説明

配線基板の型抜き装置及び型抜き方法

【課題】配線基板の材料となる基材を無駄にせず、基材から配線基板を確実に型抜きすることができる。
【解決手段】型抜き装置1は、フィルム10を送るフィルム送り機構2と、フィルム10からCOF15を型抜きする型抜き機構3と、型抜きされたCOF15を取り上げるピックアップ機構5などを有している。型抜き装置1は、送り出しリール18に装着されたフィルム10を、抜き枠12の長手方向の長さだけ送り方向に送る。このとき、抜き型30と対向する抜き枠12は、その前の型抜き工程において送り方向上流側の辺を除く三辺がコの字状に抜かれている。次に、型抜き機構3の抜き型30を降下させて、抜き枠12の送り方向上流側の辺を抜き、前後2回の型抜き動作でフィルム10から1枚のCOF15aを型抜きする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板の型抜き装置及び型抜き方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、配線が形成された長尺な基材から複数の配線基板を型抜きする型抜き装置が知られている。例えば、特許文献1の型抜き装置は、ロの字状の刃部(抜き型)を有するカッターユニット(型抜き手段)と、長尺なテープを長手方向に沿って送るスプロケットを備えている。この長尺なテープには、複数の配線基板が長手方向に沿って一定のピッチごとに並んで形成されており、各配線基板の間には、抜きしろとして一定の隙間がそれぞれ確保されている。そして、型抜きする際には、このテープを長手方向に上記ピッチだけ送り、ロの字状の刃部とテープに形成された配線基板が対向したときに、当該刃部をテープに押し付けて、配線基板を型抜きしている。このような、テープを送る動作と配線基板の型抜き動作を交互に行うことで、テープから複数の配線基板を型抜きしている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−221169号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来では、隣接する配線基板の間に一定幅以上の抜きしろを有するようにテープを形成しており、テープが無駄になっていた。そこで、テープの無駄を減らすために、隣接する配線基板の間の抜きしろの幅を短い、または、無くしたテープを形成することが考えられる。このとき、従来の型抜き装置を用いて、上記テープから配線基板を連続して型抜きする場合には、スプロケットの送り量の誤差が原因で、2つ目の配線基板の型抜き以降、先に型抜きされた配線基板の一辺側の部分に刃部が接触して、場合によっては刃部によりテープの一辺側の部分が下に巻き込まれることが考えられる。これにより、テープが変形してしまい、配線基板を所望の形状に型抜きできないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、配線基板の材料となる基材を無駄にせず、基材から配線基板を確実に型抜きすることが可能な型抜き装置及び型抜き方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の配線基板の型抜き装置は、配線が形成された長尺な絶縁性の基材から、前記基材の長手方向に沿って複数の配線基板を型抜きする、配線基板の型抜き装置であって、前記基材と対向する位置に設けられ、前記基材の前記長手方向と平行に延びる2枚の第1刃部と、前記2枚の第1刃部の端部同士を連結する1枚の第2刃部とを有するコの字状の抜き型を備え、前記抜き型を前記基材に押し付けて、前記基材をコの字状に抜く型抜き手段と、前記基材を前記抜き型に対して前記長手方向に相対移動させる送り手段と、前記型抜き手段と前記送り手段を制御して、前記型抜き手段による型抜き動作と前記送り手段による送り動作を交互に行わせる制御手段と、を備えており、前記制御手段は、前記送り手段により、前記送り動作を挟む前後2回の前記型抜き動作の一方の動作における前記2枚の第1刃部の先端の切断位置と、他方の動作における前記第2刃部の切断位置とが前記基材の前記長手方向において重なる送り量だけ、前記送り動作において、前記基材を前記抜き型に対して相対移動させる。
【0007】
本発明の型抜き装置によると、型抜き動作において、基材の長手方向に延びる2枚の第1刃部と2枚の第1刃部の端部同士を連結した第2刃部とからなるコの字状の抜き型を用いており、送り動作を挟む前後2回の型抜き動作の一方の動作における2枚の第1刃部の先端の切断位置と、他方の動作における第2刃部の切断位置とが基材の長手方向において重なるように、送り動作において、基材を抜き型に対して相対移動させている。そして、前後2回の型抜き動作で1枚の配線基板を型抜きしている。こうすることで、抜き型が基材を押し付けるときに、すでに切断された基材の部分に押し付けられることがないため、抜き型が基材を巻き込んで基材が変形するのを抑えることができる。そのため、配線基板をロの字状の抜き型で打ち抜く場合に比べて、基材の抜きしろの幅を小さい、または、無くすことが可能になり、基材を無駄にすることなく、確実に配線基板を基材から型抜きすることができる。
【0008】
また、前記第2刃部は、前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記抜き型に対する移動方向における下流側端部を連結していることが好ましい。これによると、1回目の型抜き動作で抜き型によって基材の抜き型に対する移動方向に沿った二辺及びこの二辺を結ぶ移動方向の下流側の一辺が抜かれた後、2回目の型抜き動作で移動方向の上流側の一辺が抜かれて、基材から配線基板が型抜きされる。このとき、型抜きされた配線基板は、抜き型のコの字状の刃部に囲まれていないため、取り上げやすく、取り上げの自由度がさらに高い。
【0009】
また、前記第2刃部は、前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記抜き型に対する移動方向における上流側端部を連結していてもよい。これによると、抜き型によって基材の抜き型に対する移動方向に沿った二辺及びこの二辺を結ぶ移動方向の上流側の一辺が抜かれた後、移動方向の下流側の一辺が抜かれて、基材から配線基板が型抜きされる。
【0010】
また、前記基材には、それぞれ抜き枠で囲われた複数の前記配線基板が、前記長手方向に沿って隙間なく並べて形成されており、前記制御手段は、前記型抜き手段により、前記型抜き動作において、前記抜き型と1つの前記抜き枠の三辺が対向したときに、前記抜き枠の三辺を前記抜き型で抜くとともに、前記基材の前記長手方向に互いに隣接する2つの前記抜き枠を両者の境界において前記第2刃部により分断し、前記送り手段により、前記送り動作において、前記抜き枠の、前記基材の前記長手方向における長さだけ、前記基材を前記抜き型に対して相対移動させることが好ましい。これによると、基材に複数の配線基板に対応する抜き枠を長手方向に沿って隙間なく並べて形成することで、多数の配線基板を無駄なく型抜きすることができる。
【0011】
このとき、前記2枚の第1刃部の前記第2刃部により連結されていない開放側の端部は、内側に屈曲しており、前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記長手方向における長さは、前記抜き枠の、前記基材の前記長手方向における長さよりも長いことが好ましい。これによると、抜き型の抜き枠に対する、基材の長手方向及び幅方向における相対位置が多少ずれても、配線基板を型抜きすることができる。また、2枚の第1刃部の第2刃部により連結されていない開放側の端部が内側に屈曲しているため、基材の幅方向の外側に向かって切れ込みが入ることがなく、送られるときの張力で基材が裂けにくい。
【0012】
また、前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記長手方向における長さは、前記抜き枠の、前記基材の前記長手方向における長さよりも長くてもよい。これによると、抜き型の抜き枠に対する、基材の長手方向における相対位置が多少ずれても、配線基板を型抜きすることができる。
【0013】
さらに、前記第2刃部の、前記基材の幅方向における長さは、前記抜き枠の、前記基材の幅方向における長さよりも長くてもよい。これによると、抜き型の抜き枠に対する、基材の幅方向における相対位置が多少ずれても、配線基板を型抜きすることができる。
【0014】
また、前記基材から型抜きされた前記配線基板を取り出す取出手段をさらに備えており、前記取出手段は、前記抜き型による前記基材の押し付け側から、型抜きされた前記配線基板を取り出すことが好ましい。仮に、型抜きされた配線基板を下に落として積層させていくのであれば、例えば、型抜きされた配線基板を仕分けするのが困難であったり、配線基板にICが実装されている場合には、積層することで静電破壊が生じるおそれがある。そこで、型抜きされた配線基板を基材の押し付け側から取り上げることで、上述した問題を解消することができる。
【0015】
本発明の配線基板の型抜き方法は、配線が形成された長尺な絶縁性の基材から、前記基材の長手方向に沿って複数の配線基板を型抜きする、配線基板の型抜き方法であって、前記基材の前記長手方向に延びる2枚の第1刃部と、前記2枚の第1刃部の端部同士を連結する1枚の第2刃部とを有するコの字状の抜き型を使用し、前記抜き型の前記2枚の第1刃部と前記1枚の第2刃部によって、前記基材をコの字状に抜く型抜き工程と、前記基材を前記抜き型に対して前記基材の前記長手方向に所定の送り量だけ相対移動させる送り工程と、を交互に行い、前記送り工程を挟む前後2回の前記型抜き工程のうち一方の型抜き工程における前記2枚の第1刃部の先端の切断位置と、他方の型抜き工程における前記第2刃部の切断位置とが前記基材の前記長手方向において重なるように、前記送り工程における前記送り量を設定し、前後2回の前記型抜き工程によって1枚の前記配線基板を型抜きする。
【0016】
本発明の型抜き装置によると、型抜き工程において、基材の長手方向に延びる2枚の第1刃部と2枚の第1刃部の端部同士を連結した第2刃部とからなるコの字状の抜き型を用いており、送り工程を挟む前後2回の型抜き工程の一方の動作における2枚の第1刃部の先端の切断位置と、他方の動作における第2刃部の切断位置とが基材の長手方向において重なるように、送り工程において、基材を抜き型に対して相対移動させている。そして、前後2回の型抜き工程で1枚の配線基板を型抜きしている。こうすることで、抜き型が基材を押し付けるときに、すでに切断された基材の部分に押し付けられることがないため、抜き型が基材を巻き込んで基材が変形するのを抑えることができる。そのため、配線基板をロの字状の抜き型で打ち抜く場合に比べて、基材の抜きしろの幅を小さい、または、無くすことが可能になり、基材を無駄にすることなく、確実に配線基板を基材から型抜きすることができる。
【0017】
このとき、前記型抜き工程において前記基材から型抜きされた前記配線基板を、前記抜き型による前記基材の押し付け側から取り上げることが好ましい。仮に、型抜きされた配線基板を下に落として積層させていくのであれば、例えば、型抜きされた配線基板を仕分けするのが困難であったり、配線基板にICが実装されている場合には、積層することで静電破壊が生じるおそれがある。そこで、型抜きされた配線基板を基材の押し付け側から取り上げることで、上述した問題を解消することができる。
【発明の効果】
【0018】
配線基板をロの字状の抜き型で打ち抜く場合に比べて、基材の抜きしろの幅を小さい、または、無くすことが可能になり、基材を無駄にすることなく、確実に配線基板を基材から型抜きすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る型抜き装置の概略斜視図である。
【図2】フィルムの概略平面図である。
【図3】抜き型の平面図である。
【図4】COFの型抜きの工程について説明するフィルムの平面図であり、(a)は送り工程であり、(b)は型抜き工程であり、(c)はピックアップ工程である。
【図5】抜き型とフィルムの相対位置のずれの許容可能範囲について説明するフィルムの平面図であり、(a)は幅方向にずれている場合であり、(b)は長手方向にずれている場合である。
【図6】ICが実装されておらずCOFとして使用不可能になった基板が送り方向に2つ連続している場合のCOFの型抜きの工程について説明するフィルムの平面図であり、(a)は送り工程において基板NG1を型抜き位置に移動させたときであり、(b)は型抜き工程において基板NG1を型抜きしたときであり、(c)はピックアップ工程においてCOF15cをピックアップしたときであり、(d)は送り工程においてCOF15dを型抜き位置に移動させたときである。
【図7】変形例におけるCOFの型抜きの工程について説明するフィルムの平面図であり、(a)は送り工程であり、(b)は型抜き工程であり、(c)はピックアップ工程である。
【図8】変形例における抜き型とフィルムの相対位置のずれの許容可能範囲について説明するフィルムの平面図であり、(a)は幅方向にずれている場合であり、(b)は長手方向にずれている場合である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、長尺なフィルムから多数のCOF(Chip On Film)を型抜きする型抜き装置に本発明を適用したものである。
【0021】
まず、本実施形態の型抜き装置の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る型抜き装置の概略斜視図である。図1に示すように、型抜き装置1は、フィルム10を一方向(図1の左方から右方への送り方向)に送るフィルム送り機構2(送り手段)と、フィルム送り機構2により送られるフィルム10からCOF15を型抜きする型抜き機構3(型抜き手段)と、型抜きされたCOF15を取り上げるピックアップ機構5と、各部の動作を制御して、全体動作を司る制御部60(制御手段)などを有している。
【0022】
まず、フィルム10について説明する。図2は、フィルムの概略平面図である。なお、図2においては、図2の最も上方のCOF15のみ配線を図示しており、その他のCOF15では簡単のため配線の図示を省略している。図1及び図2に示すように、フィルム10は、絶縁性材料からなり、薄く長尺な可撓性の基板11(基材)と、基板11上に形成され、長手方向に沿って隙間なく並んだ複数の抜き枠12と、長手方向と直交する幅方向の両側において、複数の抜き枠12を挟んで、長手方向に所定のピッチ間隔をあけて穿設された複数のスプロケット孔13とを有している。
【0023】
基板11の抜き枠12内には、配線14が配置されるとともに、長手方向の両端に2つのIC16が実装されてCOF15が構成されている。COF15は、さまざまなアクチュエータに接続されて用いられることが多く、例えば、インクジェットヘッドのアクチュエータを駆動するためのICを実装したCOFや、液晶ディスプレイを駆動するためのICを実装したCOFとして用いられる。
【0024】
複数の抜き枠12は、フィルム10の長手方向に隙間なく並んでおり、それにともない、複数のCOF15もフィルム10の長手方向に隙間なく並んでいる。そして、フィルム10から抜き枠12に沿った形状で型抜きを行うことで、COF15が型抜きされる。
【0025】
図1に戻って、フィルム送り機構2は、軸芯が平行に配置された2つのローラ20、21と、両ローラ20、21の間に配置された支持台22とを有している。ローラ20は、送り出しリール18が着脱自在に装着された従動ローラである。ローラ21は、巻き取りリール19が着脱自在に装着されており、図示しない駆動モータにより駆動されて回転する駆動ローラである。
【0026】
フィルム10は、配線14やIC16が配置された面が外側を向くように、送り出しリール18に巻回されている。そして、送り出しリール18から供給されたフィルム10が、送り出しリール18の場合と同じように、配線14やIC16が配置された面が外側を向くように、巻き取りリール19に巻き取られる状態で、ローラ21の駆動により巻き取りリール19が回転することで、ローラ20とともに送り出しリール18が従動回転する。
【0027】
この送り出しリール18と巻き取りリール19の外周面の両端には、フィルム10のスプロケット孔13に係合可能なスプロケット爪23がスプロケット孔13と同じピッチ間隔をあけて周方向に複数形成されており、フィルム10を滑ることなく送り出したり、巻き取ったりすることができる。
【0028】
なお、ローラ21の回転量は、図示しないエンコーダにより検出しており、この回転量からフィルム10の送り量及び現在位置を認識できるようになっている。支持台22は、平板状をしており、送り出しリール18と巻き取りリール19の間を走行するフィルム10の下方に配置されており、フィルム10の下面と接触することによって、フィルム10を下方から支持している。
【0029】
型抜き機構3は、フィルム10に押し付けられることで、COF15をコの字状に抜く抜き型30と、送り出しリール18と巻き取りリール19との間を送られるフィルム10の面方向と直交する鉛直方向に抜き型30を昇降移動させる昇降機構31とを有している。抜き型30は、フィルム10を挟んで支持台22と対向して配置されている。図3は、抜き型の平面図である。なお、図3においては、抜き枠12に囲まれたCOF15を2点鎖線で仮想的に図示している。
【0030】
図1及び図3に示すように、抜き型30は、2つのリール18、19の間を走行するフィルム10の送り方向(長手方向)に延在する2枚の第1刃部30aと、2枚の第1刃部30aの送り方向下流側の端部同士を連結する1枚の第2刃部30bとを有するコの字状をしている。
【0031】
第1刃部30aの長さは、抜き枠12の送り方向に関する長さよりも若干長くなっている。そして、第1刃部30aの送り方向上流側端部30c(第2刃部30bにより連結されていない開放側の端部)は、互いに近づくようにそれぞれが内側に屈曲している。また、2枚の第1刃部30aのまっすぐに延在する部分は、平面視で、フィルム10の抜き枠12の送り方向に沿った部分と重なっている。
【0032】
第2刃部30bの長さは、抜き枠12の幅方向に関する長さと同じになっている。すなわち、抜き型30は、フィルム10の送り量によって、平面視で、1つの抜き枠12の送り方向上流側端部の辺を除く三辺と重なるように配置されている。
【0033】
抜き型30は、昇降機構31により駆動されて、フィルム10に向かって下方に移動して、フィルム10を刃先で押し付けて、コの字状に抜く。また、抜き型30は、昇降機構31により駆動されて、フィルム10から離れるように上方に移動して、フィルム10に接触しない位置にて退避する。
【0034】
ピックアップ機構5は、型抜きされたCOF15を吸着して取り上げる吸着アーム51と、吸着アーム51を移動させるアーム駆動機構52とを有している。
【0035】
吸着アーム51は、抜き型30よりも送り方向下流側において、抜き型30によるフィルム10の押し付け側と同じ側に配置されている。そして、吸着アーム51は、型抜きされたCOF15の上面を吸引して吸着可能となっている。また、吸着アーム51は、アーム駆動機構52により駆動されて、吸着アーム51の基端を軸として移動可能となっており、吸着アーム51の先端を、抜き型30と対向するCOF15の下流側に隣接するCOF15の上面におけるIC16が実装されていない領域と接触する吸着位置と、吸着したCOF15を図示しないベルトコンベア上の載置位置とに移動させる。
【0036】
制御部60は、例えば、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、型抜き装置1の全体動作を制御するための各種プログラムやデータなどが格納されたROM(Read Only Memory)と、CPUで処理されるデータなどを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)などを備え、ROMに格納されたプログラムがCPUで実行されることにより、以下に説明するような種々の制御を行う。あるいは、演算回路を含む各種回路が組み合わされたハードウェア的なものであってもよい。
【0037】
制御部60は、図示しない駆動モータを駆動して、ローラ21を回転させて、ローラ21の回転にともない従動回転するローラ20に巻回された送り出しリール18に装着されたフィルム10を送り方向に送る。また、制御部60は、昇降機構31を駆動して、抜き型30に型抜き動作を行わせる。さらに、制御部60は、吸着アーム51を駆動して、COF15の吸着動作を行わせる。また、制御部60は、アーム駆動機構52を駆動して、吸着アーム51を吸着位置と載置位置とにわたって移動させる。
【0038】
次に、型抜き装置1によるフィルム10からのCOF15の型抜き動作について説明する。図4は、COFの型抜きの工程について説明するフィルムの平面図であり、(a)は送り工程であり、(b)は型抜き工程であり、(c)はピックアップ工程である。なお、図4においては、フィルム10をハッチングで示し、抜き枠12を細線で示し、抜き型30により切断された部分を破線で示している。また、図4における送り方向に関する位置p1は抜き型30と対向する型抜き位置であり、送り方向に関する位置p2は吸着アーム51によりCOF15が吸着される吸着位置となっている。
【0039】
まず、図4(a)に示すように、制御部60により、フィルム送り機構2の図示しない駆動モータを駆動して、ローラ21を回転させることで、送り出しリール18に装着されたフィルム10を、抜き枠12の長手方向の長さだけ送り方向に送る(送り工程)。すると、COF15aが吸着位置p2に位置するとともに、COF15bが型抜き位置p1に位置する。このとき、COF15aに対応する抜き枠12は、その前の後述する型抜き工程において送り方向上流側の辺を除く三辺がコの字状に抜かれている。
【0040】
次に、制御部60により、型抜き機構3の昇降機構31を駆動して、抜き型30を降下させる。すると、図4(b)に示すように、COF15bに対応する抜き枠12の送り方向上流側の辺を除く三辺がコの字状に抜かれるとともに、COF15aに対応する抜き枠12とCOF15bに対応する抜き枠12の両者の境界(COF15aに対応する抜き枠12の送り方向上流側の辺)が抜かれ、フィルム10からCOF15aが型抜きされる(型抜き工程)。
【0041】
このとき、制御部60により、ピックアップ機構5のアーム駆動機構52を駆動して、吸着アーム51を吸着位置に移動させた上で、吸着アーム51を駆動して、COF15aを吸着させておく。そして、図4(c)に示すように、制御部60により、ピックアップ機構5のアーム駆動機構52を駆動して、吸着アーム51を載置位置に移動させて、吸着アーム51の駆動を停止して、COF15aを図示しないベルトコンベアの載置位置にて載置する(ピックアップ工程)。
【0042】
このように、型抜き工程において、フィルム10の長手方向に延びる2枚の第1刃部30aと2枚の第1刃部30aの端部同士を連結した第2刃部30bとからなるコの字状の抜き型30を用いており、送り工程を挟む前後2回の型抜き工程の一方の工程における2枚の第1刃部30aの先端の切断位置と、他方の工程における第2刃部30bの切断位置とがフィルム10の長手方向において重なるように、送り工程における送り量を抜き枠12の長手方向の長さ分に設定して、フィルム10を送り方向に移動させている。
【0043】
そして、送り工程と型抜き工程とピックアップ工程を繰り返し行うことで、抜きしろを確保せずに複数のCOF15が隙間なく形成されたフィルム10から、前後2回の型抜き工程で1枚のCOF15を連続的に型抜きしている。
【0044】
こうすることで、仮に、ロの字状の抜き型30で型抜きする場合、型抜きされたCOF15は、ロの字状の刃部に囲まれており、取り上げることが困難であり、下に落として積層させていくのが一般的である。しかしながら、これでは、例えば、型抜きされたCOF15を仕分けするのが困難であったり、COF15にIC16が実装されている場合には、積層することで静電破壊が生じるおそれがある。
【0045】
そこで、2枚の第1刃部30aの送り方向下流側端部を第2刃部30bで連結したコの字状の抜き型30でCOF15を型抜きすることで、1回目の型抜き工程で抜き型30によってフィルム10の送り方向に沿った二辺及びこの二辺を結ぶ送り方向下流側の一辺を抜いた後、2回目の型抜き工程で送り方向の上流側の一辺を抜くことになり、フィルム10からCOF15が型抜きされる。そして、型抜きされたCOF15は、抜き型30のコの字状を構成する第1刃部30a及び第2刃部30bに囲まれていないため、抜き型30が邪魔になることなく、抜き型30によるフィルム10の押し付け側(上方)から取り上げやすく、上述した問題を解消することができる。また、たとえ、型抜きされたCOF50が抜き型30に囲まれていたとしても、コの字状の抜き型30の開放された側のスペースから吸着アーム51を入れて取り上げることが可能であり、COF15の取り上げの自由度が高い。
【0046】
また、COF15の抜かれた縁近傍を抜き型30により再度押し付けることがないため、抜き型30によりフィルム10が巻き込まれて変形するのを防止することができる。そのため、抜き型30がフィルム10に対して正確に押し付けられるので、フィルム10から所望の形状のCOF15を確実に型抜きすることができる。
【0047】
さらに、抜き型30の2枚の第1刃部30aの送り方向上流側の先端形状によるメリットについて説明する。図5は、抜き型とフィルムの相対位置のずれの許容可能範囲について説明するフィルムの平面図であり、(a)は幅方向にずれている場合であり、(b)は送り方向にずれている場合である。図5(a)に示すように、抜き型30の2枚の第1刃部30aの送り方向上流側の端部は長さx1ずつ内側にそれぞれ屈曲しており、2枚の第1刃部30aの送り方向に関する長さは、抜き枠12の送り方向に関する長さよりも長さx2だけ長くなっている。
【0048】
これだと、図5(a)に示すように、仮に、フィルム送り機構2によるフィルム10の送り位置が抜き型30に対して幅方向にずれる、または、型抜き機構3の抜き型30の位置がフィルム10に対して幅方向にずれた状態で、型抜き工程が行われたとしても、幅方向の両側それぞれについて長さx1ずつまでのずれに関しては、許容誤差としてCOF15を型抜きすることができる。
【0049】
また、図5(b)に示すように、仮に、フィルム送り機構2によるフィルム10の送り位置が抜き型30に対して送り方向にずれる、または、型抜き機構3の抜き型30の位置がフィルム10に対して送り方向にずれた状態で、型抜き工程が行われたとしても、送り方向の両側いずれかへの長さx2までのずれに関しては、許容誤差としてCOF15を型抜きすることができる。
【0050】
なお、上述したように、抜き型30の2枚の第1刃部30aの送り方向上流側の端部が内側にそれぞれ屈曲し、2枚の第1刃部30aの送り方向に関する長さが、抜き枠12の送り方向に関する長さよりも長くなっていることで、COF15には切れ込みが入りやすい。しかしながら、COF15の切れ込みが入るおそれがある部分は、あらかじめ把握することが可能であるので、この部分には、配線14やIC16が配置されないように設計されている。また、COF15は、一般的に、張力などの力が生じるような環境では使用されにくく、切れ込みが入っていたとしても、その部分から裂けるおそれは少ない。さらに、切れ込みを発生させる原因となる2枚の第1刃部30aの先端は内側に屈曲しているため、フィルム10の幅方向の外側に向かって切れ込みが入ることがなく、送られるときの張力によっても裂けにくい。
【0051】
また、COF15の端の上記切れ込みが入るところには、一般的に、圧電式のアクチュエータに接続されるCOF15であれば、共通電極用のGNDの端子が設けられることが多い。この共通電極用の端子は個別電極用の端子に比べて比較的大きいので、多少切れ込みが入っても抵抗値の影響が少ない。また、圧電式のアクチュエータに接続されるCOF15は、図示しないFPCと接続されて制御基板と接続されることが多いが、この接続された部分において、切れ込みが埋まって影響がなくなる。
【0052】
また、本実施形態では、送り出しリール18に装着される前のフィルム10において、IC16が実装される前の、配線14が形成された段階で、配線14同士がショートしているなどの不良品であることが検出されると、その不良の原因となっている配線14とともにCOF15を構成することになるIC16については実装していない。これにより、フィルム10に使用されることのない無駄なIC16を実装することがなく、コストダウンが図れる。
【0053】
また、このようなIC16が実装されておらずCOF15として使用不可能になった基板が送り方向に2つ連続している場合には、図6(a)に示すように、基板NG1を型抜き位置、コの字に抜かれたCOF15cを吸着位置に移動させた状態で、図6(b)に示すように、基板NG1をコの字に抜いて、COF15cを型抜きする(図6(c)参照)。そして、基板NG2に対してコの字に抜くこと(型抜き工程)を行わずに、図6(d)に示すように、送り工程を行い、COF15dをコの字に抜く。これにより、フィルム10には、基板NG1と基板NG2が抜かれずに残されたままとなる。
【0054】
このように、使用不可能な基板をフィルム10から型抜きせずに残すことで、送られるときの張力でフィルム10が裂けにくくなる。なお、フィルム10に使用不可能になった基板が送り方向に2つ連続しているか否かを判断する方法としては、型抜き機構3の送り方向上流側にIC16を検出するセンサが設けられており、このセンサによる検出結果から判断してもよいし、フィルム10の送り方向のどの位置の基板にIC16が実装されていないかをあらかじめ制御部60の記憶部(図示せず)に記憶させておき、フィルム送り機構2による送り量からIC15が実装されていない基板の位置を判断してもよい。
【0055】
次に、上述した実施形態に種々の変形を加えた変更形態について説明する。ただし、上述した実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0056】
本実施形態においては、コの字状の抜き型30における、送り方向に延在する2枚の第1刃部30aの送り方向下流側の端部同士が第2刃部30bで連結されていたが、2枚の第1刃部の送り方向上流側の端部同士が第2刃部で連結されていてもよい。このときのCOFの型抜きの工程について、図7を参照して説明する。図7は、変形例におけるCOFの型抜きの工程について説明するフィルムの平面図であり、(a)は送り工程であり、(b)は型抜き工程であり、(c)はピックアップ工程である。また、図7における送り方向に関する位置p3は、抜き型130と対向する型抜き位置であるとともに、吸着アーム51によりCOF15が吸着される吸着位置となっている。すなわち、上述した実施形態と異なり、型抜き位置と吸着位置が同じ位置となっている。
【0057】
まず、図7(a)に示すように、制御部60により、フィルム送り機構2の図示しない駆動モータを駆動して、ローラ21を回転させることで、送り出しリール18に装着されたフィルム10を、抜き枠12の長手方向の長さだけ送り方向に送る(送り工程)。すると、COF15eが型抜き及び吸着位置p3に位置する。このとき、COF15eに対応する抜き枠12は、その前の後述する型抜き工程において送り方向下流側の一辺だけ抜かれている。
【0058】
次に、制御部60により、型抜き機構3の昇降機構31を駆動して、抜き型130を降下させる。すると、図7(b)に示すように、COF15eに対応する抜き枠12の送り方向下流側の辺を除く三辺がコの字状に抜かれ、フィルム10からCOF15eが型抜きされる(型抜き工程)。
【0059】
このとき、制御部60により、ピックアップ機構5のアーム駆動機構52を駆動して、吸着アーム51を吸着位置に移動させた上で、吸着アーム51を駆動して、COF15eを吸着させておく。このとき、抜き型130が、吸着アーム51が設けられた送り方向下流側に開放したコの字状であるため、抜き型130内のCOF15eの上面をその開放された側から吸着するのは容易である。そして、図7(c)に示すように、制御部60により、ピックアップ機構5のアーム駆動機構52を駆動して、吸着アーム51を載置位置に移動させて、吸着アーム51の駆動を停止して、COF15eを図示しないベルトコンベアの載置位置にて載置する(ピックアップ工程)。
【0060】
また、抜き型30とフィルム10の相対位置のずれを許容するための、抜き型30の形状は、上述した実施形態とは異なり以下に説明するように形状であってもよい。図8は、変形例における抜き型とフィルムの相対位置のずれの許容可能範囲について説明するフィルムの平面図であり、(a)は幅方向にずれている場合であり、(b)は長手方向にずれている場合である。
【0061】
図8(a)に示すように、抜き型230の1枚の第2刃部230bの幅方向に関する長さ(2枚の第1刃部230aの幅方向に関する間隔)は、抜き枠12の幅方向に関する長さよりも長さx3だけ長くなっている。また、抜き型230の2枚の第1刃部230aの送り方向の送り方向に関する長さは、抜き枠12の送り方向に関する長さよりも長さx4だけ長くなっている。
【0062】
これだと、図8(a)に示すように、仮に、フィルム送り機構2によるフィルム10の送り位置が抜き型230に対して幅方向にずれる、または、抜き型230の位置がフィルム10に対して幅方向にずれた状態で、型抜き工程が行われたとしても、幅方向の両側それぞれについて長さx3ずつまでのずれに関しては、許容誤差としてCOF15を型抜きすることができる。
【0063】
また、図8(b)に示すように、仮に、フィルム送り機構2によるフィルム10の送り位置が抜き型230に対して送り方向にずれる、または、抜き型230の位置がフィルム10に対して送り方向にずれた状態で、型抜き工程が行われたとしても、送り方向の両側いずれかへの長さx4までのずれに関しては、許容誤差としてCOF15を型抜きすることができる。
【0064】
また、本実施形態においては、抜き型30の2枚の第1刃部30aの送り方向上流側の端部は内側にそれぞれ屈曲しており、2枚の第1刃部30aの送り方向に関する長さは、抜き枠12の送り方向に関する長さよりも長くなっていたが、2枚の第1刃部30aの送り方向に関する長さは、抜き枠12の送り方向に関する長さと同じであってもよい。これでも、型抜き工程が行われたときに、幅方向の両側それぞれについてのずれに関しては、許容誤差としてCOF15を型抜きすることができる。
【0065】
さらに、フィルム10に形成されたCOF15の形状は、矩形状に限らず、隙間なく長手方向に並べて形成されることが可能な形状であればよい。そして、抜き型は、フィルム10の長手方向のいずれか一端が開放された略コの字状であればよい。例えば、Cの字状や、第1刃部と第2刃部の接続部分が角状になっていないものも含まれる。
【0066】
加えて、本実施形態においては、型抜きされたCOF15の上面を吸着して、ピックアップしていたが、例えば、ピンセットなどで上下方向から挟んでピックアップしてもよい。また、支持台22を小さくして、型抜き工程のときに型抜きされたCOF15が下に落ちるように構成してもよい。
【0067】
また、本実施形態においては、フィルム10から型抜きされる配線基板として、アクチュエータを駆動するためのIC16が実装されたCOF15を例に挙げて説明したが、配線が形成されていれば、IC16が実装されていなくてもよい。例えば、IC16の実装されていない配線基板としては、センサに接続される基板などが挙げられる。また、COF15には2つのIC16が実装されていたがこれには限られない。
【0068】
さらに、本実施形態においては、フィルム10の抜き枠12に合わせて型抜きを行っていたが、抜き枠12が形成されずに、フィルム送り機構2による送り量を適宜変更して、送り方向に関する長さが異なる配線基板を多数型抜きしてもよい。
【0069】
以上、説明した実施形態は、アクチュエータに接続されるCOFの型抜き装置に限られず、さまざまな対象の被接続体に接続される配線基板の型抜き装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 型抜き装置
2 フィルム送り機構
3 型抜き機構
10 フィルム
15 COF
30 抜き型
30a 第1刃部
30b 第2刃部
60 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が形成された長尺な絶縁性の基材から、前記基材の長手方向に沿って複数の配線基板を型抜きする、配線基板の型抜き装置であって、
前記基材と対向する位置に設けられ、前記基材の前記長手方向と平行に延びる2枚の第1刃部と、前記2枚の第1刃部の端部同士を連結する1枚の第2刃部とを有するコの字状の抜き型を備え、前記抜き型を前記基材に押し付けて、前記基材をコの字状に抜く型抜き手段と、
前記基材を前記抜き型に対して前記長手方向に相対移動させる送り手段と、
前記型抜き手段と前記送り手段を制御して、前記型抜き手段による型抜き動作と前記送り手段による送り動作を交互に行わせる制御手段と、を備えており、
前記制御手段は、
前記送り手段により、前記送り動作を挟む前後2回の前記型抜き動作の一方の動作における前記2枚の第1刃部の先端の切断位置と、他方の動作における前記第2刃部の切断位置とが前記基材の前記長手方向において重なる送り量だけ、前記送り動作において、前記基材を前記抜き型に対して相対移動させることを特徴とする型抜き装置。
【請求項2】
前記第2刃部は、前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記抜き型に対する移動方向における下流側端部を連結していることを特徴とする請求項1に記載の型抜き装置。
【請求項3】
前記第2刃部は、前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記抜き型に対する移動方向における上流側端部を連結していることを特徴とする請求項1に記載の型抜き装置。
【請求項4】
前記基材には、それぞれ抜き枠で囲われた複数の前記配線基板が、前記長手方向に沿って隙間なく並べて形成されており、
前記制御手段は、
前記型抜き手段により、前記型抜き動作において、前記抜き型と1つの前記抜き枠の三辺が対向したときに、前記抜き枠の三辺を前記抜き型で抜くとともに、前記基材の前記長手方向に互いに隣接する2つの前記抜き枠を両者の境界において前記第2刃部により分断し、
前記送り手段により、前記送り動作において、前記抜き枠の、前記基材の前記長手方向における長さだけ、前記基材を前記抜き型に対して相対移動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の型抜き装置。
【請求項5】
前記2枚の第1刃部の前記第2刃部により連結されていない開放側の端部は、内側に屈曲しており、
前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記長手方向における長さは、前記抜き枠の、前記基材の前記長手方向における長さよりも長いことを特徴とする請求項4に記載の型抜き装置。
【請求項6】
前記2枚の第1刃部の、前記基材の前記長手方向における長さは、前記抜き枠の、前記基材の前記長手方向における長さよりも長いことを特徴とする請求項4に記載の型抜き装置。
【請求項7】
前記第2刃部の、前記基材の幅方向における長さは、前記抜き枠の、前記基材の幅方向における長さよりも長いことを特徴とする請求項6に記載の型抜き装置。
【請求項8】
前記基材から型抜きされた前記配線基板を取り出す取出手段をさらに備えており、
前記取出手段は、前記抜き型による前記基材の押し付け側から、型抜きされた前記配線基板を取り出すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の型抜き装置。
【請求項9】
配線が形成された長尺な絶縁性の基材から、前記基材の長手方向に沿って複数の配線基板を型抜きする、配線基板の型抜き方法であって、
前記基材の前記長手方向に延びる2枚の第1刃部と、前記2枚の第1刃部の端部同士を連結する1枚の第2刃部とを有するコの字状の抜き型を使用し、
前記抜き型の前記2枚の第1刃部と前記1枚の第2刃部によって、前記基材をコの字状に抜く型抜き工程と、前記基材を前記抜き型に対して前記基材の前記長手方向に所定の送り量だけ相対移動させる送り工程と、を交互に行い、
前記送り工程を挟む前後2回の前記型抜き工程のうち一方の型抜き工程における前記2枚の第1刃部の先端の切断位置と、他方の型抜き工程における前記第2刃部の切断位置とが前記基材の前記長手方向において重なるように、前記送り工程における前記送り量を設定し、前後2回の前記型抜き工程によって1枚の前記配線基板を型抜きすることを特徴とする配線基板の型抜き方法。
【請求項10】
前記型抜き工程において前記基材から型抜きされた前記配線基板を、前記抜き型による前記基材の押し付け側から取り上げることを特徴とする請求項9に記載の配線基板の型抜き方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−69729(P2012−69729A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213178(P2010−213178)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】