金属ブレーキ機構及び家庭用電気製品
【課題】蓋体の開放速度を抑制し、蓋体開放時の機器本体と蓋体との衝撃を抑えることができるブレーキ機構を提供する。
【解決手段】機器本体3と、開放方向に弾性的に付勢された蓋体4とを備える家庭用電気製品において、機器本体3に形成された固定摺接部9と、蓋体4の開放初期に固定摺接部9と摺接する第1ブレーキ部19と、蓋体4の開放後期に固定摺接部9と摺接する第2ブレーキ部21と、蓋体4の開放中期に第1ブレーキ部19よりも弱いブレーキ力で固定摺接部9と摺接する又は固定摺接部9と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部20とからなるブレーキ手段と、を備え、ブレーキ手段の弾性片18に、第1ブレーキ部19と第2ブレーキ部21と緩和部20とを備えた。
【解決手段】機器本体3と、開放方向に弾性的に付勢された蓋体4とを備える家庭用電気製品において、機器本体3に形成された固定摺接部9と、蓋体4の開放初期に固定摺接部9と摺接する第1ブレーキ部19と、蓋体4の開放後期に固定摺接部9と摺接する第2ブレーキ部21と、蓋体4の開放中期に第1ブレーキ部19よりも弱いブレーキ力で固定摺接部9と摺接する又は固定摺接部9と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部20とからなるブレーキ手段と、を備え、ブレーキ手段の弾性片18に、第1ブレーキ部19と第2ブレーキ部21と緩和部20とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属ブレーキ機構及びこの金属ブレーキ機構を備えた炊飯器、電気ポットなどの家庭用電気製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に家庭用電気製品において、蓋体はばねに付勢されて開放するが、蓋体の開放後期にのみブレーキ力が作用するため慣性トルクにより開放速度が速くなり、蓋体解放時の蓋体と機器本体の衝撃が大きくなる。
【0003】
特許文献1には、蓋体がばねの付勢力により開放されるが、最大開放角に到達する前にブレーキ部が固定摺接部に当接して摺接を開始し、この摺接に伴う摩擦により蓋体にブレーキ力が作用し、このブレーキ力は開放角度が大きくなるに従い次第に大きくなり、最大開放角度で最大となるブレーキ機構が提案されている。
【0004】
特許文献2には、蓋体がばねの付勢力により開放され、摺動面と摺動頭との間の摩擦力で蓋体の回転にブレーキをかけるが、このブレーキ力は蓋体が開き始めの状態では、支持枠リングの表面と摺動面との間に所定の間隔があるため弱く、蓋体が開放していくのに従い、段々とこの間隔が小さくなることでブレーキ力が徐々に強まり、蓋体の開くスピードが加速度的に早まるのを抹殺してスムーズな開閉動作を行うブレーキ機構が提案されている。
【0005】
しかしいずれの特許文献に記載のブレーキ機構でも、蓋体の開放時に作用するブレーキ力は蓋体の開放後期に大きくなるため、それまでに蓋体の慣性トルクが大きくなり開放速度が速くなると、ブレーキの調整が困難となり蓋体全開時に蓋体がバウンドしたり開放途中に蓋体が停止するという問題があった。又、蓋体の開放速度が速くなると、蓋体を停止するために大きなブレーキ力が作用し、ヒンジ部の破損等を招くという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開2004−16579号公報
【特許文献2】特開平2−7915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、蓋体の開放速度を抑制することで、ブレーキ調整を容易とし、蓋体開放時のヒンジ部の破損等を防ぐことができるブレーキ機構及びこのブレーキ機構を備えた家庭用電気製品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る家庭用電気製品は、有底の胴部の上端開口縁に肩体を備えた機器本体と、一端が前記機器本体の前記肩体にヒンジ軸を介して回転可能に取り付けられると共に開放方向に弾性的に付勢された蓋体とを備える家庭用電気製品において、
前記機器本体の肩体に形成された固定摺接部と、
前記蓋体のヒンジ軸付近に配置され、前記蓋体の開放初期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第1ブレーキ部と、該第1ブレーキ部と隔てて配設され前記蓋体の開放後期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第2ブレーキ部と、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部の間に、前記蓋体の開放中期に前記第1ブレーキ部よりも弱いブレーキ力で前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する又は前記固定摺接部と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部とからなるブレーキ手段と、
を備え、
前記ブレーキ手段は、前記蓋体の前記ヒンジ軸付近に取り付けられた取り付け片と、該取り付け片から延びて前記蓋体の開放時に前記固定摺接部と摺接する弾性片とからなり、該弾性片に、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部と前記緩和部とを備えたものである。
【0009】
蓋体の開放速度が上がりやすい蓋体開放初期に第1ブレーキが作用するため、蓋体の開放に伴う慣性トルクを抑制し蓋体の開放速度を抑制でき、ブレーキ調整が容易となる。又、蓋体の開放速度を抑制することで、蓋体の開放後期に作用するブレーキ力を小さくすることができ、蓋体開放時のヒンジ部への負担が軽減し破損を防止することができる。
【0010】
ヒンジスプリングトルクと蓋体のトルクが近接する蓋体の開放中期に緩和部を設けるため、ブレーキ力によって蓋体が開放途中で停止することを防止することができる。
【0011】
また、ブレーキ手段を1部品で構成するため、部品点数の削減や構造が簡単化し製造コストを削減できる。
【0012】
他の手段として、前記弾性片の前記第1ブレーキ部は、前記固定摺接部と摺接する初期ブレーキ時にブレーキ力が前記蓋体の開放に従って急激に強くなり、その後ブレーキ力が前記蓋体の開放に従って緩やかに解除されることが好ましい。
【0013】
ヒンジスプリングトルクと蓋トルクの差のはげしい蓋体開放初期においてブレーキ力を強くし、その後ヒンジスプリングトルクと蓋トルクの差が少なくなると共に、ブレーキ力を緩やかに解除することにより、蓋体開放初期の開放速度を抑制し、蓋体が開放途中で停止することを防止できる。
【0014】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と直交して配置することが好ましい。
【0015】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と平行に配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1、第2ブレーキ部を有するブレーキ手段により、蓋体の開放初期に蓋体へブレーキ力を作用することで蓋体の慣性トルクを抑制し、開放後期にもブレーキ力を作用し蓋体の開放速度を抑制することで、ブレーキ調整を容易にし、蓋体全開時のヒンジ部への負担を減らしヒンジ部の破損等を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に本発明に係るブレーキ金具1を備えた家庭用電気製品である炊飯器2を示す。
炊飯器2は炊飯鍋(図示せず)を着脱可能に収容する機器本体3と、該機器本体3の上端開口を開閉する蓋体4とを備える。
【0018】
機器本体3は、有底の胴形状をなす胴体5と、胴体5の上端開口縁に肩体6とを備える。肩体6の前部には液晶表示装置や各種操作スイッチを含む操作パネル7が配設されている。肩体6の後部にはヒンジ受け部8が形成されている。機器本体3後部のヒンジ受け部8には、蓋体4が機器本体3に対して開放する際にブレーキをかけるための、樹脂製である固定摺接部9が設けられている。固定摺接部9はヒンジ受け部8の両側で上方へ向かって延びている。
【0019】
蓋体4は、樹脂製である下板10と、該下板10の上面側に配設された金属性である補強板11と、該補強板11の上面側に配設された樹脂製である上側蓋部材12とを備える。上側蓋部材12は殻体状であり蓋体4全体を覆うように形成されている。
【0020】
蓋体4は、補強板11の後端側にヒンジ穴13が形成され、該ヒンジ穴13に挿通したヒンジ軸14周りに開閉自在に取り付けられている。ヒンジ軸14は、該ヒンジ軸14を支持するために機器本体3側に設けられた一対の軸受け15に嵌合支持される。ヒンジ軸14には、左右一対のヒンジばね16が挿通されている。これにより、蓋体4は、ヒンジばね16によって図1において矢印Aで示す開放方向に弾性的に付勢されている。
【0021】
蓋体4の後端側には、機器本体3に対して蓋体4が開放する際に、機器本体3の固定摺接部9との間の摺接による摩擦で蓋体4にブレーキをかけるブレーキ金具1が設けられている。ブレーキ金具1は補強板11の後端に蓋体4と共にヒンジ軸14周りに回転するように取り付けられている。ブレーキ金具1は金属性であり、補強板11に取り付ける取り付け片17と蓋体4の解放時に機器本体3の固定摺接部9と摺接する弾性片18とからなり、弾性片18は、前記取り付け片17に隣接し、蓋体4の開放初期に固定摺接部9との間でブレーキをかける第1ブレーキ部19と、該第1ブレーキ部19に隣接し、蓋体4の開放中期に固定摺接部9との間でブレーキを緩める又は固定摺接部9と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部20と、該緩和部20に隣接し、蓋体4の開放後期に固定摺接部9との間でブレーキをかける第2ブレーキ部21と、を備える。
【0022】
図2に本発明の第1実施形態であるブレーキ金具1aを示す。
取り付け片17aは補強板11の上面にネジ(図示せず)を介して、弾性片18aが固定摺接部9のヒンジ軸14と直交する面と摺接するように取り付けられている。又、取り付け片17aの蓋体4の内側には補強板11に取り付けるための取り付け穴22aと、蓋体4の外側にはブレーキ金具1aの位置決めをするための位置決め穴23と、の2つの穴が設けられている。
弾性片18aの第2摺接面24は、取り付け片17aから垂直に下方へ向かって延びている。又、第2摺接面24の後側には、固定摺接部9と第2摺接面24とが摺接を開始するまで弾性片18aを固定摺接部9に導くための第1摺接面25と、該第1摺接面25から機器本体3の外側へ向かって延びるように摺接ガイド部26が形成されている。第2摺接面24の下側には、緩和部20aと接続する第3摺接面27が形成されており、第1ブレーキ部19aは第1摺接面25と第2摺接面24と第3摺接面27とから構成されている。
弾性片18aの緩和部20aは、第3摺接面27から蓋体4の外側へくぼんでいる。
弾性片18aの第5摺接面28は、緩和部20aから第4摺接面29を介して機器本体3の内側へ向かって下方へ延びている。第4摺接面29は、緩和部20aと第5摺接面28とを区切り、前方から後方へかけて下方へ傾いている。第2ブレーキ部21aは第4摺接面29と第5摺接面28とからなる。第5摺接面28の下端には、補強板11との間でブレーキ金具1aを支持するため補強板11に向かって水平に延びる固定部30aが形成されている。固定部30aは、補強板11に当接している。これにより、弾性片18aは一端が取り付け片17aに固定され、他端が補強板11に支持された状態となっている。もちろん、固定部30aは、補強板11から離した構成をとることも構わない。
【0023】
次に、第1実施形態に係るブレーキ金具1aの動作を説明する。
図3から図7を参照すると、蓋体4の閉蓋時にはブレーキ金具1aは固定摺接部9の前方に位置している(図3)。蓋体4がヒンジスプリング16の付勢力によりヒンジ軸14周りに開放を始めると共に、ブレーキ金具1aもヒンジ軸14周りに回転し、第1摺接面25がまず固定摺接部9に摺接して第2摺接面24を固定摺接部9に導き、第2摺接面24に続いて第3摺接面27が固定摺接部9と摺接することにより、第1ブレーキが作用する(図4)。更に蓋体4が開放すると第1ブレーキ部19aに続いて緩和部20aが、固定摺接部9の側面と摺接する又は摺接を解除する(図5)。緩和部20aではブレーキ力を弱める又はブレーキ力を解除することで、ブレーキ力の作用により蓋体4が開放途中で止まるのを防止する。蓋体4が開放を続けると緩和部20aに続いて第2ブレーキ部21aの第4摺接面29が、固定摺接部9の側面と摺接を始め、続いて第5摺接面28が固定摺接部9と摺接することで第2ブレーキが作用する(図6)。蓋体4が開放すると、第2ブレーキ部21aが固定摺接部9の側面との間で係合した状態で保持される(図7)。
【0024】
図8(a)は従来のトルクと蓋体4の蓋開き角度の関係を示す。
直線Aはヒンジスプリングトルクを示し、蓋開き角度が大きくなるのに比例してヒンジスプリングトルクが減少する。曲線Bは蓋トルクを示し、蓋開き角度が大きくなるのに従って減少し蓋体4が90°開いた状態で0になる。蓋トルクは、蓋体4の重量と、ヒンジ軸14から蓋体4の重心までの水平方向距離を乗じたものであリ、cos(コサイン)曲線である。蓋開き角度が40°から60°において直線AとBは近接している。直線Cは、従来のブレーキ機構に係る固定摺接部とブレーキ部との摺接により発生し、ヒンジスプリングトルクに抗するブレーキトルクを示す。該ブレーキトルクは、蓋体の開放後期に作用し蓋体の開放に比例して大きくなり、該トルクがヒンジスプリングトルクよりも大きくなることで蓋体の開放を停止することができる。
図8(b)は本発明におけるトルクと蓋開き角度の関係を示す。
直線Dは、固定摺接部9と弾性片18aの摺接により発生しヒンジスプリングトルクに抗する第1ブレーキのブレーキトルクを示す。a点からb点までの直線は固定摺接部9と第1摺接面25との摺接によるブレーキトルクを示し、蓋体4の開放に比例して大きくなる。b点からc点までの直線は固定摺接部9と、第2摺接面24との摺接によるブレーキトルクを示し、蓋体4の開放に比例し直線Aと平行にブレーキ力を解除するため、蓋体4に余分なブレーキ力が作用し蓋体4が停止することを防止する。c点からd点までの直線は固定摺接部9と第3摺接面27との摺接によるブレーキトルクを示し、ブレーキ力を蓋体4の開放に比例して徐々に解除する。直線Dで示すブレーキトルクは、蓋体4の開放初期で第1ブレーキが作用する初期ブレーキ時に、ブレーキ力が蓋体4の開放に従って急激に強くなり、最大となった後、ブレーキ力が蓋体4の開放に従って緩やかに解除されることによって、例えば第1ブレーキが作用している後期にブレーキトルクが最大となることによって、蓋体4が開放途中に停止することを防止する。又、開放初期に第1ブレーキ力が作用することにより蓋体4開放時の慣性トルクを抑制し、開放速度を抑えることができる。直線AとBが近接している開放中期においては、ブレーキ力を作用しない又はブレーキ力を弱める緩和部20を設けることで滑らかな蓋体の開放を可能にする。又、直線Eは、蓋体4の開放後期に固定摺接部9と第2ブレーキ部21との摺接により発生し、ヒンジスプリングトルクに抗するブレーキトルクを示す。該ブレーキトルクは、蓋体4の開放初期に第1ブレーキが作用しているため、従来の直線Cに係るブレーキトルクよりも小さい値で蓋体4の開放を停止することができる。
【0025】
図9に本発明の第2実施形態であるブレーキ金具1bを示す。
取り付け片17bは補強板11の後端であってその上面にネジ(図示せず)を介して、弾性片18bが固定摺接部9のヒンジ軸14と平行な面と摺接するように取り付けられている。取り付け片17bの前側には補強板11に取り付けるための取り付け穴22bが設けられている。取り付け片17bの先端には、ブレーキ金具1bの位置決めをするための位置決め板31が垂直に下方へ向かって形成されている。
弾性片18bの第1ブレーキ部19bは、取り付け片17b後端から前方に向かって下方へ延びている。
弾性片18bの緩和部20bは、第1ブレーキ部19bから蓋体4の前側へくぼんでいる。
弾性片18bの第2ブレーキ部21bは、緩和部20bから後側へ向かって下方へ延びている。第2ブレーキ部21bの下端には、下板10との間でブレーキ金具1bを支持するため上方へ向かって延び、その後に下板10に向かって水平に延びる固定部30bが形成されている。固定部30bは、下板10に当接している。これにより、弾性片18bは一端が取り付け片17bに固定され、他端が下板10に支持された状態となっている。
【0026】
次に、第2実施形態に係るブレーキ金具1bの動作を説明する。
図10から図14を参照すると、蓋体4の閉蓋時にはブレーキ金具1bは固定摺接部9の前方に位置している(図10)。蓋体4がヒンジ軸14周りに開放を始めると共に、ブレーキ金具1bもヒンジ軸14周りに回転し、第1ブレーキ部19bが固定摺接部9の上部と摺接することで第1ブレーキが作用する(図11)。第1ブレーキ部19bにおいては、第1実施例のように、初期ブレーキ時にブレーキ力が蓋体4の開放に従って急激に強くなり、その後、蓋体4の開放に従って緩やかに解除することにより、滑らかな開放を可能に出来ることは言うまでもない。更に蓋体4が開放すると第1ブレーキ部19bに続いて緩和部20bが、固定摺接部9の上部と摺接することでブレーキ力を弱める(図12)。蓋体4が開放を続けると緩和部20bに続いて第2ブレーキ部21bが、固定摺接部9の上部と摺接することにより第2ブレーキが作用する(図13)。蓋体4が開放するとブレーキ金具1bは固定摺接部9の上側で水平に倒れた状態で保持される(図14)。
【0027】
なお、本発明のブレーキ部は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0028】
例えば、第1ブレーキ部及び第2ブレーキ部はそれぞれを別の部品で構成することもできる。又、ブレーキ部は金属だけではなく他の材料、例えば樹脂から構成されてもよい。更には、ブレーキ部は別部品ではなく、下板10の形状を加工することにより形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る実施形態の一部切欠き分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレーキ金具の全体斜視図。
【図3】閉蓋時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図4】第1ブレーキ作用時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図5】ブレーキ緩和時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図6】第2ブレーキ作用時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図7】開蓋時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図。
【図8】(a)従来のトルクと蓋開き角度の関係を示すグラフ(b)本発明におけるトルクと蓋開き角度の関係を示すグラフ。
【図9】本発明の第2実施形態に係るブレーキ金具の全体斜視図。
【図10】閉蓋時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図11】第1ブレーキ作用時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図12】ブレーキ緩和時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図13】第2ブレーキ作用時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図14】開蓋時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図。
【符号の説明】
【0030】
1 ブレーキ金具
3 機器本体
4 蓋体
9 固定摺接部
14 ヒンジ軸
17,17a,17b 取り付け片
18,18a,18b 弾性片
19,19a,19b 第1ブレーキ部
20,20a,20b 緩和部
21,21a,21b 第2ブレーキ部
【技術分野】
【0001】
本発明は金属ブレーキ機構及びこの金属ブレーキ機構を備えた炊飯器、電気ポットなどの家庭用電気製品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に家庭用電気製品において、蓋体はばねに付勢されて開放するが、蓋体の開放後期にのみブレーキ力が作用するため慣性トルクにより開放速度が速くなり、蓋体解放時の蓋体と機器本体の衝撃が大きくなる。
【0003】
特許文献1には、蓋体がばねの付勢力により開放されるが、最大開放角に到達する前にブレーキ部が固定摺接部に当接して摺接を開始し、この摺接に伴う摩擦により蓋体にブレーキ力が作用し、このブレーキ力は開放角度が大きくなるに従い次第に大きくなり、最大開放角度で最大となるブレーキ機構が提案されている。
【0004】
特許文献2には、蓋体がばねの付勢力により開放され、摺動面と摺動頭との間の摩擦力で蓋体の回転にブレーキをかけるが、このブレーキ力は蓋体が開き始めの状態では、支持枠リングの表面と摺動面との間に所定の間隔があるため弱く、蓋体が開放していくのに従い、段々とこの間隔が小さくなることでブレーキ力が徐々に強まり、蓋体の開くスピードが加速度的に早まるのを抹殺してスムーズな開閉動作を行うブレーキ機構が提案されている。
【0005】
しかしいずれの特許文献に記載のブレーキ機構でも、蓋体の開放時に作用するブレーキ力は蓋体の開放後期に大きくなるため、それまでに蓋体の慣性トルクが大きくなり開放速度が速くなると、ブレーキの調整が困難となり蓋体全開時に蓋体がバウンドしたり開放途中に蓋体が停止するという問題があった。又、蓋体の開放速度が速くなると、蓋体を停止するために大きなブレーキ力が作用し、ヒンジ部の破損等を招くという問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開2004−16579号公報
【特許文献2】特開平2−7915号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたもので、蓋体の開放速度を抑制することで、ブレーキ調整を容易とし、蓋体開放時のヒンジ部の破損等を防ぐことができるブレーキ機構及びこのブレーキ機構を備えた家庭用電気製品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る家庭用電気製品は、有底の胴部の上端開口縁に肩体を備えた機器本体と、一端が前記機器本体の前記肩体にヒンジ軸を介して回転可能に取り付けられると共に開放方向に弾性的に付勢された蓋体とを備える家庭用電気製品において、
前記機器本体の肩体に形成された固定摺接部と、
前記蓋体のヒンジ軸付近に配置され、前記蓋体の開放初期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第1ブレーキ部と、該第1ブレーキ部と隔てて配設され前記蓋体の開放後期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第2ブレーキ部と、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部の間に、前記蓋体の開放中期に前記第1ブレーキ部よりも弱いブレーキ力で前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する又は前記固定摺接部と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部とからなるブレーキ手段と、
を備え、
前記ブレーキ手段は、前記蓋体の前記ヒンジ軸付近に取り付けられた取り付け片と、該取り付け片から延びて前記蓋体の開放時に前記固定摺接部と摺接する弾性片とからなり、該弾性片に、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部と前記緩和部とを備えたものである。
【0009】
蓋体の開放速度が上がりやすい蓋体開放初期に第1ブレーキが作用するため、蓋体の開放に伴う慣性トルクを抑制し蓋体の開放速度を抑制でき、ブレーキ調整が容易となる。又、蓋体の開放速度を抑制することで、蓋体の開放後期に作用するブレーキ力を小さくすることができ、蓋体開放時のヒンジ部への負担が軽減し破損を防止することができる。
【0010】
ヒンジスプリングトルクと蓋体のトルクが近接する蓋体の開放中期に緩和部を設けるため、ブレーキ力によって蓋体が開放途中で停止することを防止することができる。
【0011】
また、ブレーキ手段を1部品で構成するため、部品点数の削減や構造が簡単化し製造コストを削減できる。
【0012】
他の手段として、前記弾性片の前記第1ブレーキ部は、前記固定摺接部と摺接する初期ブレーキ時にブレーキ力が前記蓋体の開放に従って急激に強くなり、その後ブレーキ力が前記蓋体の開放に従って緩やかに解除されることが好ましい。
【0013】
ヒンジスプリングトルクと蓋トルクの差のはげしい蓋体開放初期においてブレーキ力を強くし、その後ヒンジスプリングトルクと蓋トルクの差が少なくなると共に、ブレーキ力を緩やかに解除することにより、蓋体開放初期の開放速度を抑制し、蓋体が開放途中で停止することを防止できる。
【0014】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と直交して配置することが好ましい。
【0015】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と平行に配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、第1、第2ブレーキ部を有するブレーキ手段により、蓋体の開放初期に蓋体へブレーキ力を作用することで蓋体の慣性トルクを抑制し、開放後期にもブレーキ力を作用し蓋体の開放速度を抑制することで、ブレーキ調整を容易にし、蓋体全開時のヒンジ部への負担を減らしヒンジ部の破損等を防止する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1に本発明に係るブレーキ金具1を備えた家庭用電気製品である炊飯器2を示す。
炊飯器2は炊飯鍋(図示せず)を着脱可能に収容する機器本体3と、該機器本体3の上端開口を開閉する蓋体4とを備える。
【0018】
機器本体3は、有底の胴形状をなす胴体5と、胴体5の上端開口縁に肩体6とを備える。肩体6の前部には液晶表示装置や各種操作スイッチを含む操作パネル7が配設されている。肩体6の後部にはヒンジ受け部8が形成されている。機器本体3後部のヒンジ受け部8には、蓋体4が機器本体3に対して開放する際にブレーキをかけるための、樹脂製である固定摺接部9が設けられている。固定摺接部9はヒンジ受け部8の両側で上方へ向かって延びている。
【0019】
蓋体4は、樹脂製である下板10と、該下板10の上面側に配設された金属性である補強板11と、該補強板11の上面側に配設された樹脂製である上側蓋部材12とを備える。上側蓋部材12は殻体状であり蓋体4全体を覆うように形成されている。
【0020】
蓋体4は、補強板11の後端側にヒンジ穴13が形成され、該ヒンジ穴13に挿通したヒンジ軸14周りに開閉自在に取り付けられている。ヒンジ軸14は、該ヒンジ軸14を支持するために機器本体3側に設けられた一対の軸受け15に嵌合支持される。ヒンジ軸14には、左右一対のヒンジばね16が挿通されている。これにより、蓋体4は、ヒンジばね16によって図1において矢印Aで示す開放方向に弾性的に付勢されている。
【0021】
蓋体4の後端側には、機器本体3に対して蓋体4が開放する際に、機器本体3の固定摺接部9との間の摺接による摩擦で蓋体4にブレーキをかけるブレーキ金具1が設けられている。ブレーキ金具1は補強板11の後端に蓋体4と共にヒンジ軸14周りに回転するように取り付けられている。ブレーキ金具1は金属性であり、補強板11に取り付ける取り付け片17と蓋体4の解放時に機器本体3の固定摺接部9と摺接する弾性片18とからなり、弾性片18は、前記取り付け片17に隣接し、蓋体4の開放初期に固定摺接部9との間でブレーキをかける第1ブレーキ部19と、該第1ブレーキ部19に隣接し、蓋体4の開放中期に固定摺接部9との間でブレーキを緩める又は固定摺接部9と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部20と、該緩和部20に隣接し、蓋体4の開放後期に固定摺接部9との間でブレーキをかける第2ブレーキ部21と、を備える。
【0022】
図2に本発明の第1実施形態であるブレーキ金具1aを示す。
取り付け片17aは補強板11の上面にネジ(図示せず)を介して、弾性片18aが固定摺接部9のヒンジ軸14と直交する面と摺接するように取り付けられている。又、取り付け片17aの蓋体4の内側には補強板11に取り付けるための取り付け穴22aと、蓋体4の外側にはブレーキ金具1aの位置決めをするための位置決め穴23と、の2つの穴が設けられている。
弾性片18aの第2摺接面24は、取り付け片17aから垂直に下方へ向かって延びている。又、第2摺接面24の後側には、固定摺接部9と第2摺接面24とが摺接を開始するまで弾性片18aを固定摺接部9に導くための第1摺接面25と、該第1摺接面25から機器本体3の外側へ向かって延びるように摺接ガイド部26が形成されている。第2摺接面24の下側には、緩和部20aと接続する第3摺接面27が形成されており、第1ブレーキ部19aは第1摺接面25と第2摺接面24と第3摺接面27とから構成されている。
弾性片18aの緩和部20aは、第3摺接面27から蓋体4の外側へくぼんでいる。
弾性片18aの第5摺接面28は、緩和部20aから第4摺接面29を介して機器本体3の内側へ向かって下方へ延びている。第4摺接面29は、緩和部20aと第5摺接面28とを区切り、前方から後方へかけて下方へ傾いている。第2ブレーキ部21aは第4摺接面29と第5摺接面28とからなる。第5摺接面28の下端には、補強板11との間でブレーキ金具1aを支持するため補強板11に向かって水平に延びる固定部30aが形成されている。固定部30aは、補強板11に当接している。これにより、弾性片18aは一端が取り付け片17aに固定され、他端が補強板11に支持された状態となっている。もちろん、固定部30aは、補強板11から離した構成をとることも構わない。
【0023】
次に、第1実施形態に係るブレーキ金具1aの動作を説明する。
図3から図7を参照すると、蓋体4の閉蓋時にはブレーキ金具1aは固定摺接部9の前方に位置している(図3)。蓋体4がヒンジスプリング16の付勢力によりヒンジ軸14周りに開放を始めると共に、ブレーキ金具1aもヒンジ軸14周りに回転し、第1摺接面25がまず固定摺接部9に摺接して第2摺接面24を固定摺接部9に導き、第2摺接面24に続いて第3摺接面27が固定摺接部9と摺接することにより、第1ブレーキが作用する(図4)。更に蓋体4が開放すると第1ブレーキ部19aに続いて緩和部20aが、固定摺接部9の側面と摺接する又は摺接を解除する(図5)。緩和部20aではブレーキ力を弱める又はブレーキ力を解除することで、ブレーキ力の作用により蓋体4が開放途中で止まるのを防止する。蓋体4が開放を続けると緩和部20aに続いて第2ブレーキ部21aの第4摺接面29が、固定摺接部9の側面と摺接を始め、続いて第5摺接面28が固定摺接部9と摺接することで第2ブレーキが作用する(図6)。蓋体4が開放すると、第2ブレーキ部21aが固定摺接部9の側面との間で係合した状態で保持される(図7)。
【0024】
図8(a)は従来のトルクと蓋体4の蓋開き角度の関係を示す。
直線Aはヒンジスプリングトルクを示し、蓋開き角度が大きくなるのに比例してヒンジスプリングトルクが減少する。曲線Bは蓋トルクを示し、蓋開き角度が大きくなるのに従って減少し蓋体4が90°開いた状態で0になる。蓋トルクは、蓋体4の重量と、ヒンジ軸14から蓋体4の重心までの水平方向距離を乗じたものであリ、cos(コサイン)曲線である。蓋開き角度が40°から60°において直線AとBは近接している。直線Cは、従来のブレーキ機構に係る固定摺接部とブレーキ部との摺接により発生し、ヒンジスプリングトルクに抗するブレーキトルクを示す。該ブレーキトルクは、蓋体の開放後期に作用し蓋体の開放に比例して大きくなり、該トルクがヒンジスプリングトルクよりも大きくなることで蓋体の開放を停止することができる。
図8(b)は本発明におけるトルクと蓋開き角度の関係を示す。
直線Dは、固定摺接部9と弾性片18aの摺接により発生しヒンジスプリングトルクに抗する第1ブレーキのブレーキトルクを示す。a点からb点までの直線は固定摺接部9と第1摺接面25との摺接によるブレーキトルクを示し、蓋体4の開放に比例して大きくなる。b点からc点までの直線は固定摺接部9と、第2摺接面24との摺接によるブレーキトルクを示し、蓋体4の開放に比例し直線Aと平行にブレーキ力を解除するため、蓋体4に余分なブレーキ力が作用し蓋体4が停止することを防止する。c点からd点までの直線は固定摺接部9と第3摺接面27との摺接によるブレーキトルクを示し、ブレーキ力を蓋体4の開放に比例して徐々に解除する。直線Dで示すブレーキトルクは、蓋体4の開放初期で第1ブレーキが作用する初期ブレーキ時に、ブレーキ力が蓋体4の開放に従って急激に強くなり、最大となった後、ブレーキ力が蓋体4の開放に従って緩やかに解除されることによって、例えば第1ブレーキが作用している後期にブレーキトルクが最大となることによって、蓋体4が開放途中に停止することを防止する。又、開放初期に第1ブレーキ力が作用することにより蓋体4開放時の慣性トルクを抑制し、開放速度を抑えることができる。直線AとBが近接している開放中期においては、ブレーキ力を作用しない又はブレーキ力を弱める緩和部20を設けることで滑らかな蓋体の開放を可能にする。又、直線Eは、蓋体4の開放後期に固定摺接部9と第2ブレーキ部21との摺接により発生し、ヒンジスプリングトルクに抗するブレーキトルクを示す。該ブレーキトルクは、蓋体4の開放初期に第1ブレーキが作用しているため、従来の直線Cに係るブレーキトルクよりも小さい値で蓋体4の開放を停止することができる。
【0025】
図9に本発明の第2実施形態であるブレーキ金具1bを示す。
取り付け片17bは補強板11の後端であってその上面にネジ(図示せず)を介して、弾性片18bが固定摺接部9のヒンジ軸14と平行な面と摺接するように取り付けられている。取り付け片17bの前側には補強板11に取り付けるための取り付け穴22bが設けられている。取り付け片17bの先端には、ブレーキ金具1bの位置決めをするための位置決め板31が垂直に下方へ向かって形成されている。
弾性片18bの第1ブレーキ部19bは、取り付け片17b後端から前方に向かって下方へ延びている。
弾性片18bの緩和部20bは、第1ブレーキ部19bから蓋体4の前側へくぼんでいる。
弾性片18bの第2ブレーキ部21bは、緩和部20bから後側へ向かって下方へ延びている。第2ブレーキ部21bの下端には、下板10との間でブレーキ金具1bを支持するため上方へ向かって延び、その後に下板10に向かって水平に延びる固定部30bが形成されている。固定部30bは、下板10に当接している。これにより、弾性片18bは一端が取り付け片17bに固定され、他端が下板10に支持された状態となっている。
【0026】
次に、第2実施形態に係るブレーキ金具1bの動作を説明する。
図10から図14を参照すると、蓋体4の閉蓋時にはブレーキ金具1bは固定摺接部9の前方に位置している(図10)。蓋体4がヒンジ軸14周りに開放を始めると共に、ブレーキ金具1bもヒンジ軸14周りに回転し、第1ブレーキ部19bが固定摺接部9の上部と摺接することで第1ブレーキが作用する(図11)。第1ブレーキ部19bにおいては、第1実施例のように、初期ブレーキ時にブレーキ力が蓋体4の開放に従って急激に強くなり、その後、蓋体4の開放に従って緩やかに解除することにより、滑らかな開放を可能に出来ることは言うまでもない。更に蓋体4が開放すると第1ブレーキ部19bに続いて緩和部20bが、固定摺接部9の上部と摺接することでブレーキ力を弱める(図12)。蓋体4が開放を続けると緩和部20bに続いて第2ブレーキ部21bが、固定摺接部9の上部と摺接することにより第2ブレーキが作用する(図13)。蓋体4が開放するとブレーキ金具1bは固定摺接部9の上側で水平に倒れた状態で保持される(図14)。
【0027】
なお、本発明のブレーキ部は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0028】
例えば、第1ブレーキ部及び第2ブレーキ部はそれぞれを別の部品で構成することもできる。又、ブレーキ部は金属だけではなく他の材料、例えば樹脂から構成されてもよい。更には、ブレーキ部は別部品ではなく、下板10の形状を加工することにより形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る実施形態の一部切欠き分解斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレーキ金具の全体斜視図。
【図3】閉蓋時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図4】第1ブレーキ作用時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図5】ブレーキ緩和時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図6】第2ブレーキ作用時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図7】開蓋時の第1実施形態におけるブレーキ機構の断面図。
【図8】(a)従来のトルクと蓋開き角度の関係を示すグラフ(b)本発明におけるトルクと蓋開き角度の関係を示すグラフ。
【図9】本発明の第2実施形態に係るブレーキ金具の全体斜視図。
【図10】閉蓋時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図11】第1ブレーキ作用時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図12】ブレーキ緩和時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図13】第2ブレーキ作用時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図
【図14】開蓋時の第2実施形態におけるブレーキ機構の断面図。
【符号の説明】
【0030】
1 ブレーキ金具
3 機器本体
4 蓋体
9 固定摺接部
14 ヒンジ軸
17,17a,17b 取り付け片
18,18a,18b 弾性片
19,19a,19b 第1ブレーキ部
20,20a,20b 緩和部
21,21a,21b 第2ブレーキ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底の胴部の上端開口縁に肩体を備えた機器本体と、一端が前記機器本体の前記肩体にヒンジ軸を介して回転可能に取り付けられると共に開放方向に弾性的に付勢された蓋体とを備える家庭用電気製品において、
前記機器本体の肩体に形成された固定摺接部と、
前記蓋体のヒンジ軸付近に配置され、前記蓋体の開放初期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第1ブレーキ部と、該第1ブレーキ部と隔てて配設され前記蓋体の開放後期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第2ブレーキ部と、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部の間に、前記蓋体の開放中期に前記第1ブレーキ部よりも弱いブレーキ力で前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する又は前記固定摺接部と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部とからなるブレーキ手段と、
を備え、
前記ブレーキ手段は、前記蓋体の前記ヒンジ軸付近に取り付けられた取り付け片と、該取り付け片から延びて前記蓋体の開放時に前記固定摺接部と摺接する弾性片とからなり、該弾性片に、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部と前記緩和部とを備えたことを特徴とする家庭用電気製品。
【請求項2】
前記弾性片の前記第1ブレーキ部は、前記固定摺接部と摺接する初期ブレーキ時にブレーキ力が前記蓋体の開放に従って急激に強くなり、その後ブレーキ力が前記蓋体の開放に従って緩やかに解除されることを特徴とする請求項1に記載の家庭用電気製品。
【請求項3】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と直交して配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用電気製品。
【請求項4】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と平行に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用電気製品。
【請求項1】
有底の胴部の上端開口縁に肩体を備えた機器本体と、一端が前記機器本体の前記肩体にヒンジ軸を介して回転可能に取り付けられると共に開放方向に弾性的に付勢された蓋体とを備える家庭用電気製品において、
前記機器本体の肩体に形成された固定摺接部と、
前記蓋体のヒンジ軸付近に配置され、前記蓋体の開放初期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第1ブレーキ部と、該第1ブレーキ部と隔てて配設され前記蓋体の開放後期に前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する第2ブレーキ部と、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部の間に、前記蓋体の開放中期に前記第1ブレーキ部よりも弱いブレーキ力で前記機器本体の前記固定摺接部と摺接する又は前記固定摺接部と摺接せずにブレーキ力を解除する緩和部とからなるブレーキ手段と、
を備え、
前記ブレーキ手段は、前記蓋体の前記ヒンジ軸付近に取り付けられた取り付け片と、該取り付け片から延びて前記蓋体の開放時に前記固定摺接部と摺接する弾性片とからなり、該弾性片に、前記第1ブレーキ部と前記第2ブレーキ部と前記緩和部とを備えたことを特徴とする家庭用電気製品。
【請求項2】
前記弾性片の前記第1ブレーキ部は、前記固定摺接部と摺接する初期ブレーキ時にブレーキ力が前記蓋体の開放に従って急激に強くなり、その後ブレーキ力が前記蓋体の開放に従って緩やかに解除されることを特徴とする請求項1に記載の家庭用電気製品。
【請求項3】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と直交して配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用電気製品。
【請求項4】
前記蓋体の前記第1及び第2ブレーキ部は、前記ヒンジ軸と平行に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載の家庭用電気製品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−135668(P2012−135668A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−95823(P2012−95823)
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【分割の表示】特願2007−131657(P2007−131657)の分割
【原出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【分割の表示】特願2007−131657(P2007−131657)の分割
【原出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]