配線・配管材の付属保護カバー
【課題】 配線・配管材の配設作業を効率良く行うことができる、配線・配管材の付属保護カバーを提供する。
【解決手段】 付属保護カバー3は、直状保護カバー2とつながって、配線・配管材Wを保護するものであり、建物の壁床等の構築面1に当接する当接面3aを有してその構築面1に固定される基台4と、その基台4との間に配線・配管材Wが通る通路3bを形成するカバー5とを備える。付属保護カバー3は、直状保護カバー2が内側に嵌められるようにして接続される接続口3cを有する。付属保護カバー3の内周面には、接続口3cよりも奥側に、挿通される配線・配管材Wを、直状保護カバー2の端面2aを避けるようにして通路3bから直状保護カバー2内に案内する案内部3dが、その内周面から突出するように設けられる。
【解決手段】 付属保護カバー3は、直状保護カバー2とつながって、配線・配管材Wを保護するものであり、建物の壁床等の構築面1に当接する当接面3aを有してその構築面1に固定される基台4と、その基台4との間に配線・配管材Wが通る通路3bを形成するカバー5とを備える。付属保護カバー3は、直状保護カバー2が内側に嵌められるようにして接続される接続口3cを有する。付属保護カバー3の内周面には、接続口3cよりも奥側に、挿通される配線・配管材Wを、直状保護カバー2の端面2aを避けるようにして通路3bから直状保護カバー2内に案内する案内部3dが、その内周面から突出するように設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、直状保護カバーとつながる、配線・配管材の付属保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配線・配管材を配設するに当たって、その配線・配管材を保護する直状保護カバーとか付属保護カバーが用いられた(例えば、特許文献1参照)。図25に示すように、付属保護カバー11の端部には、接続口12が設けられていた。そこで、この接続口12に直状保護カバー13の端部が挿入されるようにして、直状保護カバー13と付属保護カバー11とが連続するように配備された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−78064号公報(段落0002、0003、図21)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
とろで、前記従来の付属保護カバー11にあっては、その付属保護カバー11を直状保護カバー13と連続するように配備した後に、付属保護カバー11から直状保護カバー13側に向かって、配線・配管材を挿通する際に、その配線・配管材の先端が、付属保護カバー11内で直状保護カバー13の端面14に当たることがあった。そして、このように、配線・配管材の先端が直状保護カバー13の端面14に当たると、配線・配管材を直状保護カバー13側へと進めることが困難となり、この配線・配管材の配設作業の効率が悪かった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配線・配管材の配設作業を効率良く行うことができる、配線・配管材の付属保護カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、建物の壁床等の構築面に沿って配設される配線・配管材を保護する直状保護カバーとつながって、前記配線・配管材を保護する付属保護カバーである。この付属保護カバーは、前記構築面に当接する当接面を有してその構築面に固定される基台と、その基台に組み付けられて、その基台との間に前記配線・配管材が通る通路を形成するカバーとを備える。そして、付属保護カバーは、前記直状保護カバーが内側に嵌められるようにして接続される接続口を有する。そこで、この付属保護カバーの内周面には、前記接続口よりも奥側に、挿通される前記配線・配管材を、接続された前記直状保護カバーの端面を避けるようにして前記通路から前記直状保護カバー内に案内する案内部が、前記内周面から突出するように設けられる。
【0007】
この付属保護カバーによると、基台とカバーとの間に、配線・配管材が通る通路が形成される。そして、付属保護カバーの接続口に直状保護カバーが内側に嵌められるようにして接続され、これら直状保護カバーと付属保護カバーとは互いにつながって連続するように配備される。こうして、直状保護カバーと付属保護カバーとが配備された後に、付属保護カバーから直状保護カバー側に向かって、配線・配管材を挿通すると、その配線・配管材は、付属保護カバーの内周面に設けられた案内部によって、通路から、直状保護カバーの端面を越えて直状保護カバー内に案内される。したがって、この案内部により、配線・配管材を付属保護カバーから直状保護カバー側へと円滑に送ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項1に記載の付属保護カバーにおいて、前記案内部は、前記内周面から、接続された前記直状保護カバーの内部側に向かって延びて、前記配線・配管材を前記直状保護カバーの内部側に向かうように案内する、案内傾斜面を有する。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項1または2に記載の付属保護カバーにおいて、曲がって配設される前記配線・配管材のその曲り部を保護すべく、曲がって形成されて、その曲がりの各端側に、前記接続口が設けられる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3に記載の付属保護カバーにおいて、前記案内部は、少なくとも前記曲がりにおける外側に設けられる。付属保護カバーが曲がって形成されると、付属保護カバーから直状保護カバー側に向かう配線・配管材は、主に付属保護カバーの曲がりにおける外側を通る。したがって、この外側に案内部を設けることで、配線・配管材を、直状保護カバー側へと的確に導くことができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3または4に記載の付属保護カバーにおいて、平面からなる前記構築面における、その平面での前記曲り部を保護すべく、前記平面上を曲がるように形成されて、その曲がりの内側および外側に位置する内側壁および外側壁と、それら内側壁と外側壁とをつなぐ、底板および天板とからなる。そこで、前記案内部は、少なくとも前記外側壁および前記天板に設けられる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3または4に記載の付属保護カバーにおいて、入隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その入隅での前記曲り部を保護すべく、前記入隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなる。そこで、前記案内部は、少なくとも前記両側壁に設けられる。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3または4に記載の付属保護カバーにおいて、出隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その出隅での前記曲り部を保護すべく、前記出隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなる。そこで、前記案内部は、少なくとも前記両側壁および前記天板に設けられる。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る配線・配管材の付属保護カバーによれば、案内部により、配線・配管材を付属保護カバーから直状保護カバー側へと円滑に送ることができ、これにより、配線・配管材の配設作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第一の実施の形態の、平面図である。
【図2】同じく、図1におけるA−A線による断面図である。
【図3】同じく、図2におけるB−B線による断面図である。
【図4】同じく、図2におけるC−C線による拡大断面図である。
【図5】同じく、基台の斜視図である。
【図6】同じく、カバーの斜視図である。
【図7】同じく、カバーの正面図である。
【図8】同じく、カバーの底面図である。
【図9】同じく、図3において、配線・配管材としての光ファイバーを挿通し、その光ファイバーの先端が、第1の案内部に当たった状態を示す、断面図である。
【図10】同じく、図3において、挿通した光ファイバーが、第1の案内部に当たった後、その案内部に案内されて直状保護カバー内に向かう過程を示す、断面図である。
【図11】この発明の第二の実施の形態の、縦断面図である。
【図12】同じく、図11におけるD−D線による断面図である。
【図13】同じく、図11におけるE−E線による断面図である。
【図14】同じく、基台の斜視図である。
【図15】同じく、基台の縦断面図である。
【図16】同じく、カバーの斜視図である。
【図17】同じく、カバーの縦断面図である。
【図18】この発明の第三の実施の形態の、縦断面図である。
【図19】同じく、図18におけるF−F線による断面図である。
【図20】同じく、基台の斜視図である。
【図21】同じく、基台の縦断面図である。
【図22】同じく、カバーの斜視図である。
【図23】同じく、カバーの縦断面図である。
【図24】同じく、カバーの正面図である。
【図25】従来の付属保護カバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明に係る配線・配管材の付属保護カバーを実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図10は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、建物の壁床等の構築面である。2は、前記構築面1に沿って配設される光ファイバー等の配線・配管材W(配線材または配管材)を保護する直状保護カバー、すなわち真っ直ぐ延びるように形成された保護カバーである。3は、前記直状保護カバー2とつながって、前記配線・配管材Wを保護する付属保護カバーである。なお、図1〜図4は、直状保護カバー2、2と付属保護カバー3とを、構築面1に配備した状態を示す。そして、図5は、付属保護カバー3における基台4を示し、図6〜図8は、付属保護カバー3におけるカバー5を示す。また、図9および図10は、直状保護カバー2および付属保護カバー3に配線・配管材Wを挿通する過程を示す。
【0018】
ここで、直状保護カバー2は、左右の側壁2i、2iと、それら側壁2i、2iをつなぐ、底板2jおよび天板2kとからなる。
【0019】
付属保護カバー3は、前記構築面1に当接する当接面3aを有してその構築面1に固定される基台4と、その基台4に組み付けられて、その基台4との間に前記配線・配管材Wが通る通路3bを形成するカバー5とを備える。一方において、この付属保護カバー3は、直状保護カバー2が内側に嵌められるようにして接続される接続口3cを有する。図示実施の形態においては、直状保護カバー2における側壁2i、2iおよび天板2kが、接続口3cの内側に嵌められ、底板2jが、付属保護カバー3の後述する底板3hに突き合わされる(図3および図4参照)。そこで、この付属保護カバー3の内周面には、接続口3cよりも奥側に、挿通される前記配線・配管材Wを、接続された直状保護カバー2の端面2a(図示実施の形態においては、側壁2iおよび天板2kの端面)を避けるようにして通路3bから直状保護カバー2内に案内する案内部3dが、その内周面から突出するように設けられる。そして、この案内部3dは、付属保護カバー3の内周面から、接続された直状保護カバー2の内部側に向かって延びて、前記配線・配管材Wを通路3bから直状保護カバー2の内部側に向かうように案内する、案内傾斜面3eを有する。
【0020】
詳細には、付属保護カバー3は、曲がって配設される配線・配管材Wのその曲り部を保護すべく、曲がって形成されて、その曲がりの各端側に、前記接続口3cが設けられる。そして、前記案内部3dは、少なくとも、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に設けられる。
【0021】
より詳細には、付属保護カバー3は、平面1aからなる前記構築面1における、その平面1aでの配線・配管材Wの曲り部を保護すべく、前記平面1a上を曲がるように形成される。そして、この付属保護カバー3に設けられる(詳しくは、付属保護カバー3の曲がりの各端側に設けられる)接続口3cは、外側にふくらむことなく形成される。
【0022】
具体的には、付属保護カバー3は、その曲がりの内側および外側に位置する内側壁3fおよび外側壁3gと、それら内側壁3fと外側壁3gとをつなぐ、底板3hおよび天板3iとからなる。そこで、好ましくは、案内部3dは、少なくとも外側壁3gおよび天板3iに設けられる。
【0023】
ここにおいて、基台4は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の内側壁3fおよび外側壁3gの一部を構成する第1内側壁4aおよび第1外側壁4bと、それら第1内側壁4aと第1外側壁4bとをつなぐ前記底板3hとが、一体に形成されている。そして、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの下端面と底板3hの下面が面一となって、前記当接面3aを形成している。そして、この底板3hには、基台4を構築面1に固定するための、固定孔4c、4cがあけられており、この固定孔4c、4cを通って構築面1にねじ込まれたり打ち込まれたりする、ビスとか釘とかの固着具により、基台4は、構築面1に取付固定される。また、底板3hは、その曲がりの各端部が、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bのそれぞれの各端部、つまりは内側壁3fおよび外側壁3gのそれぞれの各端部よりも控えて位置しており、その端面は、直状保護カバー2の端面2a(詳細には、底板2jの端面)が突き当たる突当て面4dとなっている。したがって、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bにおける、突当て面4dよりも突出する部分は、付属保護カバー3の前記接続口3cの一部を構成する第1接続口4eとなる。
【0024】
そして、この基台4には、前記案内部3dとしての第1の案内部4fが設けられている。この第1の案内部4fは、第1接続口4eよりも奥側に、詳細には、先端が突当て面4dから若干控えて位置する。また、この第1の案内部4fは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に設けられており、第1外側壁4bの内周面から突当て面4d側に向かって斜めに突出するとともに、底板3hの内周面から起立するように(図示実施の形態においては、垂直に起立するように)形成されている(図3、図5参照)。そして、この第1の案内部4fにおける第1内側壁4a側を向く面が、前記案内傾斜面3eとしての第1の案内傾斜面4gとなり、この第1の案内傾斜面4gは、第1外側壁4bから離れるほど第1接続口4eに向かうように傾斜して形成されている。ところで、第1の案内部4fは、一定の肉厚を有する第1外側壁4b(外側壁3g)から斜めに突出し、その案内部4fの裏側の第1外側壁4b(外側壁3g)との間に肉ぬすみQが設けられることから、第1外側壁4b(外側壁3g)の表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。
【0025】
また、基台4は、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの上面が合せ面4hとなって、カバー5が組み付けられた際には、そのカバー5の後述する第2内側壁5aおよび第2外側壁5bの合せ面5iとなる下面と合わさることとなる。そして、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bからは、その内寄りの位置から突出するように係合凸部4i、4iが形成され、また、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの内周面には、爪状の第1係止部4j、4jが形成されている。そして、この第1係止部4jを挟むように、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの内周面には、突部4k、4kが形成されている。ここで、特に第1外側壁4bに設けられた第1係止部4jは、各々の第1接続口4e寄りに位置しており、この第1係止部4jを挟む突部4k、4kのうちの、第1接続口4eから離れた側の突部4kの、第1接続口4eとは反対側には、第1外側壁4bから離れるほど第1接続口4eに向かう傾斜面4mが設けられている。
【0026】
カバー5は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の内側壁3fおよび外側壁3gの一部を構成する第2内側壁5aおよび第2外側壁5bと、それら第2内側壁5aと第2外側壁5bとをつなぐ前記天板3iとが、一体に形成されている。そこで、この第2内側壁5aと基台4における第1内側壁4aとで、付属保護カバー3の内側壁3fが形成され、同様に、第2外側壁5bと基台4における第1外側壁4bとで、付属保護カバー3の外側壁3gが形成される。そして、このカバー5の各端部が、付属保護カバー3の前記接続口3cの一部を構成する第2接続口5cとなる。つまり、この第2接続口5cと基台4における第1接続口4eとで、付属保護カバー3の接続口3cが形成される。
【0027】
そして、このカバー5には、前記案内部3dとしての第2および第3の案内部5d、5eが設けられている。第2の案内部5dは、第2接続口5cよりも奥側に、天板3iから第2外側壁5bに渡って延びるようにして、それら天板3iおよび第2外側壁5bの内周面から突出して形成されている。そこで、この第2の案内部5dは、第2外側壁5b側が、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に位置することとなる。そして、この第2の案内部5dにおける奥側の面が、前記案内傾斜面3eとしての第2の案内傾斜面5fとなり、この第2の案内傾斜面5fは、天板3iおよび第2外側壁5bから離れるほど第2接続口5cに向かうように傾斜して形成される。図示実施の形態においては、この第2の案内部5dは、その長手方向に延びる溝5gにより、第2の案内傾斜面5fを長手方向に沿って分割するように、二つに分断されて形成されている。第3の案内部5eは、第2の案内部5dよりも奥側であって、その第2の案内部5dから間隔をあけた位置に、第2外側壁5bの内周面から突出して形成されている。そこで、この第3の案内部5eは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に位置することとなる。そして、この第3の案内部5eにおける奥側の面が、前記案内傾斜面3eとしての第3の案内傾斜面5hとなり、この第3の案内傾斜面5hは、第2外側壁5bから離れるほど第2接続口5cに向かうように傾斜して形成される。
【0028】
また、カバー5は、前述したように、第2内側壁5aおよび第2外側壁5bの下面が合せ面5iとなって、基台4に組み付けられた際には、その基台4の第1内側壁4aおよび第1外側壁4bに設けられた合せ面4hと合わさる。そして、第2内側壁5aおよび第2外側壁5bには、その内周面側において合せ面5iから天板3i方向に向かって窪む係合凹部5j、5jが形成され、また、第2内側壁5aおよび第2外側壁5bの内周面からは、下方に突出するようにして、爪を有する第2係止部5k、5kが形成されている。そこで、カバー5と基台4との組付けの際には、係合凹部5jと基台4の係合凸部4iとが係合することで、カバー5と基台4とは、互いに位置決めされ、第2係止部5kが基台4の第1係止部4jに係止されることで、カバー5は、基台4に取り付けられる。
【0029】
また、第2外側壁5bに設けられた第2係止部5kは、第2接続口5c寄りに位置しており、この第2係止部5kの、第2接続口5cとは反対側には、第2外周壁5bから離れるほど第2接続口5cに向かう傾斜面5mが設けられている。そこで、この傾斜面5mと基台4の突部4kに設けられた傾斜面4mにより、付属保護カバー3から直状保護カバー2側に向かって挿通される配線・配管材Wを、第2係止部5kや基台4の第1係止部4jとの干渉を避けて、通過させることができる。
【0030】
次に、以上の構成からなる付属保護カバー3の作用効果について説明する。この付属保護カバー3によると、基台4とカバー5との間に、配線・配管材Wが通る通路3bが形成される。そして、付属保護カバー3の接続口3cに直状保護カバー2が内側に嵌められるようにして接続され、これら直状保護カバー2と付属保護カバー3とは互いにつながって連続するように配備される。
【0031】
こうして、直状保護カバー2と付属保護カバー3とが配備された後に、付属保護カバー3から直状保護カバー2側に向かって(図示実施の形態においては、一方の直状保護カバー2から付属保護カバー3側に向かい、続いて、その付属保護カバー3からもう一方の直状保護カバー2側に向かって)、配線・配管材Wを挿通すると、その配線・配管材W(図示実施の形態においては、一方の直状保護カバー2から付属保護カバー3に進んだ配線・配管材)は、付属保護カバー3の内周面に設けられた案内部3d(4f、5d、5e)によって、通路3bから、直状保護カバー2(図示実施の形態においては、もう一方の直状保護カバー2)の端面2aを越えてその直状保護カバー2内に案内される(図9、図10参照)。したがって、この案内部3d(4f、5d、5e)により、配線・配管材Wを付属保護カバー3から直状保護カバー2側へと円滑に送ることができ、これにより、配線・配管材Wの配設作業を効率良く行うことができる。なお、図9は、配線・配管材Wとしての光ファイバーW1の先端が、案内部3dとしての第1の案内部4fに当たった状態を示し、図10は、前記光ファイバーW1が、第1の案内部4fに案内されて直状保護カバー2内に向かう過程を示す。
【0032】
また、付属保護カバー3が曲がって形成されると、付属保護カバー3から直状保護カバー2側に向かう配線・配管材Wは、主に付属保護カバー3の曲がりにおける外側を通る。したがって、この外側に案内部3dを設けることで、配線・配管材Wを、直状保護カバー2側へと的確に導くことができる。
【0033】
また、この付属保護カバー3における接続口3cは、外側にふくらむことなく形成されているため、見栄えがよい。
【0034】
図11〜図17は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態では、付属保護カバー3が構築面1における入隅1xに配備され、このため、第一の実施の形態とは、付属保護カバー3の曲がりの方向が異なるが、他は同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して異なる部分を主に説明する。なお、図11〜図13は、直状保護カバー2、2と付属保護カバー3とを、構築面1に配備した状態を示す。そして、図14および図15は、基台4を示し、図16および図17は、カバー5を示す。
【0035】
この付属保護カバー3は、入隅1xを形成する2平面1a、1aからなる構築面1における、その入隅1xでの配線・配管材の曲り部を保護すべく、前記入隅1x上を曲がるように形成される。そして、この付属保護カバー3に設けられる(詳しくは、付属保護カバー3の曲がりの各端側に設けられる)接続口3cは、外側にふくらむことなく形成される。
【0036】
具体的には、付属保護カバー3は、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁3j、3jと、それら側壁3j、3jどうしをつなぐ、底板3hおよび天板3iとからなる。そこで、好ましくは、案内部3dは、少なくとも両側壁3j、3jに設けられる。
【0037】
ここにおいて、基台4は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第1側壁4n、4nと、それら第1側壁4n、4nどうしをつなぐ前記底板3hとが、一体に形成される。そして、第1側壁4nは、その下端面が直角に折れ曲がって形成され、底板3hは、両端部分が平板状に形成され、中間部分が湾曲して形成されている。そこで、第1側壁4n、4nの下端面と底板3hの両端部分の下面が面一となって、構築面1に当接する当接面3aを形成する。そして、この底板3hには、基台4を構築面1に固定するための、固定孔4c、4cがあけられており、この固定孔4c、4cを通って構築面1にねじ込まれたり打ち込まれたりする、ビスとか釘とかの固着具により、基台4は、構築面1に取付固定される。また、底板3hは、その曲がりの各端部が、第1側壁4n、4nのそれぞれの各端部、つまりは側壁3j、3jのそれぞれの各端部よりも控えて位置しており、その端面は、直状保護カバー2の端面2a(詳細には、底板2jの端面)が突き当たる突当て面4dとなる。したがって、第1側壁4n、4nにおける、突当て面4dよりも突出する部分は、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第1接続口4eとなる。
【0038】
そして、この基台4に、案内部3dが設けられる。この案内部3dは、第1接続口4eよりも奥側に、詳細には、先端が突当て面4dと面一となって位置する。また、この案内部3dは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に設けられており、第1側壁4nの内周面から突当て面4d側に向かって斜めに突出するとともに、底板3hの内周面から起立するように(図示実施の形態においては、第1側壁4n側に傾いた状態で起立するように)形成されている(図13、図14参照)。そして、この案内部3dにおける対峙する第1側壁4n側を向く面が、案内傾斜面3eとなり、この案内傾斜面3eは、第1側壁4nから離れるほど第1接続口4eに向かうように傾斜して(図示実施の形態においては、第1側壁4nから離れるほど第1接続口4eに向かうように傾斜するとともに、底板3hから離れるほど第1側壁4nに近づくように傾斜して)形成されている。ところで、案内部3dは、一定の肉厚を有する第1側壁4n(側壁3j)から斜めに突出し、その案内部3dの裏側の第1側壁4n(側壁3j)との間に肉ぬすみQが設けられることから、第1側壁4n(側壁3j)の表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。
【0039】
また、基台4は、第1側壁4nの上面が合せ面4hとなって、カバー5が組み付けられた際には、そのカバー5の後述する第2側壁5nの合せ面5iとなる下面と合わさることとなる。そして、第1側壁4nからは、その内寄りの位置から突出するように係合凸部4i、4iが形成され、また、第1側壁4nの内周面には、爪状の第1係止部4jが形成されている。そして、この第1係止部4jを挟むように、第1側壁4nの内周面には、突部4k、4kが形成されており、さらに、これら両突部4k、4kを挟むように、第1側壁4nの内周面には、円弧状に湾曲する傾斜面を有する他の突部4p、4pが形成されている。そこで、この傾斜面を有する他の突部4p、4pにより、付属保護カバー3に挿通される配線・配管材を、突部4kや第1係止部4jや後述する第2係止部5kとの干渉を避けて、通過させることができる。
【0040】
カバー5は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第2側壁5n、5nと、それら第2側壁5n、5nどうしをつなぐ前記天板3iとが、一体に形成されている。そこで、この第2側壁5nと基台4における第1側壁4nとで、付属保護カバー3の側壁3jが形成される。そして、このカバー5の各端部が、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第2接続口5cとなる。つまり、この第2接続口5cと基台4における第1接続口4eとで、付属保護カバー3の接続口3cが形成される。
【0041】
また、カバー5は、前述したように、第2側壁5nの下面が合せ面5iとなって、基台4に組み付けられた際には、その基台4の第1側壁4nに設けられた合せ面4hと合わさる。そして、第2側壁5nには、その内周面側において合せ面5iから天板3i方向に向かって窪む係合凹部5j、5jが形成され、また、第2側壁5nの内周面からは、下方に突出するようにして、爪を有する第2係止部5kが形成されている。そこで、カバー5と基台4との組付けの際には、係合凹部5jと基台4の係合凸部4iとが係合することで、カバー5と基台4とは、互いに位置決めされ、第2係止部5kが基台4の第1係止部4jに係止されることで、カバー5は、基台4に取り付けられる。
【0042】
そして、この第二の実施の形態に示す付属保護カバー3は、構築面1の入隅1xに配備されるものであるが、その作用効果は、第一の実施の形態と同様である。
【0043】
図18〜図24は、本発明の第三の実施の形態を示す。この実施の形態では、付属保護カバー3が構築面1における出隅1yに配備され、このため、第一の実施の形態とは、付属保護カバー3の曲がりの方向が異なるが、他は同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して異なる部分を主に説明する。なお、図18および図19は、直状保護カバー2、2と付属保護カバー3とを、構築面1に配備した状態を示す。そして、図20および図21は、基台4を示し、図22〜図24は、カバー5を示す。
【0044】
この付属保護カバー3は、出隅1yを形成する2平面1a、1aからなる構築面1における、その出隅1yでの配線・配管材の曲り部を保護すべく、前記出隅1y上を曲がるように形成される。そして、この付属保護カバー3に設けられる(詳しくは、付属保護カバー3の曲がりの各端側に設けられる)接続口3cは、外側にふくらむことなく形成される。
【0045】
具体的には、付属保護カバー3は、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁3j、3jと、それら側壁3j、3jどうしをつなぐ、底板3hおよび天板3iとからなる。そこで、好ましくは、案内部3dは、少なくとも両側壁3j、3jおよび天板3iに設けられる。
【0046】
ここにおいて、基台4は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第1側壁4n、4nと、それら第1側壁4n、4nどうしをつなぐ前記底板3hとが、一体に形成される。そして、第1側壁4nは、その下端面が直角に折れ曲がって形成され、底板3hは、両端部分が平板状に形成され、中間部分が湾曲して形成されている。そこで、第1側壁4n、4nの下端面と底板3hの両端部分の下面が面一となって、構築面1に当接する当接面3aを形成する。そして、この底板3hには、基台4を構築面1に固定するための、固定孔4c、4cがあけられており、この固定孔4c、4cを通って構築面1にねじ込まれたり打ち込まれたりする、ビスとか釘とかの固着具により、基台4は、構築面1に取付固定される。また、底板3hは、その曲がりの各端部が、第1側壁4n、4nのそれぞれの各端部、つまりは側壁3j、3jのそれぞれの各端部よりも控えて位置しており、その端面は、直状保護カバー2の端面2a(詳細には、底板2jの端面)が突き当たる突当て面4dとなる。したがって、第1側壁4n、4nにおける、突当て面4dよりも突出する部分は、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第1接続口4eとなる。
【0047】
また、基台4は、第1側壁4nの上面が合せ面4hとなって、カバー5が組み付けられた際には、そのカバー5の後述する第2側壁5nの合せ面5iとなる下面と合わさることとなる。そして、第1側壁4nからは、その内寄りの位置から突出するように係合凸部4i、4iが形成され、また、第1側壁4nの内周面には、爪状の第1係止部4j、4jが形成されている。そして、この第1係止部4jを挟むように、第1側壁4nの内周面には、突部4k、4kが形成されている。
【0048】
カバー5は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第2側壁5n、5nと、それら第2側壁5n、5nどうしをつなぐ前記天板3iとが、一体に形成されている。そこで、この第2側壁5nと基台4における第1側壁4nとで、付属保護カバー3の側壁3jが形成される。そして、このカバー5の各端部が、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第2接続口5cとなる。つまり、この第2接続口5cと基台4における第1接続口4eとで、付属保護カバー3の接続口3cが形成される。
【0049】
そして、このカバー5に、案内部3dとしての第1および第2の案内部5p、5qが設けられる。第1の案内部5pは、第2接続口5cよりも奥側に、天板3iの内周面から第2接続口5c側に向かって斜めに突出して形成されて、両第2側壁5n、5nに渡るように延びている(図18、図24参照)。そこで、この第1の案内部5pは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に位置することとなる。そして、この第1の案内部5pにおける奥側の面(つまり、表面)が、案内傾斜面3eとしての第1の案内傾斜面5rとなり、この第1の案内傾斜面5rは、天板3iから離れるほど第2接続口5cに向かうように傾斜して形成される。第2の案内部5qは、第2側壁5nと、第1の案内部5pおよび天板3iとに渡るように湾曲して形成される(図18、図24参照)。そして、この第2の案内部5qにおける表面が、案内傾斜面3eとしての第2の案内傾斜面5sとなる。ところで、第1の案内部5pは、一定の肉厚を有する天板3iから斜めに突出し、一定の肉厚を有する第2側壁5n(側壁3j)に渡るように延びて、その案内部5pの裏側の天板3iとの間に肉ぬすみQが設けられることから、天板3iとか第2側壁5n(側壁3j)の表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。同様に、第2の案内部5qは、一定の肉厚を有する第2側壁5n(側壁3j)と天板3iとに渡り、その案内部5qの裏側の第2側壁5n(側壁3j)との間に肉ぬすみQが設けられることから、第2側壁5n(側壁3j)とか天板3iの表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。
【0050】
また、カバー5は、前述したように、第2側壁5nの下面が合せ面5iとなって、基台4に組み付けられた際には、その基台4の第1側壁4nに設けられた合せ面4hと合わさる。そして、第2側壁5nには、その内周面側において合せ面5iから天板3i方向に向かって窪む係合凹部5j、5jが形成され、また、第2側壁5nの内周面からは、下方に突出するようにして、爪を有する第2係止部5k、5kが形成されている。そこで、カバー5と基台4との組付けの際には、係合凹部5jと基台4の係合凸部4iとが係合することで、カバー5と基台4とは、互いに位置決めされ、第2係止部5kが基台4の第1係止部4jに係止されることで、カバー5は、基台4に取り付けられる。
【0051】
そして、この第三の実施の形態に示す付属保護カバー3は、構築面1の出隅1yに配備されるものであるが、その作用効果は、第一の実施の形態と同様である。
【0052】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、直状保護カバー2および付属保護カバー3によって保護される配線・配管材Wは、配線材としては、光ファイバーW1の他に、電力線とか信号線等であってもよく、配管材としては、通水管とかドレーン管とか冷媒管等であってもよい。また、両保護カバー2、3に配線・配管材Wを挿通するにあたって、配線・配管材Wを直接挿通する以外に、呼び線を用いて挿通してもよい。
【0053】
また、付属保護カバー3は、配線・配管材Wの曲り部を保護すべく、曲って形成されなくとも、直状に配設される配線・配管材のその直状部を保護すべく、直状に形成されて、その直状の各端側に、接続口3cが設けられてもよい。
【0054】
また、案内傾斜面3eは、平面によって形成されても、円弧等を描くように湾曲する曲面によって形成されてもよく、さらには、平面とか曲面が適宜組み合わされて形成されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 構築面
1a 平面
1x 入隅
1y 出隅
2 直状保護カバー
2a 端面
3 付属保護カバー
3a 当接面
3b 通路
3c 接続口
3d 案内部
3e 案内傾斜面
3f 内側壁
3g 外側壁
3h 底板
3i 天板
3j 側壁
4 基台
4f 第1の案内部(案内部)
4g 第1の案内傾斜面(案内傾斜面)
5 カバー
5d 第2の案内部(案内部)
5e 第3の案内部(案内部)
5f 第2の案内傾斜面(案内傾斜面)
5h 第3の案内傾斜面(案内傾斜面)
5p 第1の案内部(案内部)
5q 第2の案内部(案内部)
5r 第1の案内傾斜面(案内傾斜面)
5s 第2の案内傾斜面(案内傾斜面)
W 配線・配管材
【技術分野】
【0001】
この発明は、直状保護カバーとつながる、配線・配管材の付属保護カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配線・配管材を配設するに当たって、その配線・配管材を保護する直状保護カバーとか付属保護カバーが用いられた(例えば、特許文献1参照)。図25に示すように、付属保護カバー11の端部には、接続口12が設けられていた。そこで、この接続口12に直状保護カバー13の端部が挿入されるようにして、直状保護カバー13と付属保護カバー11とが連続するように配備された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−78064号公報(段落0002、0003、図21)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
とろで、前記従来の付属保護カバー11にあっては、その付属保護カバー11を直状保護カバー13と連続するように配備した後に、付属保護カバー11から直状保護カバー13側に向かって、配線・配管材を挿通する際に、その配線・配管材の先端が、付属保護カバー11内で直状保護カバー13の端面14に当たることがあった。そして、このように、配線・配管材の先端が直状保護カバー13の端面14に当たると、配線・配管材を直状保護カバー13側へと進めることが困難となり、この配線・配管材の配設作業の効率が悪かった。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、配線・配管材の配設作業を効率良く行うことができる、配線・配管材の付属保護カバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、建物の壁床等の構築面に沿って配設される配線・配管材を保護する直状保護カバーとつながって、前記配線・配管材を保護する付属保護カバーである。この付属保護カバーは、前記構築面に当接する当接面を有してその構築面に固定される基台と、その基台に組み付けられて、その基台との間に前記配線・配管材が通る通路を形成するカバーとを備える。そして、付属保護カバーは、前記直状保護カバーが内側に嵌められるようにして接続される接続口を有する。そこで、この付属保護カバーの内周面には、前記接続口よりも奥側に、挿通される前記配線・配管材を、接続された前記直状保護カバーの端面を避けるようにして前記通路から前記直状保護カバー内に案内する案内部が、前記内周面から突出するように設けられる。
【0007】
この付属保護カバーによると、基台とカバーとの間に、配線・配管材が通る通路が形成される。そして、付属保護カバーの接続口に直状保護カバーが内側に嵌められるようにして接続され、これら直状保護カバーと付属保護カバーとは互いにつながって連続するように配備される。こうして、直状保護カバーと付属保護カバーとが配備された後に、付属保護カバーから直状保護カバー側に向かって、配線・配管材を挿通すると、その配線・配管材は、付属保護カバーの内周面に設けられた案内部によって、通路から、直状保護カバーの端面を越えて直状保護カバー内に案内される。したがって、この案内部により、配線・配管材を付属保護カバーから直状保護カバー側へと円滑に送ることができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項1に記載の付属保護カバーにおいて、前記案内部は、前記内周面から、接続された前記直状保護カバーの内部側に向かって延びて、前記配線・配管材を前記直状保護カバーの内部側に向かうように案内する、案内傾斜面を有する。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項1または2に記載の付属保護カバーにおいて、曲がって配設される前記配線・配管材のその曲り部を保護すべく、曲がって形成されて、その曲がりの各端側に、前記接続口が設けられる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3に記載の付属保護カバーにおいて、前記案内部は、少なくとも前記曲がりにおける外側に設けられる。付属保護カバーが曲がって形成されると、付属保護カバーから直状保護カバー側に向かう配線・配管材は、主に付属保護カバーの曲がりにおける外側を通る。したがって、この外側に案内部を設けることで、配線・配管材を、直状保護カバー側へと的確に導くことができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3または4に記載の付属保護カバーにおいて、平面からなる前記構築面における、その平面での前記曲り部を保護すべく、前記平面上を曲がるように形成されて、その曲がりの内側および外側に位置する内側壁および外側壁と、それら内側壁と外側壁とをつなぐ、底板および天板とからなる。そこで、前記案内部は、少なくとも前記外側壁および前記天板に設けられる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3または4に記載の付属保護カバーにおいて、入隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その入隅での前記曲り部を保護すべく、前記入隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなる。そこで、前記案内部は、少なくとも前記両側壁に設けられる。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係る配線・配管材の付属保護カバーは、請求項3または4に記載の付属保護カバーにおいて、出隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その出隅での前記曲り部を保護すべく、前記出隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなる。そこで、前記案内部は、少なくとも前記両側壁および前記天板に設けられる。
【発明の効果】
【0014】
この発明に係る配線・配管材の付属保護カバーによれば、案内部により、配線・配管材を付属保護カバーから直状保護カバー側へと円滑に送ることができ、これにより、配線・配管材の配設作業を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の第一の実施の形態の、平面図である。
【図2】同じく、図1におけるA−A線による断面図である。
【図3】同じく、図2におけるB−B線による断面図である。
【図4】同じく、図2におけるC−C線による拡大断面図である。
【図5】同じく、基台の斜視図である。
【図6】同じく、カバーの斜視図である。
【図7】同じく、カバーの正面図である。
【図8】同じく、カバーの底面図である。
【図9】同じく、図3において、配線・配管材としての光ファイバーを挿通し、その光ファイバーの先端が、第1の案内部に当たった状態を示す、断面図である。
【図10】同じく、図3において、挿通した光ファイバーが、第1の案内部に当たった後、その案内部に案内されて直状保護カバー内に向かう過程を示す、断面図である。
【図11】この発明の第二の実施の形態の、縦断面図である。
【図12】同じく、図11におけるD−D線による断面図である。
【図13】同じく、図11におけるE−E線による断面図である。
【図14】同じく、基台の斜視図である。
【図15】同じく、基台の縦断面図である。
【図16】同じく、カバーの斜視図である。
【図17】同じく、カバーの縦断面図である。
【図18】この発明の第三の実施の形態の、縦断面図である。
【図19】同じく、図18におけるF−F線による断面図である。
【図20】同じく、基台の斜視図である。
【図21】同じく、基台の縦断面図である。
【図22】同じく、カバーの斜視図である。
【図23】同じく、カバーの縦断面図である。
【図24】同じく、カバーの正面図である。
【図25】従来の付属保護カバーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明に係る配線・配管材の付属保護カバーを実施するための形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図10は、本発明の第一の実施の形態を示す。図中符号1は、建物の壁床等の構築面である。2は、前記構築面1に沿って配設される光ファイバー等の配線・配管材W(配線材または配管材)を保護する直状保護カバー、すなわち真っ直ぐ延びるように形成された保護カバーである。3は、前記直状保護カバー2とつながって、前記配線・配管材Wを保護する付属保護カバーである。なお、図1〜図4は、直状保護カバー2、2と付属保護カバー3とを、構築面1に配備した状態を示す。そして、図5は、付属保護カバー3における基台4を示し、図6〜図8は、付属保護カバー3におけるカバー5を示す。また、図9および図10は、直状保護カバー2および付属保護カバー3に配線・配管材Wを挿通する過程を示す。
【0018】
ここで、直状保護カバー2は、左右の側壁2i、2iと、それら側壁2i、2iをつなぐ、底板2jおよび天板2kとからなる。
【0019】
付属保護カバー3は、前記構築面1に当接する当接面3aを有してその構築面1に固定される基台4と、その基台4に組み付けられて、その基台4との間に前記配線・配管材Wが通る通路3bを形成するカバー5とを備える。一方において、この付属保護カバー3は、直状保護カバー2が内側に嵌められるようにして接続される接続口3cを有する。図示実施の形態においては、直状保護カバー2における側壁2i、2iおよび天板2kが、接続口3cの内側に嵌められ、底板2jが、付属保護カバー3の後述する底板3hに突き合わされる(図3および図4参照)。そこで、この付属保護カバー3の内周面には、接続口3cよりも奥側に、挿通される前記配線・配管材Wを、接続された直状保護カバー2の端面2a(図示実施の形態においては、側壁2iおよび天板2kの端面)を避けるようにして通路3bから直状保護カバー2内に案内する案内部3dが、その内周面から突出するように設けられる。そして、この案内部3dは、付属保護カバー3の内周面から、接続された直状保護カバー2の内部側に向かって延びて、前記配線・配管材Wを通路3bから直状保護カバー2の内部側に向かうように案内する、案内傾斜面3eを有する。
【0020】
詳細には、付属保護カバー3は、曲がって配設される配線・配管材Wのその曲り部を保護すべく、曲がって形成されて、その曲がりの各端側に、前記接続口3cが設けられる。そして、前記案内部3dは、少なくとも、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に設けられる。
【0021】
より詳細には、付属保護カバー3は、平面1aからなる前記構築面1における、その平面1aでの配線・配管材Wの曲り部を保護すべく、前記平面1a上を曲がるように形成される。そして、この付属保護カバー3に設けられる(詳しくは、付属保護カバー3の曲がりの各端側に設けられる)接続口3cは、外側にふくらむことなく形成される。
【0022】
具体的には、付属保護カバー3は、その曲がりの内側および外側に位置する内側壁3fおよび外側壁3gと、それら内側壁3fと外側壁3gとをつなぐ、底板3hおよび天板3iとからなる。そこで、好ましくは、案内部3dは、少なくとも外側壁3gおよび天板3iに設けられる。
【0023】
ここにおいて、基台4は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の内側壁3fおよび外側壁3gの一部を構成する第1内側壁4aおよび第1外側壁4bと、それら第1内側壁4aと第1外側壁4bとをつなぐ前記底板3hとが、一体に形成されている。そして、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの下端面と底板3hの下面が面一となって、前記当接面3aを形成している。そして、この底板3hには、基台4を構築面1に固定するための、固定孔4c、4cがあけられており、この固定孔4c、4cを通って構築面1にねじ込まれたり打ち込まれたりする、ビスとか釘とかの固着具により、基台4は、構築面1に取付固定される。また、底板3hは、その曲がりの各端部が、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bのそれぞれの各端部、つまりは内側壁3fおよび外側壁3gのそれぞれの各端部よりも控えて位置しており、その端面は、直状保護カバー2の端面2a(詳細には、底板2jの端面)が突き当たる突当て面4dとなっている。したがって、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bにおける、突当て面4dよりも突出する部分は、付属保護カバー3の前記接続口3cの一部を構成する第1接続口4eとなる。
【0024】
そして、この基台4には、前記案内部3dとしての第1の案内部4fが設けられている。この第1の案内部4fは、第1接続口4eよりも奥側に、詳細には、先端が突当て面4dから若干控えて位置する。また、この第1の案内部4fは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に設けられており、第1外側壁4bの内周面から突当て面4d側に向かって斜めに突出するとともに、底板3hの内周面から起立するように(図示実施の形態においては、垂直に起立するように)形成されている(図3、図5参照)。そして、この第1の案内部4fにおける第1内側壁4a側を向く面が、前記案内傾斜面3eとしての第1の案内傾斜面4gとなり、この第1の案内傾斜面4gは、第1外側壁4bから離れるほど第1接続口4eに向かうように傾斜して形成されている。ところで、第1の案内部4fは、一定の肉厚を有する第1外側壁4b(外側壁3g)から斜めに突出し、その案内部4fの裏側の第1外側壁4b(外側壁3g)との間に肉ぬすみQが設けられることから、第1外側壁4b(外側壁3g)の表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。
【0025】
また、基台4は、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの上面が合せ面4hとなって、カバー5が組み付けられた際には、そのカバー5の後述する第2内側壁5aおよび第2外側壁5bの合せ面5iとなる下面と合わさることとなる。そして、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bからは、その内寄りの位置から突出するように係合凸部4i、4iが形成され、また、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの内周面には、爪状の第1係止部4j、4jが形成されている。そして、この第1係止部4jを挟むように、第1内側壁4aおよび第1外側壁4bの内周面には、突部4k、4kが形成されている。ここで、特に第1外側壁4bに設けられた第1係止部4jは、各々の第1接続口4e寄りに位置しており、この第1係止部4jを挟む突部4k、4kのうちの、第1接続口4eから離れた側の突部4kの、第1接続口4eとは反対側には、第1外側壁4bから離れるほど第1接続口4eに向かう傾斜面4mが設けられている。
【0026】
カバー5は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の内側壁3fおよび外側壁3gの一部を構成する第2内側壁5aおよび第2外側壁5bと、それら第2内側壁5aと第2外側壁5bとをつなぐ前記天板3iとが、一体に形成されている。そこで、この第2内側壁5aと基台4における第1内側壁4aとで、付属保護カバー3の内側壁3fが形成され、同様に、第2外側壁5bと基台4における第1外側壁4bとで、付属保護カバー3の外側壁3gが形成される。そして、このカバー5の各端部が、付属保護カバー3の前記接続口3cの一部を構成する第2接続口5cとなる。つまり、この第2接続口5cと基台4における第1接続口4eとで、付属保護カバー3の接続口3cが形成される。
【0027】
そして、このカバー5には、前記案内部3dとしての第2および第3の案内部5d、5eが設けられている。第2の案内部5dは、第2接続口5cよりも奥側に、天板3iから第2外側壁5bに渡って延びるようにして、それら天板3iおよび第2外側壁5bの内周面から突出して形成されている。そこで、この第2の案内部5dは、第2外側壁5b側が、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に位置することとなる。そして、この第2の案内部5dにおける奥側の面が、前記案内傾斜面3eとしての第2の案内傾斜面5fとなり、この第2の案内傾斜面5fは、天板3iおよび第2外側壁5bから離れるほど第2接続口5cに向かうように傾斜して形成される。図示実施の形態においては、この第2の案内部5dは、その長手方向に延びる溝5gにより、第2の案内傾斜面5fを長手方向に沿って分割するように、二つに分断されて形成されている。第3の案内部5eは、第2の案内部5dよりも奥側であって、その第2の案内部5dから間隔をあけた位置に、第2外側壁5bの内周面から突出して形成されている。そこで、この第3の案内部5eは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に位置することとなる。そして、この第3の案内部5eにおける奥側の面が、前記案内傾斜面3eとしての第3の案内傾斜面5hとなり、この第3の案内傾斜面5hは、第2外側壁5bから離れるほど第2接続口5cに向かうように傾斜して形成される。
【0028】
また、カバー5は、前述したように、第2内側壁5aおよび第2外側壁5bの下面が合せ面5iとなって、基台4に組み付けられた際には、その基台4の第1内側壁4aおよび第1外側壁4bに設けられた合せ面4hと合わさる。そして、第2内側壁5aおよび第2外側壁5bには、その内周面側において合せ面5iから天板3i方向に向かって窪む係合凹部5j、5jが形成され、また、第2内側壁5aおよび第2外側壁5bの内周面からは、下方に突出するようにして、爪を有する第2係止部5k、5kが形成されている。そこで、カバー5と基台4との組付けの際には、係合凹部5jと基台4の係合凸部4iとが係合することで、カバー5と基台4とは、互いに位置決めされ、第2係止部5kが基台4の第1係止部4jに係止されることで、カバー5は、基台4に取り付けられる。
【0029】
また、第2外側壁5bに設けられた第2係止部5kは、第2接続口5c寄りに位置しており、この第2係止部5kの、第2接続口5cとは反対側には、第2外周壁5bから離れるほど第2接続口5cに向かう傾斜面5mが設けられている。そこで、この傾斜面5mと基台4の突部4kに設けられた傾斜面4mにより、付属保護カバー3から直状保護カバー2側に向かって挿通される配線・配管材Wを、第2係止部5kや基台4の第1係止部4jとの干渉を避けて、通過させることができる。
【0030】
次に、以上の構成からなる付属保護カバー3の作用効果について説明する。この付属保護カバー3によると、基台4とカバー5との間に、配線・配管材Wが通る通路3bが形成される。そして、付属保護カバー3の接続口3cに直状保護カバー2が内側に嵌められるようにして接続され、これら直状保護カバー2と付属保護カバー3とは互いにつながって連続するように配備される。
【0031】
こうして、直状保護カバー2と付属保護カバー3とが配備された後に、付属保護カバー3から直状保護カバー2側に向かって(図示実施の形態においては、一方の直状保護カバー2から付属保護カバー3側に向かい、続いて、その付属保護カバー3からもう一方の直状保護カバー2側に向かって)、配線・配管材Wを挿通すると、その配線・配管材W(図示実施の形態においては、一方の直状保護カバー2から付属保護カバー3に進んだ配線・配管材)は、付属保護カバー3の内周面に設けられた案内部3d(4f、5d、5e)によって、通路3bから、直状保護カバー2(図示実施の形態においては、もう一方の直状保護カバー2)の端面2aを越えてその直状保護カバー2内に案内される(図9、図10参照)。したがって、この案内部3d(4f、5d、5e)により、配線・配管材Wを付属保護カバー3から直状保護カバー2側へと円滑に送ることができ、これにより、配線・配管材Wの配設作業を効率良く行うことができる。なお、図9は、配線・配管材Wとしての光ファイバーW1の先端が、案内部3dとしての第1の案内部4fに当たった状態を示し、図10は、前記光ファイバーW1が、第1の案内部4fに案内されて直状保護カバー2内に向かう過程を示す。
【0032】
また、付属保護カバー3が曲がって形成されると、付属保護カバー3から直状保護カバー2側に向かう配線・配管材Wは、主に付属保護カバー3の曲がりにおける外側を通る。したがって、この外側に案内部3dを設けることで、配線・配管材Wを、直状保護カバー2側へと的確に導くことができる。
【0033】
また、この付属保護カバー3における接続口3cは、外側にふくらむことなく形成されているため、見栄えがよい。
【0034】
図11〜図17は、本発明の第二の実施の形態を示す。この実施の形態では、付属保護カバー3が構築面1における入隅1xに配備され、このため、第一の実施の形態とは、付属保護カバー3の曲がりの方向が異なるが、他は同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して異なる部分を主に説明する。なお、図11〜図13は、直状保護カバー2、2と付属保護カバー3とを、構築面1に配備した状態を示す。そして、図14および図15は、基台4を示し、図16および図17は、カバー5を示す。
【0035】
この付属保護カバー3は、入隅1xを形成する2平面1a、1aからなる構築面1における、その入隅1xでの配線・配管材の曲り部を保護すべく、前記入隅1x上を曲がるように形成される。そして、この付属保護カバー3に設けられる(詳しくは、付属保護カバー3の曲がりの各端側に設けられる)接続口3cは、外側にふくらむことなく形成される。
【0036】
具体的には、付属保護カバー3は、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁3j、3jと、それら側壁3j、3jどうしをつなぐ、底板3hおよび天板3iとからなる。そこで、好ましくは、案内部3dは、少なくとも両側壁3j、3jに設けられる。
【0037】
ここにおいて、基台4は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第1側壁4n、4nと、それら第1側壁4n、4nどうしをつなぐ前記底板3hとが、一体に形成される。そして、第1側壁4nは、その下端面が直角に折れ曲がって形成され、底板3hは、両端部分が平板状に形成され、中間部分が湾曲して形成されている。そこで、第1側壁4n、4nの下端面と底板3hの両端部分の下面が面一となって、構築面1に当接する当接面3aを形成する。そして、この底板3hには、基台4を構築面1に固定するための、固定孔4c、4cがあけられており、この固定孔4c、4cを通って構築面1にねじ込まれたり打ち込まれたりする、ビスとか釘とかの固着具により、基台4は、構築面1に取付固定される。また、底板3hは、その曲がりの各端部が、第1側壁4n、4nのそれぞれの各端部、つまりは側壁3j、3jのそれぞれの各端部よりも控えて位置しており、その端面は、直状保護カバー2の端面2a(詳細には、底板2jの端面)が突き当たる突当て面4dとなる。したがって、第1側壁4n、4nにおける、突当て面4dよりも突出する部分は、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第1接続口4eとなる。
【0038】
そして、この基台4に、案内部3dが設けられる。この案内部3dは、第1接続口4eよりも奥側に、詳細には、先端が突当て面4dと面一となって位置する。また、この案内部3dは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に設けられており、第1側壁4nの内周面から突当て面4d側に向かって斜めに突出するとともに、底板3hの内周面から起立するように(図示実施の形態においては、第1側壁4n側に傾いた状態で起立するように)形成されている(図13、図14参照)。そして、この案内部3dにおける対峙する第1側壁4n側を向く面が、案内傾斜面3eとなり、この案内傾斜面3eは、第1側壁4nから離れるほど第1接続口4eに向かうように傾斜して(図示実施の形態においては、第1側壁4nから離れるほど第1接続口4eに向かうように傾斜するとともに、底板3hから離れるほど第1側壁4nに近づくように傾斜して)形成されている。ところで、案内部3dは、一定の肉厚を有する第1側壁4n(側壁3j)から斜めに突出し、その案内部3dの裏側の第1側壁4n(側壁3j)との間に肉ぬすみQが設けられることから、第1側壁4n(側壁3j)の表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。
【0039】
また、基台4は、第1側壁4nの上面が合せ面4hとなって、カバー5が組み付けられた際には、そのカバー5の後述する第2側壁5nの合せ面5iとなる下面と合わさることとなる。そして、第1側壁4nからは、その内寄りの位置から突出するように係合凸部4i、4iが形成され、また、第1側壁4nの内周面には、爪状の第1係止部4jが形成されている。そして、この第1係止部4jを挟むように、第1側壁4nの内周面には、突部4k、4kが形成されており、さらに、これら両突部4k、4kを挟むように、第1側壁4nの内周面には、円弧状に湾曲する傾斜面を有する他の突部4p、4pが形成されている。そこで、この傾斜面を有する他の突部4p、4pにより、付属保護カバー3に挿通される配線・配管材を、突部4kや第1係止部4jや後述する第2係止部5kとの干渉を避けて、通過させることができる。
【0040】
カバー5は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第2側壁5n、5nと、それら第2側壁5n、5nどうしをつなぐ前記天板3iとが、一体に形成されている。そこで、この第2側壁5nと基台4における第1側壁4nとで、付属保護カバー3の側壁3jが形成される。そして、このカバー5の各端部が、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第2接続口5cとなる。つまり、この第2接続口5cと基台4における第1接続口4eとで、付属保護カバー3の接続口3cが形成される。
【0041】
また、カバー5は、前述したように、第2側壁5nの下面が合せ面5iとなって、基台4に組み付けられた際には、その基台4の第1側壁4nに設けられた合せ面4hと合わさる。そして、第2側壁5nには、その内周面側において合せ面5iから天板3i方向に向かって窪む係合凹部5j、5jが形成され、また、第2側壁5nの内周面からは、下方に突出するようにして、爪を有する第2係止部5kが形成されている。そこで、カバー5と基台4との組付けの際には、係合凹部5jと基台4の係合凸部4iとが係合することで、カバー5と基台4とは、互いに位置決めされ、第2係止部5kが基台4の第1係止部4jに係止されることで、カバー5は、基台4に取り付けられる。
【0042】
そして、この第二の実施の形態に示す付属保護カバー3は、構築面1の入隅1xに配備されるものであるが、その作用効果は、第一の実施の形態と同様である。
【0043】
図18〜図24は、本発明の第三の実施の形態を示す。この実施の形態では、付属保護カバー3が構築面1における出隅1yに配備され、このため、第一の実施の形態とは、付属保護カバー3の曲がりの方向が異なるが、他は同様であり、以下に、同様の部位には、同一の符号を付して異なる部分を主に説明する。なお、図18および図19は、直状保護カバー2、2と付属保護カバー3とを、構築面1に配備した状態を示す。そして、図20および図21は、基台4を示し、図22〜図24は、カバー5を示す。
【0044】
この付属保護カバー3は、出隅1yを形成する2平面1a、1aからなる構築面1における、その出隅1yでの配線・配管材の曲り部を保護すべく、前記出隅1y上を曲がるように形成される。そして、この付属保護カバー3に設けられる(詳しくは、付属保護カバー3の曲がりの各端側に設けられる)接続口3cは、外側にふくらむことなく形成される。
【0045】
具体的には、付属保護カバー3は、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁3j、3jと、それら側壁3j、3jどうしをつなぐ、底板3hおよび天板3iとからなる。そこで、好ましくは、案内部3dは、少なくとも両側壁3j、3jおよび天板3iに設けられる。
【0046】
ここにおいて、基台4は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第1側壁4n、4nと、それら第1側壁4n、4nどうしをつなぐ前記底板3hとが、一体に形成される。そして、第1側壁4nは、その下端面が直角に折れ曲がって形成され、底板3hは、両端部分が平板状に形成され、中間部分が湾曲して形成されている。そこで、第1側壁4n、4nの下端面と底板3hの両端部分の下面が面一となって、構築面1に当接する当接面3aを形成する。そして、この底板3hには、基台4を構築面1に固定するための、固定孔4c、4cがあけられており、この固定孔4c、4cを通って構築面1にねじ込まれたり打ち込まれたりする、ビスとか釘とかの固着具により、基台4は、構築面1に取付固定される。また、底板3hは、その曲がりの各端部が、第1側壁4n、4nのそれぞれの各端部、つまりは側壁3j、3jのそれぞれの各端部よりも控えて位置しており、その端面は、直状保護カバー2の端面2a(詳細には、底板2jの端面)が突き当たる突当て面4dとなる。したがって、第1側壁4n、4nにおける、突当て面4dよりも突出する部分は、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第1接続口4eとなる。
【0047】
また、基台4は、第1側壁4nの上面が合せ面4hとなって、カバー5が組み付けられた際には、そのカバー5の後述する第2側壁5nの合せ面5iとなる下面と合わさることとなる。そして、第1側壁4nからは、その内寄りの位置から突出するように係合凸部4i、4iが形成され、また、第1側壁4nの内周面には、爪状の第1係止部4j、4jが形成されている。そして、この第1係止部4jを挟むように、第1側壁4nの内周面には、突部4k、4kが形成されている。
【0048】
カバー5は、例えば合成樹脂製であって、付属保護カバー3の側壁3j、3jの一部を構成する第2側壁5n、5nと、それら第2側壁5n、5nどうしをつなぐ前記天板3iとが、一体に形成されている。そこで、この第2側壁5nと基台4における第1側壁4nとで、付属保護カバー3の側壁3jが形成される。そして、このカバー5の各端部が、付属保護カバー3の接続口3cの一部を構成する第2接続口5cとなる。つまり、この第2接続口5cと基台4における第1接続口4eとで、付属保護カバー3の接続口3cが形成される。
【0049】
そして、このカバー5に、案内部3dとしての第1および第2の案内部5p、5qが設けられる。第1の案内部5pは、第2接続口5cよりも奥側に、天板3iの内周面から第2接続口5c側に向かって斜めに突出して形成されて、両第2側壁5n、5nに渡るように延びている(図18、図24参照)。そこで、この第1の案内部5pは、付属保護カバー3の曲がりにおける外側に位置することとなる。そして、この第1の案内部5pにおける奥側の面(つまり、表面)が、案内傾斜面3eとしての第1の案内傾斜面5rとなり、この第1の案内傾斜面5rは、天板3iから離れるほど第2接続口5cに向かうように傾斜して形成される。第2の案内部5qは、第2側壁5nと、第1の案内部5pおよび天板3iとに渡るように湾曲して形成される(図18、図24参照)。そして、この第2の案内部5qにおける表面が、案内傾斜面3eとしての第2の案内傾斜面5sとなる。ところで、第1の案内部5pは、一定の肉厚を有する天板3iから斜めに突出し、一定の肉厚を有する第2側壁5n(側壁3j)に渡るように延びて、その案内部5pの裏側の天板3iとの間に肉ぬすみQが設けられることから、天板3iとか第2側壁5n(側壁3j)の表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。同様に、第2の案内部5qは、一定の肉厚を有する第2側壁5n(側壁3j)と天板3iとに渡り、その案内部5qの裏側の第2側壁5n(側壁3j)との間に肉ぬすみQが設けられることから、第2側壁5n(側壁3j)とか天板3iの表側におけるヒケの発生を防ぐことができる。
【0050】
また、カバー5は、前述したように、第2側壁5nの下面が合せ面5iとなって、基台4に組み付けられた際には、その基台4の第1側壁4nに設けられた合せ面4hと合わさる。そして、第2側壁5nには、その内周面側において合せ面5iから天板3i方向に向かって窪む係合凹部5j、5jが形成され、また、第2側壁5nの内周面からは、下方に突出するようにして、爪を有する第2係止部5k、5kが形成されている。そこで、カバー5と基台4との組付けの際には、係合凹部5jと基台4の係合凸部4iとが係合することで、カバー5と基台4とは、互いに位置決めされ、第2係止部5kが基台4の第1係止部4jに係止されることで、カバー5は、基台4に取り付けられる。
【0051】
そして、この第三の実施の形態に示す付属保護カバー3は、構築面1の出隅1yに配備されるものであるが、その作用効果は、第一の実施の形態と同様である。
【0052】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、直状保護カバー2および付属保護カバー3によって保護される配線・配管材Wは、配線材としては、光ファイバーW1の他に、電力線とか信号線等であってもよく、配管材としては、通水管とかドレーン管とか冷媒管等であってもよい。また、両保護カバー2、3に配線・配管材Wを挿通するにあたって、配線・配管材Wを直接挿通する以外に、呼び線を用いて挿通してもよい。
【0053】
また、付属保護カバー3は、配線・配管材Wの曲り部を保護すべく、曲って形成されなくとも、直状に配設される配線・配管材のその直状部を保護すべく、直状に形成されて、その直状の各端側に、接続口3cが設けられてもよい。
【0054】
また、案内傾斜面3eは、平面によって形成されても、円弧等を描くように湾曲する曲面によって形成されてもよく、さらには、平面とか曲面が適宜組み合わされて形成されてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 構築面
1a 平面
1x 入隅
1y 出隅
2 直状保護カバー
2a 端面
3 付属保護カバー
3a 当接面
3b 通路
3c 接続口
3d 案内部
3e 案内傾斜面
3f 内側壁
3g 外側壁
3h 底板
3i 天板
3j 側壁
4 基台
4f 第1の案内部(案内部)
4g 第1の案内傾斜面(案内傾斜面)
5 カバー
5d 第2の案内部(案内部)
5e 第3の案内部(案内部)
5f 第2の案内傾斜面(案内傾斜面)
5h 第3の案内傾斜面(案内傾斜面)
5p 第1の案内部(案内部)
5q 第2の案内部(案内部)
5r 第1の案内傾斜面(案内傾斜面)
5s 第2の案内傾斜面(案内傾斜面)
W 配線・配管材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の壁床等の構築面に沿って配設される配線・配管材を保護する直状保護カバーとつながって、前記配線・配管材を保護する付属保護カバーであって、
前記構築面に当接する当接面を有してその構築面に固定される基台と、その基台に組み付けられて、その基台との間に前記配線・配管材が通る通路を形成するカバーとを備え、
前記直状保護カバーが内側に嵌められるようにして接続される接続口を有し、
この付属保護カバーの内周面には、前記接続口よりも奥側に、挿通される前記配線・配管材を、接続された前記直状保護カバーの端面を避けるようにして前記通路から前記直状保護カバー内に案内する案内部が、前記内周面から突出するように設けられることを特徴とする、配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項2】
前記案内部は、前記内周面から、接続された前記直状保護カバーの内部側に向かって延びて、前記配線・配管材を前記直状保護カバーの内部側に向かうように案内する、案内傾斜面を有することを特徴とする、請求項1に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項3】
曲がって配設される前記配線・配管材のその曲り部を保護すべく、曲がって形成されて、その曲がりの各端側に、前記接続口が設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項4】
前記案内部は、少なくとも前記曲がりにおける外側に設けられることを特徴とする、請求項3に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項5】
平面からなる前記構築面における、その平面での前記曲り部を保護すべく、前記平面上を曲がるように形成されて、その曲がりの内側および外側に位置する内側壁および外側壁と、それら内側壁と外側壁とをつなぐ、底板および天板とからなり、
前記案内部は、少なくとも前記外側壁および前記天板に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項6】
入隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その入隅での前記曲り部を保護すべく、前記入隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなり、
前記案内部は、少なくとも前記両側壁に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項7】
出隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その出隅での前記曲り部を保護すべく、前記出隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなり、
前記案内部は、少なくとも前記両側壁および前記天板に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項1】
建物の壁床等の構築面に沿って配設される配線・配管材を保護する直状保護カバーとつながって、前記配線・配管材を保護する付属保護カバーであって、
前記構築面に当接する当接面を有してその構築面に固定される基台と、その基台に組み付けられて、その基台との間に前記配線・配管材が通る通路を形成するカバーとを備え、
前記直状保護カバーが内側に嵌められるようにして接続される接続口を有し、
この付属保護カバーの内周面には、前記接続口よりも奥側に、挿通される前記配線・配管材を、接続された前記直状保護カバーの端面を避けるようにして前記通路から前記直状保護カバー内に案内する案内部が、前記内周面から突出するように設けられることを特徴とする、配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項2】
前記案内部は、前記内周面から、接続された前記直状保護カバーの内部側に向かって延びて、前記配線・配管材を前記直状保護カバーの内部側に向かうように案内する、案内傾斜面を有することを特徴とする、請求項1に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項3】
曲がって配設される前記配線・配管材のその曲り部を保護すべく、曲がって形成されて、その曲がりの各端側に、前記接続口が設けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項4】
前記案内部は、少なくとも前記曲がりにおける外側に設けられることを特徴とする、請求項3に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項5】
平面からなる前記構築面における、その平面での前記曲り部を保護すべく、前記平面上を曲がるように形成されて、その曲がりの内側および外側に位置する内側壁および外側壁と、それら内側壁と外側壁とをつなぐ、底板および天板とからなり、
前記案内部は、少なくとも前記外側壁および前記天板に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項6】
入隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その入隅での前記曲り部を保護すべく、前記入隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなり、
前記案内部は、少なくとも前記両側壁に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【請求項7】
出隅を形成する2平面からなる前記構築面における、その出隅での前記曲り部を保護すべく、前記出隅上を曲がるように形成されて、その曲がりのラインを含む平面を挟んで対峙する両側壁と、それら側壁どうしをつなぐ、底板および天板とからなり、
前記案内部は、少なくとも前記両側壁および前記天板に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の配線・配管材の付属保護カバー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−151998(P2011−151998A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−12448(P2010−12448)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(000243803)未来工業株式会社 (550)
【Fターム(参考)】
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