説明

酸素富化機

【課題】酸素富化空気を凝縮して得られた凝縮水を、安全で、衛生的でかつ迅速に処理できる酸素富化機を提供する。
【解決手段】酸素富化空気を生成する酸素富化膜ユニット2と、周囲の空気を酸素富化膜ユニット2を通して吸引するポンプ10と、酸素富化膜ユニット2で得られた酸素富化空気を凝縮する凝縮器23と、凝縮器23で発生する凝縮水と酸素富化空気を分離させる水分離器(図示せず)と、水分離器から排出される凝縮水を受ける水受け皿28と、水受け皿28に設けられ凝縮水を霧状にする霧発生装置29と、水分離器で水分が低減された酸素富化空気を本体1外に吐出する吐出口部37を備えたもので、熱源や繊維を使用することなく凝縮水を霧状にすることで、火災等の危険性がなく、内部での菌繁殖という安全衛生面での問題もなく、凝縮水を迅速に排出処理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素富化空気を使用者に提供する酸素富化機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の酸素富化機としては、本体と、この本体内に設けた酸素富化膜と、この酸素富化膜に空気を供給する送風手段Aと、前記送風手段Aから供給される空気の一部を前記酸素富化膜を通して吸引して酸素濃度の高い空気、いわゆる酸素富化空気を生成させるポンプから成る酸素富化手段と、前記酸素富化手段により生成された酸素富化空気を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で発生する凝縮水と酸素富化空気を分離させる水分離器と、前記水分離器から排出された凝縮水を受ける水受け皿を備え、水受け皿に溜まった凝縮水を、熱源を用いて、あるいは繊維素材に浸透させて蒸発させる方法等で処理するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭62−083304号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら前記従来の酸素富化機の構成においては、前記凝縮器で発生する凝縮水と酸素富化空気を前記水分離器で分離し、水分離器から排出されて水受け皿に溜まった凝縮水を、熱源を用いて蒸発させる方法では、火災等の安全性の問題があり、また、凝縮水を繊維素材に浸透させて蒸発させる方法では、蒸発速度が遅く、また、繊維素材上で雑菌が繁殖するという安全衛生面上の問題や、繊維素材そのものが時間経過により劣化する等の課題があった。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、火災等の安全性の問題、あるいは本体内部での菌繁殖という安全衛生面での問題等がなく、凝縮水を迅速に排出処理できる酸素富化機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の酸素富化機は、酸素富化空気を生成する酸素富化手段を内蔵した本体と、前記酸素富化手段の周囲の空気を前記酸素富化手段を通して吸引する吸引手段と、前記酸素富化手段で得られた酸素富化空気を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で発生する凝縮水と前記酸素富化空気を分離させる水分離器と、前記水分離器から排出される前記凝縮水を受ける水受け皿と、前記水受け皿に設けられ前記凝縮水を霧状にする霧発生装置と、前記水分離器で水分が低減された前記酸素富化空気を本体外に吐出する吐出口部を備えたもので、熱源を使用することなく凝縮水を霧状にすることで、火災等の危険性がなく、また、本体内部での菌繁殖という安全衛生面での問題もなく、しかも水受け皿に溜まった凝縮水を迅速に排出処理することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の酸素富化機は、火災等の安全上の問題や、本体内部での雑菌繁殖という安全衛生面上の問題等がなく、凝縮水を迅速に外部に排出することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
第1の発明は、酸素富化空気を生成する酸素富化手段を内蔵した本体と、前記酸素富化手段の周囲の空気を前記酸素富化手段を通して吸引する吸引手段と、前記酸素富化手段で得られた酸素富化空気を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で発生する凝縮水と前記酸素富化空気を分離させる水分離器と、前記水分離器から排出される前記凝縮水を受ける水受け皿と、前記水受け皿に設けられ前記凝縮水を霧状にする霧発生装置と、前記水分離器で水分が低減された前記酸素富化空気を本体外に吐出する吐出口部を備えたもので、熱源を使用することなく凝縮水を霧状にすることで、火災等の危険性がなく、また、本体内部での菌繁殖という安全衛生面での問題もなく、しかも水受け皿に溜まった凝縮水を迅速に排出処理することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の酸素富化機に、外気を吸引しそれを酸素富化手段に供給する送風手段Aと、内部が前記送風手段Aと連通すると共に前記吸引手段を内包する外壁を設け、前記外壁に、前記吸引手段の周囲の空気を外部に排出するための送風手段Bを設けたもので、酸素富化手段の周囲を通過した外気で吸引手段が冷却されるので、吸引手段の温度の異常上昇を防止し、吸引手段を常に正常に動作させることができると共に、冷却風が必要な他の構成部品にも利用できる。
【0009】
第3の発明は、特に、第2の発明の送風手段Bで発生する風を、本体に設けた本体排気口に案内する導風手段を備えたもので、酸素富化手段の周囲を通過し、吸引手段を冷却した空気を、排気風が不要な他の構成部品に流れ込むことなく排気口まで案内し、確実に外部に排出することができる。
【0010】
第4の発明は、特に、第3の発明の導風手段の風通路内に凝縮器を配したもので、送風手段Bにより排出された空気が導風手段内の凝縮器に送風されるため、凝縮器の温度過上昇を防止し、酸素富化空気を確実に凝縮することができる。
【0011】
第5の発明は、特に、第3または第4の発明の霧発生装置で霧状にした凝縮水を導風手段の風通路内に排出するようにしたもので、霧状の凝縮水が他の構成部品に流れ込むことが無く、しかも、霧状の凝縮水が導風手段で送風手段Bによる排気風と混じって、外部に効率よく排出され、しかも複数の送風手段を必要としないため、省スペース化、低コスト化を実現することができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における酸素富化機の背面から見た断面図、図2は、同酸素富化機の要部断面図、図3は、同酸素富化機の側面からみた断面図、図4は、同酸素富化機の天面からみた断面図、図5(a)は、同酸素富化機の天面からみた本体下部断面図、(b)は、同酸素富化機の天面からみた要部断面図、図6は、同酸素富化機の酸素富化膜ユニットを構成するモジュールの分解斜視図、図7(a)は、同モジュールの組み立て状態を示す斜視図、(b)は、同酸素富化膜ユニットの斜視図である。
【0014】
図1〜図7において、本体1の内部には、酸素濃度の高い空気、いわゆる酸素富化空気を発生する酸素富化手段として酸素富化膜ユニット2が設けられている。前記酸素富化膜ユニット2は、有機高分子の平膜より構成され、前記平膜を通過する分子の速度の差を利用するもので、前記平膜は、空気中の窒素に比べ酸素をよく通すため、比較的高い酸素濃度の空気、いわゆる酸素富化空気が得られる。通常の空気の酸素が占める割合は約21%(窒素約79%)であるが、本実施の形態における酸素富化膜ユニット2を通過後の酸素富化空気の酸素が占める割合は約40%(窒素約60%)となる。
【0015】
酸素富化膜ユニット2は、図6、図7に示す如く、メッシュ構造のフレーム3の両側面に略長方形の酸素富化膜4を貼って両膜間を通路としたモジュール5を、複数枚積層した略直方体のユニット構造となっており、フレーム3の通路内を後述の吸引手段であるポンプ10で吸引することにより、酸素富化膜4の周辺を流れる空気の一部が酸素富化膜4を通過してフレーム3の通路内に入りこみ、酸素富化空気が得られ、この得られた酸素富化空気を酸素富化膜ユニット2の唯一の排出口であるユニット排出口6から集中排気している。本実施の形態では、2個の酸素富化膜ユニット2を配置している。
【0016】
本体1は、本体外壁1aで覆われており、本体1の内部には、本体1の背面に設けた吸気口7から本体1内に外気を吸引し、酸素富化膜ユニット2に送った後、酸素富化膜4を通過しフレーム3の通路内に吸引される空気以外の外気をポンプ10へ送風するためのモーターファン等からなる送風手段A9が設けられている。
【0017】
送風手段A9は、酸素富化膜ユニット2の下流側で、ポンプ10を内包する外壁となる消音外壁8の上面に設けられ、消音外壁8で囲まれた内部と連通している。ここで、本体1内に外気を吸入する吸気口7には、HEPAフィルター38が設けられており、外気を導入する際に、前記HEPAフィルター38により、0.3ミクロン以上の粒子を99.7%以上除去できるように構成されている。
【0018】
ポンプ10は、本体1内の酸素富化膜ユニット2の下方に設けられ、回転軸10aの両端に冷却用のファン10bを有している。ポンプ10から発生する音を外部へできるだけ漏らさないようするために、ポンプ10を囲うように消音外壁8が設けられ、その消音外壁8の内側面には防音シート11を貼り付けている。
【0019】
送風手段A9により、酸素富化膜4を通過しフレーム3の通路内に吸引された空気を除いた外気がポンプ10に送風され同ポンプ10が冷却される。さらに、ポンプ10を囲う消音外壁8の側面に送風手段B22が設けられ、ポンプ10へ送風された外気を消音外壁8外側へ排出するようにしている。
【0020】
ポンプ10は、酸素富化膜4を通過した後の酸素富化空気を、連結管A14を通り上流側の消音パイプA12を介した後、連結管B15を通り、ポンプ10へ送り込まれ、排出した後、連結管C16を通り、下流側の消音パイプB13を介した後、連結管D17を通り、酸素富化空気を凝縮する凝縮器23を介した後、連結管E18を通り、前記凝縮器23で発生した凝縮水39と酸素富化空気を分離する水分離器24を介した後、連結管F19を通り、酸素富化空気内の菌を排除するフィルターを有した除菌装置25を介した後、連結管G20を通り、酸素富化空気の流量を表示し、かつ流量調整つまみ26aを有した流量計26を介した後、連結管H21を通り、本体1の前面に設けられた吐出口部37に送り、さらに吐出口部37と連結され、使用者に酸素富化空気を提供するカニューラ等の酸素富化空気吐出手段(図示なし)に送り込んでいる。ここで、上流側の消音パイプA12には酸素富化空気の通路内の圧力状態を把握するための圧力センサ(図示せず)を取り付けられている。
【0021】
凝縮器23は、酸素富化空気が通る銅管23aを、図1に示すように繰り返し折り曲げて形成したものであり、銅管23aの温度と酸素富化空気の温度の差を利用して、酸素富化空気を凝縮させている。水分離器24は、凝縮器23からの酸素富化空気と凝縮水を取り入れる吸入口24aと、凝縮水を排出する水排出口24bと、凝縮水と分離された酸素富化空気を排出する空気排出口24cを有している。
【0022】
水分離器24の水排出口24bには多孔フィルター27を設けており、水排出口24bからの酸素富化空気の排出を若干量にしながら、凝縮水39を都度排出可能な構成としている。また、この多孔フィルター27を設けた水排出口24bは、酸素富化空気通路の折り曲り等で発生する水分離器24内の圧力上昇を防止する役割もある。そして、水分離器24の水排出口24bから排出された凝縮水39は、水分離器24の下部に設けた水受け皿28に溜まる構成となっている。
【0023】
水受け皿28には、超音波で凝縮水を霧状にする霧発生装置29と凝縮水39の水位を検知する感知装置30を設けている。本実施の形態では、感知装置30として電極30aを用いており、凝縮水39の水位が所定の位置まで上昇し電極30aの下端に達すると感知装置30が反応するしくみとなっている。ここで、霧発生装置29は、凝縮水39を装置内に取り入れ、凝縮水を超音波で霧状にし、霧状態となった凝縮水を霧排出口29aから排出する。
【0024】
凝縮器23は、消音外壁8に固定された導風手段35内に固定され、この導風手段35は、送風手段B22により排出された空気を本体排気口34へ案内する役割がある。導風手段35の底部に、霧発生装置29で発生する霧状の凝縮水を導風手段35内へ取り入れるための取入口35aを設けている。
【0025】
また、ポンプ10は、防振材31を介して本体1の底部に取り付けられている。ポンプ10には、酸素富化膜4の通過圧損に対抗して酸素富化空気の流量を稼ぐために運転時の圧力が高いポンプが用いられている。
【0026】
また、本体1は、その移動性を高めるため、ストッパー機能を有するキャスター32を底面に設けている。ストッパーを動作した場合、本体1は移動不可状態となり、ストッパーを解除した場合、本体1は移動可能状態となる。
【0027】
本体1の上部には制御ユニット33が設けられ、本体1の正面には操作手段である運転スイッチ(図示せず)、運転時間設定ボタン(図示せず)、設定された運転時間あるいは通電状態を表示する報知手段である表示ランプ(図示せず)を設けてある。表示ランプは、本体1の運転操作が前記運転スイッチによって操作された時に点灯表示する表示手段で、本実施の形態ではLEDで構成してある。LEDなどの発光体が発する光によって本体1の運転操作が操作手段によって操作されたかどうか明確に判別できるものである。
【0028】
制御ユニット33には、停電状態や酸素富化機の電源コード(図示せず)がコンセントにつながっていないなどの異常状況、酸素富化空気通路内の異常な圧力上昇が前記圧力センサで検知された場合、酸素富化空気通路内に設けられた酸素センサ(図示せず)で酸素富化空気の大幅な濃度低下等の異常状態を報知する報知手段である音・音声発生部(図示せず)を設けている。
【0029】
以上のように構成された酸素富化機について、以下にその動作、作用を説明する。
【0030】
運転時間設定ボタンを操作して、酸素富化機の希望の運転時間を設定し、運転スイッチを入れると、送風手段A9、送風手段B22、ポンプ10の運転が開始し、本体1の背面に設けた吸気口7より外気が吸引され、酸素富化ユニット2の周囲を通過し、ポンプ10を冷却し、導風手段35内に配された凝縮器23の銅管23aを冷却した後、本体排気口34より、本体1の外に排出される。ポンプ10の運転により、酸素富化膜ユニット2の周囲の空気の一部が、酸素富化膜ユニット2内に吸引され、そこで酸素濃度の高い空気、すなわち酸素富化空気が生成され、その酸素富化空気は、連結管A14、消音パイプA12、連結管B15、ポンプ10、連結管16、消音パイプB13、連結管D17、凝縮器23の銅管23a、連結管E18、水分離器24、連結管F19、除菌装置25、連結管G20、流量計26、連結管H21を経て吐出口部37に達し、さらに酸素富化空気吐出手段に至り使用者に酸素富化空気が提供される。
【0031】
ポンプ10が連続運転されると、ポンプ10の温度が上昇し、これを通過する酸素富化空気の温度も上昇する。酸素富化膜ユニット2は、空気中の酸素を優先的に透過させるが同時に水分も優先的に透過するため酸素富化空気の湿度は高い。そして、温度、湿度共に高い酸素富化空気が、外気で冷やされている銅管23aに流入すると、温度の高い酸素富化空気と冷たい銅管23aとの温度差により、酸素富化空気中の水分が凝縮され、酸素富化空気と共に凝縮水が水分離器24に流入する。
【0032】
水分離器24に流入した凝縮水は、水排出口24bから多孔フィルター27を通って、水受け皿28に滴下し、そこに溜まり、一方除湿された酸素富化空気は、水分離器24の上部に設けた空気排出口24cから排出される。
【0033】
水受け皿28に溜まった凝縮水の水位が所定の位置まで上昇し、それを感知装置30が検知すると、霧発生装置29の運転が開始する。そして霧発生装置29により、霧状になった凝縮水は、霧排出口29aから導風手段35内に放出され、送風手段A9、送風手段B22による排気風に混じって、本体排気口34より外部に排出される。ポンプ10は、ファン10bによっても冷却されるようになっている。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、酸素富化空気中の水分の除去を、熱源を使用せず行うものなので、火災等のような危険性が無く安全であり、また、本体1内部での菌の繁殖という安全衛生面での問題もなく、さらに水分離器24から排出されて水受け皿28に溜まる凝縮水39を迅速に排出処理することができる。
【0035】
また、水受け皿28に溜まった凝縮水39を霧発生装置29で霧状にするので、凝縮水39を排気風と共に迅速に排出処理することができる。
【0036】
また、酸素富化膜ユニット2の下方に配されポンプ10を内包する消音外壁8に送風手段B22を設けたことにより、酸素富化膜ユニット2の周囲の空気を効率よく排出し、ポンプ10の温度の異常上昇を防止し、ポンプ10を常に正常に動作させことができると共に、他の構成部品の冷却用にも使用できる。
【0037】
また、送風手段B22で発生する風を本体排気口34に案内する導風手段35を備えたことにより、酸素富化膜ユニット2の周囲を通り、ポンプ10、銅管23aを冷却した空気が、排気風に晒される必要のない他の構成部品に流れ込むことなく本体排気口34まで案内され、排出される。
【0038】
また、導風手段35の風通路内に凝縮器23を設けているので、凝縮器23は効果的に冷却され、酸素富化空気中の水分の凝縮が効率よく行われ、しかも凝縮器23の温度が異常に上昇するのを防止することができる。
【0039】
また、水受け皿28に溜まった凝縮水39が霧発生装置29で霧状態として導風手段35の風通路内に流れ込むようにしているので、霧状態の凝縮水39が他の構成部品に流れ込むことがなく、ポンプ10を冷却した排出風と共に本体排気口34まで確実に案内され、外部に排出することができる。
【0040】
また、消音外壁8に設けた送風手段B22は、酸素富化膜ユニット2の周囲を通りポンプ10を冷却した空気を、導風手段35内の凝縮器23へ送風すると共に、霧発生装置29で霧状にされ導風手段35内に流れ込む凝縮水39と共に外部へ排出するようにしているので、複数の送風手段を必要とせず、省スペース化、低コスト化を実現することができる。
【0041】
また、水受け皿28の水位を検知する感知装置30を備えたので、水受け皿28に溜まった凝縮水39の量に応じて、霧発生装置29を動作させることも可能である。例えば、運転初期時に、感知装置30で水受け皿28内の凝縮水39がある水位以下と判断した時に、霧発生装置29を動作させないようにすることで、省エネルギー化を実現することができる。そして、感知装置30で水受け皿28の凝縮水39がある水位以上と判断した場合、霧発生装置29を動作させて、凝縮水39を霧状態にして外部へ排出するようにすれば、水受け皿28から凝縮水39が溢れて、本体1内に流れ込むことが無く、凝縮水39の排出等のメンテナスも不要である。
【0042】
また、本実施の形態では、凝縮器23を銅管23aを繰り返し折り曲げて形成したが、ペルチェ素子等の電子冷却素子を用いて、酸素富化空気を凝縮するようにしても良い。
【0043】
さらに、本実施の形態では、溜まった凝縮水の水位を検知する感知装置30を水受け皿28に設けたが、水受け皿28近傍の他の箇所に取り付けても良い。また、感知装置30に設けた水位の検知手段として、本実施の形態では電極30aを用いたが、超音波、光素子(PSD等)等を用いた距離検知装置を使用しても良い。
【0044】
また、本実施の形態では、霧状態の凝縮水39を排気風と共に排出するようにしているが、霧状態の凝縮水39を専用に排出する排出経路(図示せず)と排出口(図示せず)を設けて、霧状態の凝縮水39だけを外部に排出するようにしても良い。
【0045】
また、本実施の形態では、酸素富化膜ユニット2を2個配置しているが、より高性能の酸素富化膜ユニット2を使用することで、1個のみの配置とすることも可能である。
【0046】
さらに、本実施の形態では、凝縮水39を、霧発生装置29を使用して霧状にしたが、霧発生装置以外の高周波数振動素子等を使用した霧発生装置を使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
以上のように、本発明にかかる酸素富化機は、酸素富化空気から分離された凝縮水の処理に熱源や繊維を使用していないので、異常過熱や火災等の危険性が無く、しかも本体内部での菌繁殖という安全衛生面での問題もなく、迅速に凝縮水を外部に排出することができるもので、内部で凝縮水、結露水などが発生する冷蔵庫等の他の家庭電化機器への用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態1における酸素富化機を背面から見た断面図
【図2】同、酸素富化機の要部断面図
【図3】同、酸素富化機を側面からみた断面図
【図4】同、酸素富化機を天面からみた断面図
【図5】(a)同酸素富化機の天面からみた本体下部断面図(b)同酸素富化機の天面からみた要部断面図
【図6】同酸素富化機の酸素富化膜ユニットを構成するモジュールの分解斜視図
【図7】(a)同モジュールの組み立て状態を示す斜視図(b)同酸素富化膜ユニットの斜視図
【符号の説明】
【0049】
1 本体
2 酸素富化膜ユニット(酸素富化手段)
8 消音外壁(外壁)
9 送風手段A
10 ポンプ(吸引手段)
22 送風手段B
23 凝縮器
24 水分離器
28 水受け皿
29 霧発生装置
30 感知装置
34 本体排気口
35 導風手段
37 吐出口部
39 凝縮水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸素富化空気を生成する酸素富化手段を内蔵した本体と、前記酸素富化手段の周囲の空気を前記酸素富化手段を通して吸引する吸引手段と、前記酸素富化手段で得られた酸素富化空気を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で発生する凝縮水と前記酸素富化空気を分離させる水分離器と、前記水分離器から排出される前記凝縮水を受ける水受け皿と、前記水受け皿に設けられ前記凝縮水を霧状にする霧発生装置と、前記水分離器で水分が低減された前記酸素富化空気を本体外に吐出する吐出口部を備えた酸素富化機。
【請求項2】
外気を吸引しそれを酸素富化手段に供給する送風手段Aと、内部が前記送風手段Aと連通すると共に吸引手段を内包する外壁を設け、前記外壁に、前記吸引手段の周囲の空気を外部に排出するための送風手段Bを設けた請求項1に記載の酸素富化機。
【請求項3】
送風手段Bで発生する風を、本体に設けた本体排気口に案内する導風手段を備えた請求項2に記載の酸素富化機。
【請求項4】
導風手段の風通路内に凝縮器を配した請求項3に記載の酸素富化機。
【請求項5】
霧発生装置で霧状にした凝縮水を導風手段の風通路内に排出するようにした請求項3または4に記載の酸素富化機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−212180(P2006−212180A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27577(P2005−27577)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】