説明

酸味料フィルム及びその製造方法

酸味料及び水溶性フィルムを含む経口投与のための組成物、及び該フィルムの製造方法が、開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、水溶性フィルム類に関する。とりわけ、本発明は、酸味料フィルム類に関連する。
【背景技術】
【0002】
水溶性フィルム類は、包装材料等の非食用形態、及び、フィルム自体が食用となるか、又は、食物物品を構成する食物形態等を含む多くの用途を有する。食用フィルム類は、治療剤の送達、息リフレッシュ剤及びフレイバー等としての用途が知られている。
【0003】
フレイバー成分及び酸味を分配するキャンディが公知である。形状因子の例は、固体のボール状、ヒラマメ状、ガム状、ロリポップ状、液体状及びパウダー状を含む。
【非特許文献1】米国科学アカデミーによる出版1274、Chemicals Used in Food Processing
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[要旨]
本発明の1の面は、酸味料、水溶性フィルムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のもう一つの面は、水溶性フィルム形成剤と、並びに、有機酸、有機酸の塩類、無機酸、無機酸の塩類、及び、それらの組合せからなる群から選択される酸味料を含む酸味料系とを含む水溶性フィルムであって、上記有機酸類が12重量%以下の量で存在する場合は、上記酸味料系が、さらに、1以上の有機酸の塩、無機酸、及び無機酸の塩を含むことを条件とする水溶性フィルムを提供する。
【0006】
本発明のさらに別の面は、酸性の、水溶性フィルムの製造方法であって、1以上の酸類(例、粉末又は液体霧状のもの)を含む組成物を、乾燥した又は半乾燥の水溶性フィルム上に配置すること、及び、さらに、水溶性フィルムの第二の層を、第一のフィルム層の上に適用することを含む方法を提供する。
【0007】
更なる態様と利点は、以下の詳細な説明の検討から、当業者にとって明らかなものになるだろう。フィルムは種々の形態での実施態様を許容する、よって、本開示は解説用のものであり、発明をここで記述される特定の実施態様に限定するものではないとの理解の基に、これ以降の明細書は、特定の実施態様を含む。
[詳細な説明]
【0008】
フィルムの主成分は、フィルム形成剤である。フィルム形成剤は、組成物に、フィルム形成のための構造及び連続性を与えることを補助する。フィルム形成剤は、一般に、上記フィルムに、約10%から約90%、好ましくは約20%から約60%、より好ましくは約30%から約50%の範囲で含まれる(重量%)。フィルムで用いることができるフィルム形成剤の非限定的な例は、以下を含む:アルギネート、セルロースエーテル、食用のポリマー、陸生植物抽出物、天然及び合成のガム類、タンパク質、海草抽出液、デンプン及び変性デンプン、他のサッカライド類及びポリサッカライド類、及び、それらの誘導体、並びに上記の任意の組合せ。
【0009】
アルギネートの例は、アルギン酸の塩類(例えばアルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム)及びプロピレングリコールアルギネート等のエステル化アルギネートを含む。プロピレングリコールアルギネートは、そのカルボキシ基のいくつかがプロピレングリコールによってエステル化され、また、いくつかが適当なアルカリにより中和され、そして、いくつかが遊離のままである、部分的にエステル化されたアルギン酸である。低粘度アルギン酸ナトリウムが好ましい。アルギン酸ナトリウムは、その容易に水和する特性、及び、分子間会合によるフィルム形成の能力に加え、その中性の匂い及び味によって、取り込まれたフレイバーの発散を助ける。
【0010】
セルロースエーテルの例は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース(MC)、メチルエチルセルロース、メチルハイドロキシセルロース(MHC)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC、また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースHPMC)、微結晶性セルロース(MCC)及び、それらの誘導体を含む。食用のポリマーの例は、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA又はPVOH)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びそれらの誘導体を含む。
【0011】
天然及び合成のガムの例は、カラギーナン、ガティガム、アラビアガム(gum arabic)、アラビアガム(gum acacia)、カラヤガム、イナゴマメガム、トラガカントガム、グアーガム、タマリンドガム、キサンタンガム、スクレログルカン類及びそれらの誘導体を含む。陸生植物抽出液の例は、こんにゃく、アラビノガラクタン及びそれらの誘導体を含む。タンパク質の例は、カゼイン、乳漿たんぱく及びゼインを含む。
【0012】
デンプン及び変性デンプンの例は、酸及び酵素で加水分解されるコーンのデンプン類、及びジャガイモデンプン類、デキストリン類、アミロペクチン及びそれらの誘導体を含む。他のサッカライド及びポリサッカライドの例は、デキストラン類、ペクチン類、細菌性のサッカライド(例えばプルラン)及びそれらの誘導体を含む。ここでの教示の下に、ここに記述される組成物の望ましいフィルム形成特性を有する他の天然及び合成食材を使用することができることは当業者により理解されるであろう。
【0013】
好ましいフィルム形成剤は、アルギン酸の塩類、エステル化アルギネート類、ペクチン、MHPC及びBPC等の非イオン性セルロースエーテル類、並びにそれらの組合せを含む。
【0014】
酸性の成分は、様々な理由のためにフィルムに加えることができる。好ましい実施態様においては、フィルムは食用であり、顕著な酸味を有するフィルムを提供するために、1以上の有効量の酸味料を含む。例えば、フィルムは最初の酸味のあるインパクトを送達する第一の酸味料と、及び、スムーズで長引く酸味(tartness)を有する酸味を増大させる第二の酸味料とを含んでもよい。フレイバー成分(例、果物フレイバー)を強化するために、酸味送達のための主要機能に加えて、又は、その代わりに、1以上の酸味料を用いることができる。酸味料は、有機及び無機酸類並びにその塩類から選ぶことができる。
【0015】
酸味のあるフレイバーのために食用のフィルムに用いる酸味料の非限定的な例は、以下を含む:酸味のあるか又は酸味の利いた(tarty)感覚を提供する有機一価又は多価カルボン酸、例としては、C2 to C12有機一価又は多価カルボン酸(例えば、酢酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、クエン酸、ソルビン酸、アスコルビン酸(イソアスコルビン又はエリソルビン酸を含む)、及びグルコン酸(グルコノ-デルタラクトン(glucono-delta lactone)を含む);このような有機酸の塩類(例、クエン酸アンモニウム、クエン酸カルシウム、クエン酸マグネシウム、クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カリウム、乳酸アンモニウム、乳酸カルシウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、乳酸マンガン、酒石酸カリウム-ナトリウム、L-二酒石酸カリウム、グルコン酸カリウム、エリソルビン酸ナトリウム、及びグルコン酸ナトリウム);無機酸(例、リン酸、ピロリン酸、塩酸、硫酸、炭酸);及び、無機酸の塩類(例、重硫酸ナトリウム及び重硫酸カリウム等のアルカリ金属重硫酸塩);並びに、上記の組み合わせ。
【0016】
1の実施態様においては、フィルムは酸味料として1以上の有機酸を含む。クエン酸は、最初の酸味のインパクトの送達のために好ましい。リンゴ酸は、酸味を増大させて、スムーズで長引く酸味を提供するために好ましい。少量の乳酸(例えば2重量%以下)は、追加の増進効果をフレイバーに届けるために好ましい。
【0017】
好ましいキャンディの実施態様において、フィルムはフィルムに酸味を与えるために、有効量の1以上の酸味料を含む。酸味は、用いる特定の酸味料、全体的なpH及び用いる酸味料の濃度に比例する。より親水性である有機酸(例えば、クエン酸及び酒石酸)は、急速に消える酸味のある感覚を有する。より親水性でない酸(例えば、酢酸、フマル酸、乳酸、及びリンゴ酸)は、より持続的な酸味を送達する。実施態様の1のタイプにおいて、酸味のあるフィルムは、少なくとも2の異なる酸味料を含む。例えば、1の実施態様は、好ましくは約7:1から約2:1の比率で、クエン酸及びリンゴ酸を含む。そして、それぞれ、スムーズな、長引く酸味に移行することとなる最初の酸味のあるインパクトを届ける。クエン酸のリンゴ酸に対する比率は、部分的には、用いる特定のフレイバーに依存しうる。
【0018】
アルカリ金属重硫酸塩(例えば重硫酸ナトリウム)は大部分の有機酸より酸性である、そして、低いpH及び/又はより強い酸味を達成するために、より少ない濃度しか要求されない。例えば、アルカリ金属重硫酸塩は、わずか約0.005重量%又は約0.01の重量%(例えば重硫酸ナトリウム)から、約1重量%又は最高約10重量%の量で用いることができる。
【0019】
フィルム中で単独で用いる時、又は、同等の強さの酸と共に用いる時には、有機酸の量は、好ましくは約12重量%より多く、かつ、約45重量%以下、例えば、約20重量%から約37重量%の範囲にある。1の実施態様において、フィルムは高濃度の弱酸、例えば、少なくとも約20重量%の弱酸及びその塩を含む。フィルム形成剤は、典型的にフィルムの主成分である、しかし、非常に酸味のあるフィルムにおいて、酸(複数でもよい)の量は、組成物中のフィルム形成剤の量に等しいか、又はそれを超えることができる。
【0020】
酸の成分(例えば有機酸)は、フィルムへの過度の可塑化作用を及ぼすことができる。可塑化効果は、酸のいくつかの吸湿能によって激化され、結果として、フィルム間(例えば、保管と使用のために階層化されるとき)に接着が生じ得る。
【0021】
高い酸含量を有しているフィルムによって生じうるもう一つの課題は、フィルムを製造するための溶液(及び、同様に、水をフィルムに加えることから生じる任意の溶液又は懸濁液)の比較的低いpH(例えばpH 6未満又は5未満)である。例えば、下記の例で記述されるフィルムがそこから調製される溶液は約2から4の範囲のpH値を有する。従って、本発明のもう一つの面は、水(例えば、完全な溶解のため又は、pH測定を提供するための最低量の十分な水)と混合する時、例えば約2から約4、又は約2から約3.5の範囲の低いpHを有する酸含有フィルムである。1の実施態様において、酸味のある、食用のフィルムは、約2.6から約4.6のpHを有する。
【0022】
非常に低いpH環境(例えば3未満のpH)では、アルギン酸の塩類(例えばアルギン酸ナトリウム)は、不溶性の遊離酸の形態に変換される。アルギン酸サッカライドのカルボン酸基間の強い相互作用は、結果として室温での配合物粘度の正味の増加となる。結果としてのアルギネート溶液は温度を増加すると共に可逆的粘度減少を示すが、室温での高い粘度は溶液の取り扱い及びその処理の問題につながりうる。そのうえ、高温が低pHと重なると、アルギネートの加水分解が起こり得る。
【0023】
アルギネート配合物のゲル化も、また、市販の等級の配合成分(例えばアラビアガム、架橋したカルボキシルメチルセルロースナトリウム、及びアルギン酸ナトリウムそれ自体)を介してフィルム組成物に偶然に取り込まれうる多価性のイオンにより起こり得る。例えば、二価イオンはアルギネート測鎖のカルボン酸基群に結合することができ、そして、結果として強い測鎖相互作用及び配合物粘度増加が起こる。
【0024】
ここに記述されるフィルムの種々の実施態様は、種々の方法で上述の問題に対処する。
【0025】
1の実施態様において、フィルムは多価結合性イオンを結合するための可逆的、又は、不可逆的金属イオン封鎖剤を含むことにより、アルギネートフィルム形成剤上でのカルボン酸基との多価結合性イオンの相互作用を防止する。金属イオン封鎖剤の非限定的な例は、以下を含む:酢酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、二酢酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、ヘキサメタリン酸カルシウム、リン酸二水素カルシウム、フィチン酸カルシウム、クエン酸、リン酸二カリウム、リン酸二ナトリウム(DSP)、クエン酸イソプロピル、クエン酸モノイソプロピル、クエン酸カリウム、(酸性)リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム(最適pH範囲4-10)、二酢酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP;最適pH範囲2-9)、メタリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、酒石酸四ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム(STPP;最適pH範囲3-8)、クエン酸ステアリル、及び酒石酸。
【0026】
金属イオン封鎖剤塩類はpHを修正することができるけれども、(例えば、クエン酸ナトリウムは、下記の例のいくつかで、フィルムのpHを3.0を超えるまで上昇させる。そして、結果としてそのことは、不溶性のアルギン酸の、溶解性ナトリウム塩への部分的な転換となる)アルギン酸塗膜形成剤と共に用いるとき、それらは、好ましくは、イオン結合能力のために用いられる。
【0027】
好ましい金属イオン封鎖剤は、リン酸及びクエン酸塩類であって以下のものを含む:クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムアルミニウム(SALP)、リン酸一ナトリウム(MSP)、DSP、リン酸三ナトリウム(TSP)、トリポリリン酸四ナトリウム(TSTPP)、STPP、SHMP及び不溶性のメタリン酸塩(IMP)。リン酸塩は、他の機能(例えば乳化作用及び安定化)をもたらすこともできる。これらの塩類の全ては、カルシウム等の多価結合性イオンを結合する本来の傾向を有する。EDTA(エチレンジアミン四酢酸)のナトリウム及びカルシウム塩は、一般的な金属イオン封鎖剤である。TSTPP、STPP及びSHMPの全てが比較的強く結合する。固有の酸性の味覚を有し、酸味料フィルムの酸味に貢献することができる金属イオン封鎖剤、例えばクエン酸ナトリウム、が好ましい。SHMPは、室温で結果としてアルギネート配合物粘度のかなりの減少につながりうる。SHMPは、また、低レベル(例えばl重量%)においてさえ、フレイバーインパクトの増幅をもたらす。
【0028】
1以上の金属イオン封鎖剤は、好ましくは約0重量%から約6重量%、より好ましくは約1重量%から約4重量%の範囲の量で用いる。
【0029】
もう一つの実施態様では、主要なフィルム形成剤はエステル化アルギネートである。上述の様に、プロピレングリコールアルギネート等の代替物アルギネートフィルム形成剤であって、低い濃度のカルボン酸基群を有し(例えば、78%から85%のエステル化度)、かつ、酸及び多価結合性イオンに対するより大きな許容限度を有するものを、高い酸含量を有するフィルム、例えば酸味のある酸味料フィルム、を調製するために用いることができる。エステル化アルギネートフィルム類は、とりわけ約2.5から約4のpH範囲で有効である。主要なフィルム形成剤であることに加えて、プロピレングリコールアルギネートは安定化剤、増粘剤及び乳化剤として作用することもできる。さらにまた、プロピレングリコールアルギネートの疎水性は、フィルムによる吸湿を遅らせることができる。
【0030】
ポリマー測鎖にカルボン酸基群のないセルロース誘導体(例えばMHPC、HPC)等の非イオン性フィルム形成剤の使用は、また、低いpH及び多価結合性イオン環境におけるイオン性フィルム形成剤(例えば、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ペクチン)に関連する課題を回避する。エステル化アルギネート及び非イオン性フィルム形成剤に基づくフィルムは、一般に、アルギン酸の塩類のみに基づく、又はほとんどアルギン酸の塩類のみに基づくフィルムと比較して低下した溶解速度を有するので、アルギン酸の塩類が好ましい。ペクチン系配合物は良好なフレイバー保持性を有する良好なフィルムを与えることができる、しかし、それらは室温で高い粘度を有し、加工の前に一般に加温を必要とする傾向がある。ここに記述されるMHPC/アルギネートブレンド及びMHPC系配合物は、室温でのゲル生成に抵抗力があり、加工のための顕著な利点を提供する。
【0031】
フィルムの層の間のフィルム接着の問題は、1以上の適切な滑沢剤を取り込むことによって対処することができる。適切な滑沢剤(接着防止剤とも呼ばれている)としては、モノステアリン酸グリセリン、ヒュームドシリカ、タルク、シリカヒドロゲル及びワックスが挙げられるが、これらに限定されない。カルナウバ蝋が好ましい。そのうえ、任意の特定の理論に限定されることを意図することなく、アルギネート類等の疎水性フィルム形成剤に基づくフィルム中へのカルナウバ蝋等のワックスの混合は、水分に対するフィルム透過性及び時間の経過に対するフィルム脱水を減少させると考えられている。
【0032】
1の実施態様において、上記フィルムは崩壊剤を含む。崩壊剤はフィルム又はその部分の溶解速度のコントロールを補助することができ、一般に、フィルムの効能がより早く認識されることとなる。フィルムに用いられる適切な崩壊剤は、アルギン酸、MCC、CMC、カルボキシメチルデンプン類、カルボキシメチルデンプンナトリウム、低置換HPC及びペクチンを含むが、これらに限定されない。
【0033】
スーパー崩壊剤として公知の崩壊剤が、フィルムでの使用のために適切である。スーパー崩壊剤は、クロスポビドン(crospovidone)、デンプングリコール酸ナトリウム及びクロスカルメロース(croscarmellose)を含む、これらは、それぞれ、架橋重合体、架橋デンプン及び架橋セルロース(変性カルボキシメチルセルロース)の例を、それぞれ示すものである。追加の特定の例は、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム(すなわちカルメロースナトリウム)、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム(すなわちクロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム)を含む。架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウムが好ましい。これらのスーパー崩壊剤は水及び他の大部分の溶媒に不溶性で、急速な膨潤性を有し、かつ、結果として迅速崩壊につながる、高い毛管作用を有する良好な水吸収量を有する。この成分は、フィルムをより大きな表面積を有している小さな断片に分解し、そのことが、結果として、フィルムの溶解速度の増加につながる。これらの成分は、低濃度においても用いることができる。崩壊剤(スーパー崩壊剤を含む)は、好ましくは約1重量%から約10重量%、より好ましくは、約1重量%から約5重量%の量で用いられる。
【0034】
酸のフィルムの食用の形態は、好ましくは1以上の香料を含む。様々な香料を、フィルムの中で用いることができる。このような香料の例は、人工の香料、フレイバー油、香り付け香料、植物から誘導される抽出液、葉、花、果物、それらの誘導体、及びそれらの組合せを含むが、これらに制限されない。使用のために適切であり得る人工のフレイバーは、バニラ、チョコレート、コーヒー、ココア、柑橘類の油(レモン、ライム、オレンジ、ブドウ、グレープフルーツ)、フルーツエッセンス(リンゴ、西洋ナシ、桃、イチゴ、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップル、アプリコット、スイカ)、それらの誘導体、及びそれらの組合せを含む。より一般に、米国科学アカデミーによる出版1274、Chemicals Used in Food Processingで記述されている(ページ63-258)任意の香味物質又は食品添加物が適切に使用してもよい。
【0035】
アルデヒド香味物質の非限定的な例は、以下を含む:アセトアルデヒド(リンゴ)、ベンズアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、デカナール(柑橘系果物)、アルデヒドC-8(柑橘系果物)、アルデヒドC-9(柑橘系果物)、アルデヒドC-12(柑橘系果物)、2-エチルブチルアルデヒド(液果類)、ヘキサナール、すなわち、トランス-2(液果類)、トリルアルデヒド(サクランボ、アーモンド)、ベラトラルデヒド(veratraldehyde)(バニラ)、2,6-ジメチル-5-ヘプタナール、すなわち、メロナール(melonal)(メロン)、2,6-ジメチルオクタナール(緑のフルーツ)及び2-ドデセナール(柑橘類、マンダリン)、サクランボ、ブドウ、シンナムアルデヒド(シナモン)、シトラール、すなわち、アルファシトラール(レモン、ライム)、ネラール、すなわち、ベータシトラール(レモン、ライム)、デカナール(オレンジ、レモン)、エチルバニリン(バニラ、クリーム)、ヘリオトロピン、すなわち、ピペロナール(バニラ、クリーム)、バニリン(バニラ、クリーム)、アルファ-アミルシンナムアルデヒド(スパイシーフルーティーフレイバー)、ブチルアルデヒド(バター、チーズ)、バレルアルデヒド(バター、チーズ)、シトロネラール(変性物、多くのタイプ)、それらの誘導体及びそれらの組合せ。
【0036】
用いる香味物質の量は設計選択の問題であって、フィルムのために選ばれたフレイバー成分の組合せにも依存しうる。ここでの開示からみれば、それぞれの香味物質について適切な範囲を決定することは、当業者の1の能力において、不当な実験の必要なしで可能な範囲内である。商業的に供給された香料は、時には非フレイバー成分(例えば乳酸及び甘味料)を含んでいる場合があり、そのことを考慮に入れなければならない。一般に、フィルムで用いる1以上の香料の量は0重量%から約40重量%、好ましくは約10重量%から約30重量%、より好ましくは約15重量%から約20重量%の範囲にある。
【0037】
着色剤は、より魅惑的な外観を有するフィルムを提供するために用いることができる。そのうえ、着色剤の比較的高い濃度を、使用者の舌の上に比較的持続的な染色を提供するために、食用のフィルムにおいて用いることができる。フィルムで有用な着色剤の例は、二酸化チタン及び天然食品着色料等の顔料、並びに、食物、薬剤、及び化粧品のために適切な染料を含む。後者の着色剤は、FD&C染料及びレーキとして知られている。全てのFD&C及びD&C染料並びにそれらの相当する化学構造の十分な説明は、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, Volume 5, pages 857-884に見い出すことができる。着色剤は、0重量%から約0.4重量%の範囲でフィルムの中で通例用いる。単にフィルムに色をつけて、使用者の舌に、潜在的に比較的短寿命な染色を提供するためには、1以上の着色剤を、好ましくは約0.1重量%まで、より好ましくは約0.02重量%から約0.06重量%の量で用いる。使用者の舌に持続的な染色を提供するための望ましい実施態様では、1以上の着色剤(好ましくは染料)は、好ましくは、最低約0.1重量%の量で、例えば約0.2重量%から約0.3重量%の範囲で用いる。
【0038】
フィルムは、好ましくは1以上の甘味料を含む。甘味料類は、フィルムからのフルーツフレイバー送達に実質的に貢献することができる。フィルムのための甘味料は、食用の組成物を甘くするとして、周知である技術を含む。このような甘味料の非限定的な例は、以下を含む:スクラロース(sucralose)、ソルビトール、アスパルテーム、アセスルファム(acesulfame)(例えばK-アセスルファム又はアセスルファムカリウム、デキストロース、マルトース、フルクトース、コーンシロップ、他の水溶性甘味料、他の水溶性人工甘味料、ジペプチド系甘味料、タンパク質系甘味料、それらの誘導体及びそれらの組合せ。付与される甘味料の量は所望の甘さを付与するのに用いる特定の甘味料及び/又はフレイバーにより異なる、そして、それは当業者によってルーチンの最適化を通して決定することができる。フィルムに用いられる好ましい甘味料は、甘過ぎるフィルムを製造することなく、酸味のあるフィルム中にフレイバー及び味覚を実現させることができるため、アスパルテーム及びK-アセスルファムを含む。甘味料は、好ましくは、0重量%から約1重量%、より好ましくは約0.2重量%から約0.5重量%の範囲の量で用いられる。
【0039】
フィルムの加工を最適化するために、フィルム組成物は、好ましくは1以上の乳化剤、乳化安定剤、界面活性剤及びそれらの組合せを含む。下記のように、このような目的のために典型的に用いられるいくつかの化学物質は、複数の機能を有しうる。
【0040】
乳化剤は、好ましくは油中水型乳化剤である。食用のフィルム用に適切な乳化剤の非限定的な例は、以下を含む:アラビアガム、カラヤガム、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えばポリソルベート80)、レシチン、モノ及びジグリセリド、プロピレングリコールモノエステル、ポリグリセロールエステル、スクロースエステル、スクシニル化エステル、それらの誘導体、並びにそれらの組合せ。好ましい乳化剤は、アラビアガムであり、そして、好ましくは、約0重量%から約10重量%、より好ましくは約3重量%から約5重量%の量で用いられる。
【0041】
適切な安定化剤の非限定的な例は、以下を含む:アラビアガム、微結晶性セルロース、カラギーナン、キサンタンガム、イナゴマメガム、それらの誘導体、並びにそれらの組合せ。好ましい安定化剤は、微結晶性セルロース及びアラビアガムである。微結晶性セルロースは無味無臭で、優れた懸濁安定性を配合物に与えて、急速なフィルム崩壊を助け、口あたりを改良し、更に、粘度調整剤及び調節剤の働きをする。
【0042】
乳化剤及び安定化剤は、フレイバー固定に関与することもできる。例えば、アラビアガムの使用は食用の酸味のあるフィルムの全体的なフレイバーを、実質的にを改良する。アラビアガムは、中性の味及び穏やかなフレイバーを有する。任意の特定の理論に制限されることを意図することなく、アラビアガムは、フレイバーカプセル化(例えば、水中油型乳剤によって)、揮発性のフレイバー成分の保持、フレイバーエマルションの安定化、及び酸化からのフレイバーの保護に貢献すると考えられている。その高い水溶性、酸の安定性及び低い吸湿能に加えて、アラビアガムは、テクスチュアライザー(texturizer)、低粘度水バインダー及びフィルム形成剤として機能することができる。
【0043】
1以上の乳化剤、安定化剤、界面活性剤は約0重量%から25重量%、より好ましくは約0重量%から約16重量%の範囲にある量で用いることができる。
【0044】
適切な界面活性剤の非限定的な例は、以下を含む:プルロン(pluronic)酸、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸のモノ及びジグリセリド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、及びソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、例えばポリソルベート80、それらの誘導体及びそれらの組合せ。界面活性剤は、約0重量%から約10重量%、より好ましくは、約1重量%から約5重量%の範囲の量で存在することができる。ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートを含む非イオン性界面活性剤が、好ましい。
【0045】
様々な程度において乳化剤、安定化剤及び界面活性剤の働きをすることができる化合物は、以下を含む:グリセロールの酢酸エステル、乳酸エステル、及び脂肪酸エステル、レシチン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、及び、硫酸ドデシルナトリウム等のイオン性界面活性剤、並びに塩化ベンザルコニウム。
【0046】
フィルムに取り込むことができる他の添加物の非限定的な例は、以下を含む:例えば、酸化防止剤、結合剤、バッファ、増量剤、冷却剤、芳香剤、湿潤薬、潤滑油、口中フィール向上剤、可塑剤、保存料、増粘剤、及びそれらの組合せであって、それらの既知の特性のために用いられるもの。
【0047】
可塑剤は、柔軟性を改善して、フィルムの脆性を低下させるために用いることができる。
可塑剤は、好ましくは、約0重量%から約30重量%、より好ましくは約0重量%から約15重量%の量で用いられる。適切な可塑剤の非限定的な例は、以下を含む:グリセリン、ソルビトール、トリアセチン、モノアセチン、ジアセチン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、水添デンプン加水分解物、コーンシロップ、それらの誘導体及びそれらの組合せ。好ましい可塑剤は、ソルビトール、グリセリン及びプロピレングリコールを含む。
【0048】
オーラルケア剤は、抗菌物質の働きをするだけでなく、口臭を減ずるのを助けるために用いることができる。適切なオーラルケア剤の非限定的な例は、以下を含む:例えばホスフェート及びフッ化物等の虫歯制御剤、塩化セチルピリジニウム及びトリクロサン等の歯垢防止及び歯肉炎防止剤、殺菌剤、及び金属塩等の硫黄沈殿剤。
【0049】
適切な息リフレッシュ剤の非限定的な例は、以下を含む:スペアミント油、ハッカ油、他のミント油、ウインターグリーン油、グルコネート亜鉛、柑橘類油、フルーツエキス、丁子油、アニス、メントール、ユーカリプトール、チモール、メチルサリチレート、それらの誘導体及びそれらの組合せ。
【0050】
増量剤は、フィルムの油性質感の潜在性を低下させるために使用することができる。
増量剤は、好ましくは、約0重量%から約25重量%、より好ましくは約3重量%から約15重量%の量で用いることができる。適切な増量剤の非限定的な例は、以下を含む:MCC、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、地表における石灰岩、クレー、タルク、二酸化チタン、木材等のセルロースポリマー、それらの誘導体、並びにそれらの組合せ。
【0051】
適切な潤滑油の非限定的な例は、以下を含む:ステアリン酸マグネシウム、コロイダルシリカ、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水添植物油、マグネシウムラウリルサルフェート、グリセリルモノステアレート、ワックス、ポリエチレングリコール、ロイシン及びレシチン。
【0052】
適切な口中フィール向上剤の非限定的な例は、以下を含む:微結晶性セルロース及びカラギーナン。
【0053】
適切な冷却剤は、モノメンチル(monomenthyl)スクシネート、WS3、WS23、Ultracool IIなどを含む。
【0054】
芳香剤は、必要に応じて製品の魅力(アッピール)を改良するために用いることができる。食用の製品のために適切な任意の芳香剤(例えばフルーツ及びミント油)は、フィルム中で用いることができる。
【0055】
増粘剤は、食用フィルムの構造を改良するために用いることができる。適切な増粘剤の非限定的な例は、以下を含む:メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、それらの誘導体及びそれらの組合せ。
【0056】
貯蔵寿命を改善するために、保存料がフィルムで用いてもよい。ソルビン酸カリウム及び安息香酸ナトリウム等の適切な保存料は、好ましくは、約0重量%から約5重量%、より好ましくは約0重量%から約2重量%の範囲で用いることができる。通例、湿潤状態のフィルムのpHが低いほど、保存料は必要とされない。
【0057】
食用の、酸味のある、風味をつけたフィルム(下記の例におけるもの等)は、最初の顕著な酸味から、酸味とフレイバーのブレンドを経て、最終的なフレイバーへのスムーズな移行を可能とするように手直しすることができる。フィルムは、2、3秒でその全効果を使用者に届けるために、口の中での速い溶解を可能とする。たとえフィルムは速く溶解するといえども、酸味及びフレイバーは急速に消散しない。
【0058】
酸味のあるフィルムの実施態様は、水溶性フィルム形成剤、酸味料系、香料及び甘味料を含む。このようなフィルムは、好ましくはワックス及び1以上の乳化剤、乳化安定剤、界面活性剤、及びこれらの組合せ、並びに、任意に、崩壊剤を含む。このような成分は、上述の量で用いることができる。
【0059】
食用の、酸味のある、キャンディフィルムの実施態様は、水溶性フィルム形成剤、酸味を提供する少なくとも2の有効量の酸味料、フルーツフレイバー及び甘味料を含む。
このような成分は、上述の量で用いることができる。
【0060】
食用の、酸味のある、風味をつけた特定のフィルムは、アルギン酸ナトリウム、ツウィーン80、MCC、アラビアガム、1以上の金属イオン封鎖剤(好ましくはクエン酸ナトリウム及び/又はSHMP)、カルナウバ蝋、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、架橋CMCナトリウム、甘味料、香料:及び着色剤を含む。このような成分は、上述の量で用いることができる。
【0061】
フィルムは、当業者に公知か、又は、フィルムを製造するために後に開発される典型的フィルム製造手法によって、通例製造することができる、例えば、適切な溶媒と共にここに記述される成分を混合し、フィルムを成型し、その後、溶媒を蒸発させることである。使用される際、加工条件における温度及びpH効果の組み合わせを原因とする、アルギネートの不注意による劣化を防ぐために、好ましくは、酸は低温で配合物に混合される。温度は、好ましくは40℃未満である。起こりうるポリマー劣化を回避するために、低いpHを有する配合物が、溶液の中で酸を得るのに必要な最小限の混合時間により、好ましくは低温で処理され、急速に混合されてもよい。
【0062】
追加の酸味のある増進効果は乾燥したか、又は半乾燥のフィルムの層の上から1以上の酸を含む組成物(例えば粉又は液体の霧)を(例えばスプレーにより)被覆し、第一のフィルム層の最上部の上にフィルムの第二の層を適用することにより付与されうる。第二の層は、第一のフィルム及び酸の層の最上部の上に成型することができ、又は、適用前に予め成型され、乾燥されるか、又は、適用前に半硬化される。
[実施例]
【0063】
以下の例は説明のために提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない。
[例1]
【0064】
下記の表1及び2における配合物AからLに係るフィルムを、特定された成分を表示の比率において水溶媒と混合し、フィルムを成形し、その後、水を乾燥(除去)することによって製造した。
【表1】

【表2】

【0065】
フィルムは、最初の酸味から、酸味及びフルーツフレイバーのブレンドを経て、最終的な支配的なフルーツフレイバーに至るスムーズな移行を可能にする。フィルムは、2、3秒で全ての効果を使用者にもたらすために、口中における急速な溶解を可能にする。フィルムは急速に溶解するけれども、酸味及びフレイバーは急速に消散しない。
【0066】
前述の説明は理解の明りょう性のためにのみ与えられ、かつ、本発明の範囲内の修正は当業者にとって明らかなものでありうるとして、不必要な限定がそこから理解されてはならない。本願明細書を通して、組成物は成分又は物質類を含むと記述されるところ、別途記述されない限り、組成物は、また、列挙された成分又は物質類から本質的になる、又はからなることができるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性フィルム形成剤と、並びに、有機酸、有機酸の塩類、無機酸、無機酸の塩類、及び、それらの組合せからなる群から選択される酸味料を含む酸味料系とを含む水溶性フィルムであって、前記有機酸類が12重量%以下の量で存在する場合は、前記酸味料系が、さらに、1以上の有機酸の塩、無機酸、及び無機酸の塩を含むことを条件とする水溶性フィルム。
【請求項2】
前記酸味料系が0.01重量%より大きい量で存在する請求項1に記載のフィルム。
【請求項3】
前記酸味料系が約1重量%から約45重量%の量で存在する請求項2に記載のフィルム。
【請求項4】
前記酸味料系が約1重量%から約45重量%の量で存在する有機酸の塩を含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項5】
前記酸味料系がアルカリ金属重硫酸塩類、及び、これらの混合物から選択される無機酸の塩、無機酸の一以上を含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項6】
前記酸味料系が約0.005重量%から約10重量%の量で存在する請求項5に記載のフィルム。
【請求項7】
前記酸味料が、酢酸、乳酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、クエン酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、エリソルビン酸、グルコン酸、グルコノ-デルタラクトン、リン酸、ピロリン酸、塩酸、硫酸、前記の酸の塩類、アルカリ金属重硫酸塩、及び、前記の組み合わせからなる群より選択される1以上の酸及び塩類を含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項8】
前記酸味料は、クエン酸及びリンゴ酸を、それぞれ、約7:1から約2:1の比率で含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項9】
6未満のpHを有する請求項1に記載のフィルム。
【請求項10】
2から4.6未満のpHを有する請求項9に記載のフィルム。
【請求項11】
前記フィルム形成剤が、アルギネート類、セルロース誘導体類、ペクチン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項12】
前記フィルム形成剤がアルギン酸の塩を含み、かつ、前記フィルムがさらに金属イオン封鎖剤を含む請求項11に記載のフィルム。
【請求項13】
前記金属イオン封鎖剤がリン酸の塩、又は、クエン酸の塩を含む請求項12に記載のフィルム。
【請求項14】
前記フィルム形成剤がアルギン酸のエステルを含む請求項11に記載のフィルム。
【請求項15】
前記アルギン酸のエステルがプロピレングリコールアルギネートである請求項14に記載のフィルム。
【請求項16】
前記フィルム形成剤が非イオン性フィルム形成剤を含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項17】
前記非イオン性フィルム形成剤が、MHPC及びHPCの1又は両者を含む請求項16に記載のフィルム。
【請求項18】
アラビアガムをさらに含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項19】
ワックスをさらに含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項20】
香料をさらに含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項21】
甘味料をさらに含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項22】
崩壊剤をさらに含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項23】
非イオン性界面活性剤をさらに含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項24】
顔料及び染料の1又は両者をさらに含む請求項1に記載のフィルム。
【請求項25】
前記染料が、永続的な染色をもたらすために、少なくとも0.1重量%の量で存在する請求項24に記載のフィルム。
【請求項26】
水溶性フィルム形成剤、酸味を提供する少なくとも2の有効量の酸味料、フルーツフレイバー及び甘味料を含む食用のフィルムを含む経口投与のための組成物。
【請求項27】
2層の水溶性フィルム、及び、それらの間に配置された酸味料の層を含む水溶性多層構造を含む、経口投与のための組成物。

【公表番号】特表2007−507241(P2007−507241A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534352(P2006−534352)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/033148
【国際公開番号】WO2005/035776
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(504322976)モノソル・アールエックス・エルエルシー (12)
【Fターム(参考)】