説明

金属デュプレックス及び方法

【課題】金属堆積物に対する腐食及びはんだ付け性の問題を解決することを試みる方法があるが、腐食を抑制し、はんだ付け性を改善するための改善された方法が依然として必要とされている。
【解決手段】方法及び物品が開示される。方法は、基体上にニッケルデュプレックス層を堆積させ、基体の腐食を抑制し、且つはんだ付け性を改善するためにことを対象とする。該基体は金または金合金仕上げを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金もしくは金合金層を有する、低リン含有金属デュプレックス(duplex)、及び金もしくは金合金層を有する、低リン金属デュプレックスを製造する方法を対象とする。さらに詳細には、本発明は、金もしくは金合金層を有する、低リン含有金属デュプレックス、及び腐食を抑制し、はんだ付け性を改善するための、金もしくは金合金層を有する低リン金属デュプレックスの製造法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
金及び金合金の腐食の防止は、多くの産業における困難な課題である。金及び金合金の腐食は、腐食が電子装置における構成要素間の電気的接触の欠陥につながり得る電子材料産業において、特に問題である。例えば、金及び金合金コーティングは、長年、電子工学及び他の用途において使用されてきた。電子工学において、それらは、コンタクト及びコネクターのはんだ付け可能な腐食耐性表面として使用されてきた。これらはさらに、集積回路(IC)組み立てのためのリード仕上げにおいても使用される。しかしながら、金仕上げは必ずしも腐食を防止するとは限らない。
【0003】
ICユニット、リードフレーム及び受動素子を有するICデバイス、例えば、コンデンサー及びトランジスターは、家庭用電化製品、家庭用品、コンピューター、自動車、遠隔通信、ロボット工学及び軍装備品をはじめとする製品において広く用いられている。ICユニットは、ICチップ及びハイブリッド回路ノジュールを包含し、これらは1以上のICチップ及び他の電子的構成要素をプラスチックまたはセラミック支持基体上に含む。
【0004】
リードフレームまたはコネクターは、ICユニットを外部回路に電気的に相互接続するための手段である。リードフレームは、導電性物質、例えば、銅または銅合金から形成されるか、あるいは地金板を、ICユニットが取り付けられている中心部分を画定する複数のリードにスタンピングまたはエッチングすることにより形成される。リードフレームを組み立て品におけるICユニットに接続するいくつかの結合技術がある。これらは、ワイヤーボンディング、はんだ付け、ダイ接着剤及びカプセル化を包含する。典型的には、はんだ付けが、ICを組み立て品に結合させる手段である。全ての場合において、結合は特定の品質のリードフレーム表面を必要とする。典型的には、このことは、表面に腐食が無く、及び他の成分、例えば、金またはアルミニウムワイヤ、銀で充填されたエポキシまたははんだと、相互作用する準備が整っていることを意味する。
【0005】
電気的または機械的連結を損なう欠陥なしに、溶融し且つ他の成分と良好にはんだ付けをするための、表面仕上げの能力として定義される、長期はんだ付け性が一つの問題となる。一般に、はんだ付けは、3種の物質:(1)基体、(2)基体に結合されることが望ましい構成要素または他の装置、及び(3)はんだ付け物質それ自体を通常含む結合法である。
【0006】
良好なはんだ付け性を決定する多くの因子があり、その最も重要な3つのものは、腐食の程度、共析出炭素の量、及び金属間化合物形成の程度である。腐食は、それが熱力学的に有利なために自然に起こる作用である。腐食の速度は、温度及び時間に依存する。温度が高いほど、また暴露時間が長いほど、腐食はより厚くなる。
【0007】
共析出炭素は、使用することを選択されたメッキ化学反応により決定される。光輝仕上げは、艶消し仕上げよりもより高い炭素含有量を含有する。艶消し仕上げは通常、光輝仕上げよりも粗く、表面積を増大させ、この結果、光輝仕上げで典型的に生じるよりも多くの腐食が生じる。
【0008】
金属間化合物形成は、金属コーティングと下層金属基体との間の化学反応である。形成速度は、同様に温度及び時間に依存する。温度が高いほど、また時間が長いほど、金属間化合物の層がより厚くなる。
【0009】
金の特定の物理的特性、例えば、それに関連する多孔性は、金が基体上に堆積された場合に問題になる。例えば、金の多孔性は、メッキされた表面上に隙間を生成し得る。これらの小さな空間は、腐食を助長する場合があり、または金層の下層のベース金属層とのガルバニック連結(galvanic coupling)により実際に腐食を促進し得る。これは、金の外側表面中の孔から腐食性成分に暴露され得るベース金属層及び任意の付随する下層の金属層によると考えられる。
【0010】
加えて、多くの用途は、コーティングされたリードフレームの熱的暴露を含む。熱老化条件下での層間の金属の拡散は、下層金属が貴金属表面層中に(例えばニッケルが金中に)拡散する場合に、表面品質の損失を引き起こし得る。
【0011】
腐食の問題を克服するために少なくとも3つの異なる取り組み:1)コーティングの多孔性を減少させること、2)異なる金属の電極電位の差により引き起こされるガルバニック効果を抑制すること、及び3)電気メッキされた層の孔を封孔処理することが、試みられている。多孔性を減少させることが広く研究されている。金のパルスメッキ、及び金メッキ浴中の様々な湿潤/細粒化剤の利用は、金構造に作用し、これらは、金多孔性の減少に寄与する2つの要素である。しばしば、予防保守プログラムと組み合わされた一連の電気メッキ浴または槽における通常の炭素浴処理及び金濾過法は、金属金堆積レベルを維持し、且つ相応して低レベルの表面多孔性を維持することに役立つ。しかしながら、ある程度の多孔性は、残存したままである。
【0012】
孔の封鎖、封孔処理及び他の腐食抑制法が試みられてきたが、たいした成果はない。腐食抑制効果を有する有機析出物を使用する、見込みのある機構が当該分野において知られている。これらの化合物の多くは、典型的には有機溶媒中に可溶性であり、長期腐食防御を提供しないと思われる。孔を封孔処理するかまたは孔を遮断する他の方法は、孔内部の不溶性化合物の形成に基づいている。かかる不溶性複合体及び析出物は、当業者には明らかなように、孔を遮断するの有力な候補である。
【0013】
孔形成の問題に加えて、熱老化におけるような、金を高温にさらすことは、望ましくないことに、金の接触抵抗を増大させる。この接触抵抗の増加は、電流の導体としての金の性能を損なう。理論的には、研究者らには、この問題は金と共堆積された有機物質が接触面へ拡散することから生じると考えられている。電解研磨を典型的に包含する、この問題を解決するための様々な技術が従来試みられている。しかしながら、この目的に関して完全に満足できるものであると実証されたものはなく、調査の取り組みは継続している。
【0014】
米国特許第6,287,896号(Yehら)は、銅または銅合金基板をコーティングする厚いニッケル−コバルト合金を開示している。この特許は、厚いニッケル−コバルト層が、多孔性の影響を軽減するために必須であり、且つ基板からはんだ付けに使用される表面への銅の拡散を防止することを記載している。厚いニッケル−コバルト層をニッケルまたはニッケル合金がコーティングして、ニッケル−コバルト層の固有の問題であるひび割れを防止する。金または金合金層が、ニッケルまたはニッケル合金層をコーティングする。金または金合金層は、はんだ付け性を改善するとされている。
【特許文献1】米国特許第6,287,896号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
金属堆積物に対する腐食及びはんだ付け性の問題を解決することを試みる方法があるが、腐食を抑制し、はんだ付け性を改善するための改善された方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
方法は、基体上にニッケル層を堆積させること、該ニッケル層上にニッケルリンの層を堆積させること、及び該ニッケルリン層上に金または金合金の層を堆積させることを含み、該ニッケルリン層は0.1重量%〜10重量%のリンを含む。ニッケルとニッケルリン層の組み合わせは、熱老化の影響を抑制または防止し、従って金または金合金層における孔形成を減少させる。金または金合金層における孔の減少は、下層の基体の腐食を軽減または防止する。金または金合金仕上げのはんだ付け性はかくして改善される。
【0017】
もう一つ別の態様において、方法は、基体上に1ミクロン〜10ミクロンのニッケル層を堆積させること、該ニッケル層上に0.1ミクロン〜5ミクロンのニッケルリン層を堆積させること、及び該ニッケルリン層上に金または金合金層を堆積させることを含み、該ニッケルリン層は0.1重量%〜10重量%のリンを含む。
【0018】
さらに別の態様において、物品は、基体上のニッケル層、該ニッケル層上のニッケルリン層、及び該ニッケルリン層上の金または金合金層を含み、該ニッケルリン層は0.1重量%〜10重量%のリンを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
この実施形態全体にわたって用いられる場合の、次の略語は特に他に明記しない限り、次の意味を有する:℃=摂氏度;g=グラム;mg=ミリグラム;L=リットル;ml=ミリリットル;Å=オングストローム=1×10−4ミクロン;ASD=アンペア/dm;wt%=重量パーセント。「堆積」及び「メッキ」なる用語は、本明細書全体にわたって交換可能に用いられる。全ての数値範囲は、境界値を含み、かかる数値範囲が合計して100%に制限されるのが論理的である場合を除いて、任意の順序で組み合わせ可能である。
【0020】
方法は、基体上にニッケル層を堆積させること、該ニッケル層上にニッケルリンの層を堆積させること、該ニッケルリン層上に金または金合金層を堆積させることを含み、該ニッケルリン層は0.1重量%〜10重量%のリンを含む。ニッケルとニッケルリン層の組み合わせは、熱老化の影響を軽減し、かくして金及び金合金層における孔形成を減少させる。孔形成の減少は、下層金属基体の腐食を軽減または排除し、及び金または金合金層のはんだ付け性を改善もする。ニッケル及びニッケルリン層はさらに、金または金合金層中へのニッケルの移動を軽減または抑制する。
【0021】
任意に、金属化の前に、基体を洗浄することができる。金属化技術において許容される任意の好適な洗浄処理を用いることができる。典型的には、基体は洗浄液中で超音波洗浄される。かかる洗浄液は、珪酸塩化合物、アルカリ金属炭酸塩及び他の化合物、例えば、アルカリ金属水酸化物、グリコールエーテル及び1以上のキレート剤を含むことができる。洗浄は、30℃〜80℃の温度で行うことができる。
【0022】
任意に、洗浄工程後に、基体を好適な酸、例えば鉱酸で活性化することができる。希濃度の鉱酸が使用される。このような酸の一例は硫酸である。しかしながら、他の鉱酸、例えば塩酸及び硝酸を使用することもできる。酸は、当該分野においてよく知られている通常の濃度で使用される。活性化は典型的には室温〜30℃の温度で行われる。
【0023】
基体を次いでニッケル金属の堆積物でメッキする。浴温は30℃〜70℃、例えば40℃〜60℃の範囲である。
【0024】
ニッケル層を基体上に堆積させるために、任意の好適なニッケルメッキ浴を用いることができる。かかるニッケルメッキ浴は、1以上のニッケルイオン源を含む。ニッケルイオン源としては、これらに限定されないが、ニッケルハライド、例えば塩化ニッケル、硫酸ニッケル及びスルファミン酸ニッケルが挙げられる。このようなニッケルイオン源は、ニッケル浴中、50gm/L〜500gm/L、または例えば100gm/L〜250gm/Lの量で含まれる。
【0025】
1以上のニッケルイオン源に加えて、ニッケルメッキ浴は1以上の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、これらに限定されないが、光沢剤、細粒化剤、レベラー、界面活性剤、耐孔食剤(antipitting agent)、キレート剤、緩衝剤、殺生剤、並びに浴を所望の光輝または艶消し仕上げ及び均一電着性に調製することが当業者に知られている他の添加剤が挙げられる。
【0026】
光沢剤としては、これらに限定されないが、芳香族スルホネート、スルホンアミド、スルホンイミド、脂肪族及び芳香族−脂肪族オレフィン性またはアセチレン性不飽和スルホネート、スルホンアミド及びスルホンイミドが挙げられる。かかる光沢剤の例は、o−スルホベンズイミドナトリウム、1,5−ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム、1,3,6−ナフタレントリスルホン酸三ナトリウム、ベンゼンモノスルホン酸ナトリウム、ジベンゼンスルホンアミド、アリルスルホン酸ナトリウム、3−クロロ−2−ブテン−1−スルホン酸ナトリウム、β−スチレンスルホン酸ナトリウム、プロパルギルスルホン酸ナトリウム、モノアリルスルファミド、ジアリルスルファミド及びアリルスルホンアミドが挙げられる。このような光沢剤は、例えば、0.5g/L〜10g/L、または例えば2g/L〜6g/Lのような通常の量で用いることができる。
【0027】
他の光沢剤としては、これらに限定されないが、エポキシドとアルファヒドロキシアセチレンアルコールの反応生成物、例えば、ジエトキシル化2−ブチン−1,4−ジオールまたはジプロポキシル化2−ブチン−1,4−ジオール、N−複素環、他のアセチレン系化合物、活性硫黄化合物及び染料が挙げられる。かかる光沢剤の例は、1,4−ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)−2−ブチン、1,4−ジ−(β−ヒドロキシ−γ−クロロプロポキシ)−2−ブチン、1,4−ジ−(β−,γ−エポキシプロポキシ)−2−ブチン、1,4−ジ−(β−ヒドロキシ−γ−ブトテノキシ)−2−ブチン、1,4−ジ−(2’−ヒドロキシ−4’−オキサ−6’−ヘプテノキシ)−2−ブチン、N−(2,3−ジクロロ−2−プロペニル)−ピリジニウムクロリド、2,4,6−トリメチルN−プロパルギルピリジニウムブロミド、N−アリルキナルジニウムブロミド(N−Allylquinaldinium bromide)、2−ブチン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、キナルジル−N−プロパンスルホン酸ベタイン、キナルジンジメチルスルフェート、N−アリルピリジニウムブロミド、イソキナルジル−N−プロパンスルホン酸ベタイン、イソキナルジンジメチルスルフェート、N−アリルイソキナルジンブロミド、ジスルホン化1,4−ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)−2−ブチン、1−(β−ヒドロキシエトキシ)−2−プロピン、1−(β−ヒドロキシプロポキシ)−2−プロピン、スルホン化1−(β−ヒドロキシエトキシ)−2−プロピン、フェノサフラニン及びフクシンである。このような光沢剤は、例えば、5mg/L〜1000mg/L、または例えば20mg/L〜500mg/Lなどの通常の量で含まれる。
【0028】
任意の好適な界面活性剤を用いることができる。かかる界面活性剤としては、これらに限定されないが、イオン性界面活性剤、例えば、カチオン性及びアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、例えば、0.05gm/L〜30gm/L、または例えば1gm/L〜20gm/L、または例えば5gm/L〜10gm/Lをはじめとする通常の量で用いることができる。
【0029】
好適な界面活性剤の例は、1〜8スルホン酸基(−SOH)でスルホン化されたナフタレンである。かかる界面活性剤の例は、ナフタレン−1,3,6−トリススルホン酸及びナフタレン−1,3,7−トリススルホン酸である。アルカリ金属塩、例えばナトリウム及びカリウム塩も用いることができる。
【0030】
他の好適な界面活性剤の例は、硫酸水素アルキルの塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びジアルキルスルホコハク酸ナトリウムである。使用することができる他の界面活性剤の例は、過フッ化第四級アミン(例えば、パーフルオロドデシルトリメチルアンモニウムフルオリド)をはじめとする第四級アンモニウム塩である。
【0031】
好適なキレート剤としては、これらに限定されないが、アミノカルボン酸、ポリカルボン酸及びポリホスホン酸が挙げられる。このようなキレート剤は、例えば0.01モル/L〜3モル/L、または例えば、0.1モル/L〜0.5モル/Lをはじめとする通常の量で用いることができる。
【0032】
ニッケル浴のpHは、1〜10、または例えば3〜8の範囲である。ニッケル浴のpHは、様々な手段により維持することができる。任意の望ましい酸または塩基を用いることができ、任意の無機酸、有機酸、無機塩基、または有機塩基を用いることができる。硫酸、塩酸、またはスルファミン酸などの酸の他に、酢酸、アミノ酢酸またはアスコルビン酸などのキレート剤として用いられる酸も使用できる。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの無機塩基及び様々な種類のアミンなどの有機塩基の他に、炭酸ニッケルをはじめとする塩基も用いることができる。加えて、pHが操作条件のために変動する傾向がある場合には、pH緩衝成分、例えば、ホウ酸も使用できる。所望のpHを維持するために必要な量で緩衝剤を添加することができる。
【0033】
当業者にとって慣用的であり、よく知られている他の添加剤を、ニッケル金属メッキ浴に添加することができる。これらは、ニッケル層を所望の艶消し、半光沢または光輝仕上げにするために通常の量で用いられる。
【0034】
1ミクロン〜10ミクロン、または例えば2ミクロン〜5ミクロンのニッケル層が基体上に形成されるまで、ニッケルを基体上に堆積させる。ニッケル層を次いで、ニッケルリン浴を用いてニッケルリンの層でメッキする。
【0035】
ニッケルリン浴は、前記の1以上のニッケルイオン源を含み、及び1以上の前記の添加剤を含むことができる。加えて、ニッケルリン浴は、1以上のリン源を含む。任意の好適な亜リン酸またはリン酸またはそれらの塩及び混合物を用いることができる。亜リン酸及びリン酸及びそれらの塩は、5gm/L〜100gm/L、または例えば10gm/L〜80gm/L、または例えば20gm/L〜50gm/Lの量で浴中に含められる。亜リン酸は一般式:HPOを有し、オルト亜リン酸としても知られている。リン酸には、これらに限定されないが、無機リン酸、例えばリン酸(HPO)(オルトリン酸としても知られている)が包含される。ポリリン酸も用いることができる。無機リン酸は、式:Hn+23n+1(式中、nは1以上の整数である)により表すことができる。nが2以上の整数である場合、式はポリリン酸を表す。無機リン酸がポリリン酸である場合、典型的にはnは、リン酸が110〜1500原子量単位の平均分子量を有するような整数である。典型的には、亜リン酸が用いられる。
【0036】
リン酸の塩、例えば、リン酸アルカリ金属塩及びリン酸アンモニウム塩を用いることができる。アルカリ金属リン酸塩は、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム及び三塩基性リン酸カリウムを包含する。ポリリン酸の塩も用いることができる。無機リン酸の混合物及びその塩も用いることができる。このような酸は商業的に入手可能であるか、または文献において記載されている方法に従って調製することができる。
【0037】
ニッケル層が基体上に堆積されるのと同じ浴温で、ニッケルリン層をニッケル層上に堆積させる。0.1ミクロン〜5ミクロンまたは例えば0.2ミクロン〜1ミクロンのニッケルリン層がニッケル層上に堆積されてデュプレックスを形成するまで堆積を続ける。
【0038】
デュプレックス中のニッケルとニッケルリンの重量比は、典型的には2:1〜8:1である。ニッケルとニッケルリン層は、当該分野において知られている任意の好適な電解堆積法により堆積させることができる。ニッケル及びニッケルリン層を堆積させるために通常のメッキ装置を用いることができる。電流密度は1ASD〜20ASD、または例えば5ASD〜15ASDの範囲であり得る。
【0039】
典型的は、ニッケルとニッケルリンとのデュプレックス層は、2ミクロン〜3ミクロンの厚さである。ニッケル及びニッケルリン層を基体上に堆積させた後、金または金合金の表面仕上げをニッケルリン層上に堆積させる。
【0040】
前記方法により形成された物品は、ニッケル層でメッキされた基体及び該ニッケル層上のニッケルリン層を含み、デュプレックスを形成する。ニッケルリン層のリン含有量は、0.1重量%〜10重量%、または例えば0.5重量%〜10重量%未満、または例えば1重量%〜9重量%、または例えば2重量%〜8重量%、または例えば3重量%〜7重量%であり得る。金または金合金層をニッケルリン層上に堆積させて、物品を形成する。ニッケル及びニッケルリン層からなるデュプレックス層は、金または金合金層における孔形成を抑制し、金または金合金中へのニッケルの移動を抑制する。金または金合金でコーティングされた物品にはんだ付けされたコネクターは、デュプレックス層のない金または金合金でコーティングされた物品よりもより安定で、分離しにくい。
【0041】
任意の好適な金イオン源ならびに金合金イオン源を用いて、金または金合金をニッケルリン層上に堆積させることができる。金イオン源としては、これらに限定されないが、ジシアノ金(I)酸ナトリウム、ジシアノ金(I)酸アンモニウム及び他のジシアノ金(I)酸塩;テトラシアノ金(III)酸カリウム、テトラシアノ金(III)酸ナトリウム、テトラシアノ金(III)酸アンモニウム及び他のテトラシアノ金(III)酸塩;シアン化金(I);シアン化金(III);ジクロロ金(I)酸塩;テトラクロロ金(III)酸、テトラクロロ金(III)酸ナトリウム及び他のテトラクロロ金(III)酸化合物;亜硫酸金アンモニウム、亜硫酸金カリウム、亜硫酸金ナトリウム及び他の亜硫酸金塩;酸化金、水酸化金及びその他のそれらのアルカリ金属塩;及びニトロスルフィト金錯体が挙げられる。金源は、典型的には、通常の量、例えば0.1gm/L〜10g/Lまたは例えば1gm/L〜5gm/Lで含まれる。
【0042】
合金化金属には、これらに限定されないが、銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、銀、白金族金属、カドミウム、鉛、水銀、ヒ素、スズ、セレン、テルル、マンガン、マグネシウム、インジウム、アンチモン、鉄、ビスマス及びタリウムが包含される。典型的には、合金化金属はコバルトである。このような合金化金属源は、当該分野においてよく知られている。合金化金属源は、通常の量で浴中に含まれ、及び使用される合金化金属の種類に応じて広く変化する。
【0043】
金源及び合金化金属源に加えて、金及び金合金浴は1以上の添加剤を含んでいてもよい。かかる添加剤には、これらに限定されないが、界面活性剤、光沢剤、レベラー、錯体形成剤、キレート剤、緩衝剤及び殺生剤が包含される。このような添加剤は、通常の量で含められ、及び当業者にはよく知られている。
【0044】
金または金合金は、当該分野において知られている任意の好適な方法によりニッケルリン層上に堆積させることができる。かかる方法としては、これらに限定されないが、電解堆積及び浸漬堆積が挙げられる。典型的には、金または金合金は、電解的に堆積される。金及び金合金を電解的に堆積させるための電流密度は、1ASD〜30ASD、または例えば5ASD〜20ASDである。
【0045】
金または金合金をニッケルリン層上に堆積させた後、典型的にそれは、熱老化を受ける。熱老化は、当該分野において知られている任意の好適な方法により行うことができる。現在、標準的熱老化要件はなく、様々な方法が使用される。かかる方法としては、これらに限定されないが、蒸気老化及び乾燥ベーキングが挙げられる。ニッケル及びニッケルリンデュプレックスは、ニッケルの金表面仕上げ中への表面拡散を抑制し、かくしてはんだ付け性が改善される。
【0046】
金及び金合金中への卑金属の拡散を防止することに加えて、デュプレックスは金及び金合金層の多孔性を軽減または抑制し、金属層の酸素透過を減少させる。金及び金合金の多孔性の軽減は、下層金属の望ましくない酸化を軽減または防止する。同様に、これは、金及び金合金表面仕上げのはんだ付け性を改善し、接触抵抗を減少させる。
【0047】
本方法は、ニッケル及びニッケルリンのデュプレックスを任意の好適な基体上に堆積させるために用いることができる。典型的には、かかる基体は金属または金属合金である。好適な金属としては、これらに限定されないが、銅、鉄、及びそれらの合金、ステンレス鋼、及び貴金属、例えば、金、白金、パラジウム、銀及びそれらの合金が挙げられる。典型的には、基体は銅、銅合金、鉄及び鉄合金である。好適な銅合金としては、これらに限定されないが、銅−スズ、銅−銀、銅−金、銅−銀−スズ、銅−リン−金、銅−亜鉛、銅−銀−マグネシウム、銅−鉄−亜鉛、銅−スズ−ニッケル−ケイ素、銅−ジルコニウム、銅−鉄−リン−亜鉛及び銅−ニッケル−ケイ素−マグネシウムが挙げられる。好適な鉄合金としては、これらに限定されないが、鉄−銅及び鉄−ニッケルが挙げられる。このような基体としては、これらに限定されないが、電気装置の構成要素、例えば、プリント配線板、コネクター、ウェハ上のバンプ、リードフレーム、ならびに受動素子、例えば、ICユニットの抵抗及びコンデンサーが挙げられる。
【0048】
本発明の次の具体例は、本発明をさらに説明するためのものであって、その範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例】
【0049】
実施例1(比較)
3つの銅−スズ合金リードフレームを、100g/LのRONACLEAN(商標)CP−100(これは、米国ペンシルベニア終フィラデルフィア、Rohm and Haas Companyから入手可能なシリケート含有洗浄組成物である)を含有する洗浄液中、65℃で30秒間、超音波洗浄した。
【0050】
洗浄後、各リードフレームを次いで、100ml/Lの工業銘柄の硫酸の溶液中に室温で10秒間浸漬した。各リードフレームを次いで2ミクロンのニッケル層で電気メッキした。各リードフレームをメッキするために用いられたニッケル浴は以下の表1に開示される処方を有していた。
【0051】
【表1】

【0052】
ニッケル浴のpHは4であり、浴の温度は50℃であった。各リードフレームを次いで電解ニッケル浴を含有するハルセル中に入れた。リードフレームは陰極として機能し、陽極は硫黄/ニッケル電極であった。ニッケル浴を堆積のあいだパドルで撹拌した。装置を通常の整流器に連結した。電流密度は10ASDであった。ニッケル堆積は、90秒間にわたって行われた。
【0053】
2つのニッケルメッキされたリードフレームを次いで厚さ1ミクロンのニッケルリン層でメッキした。2種のリードフレームをメッキするために用いられたニッケルリン浴は以下の表2に示すような処方を有していた。
【0054】
【表2】

【0055】
ニッケルリン浴はpH1を有し、且つニッケルリン堆積の間、温度60℃であった。ニッケルリンは、パドル撹拌されているハルセル中、第1のリードフレームについては10ASD、第二のリードフレームについては5ASDの電流密度で行われた。電気メッキは、第1のリードフレームについては60秒間(10ASD)、第2のリードフレームについては30秒間(5ASD)行われた。10ASDでメッキされたニッケルリン層は、6重量%のリン含有量を有し、5ASDでメッキされたニッケルリン層は9重量%のリン含有量を有していた。リン含有量は、通常のエネルギー分散X線分光分析により測定した。1×1mmの領域を測定した。
【0056】
次いで、3つのリードフレームのそれぞれを厚さ0.2〜0.5ミクロンの金層でメッキした。金電解液は、亜硫酸金ナトリウムからの12g/Lの金イオン及び通常の金電解液添加物を含んでいた。金メッキは、3ASDの電流密度で4秒間、35℃で行われた。
【0057】
各リードフレームを次いで、共晶スズ/鉛はんだにより235℃ではんだ付けした。はんだ付けされたリードフレームを次いで、95℃、相対湿度95%で8時間蒸気老化させることを含む、米国軍仕様書(Military Specification)883C、Method2003に従って蒸気老化させた。これは少なくとも6ヶ月の貯蔵期間をシミュレーションしたものである。
【0058】
蒸気老化後のはんだ付け性の性能に関して、各リードフレームのゼロ交差時間(zero crossing time)を決定した。ゼロ交差時間は、Menisco ST−50はんだ付け性試験機で測定した。ニッケルリン層を有さないリードフレームのゼロ交差時間は3.2秒であり、6重量%のリン含有量を有するリードフレームのゼロ交差時間は1.8秒であり、9重量%のリン含有量を有するリードフレームのゼロ交差時間は0.9秒であった。従って、ニッケル及びニッケルリン層は、ニッケル及びニッケルリン層を有さないリードフレームよりも良好なはんだ付け性能を示した。
【0059】
実施例2(比較)
2つの真鍮リードフレームを60℃で30秒間、RONACLEAN(商標)CP−100洗浄液中で超音波洗浄した。リードフレームを次いで100ml/Lの工業銘柄の硫酸の溶液中に、室温で10秒間浸漬した。各リードフレームを次いで、以下の表3の処方を有するニッケル浴により2ミクロンのニッケル層で電気メッキした。
【0060】
【表3】

【0061】
ニッケル浴のpHは3であり、浴の温度は50℃であった。各リードフレームを、電解質ニッケル浴を含有するハルセル中に入れた。10ASDの電流密度でニッケルをリードフレーム上に堆積させた。ニッケル堆積は80秒間にわたって行われた。電気メッキのあいだ浴をパドル撹拌した。
【0062】
次いで、リードフレームの1つを、以下の表4に開示する浴を用いて、ニッケルリンの1ミクロン層でメッキした。
【0063】
【表4】

【0064】
ニッケルリン層のリン含有量は9重量%であった。浴のpHは1であり、電気メッキは60℃で行われた。電気メッキは、パドル撹拌しながらハルセル中で行われた。電流密度は5ASDに維持され、20秒間行われた。
【0065】
各リードフレームを次いで0.2〜0.5ミクロンの金層でメッキした。金浴は、亜硫酸金ナトリウムからの12g/Lの金イオン、及び通常の金電解浴添加剤を含んでいた。金メッキは、3ASDの電流密度で4秒間、30℃で行われた。
【0066】
各リードフレームを次いで乾燥器中のプラスチック保持器上に置いた。65%より高い濃度の発煙硝酸蒸気を乾燥器に1時間、室温で添加した。次いで、脱イオン水を用いて、硝酸をすすぎ除去した。各リードフレームの金表面を次いで50倍のNomarski顕微鏡下に置き、金層を孔形成について調べた。図1は、ニッケルリン層でメッキされなかったリードフレームの金表面を示す。多くの孔が金層において形成された。その一方、図2は、ニッケルリン層を含有するリードフレーム上の金層を示す。孔形成はわずかであった。従って、金層の下のニッケル及びニッケルリン層は金における孔の形成を減少させることができた。
【0067】
実施例3(比較)
3つの真鍮リードフレームを、100g/LのRONACLEAN(商標)CP−100を用い、65℃で30秒間、超音波洗浄した。洗浄後、各コネクターを次いで100ml/Lの工業銘柄の硫酸の溶液中に、室温で10秒間浸漬した。各リードフレームを次いで、前記の表1のニッケル電解液を用いて2ミクロンのニッケル層で電気メッキした。ニッケル堆積は、ハルセル中、pH4、50℃の温度で行われた。電流密度は10ASDであり、80秒間にわたって行われた。
【0068】
2つのリードフレームを、次いでニッケルリンの1ミクロンの層でメッキした。使用したニッケルリン電解液は前記表2に開示したものと同じであった。電解液のpHは2であり、ニッケルリン堆積は50℃の温度で行われた。一方のメッキ浴の電流密度は10ASDであり、他方は5ASDであった。ニッケルリン堆積は各浴について20秒間にわたって行われた。
【0069】
リードフレームの3つ全てを次いでハルセル中、3ASDの電気密度で4秒間、金で電気メッキした。金電解液は亜硫酸金からの12g/Lの金イオン及び通常の金電解液添加剤を含んでいた。浴の温度は30℃であった。
【0070】
金メッキされたリードフレームのそれぞれを次いで、95℃、95%の相対湿度での8時間の蒸気老化を含む米国軍仕様書883C、Method2003に従って蒸気老化させた。リードフレームを次いでニッケル層中への酸素透過及び金層中へのニッケル移動について試験した。
【0071】
以下の表4は、試験の結果を開示する。異なるスパッター深さでの各元素の原子%は、超高真空チャンバーの内部で、通常のX線光電子分光計を用いて測定された。
【0072】
【表5】

【0073】
上記表の結果は、ニッケルリン層でメッキされたリードフレームの金属層の酸素含有量が、ニッケル層だけを有するリードフレームよりもかなり低いことを示している。10重量%のリンを含有するニッケルリン層を有するリードフレームの金属層における酸素の原子%は、100Åの深さで5.2原子%の高い酸素含有量を有し、330Åで0原子%の低い酸素含有量を有していた。全ての深さについての酸素原子%の平均は4.1であった。7重量%のリン含有量を有するリードフレームは、540Åで0.7原子%の高い酸素含有量を有し、200〜510Åで0原子%の低い酸素含有量を有していた。全ての深さについての平均酸素含有量は2.6原子%であった。対照的に、ニッケルリン層を有さないリードフレームは、200Åで41.5原子%の高い酸素含有量を有し、100Åで34.3原子%の低い原子含有量を有していた。全ての深さについての平均酸素含有量は36原子%であった。従って、ニッケルリン層は酸素透過を軽減した。
【0074】
実施例4
金−コバルト層をニッケルもしくはニッケルリン層上にメッキするために水性金コバルト合金電気メッキ浴を使用する以外は、実施例2を繰り返す。金−コバルト合金浴は、4g/Lのシアン化金カリウム、1g/Lの硫酸コバルト(0.25g/Lのコバルトイオン)及び150g/Lのメチレンホスホン酸を含む。水性金−コバルト浴のpHは4である。浴のpHを水酸化カリウムを用いて維持する。浴を40℃に維持し、且つ電流密度は1ASDである。電気メッキは、0.2〜0.5ミクロンの金−コバルト層が各リードフレームのニッケルリン層上に形成されるまで行われる。
【0075】
各リードフレームを次いで乾燥器中のプラスチック保持器上に置き、実施例2におけるように発煙硝酸にさらす。デュプレックスを有するリードフレーム上の金−コバルト層は、ニッケル層だけを有するリードフレーム上の金−コバルト層よりも少ない孔を有すると予想される。
【0076】
実施例5
水性金−コバルト合金電気メッキ浴が4g/Lのシアン化金カリウム、1g/Lのメチレンホスホン酸コバルトの四カリウム塩、124g/Lのクエン酸三カリウム、29g/Lのクエン酸及び45g/Lのリン酸一カリウムを含む以外は、実施例4を繰り返す。浴のpHを5に維持し、且つ浴温は35℃に維持する。電流密度は1ASDであり、メッキを行い、各リードフレーム上に0.2〜0.5ミクロンの金−コバルト層を形成する。
【0077】
各リードフレームを発煙硝酸で処理した後、デュプレックス層を有するリードフレームは、デュプレックス層を有さないリードフレーム上の金−コバルト層よりも孔が少ない金−コバルト層を有すると予想される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、ニッケル下層上の、孔を有する金層の50倍の写真である。
【図2】図2は、ニッケルリン下層上の、孔を有する金層の50倍の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上にニッケル層を堆積させること、該ニッケル層上にニッケルリン層を堆積させること、及び該ニッケルリン上に金もしくは金合金層を堆積させることを含み、該ニッケルリン層が0.1重量%〜10重量%のリンを含む、方法。
【請求項2】
ニッケルリン層が、1重量%〜9重量%のリンを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
基体上に1ミクロン〜10ミクロンのニッケル層を堆積させること、該ニッケル層上に0.1ミクロン〜5ミクロンのニッケルリン層を堆積させること、及び該ニッケルリン層上に金もしくは金合金層を堆積させることを含み、該ニッケルリン層が1重量%〜10重量%のリンを含む、方法。
【請求項4】
金または金合金層を熱老化させる工程をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
基体上のニッケル層及び該ニッケル層上のニッケルリン層と、該ニッケルリン層上の金もしくは金合金とを含み、該ニッケルリン層が0.1重量%〜10重量%のリンを含む、物品。
【請求項6】
ニッケルリン層が、1重量%〜9重量%のリンを含む、請求項5記載の物品。
【請求項7】
ニッケル層が、1ミクロン〜10ミクロンの厚さであり、及びニッケルリン層が0.1ミクロン〜5ミクロンの厚さである、請求項5記載の物品。
【請求項8】
物品が、プリント配線板、リードフレーム、コネクター、ウェハバンプまたは受動素子である、請求項5記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−70730(P2007−70730A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−241198(P2006−241198)
【出願日】平成18年9月6日(2006.9.6)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】