説明

避難梯子用ハッチ

【課題】ハッチ開口部内に確保しなければならない降下空間の大きさが、巻取り装置により狭くなる問題を解消し、ハッチ開口部の奥行きを従来よりも小さくできるとともに、巻取り装置のハンドル操作を、不安定な姿勢にならずに安全に行える避難梯子用ハッチを提供する。
【解決手段】上蓋10に、レール19,20に沿って摺動する摺動台21を装着し、この摺動台21とハッチ本体枠14とを、これらに両端部を回動自在としたリンク22,23により連結する。この摺動台21に巻取り装置18を取り付ける。ハッチ本体枠14の内側にワイヤー17を案内するワイヤー案内部30を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建物の床面の避難ハッチから下層階へ避難するための避難梯子を備えた避難梯子用ハッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、避難梯子用ハッチのうち、床面のハッチ開口部に梯子を格納しておくタイプであって、梯子に連結されたワイヤーを巻取り装置で巻き上げたり引き出すことにより、梯子を収縮させてハッチ本体枠内に格納したり、伸長させてハッチ本体枠より下降させる構造のものとして、例えば特許文献1や特許文献2に記載されたものがあった。
【0003】
図6ないし図8に、このような構造の従来の避難梯子用ハッチを示す。
開口部1を形成するハッチ本体枠2の一側部2aには、開口部1の上開口面を開閉する上蓋3および下開口面を開閉する下蓋4が回動自在に取り付けられている。また、この一側部2aの内面には取付台板5が固着され、この取付台板5の中央部に、ワイヤー6を巻き取る巻取り装置7が取り付けられているとともに、取付台板5の両端部に、梯子8の両側枠8a,8bの基端部が軸部材によって支持され、この軸部材を中心に回動可能にしている。
【0004】
梯子8は、巻取り装置7でワイヤー6を巻き取ることにより図7に示す伸縮機構8cが引き上げられて収縮し、上蓋3および下蓋4を閉じた状態でハッチ本体枠2内に格納される。
一方、上蓋3と同時に下蓋4を開くと、梯子8の両側枠8a,8bが回動してハッチ本体枠2から下方へ突出し、巻取り装置7からワイヤー6を引き出すと、伸縮機構8cが伸長して、梯子8が下がった状態となる。
【特許文献1】特開2005−42482号公報
【特許文献2】特開2008−101340号公報
【特許文献3】実開昭62−122656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このような床面のハッチ開口部に梯子を格納するタイプでは、ハッチ開口部の大きさのほかに、梯子使用状態でハッチ開口部内に確保しなければならない降下空間の大きさも、消防法施行細則で定める寸法を満たすように規定されている。その規定によれば、降下空間の大きさは「直径0.5メートル以上の円が内接することができるものであること」とされている。
【0006】
ところが、上記のような従来構造では、巻取り装置7がハッチ本体枠2の内側に取り付けられているため、巻取り装置7の占有部分(およそ100mmの厚み)だけ降下空間が狭くなる。そのため、図8に示すように、直径0.5メートル(500mm)以上の円が内接する降下空間を確保するには、ハッチ開口部の奥行きを600mm以上にしなければならなくなり、その結果、ハッチ本体枠2の外寸法も大きくなり、奥行きの狭いバルコニーには避難ハッチの設置が困難な場合もあった。
【0007】
また、巻取り装置7が、上蓋3の取り付け位置より下方においてハッチ本体枠2の内側に取り付けられているため、上蓋3を開いて巻取り装置7を操作する際に、起立している上蓋3を避けながら、ハッチ本体枠2の内部まで前屈みで手を伸ばさなければならず、不安定な姿勢での操作となって危険であった。
【0008】
そこで、この発明の目的は、ハッチ開口部内に確保しなければならない降下空間の大きさが、巻取り装置により狭くなる問題を解消し、ハッチ開口部の奥行きを従来よりも小さくできるとともに、巻取り装置のハンドル操作を、不安定な姿勢にならずに安全に行える避難梯子用ハッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、避難ハッチのハッチ本体枠14に、その上部開口面を開閉する上蓋10と、この上蓋10の開閉に連動して開閉する下蓋11とを、それそれぞれ回動可能に取り付けるとともに、このハッチ本体枠14の内側に梯子12の基端部を回動可能に支持し、梯子12に連結されたワイヤー17を巻取り装置で巻き上げたり引き出すことにより、梯子12を収縮させてハッチ本体枠内に格納したり、伸長させてハッチ本体枠より降下させる避難梯子用ハッチにおいて、上記上蓋10に、その開閉に連動してレール19,20に沿って摺動する摺動台21を装着し、この摺動台21に上記巻取り装置18を取り付けたことを特徴とする。
【0010】
その好ましい形態である第2の発明は、摺動台21とハッチ本体枠14とを、これらに両端部を回動自在としたリンク22,23により連結するとともに、ハッチ本体枠14の内側にワイヤー17を案内するワイヤー案内部30を設けたものである。
その好ましい形態である第3の発明は、摺動台21とハッチ本体枠14とを連結するリンク22,23を、ハッチ本体枠14に対し、梯子12の基端部の回動中心O1より上位置において支持するとともに、ワイヤー案内部30に、上記ハッチ本体に設けたリンク22,23の回動中心O2と同じ高さでワイヤー17を案内する上案内部30aと、梯子12の基端部の回動中心O1と同じ高さでワイヤー17を案内する下案内部30bとを設けたものである。
【0011】
第4の発明は、摺動台を上蓋に装着する場合の装着構造を特徴とし、レール19,20を上蓋10の下面に平行に設けて、摺動台21の両端部21d,21eを摺動自在に案内し、その平行なレール19,20のうち、一方のレール20は、その一端部を上蓋10の下面に回動可能に支持する一方、その他端部を上蓋10の下面に着脱可能に固定することにより、上蓋10の下面との間に、摺動台21の端部21eを挟んで案内する案内間隙29を形成するようにしたものである。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によると、巻取り装置を摺動台により上蓋に装着したので、巻取り装置をハッチ本体枠の内側に装着していた従来と比べて、巻取り装置の占有部分だけハッチ本体枠内の降下空間を広くできる。言い換えれば、巻取り装置の占有分だけハッチ本体枠の奥行きを小さくすることができる。したがって、奥行きの狭いバルコニーなどにもハッチを設置可能となる。
ところで、巻取り装置を仮に上蓋の定位置に固定すると、梯子の基端部を支持した回動中心から巻取り装置までの距離が、上蓋の開閉にしたがい変動するため、上蓋の開閉によりワイヤーが持ち上げられたり、引き下ろされたり、上蓋を閉じたりしたときワイヤーが弛んで、次のような問題が生ずる。
(1)梯子を収縮させて格納する際に、梯子の長さが長くなってしまい、下蓋が最終まで閉まらなくなる。
(2)梯子の長さが長くなると、その一部が下蓋よりはみ出す。
(3)下蓋は上蓋と連動して開閉するので、下蓋が最終まで閉まらなくなると、上蓋も同様となる。
(4)上蓋および下蓋を無理やり閉めると、それらが変形してしまう。
しかし、第1の発明では、上蓋の開閉に連動してレールに沿って摺動する摺動台に巻取り装置を取り付けたので、梯子の基端部の回動中心から巻取り装置までの距離が、上蓋の開閉にしたがい変動することはなく、従って、上蓋を閉じたときにワイヤーが弛むことがないので、上記のような問題は生じない。
【0013】
第2の発明によると、摺動台とハッチ本体枠とを、これらに両端部を回動自在としたリンクにより連結して、梯子の基端部の回動中心から巻取り装置までの距離が、リンクにより一定になるようにするとともに、ハッチ本体枠の内側に設けたワイヤー案内部にてワイヤーを案内するので、上蓋の開閉にしたがい巻取り装置が摺動台と共に摺動する構造であっても、その摺動およびワイヤーの移動をスムーズに行いながら、ワイヤーが弛むことによる上記の問題を回避できる。
第3の発明によると、摺動台とハッチ本体枠とを連結するリンクを、ハッチ本体枠に対し、梯子の基端部の回動中心より上位置において支持したので、上蓋の開閉に伴う摺動台の摺動距離(巻取り装置の摺動距離)を短くできるとともに、ワイヤーを、リンクの回動中心と同じ高さと、梯子の基端部の回動中心と同じ高さの上下2点で案内するので、ワイヤーは梯子側でも弛みを生じない。
【0014】
第4の発明によると、摺動台の両側縁を案内する平行なレールのうちの一方のレールを、上蓋の下面に回動可能にしてその一端を支持し、その支持側とは反対の他端部を、上蓋の下面に止め部品で着脱可能に固定することにより、このレールが、上蓋の下面との間に、摺動台の端部を挟んで案内する案内間隙を形成するようにしたので、摺動台を平行なレールにより上蓋の下面に装着するにあたり、その装着を簡単に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、この発明の好ましい実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1はその斜視図で、上蓋10および下蓋11を開き、梯子12を降下させた状態である。
【0016】
上蓋10と下蓋11は、ハッチ開口部13を形成するハッチ本体枠14の一側部14aにそれぞれ回動自在に取り付けられているとともに、左右両側のリンク機構15A,15Bにて互いに連結され、連動して開閉する。これらリンク機構15A,15Bは、上蓋10と下蓋11とを開いたとき、これらを垂直な状態に保持する公知の構造であり、ここでは詳細な説明は省略するが、例えば、特許文献3に記載されているものがある。
【0017】
梯子12は、その本体であるパイプ状または棒状の左右の両側枠12a,12bに、パンタグラフ構造やテレスコープ構造などによる従来公知の伸縮機構12c(図2参照)を組み込んだもので、その両側枠12a,12bの基端部(上端部)は、ハッチ本体枠14の一側部14aの内側に次のように支持されている。
ハッチ本体枠14の一側部14aの内面には、横長の取付台板16が固着され、その左右両端に設けられた断面コ字形の支持部16a,16bに、梯子12の両側枠12a,12bの基端部(上端部)が支持され、両側枠12a,12bは、鎖線にして示す回動中心O1において回動自在となっている。
【0018】
一方、梯子12の伸縮機構12cは、これに連結されたワイヤー17を巻取り装置18にて巻き上げたり、引き出したりすることにより伸縮されるが、巻取り装置18は、ハッチ本体枠14ではなく、次のように上蓋10に装着されている。
【0019】
上蓋10の下面には、左側の固定側レール19と右側の可動側レール20とが平行に設けられ、これらレール19,20に沿って摺動するように摺動台21が上蓋10の下面に装着されている。この摺動台21は、横長の板材の両側を同じ方向に直角に折曲するとともに、さらにその両端部を互いに反対側(外側)へ直角に折曲して成形したもので、図4および図5に左右分けて示すように、中央台部21aと、左右両側の対向する側壁部21b,21cと、その先端で互いに外側に向く左右の両端部21d,21eとを有する。
【0020】
固定側レール19および回動側レール20は、上蓋10の下面との間に、摺動台21の両端部21d,21eを挟んで案内する僅かな案内間隙を形成している。また、摺動台21の中央台部21aは、その両側の側壁部21b,21cにより、上蓋10の下面との間に所定の間隔を有している。そして、この中央台部21aの中央に巻取り装置18が取り付けられている。
したがって、巻取り装置18は、摺動台21と共に、上蓋10の下面に設けられた平行なレール19,20に沿って摺動可能となっている。
【0021】
摺動台21は、上蓋10の開閉に連動して摺動するように、平行なリンク22,23にてハッチ本体枠14の一側部14aと次のように連結されている。
平行なリンク22,23は、その一端部を上記取付台板16の両端の支持部16a,16bに、他端部を摺動台21の両側の壁部21b,21cの外面に、それぞれビス等で支持することにより、ハッチ本体枠14側の支持部16a,16bと摺動台21とのそれぞれに対して、回動自在となっている。なお、上記リンク22,23は、その他端部を上記摺動台21の壁部21b,21cの外面に取り付けているが、上記壁部21b,21cの内面に取り付けてもよい。
そして、上記リンク22,23の両方の回動中心を鎖線にしてO2およびO3とすると、ハッチ本体枠14側の支持部16a,16bに対するリンク22,23の回動中心O2は、梯子12の両側枠12a,12bに対する回動中心O1よりも、距離L1だけ上方に位置している。
【0022】
この回動中心O2と摺動台21に対する回動中心O3との間の距離L2は、リンク22,23が回動しても変わらないため、摺動台21が摺動しても、梯子12の両側枠12a,12bの回動中心O1から回動中心O3までの距離L1+L2は不変である。
【0023】
したがって、上蓋10が開閉すると、巻取り装置18は、摺動台21と共に上蓋10に対して摺動するが、回動中心O1から回動中心O3までの距離L1+L2が不変であるため、梯子12の両側枠12a,12bの回動中心O1から見ると、巻取り装置18は常に一定の距離L1+L2を保つことになる。
【0024】
固定側レール19は、図4に示すように、縦長の板材の2箇所を中心線と平行に直角に折曲して断面Z状とすることにより、固定部19aと案内部19bとを形成したもので、固定部19aをビス等で上蓋10の下面に固着することにより、案内部19と上蓋10の下面との間に、摺動台21の左側の端部21dを挟んで摺動自在に案内する案内間隙24を形成している。
【0025】
一方、可動側レール20は、図5に示すように単なる縦長の板材で、上蓋10の下面に所定の距離をもって固着された一対の取付片25,26にて両端部を支持されるが、次のように回動可能にしている。
可動側レール20の一端部(図5で見ると下端部)は、上蓋10の下面に固定部25aを固着された一方の取付片25のレール支持部25bにビス27にて回動可能に支持されているので、可動側レール20は、上蓋10の下面と平行な方向に回動できる。しかし、可動側レール20の他端部(図5で見ると上端部)は、他方の取付片26に対しては着脱可能で、その他端部を、上蓋10の下面に固定部26aを固着された他方の取付片26のレール支持部26bにビス28にて固定すると、可動側レール20は、固定側レール19と平行となるように上蓋10の下面に対して固定される。
【0026】
両方の取付片25,26は、板片の2箇所を直角に折曲して断面Z状とすることにより、固定部25a,26aとレール支持部25b,26bとを形成したものであるため、それらのレール支持部25b,26bに可動側レール20の両端部を上記のように支持すると、可動側レール20と上蓋10の下面との間に、摺動台21の右側の端部21eを挟んで摺動自在に案内する案内間隙29が形成される。
【0027】
そこで、摺動台21を上蓋10の下面に装着する際には、その左側の端部21dを固定側レール19による案内間隙24に挿入しておいてから、まだ取付片26のレール支持部26bに固定していない可動側レール20を回動させ、この可動側レール20と上蓋10の下面とで摺動台21の右側の端部21eを挟んだ状態として、可動側レール20を取付片26のレール支持部26bにビス28で固定する。
これにより、摺動台21は、その両側の端部21d,21eを平行な固定側レール19と可動側レール20とで案内されて、上蓋10の下面に対し摺動可能となる。
なお、ビス27,28に代えて他の止め部品を用いてもよい。
【0028】
巻取り装置18は、上記のように開閉する上蓋10に装着され、しかも、摺動台21と共に摺動するため、ワイヤー17を案内する必要がある。
そこで、ワイヤー17をハッチ本体枠14の一側部14a上で案内するため、この一側部14aに固着された上記取付台板16の中央部にワイヤー案内部30が設けられている。このワイヤー案内部30は、取付台板16の中央部に固着された断面コ字形の台板31の両側壁に、その上下二箇所においてピンを貫設することにより、上側のピンによる上案内部30aと下側のピンによる下案内部30bとを形成したものである。
【0029】
これら上案内部30aと下案内部30bのそれぞれ高さは、上記のように距離L1だけ離れた2つの回動中心O2とO1の高さにそれぞれ合わせてある。
すなわち、上案内部30aは、ハッチ本体枠14側の支持部16a,16bに対するリンク22,23の回動中心O2と同じ高さになっているのに対し、下案内部30bは、梯子12の両側枠12a,12bの回動中心O1と同じ高さになっている。
【0030】
したがって、ワイヤー17は、巻取り装置18に向かっては、回動中心O2と同じ高さの上案内部30aで案内されてこれを支点として上蓋10の回動に従動し、また、梯子12に向かっては、回動中心O1と同じ高さの下案内部30bで案内されてこれを支点として梯子12の両側枠12a,12bの回動に従動することなる。
【0031】
そのため、巻取り装置18が、上蓋10の開閉によりこれと一体に移動しながら、摺動台21と共に上蓋10に対して摺動しても、ワイヤー17は弛むことはなく、図1および図2に示すように、上蓋10を下蓋11と共に開いて梯子12の両側枠12a,12bを降下させても、ワイヤー17は、上案内部30aから巻取り装置18までの長さ部分と、下案内部30bから梯子12の伸縮機構までの長さ部分の両方において、緊張状態を維持する。
【0032】
上蓋10と下蓋11を図1および図2に示すように開いた状態において、巻取り装置18のロック用レバー32を操作して巻取り装置18をロック解除すると、図2に示した梯子12の伸縮機構12cはその自重により自動的に伸長する。そのロック解除操作の際、および、巻取り装置18にてワイヤー17の巻き上げ操作を行う際、巻取り装置18は、ハッチ本体枠14によるハッチ開口部13よりも上方に位置しているので、従来のような不安定な姿勢にならずに操作できるため、操作しやすいとともに、安全である。
【0033】
また、巻取り装置18は、ハッチ本体枠14の内側ではなく上蓋10に装着され、ハッチ本体枠14の一側部14aの中央にはワイヤー案内部30が設けられているものの、ワイヤー案内部30の厚みは巻取り装置18の厚みに比べてはるかに小さいため、ハッチ本体枠14の奥行きを従来のものより小さくしても、規定の大きさを満たす降下空間を確保できる。
【0034】
一例を示すと、図3に示すように、ハッチ本体枠14によるハッチ開口部13の奥行きが最低520mmあれば、ワイヤー案内部30に円が接する降下空間の直径を500mmとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】上蓋および下蓋を開いた状態で示すこの発明の実施形態の斜視図である。
【図2】実施形態の正面図である。
【図3】実施形態の平面図である。
【図4】この実施形態の一部分であって、摺動台とこれを案内する固定側レールとの関係を示す斜視図である。
【図5】実施形態の摺動台と可動側レールとの関係を示す斜視図である。
【図6】上蓋および下蓋を開いた状態で示す従来例の避難梯子用ハッチの斜視図である。
【図7】従来例の正面図である。
【図8】従来例の平面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 上蓋
11 下蓋
12 梯子
13 ハッチ開口部
14 ハッチ本体枠
17 ワイヤー
18 巻取り装置
19,20 レール
21 摺動台
21d,21e 摺動台の両端部
22,23 リンク
24,29 案内間隙
30 ワイヤー案内部
30a 上案内部
30b 下案内部
O1 梯子の回動中心
O2 ハッチ本体枠に対するリンクの回動中心
O3 摺動台に対するリンクの回動中心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
避難ハッチのハッチ本体枠に、その上部開口面を開閉する上蓋と、この上蓋の開閉に連動して開閉する下蓋とを、それそれぞれ回動可能に取り付けるとともに、このハッチ本体枠の内側に梯子の基端部を回動可能に支持し、梯子に連結されたワイヤーを巻取り装置で巻き上げたり引き出すことにより、梯子を収縮させてハッチ本体枠内に格納したり、伸長させてハッチ本体枠より降下させる避難梯子用ハッチにおいて、上記上蓋に、その開閉に連動してレールに沿って摺動する摺動台を装着し、この摺動台に上記巻取り装置を取り付けたことを特徴とする避難梯子用ハッチ。
【請求項2】
上記摺動台と上記ハッチ本体枠とを、これらに両端部を回動自在としたリンクにより連結するとともに、ハッチ本体枠の内側に上記ワイヤーを案内するワイヤー案内部を設けた請求項1記載の避難梯子用ハッチ。
【請求項3】
上記リンクを、上記梯子の基端部の支持部である回動中心より上位置において、上記ハッチ本体枠に対し、回動自在に支持するとともに、上記ワイヤー案内部に、上記ハッチ本体に設けたリンクの回動中心と同じ高さでワイヤーを案内する上案内部と、梯子の基端部の回動中心と同じ高さでワイヤーを案内する下案内部とを備えた請求項1記載の避難梯子用ハッチ。
【請求項4】
上記上蓋の下面には、上記レールを、一対平行にして設けるとともに、これらレールによって、上記摺動台の両端部を摺動自在に案内し、その平行なレールのうち、一方のレールは、その一端部を上蓋の下面に回動可能に支持する一方、その他端部を上蓋の下面に着脱可能に固定することにより、上蓋の下面との間に、摺動台の端部を挟んで案内する案内間隙を形成するようにした請求項1〜3のいずれかに記載の避難梯子用ハッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−22684(P2010−22684A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189474(P2008−189474)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(593098325)松本機工株式会社 (6)
【Fターム(参考)】