説明

重量選別装置

【課題】検査品質を低下させることなく、良品と不良品とを選別することができる重量選別装置を提供すること。
【解決手段】搬送手段により搬送路上を搬送される搬送対象物の重量を計量手段により計量し、前記搬送対象物の重量に基づいて前記搬送対象物が良品であるか不良品であるかを選別する良否選別検査を実行する重量選別装置1において、前記計量手段の計量精度が所定の精度を有するか否かを判定する精度判定手段55を備え、前記搬送経路上に前記搬送対象物を搬送しない状態で前記搬送手段を駆動させた条件の下、前記精度判定手段55によって前記計量精度が所定の精度を有すると判定された場合に前記良否選別検査を実行可能にするよう構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物について重量を計量することにより、被検査物を良品と不良品とに選別する重量選別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の重量選別装置は、工場等の生産ラインに組み込まれて、被検査物の重量を計量することにより被検査物を良品と不良品とに選別し、出荷される被検査物の重量に過不足が生じないように検査を行なっている。
【0003】
このような重量選別装置では、通常、検査品質の低下を防止するために、検査開始前、または装置の異常停止時に、被検査物の代わりに作業者が既知の重量を有するテストワークを搬送路に流し、テストワークの既知の重量と計量された計量結果とを比較して計量精度の確認作業が行なわれている。
【0004】
この種の重量選別装置として、被検査物を搬送するベルトコンベアと、ベルトコンベア上の被検査物の重量を計量する計量器と、計量結果の許容範囲を記憶する記憶手段と、を備え、ベルトコンベア上を搬送されてくる被検査物の重量を計量器により計量し、計量結果が記憶手段に予め記憶された許容範囲内であるか否かを判定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1に記載の重量選別装置は、被検査物の重量が許容範囲内であると判定すると、これを良品として選別し、被検査物の重量が許容範囲外であると判定すると、これを不良品として選別して生産ラインから排除することができる構成となっている。
【特許文献1】特開2002−219420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような従来の重量選別装置では、例えば、検査開始前、または装置の異常停止時に行なわれる計量精度の確認作業の要否を作業者の判断に任せていたため、経験の少ない作業者により確認作業が省略されやすくなり、検査精度が低下したまま検査が開始されて検査品質が低下するという問題があった。
【0007】
また、上述したような従来の重量選別装置は、ベルトコンベアを構成するローラ、ベルト、軸受け等が劣化すると、ベルトの回転がガタついて振動を発生し、この振動により計量精度が低下して不良品まで良品として選別されて工場外に流出してしまうという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、前述のような従来の問題を解決するためになされたもので、検査品質を低下させることなく、良品と不良品とを選別することができる重量選別装置を提供することをその目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る重量選別装置は、上記目的を達成するため、(1)搬送対象物を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された搬送対象物の重量を計量する計量手段と、前記計量手段により計量された計量値が所定の許容範囲内にあるか否かを判定する重量判定手段と、前記重量判定手段の判定結果に基づいて良品と不良品とを選別する選別手段と、を備え、搬送経路上において計量された前記搬送対象物の重量に基づいて前記搬送対象物が良品であるか不良品であるかを選別する良否選別検査を実行する重量選別装置において、前記計量手段の計量精度が所定の精度を有するか否かを判定する精度判定手段をさらに備え、前記搬送経路上に前記搬送対象物を搬送しない状態で前記搬送手段を駆動させた条件の下、前記精度判定手段によって前記計量精度が所定の精度を有すると判定された場合に前記良否選別検査を実行可能にするよう構成する。
この構成により、計量手段の計量精度が所定の精度を有する場合のみ、良否選別検査を実行可能とするため、経験の少ない作業者による確認作業忘れにより良否選別検査前の計量精度の確認作業が省略されたことを原因とする不良品が出荷されることがなくなる。良否選別検査前に計量精度の確認作業が必ず行なわれるため、計量手段が十分な計量精度を有する場合に良否選別検査を開始するようにすれば、良否選別検査において計量手段の精度不良による検査品質の低下を防止することができ、不良品の工場外への流出を防止することができる。また、搬送対象物を搬送しない状態で搬送手段を駆動させた条件の下で計量精度を判定するため、搬送手段の駆動による影響も含めて正確に計量精度を判定することができる。具体的には、搬送手段をベルトコンベアで構成しテストワークを搬送した状態で計量精度を判定する場合には、テストワークが重いものであれば、テストワークの重量によりベルトコンベアで発生する振動が抑えられて、振動による影響を含めた計量精度を正確に判定することができないが、本発明のように搬送対象物を搬送しない状態で計量精度を判定すれば、ベルトコンベアで発生する振動の影響を含めた計量精度を正確に判定することができる。これにより、作業者は、ベルトコンベアの振動の発生原因となるローラやベルトの劣化を特定することができ、適切な対応をとることができる。なお、本発明における「計量精度」とは、被検査物を搬送せずに搬送手段を駆動させた状態での、標準値(例えば、0kg)に対する計量値の誤差をもって表される。
【0010】
また、上記(1)の本発明に係る重量選別装置は、(2)前記精度判定手段が、既知の重量を有するテストワークを前記搬送対象物として前記搬送手段に搬送した条件の下、前記計量手段の計量精度が所定の精度を有するか否かをさらに判定し、前記精度判定手段によって前記計量精度が所定の精度を有すると判定された場合に前記良否選別検査を実行可能にするよう構成する。
この構成により、テストワークを搬送手段に搬送させた条件の下で計量精度を判定することで、計量タイミングのズレにより生じる計量手段の応答性能を確認することができる。また、既知の重量を有するテストワークを計量することにより、計量手段の計量性能を確認することができる。さらに、計量精度が所定の精度を有する場合のみ、良否選別検査を実行可能とするため、良否選別検査において計量手段の応答性能および計量性能の不具合による検査品質の低下を防止することができる。
【0011】
また、上記(1)または(2)の本発明に係る重量選別装置は、(3)前記選別手段(32)により不良品として選別された前記搬送対象物を検知する不良品検知手段(42)と、前記所定の許容範囲外の計量値を有する不良ワークおよび前記所定の許容範囲内の計量値を有する良品ワークを前記搬送対象物として前記搬送手段に搬送した条件の下、前記不良ワークが前記不良品検知手段(42)により検知された場合に前記不良ワークが排除されたと判断し、前記不良ワークが前記不良品検知手段(42)により検知されない場合に前記不良ワークが排除されていないと判断し、前記良品ワークが前記不良品検知手段(42)により検知された場合に前記良品ワークが排除されたと判断し、前記良品ワークが前記不良品検知手段(42)により検知されない場合に前記良品ワークが排除されていないと判断する選別判断手段(56)と、をさらに備え、前記選別判断手段(56)により前記不良ワークが排除されたと判断され、かつ前記良品ワークが排除されていないと判断された場合に、前記良否検査を実行可能とするよう構成する。
この構成により、選別判断手段が選別手段により不良ワークが排除されたと判断し、かつ良品ワークが排除されていないと判断することで、選別手段が正確に選別していることを確認することができる。また、正確に選別された場合のみ、良否選別検査を実行可能とするため、良否選別検査において選別手段の選別不良による検査品質の低下を防止することができる。
【0012】
また、上記(1)から(3)の本発明に係る重量選別装置は、(4)前記精度判定手段により前記計量精度が所定の精度を有しないと判定された場合に、前記所定の許容範囲を狭く変更する範囲変更手段をさらに備え、前記範囲変更手段により前記所定の許容範囲を狭く変更した場合に、前記良否選別検査を実行可能にするよう構成する。
この構成により、計量手段の計量精度が低い場合に、重量判定手段の判定基準となる所定の許容範囲を狭く変更することにより、重量判定手段の判定基準を厳しくして良否選別検査を開始することができる。これにより、計量手段の計量精度が所定の精度を有しない場合でも良否検査を開始して一定の生産量を確保することができる。
【0013】
また、上記(1)から(4)の本発明に係る重量選別装置は、(5)前記精度判定手段(55)による前記計量精度の精度判定を行なうための認証情報に基づいて認証を行なう認証手段(58)をさらに備え、前記認証手段(58)により認証が得られた場合にのみ、前記精度判定手段(55)による前記計量精度の精度判定を行なうことができるよう構成する。
この構成により、計量精度の精度判定をする者が、認証手段により認証が得られた者に制限されるため、部外者による計量精度の精度判定を防止することができる。特に、計量精度の精度判定ができる者を専門知識や経験を積んだ作業者に制限すれば、計量精度の精度判定において不具合が生じた場合でも、作業者が適切な対応をとることができる。なお、本発明における「認証手段」は、作業者によって入力されたIDおよびパスワードに基づいて認証してもよいし、認証情報を記録したカードキーにより認証してもよいし、指紋認証や網膜認証などの生体認証により認証してもよい。
【0014】
また、上記(5)の本発明に係る重量選別装置は、(6)前記認証手段による認証の履歴を示す認証履歴情報を記録する認証履歴記録手段をさらに備えている。
この構成により、工場外に製品を出荷した後に問題が生じた場合でも記録された認証履歴情報から、問題の原因を究明することができる。例えば、「認証履歴情報」として、精度判定手段による判定結果、選別判断手段による判断結果、認証手段による認証結果、検査日時、作業者名および製品のロット番号を対応付けて記録しておくことにより、問題が生じた製品のロット番号から判定結果等を特定することができ、良否選別検査前の精度判定において所定の精度を有しない場合に、重量選別装置を稼動せずに手動で良否選別検査を行なった等の事実を確認することができる。
【0015】
また、上記(1)から(6)の本発明に係る重量選別装置は、(7)前記良否選別検査時における装置異常を検知する異常検知手段と、前記異常検知手段により前記装置異常が検知された場合に、前記良否選別検査を停止する検査停止手段と、をさらに備えている。
この構成により、良否選別検査時に重量選別装置に装置異常が発生した場合に、良否選別検査を停止するため、装置異常による検査不良を防止することができる。なお、本発明における「装置異常」とは、CPUの急激な温度上昇、回路の断線等の良否選別検査時に生じた装置各部の異常を含むものである。
【0016】
また、上記(7)の本発明に係る重量選別装置は、(8)前記異常検知手段により前記装置異常が検知された場合に、前記装置異常を報知する報知手段をさらに備えている。
この構成により、重量選別装置に装置異常が発生した場合に、装置異常を作業者に報知して復旧作業を促すことにより、重量選別装置を早期に復旧させることができる。なお、本発明における「報知」とは、ディスプレイにメッセージを表示することによる報知や、音声を出力することによる報知も含む。
【0017】
また、上記(7)または(8)の本発明に係る重量選別装置は、(9)前記異常検知手段により前記装置異常が検知されなくなった場合に前記装置異常が解消したと判断する異常解消判断手段と、前記異常解消判断手段により前記装置異常が解消したと判断された場合に、前記良否選別検査を実行可能とするよう構成する。
この構成により、装置異常が解消されるまで、良否選別検査が再開されることがないので、装置異常による検査不良を防止することができる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る重量選別装置によれば、計量手段の計量精度が所定の精度を有する場合のみ、良否選別検査を実行可能とするため、作業者の怠慢や生産ノルマを達成する目的により良否選別検査前の計量精度の確認作業が省略されることがない。良否選別検査前に計量精度の確認作業が必ず行なわれるため、計量手段が十分な計量精度を有する場合に良否選別検査を開始するようにすれば、良否選別検査において計量手段の精度不良による検査品質の低下を防止することができ、不良品の工場外への流出を防止することができる。また、搬送対象物を搬送しない状態で搬送手段を駆動させた条件の下で計量精度を判定するため、搬送手段の駆動による影響も含めて正確に計量精度を判定することができる。
【0019】
請求項2に係る重量選別装置によれば、テストワークを搬送手段に搬送させた条件の下で計量精度を判定することで、計量タイミングのズレにより生じる計量手段の応答性能を確認することができる。また、既知の重量を有するテストワークを計量することにより、計量手段の計量性能を確認することができる。さらに、計量精度が所定の精度を有する場合のみ、良否選別検査を実行可能とするため、良否選別検査において計量手段の応答性能および計量性能の不具合による検査品質の低下を防止することができる。
【0020】
請求項3に係る重量選別装置によれば、選別判断手段が選別手段により不良ワークが排除されたと判断し、かつ良品ワークが排除されていないと判断することで、選別手段が正確に選別していることを確認することができる。また、正確に選別された場合のみ、良否選別検査を実行可能とするため、良否選別検査において選別手段の選別不良による検査品質の低下を防止することができる。
【0021】
請求項4に係る重量選別装置によれば、計量手段の計量精度が低い場合に、重量判定手段の判定基準となる所定の許容範囲を狭く変更することにより、重量判定手段の判定基準を厳しくして良否選別検査を開始することができる。これにより、計量手段の計量精度が所定の精度を有しない場合でも良否検査を開始して一定の生産量を確保することができる。
【0022】
請求項5に係る重量選別装置によれば、計量精度の精度判定をする者が、認証手段により認証が得られた者に制限されるため、部外者による計量精度の精度判定を防止することができる。特に、計量精度の精度判定ができる者を専門知識や経験を積んだ作業者に制限すれば、計量精度の精度判定において不具合が生じた場合でも、作業者が適切な対応をとることができる。
【0023】
請求項6に係る重量選別装置によれば、工場外に製品を出荷した後に問題が生じた場合でも記録された認証履歴情報から、問題の原因を究明することができる。
【0024】
請求項7に係る重量選別装置によれば、良否選別検査時に重量選別装置に装置異常が発生した場合に、良否選別検査を停止するため、装置異常による検査不良を防止することができる。
【0025】
請求項8に係る重量選別装置によれば、重量選別装置に装置異常が発生した場合に、装置異常を作業者に報知して復旧作業を促すことにより、重量選別装置を早期に復旧させることができる。
【0026】
請求項9に係る重量選別装置によれば、装置異常が解消されるまで、良否選別検査が再開されることがないので、装置異常による検査不良を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
まず構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の斜視図である。
【0029】
図1に示すように、重量選別装置1は、重量によって被検査物Wを選別するものであり、計量ユニット10と、選別ユニット30と、不良品収納ボックス40と、から構成されている。重量選別装置1は、生産ラインの一部を構成する搬入コンベア2の後端に設置され、搬入コンベア2から順次搬入されてくる被検査物Wの重量を計量ユニット10で計量することにより良品と不良品とに判定し、計量ユニット10で判定された判定結果に基づき選別ユニット30で被検査物Wを選別する。良品として選別された被検査物Wは、そのまま生産ラインを流れて工場外に出荷され、不良品として選別された被検査物Wは、不良品収納ボックス40に収納されて、異物が混入しない状態で一定期間隔離される。なお、ここでいう被検査物Wとは、包装された生肉、魚、加工食品、医薬などの工場の生産ラインで搬送されるものである。
【0030】
計量ユニット10は、制御ボックス11と、助走コンベア12と、秤量コンベア13と、搬入センサ15と、荷重センサ16と、を備えている。
【0031】
制御ボックス11は、正面上方に設けられた表示部18と、表示部18の下方に設けられた操作部19と、を有し、重量選別装置1全体の駆動を統括管理している。表示部18は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスで構成され、操作画面や各種メッセージを表示する。操作部19は、重量選別装置1を制御するための各種設定を入力するために用いられる。なお、操作部19は、表示部18の一部にタッチパネルとして形成されていてもよい。
【0032】
助走コンベア12は、搬入コンベア2から被検査物Wを受け取るように搬入コンベア2の下流側に隣接し、搬入コンベア2から順次送られてくる被検査物Wの搬入間隔を調整して秤量コンベア13に送り出す。なお、助走コンベア12は、いわゆるベルトコンベアであり、一対のローラ21a、21bと一対のローラ21a、21bに掛け渡された無端ベルト22と、一対のローラ21a、21bのいずれか一方を回転駆動する駆動モータ46(図4参照)と、から構成されている。駆動モータ46の駆動は、制御ボックス11により制御されている。
【0033】
秤量コンベア13は、助走コンベア12から被検査物Wを受け取るように助走コンベア12の下流側に隣接して配置されている。また、秤量コンベア13は、荷重センサ16の上に載置されており、助走コンベア12から送られてくる被検査物Wを荷重センサ16に計量させると共に、選別ユニット30に送り出している。なお、秤量コンベア13も助走コンベア12と同様にベルトコンベアで構成され、制御ボックス11により制御されている。
【0034】
搬入センサ15は、投光部25aと受光部25bとから構成され、助走コンベア12と秤量コンベア13との間に、投光部25aおよび受光部25bを対向するようにして配置されている。受光部25bは、投光部25aからの光を検知しており、被検査物Wが投光部25aからの光を遮光して受光部25bが光を検知できなくなることで、被検査物Wの存在を検知する。搬入センサ15は、被検査物Wの存在を検知すると、荷重センサ16に搬入検知信号を出力する。搬入検知信号は、荷重センサ16の計量開始のタイミングに利用される。
【0035】
荷重センサ16は、秤量コンベア13上の被検査物Wを計量して計量信号を制御ボックス11に出力する。また、荷重センサ16は、搬入センサ15から搬入検知信号を受けてから(搬入センサ15が被検査物Wの存在を検知してから)所定時間T1の経過後に作動し、被検査物Wを計量し始める。本発明の実施の形態における「所定時間T1」とは、被検査物Wが助走コンベア12から秤量コンベア13に完全に乗り移り、荷重センサ16からの計量信号が安定するまでに必要な時間である。このように、荷重センサ16は、所定時間T1を経過した後に被検査物Wの重量を計量するため、計量信号の安定した部分から計量値を得ることができる。なお、荷重センサ16の計量方式は、被検査物Wの重量等に応じて電磁平衡式、電気抵抗式および差動トランス式のいずれの方式を採用してもよい。
【0036】
選別ユニット30は、搬出コンベア31と、選別機構32と、を備えている。
【0037】
搬出コンベア31は、秤量コンベア13で計量された被検査物Wを受け取り、下流に設けた搬出トレイ(図示省略)に搬出するものであり、秤量コンベア13の下流側に隣接している。また、搬出コンベア31は、秤量コンベア13から受け取った被検査物Wを選別機構32が選別可能な選別位置に搬送する。なお、搬出コンベア31は、助走コンベア12および秤量コンベア13と同様にベルトコンベアで構成され、制御ボックス11により制御されている。
【0038】
選別機構32は、制御ボックス11により制御されており、計量ユニット10により不良品であると判定された搬出コンベア31上の被検査物Wを不良品収納ボックス40へ押し出すことにより排除する。なお、選別機構32は、押出方式に限らず、アームにより搬出コンベア31上の被検査物Wの流れる方向を変えて選別するフリッパ方式や、搬出コンベア31上の被検査物Wを下方へ落下させることにより選別するドロップアウト方式の選別機構を採用してもよい。また、機械的に選別する方式に限定されず、被検査物Wが軽いものであれば、圧縮エアにより被検査物Wを吹き飛ばすエアジェット方式を採用してもよい。
【0039】
不良品収納ボックス40は、選別機構32により排除された不良品を収納し、異物の混入を防止するために隔離している。また、不良品収納ボックス40の上面は開閉扉41となっており、検査担当者は開閉扉41を開けて不良品収納ボックス40内から不良品を回収することができるようになっている。以下、図2を参照して不良品収納ボックス40の詳細構成について説明する。
【0040】
図2は、本発明の実施の形態に係る不良品収納ボックス40を断面にした状態における選別ユニット30および不良品収納ボックス40の模式図である。
【0041】
図2に示すように、不良品収納ボックス40は、収納ボックス本体45と、開閉扉41と、不良品検知センサ42と、を有し、搬出コンベア31を挟んで選別機構32の対向位置に配置されている。
【0042】
収納ボックス本体45は、上部を開放したボックス状に形成され、搬出コンベア31側の側壁には、選別機構32により押し出された被検査物Wの入り口となる矩形状の受入口43が形成されている。
【0043】
開閉扉41は、受入口43が形成された側壁の上辺部にヒンジ部材で取り付けられ、ヒンジ部材を支点として開閉可能に構成されている。不良品収納ボックス40は、開閉扉41が閉じられることにより、収納ボックス本体45の上部が覆われて、不良品収納ボックス40内への異物混入を防止している。
【0044】
不良品検知センサ42は、不良品収納ボックス40に不良品が収納されたか否かを検知する。不良品検知センサ42は、搬入センサ15と同様に、投光部44aと、受光部44bと、から構成され、投光部44aおよび受光部44bは、受入口43を挟んで上下に対向する位置に取り付けられている。不良品検知センサ42は、不良品が受入口43から不良品収納ボックス40内に収納される際に、不良品により投光部44aからの光が瞬間的に遮られることで、不良品が不良品収納ボックス40に確実に収納されたことを検知する。不良品検知センサ42は、不良品収納ボックス40への不良品の収納を検知すると、制御ボックス11に収納検知信号を出力する。
【0045】
なお、不良品検知センサ42により不良品収納ボックス40内の不良品の収納量を検知する構成としてもよい。不良品検知センサ42が収納検知信号を制御ボックス11に出力する度に、制御ボックス11がこの収納検知信号をカウントして表示部18に表示すれば、不良品収納ボックス40に収納された不良品の個数を検査担当者に正確に認識させることができる。
【0046】
図3を参照して計量信号について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る荷重センサ16の計量信号の一例を示す図である。
【0047】
図3に示すように、計量信号は、縦軸を重量[g]、横軸を時間[s]にすると、破線部を除く山型波形の頂部49を形成する。荷重センサ16は、被検査物Wが搬入センサ15に検知されてから信号の立ち上がりまでの時間とオーバーシュートが安定状態に戻るまでの時間との合計時間を示す所定時間T1の経過後から計量を開始し、信号が立ち下がる直前まで計量信号を出力し続ける。このように、搬入センサ15に検知されてから所定時間T1を経過した後に荷重センサ16が作動し、被検査物Wの重量の計量を開始するため、荷重センサ16は、計量信号の立ち上り、オーバーシュートおよび計量信号の立ち下りを除いて安定した計量値を得ることができる構成となっている。
【0048】
図4を参照して、重量選別装置1の制御構成について説明する。図4は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の制御ブロック図である。
【0049】
図1に示すように、制御ボックス11は、計量値算出手段51と、重量判定手段52と、動作モード切替手段53と、計量精度算出手段54と、精度判定手段55と、選別判断手段56と、範囲変更手段57と、認証手段58と、認証履歴記録手段59と、第1精度テスト手段60と、第2精度テスト手段61と、選別テスト手段62と、異常検知手段63と、検査停止手段64と、報知手段65と、異常解消判断手段66と、を備えている。なお、各手段は、制御ボックス11に組み込まれたCPU(Central Processing Unit)が記録部47内の制御プログラムに従って各種データを演算し、さらに重量選別装置1の各部と協働して処理を実行することにより実現されるものである。
【0050】
記録部47は、被検査物Wの検査を行なう検査担当者と検査前の重量選別装置1の動作確認テストを行なうテスト担当者を認証するための認証情報、被検査物Wの重量判定の判定基準となる許容重量範囲を示す上限値および下限値、荷重センサ16の精度判定の判定基準となる許容精度をそれぞれ記録している。これらは、事前に各担当者により操作部19を用いて入力され、記録部47に記録される。
【0051】
計量値算出手段51は、荷重センサ16から出力された計量信号に基づいて、計量値を算出する。計量値算出手段51は、図3に示した山型波形の頂部49の平均から計量値を算出する。このように、信号の立ち上り、オーバーシュートおよび信号の立ち下りを除いて頂部49の平均から計量値を算出することにより、被検査物Wの正確な重量を計量することができる。
【0052】
重量判定手段52は、計量値算出手段51により計量値が算出されると、記録部47から被検査物Wの許容重量範囲を示す上限値および下限値を読み出し、計量値と比較することにより判定する。重量判定手段52は、計量値算出手段51により算出された計量値が許容重量範囲内に無いと判定した場合(計量値<下限値、上限値<計量値)には、被検査物Wは不良品であるとして、選別機構32に対して駆動信号を出力する。選別機構32は、重量判定手段52から駆動信号を受けると、搬出コンベア31上の被検査物Wを押し出すようにして駆動し、不良品収納ボックス40に被検査物Wを押し込む。一方、重量判定手段52は、計量値算出手段51により算出された計量値が許容重量範囲内にあると判定した場合(下限値≦計量値≦上限値)には、被検査物Wは良品であるとして、選別機構32に対して駆動信号の出力を行なわない。
【0053】
動作モード切替手段53は、重量選別装置1の動作モードを、検査前に重量選別装置1の動作確認テストを行なうテストモードと動作確認テスト後に被検査物Wの検査を行なう検査モードとの間で切り替える。動作モード切替手段53は、重量選別装置1の起動時や装置異常停止時等の検査停止時に、自動的に重量選別装置1の動作モードをテストモードにする。また、動作モード切替手段53は、テストモードで重量選別装置1の動作確認テストで正常動作の確認が得られた場合にテストモードから検査モードに切り替える。
【0054】
計量精度算出手段54は、テストモードにおいて、計量値算出手段51により算出された計量値から統計データ(分布図)を生成し、統計データから計量精度を算出するものである。なお、本発明の実施の形態における「計量精度」とは、基準から±3σ離れた値で表される。
【0055】
精度判定手段55は、テストモードにおいて、記録部47から許容精度を読み出し、計量精度算出手段54により算出された計量精度と比較して、計量精度が許容精度より小さいか否かを判定する。精度判定手段55は、計量精度算出手段54により算出された計量精度が許容精度より大きい(計量精度>許容精度)と判定した場合には、精度不良であるとし、計量精度算出手段54により算出された計量精度が許容精度以下である(計量精度≦許容精度)と判定した場合には、計量精度が正常であるとする。
【0056】
選別判断手段56は、テストモードにおいて、被検査物Wの重量の許容重量範囲外の計量値を有する不良ワークおよび被検査物Wの重量の許容重量範囲内の計量値を有する良品ワークを搬出コンベア31に流した場合に、選別機構32により正常に選別動作が行なわれた否かを判断する。選別判断手段56は、不良ワークおよび良品ワークを搬出コンベア31により搬送した場合に、不良品収納ボックス40に取り付けられた不良品検知センサ42から不良品検知信号が出力されたか否かにより正常に選別動作が行なわれているか否かを判断する。不良ワークを搬出コンベア31に流した場合に、不良品検知センサ42により不良品検知信号が出力された場合には、選別機構32が駆動して不良ワークが不良品収納ボックス40に収納されたことを示すため、選別判断手段56は、選別機構32が正常動作したと判断する。一方、不良品検知センサ42により不良品検知信号が出力されなかった場合には、選別機構32が駆動せず不良ワークが不良品収納ボックス40に収納されていないことを示すため、選別判断手段56は、選別機構32が誤動作したと判断する。また、良品ワークを搬出コンベア31に流した場合に、不良品検知センサ42により不良品検知信号が出力さない場合には、選別機構32が駆動せず良品ワークが不良品収納ボックス40に収納されていないことを示すため、選別判断手段56は、選別機構32が正常動作したと判断する。一方、不良品検知センサ42により不良品検知信号が出力された場合には、選別機構32が駆動して不良ワークが不良品収納ボックス40に収納されたことを示すため、選別判断手段56は、選別機構32が誤動作したと判断する。このように、選別判断手段56は、不良ワークだけが不良品収納ボックス40に確実に収納されたことを検知することにより判断するため、選別機構32が正常に動作しているか否かだけではなく、不良品収納ボックス40の配置位置に位置ズレが無いか(受入口43が選別機構32の対向に位置しているか)を確認することもできる。
【0057】
なお、選別判断手段56は、不良ワークだけが不良品収納ボックス40に収納されることにより、選別機構32が正常に動作しているか否かを判断する構成に代えて、選別機構32の下流に良品検知センサを設け、良品ワークだけが選別機構32の下流に搬送される(良品検知センサにより検知される)ことにより、選別機構32が正常に動作しているか否かを判断する構成としてもよい。
【0058】
範囲変更手段57は、テストモードにおいて、精度判定手段55により荷重センサ16の計量精度が許容精度より大きいと判定された場合に、記録部47に記録された被検査物Wの重量の許容重量範囲を示す上限値および下限値を狭める方向に変更する。例えば、荷重センサ16の計量精度が許容精度よりも±0.20g大きい場合には、範囲変更手段57は、記録部47に記録された許容重量範囲を示す上限値を0.20g小さい値に上書きし、下限値を0.20g大きい値に上書きして許容重量範囲を狭くする。このように、重量判定手段52の判定基準を厳しくして検査を開始することができ、荷重センサ16の計量精度が許容精度範囲外の場合でも検査を開始して一定の生産量を確保することができる。なお、範囲変更手段57は、精度判定手段55により荷重センサ16の計量精度が許容精度より大きいと判定された場合に、手動により許容重量範囲を変更する構成としてもよいし、自動的に許容重量範囲を変更する構成としてもよい。
【0059】
認証手段58は、操作部19から入力されたログイン名およびパスワードと、記録部47に記録されている認証情報とを比較して、検査前の動作確認テストを行なうテスト担当者と被検査物Wの検査を行なう検査担当者とを認証する。認証情報とは、テスト担当者および検査担当者毎に対応付けたログイン名とパスワードである。認証手段58は、テスト担当者または検査担当者が操作部19を介して入力したログイン名およびパスワードが、認証情報として記録されたログイン名およびパスワードと一致するか否かを判定する。認証手段58は、テスト担当者が入力したログイン名およびパスワードと認証情報とが一致すると判定した場合、認証成功として、検査前の動作確認テストを開始可能な状態にし、検査担当者が入力したログイン名およびパスワードと認証情報とが一致すると判定した場合、認証成功として、検査を開始可能な状態にする。一方、認証手段58は、テスト担当者または検査担当者のログイン名およびパスワードの少なくとも1つが一致しないと判定した場合、認証失敗として表示部18に「ログイン名またはパスワードが間違っています。再入力をお願いします。」等のメッセージを表示させて再入力を促す。なお、本発明の実施の形態における「認証手段」は、認証情報を記録したカードキーにより認証してもよいし、指紋認証や網膜認証などの生体認証により認証してもよい。
【0060】
認証履歴記録手段59は、認証手段58による認証の履歴を示す認証履歴情報(図11参照)を記録部47に記録する。認証履歴情報は、表示部18に表示させることができ、工場外に製品を出荷した後に問題が生じた場合でも記録された認証履歴情報から、問題の原因を究明することができる。
【0061】
第1精度テスト手段60は、秤量コンベア13上に搬送対象物を搬送しない無載状態で秤量コンベア13を駆動させて、秤量コンベア13において発生する振動の影響を含めた計量精度を確認する第1精度テストを重量選別装置1に行なわせる。
【0062】
第2精度テスト手段61は、秤量コンベア13に既知の重量を有するテストワークを複数回搬送させて、荷重センサ16の応答性能および計量性能を含めた計量精度を確認する第2精度テストを重量選別装置1に行なわせる。
【0063】
選別テスト手段62は、選別動作が正常に行なわれているか否かを確認する選別テストを重量選別装置1に行なわせる。なお、第1精度テスト、第2精度テストおよび選別テストについての詳細は後述する。
【0064】
異常検知手段63は、検査モードにおいて、重量選別装置1に装置異常が発生しているか否かを検知する。装置異常としては、代表的なものとしてフォト不良があり、フォト不良は、受光部の汚れにより投光部からの光を受光部が受光できないことにより生ずる不良である。異常検知手段63は、搬入センサ15の受光部25bの汚れにより投光部25aからの光が遮られて搬入検知信号が出力され続けている場合や、不良品検知センサ42の受光部44bの汚れにより投光部44aからの光が遮られて収納検知信号が出力され続けている場合に、重量選別装置1にフォト不良が発生していることを検知する。また、装置異常としてフォト不良の他にもCPUの急激な温度上昇、回路の断線等があり、これらについては、制御ボックス11内に設けたハードウェア監視回路により監視し、ハードウェア監視回路の監視結果に基づき、異常検知手段63は、重量選別装置1に装置異常が発生している否かを検知する。
【0065】
検査停止手段64は、検査モードにおいて、異常検知手段63により装置異常が検知された場合に、助走コンベア12、秤量コンベア13および搬出コンベア31の駆動を停止させ、検査を停止する。検査停止手段64は、異常検知手段63が装置異常を検知すると、駆動モータ46に駆動停止信号を出力して、助走コンベア12、秤量コンベア13および搬出コンベア31を駆動する駆動モータ46を停止させる。これにより、検査時に重量選別装置1に装置異常が発生した場合に、検査を停止するため、装置異常による検査品質の低下を防止することができる。
【0066】
報知手段65は、検査モードにおいて、異常検知手段63により装置異常が検知された場合に、装置異常を報知する。例えば、装置異常として搬入センサ15にフォト不良が発生した場合には、表示部18に「フォト不良です。搬入センサに汚れがないか確認してください。」等のメッセージを表示させる。これにより、検査担当者に搬入センサ15の確認を促して、重量選別装置1を早期に復旧させることができる。なお、表示部18にメッセージを表示する構成に代えて音声により検査担当者に搬入センサ15の確認を促すようにしてもよい。
【0067】
異常解消判断手段66は、異常検知手段63により装置異常が検知されなくなった場合に、装置異常が解消したと判断する。異常解消判断手段66は、装置異常が解消した場合に、駆動モータ46に駆動信号を出力し検査を再開させる。これにより、装置異常が解消されるまで検査が再開されることがないので、装置異常による検査不良を防止することができる。
【0068】
図5から図10を参照して、テストモードにおける動作確認テストについて説明する。動作確認テストは、第1精度テスト、第2精度テスト、選別テストの3つのテストから構成されている。
【0069】
最初に図5、図6を参照して第1精度テストについて説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る第1精度テストの計量信号の一例を示す図である。図6は、本発明の実施の形態に係る第1精度テストの計量精度の分布図の一例を示す図である。
【0070】
第1精度テストでは、秤量コンベア13上に搬送対象物を搬送しない無載状態で秤量コンベア13を駆動させて、秤量コンベア13において発生する振動の影響を含めた計量精度を確認する。第1精度テストが開始されると、第1精度テスト手段60は、無載状態で秤量コンベア13を駆動し、荷重センサ16に計量を開始させる。この場合、秤量コンベア13は何も搬送していないため、計量信号は、図5に示すように0gの近傍を上下する波型波形を形成する。第1精度テスト手段60は、計量値算出手段51に任意の時間である所定時間T2毎に、波型波形の平均から計量値を算出させ、計量精度算出手段54に算出された計量値から、図6に示すような縦軸を計量回数[n]、横軸を計量値[g]とした分布図を生成させて計量精度を求めさせる。この場合、図6に示すように、計量精度は、「0g」を基準とした±1.00gとなる。計量精度算出手段54により計量精度が算出されると、精度判定手段55が、記録部47から許容精度を読み出し、計量精度が許容精度より小さいか否かを判定する。
【0071】
第1精度テスト手段60は、精度判定手段55により計量精度が許容精度より大きいと判定されると、表示部18に「計量精度が異常です。荷重センサ、搬送路の確認をしてください。」等のメッセージを表示させる。一方、第1精度テスト手段60は、精度判定手段55により計量精度が許容精度より小さいと判定されると、表示部18に「搬送路にテストワークを載置して、第2精度テストを行なってください。」等のメッセージを表示させ、テスト担当者に第2精度テストの実施を促す。
【0072】
なお、第1精度テストにより精度不良とされた場合に、範囲変更手段57により被検査物Wの重量の許容重量範囲を狭めて、第2精度テストを行なう構成としてもよい。
【0073】
図7から図10を参照して第2精度テストについて説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る第2精度テストの正常時の計量信号の一例を示す図である。図8は、本発明の実施の形態に係る第2精度テストの応答不良時の計量信号の一例を示す図である。図9は、本発明の実施の形態に係る第2精度テストの正常時の計量精度の分布図の一例を示す図である。図10は、本発明の実施の形態に係る第2精度テストの応答不良時の計量精度の分布図の一例を示す図である。
【0074】
第2精度テストでは、秤量コンベア13に既知の重量を有するテストワークを複数回搬送させて、荷重センサ16の応答性能および計量性能を含めた計量精度を確認する。本発明の実施の形態では、テストワークの重量は100gである。テスト担当者は、第1精度テストにおいて正常動作を確認した後、表示部18に表示されたメッセージに従って、複数のテストワークを搬入コンベア2に載置して第2精度テストの準備を行なう。第2精度テストを開始すると、第2精度テスト手段61が助走コンベア12、秤量コンベア13および搬出コンベア31を駆動してテストワークを順に搬送し、荷重センサ16に計量を開始させる。この場合、計量信号は、正常の場合には、図7に示すように破線部を除く山型波形の頂部49を形成する。この際、図8に示すように計量信号の立ち下りを検出すると、計量タイミングのズレによる荷重センサ16の応答不良を確認することができる。
【0075】
第2精度テスト手段61は、計量値算出手段51に計量信号の平均から計量値を算出させ、計量精度算出手段54に算出された計量値から縦軸をテストワークの計量回数[n]、横軸を計量値[g]とした分布図を生成させて計量精度を求める。荷重センサ16により図7に示すような正常な計量信号が得られた場合には、計量精度算出手段54は、図9に示すようなテストワークの重量である「100g」を平均とした分布図を生成する。この場合、図9に示すように、計量精度は「100g」を基準とした±3.00gとなる。一方、荷重センサ16により図8に示すような応答不良を含む計量信号が得られた場合には、計量精度算出手段54は、図9に示すようなテストワークの重量である「100g」からずれた値「99g」を平均とした分布図を生成する。この場合、図10に示すように、計量精度は「100g」を基準とした+2.00g、−4.00gとなる。計量精度算出手段54により計量精度が算出されると、精度判定手段55が、記録部47から許容精度を読み出し、計量精度が許容精度より小さいか否かを判定する。
【0076】
第2精度テスト手段61は、精度判定手段55により計量精度が許容精度より大きいと判定されると、表示部18に「計量精度が異常です。荷重センサ、搬送路の確認をしてください。」等のメッセージを表示させる。一方、精度判定手段55により計量精度が許容精度より小さいと判定されると、表示部18に「搬送路に不良ワークおよび良品ワークを載置して、選別テストを行なってください。」等のメッセージを表示させ、テスト担当者に選別テストの実施を促す。
【0077】
なお、第2精度テストにより精度不良とされた場合に、範囲変更手段57により被検査物Wの重量の許容重量範囲を狭めて、選別テストを行なう構成としてもよい。
【0078】
選別テストでは、被検査物Wの重量の許容重量範囲外の不良ワークおよび被検査物Wの重量の許容重量範囲内の良品ワークを搬出コンベア31に流した場合に、選別判断手段56により選別機構32により正常に選別動作が行なわれた否かを判断する。選別テスト手段62は、不良ワークおよび良品ワークを選別機構32に選別させ、選別判断手段56に正常に選別動作が行なわれた否かを判断させる。選別テスト手段62は、選別判断手段56が、正常に選別動作が行なわれなかったと判断すると、表示部18に「選別機構が異常です。選別機構、搬送路の確認をしてください。」等のメッセージを表示させる。一方、選別判断手段56が、正常に選別動作が行なわれたと判断すると、表示部18に「動作確認テストは正常に終了しました。検査を開始してください。」等のメッセージを表示させ、検査担当者に検査の実施を促す。
【0079】
以上の動作確認テストを終了すると、動作モード切替手段53が動作モードをテストモードから検査モードに切り替える。これにより、重量選別装置1において検査を開始可能な状態が整えられる。このように、第1精度テストおよび第2精度テストにおいて、計量精度が許容精度を有する場合のみ、動作モードを検査モードに切り替えて検査を開始できる構成となっているため、計量精度の低下による検査品質の低下を防止することができる。また、選別テストにおいて、選別動作が正常であることが確認できた場合のみ、動作モードを検査モードに切り替えて検査を開始できる構成となっているため、選別不良による検査品質の低下を防止することができる。
【0080】
なお、第1精度テストと第2精度テストは、テストワークを搬送しながら計量精度の判定を行なうか否かで異なるが、第1精度テストであれば、秤量コンベア13の駆動による影響も含めて正確に計量精度を確認することができる。具体的には、テストワークが重いものであれば、テストワークの重量により秤量コンベア13で発生する振動が抑えられて、振動による影響を含めた計量精度を正確に確認することができないが、第1精度テストのように無載置状態で秤量コンベア13を駆動して計量精度を確認すれば、秤量コンベア13で発生する振動の影響を含めた計量精度を正確に確認することができる。これにより、テスト担当者は、秤量コンベア13の振動の発生原因となるローラやベルトの劣化を特定することができ、部材交換等の適切な対応をとることができる。
【0081】
図11(a)、(b)を参照して認証履歴情報について具体的に説明する。図11(a)は、本発明の実施の形態に係る動作確認テストにおける認証履歴情報の一例を示す図である。図11(b)は、本発明の実施の形態に係る検査における認証履歴情報の一例を示す図である。
【0082】
認証履歴情報は、図11(a)、(b)に示すように動作確認テストと検査とに分類して記録部47に記録されている。動作確認テストの認証履歴情報は、認証手段58により認証されたテスト担当者名、テスト担当者の認証結果、第1精度テストのテスト結果、第1精度テストのテスト日時、第2精度テストのテスト結果、第2精度テストのテスト日時、選別テストのテスト結果、選別テストのテスト日時および備考をロット番号毎に関連付けて記録したものである。テスト日時には、テストを開始してから終了するまでの日時が記録され、備考には、例えば、「許容重量範囲を変更して検査を開始した」等の付加情報が記録される。
【0083】
また、検査の認証履歴情報は、検査担当者名、検査担当者の認証結果、検査日時および備考をロット番号毎に関連付けて記録したものである。検査日時には、検査を開始してから検査を終了するまでの日時が記録される。
【0084】
これらの動作確認テストの認証履歴情報から、例えば、問題が生じたロット番号が「0005」であれば、認証手段58により認証が得られたテスト担当者が、5月16日の9:45から9:50まで第1精度テストを行い、第1精度テストにおいて精度不良が発生したため、許容重量範囲を変更したことを特定することができる。また、検査の認証履歴情報から、認証手段58により認証が得られた検査担当者が、テスト担当者により許容重量範囲を変更された状態で、5月16日の10:10から17:10まで検査を行なったことを特定することができる。
【0085】
重量選別装置1の動作確認テストのおおまかな流れについて説明する。図12は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の動作確認テストのテスト処理を示すフロー図である。
【0086】
重量選別装置1の起動時または重量選別装置1の異常停止時に、テスト担当者によりログイン名およびパスワードが入力されると(ステップS1:Yes)、認証手段58が、入力されたログイン名およびパスワードと記録部47に記録されているテスト担当者のログイン名およびパスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS2)。認証手段58が、ログイン名およびパスワードの少なくとも1つが一致しないと判定すると(ステップS2:No)、認証失敗として表示部18に「ログイン名またはパスワードが間違っています。再入力をお願いします。」等のメッセージを表示させる(ステップS3)。一方、認証手段58が、ログイン名およびパスワードの両方が一致すると判定すると(ステップS2:Yes)、認証成功として第1精度テストを開始する(ステップS4)。
【0087】
第1精度テストにおいて、計量精度が許容精度よりも大きい場合(ステップS5:No)、重量選別装置1は動作確認テストを終了する。一方、計量精度が許容精度よりも小さい場合(ステップS5:Yes)、重量選別装置1は第2精度テストを開始する(ステップS6)。
【0088】
第2精度テストにおいて、計量精度が許容精度よりも大きい場合(ステップS7:No)、重量選別装置1は動作確認テストを終了する。一方、計量精度が許容精度よりも小さい場合(ステップS7:Yes)、重量選別装置1は選別テストを開始する(ステップS8)。
【0089】
選別テストにおいて、選別機構32の選別動作が正常でない場合(ステップS9:No)、重量選別装置1は動作確認テストを終了する。一方、選別機構32の選別動作が正常である場合(ステップS9:Yes)、動作モード切替手段53が重量選別装置1の動作モードをテストモードから検査モードに切り替える(ステップS10)。
【0090】
動作モードが検査モードに切り替わり、検査担当者によりログイン名およびパスワードが入力されると(ステップS11:Yes)、認証手段58が、入力されたログイン名およびパスワードと記録部47に記録されている検査担当者のログイン名およびパスワードとが一致するか否かを判定する(ステップS12)。認証手段58が、ログイン名およびパスワードの少なくとも1つが一致しないと判定すると(ステップS12:No)、認証失敗として表示部18に「ログイン名またはパスワードが間違っています。再入力をお願いします。」等のメッセージを表示させる(ステップS13)。一方、認証手段58が、ログイン名およびパスワードの両方が一致すると判定すると(ステップS12:Yes)、認証成功として、重量選別装置1は検査を開始する(ステップS14)。検査が開始されると、重量選別装置1は、搬入コンベア2から搬入された被検査物Wを計量ユニット10で計量し、計量結果に基づいて選別ユニット30で選別する。良品として選別された被検査物Wは出荷され、不良品として選別された被検査物Wは不良品収納ボックス40に隔離される。
【0091】
なお、テスト担当者と検査担当者とが同一者であるならば、ステップS11からステップS13までの処理を省略する構成としてもよい。
【0092】
第1精度テストの詳細について説明する。図13は、本発明の実施の形態に係る第1精度テストのテスト処理を示すフロー図である。
【0093】
第1精度テストが開始されると、第1精度テスト手段60は、秤量コンベア13上に搬送対象物を搬送しない無載状態で秤量コンベア13を駆動する(ステップS21)。秤量コンベア13が駆動すると、荷重センサ16が計量を開始して計量信号を出力する(ステップS22)。荷重センサ16が計量信号を出力すると、計量精度算出手段54が分布図を生成し(ステップS23)、生成した分布図から得られた計量データから計量精度を算出する(ステップS24)。計量精度算出手段54により計量精度が算出されると、精度判定手段55が、記録部47から許容精度を読み出し、計量精度が許容精度よりも小さいか否かを判定する(ステップS25)。精度判定手段55が、計量精度が許容精度より大きいと判定した場合(ステップS25:No)、第1精度テスト手段60が、表示部18に「計量精度が異常です。荷重センサ、搬送路の確認をしてください。」等のメッセージを表示させ、テストを終了する(ステップS26)。一方、精度判定手段55が、計量精度が許容精度以下であると判定した場合(ステップS25:Yes)、第1精度テスト手段60が、表示部18に「搬送路にテストワークを載置して、第2精度テストを行なってください。」等のメッセージを表示させ、テスト担当者に第2精度テストの実施を促す(ステップS27)。なお、精度判定手段55が、計量精度が許容精度より大きいと判定した場合には、範囲変更手段57により許容重量範囲を狭めて第2精度テストを開始する構成としてもよい。
【0094】
第2精度テストの詳細について説明する。図14は、本発明の実施の形態に係る第2精度テストのテスト処理を示すフロー図である。
【0095】
第1精度テストにおいて計量精度を確認した後、表示部18に表示されたメッセージに従って、テスト担当者により複数のテストワークが搬入コンベア2に載置され、第2精度テストが開始されると、第2精度テスト手段61は、助走コンベア12、秤量コンベア13および搬出コンベア31を駆動する(ステップS31)。各コンベアが駆動すると、荷重センサ16で計量を開始して計量信号を出力する(ステップS32)。荷重センサ16が計量信号を出力すると、計量精度算出手段54が分布図を生成し(ステップS33)、生成した分布図から計量精度を算出する(ステップS34)。計量精度算出手段54により計量精度が算出されると、精度判定手段55が、記録部47から許容精度を読み出し、計量精度が許容精度よりも小さいか否かを判定する(ステップS35)。精度判定手段55が、計量精度が許容精度より大きいと判定した場合(ステップS35:No)、第2精度テスト手段62が、表示部18に「計量精度が異常です。荷重センサ、搬送路の確認をしてください。」等のメッセージを表示させ、動作確認テストは終了する(ステップS36)。一方、精度判定手段55が、計量精度が許容精度以下であると判定した場合(ステップS35:Yes)、第2精度テスト手段62が、表示部18に「搬送路に不良ワークおよび良品ワークを載置して、選別テストを行なってください。」等のメッセージを表示させ、テスト担当者に選別テストの実施を促す(ステップS37)。なお、精度判定手段55が、計量精度が許容精度より大きいと判定した場合には、範囲変更手段57により許容重量範囲を狭めて選別テストを開始する構成としてもよい。
【0096】
選別テストの詳細について説明する。図15は、本発明の実施の形態に係る重量選別装置1の選別テストのテスト処理を示すフロー図である。
【0097】
第2精度テストにおいて計量精度を確認した後、表示部18に表示されたメッセージに従って、テスト担当者により複数の不良ワークおよび良品ワークが搬入コンベア2に載置され、選別テストが開始されると、選別テスト手段62が、選別機構32に不良ワークおよび良品ワークの選別動作を開始させる(ステップS41)。選別動作が開始されると、選別判断手段56が、不良品検知センサ42から不良品検知信号が出力されたか否かにより、選別機構32が正常動作したか否かを判断する(ステップS42)。不良ワークに対して不良品検知センサ42から不良品検知信号が出力されない場合、または良品ワークに対して不良品検知センサ42から不良品検知信号が出力された場合、選別判断手段56が、選別機構32の選別動作が正常に行なわれなかったと判断し(ステップS42:No)、選別テスト手段62が、表示部18に「選別機構が異常です。選別機構、搬送路の確認をしてください。」等のメッセージを表示させる(ステップS43)。一方、不良ワークに対して不良品検知センサ42から不良品検知信号が出力された場合、かつ良品ワークに対して不良品検知センサ42から不良品検知信号が出力されない場合、選別判断手段56が、選別機構32の選別動作が正常に行なわれたと判断し(ステップS42:Yes)、選別テスト手段62が、表示部18に「動作確認テストは正常に終了しました。検査を開始してください。」等のメッセージを表示させ、検査担当者に検査の実施を促す(ステップS44)。
【0098】
以上説明したように、本発明に係る重量選別装置1は、動作確認テストにおいて正常動作を確認することができた場合のみ、動作モードがテストモードから検査モードに切り替わるため、経験の少ない作業者により確認作業が忘れられて省略されることがない。検査前に計量精度の確認作業等が必ず行なわれるため、検査において確認不足による検査品質の低下を防止することができ、不良品の工場外への流出を防止することができる。
【0099】
なお、認証手段58によりテスト担当者の認証が得られてから第1精度テストを開始する構成としたが、重量選別装置1の起動時および異常停止時に、テスト担当者に認証を求めることなく自動的に第1精度テストを開始し、第1精度テスト終了後に認証手段58によりテスト担当者の認証が得られてから第2精度テスト以降を開始する構成としてもよい。
【0100】
また、本発明の実施の形態では、第1精度テスト、第2精度テスト、選別テストの順で動作確認テストを実施したが、第1精度テスト、選別テスト、第2精度テストの順で動作確認テストを実施する構成としてもよい。また、動作確認テストを3つのテストから選択して行なう構成としてもよい。
【0101】
装置異常が発生した場合には、認証履歴記録手段59により、検査の認証履歴情報の備考に記録する構成としてもよい。問題が生じた製品のロット番号から装置異常を特定することができ、装置異常により重量選別装置1を稼動することができず、手動で検査を行なった等の事実を確認することができる。
【0102】
また、上記に示した実施例によらず、重量選別装置1について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る不良品収納ボックスを断面にした状態における選別ユニットおよび不良品収納ボックスの模式図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る荷重センサの計量信号の一例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の制御ブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る第1精度テストの計量信号の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る第1精度テストの計量精度の分布図の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る第2精度テストの正常時の計量信号の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る第2精度テストの応答不良時の計量信号の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る第2精度テストの正常時の計量精度の分布図の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る第2精度テストの応答不良時の計量精度の分布図の一例を示す図である。
【図11】(a)は、本発明の実施の形態に係る動作確認テストの認証履歴情報の一例を示す図であり、(b)は、本発明の実施の形態に係る検査の認証履歴情報の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の動作確認テストのテスト処理を示すフロー図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る第1精度テストのテスト処理を示すフロー図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る第2精度テストのテスト処理を示すフロー図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る重量選別装置の選別テストのテスト処理を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0104】
1 重量選別装置
2 搬入コンベア
10 計量ユニット
11 制御ボックス
12 助走コンベア
13 秤量コンベア
15 搬入センサ
16 荷重センサ
18 表示部
19 操作部
21a、21b ローラ
22 無端ベルト
25a 投光部
25b 受光部
30 選別ユニット
31 搬出コンベア
32 選別機構
40 不良品収納ボックス
41 開閉扉
42 不良品検知センサ
43 受入口
44a 投光部
44b 受光部
45 収納ボックス本体
46 駆動モータ
47 記録部
49 頂部
51 計量値算出手段
52 重量判定手段
53 動作モード切替手段
54 計量精度算出手段
55 精度判定手段
56 選別判断手段
57 範囲変更手段
58 認証手段
59 認証履歴記録手段
60 第1精度テスト手段
61 第2精度テスト手段
62 選別テスト手段
63 異常検知手段
64 検査停止手段
65 報知手段
66 異常解消判断手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された搬送対象物の重量を計量する計量手段と、
前記計量手段により計量された計量値が所定の許容範囲内にあるか否かを判定する重量判定手段(52)と、
前記重量判定手段(52)の判定結果に基づいて良品と不良品とを選別する選別手段(32)と、を備え、
搬送経路上において計量された前記搬送対象物の重量に基づいて前記搬送対象物が良品であるか不良品であるかを選別する良否選別検査を実行する重量選別装置において、
前記計量手段の計量精度が所定の精度を有するか否かを判定する精度判定手段(55)をさらに備え、
前記搬送経路上に前記搬送対象物を搬送しない状態で前記搬送手段を駆動させた条件の下、前記精度判定手段(55)によって前記計量精度が所定の精度を有すると判定された場合に前記良否選別検査を実行可能にすることを特徴とする重量選別装置。
【請求項2】
前記精度判定手段(55)が、既知の重量を有するテストワークを前記搬送対象物として前記搬送手段に搬送した条件の下、前記計量手段の計量精度が所定の精度を有するか否かをさらに判定し、
前記精度判定手段(55)によって前記計量精度が所定の精度を有すると判定された場合に前記良否選別検査を実行可能にする請求項1に記載の重量選別装置。
【請求項3】
前記選別手段(32)により不良品として選別された前記搬送対象物を検知する不良品検知手段(42)と、
前記所定の許容範囲外の計量値を有する不良ワークおよび前記所定の許容範囲内の計量値を有する良品ワークを前記搬送対象物として前記搬送手段に搬送した条件の下、前記不良ワークが前記不良品検知手段(42)により検知された場合に前記不良ワークが排除されたと判断し、前記不良ワークが前記不良品検知手段(42)により検知されない場合に前記不良ワークが排除されていないと判断し、前記良品ワークが前記不良品検知手段(42)により検知された場合に前記良品ワークが排除されたと判断し、前記良品ワークが前記不良品検知手段(42)により検知されない場合に前記良品ワークが排除されていないと判断する選別判断手段(56)と、をさらに備え、
前記選別判断手段(56)により前記不良ワークが排除されたと判断され、かつ前記良品ワークが排除されていないと判断された場合に、前記良否検査を実行可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載の重量選別装置。
【請求項4】
前記精度判定手段(55)により前記計量精度が所定の精度を有しないと判定された場合に、前記所定の許容範囲を狭く変更する範囲変更手段(57)をさらに備え、
前記範囲変更手段(57)により前記所定の許容範囲を狭く変更した場合に、前記良否選別検査を実行可能にすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の重量選別装置。
【請求項5】
前記精度判定手段(55)による前記計量精度の精度判定を行なうための認証情報に基づいて認証を行う認証手段(58)をさらに備え、
前記認証手段(58)により認証が得られた場合にのみ、前記精度判定手段(55)による前記計量精度の精度判定を行なうことができることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の重量選別装置。
【請求項6】
前記認証手段(58)による認証の履歴を示す認証履歴情報(68)を記録する認証履歴記録手段(59)をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の重量選別装置。
【請求項7】
前記良否選別検査時における装置異常を検知する異常検知手段(63)と、
前記異常検知手段(63)により前記装置異常が検知された場合に、前記良否選別検査を停止する検査停止手段(64)と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の重量選別装置。
【請求項8】
前記異常検知手段(63)により前記装置異常が検知された場合に、前記装置異常を報知する報知手段(65)をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の重量選別装置。
【請求項9】
前記異常検知手段(63)により前記装置異常が検知されなくなった場合に前記装置異常が解消したと判断する異常解消判断手段(66)と、
前記異常解消判断手段(66)により前記装置異常が解消したと判断された場合に、前記良否選別検査を実行可能とすることを特徴とする請求項7または8に記載の重量選別装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−296201(P2008−296201A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148380(P2007−148380)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】