説明

金型部材の製造方法及び金型部材

【課題】大型で且つ微細な凹凸構造を有する金型部材を容易に製造できる製造方法並びにそのような金型部材を提供する。
【解決手段】母材に無電解Ni−Pメッキ処理を行いメッキ被膜を設ける工程(イ);及び前記メッキ被膜を切削して凹凸構造を有するメッキ層を形成する工程(ロ)を含む金型部材の製造方法であって、前記無電界Ni−Pメッキ処理において、メッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値を4〜7の範囲内に制御することを特徴とする製造方法;並びに前記製造方法により得てなる金型部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型部材の製造方法及び金型部材に関し、特に、光学部材製造用などの精密な加工が求められる金型部材の製造方法及び金型部材に関する。
【背景技術】
【0002】
光学用途の部材においては、樹脂の表面に精密な凹凸構造を形成する加工が求められる場合がある。例えば、ディスプレイ装置用の光拡散板等の平板状の部材においては、その表面に微細な凹凸を均一に設けることが求められる場合がある。
【0003】
そのような加工をする場合、かかる微細な凹凸を有する、スタンパと呼ばれる金型部材を含む複数の部材からなる金型を用い、射出成形等の成形法により樹脂を成形することが行なわれている。
【0004】
かかるスタンパを製造するためには、当然ながら精密な凹凸構造の形成が求められる。そのような凹凸構造の成形方法の一つとして、金属母材の表面に、メッキにより均質且つ加工容易なメッキ被膜を形成し、このメッキ被膜をバイト等の切削工具で切削することにより凹凸構造を形成することが知られている。そして、このようなメッキ被膜の形成方法の一つとして、ニッケル、リン及び銅を含むメッキ液による無電解メッキ(Ni−P−Cuメッキ)が知られている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−355077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、Ni−P−Cuメッキにより形成したメッキ被膜を有する金属母材を切削加工に供して凹凸構造を形成すると、微細部分にゆがみが発生するという現象が見られることがある。このような現象は、大型の平板状のスタンパの表面に微細な凹凸を形成する際に特に顕著であり、光学部材の大型化において大きな障壁となっていた。
【0007】
したがって本発明の目的は、大型で且つ微細な凹凸構造を有する金型部材を容易に製造できる製造方法並びにそのような金型部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明者が検討した結果、メッキ被膜を形成する際のメッキ液の組成を特定のものとすることにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明によれば、下記の〔1〕〜〔3〕が提供される:
【0009】
〔1〕 母材に無電解Ni−Pメッキ処理を行いメッキ被膜を設ける工程(イ);及び
前記メッキ被膜を切削して凹凸構造を有するメッキ層を形成する工程(ロ)
を含む金型部材の製造方法であって、
前記工程(イ)における無電界Ni−Pメッキ処理において、メッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値を4〜7の範囲内に制御することを特徴とする製造方法。
〔2〕 前記工程(ロ)における切削が、前記メッキ被膜上に、平行な複数の溝を形成する工程を含む前記製造方法。
〔3〕 前記製造方法により得てなる金型部材。
【発明の効果】
【0010】
本発明の金型部材の製造方法によれば、大型で且つ微細な凹凸構造を有する金型部材を容易に製造することができる。また、本発明の金型部材は、大型で且つ微細な凹凸構造を有しながら、容易に製造しうるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の金型部材の製造方法は:
工程(イ):母材に特定の条件での無電解Ni−Pメッキ処理を行いメッキ被膜を設ける工程、及び
工程(ロ):前記メッキ被膜を切削して凹凸構造を有するメッキ層を形成する工程
を含む。
【0012】
(工程(イ))
工程(イ)において、メッキ処理の対象となる母材は、Ni−Pメッキ処理が可能ないずれの母材を用いることもできるが、金型部材として求められる形状や耐久性の点から、ステンレスなどの金属を好ましく挙げることができる。
【0013】
工程(イ)における無電解Ni−Pメッキ処理とは、反応系中にニッケル元素及びリン元素が存在する状態で行なわれる無電解メッキである。具体的には、ニッケル及びリンを含有するメッキ液に母材を浸漬することにより行なうことができる。より具体的には、ニッケル元素供給源としてNiSO、及びリン元素供給源としてNaHPOを含有する適切なメッキ液を建浴し、これに母材を浸漬してメッキ処理を開始し、メッキ処理を行いながらこれらの成分の量をモニタし、メッキ処理によるこれらの減少に応じてこれらの成分を含有する補給液を追加することにより行なうことができる。
【0014】
本発明においては、メッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値を4〜7の範囲内に制御する。この比をかかる範囲内に制御することにより、得られるメッキ被膜の加工性を高めることができる。
【0015】
メッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値が上記所定の範囲にあることは、一般的にメッキ処理に用いられるメッキ液の自動分析補給装置による分析、蛍光X線分析装置による分析、プラズマ励起発光分光分析装置、又はこれらの組み合わせにより確認することができる。
【0016】
メッキ液中のリン元素及びニッケル元素それぞれの含有割合は、特に限定されないが、それぞれ1.6〜4.2重量%及び0.4〜0.6重量%とすることができる。
【0017】
実施の条件によっては、建浴時のメッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値が上記所定の範囲外であり、メッキ処理を行い補給液を添加するうちに(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値が所定の範囲内に入ることがある。例えば、ニッケル元素濃度及びpHを、メッキ処理に適した範囲とすべく制御しようとすると、建浴直後のリン元素濃度が所定の範囲外となり、メッキ処理開始後に補給液を添加するうちにリン元素濃度が上昇し所定の範囲内となることがある。建浴時のpHは、4.0〜5.0とすることが好ましい。
【0018】
そのようなメッキ浴系を用いる場合、建浴直後には、本発明に用いる母材のメッキ処理以外の別用途のメッキ処理を行い、(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値が所定の範囲内に入った時点から、本発明のためのメッキ処理を行うことにより、コスト的に有利に本発明を実施することができる。具体的には例えば、ターン数が1.0以上、好ましくは1.5以上の段階より本発明のためのメッキ処理を行うことができる。
【0019】
ここでターン数とは、建浴直後のメッキ液をターン0とし、補給液によるニッケル元素の添加量の累計が、建浴直後のメッキ液に含まれていたニッケル元素の量と同量に達した時点をターン数1とし、以降、建浴直後のメッキ液に含まれていたニッケル元素の量の2倍量、3倍量・・・に達した時点をそれぞれターン数2、ターン数3・・・とするものである。
【0020】
メッキ液が含有しうる成分は、ニッケル元素及びリン元素の比率が上記所定の範囲である限りにおいて特に限定されないが、溶媒である水、NiSO及びNaHPOに基づくイオン、これらの反応生成物、ならびに錯化剤としてのリンゴ酸、乳酸及び酢酸等を適宜含むことができる。
【0021】
このようなメッキ液としては、市販されているNi−Pメッキ用のメッキ液を使用することもできる。具体的には例えば、日本カニゼン株式会社製の、商品名「シューマー」「カニフロン」の各製品等を用いることができる。
【0022】
工程(イ)において形成するメッキ被膜の厚さは、形成される凹凸構造の高さ(深さ)寸法に応じて適宜決定されるが、例えば0.2〜603μmが好ましく、広い面積において厚さが一定にならない場合もあるため、例えば最終的に凹凸構造を有するメッキ層の厚さを100μm程度とする場合、130〜140μmのメッキ被膜を形成すること(所望するメッキ層厚さの1.3〜1.4倍程度)が好ましい。メッキ被膜の厚さの調節は、母材をメッキ処理するのと同時に母材と同じ材質の小片をメッキ処理し、この小片上のメッキ被膜の厚さを測定し、それに基づきメッキ液への母材の浸漬時間の長さを調節することにより行なうことができる。
【0023】
工程(イ)において形成されるメッキ被膜中のニッケル元素及びリン元素の存在割合は、メッキ液中の存在割合に比例するものではないので、本発明の製造方法において、メッキ被膜中のニッケル元素及びリン元素の存在割合は特に限定されないが、(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値として0.10〜0.15とすることができる。このような、比較的高い含有割合でリン元素を含むメッキ被膜の形成において、本発明の製造方法は特に有用に行なうことができる。
【0024】
(工程(ロ))
工程(ロ)におけるメッキ被膜の切削は、適切な工作機械を用い、切削により凹凸構造を形成しうる形状を有するバイトにより、工程(イ)において得られた母材上のメッキ被膜を切削することにより行なうことができる。
本発明の製造方法における切削工程を行なう工作機械の例を、図3に概略的に示す。図3に示す工作機械は、平板状の被加工材(メッキ被膜を有する母材)101を切削加工するものである。前記工作機械は、被加工材101が設置されるステージ311と、前記被加工材301の表面を切削加工する、先端にチップを有するバイト332と、バイト332を保持するバイトホルダー331とを備えている。ステージ311は、図3中のY軸方向に移動可能に構成されている。また、バイトホルダー331は、図中のX軸方向およびZ軸方向に移動可能に構成されている。
【0025】
前記工作機械において、被加工材301にバイト332の先端のチップが接触した状態でステージ311がY軸方向に動くと、被加工材301の上面がY軸方向に沿って切削される。このような切削を、被加工材301の上面のY軸方向全長にわたり1回又は数回行うことにより、メッキ被膜上に溝を形成することができる。
【0026】
1本の溝が形成された後、バイトホルダー331をX軸方向に動かした後、ステージ311を前記同様に動かすことにより、形成された溝に隣接してもう一本の溝が形成される。これを繰り返すことにより、メッキ被膜上に、平行な複数の溝を形成することができる。そして、例えばバイト332の先端のチップの形状が三角形状であれば、図1に示されるような条列101Rがメッキ層上に多数形成された、金型部材100を得ることができる。
【0027】
図1に示される形状の金型部材100を製造する場合においては、その条列の単位のピッチP101は10〜500μmとすることができ、また、条列の頂角Q101は、45〜175°とすることができる。
【0028】
工程(イ)において、メッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値が上記所定の値の範囲外であると、このような切削を行なう際、凹凸構造の変形が発生し、精密な加工が困難となる。具体的には、図2に示す金型部材200のように、条列を形成しようとすると、その条列201Rの稜線に歪みが生じ、精密な凹凸構造が得られないといった現象が発生することがある。特定の理論に拘束されるものではないが、メッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値を所定の値の範囲内とすることにより、応力の少ないメッキ被膜が得られ、それによりこのような歪みが防止できるものと考えられる。
【0029】
本発明の製造方法により得られるメッキ層上の凹凸構造は、図1に例示するものに限られず、切削によって形成しうる各種の構造とすることができる。例えば、バイトの先端のチップの形状を変更したり、チップ形状の異なる複数のバイトを組み合わせたりすることにより、断面形状が異なる条列を形成することができる。
【0030】
例えば、図1に示す例においては、金型部材100の凹凸構造は、その断面が三角形である条列が隙間無く並んだ形状を有しているが、そのような三角形の断面に代えて、図4に示すような台形の断面、図5に示すような間隔をおいた三角形の断面、図6に示すような2種類の異なる深さの谷を有する断面、又は図7及び図8に示すような円の一部の形状を有する断面を有する条列とすることもできる。
【0031】
さらに、図1に示す例においては、座標軸のY軸方向にのみ切削を行い条列を形成したが、Y軸方向の切削に加えて、XY平面に平行であるY軸方向以外の方向にも、平行な複数の溝を形成する切削をさらに行い、さらに異なる形状の凹凸構造を得ることもできる。具体的には例えば、図3に示した例で用いたバイトチップで、Y軸方向の切削に加えてX軸方向の切削も行なうことにより、四角錘形状の凹凸構造を得ることができる。いずれの場合においても、凹凸構造の好ましい寸法は、その高さが0.2μm〜603μmであることが好ましい。
【0032】
本発明に用いるバイトの先端のチップの形状は、上記のような所望の凹凸形状に適合するものを適宜選択することができる。また、その切削面の材質は、単結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドであることが特に好ましい。
【0033】
(金型部材)
本発明の金型部材は、前記本発明の製造方法により得てなるものである。本発明の金型部材は、対角線長さが15インチ(381mm)以上60インチ(1524mm)以下の広い表面を有するもの、具体的には、面積0.0696m2以上の寸法の矩形の平面を有する金型部材の表面に精密な凹凸構造を有するものとすることができるので、平板状の樹脂製光学部材を製造する際に、平板表面に微細な凹凸構造を与えるためのスタンパとして好ましく用いることができる。
【実施例】
【0034】
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0035】
<実施例1〜6及び比較例1〜2>
(1−1:母材)
800mm×500mm×2.0mmの、ステンレス(SUS430)製の板に脱脂処理及び自然酸化膜除去処理を施したものを30枚調製し、これらを母材として用いた。
(1−2:メッキ処理)
シューマーS−300−1(日本カニゼン社製、NiSO及びNaHPOを含有)を建浴液として、メッキ液を建浴した。このメッキ液に、母材を1枚ずつ浸漬することにより、それぞれの無電解メッキ処理を行なった。浸漬させた母材30枚から、任意に8枚取り出し、ターン数の早い最初の2例を比較例1〜2とし、その後の6例を実施例1〜6とした。それぞれの例において、メッキ処理開始時のターン数は表1に示す通りであった。なおこのメッキ処理と前後して、同一の浴において、本発明の実施のためのメッキ処理以外のメッキ処理も行った。
メッキ処理を行う間、自動分析補給装置(商品名「シューマー自動分析補給装置SACPIII」、日本カニゼン社製)によりニッケル元素濃度、pH、温度を監視し、これらを一定に保った。メッキ液の温度は90℃とした。また、補給液及びpH調整剤として、シューマーS−300−A〜C(日本カニゼン社製)を用い、pHを4.65〜4.75に制御し、ニッケル元素濃度を0.50wt%付近となるよう制御した。
それぞれの母材の浸漬を開始するのと同時に、母材と同様に処理した30mm×30mm×2.0mmのステンレス小片を複数枚メッキ液に浸漬させ、これらの上に形成されたメッキ被膜の厚さを測定し、厚さが130〜140μmとなった時点で浸漬を終了した。
【0036】
(1−3:メッキ液及びメッキ被膜の分析)
工程(1−2)において、それぞれの母材のメッキ処理開始と同時に、メッキ液のサンプルを採取し、蛍光X線分析装置(フィリップス社製、PW2400型)を使用して、サンプルに含まれる無機元素を分析した。存在が確認された元素について、プラズマ励起発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー製、SPS5100型)でさらに定量分析を行ない、メッキ液中の元素の含有割合(重量%)を求めた。ニッケル元素及びリン元素についての結果を表1に示す。
また、得られたメッキ被膜中のニッケル元素及びリン元素の含有割合(重量%)についても、上記と同じ蛍光X線分析装置にて分析した。結果を表1に示す。
【0037】
(1−4:切削)
図3に概略的に示す工作機械(不二越社製、商品名「ナノグルーバ AMG71P」、方向精度X及びZ方向それぞれ±1nm、Y方向±100nm)により切削を行なった。頂角100°で表面粗さRaが4nmの三角形状単結晶ダイヤモンドのチップを有するバイト332(コンツールファインツーリング社製)を、工作機械のホルダー331に装着した。工程(1−2)で得た、メッキを施した母材301を、水平(図3中のX軸及びY軸と平行な面)に設置し、母材301とステージ311の間にできる隙間を確認した後、母材301の長辺方向がY軸方向となるようステージ311上に固定した。
バイト332のチップを母材301に接触させ、Y軸方向の一端から他端まで移動して溝を掘り、続いてステージをX方向に移動させてから同様に溝を掘る工程を繰り返すことにより、図1に概略的に示す、頂角Q101が100°、幅P101が70μmであり稜線101Rを有する三角柱形状が平行して並んだ凹凸構造を有する金型部材100を得た。
【0038】
(1−5:評価)
工程(1−4)で得られた金型部材100の固定を解除し、金型部材100とステージ311の間にできる隙間の確認を行った。この隙間と工程(1−4)で、固定前に母材301とステージ311の間にできた隙間を比較し、隙間の増加量(mm)を、金型部材のそり具合として評価した。その後、金型部材100の凹凸構造を、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス製、VK−9500)で観察して評価した。凹凸構造全面にわたり、稜線101Rの歪みや反り返りが観察されなかったものを「良」、観察されたものを「不良」とした。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
表1の結果から明らかな通り、メッキ液のニッケル元素とリン元素の比率が本発明の規定の範囲内である実施例1〜6においては、比較例1〜2に比べて、金型部材のそりも少なく、凹凸構造の歪み等も無い、高精度の加工を行なうことができた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の製造方法により得られる、本発明の金型部材の凹凸構造の例を概略的に示す斜視図である。
【図2】従来技術における金型部材の凹凸構造の例を概略的に示す斜視図である。
【図3】本発明の製造方法における切削工程を行なう工作機械の例を概略的に示す斜視図である。
【図4】本発明の製造方法により得られる、本発明の金型部材の凹凸構造の別の例を概略的に示す断面図である。
【図5】本発明の製造方法により得られる、本発明の金型部材の凹凸構造のさらに別の例を概略的に示す断面図である。
【図6】本発明の製造方法により得られる、本発明の金型部材の凹凸構造のさらに別の例を概略的に示す断面図である。
【図7】本発明の製造方法により得られる、本発明の金型部材の凹凸構造のさらに別の例を概略的に示す断面図である。
【図8】本発明の製造方法により得られる、本発明の金型部材の凹凸構造のさらに別の例を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
100、200 金型部材
101 母材
311 工作機械ステージ
331 工作機械ホルダー
332 バイト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材に無電解Ni−Pメッキ処理を行いメッキ被膜を設ける工程(イ);及び
前記メッキ被膜を切削して凹凸構造を有するメッキ層を形成する工程(ロ)
を含む金型部材の製造方法であって、
前記工程(イ)における無電界Ni−Pメッキ処理において、メッキ液中の(リン元素重量%)/(ニッケル元素重量%)の値を4〜7の範囲内に制御することを特徴とする金型部材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の金型部材の製造方法であって、
前記工程(ロ)における切削が、前記メッキ被膜上に、平行な複数の溝を形成する工程を含む金型部材の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の金型部材の製造方法により得てなる金型部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−287048(P2009−287048A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138094(P2008−138094)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(000229117)日本ゼオン株式会社 (1,870)
【Fターム(参考)】