説明

遺伝子導入材

【課題】生体内の特定部位に埋入された後、ベクターが当該部位に留まる遺伝子導入材を提供することを目的とする。
【解決手段】分岐鎖を有するカチオン性ポリマーよりなるベクターと核酸との複合体が、連通性のある多孔質三次元網状構造の合成樹脂よりなる多孔体に保持されてなる遺伝子導入材。分岐鎖を有するカチオン性ポリマーよりなるベクターは、好ましくはベンゼン環に対し3,4又は6分岐鎖が結合したものである。このベクターが核酸と複合体とされ、ソフトセグメント化ポリウレタン製の細棒体に含浸されて遺伝子導入材とされる。核酸はHGF肝細胞増殖因子などである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベクターと核酸との複合体を有する遺伝子導入材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ヒト疾患の分子遺伝学的要因が明らかになるにつれ、遺伝子治療研究がますます重要視されている。遺伝子治療法は標的とする部位でのDNAの発現を目的としており、いかにDNAを標的部位に到達させるか、いかにDNAを標的部位に効率的に導入し、当該部位で機能的に発現させるかということが重要となる。外来DNAの導入のためのベクターとして、レトロウイルス、アデノウイルス又はヘルペスウイルスを含む多くのウイルスが、治療用遺伝子を運搬するように改変されて、遺伝子治療のヒトの臨床試験に使用されている。しかし感染及び免疫反応の危険性は依然として残されている。
【0003】
DNAを細胞中に運搬するための非ウイルス系ベクターとして、本出願人はWO2004/092388にて分岐鎖を有するカチオン性ポリマーよりなるベクターを提案している。このベクターは、拡散凝集対と複合体を形成させて生体内へ投与される。
【特許文献1】WO2004/092388
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のベクターは、生体内に投与された後、血液、リンパ液などの流れによって生体内に拡散し易く、生体の特定組織に継続して作用を与えることができない。
【0005】
本発明は、生体内の特定部位に埋入された後、ベクターが当該部位に留まる遺伝子導入材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(請求項1)の遺伝子導入材は、分岐鎖を有するカチオン性ポリマーよりなるベクターと核酸との複合体が、連通性のある多孔質三次元網状構造の合成樹脂よりなる多孔体に保持されてなるものである。
【0007】
請求項2の遺伝子導入材は、請求項1において、前記ベクターは、多官能性化合物を核とし、この核に該分岐鎖として複数の高分子鎖が結合していることを特徴とするものである。
【0008】
請求項3の遺伝子導入材は、請求項2において、核はベンゼン環であり、高分子鎖の数が2,3,4又は6であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項4の遺伝子導入材は、請求項2又は3において、高分子鎖がカチオン性であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項5の遺伝子導入材は、請求項4において、分岐鎖を構成する高分子鎖はビニル系ポリマーであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の遺伝子導入材は、請求項1ないし5のいずれか1項において、ベクターの分子量が5千〜50万であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項7の遺伝子導入材は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記多孔体は、平均孔径10〜650μm、見掛け密度0.01〜0.5g/cmの、連通性のある多孔性三次元網状構造の熱可塑性樹脂よりなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項8の遺伝子導入材は、請求項7において、該熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂並びにこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするものである。
【0014】
請求項9の遺伝子導入材は、請求項8において、該熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項10の遺伝子導入材は、請求項9において、該ポリウレタン樹脂がセグメント化ポリウレタン樹脂であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項11の遺伝子導入材は、請求項1ないし10のいずれか1項において、核酸がHGF肝細胞増殖因子であることを特徴とするものである。
【0017】
請求項12の遺伝子導入材は、請求項1ないし11のいずれか1項において、細棒状に成形されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の遺伝子導入材は、生体組織に埋入されるようにして使用される。この遺伝子導入材が埋入された生体組織の細胞が、遺伝子導入材の合成樹脂よりなる多孔体部分に浸潤し、遺伝子導入材が生体組織と一体化する。この浸潤し易い細胞は、貪食系細胞、細網管上皮細胞などである。これらの貪食系細胞や細網管上皮細胞は遺伝子導入材のDNAを異物として取り込み(エンドサイトーシス)し易い。
【0019】
核酸がHGF肝細胞増殖因子である場合、貪食系細胞や細網管上皮細胞にエンドサイトーシスされた後、そのままmRNAに転写され、HGFが合成される。このため、遺伝子導入材周囲の生体組織に対し遺伝子導入材から長期にわたって継続してHGFが供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0021】
本発明の遺伝子導入材は、分岐鎖を有するカチオン性ポリマーよりなるベクターと核酸との複合体が、連通性のある多孔質三次元網状構造の合成樹脂よりなる多孔体に保持されてなるものである。
【0022】
[カチオン性ポリマー]
本発明で用いるカチオン性ポリマーは分岐鎖を有する。
【0023】
好ましくは、分岐鎖が多官能性化合物好ましくはベンゼン環、ナフタレン、アントラセン又はピレンに複数個結合している。ベンゼン環の場合、この結合数は2〜6、特に2,3,4又は6であり、結合数が多い程効果的である。ナフタレンの場合、結合数は8まで可能であり、アントラセン、ピレンは10まで可能である。
【0024】
分岐鎖を結合させる核となるのはベンゼン環が好適であり、具体的には次が例示される。即ち、3分岐鎖用としては、2,4,6−トリス(ブロモメチル)メシチレンとナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートとをエタノール中で付加反応させて得られる2,4,6−トリス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)メシチレンであり、4分岐鎖としては、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンとナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートとをエタノール中で付加反応させて得られる1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンであり、6分岐鎖としては、ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼンとナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートとをエタノール中で付加反応させて得られるヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンである。
【0025】
分岐鎖としては、ビニル系モノマーの単独あるいは共重合体が好適であり、具体的には3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドCH=CHCONHCN(CHの重合体が好ましい。
【0026】
この3−N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドと上記の各ベンゼン誘導体とをメタノールなどのアルコール溶液あるいは溶解性を考慮してクロロホルムなどの低極性溶媒の溶液として混合し、光重合反応させることにより、ベンゼン環に対し上記ベンゼン誘導体由来の−CH−を介して上記ビニル系モノマーの重合体が結合したカチオン性ポリマーが生成する。このベクターの分子量は5千〜50万、特に5千〜5万とりわけ1万〜2万程度が好ましい。
【0027】
このようにして生成したカチオン性ポリマーよりなるベクターが核酸を核酸含有複合体として包囲することによって、生体内の酵素による核酸の失活、分解を抑制することができる。
【0028】
分岐鎖はランダム共重合体又はブロック共重合体であってもよい。
【0029】
分岐鎖を構成する高分子鎖は基端側に第4級アミンを有し、先端側に第3級アミンを有するものであってもよい。分岐鎖を結合させる核の近傍を4級アミンにし、その周囲を3級アミンにすれば、細胞傷害性の低減と遺伝子導入の高効率化が期待できる。4級アミンはベクターとして必須の要素であるカチオンではあるが、殺菌剤や抗菌コートなどにも使用されているように細胞傷害性があるので、周囲を3級とすることは細胞傷害性の点で有利である。
【0030】
[核酸]
核酸の好ましい例としては、VEGF遺伝子,HGF遺伝子及びFGF遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにc−mycアンチセンス,c−mybアンチセンス,cdc2キナーゼアンチセンス,PCNAアンチセンス,E2Fデコイやp21(sdi−1)遺伝子が血管治療に利用できる。かかる一連の遺伝子は当業者には良く知られたものである。また、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子(HSV1−TK遺伝子),p53癌抑制遺伝子及びBRCA1癌抑制遺伝子やサイトカイン遺伝子としてTNF−α遺伝子,IL−2遺伝子,IL−4遺伝子,HLA−B7/IL−2遺伝子,HLA−B7/B2M遺伝子,IL−7遺伝子,GM−CSF遺伝子,IFN−γ遺伝子及びIL−12遺伝子などのサイトカイン遺伝子並びにgp−100,MART−1及びMAGE−1などの癌抗原ペプチド遺伝子が癌治療に利用できる。
【0031】
[核酸とベクターとの複合体]
カチオン性ポリマーよりなるベクターと核酸とを複合させるには、このベクターの濃度1〜1000μg/mL程度の分散液に対し、常温にて核酸を添加し、混合すればよい。核酸に対してカチオン性ポリマーを過剰量添加し、カチオン性ポリマーを核酸に対し飽和状態に核酸含有複合体として複合化させるのが好ましい。
【0032】
この複合体の粒径は50〜400nm程度が好適である。これよりも小さいと、核酸含有複合体内部の核酸にまで酵素の作用が及ぶおそれ、あるいは腎臓にて濾過排出されるおそれがある。また、これよりも大きいと、細胞に導入されにくくなるおそれがある。
【0033】
核酸は、細胞に導入されることによりその細胞内で機能を発現することができるような形態で用いる。例えばDNAの場合、導入された細胞内で当該DNAが転写され、それにコードされるポリペプチドの産生を経て機能発現されるように当該DNAが配置されたプラスミドとして用いる。好ましくは、プロモーター領域、開始コドン、所望の機能を有する蛋白質をコードするDNA、終止コドンおよびターミネーター領域が連続的に配列されている。
【0034】
所望により2種以上の核酸をひとつのプラスミドに含めることも可能である。
【0035】
[多孔体]
本発明で用いる多孔体は、好ましくは、平均孔径10〜650μmで、見掛け密度が0.01〜0.5g/cmの、連通性の、即ち、連続気孔性の多孔性三次元網状構造の合成樹脂、特に好ましくは熱可塑性樹脂よりなる。
【0036】
この熱可塑性樹脂からなる多孔性三次元網状構造の平均孔径は10〜650μmで、見掛け密度は0.01〜0.5g/cmであるが、好ましい平均孔径は10〜400μm、より好ましくは10〜300μmである。見掛け密度としては0.01〜0.5g/cm範囲内であれば、細胞生着性が良好で、優れた物理的強度を維持し、生体に近似した弾性特性が得られるが、好ましくは0.01〜0.3g/cm、より好ましくは0.01〜0.2g/cmである。
【0037】
また、平均孔径の概念において、孔径の分布は単分散の方が好ましく、細胞の侵入に重要な孔径サイズである孔径10〜200μmの孔の寄与率が高いことが望ましい。孔径10〜200μmの孔の寄与率が10%以上、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上あると、細胞が侵入し易く、また、侵入した細胞が接着、成長しやすいため、人工血管や人工食道など脈管代替物としての用途に有効である。
【0038】
このような平均孔径、見掛け密度及び孔径分布の多孔性三次元網状構造であれば、細胞が容易に空孔部分へ浸透し、多孔性構造層へ細胞が接着、成長しやすい。
【0039】
この熱可塑性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂並びにそれらの誘導体を例示することができ、これらは1種を単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良いが、好ましくは、ポリウレタン樹脂であり、中でもセグメント化ポリウレタン樹脂が抗血栓性や物理特性などの点でも優れた人工血管を得ることができ、好ましい。
【0040】
セグメント化ポリウレタン樹脂は、ポリオール、ジイソシアネート及び鎖延長剤の3成分から合成され、いわゆるハードセグメント部分とソフトセグメント部分を分子内に有するブロックポリマー構造によるエラストマー特性を有するため、このようなセグメント化ポリウレタン樹脂を使用した場合に得られる人工血管は、弾性力学的に生体血管に近似なS−S曲線(低血圧領域では高いコンプライアンスで低弾性であり、高血圧領域では低血圧領域よりも低いコンプライアンスの高弾性である特性)を示す管状構造体に成形することも可能であり、抗血栓性や物理特性にも優れている。
【0041】
また、熱可塑性樹脂が加水分解性又は生分解性を有するものであれば、生体移植後に徐々に分解、吸収され、最終的には生着した細胞を残したまま樹脂製の骨格基材自体を生体から排除することも可能である。
【0042】
このような熱可塑性樹脂で構成される多孔性三次元網状構造部には、アルガトロパン、ピリジン,ニコチン,ニコチン酸,ニコチン酸エステル,ニコチン酸アミド,コラーゲンタイプI,コラーゲンタイプII,コラーゲンタイプIII,コラーゲンタイプIV,アテロ型コラーゲン,フィブロネクチン,ゼラチン,ヒアルロン酸,ヘパリン,ケラタン酸,コンドロイチン,コンドロイチン硫酸,コンドロイチン硫酸B,ヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体,ヒドロキシエチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体,アルギン酸,ポリアクリルアミド,ポリジメチルアクリルアミド及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される1種又は2種以上が保持又は単に含浸されていてもよい。
【0043】
この多孔性三次元網状構造層を構築する熱可塑性樹脂からなる骨格基材自体にも微細な孔を設けてもよい。このような微細孔は、骨格表面を平滑な表面でなく複雑な凹凸のある表面とし、コラーゲンや細胞増殖因子などの保持にも有効であり、結果として細胞の生着性を上げることが可能である。ただし、この場合の微細孔は、本発明でいう多孔性三次元網状構造部の平均孔径の計算の概念に導入されるものではない。
【0044】
[多孔体への核酸/ベクター複合体の保持]
上記多孔体に核酸/ベクター複合体を保持させるには、核酸/ベクター複合体の分散液を多孔体に含浸させるのが好ましい。分散液の濃度は1μg/mL〜100mg/mL程度が好ましいが、これに限定されない。
【0045】
分散液の液媒としては生食(生理食塩水)が好適である。
【0046】
多孔体に保持させる核酸/ベクター複合体の保持量は、多孔体1.0mm3当たりに1μg〜1mg程度が好ましいが、これに限定されない。
【0047】
[遺伝子導入材の形態]
本発明の遺伝子導入材は、生体の好ましくは筋に対し刺入または筋に設けた穴や切開部に挿入されるようにして埋入される。そのため、遺伝子導入材は直径0.1〜5.0mm特に0.5〜2.0mm、長さ1〜50mm特に2〜20mm程度の細棒ないしは針状とされるのが好ましい。この細棒ないし針は、長さ方向の全体において等径であってもよく、テーパ形など非等径であってもよい。
【0048】
細棒ないし針の長手方向と直交方向の断面は、通常は円形とされるが、楕円形、角形、星型などであってもよい。また、扁平形状であってもよい。
【0049】
[投与部位]
本発明において、核酸を導入する対象として望ましい生体投与部位は、当該核酸の機能発現が求められるものであり、例えば心筋、平滑筋、繊維芽、骨格筋などである。
【0050】
[投与方法]
本発明のベクターを用いた遺伝子導入材を生体の筋などに投与するには、筋などに遺伝子導入材を挿入するか筋などに微小な穴や切開部を設けておき、この穴や切開部に遺伝子導入材を挿入するのが好ましい。
【0051】
[埋入後の遺伝子導入材の挙動]
生体の例えば筋に遺伝子導入材が埋入された場合、周囲の細胞が浸潤してきて遺伝子導入材と生体組織が一体化する。この浸潤し易い細胞は、貪食系細胞又は細網管上皮細胞である。この貪食系細胞又は細網管上皮細胞は、遺伝子導入材の核酸をエンドサイトーシスし易い。この細胞内にエンドサイトーシスされた核酸のDNAがコードする蛋白が当該細胞から放出され続ける。
【0052】
このDNAがHGF肝細胞増殖因子などである場合、放出された蛋白によって血管新生作用が奏される。この蛋白は、投与された遺伝子導入材から継続して周囲組織に投与されるので、当該周囲組織を局所的に効率よく治療することができる。
【0053】
投与量としては、動物、特にヒトに投与される用量は目的の核酸、投与方法および治療される特定部位等、種々の要因によって変化する。しかしながら、その投与量は治療的応答をもたらすに十分であるべきである。
【0054】
本発明の遺伝子導入材が適用可能な疾患としては、当該複合体に含められる核酸の種類によって異なるが、末梢動脈疾患、冠動脈疾患、動脈拡張術後再狭窄等の病変を生じる循環器領域での疾患に加え、癌(悪性黒色腫、脳腫瘍、転移性悪性腫瘍、乳癌等)、感染症(HIV等)、単一遺伝病(嚢胞性線維症、慢性肉芽腫、α1−アンチトリプシン欠損症、Gaucher病等)等が挙げられる。
【実施例】
【0055】
<ベクターの合成>
合成例1[3分岐型ベクターの合成]
まず、下記反応式(化1)に従って、ベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートを合成した。
【0056】
【化1】

【0057】
即ち、ナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートトリハイドレート(10.3g, 46mmol, Mw.225.31)を含むエタノール溶液50ml中に塩化ベンジル(4.8g, 38mmol, Mw.126.58)を含むエタノール溶液10mlを窒素雰囲気下0℃で滴下した。反応溶液を室温で23時間撹拌した後、150mlの水を加え、ジエチルエーテルで抽出した(200ml×3回)。有機層を水洗いし(100ml×3回)、硫酸ナトリウムで乾燥させた。エバポレータを用いて減圧下で溶媒を留去し、ベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートを得た(無色液体)。収量は17.6g(収率93%)であり、1H-NMR:δ7.407〜7.271ppm(m, 5H, Ar-H)δ4.540ppm(s, 2H, Ar-CH2S)、δ4.082〜4.012ppm(q, 2H, -N-CH2-)、δ3.763ppm〜3.692ppm(q, 2H, -N-CH2-)、δ1.311〜1.252ppm(m, 6H, -CH2-CH3)である。
【0058】
次に、このベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメートを用い、下記反応式(化2)に従ってジメチルアミノプロピルアクリルアミドを重合させた。
【0059】
【化2】

【0060】
即ち、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(3.9g, 24.96mmol, Mw.156.23)とベンジルN,N−ジエチルジチオカルバメート(23.94mg, 0.1mmol, Mw.239.41)の混合物をメタノールで希釈し、全量20mlの溶液を調製した。この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、紫外光(光量1mW/cm2)を照射した。紫外光照射30分後、重合溶液をエバポレータにて濃縮し、大量のジエチルエーテルに滴下することで高分子を析出させた。デカンテーションにより上澄み液を除去し、高分子を水に溶解し、凍結乾燥させた。凍結乾燥後、GPCにて得られた高分子の分子量を測定したところ、約18,000であり、1H-NMR:δ7.8〜7.4ppm(br, 1H, -NH)、δ3.43〜3.0ppm(br, 2H, -NH-CH2-CH2-)、δ2.4〜2.2ppm(br, 2H, -CH2-CH2-NR2)、δ2.2〜2.1ppm(br, 6H, -N-CH3)、δ1.8〜1.5ppm(br, 2H, -CH2-CH2-CH2-)であった。
【0061】
次に、下記反応式(化3)に従ってナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートと2,4,6−トリス(ブロモメチル)メシチレンとを反応させ、2,4,6−トリス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)メシチレンを合成した。
【0062】
【化3】

【0063】
即ち、2,4,6−トリス(ブロモメチル)メシチレン(2g, 4.02mmol, Mw.398.98)にエタノール(100ml)とナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートトリハイドレート(5.43g, 24.12mmol, Mw.225.31)を加えて、室温で撹拌した。撹拌開始24時間後、ろ過して沈殿を回収した。回収した沈殿をクロロホルムに溶解し、水で分液洗浄した。クロロホルム層をエバポレータにて濃縮し、デシケータにて真空乾燥させて2,4,6−トリス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)メシチレンを得た(白色固体)。収量は3.03g(収率98.4%)であり、1H-NMR:δ4.447ppm(s, 6H, Ar-CH2S)、δ4.086〜4.015ppm(q, 6H, -N-CH2-)、δ3.746〜3.676ppm(q, 6H, -N-CH2-)、δ2.421ppm(s, 9H, Ar-CH3)、δ1.324〜1.222ppm(m, 18H, -CH2-CH3)であった。
【0064】
この2,4,6−トリス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)メシチレンに対し、下記反応式(化4)に従ってジメチルアミノプロピルアクリルアミドを重合させて3分岐型ベクターを合成した。
【0065】
【化4】

【0066】
即ち、2,4,6−トリス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)メシチレン(20.14mg, 1.67mmol, Mw.604.08)をクロロホルム(300μl)に溶解し、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(1.6224g, 10.38mmol, Mw.156.23)に加えた。この混合物をメタノールで希釈し、全量20mlの溶液を調製した。この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、紫外光(光量1mW/cm2)を照射した。紫外光照射30分後、重合溶液をエバポレータにて濃縮し、大量のジエチルエーテルに滴下することで高分子を析出させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、高分子を水に溶解し、凍結乾燥した。凍結乾燥後、GPCにて得られた高分子の分子量を測定したところ、約18,000であった。また、1H-NMR:δ7.7〜7.4ppm(br, 1H, -NH)、δ3.4〜3.0ppm(br, 2H, -NH-CH2-CH2-)、δ2.4〜2.3ppm(br, 2H, -CH2-CH2-NR2)、δ2.3〜2.1ppm(br, 6H, -N-CH3)、δ1.8〜1.5ppm(br, 2H, -CH2-CH2-CH2-)であった。
【0067】
合成例2[4分岐型ベクターの合成]
まず、下記反応式(化5)に従って、1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジチオカルバミルメチル)ベンゼンを合成した。
【0068】
【化5】

【0069】
即ち、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン(1g, 2.22mmol, Mw.449.83)にエタノール(100ml)とナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートトリハイドレート(4g, 17.76mmol, Mw.225.31)を加えて、室温で撹拌した。撹拌開始48時間後、ろ過して沈殿を回収した。回収した沈殿をクロロホルムに溶解し、水で分液洗浄した。クロロホルム層をエバポレータにて濃縮し、デシケータにて真空乾燥させて1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジチオカルバミルメチル)ベンゼンを得た(白色固体)。収量1.48g(収率91.4%)。1H-NMR測定をした結果、δ7.487ppm(s, 2H, Ar-H)、δ4.573ppm(s, 8H, Ar-CH2S)、δ4.065〜3.994ppm(q, 8H, -N-CH2-)、δ3.765〜3.687ppm(q, 8H, -N-CH2-)、δ1.304〜1.256ppm(t, 24H, -CH2-CH3)であった。
【0070】
次に、下記反応式(化6)に従い、この1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジチオカルバミルメチル)ベンゼンにジメチルアミノプロピルアクリルアミドを重合させて4分岐型ベクターを合成した。
【0071】
【化6】

【0072】
即ち、1,2,4,5−テトラキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼン(18.08mg, 1.25mmol, Mw.723.30)をクロロホルム(300μl)に溶解し、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(1.326g, 8.49mmol, Mw.156.23)に加えた。この混合物をメタノールで希釈し、全量20mlの溶液を調製した。この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、紫外光(光量1mW/cm2)を照射した。紫外光照射30分後、重合溶液をエバポレータにて濃縮し、大量のジエチルエーテルに滴下することで高分子を析出させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、高分子を水に溶解し、凍結乾燥した。凍結乾燥後、GPCにて得られた高分子の分子量を測定したところ、約18,000であった。また、1H-NMR:δ7.8〜7.4ppm(br, 1H, -NH)、δ3.4〜3.0ppm(br, 2H, -NH-CH2-CH2-)、δ2.4〜2.2ppm(br, 2H, -CH2-CH2-NR2)、δ2.2〜2.1ppm(br, 6H, -N-CH3)、δ1.8〜1.5ppm(br, 2H, -CH2-CH2-CH2-)であった。
【0073】
合成例3[6分岐型ベクターの合成]
まず、下記反応式(化7)に従って、ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンを合成した。
【0074】
【化7】

【0075】
即ち、ヘキサキス(ブロモメチル)ベンゼン(1g, 1.57mmol, Mw.635.68)にエタノール(200ml)とナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメートトリハイドレート(6.36g, 28.23mmol, Mw.225.31)を加えて、室温で撹拌した。撹拌開始4日後、ろ過して沈殿を回収した。回収した沈殿をクロロホルムに溶解し、水で分液洗浄した。クロロホルム層をエバポレータにて濃縮し、デシケーターにて真空乾燥させてヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンを得た(白色固体)。収量は1.48g(収率90.2%)であり、1H-NMR:δ4.565ppm(s, 12H, Ar-CH2S)、δ4.012〜3.988ppm(q, 12H, -N-CH2-)、δ3.731〜3.708ppm(q, 12H, -N-CH2-)、δ1.307〜1.261ppm(m, 36H, -CH2-CH3)であった。
【0076】
次に、下記反応式(化8)に従い、このヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼンにジメチルアミノプロピルアクリルアミドを重合させて6分岐型ベクターを合成した。
【0077】
【化8】

【0078】
即ち、ヘキサキス(N,N−ジエチルジチオカルバミルメチル)ベンゼン(17.43mg, 0.83mmol, Mw.1045)を少量のクロロホルムに溶解し、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(3.9g, 24.96mol, Mw.156.23)に加えた。この混合物をクロロホルムで希釈し、全量20mlの溶液を調整した。この溶液に窒素ガスを吹き込みながら撹拌し、紫外光(光量1mW/cm2)を照射した。紫外光照射30分後、重合溶液をエバポレータにて濃縮し、大量のジエチルエーテルに滴下することで高分子を析出させた。デカンテーションにより上澄み液を除去した後、高分子を水に溶解し、凍結乾燥した。凍結乾燥後、GPCにて得られた高分子の分子量を測定したところ、約18,000であった。また、1H-NMR:δ7.8〜7.4ppm(br, 1H, -NH)、δ3.43〜3.0ppm(br, 2H, -NH-CH2-CH2-)、δ2.4〜2.2ppm(br, 2H, -CH2-CH2-NR2)、δ2.2〜2.1ppm(br, 6H, -N-CH3)、δ1.8〜1.5ppm(br, 2H, -CH2-CH2-CH2-)であった。
【0079】
<核酸/ベクター複合体の形成>
各ベクター(2.36mg, M.w.18,000)をそれぞれトリス−HCl−バッファー(2ml)に溶解した。この溶液を50μl採取し、トリス−HCl−バッファーを加えて希釈し、全量500μlのベクター溶液とした。別に、ホタルルシフェラーゼをコードするプラスミ(プロメガ社、pGL3コントロール)の0.2μg/μl溶液90μlに2×バッファー溶液(450μl)を加え、全量540μlのDNA溶液を調製した。DNA溶液(100μl)にベクター溶液(67μl)を加え(カチオン性高分子の正電荷量とDNAの負電荷量の比は1:1)、37℃で24時間静置させ、核酸含有複合体を形成させた。
【0080】
動的光散乱測定によりポリイオンコンプレックスの粒径測定を行なった結果、各カチオン性高分子はDNAと混合直後にポリイオンコンプレックスを形成した。キュムラント解析による粒径では約250nmのナノ粒子を生成しており、24時間後も安定であるとわかった。
【0081】
<多孔体の製造>
熱可塑性ポリウレタン樹脂(日本ミラクトラン社製,ミラクトランE980PNAT)をN−メチル−2−ピロリジノン(関東化学社製,ペプチド合成用試薬,NMP)にディゾルバー(約2,000rpm)を使用して室温下で溶解して5.0%溶液(重量/重量)を得た。このNMP溶液約1.0kgをプラネタリーミキサー(井上製作所製,2.0L仕込み,PLM−2型)に秤量して入れ、ポリウレタン樹脂と同重量相当のメチルセルロース(関東化学社製,試薬,25cpグレード)を40℃で20分間混合し、その後攪拌を継続したまま10分間、20mmHg(2.7kPa)まで減圧して脱泡し、ポリマードープを得た。
【0082】
化学実験用濾紙(東洋濾紙社製,定性分析用,2番)で作成した内径4mmφ,外径6mmφ,長さ60mmの筒状の紙管と、SUS440製の直径2mmφの芯棒と、この芯棒を紙管の中心部分に固定できる医用ポリプロピレン樹脂製の円柱状密栓から構成させるチューブ成形治具中に、上記ポリマードープを23ゲージの針を使用して射出注入し、その後密栓した後、還流状態にあるメタノール中へ投入して72時間還流を継続して、紙管面から内部のNMP溶媒を抽出除去することによりポリウレタン樹脂を凝固させた。この際、メタノールは還流状態を維持したまま、随時新液と交換した。72時間後、チューブ成形治具を還流状態のメタノールから乾燥させることなく室温下のメタノール浴中に移し、浴内でチューブ成形治具から内容物を取り出し、日本薬局方精製水中で72時間洗浄することによりメチルセルロース、メタノール及び残留するNMPを抽出除去した。洗浄用の水は随時新液を供給した。これを室温下で24時間減圧(20mmHg(2.7kPa))乾燥させて、管状の多孔性三次元網状構造体を製造した。これを切断して直径1mm、長さ10mmの細棒上の軟質ポリウレタン多孔体(以下、SPUスポンジということがある。)とした。
【0083】
得られたSPUスポンジについて、下記方法により平均孔径及び見掛け密度の測定を行った。なお、平均孔径と見掛け密度の測定において、試料の切断は両刃カミソリ(フェザー社製,ハイステンレス)を使用して室温下で行った。
【0084】
(1)平均孔径の測定
両刃カミソリで切断した試料の平面(切断面)を実体顕微鏡(キーエンス社製,VH−6300)にて撮影した写真を使用して、同一平面上の個々の孔を三次元網状構造の骨格から包囲された図形として画像処理(画像処理装置はニレコ社のLUZEX APを使用し、画像取り込みCCDカメラはSONYのLE N50を使用した。)し、個々の図形の面積を測定した。これを真円面積とし、対応する円の直径を求め孔径とした。多孔体の骨格部分に穿孔した微細孔を無視して同一平面上の連通孔のみを測定した結果、平均孔径は169±55μmと計測された。同時に、孔径分布における孔径150〜300μmの寄与率は71.2%と計測され、細胞接着に有効なサイズの孔を主体とする多孔体であることが確認された。
【0085】
(2)見掛け密度の測定
約10mm長さに両刃カミソリで切断した試料を投影機(Nikon,V−12)にて測定して得た寸法より体積を求め、その重量を体積で除した値から求めた結果、0.077±0.002g/cmと計算された。
【0086】
<核酸/ベクター複合体のSPUスポンジへの含浸>
上記の各核酸/ベクター複合体の分散液を上記SPUスポンジへ含浸させた。含浸量は0.8mg/mm3である。
【0087】
<SPUスポンジの生体への埋入及び摘出>
通常手技によって局所麻酔、剃毛されたウサギ背部の表皮をイソジン消毒後に速やかに約30mm切開し、上記の細棒状のSPUスポンジ(核酸/ベクター複合体は含浸させてない)を骨髄穿刺用針内に挿入した。生理食塩水で針内部を濡らしてSPUスポンジの摺動性を確保しながら盲栓用のピンで押し出すことによってウサギ皮下組織に埋入した。縫合部位はイソジンにて1日2回の消毒を行い、水は自由給水とし、飼料としてオリエンタル酵母社製ORC4を体重に応じて適量給仕した。
【0088】
埋入期間中、穿刺部及び埋入皮下組織において感染や炎症の所見は認められず、抗生物質は一切使用する必要がなかった。埋入から6週間経過後に摘出した。SPUスポンジは周辺組織と境界がはっきりしているレベルで癒着し、血管が入り込んでいたが、簡単に剥離することができた。外周部の全面を被覆するように厚みのある組織体が形成されており、SPUスポンジの内部も組織が浸潤して器質化されていた。病理所見では繊維芽細胞など貪食系の細胞が選択的に優先して入り込んでいることが分かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分岐鎖を有するカチオン性ポリマーよりなるベクターと核酸との複合体が、連通性のある多孔質三次元網状構造の合成樹脂よりなる多孔体に保持されてなる遺伝子導入材。
【請求項2】
請求項1において、前記ベクターは、多官能性化合物を核とし、この核に該分岐鎖として複数の高分子鎖が結合していることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項3】
請求項2において、核はベンゼン環であり、高分子鎖の数が2,3,4又は6であることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項4】
請求項2又は3において、高分子鎖がカチオン性であることを特徴とするベクター。
【請求項5】
請求項4において、分岐鎖を構成する高分子鎖はビニル系ポリマーであることを特徴とするベクター。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、ベクターの分子量が5千〜50万であることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、前記多孔体は、平均孔径10〜650μm、見掛け密度0.01〜0.5g/cmの、連通性のある多孔性三次元網状構造の熱可塑性樹脂よりなることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項8】
請求項7において、該熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂及びメタクリル樹脂並びにこれらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項9】
請求項8において、該熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂であることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項10】
請求項9において、該ポリウレタン樹脂がセグメント化ポリウレタン樹脂であることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項において、核酸がHGF肝細胞増殖因子であることを特徴とする遺伝子導入材。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項において、細棒状に成形されていることを特徴とする遺伝子導入材。

【公開番号】特開2008−195680(P2008−195680A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34888(P2007−34888)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(591108880)国立循環器病センター総長 (159)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】