説明

配量および混合方法

【課題】本発明は、液体を自動的に配量して混合する方法に関し、この方法は、実施が簡単で、安価であり、追加的な部品を全く必要とせず、できるだけ速くかつ少ない工程で、著しく効果的に液体を混合する。
【解決手段】本方法は、a)ある体積の1の液体または複数の体積の複数の液体を配量針から試料容器に投与する工程であって、前記配量針から1の液体または複数の液体を投与する操作は、前記配量針の投与開口部が開始位置(S)に位置するときに開始され、前記投与操作は前記配量針が終了位置(E)に向かって鉛直下方向に移動する間継続され、前記投与操作は前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置するときに終了し、前記開始位置は、前記試料容器の底部から鉛直方向にある距離を空けて置かれ、この距離は本工程において前記液体を完全に投与した後の前記試料容器の最大充填高さに相当するか、または前記充填高さより上か、または本工程において前記液体を完全投与した後の前記試料容器の底部から前記試料容器の最大充填高さまでの距離の最大10%だけ前記充填高さより低いかであり、前記終了位置(E)は、前記試料容器底部に対してある距離を空けて、前記開始位置(S)の鉛直方向真下に位置する、工程と、b)前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置している間、前記配量針を使って試料容器内に存在する前記ある体積の液体の少なくとも一部を吸い上げる工程と、c)前記投与開口部が前記開始位置(S)に位置するまで前記配量針を鉛直方向に移動させる工程と、d)吸い上げられた前記体積の液体を前記配量針から投与する工程であって、この投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記開始位置(S)に位置するときに開始され、前記投与操作は、前記配量針が前記終了位置(E)に向かって鉛直下方向に移動する間継続され、前記投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置するときに終了する工程を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配量針により試料容器内に液体を自動的に配量して混合する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の分析法において、化学反応を自動的または半自動的に実現するには、試料および試薬などの複数の液体を均質に混合する必要がある。もっとも多く採用される方法では、すべての液体を添加した後、混合装置を反応容器中に入れ、これらの液体を攪拌混合する。この方法には、プログラム化されなければならない追加的な部品があり、液体に接触する追加装置により汚染の危険性が増大する欠点がある。
【0003】
特開平7−239334号には、少量の第1試料溶液をピペット採取により試料容器内に移し、その後大量の希釈溶液を別のピペットを使って追加するさらなる液体の混合方法が記載されている。この方法は体積が大きく異なる2つの液体を混合する場合にのみ適している。さらに、この方法では、あらゆる種類の液体を均質に混合し得るものではない。
【0004】
特開昭62−184357号には、さらなるピペットによる液体混合方法が記載されている。この場合、ピペットまたは配量針を複数回試料容器中の液体に浸漬し、液体を吸い上げ、その後ピペットの先端が液面より上になるようにピペットを持ち上げ、液体を再度放出する。均質な混合を得るためには、この方法を頻繁に繰り返す必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような本技術の状況を基点とすると、本発明の目的は、実施が簡単で、安価であり、かつ追加的な部品を全く必要とせず、できるだけ速くかつ少ない工程で著しく効果的に液体を混合する、液体を自動的に配量して混合する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、本明細書の最初の部分で説明した種類の方法で達成され、その方法は、次の工程を備える。
a)ある体積の1の液体または複数の体積の複数の液体を配量針から試料容器に投与する工程であって、前記配量針から1または複数の液体を投与する操作は、前記配量針の投与開口部が開始位置(S)に位置するときに開始され、前記投与操作は、前記配量針が終了位置(E)に向かって鉛直下方向に移動する間継続され、前記投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置するときに終了し、
前記開始位置は、前記試料容器の底部から鉛直方向にある距離を空けて置かれ、この距離は本工程において前記液体を完全投与した後の前記試料容器の最大充填高さに相当するか、または前記充填高さより上か、または本工程において前記液体を完全投与した後の前記試料容器の底部から前記試料容器の最大充填高さまでの距離の最大10%だけ前記充填高さより低いかであり、
前記終了位置(E)は、前記試料容器底部に対してある距離を空けて、前記開始位置(S)の鉛直方向真下に位置する工程と、
b)前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置している間、前記配量針によって試料容器内に存在する前記体積の液体の少なくとも一部を吸い上げる工程と、
c)前記投与開口部が前記開始位置(S)に位置するまで前記配量針を鉛直方向に移動させる工程と、
d)吸い上げられた前記体積の液体を前記配量針から投与する工程であって、この投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記開始位置(S)に位置するときに開始され、前記投与操作は、前記配量針が前記終了位置(E)に向かって鉛直下方向に移動する間継続され、前記投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置するときに終了する工程と
からなる。
【0007】
好適な方法は、工程a)以前に、ある体積の1の液体または複数の体積の複数の液体を配量針から前記試料容器に投与する方法である。この方法では、1以上の例えば試料、試薬または緩衝剤が異なる試料容器に存在させることができ、実際の混合操作は別の液体の添加で達成される。
【0008】
さらに好適な方法は、工程a)からd)が、別の1以上の液体について繰り返される方法である。化学反応は所与の物質の添加により制御される場合が多い。したがって、特に分析反応では、その物質をできるだけ素早く他の液体と混合し、確実に単一的反応が起こるようにする必要がある。本発明による方法は、すべての液体を早く均質に混合させることを可能にする。
【0009】
また、本発明による好適な方法は、工程b)からd)が、さらに1回以上繰り返される方法である。多くの液体は、それらの粘度などの物理特性のためピペットで非常にゆっくり採取できるだけであり、他の液体と非常に混じりにくい。したがって、液体を吸い上げ、再度試料容器に投与する工程が繰り返されるのが望ましい。この方法では、高粘度、非常に異なる粘度または非常に異なる密度の液体でも均質な混合が可能となる。
【0010】
特に好適な方法は、前記開始位置(S)が、前記試料容器底部からそれぞれの工程において液体を完全に投与した後の前記試料容器の最大充填高さまでの距離の0.5%から50%、好ましくは0.5%から20%、特に好ましくは0.5%から10%だけ、鉛直方向にそれぞれの工程において液体を完全に投与した後の前記最大充填高さより上に位置する方法である。連続して添加した複数または既に存在している1の液体は、液体が液体表面と直面するとき発生する乱流効果により添加される液体とすぐに混ざるので、液体投与操作開始時に配量針が配置される開始位置は、液体を完全に投与した後の試料容器の充填高さより上に位置される。もし上記距離が近すぎると、十分な乱流効果が起こらない。一方で、上記距離が遠すぎると、添加された液体の一部が試料容器の端部に残存するか、液体が既に存在している液体と直面するとき跳ね返りが起こり、その結果液体が失われ、それによる不正確性をもたらす危険性がある。
【0011】
さらに好ましい方法は、前記終了位置(E)が、前記試料容器底部からそれぞれの工程において液体を完全に投与した後の前記試料容器の最大充填高さまでの距離の0.5%から20%、好ましくは0.5%から10%、特に好ましくは0.5%から5%だけ、鉛直方向に前記試料容器底部より上に位置する方法である。投与操作の大部分が液体表面より下で行われるように、配量針の投与開口部の終了位置は試料容器の最大充填高さより間違いなく低い位置にあるべきであり、そのことにより液体の鉛直方向における完全混合が確実になる。
【0012】
一方、上記終了位置において液体を吸い上げることができるように、配量針の投与開口部と試料容器底部の間には最小の距離が維持される必要がある。
【0013】
本発明による方法において、複数の液体体積が、前記配量針内で気泡により分離されればさらに好ましい。これらの分離気泡が配量針内における液体の混合を防止し、それによって液体の制御されていない反応と汚染が防止される。気泡が液体投与後に配量針内の液体中に留まらないように、液体表面より上で前記分離気泡が配量針から排出されるのが好ましい。さもないと、気泡が本来の測定を妨害する可能性がある。
【0014】
特に好ましい方法は、工程b)以前に、前記投与開口部が前記液体の表面より上に位置するまで前記配量針を鉛直上方向に移動し、その後分離気泡を吸い込み、そして前記配量針を終了位置(E)に再度移動する方法である。添加体積を正確にするために、添加すべき量より多くの液体を配量針内に含ませるとよい。この添加操作は、配量針から試料容器中に所望の量が投与されたとき停止する。したがって、試料容器内の液体と混合させるものではない液体の一部が配量針内に留まる。工程a)の後分離気泡が吸い込まれることにより、既に試料容器内にありこれから混合されるかまたは既に混合された液体が、次の工程で配量針内に留まっている液体と混合されることが防止される。
【0015】
また、好ましい方法は、前記配量針を前記試料容器内に移動する速度が、前記1または複数の液体の投与速度に比例している方法である。開始位置(S)と終了位置(E)は、移動の開始位置と終了位置、液体投与の開始位置と終了位置を同時に表している。上記2つの速度が互いに比例すると速度の計算が簡単になる。
【0016】
さらに好ましい方法は、前記配量針を前記試料容器内に移動する速度および/または前記配量針から前記1または複数の液体を投与する速度が一定である方法である。投与と試料容器への配量針の移動の両方の速度が一定であると、投与される液体が均一に分布されることが保証される。配量針が液体表面より下に位置する場合は、特に保証される。さらに、速度を一定にすることは、自動化手順において容易である。
【0017】
さらに好ましい方法は、前記配量針から前記1の液体または複数の液体を投与する速度が、0.1ml/秒から2ml/秒、好ましくは0.2ml/秒から1ml/秒である方法である。合計体積を通常最大1mlとするためには、これらの投与速度は、できるだけ少ない工程で均質な混合を達成するのに適している。速度が速いと、液体が跳ね上がり、また噴出す結果となり、それにより液体投与の際の体積誤差が発生し、単一の反応条件が保証されない。液体を投与する際の速度が遅いと、十分な乱流を起こすことができず、不十分な混合効果しかもたらされない。したがって、工程b)からd)をさらに繰り返す必要が生じ、それにより方法の実施がさらに遅くなる。
【0018】
特に好ましい方法は、工程b)において、前記試料容器内の前記体積の液体の50体積%から100体積%、好ましくは70体積%から95体積%、特に好ましくは90体積%から95体積%が吸い上げられる方法である。吸い上げられる液体体積が50%未満の場合は、均質な混合を達成するために必要な混合操作の回数が増える。95%超を吸い上げることは、その状況で空気も吸い上げられる可能性が非常に高く、よりよい混合が保証されないので技術的に適切ではない。
【0019】
また、前記複数の液体の温度管理に前記配量針を使用することも特に好ましい。液体の広い表面積が液体の吸い上げおよび投与操作において配量針と接触する。配量針を加熱し、それによって液体の急速な予備的温度管理を行うことは適切である。また、このことにより、液体の温度管理に役立つさらなる技術装置に対する必要性が低くなり、それによって本方法は安価なものとなる。
【0020】
さらに好ましい方法は、使用される配量針の内径が前記投与開口部において1mmより小さく、好ましくは0.5mmから0.8mmである方法である。合計体積を最大1mlとするためには、これらのサイズは配量針の投与開口部のサイズとして適している。開口部が小さいと、そこを流れる液体の最適な流れが妨げられる。開口部が大きいと、投与開口部の端部における渦巻きの形成が減少し、そのために混合動作が悪化する結果となる。
【0021】
別の適当な方法は、実質的に先端が面取り加工された配量針を使用する方法である。面取り加工された先端を有する配量針から既に存在する液体に対して液体を投与するとき渦巻き効果が生じ、それが本方法の混合作用を促進する。
【0022】
別の適当な方法は、複数の投与開口部が横方向にありかつ先端が閉じている針を前記配量針として使用する方法である。横方向に投与開口部を備えることにより、液体は横面へ投与され、そこに追加の乱流効果が生じる。これもまた、方法の混合作用を促進する。
【0023】
特に好ましい方法は、前記試料容器として測定キュベットを使用する方法である。特に分析試験反応を行う場合は、液体混合操作を測定キュベット内で直接行うと、さらなる自動化工程とさらなる液体搬送が避けられるので適切である。それは、一方でコストの削減をもたらし、他方では汚染の危険性を少なくする。測定キュベットは、気泡の生成または液体内への滞留を防止し、配量針はいかなる場所においても試料容器に触れることがないので、測定キュベットが機械的応力を受けることがない。それゆえ、本測定方法において測定キュベットを試料容器として使用することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明による方法のさらなる構成要件と効果は、以下の図面の説明から明らかになるであろう。
【0025】
図1a)は、液体3が入った試料容器2を示し、そこには配量針1によってさらに液体4が添加される。配量針1の投与開口部は、開始位置Sに位置する。線Fは、この工程で液体を完全に投与した後の試料容器の最大充填高さFを示す。開始位置Sは、最大充填高さFより高い位置にある。該液体は、分離気泡5により周囲の雰囲気と分離されている。添加操作開始時、すなわち配量針1が試料容器2内に移動するとき、この気泡5は空気中へ放出されるので試料容器内の液体中には留まらない。試料容器2内への配量針1の移動は、配量針の移動と試料容器の移動のいずれかまたはこれらの移動の組み合わせにより行うことができる。
【0026】
図1a’)は、液体4の投与操作終了時の試料容器2内の配量針1を示す。配量針の投与開口部は、試料容器の底より上の終了位置Eにある。ここで、液体3と4からなる混合液6が試料容器2の中に含まれている。この場合、点は、混合液6内の液体3の分布を表している。本実施形態では、液体4は、配量針1から試料容器2内に完全には投与されなかった。正確に投与するために、配量針内に留まった液体4の残りは、分離気泡7によって配量針1内の気泡7より上にあるシステム液(system liquid)8から分離される。
【0027】
ほとんどの場合、配量針1を試料容器2内に移動すると同時に、液体4の投与により液体3と4が良好に混合されるが、液体のそれぞれの性質により、試料容器2内においては依然として多くの濃度差があり得る。そのために、試料容器内の液体の一部を吸い上げて、以下の工程で再度投与する。図1b)は、試料容器内に存在する混合液6の体積の一部を吸い上げる操作後の配量針1を示す。この場合、配量針の投与開口部は終了位置Eに位置する。
【0028】
液体吸い上げ操作の後、再度投与開口部が開始位置Sに位置するまで、配量針を試料容器から移動させる。これを図1c)に示す。混合液6の大部分の体積は、配量針1の中にあり、配量針1が試料容器2の中に移動する際、この混合液6を再度試料容器2内に投与することができる。
【0029】
図1d)は、再度の液体投与操作中の試料容器内の配量針を示す。この場合、配量針1を、投与開口部が終了位置Eに位置するまで試料容器2内へ移動する。同時に、液体は配量針から投与される。
【0030】
図1d’)は、混合操作の終了を示す。この場合、ここにおいて、液体3と4が非常に均質に混合されている混合液6は試料容器2内にあり、液体4の残りとこれを針1中のシステム液8から分離する分離気泡7は配量針1内にある。
【0031】
図2は、配量針1内に残留する液体4と混合液6との混合を防止するための、図1b)の工程b)の前に配量針1内に収容されている分離気泡9を示す。
【0032】
この点に関して、図2a)は、試料容器2内の液体3に液体4を添加後、開始位置Sに移動した配量針と投与開口部を示す。この場合、配量針1の投与開口部は、この工程において液体を完全に投与した後の試料容器の最大充填高さより上にあり、したがって液体表面より高い位置にある。
【0033】
図2b)に示すような吸い込まれた空気により配量針1内に気泡9が発生する。この気泡9は、次の混合液6の吸い込み操作の際、配量針内の液体4を分離するものである。分離気泡9は、その位置で吸い込まれて、次の工程b)(図1b))で配量針内に留まっている液体4の残りと混合される混合液6とが混合するのを防止する。さらに、配量針は、液体4をシステム液8から分離する気泡7も含む。
【0034】
原開示のために、明確に除外されていないか、または下記のような組み合わせが技術的特徴により不可能または意味をなさなくならない限り、本明細書、図面、および請求項から当業者が理解できるすべての要件は、一定の他の要件との関連でのみ特定の用語で説明された場合においても、個別に組み合わせることが可能であるし、並びに他の要件または本明細書で開示される一連の要件とのいかなる組み合わせも可能であるということを指摘する。要件について考えられるすべての組み合わせの包括的で明示の表現を、説明の簡潔性と可読性のためにのみ本明細書に掲載している。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】次の工程からなる液体の配量、混合方法の線図を示す。a)、a’)はある体積の液体を投与する。b)は試料容器内のその体積の液体の一部を吸い上げる。c)は配量針を鉛直方向に開始位置(S)まで移動させる。d)、d’)は吸い上げたその体積の液体を投与する。
【図2】分離気泡の吸い上げ操作の線図を示す。
【符号の説明】
【0036】
1 配量針
2 試料容器
3 液体
4 液体
5 気泡
6 混合液
7 分離気泡
8 システム液
9 分離気泡
E 終了位置
F 最大充填高さ
S 開始位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配量針により試料容器内に液体を自動的に配量して混合する方法であって、
a)ある体積の1の液体または複数の体積の複数の液体を配量針から試料容器に投与する工程であって、前記配量針から1または複数の液体を投与する操作は、前記配量針の投与開口部が開始位置(S)に位置するときに開始され、前記投与操作は、前記配量針が終了位置(E)に向かって鉛直下方向に移動する間継続され、前記投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置するときに終了し、
前記開始位置は、前記試料容器の底部から鉛直方向にある距離を空けて置かれ、この距離は本工程において前記液体を完全投与した後の前記試料容器の最大充填高さに相当するか、または前記充填高さより上か、または本工程において前記液体を完全投与した後の前記試料容器の底部から前記試料容器の最大充填高さまでの距離の最大10%だけ前記充填高さより低いかであり、
前記終了位置(E)は、前記試料容器底部に対してある距離を空けて、前記開始位置(S)の鉛直方向真下に位置する工程と、
b)前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置している間、前記配量針によって試料容器内に存在する前記体積の液体の少なくとも一部を吸い上げる工程と、
c)前記投与開口部が前記開始位置(S)に位置するまで前記配量針を鉛直方向に移動させる工程と、
d)吸い上げられた前記体積の液体を前記配量針から投与する工程であって、この投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記開始位置(S)に位置するときに開始され、前記投与操作は、前記配量針が前記終了位置(E)に向かって鉛直下方向に移動する間継続され、前記投与操作は、前記配量針の投与開口部が前記終了位置(E)に位置するときに終了する工程と
を備える方法。
【請求項2】
工程a)以前に、ある体積の1の液体または複数の体積の複数の液体を配量針から前記試料容器に投与する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)からd)が、別の1以上の液体について繰り返される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程b)からd)が、さらに1回以上繰り返される請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記開始位置(S)が、前記試料容器底部からそれぞれの工程において液体を完全に投与した後の前記試料容器の最大充填高さまでの距離の0.5%から50%、好ましくは0.5%から20%、特に好ましくは0.5%から10%だけ、鉛直方向にそれぞれの工程において液体を完全に投与した後の前記最大充填高さより上に位置する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記終了位置(E)が、前記試料容器底部からそれぞれの工程において液体を完全に投与した後の前記試料容器の最大充填高さまでの距離の0.5%から20%、好ましくは0.5%から10%、特に好ましくは0.5%から5%だけ、鉛直方向に前記試料容器底部より上に位置する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
複数の液体体積が、前記配量針内で気泡により分離される前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
工程b)以前に、前記投与開口部が前記液体の表面より上に位置するまで前記配量針を鉛直上方向に移動し、その後分離気泡を吸い込み、そして前記配量針を終了位置(E)に再度移動する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記配量針を前記試料容器内に移動する速度が、前記1または複数の液体の投与速度に比例する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記配量針を前記試料容器内に移動する速度が一定に保たれる前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記配量針から前記1または複数の液体を投与する速度が一定に保たれる前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記配量針から前記1または複数の液体を投与する速度が、0.1ml/秒から2ml/秒、好ましくは0.2ml/秒から1ml/秒である前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程b)において、前記試料容器内の前記体積の液体の50体積%から100体積%、好ましくは70体積%から95体積%、特に好ましくは90体積%から95体積%が吸い上げられる前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の液体の温度管理のために前記配量針を加熱する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
使用される配量針の内径が前記投与開口部において1mmより小さく、好ましくは0.5mmから0.8mmである前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
先端面取り加工された針を前記配量針として使用する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
複数の投与開口部を横方向に備えかつ先端が閉じている針を前記配量針として使用する請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記試料容器として測定キュベットを使用する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
複数の配量針を使用して複数の試料容器を同時に充填する前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−533664(P2009−533664A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504742(P2009−504742)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053525
【国際公開番号】WO2007/116083
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(508300138)ダイアシス ダイアグノスティック システムズ ゲーエムベーハー (1)
【氏名又は名称原語表記】DIASYS DIAGNOSTIC SYSTEMS GMBH
【Fターム(参考)】