説明

配線基板

【課題】本発明は、汎用性が高く性能が安定した状態で磁性体デバイスを搭載する配線基板に関する。
【解決手段】配線基板1は、所定の平板状の基板2内にMRAM3が埋め込まれており、このMRAM3の埋め込まれている位置の基板2の表面2aには、周辺部品4aが、また、裏面2bには、周辺部品4bが配置されている。すなわち、配線基板1は、周辺部品4aと周辺部品4bが、基板2内に埋め込まれているMRAM3を挟んだ状態で配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板に関し、詳細には、汎用性が高く性能が安定した状態で磁性体デバイスを搭載する配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、磁性体デバイスの開発が進み、種々の用途に用いられるようになってきており、例えば、MRAM(Magneto Resistive Random Access Memory:磁気抵抗メモリ)は、複合装置等の装置の電源のオン/オフに影響されることなく記憶内容を保持するNVRAM(Non Volatile RAM:不揮発性デバイス)として用いられるようになってきている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなNVRAMは、複合装置等においては、電話帳のユーザデータ等のように、1つの装置での利用が終了しても、他の装置で利用が要望されるデータが格納されるため、装置が故障したときにも、取り外せる形式になっていることが望ましい。また、近年、NVRAMは、ユーザデータ等のデータ量の増加にともなって、大容量化が求められている。
【0004】
このような要望に対応可能なNVRAMとして、上記MRAMが適しているが、装置内の作業やMRAM近辺の作業(例えば、装置の組立作業、MRAMを搭載するオプションボードのネジ止め作業等)において、図25に示すような着磁ソケットドライバー100が、MRAMに接触すると、磁気により故障(データ化け等)が発生するおそれがある。すなわち、MRAMは、磁気により内部のデータの変更・保持を行っており、外部から強力な磁気が印加されると、内部のデータに影響(データ化け)が発生するおそれがある。
【0005】
そこで、従来、図26に示すように、配線基板110は、その基板111の表面に配置されたMRAM112を覆うように、カバー113が基板111に取り付けられ、着磁ドライバー100等の磁気を帯びた物体(以下、着磁部材という。)のMRAM112への接触を防止している。なお、図26(a)は、表面図、図26(b)は、裏面図、図26(c)は、側面図であり、114は、コネクタである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来技術にあっては、MRAM112の配置されている基板111上を、該MRAM112を覆うようにカバー113が取り付けられているため、配線基板110が大型化するとともに、コストが高くつくという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、磁性体デバイスを小型で安価かつ安定した状態で搭載する配線基板を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1記載の配線基板は、所定の平板状の基板と、前記基板内に埋め込まれている磁性体デバイスと、前記基板の表面と裏面に、前記磁性体デバイスを挟んだ状態で配置されている部品と、を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、磁性体デバイスを小型で安価かつ安定した状態で搭載する配線基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施例を適用した配線基板の側面図。
【図2】図1の配線基板の表面図。
【図3】図1の配線基板の裏面図。
【図4】本発明の第2実施例を適用した配線基板の側面図。
【図5】図4の配線基板の表面図。
【図6】図4の配線基板の裏面図。
【図7】本発明の第2実施例の他の例を適用した配線基板の側面図。
【図8】図7の配線基板の表面図。
【図9】図7の配線基板の裏面図。
【図10】本発明の第3実施例を適用した配線基板の側面図。
【図11】図10の配線基板の表面図。
【図12】図10の配線基板の裏面図。
【図13】本発明の第4実施例を適用した配線基板の側面図。
【図14】図13の配線基板の表面図。
【図15】図13の配線基板の裏面図。
【図16】本発明の第4実施例の他の例を適用した配線基板の側面図。
【図17】図16の配線基板の表面図。
【図18】図16の配線基板の裏面図。
【図19】本発明の第5実施例を適用した配線基板の側面図。
【図20】図19の配線基板の表面図。
【図21】図19の配線基板の裏面図。
【図22】本発明の第5実施例の他の例を適用した配線基板の側面図。
【図23】図22の配線基板の表面図。
【図24】図22の配線基板の裏面図。
【図25】着磁ソケットドライバーの一例を示す図。
【図26】従来の配線基板を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【実施例1】
【0012】
図1〜図3は、本発明の配線基板の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明の配線基板の第1実施例を適用した配線基板1の側面図である。
【0013】
図1において、配線基板1は、所定の大きさと厚さを有する平板状の基板2の厚さ方向における約中央位置に埋め込まれている状態で、MRAM(磁性体デバイス)3が配置されている。基板2は、本実施例の配線基板1では、1.0mm〜2.0mmの厚さを有しており、MRAM3は、種々の厚さのものがあるが、本実施例では、1mm前後の厚さのものが用いられている。したがって、MRAM3と基板2の表面2a及び裏面2bとは、コンマ数mm程度である。
【0014】
配線基板1は、配線基板1の表面図である図2及び配線基板1の裏面図である図3に示すように、MRAM3の埋設されている位置の基板2の表面2a及び裏面2bには、それぞれMRAM3を覆う状態で、汎用の複数の周辺部品(部品)4a、4bが配置されている。すなわち、基板2は、その表面2aのうち、基板2内に埋め込まれているMRAM3を覆う位置に、周辺部品4aが配置されており、その裏面2bのうち、MRAM3を覆う位置に、周辺部品4bが配置されている。周辺部品4a及び周辺部品4bは、図25に示したような着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板2のMRAM3の埋め込まれている位置の表面2a及び裏面2bに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。なお、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が基板2の表面2aまたは裏面2bに接触してMRAM3に影響をおよぼすのは、着磁部材の角部が接触する場合よりも、着磁部材の先端が面接触する場合の方が、磁気が強く影響が大きい。そこで、基板2上の周辺部品4a、4bは、少なくとも、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0015】
配線基板1は、その表面2aの一方側辺(図1の右側辺、図2の下側辺)には、コネクタ5が配置されており、コネクタ5は、配線基板1を複合装置等の装置のメインボードに接続するために使用される。
【0016】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の配線基板1は、MRAM3を搭載する小型で安価な配線基板となっている。
【0017】
すなわち、配線基板1は、MRAM3が、基板2の厚さ方向の約中央位置に埋め込まれており、MRAM3と基板2の表面2a及び裏面2bとは、コンマ数mm程度ある状態となっている。配線基板1は、MRAM3の埋設されている位置の基板2の表面2a及び裏面2bに、それぞれMRAM3を覆う状態で、汎用の複数の周辺部品4a、4bが配置されており、周辺部品4a及び周辺部品4bは、着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板2のMRAM3の埋め込まれている位置の表面2a及び裏面2bに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。
【0018】
したがって、配線基板1の製造作業や配線基板1の複合装置等の装置への取り付け作業において、従来の配線基板110のように、カバー113を、基板2の表面2aと裏面2bの双方に設けることなく、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が、基板2のMRAM3の埋め込まれている位置の表面2a及び裏面2bに直接接触するのを周辺部品4a及び周辺部品4bで阻止することができ、MRAM3が着磁部材によって異常状態となることを防止することができる。その結果、MRAM3を小型でかつ安定した状態で安価に搭載する配線基板1を提供することができる。
【0019】
このように、本実施例の配線基板1は、所定の平板状の基板2と、基板2内に埋め込まれているMRAM(磁性体デバイス)3と、基板2の表面2aと裏面2bに、MRAM3を挟んだ状態で配置されている周辺部品4a、4bと、を備えている。
【0020】
したがって、基板2内にMRAM3を埋め込んで、その表面側と裏面側を部品4a、4bで覆っているため、従来のような無駄なモールドや耐磁気のシート等のカバーを用いることなく、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が、MRAM3の埋め込まれている位置の基板2の表面2aや裏面2bに直接接触することを部品4a、4bによって防止することができ、配線基板1を、安価かつ小型で安定した状態でMRAM3を搭載したものとすることができる。
【実施例2】
【0021】
図4〜図9は、本発明の配線基板の第2実施例を示す図であり、図4は、本発明の配線基板の第2実施例を適用した配線基板10の側面図である。
【0022】
図4において、配線基板10は、基板11の厚さ方向の中央位置よりも表面11a側に近い位置に埋め込まれている状態で、MRAM(磁性体デバイス)12が配置されている。基板11は、第1実施例の基板11と同様に、1.0mm〜2.0mmの厚さを有しており、MRAM12は、第1実施例と同様に、1mm前後の厚さのものが用いられている。したがって、MRAM12と基板11の表面11aとは、コンマ数mm程度であるが、基板11の裏面11bとは、1mm程度ある。
【0023】
配線基板10は、配線基板10の表面図である図5に示すように、MRAM12の埋設されている位置の基板11の表面11aには、MRAM12を覆う状態で、汎用の複数の周辺部品(部品)13aが配置されている。すなわち、基板11は、その表面11aに、基板11内に埋め込まれているMRAM12を覆う位置に、周辺部品13aが配置されており、周辺部品13aは、図25に示したような着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板11のMRAM12の埋め込まれている位置の表面11aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。本実施例においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板11上の周辺部品13aは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0024】
そして、配線基板10は、配線基板10の裏面図である図6に示すように、少なくともMRAM12の埋設されている位置の基板11の裏面11bには、部品が配置されていない。すなわち、基板11は、その裏面11bのMRAM12を覆う位置に、部品を配置する処理が行われていない。
【0025】
配線基板10は、その表面11aの一方側辺(図4の右側辺、図5の下側辺)には、コネクタ14が配置されており、コネクタ14は、配線基板10を複合装置等の装置のメインボードに接続するために使用される。
【0026】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の配線基板10は、基板11の表面11a近くにMRAM12を埋め込んで、MRAM12を搭載する小型で安価な配線基板となっている。
【0027】
すなわち、配線基板10は、MRAM12が、基板11の厚さ方向の中央位置よりも表面11aに近い位置に埋め込まれており、MRAM12と基板11の表面11aとは、コンマ数mm程度、基板11の裏面11bとは1mm程度ある状態となっている。配線基板10は、MRAM12の埋設されている位置の基板11の表面11aに、MRAM12を覆う状態で、汎用の複数の周辺部品13aが配置されており、周辺部品13aは、着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板11のMRAM12の埋め込まれている位置の表面11aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。また、基板11の裏面11bは、MRAM12との距離が1mm程度あるため、着磁部材が近接してもMRAM12にデータの消失等の異常が発生することがない。
【0028】
したがって、配線基板10の製造作業や配線基板10の複合装置等の装置への取り付け作業において、従来の配線基板10のように、カバー113を、基板11の表面11aと裏面11bの双方に設けることなく、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が、基板11のMRAM12の埋め込まれている位置の表面11aに直接接触するのを周辺部品13aで阻止することができ、MRAM12が着磁部材によって異常状態となることを防止することができる。また、基板11のMRAM12の埋め込まれている裏面11bとは、厚みのある基板11で覆われている。その結果、MRAM12を小型でかつ安定した状態で安価に搭載する配線基板10を提供することができる。
【0029】
なお、上記説明においては、基板11の表面11aに近い位置にMRAM12が埋め込まれているが、MRAM12を埋め込む位置は、基板11の表面11aに近い位置に限るものではなく、図7〜図9に示すように、配線基板10は、基板11の裏面11bに近い位置にMRAM12を配設してもよい。この場合、配線基板10は、基板11が、上記同様に、1.0mm〜2.0mmの厚さを有しており、MRAM12は、上記同様に、1mm前後の厚さのものが用いられていると、MRAM12と基板11の裏面11bとは、コンマ数mm程度であるが、基板11の表面11aとは、1mm程度ある。
【0030】
配線基板10は、配線基板10の表面図である図8に示すように、少なくともMRAM12の埋設されている位置の基板11の表面11aには、部品が配置されていない。すなわち、基板11は、その表面11aのMRAM12を覆う位置に、部品を配置する処理が行われていない。
【0031】
また、配線基板10は、配線基板10の裏面図である図9に示すように、MRAM12の埋設されている位置の基板11の裏面11bには、MRAM12を覆う状態で、汎用の複数の周辺部品(部品)13bが配置されている。すなわち、基板11は、その裏面11bに、基板11内に埋め込まれているMRAM12を覆う位置に、周辺部品13bが配置されており、周辺部品13bは、図25に示したような着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板11のMRAM12の埋め込まれている位置の裏面11bに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。この場合においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板11上の周辺部品13bは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0032】
配線基板10は、その表面11aの一方側辺(図7の右側辺、図8の下側辺)には、コネクタ14が配置されており、コネクタ14は、配線基板10を複合装置等の装置のメインボードに接続するために使用される。
【0033】
したがって、配線基板10の製造作業や配線基板10の複合装置等の装置への取り付け作業において、従来の配線基板10のように、カバー113を、基板11の表面11aと裏面11bの双方に設けることなく、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が、基板11のMRAM12の埋め込まれている位置の裏面11bに直接接触するのを周辺部品13bで阻止することができ、MRAM12が着磁部材によって異常状態となることを防止することができる。また、基板11のMRAM12の埋め込まれている表面11aとは、厚みのある基板11で覆われている。その結果、MRAM12を小型でかつ安定した状態で安価に搭載する配線基板10を提供することができる。
【0034】
このように、本実施例の配線基板10は、MRAM(磁性体デバイス)12が、基板11の表面11a側または裏面11b側に寄せた状態で埋め込まれており、周辺部品13aまたは周辺部品13bが、MRAM12の寄せられている表面11a側または裏面11b側にのみ配置されている。
【0035】
したがって、MRAM12を寄せた側と反対側の裏面11bまたは表面11aとMRAM12との間隔の基板11の厚さを厚くして、着磁部材の接触による異常状態の発生を防止することができるとともに、MRAM12を寄せた側の表面11aまたは裏面11bと着磁部材の接触を周辺部品13aまたは周辺部品13bによって防止することができ、より一層小型で安価かつ安定した状態でMRAM12を搭載することができる。
【実施例3】
【0036】
図10〜図12は、本発明の配線基板の第3実施例を示す図であり、図10は、本発明の配線基板の第3実施例を適用した配線基板20の側面図である。
【0037】
図10において、配線基板20は、基板21の厚さ方向の中央位置に埋め込まれている状態で、MRAM(磁性体デバイス)22が配置されている。基板21は、第1実施例の基板2と同様に、1.0mm〜2.0mmの厚さを有しており、MRAM22は、第1実施例と同様に、1mm前後の厚さのものが用いられている。したがって、MRAM22と基板21の表面21a及び裏面21bとは、コンマ数mm程度である。
【0038】
配線基板20は、配線基板20の表面図である図11に示すように、MRAM22の埋設されている位置の基板21の表面21aには、MRAM22を覆う状態で、汎用の複数の周辺部品23aが配置されている。すなわち、基板21は、その表面21aに、基板21内に埋め込まれているMRAM22を覆う位置に、周辺部品(部品)23aが配置されており、周辺部品23aは、図25に示したような着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板21のMRAM22の埋め込まれている位置の表面21aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。本実施例においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板21上の周辺部品23aは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0039】
そして、配線基板20は、配線基板20の裏面図である図12に示すように、少なくともMRAM22の埋設されている位置の基板21の裏面21bには、MRAM22を覆う状態で、コネクタ24が配置されている。すなわち、基板21は、その裏面21bのMRAM22を覆う位置に、周辺部品ではなく、コネクタ24が配置されており、コネクタ24は、配線基板20を複合装置等の装置のメインボードに接続するために使用される。
【0040】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の配線基板20は、基板21内にMRAM22を埋め込んで、該MRAM22を覆う状態で、表面21aの周辺部品23aと裏面21bのコネクタ24が配置されていて、MRAM22を搭載する小型で安価な配線基板となっている。
【0041】
すなわち、配線基板20は、MRAM22が、基板21の厚さ方向の中央位置に埋め込まれており、MRAM22と基板21の表面21a及び裏面21bとは、コンマ数mm程度ある状態となっている。配線基板20は、MRAM22の埋設されている位置の基板21の表面21aに、MRAM22を覆う状態で、汎用の複数の周辺部品23aが配置されており、周辺部品23aは、着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板21のMRAM22の埋め込まれている位置の表面21aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。また、配線基板20は、MRAM22の埋設されている位置の基板21の裏面21bに、MRAM22を覆う状態で、コネクタ24が配置されている。
【0042】
したがって、配線基板20の製造作業や配線基板20の複合装置等の装置への取り付け作業において、従来の配線基板20のように、カバー113を、基板21の表面21aと裏面21bの双方に設けることなく、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が、基板21のMRAM22の埋め込まれている位置の表面21aに直接接触するのを、周辺部品23aとコネクタ24で阻止することができ、MRAM22が着磁部材によって異常状態となることを防止することができる。その結果、MRAM22を小型でかつ安定した状態で安価に搭載する配線基板20を提供することができる。
【0043】
なお、上記説明では、基板21の裏面21bにコネクタ24を配置して、表面21aに部品23aを配置しているが、逆に、基板21の表面21にコネクタ24を配置して、裏面21bに周辺部品23b(図示略)を配置してもよい。この場合においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板21上の周辺部品23bは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0044】
このように、本実施例の配線基板20は、基板21の表面21a側または裏面21b側の部品が、MRAM22を覆う状態で配置されているコネクタ24である。
【0045】
したがって、メインボード等の他のボードと配線基板20を接続するためのコネクタ20によってMRAM22を覆うことで、不要な部品を基板21に搭載することを省くことができ、より一層小型で安価かつ安定した状態でMRAM12を搭載することができる。
【実施例4】
【0046】
図13〜図18は、本発明の配線基板の第4実施例を示す図であり、図13は、本発明の配線基板の第4実施例を適用した配線基板30の側面図である。
【0047】
図13において、配線基板30は、基板31の厚さ方向の中央位置に埋め込まれている状態で、MRAM(磁性体デバイス)32が配置されている。基板31は、第1実施例の基板2と同様に、1.0mm〜2.0mmの厚さを有しており、MRAM32は、第1実施例と同様に、1mm前後の厚さのものが用いられている。したがって、MRAM32と基板31の表面31a及び裏面31bとは、コンマ数mm程度である。
【0048】
配線基板30は、配線基板30の表面図である図14に示すように、MRAM32の埋設されている位置の基板31の表面31aには、MRAM32を覆う状態で、汎用の多数の周辺部品(部品)33aが、図14において、一定間隔で左右上下方向に並んで配置されている。この周辺部品33aは、プルアップやプルダウン用の抵抗、ダンピング用の抵抗、MRAM32の電源ピンのためのパスコンとしてのコンデンサ等小型の受動部品のみから構成されている。すなわち、配線基板30がオプションボードであるときには、電源やロジックIC(Integrated Circuit:集積回路)等の機能部品はメインボード側に搭載されているため、配線基板30には、上述のような小型の受動部品のみが搭載されている。ところが、MRAM32を覆うのには、周辺部品33aの数が不足している場合があるが、このような場合、配線基板30は、基板31の表面31aのうち少なくともMRAM32を覆う領域にわたって0Ωの抵抗等の安価な防護部品を配置する。この場合、防護部品として0Ωの抵抗を用いる場合には、ダンピング抵抗と直列に接続して配置してもよい。
【0049】
すなわち、基板31は、その表面31aに、基板31内に埋め込まれているMRAM32を覆う位置に、多数の受動部品等からなる周辺部品33aが配置されており、周辺部品33aは、図25に示したような着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板31のMRAM32の埋め込まれている位置の表面31aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。本実施例においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板31上の周辺部品33aは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0050】
そして、配線基板30は、配線基板30の裏面図である図15に示すように、少なくともMRAM32の埋設されている位置の基板31の裏面31bには、MRAM32を覆う状態で、コネクタ34が配置されている。すなわち、基板31は、その裏面31bのMRAM32を覆う位置に、周辺部品ではなく、コネクタ34が配置されており、コネクタ34は、配線基板30を複合装置等の装置のメインボードに接続するために使用される。
【0051】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の配線基板30は、基板31内にMRAM32を埋め込んで、該MRAM32を覆う状態で、表面31aに多数の周辺部品33aが等間隔で並んで配置されているとともに、裏面31bにコネクタ34がMRAM32を覆う状態で配置されていて、MRAM32を搭載する小型で安価な配線基板となっている。
【0052】
すなわち、配線基板30は、MRAM32が、基板31の厚さ方向の中央位置に埋め込まれており、MRAM32と基板31の表面31a及び裏面31bとは、コンマ数mm程度ある状態となっている。配線基板30は、MRAM32の埋設されている位置の基板31の表面31aに、MRAM32を覆う状態で、汎用の多数の周辺部品33aが等間隔で並んで配置されているとともに、配線基板30として必要な回路部品だけで不足しているときには、着磁部材の基盤31への接触を防止する防護部品を含めた周辺部品33aが配置されており、周辺部品33aは、着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板31のMRAM32の埋め込まれている位置の表面31aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。また、配線基板30は、MRAM32の埋設されている位置の基板31の裏面31bに、MRAM32を覆う状態で、コネクタ34が配置されている。
【0053】
したがって、配線基板30の製造作業や配線基板30の複合装置等の装置への取り付け作業において、従来の配線基板30のように、カバー113を、基板31の表面31aと裏面31bの双方に設けることなく、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が、基板31のMRAM32の埋め込まれている位置の表面31aに直接接触するのを、周辺部品33aとコネクタ34で阻止することができ、MRAM32が着磁部材によって異常状態となることを防止することができる。その結果、MRAM32を小型でかつ安定した状態で安価に搭載する配線基板30を提供することができる。
【0054】
なお、上記説明においては、小型の部品を多数周辺部品33aとして配置して、MRAM32を覆うのには不足する部分を、防護部品を使用して覆っているが、図16〜図18に示すように、同じ機能を有する大型の部品を周辺部品(部品)35aとして用いてもよい。この場合においても、MRAM32の埋設されている位置の基板31の表面31aに、MRAM32を覆う状態で、汎用の多数の大型の周辺部品35aが等間隔で並んで配置され、MRAM32の埋設されている位置の基板31の裏面31bには、MRAM32を覆う状態で、コネクタ34が配置されている。この場合においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板31上の周辺部品35aは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0055】
このように、本実施例の配線基板30は、周辺部品33aが、配線基板30の機能に必要な数だけ所定間隔で配置された場合に、MRAM32を覆うのに不足していると、機能動作に不要な防護部品(部品)がMRAM32を覆う状態で配置、または/及び、部品数はそのままで同じ機能を有し形状の大きな周辺部品35aがMRAM32を覆う状態で配置されている。
【0056】
したがって、着磁部材がMRAM32の埋め込まれている位置の基板31に直接接触することを確実に防止することができ、小型で安価且つより一層安定した状態でMRAM32を搭載する配線基板30を提供することができる。
【実施例5】
【0057】
図19〜図24は、本発明の配線基板の第5実施例を示す図であり、図19は、本発明の配線基板の第5実施例を適用した配線基板40の側面図である。
【0058】
図19において、配線基板40は、基板41の厚さ方向の中央位置に埋め込まれている状態で、MRAM(磁性体デバイス)42が配置されている。基板41は、第1実施例の基板2と同様に、1.0mm〜2.0mmの厚さを有しており、MRAM42は、第1実施例と同様に、1mm前後の厚さのものが用いられている。したがって、MRAM42と基板41の表面41a及び裏面41bとは、コンマ数mm程度である。
【0059】
配線基板40は、配線基板40の表面図である図20に示すように、MRAM42の埋設されている位置の基板41の表面41aには、MRAM42を覆う状態で、汎用の多数の周辺部品(部品)43aが、図20において、一定間隔で左右上下方向に並んで市松模様に配置されている。この周辺部品43aは、プルアップやプルダウン用の抵抗、ダンピング用の抵抗、MRAM42の電源ピンのためのパスコンとしてのコンデンサ等小型の受動部品のみから構成されている。すなわち、配線基板40がオプションボードであるときには、電源やロジックIC等の機能部品はメインボード側に搭載されているため、配線基板40には、上述のような小型の受動部品のみが搭載されている。ところが、MRAM42を覆うのには、周辺部品43aの数が不足している場合があるが、このような場合、配線基板40は、基板41の表面41aのうち少なくともMRAM42を覆う領域にわたって0Ωの抵抗等の安価な防護部品を市松模様に配置する。この場合、防護部品として0Ωの抵抗を用いる場合には、ダンピング抵抗と直列に接続して配置してもよい。
【0060】
すなわち、基板41は、その表面41aに、基板41内に埋め込まれているMRAM42を覆う位置に、多数の受動部品等からなる周辺部品43aが配置されており、周辺部品43aは、図25に示したような着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板41のMRAM42の埋め込まれている位置の表面41aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。本実施例においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板41上の周辺部品43aは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0061】
そして、配線基板40は、配線基板40の裏面図である図21に示すように、少なくともMRAM42の埋設されている位置の基板41の裏面41bには、MRAM42を覆う状態で、コネクタ44が配置されている。すなわち、基板41は、その裏面41bのMRAM42を覆う位置に、周辺部品ではなく、コネクタ44が配置されており、コネクタ44は、配線基板40を複合装置等の装置のメインボードに接続するために使用される。
【0062】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の配線基板40は、基板41内にMRAM42を埋め込んで、該MRAM42を覆う状態で、表面41aに多数の周辺部品43aが等間隔で市松模様に並んで配置されているとともに、裏面41bにコネクタ44がMRAM42を覆う状態で配置されていて、MRAM42を搭載する小型で安価な配線基板となっている。
【0063】
すなわち、配線基板40は、MRAM42が、基板41の厚さ方向の中央位置に埋め込まれており、MRAM42と基板41の表面41a及び裏面41bとは、コンマ数mm程度ある状態となっている。配線基板40は、MRAM42の埋設されている位置の基板41の表面41aに、MRAM42を覆う状態で、汎用の多数の周辺部品43aが等間隔で市松模様に並んで配置されているとともに、配線基板40として必要な回路部品だけで不足しているときには、防護部品を含めた周辺部品43aが配置されており、周辺部品43aは、着磁ソケットドライバー100等の所定の大きさの着磁部材が、基板41のMRAM42の埋め込まれている位置の表面41aに直接接触するのを阻止する状態で配置されている。また、配線基板40は、MRAM42の埋設されている位置の基板41の裏面41bに、MRAM42を覆う状態で、コネクタ44が配置されている。
【0064】
したがって、配線基板40の製造作業や配線基板40の複合装置等の装置への取り付け作業において、従来の配線基板40のように、カバー113を、基板41の表面41aと裏面41bの双方に設けることなく、着磁ソケットドライバー100等の着磁部材が、基板41のMRAM42の埋め込まれている位置の表面41aに直接接触するのを、周辺部品43aとコネクタ44で阻止することができ、MRAM42が着磁部材によって異常状態となることを防止することができる。その結果、MRAM42を小型でかつ安定した状態で安価に搭載する配線基板40を提供することができる。
【0065】
なお、上記説明においては、小型の部品を周辺部品43aとして多数配置して、MRAM42を覆うのには不足する部分を、防護部品を使用しているが、図22〜図24に示すように、同じ機能を有する大型の部品を周辺部品(部品)45aとして用いてもよい。この場合においても、MRAM42の埋設されている位置の基板41の表面41aに、MRAM42を覆う状態で、汎用の多数の大型の周辺部品43aが等間隔で市松模様に並んで配置され、MRAM42の埋設されている位置の基板41の裏面41bには、MRAM42を覆う状態で、コネクタ44が配置されている。この場合においても、第1実施例の場合と同様に、少なくとも、基板41上の周辺部品43aは、着磁部材の先端面が面接触するのを阻止する状態で配設されている。
【0066】
なお、上記説明では、周辺部品43aや防護部品を市松模様に配置しているが、周辺部品43aや防護部品の配置方法は、市松模様に限るものではなく、より少ない部品で効果的に着磁部材が基板41に接触するのを防止することのできる配置方法であれば、どのような配置方法であってもよい。
【0067】
このように、本実施例の配線基板40は、周辺部品43a、45aが、所定サイズの着磁物が該周辺部品43a、43aの配置されている基板41の表面41aまたは裏面41bに直接接触することを阻止可能な市松模様等の状態で配置されている。
【0068】
したがって、着磁部材がMRAM32の埋め込まれている位置の基板31に直接接触することをより少ない部品43aによって確実に防止することができ、小型で安価且つより一層安定した状態でMRAM32を搭載する配線基板30を提供することができる。
【0069】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0070】
1 配線基板
2 基板
2a 表面
2b 裏面
3 MRAM
4a、4b 周辺部品
5 コネクタ
10 配線基板
11 基板
11a 表面
11b 裏面
12 MRAM
13a、13b 周辺部品
14 コネクタ
20 配線基板
21 基板
21a 表面
21b 裏面
22 MRAM
23a 周辺部品
24 コネクタ
30 配線基板
31 基板
31a 表面
31b 裏面
32 MRAM
33a 周辺部品
34 コネクタ
35a 周辺部品
40 配線基板
41 基板
41a 表面
41b 裏面
42 MRAM
43a 周辺部品
44 コネクタ
45a 周辺部品
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特表2005−531928号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の平板状の基板と、
前記基板内に埋め込まれている磁性体デバイスと、
前記基板の表面と裏面に、前記磁性体デバイスを挟んだ状態で配置されている部品と、
を備えていることを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記磁性体デバイスは、
前記基板の表面側または裏面側に寄せた状態で埋め込まれており、
前記部品は、
前記磁性体デバイスの寄せられている表面側または裏面側にのみ配置されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
【請求項3】
前記基板の表面側または裏面側の部品は、
前記磁性体デバイスを覆う状態で配置されているコネクタであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線基板。
【請求項4】
前記配線基板は、
前記部品が、前記配線基板の機能に必要な数だけ所定間隔で配置された場合に、前記磁性体デバイスを覆うのに不足していると、機能動作に不要な部品が該磁性体デバイスを覆う状態で配置、または/及び、部品数はそのままで同じ機能を有し形状の大きな部品が該磁性体デバイスを覆う状態で配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の配線基板。
【請求項5】
前記部品は、
所定サイズの着磁物が該部品の配置されている基板面に直接接触することを阻止可能な状態で配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の配線基板。
【請求項6】
前記磁性体デバイスは、
磁気抵抗メモリであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の配線基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図26】
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【図25】
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【公開番号】特開2013−65689(P2013−65689A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203378(P2011−203378)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】