説明

野菜又は/及び果実のシート及びブロック

【課題】 野菜、ハーブ、果物の単品または複数種類を材料とするシートまたはブロックの製品を提供する。
【解決手段】 野菜単品又は複数種類の混合品、ハーブ単品または複数種類のハーブの混合品、果物単品又は複数種類の混合品、野菜と果物、野菜とハーブ、ハーブと果物夫々の複数の混合品、野菜、ハーブ、果物の複数の混合品を粉砕し、その食物繊維、固形部分を含む残渣と水溶液を分離し、該水溶液に調味料、食品添加物を添加する等の加工を加えた後、前記残渣と混和してシート状又はブロック状の製品に加工、提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は根菜及びハーブを含む野菜又は/及び果実のシート及びブロックに関する。より詳細には、野菜単品、複数種類の混合品、ハーブ単品または複数種類のハーブの混合品、果実単品又は複数種類の混合品、野菜と果実、野菜とハーブ、ハーブと果実夫々の複数の混合品、野菜、ハーブ、果実の複数の混合品(以下野菜、ハーブと果物の単品、複数の混合品を総称して素材と略称する。また野菜には根菜、ハーブを含むものとする。)を粉砕し、その食物繊維、固形部分を含む残渣と水溶液を分離し、該水溶液に調味料、食品添加物を添加する等の加工を加えた後、前記残渣と混和してシート状又はブロック状の製品に加工、提供するものである。
【背景技術】
【0002】
生活様式の近代化とともに食生活の多様化が進んでいるが、一面では成人病の発生年齢が次第に若年方向に進んでいることが指摘され、大きな社会問題となっている。この対策として、日常、野菜、果物をより多く摂取することが望まれている。このような状況に対応するものとして、また農業生産品の有効活用、農業経営における安定的な収益確保の観点から、日常、採取する生野菜、果実を加工したシートに関する発明が多くなされている。
【0003】
特許文献1では果物、野菜、若しくは果物と野菜、の組み合わせの層を含む食用フィルムの固体成分百分率が、75%のピューレから乾燥時の厚さ、含水量、水分活性の範囲を規定した食料フィルムを提案している。
特許文献2では野菜若しくはワカメ、昆布等の栄養を可能な限り保有した状態のシートの製造方法を目的として所定寸法に切断した植物片(野菜若しくはソウ類中のカッソウ類)のボイル工程と、この植物片を粉砕してミンチ状とするミンチ工程と、このミンチ材を混練処理することによりペースト状にする混練工程のペーストをシート状に薄く延ばす分配工程と、これを乾燥する乾燥工程とにより乾燥シートとする製造方法を提示している。
【0004】
【特許文献1】特許公表公報2008−512119請求項1
【特許文献2】特開平10−155450請求項1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献の他、多くの発明に、野菜シートの製法に関する色々な提案がなされているが、例えばスイカ、メロンのように極めて水溶液が多い果実もあれば、ゴボウ、ジャガイモ等のように残渣が多く水溶液が比較的少ない野菜や、ハーブもある。本発明者は食物繊維に関する長年の研究の蓄積から、前記極めて水溶液が多いスイカ、メロン等の果実から水溶液が比較的少ない野菜、ハーブ等に至るまで統一してシート状又はブロック状で且つ栄養及び素材本来の色彩の劣化が少ない製品に加工する方式を編み出した。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、前記水溶液の量が極めて多い果実も、水溶液が比較的少ない野菜、ハーブでも共通して処理が可能であり、かつ効率の良い加工工程であり、しかも栄養のロスが少なく、従って栄養豊富なシートまたはブロックにすることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の手段は請求項1に該当し、野菜、ハーブ、果物若しくは、野菜、ハーブと、果物の混合物を粉砕し、水溶液と食物繊維、固形部分を含む残渣とに分離し、前記残渣を100%とする重量%で前記水溶液の10%から100%に、調味料と食品添加物を加えた混合液を前記残渣に混和したものを、所定の厚さに広げて乾燥または焼き固めて成形する。完成品の厚さが0.3mmから30mm、含水量が8.5%から15%、および水分活性が約0.1から約1である野菜、ハーブ、果実を素材とするシート及びブロックを提供しようとするものである。
【0008】
本発明の第1の手段によれば、野菜単体又は複数種類の混合体、果実単体又は複数種類の混合体、野菜と果実の複数の混合体を野菜、果物若しくは野菜と果物を粉砕し、その水溶液と食物繊維、固形部分を含む残渣とを分離し、前記水溶液に調味料、食品添加物を加えた後残渣の重量を100%として、その重量の10%から100%の混合液を該残渣に混和し、所定の厚さに広げて乾燥又は焼き固めて成形するようにしている。
【0009】
本手段によれば、例えば水溶液が残渣の重量の3倍以上に及ぶスイカのような果物の場合、粉砕した果実と、その全水溶液を用いて乾燥又は焼き固めることは困難であり、よしんば行ったとしても極めて熱効率が悪く、それ故に栄養成分のロスも大きくなる。常識的には、水溶液の一部は流出させて廃棄されるかまたは別の用途に転用されるものと考えられる。本発明においては水溶液と残渣を分離することにより前記水溶液の一部を本加工に供し、残りは例えばジュースとして別の用途に有効に活用するための衛生的な管理ができるシステムを組むことができ、且つ乾燥又は焼成の時間を短縮できるため栄養分も豊富な状態で完成品とすることができる。
【0010】
また完成品に焼き海苔のようなパリパリとした食感を出すためには厚さを0.3mmから0.5mm、含水量は8.5%から15%の範囲で少なめの値となるまで乾燥又は焼成することが好ましい。しかし厚さ及び含水量をこれ以下にすると、容易に砕けてしまい、商品価値を維持することが困難になる。また、水分活性は0.1から1.0、好ましくは0.6以下に、前記含水量の範囲に維持し厚さを10mmから30mmと厚くすると、カリカリとした食感の完成品に仕上げることができる。これらは細い棒状に切断することにより食べ易い食品とすることができる。
【0011】
含水量を多めに維持し厚さを0.3mmから1mmとした場合,前記パリパリとした食感とは対照的な、しっとりとした食感となり、さらに厚みを10mmから30mmとした場合、クッキーの様な歯触りの食感を得ことができる。このような完成品では色々な型で押し切り、様々な形状のクッキーの如き食品とすることも可能である。
【0012】
水分活性awは食品を入れた密閉容器内の水蒸気圧(P)とその温度における純水の蒸気圧(PO)の比で定義され、以下の式によって求められる。
aw=P/PO
純水の水分活性は1.000awであり、
aw=0.000〜1.000awの範囲で表される。
食品中にはタンパク質、炭水化物等と結合した結合水と移動が容易な自由水が含まれている。食品中で微生物が繁殖するには適切な量の自由水が存在することが不可欠であり、食品中の水分活性を低下させる加工を行った場合、微生物の繁殖は抑止できる。
【0013】
食物の微生物による保存性についていえば、水分活性がその判断基準となる。一方含水量が多い食物は、微生物が繁殖しやすいという関係はあるが、食品添加物や、調味料を添加することにより水分活性を低下させることが出来ることは、定説である。
換言すれば、食物の保存性からは水分活性が判断基準として有効である。他方完成品にパリパリ感、カリカリ感を出し、又シットリ感を出すためには含水量の調節は食品添加物による調節と共に不可欠の条件になる。水分が多目による保存性が低下するという課題は、食品添加剤又は調味料特に塩分、糖分を自由水に溶解させて水分活性を低下させることで解決できる。また微生物を排除した雰囲気中で水分、微生物を透過しないフィルムで包装することでも解決できる。
【0014】
なおここで、水溶液とは野菜又は果実、ハーブ等を粉砕して得られた汁液に対する業界の専門用語である。残渣とは前記水溶液を分離した後に残る食物繊維、固形部分をいう専門用語であるため、以下この意味で用いる。また、素材とは、野菜、果実、ハーブを総称していう。野菜は根菜及びハーブを含めて言う。また本課題解決による製品を完成品という。
【0015】
本発明の第2の手段は請求項2に該当し、本発明の第1の手段に加えて残渣を分離した水溶液の60%から100%を真空中で濃縮して10%から50%にし、調味料と食品添加物を加えた混合液とするようにしている。
【0016】
本発明の第2の手段によれば、例えばスイカの水溶液の全部または一部を真空中で濃縮して残渣の重量を100%とする重量%で、10%から100%とすることにより、スイカの水溶液の全量を残渣に戻して混和することもできる。なお水溶液単体を真空中で加熱濃縮することにより、沸騰温度が低いうえに、最後まで液の対流により全体の熱の分布が均一で、短時間に濃縮が行えるため、残渣と共に加熱蒸発させる場合に起こる局部的な高温となり栄養成分が熱影響を受ける恐れ、及び熱影響にさらされる時間が短いという効果により栄養成分の損失が少なく栄養豊かつ素材本来の色彩を保った製品とすることが期待できる。
【0017】
本発明の第3の手段は請求項3に該当し、本発明の第1、及び第2の手段に加えて、加える調味料は食塩、砂糖等の甘味料、酢、醤油、味噌であり、食品添加物は寒天、アルギン酸、グルコース、グリセリンのうち、寒天とアルギン酸を必須添加物とするようにしている。なお寒天についてはあらかじめ60℃以上の湯で溶解して使用する。
【0018】
本発明の第3の手段によれば、それぞれの野菜、果実、及びハーブ等の素材本来が持つ香り、食感及び固有の食味を生かすため調味料として食塩、砂糖等の甘味料、醤油、味噌、酢や胡椒等の香辛料を適宜加え、又全体をまとめ、パリパリ感、カリカリ感、しっとり感、歯当り等の食感を出すために寒天、アルギン酸、グルコース、グリセリン、澱粉、ソルビトール、キシリトール、コーンスターチ、タピオカ、その他の食品添加物を適宜添加するが、寒天とアルギン酸は、発明の製品を得るために必須添加物として使用するようにしている。
【0019】
本発明の第3の手段によれば、本発明の第1、第2の手段に加えて、調味料を加えることにより野菜、果実、ハーブ等素材が持つ香り、味を生かしつつ更に旨みを増すという効果がある。また食物添加物を加えることにより水分を含んだ残渣を結合するいわゆるバインダの役割を担い、まとまりを良くし表面の光沢を増し商品価値の向上に寄与する。特に塩分と糖分を添加することにより完成品の水分活性を低くし微生物の繁殖を抑止することが出来る。
【0020】
本発明の第4の手段は、請求項4に該当し、本発明の第1、乃至第3の手段に加えて、混和した後の工程で滅菌処理を行うようにしている。
【0021】
本発明の第4の手段によれば,製品の衛生を保つことが出来る。また殺菌そのものは極短時間で終了するため前記食品の栄養にも影響が少なく、且つ保存性が良い製品となるという効果もある。また野菜、ハーブ、果物の規格外品、商品化のために除外された廃材の商品として再生を可能とすることができる。
【0022】
本発明の第5の手段は、請求項5に該当し、本発明の第1乃至第4の手段に加えて乾燥処理を冷凍乾燥をするようにしている。
【0023】
本発明の第5の手段によれば、低温で速やかな乾燥ができ野菜、ハーブ、果物が持つ有効成分を損ねることが少ないという効果を奏する。
【発明の効果】
【0024】
本発明の効果は、次のとおりである。
1.農業、園芸、菜園の総ての産物をカバーするため年間を通じて原材料の枯渇又は過多の問題は起こり難く、従って安定した事業とすることが出来る。
2.素材を粉砕した後水溶液と残渣を分離して水溶液を処理する方式であるため水溶液の処理を効率よく、衛生的なシステムを組める上、栄養豊富な製品を安いコストで生産できる。
3.シート状からブロック、棒状の多様な形態で、且つシート状ではパリパリ感からシナシナ感、棒状、ブロック状ではカリカリ感からシットリ感と多様な食感、原材料の持つ栄養、色素を損ねることが少なく、表面状態が良い製品を生産できる。これらの利点を総合すると、事業化の目途を立てやすいといえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0025】
本発明を実施するための最良の形態について図1を参照して詳細に説明する。図1は本発明を実施するフロー図であり四角枠で囲った部分は、加工過程における材料の状態を示し、楕円形の枠で囲った部分は、材料に対する加工工程または処理工程を示す。
図1において1は本発明の実施例1のフロー図である。該フロー図1において、2は水溶液が少ない部類に属する素材で水溶液の重量が残渣の重量の2倍又は、それ以下のものである。今回は、新鮮な人参5.0Kgを素材として用い、パリパリ感があるシート状人参と、カリカリ感があるブロック状人参を作った。
【0026】
3は素材の破砕工程である。該破砕工程3には以下いずれも公知であるブレードを持つ回転機、臼による磨り潰し加工機、細かい切刃を持つ表面に素材をこすりつける下ろし加工機等が用いられるが、今回は回転機の一種であるミキサーを用いた。なお商品とならず廃材となった野菜の中には不溶性の強い食物繊維がある場合には、前記臼でこれを磨り潰して食感を改善することができる。
4は分離工程である。該分離工程4も、いずれも公知の濾過、加圧濾過、遠心分離等があるが今回は遠心分離機を用いた。遠心分離機によると水溶液6の分離が良く残渣に残る水溶液の量が安定するためである。
5は遠心分離により水溶液を分離した後に残った残渣であり、6は分離された水溶液である。該水溶液6の重量は前記残渣6の約2倍であった。
【0027】
7は水溶液6の調量工程である。又8は余剰分である。また9は混合行程である。前記水溶液6は前記残渣5のほぼ2倍の重量であったため、調量工程7において今回は余剰分8を残渣5の重量と等量として水溶液6の半量を混合工程9に移した。
【0028】
10は調味料であり、11は食品添加物である。前記混合行程9においては前記水溶液6に調味料10として食塩を混合後の重量3.3Kgの2%を加えた。食塩は味を調える目的の他に腐食を予防し保存性を良くする目的にも適っている。食品添加物11として澱粉類と寒天を夫々加えた。特に澱粉類は、ニンジンシートの形状をまとめるバインダーの役割と、パリパリとした食感を与える。
【0029】
12は混和行程である。該混和行程12において、使用する混和機はいずれも公知のであるが、容器の底に比較的低速で回転する幅広のブレードを持つ混和機、容器の上側から容器の底に向かって斜めに伸びる比較的低回転で回転するヘラを有する混和機等があるが、前記残渣5と、混合行程を経た水溶液6、調味料10、食品添加物11の混合液9とを均一になるように混和する。今回はヘラを用いて混和した。
【0030】
13は成型工程である。該成型工程13では、粘貼な混和物4.5Kgを2分して一方は、テフロンコーティングしたステンレス板の上に約150gづつ配分し、約210×180×0.4mmのシートに伸ばした。他方ブロックは、同じくテフロンコーティングした容器に200gづつ配分し、ブロックは、100×45×45mmのブロックとした。
前記シートおよびブロックは、急速冷凍乾燥器内で冷凍し、凍った水気を温風により昇華させてそれぞれ乾燥した。
【0031】
14は焼成工程である。焼成に適するのは澱粉質を主体とする甘藷、馬鈴薯等の澱粉質を多く含む根菜は加熱が必要であるため、本工程ではオーブンを使用しで焼き上げる。オーブンを使用する場合カリカリに焼き上げるには200℃以上で、シットリ感を出すには180℃と低めの温度で焼成することが好ましい。
【0032】
16は殺菌工程である。該殺菌工程16は本実施例の如く各加工工程において高温に曝す工程を含まない。これは前記の如く素材の色彩、香り、食味、栄養を極力生かす観点から組み上げた工程であるが、素材が農産物であり、しかも廃品を有効活用する目的で組まれた加工工程である以上、雑菌の混入があった場合これを完全に排除する工程を設けておくことは必要不可欠なことである。本実施例では紫外線により素材に負担がかからない処理をし、素材の良さをそのまま生かせるように配慮した。
【0033】
完成した人参シートおよびブロックは、新鮮な人参そのものの色彩を保ち、パリパリ感のある乾いた感触で、2枚重ねに折り曲げて折目を押さえて折目をつけると折目に沿って切れる。一方人参ブロックは、カリカリとした食感であった。なお完成品のサイズは、
ニンジンシート=190×98.5×3.6mm、
人参ブロック =91×40×40mmであった。
試みに握り飯を包んでみたが、ほぼ焼き海苔と同様に使用できることがわかった。
【実施例2】
【0034】
本発明を実施するための最良の形態について図2を参照して詳細に説明する。図2において20は本発明を実施するフロー図であり図1で説明したと同様に四角枠で囲った部分は、加工過程における材料の状態を示し、楕円形の枠で囲った部分は、材料に対する加工工程または処理工程を示す。なお図1で説明したものと同じ部分については同じ符号を付して説明を簡略にする。
【0035】
20は残渣に対して水溶液が多い素材の加工工程で、スイカ5Kgを素材として用い、しっとりとした食感及びカリカリとした食感ののシートおよびブロックを作る。
【0036】
21は素材である。素材21であるスイカはミキサーを使用し、破砕3、遠心分離4を経て残渣5約1.0Kg及び水溶液25約4.0Kgに分離した。26は真空蒸発工程である。該蒸発工程26では、水溶液全量を真空状態で、約60℃で沸騰させた。即ち余剰分27はなしとした。
【0037】
この真空中の沸騰では、水溶液が不溶性食物繊維を含む残渣がないため対流により熱の分布が一様に維持されるため加熱を終えるまで水溶液全体の温度がほぼ均一で、局部的に高温部が生じ難いと考えられる。水溶液は残渣とほぼ同重量の粘貼な液体となったところで、取り出し。混合行程9で調味料10として少量の塩を加え、食品添加物11として寒天及びアルギン酸と澱粉を加えて混合した。
【0038】
混和行程12では、前記残渣5と混合行程混合行程9を経た混合液をヘラでよくかき混ぜ、これを2分し、その一方は
約150gづつに分けテフロンコーティングしたプレート上に約210×180×0.4mmに伸ばした。
他方は、約200gづつに分けテフロンコーティングしたプレート上に約100×45×45mmのブロックに成型した。
これらは共に約180℃及び230℃の雰囲気のオーブンで焼成した結果180℃で焼成したものは柔らかい歯触りに仕上がり、230℃で焼成したものは固くパリパリとしたものに仕上がった。なお製品の仕上がりは実施例1とほぼ同じ寸法に仕上がった。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の効果は次の通りである。
1.季節の野菜、果実は気候、天候に支配され、収穫が例年よりも多い場合その価格が暴落し、また成熟期に台風等により折角の果実が落下して農家の経営の大きな打撃を与えるという事例も多い。
また日常の生産活動の成果である野菜、果実共に商品として市場に出荷するため外葉の除去、選別、により食用可能であるが商品化不適格部分または撰別屑が大量に発生し、これらは廃棄または家畜の飼料等にまわされており、有効活用の観点からは必ずしも満足すべき状態にないのが現状である。
2.本発明によれば余剰品として本来有すべき価値に比べて著しく低い価値しかもたなかった商品化不適格または廃棄野菜、果物、が、本発明によるシートまたはブロックに加工すれば、栄養豊かな食品に再生して、新しい価値を生む。したがって農業経営の安定化に寄与することができる。また実質的に可食野菜、可食果実の廃棄による無駄を大幅に削減し実質的に生産量を増やしたものと同一の効果を生む結果に寄与する。
3.本発明は、使用する野菜、ハーブ、果物の種類が多いため年間を通じて材料の安定的供給を得ことが可能である、また特に栄養面の劣化が少ない栄養が豊富な製品を供給可能である。従って安定的に事業を継続することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例1の工程フロー図である
【図2】本発明の実施例2の工程フロー図である。
【符号の説明】
【0041】
1 本発明実施例1の工程フロー図である。
2、21 素材の表示である。
3、破砕工程である。
4 遠心分離工程である。
5、25 遠心分離で得られた水溶液である。
6 残渣である。
7 調量工程である。
8、27 余剰分除外工程である。
9 混合行程である。
10 調味料である。
11 食品添加物である。
12 混和行程である。
13 シート・ブロック整形工程である。
14 焼成工程である。
15 乾燥工程である。
16 殺菌工程である。
20 本発明実施例2の工程フロー図である。
26 真空蒸発工程である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
根菜、ハーブを含む野菜、果物若しくは野菜と果物を粉砕し、水溶液と食物繊維、固形部分を含む残渣とに分離し、前記残渣を100%とする重量%で前記水溶液の10%から100%に調味料と食品添加物を加えた混合液を前記残渣に混和したものを、所定の厚さに広げて乾燥または焼き固めて成形する野菜又は/及び果物の完成品であって、前記水溶液と残渣とを分離後水溶液の処理を行い、かつ前記残渣と処理後の水溶液とを混和し、完成品の厚さが0.3mmから30mm、含水量が8.5%から15%、および水分活性が0,1から1.0であることを特徴とする野菜又は/及び果物のシート及びブロック。
【請求項2】
残渣を分離した水溶液の60%から100%を真空中で濃縮して10%から50%にし、調味料と食品添加物を加えた混合液としたことを特徴とする請求項1に記載の野菜又は/及び果物のシートおよびブロック。
【請求項3】
加える調味料、食品添加物のうち、寒天とアルギン酸が必須添加物であることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の野菜又は/及び果物のシート及びブロック。
【請求項4】
水溶液と残渣を混和した後、乾燥処理を行ったものは、滅菌処理を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の野菜又は/及び果物のシートまたはブロック。
【請求項5】
乾燥処理は、冷凍乾燥である請求項1乃至請求項4に記載の野菜又は/及び果物のシート又はブロック。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−284148(P2010−284148A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−159295(P2009−159295)
【出願日】平成21年6月13日(2009.6.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(505227571)
【出願人】(509189248)
【Fターム(参考)】