説明

重合性組成物及び(メタ)アクリル系熱伝導性シート

少なくとも、成分(A)(メタ)アクリル系モノマー、成分(B)分子内に少なくとも1個の架橋反応可能な官能基を有する(メタ)アクリル系重合体、成分(C)架橋反応可能な官能基を分子片末端に有する(メタ)アクリル系低分子量重合体、成分(D)架橋反応可能な官能基を有する架橋剤、成分(E)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤、並びに成分(F)熱伝導性充填剤、を含有する重合性組成物が開示されている。また支持体上に、この重合性組成物が重合、架橋されてなる粘着剤層を有する(メタ)アクリル系熱伝導性シートが開示されている。本発明の重合性組成物を用いて製造された熱伝導性シートは、柔軟性、密着性、耐ブリード性に優れ、電子機器等の発熱体から発生する熱を効率よく放熱することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、重合性組成物及びこれを利用した(メタ)アクリル系熱伝導性シートに関するものであり、より詳細には、熱伝導性充填剤が含有されているのにもかかわらず重合後も柔軟性に優れた粘着剤を形成する重合性組成物及び電子部品等に使用される柔軟性を有する熱伝導性シートに関するものである。
【背景技術】
電子機器等の高密度化、小型化の進展に伴い、これら機器から発生する熱を如何に効率よく放熱するかが重要となってきており、これを解決する方法としては、発熱する部品等に熱伝導性粒子を含有する熱伝導性シートを接着させて、この熱を放熱させることが行われている。
このような熱伝導性シートの粘着剤には、粘着性が優れているため、メタクリル系ないしアクリル系(以下、「(メタ)アクリル系」と略記する)重合体が広く使用されているが、この粘着剤を用いた熱伝導性シートは多量に含有される熱伝導性充填剤により、柔軟性に劣るという問題点があった。
この問題点の解決のために、アクリル系ポリウレタン樹脂をそのバインダーとして用いる方法が知られているが(特開2002−030212号公報参照)、柔軟性を充分に付与するには至っていなかった。
また、バインダーである重合体に非相溶で、かつ比較的低融点の化合物を系内に分散させることによって、可塑効果を付与し柔軟性を改良しようとしたものも知られているが(特開2003−105299号公報)、分散されている低融点物質が使用時に外部に染み出してきてしまうという問題点があるものであった。
そこで、熱伝導性充填剤が含有されていても柔軟性を有し、しかも接着性能に優れ、また可塑剤等が染み出してこない、すなわち耐ブリード性に優れた(メタ)アクリル系熱伝導性シート及びそれ用の重合性組成物が望まれていた。
【発明の開示】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、(メタ)アクリル系重合体の調製に当たり、分子片末端に官能基を有する(メタ)アクリル系低分子量重合体を含む重合性組成物を用いることによって、柔軟性に優れ、耐ブリード性にも優れた熱伝導性シートが得られることを見出して本発明に至った。
すなわち本発明は、少なくとも、成分(A)ないし成分(F)、
(A)(メタ)アクリル系モノマー
(B)分子内に少なくとも1個の架橋反応可能な官能基を有する(メタ)アクリル系重合体
(C)架橋反応可能な官能基を分子片末端に有する(メタ)アクリル系低分子量重合体
(D)架橋剤
(E)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤
(F)熱伝導性充填剤
を含有する重合性組成物を提供するものである。
また本発明は、支持体上に、上記重合性組成物が重合及び架橋されてなる粘着剤層を有する(メタ)アクリル系熱伝導性シートを提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明の成分(A)である(メタ)アクリル系モノマーとは、分子中に(共)重合性二重結合を1つだけもつアクリル系モノマー又はメタアクリル系モノマーをいう。この(メタ)アクリル系モノマーには、水酸基、カルボキシル基等の架橋反応可能な官能基を持つものと、これらの官能基を持たないものがある。
上記のうち、成分(A)として用いられる官能基を持たない(メタ)アクリル系モノマーとしては、特に限定はされないが、その具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニルエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシジエチレングリコールエステル等の(メタ)アクリル酸のエステル類;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸メチルフェニル等の(メタ)アクリル酸のアリールエステル類等が挙げられ、これらは1種又は2種以上混合して用いられる。好ましくは、アクリル酸アルキルエステルが用いられ、特に好ましくはアクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルが用いられる。
一方、成分(A)として用いられる架橋反応可能な官能基を持つ(メタ)アクリル系モノマーとしても、特に限定はされないが、その具体例としては、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基含有モノマー;(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチル等のアジリジン基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−エチルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノメチル等のアミド基含有モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー等が挙げられる。
これらの官能基を持つ(メタ)アクリル系モノマーは、必ずしも使用しなくてもよいが、下記する成分(C)と反応してポリマーに柔軟性を与えたり、成分(D)の架橋剤に対しては、光照射又は加熱で生成するポリマーに架橋点を与えるので配合することが好ましい。特に好ましいものとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
この官能基を持つメタアクリルモノマーの配合量は、成分(A)全体に対し、0.01〜20質量%とすることが好ましく、特に好ましくは、1〜10質量%である。
また、本発明の成分(B)である分子内に少なくとも1個の架橋反応可能な官能基を有する(メタ)アクリル系重合体とは、少なくとも、架橋反応可能な官能基を持つ(メタ)アクリル系モノマーと官能基を持たない(メタ)アクリル系モノマーが重合し、その分子中に少なくとも1個の官能基を有するものである。
成分(B)の調製に用いられる官能基を持つ(メタ)アクリル系モノマーおよび官能基を持たない(メタ)アクリル系モノマーの具体例は、それぞれ上記した成分(A)の場合と同じである。官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーは、成分(B)中に、0.01〜20質量%共重合されていることが好ましく、1〜10質量%共重合されていることが特に好ましい。
成分(B)の分子量は特に限定はないが、重量平均分子量として、5万以上が好ましく、特に好ましくは10万〜100万である。15万〜50万であることがさらに好ましい。
この成分(B)が有する官能基の数は1個以上である。成分(B)中の官能基は、下記する成分(C)に対する反応点になり得、また成分(D)に対しては架橋点になり得るものである。上記した官能基を有する(メタ)アクリル系モノマーの好ましい重合比率と、好ましい分子量からして、官能基数は成分(B)の分子中に10〜1000個の範囲で有していることが好ましい。
成分(B)は、予め別途合成したものを本発明の他の成分と混合してもよいが、部分重合物の形で用いることもできる。すなわち、(メタ)アクリル系モノマーを好ましくは5〜90質量%、特に好ましくは15〜70質量%の重合率でバルク重合することによって、成分(B)が成分(A)に溶解した液を得て、それを他の成分と混合することもできる。このバルク重合では重合率を調整するために連鎖移動剤を添加することもできる。
この成分(B)には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、酢酸アリル等の(メタ)アクリル系モノマー以外のビニル化合物が共重合されていてもよい。
更に、成分(C)は、架橋反応可能な官能基を分子片末端に有する(メタ)アクリル系低分子量重合体であり、その構造、製造方法は特に限定はされない。この成分(C)としては、例えば、分子中に連鎖移動をする基と官能基を有する化合物を使用して、(メタ)アクリル系モノマーの重合を適当なところで停止(terminate)させて得られる低分子量重合体等が挙げられる。分子中に連鎖移動をする基と官能基を有する化合物としては、例えば、2−メルカプトエタノール、β−メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。分子片末端に存在する架橋反応可能な官能基の数には特に限定はないが、1〜2個が好ましく、特に好ましくは、1個である。
この成分(C)の分子量も特に限定されないが、好ましくは2万以下、特に好ましくは1万以下、さらに好ましくは、2000〜7000である。
また、成分(C)の具体例としては、UMB−1001(商品名:綜研化学(株)製)等の市販品も挙げられ、これらを用いることもできる。
成分(D)の架橋剤は、分子中に官能基を2個以上有する化合物であり、光照射及び/又は加熱により成分(A)等が重合された重合体及び/又は成分(B)を架橋したり、成分(C)と反応し得るものである。ここで官能基としては特に限定はないが、ビニル基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基等が好ましく、同一の官能基を分子中に2個以上有することも、2種以上の異なる官能基を分子中に2個以上有することも可能である。
更にまた、成分(D)としては、特に限定はないが、多官能モノマー、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、グリシジルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
多官能モノマーは、分子中に2個以上の(メタ)アクリレート基、アリル基、ビニル基等の(共)重合可能な2重結合を有し、ラジカル重合し得る化合物であれば特に限定はないが、その具体例としては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニル、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。
また、エポキシ系架橋剤は、その分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に限定はないが、具体的には、ビスフェノールAエピクロルヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジアミングリシジルアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジアミングリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等が挙げられる。これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。
一方イソシアネート系架橋剤は、その分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物であれば特に限定はないが、具体的には、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン等のポリオールとのアダクト体を挙げることができる。これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。
以上の成分(A)ないし成分(D)において、これらがその分子中に有する架橋反応可能な官能基については特に限定はないが、ビニル基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基又は水酸基であることが好ましい。
また更に、成分(E)は、光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤である。このうち、光重合開始剤としては特に限定はないが、具体的には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(商品名:Lucirin TPO BASF社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド(商品名:Lucirin TPO−L BASF社製)等のアシルホスフィンオキサイド類;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1(商品名:イルガキュア369 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等のアミノケトン類;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(商品名:CGI403 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等のビスアシルホスフィンオキサイド類;ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商品名:イルガキュア184 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(商品名:ダロキュア1173 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等のヒドロキシケトン類;ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;ベンジルメチルケタール(商品名:Esacure KB1 日本シーベルヘグナー社製);2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー(商品名:Esacure KIP150 日本シーベルヘグナー社製)等が挙げられる。
また、熱重合開始剤としては、一般に(メタ)アクリル系モノマーの熱重合に用いられているものならば特に限定はされないが、具体的には例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド等のアゾ系の熱重合開始剤;クミルハイドロパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、3−クロロ過安息香酸等の過酸化物系の熱重合開始剤等が挙げられる。好ましくは過酸化物系の熱重合開始剤であり、特に好ましくは、t−ブチルパーピバレートである。
最後に、本発明の成分(F)は、熱伝導性充填剤である。この成分(F)としては、本発明の熱伝導性シートに求められる熱伝導性を付与できるものであれば特に限定はされないが、その例として、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ、酸化チタン、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化銅、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、カーボン、グラファイト、炭化珪素、ホウ酸アルミウィスカ等が挙げられる。好ましくは、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムである。
この成分(F)は、粒子の形態で本発明の重合性組成物中に含有され、その粒径は、特に限定はないが、1〜100μmであることが好ましい。
本発明の重合性組成物の調製における、成分(A)ないし成分(F)の含有量は特に限定はされないが、成分(B)は、成分(A)と成分(B)の合計質量に対して、5〜90質量%の範囲で用いられることが好ましく、特に好ましくは、15〜70質量%の範囲である。また、成分(C)ないし成分(F)の好ましい含有量については、成分(A)と成分(B)の合計100質量部(以下単に、「部」と略記する)に対して、以下の範囲がそれぞれ好ましい範囲および特に好ましい範囲として挙げられる。
好ましい範囲 特に好ましい範囲
成分(C) 2〜50部 5〜20部
成分(D) 0.01〜2部 0.05〜1部
成分(E) 0.01〜5部 0.05〜2部
成分(F) 50〜300部 100〜250部
成分(C)が上記配合範囲より少なすぎる場合は柔軟性の効果が得られず、多すぎる場合は熱伝導性シートの強度が著しく低下して所望の粘着物性を発現できなくなる。
また、成分(D)が少なすぎる場合は、タックが発現して熱伝導性シートの取り扱いが悪くなるばかりでなく、加熱により軟化しやすくなり熱伝導性シートの形状を保つことが困難となり、多すぎる場合は、熱伝導性シートが硬質化することで柔軟性が失われる。
更に、成分(E)が少なすぎる場合には重合率が上がらず、残留未反応(メタ)アクリレート系モノマーによる臭気がある場合がある。成分(E)が多すぎる場合には、更なる効果が得られないだけでなく、光照射及び/又は加熱により得られるポリマーの分子量が小さくなりすぎる場合がある。
更にまた成分(F)が少なすぎる場合には、熱伝導性が悪くなる場合があり、熱伝導性シートにしたとき放熱効果が得られない場合がある。一方、成分(F)が多すぎる場合には、更なる熱伝導度の改善が得られないだけでなく、重合性組成物の粘度が著しく増大し、支持体に塗工する際、問題が生じる場合がある。
本発明の重合性組成物中には、更に任意成分として、(メタ)アクリル系モノマー以外の(共)重合性モノマー、粘着付与樹脂、難燃剤、添加剤等を配合させることもできる。
このうち、(メタ)アクリル系モノマー以外の(共)重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー;酢酸ビニル;酢酸アリル;イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基含有モノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、2−メトキシエトキシトリメトキシシラン等の有機ケイ素基含有モノマー等の炭素間の二重結合を有するものが挙げられる。
また、粘着付与樹脂は、特に限定されるものではなく、例えば、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン系水添石油樹脂、脂肪族系水添石油樹脂、水添テルペン樹脂等が挙げられる。このうち脂環族系石油樹脂としては、アルコンPシリーズ(例えば、アルコンP−70、アルコンP−90、アルコン−P100、アルコンP−125、アルコンP−140)、アルコンMシリーズ(以上、荒川化学製商品名)、リガライトR−90、リガライトR−100、リガライトR−125(以上、理化ハーキュレス社製商品名)等が挙げられる。ジシクロペンタジエン系水添石油樹脂としては、エスコレッツ5000シリーズ(例えば、エスコレッツECR−299D、エスコレッツECR−228B、エスコレッツECR−143H、エスコレッツECR−327(以上、トーネックス製商品名)、アイマープ(出光石油化学製商品名)等が挙げられる。脂肪族系水添石油樹脂としては、マルカレッツH(丸善石油化学製商品名)が挙げられ、水添テルペン樹脂としては、クリアロンP、M、Kシリーズ(ヤスハラケミカル製商品名)が挙げられる。かかる粘着付与樹脂は、光ラジカル重合を阻害しない程度に加えることが可能である。
また、難燃剤は、特に限定されるものではなく、テトラブロモビスフェノールA、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、ビストリブロモフェノキシエタン、トリブロモフェノール、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA・エポキシオリゴマー、臭素化ポリスチレン、エチレンビスペンタブロモジフェニール、塩素化パラフィン、ドデカクロロシクロオクタン等のハロゲン系難燃剤;リン酸化合物、ポリリン酸化合物、赤リン化合物等のリン系難燃剤等が挙げられる。かかる難燃剤は環境及び人体に対する負荷の観点からノンハロゲン系が好ましく、粉体状、液状のものを単独又は併用してもよい。
更に、添加剤としては、増粘剤、染料、顔料、酸化防止剤等が挙げられる。
本発明の重合性組成物は、熱伝導性がありながら、柔軟性に優れ、耐ブリード性にも優れているというものであり、例えば、両面テープ用芯材、制振材、シーリング材等として使用できるが、本発明の重合性組成物は、その特長を発揮するために、特に熱伝導性シートに利用することが好ましい。
本発明の重合性組成物を使用した熱伝導性シートの製造方法の一例としては、支持体上に本発明の重合性組成物を0.5mm〜10mmの膜厚で塗布し、必要に応じその塗布面上を保護シートでラミネートした後、光照射及び/又は加熱することにより、重合性組成物を重合反応させ、粘着剤層を形成させる製造方法が挙げられる。このとき光照射は、片面からでもよいが両面からすることが好ましい。
本発明の熱伝導性シートの製造に当たり用いられる支持体や保護シートとしては、特に限定はないが、その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらのフィルムは剥離性改良処理等の表面処理が施されていてもよい。
支持体上の本発明の重合性組成物の塗布膜厚は、0.5mm〜10mmが好ましいが、特に好ましくは、0.5〜2mmである。
また、光照射に用いられる光源としては、特に限定はされないが、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル系熱伝導性シートは、発熱体又は放熱体のどちらかの表面に接着させ、支持体を剥離後、発熱体又は放熱体のもう一方の表面に接着させて使用することができる。
本発明の重合性組成物において、成分(C)は、光照射等による重合によって、或いは成分(D)を介して、主ポリマーの分子骨格中に化学反応によって導入される。このことによって、耐ブリード性に優れ、柔軟性のある熱伝導性シートが得られる。
【実施例】
以下に実施例を用いて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。以下、「質量%」は単に「%」と、「重量部」は単に「部」と略記する。
<成分(B)の調製(部分重合物の調製)>
製造例1
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下「2−EHA」と略記する)920g、アクリル酸(以下「AA」と略記する)80g、n−ドデシルメルカプタン0.6gを投入し、フラスコ内の空気を窒素に置換しながら、60℃まで加熱した。
次いで、重合開始剤として、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製 商品名V−70)(以下「V−70」と略記する)0.025gを撹拌下に投入して均一に混合した。重合開始剤投入後、反応系の温度は上昇したが、冷却を行わずに重合反応を続けたところ、反応系の温度が120℃に達し、その後徐々に下がり始めた。反応系の温度が115℃まで下がったところで、強制冷却を行い(メタ)アクリル系重合体が(メタ)アクリル系モノマーに溶解した液(以下「部分重合物AB−1」とする)を得た。部分重合物AB−1は、(メタ)アクリル系モノマー濃度67%、(メタ)アクリル系重合体濃度33%で、重合体分の重量平均分子量は、21万であった。
製造例2
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2−EHA950g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下「2HEA」と略記する)50g、n−ドデシルメルカプタン0.6gを投入し、フラスコ内の空気を窒素に置換しながら、60℃まで加熱した。
次いで、重合開始剤としてV−70を0.025g撹拌下に投入して均一に混合した。重合開始剤投入後、反応系の温度は上昇したが、冷却を行わずに重合反応を続けたところ、反応系の温度が115℃に達し、その後徐々に下がり始めた。反応系の温度が110℃まで下がったところで、強制冷却を行い(メタ)アクリル系重合体が(メタ)アクリル系モノマーに溶解した液(以下「部分重合物AB−2」とする)を得た。部分重合物AB−2は、(メタ)アクリル系モノマー濃度70%、(メタ)アクリル系重合体濃度30%で、重合体分の重量平均分子量は、18万であった。
<成分(C)の調製>
製造例3
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2−EHA1000g、ジルコノセンジクロリド(以下「ZrC」と略記する)0.05gを投入し、フラスコ内の空気を窒素に置換しながら、95℃まで加熱した。
次いで、β−メルカプトプロピオン酸(以下「BMPA」と略記する)37gを撹拌しながら添加して均一に混合した。BMPA投入後、反応系の温度が上昇したので、冷却を行いながら重合反応を続けた。BMPAを添加してから2時間後に重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(大塚化学(株)製 商品名AIBN)(以下「AIBN」と略記する)0.1gを撹拌下に投入して均一に混合した。重合開始剤投入後、反応系の温度が上昇したので、冷却を行いながら重合反応を続けた。更に1時間後、AIBNを0.5gを撹拌下に投入して均一に混合した。BMPAを投入してから5時間後に、強制冷却を行い(メタ)アクリル系低分子量重合体(以下「低分子量重合体C−1」とする)を得た。低分子量重合体C−1は、重合体濃度99%で、重合体分の重量平均分子量は、6000であった。
製造例4
撹拌機、温度計及び冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、製造例3で作成した低分子量重合体C−1を1000g、4−メトキシハイドロキノン(以下「MEHQ」と略記する)0.2g、グリシジルメタクリレート(以下「GMA」と略記する)29gを投入し、フラスコ内の空気を窒素に置換せず、95℃まで加熱した。
次いで、トリエチルアミン(以下「TEA]と略記する)10gを撹拌しながら添加して均一に混合した。その後フラスコの温度を95℃に保持した。TEAを投入してから5時間後に、強制冷却を行い(メタ)アクリル系低分子量重合体(以下「低分子量重合体C−2」とする)を得た。低分子量重合体C−2は、重合体濃度98%で、重合体分の重量平均分子量は、6000であった。
製造例5
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び冷却管を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、2−EHA1000g、ZrC0.05gを投入し、フラスコ内の空気を窒素に置換しながら、95℃まで加熱した。
次いで、2−メルカプトエタノール(以下「2ME」と略記する)40gを撹拌しながら添加して均一に混合した。2ME投入後、反応系の温度は上昇したので、冷却を行いながら重合反応を続けた。2MEを添加してから2時間後に重合開始剤としてAIBNを0.1g、撹拌下に投入して均一に混合した。重合開始剤投入後、反応系の温度が上昇したので、冷却を行いながら重合反応を続けた。更に1時間後、AIBNを0.5g、撹拌下に投入して均一に混合した。2MEを投入してから5時間後に、強制冷却を行い(メタ)アクリル系低分子量重合体(以下「低分子量重合体C−3」とする)を得た。低分子量重合体C−3は、重合体濃度98%で、重合体分の重量平均分子量は、4000であった。
<(メタ)アクリル系熱伝導性シートの製造>
【実施例1】
製造例1で得た部分重合物AB−1の100部に対して、製造例3で得た低分子量重合体C−1を10部、熱伝導性充填剤として水酸化アルミニウム粒子(昭和電工(株)製 商品名ハイジライトH−42)(以下「H−42]と略記する)200部、エポキシ系架橋剤としてテトラッドX(三菱ガス化学(株)製 商品名)(以下「T−X]と略記する)0.1部、光重合開始剤としてイルガキュア819(日本チバガイギー(株)製 商品名)(以下「I819」と略記する)0.5部を添加し、常温にて混合脱泡して重合性組成物を得た。
次いで、厚さ100μmの剥離処理済みの透明PETフィルムセパレーター上に1mm厚となるようにドクターブレードにて塗工した後、塗工物表面に同一の透明PETフィルムセパレーターを貼り合わせて空気遮断し、高圧水銀ランプを10分間照射して、(メタ)アクリル系熱伝導性シートaを得た。
【実施例2】
低分子量重合体C−1に代えて、製造例4で得た低分子量重合体C−2を用いた以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル系熱伝導性シートbを得た。
【実施例3】
低分子量重合体C−1に代えて、製造例5で得た低分子量重合体C−3を用い、架橋剤として、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製 商品名:カレンズMOI)を0.01部添加した以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル系熱伝導性シートcを得た。
【実施例4】
製造例2で得た部分重合物AB−2の100質量部に対して、製造例5で得た低分子量重合体C−3を10部、熱伝導性充填材としてH−42を200部、イソシアネート系架橋剤としてTPA−100(旭化成(株)製 商品名)0.3部、光重合開始剤としてI819を0.5部添加し、常温にて混合脱泡して重合性組成物を得た。
次いで、厚さ100μmの剥離処理済みの透明PETフィルムセパレーター上に1mm厚となるようにドクターブレードにて塗工した後、塗工物表面に同一の透明PETフィルムセパレーターを貼り合わせて空気遮断して、高圧水銀ランプを10分間照射して、(メタ)アクリル系熱伝導性シートdを得た。
参考例1
低分子量重合体C−1を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル系熱伝導性シートe−1を得た。
参考例2
低分子量重合体C−1を150質量部とした以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル系熱伝導性シートe−2を得た。
参考例3
低分子量重合体C−1を添加せず、その代わりに可塑剤としてフタル酸ジオクチルを10部添加した以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル系熱伝導性シートe−3を得た。
参考例4
エポキシ系架橋剤T−Xを添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル系熱伝導性シートe−4を得た。
参考例5
エポキシ系架橋剤T−Xを5部添加した以外は実施例1と同様の方法で(メタ)アクリル系熱伝導性シートe−5を得た。
試験例
(メタ)アクリル系熱伝導性シートの評価:
実施例1〜4及び参考例1〜4で得られた(メタ)アクリル系熱伝導性シートを以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
耐ブリード性
縦50mm×横50mmのシートの両面に厚さ250μmのろ紙を貼り付け、100℃雰囲気下で5kgの荷重をかけて3日間静置後のろ紙の濡れ状態を確認し、乾燥しているものを○、濡れを確認できたものを×とした。
アスカーC硬度
シートを厚み10mmとなるように貼りあわせ、23℃/65%RH(JIS Z 0237法に記載する標準状態)におけるシートの硬度をアスカーC硬度計にて測定した。
粘着力
幅25mm、長さ150mmのシートの片面に厚さ50μmのアルミ箔を貼りあわせた後、もう一方の面をアルミ製テストピースに貼り付け、23℃/65%RHに30分静置して、引っ張り試験機(東洋精機(株)製 ストログラフM1)にて90°剥離力を測定した。
保持力
縦25mm×横25mmのサイズのシートの片面に幅25mm、長さ50mm、厚さ200μmのアルミ箔を貼り付け、もう一方の面をアルミ製テストピースに貼り付けた後、80℃に調整した乾燥機内に投入して1時間静置後、1kgの荷重をかけ1時間後のズレの距離又は落下に到るまでの時間を測定した。

表1に示すように本発明の重合性組成物を用いた(メタ)アクリル系熱伝導シートは、耐ブリード性、アスカーC硬度、粘着力、保持力のいずれも優れていた。
【産業上の利用可能性】
本発明の重合性組成物を重合させることにより得た重合物は、多量の熱伝導性充填剤を含有しているにもかかわらず柔軟性を有し、硬度、粘着力、保持力等の接着性能に優れ、更に耐ブリード性に優れたものであった。
従って、本発明の重合性組成物は、電子部品の放熱等に使用される(メタ)アクリル系熱伝導性シートの製造をはじめ、両面テープ用芯材、制振材、シーリング材等種々の目的に使用することができる。
また、本発明の重合性組成物を用いて製造された熱伝導性シートは、柔軟性、密着性、耐ブリード性に優れるため、電子機器等の発熱体から発生する熱を効率よく放熱することができるので、電気、電子分野に広く利用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、成分(A)ないし成分(F)、
(A)(メタ)アクリル系モノマー
(B)分子内に少なくとも1個の架橋反応可能な官能基を有する(メタ)アクリル系重合体
(C)架橋反応可能な官能基を分子片末端に有する(メタ)アクリル系低分子量重合体
(D)架橋反応可能な官能基を有する架橋剤
(E)光重合開始剤及び/又は熱重合開始剤
(F)熱伝導性充填剤
を含有することを特徴とする重合性組成物。
【請求項2】
成分(B)の重量平均分子量が5万以上である請求項1記載の重合性組成物。
【請求項3】
成分(C)の重量平均分子量が1万以下である請求項1又は請求項2記載の重合性組成物。
【請求項4】
架橋反応可能な官能基が、ビニル基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基又は水酸基である請求項1ないし請求項3の何れかの請求項記載の重合性組成物。
【請求項5】
成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対し、成分(C)を2〜50質量部含有する請求項1ないし請求項4の何れかの請求項記載の重合性組成物。
【請求項6】
成分(A)と成分(B)の合計100質量部に対し、成分(D)を0.01〜2質量部含有する請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の重合性組成物。
【請求項7】
支持体上に、請求項1ないし請求項6の何れかの請求項記載の重合性組成物が重合、架橋されてなる粘着剤層を有する(メタ)アクリル系熱伝導性シート。
【請求項8】
支持体上に請求項1ないし請求項6記載の重合性組成物を0.5mm〜10mmの膜厚で塗布し、その塗布面上を保護シートでラミネートした後、光照射及び/又は加熱することを特徴とする(メタ)アクリル系熱伝導性シートの製造方法。

【国際公開番号】WO2005/042612
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510155(P2005−510155)
【国際出願番号】PCT/JP2003/014073
【国際出願日】平成15年11月4日(2003.11.4)
【出願人】(000202350)綜研化学株式会社 (135)
【Fターム(参考)】