説明

部品の誘電特性を測定するための装置

【解決手段】導電材料から形成されたチャンバが、接地電位に接続される。導電材料から形成された高温電極が、チャンバ内で略水平方向に配置され、チャンバから物理的に分離されている。高温電極は、測定される部品を支持するよう規定された上面を備える。高周波(RF)伝送ロッドが、高温電極の底面からチャンバの底部の開口部を通って伸びるように結合され、チャンバから物理的に分離されている。RF伝送ロッドが、電気素子ハウジングの導電体プレートから高温電極にRF電力を伝送するよう規定される。導電材料から形成された上側電極が、チャンバ内で略水平方向に配置される。上側電極は、チャンバに電気接続され、垂直方向に移動可能なように規定される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
半導体ウエハ(「ウエハ」)製造は、しばしば、プラズマの反応成分がウエハ表面を改変できるようにウエハをプラズマにさらす工程を含む。かかるウエハのプラズマ処理は、処理ガスに高周波(RF)電力を送ることによってプラズマが生成されるプラズマ処理システム内で実行することができる。プラズマ処理動作の結果として生じるウエハの特長は、プラズマ条件などの処理条件に依存する。プラズマ条件は、システム内でのRF電力伝送と密接に結びついているため、RF電力がプラズマ処理システム内でどのように伝送されるのかを正確に知ることが有益である。また、プラズマ処理システム内でRF電力がどのように伝送されるのかを知ることは、各プラズマ処理システム内のプラズマ強度が一定の電力入力に対しては実質的に同じになるように、プラズマ処理システム間での適合を実現するために必要である。そのためには、RF電力を伝送するプラズマ処理システムの部品の誘電特性を正確に知ることが必要である。
【0002】
対象となる誘電特性は、特定の部品の誘電率および損失正接を含みうる。部品の誘電特性を測定するための従来の一技術は、取り外して誘電特性の測定を行うことができるサンプルクーポンを取り付けた部品を製造することを含む。この従来の技術において、サンプルクーポンは、実際の部品に比べてサイズが小さい場合がある。例えば、セラミック部品など、一部の部品の材料組成では、空間的な変動が起こりやすいため、比較的小さいサンプルクーポンは、全体としての部品の材料組成を正確に表せない可能性がある。こうした状況では、サンプルクーポンについて測定された誘電特性は、全体としての実際の部品に関しては、正確でない場合がある。また、所定の部品の製造者によって報告される所定の部品についてのサンプルクーポンの誘電特性は、使用中に所定の部品がさらされるRF電力の周波数とは異なる周波数で測定される場合がある。誘電特性は周波数に依存するため、報告された所定の部品の誘電特性は、所定の部品がさらされるRF電力の周波数に適用できない場合があり、それによって、所定の部品の報告された誘電特性からの外挿と、対応する予測誤差の仮定が必要になる。
【0003】
上記に鑑みて、プラズマ処理動作中に部品がさらされるRF電力の動作周波数で、プラズマ処理システムで用いる実際の原寸大部品の誘電特性の測定を可能にする解決策が必要である。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、部品の誘電特性を測定するための装置が開示されている。その装置は、導電材料から形成され、接地電位に電気接続されたチャンバを備える。装置は、さらに、チャンバ内で略水平方向に配置され、チャンバから物理的に分離された高温電極を備える。高温電極は、導電材料から形成されており、測定される部品を支持するよう規定された上面を備える。装置は、さらに、高温電極の底面に結合された高周波(RF)伝送ロッドを備える。高周波(RF)伝送ロッドは、高温電極の底面からチャンバの底部の開口部を通って伸びると共に、チャンバから物理的に分離されるように配置される。RF伝送ロッドは、RF電力を高温電極に伝送するよう規定される。さらに、装置は、チャンバ内で高温電極の上方に略水平方向に配置された上側電極を備える。上側電極は、導電材料から形成されており、チャンバに電気接続される。また、上側電極は、チャンバ内で垂直方向に移動可能なように規定される。
【0005】
別の実施形態では、部品の誘電特性を測定するための装置が開示されている。その装置は、導電材料から形成され、内部空洞を有し、接地電位に電気接続されたチャンバを備える。装置は、さらに、導電材料から形成され、チャンバの内部空洞内に配置された上側電極を備える。上側電極は、チャンバに電気接続される。装置は、さらに、導電材料から形成され、チャンバの内部空洞内で上側電極の下方に位置に配置された下側電極を備える。下側電極は、チャンバに電気接続される。装置は、さらに、導電材料から形成され、下側電極に結合されたロッドを備える。ロッドは、下側電極からチャンバの底部の開口部を通って伸びるように配置される。また、ロッドは、チャンバから物理的に分離されるように配置される。さらに、装置は、導電材料から形成され、チャンバの下に配置された電気素子ハウジングを備える。電気素子ハウジングは、チャンバの接地電位を有するように、チャンバに電気接続される。電気素子ハウジングは、ロッドを介して下側電極にRF電力を伝送するための複数の電気素子を収容するよう規定される。
【0006】
別の実施形態では、部品の誘電特性を測定するシステムが開示されている。そのシステムは、導電材料から形成され、内部空洞を有し、接地電位に電気接続されたチャンバを備える。システムは、さらに、チャンバの内部空洞内に配置された上側および下側電極を備える。上側電極は、チャンバに電気接続され、制御された方法で垂直方向に移動されるよう構成される。下側電極は、チャンバの内部空洞内で上側電極の下方の位置に配置される。また、下側電極は、チャンバに物理的に分離される。システムは、さらに、下側電極に結合されたRF伝送ロッドを備える。RF伝送ロッドは、下側電極からチャンバの底部の開口部を通って伸びると共に、チャンバから物理的に分離されるように配置される。システムは、さらに、導電体プレートを通してRF伝送ロッドにRF電力を伝送できるようにRF伝送ロッドに結合された導電体プレートを備える。さらに、システムは、導電線を通して導電体プレートにRF電力を伝送するために接続されたRF信号発生器と、導電線と導電体プレートとの間の電圧を測定するために接続されたRF電圧計と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に従って、部品の誘電特性を測定するための装置を示す図。
【図2A】本発明の一実施形態に従って、上側電極の垂直方向の移動を可能にするよう構成されたチャンバを示す図。
【図2B】本発明の一実施形態に従って、3つの垂直位置決め装置の相対的な配置を表すチャンバの上面図。
【図2C】本発明の一実施形態に従って、部品の上面の上に載るように下げられた上側電極を示す図。
【図3A】本発明の一実施形態に従って、チャンバのヒンジ付きの態様を示す図。
【図3B】本発明の一実施形態に従って、開状態のヒンジ付きチャンバを示す図。
【図4A】本発明の一実施形態に従って、アクセスドアを有する閉じた態様のチャンバを示す図。
【図4B】本発明の一実施形態に従って、アクセスドアが取り外された閉じた態様のチャンバを示す図。
【図5A】本発明の一実施形態に従って、組込導電材料を備えた環状部品に対応するよう構成された高温電極の一例を示す図。
【図5B】本発明の一実施形態に従って、特定の部品と共に使用するための高温電極を構成する方法を示すフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態に従って、例示の部品が、上側電極および高温電極の間に配置された時の、高温電極/RFロッドと、接地された上側電極/チャンバとの間の静電容量を示す図。
【図7】本発明の一実施形態に従って、上側電極および高温電極の間に部品が配置されていない時の、高温電極/RFロッドと、接地された上側電極/チャンバとの間の静電容量を示す図。
【図8】部品静電容量(Cpart)対部品誘電率(kpart)の曲線の一例を示す図。
【図9】本発明の一実施形態に従って、全静電容量(Ctotal_without_part)と、上側電極および高温電極の間の分離距離との関係を較正するための方法を示すフローチャート。
【図10】本発明の一実施形態に従って、部品の静電容量(Cpart)を決定するための方法を示す図。
【図11】本発明の一実施形態に従って、部品誘電率(kpart)を決定するための方法を示すフローチャート。
【図12】本発明の一実施形態に従って、部品の損失正接を決定するための方法を示すフローチャート。
【図13】本発明の一実施形態に従って、図1に示したように、上側電極および高温電極の間に部品を配置した装置の等価電気回路を示す図。
【図14】動作の周波数掃引で測定および記録された利得対周波数のデータに基づいた式5のフィッティングの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、本発明の完全な理解を促すために、数多くの具体的な詳細事項が示されている。しかしながら、当業者には明らかなように、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも実施することが可能である。また、本発明が不必要に不明瞭となることを避けるため、周知の処理動作の説明は省略した。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に従って、部品の誘電特性を測定するための装置100を示す図である。一実施形態において、誘電特性を測定される部品は、プラズマ処理システムの誘電体構成要素である。この実施形態において、部品は、プラズマ処理動作中にRF電力にさらされることにより、プラズマ処理動作中のプラズマ処理システムを通してのRF電力伝送に潜在的に影響する構成要素に対応してよい。
【0010】
装置100は、導電材料で形成され、接地電位141に電気接続されたチャンバ101を備える。一実施形態において、チャンバ101は、銅など、実質的に低い電気抵抗を有する導電材料で形成される。しかし、別の実施形態において、チャンバ101は、特にアルミニウムなど、他の低電気抵抗導電材料で形成されてもよいことを理解されたい。装置100は、さらに、導電材料で形成され、接地電位139に電気接続された電気素子ハウジング103を備える。一実施形態において、電気素子ハウジング103は、チャンバ101の下に配置され、チャンバ101と共通の接地電位を共有するようにチャンバ101に電気接続されている。
【0011】
チャンバ101は、上側電極105および高温電極109を収容するよう規定された内部空洞102を備える。上側電極105は、高温電極109の上方に位置する内部空洞102の上側領域内に配置される。一実施形態において、上側電極105は、低電気抵抗の導電材料(銅など)のプレートとして規定される。この実施形態において、上側電極105プレートは、内部空洞102内で略水平方向に水平配置される。上側電極105の厚さは、上側電極105の剛性が内部空洞102にわたって上側電極105の平面性を維持するのに十分である限りは様々であってよく、上側電極105の重さは、上側電極105の重さを支える他の構成要素を変形させるほどの大きさではない。上側電極105が銅プレートとして規定される実施形態において、上側電極105の厚さは、例えば、約0.125インチないし約1インチの間であってよい。特定の一実施形態において、上側電極105は、0.25インチの厚さの銅プレートとして規定される。
【0012】
また、上側電極105のサイズは、上側電極105が内部空洞102内で略水平方向に配置された時に内部空洞102の水平断面の大部分に実質的に及ぶように規定される。一実施形態において、上側電極105は、略横方向(すなわち、水平方向に内部空洞102内の中心に配置された時に、上側電極105の周囲がチャンバ101から1インチないし3インチ以内の領域まで広がるようなサイズを有する。また、一実施形態において、上側電極105は、部品111の垂直方向の厚さの少なくとも2倍だけ、測定される部品111の周囲を越えて広がるようなサイズを有する。
【0013】
上側電極105は、周囲接続部107を介してチャンバ101に電気接続されており、それにより、上側電極105はチャンバ101と同じ接地電位になる。周囲接続部107は、上側電極105の周囲で上側電極105をチャンバ101に対してほぼ一様に接地するよう規定される。一実施形態において、周囲接続部107は、柔軟な銅箔シートで形成される。この実施形態において、柔軟な純銅箔シートは、上側電極105の側面の長さと実質的に等しい長さを有するよう規定される。この実施形態において、柔軟な銅箔は、上側電極105の縁部の全長に沿って、上側電極に電気接続される。また、この実施形態において、柔軟な銅箔は、上側電極105の縁部の全長に最も近いチャンバ101の壁に電気接続される。したがって、4つの縁部を有するプレートとして規定された上側電極105については、4つの柔軟な銅箔ストリップを用いて、それぞれ、上側電極105の4つの縁部をチャンバ101の壁に接続する。
【0014】
上側電極105は、さらに、矢印104で示すように、チャンバ101内で垂直方向に移動されるよう規定される。図2Aは、本発明の一実施形態に従って、上側電極105の垂直方向の移動を可能にするよう構成されたチャンバ101を示す図である。図2Aの実施形態では、3つの垂直位置決め装置207A〜207Cが、チャンバ101の上部に設けられる。垂直位置決め装置207A〜207Cの各々は、それぞれの吊り上げ部材203A〜203Cの垂直方向の位置制御を可能にするよう規定される。各吊り上げ部材203A〜203Cは、下端に円盤を取り付けられた吊り上げロッドを有するよう規定される。3つのガイド構造201A〜201Cが、上側電極105の上面に結合されている。各ガイド構造201A〜201Cは、それぞれの吊り上げ部材203A〜203Cを受け入れるよう規定される。より具体的には、各ガイド構造201A〜201Cは、内部の垂直ガイド領域内に吊り上げ部材203A〜203Cの円盤を受け入れるよう規定される。各ガイド構造201A〜201Cは、さらに、吊り上げロッドの円盤を通過させることなく吊り上げロッドを通過させるようなサイズの通路を有する上部を備えるよう規定される。このように、各吊り上げ部材203A〜203Cは、それぞれの垂直位置決め装置207A〜207Cによって垂直方向205A〜205Cに移動されるよう規定されている。
【0015】
各ガイド構造201A〜201C内の各吊り上げ部材203A〜203Cの円盤部分は、ガイド構造201A〜201Cの上部の下面に係合するよう規定されており、それによって、吊り上げ部材203A〜203Cおよびガイド構造201A〜201Cによる上側電極105の垂直方向の位置決めが可能になる。さらに、一実施形態において、各垂直位置決め装置207A〜207Cは、吊り上げ部材203A〜203Cの垂直位置の測定値を提供する垂直位置インジケータを備えており、これにより、吊り上げ部材203A〜203Cの近傍の上側電極105の垂直位置の測定値が得られる。一実施形態において、垂直位置決め装置207A〜207Cの垂直位置インジケータは、1000分の1インチの単位まで垂直位置の測定値を提供する。
【0016】
上側電極105の垂直高さの制御を提供することに加えて、3つの垂直位置決め装置207A〜207Cは、全方向での上側電極105の水平化制御をさらに可能にするようにチャンバ101の上部に配置されている。図2Bは、本発明の一実施形態に従って、3つの垂直位置決め装置207A〜207Cの相対的な配置を表すチャンバ101の上面図である。図2Bには、上側電極105の周囲の輪郭206が図示されている。3つの垂直位置決め装置207A〜207Cの配置によると、垂直位置決め装置207A〜207Cを独立して制御することで、上側電極105の水平化を制御できることがわかる。
【0017】
以下で詳述するように、チャンバ101の動作中に、上側電極105は、測定される部品111の上面に載るように下げられる。図2Cは、本発明の一実施形態に従って、部品111の上面に載るように下げられた上側電極105を示す図である。上側電極105が部品111の上面に完全に載ることを可能にするために、ガイド構造201A〜201Cは、吊り上げ部材203A〜203Cの円盤とガイド構造201A〜201Cの上部との間のギャップ213A〜213Cで示すように、円盤部材がガイド構造201A〜201Cの上部から離れることにより、上側電極105が部品111の上面に自由に載ることを可能にするように、吊り上げ部材203A〜203Cを下げることができるよう規定される。この実施形態において、上側電極105および部品111の間の接触力は、上側電極105の重さによって規定されることを理解されたい。また、接地された上側電極105の水平断面サイズは、チャンバ101内で測定される部品111のサイズにかかわらず、同じままであってよいことを理解されたい。
【0018】
垂直位置決め装置207A〜207C、それらに対応する吊り上げ部材203A〜203Cおよびガイド構造201A〜201Cは、チャンバ101内で上側電極105の垂直高さおよび水平レベルを制御するための一実施形態をなすものであるが、上側電極105垂直高さおよび水平レベルを制御するために、この実施形態の変形例を用いてもよいことを理解されたい。例えば、別の実施形態は、本明細書には明示していないが、ギアおよびモータなどのさらなる機構を備えてもよい。さらに別の実施形態は、本明細書には明示していないが、モータおよびセンサなどの電子デバイスを備えてもよい。またさらに別の実施形態は、各垂直位置決め装置207A〜207Cひいては上側電極105に対するコンピュータ制御および監視を可能にするために、データ取得および制御インターフェースを備えてもよい。さらに、周囲接続部107は、上側電極105の垂直高さおよび水平レベルが調整される時に、上側電極105とチャンバ101の壁との電気接続を維持できるように規定される。周囲接続部107が柔軟な銅箔シートで構成された実施形態において、柔軟な銅箔シートは、チャンバ101の内部空洞102内で、上側電極105の垂直移動の全範囲に十分対応できるサイズを有する。
【0019】
再び図1を参照すると、高温電極109は、上側電極105に対して、チャンバ101内の下側電極になっている。高温電極109は、測定される部品111を支持するよう規定される。高温電極109は、電気素子ハウジング103内のRF素子から高温電極109までRF電力を導くRFロッド113に電気接続されている。高温電極109およびRFロッド113はいずれも、チャンバ101から電気的に絶縁されるよう規定される。高温電極109は、高温電極109とチャンバ101の間の静電容量によって部品111の静電容量が分かりにくくなることを避けるために、接地されたチャンバ101から十分に離れるように、内部空洞102内に配置される。一実施形態では、高温電極109は、高温電極109と接地されたチャンバ101との間の静電容量を最小化するために、できるだけ小さいサイズを有するが、部品111のサイズよりも小さくはない。高温電極109およびRFロッド113はいずれも、銅など、低い電気抵抗を有する導電材料で形成される。高温電極109は、歪みなく高温電極109を製造することが可能であり、かつ、歪みなく部品111および上側電極105の合計の重さを支持できるように、十分な垂直方向の厚さを有するよう規定される。様々な実施形態において、高温電極109は、約0.125インチないし約2インチの間の範囲内の垂直厚さを有するよう規定されてよい。一実施形態において、高温電極109は、チャンバ101内に配置される場合、約0.75インチの垂直厚さを有するよう規定される。
【0020】
また、一実施形態において、高温電極109は、高温電極109上での部品111の適切な位置合わせを容易にするために、位置合わせ形状を備えるよう構成可能である。一実施形態において、高温電極109上での部品111の適切な位置合わせは、部品111が実質的に高温電極109の上面の中心に置かれた時に実現される。一実施形態において、図2Aに示すように、高温電極109は、電気的に絶縁された支持プレート209によって支持される。一実施形態では、高温電極109上での部品111の正確な位置決めおよび位置合わせを可能にするために、複数の位置合わせピンが、絶縁された支持プレート209に設けられる。様々な実施形態において、支持プレート209は、基本的に任意のタイプの電気絶縁材料で形成されてよい。一実施形態において、支持プレート209は、プラスチック材料で形成される。また、一実施形態において、図2Aに示すように、支持プレート209は、電気的に絶縁されたスタンド211によって、接地されたチャンバ101からさらに分離される。一実施形態において、スタンド211は、支持プレート209と同じ材料で形成される。一実施形態において、支持プレート209は、開口部を中央に有する固形プラスチックの円盤として規定され、RFロッド113は、その開口部を通して高温電極109と結合できる。また、この実施形態において、スタンド211は、固形プラスチックの直円柱として規定される。
【0021】
高温電極109は、装置100の交換可能な構成要素であるよう規定される。測定対象となる様々な部品111のサイズが多様であるので、それに従って、高温電極109のサイズも多様になる。高温電極109のサイズは被測定部品111ごとに正確に適合する必要はないが、測定対象となる様々な部品111は、異なるサイズの高温電極109の利用が必要になるほど、十分に様々なサイズを有する可能性が高い。また、被測定部品111の特定の構成および特長が、サイズおよび形状をカスタマイズした高温電極109の利用を必要とする場合もある。例えば、部品111が1または複数の導電材料の組込部品を備えている場合、高温電極109は、部品111を支持しつつ、部品111内の組込導電材料の下に高温電極109を配置することを避けるよう、規定される必要がありうる。例えば、高温電極109が組込導電材料の下に配置されると、組込導電材料は、組込導電材料の位置において高温電極109および上側電極105の間の電気の伝達を増大させうるため、部品111全体の代表とはならない。測定される部品111は、基本的に任意のサイズおよび構成であってよく、任意の配置の組込導電材料を備えてよいため、高温電極109は、測定される部品111の特定の特徴に対応するのに必要な基本的に任意のサイズおよび構成を有するよう規定されうることを理解されたい。
【0022】
図5Aは、本発明の一実施形態に従って、組込導電材料を備えた環状部品111Aに対応するよう構成された高温電極109Aの一例を示す図である。組込導電材料は、環状部品111A内の複数の位置501に配置される。高温電極109Aは、高温電極109Aの上方に部品の組込導電材料を配置することなく部品111Aを支持することを可能にするために、スポーク形状を有するよう規定される。具体的には、高温電極109Aは、組込導電材料の位置501の下の位置503には存在しないよう規定される。部品111Aのために、例示した高温電極109Aを特に構成したのと同じように、他の部品111のために、他の高温電極109を特に構成することができることを理解されたい。
【0023】
図5Bは、本発明の一実施形態に従って、特定の部品111と共に使用するための高温電極109を構成する方法を示すフローチャートである。その方法は、部品111の外周に実質的に一致するよう規定された外周を有するよう、銅などの導電材料のプレートを規定する動作510を備える。一実施形態において、部品は、複数の組込導電材料を備える誘電体部品である。方法は、さらに、部品111内の各組込導電材料の位置を特定する動作512を備える。動作514において、部品内の各組込導電材料の特定された位置は、部品およびプレートの外周が実質的に整列された状態で、プレートの上に投影される。次いで、動作516において、プレート上に投影された組込導電材料の位置に対応する位置で、高温電極を規定するプレートの部分が除去される。高温電極プレートの各除去部分のサイズは、部品111および高温電極109の外周が整列した時に、高温電極109が部品111内の組込導電材料の下に位置しないのに十分なサイズである。できる限り、動作516は、高温電極109が単一の連続的な構成要素のままであるように実行される。
【0024】
再び図1を参照すると、電気素子ハウジング103は、RF電力をRFロッド113に伝送するため、および、装置100の共振周波数の制御を可能にするための複数の電気素子を収容するよう規定される。接地された構造として、電気素子ハウジング103は、さらに、RF遮蔽を提供するよう規定される。電気素子ハウジング103は、導電体133を介してRF信号発生器125が接続されるコネクタ129を備える。さらに、RF電圧計127が、導電体135を介してコネクタ129に接続されている。電気素子ハウジング103は、さらに、導電体137を介してRF電圧計127が接続されるコネクタ131を備える。一実施形態において、コネクタ129および131は、BNCコネクタとして規定される。
【0025】
電気素子ハウジング103は、さらに、RF電力を伝送するための低電気抵抗材料(銅など)の導電体プレート115を備える。コネクタ129は、コンデンサ117を介して導電体プレート115に接続され、RF信号発生器125からのRF電力を導電体プレート115に伝送することを可能にする。導電体プレート115は、さらに、RF電圧計127と導電体プレート115の電気接続を可能にするために、コネクタ131に電気接続される。電気素子ハウジング103は、さらに、インダクタ119、コンデンサ121、および、可変コンデンサ123を備え、それらは各々、導電体プレート115と接地されたチャンバ101の底部との間に電気接続されている。一実施形態において、複数のコンデンサが、図1に示したような単一のコンデンサ121の等価物を提供するよう、導電体プレート115と接地されたチャンバ101の底面との間に電気接続されてもよい。
【0026】
一実施形態では、コンデンサ121(または、複数コンデンサを含む等価物)を用いて、接地された電気素子ハウジング103から電気的に隔離されるような位置に導電体プレート115を支持することによって、導電体プレート115および電気素子ハウジング103の間の短絡を避ける。別の実施形態において、絶縁性の支持ブラケットを用いて、電気素子ハウジング103から離して導電体プレート115を支持してもよい。さらに、RFロッド113は、導電体プレート115から高温電極109へのRF電力の伝送を可能にするよう、導電体プレート115に電気接続されている。可変コンデンサ123は、装置100の共振周波数を設定するために調整することができる。例えば、可変コンデンサ123は、装置100の共振周波数が、部品111がさらされるプラズマ処理でのRF電力の動作周波数と実質的に同等になるように設定できる。
【0027】
チャンバ101は、高温電極109上への部品111の配置および高温電極109からの部品111の除去を行うためのアクセスを提供することに関して、多くの方法で構成可能である。図3Aは、本発明の一実施形態に従って、チャンバ101のヒンジ付きの態様を示す図である。ヒンジ付きの態様では、チャンバ101は、上側チャンバ部101Aおよび下側チャンバ部101Bによって規定される。下側チャンバ部101Bに対して上側チャンバ部101Aを開くことを可能にするために、ヒンジ303が設けられている。図3Bは、本発明の一実施形態に従って、開状態のヒンジ付きチャンバを示す図である。開状態では、部品111を高温電極109上に設置し、高温電極109から回収することを容易に実行できる。また、開状態では、交換のために、高温電極109にアクセスすることができる。また、ヒンジ付きチャンバは、上側チャンバ部101Aおよび下側チャンバ部101Bの間にRFガスケット301を用いる。RFガスケット301は、チャンバの周囲全体にわたって上側チャンバ部101Aおよび下側チャンバ部101Bの間に一様な電気接続を提供するよう規定されており、それにより、上側チャンバ部101Aおよび下側チャンバ部101Bの間の接合部分においてチャンバの周囲全体にわたって一様な接地電位が確実に存在するようになる。RFガスケット301は、上側および下側チャンバ部101A/101Bの間の接合部の変動に対応できるだけの自由度を提供するよう規定されており、それにより、チャンバの周囲にわたって上側および下側チャンバ部101A/101Bの間に完全な電気的接触を確保できる。
【0028】
図4Aは、本発明の一実施形態に従って、アクセスドア401を有する閉じた態様のチャンバ101Cを示す図である。アクセスドア401は、部品111の設置および取り出しのため、および、高温電極109の交換のために、チャンバ101Cの内部にアクセスすることを可能にするよう、チャンバ101Cから取り外されるよう規定される。図4Bは、本発明の一実施形態に従って、アクセスドア401が取り外された閉じた態様のチャンバ101Cを示す図である。様々な実施形態において、アクセスドア401は、留め具またはクランプなど、様々な方法でチャンバ101Cに固定されてよい。ただし、アクセスドア401をチャンバ101Cに固定するために用いられる技術にかかわらず、アクセスドア401は、アクセスドア401の接合部とチャンバ101Cとの間に略一様な接地電位を確立するように固定されることが好ましいことを理解されたい。
【0029】
一実施形態において、装置100は、自然大気条件および室温条件で動作するよう規定される。しかし、別の実施形態において、装置100は、装置100の動作中、チャンバ101の内部空洞102内に、制御された環境を提供するよう規定される。制御された環境は、チャンバ101の内部空洞102内の制御された大気および温度を含みうる。一実施形態において、チャンバ101の内部空洞102内の大気条件(ガス含有量、水分量、圧力など)および温度は、部品111が設置されるプラズマ処理システムの動作中に部品111がさらされる大気条件および温度を実質的に模倣するよう制御される。この実施形態において、様々なガス混合物をチャンバ101の内部空洞102に対して供給および除去することができるように、複数のガス入力および出力ポートが、チャンバ101内に配置されてよいことを理解されたい。また、この実施形態において、複数の支援システムが、複数のガス入力および出力ポートに結合されてよいことを理解されたい。これらの支援システムは、チャンバ101の内部空洞102内で適切に制御された大気条件および温度を確立するために、必要に応じて、ガス供給システム、加圧システム、真空システム、ガス加熱および/または冷却システムなどを含みうる。
【0030】
部品の静電容量および誘電率の決定
図6は、本発明の一実施形態に従って、例示の部品111が、上側電極105および高温電極109の間に配置された時の、高温電極109/RFロッド113と、接地された上側電極105/チャンバ101との間の静電容量を示す図である。図6に示すように、上側電極105および高温電極109の間の静電容量は、部品111の静電容量(Cpart)、および、高温電極109と、部品111/上側電極105間の接触領域の外側の上側電極105の部分との間の静電容量(Cst1)によって規定される。また、静電容量(Cst2)が、RFロッド113とチャンバ101の底部との間に存在する。静電容量(Cst1)および(Cst2)は、上側電極105および高温電極109の間の分離距離(Y1)の関数であることを理解されたい。また、静電容量(Cpart)は、部品の誘電率(kpart)の関数である。静電容量(Cpart)、(Cst1)、および、(Cst2)は、並列静電容量であるため、高温電極109/RFロッド113と、接地された上側電極105/チャンバ101との間の全静電容量(Ctotal_with_part)は、式1に示すように、静電容量(Cpart)、(Cst1)、および、(Cst2)の合計として規定される。
(Ctotal_with_part)=(Cpart{kpart})+(Cst1{Y1})+(Cst2{Y1}) 式1
【0031】
図7は、本発明の一実施形態に従って、上側電極105および高温電極109の間に部品が配置されていない時の、高温電極109/RFロッド113と、接地された上側電極105/チャンバ101との間の静電容量を示す図である。図7に示すように、上側電極105および高温電極109の間の静電容量は、チャンバ101の内部空洞内の大気の静電容量(Cst3)によって規定される。また、図6にも示したように、静電容量(Cst2)が、RFロッド113とチャンバ101の底部との間に存在する。図7の静電容量(Cst3)および(Cst2)は、上側電極105および高温電極109の間の分離距離(Y2)の関数であることを理解されたい。静電容量(Cst3)および(Cst2)は、並列静電容量であるため、高温電極109/RFロッド113と、接地された上側電極105/チャンバ101との間の全静電容量(Ctotal_without_part)は、式2に示すように、静電容量(Cst3)および(Cst2)の合計として規定される。
(Ctotal_without_part)=(Cst3{Y2})+(Cst2{Y2}) 式2
【0032】
図6の構成において、高温電極109の上部の実質的に中心に配置された部品111の上部に上側電極105が載った状態で、可変コンデンサ123を調整して、装置100の特定の共振周波数を実現することができる。部品111の誘電特性は周波数に依存するため、一実施形態において、装置100の共振周波数は、プラズマ処理システムに設置された時に部品111がさらされるプラズマ処理でのRF電力の動作周波数に設定される。したがって、チャンバ101内に部品111が存在する図6の構成に従った装置100は、特定の共振周波数を有することになる。
【0033】
部品が存在しない図7の構成によると、RF電力の共振周波数は、上側電極105および高温電極109の間の距離(Y2)が変更されるにつれて変化することを理解されたい。図7の構成において、可変コンデンサ123およびRF信号発生器125は、部品111がチャンバ101内に存在する図6の構成で適用されたそれぞれの設定に維持される。これらの条件下で、(部品が存在しない)図7の構成における上側電極105は、図7の構成に従った装置100の共振周波数が、(部品111が存在する)図6の構成に従った装置100の共振周波数と実質的に一致するまで、高温電極109に向かって下げられてよい。上側電極105が、図6および7の構成の共振周波数を実質的に一致させるように下げられると、構成6の全静電容量(Ctotal_with_part)は、構成7の全静電容量(Ctotal_without_part)と実質的に等しくなる。この状況において、式1および式2は、式3に示すように、互いに等しいと設定されてよい。
(Cpart{kpart})+(Cst1{Y1})+(Cst2{Y1})=(Ctotal_without_part) 式3
【0034】
式3の右辺、共振周波数における(Ctotal_without_part)は、RFロッド113を導電体プレート115から切り離し、部品が存在しない時の共振周波数に対応する垂直高さに上側電極105を維持した状態で、RFロッド113および上側電極105の間に静電容量計を接続することによって直接測定できる。また、図6の構成における高温電極109と、部品111および上側電極105の間の接触領域の外側の上側電極105の部分との間の静電容量(Cst1{Y1})は、シミュレート可能である。また、図6の構成におけるRFロッド113とチャンバ101との間の静電容量(Cst2{Y1})は、シミュレート可能である。一実施形態において、静電容量(Cst1{Y1})および(Cst2{Y1})は、図6の構成の有限要素モデル解析でシミュレートされる。静電容量(Ctotal_without_part)、(Cst1{Y1})、および、(Cst2{Y1})が既知であれば、部品の静電容量(Cpart{kpart})は、式4に示すように算出できる。
(Cpart{kpart})=(Ctotal_without_part)−(Cst1{Y1})−(Cst2{Y1}) 式4
【0035】
部品の静電容量(Cpart{kpart})を算出すれば、算出された部品の静電容量(Cpart{kpart})に基づいて、部品の誘電率(kpart)を決定することができる。一実施形態において、上側電極105および高温電極109の間に配置された時の部品の静電容量(Cpart)は、部品静電容量(Cpart)対部品誘電率(kpart)の曲線を生成するために、複数の異なる部品誘電率(kpart)の仮定値に対してシミュレートされる。図8は、部品静電容量(Cpart)対部品誘電率(kpart)の曲線801の一例を示す図である。部品静電容量(Cpart)は、部品誘電率(kpart)の線形関数であるため、部品静電容量(Cpart)対部品誘電率(kpart)の曲線は、図8の曲線801に示すように、全体的によく適合した直線になる。一実施形態において、複数の異なる部品誘電率(kpart)の仮定値に対する部品静電容量(Cpart)のシミュレーションは、上側電極105および高温電極109の間に配置された部品111の有限要素モデル解析によって実行される。しかしながら、別の実施形態において、部品111、上側電極105、および、高温電極109の幾何学的構成が十分に単純である場合、複数の異なる部品誘電率(kpart)の仮定値に対する部品静電容量(Cpart)は、分析的に決定されてもよい。部品静電容量(Cpart)対部品誘電率(kpart)の生成された曲線、および、式4を用いて算出された部品の実際の静電容量(Cpart)を用いて、部品の実際の誘電率(kpart)を決定することができる。
【0036】
上述のように、共振周波数での全静電容量(Ctotal_without_part)を決定するためには、全静電容量(Ctotal_without_part)と、上側電極105および高温電極109の間の分離距離との関係を知る必要がある。図9は、本発明の一実施形態に従って、全静電容量(Ctotal_without_part)と、上側電極105および高温電極109の間の分離距離との関係を較正するための方法を示すフローチャートである。動作901において、RFロッド113は、導電体プレート115、および、電気素子ハウジング103内の任意のその他の電気的接続から切り離される。動作903において、静電容量計が、RFロッド113および上側電極105の間に接続される。動作905において、静電容量計を用いて、RFロッド113と接地された上側電極105との間の静電容量が、上側電極105と高温電極109との間の複数の垂直分離距離について測定および記録される。一実施形態において、動作905は、高温電極109から、0.05インチないし1.2インチの範囲の0.05インチ刻みの複数の垂直分離距離に、上側電極105を配置することによって実行される。動作905では、上側電極105および高温電極109の間の各垂直分離距離において、上側電極105は、高温電極109と実質的に平行になるように、略水平方向に維持される。方法は、さらに、動作905で測定したデータを用いて、上側電極105および高温電極109の間の垂直分離距離に対して静電容量をプロットすることにより、チャンバ101の静電容量較正曲線を生成する動作907を備える。チャンバ101の静電容量較正曲線は、(部品が存在しない状態での)共振周波数における上側電極105の垂直高さが決定されると、共振周波数における全静電容量(Ctotal_without_part)を決定するために繰り返し利用できる。
【0037】
図10は、本発明の一実施形態に従って、部品の静電容量(Cpart)を決定するための方法を示す図である。図10の方法は、上述の手順を表したものである。その方法は、チャンバ101内の高温電極109上に被測定部品を配置し、部品の上部に載るように上側電極105を下げる動作1001を備える。一実施形態では、位置合わせピンを用いて、高温電極109上での部品の正確な位置決めおよび位置合わせを可能にする。動作1003において、RF信号発生器125が、RF電力を高温電極109に伝送するよう動作される。動作1005において、RF電力の共振周波数すなわちピーク周波数を実現するように、可変コンデンサ123が調整される。一実施形態において、共振周波数は、電気素子ハウジング103のコネクタ129とコネクタ131の間のピーク利得に対応する。この実施形態では、RF電圧計127を監視することで、可変コンデンサ123の設定が、コネクタ129と131の間のピーク利得に対応し、それにより、装置100の共振周波数に対応した時点を特定することができる。
【0038】
方法は、さらに、RF信号発生器125を停止して、チャンバから部品を取り出す動作1007を備える。動作1009において、RF信号発生器125は、部品のない状態で高温電極109にRF電力を伝送するよう動作される。動作1009において、可変コンデンサ123は、動作1005で決定された設定に維持される。動作1011において、動作1005で決定された共振周波数が、部品のない状態で実現されるまで、上側電極105が下げられる。一実施形態では、RF電圧計127を監視することで、上側電極105の高さが、コネクタ129および131の間のピーク利得への到達をもたらし、それにより、共振周波数を実現させた時点を特定できる。部品のない状態での共振周波数における上側電極105および高温電極109の間の垂直分離距離を、共振時上側電極105分離と呼ぶこととする。
【0039】
共振時上側電極105分離が決定されると、動作1013が実行され、共振時上側電極105分離に基づいて、共振周波数での全静電容量(Ctotal_without_part)が決定される。一実施形態では、動作1013で共振周波数における全静電容量(Ctotal_without_part)を決定するために、図9の方法で生成されたチャンバ101の静電容量較正曲線が用いられる。
【0040】
方法は、さらに、高温電極109と、部品111および上側電極105の間の接触領域の外側の上側電極105の部分との間の静電容量(Cst1{Y1})、ならびに、RFロッド113とチャンバ101の底面との間の静電容量(Cst2{Y1})の両方をシミュレートする動作1015を備える。前述のように、一実施形態では、静電容量(Cst1{Y1})および(Cst2{Y1})を、有限要素モデル解析でシミュレートできる。次いで、動作1017が実行され、動作1013で決定された全静電容量(Ctotal_without_part)から動作1015でシミュレートされた静電容量(Cst1{Y1})および(Cst2{Y1})を引いた値として、部品の静電容量(Cpart)が算出される。
【0041】
図11は、本発明の一実施形態に従って、部品誘電率(kpart)を決定するための方法を示すフローチャートである。動作1101において、部品静電容量(Cpart)が、複数の部品誘電率(kpart)の仮定値に対してシミュレートされ記録される。動作1103において、図8に示した例のような静電容量対誘電率の曲線が、動作1101で得られたシミュレート結果のデータに基づいて、その部品について生成される。動作1105において、動作1103の静電容量対誘電率の曲線を用いて、図10の方法で決定された部品の静電容量(Cpart)に対応する部品の誘電率(kpart)を決定する。
【0042】
部品の損失正接の決定
図12は、本発明の一実施形態に従って、部品の損失正接を決定するための方法のフローチャートである。その方法は、チャンバ101内の高温電極109上に、測定される部品を配置し、部品の上部に載るように上側電極105を下げる動作1201を備える。動作1203において、RF信号発生器125が、RF電力を高温電極109に伝送するよう動作される。動作1205において、RF電力の共振周波数すなわちピーク周波数を実現するように、可変コンデンサ123が調整される。一実施形態において、共振周波数は、電気素子ハウジング103のコネクタ129および131の間のピーク利得に対応する。この実施形態では、RF電圧計127を監視することで、可変コンデンサ123の設定が、コネクタ129および131の間のピーク利得に対応し、それにより、装置100の共振周波数に対応した時点を特定することができる。
【0043】
方法は、動作1205で実現された共振周波数の境界となる範囲にわたってRF電力の周波数を掃引するように、RF信号発生器125を制御しつつ、RF電圧計を用いて、周波数掃引範囲内の複数の周波数で、接続129および131の間での装置100の利得を測定および記録する動作1207に続く。一実施形態において、動作1207の周波数掃引によって網羅される周波数範囲は、共振周波数に対応するピーク利得の両側に、装置100の3dBの利得変動を含むよう規定される。方法は、さらに、装置100の利得の数理モデルを、動作1207で測定された利得対周波数のデータにフィッティングさせる動作1209を備え、動作1209のフィッティングは、部品を中に含んだ装置100の全静電容量値(Ctotal_with_part)と、部品を中に含んだ装置100の全抵抗値(Rtotal_with_part)を提供する。動作1209のフィッティングは、図13−14および式5を参照して以下で詳述する。
【0044】
図13は、本発明の一実施形態に従って、図1に示したように上側電極105および高温電極109の間に部品111を配置した装置100の等価電気回路1300を示す図である。ノード1313は、電気素子ハウジング103のコネクタ129に対応する。ノード1315は、電気素子ハウジング103のコネクタ131に対応する。コネクタ129および131に接続されたRF電圧計127は、|Vout/Vin|で規定される装置100の利得を測定することができる。図1に関して、等価電気回路1300は、コンデンサ117を表す静電容量(Cs)1301と、インダクタ119を表すインダクタンス(L)1303および抵抗(RL)1305と、装置100の全静電容量を表す静電容量(C)1307と、装置100の全抵抗を表す抵抗(RX)1309と、接地電位1311とを備える。静電容量(C)1307は、コンデンサ121および123の静電容量、RFロッド113/高温電極109とチャンバ101/上側電極105との間の静電容量、および、存在する場合には部品111の静電容量を組み合わせたものであることを理解されたい。
【0045】
式5は、図13の等価電気回路1300内の電気素子の関数として、装置100の利得を規定するものである。式5において、(f)は、利得に対応するRF電力の周波数であり、(C)は、装置100の全静電容量であり、(RX)は、装置100の全抵抗である。式5において、パラメータ(Cs)(L)(RL)は、電気素子ハウジング103内の電気素子の既知の値である。したがって、式5において、パラメータ(C)および(RX)は、未知のパラメータを表す。
【数1】

【0046】
動作1209において、式5は、装置100内に部品が存在する状態で動作1207において測定された利得対周波数のデータにフィッティングされ、それによって、部品を中に含んだ装置100の全静電容量値すなわち(C)=(Ctotal_with_part)と、部品を中に含んだ装置100の全抵抗値すなわち(RX)=(Rtotal_with_part)が得られる。図14は、動作1207の周波数掃引で測定および記録された利得対周波数のデータに基づいて、動作1209によって得られた式5のフィッティングの一例を示す図である。一実施形態では、多変量回帰技術を用いて、動作1209の測定されたゲイン対周波数データに式5をフィッティングさせる。また、一実施形態では、モンテカルロシミュレーションによって、未知のパラメータ(C)および(RX)の各々の信頼区間が推定される。
【0047】
図12の方法は、RF信号発生器125を停止して、チャンバから部品を取り出す動作1211に続く。動作1213において、RF信号発生器125は、部品のない状態で高温電極109にRF電力を伝送するよう動作される。動作1213において、可変コンデンサ123は、動作1205で決定された設定に維持される。動作1215において、動作1205で決定された共振周波数が、部品のない状態で実現されるまで、上側電極105が下げられる。一実施形態では、RF電圧計127を監視することで、上側電極105の高さが、コネクタ129および131の間のピーク利得への到達をもたらし、それにより、共振周波数を実現させた時点を特定できる。前述のように、部品のない状態での共振周波数における上側電極105および高温電極109の間の垂直分離距離を、共振時上側電極105分離と呼ぶこととする。
【0048】
方法は、動作1215で実現された共振周波数の境界となる範囲にわたってRF電力の周波数を掃引するように、RF信号発生器125を制御しつつ、RF電圧計を用いて、周波数掃引範囲内の複数の周波数で、接続129および131の間での装置100の利得を測定および記録する動作1217に続く。一実施形態において、動作1217の周波数掃引によって網羅される周波数範囲は、共振周波数に対応するピーク利得の両側に、装置100の3dBの利得変動を含むよう規定される。方法は、さらに、装置100の利得の数理モデルすなわち式5を、動作1217で測定された利得対周波数のデータにフィッティングさせる動作1219を備える。動作1219のフィッティングは、部品が存在しない場合の装置100の全静電容量値すなわち(C)=(Ctotal_without_part)と、部品が存在しない場合の装置100の全抵抗値(Rx)=(Rtotal_without_part)を提供する。前述のように、多変量回帰技術を用いて、動作1219で測定されたゲイン対周波数のデータに式5をフィッティングさせることができる。また、一実施形態では、モンテカルロシミュレーションによって、未知のパラメータ(C)および(RX)の各々の信頼区間が推定される。
【0049】
方法は、動作1209で決定した部品を中に含む装置100の全抵抗値(Rtotal_with_part)、および、動作1219で決定した部品が存在しない場合の装置100の全抵抗値(Rtotal_without_part)に基づいて、部品の抵抗値(Rpart)を算出する動作1221に続く。より具体的には、部品の抵抗値(Rpart)は、式6を用いて決定される。
【数2】

【0050】
次いで、方法は、動作1221で決定した部品の抵抗値(Rpart)、図10の方法で決定した部品の静電容量(Cpart)、および、動作1205および1215に対応する共振周波数すなわちピーク周波数に基づいて、部品の損失正接を算出する動作1223を備える。より具体的には、部品の損失正接は、式7を用いて決定される。
【数3】

【0051】
以上から、装置100および関連の方法(図5B、9、10、11、および、12)は、プラズマ処理システムに設置される実際の原寸大部品の誘電特性の測定を実現することを理解されたい。また、装置100および関連の方法では、プラズマ処理動作中に部品がさらされるRF電力の実際の動作周波数で部品の誘電特性の測定を行う。さらに、装置100および関連の方法では、プラズマ処理動作中に部品がさらされるシミュレートされた大気条件および温度の下で、部品の誘電特性の測定を行う。加えて、装置100および関連の方法は、1.24E−5未満の標準偏差を有する損失正接測定の再現性を提供することが実証された。
【0052】
一実施形態において、誘電率の値および損失正接の値など、装置100を用いて決定された原寸大部品の誘電特性は、原寸大部品に表示されてよい。一実施形態において、決定された誘電率および損失正接の値は、原寸大部品にエンボス加工される。例えば、図5Aは、部品111A上にエンボス加工された誘電率および損失正接の一例を示している。別の実施形態では、決定された誘電率および損失正接の値を表示するために、タグが原寸大の部品に添付される。加えて、原寸大部品の決定された誘電率および損失正接の値をコンピュータ読み取り可能な媒体に格納して、その媒体を原寸大部品と共に供給してもよい。
【0053】
上述の実施形態を念頭に置いて、本発明は、コンピュータシステムに格納されたデータを含め、コンピュータに実装された様々な動作を利用できることを理解されたい。これらの動作は、物理量の物理操作を必要とするものである。通常、必ずしも当てはまるわけではないが、これらの物理量は、格納、転送、合成、比較、および、その他の操作を施すことが可能な電気または磁気の信号の形態を取る。さらに、実行される操作は、生成、特定、決定、または、比較などの用語で呼ばれることが多い。本明細書に記載の任意の動作は、コンピュータシステムによって、指示、制御、または実行されてよい。コンピュータシステムは、必要な目的に対して特別に構成されてもよいし、コンピュータ内に格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または構成される汎用コンピュータであってもよい。
【0054】
コンピュータプログラムは、装置100を制御および監視し、装置100を利用して、部品の誘電特性の測定に関連する計算を実行するよう、規定されることができる。かかるコンピュータプログラムは、ユーザが、装置100を制御し、装置100の状態を監視し、装置100によって取得されたデータを閲覧し、装置100によって取得されたデータに基づく計算を制御し、装置100の動作によって生成されたデータ/結果を閲覧および記録することを可能にするためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するよう規定されてもよい。かかるコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体上のコンピュータ読み取り可能なコードとして具現化されてよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータシステムによって読み出し可能であるようにデータを格納できる任意のデータ記憶装置である。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、および、その他の光学および非光学式のデータ記憶装置が挙げられる。
【0055】
本発明は、いくつかの実施形態に沿って説明されているが、当業者が、これまでの明細書および図面から、様々な変更、追加、置き換え、および等価物を実現することは明らかである。したがって、本発明は、本発明の真の趣旨および範囲内での変更、追加、置き換え、および等価物の全てを含むよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品の誘電特性を測定するための装置であって、
導電材料から形成され、接地電位に電気接続されたチャンバと、
前記チャンバ内で略水平方向に配置され、前記チャンバから物理的に分離され、導電材料から形成され、測定される部品を支持するよう規定された上面を備える高温電極と、
前記高温電極の底面に結合され、前記チャンバの底部の開口部を通して前記高温電極の前記底面から伸びると共に前記チャンバから物理的に分離するよう配置され、前記高温電極にRF電力を伝送するよう規定された高周波(RF)伝送ロッドと、
前記チャンバ内で前記高温電極の上方に略水平方向に配置され、導電材料から形成され、前記チャンバに電気接続され、前記チャンバ内で垂直方向に移動できるよう規定された上側電極と、
を備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、さらに、
前記上側電極の周囲に沿って前記上側電極と前記チャンバとの間に電気接続され、前記上側電極の垂直移動の範囲にわたって前記上側電極の前記周囲と前記チャンバとの間に略一様な電気接続を提供するよう規定された柔軟な導電箔を備える、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、さらに、
前記高温電極と前記チャンバの前記底部との間に配置され、前記チャンバ内で前記略水平方向に前記高温電極を支持するよう規定された絶縁支持プレートを備える、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、さらに、
吊り上げロッドおよび前記吊り上げロッドの下端に取り付けられた円盤部分をそれぞれ有する複数の吊り上げ部材と、
前記上側電極の上面に結合された複数のガイド構造であって、各ガイド構造は、それぞれの前記吊り上げ部材を受け入れるよう規定されており、それぞれの前記吊り上げ部材の前記吊り上げロッドは、前記ガイド構造の上部にある通路を通って移動可能であり、それぞれの前記吊り上げ部材の前記円盤部分は、前記ガイド構造内で移動可能であるが前記ガイド構造の前記上部にある前記通路を通って移動することはできない、複数のガイド構造と、
前記上側電極の上方に配置され、それぞれの前記吊り上げ部材の垂直位置の制御を可能にするよう各々規定された複数の垂直位置決め装置と、
を備え、
前記吊り上げ部材の前記円盤部分と前記ガイド構造との間の係合により、前記吊り上げ部材の前記垂直位置の制御を通して、前記上側電極の垂直位置の制御を行うことができる、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、3つの垂直位置決め装置が、前記上側電極の上方で三角形を形成する位置に配置されていることにより、全方向で前記上側電極の水平化の制御が可能である、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、前記チャンバは、上側チャンバ部および下側チャンバ部を有するよう規定され、
前記下側チャンバ部に対して前記上側チャンバ部を開くことができるように、ヒンジが配置されている、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、さらに、
前記チャンバが閉状態の時に、前記上側および下側チャンバ部の間に一様な電気接続を提供するために、前記上側および下側チャンバ部の間に配置されたRFガスケットを備える、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、前記チャンバは、前記チャンバの内部へのアクセスを提供するために取り外されるよう構成されたアクセスドアを有するよう規定され、
前記アクセスドアは、前記チャンバと同じ材料から形成され、前記チャンバを閉じるよう固定された時に前記チャンバと電気接続されることで、前記アクセスドアが前記チャンバの前記接地電位を有するよう規定されている、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、前記チャンバ、前記高温電極、前記RF伝送ロッド、および、前記上側電極は各々、銅金属から形成される、装置。
【請求項10】
部品の誘電特性を測定するための装置であって、
導電材料から形成され、接地電位に電気接続され、内部空洞を有するよう規定されたチャンバと、
導電材料から形成され、前記チャンバの前記内部空洞内に配置され、前記チャンバに電気接続された上側電極と、
導電材料から形成され、前記チャンバの前記内部空洞内で前記上側電極の下方の位置に配置され、前記チャンバから物理的に分離されている下側電極と、
導電材料から形成され、前記下側電極に結合され、前記下側電極から前記チャンバの底部の開口部を通るよう配置され、前記チャンバから物理的に分離されているロッドと、
導電材料から形成され、前記チャンバの下に配置され、前記チャンバの前記接地電位を有するように前記チャンバに電気接続され、前記ロッドを通して前記下側電極へ高周波(RF)電力を伝送するための複数の電気素子を収容するよう規定された電気素子ハウジングと、
を備える、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、さらに、
前記電気素子ハウジング内に配置され、前記電気素子ハウジングから物理的に分離されている導電体プレートを備え、
前記導電体プレートは、前記導電体プレートを通して前記ロッドにRF電力を伝送できるよう、前記ロッドに結合されている、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、さらに、
前記電気素子ハウジングから電気的に絶縁された状態で前記電気素子ハウジングを貫通し、第1のコンデンサを介して前記導電体プレートに電気接続される第1の導電路を提供するよう規定された第1のコネクタと、
前記電気素子ハウジングから電気的に絶縁された状態で前記電気素子ハウジングを貫通し、前記導電体プレートに電気接続される第2の導電路を提供するよう規定された第2のコネクタと、
を備える、装置。
【請求項13】
請求項10に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、さらに、
前記電気素子ハウジング内で、前記導電体プレートと前記チャンバの前記底部との間に電気接続されたインダクタと、
前記電気素子ハウジング内で、前記導電体プレートと前記チャンバの前記底部との間に電気接続された複数の固定コンデンサと、
前記電気素子ハウジング内で、前記導電体プレートと前記チャンバの前記底部との間に電気接続された可変コンデンサと、
を備え、
前記可変コンデンサは、前記装置の共振周波数の調整を可能にするよう規定されている、装置。
【請求項14】
請求項10に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、前記複数の固定コンデンサは2つである、装置。
【請求項15】
請求項10に記載の部品の誘電特性を測定するための装置であって、前記導電体プレートは、銅金属から形成される、装置。
【請求項16】
部品の誘電特性を測定するためのシステムであって、
導電材料から形成され、接地電位に電気接続され、内部空洞を有するチャンバと、
前記チャンバの前記内部空洞内に配置され、前記チャンバに電気接続され、制御された方法で垂直方向に移動されるよう構成された上側電極と、
前記チャンバの前記内部空洞内で前記上側電極の下方の位置に配置され、前記チャンバから物理的に分離されている下側電極と、
前記下側電極に結合され、前記下側電極から前記チャンバの底部の開口部を通るよう配置され、前記チャンバから物理的に分離されている高周波(RF)伝送ロッドと、
導電体プレートを通して前記RF伝送ロッドにRF電力を伝送できるよう、前記RF伝送ロッドに結合された導電体プレートと、
導電線を介して前記導電体プレートにRF電力を伝送するように接続されたRF信号発生器と、
前記導電線と前記導電体プレートとの間の電圧を測定するように接続されたRF電圧計と、
を備える、システム。
【請求項17】
請求項16に記載の部品の誘電特性を測定するためのシステムであって、さらに、
前記チャンバの上部を通って前記上側電極に結合され、前記チャンバの前記内部空洞内で前記上側電極の垂直位置および水平レベルの制御を提供するよう規定された複数の垂直位置決め装置を備える、システム。
【請求項18】
請求項17に記載の部品の誘電特性を測定するためのシステムであって、前記チャンバは、複数のガス入力ポートおよび複数のガス出力ポートを備え、
前記部品の誘電特性を測定するためのシステムは、さらに、前記複数のガス入力および出力ポートに結合された大気条件/温度支援システムを備え、
前記大気条件/温度支援システムは、前記チャンバの前記内部空洞内の大気条件および温度を確立して制御をするよう規定されている、システム。
【請求項19】
請求項18に記載の部品の誘電特性を測定するためのシステムであって、さらに、
前記RF伝送ロッドと前記上側電極との間に接続された静電容量計を備える、システム。
【請求項20】
請求項19に記載の部品の誘電特性を測定するためのシステムであって、さらに、
前記RF信号発生器、前記RF電圧計、前記複数の垂直位置決め装置、前記大気条件/温度支援システム、および、前記静電容量計を含む複数の構成要素に接続された通信インターフェースを有するコンピュータシステムを備え、前記コンピュータシステムは、前記通信インターフェースと接続した各構成要素を監視および制御することを可能にするグラフィカルユーザインターフェースを実行するよう規定されている、システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2010−540961(P2010−540961A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−527967(P2010−527967)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/011319
【国際公開番号】WO2009/048517
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】