説明

部品内蔵基板

【課題】マザー基板から伝わる応力を分散し、マザー基板との接続性に優れた部品内蔵基板を提供する。
【解決手段】本発明の部品内蔵基板20の樹脂層12は、コア基板6と固着している面とは反対側の面に凹部16が形成されている。マザー基板から部品内蔵基板20に応力が伝わった場合、樹脂層12に凹部16が形成されているため、部品内蔵基板20が撓みやすくなり、応力を分散させることが可能となる。その結果、マザー基板と接続している外部端子11に係る応力が小さくなり、マザー基板と部品内蔵基板20の接合性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂にて電子部品が封止されている部品内蔵基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の部品内蔵基板として、例えば特許文献1に記載の部品内蔵基板が知られている。以下に図14を参照しながら、特許文献1に記載の部品内蔵基板について説明する。図14は部品内蔵基板の製造方法を示す断面図である。
【0003】
この部品内蔵基板200は、複数のセラミック層からなるセラミック多層基板101と、このセラミック多層基板101の下面に固着された樹脂層106と、セラミック多層基板101の上面に固着された樹脂層110で構成されている。
【0004】
セラミック多層基板101は、複数のセラミック層を、内部電極102を介して積層するとともに、セラミック層を厚み方向に貫通するビア導体103が設けられている。セラミック多層基板101の表裏面には、素子実装用のパッド電極104が形成されており、このパッド電極104には回路素子109が実装されている。
【0005】
セラミック多層基板101の下面側に実装された回路素子109は、前述の樹脂層106で覆われており、この樹脂層106の下面には、複数の外部端子電極107が形成されている。この外部端子電極107と、セラミック多層基板101の下面に形成された接続電極105は、樹脂層106を厚み方向に貫通するビア導体108を介して導通している。(図14)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開2005−071745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この部品内蔵基板200を別のマザー基板に実装して使用する際、例えば落下等の衝撃によりマザー基板が変形すると、マザー基板から外部端子電極107を通じて部品内蔵基板200に応力が伝わる。部品内蔵基板200に伝わった応力は逃げ場がないため、樹脂層106の下面に形成された外部端子電極107に応力が集中し、外部端子電極107とマザー基板間の接続不良を引き起こす可能性がある。
【0008】
本発明はこれらの状況を鑑み、マザー基板に接続する側の樹脂層に凹部を形成し、外部端子電極への応力集中を緩和することで、マザー基板との接続性に優れた部品内蔵基板を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る部品内蔵基板は、導体パターンが形成されたコア基板と、前記コア基板の少なくとも一方主面に実装された電子部品と、前記電子部品を覆うように前記コア基板の少なくとも一方主面に配置された樹脂層と、前記樹脂層に形成され、前記導体パターンに接続された外部端子とを備える部品内蔵基板において、前記外部端子が形成された前記樹脂層には、前記コア基板と固着している面と反対側の面に凹部が形成されていることを特徴としている。
【0010】
部品内蔵基板をマザー基板に実装して使用する際、落下等の衝撃によりマザー基板が変形し、それによって発生した応力が部品内蔵基板に伝わっても、樹脂層に凹部が形成されているため部品内蔵基板が撓みやすくなり、応力を分散させることが可能となる。その結果、マザー基板と部品内蔵基板を繋いでいる外部端子にかかる応力が小さくなり、マザー基板と部品内蔵基板間の接続性が向上する。
【0011】
また、本発明に係る部品内蔵基板は、好ましくは、前記凹部は、前記樹脂層のコア基板と固着している面と反対側の面の中央領域の少なくとも一部を含む領域に形成されているようにしたものである。
【0012】
この場合、部品内蔵基板に伝わる応力をさらに分散させることが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る部品内蔵基板は、好ましくは、前記凹部は、該凹部で規定される空間が前記樹脂層の周縁部側よりも中央部に近い領域になるほど大きくなるようにしたものである。
【0014】
この場合、部品内蔵基板に伝わる応力をさらに分散させることが可能となる。
【0015】
また、本発明に係る部品内蔵基板は、好ましくは、前記凹部は複数形成されており、かつ前記樹脂層の周縁部側よりも中央部に近い領域になるほど凹部の数が多くなるようにしたものである。
【0016】
この場合、部品内蔵基板に伝わる応力をさらに分散させることが可能となる。
【0017】
また、本発明に係る部品内蔵基板は、好ましくは、前記凹部は複数形成されており、かつ前記樹脂層の周縁部側よりも中央部に近い領域になるほど凹部の深さが深くなるようにしたものである。
【0018】
この場合、部品内蔵基板に伝わる応力をさらに分散させることが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、部品内蔵基板をマザー基板に実装して使用する際、落下等の衝撃によりマザー基板が変形し、それによって発生した応力が部品内蔵基板に伝わっても、樹脂層に凹部が形成されているため部品内蔵基板が撓みやすくなり、応力を分散させることが可能となる。その結果、マザー基板と部品内蔵基板を繋いでいる外部端子にかかる応力が小さくなり、マザー基板と部品内蔵基板間の接続性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態に係る部品内蔵基板の断面図である。
【図2】第1の実施形態に係る部品内蔵基板の裏面図である。
【図3】第1の実施形態に係る部品内蔵基板の製造工程を示す断面図である。
【図4】図3に続く製造工程を示す断面図である。
【図5】図4に続く製造工程を示す断面図である。
【図6】第1の実施形態の変形例に係る部品内蔵基板の断面図である。
【図7】第1の実施形態の変形例に係る部品内蔵基板の裏面図である。
【図8】第2の実施形態に係る部品内蔵基板の断面図である。
【図9】第2の実施形態に係る部品内蔵基板の裏面図である。
【図10】第2の実施形態の第1の変形例に係る部品内蔵基板の断面図である。
【図11】第2の実施形態の第1の変形例に係る部品内蔵基板の裏面図である。
【図12】第2の実施形態の第2の変形例に係る部品内蔵基板の断面図である。
【図13】第2の実施形態の第2の変形例に係る部品内蔵基板の裏面図である。
【図14】従来の部品内蔵基板の断面状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態に係る部品内蔵基板について、図1〜図13を参照して説明する。なお、図1〜図2、図6〜図13は、単一の部品内蔵基板を図示している。図3〜図5は、親基板状態のものの一部を示した図である。
【0022】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について、図1及び図2を参照して説明する。
【0023】
部品内蔵基板20は、コア基板6と、コア基板6の表裏面に配置された樹脂層9及び樹脂層12を備えて構成されている。
【0024】
コア基板6は、内部電極2やビア導体3が形成された複数のセラミックグリーンシート1が積層されて構成されている。コア基板6の表裏面には、後述のIC7やコンデンサ10を実装するための複数のパッド電極5が形成されている。このパッド電極5は、内部導体2と適宜接続している。
【0025】
なお、ここではセラミック多層基板からなるコア基板6を例示したが、コア基板6にはガラスエポキシやポリマー材料を用いた樹脂多層基板を使用しても構わない。また、アルミナなどのセラミック、樹脂あるいはガラスなどからなる単層基板を使用しても構わない。
【0026】
コア基板6の表面に配置された樹脂層9には、IC7が埋設されている。IC7は、バンプ8によってパッド電極5に接続されている。
【0027】
コア基板6の裏面に配置された樹脂層12には、コンデンサ10が埋設されている。コンデンサ10は、はんだによりパッド電極5に接続されている。(図面では、はんだを省略)。
【0028】
コア基板6の裏面に形成されたパッド電極5には、コンデンサ10の他に外部端子11も接続されている。外部端子11は、その大部分を樹脂層12で覆われているが、外部端子11の先端部分は樹脂で覆われておらず、樹脂層12から露出している。部品内蔵基板20をマザー基板に実装する際、この外部端子11がマザー基板と接続することになる。
【0029】
なお、外部端子11の先端部分は、その露出面にAuなどのメッキ膜を形成したり、樹脂層12の表面に形成した端子電極と接続しても構わない。
【0030】
樹脂層12は、コア基板6と固着している面とは反対側の面に凹部16が形成されている。この凹部16は、樹脂層12の中央部を含んだ領域で、かつ外部端子11より内側に形成されている。そして、凹部16は、樹脂層12の中央部に近い領域になるほど空間が大きくなっている。この空間とは、凹部が形成されていない状態での樹脂層12の表面と、凹部の底面で囲まれた領域である。つまり、樹脂層12の中央部に近い領域になるほど樹脂層12の厚みが薄く、樹脂層12の周縁部側に近くなるほど樹脂層12の厚みが厚くなっている。
【0031】
部品内蔵基板20をマザー基板に実装して使用する際、落下等の衝撃によりマザー基板が変形し、それによって発生した応力が部品内蔵基板20に伝わっても、樹脂層12に凹部16が形成されているため、部品内蔵基板20が撓みやすくなる。すると、マザー基板から部品内蔵基板20に伝わってきた応力を分散させることが可能となる。その結果、マザー基板と接続している外部端子11に係る応力が小さくなり、マザー基板と外部端子11の接合性が向上する。(図1)。
【0032】
部品内蔵基板20を裏面から見ると、樹脂層12の中央部に円形状の凹部16が形成されており、凹部16の周囲に外部端子11が形成されている。(図2)。
【0033】
次に、第1の実施形態に係る部品内蔵基板20の製造工程を、図3〜図5を参照して説明する。
【0034】
まず、表面に内部電極2、パッド電極5やビア導体3が形成されたセラミックグリーンシート1を用意する。このセラミックグリーンシート1を所定枚数積層し、圧着して積層体4を形成し、焼成する。
【0035】
次に、後の工程でIC7やコンデンサ10を実装するために形成した積層体4の表面及び裏面のパッド電極5に、Ni/Auなどのメッキ膜を形成する。これにより、積層体4はコア基板6となる。
【0036】
次に、コア基板6の表面に形成されたパッド電極5に、IC7をはんだやAuなどのバンプ8で接合する。
【0037】
なお、コア基板6は、セラミックではなく樹脂を用いてもよい。また、多層基板ではなく、単層基板とすることも可能である。(図3(a))。
【0038】
次に、コア基板6の表面に実装されたIC7を覆うよう、熱硬化性の液状エポキシ樹脂を塗布する。液状エポキシ樹脂には、Al23、SiO2、TiO2など無機フィラーが混合されている。その後、150℃で2時間程度、熱硬化させる。これにより、樹脂層9が形成される。なお、ここでは熱硬化性樹脂を例示したが、熱可塑性樹脂を用いることも可能である。また、エポキシ樹脂以外にも、フェノール樹脂、シアネート樹脂などを用いてもよい。
【0039】
次に、コア基板6の裏面に形成されたパッド電極5に、コンデンサ10をはんだ接合する。同様に、ピン端子等の外部端子11をパッド電極5にはんだ接合する。なお、ピン端子は金属製でもよく、また、樹脂などの絶縁性部材の表面に金属膜を形成したものでもよい。(図3(b))。
【0040】
次に、熱硬化性の液状エポキシ樹脂14が入った槽13を用意する。液状エポキシ樹脂14には、Al23、SiO2、TiO2など無機フィラーが混合されている。なお、ここでは熱硬化性樹脂を例示したが、熱可塑性樹脂を用いることも可能である。また、エポキシ樹脂以外にも、フェノール樹脂、シアネート樹脂などを用いてもよい。槽13は、樹脂層12に凹部が形成されるよう、底が山型に盛り上がっている。(図4(c))。
【0041】
次に、コア基板6の表面にPETフィルム15を配置する。次に、コア基板6を槽13に入れ、コア基板6の裏面に実装されたコンデンサ10と外部端子11を、槽13に入った液状エポキシ樹脂14に浸漬させる。そして、150℃で2時間程度、加熱、加圧しながら熱硬化させる。これにより、液状エポキシ樹脂14は、樹脂層12となり、コンデンサ10と外部端子11が埋設された状態となる。(図4(d))。
【0042】
次に、槽13から熱硬化により樹脂層12が固着したコア基板6を取り出す。外部端子11の表面を樹脂層12が覆っている場合は、樹脂層12の表面を研磨し、外部端子11の先端部分を樹脂層12から露出させる。熱硬化された樹脂層12には、コア基板6と固着している面とは反対側の面に、凹部16が形成されている。(図5(e))。
【0043】
なお、この後、ブレーク法やダイサーによるカット法等で個片に分割することで、単一の部品内蔵基板となる。
【0044】
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について、図6及び図7を参照して説明する。ここでは第1の実施形態で説明した部品内蔵基板20との相違点のみ説明する。
【0045】
部品内蔵基板30は、部品内蔵基板20と同様、コア基板6と、コア基板6の表裏面に配置された樹脂層9及び樹脂層12を備えて構成されている。
【0046】
部品内蔵基板30の裏面に配置されている樹脂層12は、コア基板6と固着している面とは反対側の面に凹部16Aが形成されている。この凹部16Aは、樹脂層12の中央部を含んだ領域で、かつ外部端子11より内側に形成されている。凹部16Aの底は均等に平になっており、凹部16Aの深さはどの部分も同じである。つまり、凹部16Aが形成されている部分の樹脂層12の厚みは均等である。
【0047】
部品内蔵基板30の製造方法は、部品内蔵基板20の製造方法と同じである。ただし、槽の底部分の形状は、所望の凹部16Aの形状、つまり凹部の底が均等に平となるように盛り上げておく必要がある。(図6)。
【0048】
部品内蔵基板30を裏面から見ると、樹脂層12の中央部に円形状の凹部16Aが形成されており、凹部16Aの周囲に外部端子11が形成されている。(図7)。
【0049】
なお、部品内蔵基板30を裏面から見た場合、凹部16Aの形状は、円形に限定されるものではなく、四角形や楕円形など、どのような形状でも構わない。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。ここでは第1の実施形態で説明した部品内蔵基板20との相違点のみ説明する。
【0051】
部品内蔵基板40は、部品内蔵基板20と同様、コア基板6と、コア基板6の表裏面に配置された樹脂層9及び樹脂層12を備えて構成されている。
【0052】
部品内蔵基板40の裏面に配置されている樹脂層12は、コア基板6と固着している面とは反対側の面に凹部17が形成されている。凹部17は、小孔形状で、樹脂層12の中央部に近い領域になるほど凹部17の数が多くなっている。つまり、樹脂層12の中央部に近い領域になるほど樹脂層12の樹脂量は少なくなり、樹脂層12の周縁部側に近くなるほど樹脂層12の樹脂量は多くなっている。
【0053】
樹脂層12の中央部に近い領域になるほど凹部17の数が多くなっているため、マザー基板から応力が伝わってきたとき、部品内蔵基板40が撓みやすくなる。すると、部品内蔵基板40に伝わってきた応力を分散させることが可能となる。その結果、マザー基板と接続している外部端子11に係る応力が小さくなり、マザー基板と外部端子11の接合強度の向上が可能となる。
【0054】
次に、第2の実施形態に係る部品内蔵基板40の製造工程を説明する。ここでは第1の実施形態で説明した部品内蔵基板20の製造工程との相違点のみ説明する。
【0055】
第1の実施形態に係る部品内蔵基板20の樹脂層12は、図4(d)に示すように、槽13に入った液状エポキシ樹脂14の中にコア基板6に実装されたコンデンサ10及び外部端子11を浸漬させ、熱硬化させるというものである。一方、第2の実施形態に係る部品内蔵基板40の樹脂層12は、樹脂層9と同様、熱硬化性の液状エポキシ樹脂を塗布し、熱硬化させて形成する。
【0056】
樹脂層12の形成後、樹脂層12をレーザーで削り、凹部17を形成する。凹部17は、樹脂層12の中央部に近い領域になるほど間隔が狭く配置されている。つまり、樹脂層12の中央部に近い領域になるほど凹部17の数が多く、応力が分散しやすい構造となっている。(図8)。
【0057】
部品内蔵基板40を裏面から見ると、樹脂層12に円形状の凹部17が複数形成されており、凹部17の周囲に外部端子11が形成されている。樹脂層12の中央部に近い領域になるほど凹部17の間隔が狭く、樹脂層12の周縁部側に近くなるほど凹部17の間隔が広くなっている。(図9)。
【0058】
(第2の実施形態の変形例1)
次に、第2の実施形態の変形例1について、図10及び図11を参照して説明する。ここでは第2の実施形態で説明した部品内蔵基板40との相違点のみ説明する。
【0059】
部品内蔵基板50は、部品内蔵基板40と同様、コア基板6と、コア基板6の表裏面に配置された樹脂層9及び樹脂層12を備えて構成されている。
【0060】
部品内蔵基板50の裏面に配置されている樹脂層12は、コア基板6と固着している面とは反対側の面に凹部17Aが形成されている。凹部17Aは、小孔形状で、ほぼ均等な間隔で形成されている。樹脂層12の中央部に近い領域になるほど凹部17Aの深さは深くなっており、応力が分散されやすい構造となっている。
【0061】
なお、部品内蔵基板50の製造方法は、第2の実施形態で説明した部品内蔵基板40の製造方法と同じである。凹部17Aの間隔や深さは適宜調整する。(図10)。
【0062】
なお、樹脂層12の中央部に近い領域になるほど、凹部17Aの数を増やしてもよい。
【0063】
部品内蔵基板50を裏面から見ると、樹脂層12に円形状の凹部17Aが複数形成されており、複数の凹部17Aの周囲に外部端子11が形成されている。凹部17Aはほぼ均等な間隔で形成されている。(図11)。
【0064】
(第2の実施形態の変形例2)
次に、第2の実施形態の変形例2について、図12及び図13を参照して説明する。ここでは第2の実施形態で説明した部品内蔵基板40との相違点のみ説明する。
【0065】
部品内蔵基板60は、部品内蔵基板40と同様、コア基板6と、コア基板6の表裏面に配置された樹脂層9及び樹脂層12を備えて構成されている。
【0066】
部品内蔵基板60の裏面に配置されている樹脂層12は、コア基板6と固着している面とは反対側の面に凹部17Bが形成されている。樹脂層12の中央部に近い領域に形成された凹部17Bは、入口が広く、底に近くなるほど狭い構造となっている。樹脂層12の周縁部側に近い領域に形成された凹部17Bは、小孔形状となっている。樹脂層12の中央部に近い領域に形成された凹部17Bの空間が大きくなっているため、応力が分散されやすい。
【0067】
なお、部品内蔵基板60の製造方法は、第2の実施形態で説明した部品内蔵基板40の製造方法と同じである。レーザーで樹脂層12を削る際は、所望の凹部17Bの形状となるよう適宜調整する。(図12)。
【0068】
部品内蔵基板60を裏面から見ると、樹脂層12に円形状の凹部17Bが複数形成されており、複数の凹部17Bの周囲に外部端子11が形成されている。樹脂層12の中央部に近い領域になるほど凹部17Bの面積は大きくなり、樹脂層12の周縁部側に近くなるほど凹部17Bの面積は小さくなる。凹部17Bはほぼ均等な間隔で形成されている。(図13)。
【0069】
なお、凹部の形成は、前述の方法以外に、ダイサーを使用しても構わない。その場合、外部端子11の間を通り、樹脂層12の端から端まで溝が形成されることになる。
【0070】
また、外部端子11は、樹脂層12に形成したビアホールに、AgやCuなどの導電性ペーストを充填して形成したビア電極でも構わない。
【符号の説明】
【0071】
1:セラミックグリーンシート
2:内部電極
3:ビア導体
4:積層体
5:パッド電極
6:コア基板
7:IC
8:バンプ
9:樹脂層
10:コンデンサ
11:外部端子
12:樹脂層
13:槽
14:液状エポキシ樹脂
15:PETフィルム
16、16A、17、17A、17B:凹部
20、30、40、50、60、200:部品内蔵基板
101:セラミック多層基板
102:内部電極
103:ビア導体
104:パッド電極
105:接続電極
106:樹脂層
107:外部端子電極
108:ビア導体
109:回路素子
110:樹脂層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体パターンが形成されたコア基板と、
前記コア基板の少なくとも一方主面に実装された電子部品と、
前記電子部品を覆うように前記コア基板の少なくとも一方主面に配置された樹脂層と、
前記樹脂層に形成され、前記導体パターンに接続された外部端子と、を備える部品内蔵基板において、
前記外部端子が形成された前記樹脂層には、前記コア基板と固着している面と反対側の面に凹部が形成されていることを特徴とする部品内蔵基板。
【請求項2】
前記凹部は、前記樹脂層のコア基板と固着している面と反対側の面の中央領域の少なくとも一部を含む領域に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の部品内蔵基板。
【請求項3】
前記凹部は、該凹部で規定される空間が前記樹脂層の周縁部側よりも中央部に近い領域になるほど大きいことを特徴とする、請求項2に記載の部品内蔵基板。
【請求項4】
前記凹部は複数形成されており、かつ前記樹脂層の周縁部側よりも中央部に近い領域になるほど凹部の数が多いことを特徴とする、請求項2に記載の部品内蔵基板。
【請求項5】
前記凹部は複数形成されており、かつ前記樹脂層の周縁部側よりも中央部に近い領域になるほど凹部の深さが深いことを特徴とする、請求項2に記載の部品内蔵基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−74049(P2013−74049A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211163(P2011−211163)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】