説明

酸素富化空気利用システム

【課題】窒素ガスを製造する窒素製造装置が副次的に生成する酸素富化空気を、その窒素製造装置に悪影響を及ぼさずに有効に利用できる酸素富化空気利用システムを提供する。
【解決手段】原料空気から分離して窒素ガスを製造する窒素製造装置1と、窒素製造装置1で副次的に生成される酸素富化空気を搬送する搬送手段と、酸素富化空気を利用する利用設備6を備え、窒素製造装置1の吐出口5から酸素富化空気を大気開放状態で吐出させた後、酸素富化空気を搬送手段により利用設備6に供給するとともに、利用設備6内の圧力を大気を吸引しない圧力とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素ガスを製造する窒素製造装置で得られる酸素富化空気を、この酸素富化空気の利用設備に供給する酸素富化空気利用システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、窒素ガスを製造する窒素製造装置の副生成ガスである酸素富化空気は、排水に曝気して浄化処理を行う排水処理装置、燃料の支燃空気として燃焼装置に利用されていた。
【0003】
また、この種の窒素製造装置としては、半導体製造設備や液晶製造設備等に備える深冷式窒素製造方法、PSA(プレッシャースイング吸着方式)装置がある。
【0004】
そして、半導体および液晶の需要の伸びに従って、窒素ガスを製造するこの種の窒素製造装置の需要も伸びる傾向にある。
【0005】
一方、肺機能の低下した慢性呼吸不全の患者に高酸素濃度の空気を与えることが有効な治療方法とされ、また、スポーツや重作業を行う場合など、代謝活動の補助として酸素の供給が有効であるとされ、近年、人の心身のために酸素富化空気を有効に利用する気運が高まっている。
【0006】
そこで、家庭用あるいは業務用の空気調和装置、いわゆるエアコンにおいて、酸素富化空気の利用が提案され、また商品化されている。
【0007】
図5に示すように、この種の空気調和装置では、屋外の空気から窒素ガスを分離して酸素富化空気を生成する装置31を室外ユニット32に設け、その生成された酸素富化空気を運ぶ導入管33を冷媒配管34と同じように室内ユニット35までつなぎ、ポンプ36あるいは加圧手段(図示せず)で酸素富化空気を室内ユニット35まで送る。
【0008】
室内ユニット35に送られた酸素富化空気は室内ユニット35に設けられた送風ファン37により、室内ユニット35を設けた部屋38内に送られてその部屋38内の酸素濃度を高める(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
この空気調和装置と同じように、半導体製造設備や液晶製造設備等に備える窒素ガスを製造する窒素製造装置の副生成ガスである酸素富化空気を、人の心身のために利用できれば、半導体製造工場や液晶製造工場に従事する作業者の作業効率の向上が図れたり、作業ミスの低減を図れるなどの効果が期待できる。
【0010】
そして、このような酸素富化空気を有効利用するためには、酸素濃度を低下させずに酸素富化空気を目的場所まで送る手段、あるいは酸素濃度を保てる空間が必要となる。
【0011】
上記空気調和装置と同様の構成を用いて上記窒素製造装置の副生成ガスである酸素富化空気を利用しようとすると、図6に示すように窒素製造装置41に形成されている酸素富化空気の吐出口42にパイプ43の一端をつなぎ、そのパイプ43の他端を人が入れる部屋である利用設備44につなぐことになる。
【特許文献1】特開2004−148249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記のように窒素製造装置41の吐出口42に直接パイプ43をつないで酸素富化空気を利用設備44に送る構成とすると、吐出口42が開放されていた場合と比べて吐出口42からの酸素富化空気の吐出抵抗が大きくなる。
【0013】
そのため、この大きくなった吐出抵抗に抗して吐出口42から酸素富化空気を吐出しようとすると窒素製造装置41内の送風装置45に負荷がかかり、送風装置45から発生する騒音が大きくなったり、送風装置45の寿命を短くしたりするなど、窒素製造装置41に悪影響を及ぼす。
【0014】
また、窒素製造装置41が設計当初の条件で運転されないことになることから、窒素ガスが設定通り製造されなくなったり、窒素ガス製造に直接係わる部品の交換頻度が増したりするなど、窒素ガスの製造そのものにも悪影響を及ぼし兼ねない。
【0015】
本発明は、上記課題を解決するもので、窒素ガスを製造する窒素製造装置が副次的に生成する酸素富化空気を、その窒素製造装置に悪影響を及ぼさずに有効に利用できる酸素富化空気利用システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は原料空気から分離して窒素ガスを製造する窒素製造装置と、前記窒素製造装置で副次的に生成される酸素富化空気を搬送する搬送手段と、前記酸素富化空気を利用する利用設備を備え、前記窒素製造装置の吐出口から酸素富化空気を大気開放状態で吐出させた後、前記酸素富化空気を前記搬送手段により前記利用設備に供給するとともに、前記利用設備内の圧力を大気を吸引しない圧力とする構成としたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、窒素製造装置の吐出口から酸素富化空気を大気開放状態で吐出させた後、酸素富化空気を搬送手段により利用設備に供給するとともに、利用設備内の圧力を大気を吸引しない圧力とするものである。
【0018】
この構成により、本発明は、窒素製造装置が酸素富化空気の吐出を大気開放状態で行うことにより、窒素製造装置は単独運転時と同じように酸素富化空気の吐出が行え、窒素製造装置の各構成要素に新たな負荷がかかることがなく、窒素製造装置に悪影響を与えることがない。
【0019】
さらに、本発明は、酸素富化空気を搬送手段により利用設備に供給するとともに、利用設備内の圧力を、大気を吸引しない圧力とすることにより、利用設備内に大気を吸引することなく、酸素富化空気を導入することができ、利用設備内の酸素濃度を高く維持することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、原料空気から分離して窒素ガスを製造する窒素製造装置と、窒素製造装置で副次的に生成される酸素富化空気を搬送する搬送手段と、酸素富化空気を利用する利用設備を備え、窒素製造装置の吐出口から酸素富化空気を大気開放状態で吐出させた後、酸素富化空気を搬送手段により利用設備に供給するとともに、利用設備内の圧力を大気を吸引しない圧力とする構成としたものである。
【0021】
この構成により、本発明は、窒素製造装置が酸素富化空気の吐出を大気開放状態で行うことにより、窒素製造装置は単独運転時と同じように酸素富化空気の吐出が行え、窒素製造装置の各構成要素に新たな負荷がかかることがなく、窒素製造装置に悪影響を与えることがない。
【0022】
さらに、本発明は、酸素富化空気を搬送手段により利用設備に供給するとともに、利用設備内の圧力を大気を吸引しない圧力とすることにより、利用設備内に大気を吸引することなく、酸素富化空気を導入することができ、利用設備内の酸素濃度を高く維持することが可能である。
【0023】
また、本発明は、搬送手段を利用設備につながる、吐出口より開口面積の小さい小口径ダクトからなる導入口で構成し、吐出口の開口部と導入口の開口部が対向するように配置されているものである。
【0024】
この構成により、導入口を小口径ダクトとするとともに、吐出口の開口部と導入口の開口部を対向するように配置することにより、導入口の開口部の周りは酸素富化空気で満たされている状態となるため、利用設備へは大気が搬送されることなく、酸素富化空気が搬送され、利用設備内の酸素濃度を高く維持することができる。
【0025】
また、本発明は、搬送手段を利用設備につながる、吐出口より開口面積の大きい大口径ダクトからなる導入口で構成し、吐出口の開口部と導入口の開口部が対向するように配置するとともに、導入口から大気を吸入しないように利用設備内の圧力を調整するものである。
【0026】
窒素製造装置の吐出口の開口部を大口径ダクトからなる導入口の開口部と対向させることにより、吐出口からの酸素富化空気の大気開放状態で吐出が何ら支障なく行え、かつ導入口からの大気の吸入を防ぐため、窒素製造装置に悪影響を与えることなく、利用設備への酸素富化空気の導入が行え、利用設備内の酸素濃度を高く維持することができる。
【0027】
また、本発明は、吐出口と導入口が同一軸線上に配置されているものであり、導入口からの酸素富化空気の導入抵抗を抑えることができ、より多くの酸素富化空気を利用設備に導入することが可能であり、利用設備内の酸素濃度を高く維持することができる。
【0028】
また、本発明は、利用設備に排気ファンまたは排気ダンパを設け、利用設備内の圧力を、利用設備が大気を吸引しない圧力となるように排気ファンまたは排気ダンパを制御するものである。
【0029】
この構成により、利用設備は大気を吸引することなく、酸素富化空気を導入することができるので、利用設備内の酸素濃度を高く維持することができる。
【0030】
しかも、窒素製造装置の運転状態の変更や、利用設備の扉の開閉など、各種環境の変化に対応して利用設備内の圧力制御が迅速に行える。
【0031】
また、本発明は、利用設備に利用設備内外を連通する開口を形成し、利用設備内の圧力を、利用設備が大気を吸引しない圧力となるように開口を設計するものである。
【0032】
この構成により、利用設備は大気を吸引することなく、酸素富化空気を導入することができるので、利用設備内の酸素濃度を高く維持することができる。
【0033】
しかも、排気ファンや排気ダンパと異なり駆動部分がないので、利用設備内が静かとなり、また省エネルギー化を図ることもできる。
【0034】
また、本発明は、搬送手段にブースターファンを設け、大気を吸引することなく酸素富化空気を利用設備まで搬送するようにブースターファンを制御するものである。
【0035】
この構成により、利用設備は大気を吸引することなく、酸素富化空気を導入することができるので、利用設備内の酸素濃度を高く維持することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における酸素富化空気利用システムについて、図面とともに説明する。なお、本発明は実施の形態1の構成のみに限定されるものではない。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態1における酸素富化空気利用システムの概略構成図である。
【0037】
図1に示すように、窒素ガスを製造する窒素製造装置1には、原料空気を取り込む吸気口2と、その空気吸気口2から原料空気を装置内に吸い込む吸気手段3と、製造した窒素ガスを吐出する窒素ガス吐出口4と、副次的に生成される酸素富化空気(15℃で酸素濃度約30%)を吐出する吐出口5を有し、生成された酸素富化空気は吐出口5より大気開放状態で吐出される。なお、図1では図示しないが、窒素製造装置1内には取り込んだ原料空気から窒素ガスを分離する分離手段が設けられている。
【0038】
また、人が入って休憩を取ったり、作業をしたりする部屋である利用設備6の壁面には搬送手段として吐出口5の開口面積より小さい小口径ダクトである導入口7が形成されており、窒素製造装置1の酸素富化空気を大気開放状態で吐出する吐出口5の開口部は、その導入口7の開口部と対向するように配置され、かつ吐出口5と導入口7は同一軸線上に位置している。
【0039】
利用設備6には排気ファン8が設けられており、排気ファン8は利用設備6の内圧を制御する機能を有する。
【0040】
窒素製造装置1の吐出口5からは、大気開放状態で酸素富化空気が吐出されるが、利用設備6の導入口7が小口径ダクトであるため、吐出口5の開口部周囲からは生成された酸素富化空気の一部が利用設備6に導入されることなく漏れるが、導入口7の開口部周囲は酸素富化空気に満たされているため、導入口7は大気を吸引することなく酸素富化空気を導入でき、利用設備6内の酸素濃度を高く維持することができる。
【0041】
さらに、排気ファン8の運転制御により利用設備6内の圧力を、常に大気を吸引しない圧力に維持できるので、大気の吸引が確実に防止できるとともに、窒素製造装置1の一時的な停止などがあっても、大気の吸引が確実に防止できる。
【0042】
なお、導入口7は、開口部付近を小口径としているが、それ以外は搬送する酸素富化空気の圧損を抑えるため、口径を大きくしている。但し、窒素製造装置1と利用設備6が近くて導入口7が短い場合、あるいは利用設備6が小さい場合などは、圧損の影響が少ないので導入口7を小口径のみで形成しても良い。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2における酸素富化空気利用システムの概略構成図である。
【0043】
本実施の形態2における酸素富化空気利用システムは、図1に示した排気ファン8に代って排気ダンパ9を設けたものである。排気ダンパ9は排気ダンパ開閉装置10により開閉制御され、利用設備6内の圧力を常に大気を吸引しない圧力を維持している。
【0044】
排気ダンパ9を用いた場合、排気ファン8に比べて騒音の発生がほとんど無く、利用設備6を休憩室に利用するのに適している。
【0045】
なお、図1と同じ構成については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0046】
また、本実施の形態では利用設備6内の圧力調整を行う構成として、排気ダンパ9のみを設けたものを示したが、利用設備6の大きさ、形状、使用用途などによっては、排気ダンパ9に加えて、実施の形態1で示した排気ファン8を併設する構成としても良い。
【0047】
なお、上記実施の形態1および2では、排気ファン8あるいは排気ダンパ9を設けて利用設備6内の圧力を、大気を吸引しない圧力に維持する構成であったが、利用設備6の壁面に開口(図示せず)を設ける構成でもよい。
【0048】
開口は導入される酸素富化空気の量が変化しても、開口面積を変更することができないが、適正な位置に適正な大きさで形成されれば、排気ファン8や排気ダンパ9のように駆動手段が必要ないので、利用設備内が静かとなり、また省エネルギー化を図ることもできる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3における酸素富化空気利用システムの概略構成図である。
【0049】
本実施の形態3における酸素富化空気利用システムは、図1に示す酸素富化空気利用システムと異なり、窒素製造装置1と利用設備6が少し離れており、搬送手段であるダクト状の導入口11が長く形成されている。
【0050】
導入口11も、図1および図2に示した導入口7と同様に、開口部は吐出口5の開口面積より小さい開口面積の小口径で形成され、それ以外は大口径で形成される。特に導入口11は長い構成であり、圧損の影響を受け易いので極力大口径の部分を多くすることが望ましい。
【0051】
そして、導入口11内にはブースターファン12が形成されており、吐出口5から大気開放状態で吐出させた酸素富化空気は、ブースターファン12により吸引され長く形成された導入口11を通って利用設備6内に搬送される。
【0052】
なお、ブースターファン12の吸引力を上げると大気の吸引を発生し兼ねないので、排気ファン8とブースターファン12の制御により、導入口11からの大気の吸引を防止している。
【0053】
なお、図1と同じ構成については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0054】
また、本実施例の形態では利用設備6内の圧力調整を行う構成として、排気ファン8を設けたものを示したが、利用設備6の大きさ、形状、使用用途などによっては、排気ファン8に代えて排気ダンパ9を設けたり、排気ファン8と排気ダンパ9を併設したりする構成としても良い。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4における酸素富化空気利用システムの概略構成図である。
【0055】
本実施の形態4における酸素富化空気利用システムは、図1に示す酸素富化空気利用システムと異なり、利用設備6の壁面に形成した導入口13を大口径ダクトとして形成したものである。
【0056】
導入口13が大口径ダクトであることにより、窒素製造装置1の吐出口5から酸素富化空気が大気開放状態で吐出される場合に、障害となるものが無く、窒素製造装置1に悪影響を与えることがない。
【0057】
本実施の形態4における酸素富化空気利用システムでも排気ファン8は、利用設備6内の圧力を大気を吸引しない圧力とするように制御しており、大口径ダクトであっても導入口13からの大気の吸引は防止できる。
【0058】
なお、図1と同じ構成については、同一の番号を付して説明を省略する。
【0059】
また、本実施例の形態では利用設備6内の圧力調整を行う構成として、排気ファン8を設けたものを示したが、利用設備6の大きさ、形状、使用用途などによっては、排気ファン8に代えて排気ダンパ9を設けたり、排気ファン8と排気ダンパ9を併設したりする構成としても良い。
【0060】
なお、上記各実施の形態の説明において、排気ファン8や排気ダンパ9などの排気口の設置位置について触れていなかったが、酸素富化空気を利用設備6内全体に行き渡らせるためには、以下のように排気口を設置する。
【0061】
すなわち、利用設備6が広い場合は、導入口7を形成した位置の対角に位置するように排気口を設け、利用設備6が狭い場合は、導入口7を形成した位置と同一壁面に排気口を設けるのが望ましい。
【0062】
また、上記各実施の形態では、窒素製造装置1から吐出される酸素富化空気の温度15℃を利用して利用設備6内を冷房状態とすることができるので、利用設備6を高温時の休憩室として、あるいは熱を発する機器を使用する作業場所として利用するのに適している。
【0063】
さらに、上記各実施の形態では、利用設備6内の圧力調整のため利用設備6内の酸素富化空気を排気ファン8や排気ダンパ9で利用設備6の外に排気していたが、窒素製造装置1から導入できる酸素富化空気が少ない場合などは、排気ファン8や排気ダンパ9で排気した酸素富化空気を、ダクトなどで搬送し、再度導入口7、11あるいは13から吸引する構成とすることで、利用設備6内の酸素濃度を高く維持することができる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の酸素富化空気利用システムは、休息を取る部屋に利用したり、作業を行う部屋に利用したりすることができ、その応用範囲は広範である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1における酸素富化空気利用システムの概略構成図
【図2】本発明の実施の形態2における酸素富化空気利用システムの概略構成図
【図3】本発明の実施の形態3における酸素富化空気利用システムの概略構成図
【図4】本発明の実施の形態4における酸素富化空気利用システムの概略構成図
【図5】従来の空気調和装置の概略構成図
【図6】同空気調和装置の構成を適用した酸素富化空気利用システムの概略構成図
【符号の説明】
【0066】
1 窒素製造装置
2 吸気口
3 吸気手段
4 窒素ガス吐出口
5 吐出口
6 利用設備
7、11,13 導入口
8 排気ファン
9 排気ダンパ
12 ブースターファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料空気から分離して窒素ガスを製造する窒素製造装置と、
前記窒素製造装置で副次的に生成される酸素富化空気を搬送する搬送手段と、
前記酸素富化空気を利用する利用設備を備え、
前記窒素製造装置の吐出口から酸素富化空気を大気開放状態で吐出させた後、
前記酸素富化空気を前記搬送手段により前記利用設備に供給するとともに、
前記利用設備内の圧力を、大気を吸引しない圧力とすることを特徴とする酸素富化空気利用システム。
【請求項2】
前記搬送手段を前記利用設備につながる、前記吐出口より開口面積の小さい小口径ダクトからなる導入口で構成し、
前記吐出口の開口部と前記導入口の開口部が対向するように配置されていることを特徴とする請求項1記載の酸素富化空気利用システム。
【請求項3】
前記搬送手段を前記利用設備につながる、前記吐出口より開口面積の大きい大口径ダクトからなる導入口で構成し、
前記吐出口の開口部と前記導入口の開口部が対向するように配置するとともに、
前記導入口から大気を吸入しないように前記利用設備内の圧力を調整することを特徴とする請求項1記載の酸素富化空気利用システム。
【請求項4】
前記吐出口と前記導入口は、同一軸線上に配置されることを特徴とする請求項2または3に記載の酸素富化空気利用システム。
【請求項5】
前記利用設備に排気ファンまたは排気ダンパを設け、
前記利用設備内の圧力を、前記利用設備が大気を吸引しない圧力となるように前記排気ファンまたは排気ダンパを制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸素富化空気利用システム。
【請求項6】
前記利用設備に前記利用設備内外を連通する開口を形成し、
前記利用設備内の圧力を、前記利用設備が大気を吸引しない圧力となるように前記開口を設計することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の酸素富化空気利用システム。
【請求項7】
前記搬送手段にブースターファンを設け、
大気を吸引することなく前記酸素富化空気を前記利用設備まで搬送するように前記ブースターファンを制御する請求項1〜6のいずれか1項に記載の酸素富化空気利用システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−222524(P2008−222524A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−66140(P2007−66140)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】