する”は、疾患または障害に関連する症状、マーカー、およびその疾患または障害の原因の減少、遅延または低下を表わす。
【0209】
[00151] 1態様において、用語”投与する”は、対象を本発明のSARM化合物と接触させることを表わし、これはインビトロ、すなわち試験管内で、またはインビボ、すなわち生存生物、たとえばヒトの細胞もしくは組織内で、またはエクスビボで移植前に処理した細胞の移植により、達成できる。1態様において、本発明は、本発明化合物を当業者に自明のいずれかの経路で対象に投与することを包含する。
【0210】
[00152] 本発明の1態様において、腎臓の疾患または障害を予防、軽減、阻止、治療または遅延するための処置方法は、SARMのほかに他の化合物の投与を含むことができる。追加の化合物は、1態様においては腎臓の疾患もしくは障害の発症における、または他の態様においてはその素質における、他の原因因子に関連するものであってもよい。たとえば、1態様においては腎臓の疾患もしくは障害またはその前駆症状のリスクがある、または他の態様においてはそれらを伴う糖尿病を、SARM処置のほかに、有効量のチアゾリジンジオン類、または”グリタゾン系”糖尿病薬、たとえばトログリタゾン(Troglitazone)、ロシグリタゾン(Rosiglitazone)およびピオグリタゾン(Pioglitazone)で処置することができる。
【0211】
[00153] 他の態様においては、他の抗糖尿病薬をSARMと組み合わせて投与することができる。そのような抗糖尿病薬には、下記のものを含めることができる:ビグアニド類(たとえばメトホルミン(metformin))、グルコシダーゼ阻害薬(たとえばアカルボース(acarbose))、インスリン類(インスリン分泌促進薬またはインスリン増感薬を含む)、メグリチニド類(たとえばレパグリニド(repaglinide))、スルホニル尿素(たとえばグリメピリド(glimepiride)、グリブリド(glyburide)およびグリピジド(glipizide))、ビグアニド/グリブリド合剤(たとえばGlucovance(登録商標))、チアゾリジンジオン類(たとえばトログリタゾン、ロシグリタゾンおよびピオグリタゾン)、PPAR-αアゴニスト、PPAR-γアゴニスト、PPAR-α/γ二重アゴニスト、SGLT2阻害薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、脂肪酸結合タンパク質(aP2)阻害薬、たとえば米国特許出願No. 09/519,079(2000年3月6日出願)に開示されるもの、グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1)、およびジペプチジルペプチダーゼIV (DPP4)阻害薬、たとえばWO 0168603に開示されるもの。
【0212】
[00154] 併用療法は、本発明のいずれの処置方法についても、1態様においては単一組成物中で対象に同時投与することができ、あるいは他の態様においてはそれらの化合物を時間、経路、組成物などに関してそれぞれの化合物の投与を変えて別個に投与することができる。
【0213】
[00155] そのような他の療法薬には、たとえば1種類以上の下記のものを含めることができる:回腸胆汁輸送体活性の阻害薬(”IBAT阻害薬”)、コレステロールエステル輸送タンパク質活性の阻害薬(”CETP阻害薬”)、フィブラート類、ジゴキシン、カルシウムチャンネル遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質活性の阻害薬、コレステロール吸収アンタゴニスト、フィトステロール類、胆汁酸封鎖薬、血管拡張薬、アドレナリン遮断薬、アドレナリン刺激薬、および/またはHMG-CoAレダクターゼ活性の阻害薬。そのような他の療法薬には、たとえば1種類以上の下記のものを含めることもできる:一般的な抗炎症薬、たとえばステロイド、シクロオキシゲナーゼ-2阻害薬、疾患改善抗リウマチ薬(”DMARD”)、免疫抑制薬、非ステロイド系抗炎症薬(”NSAID”)、5-リポキシゲナーゼ阻害薬、LTB4アンタゴニスト、およびLTA4ヒドロラーゼ阻害薬。
【0214】
[00156] 1態様においては、本発明方法のためにエリスロポエチンをSARMと共に投与する。これは、1態様においては腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置するのに有用である。
【0215】
[00157] 1態様において、本発明方法に従って使用するエリスロポエチンは、天然源から得られ(たとえば尿エリスロポエチン:U.S.P. 3,865,801を参照)、あるいは組換え産生されたタンパク質およびその類似体、たとえばU.S.P. No. 5,441,868、5,547,933、5,618,698および5,621,080に記載のもの、ならびにヒトエリスロポエチン類似体であって、グリコシル化の増大および/またはアミノ酸配列の変更を伴うもの:欧州特許出願公開No. EP 668351に記載、ならびに1〜14個のシアル酸基およびアミノ酸配列の変更を伴う高グリコシル化類似体:PCT公開No. WO 91/05867に記載のものである。
【0216】
[00158] エリスロポエチン様ポリペプチドも本発明に包含され、たとえばダルベポエチン(darbepoietin) (Amgenから;アラネスプ(Aranesp)および新規赤血球産生刺激タンパク質(novel erthyropoiesis stimulating protein (NESP))としても知られる)がこれに含まれる。本発明に使用するダルベポエチンの投与には、約0.5μg/kgで週1回の皮下または静脈内投与が含まれる。
【0217】
[00159] エリスロポエチン血清濃度は普通は5〜50 mU/mlであるが、貧血症を伴う慢性腎不全その他の状態に罹患している患者ではエリスロポエチンがはるかに少なく、1態様において処置は血中濃度を約1〜100 mU/mlに高めて維持する試みを含む。この血漿濃度は、1日1回ないし数回の投与により達成できる。
【0218】
[00160] 高血圧症は腎疾患の他の合併要因である。ある態様において、腎疾患の処置はSARMと高血圧症処置薬の併用処置を含むことができる。
[00161] SARMと併用するのに適切な抗高血圧症薬の例には、下記のものが含まれる:βアドレナリン遮断薬、カルシウムチャンネル遮断薬(L-型およびT-型;たとえばジルチアゼム(diltiazem)、ベラパミル(verapamil)、ニフェジピン(nifedipine)、アムロジピン(amlodipine)およびミベフラジル(mybefradil))、利尿薬(たとえばクロロチアジド(chlorothiazide)、ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide)、フルメチアジド(flumethiazide)、ヒドロフルメチアジド(hydroflumethiazide)、ベンドロフルメチアジド(bendroflumethiazide)、メチルクロロチアジド(methylchlorothiazide)、トリクロロメチアジド(trichloromethiazide)、ポリチアジド(polythiazide)、ベンゾチアジド(benzthiazide)、エタクリン酸トリクリナフェン(ethacrynic acid tricrynafen)、クロルサリドン(chlorthalidone)、フロセミド(furosemide)、ムソリミン(musolimine)、ブメタニド(bumetanide)、トリアムトレネン(triamtrenene)、アミロリド(amiloride)、スピロノラクトン(spironolactone))、レニン阻害薬、ACE阻害薬(たとえばカプトプリル(captopril)、ゾフェノプリル(zofenopril)、フォシノプリル(fosinopril)、エナラプリル(enalapril)、セラノプリル(ceranopril)、シラゾプリル(cilazopril)、デラプリル(delapril)、ペントプリル(pentopril)、キナプリル(quinapril)、ラミプリル(ramipril)、リシノプリル(lisinopril))、AT-1受容体アンタゴニスト(たとえばロサルタン(losartan)、イルベサルタン(irbesartan)、バルサルタン(valsartan))、ET受容体アンタゴニスト(たとえばシタクスセンタン(sitaxsentan)、アトルセンタン(atrsentan)、およびU.S.P. No. 5,612,359および6,043,265に開示される化合物)、二重ET/AIIアンタゴニスト(たとえばWO 00/01389に開示される化合物)、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害薬、バソペプシダーゼ阻害薬(二重NEP-ACE阻害薬)(たとえばオマパトリラト(omapatrilat)およびゲモパトリラト(gemopatrilat))、ならびにナイトレート。
【0219】
[00162] 他の複合要因は、当業者に認識されるように高コレステロール血症、アテローム性硬化症、血栓症などである。1態様において、本発明方法は少なくとも1種類のSARMをこれらの要因に対処する薬剤(単独、または本明細書に記載する他の薬剤との組合わせ)とも組み合わせて投与することを含む。
【0220】
[00163] SARMと併用するのに適切な抗血小板薬の例には、GPIIb/IIIa遮断薬(たとえばアブシキシマブ(abciximab)、エプチフィバチド(eptifibatide)、チロフィバン(tirofiban))、P2Y12アンタゴニスト(たとえばクロピドグレル(clopidogrel)、チクロピジン(ticlopidine)、CS-747)、トロンボキサン受容体アンタゴニスト(たとえばイフェトロバン(ifetroban))、アスピリン、およびPDE-III阻害薬(たとえばジピリダモール(dipyridamole))(アスピリンを含むか、または含まない)が含まれる。SARMと併用するのに適切な強心配糖体の例には、ジギタリスおよびウアバインが含まれる。SARMと併用するのに適切なコレステロール/脂質低下薬の例には、HMG-CoAレダクターゼ阻害薬(たとえばプラバスタチン(pravastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、NK-104(別名イタバスタチン(itavastatin)またはニスバスタチン(nisvastatinまたはnisbastatin))およびZD-4522(別名ロスバスタチン(rosuvastatin)またはアタバスタチン(atavastatin)またはビサスタチン(visastatin)))、スクアレン合成阻害薬、フィブラート類、胆汁酸封鎖薬、ACAT阻害薬、MTP阻害薬、リポキシゲナーゼ阻害薬、コレステロール吸収阻害薬、およびコレステロールエステル輸送タンパク質阻害薬(たとえばCP-529414)が含まれる。
【0221】
[00164] 動物モデルを用いて、本発明方法に提唱した処置方法に関する方式を評価することができる。たとえば、腎切除により腎量低下(renal mass reduction (RMR))を生じたラットを、糸球体硬化症、糸球体間質の拡張および増殖、ならびに尿細管-間質交換の程度について処置方式の関数として、化合物、用量または使用した組合わせに関して評価することができる。
【0222】
衰弱またはカヘキシーとSARM処置
[00165] 他の態様において、本発明は、対象のカヘキシーまたは不随意の体重減少に関連する症状を治療、予防、阻止、軽減もしくは抑制または改善する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0223】
[00166] 他の態様において、本発明は、腎臓の疾患または障害に罹患している対象の筋衰弱を治療、予防、阻止、軽減または抑制する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0224】
[00167] 他の態様において、本発明は、腎臓の疾患または障害に罹患している対象のタンパク質異化作用を治療、予防、阻止、軽減または抑制する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、プロドラッグ、多型、未精製物もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0225】
[00168] 本明細書中で考慮するように、本発明のSARM化合物は、本明細書に記載する処置に関する状態に関連する筋衰弱の発生を治療、予防、抑制、阻止または軽減するのに有用である。
【0226】
[00169] 無傷のアンドロゲン受容体(AR)シグナル伝達経路は、特に骨格筋の適正な発達にとって重要である。さらに、無傷のARシグナル伝達経路は除脂肪筋量、筋強度および筋タンパク質合成を増大させ、その増大は本明細書に記載する状態、疾患または障害に関連する症状を本発明方法により処置する際に有用である。
【0227】
[00170] 衰弱状態または衰弱性障害は、本明細書中で、少なくとも一部は異常な進行性の体重、臓器または組織の質量減少を特徴とする状態または障害と定義される。当業者に自明のとおり、衰弱状態は癌などの病理の結果として起きる可能性があり、あるいはたとえば長期間の床上安静のため、または四肢がギブスなどに固定されている際に、または多重創傷の発生(たとえば、糖尿病で行われる切断術その他の状態を含む)に伴って起きる、非活動性の体調偏移などの生理状態または代謝状態による可能性がある。衰弱状態は加齢にも関連する可能性がある。衰弱状態で起きる体重減少は、組織タンパク質の減少による全体重の減少、または臓器重量の減少、たとえば骨もしくは筋肉の質量の減少により特徴づけることができる。
【0228】
[00171] 1態様において、用語”筋衰弱(muscle wasting、muscular wasting)”は、進行性の筋量減少および/または進行性の筋脆弱化および筋変性を表わす;これには、運動を制御する骨格筋または随意筋、心臓を制御する心筋、および平滑筋が含まれる。1態様において、筋肉の衰弱状態または衰弱性障害は慢性の衰弱状態または衰弱性障害である。”慢性筋衰弱”は、本明細書中で慢性(すなわち長期間にわたって持続する)進行性筋量減少ならびに/あるいは慢性進行性筋脆弱化および変性と定義される。
【0229】
[00172] 筋衰弱に際して起きる筋量減少は、筋タンパク質異化作用による筋タンパク質の破壊または分解により特徴づけることができる。タンパク質異化作用は異常に高いタンパク質分解速度、異常に低いタンパク質合成速度、または両者の組合わせのため起きる。タンパク質の異化作用または消耗は、高いタンパク質分解度または低いタンパク質合成度のいずれが原因であっても、筋量減少および筋衰弱を生じる。用語”異化作用”は当技術分野で一般に知られている意味をもち、具体的にはエネルギー燃焼形の代謝である。
【0230】
[00173] 筋衰弱は、本発明方法による処置に関する障害を含めた病理、疾患、状態または障害、たとえば末期腎不全の結果として起きる可能性がある。
[00174] カヘキシーは、疾患により、または疾病の副作用として起きる、衰弱および体重減少である。疾患もしくは損傷のための長期間の入院、またはたとえば四肢が固定されている際に起きる非活動性の体調偏移も筋衰弱を生じる可能性がある。損傷、慢性疾患、熱傷、外傷または癌を伴う長期入院患者には長期間持続する片側筋衰弱が生じ、結果的に体重が減少することが、研究により示された。神経系損傷、たとえば脊髄損傷も、本明細書中で詳細に記載するように関連要因の可能性がある。これらの状態が処置すべき一次状態または二次状態のいずれであっても、本明細書に記載するように少なくとも1種類のSARM化合物、または他の態様においてはSARMの組合わせ、または他の態様においてはSARM(1種類以上)と他の薬剤の組合わせの投与により処置して、その状態および/または症状を改善、予防、軽減または治療することができ、これも本発明方法であるとみなすべき態様である。
【0231】
[00175] 本発明化合物を、成長促進薬、たとえばTRH、ジエチルスチルベステロール、テオフィリン、エンケファリン類、E系列プロスタグランジン、U.S.P. No. 3,239,345に開示される化合物、たとえばゼラノール(zeranol)、およびU.S.P. No. 4,036,979に開示される化合物、たとえばスルベノックス(sulbenox)、またはU.S.P. No. 4,411,890に開示されるペプチド(これらに限定されない)と組み合わせることができる。
【0232】
[00176] 他の態様において、本発明方法は成長ホルモン分泌促進薬、たとえばGHRP-6、GHRP-1(U.S.P. No. 4,411,890、ならびに公開WO 89/07110およびWO 89/07111に記載)、GHRP-2(WO 93/04081に記載)、NN703 (Novo Nordisk)、LY444711 (Lilly)、MK-677 (Merck)、CP424391 (Pfizer)およびB-HT920との、あるいは他の態様においては成長ホルモン放出因子およびその類似体、または成長ホルモンおよびその類似体、またはIGF-1およびIGF-2を含めたソマトメジン(somatomedin)類との、あるいはα-アドレナリンアゴニスト、たとえばクロニジン(clonidine)、またはセロトニン5-HTDアゴニスト、たとえばスマトリプタン(sumatriptan)、またはソマトスタチンもしくはその放出を阻害する薬剤、たとえばフィゾスチグミン(physostigmine)およびピリドスチグミン(pyridostigmine)との共投与により実施できる。他の態様において、本発明方法は副甲状腺ホルモン、PTH(1-34)またはビスホスホナート類、たとえばMK-217(アレンドロナート(alendronate))との共投与により実施できる。
【0233】
[00177] 他の態様において、本発明方法はエストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、たとえばタモキシフェン(tamoxifen)もしくはラロキシフェン(raloxifene)、または他のアンドロゲン受容体モジュレーター、たとえばEdwards, J. P. et. al., Bio. Med. Chem. Let., 9, 1003-1008 (1999)およびHamann, L. G. et. al., J. Med. Chem., 42, 210-212 (1999)に示されるものとの共投与により実施できる。
【0234】
[00178] 他の態様において、本発明方法はプロスタグランジン受容体アゴニスト(”PRA”)、たとえばレボノルゲストレル(levonorgestrel)、酢酸メドロキシプロゲステロン(medroxyprogesterone acetate) (MPA)との共投与により実施できる。
【0235】
[00179] 他の態様において、本発明方法は、前記の障害を処置するのに有用な、下記を含めた核内ホルモン受容体または他の適切な療法薬との共投与により実施できる:抗糖尿病薬;抗骨粗鬆症薬;抗肥満症薬;抗炎症薬;抗不安薬;抗うつ薬;抗高血圧症薬;抗血小板薬;抗血栓症薬および血栓溶解薬;強心配糖体;コレステロール/脂質低下薬;ミネラロコルチコイド受容体アンタゴニスト;ホスホジエステラーゼ阻害薬;プロテインチロシンキナーゼ阻害薬;甲状腺ミメチック(甲状腺受容体アゴニストを含む);同化作用薬;HIVまたはエイズ療法薬;アルツハイマー病その他の認知障害の処置に有用な療法薬;睡眠障害の処置に有用な療法薬;抗増殖薬または抗腫瘍薬;あるいはそのいずれかの組合わせ。
【0236】
[00180] 本発明方法に従ってSARMと併用するのに適切なミネラロコルチコイド受容体アンタゴニストの例には、スピロノラクトン(spironolactone)ンおよびエプレリノン(eplerinone)が含まれる。
【0237】
[00181] 本発明方法に従ってSARMと併用するのに適切なホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬の例には、PDE-3阻害薬、たとえばシロスタゾール(cilostazol)、およびホスホジエステラーゼ-5阻害薬(PDE-5阻害薬)、たとえばシルデナフィル(sildenafil)が含まれる。
【0238】
[00182] 本発明方法に従ってSARMと併用するのに適切な甲状腺ミメチックの例には、チロトロピン(thyrotropin)、ポリサイロイド(polythyroid)、KB-130015およびドロネダロン(dronedarone)が含まれる。
【0239】
[00183] 本発明方法に従ってSARMと併用するのに適切な異化作用薬の例には、テストステロン、TRHジエチルスチルベステロール、エストロゲン、β-アゴニスト、テオフィリン、異化作用ステロイド、デヒドロエピアンドロステロン、エンケファリン、E-系列プロスタグランジン、レチノイン酸、およびU.S.P. No. 3,239,345に開示される化合物、たとえばZeranol(登録商標);U.S.P. No. 4,036,979に開示される化合物、たとえばSulbenox(登録商標);またはU.S.P. No. 4,411,890に開示されるペプチドが含まれる。
【0240】
[00184] ある態様において、本発明方法はさらに栄養補助剤、たとえばU.S.P. No. 5,179,080に開示されるものを対象に投与することを含むことができ、他の態様においてはこれを乳清タンパク質またはカゼイン、アミノ酸(たとえばロイシン、分枝アミノ酸および酪酸ヒドロキシメチル)、トリグリセリド、ビタミン(たとえばA、B6、B12、葉酸、C、DおよびE)、無機質(たとえばセレン、マグネシウム、亜鉛、クロム、カルシウムおよびカリウム)、カミチン(camitine)、リポ酸(lipoic acid)、クレアチニン、B-ヒドロキシ-B-メチルブチリアート(Juven)およびコエンザイムQと組み合わせる。
【0241】
[00185] ある態様において、本発明方法はさらに、抗再吸収薬、ホルモン置換療法、ビタミンD類似体、カルシウム元素およびカルシウムサプリメント、カテプシンK阻害薬、MMP阻害薬、ビトロネクチン受容体アンタゴニスト、Src SH2アンタゴニスト、血管-H+-ATPアーゼ阻害薬、イプリフラボン(ipriflavone)、フルオリド、チボロン(Tibolone)、プロスタノイド、17-βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害薬、およびSrcキナーゼ阻害薬の投与を含むことができる。
【0242】
神経系に対する損傷:
[00186] 中枢神経系(CNS)に対する損傷は、ある態様において筋衰弱性障害に関連する。CNSに対する損傷または傷害は、たとえば疾患、外傷または化学物質により起きる可能性がある。その例は、中枢神経の損傷または傷害、末梢神経の損傷または傷害、および脊髄の損傷または傷害である。
【0243】
[00187] 脊髄損傷(SCI)を伴う患者の研究で、中枢神経伝達物質がSCI後に変化して視床下部-下垂体-副腎系機能障害を引き起こし、その撹乱によりテストステロンその他のホルモンのレベルが著しく低下することが示された。SCIその他の急性疾患または外傷は、同化活性の低下と合わせて異化作用の亢進を特徴とし、その結果、除脂肪組織量が減少しやすい状態になり、これに伴ってしばしば栄養利用障害が起きる。除脂肪体重減少の影響には創傷の発生および治癒機構の障害が含まれ、このため問題はさらに複雑になる。脊髄損傷患者は、栄養およびタンパク質の欠乏と固定が合わさるため、とこずれ(褥瘡)のリスクが高い。
【0244】
[00188] 1態様において、本発明は脊髄損傷を伴う対象を処置する方法であって、その対象にSARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、未精製物、プロドラッグ、多型もしくは結晶、またはそのいずれかの組合わせを投与する段階を含む方法を提供する。
【0245】
[00189] 1態様において、脊髄損傷を伴う対象を処置する方法は、その対象において脊髄損傷を伴う患者であるため起きる二次状態を処置することを含む。その若干を本明細書に記載するが、たとえば褥創、生殖腺機能低下、カヘキシーなどである。
【0246】
[00190] 1態様において、多様なCNS損傷を本発明方法により処置できる。CNS損傷とは、1態様において神経細胞の膜の破壊、または他の態様においては神経が神経インパルスを発生および伝播できない状態、または他の態様においては細胞死を表わす。損傷には、正常なCNS機能に直接または間接的に影響を与える傷害が含まれる。傷害は構造的、物理的または機械的障害の可能性があり、神経線維の挫傷、圧迫または伸長の場合のように物理的衝撃により起きる可能性がある。あるいは、細胞膜が疾患、化学物質不均衡、または生理的機能失調、たとえば酸素欠乏症(たとえば発作)、動脈瘤または再潅流により破壊または劣化する可能性がある。CNS損傷には、限定ではないが、たとえば網膜神経節細胞に対する傷害、外傷性脳損傷、発作関連損傷、脳動脈瘤関連損傷、脊髄損傷(単麻痺、両側麻痺、対麻痺および片側麻痺を含む)、神経増殖性障害、または神経障害性疼痛症候群が含まれる。
【0247】
[00191] 哺乳動物の脊髄が損傷を受けると、脊髄の神経間の連絡が破断する。そのような損傷により、損傷の影響を受けた神経路について神経インパルスの流れが遮断され、その結果、感覚および運動の両方の機能が損なわれる。脊髄の損傷は、脊髄の圧迫もしくは他の挫傷、または脊髄の破壊もしくは分断(severing)により起きる可能性がある。脊髄の分断(本明細書中で”離断(transection)”とも呼ぶ)には、脊髄の完全分断または不完全分断の場合がある。
【0248】
[00192] 本発明方法は、CNSの急性損傷および慢性損傷の両方の処置に使用でき、これには急性および慢性脊髄損傷が含まれるが、これらに限定されない。
[00193] ある態様においてはCNS損傷、または他の態様においては脊髄損傷を伴う対象を処置する方法は、損傷部位の電気刺激およびプリンヌクレオチドまたはその類似体、たとえば米国特許出願公開番号20040214790A1に記載されるものの投与により対象を処置することを伴ってもよい。
【0249】
[00194] ある態様においては、SARMとアルツハイマー病その他の認知障害の処置との併用が望ましく、ドネペジル(donepezil)、タクリン(tacrine)、レバスチグミン(revastigmin)、5HT6、γセクレターゼ阻害薬、βセクレターゼ阻害薬、SKチャンネル遮断薬、Maxi-K遮断薬、およびKCNQ遮断薬、メラトニン類似体、メラトニン受容体アンタゴニスト、ML1Bアゴニスト、またはGABA/NMDA受容体アンタゴニストを含むことができる。
【0250】
熱傷および創傷の治癒
[00195] 1態様において、本発明は、創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または重症度を緩和し、または治癒を増強もしくは促進する方法であって、その対象にSARMを投与する段階を含む方法を提供する。
【0251】
[00196] 1態様において、本発明は、熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または重症度を緩和し、または治癒を増強もしくは促進する方法であって、その対象にSARMを投与する段階を含む方法を提供する。
【0252】
[00197] 創傷および/または潰瘍は、普通は皮膚もしくは粘膜表面から突出した状態で、または臓器における梗塞の結果としてみられる。創傷は、軟組織の欠損もしくは病変または原疾患の結果である可能性がある。1態様において、用語”創傷”は組織構造の正常な統合性が撹乱された身体損傷を表わす。この用語は、”褥創(sore)”、”病変”、”壊死”および”潰瘍”をも含むものとする。1態様において、用語”褥創”は皮膚または粘膜の何らかの病変を表わし、”潰瘍”は臓器または組織の表面の局所欠損または陥凹を表わし、これは壊死組織の脱落により生じる。病変は全般的に何らかの組織欠陥に関連する。壊死は感染症、損傷、炎症または梗塞により生じる死組織に関連する。これらはすべて用語”創傷”に含まれ、これは治癒プロセスのいずれか特定の時期におけるいかなる創傷をも表わし、治癒が開始する前の時期、または外科切開など特定の創傷が作られる前の時期(予防処置)すら含まれる。
【0253】
[00198] 本発明に従って予防および/または治療できる創傷の例は、たとえば非感染創、挫創、切創、裂創、非穿通創(すなわち、皮膚の撹乱はないが、下部構造に損傷のある創傷)、開放創、穿通創、穿孔創、刺切創、膿創、皮下創などである。褥創の例は、とこずれ(bed sore)、潰瘍性口内炎(鵞瘡、canker sore)、クロム褥創、口唇ヘルペス(cold sore)、圧迫褥創(pressure sore)などである。潰瘍の例は、たとえば消化性潰瘍、十二指腸潰瘍、胃潰瘍、痛風潰瘍、糖尿病潰瘍、高血圧性虚血性潰瘍、うっ血性潰瘍、下腿潰瘍(静脈性潰瘍)、舌下潰瘍、粘膜下潰瘍、症候性潰瘍、栄養障害性潰瘍、熱帯潰瘍、性病潰瘍、たとえば淋病によるもの(尿道炎、子宮頚内膜炎および直腸炎を含む)。本発明に従って効果的に処置できる創傷または褥創に関連する状態は、熱傷、炭疽病、破傷風、ガス壊疽、猩紅熱、丹毒、鬚毛瘡、毛包炎、伝染性膿痂疹、または水疱性膿痂疹などである。用語”創傷”と”潰瘍”、”創傷”と”褥創”の使用間にはしばしばある程度の重なりがあり、さらにこれらの用語はしばしばランダムに用いられる。したがって、前記のように本発明の概念では用語”創傷”は用語”潰瘍”、”病変”、”褥創”および”梗塞”を含み、別途指示しない限りこれらの用語は区別せずに用いられる。
【0254】
[00199] 本発明に従って処置される種類の創傷には、下記のものも含まれる:i)一般創傷、たとえば外科的、外傷性、感染性、虚血性、熱的、化学的および水疱性創傷;ii)口腔に特異的な創傷、たとえば抜歯後創傷、歯内創傷、特に細菌、ウイルスまたは自己免疫由来の嚢胞および膿瘍、潰瘍および病変の処置に関係するもの、機械的、化学的、熱的、感染性および苔癬様の創傷;ヘルペス潰瘍、アフタ性口内炎、急性壊死性潰瘍性歯肉炎および灼熱口症候群が具体例である;ならびにiii)皮膚上の創傷、たとえば新生物、熱傷(たとえば化学的および熱的)、病変(細菌性、ウイルス性、自己免疫性)、咬創および外科的切開創。他の創傷分類法は、i)外科的切開によるわずかな組織損失、微小擦過傷および微小咬創、またはii)著しい組織損失としての分類である。後者のグループには、虚血性潰瘍、圧迫褥創、瘻、裂創、重篤な咬創、熱傷および採取部創傷(軟および硬組織における)、ならびに梗塞が含まれる。
【0255】
[00200] 本発明の他の観点において、予防および/または治療すべき創傷は、非感染創、梗塞、挫傷、切創、裂創、非穿通創、開放創、穿通創、穿孔創、刺切創、膿創および皮下創よりなる群から選択される。
【0256】
[00201] 本発明に関して重要な他の創傷は、虚血性潰瘍、圧迫褥創、瘻、重篤な咬創、熱傷および採取部創傷である。
[00202] 虚血性潰瘍および圧迫褥創は、普通は治癒がきわめて遅い創傷であり、このような場合は特に治癒の改善および促進がもちろん患者にとってきわめて重要である。さらに、治癒が改善され、より速やかに行われた場合、そのような創傷を伴う患者の処置に関連する経費は著しく低下する。
【0257】
[00203] 採取部創傷は、たとえば身体の他の部分への移植に関連して身体の一部から硬組織を切除する際に生じる創傷である。そのような手術により生じる創傷は痛みが著しく、したがって治癒の改善はきわめて価値がある。
【0258】
[00204] 用語”皮膚”は、皮膚の表皮層および(皮膚の表面が多少とも損傷を受けている場合)皮膚の真皮層をも含めた、きわめて広い意味で用いられる。角質層を除いて、皮膚の表皮層は外(上皮)層であり、より深部の結合組織層は真皮と呼ばれる。
【0259】
[00205] 皮膚は身体の最も露出した部分であるので、多様な種類の損傷、たとえば裂創、切創、擦過傷、熱傷および凍瘡、または多様な疾患から生じる損傷を特に受けやすい。さらに、事故に際してしばしば多くの皮膚が破壊される。しかし、皮膚がもつ重要なバリヤー機能および生理的機能のため、個体の健康状態にとって皮膚の統合性は重要であり、いかなる裂け目や破断も脅威であって、身体がその存続を保護するために対処しなければならない。
【0260】
[00206] 皮膚の損傷以外に、損傷はあらゆる種類の組織(すなわち、軟および硬組織)にも存在する可能性がある。粘膜および/または皮膚を含めた軟組織の損傷は、本発明に特に関連する。
【0261】
[00207] 皮膚または粘膜の創傷の治癒は、皮膚または粘膜の修復または再生をもたらす一連の段階を経る。近年、再生と修復は起きる可能性のある2タイプの治癒として区別されている。再生は、それにより損失組織の構造および機能が完全に蘇生する生物学的プロセスと定義できる。これに対し修復は、破壊された組織の連続性が、損失した組織の構造および機能を複製したものではない新たな組織により再建される生物学的プロセスである。
【0262】
[00208] 大部分の創傷は修復により治癒する。これは、形成された新たな組織が元の組織と構造的および化学的に異なることを意味する(瘢痕組織)。組織修復の初期にほぼ常に伴う1プロセスは、組織損傷領域における一過性結合組織の形成である。このプロセスは、線維芽細胞による新たな細胞外コラーゲン基質の形成により開始する。次いでこの新たな細胞外コラーゲン基質が最終治癒プロセスに際して結合組織の支持体となる。最終治癒は、大部分の組織において結合組織を含む瘢痕組織形成である。再生特性をもつ組織、たとえば皮膚および骨の場合、最終治癒は元の組織の再生を含む。この再生した組織はしばしばある程度の瘢痕組織特性をも備えている;たとえば治癒した骨折の肥厚。
【0263】
[00209] 正常な状況では、身体は皮膚バリヤーまたは粘膜の統合性を再建するために、損傷を受けた皮膚または粘膜の治癒機構を備えている。微小な破断または創傷の修復プロセスですら、数時間から数日ないし数週間に及ぶ期間を要する可能性がある。一方、潰瘍形成の場合、治癒はきわめて遅く、創傷が長期間、すなわち数カ月または数年間すら持続する可能性がある。
【0264】
[00210] 熱傷はテストステロンレベルの低下に関連し、生殖腺機能低下は創傷治癒の遅延に関連する。1態様において本発明方法は、創傷または熱傷を伴う対象をSARMの投与により処置することを提供する。1態様においてSARMは熱傷または創傷の軽減を促進し、または他の態様においては熱傷または創傷の治癒プロセスに関与し、または他の態様においては熱傷または創傷の二次合併症を同化作用により処置する。
【0265】
[00211] 1態様において、熱傷または創傷の処置はさらに、創傷の治癒を促進する下記の追加の増殖因子を使用することを含む:上皮増殖因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子-α(TGF-α)、血小板由来増殖因子(PDGF)、線維芽細胞増殖因子(FGFs):酸性線維芽細胞増殖因子(α-FGF)および塩基性線維芽細胞増殖因子(β-FGF)を含む、トランスフォーミング増殖因子-β(TGF-β)ならびにインスリン様増殖因子(IGF-1およびIGF-2)など、あるいはそのいずれかの組合わせ。
【0266】
[00212] 創傷治癒は当技術分野で既知の多数の方法で測定でき、これには創傷引張り強さ、ヒドロキシプロリンまたはコラーゲン含量、プロコラーゲンの発現、および再上皮化が含まれる。一例として、本明細書に記載するSARMは約0.1〜1 mg/日の用量で経口または局所投与される。療法有効性は、創傷治癒における有効性として測定される。創傷治癒の促進は、既知の方法、たとえば治癒時間の短縮、コラーゲン密度の増大、ヒドロキシプロリンの増加、合併症の軽減、引張り強さの増大、および瘢痕組織の細胞充実度の増大により測定できる。
【0267】
[00213] 1態様において、本発明は、選択的アンドロゲン受容体モジュレーターの投与により処置される不随意の体重減少および/または生殖腺機能低下を伴う疾患、障害および/または状態の予防および治療に関する。SARMは組織選択的活性である同化活性およびアンドロゲン活性をもつことが示された。1態様では、生殖腺機能低下のため増悪した、またはその結果である疾患/障害/状態において、処置のために選択したSARMはアンドロゲン活性を増大させ、他の態様では、不随意の体重減少/カヘキシーのため増悪した、またはその結果である疾患/障害/状態において、処置のために選択したSARMは顕著な同化作用をもつであろう。ある態様において、処置すべき疾患/障害/状態は正常なホルモンバランスおよび異化作用の撹乱のため増悪し、またはその結果であって、同化作用とアンドロゲン活性のバランスが望まれ、これは1態様においては使用のために選択したSARMまたはその組合わせによりもたらされる。
【0268】
[00214] 本明細書に記載するいずれの方法においても、これらの状態を処置するのに有用な他の薬剤(その若干は本明細書に記載され、あるいは当技術分野で既知である)をも含みうることを理解すべきである。
【0269】
[00215] 本発明の特定の態様をより十分に説明するために以下の例を示す。ただし、それらを本発明の広義の範囲を限定するものとみなすべきではない。
【実施例】
【0270】
詳細な実験の部
実施例1
アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)が末期腎疾患を伴う対象に及ぼす効果
被験化合物:
[00216] 有効な結合親和性をもつARリガンドであって組織選択的アンドロゲン作用および同化作用を示す下記の化合物が末期腎疾患(ESRD)に及ぼす効果を評価される。
【0271】
【化50】

【0272】
【化51】

【0273】
【化52】

【0274】
[00227] これらの化合物は、たとえば米国特許出願番号10/277,108、10/270,732および10/371,155(これらをすべて本明細書に援用する)の記載に従って合成および特性分析されるであろう。
【0275】
[00228] たとえば、式(I)の構造で表わされるSARM化合物:
【0276】
【化53】

【0277】
(置換基は本明細書に記載のとおり)を製造する方法は、式(XXII)のアミド:
【0278】
【化54】

【0279】
(式中:Z、Y、R1およびTは前記に定めたとおりであり、Lは脱離基である)を式(XXIII)の化合物:
【0280】
【化55】

【0281】
(式中:QおよびXは前記に定めたとおりである)とカップリングさせる工程を含むことができる。
[0001] 1態様において、式XXIIのアミドは下記の工程により製造される:
a)式XXIVの環式化合物の開環により、式XXVのカルボン酸を製造する:
【0282】
【化56】

【0283】
(式中:L、R1およびTは前記に定めたとおりであり、T1はOまたはNHである);そして
b)式XXVIのアミン:
【0284】
【化57】

【0285】
(式中:ZおよびYは前記に定めたとおりである)と式XXVのカルボン酸をカップリング試薬の存在下で反応させて、式XXIIのアミドを製造する。
【0286】
【化58】

【0287】
[0002] 1態様において、工程(a)はHBrの存在下で実施される。
[0003] 1態様においては、工程(a)の化合物XXVを工程(b)の前にカップリング剤と反応させる。
【0288】
[00229] 他の態様において、SARM化合物:
【0289】
【化59】

【0290】
の製造方法は下記の工程を含むことができる:
a)次式の環:
【0291】
【化60】

【0292】
(式中:L、R1は前記に定めたとおりであり、T1はOまたはNHである)を次式の化合物:
【0293】
【化61】

【0294】
と反応させて、次式の化合物:
【0295】
【化62】

【0296】
を製造する;
b)(a)で製造した化合物を開環して、次式の化合物:
【0297】
【化63】

【0298】
(式中:R1、T、XおよびQは前記に定めたとおりである)を製造する;そして
c)(b)のカルボン酸化合物と次式のアミン:
【0299】
【化64】

【0300】
(式中:ZおよびYは前記に定めたとおりである)をカップリング試薬の存在下で反応させて、目的のSARM化合物を製造する。
[00230] たとえば化合物XVIを下記に従って製造した:
【0301】
【化65】

【0302】
(2R)-1-メタクリロイルピロリジン-2-カルボン酸. D-プロリン(14.93 g, 0.13 mol)を71 mLの2 N NaOHに溶解し、氷浴内で冷却した;得られたアルカリ性溶液をアセトン(71 mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56 g, 0.13 mol)のアセトン溶液(71 mL)および2N NaOH溶液(71 mL)を同時に、氷浴内のD-プロリン水溶液に40分間かけて添加した。塩化メタクリロイルの添加中、混合物のpHを10〜11℃に維持した。撹拌(3時間、室温)後、混合物を真空中、35〜45℃の温度で蒸発させてアセトンを除去した。得られた溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃HClでpH 2の酸性にした。この酸性混合物をNaClで飽和し、EtOAc (100 mL,3回)で抽出した。抽出液を合わせてNa2SO4で乾燥させ、セライト(Celite)により濾過し、真空中で蒸発させると粗生成物が無色の油として得られた。この油をエチルエーテルおよびヘキサンから再結晶して、16.2 (68%)の目的化合物を無色結晶として得た;mp 102-103℃(文献[214] mp 102.5-103.5℃);この化合物のNMRスペクトルは表題化合物の2種類の回転異性体の存在を証明した;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6)δ 5.28 (s)および5.15 (s):第1回転異性体について,5.15 (s)および5.03 (s):第2回転異性体について(両方の回転異性体について合計2H, ビニルCH2), 4.48-4.44:第1回転異性体について, 4.24-4.20 (m):第2回転異性体について(両方の回転異性体について合計1H, キラル中心のCH), 3.57-3.38 (m, 2H, CH2), 2.27-2.12 (1H, CH), 1.97-1.72 (m, 6H, CH2, CH, Me);
【0303】
【化66】

【0304】
【化67】

【0305】
[0004] (3R,8aR)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオン. NBS (23.5g, 0.132 mol)の、DMF 100 mL中における溶液を、(メチル-アクリロイル)-ピロリジン(16.1g, 88 mmol)の、DMF 70 mL中における撹拌溶液に、アルゴン下に室温で滴加し、得られた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空中で除去すると黄色固体が沈殿した。この固体を水に懸濁し、室温で一夜撹拌し、濾過し、乾燥させて、18.6 (81%) (乾燥状態でより重量が少ない, 約34%)の表題化合物を黄色固体として得た;mp 152-154℃(文献[214] mp 107-109℃:S-異性体について);
【0306】
【化68】

【0307】
【化69】

【0308】
[0005] (2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸. 24% HBr 300 mL中のブロモラクトン(18.5g, 71 mmol)の混合物を、1時間、加熱還流した。得られた溶液をブライン(200 mL)で希釈し、酢酸エチル(100 mL, 4回)で抽出した。抽出液を合わせて飽和NaHCO3 (100 mL, 4回)で洗浄した。この水溶液を濃HClでpH = 1の酸性にし、これを酢酸エチル(100 mL, 4回)で抽出した。有機溶液を合わせてNa2SO4で乾燥させ、セライトにより濾過し、真空中で蒸発乾固した。トルエンから再結晶して、10.2 g (86%)の目的化合物を無色結晶として得た;mp 107-109℃(文献[214] mp 109-113℃:S-異性体について);
【0309】
【化70】

【0310】
【化71】

【0311】
[0006] (2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成. 塩化チオニル(46.02 g, 0.39 mol)を、R-131 (51.13 g, 0.28 mol)の、THF 300 mL中における冷溶液(4℃より低い)に、アルゴン雰囲気下で滴加した。得られた混合物を同条件下で3時間撹拌した。これにEt3N (39.14 g, 0.39 mol)を添加し、同条件下で20分間撹拌した。20分後、5-アミノ-2-シアノベンゾトリフルオリド(40.0 g, 0.21 mol)、400 mLのTHFを添加し、次いで混合物を室温で一夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去すると固体が得られ、これを300 mLのH2Oで処理し、EtOAc (2回, 400 mL)で抽出した。有機抽出液を合わせて飽和NaHCO3溶液(2回, 300 mL)およびブライン(300 mL)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、減圧下で濃縮すると固体が得られ、これをカラムクロマトグラフィーによりCH2Cl2/EtOAc (80:20)を用いて精製すると固体が得られた。この固体をCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、55.8 g (73.9%)の(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを淡黄色固体として得た;
【0312】
【化72】

【0313】
【化73】

【0314】
[0008] (S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-シアノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成. ブロモアミド((2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド, 50 g, 0.14 mol)、無水K2CO3 (59.04 g, 0.43 mol)、4-シアノフェノール(25.44 g, 0.21 mol)の、2-プロパノール500 mL中における混合物を、3時間、加熱還流し、次いで減圧下で濃縮すると固体が得られた。得られた残留物を500 mLのH2Oで処理し、次いでEtOAc (2回, 300 mL)で抽出した。EtOAc抽出液を合わせて10% NaOH (4回, 200 mL)およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥させ、次いで減圧下で濃縮すると油が得られ、これを300 mLのエタノールおよび活性炭で処理した。反応混合物を1時間、加熱還流し、次いで熱混合物をセライトにより濾過した。濾液を減圧下で濃縮すると油が得られた。この油をカラムクロマトグラフィーによりCH2Cl2/EtOAc (80:20)を用いて精製すると油が得られ、これをCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、33.2 g (59.9%)の(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-シアノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを無色固体(綿状)を得た;
【0315】
【化74】

【0316】
ESRDモデル:
[00231] ラット部分腎切除モデルおよびラット残遺腎モデル(rat remnant kidney model) (RRKM)を、本質的にVukicevic, et al. (1987) J. Bone Mineral Res. 2:533の記載に従って用いる。
【0317】
[00232] 雄ラット(2〜3カ月齢、体重約150〜200 g)を片側腎切除する(左腎または右腎のいずれか)。約1週間後、残遺腎の2/3を外科的に切除する。外科処理の直後、腎臓の質量および機能の損失のため、血漿クレアチニンおよびBUNレベルが著しく上昇する。この”急性”不全期後の数週間にわたって、生存動物の血漿クレアチニンおよびBUNレベルは正常値の方へ若干低下するが、高い状態を維持する。次いで腎機能は不定期間、比較的一定または安定した状態を維持しているようにみえる。この時点の後、動物は慢性腎不全期に入り、この期間は本質的に腎機能が直線的に低下して、最終的に死亡する。
【0318】
[00233] 外科対照として、他のラットを”擬似”手術し、この場合は腎臓を被膜剥離するが、腎組織は切除しない。
ESRDに対する処置の効果
[00234] 腎切除ラットおよび擬似手術ラットを、術後約5〜6カ月間、すなわち動物が慢性腎不全に入る時点まで飼育する。次いでラットを、下記を含むグループに分ける:処置を行わないか、またはプラセボを投与する対照、本発明化合物を投与するグループ、および本発明化合物それぞれとエリスロポエチンを投与するグループ。
【0319】
[00235] すべての薬物を、ポリエチレングリコール300 (PEG 300)中に新たに調製した溶液として動物に投与する。動物の硬膜下に埋め込んだ浸透圧ポンプで化合物を送達する。14日間の処置後、ラットを秤量し、麻酔し、屠殺する。浸透圧ポンプも動物から摘出してポンプが適正に作動したことを検査する。
【0320】
[00236] 死亡率、ならびに血清クレアチニンおよび/または尿素レベルを評価し、死亡率および/または血清レベルの低下と療法効果の関連を対照と比較して調べる。
[00237] 処置が糸球体の組織学的所見に与える影響を判定するために、腎組織を組織学的観察用に調製する。特に、糸球体の硬化およびループ陥凹、散在硬化および細小動脈瘤の発生およびその減少を評価する。
【0321】
[00238] 慢性腎不全の他のモデルは、療法開始前に部分腎切除を施し、術後約2週間回復させたラットの使用である。この時点で生存する動物は急性腎不全期を過ぎており、かつ慢性腎不全にまだ入っていない。
【0322】
[00239] ラットを前記と同様にグループ分けし、処理する。血清および尿のクレアチニンレベルを同様に評価し、組織試料を糸球体および近位/遠位尿細管構造の保存または維持について評価する。
【0323】
実施例2
皮膚の潰瘍形成または熱傷を伴う対象のSARMによる処置
[00240] 本発明化合物が皮膚の創傷および/または熱傷の処置に有用であるかを判定するために、代表的な化合物、たとえば実施例1の化合物を局所用配合物として調製し、他の態様においては静脈内配合物として調製する。皮膚の潰瘍または熱傷を伴う患者を評価する。
【0324】
[00241] 創傷を伴う対象において、創傷を清拭してSARMを局所適用するか、あるいは消毒薬および化学療法薬を含めた標準療法を創傷部位に施し、かつSARMを経口または静脈内投与することができる。
【0325】
[00242] 皮膚の潰瘍または熱傷を伴う対象において、前記のようにSARMを単独で、または他の既知の療法薬、たとえば抗生物質、増殖因子などと組み合わせて、局所または静脈内投与することができる。
【0326】
[00243] SARM処置を経時反復することができ、創傷または熱傷の部位の肉眼的評価を行い、痛みを評価する。
[00244] 評価する他のパラメーターには、体重減少率および筋量減少率の測定を含めることができる。他のグループの対象には、高カロリー高タンパク質食を与えた対象を含めることができ、これはビタミンおよび無機質の補充を含むことができる。
【0327】
[00245] 熱傷および/または創傷の標準動物モデルをこれに関して評価することもできる。たとえばSprague-Dawleyラットに標準的な接触熱傷(20% TBSA)を施して評価する。3日目に創傷を切開し、5.0×105 cfu/mlの緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)および黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を感染させる。次いで動物を処理グループに分け、前記に従って処置する。
【0328】
実施例3
脊髄損傷を伴う対象のSARMによる処置
[00246] 脊髄損傷の動物モデルを下記に従って評価する:十分な成体(約400グラム(g))雌モルモット(Hartley系統)を外科処理前にケタミン/キシリジン(ketamine/xylyzine)で常法により麻酔し(Borgens et al. (2002) J. Exp. Biol. 205, 1-12)、外科処理後、赤外線ランプで暖め続け、個別に檻に入れ、任意に摂食させる。試験終了後、解剖学的試験のために脊髄を採取する前に、麻酔薬の過剰投与により動物を安楽死させた(参照:Borgens et al. (2002) J. Exp. Biol. 205, 1-12)。
【0329】
[00247] T9とT11の間で脊髄の背面を露出させる椎弓切除術をすべての動物に施した。右片側切断を実施し、切断組織に鋭利なピンを通すことによって”完全”である(余分な実質がない)ことを確認する。この操作により、頭尾セグメントを形成する脊髄の右側全体を中央線から脊髄の右縁まで切り離す。脊髄の左側全体は無傷のままである。離断した直後、先にBorgens et al. (1986) J. Comp. Neurol 250, 168-180およびBorgens and Bohnert (1997) Exp. Neurol. 145, 376-389に記載されたように、外科用ステンレス鋼製マーカー器具を病変部に挿入し、試験期間中これをその場に残し、組織学的処理の前に取り出す。この操作により組織に孔が残り、これにより数カ月経た慢性損傷であっても厳密な離断面が正確にマークされる。
【0330】
[00248] さらに、脊髄損傷(SCI)を伴う対象を実験的にSARMで処置することができる。ヒトの試験により、SCI後に中枢神経伝達物質が変化し、このため視床下部-下垂体-副腎系機能障害が起き、これによりテストステロンその他のホルモンレベルが低下することが示された。
【0331】
[00249] さらに、SCIまたは他の急性疾患もしくは外傷には、特徴的に同化活性の低下と合わせて異化作用の亢進が含まれ、その結果、除脂肪組織量が減少しやすい状態になる。異化プロセスを放置する限り、栄養利用障害は持続するであろう。除脂肪体重減少の影響には、創傷の発生および治癒機構の障害が含まれる。脊髄損傷患者は、栄養およびタンパク質の不足と固定状態が合わさって、とこずれ(褥瘡)のリスクが高くなる。
【0332】
[00250] 実施例2に記載したように、SARMは創傷の処置、筋量の増加およびカヘキシーの軽減に有用であり、したがってSCI対象のSARM処置を評価し、これらの状態に対する影響を評価する。
【0333】
[00251] 本発明が具体的に示した前記のものに限定されないことは、当業者には認識されるであろう。むしろ本発明の範囲は特許請求の範囲の記載により定められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腎臓の疾患もしくは障害を伴うか、またはその素質がある対象を処置する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物を投与する段階を含む方法。
【請求項2】
SARM化合物が式Iの構造で表わされる、請求項1に記載の方法:
【化1】

[式中:
Gは、OまたはSであり;
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化2】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3である]。
【請求項3】
SARM化合物が式IIの構造で表わされる、請求項2に記載の方法:
【化3】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化4】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである]。
【請求項4】
XはOである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
YはCF3である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
ZはNO2である、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
ZはCNである、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
Qはハロゲンである、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはFまたはClである、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはCNである、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
XはOであり、ZはCNであり、YはClであり、かつQはCNである、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
SARM化合物が式IIIの構造で表わされる、請求項1に記載の方法:
【化5】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
Aは、
【化6】

から選択される環であり;
Bは、
【化7】

から選択される環であり;
その際、AとBが同時にベンゼン環であることはできず;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Q1およびQ2は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SR、
【化8】

であり;
Q3およびQ4は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり;
W1は、O、NH、NR、NOまたはSであり;
W2は、NまたはNOである]。
【請求項13】
SARM化合物が式IVの構造で表わされる、請求項1に記載の方法:
【化9】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
Tは、OH、OR、-NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
R2は、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、NR2、SRであり;
R3は、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、SnR3であり;あるいは、R3はそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造:
【化10】

で表わされる縮合環系を形成し:
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、Br、Cl、I、CNまたはSn(R)3であり;
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OH、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化11】

nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜3の整数である]。
【請求項14】
SARM化合物が式:
【化12】

の構造で表わされる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
SARM化合物が式:
【化13】

の構造で表わされる、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
投与が、SARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、またはそのいずれかの組合わせ;ならびに医薬的に許容できるキャリヤーを含む医薬組成物を投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
投与が、液状医薬組成物を対象に静脈内、動脈内または筋肉内注射すること;医薬組成物を含有するペレット剤を対象の皮下に埋め込むこと;液状または固形の医薬組成物を対象に経口投与すること;あるいは医薬組成物を対象の皮膚表面に局所適用することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
医薬組成物がペレット剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液剤、乳剤、エリキシル剤、ゲル剤、クリーム剤、坐剤または非経口製剤である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
創傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において創傷の発生を低下させ、または創傷の重症度を緩和し、または創傷の治癒を増強もしくは促進する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物を投与する段階を含む方法。
【請求項20】
SARM化合物が式Iの構造で表わされる、請求項19に記載の方法:
【化14】

[式中:
Gは、OまたはSであり;
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化15】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3である]。
【請求項21】
SARM化合物が式IIの構造で表わされる、請求項20に記載の方法:
【化16】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化17】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである]。
【請求項22】
XはOである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
YはCF3である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
ZはNO2である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
ZはCNである、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
Qはハロゲンである、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはFまたはClである、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはCNである、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
XはOであり、ZはCNであり、YはClであり、かつQはCNである、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
SARM化合物が式IIIの構造で表わされる、請求項19に記載の方法:
【化18】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
Aは、
【化19】

から選択される環であり;
Bは、
【化20】

から選択される環であり;
その際、AとBが同時にベンゼン環であることはできず;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Q1およびQ2は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SR、
【化21】

であり;
Q3およびQ4は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり;
W1は、O、NH、NR、NOまたはSであり;
W2は、NまたはNOである]。
【請求項31】
SARM化合物が式IVの構造で表わされる、請求項19に記載の方法:
【化22】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
Tは、OH、OR、-NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
R2は、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、NR2、SRであり;
R3は、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、SnR3であり;あるいは、R3はそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造:
【化23】

で表わされる縮合環系を形成し:
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、Br、Cl、I、CNまたはSn(R)3であり;
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OH、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化24】

nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜3の整数である]。
【請求項32】
SARM化合物が式:
【化25】

の構造で表わされる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
SARM化合物が式:
【化26】

の構造で表わされる、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
投与が、SARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、またはそのいずれかの組合わせ;ならびに医薬的に許容できるキャリヤーを含む医薬組成物を投与することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項35】
投与が、液状医薬組成物を対象に静脈内、動脈内または筋肉内注射すること;医薬組成物を含有するペレット剤を対象の皮下に埋め込むこと;液状または固形の医薬組成物を対象に経口投与すること;あるいは医薬組成物を対象の皮膚表面に局所適用することを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
医薬組成物がペレット剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液剤、乳剤、エリキシル剤、ゲル剤、クリーム剤、坐剤または非経口製剤である、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
熱傷を伴う対象を処置し、あるいは対象において熱傷の発生を低下させ、または熱傷の重症度を緩和し、または熱傷の治癒を増強もしくは促進する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物を投与する段階を含む方法。
【請求項38】
SARM化合物が式Iの構造で表わされる、請求項37に記載の方法:
【化27】

[式中:
Gは、OまたはSであり;
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化28】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3である]。
【請求項39】
SARM化合物が式IIの構造で表わされる、請求項38に記載の方法:
【化29】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化30】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである]。
【請求項40】
XはOである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
YはCF3である、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
ZはNO2である、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
ZはCNである、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
Qはハロゲンである、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはFまたはClである、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはCNである、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
XはOであり、ZはCNであり、YはClであり、かつQはCNである、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
SARM化合物が式IIIの構造で表わされる、請求項37に記載の方法:
【化31】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
Aは、
【化32】

から選択される環であり;
Bは、
【化33】

から選択される環であり;
その際、AとBが同時にベンゼン環であることはできず;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Q1およびQ2は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SR、
【化34】

であり;
Q3およびQ4は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり;
W1は、O、NH、NR、NOまたはSであり;
W2は、NまたはNOである]。
【請求項49】
SARM化合物が式IVの構造で表わされる、請求項37に記載の方法:
【化35】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
Tは、OH、OR、-NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
R2は、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、NR2、SRであり;
R3は、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、Sn(R)3であり;あるいは、R3はそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造:
【化36】

で表わされる縮合環系を形成し:
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、Br、Cl、I、CNまたはSn(R)3であり;
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OH、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化37】

nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜3の整数である]。
【請求項50】
SARM化合物が式:
【化38】

の構造で表わされる、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
SARM化合物が式:
【化39】

の構造で表わされる、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
投与が、SARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、またはそのいずれかの組合わせ;ならびに医薬的に許容できるキャリヤーを含む医薬組成物を投与することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項53】
投与が、液状医薬組成物を対象に静脈内、動脈内または筋肉内注射すること;医薬組成物を含有するペレット剤を対象の皮下に埋め込むこと;液状または固形の医薬組成物を対象に経口投与すること;あるいは医薬組成物を対象の皮膚表面に局所適用することを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
医薬組成物がペレット剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液剤、乳剤、エリキシル剤、ゲル剤、クリーム剤、坐剤または非経口製剤である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
脊髄損傷を伴う対象を処置する方法であって、その対象に選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)化合物を投与する段階を含む方法。
【請求項56】
SARM化合物が式Iの構造で表わされる、請求項55に記載の方法:
【化40】

[式中:
Gは、OまたはSであり;
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化41】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3である]。
【請求項57】
SARM化合物が式IIの構造で表わされる、請求項56に記載の方法:
【化42】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Qは、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化43】

Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである]。
【請求項58】
XはOである、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
YはCF3である、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
ZはNO2である、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
ZはCNである、請求項56に記載の方法。
【請求項62】
Qはハロゲンである、請求項56に記載の方法。
【請求項63】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはFまたはClである、請求項56に記載の方法。
【請求項64】
XはOであり、ZはCNであり、YはCF3であり、かつQはCNである、請求項56に記載の方法。
【請求項65】
XはOであり、ZはCNであり、YはClであり、かつQはCNである、請求項56に記載の方法。
【請求項66】
SARM化合物が式IIIの構造で表わされる、請求項55に記載の方法:
【化44】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
Tは、OH、OR、NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
Aは、
【化45】

から選択される環であり;
Bは、
【化46】

から選択される環であり;
その際、AとBが同時にベンゼン環であることはできず;
Zは、NO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり;
Q1およびQ2は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN CR3、SnR3、NR2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SR、
【化47】

であり;
Q3およびQ4は、互いに独立して、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり;
W1は、O、NH、NR、NOまたはSであり;
W2は、NまたはNOである]。
【請求項67】
SARM化合物が式IVの構造で表わされる、請求項55に記載の方法:
【化48】

[式中:
Xは、結合、O、CH2、NH、Se、PR、NOまたはNRであり;
Gは、OまたはSであり;
Tは、OH、OR、-NHCOCH3またはNHCORであり;
Rは、アルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり;
R1は、CH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3またはCF2CF3であり;
R2は、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、NR2、SRであり;
R3は、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、Sn(R)3であり;あるいは、R3はそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造:
【化49】

で表わされる縮合環系を形成し:
Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり;
Yは、CF3、F、Br、Cl、I、CNまたはSn(R)3であり;
Qは、H、アルキル、ハロゲン、CF3、CN、C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR NHSO2CH3、NHSO2R、OH、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2R、SRであり;あるいは、Qはそれが結合しているベンゼン環と一緒に構造A、BまたはCで表わされる縮合環系であり:
【化50】

nは、1〜4の整数であり;
mは、1〜3の整数である]。
【請求項68】
SARM化合物が式:
【化51】

の構造で表わされる、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
SARM化合物が式:
【化52】

の構造で表わされる、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
投与が、SARMおよび/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝産物、医薬的に許容できる塩、医薬製剤、水和物、N-オキシド、またはそのいずれかの組合わせ;ならびに医薬的に許容できるキャリヤーを含む医薬組成物を投与することを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項71】
投与が、液状医薬組成物を対象に静脈内、動脈内または筋肉内注射すること;医薬組成物を含有するペレット剤を対象の皮下に埋め込むこと;液状または固形の医薬組成物を対象に経口投与すること;あるいは医薬組成物を対象の皮膚表面に局所適用することを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
医薬組成物がペレット剤、錠剤、カプセル剤、液剤、懸濁液剤、乳剤、エリキシル剤、ゲル剤、クリーム剤、坐剤または非経口製剤である、請求項70に記載の方法。

【公表番号】特表2009−506119(P2009−506119A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529156(P2008−529156)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/033490
【国際公開番号】WO2007/027582
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(500296088)ユニバーシティ オブ テネシー リサーチ ファウンデーション (9)
【Fターム(参考)】