説明

避難方向表示構造

【課題】目の不自由な人や火災等で建築物の内部に煙が充満して視界が確保できない人でも手摺り等の方向表示部に辿り着けば避難方向を容易に確認し得るようにするとともに、通常時も、一方通行の通路や道路の通行方向等を容易に確認し得るようにすることにある。
【解決手段】手摺り1、壁面、床面、幅木または路面の表面に設けられて方向を示す、その示す方向および逆方向に対し非対称の凸形状部1aもしくは凹形状部を具えてなる、方向表示構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、公共の建物等の手摺り、壁面、床面、幅木(壁面と床面とにまたがって設けられて壁面と床面との境目を隠す部材)または路面に設けられて方向を表示する方向表示構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の方向表示物としては、照明器具等を付設されて壁面に設けられる避難方向表示物が良く知られている(非特許文献1参照)。
【非特許文献1】http://www.orikomi.org/orisuma/kiotukete/t_bousai.html(「壁の下の方にある表示板」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、かかる従来の表示物は、目の不自由な人には確認できないものであり、また火災等で建築物の内部に煙が充満したりすると、目の不自由な人でなくても確認困難になるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、この発明の方向表示構造は、手摺り、壁面、床面、幅木または路面の表面に設けられて方向を示す、その示す方向および逆方向に対し非対称の凸形状部もしくは凹形状部を具えてなるものである。
【発明の効果】
【0005】
かかるこの発明の方向表示構造によれば、手摺り、壁面、床面、幅木または路面の表面に、方向を示す、その示す方向および逆方向に対し非対称の凸形状部もしくは凹形状部が設けられているので、目の不自由な人や、火災等で建築物の内部に煙が充満して視界が確保できない人でも、手探りで手摺り、壁面、床面、幅木または路面のその凸形状部もしくは凹形状部に辿り着いて、その示す方向および逆方向に対し非対称の凸形状部もしくは凹形状部を手で触ることで、避難方向を容易に確認することができる。また通常時も、手摺り、壁面、床面、幅木または路面のその凸形状部もしくは凹形状部に触ることで、一方通行の通路や道路の通行方向等を容易に確認することができる。
【0006】
なお、この発明においては、前記凸形状部もしくは凹形状部は、前記表面に連続的または断続的に多数繰り返し設けられていても良く、このようにすれば、手摺り等のどの部分に触れても方向を容易に確認することができる。
【0007】
また、この発明においては、前記凸形状部もしくは凹形状部は、前記表面と一体的に形成されていても良く、このようにすれば、手摺り等への凸形状部もしくは凹形状部の取り付けの手間を省くことができるとともに、災害時の熱や外力等による手摺りからの凸形状部もしくは凹形状部の脱落のおそれをなくすことができる。
【0008】
一方、この発明においては、前記凸形状部もしくは凹形状部は、前記表面と別体に形成されて、その手摺りの表面に固定されていても良く、このようにすれば、凸形状部もしくは凹形状部を安価に製造し得るとともに、既存の手摺り等にも凸形状部もしくは凹形状部を設けて、前述したこの発明の作用効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第1実施例としての避難方向表示構造を示す正面図および側面図であり、図中符号1はその実施例の避難方向表示構造を具える手摺り、2はその手摺り1を支持するブラケットをそれぞれ示す。
【0010】
この第1実施例の避難方向表示構造は、手摺り1の表面に設けられて避難方向を示す、その避難方向およびそれと逆方向に延在する手摺り1の延在方向に対し非対称の凸形状部1aを具えてなるものであり、具体的にはこの実施例では、手摺り1は多数の手摺り部品1bが結合されて構成されており、ここにおける各手摺り部品1bは全体的に略裁頭円錐状をなし、その細径側の端部に半球状凸部1cを有するとともにその太径側の端部に半球状凹部1dを有していて、隣り合う手摺り部品1b同士の半球状凸部1cと半球状凹部1dとを嵌め合わせてそれらの間を、手摺り部品1bを例えば木や合成樹脂等で形成する場合は例えば接着剤等で、また手摺り部品1bを例えば金属で形成する場合は例えば抵抗溶接等で接合することで、多数の手摺り部品1bを全体的に直線状にも曲線状にも結合することができる。
【0011】
そしてその細径側の端部に対する太径側の端部の直径の差により、この実施例では手摺り1の延在方向(図1(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部1aが形成されており、ブラケット2は、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されるとともに、手摺り受け面2aに上記手摺り1の下面を固定されて、手摺り1を壁面Wから適宜離間させて支持している。
【0012】
図2(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第2実施例としての避難方向表示構造を示す正面図および側面図であり、図中符号11はその実施例の避難方向表示構造を具える手摺りを示し、2は先の実施例と同様、その手摺り11を支持するブラケットを示す。
【0013】
この第2実施例の避難方向表示構造は、手摺り11の表面に設けられて避難方向を示す、その手摺り11の延在方向に対し非対称のうろこ文様状の多数の凸形状部11aを具えてなるものであり、具体的にはこの実施例では、手摺り11は例えば木や合成樹脂や金属等からなる丸棒状の素材の表面に転造加工や型成形等によって、各々左端よりも右端の方が浮き出たうろこ状をなす多数の凸形状部11aを形成されて構成されている。
【0014】
そしてその左端よりも右端の方が浮き出たうろこ状の形状により、この実施例では手摺り11の延在方向(図2(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部11aが形成されており、ブラケット2は、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されるとともに、手摺り受け面2aに上記手摺り11の下面を固定されて、手摺り11を壁面Wから適宜離間させて支持している。
【0015】
図3(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第3実施例としての避難方向表示構造を示す正面図および側面図であり、図中符号21はその実施例の避難方向表示構造を具える手摺りを示し、2は先の実施例と同様、その手摺り21を支持するブラケットを示す。
【0016】
この第3実施例の避難方向表示構造は、手摺り21の表面に設けられて避難方向を示す、その手摺り21の延在方向に対し非対称の樹皮文様状の多数の凸形状部21aを具えてなるものであり、具体的にはこの実施例では、手摺り21は例えば木や合成樹脂や金属等からなる丸棒状の素材の表面に転造加工や型成形等によって、各々左端よりも右端の方が浮き出た樹皮状をなす多数の凸形状部21aを形成されて構成されている。
【0017】
そしてその左端よりも右端の方が浮き出た樹皮状の形状により、この実施例では手摺り21の延在方向(図3(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部21aが形成されており、ブラケット2は、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されるとともに、手摺り受け面2aに上記手摺り21の下面を固定されて、手摺り21を壁面Wから適宜離間させて支持している。
【0018】
これら第1〜第3実施例の避難方向表示構造によれば、手摺り1,11および21の表面に、避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の凸形状部1a,11aおよび21aが設それぞれ設けられているので、目の不自由な人や、火災等で建築物の内部に煙が充満して視界が確保できない人でも、手探りで手摺り1,11または21に辿り着いて、その手摺りの延在方向に対し非対称の凸形状部1a,11aまたは21aを手で触ることで、避難方向を容易に確認することができる。
【0019】
また、これら第1〜第3実施例の避難方向表示構造によれば、凸形状部1a,11aおよび21aは、手摺り1,11および21の表面に連続的に多数繰り返し設けられていているので、延在する手摺り1,11および21のどの部分に触れても避難方向を容易に確認することができる。
【0020】
さらに、これら第1〜第3実施例の避難方向表示構造によれば、凸形状部1a,11aおよび21aは、手摺り1,11および21の表面と一体的に形成されているので、手摺り1,11および21への凸形状部1a,11aおよび21aの取り付けの手間を省くことができるとともに、災害時の熱や外力等による手摺り1,11および21からの凸形状部1a,11aおよび21aの脱落のおそれをなくすことができる。
【0021】
図4(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第4実施例としての避難方向表示構造における凸形状部を示す平面図および正面図であり、図中符号31はその実施例の避難方向表示構造を構成する凸形状部材を示す。
【0022】
この第4実施例の避難方向表示構造は、図示しない手摺りの表面に設けられて避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の多数の凸形状部31aを具えてなるものであり、具体的にはこの第4実施例の避難方向表示構造の凸形状部31aは、帯状の凸形状部材31によって形成され、その凸形状部材31は、多数の楔状片31bが例えば接着剤等によって一体的に結合されて形成されたもので、ここにおける各楔状片31bは、左端が薄く右端が厚い楔状をなすとともに、その厚い右端が楔状片31bの長手方向に直交する直線状に終わっており、その厚い右端の下面に、隣接する楔状片31bの薄い左端と嵌まり合って裏面を面一(平坦)にする凹部31cを形成されている。
【0023】
上記凸形状部材31は、その凸形状部材31と別体に形成された図示しない丸棒状あるいは角棒状の手摺りの表面にその手摺りの延在方向に沿って、例えば接着剤による貼り付け等によって固着され、その凸形状部材31の各楔状片31bの、左端よりも右端の方が浮き出た鋸刃型の形状により、この実施例では図示しない手摺りの延在方向(図4(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部31aが形成されており、その手摺りは、例えば先の実施例と同様、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されたブラケット2により、壁面Wから適宜離間させて支持される。
【0024】
図5(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第5実施例としての避難方向表示構造における凸形状部を示す平面図および正面図であり、図中符号41はその実施例の避難方向表示構造を構成する凸形状部材を示す。
【0025】
この第5実施例の避難方向表示構造は、図示しない手摺りの表面に設けられて避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の多数の凸形状部41aを具えてなるものであり、具体的にはこの第5実施例の避難方向表示構造の凸形状部41aは、先の第4実施例と同様、帯状の凸形状部材41によって形成され、その凸形状部材41は、多数の楔状片41bが例えば接着剤等によって一体的に結合されて形成されたもので、各楔状片41bは、左端が薄く右端が厚い楔状をなすものの、先の第4実施例における楔状片31bと異なり、その厚い右端が楔状片41bの長手方向に直交する直線状でなく、くの字状に終わっており、その厚い右端の下面に、隣接する楔状片41bの薄い左端と嵌まり合って裏面を面一(平坦)にする凹部41cを形成されている。
【0026】
上記凸形状部材41も先の第4実施例と同様、その凸形状部材41と別体に形成された図示しない丸棒状あるいは角棒状の手摺りの表面にその手摺りの延在方向に沿って、例えば接着剤による貼り付け等によって固着され、その凸形状部材41の各楔状片41bの、左端よりも右端の方が浮き出た鋸刃型の形状により、この実施例では図示しない手摺りの延在方向(図5(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部41aが形成されており、その手摺りは、例えば先の実施例と同様、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されたブラケット2により、壁面Wから適宜離間させて支持される。
【0027】
図6(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第6実施例としての避難方向表示構造における凸形状部を示す平面図および正面図であり、図中符号51はその実施例の避難方向表示構造を構成する凸形状部材を示す。
【0028】
この第6実施例の避難方向表示構造は、図示しない手摺りの表面に設けられて避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の多数の凸形状部51aを具えてなるものであり、具体的にはこの第6実施例の避難方向表示構造の凸形状部51aは、先の第4実施例と同様、帯状の凸形状部材51によって形成され、その凸形状部材51は、多数の楔状片51bが例えば接着剤等によって一体的に結合されて形成されたもので、各楔状片51bは、左端が薄く右端が厚い楔状をなすものの、先の第4実施例における楔状片31bと異なり、その厚い右端が楔状片51bの長手方向に直交する直線状でなく、矢印状に終わっており、その厚い右端の下面に、隣接する楔状片51bの薄い左端と嵌まり合って裏面を面一(平坦)にする凹部51cを形成されている。
【0029】
上記凸形状部材51も先の第4実施例と同様、その凸形状部材51と別体に形成された図示しない丸棒状あるいは角棒状の手摺りの表面にその手摺りの延在方向に沿って、例えば接着剤による貼り付け等によって固着され、その凸形状部材51の各楔状片51bの、左端よりも右端の方が浮き出た鋸刃型の形状により、この実施例では図示しない手摺りの延在方向(図6(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部51aが形成されており、その手摺りは、例えば先の実施例と同様、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されたブラケット2により、壁面Wから適宜離間させて支持される。
【0030】
図7(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第7実施例としての避難方向表示構造における凸形状部を示す平面図および正面図であり、図中符号61はその実施例の避難方向表示構造を構成する凸形状部材を示す。
【0031】
この第7実施例の避難方向表示構造は、図示しない手摺りの表面に設けられて避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の多数の凸形状部61aを具えてなるものであり、具体的にはこの第7実施例の避難方向表示構造の凸形状部61aは、先の第4実施例と同様、帯状の凸形状部材61によって形成され、その凸形状部材61は、多数の楔状片61bが例えば接着剤等によって一体的に結合されて形成されたもので、各楔状片61bは、左端が薄く右端が厚い楔状をなすものの、先の第4実施例における楔状片31bと異なり、その厚い右端が楔状片61bの長手方向に直交する直線状でなく、凸円弧状に終わっており、その厚い右端の下面に、隣接する楔状片61bの薄い左端と嵌まり合って裏面を面一(平坦)にする凹部61cを形成されている。
【0032】
上記凸形状部材61も先の第4実施例と同様、その凸形状部材61と別体に形成された図示しない丸棒状あるいは角棒状の手摺りの表面にその手摺りの延在方向に沿って、例えば接着剤による貼り付け等によって固着され、その凸形状部材61の各楔状片61bの、左端よりも右端の方が浮き出た鋸刃型の形状により、この実施例では図示しない手摺りの延在方向(図7(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部61aが形成されており、その手摺りは、例えば先の実施例と同様、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されたブラケット2により、壁面Wから適宜離間させて支持される。
【0033】
図8(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第8実施例としての避難方向表示構造における凸形状部を示す平面図および正面図であり、図中符号71はその実施例の避難方向表示構造を構成する凸形状部材を示す。
【0034】
この第8実施例の避難方向表示構造は、図示しない手摺りの表面に設けられて避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の多数の凸形状部71aを具えてなるものであり、具体的にはこの第8実施例の避難方向表示構造の凸形状部71aは、先の第4実施例と同様、帯状の凸形状部材71によって形成されるもの、その凸形状部材71は、多数の楔状片が一体的に結合されて形成されたものでなく元々帯状をなし、各凸形状部71aはその凸形状部材71に、左端が薄く右端が厚い楔状をなすように例えば転造加工や型成形等によって形成されて、先の第4実施例における楔状片31bと同様、その厚い右端が凸形状部71aの長手方向に直交する直線状に終わっている。
【0035】
上記凸形状部材71も先の第4実施例と同様、その凸形状部材71と別体に形成された図示しない丸棒状あるいは角棒状の手摺りの表面にその手摺りの延在方向に沿って、例えば接着剤による貼り付け等によって固着され、その凸形状部材71の表面の各凸形状部61aの、左端よりも右端の方が浮き出た鋸刃型の形状が、この実施例では図示しない手摺りの延在方向(図8(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状となっており、その手摺りは、例えば先の実施例と同様、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されたブラケット2により、壁面Wから適宜離間させて支持される。
【0036】
図9(a),(b)は、この発明の方向表示構造の第9実施例としての避難方向表示構造における凸形状部を示す平面図および正面図であり、図中符号81はその実施例の避難方向表示構造を構成する凸形状部材を示す。
【0037】
この第9実施例の避難方向表示構造は、図示しない手摺りの表面に設けられて避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の多数の凸形状部81aを具えてなるものであり、具体的にはこの第9実施例の避難方向表示構造の凸形状部81aは、多数の凸形状部材81によって形成されるもの、その凸形状部材81は互いに独立しており、各凸形状部財81は、左端が薄く右端が厚い楔状をなすように例えば転造加工や型成形等によって形成されて、先の第6実施例における楔状片51bと同様、その厚い右端が矢印状に終わっている。
【0038】
上記多数の凸形状部材81も先の第4実施例と同様、それらの凸形状部材81と別体に形成された図示しない丸棒状あるいは角棒状の手摺りの表面にその手摺りの延在方向に沿って並べられて、例えば接着剤による貼り付け等によって固着され、それらの凸形状部材81の表面の、左端よりも右端の方が浮き出た鋸刃型の形状が、この実施例では図示しない手摺りの延在方向(図9(a)では左右方向)に対し非対称の凸形状部81aとなっており、その手摺りは、例えば先の実施例と同様、互いに適当な間隔を空けて複数配置されて壁面W等に固定されたブラケット2により、壁面Wから適宜離間させて支持される。
【0039】
これら第4〜第9実施例の避難方向表示構造によれば、手摺りの表面に、避難方向を示す、その手摺りの延在方向に対し非対称の凸形状部31a,41a,51a,61a,71aおよび81aが設それぞれ設けられているので、目の不自由な人や、火災等で建築物の内部に煙が充満して視界が確保できない人でも、手探りで手摺りに辿り着いて、その手摺りの延在方向に対し非対称の凸形状部31a,41a,51a,61a,71aおよび81aを手で触ることで、避難方向を容易に確認することができる。
【0040】
また、これら第4〜第9実施例の避難方向表示構造によれば、凸形状部31a,41a,51a,61aおよび71aは手摺りの表面に連続的に、また凸形状部81aは手摺りの表面に断続的に、多数繰り返し設けられていているので、延在する手摺りのどの部分に触れても避難方向を容易に確認することができる。
【0041】
さらに、これら第4〜第9実施例の避難方向表示構造によれば、凸形状部31a,41a,51a,61a,71aおよび81aは、手摺りの表面と別体に帯状(テープ状)に形成されて、その手摺りの表面に固定されているので、凸形状部31a,41a,51a,61a,71aおよび81aを手摺りと別に安価に製造し得るとともに、既存の手摺りにも凸形状部31a,41a,51a,61a,71aもしくは81aを設けて、上述したこの発明の作用効果を奏することができる。
【0042】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、手摺りに凸形状部1a,11a,21a,31a,41a,51a,61a,71aおよび81aの代わりに、その手摺りと一体または別体に形成した、その手摺りの延在方向に対し非対称の凹形状部を設けても良く、その場合に、例えば手摺りにその長手方向に設けた溝内に、その手摺りと別体でその溝の深さより薄い、上記第4〜第9実施例の避難方向表示構造の帯状(テープ状)の凸形状部材31,41,51,61,71または81を埋め込むことで、凹形状部を形成しても良い。
【0043】
さらに、この発明の方向表示構造は、手摺りでなく壁面や床面や幅木や路面に設けても良い。そしてこの発明の方向表示構造は、避難方向の表示に限定されず、例えば一方通行の通路や道路の通行方向等の表示にも用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
かくしてこの発明の方向表示構造によれば、手摺り、壁面、床面、幅木または路面の表面に、方向を示す、その示す方向および逆方向に対し非対称の凸形状部もしくは凹形状部が設けられているので、目の不自由な人や、火災等で建築物の内部に煙が充満して視界が確保できない人でも、手探りで手摺り、壁面、床面、幅木または路面のその凸形状部もしくは凹形状部に辿り着いて、その示す方向および逆方向に対し非対称の凸形状部もしくは凹形状部を手で触ることで、避難方向を容易に確認することができる。また通常時も、手摺り、壁面、床面、幅木または路面のその凸形状部もしくは凹形状部に触ることで、一方通行の通路や道路の通行方向等を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第1実施例を示す正面図および側面図である。
【図2】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第2実施例を示す正面図および側面図である。
【図3】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第3実施例を示す正面図および側面図である。
【図4】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第4実施例における凸形状部を示す平面図および正面図である。
【図5】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第5実施例における凸形状部を示す平面図および正面図である。
【図6】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第6実施例における凸形状部を示す平面図および正面図である。
【図7】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第7実施例における凸形状部を示す平面図および正面図である。
【図8】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第8実施例における凸形状部を示す平面図および正面図である。
【図9】(a),(b)は、この発明の避難方向表示構造の第9実施例における凸形状部を示す平面図および正面図である。
【符号の説明】
【0046】
1,11,21 手摺り
1a,11a,21a,31a,41a,51a,61a,71a,81a 凸形状部
1b 手摺り部品
1c 半球状凸部
1d 半球状凹部
2 ブラケット
2a 手摺り受け面
31,41,51,61,71,81 凸形状部材
31b,41b,51b,61b 楔状片
31c,41c,51c,61c 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺り、壁面、床面、幅木または路面の表面に設けられて方向を示す、その示す方向および逆方向に対し非対称の凸形状部もしくは凹形状部を具えてなる、方向表示構造。
【請求項2】
前記凸形状部もしくは凹形状部は、前記表面に連続的または断続的に多数繰り返し設けられていることを特徴とする、請求項1記載の方向表示構造。
【請求項3】
前記前記凸形状部もしくは凹形状部は、前記表面と一体的に形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の方向表示構造。
【請求項4】
前記前記凸形状部もしくは凹形状部は、前記表面と別体に形成されてその表面に固定されていることを特徴とする、請求項1または2記載の方向表示構造。
【請求項5】
前記凸形状部もしくは凹形状部は、避難方向を示すものであることを特徴とする、請求項1から4までの何れか記載の方向表示構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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