説明

酸を含むゼラチンカプセル剤

薬学的に許容される酸を含む、ゼラチンカプセル剤形態の医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼラチンカプセルに関する。かかるカプセルは、特に医薬、栄養補助剤および食品産業において使用することができる。
【背景技術】
【0002】
加水分解によってコラーゲンから得られる水溶性タンパク質の混合物であるゼラチンは、医薬および食品産業において広く使用されている。ゼラチンの1つの主要な応用は、硬および軟ゼラチンカプセルの製造である。ゼラチンカプセルは薄膜を形成する可能性を示す。この薄膜形成は、ゼラチンの架橋によるようで、部分的にゼラチンを水不溶化する。薄膜形成は、高湿度、熱または微量のアルデヒドのような反応性化学物質へのゼラチンの曝露によって誘導され得る。薄膜形成は薬剤の溶解に影響し、例えば溶解速度の低下を示すことがある。この溶解速度の低下によって、特に水溶性が低い薬剤または吸収が溶解速度依存性である薬剤のインビトロ溶解プロファイルおよび生物学的利用能の望ましくない、かつ許容できない変化を招くことがある。
【0003】
米国特許出願2004/0105885は、ゼラチンを、貯蔵によるゼラチン殻の架橋および/または薄膜形成の阻害に有効な量で存在する少なくとも1種の亜硫酸塩化合物とともに含むカプセル殻の製造に好適な組成物を開示している。米国特許出願2004/0105883は、カプセル殻に封入された充填物を含む医薬投与形態であって、該充填物が低水溶性の選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤および少なくとも1種の薬学的に許容される1級もしくは2級アミンを含むアミン剤を含み、前記カプセル殻がゼラチンを含み、そして前記アミン剤が投与形態の貯蔵によるカプセル殻の薄膜形成を阻害するのに十分な量で存在する、投与形態を開示している。US 5,874,106は、ゼラチンカプセルにおける架橋を減少させる方法であって、アミノ酸とカルボン酸をカプセル充填物に加える方法を開示している。
【0004】
先行文献に記載の薄膜形成を阻害する化合物のいくつかは投与することが困難である。亜硫酸塩化合物またはアミン、例えばニトロソアミンのような化合物を厳重に注意して投与しないとき、それらは毒性を有することがあり、その場合は医薬として使用することができない。
【発明の概要】
【0005】
驚くべきことに、本発明者らは、薬学的に許容される酸の存在がゼラチンカプセルの薄膜形成を予防するのに十分であることを見出した。したがって、本発明は、薬学的に許容される酸を含むゼラチンカプセル剤形態の医薬組成物を提供する。本医薬組成物は、カプセル殻とカプセル充填物を含んでいてもよい。本薬学的に許容される酸は、カプセル殻に、または充填物に、またはカプセル殻と充填物の両方に加えることができる。この薬学的に許容される酸は、カプセル殻から充填物に、または充填物からカプセル殻に移動してもよく、それによって所望の効果が得られる。この薬学的に許容される酸の移動は、これを充填物に、またはゼラチン殻に、または両方に加えても、ゼラチンカプセル剤の形態の医薬組成物のどこにでも分散することになるという利点を有する。好ましくは、薬学的に許容される酸は充填物に加えられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は5℃(対照)および40℃/75%RHで1.4月保存後の組成Aの溶出速度を示す。
【図2】図2は5℃(対照)および40℃/75%RHで2.3月保存後の組成Bの溶出速度を示す。
【図3】図3は5℃(対照)および40℃/75%RHで3月保存後の組成Cの溶出速度を示す。
【図4】図4は5℃(対照)および30℃/65%RHで12月保存後の組成Bの溶出速度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
薬学的に許容される酸はフマル酸、リン酸、例えば二リン酸、マレイン酸、アスコルビン酸、酒石酸、マロン酸、グルクロン酸およびクエン酸を含む群から選択される。本発明によると、好ましくはクエン酸およびリン酸を使用することができる。
【0008】
薬学的に許容される酸は、ゼラチンカプセル剤の形態の組成物の薄膜形成を阻害するのに有効な量で存在し得る。薬学的に許容される酸は、カプセル殻の総重量の約0.01%〜約20%、例えば約0.05%〜約10%、例えば約0.075%〜約5%、例えば約0.1%〜約2%の量で存在していてよい。他の局面において、薬学的に許容される酸は、充填物の総重量の約0.01%〜約20%、例えば約0.05%〜約10%、例えば約0.075%〜約5%、例えば約0.1%〜約2%の量で存在していてよい。
【0009】
薬学的に許容される酸、例えばクエン酸は、なんら毒性効果を生じることなく、ゼラチンカプセルの薄膜形成が阻害され得るという利点を有する。薬学的に許容される酸によって、達成可能な貯蔵寿命を毀損する溶解速度の低下および/または薬学的活性剤の生物学的利用能低下が防止され得る。したがって、上記定義の薬学的に許容される酸を含む本発明の医薬組成物は、有利な安全性および改善された効果を示し得る。
【0010】
本発明の他の局面において、組成物はアミノ酸を含まない。さらに、該組成物は、薬学的に許容される酸以外の薄膜形成を防止する化合物を含まない。本発明において、薄膜形成は薬学的に許容される酸、例えばクエン酸によって防止することができる。当然、薬学的に許容される酸に加えて、本組成物はさらなる賦形剤を含んでいてもよい。
【0011】
「薄膜」なる用語は、本明細書において、ゼラチンカプセル殻において形成される比較的水不溶性の膜を意味し、当該膜は薄く、強靱でゴム状である傾向がある。薄膜形成に関与する1つのメカニズムは、部分的に不溶性で、溶解速度の減少したゼラチンをもたらすゼラチン架橋である。
【0012】
本発明の組成物は、ゼラチンと薬学的に許容される酸に加えてさらに、薬学的活性剤を含んでいてもよい。該薬学的活性剤は、制酸剤、抗炎症性物質、冠動脈拡張剤、脳血管拡張剤、末梢血管拡張剤、抗感染剤、向精神薬、抗貧血剤(antiaminic)、覚醒剤、抗ヒスタミン剤、抗がん治療化合物、下剤、充血除去剤、ビタミン剤、消化器鎮静剤、止瀉製剤、抗狭心症治療化合物、血管拡張剤、抗不整脈薬、抗高血圧治療化合物、血管収縮剤および偏頭痛処置、抗凝血および抗血栓治療化合物、解熱剤、睡眠薬、鎮静剤、制吐剤、抗催吐剤、抗けいれん剤、神経筋治療化合物、高および低血糖薬、甲状腺および抗甲状腺製剤、利尿剤、鎮痙薬、子宮弛緩薬、ミネラルおよび栄養素添加剤、抗肥満治療化合物、同化治療化合物、赤血球産生治療化合物、抗喘息薬、去痰薬、鎮咳剤、粘液溶解薬および抗尿酸血症治療化合物を含む治療化合物から選択される。
【0013】
好ましい活性剤は、トポイソメラーゼIの阻害剤(Topo I阻害剤)であり、したがって特にトポイソメラーゼI受容体の活性化によって引き起こされる疾患症状を阻止することができる。
【0014】
より具体的には、好ましい活性剤はカンプトテシン誘導体である。この化合物群は米国特許第6,242,457号に記載されている。
【0015】
米国特許第6,242,457号に記載されている好ましい活性剤は、下記:
7−メチルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−メトキシイミノメチル−10−ヒドロキシカンプトテシン;
7−(ter−ブトキシカルボニル−2−プロポキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−エトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−イソプロポキシイミノメチルカンプトテシン;
7−(2−メチルブトキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−t−ブトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−t−ブトキシイミノメチル−10−ヒドロキシカンプトテシン;
7−t−ブトキシイミノメチル−10−メトキシカンプトテシン;
7−(4−ヒドロキシブトキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−トリフェニルメトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−カルボキシメトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−(2−アミノ)エトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−(2−N,N−ジメチルアミノ)エトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−アリルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−シクロヘキシルオキシイミノエチルカンプトテシン;
7−シクロヘキシルメトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−シクロオクチルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−シクロオクチルメトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−ベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−[(1−ベンジルオキシイミノ)−2−フェニルエチル]カンプトテシン;
7−(1−ベンジルオキシイミノ)エチルカンプトテシン;
7−フェノキシイミノメチルカンプトテシン;
7−(1−t−ブトキシイミノ)エチルカンプトテシン;
7−p−ニトロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−p−メチルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−ペンタフルオロベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−p−フェニルベンジルオキシイミノメチルカンプトテシン;
7−[2−(2,4−ジフルオロフェニル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン;
7−(4−t−ブチルベンジルオキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−(1−アダマンチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−(1−アダマンチルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−(2−ナフチルオキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−(9−アントリルメトキシ)イミノメチルカンプトテシン;
7−オキシラニルメトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−(6−ウラシル)メトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−[2−(1−ウラシル)エトキシ]イミノメチルカンプトテシン;
7−(4−ピリジル)メトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−(2−チエニル)メトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−[(N−メチル)−4−ピペリジニル]メトキシイミノメチルカンプトテシン;
7−[2−(4−モルホリニル]エトキシ]イミノメチルカンプトテシン;
7−(ベンゾイルオキシイミノメチル)カンプトテシン;
7−[(1−ヒドロキシイミノ)−2−フェニルエチル)カンプトテシン;
7−ter−ブチルオキシイミノメチルカンプトテシン−N−オキシド;および
7−メトキシイミノメチルカンプトテシンN−オキシド
を含む。
【0016】
極めて好ましい本発明の態様において、式IのトポイソメラーゼI阻害剤は、化合物Aとして知られる下記構造
【化1】

を有する。
【0017】
遊離形または薬学的に許容される塩形の、好ましい、そして特に好ましい活性剤は、米国特許第6,242,457号に記載されているように製造することができる。本明細書に記載のとおり、これらは可能なエナンチオマー、ジアステレオマーおよびそれぞれの混合物、その薬学的に許容される塩および活性代謝産物の形態であってもよい。
【0018】
本発明において、活性剤は本発明の組成物の例えば約0.05重量%から約20重量%までの重量で存在していてもよい。活性剤は、好ましくは組成物の0.5〜15重量%の量で存在する。
【0019】
薄膜形成の防止に加えて、薬学的に許容される酸はカンプトテシン誘導体を安定化することができる。酸の遊離プロトンがこれらの分子のラクトン環を安定化することができる。7−t−ブトキシイミノメチル−カンプトテシンは、酸が分子のナフチル環のN原子をプロトン化して酸化を防止し、そしてラクトン環を安定化することによって、安定化され得る。したがって、薬学的に許容される酸の使用はカンプトテシン誘導体において多様な有益な効果を有し得る。
【0020】
本発明の組成物はさらに、1種以上の薬学的に許容される賦形剤を含んでいてもよい。
【0021】
軟ゼラチンカプセルの製造のために、組成物は少なくとも1種の可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤は組成物の総重量の約5%〜約50%、好ましくは約10%〜約30%の量で存在していてもよい。好適な可塑剤の例は、ポリヒドロキシアルコール、例えばソルビトール、グリセロールもしくはマンニトール、ジアルキルフタレート、グリコールおよびポリグリコール、例えば分子量約200〜約40000のポリエチレングリコール、メトキシルプロピレングリコール、および1,2プロピレン グリコール、ポリヒドロキシアルコールのエステル、例えばグリセロールのモノ、ジおよびトリアセテート、リシノール酸およびそのエステル、ならびに上記可塑剤の混合物を含む。
【0022】
本発明の好ましい態様において、本発明の投与形態に存在する少なくとも約40%、好ましくは少なくとも約50%、さらにより好ましくは少なくとも約60%の薬学的に許容される酸が、充填物中に存在する。活性剤と薬学的に許容される酸を含む充填物は、半固体または液体の形態であり得る。半固体または液体充填物の薬学的に許容される酸は、殻に移動して、ゼラチンカプセルの薄膜形成を阻害することができる。
【0023】
本発明の充填物の組成は、活性剤を含む、1種以上の親油性賦形剤、1種以上の親水性賦形剤、1種以上の界面活性剤またはそれらの混合物であり得る。好ましい態様において、充填物の組成は、活性剤を含む自然発生的に分散可能な組成である。組成は最も好ましくは、ミクロエマルジョン前濃縮物であってよい。
【0024】
本明細書において使用される用語は、下記の意味を有する:
「自然発生的に分散可能な医薬組成物」は、本明細書において使用するとき、本明細書に定義の活性剤を含む組成物であって、水性媒体、例えば水または胃液で希釈したとき、コロイド状構造を生成することができる組成物を意味する。コロイド状構造は、好ましくはミクロエマルジョンサイズの液滴である。200nm以上の平均粒径の固体薬剤粒子、血症またはアモルファスも存在していてよい。自然発生的に分散可能な医薬組成物は、好ましくはミクロエマルジョン前濃縮物である。
【0025】
「ミクロエマルジョン前濃縮物」は、本明細書において使用するとき、水性媒体、例えば水中で、例えば1:1〜1:300、好ましくは1:1〜1:70、特に1:1〜1:10での希釈で、または経口投与後胃液で、ミクロエマルジョンを自然発生的に形成する組成物を意味する。
【0026】
「ミクロエマルジョン」は、本明細書において使用するとき、透明な、わずかに乳白色な、乳白色の、不透明でない、または実質的に不透明でないコロイド状分散物であって、その成分を水性媒体と接触させると自然発生的に、または実質的に自然発生的に形成される分散物を意味する。ミクロエマルジョンは熱力学的に安定であり、典型的には約200nm(2000Å)未満の平均粒径の分散滴を含む。一般に、ミクロエマルジョンは約150nm(1500Å)未満;典型的には100nm未満、一般には10nm以上、の平均粒径を有する滴または液体ナノ粒子を含み、これは24時間まで、またはそれ以上安定である。
【0027】
他の局面において、本発明の充填物は、カンプトテシンと、親油性成分、界面活性剤、親水性成分および所望により共溶媒を含む担体媒体を含む、自然発生的に分散可能な医薬組成物を提供する。
【0028】
好ましくは、自然発生的に分散可能な医薬組成物は経口投与に好適である。
【0029】
カンプトテシン誘導体は低い水溶性特性を有しており、0.001%未満、例えば0.001〜0.0001%の水溶性を示し得る。
【0030】
活性剤は、好ましくは遊離塩基形態で使用する。
【0031】
他の局面において、本発明の充填物は、カンプトテシン誘導体を含むミクロエマルジョン前濃縮物を提供する。特に興味深いことは、ミクロエマルジョン前濃縮物によって得られる薬剤負荷は、ミクロエマルジョン前濃縮物でのカンプトテシンの相加的以上の溶解性を示す1種の賦形剤によるものよりも顕著に高いことである。
【0032】
さらなる局面において、本発明の充填物はカンプトテシン誘導体と、親油性成分、界面活性剤、親水性成分および所望により共溶媒を含む担体媒体を含んでなるミクロエマルジョン前濃縮物を提供する。
【0033】
ミクロエマルジョン前濃縮物は、水で希釈したとき好ましくはo/w(水中油型)ミクロエマルジョンを形成する。
【0034】
好ましくは親油成分、界面活性剤、親水性成分および所望により共溶媒の相対比は、標準3方向プロットグラフの「ミクロエマルジョン」領域内である。この相図は、例えばGB 2,222,770またはWO 96/13273に記載のような常套の方法で作成することができる。
【0035】
他の局面において、本発明の充填物は、カンプトテシン誘導体を含むミクロエマルジョンを提供する。
【0036】
ミクロエマルジョンは好ましくは、o/w(水中油型)ミクロエマルジョンである。
【0037】
他の局面において、本発明の充填物は、カンプトテシン誘導体、親油性成分、界面活性剤、水、親水性成分および所望により共溶媒を含むミクロエマルジョンを提供する。
【0038】
ミクロエマルジョンのコロイド状構造は、本発明の組成物の成分を水性媒体と、例えば手で短時間、例えば10秒間単純に撹拌して接触させると、自然発生的に、または実質的に自然発生的に形成する。本発明の組成物は例えば少なくとも15分、または4時間まで、あるいは24時間またはそれ以上、熱力学的に安定である。典型的には、それは標準的な光散乱技術で、例えばMALVERN ZETASIZER 3000(商標)粒度測定機を用いて測定すると、約200nm(2000Å)未満、例えば約150nm(1500Å)未満、典型的には100nm(1000Å)未満、一般に10nm(100Å)以上の平均粒径の分散構造、すなわち滴または液体ナノ粒子を含む。平均粒子径200nm以上の固体薬剤粒子も存在していてよい。存在する粒子の比は、温度に依存し得る。
【0039】
活性剤は水に溶解しにくいため、担体媒体中に担持される。
【0040】
本発明の充填物の組成物のいくつかの態様において、担体媒体は親油性成分、界面活性剤および親水性成分を含む。他の態様において、担体媒体は親油性成分、界面活性剤、親水性成分および共溶媒を含む。
【0041】
本発明の充填物は、さらに少なくとも1種の薬学的に許容される抗酸化剤を含んでいてもよい。抗酸化剤の例は、アルファトコフェロール(ビタミンE)、アスコルビン酸(ビタミンC)、およびアスコルビン酸ナトリウムおよびアスコルビン酸パルミテートを含むその塩、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、フマル酸およびその塩、次亜リン酸、リンゴ酸、アルキルガレート、例えばプロピルガレート、オクチルガレートおよびラウリルガレート、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムおよびメタ亜硫酸ナトリウムを含む。
【0042】
抗酸化剤は本発明の投与形態中、充填物の総重量の約0.05%〜約1%の量で存在していてもよい。
【0043】
本発明の充填物は、所望により1種以上の薬学的に許容される甘味剤を含んでいてもよい。甘味剤または風味剤の例は、典型的には、組成物の総重量に基づいて2.5または5重量%までで提供される。甘味剤はマンニトール、プロピレングリコール、サッカリンナトリウム、ネオテームおよびアスパルテームを含む。
【0044】
本発明の充填物は、充填物の粘度を上昇させる1種以上の沈降阻害剤をさらに含んでいてもよい。本発明の沈降阻害剤の例は、沈殿もしくはコロイド状シリカ、例えばAerosil (登録商標)(loc.cit. H. Fiedler “Lexikon der HIlfsstoffe”, 5th Edition, ECV Aulendorf 2002, volume 1, page 158)、Bentonit、および亜鉛/アルミニウムステアリン酸を含むが、これらに限定されない。
【0045】
親油性成分は1種以上の親油性物質を含む。親水性成分は1種以上の親水性物質を含む。担体媒体は1種以上の界面活性剤を含んでいてもよい。担体媒体は1種以上の共溶媒を含んでいてもよい。
【0046】
本発明の充填物の組成物は、親油性成分を含んでいてもよい。活性剤を該担体媒体の成分中に含んでいてもよい。親油性成分は(存在するとき)、好ましくは10未満、例えば8までの低HLB値によって特徴付けられる。
【0047】
好適な親油性成分は下記のものを含む:
1)グリセリルモノ−C−C14−脂肪酸エステル
これらはグリセロールを植物油でエステル化し、その後分子蒸留して得る。本発明の組成物に使用するのに好適なモノグリセリドは、対称(すなわちβモノグリセリド)と非対称モノグリセリド(αモノグリセリド)の両方を含む。これらはまた、同一のグリセリド(すなわち、脂肪酸成分が主として1種の脂肪酸から成る)と混合グリセリド(すなわち、脂肪酸成分が多様な脂肪酸から成る)の両方を含む。脂肪酸成分は、例えばC−C14の鎖長を有する飽和および不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。特に、好適なものは、例えば商品名Imwitor(登録商標)308またはImwitor(登録商標)312として、例えばsasolからそれぞれ商業的に入手可能な、カプリル酸もしくはラウリル酸モノグリセリドである。例えば、Imwitor(登録商標)308は少なくとも80%のモノグリセリドを含み、次のようなさらなる特徴的データを示す:遊離グリセロール最大6%、酸価最大3、鹸化度245−265、ヨウ素価最大1、水含有量最大1%。典型的には、これは1%遊離グリセロール、90%モノグリセリド、7%ジグリセリド、1%トリグリセリド(H. Fiedler, loc. cit., volume 1, page 906)を含む。さらなる例は、Abitec CorporationのCapmul MCM C8である。
【0048】
2)−C18脂肪酸のモノおよびジグリセリドの混合物
これらは対称(すなわちβ-モノグリセリドおよびα,α1-ジグリセリド)と非対称モノおよびジグリセリド(すなわちα-モノグリセリドおよびα,β-ジグリセリド)、およびそのアセチル化誘導体の両方を含む。それらはまた、同一のグリセリド(すなわち、脂肪酸成分が主として1種の脂肪酸から成る)と混合グリセリド(すなわち、脂肪酸成分が多様な脂肪酸から成る)、およびその乳酸もしくはクエン酸とのいずれかの誘導体の両方を含む。脂肪酸成分は、例えばC−C10の鎖長を有する飽和および不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。特に、好適なものは、例えば商品名Imwitor(登録商標)742またはImwitor 928として、例えばsasolからそれぞれ商業的に入手可能な、混合カプリル酸もしくはカプリン酸モノおよびジグリセリドである。例えば、Imwitor(登録商標)742は少なくとも45%モノグリセリドを含み、次のようなさらなる特徴的データを示す: 遊離グリセロール最大2%、酸価最大2、鹸化度250−280、ヨウ素価最大1、水最大2%(H. Fiedler, loc. cit., vol 1, page 906)。他の好適な混合物は、例えば商品名Capmul(登録商標)MCMとして知られておりそして、例えばAbitec Corporationから商業的に入手可能であるグリセロール中カプリル/カプリン酸のモノ/ジグリセリドを含む。Capmul(登録商標)MCMは、次のようなさらなる特徴的データを示す:酸価最大2.5、アルファ−モノ(オレエートとして)最低80%、遊離グリセロール最大2.5%、ヨウ素価最大、鎖長分布:カプロン酸(C6)最大3%、カプリル酸(C8)最低75%、カプリン酸(C10)最低10%、ラウリン酸(C12)最大1.5%、水分(Karl Fisherによる)最大0.5%(製造業者の情報)。乳酸またはクエン酸とのさらなる誘導化を有するモノ/ジグリセリドの好適な例は、商品名Imwitor 375、377または380としてsasolから市販されているものである。さらに、脂肪酸成分は、例えばC16−C18鎖長を有する飽和および不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。好適な例は、次のようなさらなる特徴的データを示すTegin(登録商標)O(グリセリルオレエート)である:モノグリセリド含有量55−65%、ペルオキシド値最大10、水分含有量最大1%、酸価最大2、ヨウ素価70−76、鹸化度158−175、遊離グリセロール最大2%(製造業者の情報)。
【0049】
3)グリセリルジ−C−C18−脂肪酸エステル
これらは対称(すなわちα,α1-ジグリセリド)と非対称ジグリセリド(すなわちα,β-ジグリセリド)およびそのアセチル化誘導体の両方を含む。それらはまた、同一のグリセリド(すなわち、脂肪酸成分が主として1種の脂肪酸から成る)と混合グリセリド(すなわち、脂肪酸成分が多様な脂肪酸から成る)、およびそのいずれかのアセチル化誘導体の両方を含む。脂肪酸成分は、例えばC−C18、例えばC−C16、例えばC−C10、例えばCの鎖長を有する飽和および不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。特に、好適なものは、例えばSunfat(登録商標)GDC−Sの商品名で、例えばTaiyo Kagaku Co., Ltd.から商業的に入手可能であるカプリル酸ジグリセリドである。Sunfat(登録商標)GDC−Sは、酸価約0.3、ジグリセリド含有量約78.8%、およびモノエステル含有量約8.9を有する。
【0050】
4)中鎖脂肪酸トリグリセリド
これらは、6〜12個、例えば8〜10個の炭素原子を有する飽和脂肪酸のトリグリセリドを含む。好適な中鎖脂肪酸トリグリセリドは、商品名Acomed(登録商標)、Myritol(登録商標)、Captex(登録商標)、Neobee(登録商標)M5F、Miglyol(登録商標)810、Miglyol(登録商標)812、Miglyol(登録商標)818、Mazol(登録商標)、Sefsol(登録商標)860、Sefsol(登録商標)870として知られており、そして商業的に入手可能であるものである;Miglyol(登録商標)812が最も好ましい。Miglyol(登録商標)812は、カプリル−カプリン酸トリグリセリドを含み、分子量約520ダルトンを有するヤシ油である。脂肪酸組成=C最大約3%、C約50〜65%、C10約30〜45%、C12最大5%;酸価約0.1;鹸化度約330〜345;ヨウ素価最大1。Miglyol(登録商標)812はCondeaから入手可能である。Neobee(登録商標)M5Fはココナッツ油から得られる分画カプリル−カプリン酸トリグリセリドである;酸価最大0.2;鹸化度約335〜360;ヨウ素価最大0.5、水含有量最大0,15%、D20 0,930−0,960、n20 1,448−1,451(製造業者の情報)。Neobee(登録商標)M5FはStepan Europeから入手可能である。さらなる例は、さらにコハク酸とのエステルを含むMiglyol 829である。
【0051】
5)グリセリルモノ−C16−C18−脂肪酸エステル
これらはグリセロールを植物油でエステル化し、その後分子蒸留して得る。本発明の組成物に使用するのに好適なモノグリセリドは、対称(すなわちβモノグリセリド)と非対称モノグリセリド(αモノグリセリド)の両方を含む。これらはまた、同一のグリセリド(すなわち、脂肪酸成分が主として1種の脂肪酸から成る)と混合グリセリド(すなわち、脂肪酸成分が多様な脂肪酸から成る)の両方を含む。脂肪酸成分は、例えばC16−C18の鎖長を有する飽和および不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。好適な例は、Eastman によるGMOrphic、Danisco IngredientsによるRylo MG20蒸留モノグリセリド、またはHenkelによるMonomuls 90−O18を含む。例えば、GMOrphic(登録商標)−80(グリセリルモノオレエート)は次のようなさらなる特徴的データを示す: モノグリセリド含有量最低94%、C18:1含有量最低75%、ペルオキシド値最大2.5、C18:2+C18:3最大15%、C16:0+C18:0+C20:0最大10%、水最大2%、酸価最大 3、ヨウ素価65−75、鹸化度155−165、遊離グリセリン最大1%、ヒドロキシル価300−330(製造業者の情報)。
【0052】
6)混合モノ、ジ、トリグリセリド
これらは、GattefosseからMaisine(登録商標)の商品名で商業的に入手可能である混合モノ、ジ、トリグリセリドを含む。これらは、コーン油とグリセロールのトランスエステル化製品である。かかる製品は、主としてリノール酸およびオレイン酸モノ、ジおよびトリグリセリドと、少量のパルミチン酸およびオレイン酸モノ、ジおよびトリグリセリド(コーン油自体が約56重量%のリノール酸、30%オレイン酸、約10%パルミチン酸および約3%ステアリン酸成分を含む)を含む。物理的特性は:遊離グリセロール最大10%、モノグリセリド約40%、ジグリセリド約40%、トリグリセリド約10%、遊離オレイン酸含有量約1%である。さらなる物理的特性は:酸価最大2、ヨウ素価85−105、鹸化度150−175、鉱酸含有量=0である。Maisine(登録商標)の脂肪酸成分は典型的には:パルミチン酸約11%、ステアリン酸約2.5%、オレイン酸約29%、リノール酸約56%、その他約1.5%(H. Fiedler, loc. cit., volume 2, page 1079;製造業者の情報)である。
【0053】
混合モノ、ジ、トリグリセリドは、好ましくはC〜C10またはC12−20脂肪酸モノ、ジおよびトリグリセリドの混合物、特に、混合C16−18脂肪酸モノ、ジおよびトリグリセリドを含む。混合モノ、ジおよびトリグリセリドの脂肪酸成分は、飽和および不飽和脂肪酸残基を含んでいてもよい。しかし、好ましくはそれらは主として、不飽和脂肪酸残基;特にC18不飽和脂肪酸残基を含む。好適には、混合モノ、ジおよびトリグリセリドは少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも85重量%のC18不飽和脂肪酸(例えばリノレン酸、リノール酸およびオレイン酸)モノ、ジおよびトリグリセリドを含む。好適には、混合モノ、ジおよびトリグリセリドは、20%未満、例えば約15重量%または10重量%以下の飽和脂肪酸(例えばパルミチン酸およびステアリン酸)モノ、ジおよびトリグリセリドを含む。混合モノ、ジおよびトリグリセリドは、好ましくは主として、モノおよびジグリセリドを含み;例えばモノおよびジグリセリドは、親油性相もしくは成分の総重量に基づいて少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%を含む。より好ましくは、モノおよびジグリセリドは少なくとも75%(例えば親油性成分の約80重量%または85重量%)を含む。好ましくは、モノグリセリドは、親油性成分の総重量に基づいて約25〜約50%の混合モノ、ジおよびトリグリセリドを含む。より好ましくは約30〜約40%(例えば35〜40%)のモノグリセリドが存在する。好ましくは、ジグリセリドは、親水性成分の総重量に基づいて約30〜約60%の混合モノ、ジおよびトリグリセリドを含む。より好ましくは、約40〜55%(例えば48〜50%)のジグリセリドが存在する。トリグリセリドは好適には、親水性成分の総重量に基づいて少なくとも5%、約25%未満の混合モノ、ジおよびトリグリセリドを含む。より好ましくは、約7.5〜約15%(例えば約9〜12%)のトリグリセリドが存在する。混合モノ、ジおよびトリグリセリドは、個々のモノ、ジまたはトリグリセリドを適当な相対比で混合して製造することができる。しかし簡便には、それらは植物油、例えばアーモンド油、ラッカセイ油、オリーブ油、モモ油、パーム油または好ましくはコーン油、ヒマワリ油またはサフラワー油、最も好ましくはコーン油とグリセロールのトランスエステル化製品を含む。かかるトランスエステル化製品は、一般に、GB 2 257 359またはWO 94/09211に記載のとおりに得る。好ましくは、軟ゼラチンカプセルを製造するとき、グリセロールをまず除去して、「実質的にグリセロールを含まないバッチ」を得る。コーン油とグリセロールの精製トランスエステル化製品は、特に好適な混合モノ、ジおよびトリグリセリドを提供し(以後「精製油」と称する)、英国特許明細書GB 2,257,359または国際特許公報WO 94/09211に記載の方法によって製造する。
【0054】
7)アセチル化モノグリセリド(C18)
これらはMyvacet 9−45を含む。
【0055】
8)プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル
脂肪酸成分は、例えばC−C12鎖長を有する飽和と不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。特に好ましいものは、例えばSefsol(登録商標)218、Capryol(登録商標)90またはLauroglycol(登録商標)90(H. Fiedler, loc. cit., vol 2, page 1025、製造業者の情報)の商品名で、例えばNikko Chemicals Co., Ltd.またはGattefosseから、またはCapmul PG−8の商品名でAbitec Corporationから商業的に入手可能である、カプリン酸およびラウリン酸のプロピレングリコールモノエステルである。例えば、Lauroglycol(登録商標)90は、次のようなさらなる特徴的データを示す:酸価最大8、鹸化度200−220、ヨウ素価最大5、遊離プロピレングリコール含有量最大5%、モノエステル含有量最大90%。Sefsol(登録商標)218は、次のようなさらなる特徴的データを示す:酸価最大5、ヒドロキシル価220−280。
【0056】
9)プロピレングリコールモノおよびジ脂肪酸エステル
これらはLaroglycol FCCおよびCapryol PGMCを含む。
【0057】
10)プロピレングリコールジエステル
プロピレングリコールジ脂肪酸エステル、例えばプロピレングリコールジカプリレート(これはMiglyol(登録商標)840の商品名で、例えばsasolから商業的に入手可能である;H. Fiedler, loc. cit., volume 2, page 1130)またはAbitec CorporationのCaptex 200。
【0058】
11)プロピレングリコールモノアセテートおよびプロピレングリコールジアセテート
【0059】
12)トランスエステル化エトキシル化植物油
これらはトランスエステル化エトキシル化植物油、例えば多様な天然植物油(例えば、コーン油、トウモロコシ油、ヒマシ油、核油、アーモンド油、ラッカセイ油、オリーブ油、ダイズ油、ヒマワリ油、サフラワー油およびパーム油、またはそれらの混合物)と平均分子量200〜800を有するポリエチレングリコールを適切な触媒の存在下で反応させて得られるものを含む。この方法は、米国特許US 3,288,824明細書に記載されている。トランスエステル化エトキシル化コーン油が特に好ましい。
【0060】
トランスエステル化エトキシル化植物油は既知であり、Labrafil(登録商標)(H. Fiedler, loc. cit., vol 2, page 994)の商品名で商業的に入手可能である。例は、Labrafil(登録商標)M2125 CS(コーン油から得て、酸価約2未満、鹸化度155〜175、HLB値3〜4およびヨウ素価90〜110を有する)、およびLabrafil(登録商標)M1944 CS(核油から得て、酸価約2、鹸化度145〜175およびヨウ素価60〜90を有する)である。Labrafil(登録商標)M2130 CS(C12−18グリセリドとポリエチレングリコールのトランスエステル化製品であり、融点約35〜40℃、酸価約2未満、鹸化度185〜200およびヨウ素価約3未満を有する)も使用することができる。好ましいトランスエステル化エトキシル化植物油は、Labrafil(登録商標)M2125 CSであり、例えばGattefosse, Saint-Priest Cedex, Franceから入手できる。
【0061】
13)ソルビタン脂肪酸エステル
かかるエステルは、例えばソルビタンモノC12−18脂肪酸エステル、またはソルビタントリC12−18脂肪酸エステル(これはSpan(登録商標)の商品名で例えばuniqemaから商業的に入手可能である)を含む。特に好ましいこの群の製品は、例えばSpan(登録商標)20(ソルビタンモノラウレート)またはSpan(登録商標)80(ソルビタンモノオレエート)(Fiedler, loc. cit., 2, p. 1572; Handbook of Pharmaceutical Excipients, 3rd Edition, American Pharmaceutical Association and Pharmaceutical Press, loc. cit., page 511)である。
【0062】
14)脂肪酸および1級アルコールのエステル化化合物
これらは、8〜20個の炭素原子を有する脂肪酸と2〜3個の炭素原子を有する1級アルコールのエステル化化合物、例えばイソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、エチルリノレート、エチルオレエート、エチルミリステート等を含み、リノール酸とエタノールのエステル化化合物、あるいはイソプロピルミリステートおよびイソプロピルパルミテートが特に好ましい。
【0063】
15)グリセロールトリアセテートまたは(1,2,3)−トリアセチン
これはグリセリンと無水酢酸のエステル化によって得られる。グリセロールトリアセテートは、例えばPriacetin(登録商標)1580としてUnichema Internationalから、またはEastman(商標)TriacetinとしてEastmanから、またはCourtaulds Chemicals Ltd.から商業的に入手可能である。グリセロールトリアセテートは、次のようなさらなる特徴的データを示す:分子量218,03、D.20,3 1,159−1,163、n20 1,430−1,434、水含有量最大0.2%、粘度(25°)17.4mPa s、酸価最大0.1、鹸化度約766−774、トリアセチン含有量最低97%(H. Fiedler, loc. cit., vol 2, page 1720、製造業者の製品情報)。
【0064】
16)アセチルトリエチルサイトレート
これはクエン酸とエタノールのエステル化、次に無水酢酸でのアセチル化によってそれぞれ得られる。アセチルトリエチルサイトレートは、例えばCitroflex(登録商標)A−2の商品名で、例えばMorflex Inc.から商業的に入手可能である。
【0065】
17)トリブチルサイトレートまたはアセチルトリブチルサイトレート
【0066】
18)ポリグリセロール脂肪酸エステル
これらは例えば、2〜10、例えば6グリセロール単位を有する。脂肪酸成分は、例えばC−C18鎖長を有する飽和と不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。特に好適なものは、例えばGattefosseのPlurol Oleique CC497であり、これは鹸化度133−155および鹸化度196−244を有する。さらに好適なポリグリセロール脂肪酸エステルは、既知であり、例えばNikko Chemicals Co., Ltd.から商業的に入手可能である、ジグリセリルモノオレエート(DGMO)およびヘキサグリン−5−Oを含む。
【0067】
19)PEG−脂肪アルコールエーテル
これはBrij 30(商標)ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルを含む。
【0068】
20)脂肪アルコールおよび脂肪酸
脂肪酸は、多様な動物および植物脂肪または油、例えばオリーブ油を加水分解し、次いで液体の酸を分離することにより得ることができる。脂肪酸/アルコール成分は、例えばC−C20鎖長を有する飽和とモノまたはジ不飽和脂肪酸/アルコールの両方を含んでいてもよい。特に好ましいものは、例えばオレイン酸、オレイルアルコール、リノール酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸、テトラデカノール、ドデカノールまたはデカノールである。オレイルアルコールはHD−Eutanol(登録商標)Vの商標名で、例えばHenkel KGaAから商業的に入手可能である。オレイルアルコールは次のようなさらなる特徴的データを示す:酸価最大0.1、ヒドロキシル価約210、ヨウ素価約95、鹸化度最大1、D.20約0,849、n20 1,462、分子量268、粘度(20°)約35mPa s(製造業者の製品情報)。オレイン酸は次のようなさらなる特徴的データを示す:分子量282,47、D.20 0,895、n20 1,45823、酸価195−202、ヨウ素価85−95、粘度(25°)26mPa s(H. Fiedler, loc. cit., volume 2, page 1238)。
【0069】
21)トコフェロールおよびその誘導体(例えばアセテート)
これらはCoviox T−70、Copherol 1250、Copherol F−1300、Covitol 1360およびCovitol 1100を含む。
【0070】
22)薬学的に許容される油
また、親油性成分は、好ましくは植物油のような不飽和成分を含む例えば薬学的に許容される油を含む。
【0071】
23)アルキレンポリオールエーテルまたはエステル
これらはC3−5アルキレントリオール、特にグリセロール、エーテルまたはエステルを含む。好適なC3−5アルキレントリオールエーテルまたはエステルは、混合エーテルまたはエステル、すなわち他のエーテルまたはエステル成分、例えばC3−5アルキレントリオールエステルと他のモノ、ジまたはポリオールのトランスエステル化生成物を含む成分を含む。特に好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、混合C3−5アルキレントリオール/ポリ−(C2−4アルキレン)グリコール脂肪酸エステル、特に混合グリセロール/ポリエチレン−またはポリプロピレン−グリコール脂肪酸エステルである。
【0072】
特に好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、グリセリド、例えばトリグリセリドとポリ−(C2−4アルキレン)グリコール、例えばポリ−エチレングリコールおよび所望によりグリセロールのトランスエステル化によって得ることができる生成物を含む。かかるトランスエステル化生成物は一般に、グリセリド、例えばトリグリセリドのポリ−(C−2−4アルキレン)グリコール、例えばポリエチレングリコールおよび所望により(すなわちグリセリドからポリアルキレングリコール/グリセロール成分への、すなわちポリアルキレングリコール分解/グリセロール分解を介するトランスエステル化を行うために)グリセロールの存在下でのアルコール分解によって得られる。
【0073】
一般に、かかる反応は処方成分(グリセリド、ポリアルキレングリコールおよび所望によりグリセロール)を高温で、不活性雰囲気下、継続的に撹拌して反応させて行う。
【0074】
好ましいグリセリドは、脂肪酸トリグリセリド、例えば天然および水素化油、特に植物油を含む(C10−22脂肪酸)トリグリセリドである。好適な植物油は、例えばオリーブ油、アーモンド油、ピーナッツ油、ココナッツ油、パーム油、ダイズ油およびコムギ胚種油、および特に(C12−18脂肪酸)エステル残基に富む天然または水素化油を含む。好ましいポリアルキレングリコール物質は、ポリエチレングリコール、特に分子量約500〜約4,000、例えば約1,000〜約2,000を有するポリエチレングリコールである。
【0075】
好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、C3−5アルキレントリオールエステル、例えば多様な相対量のモノ、ジおよびトリエステルと、少量の遊離C3−5アルキレントリオールおよび遊離ポリ(C2−5アルキレン)グリコールを含むポリ(C2−4アルキレン)グリコールモノおよびジエステルの混合物を含む。上記のとおり、好ましいアルキレントリオール基はグリセリルであり;好ましいポリアルキレングリコール基はポリエチレングリコール、特に分子量約500〜約4,000のものを含み;そして好ましい脂肪酸基はC10−22脂肪酸エステル基、特に飽和C10−22脂肪酸エステル基である。
【0076】
特に好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、天然または水素化植物油とポリエチレングリコール、および所望によりグリセロールのトランスエステル化生成物;またはグリセリルモノ、ジおよびトリC10−22脂肪酸エステルとポリエチレングリコールモノおよびジC10−22脂肪エステル(および所望により、例えば少量の遊離グリセロールおよび遊離ポリエチレングリコール)を含むかまたはそれらから成る組成物を含む。
【0077】
上記定義に関連する好ましい植物油、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール基および脂肪酸基は、上記のとおりである。
【0078】
特に好適な本発明に使用するための上記アルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、Gelucire(登録商標)の商標名で例えばGattefosseから商業的に入手可能であるもの、特に下記製品:
a) Gelucire(登録商標)33/01、融点=約33−37℃および鹸化度約230−255を有する;
b) Gelucire(登録商標)39/01、融点=約37.5−41.5℃、鹸化度=約225−245;
c) Gelucire(登録商標)43/01、融点=約42−46℃、鹸化度=約220−240;
を含む。
上記製品(a)〜(c)は、酸価最大3を有する。本発明の組成物は、かかるエーテルまたはエステルの混合物を含んでいてもよい。
【0079】
24)炭化水素
これらは例えばNikko Chemicals Co., Ltd.から入手可能な、例えばスクアレンを含む。
【0080】
25)エチレングリコールエステル
これらは例えばGattefosseから入手可能なMonthyle(登録商標)(エチレングリコールモノステアリン酸)を含む。
【0081】
26)ペンタエリトリトール脂肪酸エステルおよびポリアルキレングリコールエーテル
これらは例えば、ペンタエリトリット−ジオレエート、−ジステアレート、−モノラウレート、−ポリグリコールエーテルおよび−モノステアリン酸、ならびにペンタエリトリット−脂肪酸エステル(Fiedler, loc. cit., 2, p. 1288-1290、参照により本明細書の一部とする)を含む。
【0082】
これらのいくつか、例えば(1−3、5−6、8−9、12−13、19)は、界面活性剤様動態を示し、共界面活性剤とも称することができる。
【0083】
親油性成分は好ましくは、本発明の成分の5〜85重量%、例えば10〜85%;好ましくは約15〜60重量%を含む。
【0084】
本発明の液体または半固体充填物は、さらに親水性成分を含んでいてもよい。
【0085】
好適な親水性成分は下記のものを含む:
1)ポリエチレングリコールグリセリルC−C10脂肪酸エステル
脂肪酸エステルはモノおよび/またはジおよび/または脂肪酸エステルを含んでいてもよい。これは所望により、例えばC−C10鎖長を有する飽和と不飽和脂肪酸の両方を含む。ポリエチレングリコールは例えば5〜10[CH−CH−O]単位、例えば7単位を有していてもよい。特に好適な脂肪酸エステルはポリエチレングリコール(7)グリセリルモノココエートであり、これは例えばCetiol(登録商標)HEの商標名で、例えばHenkel KGaAから商業的に入手可能である。Cetiol(登録商標)HEはD.(20°)1,05、酸価5未満、鹸化度約95、ヒドロキシル価約180およびヨウ素価5未満を有する(H. Fiedler, loc. cit., vol 1, page 409)。またはLipestrol E−810。
【0086】
2)N−アルキルピロリドン
特に好適なものは、例えばPharmasolve(商標)の商標名で、例えばInternational Specialty Products(ISP)から商業的に入手可能である例えばN−メチル−2−ピロリドンである。N−メチルピロリドンは次のようなさらなる特徴的データを示す:分子量99,1、D.25 1,027−1,028、純度(GCによる面積%として)(メチル異性体を含む)最低99.85%(H. Fiedler, loc. cit., vol 2, page 1303、製造業者の情報)。
【0087】
3)ベンジルアルコール
これは例えばMerckから商業的に入手可能であるか、またはベンジルクロライドと炭酸カリウムまたはナトリウムとの蒸留によって得ることができる。ベンジルアルコールは次のようなさらなる特徴的データを示す:分子量108,14、D.1,043−1,049、n1,538−1,541(H. Fiedler, loc. cit., vol 1, page 301)。
【0088】
4)トリエチルサイトレート
これはクエン酸とエタノールのエステル化によって得られる。トリエチルサイトレートは、例えばCitroflex(登録商標)2の商標名で、または医薬品グレードでTEC−PG/Nの商品名で、例えばMorflex Inc.から商業的に入手可能である。特に好適なものは、分子量276,3、比重1,135−1,139、屈折率1,439−1,441、粘度(25°)35,2mPa s、アッセイ(無水基準)99,0−100,5%、水最大0,25%を有するトリエチルサイトレート(Fiedler, H. P., loc. cit., , vol 1, page 446)である。
【0089】
他の好適な親水性化合物は、トランスクトール(transcutol)(C−[O−(CH−OH)、グリコフロール(glycofurol)(テトラヒドロフルフリルアルコールポリエチレングリコールエーテルとも知られる)、1,2−プロピレングリコール、ジメチルイソソルビッド(例えばUniqemaのArlasolve)、ポリエチレングリコール(例えば200、300、400、600等)、トリエチレングリコール、酢酸エチル、およびエチルラクテートを含む。
【0090】
親水性成分は、本発明の組成物の5〜60重量%、例えば5〜50%;好ましくは5〜40重量%を含んでいてもよい。
【0091】
親水性成分は2種以上の親水性成分の混合物を含んでいてもよい。主たる親水性成分と親水性共成分の比は、典型的には約0.5:1〜約2:1である。
【0092】
本発明の組成物の液体充填物は、界面張力を減少させて熱力学的安定性を得るために、好ましくは1種以上の界面活性剤を含んでいてもよい。
【0093】
界面活性剤は、その製造に関与する副生成物または未反応出発物質を含む複合混合物であってよく、例えばポリオキシエチル化によって製造する界面活性剤は、他の副生成物、例えばポリエチレングリコールを含んでいてもよい。各界面活性剤は、好ましくは親水性−親油性バランス(HLB)値8〜17、特に10〜17を有する。HLB値は好ましくは平均HLB値である。
【0094】
好適な界面活性剤は、下記のものを含む:
1)天然または水素化ヒマシ油とエチレンオキシドの反応生成物
天然または水素化ヒマシ油をエチレンオキシドと、モル比約1:35〜約1:60で反応させ、所望により生成物からポリエチレングリコール成分を除去することができる。多様な界面活性該が商業的に入手可能である。特に好適な界面活性剤は、Cremophor(登録商標);Cremophor(登録商標)RH40(これは鹸化度約50〜60、酸価約1未満、水分含有量(Fischer)約2%未満、n60約1.453−1.457およびHLB約14−16を有する);およびCremophor(登録商標)RH 60(これは鹸化度約40−50、酸価約1未満、ヨウ素価約1未満、水分含有量(Fischer)約4.5−5.5%、n60約1.453−1.457およびHLB約15〜17を有する)の商標名で入手可能なポリエチレングリコール水素化ヒマシ油を含む。
【0095】
特に好ましいこの群の製品は、Cremophor(登録商標)RH40である。他の有用なこの群の製品は、Nikkol(登録商標)(例えばNikkol(登録商標)HCO40およびHCO60)、Mapeg(登録商標)(例えばMapeg(登録商標)CO40h)、Incrocas(登録商標)(例えばIncrocas(登録商標)40)、Tagat(登録商標)(例えばポリオキシエチレン−グリセロール−脂肪酸エステル、例えばTagat(登録商標)RH40)およびSimulsol OL−50(PEG−40ヒマシ油、これは鹸化度約55〜65、酸価最大2、ヨウ素価25〜35、水分含有量最大8%、およびHLB約13を有し、Seppicから入手可能である)の商標名で入手可能である。これらの界面活性剤はさらに、Fiedler loc. cit.に記載されている。
【0096】
他の好適なこの群の界面活性剤は、ポリエチレングリコールヒマシ油、例えばCremophor(登録商標)ELの商標名で入手可能なものを含み、これは分子量(蒸気浸透圧法による)約1630、鹸化度約65〜70、酸価約2、ヨウ素価約28〜32およびn25約1.471を有する。
【0097】
2)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
これらは、既知のタイプの、Tween(登録商標)(Fiedler, loc. cit. p.1754 ff)の商標名でUniqemaから商業的に入手可能なモノおよびトリラウリル、パルミチル、ステアリルおよびオレイルエステル、例えば下記製品:
Tween(登録商標)20[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート]、
Tween(登録商標)21[ポリオキシエチレン(4)ソルビタンモノラウレート]、
Tween(登録商標)40[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミチン酸塩]、
Tween(登録商標)60[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアリン酸]、
Tween(登録商標)65[ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリステアリン酸]、
Tween(登録商標)80[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート]、
Tween(登録商標)81[ポリオキシエチレン(5)ソルビタンモノオレエート]、および
Tween(登録商標)85[ポリオキシエチレン(20)ソルビタントリオレエート]
を含む。
特に好ましいこの群の製品は、Tween(登録商標)20およびTween(登録商標)80である。
【0098】
3)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル
これらは、既知のタイプの、Myrj(登録商標)の商標名でUniqemaから商業的に入手可能であるポリオキシエチレンステアリン酸エステルを含む。特に好ましいこの群の製品はMyrj(登録商標)52であり、これはD25約1.1、融点約40〜44℃、HLB値約16.9.、酸価約0〜1、鹸化度約25〜35を有する。
【0099】
4)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンコポリマーおよびブロックコポリマーまたはポロキサマー
これらは既知のタイプの、Pluronic(登録商標)およびEmkalyx(登録商標)の商標名で商業的に入手可能であるもの(Fiedler, loc. cit., 2, p. 1329)を含む。特に好ましいこの群の製品は、BASFのPluronic(登録商標)F68(ポロキサマー188)であり、これは融点約52℃、分子量約6800〜8975を有する。さらに好ましいこの群の製品は、UniqemaのSynperonic(登録商標)PE L44(ポロキサマー124)である。
【0100】
5)飽和C10−C22のポリオキシエチレンモノエステル
これらは、C18置換例えばヒドロキシ脂肪酸;例えば12ヒドロキシステアリン酸PEGエステル、例えば約600−900、例えば660ダルトンMWの例えばPEG、例えばBASF, Ludwigshafen, GermanyのSolutol(登録商標)HS15を含む。BASF技術冊子によると、MEF151E(1986)は約70重量%ポリエトキシル化12−ヒドロキシステアリン酸と、約30重量%の非エステル化ポリエチレングリコール成分を含む。Solutol HS15は水素化度90〜110、鹸化度53〜63、酸価最大1、および最大水分含有量0.5重量%を有する。
【0101】
6)ポリオキシエチレンアルキルエーテル
これらは、既知の、例えばBrij(登録商標)の商標名でUniqemaから商業的に入手可能である、C12−C18アルコールのポリオキシエチレングリコールエーテル、例えばポリオキシル2−、10−もしくは20−セチルエーテルまたはポリオキシル23−ラウリルエーテル、またはポリオキル20−オレイルエーテル、またはポリオキシル2−、10−、20−もしくは100−ステアリルエーテルを含む。特に好ましいこの群の製品は、例えばBrij(登録商標)35(ポリオキシル23ラウリルエーテル)またはBrij(登録商標)98(ポリオキシル20オレイルエーテル)(Fiedler, loc. cit., 1, pp. 326; Handbook of Pharmaceutical Excipients, loc. cit., page 407)である。同様に好適な製品は、既知であり、Nikkol PBC(登録商標)34の商標名で例えばNikko Chemicals Co., Ltd.から商業的に入手可能であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−アルキルエーテル、例えばC12−C18アルコールのポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−エーテル、例えばポリオキシエチレン−20−ポリオキシプロピレン−4−セチルエーテルを含む。ポリオキシプロピレン脂肪酸エーテル、例えばAcconon(登録商標)Eも好適である。
【0102】
7)アルキル硫酸ナトリウムおよびスルホン酸ナトリウム、ならびにアルキルアリールスルホン酸ナトリウム
これらは、ドデシル硫酸ナトリウムとしても知られており、例えばTexapon K12(登録商標)の商品名でHenkel KGaAから商業的に入手可能であるラウリル硫酸ナトリウムを含む。
【0103】
8)水溶性トコフェリルポリエチレングリコールコハク酸エステル(TPGS)
これらは重合度約1000〜400を有する、例えばEastman Fine Chemicals Kingsport, Texas, USAから入手可能なものを含む。
【0104】
9)ポリグリセロール脂肪酸エステル
これらは10〜20、例えば10グリセロール単位を有するものを含む。脂肪酸成分は、例えばC−C18鎖長を有する飽和と不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。特に好適なものは、既知であり、Decaglyn(登録商標)1−LまたはDecaglyn(登録商標)1−MまたはDecaglyn 1−Oの商標名で、それぞれ例えばNikko Chemicals C., Ltdから商業的に入手可能である例えばデカグリセリルモノラウレートまたはデカグリセリルモノミリステート(Fiedler, loc. cit., vol. 2, pp. 1359)である。
【0105】
10)アルキレンポリオールエーテルまたはエステル
これらはC3−5アルキレントリオール、特にグリセロール、エーテルまたはエステルを含む。好適なC3−5アルキレントリオールエーテルまたはエステルは、混合エーテルまたはエステル、すなわち他のエーテルまたはエステル成分、例えばC3−5アルキレントリオールエステルと他のモノ、ジまたはポリオールのトランスエステル化生成物を含む成分を含む。特に好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、混合C3−5アルキレントリオール/ポリ−(C2−4アルキレン)グリコール脂肪酸エステル、特に混合グリセロール/ポリエチレン−またはポリプロピレン−グリコール脂肪酸エステルである。
【0106】
特に好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、グリセリド、例えばトリグリセリドとポリ−(C2−4アルキレン)グリコール、例えばポリ−エチレングリコールと所望によりグリセロールのトランスエステル化によって得ることができる生成物を含む。
【0107】
かかるトランスエステル化生成物は一般に、ポリ−(C−2−4アルキレン)グリコール、例えばポリエチレングリコールおよび所望によりグリセロール(すなわちグリセリドからポリアルキレングリコール/グリセロール成分への、すなわちポリアルキレングリコール分解/グリセロール分解を介するトランスエステル化を行うために)の存在下での、グリセリド、例えばトリグリセリドのアルコール分解によって得られる。一般に、かかる反応は処方成分(グリセリド、ポリアルキレングリコールおよび所望によりグリセロール)を高温で、不活性雰囲気下、継続的に撹拌して反応させて行う。
【0108】
好ましいグリセリドは脂肪酸トリグリセリド、例えば(C10−22脂肪酸)トリグリセリド、例えば天然および水素化油、特に植物油である。好適な植物油は、例えばオリーブ油、アーモンド油、ピーナッツ油、ココナッツ油、パーム油、大豆油、コムギ胚種油、および特に(C12−18脂肪酸)エステル残基に富む天然または水素化油を含む。
【0109】
好ましいポリアルキレングリコール物質は、ポリエチレングリコール、特に分子量約500〜約4,000、例えば約1,000〜約2,000を有するポリエチレングリコールである。
【0110】
好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、C3−5アルキレントリオールエステル、例えば多様な相対量のモノ、ジおよびトリエステルと、ポリ(C2−4アルキレン)グリコールモノおよびジエステル、そして少量の遊離C3−5アルキレントリオールおよび遊離ポリ−(C2−5アルキレン)グリコールの混合物を含む。上記のとおり、好ましいアルキレントリオール基はグリセリルであり;好ましいポリアルキレングリコール基はポリエチレングリコール、特に分子量約500〜約4,000のものを含み;そして好ましい脂肪酸基はC10−22脂肪酸エステル基、特に飽和C10−22脂肪酸エステル基である。
【0111】
特に好適なアルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、天然または水素化植物油とポリエチレングリコール、および所望によりグリセロールのトランスエステル化生成物;またはグリセリルモノ、ジおよびトリC10−22脂肪酸エステルとポリエチレングリコールモノおよびジC10−22脂肪エステル(および所望により、例えば少量の遊離グリセロールおよび遊離ポリエチレングリコール)を含むかまたはそれらから成る組成物を含む。
【0112】
上記定義に関連する好ましい植物油、ポリエチレングリコールまたはポリエチレングリコール基および脂肪酸基は、上記のとおりである。
【0113】
特に好適な本発明に使用するための上記アルキレンポリオールエーテルまたはエステルは、Gelucire(登録商標)の商標名で例えばGattefosseから商業的に入手可能であるもの、特に下記製品:
a) Gelucire(登録商標)44/14、融点=約42.5−47.5℃および鹸化度約79−93;
b) Gelucire(登録商標)50/13、融点=約46−51℃、鹸化度=約67−81;
を含む。
上記製品(a)〜(b)は全て、酸価最大2を有する。
【0114】
最大2のヨウ素価を有するアルキレンポリオールエーテルまたはエステルが一般に好ましい。本発明の組成物は、かかるエーテルまたはエステルを含んでいてもよい。
【0115】
製品Gelucire(登録商標)は、両親媒性を有する不活性半固体ワックス状物質である。これらは融点およびHLB値によって同定される。多くのGelucire(登録商標)グレードは、天然水素化植物油とポリエチレングリコールのポリグリコール分解によって得られる飽和ポリグリコール化グリセリドである。それらはモノ、ジおよびトリグリセリドとポリエチレングリコールのモノおよびジ脂肪酸エステルの混合物から成る。特に好適なものはGelucire(登録商標)44/14であり、これは公称融点44度およびHLB14を有する。これは水素化パーム核油および/または水素化パーム油をポリエチレングリコール1500と反応させて得る。これは約20%モノ、ジおよびトリグリセリド、72%ポリエチレングリコール1500のモノおよびジ脂肪酸エステルおよび8%遊離ポリエチレングリコール1500から成る。Gelucire(登録商標)44/14の脂肪酸分布は下記のとおりである:4−10C、3−9C10、40−50C12、14−24C14、4−14C16、5−15C18。Gelucire(登録商標)44/14は次のようなさらなる特徴的データを示す:酸価最大2、ヨウ素価最大2、鹸化度79−93、ヒドロキシル価36−56、過酸化価最大6、アルカリ性不純物最大80、水含有量最大0.50、遊離グリセロール含有量最大3、モノグリセリド含有量3.0−8.0(H. Fiedler, loc. cit., vol 1, page 773;製造業者の情報)。
【0116】
11)ポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステル
脂肪酸エステルは、モノおよび/またはジおよび/またはトリ脂肪酸エステルを含んでいてもよい。脂肪酸成分は、例えばC12−C18鎖長を有する飽和と不飽和脂肪酸の両方を含んでいてもよい。ポリエチレングリコールは例えば、10〜40[CH−CH−O]単位、例えば15または30単位を有していてもよい。特に好適なものは、ポリエチレングリコール(15)グリセリルモノステアレートであり、これは例えばTGMS(登録商標)−15の商品名で、例えばNikko Chemicals Co., Ltd.から商業的に入手可能である。他の好適なグリセリル脂肪酸エステルは、例えばTagat(登録商標)Oの商品名で、例えばGoldschmidtから商業的に入手可能である(H. Fiedler, loc. cit., vol. 2, p. 1650)ポリエチレングリコール(30)グリセリルモノオレエートおよびTagat O2(ポリエチレングリコール(20)グリセロールモノオレエート)、ならびに全て例えばGoldschmidtの、Tagat L(ポリエチレングリコール(30)グリセロールモノラウレート)およびTagat L2(ポリエチレングリコール(20)グリセロールモノラウレート)である(H. Fiedler, loc. cit., vol. 2, p. 1650)。さらに好適なポリエチレングリコールグリセリル脂肪酸エステルはTagat TOである。
【0117】
12)ステロールおよびその誘導体
これらはコレステロールおよびその誘導体、特に植物ステロール、例えばシトステロール、カンペステロールまたはスチグマステロールおよびそのエチレンオキシド付加物、例えばダイズステロールおよびその誘導体を含む生成物である。ポリエチレングリコールは、例えば10〜40[CH−CH−O]単位、例えば25または30単位を有していてもよい。特に好適なものはポリエチレングリコール(30)植物ステロールであり、これは例えばNikkol BPS(登録商標)−30の商品名で、例えばNikko Chemicals Co., Ltd.から商業的に入手可能である。さらに好適なものは、ポリエチレングリコール(25)ダイズステロールであり、これは例えばGenerol(登録商標)122E25の商品名で、例えばHenkel から商業的に入手可能である(H. Fiedler, loc. cit., vol. 1, p. 779)。
【0118】
13)トランスエステル化、ポリオキシエチル化カプリル−カプリン酸グリセリド
これらは、Labrasol(登録商標)の商品名で例えばGattefosseから商業的に入手可能であるものを含む。Labrasol(登録商標)は酸価最大1、鹸化度90−110、およびヨウ素価最大1を有する(H. Fiedler, loc. cit., vol 2, page 995)。
【0119】
14)糖脂肪酸エステル
これらは、C12−C18脂肪酸のもの、例えばショ糖モノラウレート、例えばMitsubishi-Kasei Food Corp., Tokyo, Japanから商業的に入手可能である例えばRyoto L−1695(登録商標)を含む。
【0120】
15)PEGステロールエーテル
これらは例えば5〜35[CH−CH−O]単位、例えば20〜30単位を有するもの、例えばAmercholから商業的に入手可能である例えばSolulan(登録商標)C24を含む。
【0121】
16)ジオクチルナトリウムスルホコハク酸塩
これはAerosol OT(登録商標)の商標名で、例えばAmerican Cyanamid Co.から商業的に入手可能であるか(Fiedler, loc. cit., 1, p. 164)、またはジ−[2−エチルヘキシル]スクシネートである。
【0122】
17)リン脂質
これらは特にレシチン(Fiedler, loc. cit., volume 2, p. 910, 1030)を含む。好適なレシチンは、特にダイズレシチンを含む。
【0123】
18)脂肪酸、脂肪酸硫酸塩およびスルホン酸塩
これらは、既知であり、例えばFlukaから商業的に入手可能である例えばC−C18、脂肪酸、−脂肪酸スルフェートおよびスルホネートのものを含む。
【0124】
19)アシル化アミノ酸の塩
これらは、例えばFlukaから商業的に入手可能であるC−C18、アシル化アミノ酸、例えばラウロイルサルコシンナトリウムのものを含む。
【0125】
20)中鎖および長鎖アルキル、例えばC−C18、アンモニウム塩
これらはC−C18アシル化アミノ酸、例えばセチルトリメチルアンモニウムブロマイドを含み、これは例えばE. Merck AGから商業的に入手可能である。
【0126】
界面活性剤は、本発明の組成物の5〜90重量%;好ましくは10〜85重量%、より好ましくは15〜60重量%を含んでいてもよい。
【0127】
本発明の組成物の液体充填物は所望により、界面張力を減少させて熱力学的安定性を得るために、共溶媒を含んでいてもよい。好適な共溶媒は、エタノールおよびトランスクトールのような低級アルカノールを含む。結果として、カプセル充填後活性剤沈殿の危険を低下させることができ、そして保存特性を改善することができる。したがって、エタノールまたは他のかかる共溶媒をさらなる組成物の成分として使用して、保存寿命安定性を延長させることができる。エタノールは組成の0〜60重量%;好ましくは5〜約30重量%、より好ましくは約5〜20重量%含んでいてもよい。
【0128】
他の局面において、本発明は、充填物がミクロエマルジョン前濃縮物の形態である組成物を提供する。ミクロエマルジョン前濃縮物は親油性成分、界面活性剤、親水性成分および所望により共溶媒を含んでいてもよい。
【0129】
他の局面において、本発明は活性剤を含むミクロエマルジョン前濃縮物を製造する方法であって、下記:
活性剤と、(1)親油性成分、(2)界面活性剤、(3)親水性成分および所望により(4)共溶媒を含む担体を混合させて、自然発生的に分散可能な医薬組成物を形成すること;
を含む方法を提供する。
薬学的に許容される酸を親水性成分、または存在するとき共溶媒に溶解させて混合物に導入することができる。
【0130】
さらなる局面において、本発明は活性剤を含むミクロエマルジョンを製造する方法であって、下記:
(i)活性剤と、(1)親油性成分、(2)界面活性剤、(3)親水性成分および所望により(4)共溶媒を含む担体を混合させて、自然発生的に分散可能な医薬組成物を形成すること;そして
(ii)自然発生的に分散可能な医薬組成物を水性媒体で希釈してミクロエマルジョンを形成すること;
を含む方法を提供する。
薬学的に許容される酸を親水性成分、または存在するとき共溶媒に溶解させて工程(i)の混合物に導入することができる。
【0131】
活性剤は本発明の組成物の例えば約0.05重量%〜約20重量%までの量で存在していてもよい。活性剤は、好ましくは組成物の約0.05〜約15重量%、より好ましくは組成物の約0.05〜約10重量%の量で存在している。
【0132】
充填物または液体充填物は、硬ゼラチンカプセルまたは軟ゼラチンカプセルに充填することができる。
【0133】
他の局面において、本発明は、硬ゼラチンカプセルの製造方法を提供する。硬ゼラチンカプセルは、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed., Mack Publishing Co. Easton, Pa., loc. cit. p 1642 to 1643に記載されているようないずれかの好適な方法によって製造することができる。薬学的に許容される酸をゼラチン混合物に加えてもよい。
【0134】
さらなる局面において、本発明は軟ゼラチンカプセルの製造方法を提供する。本発明の軟ゼラチンカプセルは、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed., Mack Publishing Co. Easton, Pa., loc. cit. p 1646 to 1647に記載されているようなプレート法またはロータリー・ダイ法によって製造することができる。薬学的に許容される酸をゼラチン混合物に加えてもよい。
【0135】
さらなる局面において本発明は、ゼラチンカプセル剤の形態の医薬組成物における薄膜形成を予防するための、薬学的に許容される酸の使用を提供する。
【0136】
本発明の投与形態は上記活性剤によって適用される多様な障害の処置および予防に有用である。殻または内容部または殻と充填物に薬学的に許容される酸、例えばクエン酸を含む本発明の投与形態、例えばゼラチンカプセル剤は、胃腸管に十分に耐容性である。架橋および薄膜形成の予防によって、溶解速度の低下、それによる低下した生物学的利用能および活性剤の低下した生物学的利用能に関連し得るいずれかの不便を回避する。
【0137】
下記のものは例示のみを目的とした本発明の組成物の説明である。
【実施例】
【0138】
実施例
表1の製剤を製造し、続いて同じ組成(ゼラチン、プロピレングリコール、グリセロール)を有する軟ゼラチンカプセルに充填する。組成Aは薬学的に許容される酸を含まない。組成Bは薬学的に許容される酸(クエン酸)を含み、組成Cは薬学的に許容される酸(リン酸)を含む。
【表1】

【0139】
カプセル剤を5℃(対照)および40℃、75%RH(相対湿度)で1.4M(月)、2.3M(月)および12M(月)保存する。貧水溶性薬剤物質7−t−ブトキシイミノメチル−カンプトテシンのインビトロ溶出速度(溶解した薬剤%/分)を標準的な溶出テスター(Paddle装置)で試験する。図1に示すとおり、組成Aは、40℃、RH(相対湿度)75%で保存したとき強い薄膜形成を示し、1.4M(月)後薬剤物質の放出が得られない。5℃で保存した組成Aの対照は、薬剤放出の低下が示されない。組成BおよびCは、薄膜形成を示さず、5℃(対照)および40℃/75%RHで貯蔵後、2.4M(月)後は図2に、3M(月)後は図3に示すとおり、同じ薬剤放出が得られる。組成Bはさらに12M後に試験したところ、図4に示すとおり、30℃の高温/65%RHで薄膜形成が示されない。
【0140】
図面の簡単な説明
図1は5℃(対照)および40℃/75%RHで1.4月保存後の組成Aの溶出速度を示す。
図2は5℃(対照)および40℃/75%RHで2.3月保存後の組成Bの溶出速度を示す。
図3は5℃(対照)および40℃/75%RHで3月保存後の組成Cの溶出速度を示す。
図4は5℃(対照)および30℃/65%RHで12月保存後の組成Bの溶出速度を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に許容される酸を含む、ゼラチンカプセル剤形態の医薬組成物。
【請求項2】
カプセル殻および充填物を含む請求項1の医薬組成物。
【請求項3】
薬学的に許容される酸が充填物に加えられている、請求項1または2の医薬組成物。
【請求項4】
薬学的に許容される酸が充填物からカプセル殻に移動する、請求項3または4の医薬組成物。
【請求項5】
薬学的に許容される酸がフマル酸、リン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、酒石酸、マロン酸、グルクロン酸およびクエン酸から選択される、請求項1〜4のいずれかの組成物。
【請求項6】
薬学的に許容される酸がクエン酸またはリン酸である、請求項5の組成物。
【請求項7】
薬学的に許容される酸が薬学的に許容される酸ゼラチンカプセルの薄膜形成を阻害するのに有効な量で存在する、請求項1〜6のいずれかの組成物。
【請求項8】
薬学的に許容される酸が充填物の総重量の0.01%〜20%の量で存在する、請求項7の組成物。
【請求項9】
薬学的に許容される酸が充填物の総重量の0.1%〜2%の量で存在する、請求項8の組成物。
【請求項10】
薬学的に許容される酸がカプセル殻の総重量の0.01%〜20%の量で存在する、請求項7の組成物。
【請求項11】
薬学的に許容される酸がカプセル殻の総重量の0.1%〜2%の量で存在する、請求項10の組成物。
【請求項12】
充填物が半液状または液状である、請求項2〜11のいずれかの組成物。
【請求項13】
充填物がミクロエマルジョン前濃縮物の形態である、請求項12の組成物。
【請求項14】
自然発生的に分散可能な医薬組成物である、請求項1〜13のいずれかの組成物。
【請求項15】
7−t−ブトキシイミノメチル−カンプトテシンを含む、請求項14の組成物。
【請求項16】
7−t−ブトキシイミノメチル−カンプトテシンと、親油性成分、界面活性剤および親水性成分を含む担体媒体を含んでなる、請求項14または15に記載の組成物。
【請求項17】
さらに共溶媒を含む請求項16の組成物。
【請求項18】
ゼラチンカプセルが軟ゼラチンカプセルである、請求項1〜17のいずれかの組成物。
【請求項19】
ゼラチンカプセル剤形態の医薬組成物における薄膜形成を回避するための、薬学的に許容される酸の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−513351(P2010−513351A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541867(P2009−541867)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/EP2007/011138
【国際公開番号】WO2008/074479
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】