説明

重合可能反応性官能基を含む重合可能ポリマーの反応性溶液、その方法および組成物

本明細書では、重合可能反応性官能基を含む重合可能ポリマーの反応性溶液の製造方法を開示する。一手法では、(i)N‐ビニルアミドモノマーと、(ii)2官能モノマーと、(iii)重合可能モノマー溶媒とを含む重合可能ポリマーを開示する。別の手法では、(i)N‐ビニルアミドモノマーおよびグラフトに適したコモノマーから作製されるベースポリマーと、(ii)グラフト官能モノマーと、(iii)重合用媒体となり得る重合可能モノマー溶媒とを含む重合可能ポリマーを開示する。また、重合可能ポリマーの反応性溶液を含む組成物およびその様々な可能な用途も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合可能反応性官能基を含む重合可能ポリマーの反応性溶液およびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、更なる重合用の少なくとも1つの重合可能官能基を含むN‐ビニルアミドモノマーのコポリマーに関する。また、重合可能ポリマーの反応性溶液を含む組成物およびその用途も開示する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー材料を利用する多くの用途において、ポリマーの架橋は商業的に実現可能な多くの製品を製造する上で極めて重要且つ必要な工程である。従来、ポリマー架橋手法の1つは、一般に「架橋剤」と呼ばれる化学成分を導入することであった。架橋剤の典型例は、メラミン、ホルムアルデヒド、クロム酸塩、多官能シラン、ジルコン酸塩、ホウ酸塩、多官能酸および多官能アミンである。
【0003】
最近では、架橋剤の追加を必要としないポリマーが開発されている。これらポリマーの多くは、グリシジルまたはアミン官能基を利用してポリマーがそれ自身または他の官能性材料に共有結合を形成することを可能にしている。この手法の利点は、架橋反応が単純で、また生成した製品が商業的に実現可能なポリマー材料であるからである。例えば、N‐ビニルピロリドン(VPまたはHPVP)やN‐ビニルカプロラクタム(VCL)のようなN‐ビニルアミドの架橋ポリマーは、グリシジルメタクリレート(GMA)官能基の付加により作製することができる(BS.R Reddy et.al, Journal of Applied Polymer Science, Vol. 43, 251-258 (1991)、およびS.A. Sukhishvili et.al., Journal of Polymer Science: Part A - Polymer Chemistry Vol. 44, 183-191 (2006)参照)。
【0004】
また、Diamond Shamrock社を譲受人とする欧州特許第0103184号には、GMA(50%)、VP(40%)およびヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)(10%)からなるヒドロゲルターポリマーが開示されている。BASF社を譲受人とする米国特許出願公開第2007/0056900号には、60〜99重量%の少なくとも1つのN‐ビニルアミド(VPまたはVCL)と、1〜40重量%の例えばGMA、HEMA、アミノスチレン化合物およびイミダゾールから選択した少なくとも1つのモノマーとから構成されるポリマーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第0103184号
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0056900号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】BS.R Reddy et.al, Journal of Applied Polymer Science, Vol. 43, 251-258 (1991)
【非特許文献2】S.A. Sukhishvili et.al., Journal of Polymer Science: Part A - Polymer Chemistry Vol. 44, 183-191 (2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
架橋ポリマー材料の多様な用途を考えると、架橋性ポリマーの必要性があるので、本発明は重合可能官能基を含むポリマーを対象としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主要な一態様では、(a)少なくとも1つのビニルアミドモノマーと、(b)構造[Q―R―E](式中のQはオキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリンまたはベンゾオキサジン部分であり、Eはアルケンまたは炭素‐炭素二重結合を含む重合可能官能基であり、Rはヘテロ原子を随意に含む脂肪族または芳香族部分である)を有する少なくとも1つの2官能モノマーと、(c)所望の重合可能ポリマー溶液を得るための少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒とを含む重合可能ポリマーの反応性溶液の製造方法を提供する。
【0009】
本発明の別の態様は、(a)少なくとも1つのN‐ビニルアミドモノマーと、モノマーのグラフトに適した反応性官能基を有するペンダント化学部分を含む少なくとも1つのコモノマーとから形成したベースポリマーと、(b)構造[X―Y―Z](式中のXは―COOH、―OH、―NH、―SH、―C≡N、―N=C=O、Cl、Br、エポキシ、オキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリンまたはベンゾオキサジン部分であり、Zはアルケンまたは炭素‐炭素二重結合を含む重合可能な官能基であり、Yはヘテロ原子を随意に含む脂肪族または芳香族部分である)を有する少なくとも1つのグラフト官能モノマーと、(c)重合可能ポリマー溶液を得るための少なくとも1つの重合可能なモノマー溶媒とを含む重合可能ポリマーの反応性溶液の製造方法である。
【0010】
更に、グラフトは、グラフト官能モノマーをベースポリマーのペンダント化学部分の反応性官能基と反応または縮合させることによって達成される。
【発明を実施するための形態】
【0011】
「a」、「an」および「the」で表現した単数形の名詞は、単数形であることが文脈上明らかである場合、またはその名詞に言及した文脈で複数形の意味が含まれないことを明示した場合を除いて、複数形の意味も含むものとする。「備える(Comprising)」および「構成される(Comprises of)」という表現を使用したクレームは、「本質的に〜からなる(Consisting essentially of)」や「〜からなる(Consisting of)」という表現を使用したより限定的なクレームを包含するものとする。
【0012】
本明細書で使用する「架橋/架橋された」という用語は、架橋が共有結合によって達成されるものであれ非共有結合によって達成されるものであれ、分子内架橋および/または分子間架橋を含む構成を指す。「非共有」結合は水素結合と静電(イオン)結合の両方を含む。
【0013】
「約」という用語は、指定された値の10%の差を示す可能性がある。本明細書で使用する数値範囲は、その数または数の部分集合が具体的に開示されているかどうかを問わず、その範囲に含まれるすべての数およびすべての数の部分集合を含むものとする。特に明記しない限り、本明細書で使用するすべてのパーセント、部、割合および比は全組成の重量による。
【0014】
本明細書および添付の特許請求の範囲の全体で使用する「硬化」という用語は、硬化可能な適切なエネルギー源に曝すことにより液体を固体に変換するプロセスを指す。生成する硬化生成物は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により求められるような分子量を示すことができない。
【0015】
「重合可能官能基」という用語は、限定しないが、アルキレン、アルケン、アクリレートおよびメタクリレートならびにエポキシ基を含む群から選択される重合可能なペンダント基を指す。「反応性官能基」という用語は、別の基若しくは合成官能基または結合手と縮合または反応するのに適した結合手を備える官能基または合成ハンドルを指す。本明細書において、重合可能官能基は反応性官能基の部分集合である。
【0016】
本発明の一実施形態は、[a](i)少なくとも1つのビニルアミドモノマーおよび(ii)構造[Q―R―E](式中のQはオキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリンまたはベンゾオキサジン部分であり、Eはアルケンまたは炭素‐炭素二重結合を含む重合可能官能基であり、Rはヘテロ原子を随意に含む脂肪族または芳香族部分である)を有する少なくとも1つの2官能モノマーと、[b]所望の重合可能ポリマーの反応性溶液を得るための少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒とを含む重合可能ポリマーの反応性溶液の製造方法である。
【0017】
本発明の別の実施形態は、[a](i)少なくとも1つのN‐ビニルアミドモノマーと、反応性官能基を含むグラフトに適したペンダント化学部分を含む少なくとも1つのコモノマーとから形成したベースポリマーおよび(ii)代表的な構造[X―Y―Z](式中のXは―COOH、―OH、―NH、ニトリル、チオール、エポキシ、オキシラン、オキセタン、アジリジン、イソシアン酸塩、塩素、臭素、オキサゾリンまたはベンゾオキサジン部分であり、Zはアルケンまたは炭素‐炭素二重結合を含む重合可能な官能基であり、Yはヘテロ原子を随意に含む脂肪族または芳香族部分である)を有する少なくとも1つのグラフト官能モノマーと、[b]所望の反応性溶液を得るための少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒とを含む少なくとも1つの重合可能ポリマーの反応性溶液である。グラフトは、グラフト官能モノマーをベースポリマーに付加することにより達成され、重合可能である。本明細書で使用する「ビニルアミドモノマー」または「ビニル由来モノマー」という用語は、任意適切に選択したコモノマーと反応または架橋して、水素結合、イオン結合および/または共有結合によってポリマーを得ることが可能なN‐ビニルラクタムモノマー、カルボキシビニルモノマー、ビニルエステルモノマー、カルボキシビニルモノマーのエステル、ビニルアミドモノマーおよび/若しくはヒドロキシビニルモノマーのようなモノマーを指す。より詳細には、ビニル由来モノマーが特に選択され、限定しないが、N‐ビニルピロリドン、N‐ビニルバレロラクタム、N‐ビニルカプロラクタム、N‐ビニルホルムアミド、N‐ビニルカルバゾール単独またはこれらの適切な組合せを含む。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、重合可能ポリマーは、重合可能ポリマーを含む反応性溶液を製造するために、ある手法では2官能モノマーから、また別の手法ではグラフト官能モノマーから構成され、下記の代表的な一般構造によって更に詳述される。
[Q―R―E]または[X―Y―Z]
【0019】
式中のQまたはXは、下記式(I)、(II)または(III)によって表される環状エーテルまたは環状アミン部分を有する3個以上の炭素原子を含む。RおよびRはH、アルキルまたはアリールである。
【0020】
【化1】

【0021】
特定の一実施形態において、式(I)に含まれる環の一部としてエーテルまたはアミンを有する3個以上の炭素原子を含有する環状アルキレン基化合物は、炭素原子数3〜9の環状エーテルまたは環状アミン、より詳細には炭素原子数3〜4の環状エーテルまたは環状アミンとすることができる。特に、本発明の観点では、式(I)で定義した環状エーテルまたは環状アミンは、下記の環状エーテルまたはアミンを含むのが好ましい。
【0022】
【化2】

【0023】
式(II)によれば、その構造の一部としてNおよびOヘテロ原子を有する特定の複素環式化合物は、オキサゾリンの下記の非限定的な異性体およびその誘導体を含み、ここでRはそれぞれ独立してH若しくはアルキルまたはアリールを表す。
【0024】
【化3】

【0025】
式(III)によれば、その構造の一部としてNおよびOヘテロ原子を有する特定の複素環式化合物は、ベンゾオキサジンの下記の非限定的な異性体およびその誘導化合物を含む。
【0026】
【化4】

【0027】
上述した置換基に加えて、Xは―COOH、―OH、―NH、―SH、―C≡N、―N=C=O、Cl、Brまたはエポキシとすることができ、ここで2官能モノマー(Q―R―E)のRおよびグラフト官能モノマー[X―Y―Z]のYは、ヘテロ原子を随意に含む脂肪核または芳香核(例えば2価核)である。更に、本明細書で使用するアルキルという用語は、限定しないが、炭素原子数1〜16(好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4)のアルキル基を含む。具体的には、アルキル基はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基若しくは長鎖アルキル等を含む。同様に、本明細書に記載するアリール基は、炭素原子数6〜12(好ましくは6〜12、より好ましくは6〜8)のアリール基を含む。具体的には、アリール基はフェニル基、ビフェニル基およびベンジル基を含み、好ましくはフェニル基、ベンジル基等に由来する。
【0028】
反応性溶液の2官能モノマー[Q―R―E]またはグラフト官能モノマー[X―Y―Z]の部分構造について、EまたはZは炭素‐炭素二重結合(―C=C―)を備える重合可能官能基である。
【0029】
一実施形態において、2官能モノマーを含む重合可能ポリマーは、適切な技術的支援で硬化後に様々な用途に適した重合可能ポリマーを含む反応性溶液を得るように選択したモノマーで適当にグラフトし得る反応性官能基を有するペンダント化学部分を付加的に含む。また、重合可能ポリマーの反応性溶液は、グラフトにより重合可能ポリマーに組み込まれる重合可能官能基を更に含み、ここで少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒の追加前後にグラフトに必要なモノマーを重合可能ポリマーに付加または縮合する。
【0030】
「グラフト」という用語は、特定の重合可能官能基を化学的に連結することにより該官能基の既存のベースポリマーへの一体化を指す。本明細書でグラフトに用いるモノマーを「グラフトモノマー」と称する。グラフトモノマーは、メタクリル酸およびメタクリルアミドのアルキルアミノ誘導体、酸無水物、不飽和脂肪酸、ビニル誘導体、シラン、オキシラン系グリシジルエーテル、エポキシド、アクリル酸無水物、オキサゾリン誘導体、ベンゾオキサジン誘導体、メタクリレートのアジリジン誘導体、メタクリレートのイソシアノ誘導体および様々なアリル化合物のような非限定的な化合物群から選択される。より詳細には、グラフトモノマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、マレイン酸無水物、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルイミダゾール、4‐ビニルアニリン、トリメチルビニルシラン、クロトン酸、ビニルスルホン、アリルグリシジルエーテル([(2‐プロペニルオキシ)メチル]‐オキシラン)、ブタジエンモノオキシド、2‐(1‐アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4‐ビニル‐1‐シクロヘキセン‐1,2‐エポキシド、2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン、2‐イソシアネートエチルメタクリレート、1,3‐ジアリル‐5‐グリシジルイソシヌレート、tert‐ブチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルN‐(3‐イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3‐N‐(6‐プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、エピクロロヒドリン、2‐(3‐メチル‐3‐オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテル、アリルアルコール、アリルオキシエタノール、アリルオキシメタノール、アリル尿素、アリルアミド、グリシジルアクリレート、例えばグリシジルメタクリレートおよび/またはビニルスルホン酸からなる群から選択される。「グリシジルアクリレート」とは、グリシジル官能基と一体化したアルキルアクリレートモノマーを指し、好ましいアルキル基はC〜C12炭素原子の鎖長を有し、所望の組成物を得るための当業者の要件に従って操作可能である。重合可能ポリマーを含む反応性溶液を製造するのに用いる例示的なアルキルアクリレートモノマーとしては、限定しないが、グリシジルメタクリレート、グリシジルエタクリレート、グリシジルブチルアクリレートおよび/またはグリシジルドデシルアクリレートが挙げられる。
【0031】
エポキシ由来化合物は、本発明の上記実施形態におけるグラフトの目的にしばしば使用され、この場合エポキシ化合物が芳香族エポキシド、脂環式エポキシド等の群から選択される。脂環式エポキシド化合物は、シクロヘキセンまたはシクロペンテンのような少なくとも1つのシクロアルカン環を有する化合物を過酸化水素や過酸のような酸化剤でエポキシ化することによって得たシクロヘキセンオキシドまたはシクロペンテンオキシドを含む。一方、芳香族エポキシドは、少なくとも1つの芳香環を有する多価フェノールまたはそのアルキレンオキシド付加物をエピクロロヒドリンと反応させることによって調製したジ‐またはポリ‐グリシジルエーテル、例えばビスフェノールAのジ‐またはポリ‐グリシジルエーテルであることが好ましい。
【0032】
また、本発明におけるグラフトの目的に用いる単官能および多官能エポキシ化合物について以下詳述する。
【0033】
単官能エポキシ化合物の非限定的な例としては、フェニルグリシジルエーテル、p‐tert‐ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2‐エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2‐ブチレンオキシド、1,3‐ブタジエンモノオキシド、1,2‐エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2‐エポキシデカン、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、3‐メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキシド、3‐アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキシド、3‐ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられる。
【0034】
多官能エポキシ化合物の非限定的な例としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3’,4’‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2‐(3,4‐エポキシシクロヘキシル‐5,5‐スピロ‐3,4‐エポキシ)シクロヘキサン‐メタ‐ジオキサン、ビス(3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキシド、4‐ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4‐エポキシ‐6‐メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4‐エポキシ‐6‐メチルシクロヘキシル‐3’,4’‐エポキシ‐6’‐メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレン‐ビス(3,4‐エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレングリコールジ(3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロジオクチルフタレート、エポキシヘキサヒドロジ‐2‐エチルヘキシルフタレート、1,4‐ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6‐ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,1,3‐テトラデカジエンジオキシド、リモネンジオキシド、1,2,7,8‐ジエポキシオクタン、1,2,5,6‐ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、反応性溶液の重合可能ポリマーは粉末であり、溶液を形成し得る少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒を利用することによって可溶化される。ここで、重合可能モノマー溶媒は、下記の非限定的な化合物群、すなわちビニルアミドモノマー;オキセタン;エポキシ;グリシジルエーテル;およびヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルキル、ネオペンチル、アリール、アミノ、ジオール、グリコール、アルケングリコール、ポリエチレングリコールまたはエステルから選択した官能基の1つ以上を有する種々のモノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサアクリル酸およびメタクリル酸誘導体から選択される。
【0036】
より詳細には、生成した重合可能ポリマーを溶媒和するための重合可能モノマー溶媒は、限定しないが、N‐ビニル‐2‐ピロリドン(VP)、N‐ビニルカプロラクタム(VCap)、N‐ビニルイミダゾール(VI)、2‐ヒドロキシメチルメタクリレート(HEMA)、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEA)、4‐ヒドロキシブチルアクリレート、2‐フェノキシエチルアクリレート(PHEA)、2‐(2‐エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOEA)、ラウリルアクリレート(LA)、ステアリルアクリレート(SA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、アクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、アクリロイルモルホリン(ACMO)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CTFA)、[3‐(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロライド(MAPTAC)、(3‐アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロライド(APTAC)、2‐フェノキシエチルアクリレート(PHEA)、C8‐C10アクリレート(ODA)、イソデシルアクリレート(ISODA)、ラウリルメタクリレート(LM)、ステアリルメタクリレート(SM)、2,2,2‐トリフルオロエチルメタクリレート、2‐アクリルアミド‐2‐メチル‐1‐プロパンスルホン酸、2‐アクリルアミド‐2‐メチル‐1‐プロパンスルホン酸ナトリウム塩、[2‐(メタアクリロイルオキシ)エチル]ジメチル‐(3‐スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド、[3‐(メタクリロイルアミノ)プロピル]ジメチル(3‐スルホプロピル)アンモニウムヒドロキシド分子内塩、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、1,4‐ブタンジオールジアクリレート(BDDA)、1,9‐ノナンジオールジアクリレート(NNDA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPG2PODA)、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(PEG(200)DA)、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート(PEG(400)DA)、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート(PEG(600)DA)、エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート(BPA2EODA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、グリセロールプロポキシル化トリアクリレート(GPTA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート(BPA10EODMA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)、エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、プロポキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3POTA)、プロポキシル化グリセリルトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート(TMPTMA)、エトキシル化トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP3EOTMA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3‐エチル‐3‐((エチルオキセタン‐3‐イル)メトキシ)メチル)オキセタン、イソシアネート官能不飽和アクリル酸エステル樹脂、ウレタンジアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、1,4‐ブタン‐ジオール‐モノアクリレートおよび/または1,4‐ブタンジオールのジグリシジルエーテルを含む群から選択される。本発明ではモノマーの混合物も想定される。
【0037】
本発明は、従来技術で当業者に既知または研究中の任意適切な方法により行う重合可能ポリマーの硬化または架橋または重合に関する。特に、重合可能ポリマーを含む反応性溶液の重合は、内容全体を本明細書に参照して援用したGeorge Odian著"Principles of Polymerization" 4th edition, 2004, Wileyに開示されるいずれかの方法を利用することによって実行する。本発明によるポリマーの重合に用いる好ましい技術または方法は、UV放射、UV‐LED、レーザービーム、電子ビーム、γ線放射、フリーラジカル、陽イオン、陰イオン、熱、eビームへの曝露および/または重合の開始に適した光開始剤の存在下で高エネルギー源の利用を含む。適当な放射源としては、限定しないが、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、ハロゲンアークランプ、カーボンアークランプ、日光および放射能源が挙げられる。
【0038】
照射により重合を誘起するためには、追加後高い貯蔵安定性を有する適当な光開始剤が重合反応系を開始するためにしばしば組み込まれる。好ましい光開始剤は、下記の非限定的な化合物群または化合物クラス、すなわち2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよび2‐メチル‐1‐[4‐(メチルチオ)フェニル]‐2‐モルホリノプロパン‐1‐オン;ベンジルジメチルケタールのようなベンゾイン類;ベンゾフェノン、4‐フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン類;イソプロピルチオキサントンおよび2,4‐ジエチルチオキサントンのようなチオキサントン類;アシルホスフィンオキシド類;およびメチルフェニルグリオキシレートのような他の特殊な開始剤;ビス[4‐(ジ(4‐(2‐ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)フェニルスルフィド]、ビス[4‐(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビス(ヘキサフルオロアンチモネート)とジフェニル‐4‐チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートの混合物、ビス[4‐(ジ(4‐(2‐ヒドロキシエチル)フェニル)スルホニオ)フェニルスルフィド]、5‐2,4‐シクロペンタジエン‐1‐イル‐[(1,2,3,4,5,6‐η)‐(1‐メチルエチル‐)ベンゼン]‐鉄(1+)‐ヘキサフルオロホスフェート(1−))、4‐(2‐ヒドロキシテトラデカニルオキシ)ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4‐ヒドロキシナフチル)ジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4‐メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4‐メトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、(ビス(4‐tert‐ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート)、(ビス(4‐tert‐フェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート)、(ビス[4‐(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビス(ヘキサフルオロホスフェート))、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、トリアリールスルホキソニウム塩、アリールオキシジアリールスルホニウム塩等、例えばトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、(4‐オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4‐オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、(4‐デシルオキシフェニル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモナイト、(4‐ドデシルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等から選択される。特に、利用する光開始剤としては、10‐ビフェニル‐4‐イル‐2‐イソプロピル‐9H‐チオキサンテン‐10‐イウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’‐ジメチルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩およびポリオールと10‐(2‐カルボキシメトキシ)‐ビフェニル‐4‐イル‐2‐イソプロピル‐9‐オキソ‐9H‐チオキサンテン‐10‐イウムヘキサフルオロホスフェートの反応生成物が挙げられる。更に、これら光開始剤はそれぞれ単独または組み合わせて使用される。或いはまた、必要に応じて、光開始剤を安息香酸(例えば4‐ジメチルアミノ安息香酸)や第三級アミンのような1つ以上の光重合促進剤と任意の適切な比率で混合して使用することができる。光開始剤を光重合性組成物に約0.1wt%〜約20wt%の範囲で追加するのが好ましい。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、重合可能ポリマーは、フリーラジカル開始剤の存在下でフリーラジカル重合によって生成される。ここで企図される重合用フリーラジカル開始剤としては、それだけに限らないが、ペルオキシド、ペルエステルおよび/またはアゾ化合物の種々の誘導体が挙げられる。より詳細には、ジクミルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、2‐ブタノンペルオキシド、tert‐ブチルペルベンゾエート、ジ‐tert‐ブチルペルオキシド、2,5‐ビス(tert‐ブチルペルオキシ)‐2,5‐ジメチルヘキサン、ビス(tert‐ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、tert‐ブチルヒドロペルオキシド、ジアシルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシド、モノペルオキシカーボネート、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステルおよびペルオキシケタールからなる群から選択され、例えば、第三級ブチルペルベンゾエート、ジアリルフタレートの第三級ブチルペルオクトエート、ジメチルフタレートのジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、1‐ヒドロキシシクロヘキシル‐1‐フェニルケトン、ビス(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィン、ベンゾインエチルエーテル、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、ジブチルフタレートのジ(p‐クロロベンゾイル)ペルオキシド、ジブチルフタレートを有するジ(2,4‐ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジブチルフタレートのシクロヘキサノンペルオキシド、3,5‐ジヒドロキシ‐3,4‐ジメチル‐1,2‐ジオキサシクロペンタン、t‐ブチルペルオキシ(2‐エチルヘキサノエート)、カプリリルペルオキシド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルヒドロペルオキシド‐1、t‐ブチルペルオキシ(2‐エチルブチレート)、2,5‐ジメチル‐2,5‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)ヘキサン、クミルヒドロペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、t‐ブチルヒドロペルオキシド、ジ‐t‐ブチルペルオキシド、3,5‐ジヒドロキシ‐3,5‐ジメチル‐1,2‐オキサシクロペンタン、1,1‐ビス(t‐ブチルペルオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロヘキサンおよびジ‐(4‐t‐ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートや、アゾビスイソブチロニトリルおよびアゾビスシクロヘキサンニトリルのようなアゾ化合物(例えば、2,2’‐アゾビス(2‐メチル‐プロパンニトリル)、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブタンニトリル)および1,1’‐アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))や、これらの混合物および組合せが挙げられる。或いはまた、上記のフリーラジカル開始剤はすべて単独または適切な混合物の形で熱ベースの重合に使用可能であり、ここで重合反応は熱エネルギーを介して開始される。ポリマーの重合に用いる特定の熱開始剤としては、2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルペンタンニトリル)、2,2’‐アゾビス(2‐メチルプロパンニトリル)、2,2’‐アゾビス(2‐メチルブタンニトリル)、ベンゾイルペルオキシドのようなペルオキシド等が挙げられる。熱開始剤は2,2’‐アゾビス(イソブチロニトリル)であるのが好ましい。
【0040】
重合可能ポリマーを含む反応性溶液を製造する方法は、(a)重合可能ポリマーを低沸点溶媒中で生成するステップと、(b)低沸点溶媒を大気圧または減圧下で除去するステップと、(c)少なくとも1つのより高い沸点の溶媒を補充するステップとを備える。ここで、溶媒は極性または無極性カテゴリから選択される。本方法で用いる溶媒の非限定的な典型例としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサノン、クロロベンゼン、メチルエチルケトン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロロメタン、ジクロロメタン、四塩化炭素、エチレンクロライド、トリクロロエタン、酢酸エチル、n‐プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、2‐ニトロプロパン、任意の形態の水(蒸留水、脱イオン水または水道水)や、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルおよびプロピレングリコールのような水混和性溶媒が挙げられる。ここで、溶媒は反応混合物を濃縮するのに当業界で既知の適当な技術を利用して反応混合物から除去されるが、好ましい除去方法は沸騰、蒸留、蒸発であり、真空の利用の有無は問わない。
【0041】
反応性溶液中に存在する重合可能ポリマーの構造は、当業界で既知の適切なスペクトル技術で確認され、好適に利用するスペクトル技術は、H‐NMR、13C‐NMRおよびFT‐IRスペクトルを含む。
【0042】
特定の重合可能ポリマー化合物を含む反応性溶液の含有量は、本発明に係る硬化性組成物を構成する全固形分に対して好ましくは約1〜約90wt%、より好ましくは約1〜約70wt%、更に好ましくは約1〜約50wt%である。
【0043】
本発明の一実施形態において、重合可能ポリマーは、本質的に約5〜95wt%、より詳細には約20〜約80wt%のN‐ビニルアミドモノマーと、約0.5〜60wt%、より詳細には約1〜約30wt%の構造Q―R―Eを有する2官能モノマーと、約1〜約95wt%、より詳細には約1〜80wt%の重合可能モノマー溶媒とからなる。溶媒はモノマーの混合物または反応性溶媒と非反応性溶媒との混合物とすることができる。
【0044】
本発明の別の一実施形態において、重合可能ポリマーは、本質的に約5〜95wt%、より詳細には約10〜約90wt%のN‐ビニルアミドモノマーと、約0.5〜60wt%、より詳細には約1〜30wt%のグラフトに適したまたはグラフト可能なコモノマーとで作製したベースポリマーと、約1〜約95wt%、より詳細には約1〜80wt%の重合可能モノマー溶媒とからなる。溶媒はモノマーの混合物または反応性溶媒と非反応性溶媒との混合物とすることができる。
【0045】
反応性溶液を生成するのに用いるポリマーは、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性または熱可塑性のものから選択される。更に、本明細書に開示のポリマーおよび該ポリマーを含有する組成物は、押出成形に適しており、ポリマー含有押出成形プラスチックを形成することが可能である。これらポリマーは単独または混合物の形で使用してもよい。
【0046】
本発明の一態様によれば、組成物はまた、所望の組成の強化を実現可能な従来の量で1つ以上の添加剤を含む。これら添加剤は、限定しないが、顔料、オイル、界面活性剤、スリップ改質剤、チキソトロープ剤、発泡剤、消泡剤、流れまたはレオロジー調整剤、ワックス、可塑剤、バインダー、酸化防止剤、光開始剤、UV光吸収剤、安定化剤、殺菌剤、殺バクテリア剤、有機および無機充填剤粒子、導電性粒子(すなわち銀および炭素)、レベリング剤、帯電防止剤、分散剤、着色剤、重合抑制剤、促進剤、粘度調整剤、治療薬および/または予防薬ならびに当業者にとって明らかな他の成分から選択される。
【0047】
本発明の特定の一実施形態では、早期架橋を抑制するための安定化剤の使用を開示する。本発明で使用する安定化剤は当業界で周知のもので、限定しないが、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、アミルキノン、アミルオキシヒドロキノン、n‐ブチルフェノール、フェノール、4‐メトキシフェノール(MEHQ)、フェノチアジン、ニトロベンゼンおよびフェノールチオ化合物が挙げられ、それぞれ単独または互いに組み合わせて使用される。
【0048】
本発明の選択的な一実施形態は、(i)n‐ビニル‐2‐ピロリドンおよびグリシジルメタクリレートのコポリマーまたはn‐ビニルカプロラクタムおよびグリシジルメタクリレートのコポリマーと、(ii)3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4‐ブタンジオールのジグリシジルエーテルおよび/または3‐エチル‐3‐((エチルオキセタン‐3‐イル)メトキシ)メチル)オキセタンからなる群から選択した少なくとも1つの陽イオン性の重合可能モノマー溶媒とを含む反応性溶液組成物を製造することである。別の反応性溶液組成物は、(i)N‐ビニル‐2‐ピロリドン、ビニルアセテートおよびグリシジルメタクリレートのターポリマーと、(ii)3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4‐ブタンジオールのジグリシジルエーテル、3‐エチル‐3‐((エチルオキセタン‐3‐イル)メトキシ)メチル)オキセタンとからなる群から選択した少なくとも1つの陽イオン性の重合可能モノマー溶媒である。同様に、また別の反応性溶液組成物は、(i)N‐ビニルカプロラクタム、2‐ヒドロキシエチルメタクリレートおよびジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのターポリマーならびにグリシジルメタクリレートのグラフトポリマーと、(ii)2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のフリーラジカル重合可能モノマーである。また別の反応性溶液組成物は、(i)アクリル酸無水物でグラフトしたN‐ビニルカプロラクタム、2‐ヒドロキシエチルアクリレートおよび2‐フェノキシエチルアクリレートのターポリマーと、(ii)2‐フェノキシエチルアクリレートである。
【0049】
本発明の別の態様によれば、前述の方法のいずれかにより硬化して生成した重合可能ポリマーを含む反応性溶液が、工業用途、パーソナルケア用途、家庭用途および製薬用途のような様々な用途に有用になるように処方される。本明細書で提案する組成物の例示的且つ非限定的な用途は、本質的にUV硬化性の塗膜、曇り防止剤、膜用親水性強化剤、安定化、マイクロカプセル化添加剤、高誘電率材料、反応性保護コロイド剤、官能シリカ粒子、繊維サイジング剤添加剤、セメント、導電性ハイドロゲル、バッテリービンディング(battery binding)、UV吸収剤、光開始剤、UV硬化性インク、凝集剤、表面改質剤、分散剤、架橋剤、耐油フィルム、バイオ接着剤、錠剤コーティング、樹脂性光開始剤、樹脂性UV吸収剤、ヨウ素安定化剤、導電性塗膜およびゲル、反応性レオロジー調整剤、コーティングフレックス剤、非移行性の帯電防止剤、化粧品、ヘアケア、トイレタリー、洗濯用品、家庭用品および掃除用品、加工助剤、医療用ステント、カテーテル、医療装置コーティング、光学レンズ、新規な薬物送達システムの分野である。ここで、組成物は固体、液体または粉末としてまたは溶液形態で製造される。
【0050】
本発明を以下の実施例により詳述する。下記の実施例は本発明の例示のために本明細書に記載したものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0051】
実施例1:VP/VA/GMAターポリマーの溶液プロセス
モノマーと溶媒の2種のブレンドを調製した。ここで、ヒール(heal)は5gのN‐ビニル‐2‐ピロリドン(VP)、5gのビニルアセテート(VA)、4gのグリシジルメタクリレート(GMA)および210gのアセトンの完全に混和した混合物である。フィード1は40gのVP、8gのVA、4gのGMAおよび24gのアセトンの完全に混和した混合物である。磁気攪拌器、滴下漏斗および冷却凝縮器を備えた500mLのガラス反応容器にヒールおよび5gのフィード1を装填した。残りのフィード1をポンプに装填した。反応容器のパージを窒素の連続供給で開始した。反応容器を約50℃で加熱還流した。別個の容器で0.50gの2,2’‐アゾビス(2,4‐ジメチルペンタンニトリル)と5gのアセトンとの混合物(フィード2)を調製した。反応フラスコが還流温度に達したときに、1gのフィード2を反応容器に装填した。次いで、2時間にわたるフィード1の連続滴下を開始した。30分後に、1gのフィード2を反応容器に装填した。このフィード2の追加をもう1時間繰り返した。フィード2の追加が完了した時点で、反応容器を1時間放置し、その後反応容器に開始剤をもう1g装填した。反応容器を更に2時間加熱還流したままにした。なお、開始剤の追加中に揮発したアセトンを補充するために追加のアセトンを加えた。更に1時間保持終了後、反応容器を室温まで冷却した。重合反応で得た生成物の代表的な構造は下記のとおりであり、ここでx+y+z=100。
100gの反応生成物をアセトン中に入れ(固形分約22%)、124gの3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレートモノマーを追加した。室温および高真空下で攪拌しながらアセトンを溶液から慎重に除去して、所望の製品を粘液の形態で得た。生成した透明な反応性ポリマー溶液のブルックフィールド粘度は約6,000cPsである。
【0052】
【化5】

【0053】
実施例2:VCap/DMAPMA/HEMAターポリマーの粉末プロセス
500gの脱イオン水をビニルカプロラクタム(VCap)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)および2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のターポリマーの30%水溶液1000gに追加した。GMA(12g)を連続攪拌しながら滴下した。得られた溶液を60℃で1時間加熱した。得られた生成物を凍結乾燥して固体の白い粉末を得た。この重合反応の代表的な構造は下記のとおりであり、x+y+z+a=100。
【0054】
【化6】

【0055】
この固体のポリマー粉末30gを170gのHEMAに追加した。生成した透明な反応性ポリマー溶液のブルックフィールド粘度は約600cPsである。上述の実施例1および2に基づいて、本発明の一実施形態は、約300〜10,000cPs、より詳細には約400〜8,000cPs、より詳細には約600〜6,000cPsのブルックフィールド粘度を有する溶液であることが理解されるであろう。
【0056】
実施例3:VCap/PEA/HEAターポリマーの溶液プロセス
ポンピング用のフィード1を70gのビニルカプロラクタム(VCap)、20gのフェノキシエチルアクリレート(PEA)および30gの2‐ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)で調製した。反応器に230gのエタノールを入れた。反応容器の窒素によるパージを開始した。エタノールを収容したフラスコを約78℃で加熱還流した。別個の容器で1gのルペルゾル11と5gのアセトンとの混合物を調製した。反応フラスコが還流温度に達したときに、フィード1の反応容器への供給を開始した。モノマー供給の10分後、1gの開始剤溶液を反応器に追加した。フィード1の滴下を約2時間にわたって継続した。モノマーを反応器に供給しながら、30分後に反応容器に1gの開始剤溶液を装填した。30分後、反応器に1gの開始剤溶液を装填した。更に30分後、反応器に1gの開始剤溶液を装填した。モノマー供給の完了時点で、反応容器に最後の1gの開始剤溶液を装填した。反応容器を更に3時間加熱還流させたままにした。反応容器を室温まで冷却した。材料を反応器に入れたままにした。約60℃まで再加熱し、その後0.5グラムのルペルゾル11を装填し、2時間保持した。ルペルゾル11を更に0.5g追加し、5時間保持した後に冷却した。溶媒を真空乾燥によって除去した。
【0057】
次いで、5.65gの固体ポリマーを丸底フラスコ中で400gのメチルエチルケトンに再溶解した。2.5gのトリエチルアミンおよび0.2gのジメチルアミノピリジンをフラスコに追加し、2.7gのメタクリル酸無水物を追加して室温で20時間攪拌した。次いで、溶媒を真空オーブンにより除去した。この重合反応で得た生成物の代表的な構造は下記のとおりであり、ここでx+y+z+a=100、ポリマーの概算分子量は10,000g/モルである。
【0058】
【化7】

【0059】
20gの反応生成物を80gの2‐フェノキシエチルアクリレート中に入れて、モノマー生成物中にUV硬化性の重合可能ポリマーを得た。
【0060】
実施例4:VCap/PEA/HEAターポリマーの溶液プロセス
【0061】
ポンピング用のフィード1を、70gのビニルカプロラクタム(VCap)、20gのフェノキシエチルアクリレート(PEA)および30gの2‐ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)で調製した。反応器に230gのエタノールを入れた。反応容器の窒素によるパージを開始する。エタノールを収容したフラスコを約78℃で加熱還流した。別個の容器で1gのルペルゾル11と5gのアセトンとの混合物を調製した。反応フラスコが還流温度に達したときに、反応容器へのフィード1の供給を開始した。モノマー供給の10分後に、1gの開始剤溶液を反応器に追加した。フィード1の滴下を約2時間にわたって継続した。モノマーを反応器に供給しながら30分後に、反応容器に1gの開始剤溶液を装填した。30分後、反応器に1gの開始剤溶液を装填した。更に30分後、反応器に1gの開始剤溶液を装填した。モノマー供給の完了時点で、反応容器に最後の1gの開始剤溶液を装填した。反応容器を更に3時間加熱還流したままにした。反応容器を室温まで冷却した。材料を反応器に入れたままにした。約60℃まで再加熱し、その後0.5グラムのルペルゾル11を装填して2時間保持した。ルペルゾル11を更に0.5g追加し、5時間保持した後に冷却した。溶媒を真空乾燥によって除去した。
【0062】
次いで、60.4gの固体ポリマーを丸底フラスコ中で279.3gのアセトンに再溶解した。27.9gのトリエチルアミンおよび2.2gのジメチルアミノピリジンをフラスコに追加し、30.2gのメタクリル酸無水物を追加して室温で20時間攪拌した。次いで、溶媒を真空オーブンにより除去した。この重合反応で得た生成物の代表的な構造は下記のとおりであり、ここでx+y+z+a=100。
【0063】
【化8】

【0064】
20gの反応生成物を80gの2‐フェノキシエチルアクリレート中に入れて、モノマー生成物中にUV硬化性の重合可能ポリマーを得た。
【0065】
実施例5:VCap/DMAPMA/HEMAターポリマーの粉末プロセス
ビニルカプロラクタム(VCap)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)および2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)のターポリマーの粉末30gを170gのHEMAに追加した。GMA(12g)を連続攪拌しながら滴下した。この溶液を40℃で1時間加熱した。この重合反応の代表的な構造は下記のとおりであり、ここでx+y+z+a=100。
【0066】
【化9】

【0067】
実施例6:ポリマー沈殿プロセスによりアクリレート化ポリマーを分離するモノマー中のアクリレート化ラクタムポリマー
【0068】
ポンピング用フィード1を、70gのN‐ビニルカプロラクタム(VCap)、20gの2‐フェノキシエチルアクリレート(PEA)および30gのグリシジルメタクリレート(GMA)で調製した。
【0069】
ポンピング用フィード2を、10グラムのビニルアセテート(VA)および10gのアセトンで調製した。
【0070】
アセトン(230gms)を反応器に入れ、反応容器の窒素ガスによるパージを開始した。アセトンを収容した反応容器を約55℃まで加熱還流した。別個の容器で1gのルペルゾル11(t‐ブチルペルオキシピバレート)および5gのアセトンの混合物を含有する溶液を調製した。反応フラスコの内容物が還流温度に達したときに、フィード1およびフィード2の反応容器内への滴下を開始した。フィード2(VA)の供給速度はフィード1(VCap/PEA/GMAブレンド)の供給速度の約半分とした。モノマー供給の10分後に、1gの開始剤溶液を反応器に追加し、フィード1およびフィード2の滴下を約2時間継続した。この2時間のモノマー供給プロセスの開始から30分後に、再び1gの開始剤溶液を反応容器に装填した。モノマー供給の完了時点で、反応容器に1gの開始剤溶液を装填した。次いで、反応容器を更に3時間加熱還流したままにした。なお、開始剤の追加中に、還流プロセスの間に揮発したアセトンを補充するために追加のアセトンを加えた。反応容器を室温まで冷却し、反応生成物を反応器内に放置した。反応生成物を収容した反応容器を約60℃まで再加熱し、その後この反応容器に0.5gのルペルゾル11を装填して2時間放置した。放置した反応生成物に再び0.5gmのルペルゾル11を追加し、更に5時間保持して冷却した。最後に、真空乾燥した生成物からモノマーの所望の固体コポリマーを得た。
【0071】
コポリマーのアクリル化プロセス:
20gのVCap/VA/GMA/PEAコポリマーを、圧縮空気を連続的に拡散する還流凝縮器を備えた1L丸底フラスコに追加した。連続攪拌下このフラスコにキシレン(600ml)を追加し、また4‐メトキシフェノール(MEHQ;0.56g)を追加した。更に、上記溶液に15mlのアクリル酸を滴下した。この収集溶液にトリエチルアミン(1g)を追加し、室温で2時間攪拌した。この溶液の温度を3時間にわたって徐々に125℃まで上昇させ、溶液をこの温度で維持、50mLのn‐プロパノールを2時間にわたって滴下した。反応フラスコの内容物を室温まで冷却し、反応生成物を#3フィルタで濾過した。所望のポリマー生成物が沈殿するように、濾過した溶液をヘプタンにゆっくりと導入した。生成したポリマー生成物は黄色がかった半固体状で、その構造は下記のとおりである。
【0072】
【化10】

【0073】
次いで、反応生成物(FRP)を2‐フェノキシエチルアクリレート(PHEA)に10wt/wt%で溶解した。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【0076】
実施例7:VCap/PEA/イソシアノエチル‐メタクリレートターポリマーの粉末プロセス
239gのトルエンを窒素拡散および還流凝縮器を備えた1L丸底フラスコに装填した。溶媒を加熱還流した。69.6gのビニルカプロラクタム(VCap)、76.8gの2‐フェノキシエチルアクリレート(PEA)および15.5gの2‐イソシアネートエチルメタクリレートを混合し、反応器に180分間にわたって追加した。同時に、ミネラルスピリット中75%の12gのt‐ブチルペルアセテートと20gのトルエンとの混合物を反応フラスコに210分間にわたって滴下した。モノマーおよび開始剤供給の終了時点で、反応物を更に120分間還流保持した。ポリマーをヘプタン中に沈殿させ、真空乾燥した。この重合反応の代表的な構造は下記のとおりであり、ここでx+y+z=100。
【0077】
【化11】

【0078】
この固体のポリマー粉末10gを、90gのLaromer(登録商標)9000、すなわち低粘性のイソシアネート官能不飽和アクリル酸エステル樹脂に追加した。
【0079】
本発明に関する上記の説明は現時点で本発明の最良の形態と考えられるものを当業者が製造し使用することを可能にするものであるが、当業者なら本明細書に記載されている特定の実施形態、方法および実施例の様々な変形例、組合せおよび均等物の存在を理解するであろう。したがって、本発明は上記の実施形態、方法および実施例によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に記載した発明の範囲および趣旨に含まれるすべての実施形態および方法によって限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)i.少なくとも1つのN‐ビニルアミドモノマーと、
ii.下記の構造
Q―R―E
(式中のQはオキシラン、オキセタン、アジリジン、オキサゾリンまたはベンゾオキサジン部分であり、Eは炭素‐炭素二重結合を含む重合可能官能基であり、Rはヘテロ原子を有するかまたは有さない脂肪族および/または芳香族部分である)を有する少なくとも1つの2官能モノマーとを含む重合可能ポリマーと、
(b)少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒と
を含む少なくとも1つの重合可能ポリマーの反応性溶液。
【請求項2】
前記2官能モノマーは、グラフトモノマーでグラフト可能な反応性官能基を有するペンダント化学部分を含む請求項1に記載の反応性溶液。
【請求項3】
前記グラフトモノマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、マレイン酸無水物、アクリル酸無水物、マレイン酸、アクリル酸、ビニルイミダゾール、4‐ビニルアニリン、トリメチルビニルシラン、クロトン酸、ビニルスルホン、アリルグリシジルエーテル([(2‐プロペニルオキシ)メチル]‐オキシラン)、エピクロロヒドリン、ブタジエンモノオキシド、2‐(1‐アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4‐ビニル‐1‐シクロヘキセン‐1、2‐エポキシド、2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン、2‐イソシアネートエチルメタクリレート、1,3‐ジアリル‐5‐グリシジルイソシヌレート、グリシジルN‐(3‐イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3‐N‐(6‐プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、2‐(3‐メチル‐3‐オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテル、アリルアルコール、アリルオキシエタノール、アリルオキシメタノール、アリル尿素、アリルクロライド、アリルアミド、グリシジルメタクリレートおよびビニルスルホン酸からなる群から選択される請求項2に記載の反応性溶液。
【請求項4】
前記重合可能ポリマーは、グラフトにより重合可能ポリマーに組み込まれた付加的な重合可能官能基を更に含み、前記グラフトモノマーを重合可能モノマー溶媒の追加前または追加後に追加し、該グラフトモノマーは、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、マレイン酸無水物、アクリル酸無水物、マレイン酸、アクリル酸、ビニルイミダゾール、4‐ビニルアニリン、トリメチルビニルシラン、クロトン酸、ビニルスルホン、アリルグリシジルエーテル([(2‐プロペニルオキシ)メチル]‐オキシラン)、ブタジエンモノオキシド、2‐(1‐アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4‐ビニル‐1‐シクロヘキセン‐1,2‐エポキシド、2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン、2‐イソシアネートエチルメタクリレート、1,3‐ジアリル‐5‐グリシジルイソシヌレート、グリシジルN‐(3‐イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3‐N‐(6‐プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、エピクロロヒドリン、2‐(3‐メチル‐3‐オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテル、アリルアルコール、アリルオキシエタノール、アリルオキシメタノール、アリル尿素、アリルアミド、アリルクロライド、グリシジルメタクリレートおよび/またはビニルスルホン酸からなる群から選択される請求項1に記載の反応性溶液。
【請求項5】
前記重合可能モノマー溶媒は、N‐ビニル‐2‐ピロリドン(VP)、N‐ビニルカプロラクタム(VCap)、N‐ビニルイミダゾール(VI)、2‐ヒドロキシメチルメタクリレート(HEMA)、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEA)、2‐フェノキシエチルアクリレート(PHEA)、2‐(2‐エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOEA)、ラウリルアクリレート(LA)、ステアリルアクリレート(SA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、アクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、アクリロイルモルホリン(ACMO)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CTFA)、C8‐C10アクリレート(ODA)、イソデシルアクリレート(ISODA)、ラウリルメタクリレート(LM)、ステアリルメタクリレート(SM)、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、1,4‐ブタンジオールジアクリレート(BDDA)、1,9‐ノナンジオールジアクリレート(NNDA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPG2PODA)、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(PEG(200)DA)、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート(PEG(400)DA)、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート(PEG(600)DA)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(BPA2EODA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BPA10EODMA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3POTA)、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート(TMPTMA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP3EOTMA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3‐エチル‐3‐((エチルオキセタン‐3‐イル)メトキシ)メチル)オキセタン、1,4‐ブタン‐ジオール‐モノアクリレートおよび/または1,4‐ブタンジオールのジグリシジルエーテルからなる群から選択される請求項4に記載の反応性溶液。
【請求項6】
i.重合可能ポリマーを低沸点溶媒中で生成するステップと、
ii.前記低沸点溶媒を大気圧または減圧下で除去するステップと、
iii.少なくとも1つのより高い沸点の溶媒を補充するステップと
を備えることを特徴とする請求項1の反応性溶液を製造する方法。
【請求項7】
iv.重合可能官能基を前記ポリマーにグラフトするステップと、
v.前記重合可能ポリマーを沈殿により分離するステップと、
vi.前記重合可能ポリマーを反応性溶媒に再可溶化するステップと
を更に備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a)i.少なくとも1つのN‐ビニルアミドモノマーと、反応性官能基を有するグラフトに適したペンダント化学部分を含む少なくとも1つのコモノマーとから形成したベースポリマーと、
ii.下記の構造
X―Y―Z
(式中のXは―COOH、―OH、アミノ、ニトリル、チオール、エポキシ、オキセタン、アジリジン、イソシアネート、オキサゾリン、塩素、臭素、またはベンゾオキサジンであり、Zは炭素‐炭素二重結合を含む重合可能官能基であり、Yはヘテロ原子を有するかまたは有さない脂肪族および/または芳香族部分である)を有する少なくとも1つのグラフト官能モノマーとを含む重合可能ポリマーであって、前記グラフトがグラフト官能モノマーのベースポリマーへの付加によって達成され、前記ポリマーが重合可能である重合可能ポリマーと、
b)少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒と
を含む少なくとも1つの重合可能ポリマーの反応性溶液。
【請求項9】
前記グラフトモノマーを、前記重合可能ポリマーへの少なくとも1つの重合可能モノマー溶媒の追加前または追加後に追加し、また該グラフトモノマーはジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、マレイン酸無水物、アクリル酸無水物、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルイミダゾール、4‐ビニルアニリン、トリメチルビニルシラン、クロトン酸、ビニルスルホン、アリルグリシジルエーテル([(2‐プロペニルオキシ)メチル]‐オキシラン)、ブタジエンモノオキシド、2‐(1‐アジリジニル)エチルメタクリレート、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、4‐ビニル‐1‐シクロヘキセン‐1,2‐エポキシド、2‐イソプロペニル‐2‐オキサゾリン、2‐イソシアネートエチルメタクリレート、1,3‐ジアリル‐5‐グリシジルイソシヌレート、グリシジルN‐(3‐イソプロペニルジメチルベンジル)カルバメート、3‐N‐(6‐プロピルビニルエーテル)ベンゾオキサジン、エピクロロヒドリン、2‐(3‐メチル‐3‐オキセタンメトキシ)エチルビニルエーテル、アリルアルコール、アリルオキシエタノール、アリルオキシメタノール、アリル尿素、アリルクロライド、アリルアミド、グリシジルメタクリレートおよび/またはビニルスルホン酸からなる群から選択される請求項8に記載の反応性溶液。
【請求項10】
前記重合可能モノマー溶媒が、N‐ビニル‐2‐ピロリドン(VP)、N‐ビニルカプロラクタム(VCap)、N‐ビニルイミダゾール(VI)、2‐ヒドロキシメチルメタクリレート(HEMA)、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート(HEA)、2‐フェノキシエチルアクリレート(PHEA)、2‐(2‐エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOEA)、ラウリルアクリレート(LA)、ステアリルアクリレート(SA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、アクリル酸‐2‐エチルヘキシルエステル、アクリロイルモルホリン(ACMO)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CTFA)、C8‐C10アクリレート(ODA)、イソデシルアクリレート(ISODA)、ラウリルメタクリレート(LM)、ステアリルメタクリレート(SM)、1,6‐ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、1,4‐ブタンジオールジアクリレート(BDDA)、1,9‐ノナンジオールジアクリレート(NNDA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPG2PODA)、ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート(PEG(200)DA)、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート(PEG(400)DA)、ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート(PEG(600)DA)、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(BPA2EODA)、トリエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート(BPA10EODMA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET3A)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3POTA)、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート(TMPTMA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP3EOTMA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3‐エチル‐3‐((エチルオキセタン‐3‐イル)メトキシ)メチル)オキセタン、1,4‐ブタン‐ジオール‐モノアクリレートおよび/または1,4‐ブタンジオールのジグリシジルエーテルからなる群から選択される請求項9に記載の反応性溶液。
【請求項11】
重合可能ポリマーを製造する方法が、
i.重合可能ポリマーを低沸点溶媒中で生成するステップと、
ii.前記低沸点溶媒を大気圧または減圧下で除去するステップと、
iii.少なくとも1つのより高い沸点の溶媒を補充するステップと
を備える請求項8に記載の反応性溶液。
【請求項12】
前記グラフトモノマーを、グラフトに適した官能基を有する少なくとも1つのポリマーの追加後に追加する請求項9に記載の反応性溶液。
【請求項13】
前記溶液が、硬化または架橋ポリマー塗膜を形成可能となるように処方される請求項9に記載の反応性溶液。
【請求項14】
前記ポリマー組成物を安定化させる安定化剤を更に含む請求項9に記載の反応性溶液。
【請求項15】
前記重合可能ポリマーを製造する方法が、
iv.重合可能官能基を前記ポリマーにグラフトするステップと、
v.前記重合可能ポリマーを沈殿によって分離するステップと
を更に備える請求項11に記載の反応性溶液。
【請求項16】
i.N‐ビニル‐2‐ピロリドンおよびグリシジルメタクリレートのコポリマーまたはN‐ビニルカプロラクタムおよびグリシジルメタクリレートのコポリマーと、
ii.3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4‐ブタンジオールのジグリシジルエーテル、3‐エチル‐3‐((エチルオキセタン‐3‐イル)メトキシ)メチル)オキセタンからなる群から選択した少なくとも1つの陽イオン性の重合可能モノマー溶媒と
を含む請求項1に記載の反応性溶液の組成物。
【請求項17】
i.N‐ビニル‐2‐ピロリドン、ビニルアセテートおよびグリシジルメタクリレートのターポリマーと、
ii.3,4‐エポキシシクロヘキシルメチル‐3,4‐エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4‐ブタンジオールのジグリシジルエーテル、3‐エチル‐3‐((エチルオキセタン‐3‐イル)メトキシ)メチル)オキセタンからなる群から選択した少なくとも1つの陽イオン性の重合可能モノマー溶媒と
を含む請求項1に記載の反応性溶液の組成物。
【請求項18】
i.N‐ビニルカプロラクタム、ビニルアセテート、2‐フェノキシエチルアクリレートおよびアクリル酸でグラフトしたグリシジルメタクリレートのターポリマーと、
ii.N‐ビニルカプロラクタム、2‐フェノキシエチルアクリレートおよび/またはヒドロキシエチルアクリレートから選択した少なくとも1つのフリーラジカル重合可能モノマー溶媒と
を含む請求項9に記載の反応性溶液の組成物。
【請求項19】
i.アクリル酸無水物でグラフトした、N‐ビニルカプロラクタム、2‐ヒドロキシエチルアクリレートおよび2‐フェノキシエチルアクリレートのターポリマーと、
ii.2‐フェノキシエチルアクリレートと
を含む請求項9に記載の反応性溶液の組成物。
【請求項20】
i.N‐ビニルカプロラクタム、2‐ヒドロキシエチルメタクリレートおよびグリシジルメタクリレートのターポリマーならびにジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのグラフトポリマーと、
ii.2‐ヒドロキシエチルメタクリレートと
を含む請求項9に記載の反応性溶液の組成物。

【公表番号】特表2013−511614(P2013−511614A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541121(P2012−541121)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/057324
【国際公開番号】WO2011/063171
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(596121138)アイエスピー インヴェストメンツ インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】ISP INVESTMENTS INC.
【Fターム(参考)】