説明

酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液

【課題】優れた脂質洗浄力や使用感を維持しつつ、有効な抗菌性を付与せしめ、更に、界面活性剤によるレンズの規格変化の問題や、界面活性剤のレンズへの残存によるすすぎ性及び毒性といった問題を有利に解消し得る、酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液を提供すること。
【解決手段】スルホン酸型及び硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩から選ばれた少なくとも1種より構成されるA成分を、0.2重量%以上、1重量%未満の範囲で含有すると共に、アルキルベタイン型及びアミンオキサイド型の両性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種より構成されるB成分を、0.1重量%以上、0.8重量%以下の範囲で含有するように、酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液に係り、特に、レンズ適合性、すすぎ性、脂質洗浄力、使用感、及び抗菌性を高めた酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄液、保存液及び洗浄保存液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズとは異なり、オーダーメイドに近い製品規格を揃えた製品として、その利用者に提供されてきており、そのために、レンズ価格も高いものであった。そこで、ハードコンタクトレンズは、一旦購入されると、数年程度は繰り返し使用されることとなるのが一般的であるところから、そのような長期間の使用を可能ならしめるべく、ハードコンタクトレンズには、定期的な洗浄処理が施され、また、それを使用しない時には、保存液中において保存せしめることが行なわれている。そして、そのような洗浄・保存するための洗浄/保存液にあっても、ハードコンタクトレンズを数年間も綺麗な状態に保つために、強力な界面活性剤を或る程度の高濃度で配合して、その洗浄力を高めることが、一般的に採用されており、更に、タンパク除去酵素も同時に配合されて、レンズ汚れを除去するようにした方策も、取り入れられている。
【0003】
一方、ハードコンタクトレンズの性能向上のために、酸素透過性を有するハードコンタクトレンズが開発されているが、そこでは、そのような酸素透過性を実現するために、レンズを構成するポリマー材料中に、シリコン含有モノマーを共重合させて導入する等の手法にて、シリコン系成分が含有せしめられており、そのために、そのようなシリコン含有成分の影響によって、レンズを保存液中にて保存する際のレンズの規格変化が、従来のハードコンタクトレンズと比べて、大きくなる傾向があった。特に、酸素透過性のハードコンタクトレンズの中でも、レンズ度数の高いものでは、レンズの規格変化が顕著となっているところから、そうした酸素透過性のハードコンタクトレンズに対しても、適合性を維持することが出来るクリーナー(洗浄剤)が必要となってきているのである。
【0004】
また、かかるハードコンタクトレンズの規格変化に影響を与える洗浄液中の成分は、主に界面活性剤であるところから、そのような洗浄液中の界面活性剤の濃度を単純に下げれば、レンズ適合性は向上するようになるが、同時に、洗浄力が低下し、また使用感が悪化するようになり、更に抗菌性も低下してしまう等の問題を、惹起することとなる。そして、それとは逆に、従来のように、洗浄液中に界面活性剤が高濃度で含有せしめられると、洗浄力や使用感、抗菌性には問題ないものの、前述の如く、レンズ適合性が低下するという問題が惹起されることとなるのであり、しかも、それだけではなく、界面活性剤のレンズ表面への吸着による毒性や、レンズをすすぎ洗いする際に、高濃度の界面活性剤を洗い流すこととなるために、必要な洗浄水の量が必然的に多くなってしまう等という問題も、惹起されることとなる。
【0005】
ところで、特開平6−73395号公報においては、コンタクトレンズに付着した汚れに対して優れた洗浄力を有し、且つ眼や皮膚等への刺激性が極めて低く、また、コンタクトレンズに対して損傷を与えない洗浄剤組成物として、アニオン性界面活性剤の多価金属塩の1種又は2種以上と、両性界面活性剤の1種又は2種以上とを、所定割合で含有せしめ、且つ、pHを5〜8に調整したものが、明らかにされている。しかしながら、そこでは、その実施例に見られるように、アニオン性界面活性剤や両性界面活性剤の濃度が、何れも、1重量%以上の割合において用いられており、そのために、レンズの規格変化が惹起され易く、そしてそれによって、レンズ適合性が低下するという問題が内在しているのである。しかも、それに加えて、アニオン性界面活性剤が多価金属塩として用いられているところから、かかる多価金属が、レンズ材質とタンパク質等の汚れ成分との間の結合成分となって、レンズ表面に付着し易くなり、更に、長期間の使用によって、経時的に、汚れがレンズ表面に固着するようになって、コンタクトレンズとして使用することが困難となる問題を内在している。
【0006】
また、特開2000−347145号公報においては、コンタクトレンズに付着した汚れを洗浄し、更に、コンタクトレンズ表面に親水性を付与することにより、汚れの再付着を防止し、コンタクトレンズの装用感を向上させるべく、水溶性カチオン化ポリマーと界面活性剤を含有せしめてなるコンタクトレンズ用溶液が提案され、そこでは、界面活性剤として、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1種以上が用いられ得るとされ、更に、その実施例においては、陰イオン性界面活性剤と両性界面活性剤とを併用してなる実施例も、明らかにされている。しかしながら、そこには、陰イオン性界面活性剤や両性界面活性剤として、如何なる種類のものが用いられ得るかについて、何等明らかにされておらず、また、脂質洗浄力や使用感を維持しつつ、抗菌性を付与せしめ、更に、界面活性剤によるレンズの規格変化の問題等の解消を図るために、如何なる種類の陰イオン性界面活性剤と両性界面活性剤とが組み合わされるべきかについて、何等明らかにされてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−73395号公報
【特許文献2】特開2000−347145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、優れた脂質洗浄力や使用感を維持しつつ、効果的な抗菌性を付与せしめ、更に、界面活性剤によるレンズの規格変化の問題や、界面活性剤のレンズへの残存によるすすぎ性及び毒性に係る問題をも有利に解消し得る、酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そして、本発明は、上記した課題、又は明細書全体の記載から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいても、採用可能である。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びにそこに開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
【0010】
(1) スルホン酸型及び硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩から選ばれた少なくとも1種より構成されるA成分を、0.2重量%以上、1重量%未満の範囲で含有すると共に、アルキルベタイン型及びアミンオキサイド型の両性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種より構成されるB成分を、0.1重量%以上、0.8重量%以下の範囲で含有していることを特徴とする酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(2) 前記A成分と前記B成分とが、重量比にて、1:4〜6:1の割合で含有せしめられている前記態様(1)に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(3) 前記A成分が、α−オレフィンスルホン酸Na、ラウリル硫酸Na、ラウリルスルホ酢酸Na及びPOEラウリルエーテル硫酸Naから選ばれた少なくとも1種にて構成される前記態様(1)又は(2)に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(4) 前記B成分が、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド及びラウリルヒドロキシスルホベタインから選ばれた少なくとも1種にて構成される前記態様(1)乃至(3)の何れか一つに記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(5) キレート化剤を、更に含有する前記態様(1)乃至(4)の何れか一つに記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(6) 前記キレート化剤が、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩から選ばれる前記態様(5)に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(7) 増粘剤を、更に含有する前記態様(1)乃至(6)の何れか一つに記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(8) 前記増粘剤が、セルロース誘導体、グアーガム誘導体、PVP及びPVAから選ばれる前記態様(7)に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(9) 湿潤剤を、更に含有する前記態様(1)乃至(8)の何れか一つに記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(10) 前記湿潤剤が、多価アルコールである前記態様(9)に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(11) 前記洗浄又は保存される酸素透過性ハードコンタクトレンズのDk値が、60以上である前記態様(1)乃至(10)の何れか一つに記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
(12) 前記洗浄又は保存される酸素透過性ハードコンタクトレンズのDk値が、120以上である前記態様(1)乃至(11)の何れか一つに記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【発明の効果】
【0011】
このように、本発明にあっては、酸素透過性ハードコンタクトレンズに用いられる洗浄/保存液として、使用感及びすすぎ性に優れた特定のアニオン性界面活性剤と、抗菌性に優れた特定の両性界面活性剤とを、低濃度において、併用して含有せしめたことにより、優れた脂質洗浄力や擦り洗い時の使用感を維持しつつ、有効な抗菌性を付与せしめ得たのであり、更には、界面活性剤によるレンズの規格変化の問題を解消し、且つすすぎ性を改善することで、水道水の節約と共に、界面活性剤のレンズへの残存による毒性といった問題を有利に解消することが出来ることとなったのである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ところで、かかる本発明において対象とされる酸素透過性ハードコンタクトレンズは、一般に、レンズ材質が酸素(ガス)を拡散する性質を有しているハードコンタクトレンズであって、従来から、RGPコンタクトレンズとして知られている各種のハードコンタクトレンズが、その対象とされることとなる。また、そのような酸素透過性のハードコンタクトレンズは、例えば、特許第4451011号公報等に明らかにされている如き、シリコン含有(メタ)アクリレート系単量体、ポリシロキサン系マクロモノマー、シリコン含有スチレン系単量体の如き、シリコン含有成分等を共重合成分として用いて得られる重合体材料から、形成されているものである。特に、そのような酸素透過性のハードコンタクトレンズの中でも、本発明にあっては、有利には、酸素透過係数(電極法によるDk値)が、60以上、より好ましくは120以上である、高酸素透過性のハードコンタクトレンズが、対象とされることとなる。
【0013】
そして、かくの如き酸素透過性ハードコンタクトレンズが洗浄乃至は保存されることとなる、本発明に従う洗浄/保存液は、特定のアニオン性界面活性剤よりなるA成分と、特定の両性界面活性剤からなるB成分とを、同時に含有するものであるが、それら2つの成分は、一般に、所定の液体媒体中に含有せしめられるものであるところ、そこにおいて用いられる液体媒体としては、水道水や精製水、蒸留水等の、水そのものの他にも、水を主体とする溶液であれば、生体への安全性が高く、且つ眼科的に充分に許容され得る水性媒体である限りにおいて、何れも、利用することが可能である。
【0014】
また、本発明に従う洗浄/保存液に含有せしめられる特定のアニオン性界面活性剤は、スルホン酸型のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩及び硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩であって、それらの中から選ばれた少なくとも1種にて、A成分が構成されることとなる。そして、それらスルホン酸型及び硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤のナトリウム(Na)塩としては、公知の各種のものが適宜に選定されることとなるが、具体的には、スルホン酸型としては、α−オレフィンスルホン酸Na、アルキルベンゼンスルホン酸Na、ラウリルスルホ酢酸Na等のアルキルスルホ酢酸Na等を挙げることが出来、また、硫酸エステル型のものとしては、ラウリル硫酸Na等のアルキル硫酸Na、POE(ポリオキシエチレン)ラウリルエーテル硫酸Naの如きポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸Na、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸Na等を挙げることが出来る。そして、このようなA成分は、合計量において、洗浄/保存液中に、0.2重量%(w/v%、以下同じ)以上、1重量%未満の範囲内で含有せしめ
られることとなる。この含有量が少なくなり過ぎると、本発明の目的が充分に達成され難くなるのであり、一方、その含有量が多くなり過ぎると、レンズの適合性が悪化したり、すすぎ性の改善を図り難くなったりする等の問題が惹起されるようになる。
【0015】
さらに、かかる特定のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩からなるA成分と組み合わされて、本発明に係る優れた効果を奏せしめるB成分たる特定の両性界面活性剤は、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等のアルキルベタイン型や、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド型の両性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種にて構成されることとなる。そして、そのようなB成分は、洗浄/保存液中において、0.1重量%以上、0.8重量%以下の濃度において、含有せしめられるものである。なお、かかるB成分の含有量が少なくなり過ぎると、本発明の目的を充分に達成し難くなるのであり、また、その含有量が多くなり過ぎると、レンズ適合性が低下する等の問題が惹起されるようになる。
【0016】
そして、本発明にあっては、上記した特定のアニオン性界面活性剤のNa塩と特定の両性界面活性剤とは、好ましくは、重量比にて、1:4〜6:1の割合において含有せしめられ、これによって、本発明の特徴がよりよく発揮され得ることとなる。なお、上記のアニオン性界面活性剤のNa塩の使用比率が低くなり過ぎると、使用感やすすぎ性においてより一層有効な向上を図り難くなるのであり、一方両性界面活性剤の使用比率が低くなり過ぎると、抗菌性の向上効果が低下する恐れが生じる。
【0017】
本発明に従う酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液は、上述の如き特定のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩の少なくとも1種(A成分)と、特定の両性界面活性剤の少なくとも1種(B成分)とを、共に含有するものであるが、それらの界面活性剤に加えて、更に、ノニオン性界面活性剤を含有せしめて、洗浄性等の特性の向上を図ることも可能である。なお、そのようなノニオン性界面活性剤は、一般に、0.001〜5重量%程度、好ましくは0.005〜2重量%程度、更に好ましくは0.01〜1重量%程度の濃度において、有利に用いられることとなる。
【0018】
具体的には、そのようなノニオン性界面活性剤としては、生体への安全性が高く、またコンタクトレンズ素材への影響がないものであれば、従来から公知の如何なるものも採用可能であり、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンエチレンジアミン、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレン水素添加ステロール、ポリオキシエチレンラノリンアルコール等を挙げることが出来る。また、それらの中でも、特に、非イオン性界面活性剤として市販されている、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーたるプルロニック、プルロニックR、テトロニック、テトロニックR(以上、独国:BASF社製)、具体的には、ポロクサマー124、ポロクサマー188、ポロクサマー237、ポロクサマー338、ポロクサマー407、テトロニック904、テトロニック908、テトロニック1304、テトロニック1107や、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルたるポリソルベート80等が、有利に用いられることとなる。
【0019】
また、本発明に従う酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液にあっては、上述せる如き界面活性剤の他にも、相溶性や使用感を調整するための湿潤剤として、多価アルコール類等が、レンズ適合性に影響を与えない範囲において、適宜に含有せしめられ得る。
【0020】
多価アルコールとしては、アルキレングリコール又はその誘導体である2価のアルコールや、グリセリン又はその誘導体である2〜3価のアルコールが好適に用いられ、特に、炭素数が2〜8のアルキル基にて構成される主鎖を有する2〜3価のアルコール、具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール又はペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等が好適に用いられ、それらが、単独で、或いは組み合わされて、用いられることとなる。その中でも、グリセリンやプロピレングリコールにあっては、相溶性に優れ、低コストであるため有利である。また、不凍剤としての機能もあるため、低温環境での使用において凍結を防止する効果も得られる。なお、かかる液剤組成物中の多価アルコールの含有濃度は、特に限定されるものではないが、一般に、0.01〜5重量%程度、好ましくは0.1〜3重量%程度、更に好ましくは0.25〜2.5重量%程度の濃度において用いられることとなる。なお、多価アルコールの含有濃度が高過ぎる場合には、レンズ適合性に悪影響を与える恐れがある。
【0021】
加えて、本発明に従う酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液にあっては、更に、その用途等に応じて、キレート化剤、pH調整剤や、緩衝剤、増粘剤、湿潤剤等、従来からの洗浄/保存液に添加、含有せしめられている公知の各種の添加剤が、適宜に含有せしめられていても、何等差支えない。なお、そのような添加剤としては、生体への安全性が高く、またコンタクトレンズの形状又は物性に対する影響のないものであれば、従来から公知のものが、何れも採用可能であり、本発明の作用・効果を損なわない量的範囲内において、適宜に添加、含有せしめられ得る。
【0022】
そこにおいて、キレート化剤は、涙液中のカルシウム等の金属イオンがコンタクトレンズに沈着するのを防ぐために含有せしめられるものであって、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)等のエチレンジアミン四酢酸の塩や、ニトリロ三酢酸及びその塩、ヒドロキシエタンジスルホン酸及びその塩の他、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、及びそれらの塩(例えば、ナトリウム塩)等を挙げることが出来る。また、本発明に従う酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液中におけるキレート化剤の含有濃度は、特に限定されるものではないが、一般に、0.01〜1.0重量%程度の濃度が採用される。なお、かかるキレート化剤の含有濃度が高過ぎる場合には、上記した効果が更に高められるようなことはなく、コスト的に不利となるため望ましくなく、また低過ぎる場合には、上記したような効果が充分に発揮され得ない恐れがあるため、望ましくない。
【0023】
また、本発明に従う酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液にあっては、そのpH値が大きくなり過ぎても、逆に小さくなり過ぎても、皮膚に対して刺激を与えたり、レンズ適合性に悪影響を与える恐れがあるところから、通常、そのpH値が、4.0〜9.0程度となるように、好ましくは6.0〜8.0程度となるように調整されることが望ましく、このため、必要に応じて、適当なpH調整剤や緩衝剤が適宜に添加され得る。
【0024】
なお、そのようなpHの調整のために用いられ得るpH調整剤としては、水酸化ナトリウムや塩酸等を挙げることが出来るが、これに何等限定されるものではない。
【0025】
一方、洗浄/保存液のpHを上記した範囲に有効に保つための緩衝剤としては、本発明においては、特に限定されるものではなく、従来から公知の各種のものの中から、適宜に選択されて、用いられることとなる。具体的には、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、マレイン酸、グルコン酸、リン酸、ホウ酸、オキシカルボン酸や、グリシン、グルタミン酸等のアミノ酸、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)等の酸やその塩(例えば、ナトリウム塩等)、タウリンやその誘導体を含むGood−Buffer、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−tris)等のヒドロキシアルキルアミン等が、眼や皮膚に対して安全であり且つコンタクトレンズへの影響が少ないという理由から、有利に用いられ、特に、クエン酸及びその塩、リン酸、ホウ酸、Good−Buffer、ヒドロキシアルキルアミン等が、より有利に採用され得る。なお、本発明に従う酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液中における緩衝剤の含有濃度は、特に限定されるものではないものの、一般に、0.01〜2w/w%程度とされる。かかる緩衝剤の含有濃度が高過ぎる場合には、必要以上に緩衝能力が高くなるだけでなく、眼や皮膚への刺激等が惹起される恐れがある等、安全性の面でも望ましくなく、一方、かかる緩衝剤の含有濃度が低過ぎる場合には、目的とする緩衝能力が充分に発揮され得ない恐れがあるため望ましくない。
【0026】
また、本発明において用いられ得る増粘剤としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ−N−ビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等の合成有機高分子化合物や、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース誘導体、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシエチルスターチ等の、スターチ誘導体、グアーガム誘導体、コンドロイチン硫酸塩、ヒアルロン酸塩等が挙げられる。その中でも、コンタクトレンズ用液剤の配合成分として使用実績が多く、またコンタクトレンズに付着した脂質の除去効果が期待され得る等の理由から、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、特に有利に用いられ得る。このような増粘剤によって、目的とする洗浄/保存液の粘度調整が有利に行なわれ得ることとなるのであり、以て、かかる増粘剤を含有する洗浄/保存液にて処理されるレンズの保湿性や湿潤性が更に有利に高められて、より一層優れた装用感が与えられ得ることとなるのである。なお、本発明に従う洗浄/保存液中における増粘剤の含有濃度としては、特に限定されるものではないが、一般に0.01〜5.0w/w%程度、好ましくは0.05〜3.0w/w%程度の濃度とされる。この増粘剤の含有濃度が高過ぎる場合には、最終的に得られる洗浄/保存液の粘度が高くなり過ぎて、取扱い性等が悪化せしめられる恐れがあるため望ましくなく、一方、かかる増粘剤の含有濃度が低過ぎる場合には、充分な増粘効果が得られない恐れがあるため、望ましくない。
【0027】
なお、上述の如き各成分を含有せしめてなる、本発明に従う酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液を調製するにあたっては、何等特殊な方法を必要とせず、通常の水溶液を調製する場合と同様に、精製水や蒸留水等の水性媒体中に各成分を順不同に溶解せしめることで良く、それによって、容易に得ることが出来るのである。
【0028】
そして、そのようにして得られた本発明に従う洗浄/保存液は、装用後の酸素透過性ハードコンタクトレンズに対する洗浄液や保存液として、更には、洗浄・保存液として、かかる酸素透過性ハードコンタクトレンズを浸漬せしめる等することによって、洗浄/保存処理が施されることとなるのであるが、そこには、本発明に従って、前記した特定のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩と両性界面活性剤とが組み合わせて含有せしめられていることによって、優れたレンズ適合性、すすぎ性、脂質洗浄力、使用感、抗菌性が、効果的に発揮されることとなるのである。即ち、高酸素透過性ハードコンタクトレンズへのレンズ適合性が効果的に高められ得ると共に、低い細胞毒性を示し、またアニオン性界面活性剤の結晶析出の問題の改善を図り、且つ高い洗浄効果及び抗菌効果を有するものとなり、更に水道水ですすぐ際のすすぎ性が改善されているため、すすぎ時間が短縮されて、水道水の使用量が半分以下にまで削減することが可能となったのである。
【実施例】
【0029】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0030】
<各種供試液の調製>
先ず、精製水に対して、所定の配合成分を、下記表1〜表4に示される各種割合において、それぞれ添加して、溶解せしめることにより、実験例1〜24において用いられる各種の供試液を、洗浄/保存液として調製した。なお、表中のEDTAはエチレンジアミン四酢酸、HPMCはヒドロキシプロピルメチルセルロース、PGはプロピレングリコールをそれぞれ示す。
【0031】
<脂質洗浄試験>
500mL容量のバイアル瓶に、油脂(トリグリセリド)の99.000部(重量基準、以下同じ)及び色素(Sudan I 、最大吸収波長:485.5nm)の1.000部を秤り取り、約60℃の温度の温水槽に浸して、加熱融解せしめ、そして、マグネティックスターラーを用いて、トリグリセリドと色素とを均一に混和し、着色油脂を作製した。次いで、かかる着色油脂の3部を、100mL容量のバイアル瓶の底に載置し、室温で静置して、固化させた。かかる着色油脂が固化した後、ホールピペットを用いて、各供試液の30mLを加え、25.0℃の水浴中において、3時間静置した。この静置の後、上清を0.45μmのディスポーザブルフィルタでろ過し、得られたろ液の485.5nmにおける吸光度を、各供試液をブランクとして測定した。そして、その得られた吸光度を、以下の基準に基づいて評価し、その結果を、下記表1〜表4に示した。
○:吸光度0.5以上
△:吸光度0.25以上0.5未満
×:吸光度0.25未満
【0032】
<抗菌試験>
「第15改正日本薬局方 参考情報28.保存効力試験」を参考にして、抗菌試験を行なった。先ず、供試菌には、眼科領域での感染症が特に問題となる緑膿菌(Psudomonas aeruginosa)及び黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)を用いて、各種供試液中に、1mL当たり105 〜106 個となるように接種して、22℃で24時間の培養を行なった。そして、その培養後の生菌数を測定し、接種菌数に対する培養後の生菌数から、菌の対数減少値を算出し、以下の基準に基づいて評価した。その結果を、表1〜表4に併せて示す。
○:2種の供試菌について何れも対数減少値が3.0以上
×:2種の供試菌の何れか若しくは両方の対数減少値が3.0未満
【0033】
<結晶析出試験>
100mL容量のバイアル瓶に、それぞれの供試液の80mLを収容し、−20℃の温度で12時間の凍結処理と、室温での12時間の融解処理を、1サイクルとして、その10サイクルを繰り返し実施した後の供試液の状態を観察し、結晶の析出が認められない場合を○、結晶の析出が認められた場合を×として、その結果を、下記表1〜表4に併せ示した。
【0034】
<細胞毒性試験>
各供試液の2mLに4時間浸漬することを1サイクルとして、市販の酸素透過性ハードコンタクトレンズ:メニコンZ(Dk値:64、株式会社メニコン製)に対して、30サイクル処理を施した後、25mLの生理食塩水にて、攪拌洗浄を3回行なって、それぞれの供試液に対する試験レンズを得た。次いで、この試験レンズを、「生物学的安全性試験の基本的考え方に関する参考資料について(事務連絡 医療機器審査No.36、平成15年3月19日)」の別添「医療機器の生物学的安全性評価のための試験法について」記載の直接接触法を参考にして、細胞毒性試験を行なった。具体的には、先ず、細胞培養用24穴プレートに、新鮮培地(5vol%牛胎仔血清添加MEM液)を注入し、そこに、ウェル当たりの細胞数が50個となるように、V79細胞(チャイニーズハムスター肺由来繊維芽細胞)を播種した。次いで、炭酸ガスインキュベータ内で4時間保存した後、試験試料をウェルに浸漬し、炭酸ガスインキュベータ内で7日間培養した。この培養の後、得られた培養液及び供試液を除去し、エタノール固定(5分間)及びギムザ染色(30分間)を実施し、その後、水道水で洗浄し、更に風乾して観察した。評価の基準は、○:レンズとの接触部にコロニーが形成されていた、×:レンズとの接触部にコロニーが形成されていなかったことを採用して、その結果を、下記表1〜表4に併せ示した。
【0035】
<使用感テスト>
市販の酸素透過性ハードコンタクトレンズ:メニコンZを用い、それを、水道水ですすぎ、風乾したものを、試験レンズとした。そして、この試験レンズの一枚に、各供試液の50μLを滴下して、30秒の間、擦り洗いを行ない、その擦り洗い時のすべり性について、○:レンズのすべりが良好で、ベタツキも無いもの、×:レンズのすべり性が不良又は/及びベタツキがあるものとする基準において、評価した。また、擦り洗い後の試験レンズを水道水で10秒間すすぎ、そのすすぎ性を比較し、レンズ及び手指にヌルツキ感がないものを○、レンズ又は/及び手指にヌルツキ感があるものを×として、評価した。
【0036】
そして、かかる2つの評価に基づき、総合的に、以下の基準にて、各供試液についての使用感を判定し、その結果を、下記表1〜表4に示した。
○:すべり性、すすぎ性の何れも○
△:すべり性、すすぎ性の何れかが○
×:すべり性、すすぎ性の何れもが×
【0037】
<レンズ適合性試験>
この試験は、「ISO10338:1996(E)Optics and optical instruments-Contact lenses-Determination of curvature」を参考に、曲率半径を測定することにより行なった。具体的には、先ず、サイクル処理前の曲率半径を測定した市販の酸素透過性ハードコンタクトレンズ:メニコンZ(レンズ度数:−3D、−7D)について、それを、2mLの各供試液に浸漬することを1サイクルとして、30サイクル実施し、その30サイクル処理後のレンズの曲率半径を測定した。そして、かかる30サイクル処理前後の曲率半径の差を算出し、以下の基準にて評価し、その結果を、下記表1〜表4に併せ示した。
○:変化量が0.05mm未満
△:変化量が0.05mm以上0.07mm未満
×:変化量が0.07mm以上
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【0041】
【表4】

【0042】
かかる表1〜表4の結果より明らかな如く、本発明に従う洗浄/保存液を用いた実験例1〜実験例12においては、何れも、脂質洗浄効果、抗菌効果、結晶析出性、細胞毒性、使用感及びレンズ適合性の何れにおいても、優れたものであることが認められた。
【0043】
これに対して、A成分が単独で含有され、B成分を含有していない供試液を用いた実験例13においては、脂質洗浄効果や抗菌効果、更には結晶析出性において、劣るものとなり、一方、A成分は含有せず、B成分のみを含有せしめた供試液を用いた実験例14においては、細胞毒性や使用感に劣るものであることが、明らかとなった。また、A成分の含有量が少ない場合(実験例15)や、A成分以外のアニオン性界面活性剤を用いた場合(実験例22)においては、使用感に劣るものとなり、そして、A成分の含有量が多くなったり(実験例16,17)、B成分の含有量が多くなったり(実験例19,20)すると、レンズ適合性が悪化することも認められる。更に、B成分の含有量が少なくなると(実験例18,21)、抗菌効果や結晶析出性が悪化するようになるのであり、また、本発明で規定するB成分以外の両性界面活性剤を用いた場合(実験例23,24)においては、充分な抗菌効果を発揮することが出来ないものとなるのである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルホン酸型及び硫酸エステル型のアニオン性界面活性剤のナトリウム塩から選ばれた少なくとも1種より構成されるA成分を、0.2重量%以上、1重量%未満の範囲で含有すると共に、アルキルベタイン型及びアミンオキサイド型の両性界面活性剤から選ばれた少なくとも1種より構成されるB成分を、0.1重量%以上、0.8重量%以下の範囲で含有していることを特徴とする酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項2】
前記A成分と前記B成分とが、重量比にて、1:4〜6:1の割合で含有せしめられている請求項1に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項3】
前記A成分が、α−オレフィンスルホン酸Na、ラウリル硫酸Na、ラウリルスルホ酢酸Na及びPOEラウリルエーテル硫酸Naから選ばれた少なくとも1種にて構成される請求項1又は請求項2に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項4】
前記B成分が、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド及びラウリルヒドロキシスルホベタインから選ばれた少なくとも1種にて構成される請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項5】
キレート化剤を、更に含有する請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項6】
前記キレート化剤が、エチレンジアミン四酢酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸及びその塩から選ばれる請求項5に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項7】
増粘剤を、更に含有する請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項8】
前記増粘剤が、セルロース誘導体、グアーガム誘導体、PVP及びPVAから選ばれる請求項7に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項9】
湿潤剤を、更に含有する請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項10】
前記湿潤剤が、多価アルコールである請求項9に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項11】
前記洗浄又は保存される酸素透過性ハードコンタクトレンズのDk値が、60以上である請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。
【請求項12】
前記洗浄又は保存される酸素透過性ハードコンタクトレンズのDk値が、120以上である請求項1乃至請求項11の何れか1項に記載の酸素透過性ハードコンタクトレンズ用洗浄/保存液。


【公開番号】特開2011−246535(P2011−246535A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119012(P2010−119012)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000138082)株式会社メニコン (150)
【Fターム(参考)】