説明

部品供給装置

【課題】コストを低減できるとともに、装置をコンパクト化できる部品供給装置を提供する。
【解決手段】ガイド部43、およびワークWをガイド部43に向けて摺動可能なテーパ部31を有し、ガイド部43が上下方向へ揺動可能な整列機構20と、ガイド部43の前側に配置され、ガイド部43を上方向へ揺動させた状態でガイド部43上を摺動するワークWが進入および進出可能な連通孔51が形成される保持部材50と、保持部材50の前側に配置され、ガイド部43の揺動と一体的に上下方向へ揺動し、下方向へ揺動させたときに連通孔51と連通し、連通孔51より進出するワークWを一つだけ支持する支持部61、および上方向へ揺動させたときに連通孔51より進出するワークWと当接し、ワークWが連通孔51より進出することを規制する規制端面62が形成される切出部材60と、ガイド部43を揺動させるアクチュエータ70と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを供給するための部品供給装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ホッパー部等に投入されるピンやバネ等のワーク(部品)を供給する(切り出す)部品供給装置の技術は、例えば、特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示される部品供給整列装置(部品供給装置)は、振動ボウルフィーダ、整列部、および搬送部等を具備する。振動ボウルフィーダは、ワークを振動させることにより、螺旋状にワークを搬送するとともにワークを整列部まで搬送する。整列部は、所定の姿勢で振動ボウルフィーダより搬送されるワークを支持するとともに、搬送部まで搬送する回転ドラムを有する。搬送部は、振動ボウルフィーダの振動によりワークを搬送先まで搬送する。
【0004】
特許文献2に開示される部品供給装置は、掬い板および移送路を具備する。掬い板は、揺動駆動源により揺動し、ワークを掬い上げるとともに、ワークを掬い板の端面に沿って摺動させる。移送路は、掬い板の端面上を摺動するワークが移載可能であるとともに、バイブレータによって振動して、ワークを搬送先まで搬送する。
【0005】
このような特許文献1および特許文献2に開示される部品供給装置では、複数のアクチュエータ(特許文献1では振動ボウルフィーダおよび回転ドラムの駆動源等、特許文献2では掬い板および移送路の駆動源等)が必要となる。このため、各アクチュエータの制御および調整が複雑となり、コストが増大してしまう。
【0006】
また、例えば、比較的寸法の小さなワークを供給する場合でも、ワークに対して大きな寸法である振動ボウルフィーダや直進フィーダ(特許文献2にあるような移送路)等を用いることとなる。
従って、小さな形状のワークを搬送する場合や少量のワークを供給する場合でも、装置が小型化しにくい。つまり、ワークの形状やワークの供給量に対して装置寸法が大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−232526号公報
【特許文献2】特開2000−25941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、コストを低減できるとともに、装置をコンパクト化できる部品供給装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1においては、ワークを一端部に向けて摺動可能なガイド部、および前記ワークを前記ガイド部に向けて摺動可能なテーパ部を有し、前記ガイド部および前記テーパ部のうち少なくともいずれか一方が、他方に対して相対的に上下方向へ揺動可能な整列手段と、前記ガイド部の一端部側に配置され、前記整列手段の前記ガイド部が前記テーパ部に対して相対的に上方向へ揺動した状態で前記ガイド部上を摺動するワークが進入可能であるとともに、該進入したワークが進出可能な連通孔が形成される保持手段と、前記保持手段よりも前記ワークが進出する側に配置され、前記ガイド部の前記テーパ部に対する相対的な揺動と一体的に上下方向へ揺動し、下方向へ揺動させたときに前記連通孔と連通して、前記連通孔より進出するワークを一つだけ支持する支持部、および上方向へ揺動させたときに前記連通孔より進出するワークと当接して、前記ワークが前記連通孔より進出することを規制する規制端面が形成される切出手段と、前記整列手段および前記切出手段のうち少なくともいずれか一方に連結され、前記整列手段における前記ガイド部と前記テーパ部との相対的な上下方向への揺動、および前記切出手段の上下方向への揺動を行う駆動手段と、を具備し、前記駆動手段により、前記整列手段の前記ガイド部を前記テーパ部に対して相対的に下方向へ揺動させることで、前記テーパ部に位置するワークを前記ガイド部に載置し、前記駆動手段により、前記整列手段の前記ガイド部を前記テーパ部に対して相対的に上方向へ揺動させることで、前記ガイド部に載置されるワークを、所定の姿勢で整列させるとともに前記ガイド部の一端部に向かって摺動させ、前記ガイド部上を摺動するワークを、前記連通孔に進入させた後で前記規制端面に当接させて、前記保持手段で保持し、前記駆動手段により、前記切出手段を下方向へ揺動させて、前記規制端面に当接するワークを前記連通孔より進出させるとともに前記支持部で支持し、前記駆動手段により、前記切出手段を上方向へ揺動させて、前記支持部で支持するワークを上方向へ揺動させることで、前記ワークの供給を行う、ものである。
【0010】
請求項2においては、前記整列手段は、前記ワークを載置可能な前記ガイド部が形成され、前記駆動手段により上下方向へ揺動される整列プレートと、前記ガイド部に向かって前記ワークが摺動するように傾斜する前記テーパ部、および前記整列プレートが摺動可能に構成されるスリットが形成される取付部材と、を備える、ものである。
【0011】
請求項3においては、前記保持部材の連通孔は、複数のワークを同時に整列可能である、ものである。
【0012】
請求項4においては、前記切出手段には、前記切出手段を上方向へ揺動させたときに、前記支持部と連通するとともに前記前記支持部で支持するワークを進出させ、前記ワークを所定の搬送先まで搬送する搬送部が形成される、ものである。
【0013】
請求項5においては、前記支持部で前記ワークを支持した状態で、前記切出手段を上方向へ揺動させたことを検出する検出手段をさらに具備する、ものである。
【0014】
請求項6においては、前記ワークは、外形が円柱状である、ものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、一つのアクチュエータでワークを供給するため、コストを低減できるとともに、装置をコンパクト化できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】部品供給装置の全体的な構成を示す概略斜視図。
【図2】同じく側面断面図。
【図3】ガイド部の傾斜方向に対してワークの軸方向が平行なワークの動作を示す背面断面図。(a)ガイド部に載置される状態を示す図。(b)整列プレートを上方向へ揺動させる状態を示す図。
【図4】上下方向に対してワークの軸方向が平行なワークの動作を示す背面断面図。(a)ガイド部に載置される状態を示す図。(b)整列プレートを上方向へ揺動させる状態を示す図。
【図5】テーパ部の傾斜方向に対してワークの軸方向が平行なワークの動作を示す背面断面図。(a)ガイド部の上方までワークが摺動する状態を示す図。(b)整列プレートを上方向へ揺動させる状態を示す図。
【図6】整列プレートを上方向へ揺動させた状態を示す側面断面図。
【図7】保持部材まで摺動するワークを示す側面断面図。
【図8】保持部材でワークを保持する状態を示す側面断面図。
【図9】ワークを供給する状態を示す側面断面図。
【図10】左右両端部に整列プレートを配置した場合の部品供給装置を示す背面断面図。
【図11】別実施形態の部品供給装置の全体的な構成を示す側面断面図。
【図12】別実施形態の保持部材でワークを保持する状態を示す側面断面図。
【図13】別実施形態の支持部に支持されるワークを示す側面断面図。
【図14】別実施形態の部品供給装置でワークを供給する状態を示す側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る部品供給装置の実施の一形態である部品供給装置1について、図面を参照して説明する。
【0018】
部品供給装置1は、装置本体10に投入される複数のワークW・W・・・(部品)から、一つのワークWの供給を行う(ワークWを切り出す)ものである。本実施形態の各ワークW・W・・・は、それぞれその外形が円柱状の部材(例えば、ピン、バネ等)とする。
【0019】
なお、以下では、説明の便宜上、図2における紙面の上下方向を基準として部品供給装置1の上下方向を規定する。また、図2における紙面の左方向を前方向として部品供給装置1の前後方向を規定する。そして、図2における紙面の手前側に向かう方向を左方向として部品供給装置1の左右方向を規定する。
【0020】
図1および図2に示すように、部品供給装置1は、装置本体10、整列機構20、保持部材50、切出部材60、およびアクチュエータ70を具備する。
【0021】
装置本体10は、側面視において、後側の高さが前側の高さよりも高くなるように、その高さ寸法に差異を設けるような中空の階段形状に形成される。装置本体10の前上端部は、所定の装置がワークWを取り出すことができるように左右方向に所定の間隔だけ開口している。
装置本体10には、蓋部11およびピン12等が取り付けられる。
【0022】
蓋部11は、装置本体10の後上端部に着脱可能に取り付けられる。本実施形態のワークW・W・・・は、それぞれ蓋部11を取り外して装置本体10内に投入される(図2に示す矢印A参照)。
なお、ワークW・W・・・を投入する構成はこれに限定されるものでなく、例えば、蓋部11に代えて、外部に開口する開口部を装置本体10の後上端部に形成し、当該開口部からワークWを投入しても構わない。
【0023】
ピン12は、装置本体10の前側にその軸心方向が左右方向に対して平行となるように、装置本体10に回動可能に支持される。
【0024】
整列手段としての整列機構20は、各ワークW・W・・・を所定の姿勢で整列させるものである。整列機構20は、装置本体10の後側に設けられ、取付部材30および整列プレート40を備える。
【0025】
取付部材30は、後端面と左右両端面とが装置本体10に沿った形状であるとともに、前端面が保持部材50に沿った形状であり、装置本体10の上下中途部に取り付けられる。取付部材30には、テーパ部31およびスリット32が形成される。
【0026】
図2および図3(a)に示すように、テーパ部31は、取付部材30の上面であり、装置本体10の前後左右中央部に向かうにつれて徐々に下側に傾斜する傾斜面に形成されている。このようなテーパ部31に各ワークW・W・・・が載置されたとき、各ワークW・W・・・は、それぞれその自重によりテーパ部31に沿って摺動する。つまり、各ワークW・W・・・は、それぞれテーパ部31より滑り落ちて、装置本体10の前後左右中央部に向かって移動する(図3(a)参照)。
【0027】
スリット32は、取付部材30の左右中央部に形成され、取付部材30の前端部から後部まで前後方向に長く延びた隙間である。スリット32は、取付部材30を上下方向に貫通する。このようなスリット32は、各ワークW・W・・・が落下可能であるとともに、後述する整列プレート40が揺動可能に構成される。
【0028】
図1および図2に示すように、整列プレート40は、各ワークW・W・・・を整列するものである。整列プレート40は、その一部がスリット32の内側(本実施形態では装置本体10の左右中央部)に配置される。
整列プレート40には、直線部41と湾曲部42とが形成される。
【0029】
直線部41は、その上端部がピン12に揺動可能に支持される。直線部41の上下中途部は、連結部材73(図6参照)を介してアクチュエータ70に連結される。
【0030】
湾曲部42は、直線部41の後下部よりピン12の軸心を中心として図2において反時計回り方向に突出する部分である。つまり、直線部41の上下途中部から下端部にかけての範囲が、ピン12の軸心を中心として図2における反時計回り方向に延出した形状に形成されている。
湾曲部42の左右方向の長さは、スリット32の左右方向の長さよりも短くなる。また、湾曲部42は、スリット32内を摺動可能な大きさの外径を有する(ピン12の中心からスリット32の後端側端面までの寸法と湾曲部42の外径寸法とが略同一に形成される)とともに、後述する保持部材50の外径よりも大きな内径を有する。
つまり、湾曲部42は、スリット32内を上下摺動可能に構成される。言い換えれば、スリット32は整列プレート40の湾曲部42が上下摺動可能に構成されている。
湾曲部42には、ガイド部43が形成される。
【0031】
ガイド部43は、湾曲部42の上面であり、各ワークW・W・・が前端部(一端部)に摺動可能となるように、湾曲部42の左右中央部に向けて下方向に傾斜するような傾斜面に形成される。つまり、ワークWの軸方向がガイド部43の傾斜方向に対して平行な姿勢のワークWを載置したとき、前記テーパ部分によりワークWの外周面を支持して、左右方向にワークWが落下しないように正面視略V字状に形成される。
図2および図3(a)に示す状態において、ガイド部43は、スリット32および保持部材50の間に配置される。
【0032】
保持手段としての保持部材50は、各ワークW・W・・・を所定の姿勢で保持するものである。保持部材50は、湾曲部42の内径よりも小さな外径を有するとともに、後述する切出部材60の外径よりも大きな内径を有する略リング状の部材の一部を切り取ったような形状を有する。
保持部材50の径方向の長さ寸法(つまり、保持部材50の外径と内径との差)は、ワークWの軸方向の長さの数倍(本実施形態では約三倍)程度に設定される。
【0033】
保持部材50は、その軸心がピン12の軸心と重なるように(ピン12と同心配置されるように)装置本体10に揺動不能に支持される。また、保持部材50は、その外周面に取付部材30の前端面が当接する。つまり、保持部材50は、ガイド部43の前側(一端部側)に配置される。
保持部材50には、連通孔51が形成される。
【0034】
連通孔51は、保持部材50の左右中央部に形成され、保持部材50の径方向に沿って保持部材50を貫通する孔部である。連通孔51は、ワークWの外径よりもやや大きな内径を有する略円柱状に形成される。連通孔51は、その内側に位置するワークWがその自重によって保持部材50の径方向内側に向かって摺動するように、水平方向に対して所定の角度で傾斜している。また、連通孔51は、その後上端部が取付部材30のテーパ部31の上端部よりも上側に位置する。
【0035】
整列プレート40と保持部材50とが互いに同心配置されるため、ガイド部43の傾斜角度が連通孔51の傾斜角度に対応する角度となるまで整列プレート40を揺動させたとき、ガイド部43と連通孔51とは、互いに連通する(図6参照)。
このとき、ガイド部43に載置されるワークWは、ガイド部43の傾斜に沿って前方向に、つまり、連通孔51に向かって摺動する。
【0036】
以下において、整列プレート40を上方向へ揺動させたときに、整列プレート40のガイド部43と保持部材50の連通孔51とが互いに連通するとともに、ガイド部43に載置されるワークWが前方向に摺動する位置を「整列プレート40(後述する切出部材60)の上昇端」と表記する。
【0037】
整列プレート40を上昇端まで揺動させたとき、ガイド部43上を摺動するワークWは、連通孔51に進入した後で、連通孔51より進出する。つまり、連通孔51は、ガイド部43上を摺動するワークWが進入可能であるとともに、進入したワークWが進出可能である。
【0038】
切出手段としての切出部材60は、保持部材50に保持されるワークWを一つずつ取り出すものである。切出部材60は、保持部材50の内径よりも小さな外径を有するとともに、ピン12の外径よりも大きな内径を有する略リング状の部材の一部を切り取ったような形状を有する。保持部材50と切出部材60とは、互いに間隔を空けた状態で配置される。
【0039】
切出部材60は、その軸心がピン12の軸心と重なるように(ピン12と同心配置されるように)ピン12に揺動可能に支持される。従って、切出部材60は、整列プレート40の揺動に伴って一体的に上下方向へ揺動する。
切出部材60には、支持部61および規制端面62が形成される。
【0040】
支持部61は、切出部材60の径方向内側に向かって切出部材60の外周面を所定の深さまで切り欠くことで形成される。支持部61は、ワークWを支持できるような形状、例えば、連通孔51の内径と略同一の内径を有する略円柱状に形成されるとともに、深さ寸法がワークWの軸方向の長さよりもやや短くなるように設定される。
【0041】
このような支持部61は、図2に示す状態において連通孔51と連通する。つまり、連通孔51内を摺動するワークWは、連通孔51より進出して支持部61に進入し、支持部61にて支持される。つまり、切出部材60は、保持部材50の前側(保持部材50よりもワークWが連通孔51より進出する側)に配置される。
このとき、整列プレート40のガイド部43は、スリット32からワークWが落下しないように、スリット32および保持部材50により囲まれる空間の内側に位置する。
【0042】
以下において、切出部材60を下方向へ揺動させたときに、切出部材60の支持部61と保持部材50の連通孔51とが互いに連通するとともに、整列プレート40のガイド部43がテーパ部31よりも下側に位置する位置を「整列プレート40(切出部材60)の下降端」と表記する。
【0043】
規制端面62は、支持部61よりも図2における時計回り方向側の外周面に形成される。切出部材60を下降端より上方向へ揺動させたとき、規制端面62は、連通孔51内を摺動するワークWと当接し、その連通孔51方向への摺動を規制する(図6参照)。
【0044】
駆動手段としてのアクチュエータ70は整列プレート40に連結され、整列機構20の整列プレート40のガイド部43を上下方向へ揺動させるものである。図2および図6に示すように、アクチュエータ70は、既存の電動シリンダ等によって構成され、装置本体10の下側に、ロッド71が前側に配置されるとともに、ロッド71の伸縮方向が前後方向を向くように配置される。アクチュエータ70の後端部は、ピン72等を介して装置本体10に回動可能に支持される。
このようなアクチュエータ70は、ロッド71の収縮動作によって、その後端部が回動するとともにピン12を回動させ、整列プレート40をピン12を中心として回動させて、ガイド部43を上下方向へ揺動させる。また、整列プレート40がアクチュエータ70により回動されるのに伴い、切出部材60もピン12を中心として一体的に回動され、切出部材60の支持部61が上下方向へ揺動することとなる。
【0045】
なお、アクチュエータ70の構成は、本実施形態に限定されるものでなく、例えば、流体シリンダ等であっても構わない。また、正逆回転可能なモータによりピン12を回動するような構成であっても構わない。
また、アクチュエータ70と切出部材60とを互いに連結し、切出部材60をアクチュエータ70により揺動させるとともに、当該切出部材60の揺動に伴って整列機構20の整列プレート40を一体的に揺動させるような構成であっても構わない。
【0046】
つまり、アクチュエータ70は、整列機構20および切出部材60のうち少なくともいずれか一方に連結され、整列機構20におけるガイド部43とテーパ部31との相対的な上下方向への揺動、および切出部材60の上下方向への揺動を行うものであればよい。
また、切出部材60は、ガイド部43のテーパ部31に対する相対的な揺動と一体的に上下方向へ揺動すればよい。
【0047】
このように構成される部品供給装置1は、蓋部11を開けて装置本体10に各ワークW・W・・・が投入され、装置本体10、取付部材30、整列プレート40、および保持部材50により囲まれる空間に貯溜される。以下では、このような各ワークW・W・・・が貯溜される空間を、「ホッパー部10a」と表記する。
【0048】
次に、部品供給装置1の動作について説明する。
なお、説明の便宜上、整列プレート40は、下降端に位置しているものとする。また、各ワークW・W・・・が貯溜されていない状態のホッパー部10aに、各ワークW・W・・・を投入するところから部品供給装置1の動作を開始するものとする。
【0049】
まず、図2に示すように、蓋部11を開けて、各ワークW・W・・・をホッパー部10aに投入する。投入された各ワークW・W・・・は、図3(a)、図4(a)、および図5(a)に示すように、それぞれその自重によりテーパ部31(ホッパー部10aの底部)に沿って摺動する。つまり、ガイド部43に向かって摺動する。
【0050】
整列プレート40が下降端に位置している場合、テーパ部31よりも下側にガイド部43が位置している。このため、ガイド部43に向かって摺動する各ワークW・W・・・の一部は、スリット32より落下し、様々な姿勢でガイド部43に載置される。
このように、部品供給装置1は、アクチュエータ70のロッド71を伸ばすことにより、整列機構20の整列プレート40(ガイド部43)をテーパ部31に対して相対的に下方向へ揺動させる。これにより、テーパ部31よりも下側にガイド部43を移動させることで、テーパ部31に位置するワークWをガイド部43に載置する。
【0051】
このようなガイド部43に載置されるワークWとしては、例えば、ワークWの軸方向とガイド部43の傾斜方向とが略同一の方向を向いている各ワークW10〜W12(図2および図3(a)参照)、ワークWの軸方向と上下方向とが略同一の方向を向いているワークW20(図4(a)参照)等がある。
【0052】
一方、ガイド部43に向かって摺動する各ワークW・W・・の他部(ガイド部43に載置されないワークW・W・・)は、スリット32より落下せずにその摺動を停止する。
このようなワークWとしては、例えば、ガイド部43の上方で、その底面とスリット32の側面とが当接し、その摺動を停止するワークW30(図5(a)参照)等がある。
【0053】
各ワークW・W・・・をガイド部43に向かって摺動させた後で、図2に示すように、下降端に位置する整列プレート40(ガイド部43)を上方向へ揺動させる(図2に示す矢印U参照)。つまり、ワークWをかき上げる。
【0054】
このとき、図4(a)に示すように、ワークW20の軸方向と上下方向とが略同一の方向を向いているワークW20は、右方向(または左方向)に倒れてガイド部43より落下し易い状態、つまり、不安定な状態でガイド部43に載置されている。このため、ワークW20は、ガイド部43より落下する。
より詳細には、ガイド部43がテーパ部31よりも下側に位置しているときには、ワークW20の外周面がスリット32の側面に支持されるため、ガイド部43に載置された状態でワークW20は上方向へ揺動する。そして、図4(b)に示すように、ガイド部43がテーパ部31よりも上側に位置したときに、ガイド部43より落下する。
【0055】
また、図5(a)および図5(b)に示すように、ガイド部43に載置されないワークW30は、ガイド部43がテーパ部31よりも上側に位置したときに、ガイド部43に一旦載置されるが、整列プレート40を上昇端まで揺動させる前にガイド部43より落下する。
【0056】
一方、図3(a)に示すように、ワークWの軸方向とガイド部43の傾斜方向とが略同一の方向を向いている各ワークW10〜W12は、それぞれその外周面がガイド部43に支持される。このため、ガイド部43より落下しにくい状態、つまり、安定した状態でガイド部43に載置されている。
従って、図3(b)および図6に示すように、整列プレート40を上昇端まで揺動させたとき、各ワークW10〜W12は、それぞれガイド部43に載置された状態である。つまり、整列プレート40の上方向への揺動によりガイド部43より落下しない。
【0057】
このとき、各ワークW10〜W12は、それぞれ各ワークW10〜W12の軸方向とガイド部43の傾斜方向とが略同一の方向を向いた姿勢(所定の姿勢)で、ガイド部43に順番に並んだ状態で支持される。つまり、先頭よりワークW10、ワークW11、ワークW12の順に整列される。
【0058】
このように、部品供給装置1は、アクチュエータ70のロッド71を縮めることにより、整列機構20の整列プレート40(ガイド部43)をテーパ部31に対して相対的に上方向へ揺動させる。これにより、テーパ部31よりも上側にガイド部43を移動させることで、ガイド部43に載置される各ワークW10〜W12を、所定の姿勢で整列させる。
【0059】
ここで、整列プレート40を上昇端まで揺動させたとき、図6および図7に示すように、ガイド部43に整列される各ワークW10〜W12は、それぞれガイド部43の前端部に向かって摺動する。
【0060】
そして、ガイド部43の前端部に向かって摺動するワークW10〜W12は、それぞれ順番に連通孔51に進入する。
このとき、各ワークW10〜W12は、それぞれ整列された状態のままで連通孔51に進入し、進入した順番に連通孔51内を摺動する。
【0061】
連通孔51内を摺動した後で、ワークW10は、その底面(連通孔51内を摺動するワークW10の規制端面62と対向する面)が切出部材60の規制端面62と当接する。これにより、各ワークW10〜W12の摺動が停止し、各ワークW10〜W12は、それぞれ連通孔51内に順番に整列された状態となる。つまり、保持部材50は、各ワークW10〜W12を連通孔51内で保持する。
【0062】
仮に、ワークW12の後側にさらにワークW13が整列された場合、ワークW13は、連通孔51内に進入できずに、にガイド部43上に載置されたままとなる(図7に二点鎖線で示すワークW13参照)。
【0063】
各ワークW10〜W12を保持部材50で保持した後で、図7および図8に示すように、アクチュエータ70により切出部材60を下方向へ揺動させる(図7に示す矢印D・D参照)。
【0064】
このとき、前記ワークW13は、切出部材60と一体的に揺動する整列プレート40の揺動に伴って移動し、各ワークW10〜W12より離間する(図8に二点鎖線で示すワークW13参照)。
【0065】
一方、連通孔51内に整列される各ワークW10〜W12は、それぞれ保持部材50が切出部材60の揺動に対して一体的に揺動しないため、切出部材60を下降端に揺動させるまでの間、そのままの姿勢で保持部材50に保持される。
そして、切出部材60を下降端まで揺動させたとき、連通孔51と支持部61とが互いに連通し、ワークW10は、その底面が支持部61の底面に当接するまで摺動する。従って、各ワークW10〜W12は、それぞれ支持部61の深さ寸法だけ全体的に摺動する。
【0066】
これにより、連通孔51内に整列される各ワークW10〜W12のうち、規制端面62に当接する(先頭に位置する)ワークW10が、連通孔51より進出するとともに支持部61に支持される。
このように、連通孔51は、ガイド部43がテーパ部31に対して相対的に上方向へ揺動した状態で、ワークW10〜W12が進入可能であるとともに、進入したワークW10が進出可能である。
【0067】
支持部61でワークW10を支持した後で、図8および図9に示すように、アクチュエータ70により切出部材60(支持部61)を上方向へ揺動させる(図8に示す矢印U・U参照)。
【0068】
このとき、支持部61に支持されるワークW10は、切出部材60の揺動に伴って一体的に上方向へ揺動する。そして、切出部材60を上昇端まで揺動させたときに、ワークW10は、起立した状態(支持部61に支持された状態でワークW10の軸方向が上下方向を向いた状態)となる。また、連通孔51内で停止する各ワークW11・W12は、それぞれワークW11の底面が切出部材60の規制端面62に当接するまで摺動する。
【0069】
ワークW11の底面が切出部材60の規制端面62に当接するまで摺動することにより、連通孔51は、一つのワークWが進入可能な状態となる。このため、ガイド部43にワークWが整列されている場合、連通孔51内に新たに一つのワークWが進入する。
【0070】
切出部材60により起立した状態のワークW10は、所定の装置(例えばワークWを所定の部材に圧入するための圧入ヘッド等)により取り出される。これにより、部品供給装置1は、ワークW10の供給を行う。
【0071】
このように構成することにより、ガイド部43に載置される各ワークW10〜W12は、それぞれ上下方向に移動しながら前方向に移動する構成となる。つまり、左右方向には移動しない構成となり、前後方向に沿った直線上にワークW10〜W12が流れる構成となる。
【0072】
従って、部品供給装置1の左右方向の寸法は、ホッパー部10aに各ワークW・W・・・を投入できる程度であればよい。つまり、部品供給装置1の左右方向の寸法は、投入されるワークWが装置本体10の内壁面と整列プレート40の側面とに挟まれない程度であればよい。
【0073】
このように、部品供給装置1は、左右方向に大きな寸法を要することなく、ワークWを供給できるため、部品供給装置1の左右方向の寸法を大幅に縮小でき、装置をコンパクト化できる。
【0074】
また、各ワークW・W・・・を投入してから一つのワークWを供給するまでの一連の動作を一つのアクチュエータ70で行う構成であるため、部品供給装置1の制御を簡素化できる。つまり、部品供給装置1のコストを低減できる。
【0075】
例えば、画像処理装置にて、ワークを画像識別し、ロボット等でワークを取り出すような構成とした場合、ロボットを駆動させるためのアクチュエータ一つでワークを供給できるが、この場合、ワークの供給の信頼性に欠けてしまう。
具体的には、画像処理装置が設置される設備内で、急激な明るさの変化等が発生した場合、当該変化に画像処理装置がついていけないため、ワークを供給できない場合がある。また、比較的高価な装置である画像処理装置を用いた場合、部品供給装置のコストが増大してしまう。
【0076】
一方、本実施形態の部品供給装置1ように、整列機構20の整列プレート40等の揺動動作でワークWを供給する場合、急激な明るさの変化等の影響を受けないため、画像処理装置を用いた部品供給装置と比較して、確実にワークWを供給できる。つまり、ワークの供給動作の信頼性を向上できる。
また、画像処理装置のような高価な装置を用いない構成となるため(つまり、簡素な構成となるため)、部品供給装置1のコストを低減できる。
【0077】
仮に、整列プレート40を上昇端まで揺動させたときに、全てのワークWがガイド部43より落下した場合、連通孔51内に新たにワークWが整列されない。
このような場合においても、前記ワークW11・W12のように連通孔51内に複数のワークWが整列されていれば、連通孔51に整列されるワークWが支持部61に支持される。つまり、全てのワークWがガイド部43より落下した場合でも途切れることなくワークWを供給できる。
【0078】
このように、保持部材50の連通孔51は、複数(本実施形態では三つ)のワークWを同時に整列可能(ストック可能)な構成である。このため、より確実にワークWを供給でき、ワークWの供給動作の信頼性を向上できる。
【0079】
本実施形態では、連通孔51にワークWを三個整列可能な構成としたが、これに限定されるものでない。すなわち、ワークWを一個だけ整列可能な構成であってもよく、また、ワークWを三個以上整列可能な構成であってもよい。
ただし、整列プレート40を揺動させたときに、ワークWがガイド部43より全て落下してしまうことを想定して、少なくとも二つ以上のワークWを収容可能な構成であることが好ましい。
また、連通孔51に整列可能な個数を多くすると、その分だけ装置の前後方向の幅が大きくなってしまう。このため、連通孔51に収容する個数は、ワークWの軸方向の長さに応じて二個〜三個程度とすることが好ましい。
【0080】
本実施形態のワークWに代えて、ワークWの形状(外径および軸方向の長さ等)が異なるワークWを供給する場合、例えば、振動ボウルフィーダを具備する従来の部品供給装置では、振動ボウルフィーダの形状をワークWの形状に対応させる必要がある。
つまり、段変えにおいて、振動ボウルフィーダの形状を調整する必要がある。また、このような調整作業は困難な作業である。
【0081】
一方、本実施形態の部品供給装置1では、異なるワークWの形状に対応する構成部材(整列プレート40、保持部材50、切出部材60等)に取り替える。そして、アクチュエータ70のストローク(つまり、整列プレート40および切出部材60の揺動範囲)および動作速度を調整することで、異なるワークWの形状に対応できる。
これによれば、ワークWの変更に容易に対応できるため、段変えを容易に行うことができる。つまり、段変え性を向上できる。
【0082】
本実施形態の部品供給装置1によれば、振動によりワークWを搬送しない構成となる。
従って、部品供給装置1自体より騒音が発生することを防止できる。また、ワークWを振動させて搬送する場合と比較して、ワークW同士が接触することが少ない。つまり、振動により搬送する構成の部品供給装置と比較して、騒音の発生を低減できる。
【0083】
なお、本実施形態では、整列プレート40を装置本体10の左右中央に配置するとともに、取付部材30のテーパ部31を前後左右中央に向けて傾斜する構成としたが、これに限定されるものでない。
【0084】
例えば、図10に示すように、取付部材30をアクチュエータ70と連結して上下揺動可能に構成するとともに、整列プレート40を上昇端に揺動不能に固定しても構わない。
【0085】
この場合、テーパ部31がガイド部43よりも上側に位置するまで取付部材30を上方向へ揺動させて、ガイド部43に向けてワークWを落下させる。そして、取付部材30をガイド部43よりも下側に位置するまで下方向へ揺動させて、ワークWをガイド部43に整列させる構成となる(図10に示す矢印D(U)参照)。
【0086】
また、部品供給装置1は、整列プレート40を揺動させるときに、取付部材30を一体的に揺動させる構成であっても構わない。この場合、整列プレート40を下降端まで揺動させたときに、ガイド部43がテーパ部31よりも下側(スリット32内)に位置するとともに、整列プレート40を上昇端まで揺動させたときに、ガイド部43がテーパ部31よりも上側に位置するように、取付部材30および整列プレート40の揺動範囲を調整する。
【0087】
このように、整列機構20は、ガイド部43およびテーパ部31を有し、ガイド部43およびテーパ部31のうち少なくともいずれか一方が、他方に対して相対的に上下方向へ揺動可能な整列手段として機能する。
【0088】
次に、部品供給装置1の別実施形態として、ワークWを搬出シュート180に落下させる部品供給装置101について説明する。
【0089】
図11に示すように、部品供給装置101は、装置本体110、整列機構120、保持部材150、切出部材160、アクチュエータ170、搬出シュート180、および検出センサ190を具備する。
【0090】
装置本体110は、前端部にて搬出シュート180を支持する点を除いて、本実施形態の装置本体10と同様に構成される。
【0091】
整列機構120、保持部材150、およびアクチュエータ170は、本実施形態の装置本体10、整列機構20、保持部材50、およびアクチュエータ70と同様に構成される。
【0092】
切出部材160は、整列プレート140の揺動に伴って揺動するとともに、搬出シュート180に干渉しないように、本実施形態の切出部材60よりも小さな内径を有する。つまり、切出部材160とピン112との間には隙間が形成される。このような切出部材160は、例えば、整列プレート140の直線部141の中途部に取り付けられる。
【0093】
支持部161は、ワークWの外径よりもやや大きな内径を有するとともに、切出部材160をその径方向に沿って貫通する孔部である。つまり、支持部161は、ワークWが進入可能であるとともに、進入したワークWが進出可能な形状である。
【0094】
搬出シュート180は、部品供給装置101から所定の搬出先までワークWを搬送するものである。搬出シュート180は、前述のように装置本体110に支持される。搬出シュート180には、入口部181、搬送部182、および当接面183が形成される。
【0095】
入口部181は、搬出シュート180の後上部に形成され、前記ピン112と切出部材160との隙間に配置され、ピン112の上方にて上方向に開口する。入口部181は、ワークWが進入可能となるように、ワークWの外径よりも大きな内径を有する半円部分が形成されるような、平面視略U字状に形成される。
【0096】
このような搬出シュート180の入口部181は、切出部材160が上昇端に位置したときに、支持部161と連通する(図12参照)。
【0097】
搬送部182は、入口部181と所定の搬送先とを連通するように、入口部181から所定の搬送先まで延出する。搬送部182は、ワークWがその自重で摺動するに、前方向に向かって徐々に下方向に傾斜する。
【0098】
当接面183は、切出部材160の内径よりも小さな外径を有する略円弧状に形成され、入口部181より図11における時計回り方向に沿って突出する部分である。当接面183は、支持部161よりワークWが進出しないようにその外径寸法が設定される。
【0099】
検出手段としての検出センサ190は、所定の搬送先にワークWを供給したことを検出するものである。検出センサ190は、例えば、側面視において入口部181の上方に配置され、入口部181の上方にワークWが移動したことを監視する。このような検出センサ190は、既存のレーザセンサ等によって構成される。
【0100】
次に、別実施形態の部品供給装置101の動作について説明する。なお、ワークWを投入してから保持部材150の連通孔151内にてワークWを整列させるところまでは、本実施形態の部品供給装置1の動作と同様である。このため、以下においては、図12に示すように、整列プレート140を上昇端まで揺動させて保持部材150の連通孔151内で各ワークW110〜W112を整列させたところから説明を行う。
【0101】
連通孔151内に整列される各ワークW110〜W112のうち、先頭のワークW110は、その底面(連通孔151内を摺動するワークW110の規制端面162と対向する面)が切出部材160の規制端面162と当接する。
規制端面162にワークW110を当接させた後で、切出部材160を下降端まで揺動させる(図12に示す矢印D・D参照)。
【0102】
図13に示すように、切出部材160を下降端まで揺動させたとき、支持部161が連通孔151と連通し、ワークW110が支持部161に向かって摺動する。
そして、ワークW110は、その底面が搬出シュート180の当接面183と当接し、その摺動を停止する。つまり、ワークW110は、連通孔151より進出し、支持部161と当接面183とにより支持される。従って、各ワークW110〜W112は、規制端面162から当接面183までの間の距離だけ全体的に摺動する。
【0103】
支持部161と当接面183とによりワークW110を支持した後で、切出部材160を上昇端まで揺動させる(図13に示す矢印U・U参照)。このとき、図13および図14に示すように、ワークW110は、搬出シュート180の当接面183にその底面が当接した状態で、切出部材160の揺動に伴って一体的に揺動する。そして、ワークW110は、入口部181の上方まで揺動する。
【0104】
切出部材160を入口部181の上方まで揺動させたとき、ワークWは、当接面183との当接状態が解除される。従って、ワークW110は、入口部181に向けて落下する。
【0105】
ワークW110が入口部181に向けて落下した後で、ワークW110は、搬送部182に進出し、搬送部182に沿って摺動する。そして、所定の搬送先まで搬送される。
【0106】
このように、搬送部182は、切出部材160を上方向へ揺動させたときに支持部161と連通するとともに、支持部161で支持されるワークW110を所定の搬送先まで搬送する。
【0107】
このように構成することにより、シンプルな構成でワークWを所定の搬送先に供給できる。
【0108】
検出センサ190は、支持部161でワークW110を支持した状態で、切出部材160を上昇端まで揺動させたことを検出する。
これによれば、所定の搬送先に供給されるワークWの個数をカウントできる。従って、任意設定数のワークWを所定の搬送先に供給できる。
【0109】
このような検出センサ190は、本実施形態の部品供給装置1に取り付けることも可能である。この場合、ワークWを支持部61より取り出す所定の装置に信号を送信することで、確実にワークWを供給できる。
【0110】
なお、ワークWは、本実施形態に限定されるものでない。ただし、四角柱のように外形に頂点部分があるような部材を供給する場合、連通孔51および支持部61の形状は、ガイド部43上を摺動する際のワークWの支持状態(つまり、ワークWがどのようにガイド部43に支持されているか)を考慮する必要がある。
具体的には、ワークWは、前記頂点部分が、ガイド部43の左右中央部と当接した状態で摺動する場合と、ガイド部43のテーパ部分の中途部と当接した状態で摺動する場合とを想定し、どちらの場合でもワークWが進入可能な形状とする必要がある。また、どちらの場合でもガイド部43を摺動するようにアクチュエータ70のストロークを調整する必要がある。
【0111】
このため、ワークWは、ガイド部43上を摺動するワークWの支持状態を考慮する必要がないという観点から、外形が円柱状の部材(例えば、ピンやバネ等)であることが好ましい。
【0112】
本実施形態では、取付部材30の左右中央部にスリット32を形成したが、これに限定されるものでない。すなわち、スリット32を右端部(または左端部)に形成し、右端部(または左端部)に向けてホッパー部10aに投入される各ワークW・W・・・を摺動させる構成であっても構わない。
この場合、取付部材は、本実施形態の取付部材30を左右中央部より半分に切断したような形状となる。このため、装置本体10の左右方向の長さをより短くできるため、部品供給装置1をよりコンパクト化できる。
【符号の説明】
【0113】
1 部品供給装置
20 整列機構(整列手段)
31 テーパ部
43 ガイド部
50 保持部材(保持手段)
51 連通孔
60 切出部材(切出手段)
61 支持部
62 規制端面
70 アクチュエータ(駆動手段)
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを一端部に向けて摺動可能なガイド部、および前記ワークを前記ガイド部に向けて摺動可能なテーパ部を有し、前記ガイド部および前記テーパ部のうち少なくともいずれか一方が、他方に対して相対的に上下方向へ揺動可能な整列手段と、
前記ガイド部の一端部側に配置され、
前記整列手段の前記ガイド部が前記テーパ部に対して相対的に上方向へ揺動した状態で前記ガイド部上を摺動するワークが進入可能であるとともに、該進入したワークが進出可能な連通孔が形成される保持手段と、
前記保持手段よりも前記ワークが進出する側に配置され、前記ガイド部の前記テーパ部に対する相対的な揺動と一体的に上下方向へ揺動し、下方向へ揺動させたときに前記連通孔と連通して、前記連通孔より進出するワークを一つだけ支持する支持部、および上方向へ揺動させたときに前記連通孔より進出するワークと当接して、前記ワークが前記連通孔より進出することを規制する規制端面が形成される切出手段と、
前記整列手段および前記切出手段のうち少なくともいずれか一方に連結され、前記整列手段における前記ガイド部と前記テーパ部との相対的な上下方向への揺動、および前記切出手段の上下方向への揺動を行う駆動手段と、
を具備し、
前記駆動手段により、前記整列手段の前記ガイド部を前記テーパ部に対して相対的に下方向へ揺動させることで、前記テーパ部に位置するワークを前記ガイド部に載置し、
前記駆動手段により、前記整列手段の前記ガイド部を前記テーパ部に対して相対的に上方向へ揺動させることで、前記ガイド部に載置されるワークを、所定の姿勢で整列させるとともに前記ガイド部の一端部に向かって摺動させ、
前記ガイド部上を摺動するワークを、前記連通孔に進入させた後で前記規制端面に当接させて、前記保持手段で保持し、
前記駆動手段により、前記切出手段を下方向へ揺動させて、前記規制端面に当接するワークを前記連通孔より進出させるとともに前記支持部で支持し、
前記駆動手段により、前記切出手段を上方向へ揺動させて、前記支持部で支持するワークを上方向へ揺動させることで、前記ワークの供給を行う、
部品供給装置。
【請求項2】
前記整列手段は、
前記ワークを載置可能な前記ガイド部が形成され、前記駆動手段により上下方向へ揺動される整列プレートと、
前記ガイド部に向かって前記ワークが摺動するように傾斜する前記テーパ部、および前記整列プレートが摺動可能に構成されるスリットが形成される取付部材と、
を備える、
請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記保持部材の連通孔は、複数のワークを同時に整列可能である、
請求項1または請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記切出手段には、
前記切出手段を上方向へ揺動させたときに、前記支持部と連通するとともに前記前記支持部で支持するワークを進出させ、前記ワークを所定の搬送先まで搬送する搬送部が形成される、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記支持部で前記ワークを支持した状態で、前記切出手段を上方向へ揺動させたことを検出する検出手段をさらに具備する、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記ワークは、
外形が円柱状である、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の部品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−71966(P2012−71966A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219542(P2010−219542)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】