説明

部品内蔵基板及びその製造方法

【課題】部品内蔵基板内の内蔵部品の交換、検査ができなかった。
【解決手段】電子部品を内蔵する部品内蔵基板であって、第1のプリント基板と、前記第1のプリント基板の第1の面に対して、第1の面で対向する第2のプリント基板と、前記第1のプリント基板の第1の面もしくは前記第2のプリント基板の第1の面に実装され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面との間の収納空間に収納される電子部品と、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面と間で配置され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面とを電気的に接続する接続部と、を有し、前記接続部は、前記第1のプリント基板と前記第2のプリント基板とが着脱自在である部品内蔵基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品内蔵基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、従来の部品内蔵基板が開示されている。特許文献1の技術では、図31に示すように、従来の部品内蔵基板1は、コア基板11上にビルドアップ層12、13を内蔵電子部品20の厚さに相当する層数を積層して第1のビルドアップ積層体21を形成し、この第1のビルドアップ積層体21に内蔵電子部品20を内蔵するためのキャビティを形成する。次にこのキャビティに内蔵電子部品20を装着し、続いて第1のビルドアップ積層体21及び内蔵電子部品20上にビルドアップ層14を形成する。コア基板11、及び各ビルドアップ層上には、配線16が形成されている。各ビルドアップ層の配線間は、ビア17が形成され電気的に接続される。更に、ソルダーレジスタ15を形成する。ソルダーレジスト15には、開口部18が形成され、この開口部18に半導体チップのバンプ等が接続される。このことにより、半導体チップと部品内蔵基板1の配線と接続され、内蔵電子部品20等と電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−19441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、図31に示したような従来の部品内蔵基板では、キャビティ部に内蔵電子部品を実装した後、その上に更にビルドアップ積層体を形成する。このため、部品内蔵基板作成後に基板内の内蔵部品の特性調整が必要となったり、回路検査が必要となった場合、ビルドアップ積層体を破壊しなければならず、内蔵部品の交換、検査ができないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、基板内部に実装される部品の交換、検査等を可能とする部品内蔵基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、電子部品を内蔵する部品内蔵基板であって、第1のプリント基板と、前記第1のプリント基板の第1の面に対して、第1の面で対向する第2のプリント基板と、前記第1のプリント基板の第1の面もしくは前記第2のプリント基板の第1の面に実装され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面との間の収納空間に収納される電子部品と、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面と間で配置され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面とを電気的に接続する接続部と、を有し、前記接続部は、前記第1のプリント基板と前記第2のプリント基板とが着脱自在である部品内蔵基板である。
【0007】
本発明のその他の態様は、電子部品を内蔵する部品内蔵基板の製造方法であって、第1のプリント基板の第1の面、もしくは、第2のプリント基板の第1の面に電子部品を実装し、対向する前記第1のプリント基板の第1の面と第2のプリント基板の第1の面とを電気的に接続する着脱自在な接続部を介して、前記第1のプリント基板の第1の面と第2のプリント基板の第1の面とを押圧する部品内蔵基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、部品内蔵基板の基板内部に実装される部品の交換、検査等を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図2】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図3】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図4】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図5】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図6】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図7】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図8】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図9】実施の形態1にかかる第1のプリント基板の製造方法を説明するための図である。
【図10】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図11】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図12】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図13】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図14】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図15】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図16】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図17】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図18】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図19】実施の形態1にかかる部品内蔵基板の製造方法を説明するための図である。
【図20】実施の形態2にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図21】実施の形態2にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図22】実施の形態2にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図23】実施の形態3にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図24】実施の形態3にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図25】実施の形態3にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図26】実施の形態3にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図27】実施の形態4にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図28】実施の形態4にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図29】実施の形態4にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図30】実施の形態4にかかる部品内蔵基板の構成である。
【図31】従来の部品内蔵基板の構成である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の実施の形態1
【0011】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態1について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1に本実施の形態1にかかる部品内蔵基板100の構成の一例を示す。
【0012】
図1に示すように、部品内蔵基板100は、第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102と、受動部品111〜118と、能動部品121、122と、板金シールド131、132と、接続部141、142と、キャビティ部151、152と、筐体160と、固定部170とを有する。
【0013】
第1のプリント配線板101、第2のプリント配線板102は、例えば、ガラスエポキシで形成されたプリント基板である。第1のプリント配線板101は、一方の面に所定の深さを有するキャビティ部151、152を備えている。第2のプリント配線板102は、通常の平坦な形状をしたプリント基板である。上記キャビティ部151、152は、収納空間を形成し、その収納空間内に受動部品114、115を収納する。
【0014】
基板表面には、受動部品111〜118、能動部品121、122が実装されるランドが形成される。また、基板表面乃至基板内部に金属配線を有しており、その金属配線により、受動部品111〜118、能動部品121、122を電気的に接続することができる。
【0015】
受動部品111〜118は、例えばチップコンデンサ、チップ抵抗、チップインダクタ等のチップ部品である。能動部品121、122は、例えばCPUやドライバーIC等がある。これら能動部品は、CSP(Chip Size Package)であり、チップコンデンサ等のチップ部品と同程度であってもよい。
【0016】
受動部品111〜113及び能動部品121は、第1のプリント配線板101の他方の面に実装される。また、受動部品115は、キャビティ部151の底面に実装される。受動部品116〜118及び能動部品122は、第2のプリント配線板102の他方の面に実装される。また、受動部品114は、第2のプリント配線板102の一方の面における第1のプリント配線板101のキャビティ部151に対応した箇所に実装される。
【0017】
接続部141、142は、例えばバンプやスパイラルコンタクト等で構成される。バンプは、はんだで形成した接続に用いるボール状の端子である。スパイラルコンタクトは、渦巻き形状の接続端子であり、上記バンプを押し当てられることで高い接触密度で電気的接続が可能である。これ以降、接続部141をバンプとし、接続部142をスパイラルコンタクトとする。なお、これは一例であり、接続部141をスパイラルコンタクト、接続部142をバンプとしてもよい。
【0018】
板金シールド131、132は、複数の貫通孔を有し、ネジ等で構成される固定部170が、その貫通孔を通して、板金シールド131、132と筐体160を機械的に接続する。このため、板金シールド131、132から受ける押力により、第1のプリント配線板101の接続部141(バンプ)と、第2のプリント配線板102の接続部142(スパイラルコンタクト)とが圧着され、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とが、接続部141、142を介して電気的に接続される。また、板金シールド131、132は、それぞれ第1のプリント配線板101、第2のプリント配線板102の接地電圧供給端子に電気的に接続され、内部もしくは外部からの電磁波等、電気的な影響を除去する機能を有してもよい。
【0019】
図2〜図9に、第1のプリント配線板101の製造方法を製造手順に沿って示す。まず、図2に示すような両面銅張積層板201を用意する。この両面銅張積層板201は、絶縁層202と、その絶縁層202の両面に導体層203a、203bが形成されている。また、導体層203a、203bとは、めっきスルーホール204で接続されている。なお、めっきスルーホール204内は樹脂等で埋められている。
【0020】
次に、両面銅張積層板201の両面にドライフィルムレジストをラミネートし、アートワークフィルムを通してドライフィルムレジストに紫外線を照射する。このことにより、基板層配線パターン205a、205bと、キャビティ部151、152の底となるパターン層206を露光し、溶剤を用いて現像する。不要な銅薄をエッチングにより除去し、ドライフィルムレジストを剥離することで、図3に示すように、両面銅張積層板201を加工する。
【0021】
次に、図4に示すように、両面銅張積層板201の両面に絶縁層207a、207bを形成する。
【0022】
次に、図5に示すように、レーザービアによって穴部を形成する。そして、デスミア処理後、層表面と上記穴部内壁に無電開めっきを施すことで、図6に示すように、層間接続ビア208と導体層209a、209bとを形成する。
【0023】
更に、導体層209a、209b上に更に層数を増やす場合、図3〜図6と同様の工程を繰り返す。そして、絶縁層207a、207b上にそれぞれ基板層配線パターン211a、211b、更にその上に絶縁層210a、210bを形成する。更に、絶縁層210a、210b上にそれぞれ基板層配線パターン212a、212bを形成し、図7の状態となる。なお、基板層配線パターン211aと212a、211bと212bのそれぞれの間は、層間接続ビア208で接続される。
【0024】
そして、マスクを通して紫外線で露光し、溶剤を用いて現像することで絶縁層207b、210bに穴を開け、図8のようにキャビティ部151、152を形成する。なお、キャビティ部151、152は、レーザーにより形成してもかまわない。
【0025】
最後に写真法を用いて上下の最外層の基板層配線パターン211a、211b上にそれぞれソルダーレジスト214a、214bを施すことで図9に示すようなキャビティ構造を備えた第1のプリント配線板101が製造される。ここで、この第1のプリント配線板101のキャビティ部151、152の深さをS1とする。
【0026】
なお、ソルダーレジスト214aには、実装部品(受動部品111〜114、116〜118、能動部品121、122)の外部端子が接続される開口部215が設けられランドが形成される。また、ソルダーレジスト214bにも、接続部141のバンプが形成される開口部215が設けられる。なお、これ以降、図面の簡略化のため、上述した工程を経て製造された第1のプリント配線板101を図10の様に示す。
【0027】
また、図8の工程を経ないことで、第2のプリント配線板102のような平坦な形状をしたプリント基板を作成できる。このため、第2のプリント配線板102の作成方法の説明は省略する。なお、これ以降、第2のプリント配線板102を図14の様に示す。
【0028】
次に、図11に示すように、図10の第1のプリント配線板101の一方の面(図9のソルダーレジスト214a側)に、受動部品111〜113と能動部品121、及び、板金シールド131が実装される。その後、図12に示すように、キャビティ部152に、受動部品115が実装される。キャビティ部152に実装される受動部品115の高さS2は、キャビティ152の深さS1以下(S1≧S2)となる。
【0029】
更に、図13に示すように、第1のプリント配線板101の他方の面(図9のソルダーレジスト214b側)に、接続部141のバンプを形成する。
【0030】
続いて、図15に示すように、図14の第2のプリント配線板102の一方の面(図面の下方)に、受動部品116〜118と能動部品122、及び、板金シールド132が実装される。次に、図16に示すように、第2のプリント配線板102の他方の面(図面の上方)に、受動部品116が実装される。この受動部品116が実装される箇所は、第1のプリント配線板101のキャビティ部151に対応した箇所となり、更に、受動部品116の高さS3もキャビティ151の深さS1以下(S1≧S3)となる。
【0031】
更に、図17に示すように、第2のプリント配線板102の他方の面に、接続部142のスパイラルコンタクトを形成する。
【0032】
そして、図18に示すように、全ての部品が実装された図13の第1のプリント配線板101の接続部141(バンプ)と、図17の第2のプリント配線板102の接続部142(スパイラルコンタクト)とを接続する。こうすることで、図18に示した、プリント配線板の間に部品を実装するキャビティ部を備えた3次元実装構造が形成される。
【0033】
但し、この段階では、第1のプリント配線板101の接続部141(バンプ)と第2のプリント配線板102の接続部142(スパイラルコンタクト)とが電気的に接続されるが、その接続に対して機械的強度が保障されていない。このため、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102の接続に、固定用の構造を持った板金シールド131、132を使用する。
【0034】
第1の固定方法として、図1のように板金シールド131、132のプリント配線板外形よりも外の部分にある貫通孔(例えば、ネジ穴)を通して、ネジ等の固定部170で筐体160に固定する。その際、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102が、電気的接続を得るために必要な押力が得られるまで十分にネジ止めする。各板金シールドの内側に立ち壁(板金シールド132参照)を作ることで、ネジ止めによって得られた押力をプリント配線板全体に発生させる。これによって第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102を電気的、機械的に接続する。こうすることで、図1に示した、部品内蔵基板100を形成することができる。
【0035】
また、上記例では、第1のプリント配線板101、第2のプリント配線板102の2層の構造を有しているが、それらプリント配線板間の電気的接続が可能となる応力が得られる限り、同様の構造を繰り返すことで、2つ以上のプリント配線板を積層することができる。
【0036】
このような、実施の形態1の部品内蔵基板100では、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102の間のキャビティ部151、152に部品を実装し、三次元実装構造とすることで、多層プリント配線板や両面プリント配線板だけを用いた平面実装にくらべ、高密度な実装を実現し、プリント配線板の小面積化、携帯型電子機器の小型化を可能にする。
【0037】
そして、ネジ等の固定部170によって、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102を機械的に固定する構造のため、その固定部170を外すことで第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102を分離することができる。よって、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102との間に配置された受動部品114、115といった部品の交換や検査、特性調整を可能とする。
【0038】
このため、従来技術において、基板内蔵部品に対して交換、検査等が必要となった場合に、基板自体(例えば、ビルドアップ積層体)を破壊しなければならなかった問題を解決することが出来る。
【0039】
また、基板内に内蔵する部品に合わせてキャビティ部151、152の深さS1を調整することが出来るため、低背型などの特殊な形状の部品ではなく、一般的なチップ部品を使用し、三次元実装構造を実現することができる。このため、特殊な形状の部品が必要な部品内蔵基板を用いるよりコストを抑えられることができ、更に、このことによる特殊な部品供給不足のリスクを低減することができる。
【0040】
発明の実施の形態2
【0041】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態2について、図面を参照しながら詳細に説明する。図20に本実施の形態2にかかる部品内蔵基板200の構成の一例を示す。
【0042】
図20に示すように、部品内蔵基板200は、第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102と、受動部品111〜118と、能動部品121、122と、板金シールド131、132と、接続部141、142と、キャビティ部151、152と、固定部270とを有する。
【0043】
なお、図20に示された符号のうち、図1と同じ符号を付した構成は、図1と同じか又は類似の構成を示している。本実施の形態2が、実施の形態1と異なるのは、固定部170を固定部270に換えた点である。よって、本実施の形態2では、その異なる部分を中心に説明し、その他同様の部分の説明を省略する。
【0044】
固定部270は、ボルトとナット等で構成され、固定部270のみで第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102を機械的に接続する。
【0045】
本実施の形態2では、固定部270のみで、第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102を機械的に接続でき、実施の形態1の筐体160が不要となる。このため、部品点数を削減することができる。
【0046】
また、図21に示すように、第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102にネジ穴等の貫通孔を形成し、第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102を直接、固定部270(ボルトとナット等)で固定してもよい。この場合、板金シールド131、132よりも撓みの少ない、プリント配線板で固定することで、よりプリント配線板全体に応力を加えることができ、電気的接続の信頼性向上に繋がる。
【0047】
更には、この図21の貫通孔が形成された第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102を、図22に示すように、筐体160に実施の形態1の固定部170で固定してもよい。この場合、筐体160を使用するが、図21の構成と比較して、より撓みも少なくなり、プリント配線板全体に応力を加えることもでき、電気的接続、機械的接続の信頼性向上に繋がる。
【0048】
発明の実施の形態3
【0049】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態3について、図面を参照しながら詳細に説明する。図23に本実施の形態3にかかる部品内蔵基板300の構成の一例を示す。
【0050】
図23に示すように、部品内蔵基板300は、第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102と、受動部品111〜118と、能動部品121、122と、板金シールド331、332と、接続部141、142と、キャビティ部151、152とを有する。
【0051】
なお、図23に示された符号のうち、図1と同じ符号を付した構成は、図1と同じか又は類似の構成を示している。本実施の形態3が、実施の形態1と異なるのは、板金シールド131、132が331、332に換えた点である。よって、本実施の形態3では、その異なる部分を中心に説明し、その他同様の部分の説明を省略する。
【0052】
板金シールド332は、図23に示すように、爪状の固定手段380を有し、板金シールド331にその固定手段で固定される。このことにより、板金シールド331、332がお互いに機械的に接続される。更に、板金シールド331、332がお互いに機械的に接続されることで、板金シールド131、132から受ける押力により、第1のプリント配線板101の接続部141(バンプ)と、第2のプリント配線板102の接続部142(スパイラルコンタクト)とが圧着され、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とが、接続部141、142を介して電気的に接続される。
【0053】
このように、実施の形態1、2においてネジ等で構成されていた固定部170もしくは270の役割を板金シールド331、332が、シールド機能と同時に行っている。
【0054】
また、図24に示すように、板金シールド332が有する爪状の固定手段が、板金シールド331に嵌合するように嵌合部381を有してもよい。なお、図23、図24の例では、板金シールド332が爪状の固定手段380を有しているが、板金シールド331が爪状の固定手段380を有してもよい。
【0055】
更に、図25に示すように、板金シールド331が有する爪状の固定手段380が、筐体160と嵌合するようにしてもよい。
【0056】
また更に、図26に示すように、筐体361と362で、部品内蔵基板300を挟み込み固定することで、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とを電気的、機械的に固定することが可能である。なお、筐体361と362とは、ネジ等の固定手段390で、互いが固定されるようにしてもよい。
【0057】
これらのような構成により、実施の形態1、2においてネジ等で構成されていた固定部170もしくは270が必要なく、実施の形態1、2と比較して、部品点数の削減、また、ネジ締め等の作業工程を減らすことができ、基板製造コストを削減することが可能となる。
【0058】
発明の実施の形態4
【0059】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態4について、図面を参照しながら詳細に説明する。図27に本実施の形態4にかかる部品内蔵基板400の構成の一例を示す。
【0060】
図27に示すように、部品内蔵基板400は、第1のプリント配線板101と、第2のプリント配線板102と、受動部品111〜118と、能動部品121、122と、板金シールド331、332と、接続部440と、キャビティ部151、152と、筐体160と、固定部170とを有する。
【0061】
なお、図27に示された符号のうち、図1と同じ符号を付した構成は、図1と同じか又は類似の構成を示している。本実施の形態4が、実施の形態1と異なるのは、接続部141、142を、接続部440に換えた点である。よって、本実施の形態4では、その異なる部分を中心に説明し、その他同様の部分の説明を省略する。
【0062】
実施の形態1〜3は、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とを電気的に接続する手段として、バンプとスパイラルコンタクトで構成される接続部141、142を使用していたが、本実施の形態4では、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とを電気的に接続する手段として、ドットコネクタで構成される接続部440を使用する。
【0063】
ここで、ドットコネクタとは、低抵抗の導電性ゴムを使用した圧接型コネクタであり、バンプとスパイラルコンタクトで接続されるのと同様、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とを電気的に接続できる。
【0064】
このように、バンプとスパイラルコンタクト以外でも、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とを電気的に接続することが可能である。つまり、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102を電気的に接続する手段は、特定の手段である必要は無く、基本的な性能に影響を与えない範囲内において構成が異なっていてもかまわない。
【0065】
また、ドットコネクタは、厚み(高さ)を容易に変更可能である。このため、図28に示すように、ドットコネクタ(接続部440)の高さS4を受動部品114、115の部品高さS2、S3よりも高くすることで、ドットコネクタと第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とで形成される空間に、実施の形態1〜3のキャビティ部151、152と同様、受動部品114、115を収納することができる。これ以降、この収納空間にキャビティ部151、152と同様の符号151、152を付すものとする。
【0066】
このような構成では、第1のプリント配線板101を、キャビティ部151、152を有する構造にする必要がなく、第2のプリント配線板102と同様の平坦な形状をしたプリント基板とすることが可能である。その結果、キャビティ部151、152を形成する工程を削減することができ、工数及び製造コストの削減が可能となる。
【0067】
更に、図29に示すように、第1のプリント配線板101、第2のプリント配線板102のどちらか一方にインターポーザー441を実装し、もう一方に端子442を形成することでインターポーザー441による電気的接続が可能になる。ここでインターポーザーとは、上記端子に挿入するだけで電気的接続を可能にするソケットを指す。この場合インターポーザー441に端子442を保持させる構造を持たせることで機械的接続を取ることも可能である。このため、板金シールド131、132を機械的接続のために使用しなくてもよくなり、部品点数の削減が可能となる。
【0068】
また、図30に示すように、インターポーザー441の厚み(高さ)S5を変更し、受動部品114、115の部品高さS2、S3よりも高くすることも可能である。この場合も、図28の場合と同様、インターポーザー441と第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102とで形成される空間に、実施の形態1〜3のキャビティ部151、152と同様、受動部品114、115を収納することができる。これ以降、この収納空間にキャビティ部151、152と同様の符号151、152を付すものとする。
【0069】
このような構成では、第1のプリント配線板101を、キャビティ部151、152を有する構造にする必要がなく、第2のプリント配線板102と同様の平坦な形状をしたプリント基板とすることが可能である。その結果、キャビティ部151、152を形成する工程を削減することができ、工数及び製造コストの削減が可能となる。
【0070】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものでなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した実施の形態では、第1のプリント配線板101と第2のプリント配線板102との間に配置される部品が受動部品であったが、これに限定されず、能動部品であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
100、200、300、400 部品内蔵基板
101 第1のプリント配線板
102 第2のプリント配線板
111〜118 受動部品
121、122 能動部品
131、132、331、332 板金シールド
141、142、440 接続部
441 インターポーザー
151、152 キャビティ部
160、361、362 筐体
170、270 固定部
【0072】
(付記1)電子部品を内蔵する部品内蔵基板であって、第1のプリント基板と、前記第1のプリント基板の第1の面に対して、第1の面で対向する第2のプリント基板と、前記第1のプリント基板の第1の面もしくは前記第2のプリント基板の第1の面に実装され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面との間の収納空間に収納される電子部品と、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面と間で配置され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面とを電気的に接続する接続部と、を有し、前記接続部は、前記第1のプリント基板と前記第2のプリント基板とが着脱自在である部品内蔵基板。
【0073】
(付記2)前記接続部は、前記第1のプリント基板の第1の面に形成される第1の電気接続手段と、前記第2のプリント基板の第1の面に形成される第2の電気接続手段とを有し、前記第1、第2の電気接続手段は、それぞれバンプもしくは前記バンプに対応するスパイラルコンタクトである付記1に記載の部品内蔵基板。
【0074】
(付記3)前記接続部は、前記第1のプリント基板の第1の面、もしくは、前記第2のプリント基板の第1の面に接続されるドットコネクタである付記1に記載の部品内蔵基板。
【0075】
(付記4)前記接続部は、前記第1のプリント基板の第1の面に形成される第1の電気接続手段と、前記第2のプリント基板の第2の面に形成される第2の電気接続手段とを有し、前記第1、第2の電気接続手段は、それぞれ面上に形成される端子もしくは前記端子に機械的に接続されるインターポーザーである付記1に記載の部品内蔵基板。
【0076】
(付記5)前記接続部を介して、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面とを押圧させる固定手段を有する付記1〜付記3のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【0077】
(付記6)前記固定部は、前記第1のプリント基板と、前記第2のプリント基板とを連結する連結手段を有する付記5に記載の部品内蔵基板。
【0078】
(付記7)前記第1のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第1の板金シールドと、前記第2のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第2の板金シールドと、を有し、前記固定部は、前記第1の板金シールドと、前記第2の板金シールドとを連結する連結手段を有する付記5に記載の部品内蔵基板。
【0079】
(付記8)当該部品内蔵基板を保持する筐体と、前記連結手段で連結される付記6または付記7に記載の部品内蔵基板。
【0080】
(付記9)前記第1のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第1の板金シールドと、前記第2のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第2の板金シールドと、を有し、前記第1の板金シールドもしくは前記第2の板金シールドの一方が、他方の板金シールドに固定される固定手段を有し、前記固定手段により前記第1、第2の板金シールドが固定された場合、前記接続部を介して、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面とを押圧される付記1〜付記3のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【0081】
(付記10)前記第1のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第1の板金シールドと、前記第2のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第2の板金シールドと、を有し、前記第1の板金シールドもしくは前記第2の板金シールドの一方が、当該部品内蔵基板を保持する筐体と固定される固定手段を有し、前記第1の板金シールドもしくは前記第2の板金シールドの他方が、一方の板金シールドと前記筐体との間に配置され、前記固定手段により前記第1の板金シールドもしくは前記第2の板金シールドの一方と前記筐体が固定された場合、前記接続部を介して、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面とを押圧される付記1〜付記3のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【0082】
(付記11)前記第1のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第1の板金シールドと、前記第2のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第2の板金シールドと、を有し、前記第1、第2の板金シールドが、当該部品内蔵基板を保持する第1、第2の筐体で挟まれることで、前記接続部を介して、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面とを押圧される付記1〜付記3のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【0083】
(付記12)前記第1のプリント基板が、第1の面にキャビティ部を有し、前記キャビティ部が、前記収納空間を構成する付記1〜付記4のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【0084】
(付記13)前記接続部の高さが、前記電子部品の高さよりも大きく、前記接続部と前記第1、第2のプリント基板とで前記収納空間を構成する付記1、付記3、付記4のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【0085】
(付記14)電子部品を内蔵する部品内蔵基板の製造方法であって、第1のプリント基板の第1の面、もしくは、第2のプリント基板の第1の面に電子部品を実装し、対向する前記第1のプリント基板の第1の面と第2のプリント基板の第1の面とを電気的に接続する着脱自在な接続部を介して、前記第1のプリント基板の第1の面と第2のプリント基板の第1の面とを押圧する部品内蔵基板の製造方法。
【0086】
(付記15)前記第1のプリント基板の第1の面にキャビティ部を形成し、前記キャビティ部が構成する収納空間に前記電子部品を収納する付記14に記載の部品内蔵基板の製造方法。
【0087】
(付記16)前記第1のプリント基板の第1の面、もしくは、第2のプリント基板の第1の面に前記電子部品の高さよりも大きい前記接続部を接続し、前記接続部と前記第1、第2のプリント基板とで構成する収納空間に前記電子部品を収納する付記14に記載の部品内蔵基板の製造方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を内蔵する部品内蔵基板であって、
第1のプリント基板と、
前記第1のプリント基板の第1の面に対して、第1の面で対向する第2のプリント基板と、
前記第1のプリント基板の第1の面もしくは前記第2のプリント基板の第1の面に実装され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面との間の収納空間に収納される電子部品と、
前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面と間で配置され、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第2の面とを電気的に接続する接続部と、を有し、
前記接続部は、前記第1のプリント基板と前記第2のプリント基板とが着脱自在である
部品内蔵基板。
【請求項2】
前記接続部は、前記第1のプリント基板の第1の面に形成される第1の電気接続手段と、前記第2のプリント基板の第1の面に形成される第2の電気接続手段とを有し、
前記第1、第2の電気接続手段は、それぞれバンプもしくは前記バンプに対応するスパイラルコンタクトである
請求項1に記載の部品内蔵基板。
【請求項3】
前記接続部は、前記第1のプリント基板の第1の面、もしくは、前記第2のプリント基板の第1の面に接続されるドットコネクタである
請求項1に記載の部品内蔵基板。
【請求項4】
前記接続部は、前記第1のプリント基板の第1の面に形成される第1の電気接続手段と、前記第2のプリント基板の第2の面に形成される第2の電気接続手段とを有し、
前記第1、第2の電気接続手段は、それぞれ面上に形成される端子もしくは前記端子に機械的に接続されるインターポーザーである
請求項1に記載の部品内蔵基板。
【請求項5】
前記接続部を介して、前記第1のプリント基板の第1の面と前記第2のプリント基板の第1の面とを押圧させる固定手段を有する
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【請求項6】
前記固定部は、前記第1のプリント基板と、前記第2のプリント基板とを連結する連結手段を有する
請求項5に記載の部品内蔵基板。
【請求項7】
前記第1のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第1の板金シールドと、前記第2のプリント基板の第1の面と反対の第2の面をカバーする第2の板金シールドと、を有し、
前記固定部は、前記第1の板金シールドと、前記第2の板金シールドとを連結する連結手段を有する
請求項5に記載の部品内蔵基板。
【請求項8】
当該部品内蔵基板を保持する筐体と、前記連結手段で連結される
請求項6または請求項7に記載の部品内蔵基板。
【請求項9】
前記第1のプリント基板が、第1の面にキャビティ部を有し、
前記キャビティ部が、前記収納空間を構成する
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。
【請求項10】
前記接続部の高さが、前記電子部品の高さよりも大きく、
前記接続部と前記第1、第2のプリント基板とで前記収納空間を構成する
請求項1、請求項3、請求項4のいずれか1項に記載の部品内蔵基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−169437(P2012−169437A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28782(P2011−28782)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】