説明

酸素化物供給原料の接触水素化脱酸素

酸素化物供給原料を水素化脱酸素の条件下において硫化された触媒組成物と接触させることを含んで成る酸素化物供給原料の水素化脱酸素を行う方法であって、該触媒組成物は
(i)実質的にアルミナを含んで成る多孔性の担体であって、0〜1重量%の燐および0〜1重量%の珪素(両方とも酸化物として計算)を含んで成り、平均細孔直径が5〜40nmの範囲にある担体;および
(ii)該アルミナ担体に担持され、少なくとも1種のVIB族の金属および少なくとも1種のVIII族の金属を含んで成る1〜20重量%の活性金属成分(組成物の重量に関し酸化物として計算)を含んでいることを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は触媒組成物、および酸素化物(oxygenate)供給原料の水素工程(hydroprocessing)におけるその使用に関する。特に本発明は酸性度が低く広い細孔をもった多孔性の担体上に分散した活性金属成分を含んで成る触媒組成物、および生物由来の酸素化物供給原料の水素化脱酸素における該触媒組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
産業工程から放出される正味の炭素の量を制限することが環境上および財政的な見地から見て重要であるとして、石油から誘導される生成物を合成製品で部分的にまたは完全に置き換えることが広く研究されている。生物的な原料から得られる燃料および他の誘導体は、収穫された穀物および穀物の廃棄物を含めて、今やこのような合成製品の重要な一部となっている。従ってこのような生物的な原料から有用な製品を抽出する効率的な方法を開発することが重要になってきた。
【0003】
従来法の多くの文献には、石油をベースにした炭化水素供給原料を、周期律表のVIB族およびVIII族の金属を含んで成る触媒活性をもった金属成分と接触させることにより、これらの供給原料の水素化脱窒素(HDN)、水素化脱硫(HDS)、水素化脱酸素(HDO)、および水素化脱金属を行うことができることが記載されている。このような活性金属を多孔性材料、例えばシリカ、シリカ−アルミナ、トリア(thoria)、チタニア、およびシリカ−チタニアから構成された基質または支持物の上に(通常は含浸させて)沈着(deposit)させる。種々の水素工程および種々の品質の石油供給原料に対し、支持物の細孔構造、および存在する金属の形並びに量を最適化する。
【0004】
液化されたバイオマス(生物由来の原料)が酸素含有分子を豊富に含んでいる場合、それから有用な燃料および化学製品を誘導するためには、効率的な接触水素化脱酸素(HDO)が望ましいことは明らかである。しかし生物由来の炭化水素供給原料の水素工程に対しVIB族およびVIII族の活性金属触媒の使用および最適化については、極めて僅かしか注意が払われていない。
【0005】
特許文献1のような文献には、活性金属成分、特にモリブデンおよびタングステンの活性は、特に水素化脱酸素反応においては、それらが硫化された状態にある場合にだけ十分に得られることが記載されている。しかし液化されたバイオマスは通常硫黄を含んでいないから、硫化された化合物が分解して酸化物の形になるので、硫化された活性金属化合物を含んで成る触媒は通常比較的不安定である傾向をもっている。従って当業界においては生物由来の酸素化された供給原料の水素化脱酸素に効果的に使用できるように改善された、安定性のある硫化された触媒を提供することが必要とされている。
【0006】
任意の酸素化物供給原料の水素化脱酸素過程中、多孔性の触媒の内部に炭素性の沈着物が蓄積する可能性がある。これは、供給原料の成分を拡散させなければならない有効細孔容積を減少させ、また支持された活性金属の露出した有効表面積を減少させる。これらの効果は一緒になって次第に触媒の効率を減少させる。その結果、触媒を水素化脱酸素の区域から取り出し、これを連続的に再生区域、典型的には移動床の中に導入することにより触媒を再生させることが通常の方法になっている。この場合、典型的には触媒を焼く(バーンオフ)ことによって炭素性材料を除去するが、それに伴ってエネルギー・コストが高くなる。
【0007】
この燃焼によって得られる触媒は、水素化脱酸素区域に戻した場合、触媒の機能をもっ
てはいるが、「新しい」触媒と同じ効率を達成することはできない。再生を行った結果、触媒の細孔の中または触媒粒子の間の隙間に酸素分子が捕捉され、水素化脱酸素中これらの酸素分子は多孔性材料の活性および選択性を減少させる可能性がある。特許文献2のような文献にはこの捕捉された酸素を除去する方法が記載されているが、余分な工程段階を含ませると複雑さがさらに増加し、水素化脱酸素工程の全体としてのエネルギー要求量が増大する。
【0008】
従って生物由来の酸素化物供給原料の水素化脱酸素においては、細孔構造の内部にコークスおよび他の炭素性の沈着物が僅かしか生成しないことを特徴とする触媒を使用することが有利である。
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,313,852号明細書。
【特許文献2】米国特許出願第2002/215840号明細書(Beech等)。
【発明の開示】
【0010】
本発明によれば、当業界における上記および他の要求は、酸素化物供給原料を水素化脱酸素の条件下において硫化された触媒組成物と接触させることを含んで成る酸素化物供給原料の水素化脱酸素を行う方法であって、該触媒組成物は(i)実質的にアルミナを含んで成る多孔性の担体であって、0〜1重量%の燐および0〜1重量%の珪素(両方とも酸化物として計算)を含んで成り、平均細孔直径が5〜40nmの範囲にある担体;および(ii)該アルミナ担体に担持された少なくとも1種のVIB族の金属および少なくとも1種のVIII族の金属を含んで成る1〜20重量%の活性金属成分(組成物の重量に基づいて酸化物として計算)を含んでいることを特徴とする方法を提供することによって達成される。該担体の平均細孔直径は10〜20nmの範囲にあることが好ましい。
【0011】
本明細書において使用される「酸素化物(oxygenate)」という言葉は、少なくとも1個の酸素原子を含む炭化水素性化合物を意味する。本発明方法は任意の適当な酸素化物の供給原料に使用することができ、特に生物由来の供給原料を目的としていると考えられたい。しかし酸素化物の供給原料は、水素化脱酸素触媒と接触させる前に一つまたはそれ以上の水素工程段階にかけられたトリグリセリドおよび/またはトリグリセリドの酸素化反応混合物を含んで成ることにより特徴付けられることが好適である。このようなトリグリセリドは魚類、獣類の油または植物油から適当に誘導することができる。該トリグリセリドに対し前以て一つまたはそれ以上の水素工程を行う場合には、これらの工程はエステル交換反応を含んで成ることが好ましく、このような具体化例においては酸素化物供給原料はトリグリセリドから誘導されたエステルを少なくとも10重量%、さらに好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも75重量%含んで成っていることが好ましい。
【0012】
典型的な水素化脱酸素条件は、温度が250〜450℃の範囲、水素の分圧が10〜220バールの範囲、液体の時間基準液空間速度(LHSV)が0.1〜10hr−1の範囲にある。本発明方法の水素化脱酸素の転化率を(有機的に)結合した酸素対HOの比として定義すれば、これらの条件においては少なくとも85%、典型的には少なくとも90%の転化率を得ることができる。
【0013】
触媒の金属成分を、その金属酸化物の形に転化させるのではなく、硫化物の形に保持するためには、硫化水素(HS)またはその前駆体の存在下において、該硫化水素が10〜10000ppm、好ましくは10〜1000ppmの量で水素ガス中に存在するようにして該酸素化物供給原料を触媒組成物と接触させることが好ましい。
【0014】
本発明の触媒組成物は活性金属化合物の装荷量が低いことを特徴としており、触媒組成
物の好適な金属含量は5〜20重量%の範囲である。水素化脱酸素の機能を行うためには、このような低い装荷量でも触媒活性が犠牲になることはない。本発明に使用される触媒組成物は、硫黄含量が2mg/Kgより少なく且つ窒素含量が10mg/Kgより少ないことを特徴とする菜種油の供給原料を用い、温度約300℃、水素分圧50バール、H/油の比1000nL/L、時間基準液空間速度約5hr−1、供給サイクル比約5の水素化脱酸素条件下を使用した場合、酸素化物供給原料と比較して反応生成物の中に残る酸素の割合(fraction)を1から差引いた値として定義される水素化脱酸素活性が、単位g数の該活性金属成分に関し毎時酸素12g(gO/gM/hr)より大きい値をもつことができる。
【0015】
また活性金属の重量%が低いこと(触媒の全重量に関し)により、これらの金属成分が「凝集する(clumping)」こと即ち不均一に分布することが制限され、従って2種またはそれ以上の金属成分の効率的な共同作用が容易になる。
【0016】
触媒組成物に使用するにはVIB族およびVIII族の金属の任意の組み合わせを考えることができる。しかし本発明の好適な具体化例においては、触媒組成物のVIB族の金属はモリブデン(Mo)を含んで成り、および/または触媒組成物のVIII族の金属はニッケル(Ni)を含んで成っている。特に、触媒組成物の活性金属成分は10〜18重量%のモリブデンおよび2〜5重量%のニッケルを含んで成っている。これらの範囲内において、或いはこれとは独立に触媒組成物の該活性金属成分はMo/Niの重量比が4:1〜2:1の範囲にあることによって特徴付けられることがさらに好適である。
【0017】
この触媒の或る用途に対しては、多孔性のアルミナ担体の酸性度は低いレベルに保たれなければならない。本発明の好適具体化例に従えば、この低い酸性度は燐が0.5重量%より、さらに好ましくは0.1重量%より少なく、および/または珪素が0.5重量%より、さらに好ましくは0.1重量%より少ない(両方とも組成物の重量%に関し酸化物として計算)多孔性のアルミナ担体を使用することにより達成される。
【0018】
定義
本明細書において使用される「金属」という言葉は、(a)実質的にアルミナから成る巨視的構造体の内部表面または該巨視的構造体の外部表面或いはその両方に存在し、(b)該巨視的構造体の触媒特性に影響を与えるか、外部巨視的構造体の粒子の吸着特性に影響を与えるか、或いはその両方に影響する金属を意味するものとする。この「金属」という言葉には多孔性の無機材料を構成している金属は含まれない。例えば結晶性の微小多孔性のモレキュラー・シーブの場合、「金属」という言葉には結晶性のモレキュラー・シーブの骨格の中の金属は含まれない。
【0019】
金属の量は原子吸光分光法、誘導励起プラズマ−原子発光分光法、または個々の金属に対しASTMにより規定された他の方法によって測定することができる。
【0020】
本明細書において使用される「全容積」という表現は、巨視的構造体の内部ですべての細孔が非多孔性の材料で充填されているとした場合、巨視的構造体によって排除されるべき容積を意味する。
【0021】
本明細書の文脈において、「平均の細孔直径」は、触媒の細孔容積の半分がこの値よりも小さい直径をもった細孔の中に存在し、細孔容積の他の半分がこの値よりも大きな直径をもった細孔の中に存在するような細孔の直径として定義される。この値が得られる細孔の大きさの分布は140°の接触角において水銀侵入法により決定される。
【0022】
実質的に巨視的な構造体の密度、微小多孔性、および粒子の大きさの分布を決定する方
法は当業界の専門家には公知である。このような方法の例はG.Ertl,H.Knozinger,およびJ.WeitkampによるHandbook of Heterogeneous Catalyst(1997年)に記載されている。
【0023】
本発明の詳細な説明
触媒組成物
水素化脱酸素用の触媒に使用されるアルミナ担体は、該アルミナの比表面積、細孔の容積および細孔の大きさの分布を適切に制御し得る公知方法を用いて製造することができる。適当な方法は下記文献に記載されている:特許出願公開番号71456/1971号および同26512/1986号(この場合アルミナはアルミニウム塩を加水分解してつくられた疑ベーマイトから得られる);特許出願公開番号166220/1985号、同24824/1993号、同24824/1993号、同10535/1995号、および米国特許第2,915,475号、この場合アルミナ源は様々であり、水性アルミナ・ゾル、アルミニウム塩の加水分解により得られるゲル、金属アルミニウムまたはアルミニウムアルコキシドである。さらに米国特許願第2003/044348号には、水および酸含有水酸化アルミニウムの存在下において混合して特定のアルミナ組成物をつくる方法が記載されており、ここで酸含有アルミナは一塩基酸またはその塩、バイエライトおよびγ−アルミナの存在下において活性アルミナを処理することにより得られる。次いでこの混合物に対し水熱合成、中和、水熱処理、乾燥、カ焼などによりゾル生成反応を行わせる。米国特許願第2005079126号(Le Loarer等)には、アルミニウムのオキシ水酸化物または水酸化物を脱水し、このようにして得られるアルミナを凝集させ、次いでこれらの凝集物を水熱処理するかカ焼することにより凝集したアルミナ担体材料を製造する方法が記載されている。これらの文献はすべて引用により本明細書に包含される。
【0024】
アルミナ担体は細孔の大きさの分布が単峰的(modal)または双峰的(bimodal)のいずれかであると考えられるが、この用途では前者の方が好適である。米国特許第6,919,294号には特に、水素化活性をもった金属および上記のような双峰的な細孔の特性をもったアルミナから主として成る無機酸化物担体を含む水素精製(hydrorefining)用の触媒を製造する方法が記載されている。従ってこの文献の記述は引用により本明細書に包含されるものとする。
【0025】
アルミナ担体を得るのに使用される実際の方法の如何には拘わらず、担体は低い酸性度をもつこと、特にアルミナ担体の燐および珪素含量が互いに独立に0〜1重量%(触媒組成物の重量に関し酸化物として計算)の範囲にあることが本発明に対しては重要である。好ましくは触媒組成物のアルミナ担体は珪素および燐の片方または両方を0.5重量%より、さらに好ましくは0.1重量%より少ない量で含んで成っている。最も好ましくは、該触媒のアルミナ担体は実質的に珪素または燐を含んでいない。
【0026】
このような担体の製造誘導(derivation)は上記に参照した方法に使用されるアルミニウム源の精製により達成することができる。別法として、必要に応じ促進剤および/またはドーピング剤を加えることによりアルミナ担体の低い酸性度を制御することができる。促進剤および/またはドーピング剤の例にはハロゲン、特にフッ素、硼素、イットリア、希土類酸化物、およびマグネシアが含まれる。ハロゲンのような促進剤は一般に金属酸化物の支持物(担体)の酸性度を増加させるが、穏やかな塩基性のドーピング剤、例えばイットリアまたはマグネシアはこのような支持物の酸性度を減少させる傾向がある。
【0027】
水素化脱酸素を行うべき供給原料の成分は、触媒中の細孔を通って拡散しなければならない。勿論、無機性の担体の細孔の直径および細孔の容積はこの触媒の到達可能性(accessibility)が得られるように選ばなければならないが、これらのパラメー
タはまた、触媒の密度および破断強度、従って塊にして反応器に装入された場合の触媒の寿命;或る与えられた期間に亙り触媒上に汚染物質の沈着物が沈澱する程度;および触媒活性を決める表面積対細孔容積の比を決定する。
【0028】
本発明の触媒組成物に含まれる担体は平均の細孔直径が5〜40nm、好ましくは8〜30nm、さらに好ましくは10〜20nmである。担体は、直径が100nmよりも大きな細孔がその細孔容積の1〜30%、好ましくは1〜20%、さらに好ましくは1〜10%でなければならないことが好適である。
【0029】
触媒組成物のVIB族の金属は好ましくはモリブデン、タングステン、またはこれらの混合物から選ばれ、モリブデンが特に好適である。VIB族の金属は10〜18重量%(三酸化物として計算)の量で存在することが好適である。
【0030】
触媒組成物のVIII族の金属は、好ましくはニッケル、コバルト、またはこれらの混合物から選ばれ、ニッケルが特に好適である。VIII族の金属は0.1〜10重量%(酸化物として計算)の量で、さらに好ましくは0.1〜7重量%、最も好ましくは2.0〜5.0重量%の量で存在することが好適である。
【0031】
本発明の好適な具体化例に従えば、触媒組成物の活性金属成分は10〜18重量%(三酸化物として計算)のモリブデン、および2.0〜5.0重量%(酸化物として計算)のニッケルを含んで成っている。VIB族およびVIII族の他の金属或いはそれ以外の金属が存在する場合でも、触媒組成物はMo/Niの重量比が4:1〜2:1の範囲にあることによって特徴付けられることが好ましい。
【0032】
本発明による触媒の製造に使用するのに適した方法は、アルミナ担体上に金属成分を混入させる任意の方法、例えば担体材料の上に触媒活性をもった材料を極めて細かい形で分布させ、これによって活性金属の単位重量当たりの表面積を最大にするような任意の方法である。
【0033】
粒子状の担体材料の表面上に触媒活性をもった材料を分布させる通常の方法は、所望の金属を含む触媒活性をもった材料の前駆体の溶液を用いて担体材料を含浸し、次いでこの含浸した材料をカ焼し、これによって沈澱した金属含有材料を対応する金属酸化物に変えることを含んで成っている。金属成分の前駆体を含む溶液を用い、支持物の粒子を一つまたはそれ以上の段階で含浸することができる。VIB族の金属に対しては、七モリブデン酸アンモニウム、二モリブデン酸アンモニウム、およびタングステン酸アンモニウムが適当な前駆体であることができる。VIII族の金属に対しては、硝酸ニッケルおよび硝酸コバルトを挙げることができる。含浸溶液はその安定性を増加させるために燐化合物、例えば燐酸を含んでいることができる。当業界において使用することが知られている他の化合物も存在することができる。
【0034】
25〜200℃の範囲の温度において随時乾燥工程を行った後、得られた材料を最高2時間の間350〜750℃の範囲の温度においてカ焼し、少なくとも一部の、好ましくは全部の金属成分前駆体を酸化物の形に変える。
【0035】
当業界の専門家にはこの方法に対する広範な変形法が知られている。例えば、多段階の含浸工程を適用し、使用する含浸溶液が沈澱させるべき1種またはそれ以上の前駆体またはその一部を含むようにすることができる。別法として、含浸法の代わりに浸漬法および噴霧法を使用することができる。多段階の含浸法、浸漬法、乾燥法を使用する場合、それぞれ個別の段階の後でカ焼を行うことができる。
【0036】
触媒活性をもつ金属としてニッケルおよびコバルトを実質的にアルミナの担体上に細かく均一に分布させるさらに他の公知方法は、金属アンミン炭酸塩錯体の溶液の中に担体材料を懸濁させる方法である。得られた懸濁液を次に(撹拌しつつ)加熱し、金属アンミン炭酸塩錯体を分解して不溶性の金属炭酸塩または塩基性炭酸塩にし、これを懸濁した担体材料の上に沈澱させる。さらに加熱し、必要に応じて還元し、該炭酸塩をそれぞれ金属酸化物または元素状の金属に変える。
【0037】
次の理由のためにこの方法は本発明には好適ではない。この方法では、アンミン炭酸塩を可溶な形で得るためには高濃度のアンモニアを用いる必要があり、それに伴ってpHが高くなるのでアルミナの担体が溶解するであろう。アンモニアの除去には金属アンミン炭酸塩を分解する必要があるが、そうすると溶液のpHが低下する。その際担体材料の溶解した部分が沈澱し、活性材料の沈澱した粒子をおおい、これによって活性材料が不活性化される。従って活性金属を低濃度で使用する場合、この影響の効果が大きくなる。
【0038】
しかしもっと適切な「懸濁」法は英国特許GB1220105号(Stamicarbon)に記載されている。
【0039】
得られる触媒粒子は多くの異なった形をもっていることができる。適切な形には円筒形、球形、環、および対称的なおよび非対称的な多葉体(polylobe、葉状突起を多数もつ形状)、例えば三つ葉体または四つ葉体が含まれる。勿論これらの形は長さ、幅、および/または直径のパラメータを用いて定義できるが、或る与えられた粒子の形の対してはこれらのパラメータの各々が1〜50mmの範囲にあることが好ましいことを認識すべきである。
【0040】
触媒を供給原料の水素化脱酸素に使用する前に、触媒の活性金属成分をその硫化物の形に(部分的にまたは全部)変える工程は、酸化物の形から硫化物の形に転化する各段階において平衡状態をとり得る任意の通常の方法で行うことができる。この平衡状態をとり得ない方法では、金属硫化物の分散が失われ、その結果として触媒活性の損失を招く。
【0041】
例えば、その場で(反応器の中で)水素および硫化水素の混合物を用い、随時これをさらに窒素または煙道ガス(flue gas)で希釈し、温度200〜500℃において1〜10時間の間触媒を予備硫化することができる。別法として、n−ヘキサン中にCSを含む溶液を用い、1〜10MPaの水素圧下において温度200〜300℃で触媒を予備硫化することができる。
【0042】
本発明の好適な態様に従えば、ジメチルスルフィド(DMDS)を加えた(spiked)SRGO(S=3.7重量%)を用い触媒を予備硫化する。ソーキングは50バールのH圧で行い、時間基準液空間速度(LHSV)を3.0hr−1にして3時間保持する。
【0043】
添付図面1には、触媒に対してソーキングおよび予備硫化を行う条件の好適具体化例が示されている。
【0044】
酸素化物供給原料
生物由来のトリグリセリドは魚油、獣油および植物油から適切に得ることができる。トリグリセリド(これは単独または組み合わせて使用することができる)の特に有用な原料には、ココナツ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、菜種油、トウモロコシ油、カラシ油、ヒマワリ油、イエロー・グリース(yellow grease)、トラップ・グリース(trap grease)、ラード、食用獣脂、非食用獣脂およびこれらの混合物が含まれる。これらの中で最も好適な原料は菜種油である。
【0045】
トリグリセリドの生物由来の原料ではその不純物(例えば遊離脂肪酸(FFA)、痕跡量の金属、フォスファチド、カロテノイド、アフロトキシン(aflotoxins)、殺生物剤、およびポリクロロ化された炭化水素)の含有濃度が変動するから、エステル交換を行う前にこれらの原料を予備精製して不純物を除去することがさらに必要であろう。勿論実際に行われる予備処理工程は使用する油の種類に依存しているが、一般に脱ゴム、脱臭(真空蒸溜)、水蒸気ストリッピング、苛性ソーダによるストリッピング、溶媒抽出、および漂白から成る群から選ばれる少なくとも一つの工程を含んで成っているであろう。
【0046】
本発明方法はまた水素化脱酸素工程に先立ってトリグリセリドの原料をエステル交換するさらに他の工程を含んで成っていることができる。即ちエステル交換工程の酸素化生成物を触媒に接触させる。エステル交換の条件、特に温度、およびメタノールの量およびトリグリセリドと共に存在する塩基(例えばNaOH)は、公知の方法に従って酸素化生成物が少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、最も好ましくは少なくとも75重量%のエステルを含むように変化させることができる。[K. S.Tyson著、「Biodiesel Technology & Feedstocks」、26版、National Renewable Energy Laboratory(NREL)、March 2003年3月発行を参照のこと、この文献は引用により本明細書に包含される。]さらに該エステル交換の条件は、酸素化生成物が実質的に一般式R−O−Meのメチルエステルを含んで成るように調節される。ここでRはC10〜C50、さらに好ましくはC15〜C40の範囲の炭素数をもつ炭化水素部分である。
【0047】
本発明においては、酸素化物供給原料は液相、蒸気相および/または蒸気相/液相の混合物であることができる。
【0048】
供給原料全体の中におけるその有効濃度を低下させるために、1種またはそれ以上の不活性希釈剤を随時酸素化物供給原料に加えることができる。希釈剤は一般に供給原料または多孔性の担体と反応しないものでなければならないので、適当な希釈剤にはヘリウム、アルゴン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、および水が含まれ、不活性希釈剤が最も好適である。希釈剤は、もし存在する場合には、1〜99モル%、好ましくは約1〜80モル%、さらに好ましくは約5〜約50モル%、最も好ましくは約5〜約25モル%(反応区域または触媒ベッドに供給される供給原料および希釈剤の全モル数に関し)をなしていることができる。
【0049】
水素化脱酸素の条件
酸素化物を含む供給原料は、もし使用するならば希釈剤と、別々に或いは組み合わせて導入され、該供給原料に対し水素化脱酸素処理を行うのに効果的な工程条件において触媒組成物と接触させる。このような接触が起こる容積(volume)をここでは「反応器」と呼ぶが、これは「反応装置」または「反応系」または「反応器系」の一部である。「反応器の入口」は酸素化物含有供給原料の全部または一部が触媒組成物と出会う反応器の中において最高の全圧を示す点を指すものとする。
【0050】
別々に反応器の中に導入する場合には、酸素化物が著しい変化を起こす前に酸素化物および希釈剤が一緒にされることが重要である。この方法で酸素化物および希釈剤は転化反応を行う際の適切な分圧を得るであろう。
【0051】
本発明の特定の水素化脱酸素条件は、下記の一つまたはそれ以上の要素を調節することにより制御される:反応温度および圧力;供給原料の組成;使用する希釈剤の有効量;供給原料の流速、即ち時間基準液空間速度(LHSV);特定の反応器の形状;および触媒の再生および/または再循環のレベルおよび程度。
【0052】
典型的には水素化脱酸素の条件は、温度が250〜400℃、水素の分圧が10〜220バール、時間基準液空間速度(LHSV)が0.1〜10hr−1である。最も好ましくは水素化脱酸素の条件は、温度が280〜380℃、水素の分圧が20〜100バールの範囲、時間基準液空間速度(LHSV)が0.2〜2hr−1の範囲である。
【0053】
水素化脱酸素反応の発熱量を制御するためには、反応区域から取り出される反応生成物の若干量を循環させなければならない(全供給速度が新しく供給される速度よりも大きくなるようにして)。本発明においては
(循環される生成物の速度+供給速度)/(新しく供給される速度)
として定義される循環比が1〜10の範囲に入ることが好ましい。
【0054】
本発明の好適具体化例に従えば、硫化水素(HS)またはその前駆体、特にCSが該水素の中に10〜2000ppm、さらに好ましくは10〜1000ppmの量で存在するようにして酸素化物供給原料を触媒と接触させる。
【0055】
理論に拘束されるものではないが、水素の存在下における水素化脱酸素は主として水素化分解により進行する(ここで酸素は水として供給原料から除去される)。硫化水素またはその前駆体を一定のレベルで付加すると、水素化分解が抑制され、他の脱酸素反応が増強される(ここで酸素は二酸化炭素、一酸化炭素、および/または二酸化硫黄として除去される)。これによってHDO過程において全体的な水素の消費を減少させることができる。適用できる場合、若干のHSを作用させ水素化脱酸素用の触媒をその活性をもった硫化された状態に保つ。
【0056】
酸素化物の転化は多様な触媒反応器の中で行うことができ、この中には流動床反応器、米国特許第4,068,136号、およびD.KuniiおよびO.Levenspiel著、Fluidization Engineering,Robert E.Krieger Publishing Co.NY,1977年発行に記載された向流自由落下式反応器および順流ライザー(concurrent riser)反応器が含まれる。これらの文献は引用により本明細書に包含される。固定床系または移動床系を含む任意の標準的な工業用規模の反応器系を使用することができるが、この工程は動的床系、もっと好ましくは高い空間速度で操作できる動的床系の中で行うことが好適である。
【0057】
密度の高い流動床反応器を用い、ガスの表面速度を約1m/s以下にした際、供給原料および反応物成分が反応器のすべての点においてよく混合していると考えられる場合、酸素化物および希釈剤が反応器に導入される点の場所はあまり問題にならない。固定床ベッドを使用するか、または流動床ベッドを使用し、ガスの表面速度を約1m/sより上にした場合には、30%以下の酸素化物が転化した後に残りの酸素化物および希釈剤が反応器の中で一緒になることができるように、酸素化物および希釈剤を反応器に導入することが望ましい。これを達成する方法は、供給ノズルのような導入装置の位置、およびこのような装置への相対的な導入速度に依存するが、これらは当業界の専門家には公知である。
【0058】
望ましくない副成物の量および未反応の供給原料を循環させる程度の両方を十分に高いレベルで減少させるように、使用される任意の反応器の中における酸素化物の転化の状態を維持しなければならない。一般に、転化率が50モル%で、同時に循環率が50%に留まることが工業的に許容されるレベルである。しかし循環過程を簡単にするためには、転化率は85モル%より、さらに好ましくは98モル%より大きいことが望ましい。酸素化物の転化率をこのようなレベルに保つ多数の方法は当業界の専門家には公知である。
【0059】
水素化脱酸素反応の間に「コークス」のような炭素性の沈着物がモレキュラー・シーブ
触媒の表面上または内部に生成するので、典型的には少なくともコークスの沈着物の一部分を焼いて除去することにより触媒を再生する。このような再生は、反応器の内部の触媒全体の活性のレベルを維持することが必要になった時にまたそのような条件で行われる。これを達成する方法は特に、Michel Louge著、「Experimental
Techniques」、Circulating Fluidized Beds、Grace,Avidan,& Knowlton編、Blackie,1997年発行(336〜337頁)に記載されている。この文献は引用により本明細書に包含される。
【0060】
この方法の一具体化例においては、コークス化した触媒組成物の一部を反応器から引き出して再生系に導入する。再生系は再生器を具備し、ここで再生条件を満たす温度、圧力および滞在時間においてコークス化した触媒組成物を再生媒質、好ましくは酸素を含むガスと接触させる。再生条件は、コークスが焼かれてコークス化した触媒組成物から除去され、再生されたモレキュラー・シーブ触媒組成物が生じるように選ばれる。
【0061】
再生媒質の本発明を限定しない例には1種またはそれ以上の酸素、O、SO、NO、NO、NO、N、空気、窒素または二酸化炭素で希釈した空気、酸素と水(米国特許第6,245,703号参照、この特許は引用により本明細書に包含される)、一酸化炭素、および/または水素である。
【0062】
再生温度は約200〜1500℃の範囲であるが、450〜550℃の範囲であることが好ましい。再生圧力は約15psi(103kPa)〜約500psi(3448kPa)、好ましくは約20psi(138kPa)〜約250psi(1724kPa),さらに好ましくは約25psi(172kPa)〜約150psi(1034kPa),最も好ましくは約30psi(207kPa)〜約60psi(414kPa)の範囲にある。
【0063】
再生器の中における触媒組成物の好適な滞在時間は約1分ないし数時間であり、最も好ましくは約1分〜100分である。ガス中の好適な酸素の容積はガスの全容積に関し約0.01〜約5モル%の範囲にある。
【0064】
触媒組成物の再生を促進するために、再生促進剤を加えることができる。このような促進剤は典型的には金属含有化合物、例えば白金、パラジウム等の化合物であり、再生器に直接加えるか、或いは間接的に、例えばコークス化した触媒組成物と一緒に加えることができる。
【0065】
一具体化例においては、再生された触媒組成物はコークスのレベルがコークス化された触媒組成物に関し約2重量%未満、さらに好ましくは約1重量%未満、もっと好ましくは約0.5重量%未満である。しかし、当業界の専門家は、再生の強さを制御して若干のコークス化材料を保持した触媒、即ち酸素化物からオレフィンへの反応の際の軽量オレフィンに対する選択性が増加した部分的に再生された触媒を得ることができる。
【0066】
本発明方法はバッチ式、半連続式、または連続式で行うことができる。本発明方法は単一の反応区域、直列または並列に配置された多数の反応区域の中で行うことができる。
【0067】
触媒活性を決定するための条件
本発明に使用された触媒組成物の活性は予想外に高く、遥かに多量に金属を装荷した触媒の活性と同等であることを示すために、特殊な「試験条件」において触媒活性を測定することができる。これらの条件は触媒組成物が典型的に使用される水素化脱酸素条件の一部をなすものである。
【0068】
触媒組成物は押出し物の形をしており、これを固定床反応器の中に入れ、触媒組成物中に存在する金属の重量が反応容器1L当たり135〜145gになるようにする。勿論、工業的な用途で使用する場合、これらの試験条件下において触媒の形および大きさを最適化することも可能であるが、触媒は直径が1〜6mmの範囲の円筒形、三つ葉状、および/または四つ葉状の通常の形で使用した。SRGOを加えたDMDS(S=3.7重量%)を用い触媒を予備硫化する。ソーキングは50バールのH圧において行い、時間基準液空間速度(LHSV)を3.0hr−1にして3時間保持した。
【0069】
試験用の酸素化物として菜種油の供給原料を用いる。これは硫黄含量が2mg/Kgより少なく、窒素含量が10mg/Kgより少ないことを特徴としている。試験中使用された水素化脱酸素の条件は、温度が約300℃、水素の分圧が50バールの範囲、H/油の比が1000nL/Lより大きく、時間基準液空間速度が約5hr−1である。使用した循環比は5であった。水素化脱酸素の過程中、菜種油は主としてn−C17およびc−C18パラフィンに転化し、副成物としてプロパン、水、二酸化炭素、および一酸化炭素が生じた。
【0070】
触媒の活性は、酸素化物供給原料と比較した場合の全液体生成物中に残った酸素の割合を1から差引いた値として定義される。本発明の触媒は理想的には活性が12gO/g金属/hrより、好ましくは15gO/g金属/hrより、さらに好ましくは17gO/g金属/hrよりも大きいとして特徴付けられる。
【0071】
下記実施例により本発明による触媒系の製造および使用を例示する。
【実施例1】
【0072】
表1に示されているような性質をもった2種の触媒を製造した。
【0073】
【表1】

【0074】
各触媒15mLを固定床反応器に装入した。下記表2の性質をもった菜種油の供給原料を用い上向き流、横向き流(side−by−side)の試験により水素化脱酸素の性能を示した。
【0075】
【表2】

【0076】
触媒の予備硫化:予備硫化にはSRGOを加えたDMDS(S=3.7重量%)を用いた。
【0077】
ソーキングは50バールのH圧で行い、時間基準液空間速度(LHSV)=3.0hr−1にして3時間保持した。ソーキングの後、H/油の比を200nL/Lに設定し、図1に示したプログラムに従い触媒ベッドの初期温度を決めた。
【0078】
試験中下記表3に従ってWABTを変化させた。
【0079】
【表3】

【0080】
他のパラメータはLHSV=5hr−1、圧力=50バールである。水素化脱酸素によって生じる発熱を減少させるために、循環比1:5(新しいもの:全体)において活性化循環(active recycling)を使用した。
【0081】
この水素化脱酸素工程の性能から得られた結果を下記表4に示す。
【0082】
【表4】

【0083】
金属の装荷量が少ないにも拘わらず、両方の触媒は高い活性を示している。触媒A上のコークスの沈着物は同じ水素化脱酸素条件において対応する触媒B上の沈着物よりも少ない。
【0084】
本発明は上記の具体化例に限定されるものではない。求められるべき権利は添付特許請求の範囲において多くの変形が考えられる本発明の範囲内に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の好適具体化例による触媒組成物の予備硫化に使用できる加熱形態。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素化物供給原料を水素化脱酸素の条件下において硫化された触媒組成物と接触させることを含んで成る酸素化物供給原料の水素化脱酸素を行う方法であって、該触媒組成物は
(i)実質的にアルミナを含んで成る多孔性の担体であって、0〜1重量%の燐および0〜1重量%の珪素(両方とも酸化物として計算)を含んで成り、平均細孔直径が5〜40nmの範囲にある担体;および
(ii)該アルミナ担体に担持された少なくとも1種のVIB族の金属および少なくとも1種のVIII族の金属を含んで成る1〜20重量%の活性金属成分(組成物の重量に基づき酸化物として計算)を含んでいることを特徴とする方法。
【請求項2】
該酸素化物供給原料はトリグリセリドを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
該酸素化物供給原料は少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも50重量%、さらに好ましくは少なくとも75重量%のエステルを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
該酸素化物供給原料はエステル交換されたトリグリセリドの反応生成物を含んで成ることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
該水素化脱酸素条件は250〜450℃の範囲の温度、10〜220バールの範囲の水素分圧、および0.1〜10hrの範囲の時間基準液空間速度(LHSV)を含んで成ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載された方法。
【請求項6】
硫化水素(HS)またはその前駆体の存在下において、該硫化水素が10〜10000ppmの量で水素ガス中に存在するようにして該酸素化物供給原料を触媒組成物と接触させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載された方法。
【請求項7】
該硫化水素は10〜1000ppmの量で水素ガス中に存在することを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
触媒組成物の該アルミナ担体は0.5重量%より少ない珪素および0.5重量%より少ない燐を含んで成ることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載された方法。
【請求項9】
触媒組成物の該アルミナ担体は10〜20nmの範囲の平均細孔直径をもっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載された方法。
【請求項10】
触媒組成物の該VIB族の金属はモリブデン(Mo)を含んで成ることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載された方法。
【請求項11】
触媒組成物の該VIII族の金属はニッケル(Ni)を含んで成ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載された方法。
【請求項12】
触媒組成物の該活性金属成分は10〜18重量%のモリブデンおよび2〜5重量%のニッケルを含んで成ることを特徴とする請求項10または11記載の方法。
【請求項13】
触媒組成物の該活性金属成分は4:1〜2:1の範囲のMo/Niの重量比をもっていることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載された方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−540037(P2009−540037A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513689(P2009−513689)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055563
【国際公開番号】WO2007/141293
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(506417681)アルベマール・ネーザーランズ・ベーブイ (20)
【Fターム(参考)】