説明

部品実装装置及び部品実装方法

【課題】装着ヘッド内の機構を簡単化して装着ヘッドが大型化することを防止することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板3の位置決めを行う搬送コンベア2と、部品4の供給を行うトレイフィーダ5と、2列に配置された第1の昇降軸9及び第2の昇降軸10を有し、第1の昇降軸9にはトレイフィーダ5より供給される部品4をピックアップして搬送コンベア2により位置決めされた基板3に装着する吸着ノズル11が取り付けられ、第2の昇降軸10には、吸着ノズル11の下端側へ延び、吸着ノズル11の直下に位置した部品4を挟持して吸着ノズル11が吸着しようとする部品4の位置規正を行う開閉アーム23が取り付けられた装着ヘッド7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品供給部より供給される部品を装着ヘッドによりピックアップして基板位置決め部に位置決めされた基板に装着する部品実装装置及び部品実装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置は、トレイフィーダ等の部品供給部より供給される部品を装着ヘッドによりピックアップして基板位置決め部に位置決めされた基板に装着する。装着ヘッドは下方に延びて設けられた昇降軸の下端に吸着ノズルを備えており、吸着ノズルは真空吸着によって部品をピックアップする。
【0003】
このような部品実装装置では、装着ヘッドによってピックアップした部品の吸着ノズルに対するずれ量が低減されるようにするため、吸着ノズルが部品供給部より供給される部品を吸着する前に部品の位置規正を行う場合がある。このような部品の位置規正は、部品供給部から吸着した部品を部品供給部とは別の位置規正専用のテーブルに移し、テーブル上に設けられた位置規正具に部品を押し当てるなどして行うが、吸着ノズルを挟んで吸着ノズルと平行に下方に延びて設けられた開閉アームを開閉し、吸着ノズルを部品の上方に位置させた状態で部品を開閉アームによって挟持することにより、吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1)。このような開閉アームを備えたものでは、吸着ノズルの直下で部品の位置規正を行うことができるので、部品を一旦テーブルに移す場合よりも基板への部品装着に要する時間を短縮することができ、実装基板の生産性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4079511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、開閉アームが吸着ノズルと平行に下方に延びるため、開閉アームの開閉機構は吸着ノズルの昇降機構とともに吸着ノズルの昇降軸上に設ける必要があり、装着ヘッド内の機構が複雑になるうえ、装着ヘッド全体が大型化してしまうという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、装着ヘッド内の機構を簡単化して装着ヘッドが大型化することを防止することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の部品実装装置は、基板の位置決めを行う基板位置決め部と、部品の供給を行う部品供給部と、2列に配置された第1の昇降軸及び第2の昇降軸を有し、第1の昇降軸には部品供給部より供給される部品をピックアップして基板位置決め部により位置決めされた基板に装着する吸着ノズルが取り付けられ、第2の昇降軸には、吸着ノズルの下端側へ延び、吸着ノズルの直下に位置した部品を挟持して吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行う開閉アームが取り付けられた装着ヘッドとを備えた。
【0008】
請求項2に記載の部品実装方法は、基板の位置決めを行う基板位置決め部と、部品の供給を行う部品供給部と、2列に配置された第1の昇降軸及び第2の昇降軸を有し、第1の昇降軸には部品供給部より供給される部品をピックアップして基板位置決め部により位置決めされた基板に装着する吸着ノズルが取り付けられ、第2の昇降軸には、吸着ノズルの下端側へ延び、吸着ノズルの直下に位置した部品を挟持して吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行う開閉アームが取り付けられた装着ヘッドとを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、開閉アームにより吸着ノズルの直下に位置した部品を挟持して吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行う工程と、位置規正を行った部品を吸着ノズルにより吸着する工程と、吸着ノズルにより吸着した部品を基板位置決め部により位置決めした基板に装着する工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、部品のピックアップ及び基板への装着を行う吸着ノズルと、吸着ノズルの直下に位置した部品を挟持して吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行う開閉アームとはそれぞれ異なる昇降軸(第1の昇降軸と第2の昇降軸)に取り付けられており、開閉アームの開閉機構を吸着ノズルが取り付けられる昇降軸(第1の昇降軸)上に設ける必要がないので、装着ヘッド内の機構を簡単化して装着ヘッドが大型化することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態における部品実装装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える装着ヘッドの(a)正面図(b)側面図
【図3】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える装着ヘッドの部分斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える装着ヘッドの駆動系統を示す図
【図5】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える装着ヘッドの開閉アームの開閉動作の説明図
【図6】(a)(b)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える装着ヘッドの側面図
【図7】(a)(b)(c)(d)(e)(f)本発明の一実施の形態における部品実装装置が備える装着ヘッドにより部品を基板に装着するときの吸着ノズル及び開閉アームの動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して発明の実施の形態について説明する。図1に示す部品実装装置1は、搬送コンベア2による基板3の搬入及び位置決め、位置決めした基板3への部品(電子部品)4の装着及び搬送コンベア2による基板3の搬出から成る一連の動作を繰り返し実行する装置である。本実施の形態では説明の便宜上、搬送コンベア2による基板3の搬送方向(図1中、矢印Aの向く方向)をX軸方向、X軸方向と直交する水平面内方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。また、Y軸方向を部品実装装置1の前後方向(図1の紙面左下方向を前方、紙面右上方向を後方)とする。
【0012】
図1において、部品実装装置1は基板3の位置決めを行う基板位置決め部としての上記搬送コンベア2のほか、部品4が載置されたトレイ5aを所定の位置に位置決めすることによって部品4の供給を行う部品供給部としてのトレイフィーダ5、直交座標型のヘッド移動ロボット6によって三次元的に移動される装着ヘッド7及び各部の作動制御を行う制御装置8を備えている。搬送コンベア2による基板3の搬送及び位置決め動作、トレイフィーダ5によるトレイ5aの位置決め動作及びヘッド移動ロボット6による装着ヘッド7の移動動作は制御装置8によってなされる。
【0013】
図1及び図2において、装着ヘッド7は、X軸方向に並んで下方に平行に延びて設けられた複数(例えば4本とする)の第1の昇降軸9と、同じくX軸方向に並んで下方に平行に延びて設けられた複数(同じく4本)の第2の昇降軸10を備えている。ここで、第1の昇降軸9は装着ヘッド7の前側(前列)に位置し、第2の昇降軸10は装着ヘッド7の後側(後列)に位置している。第1の昇降軸9と第2の昇降軸10は対応するもの同士が前後方向に位置しており、複数の第1の昇降軸9と複数の第2の昇降軸10とは装着ヘッド7の前後方向にオフセットして並んだ状態となっている。
【0014】
図2及び図3において、装着ヘッド7が備える第1の昇降軸9の下端には吸着ノズル11が取り付けられており、第2の昇降軸10の下端には位置規正ユニット12取り付けられている。位置規正ユニット12は、第2の昇降軸10の下端に装着されたベース部21と、ベース部21の下端にヒンジ22を介して開閉自在に設けられた開閉アーム23と、一対の開閉アーム23の上方に設けられて開閉アーム23を開閉させる開閉アーム操作シリンダ24と、開閉アーム23を閉じる方向に付勢するばね部材25を備えて成る。
【0015】
図3において、ベース部21は水平な水平部21aと、水平部21aのX軸方向の両端部から下方に延出して延びた一対の垂直部21bとを備えた門型形状を有して成る。
【0016】
図3において、開閉アーム23はX軸方向に対向して設けられた一対のアーム部材31から成り、各アーム部材31は、X軸方向から見てL字状に形成されたL字状部31a、L字状部31aの上端からX軸方向に張り出して延びた操作部31b及びL字状部31aの前方に延びた先端部からX軸方向に張り出して延びた接触部31cを有し、L字状部31aの上端と操作部31bの境目の部分が上記のヒンジ22によってベース部21の垂直部21bの下端に連結されている。
【0017】
図3において、開閉アーム操作シリンダ24はピストンロッド24aを下方に向けてベース部21の水平部21aに取り付けられており、ピストンロッド24aを上方に後退させた状態ではピストンロッド24aの下端は両アーム部材31の操作部31bの間の直上に位置する。
【0018】
図4において、第1の昇降軸9と第2の昇降軸10は同一の構成であって、ともに第1リターンスプリングSP1によって装着ヘッド7に対して上動方向に付勢されている。第1の昇降軸9の直上には第1の昇降軸9と同軸の第1の押圧部材32が昇降自在に設けられており、第2の昇降軸10の直上には第2の昇降軸10と同軸の第2の押圧部材33が昇降自在に設けられている。第1の押圧部材32と第2の押圧部材33はそれぞれ第2リターンスプリングSP2を介して第1の昇降軸9、第2の昇降軸10と当接している。
【0019】
図4において、制御装置8が第1の昇降軸駆動シリンダ41を作動させて第1の押圧部材32を下動させると、第1の押圧部材32は第1リターンスプリングSP1の付勢力に抗して第1の昇降軸9を下動させる。また、制御装置8が第2の昇降軸駆動シリンダ42を作動させて第2の押圧部材33を下動させると、第2の押圧部材33は第1リターンスプリングSP1の付勢力に抗して第2の昇降軸10を下動させる。
【0020】
このように第1の昇降軸9及び第2の昇降軸10はそれぞれ第1の押圧部材32及び第2の押圧部材33を介して制御装置8によって下動されるが、第1の昇降軸9と第1の押圧部材32との間及び第2の昇降軸10と第2の押圧部材33との間にはそれぞれ第2リターンスプリングSP2が介装されているので、第1の昇降軸9の下動中(或いは装着ヘッド7の下動中)に吸着ノズル11の下端が何物かに当接して第1の昇降軸9が上方への押圧力を受けた場合や、第2の昇降軸10の下動中(或いは装着ヘッド7の下動中)に位置規正ユニット12が何物かに当接して第2の昇降軸10が上方への押圧力を受けた場合には、第1の昇降軸9及び第2の昇降軸10の下動が規正される一方でその押圧力が第2リターンスプリングSP2によって吸収され、第1の昇降軸9(吸着ノズル11)及び第2の昇降軸10(位置規正ユニット12)が上記押圧力によって大きな衝撃を受けることが回避される(なお、本実施の形態では装着ヘッド7に対して第2の昇降軸10を下動させる工程はない)。
【0021】
図4において、第1の昇降軸9には吸着ノズル11を介して部品4の吸着を行う吸着機構43の操作配管44が設けられており、第2の昇降軸10には位置規正ユニット12の開閉アーム操作シリンダ24の操作配管44が設けられている。吸着機構43及び開閉アーム操作シリンダ24はともに制御装置8によって作動制御がなされる。
【0022】
図5(a),(b)において、開閉アーム操作シリンダ24のピストンロッド24aが上動位置にあるときには、開閉アーム23を構成する両アーム部材31のL字状部31aはともに垂下姿勢となって開閉アーム23は「閉」状態となり(図5(a))、開閉アームシリンダのピストンロッド24aを上動位置から下動位置に前進させると(図5(b)中に示す矢印B)、ピストンロッド24aの下端は両アーム部材31の操作部31bの間を分け入って下方に進み、両アーム部材31をばね部材25の付勢力に抗して下端側を離間させる方向に揺動させるので(図5(b)中に示す矢印C)、開閉アーム23は「開」状態となる(図5(b))。
【0023】
ここで、図3に示すように、開閉アーム23を構成する一対のアーム部材31の接触部31cの中間部Mは、第1の昇降軸9に取り付けられた吸着ノズル11の中心軸AX上に位置している。また、図5(a),(b)に示すように、一対のアーム部材31の接触部31cの間隔Lは、開閉アーム23が「開」状態にあるときには(図5(a))、トレイ5aに載置された部品4のX軸方向寸法よりもやや小さく、開閉アーム23が「閉」状態にあるときには(図5(b))、トレイ5aに載置された部品4の横方向寸法よりも大きくなるように設定されている。
【0024】
このため、トレイフィーダ5によって供給されるトレイ5a内の部品4に対して開閉アーム23を「開」状態にして装着ヘッド7を近接させ、装着ヘッド7のトレイ5aの上面からの高さを所定の距離(「閉」状態にしたアーム部材31の上下方向寸法に応じた距離)に保った状態で開閉アーム23を「閉」状態にすれば、開閉アーム23によって部品4の側面を一対のアーム部材31によって挟持し、トレイ5a上の部品4のX軸方向の中心軸を吸着ノズル11の中心軸AXの直下に位置させることができる。
【0025】
図6(a)は、第1の昇降軸9と第2の昇降軸10をともに上動位置に位置させた状態を示しており、図6(b)は、第1の昇降軸9のみを下動位置に位置させた状態を示している。これらの図に示すように、第1の昇降軸9と第2の昇降軸10をともに上動位置に位置させた状態では、吸着ノズル11の下端は位置規正ユニット12が備える開閉アーム23の接触部31cの下縁よりも高い位置に位置し、第2の昇降軸10を上動位置に位置させて第1の昇降軸9のみを下動させた状態(但し、吸着ノズル11に上方への押圧力が作用していない状態)では、吸着ノズル11の下端は開閉アーム23の接触部31cの下縁よりも低い位置に位置するようになっている。
【0026】
図7は、制御装置8が、装着ヘッド7によってトレイ5a上の部品4に対して位置規正ユニット12によって位置規正を行ったうえで、その部品4を吸着ノズル11によって吸着して基板3に装着する手順を示している。
【0027】
制御装置8は先ず、第1の昇降軸9を上動位置に位置させるとともに、第2の昇降軸10を上動させて位置規正ユニット12の開閉アーム23を「開」状態にし、吸着ノズル11がトレイ5a上の部品4の直上に位置するように装着ヘッド7を移動させる(図7(a))。
【0028】
制御装置8は、吸着ノズル11がトレイ5a上の部品4の直上に位置するように装着ヘッド7を移動させたら、装着ヘッド7をトレイ5aに対する所定の高さ(「閉」状態にしたアーム部材31の上下方向寸法に応じた距離)まで下降させて開閉アーム23を「閉」状態にし、吸着ノズル11の直下のトレイ5a上に位置した部品4を開閉アーム23によって挟持し、トレイ5a上の部品4(すなわち吸着ノズル11によって吸着しようとしている部品4)の位置規正を行う(図7(b)。位置規正工程)。
【0029】
制御装置8は、部品4の位置規正を行ったら第1の昇降軸9を下動位置に位置させて吸着ノズル11を下降させる。ここで、前述のように、第2の昇降軸10を上動位置に位置させた状態で第1の昇降軸9を下動位置に位置させたときには、吸着ノズル11に上方への押圧力が作用していなければ吸着ノズル11の下端は開閉アーム23の一対のアーム部材31の接触部31cの下面よりも下方に位置することから、一対のアーム部材31によって部品4が挟持されている状態で第1の昇降軸9を下動位置に位置させると、吸着ノズル11の下端は部品4の上面に当接する(このとき第1の昇降軸9と第1の押圧部材32との間の第2リターンスプリングSP2は押し縮められる)。制御装置8は、吸着ノズル11の下端が部品4の上面に当接したら、吸着機構43の作動制御を行って吸着ノズル11に部品4を吸着させる(図7(c)。部品吸着工程)。
【0030】
制御装置8は吸着ノズル11に部品4を吸着させたら、装着ヘッド7を上昇させつつ(この装着ヘッド7の上昇によって、部品吸着工程で押し縮められた第2リターンスプリングSP2は非縮状態に復帰する)、第1の押圧部材32による第1の昇降軸9の押し下げを解除して第1の昇降軸9を装着ヘッド7に対して上動させ、併せて開閉アーム23を「開」状態にする(図7(d))。
【0031】
制御装置8は、装着ヘッド7を上昇させつつ第1の昇降軸9を装着ヘッド7に対して上動させ、開閉アーム23を「開」状態にしたら、装着ヘッド7を基板3の上方に移動させる(図7(e))。そして、第1の昇降軸9を下動位置に位置させて吸着ノズル11を下降させ、部品4の下面を基板3上に接触させる。ここで、前述のように、第2の昇降軸10を上動位置に位置させた状態で第1の昇降軸9を下動位置に位置させたときには、吸着ノズル11への上方への押圧力が作用していなければ吸着ノズル11の下端は開閉アーム23の一対のアーム部材31の接触部31cの下面よりも下方に位置することから、一対のアーム部材31の接触部31cを基板3の上面に接触させることなく、吸着ノズル11により吸着した部品4を基板3に接触させることができる(このとき第1の昇降軸9と第1の押圧部材32との間の第2リターンスプリングSP2は押し縮められる)。
【0032】
制御装置8は、吸着ノズル11により吸着した部品4を基板3に接触させたら、吸着機構43の作動制御を行って、吸着ノズル11による部品4の吸着を解除し、部品4を基板3に装着する(図7(f)。部品装着工程)。
【0033】
制御装置8は、部品4を基板3に装着したら、装着ヘッド7を上昇させるとともに、開閉アーム23を「開」状態にしたまま、第1の昇降軸9を装着ヘッド7に対して上動させる(図7(a))。
【0034】
このように、本実施の形態における部品実装装置1では、吸着ノズル11の直下で部品4の位置規正を行うので基板3への部品装着に要する時間を短縮することができるが、部品4のピックアップ及び基板3への装着を行う吸着ノズル11と、吸着ノズル11の直下に位置した部品4を挟持して吸着ノズル11が吸着しようとする部品4の位置規正を行う開閉アーム23とはそれぞれ異なる昇降軸(第1の昇降軸9と第2の昇降軸10)に取り付けられており、開閉アーム23の開閉機構である開閉アーム操作シリンダ24を吸着ノズル11が取り付けられる昇降軸(第1の昇降軸9)上に設ける必要がないので、装着ヘッド7内の機構を簡単化して装着ヘッド7が大型化することを防止することができる。
【0035】
これまで本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述したものに限定されない。例えば、上述の実施の形態では、開閉アーム23の一対のアーム部材31を開閉する機構はシリンダ(開閉アーム操作シリンダ24)からなっていたが、開閉アーム23を開閉する機構は必ずしもシリンダに限られない。また、上述の実施の形態では、開閉アーム23は一対のアーム部材をヒンジ22回りに揺動させて部品4を挟持する構成であったが、一対のアーム部材31を互いに相対的に近接及び離間する方向に平行移動させて部品4を挟持する構成であってもよい。
【0036】
また、上述の実施の形態では、位置規正ユニット12が取り付けられる第2の昇降軸10は昇降作動させなかったが、第1の昇降軸9の昇降作動と第2の昇降軸10の昇降作動とを組み合わせて位置規正ユニット12による部品4の位置規正、吸着ノズル11による部品4の吸着及び基板3への部品4の装着を行うようにしてもよい。
【0037】
また、基板の位置決めを行う基板位置決め部は上述した搬送コンベア2に限定されず、装着ヘッド7は2列に配置された第1の昇降軸9と第2の昇降軸10を備えていればよいのであって、装着ヘッド7が備える昇降軸は3列以上であってもよい。また、開閉アーム23が備える一対のアーム部材31は、吸着ノズル11の下端側へ延び、吸着ノズル11の直下に位置した部品4を挟持して吸着ノズル11が吸着しようとする部品4の位置規正を行うことができればよく、アーム部材31の形状は上述したものに限定されない。
【0038】
また、前述したように、第1の昇降軸9と第2の昇降軸10とは同一の構成であるので、部品4の位置規正を行う必要がなく、位置規正ユニット12を用いずに部品実装を行うときには、第1の昇降軸9だけでなく第2の昇降軸10にも吸着ノズル11を取り付けて効率のよい作業を行うようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
装着ヘッド内の機構を簡単化して装着ヘッドが大型化することを防止することができる部品実装装置及び部品実装方法を提供する。
【符号の説明】
【0040】
1 部品実装装置
2 搬送コンベア(基板位置決め部)
3 基板
4 部品
5 トレイフィーダ(部品供給部)
7 装着ヘッド
9 第1の昇降軸
10 第2の昇降軸
11 吸着ノズル
23 開閉アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の位置決めを行う基板位置決め部と、
部品の供給を行う部品供給部と、
2列に配置された第1の昇降軸及び第2の昇降軸を有し、第1の昇降軸には部品供給部より供給される部品をピックアップして基板位置決め部により位置決めされた基板に装着する吸着ノズルが取り付けられ、第2の昇降軸には、吸着ノズルの下端側へ延び、吸着ノズルの直下に位置した部品を挟持して吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行う開閉アームが取り付けられた装着ヘッドとを備えたことを特徴とする部品実装装置。
【請求項2】
基板の位置決めを行う基板位置決め部と、部品の供給を行う部品供給部と、2列に配置された第1の昇降軸及び第2の昇降軸を有し、第1の昇降軸には部品供給部より供給される部品をピックアップして基板位置決め部により位置決めされた基板に装着する吸着ノズルが取り付けられ、第2の昇降軸には、吸着ノズルの下端側へ延び、吸着ノズルの直下に位置した部品を挟持して吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行う開閉アームが取り付けられた装着ヘッドとを備えた部品実装装置による部品実装方法であって、
開閉アームにより吸着ノズルの直下に位置した部品を挟持して吸着ノズルが吸着しようとする部品の位置規正を行う工程と、
位置規正を行った部品を吸着ノズルにより吸着する工程と、
吸着ノズルにより吸着した部品を基板位置決め部により位置決めした基板に装着する工程とを含むことを特徴とする部品実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−124242(P2012−124242A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272200(P2010−272200)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】