説明

金属冷却装置および金属冷却方法

【課題】本発明の課題は、熱間圧延後の金属コイルを冷却するにあたり、当該金属コイルへのミストの付着、および結露の発生を防止し、かつ、ミストの活用効率が良く、さらに、充分な冷却効果を有する金属冷却装置を提供することにある。
【解決手段】室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却装置であって、ミスト供給手段の駆動を制御する制御装置を備え、前記制御装置は、前記外気温度T1が外気温度判断基準値T1´よりも小さい場合(T1≦T1´)、前記外気湿度H1が外気湿度判断基準値H1´よりも大きい場合(H1≧H1´)、および前記ダクト内湿度H2がダクト内湿度判断基準値H2´よりも大きい場合(H2≧H2´)、のいずれかの条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする金属冷却装置により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属の冷却装置および冷却方法に係り、特に、室内に置かれた熱間圧延後の金属コイルに結露を生じさせることなく、当該金属コイルを冷却する金属冷却装置および金属冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属のスラブ(圧延用鋳塊)から、強度が高く均質な帯状の金属を得るために、金属のスラブに対し熱間圧延および冷間圧延が行われる。通常、熱間圧延は、対象となる金属の再結晶温度以上(例えば、アルミニウムを対象とした場合は300℃−600℃)の比較的高温で行われ、冷間圧延は、常温または再結晶温度以下で行われる。
【0003】
熱間圧延後に行われる冷間圧延では、対象となる金属が充分に冷まされていないと、冷間圧延による効果(強度の向上、表面特性の向上)は得られない。よって、熱間圧延と冷間圧延の間に金属を冷却する処理が必要となる。
【0004】
現在、熱間圧延後の金属コイル(熱間圧延により得られた帯状の金属をコイル状に巻き取ったもの)を冷却するに際し、自然放熱による冷却や、送風機等で金属コイルに風を当てるといった冷却が行われている。しかし、自然放熱による冷却では、熱間圧延後の金属コイルの温度を冷間圧延の効果が得られる温度まで下げるために膨大な時間がかかってしまう。その結果、最終生産物の生産効率を著しく低下させてしまう。
【0005】
また、金属コイルに風を当てることによる冷却をおこなっても、冷却時間を充分に短縮できるほどの冷却効果は得られない。
ここで、冷却する対象は大きく異なるが、冷却効果の高い冷却方法として、ミストを使用した以下の様な冷却方法が提案されている。
【0006】
特許文献1に係る発明は、家畜用建造物の壁に取り付けられている送風機の風上付近にミストを噴射し、ミストが気化することで気化熱を奪われた外気を送風機により建造物内に取り込み、建造物内を冷却するというものである。
【0007】
特許文献2に係る発明は、室内の上部から噴射するミストの粒径に合わせて、噴射ノズルの設置位置等を設定することで(ミストの粒径が大きい場合は、噴射ノズルの設置位置を高くし、ミストの粒径が小さい場合は噴射ノズルの設置位置を低くする)、室内に存在する人を濡らすことなく室内の温度を下げるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−42870号公報
【特許文献2】特開2006−177578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、送風機の風上部分に噴射されたミストを、送風機により直接、建造物内に取り込むという構成であるため、ミストが充分に気化されていない状態で、外気が建造物内に取り込まれてしまう。よって、特許文献1に係る発明は、建造物内の対象物にミストが付着するのを防止することができない。
【0010】
また、特許文献1に係る発明は、ミストを噴射するノズルを建造物の外に設けていることから、噴射したミストの大半が送風機に取り込まれることなく建造物の外に飛散してしまう。よって、特許文献1に係る発明は、ミストの活用効率が悪い。
【0011】
特許文献2に係る発明は、室内の上部からミストを噴射させ、ミストが室内に存在する人に当たるまでの短い間に気化させているため、気化熱の量は非常に少ない。よって、特許文献2に係る発明は、充分な冷却効果を奏することができない。
【0012】
加えて、特許文献1、および特許文献2に係る発明は、家畜や人が存在する空間を対象とした冷却装置であり、濡れ(結露)を防止することに対する厳密性が要求されない分野の技術である。よって、結露が生じやすく、かつ、錆等の化学的腐食を受けやすい金属の冷却分野に、これらの技術をそのまま用いることはできない。
【0013】
そこで、本発明の課題は、熱間圧延後の金属コイルを冷却するにあたり、当該金属コイルへのミストの付着、および結露の発生を防止し、かつ、ミストの活用効率が良く、さらに、充分な冷却効果を有する金属冷却装置および金属冷却方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記の課題を解決するため、本発明に係る金属冷却装置は、室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却装置であって、室外から前記室内に外気を送り込む送風機と、前記送風機と前記室外を連通するように設置され、前記送風機に外気を導く外気導入チャンバーと、前記送風機と前記室内を連通するように設置され、前記送風機により送り込まれた外気を前記室内に導くダクトと、前記外気導入チャンバー内に、外気が導入する開口を覆うように設置した少なくとも1枚のフィルターと、前記外気導入チャンバー内であって前記フィルターよりも外側に設置したノズルに、ミストを供給するミスト供給手段と、前記室外の外気の温度(外気温度T1)を測定する外気温度測定手段と、前記室外の外気の湿度(外気湿度H1)を測定する外気湿度測定手段と、前記ダクト内の湿度(ダクト内湿度H2)を測定するダクト内湿度測定手段と、前記ミスト供給手段の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記外気温度T1が外気温度判断基準値T1´よりも小さい場合(T1≦T1´)、前記外気湿度H1が外気湿度判断基準値H1´よりも大きい場合(H1≧H1´)、および前記ダクト内湿度H2がダクト内湿度判断基準値H2´よりも大きい場合(H2≧H2´)、のいずれかの条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする。
【0015】
前記構成によれば、フィルターが外気導入チャンバー内に設置されていることで、ノズルから噴射されたミストを当該フィルターに付着させることができる。
また、ノズルが外気導入チャンバー内に設置されていることで、ミストを外気導入チャンバー内で噴射することができる。
また、制御装置を備えていることで、測定手段により測定した外気温度、外気湿度、およびダクト内湿度に基づき、ミスト供給手段の駆動を制御することができる。
【0016】
本発明に係る金属冷却装置は、前記外気温度判断基準値T1´が25℃、前記外気湿度判断基準値H1´が85%、前記ダクト内湿度判断基準値H2´が60%、であることを特徴とする。
【0017】
前記構成によれば、外気温度が基準値より低い場合は、外気を冷却する必要がないため、ミストの供給が停止され、過剰なミストの噴射を防止することができる。また、前記構成によれば、外気湿度またはダクト内湿度が基準値より高い場合は、金属コイルへのミストの付着、および結露の発生を回避するため、ミストの供給が停止され、過剰なミストの噴射を防止することができる。
【0018】
本発明に係る金属冷却装置は、室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却装置であって、室外から前記室内に外気を送り込む送風機と、前記送風機と前記室外を連通するように設置され、前記送風機に外気を導く外気導入チャンバーと、前記送風機と前記室内を連通するように設置され、前記送風機により送り込まれた外気を前記室内に導くダクトと、前記外気導入チャンバー内に、外気が導入する開口を覆うように設置した少なくとも1枚のフィルターと、前記外気導入チャンバー内であって前記フィルターよりも外側に設置したノズルに、ミストを供給するミスト供給手段と、前記室内に置かれた前記金属コイルの温度(金属温度T2)を測定する金属温度測定手段と、前記室内の露点温度(室内露点温度T3)を測定する室内露点温度測定手段と、前記ミスト供給手段の駆動を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記金属温度T2と前記室内露点温度T3が、T2−T3≦露点監視温度T23´という条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする。
【0019】
前記構成によれば、制御装置を備えていることで、測定手段により測定した金属温度、および室内露点温度に基づき、ミスト供給手段の駆動を制御することができる。
【0020】
本発明に係る金属冷却装置は、前記露点監視温度T23´は、3℃であることを特徴とする。
前記構成によれば、金属温度と室内露点温度(結露が発生する温度)との差が基準値より低い場合は、金属コイルへの結露の発生を回避するため、ミストの供給が停止され、過剰なミストの噴射を防止することができる。
【0021】
本発明に係る金属冷却装置は、前記金属コイルは、前記室内の床面に設けられた第一載置台に、前記金属コイルのコイル軸方向が略並行となるように一列に設置(第一設置位置)されると共に、前記第一載置台の上方にさらに設けられた第二載置台に、前記金属コイルのコイル軸方向が略並行となるように一列に設置(第二設置位置)され、前記ダクトの外気吐出口は、前記第一設置位置および前記第二設置位置に整列した前記金属コイルのそれぞれのコイル軸上に前記外気吐出口の略中心が位置するように設けられるとともに、前記金属コイルの略コイル軸方向に外気を吹き付けるように設けられることを特徴とする。
【0022】
前記構成によれば、ダクトの外気吐出口が、複数の金属コイルに対し、個別に外気を吹き付けるように設けられている。また、ダクトの外気吐出口が、金属コイルのコイル軸中心に対し、コイル軸方向に外気を吹き付けるように設けられている。よって、金属コイルに対し、冷却された外気を適切に吹き付けることができる。
【0023】
本発明に係る金属冷却装置は、前記ダクトの送風路に、送風路を仕切り板により開閉する1つ以上の風量調節手段を有することを特徴とする。
前記構成によれば、ダクトの送風路において、外気を通過させる状態と通過させない状態を自在に変更することができる。よって、金属コイルが複数存在する場合であって、一部の金属コイルが充分に冷却されている場合、当該金属コイルに外気を吹き付けないようにすることができる。
【0024】
本発明に係る金属冷却装置は、前記外気吐出口に、外気の風向を調節することができる風向調節手段を有することを特徴とする。
前記構成によれば、ダクトの外気吐出口から吐き出される外気の風向きを調節することができるため、より適切に外気を金属コイルに吹き付けることができる。
【0025】
本発明に係る金属冷却方法は、室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却方法であって、ミスト供給手段によりミストが供給された外気を、送風機を用いて当該送風機と前記室内を連通するダクトを通して前記金属コイルに吹き付けるとともに、室外の外気の温度(外気温度T1)、室外の外気の湿度(外気湿度H1)、および前記ダクト内の湿度(ダクト内湿度H2)を測定する工程を有し、前記外気温度T1が外気温度判断基準値T1´よりも小さい場合(T1≦T1´)、前記外気湿度H1が外気湿度判断基準値H1´よりも大きい場合(H1≧H1´)、および前記ダクト内湿度H2がダクト内湿度判断基準値H2´よりも大きい場合(H2≧H2´)、のいずれかの条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする。
【0026】
前記方法によれば、外気温度が基準値より低い場合は、外気を冷却する必要がないため、ミストの供給が停止され、過剰なミストの噴射を防止することができる。また、前記方法によれば、外気湿度またはダクト内湿度が基準値より高い場合は、金属コイルへのミストの付着、および結露の発生を回避するため、ミストの供給が停止され、過剰なミストの噴射を防止することができる。
【0027】
本発明に係る金属冷却方法は、室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却方法であって、ミスト供給手段によりミストが供給された外気を、送風機を用いて当該送風機と前記室内を連通するダクトを通して前記金属コイルに吹き付けるとともに、前記室内に置かれた前記金属コイルの温度(金属温度T2)、および前記室内の露点温度(室内露点温度T3)を測定する工程を有し、前記金属温度T2と前記室内露点温度T3が、T2−T3≦露点監視温度T23´という条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする。
【0028】
前記方法によれば、金属温度と室内露点温度(結露が発生する温度)との差が基準値より低い場合は、金属コイルへの結露の発生を回避するため、ミストの供給が停止され、過剰なミストの噴射を防止することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の金属冷却装置および金属冷却方法によれば、各判断基準値に基づきミストの供給を制御することから、熱間圧延後の金属コイルを冷却するにあたり、当該金属コイルへのミストの付着、および結露の発生を防止することができる。
また、ノズルが外気導入チャンバー内に設置されていることにより、噴射したミストのほとんどが室内に導入されることから、ミストの活用効率が良い。
さらに、フィルターが外気導入チャンバー内に設置されていることにより、噴射したミストが当該フィルター上に付着し当該フィルター上で気化する。その結果、ミストの室内への導入を防止するとともに、当該フィルターを通過する外気から多くの気化熱を奪うことで、充分な冷却効果を奏することとなる。
【0030】
本発明の金属冷却装置によれば、ダクトの外気吐出口が、金属コイルのコイル軸中心に対し、コイル軸方向に外気を吹き付けるように設けられることにより、また、外気吐出口に風向調節手段が設置されていることにより、金属コイルに対し外気を適切に吹き付けることができる。
加えて、ダクトの送風路に風量調節手段を設けることにより、複数の金属コイルのうちの一部の金属コイル(冷却する必要のない金属コイル)に対し、外気を吹き付けないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係る金属冷却装置の全体の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係る制御装置の構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る外気導入チャンバー、フィルター、ノズル、ミスト供給手段、ミスト供給ホース、風圧測定手段を模式的に示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るダクトを模式的に示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手段(第一手順:「停止」信号のみを出力する場合)を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手段(第一手順:「開始/停止」信号を出力する場合)を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手段(第一手順:「開始/停止/供給量の少ないミスト供給」信号を出力する場合)を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手段(第一手順:2つの条件の基づき「開始/停止」信号を出力する場合)を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手段(第二手順:「停止」信号のみを出力する場合)を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手段(第二手順:「開始/停止」信号を出力する場合)を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手段(第二手順:「開始/停止/供給量の少ないミスト供給」信号を出力する場合)を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
まず、図面を参照して本発明に係る金属冷却装置について詳細に説明する。
[金属冷却装置]
本発明の金属冷却装置を、図1、図2、図3、および図4に基づき説明する。金属冷却装置は、主に、送風機101、外気導入チャンバー102、ミスト供給手段103、ノズル104、ダクト105、フィルター106、測定手段107、108、109、110、111、および制御装置201を備えている。
【0033】
[送風機]
送風機101は、室外から室内に外気を送り込む装置である。送風機101のサイズ、形状については、特に限定されるものではない。
なお、送風機101の送風速度、および送風量についても、特に限定されるものではないが、送風速度を大きく、または送風量を多くすると、フィルター106に付着したミストを短時間で大量に気化させることができ、金属冷却装置の冷却能力を向上させることができる。よって、送風速度は大きいほうが好ましく、送風量は多いほうが好ましい。
【0034】
[外気導入チャンバー]
外気導入チャンバー102は、外気を送風機に導くものである。よって、外気導入チャンバー102は、送風機101と室外を連通するように設けられる。
外気導入チャンバー102のサイズ、形状については、外気導入チャンバー102内にノズル104、フィルター106を設置できるものであれば、特に限定されるものではない。
【0035】
外気導入チャンバー102の材質については、外気導入チャンバー102内でミストを噴射するため、耐食性を有するもの、または耐食性を有する材料によりコーティングされているものであることが好ましい。
【0036】
[ミスト供給手段]
ミスト供給手段103は、微細な水粒子であるミストをノズル104から噴射させるため、ノズル104に水と空気、または水のみ(以下、水等とする)を供給するものである。
【0037】
ミスト供給手段103が水等を供給する形式は、圧力が付加された水と圧縮された空気をノズル104内で衝突させる形式でもよいし、圧力が付加された水のみをノズル104に供給する形式でもよい。
【0038】
[ノズル]
ノズル104は、ミスト供給手段103から供給された水等をミストとして噴射するものである。ノズル104の設置場所は、外気導入チャンバー102内であり、外気導入チャンバー102内に設置されたフィルター106よりも外側(風上側)である。
【0039】
ノズル104の設置個数は、外気導入チャンバー102の外気を導入する開口の大きさや、送風機101の単位時間当たりの送風量に基づき、設置個数を決定(開口が大きい場合、送風量が多い場合は、設置個数を増やす)すればよい。
【0040】
ノズル104の設置方向は、特に限定されるものではないが、外気が導入する方向と同じ方向にミストを噴射するように設置するのが好ましい。この方向に設置することで、ミストが室外に飛散することを防止でき、噴射したほとんど全てのミストが外気導入チャンバー102に導入されるからである。
【0041】
ノズル104の構造は、噴射されるミストの粒径が、小さくなるような構成のものであることが好ましい。同じ分量の水を、粒径の大きいミストまたは粒径の小さいミストとして噴射した場合、小さいミストとして噴射したほうが空気と触れる表面積が大きくなり、気化し易くなるからである。
なお、ノズル104から噴射されるミストの粒径は、300μm以下であることが好ましい。
【0042】
[ダクト]
ダクト105は、送風機101から導入される外気を室内に導くものである。よって、ダクト105は、送風機101と室内を連通するように設けられる。
ダクト105の外気吐出口116は、複数の金属コイル112を冷却することができるように、複数設けることが好ましい。
【0043】
例えば、図1に示すように、金属コイル112が、第一載置台114および第二載置台115に一列に設置されている場合に、金属コイル112のそれぞれのコイル軸上に外気吐出口116の略中心が位置するように、ダクト105の外気吐出口116を設ければよい。また、ダクト105の外気吐出口116は、金属コイルの略コイル軸方向に外気を吹き付けるように設ければよい。
【0044】
ダクト105は、湿度の高い外気を通過させ、高温の金属コイルの近くに設置されることから、ダクト105の材質については、耐食性・耐熱性を有するもの、または耐食性・耐熱性を有する材料でコーティングされているものであることが好ましい。
【0045】
なお、ダクト105内に湿度を下げることができる除湿手段(除湿機・除湿剤)を設けてもよい。例えば、除湿剤(シリカゲル、活性炭等)を封入し、外気が通過できるように壁部に細孔を有するボックスをダクト105内に設置したり、シリカゲル、活性炭等で構成された除湿シートをダクト105内壁に貼り付けるように設置したりすればよい。
【0046】
[フィルター]
フィルター106は、導入する外気に含まれているミストをフィルター106上に付着させることにより、ミストが室内に導入されるのを防止するとともに、付着したミストをフィルター106上で気化させることにより、導入する外気を冷却する役割を果たす。
【0047】
フィルター106の設置箇所については、外気導入チャンバー102内であり、外気導入チャンバー102内に設置したノズル104の設置箇所より送風機101側(風下側)である。また、外気導入チャンバー102内だけでなく、ダクト105内に設けてもよい。
【0048】
フィルター106の大きさは、導入する全ての外気を通過させるため、外気が導入する開口を覆う大きさであればよい。また、フィルター106の形状については、平面、球面、非球面等、どのような形状でもよい。
【0049】
フィルター106の材質については、フィルター106表面にミストが付着するため、耐食性のある材料で構成されていることが好ましい。例えば、ポリエステル系の材料で構成されているフィルター106を使用する。
【0050】
フィルター106の孔については、ミストが室内に導入するのを防止するため、小さいほうが好ましい。
また、フィルター106の設置枚数は、特に限定されるものではないが、ミストが室内に導入するのを防止する観点より、枚数が多いほうが好ましい。
なお、複数のフィルター106を設置する場合は、孔径が異なるものを使用してもよい。例えば、風上側に孔径の大きいフィルター106を設け、風下側に孔径の小さいフィルター106を設置してもよい。
【0051】
フィルター106については、フィルター106の通気状態を測定し、フィルター106の通気状態が悪い場合は、自動で新しいフィルター106に置き換わるようなものであってもよい。詳細には、フィルター106面後方(風下側)に風圧測定手段302を設け、風圧が一定値以下となった場合に、フィルター106が目詰まり等の不良状態となっていると判断し、上方にロール状に設置されている新しいフィルター106を下に向かって流し、不良状態のフィルター106と置き換えるとともに、不良状態のフィルター106を下に向かって流し、下方においてロール状に収容する。
【0052】
[測定手段]
外気温度測定手段107、外気湿度測定手段108、ダクト内湿度測定手段109、金属温度測定手段110、および室内露点温度測定手段111を、図1に基づいて説明する。なお、測定手段は、温度、湿度、露点温度を測定するものである。
【0053】
外気温度測定手段107は、温度を測定する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。設置場所については、導入する外気の温度を測定することができるように、外気導入チャンバー102の前方(風上側)であることが好ましい。
【0054】
外気湿度測定手段108は、湿度を測定する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。設置場所については、導入する外気の湿度を測定することができるように、外気導入チャンバー102の前方(風上側)であることが好ましい。
【0055】
ダクト内湿度測定手段109は、湿度を測定する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。設置場所については、ダクト105内であればよいが、特に、ダクト105の外気吐出口116から吐き出される外気の湿度を測定することができるように、外気吐出口116付近に設けるのが好ましい。
【0056】
金属温度測定手段110は、金属コイル112の温度を測定する機能を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、金属コイル112に接触させて測定する場合(接触式)は、熱電対等を用い、金属コイル112に接触させないで測定する場合(非接触式)は、赤外線温度センサー等を使用すればよい。
なお、接触式の場合は、金属コイル112を載置台に設置した場合に、金属コイル112と金属温度測定手段110が接触するように、載置台(第一載置台114、第二載置台115)に金属温度測定手段110を取り付ければよい。
【0057】
室内露点温度測定手段111は、露点温度を測定する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。設置場所については、室内であれば問題ないが、室内に設置されたダクト105の内部に設置してもよい。
【0058】
[制御装置]
制御装置201は、外気温度T1、外気湿度H1、およびダクト内湿度H2と判断基準値(外気温度判断基準値T1´、外気湿度判断基準値H1´、ダクト内湿度判断基準値H2´)との関係、金属温度T2と室内露点温度T3との関係(T2−T3≦露点監視温度T23´)に基づき、ミスト供給手段103の駆動を制御するものである。
【0059】
制御装置201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、入出力インタフェース等から構成される。また、制御装置201は、後記する制御機能を実現するために、主に、入力部202、処理部203、記憶部204、出力部205から構成される。
【0060】
入力部202は、外気温度測定手段107、外気湿度測定手段108、ダクト内湿度測定手段109、金属温度測定手段110、および室内露点温度測定手段111、から出力されるデータ(T1、H1、H2、T2、T3)を処理部203に入力する。
【0061】
処理部203は、入力部202より入力されるデータと、記憶部204より入力されるデータ(T1´、H1´、H2´、T23´)とを比較処理し、処理の結果(ミスト供給手段103の駆動を制御する結果)を出力部205に出力する。
【0062】
記憶部204は、外気温度判断基準値T1´、外気湿度判断基準値H1´、ダクト内湿度判断基準値H2´、および露点監視温度T23´等を記憶・保存する。また、記憶部204は、記憶・保存するデータを処理部203に出力する。なお、当該データは、キーボードやマウス等の入力手段(図示せず)を用いて、記憶部204に手入力すればよい。
出力部205は、処理部203から入力される結果を、ミスト供給手段103に出力する。
【0063】
前記金属冷却装置は、風量調節手段401、風向調節手段402をさらに備えてもよい。まず、風量調節手段401を、図1、図4に基づき説明する。
[風量調節手段]
風量調節手段401は、ダクト105内を通過する外気の量を、ダクト105内の所定の位置において調節するものである。風量調節手段401の構造は、特に限定されるものではないが、ダクト105の送風路の高さ方向の中間位置(または幅方向の中間位置)に、回動可能に仕切り板を設けるという構成でよい。風量調節手段401の設置箇所において、外気を通過させる場合は、仕切り板を送風方向と並行にし、外気を通過させない場合は、仕切り板を通気方向と垂直にすればよい。また、仕切り板の送風方向に対する角度を調節することにより送風量を調節することもできる。
【0064】
例えば、冷却対象である金属コイル112が複数存在し、その中の一部の金属コイル112の温度が充分に低下している場合は、風量調節手段401により当該金属コイル112に外気を吹き付けないようにすることができる。
【0065】
図1を用いて詳細に説明すると、例えば、第一載置台に一列に設置されている金属コイル112は、滞留コイル112(熱間圧延後充分に時間が経過し、冷却されたコイル)であり、一方、第二載置台に一列に設置されている金属コイル112は、熱間圧延直後のコイル112であった場合に、上、下に分岐直後の下部のダクト105内に設けられた風量調節手段401により、下部のダクト105に外気を通過させないように(仕切り板を通気方向と垂直に)すればよい。
【0066】
また、図4に示すように、ダクト105の外気吐出口116から吐き出される外気の量を各々調節できるように、各々の外気吐出口116付近に一つずつ設けてもよい。
なお、風量調節手段401は、手動のものでも電動のものでもよい。
【0067】
次に、風向調節手段402を、図4に基づき説明する。
[風向調節手段]
風向調節手段402は、ダクトの外気吐出口116から吐き出される外気の風向きを調節するものである。風向調節手段402の構造は、細長い羽板を外気吐出口116に一定間隔を空けて平行に並べたものである。風向調節手段402は、ダクト105の外気吐出口116付近に設置する。なお、風向調節手段402を縦、横に設けることにより、風向を上下左右に調節することができる。
【0068】
上記金属冷却装置の冷却対象となる金属を、図1に基づき説明する。
[冷却対象となる金属]
冷却対象となる金属は、温度を下げる必要のある金属であれば、金属の種類・形状等は限定されるものではない。ただし、温度を下げる必要のある金属の中でも、圧延ロール117により熱間圧延がおこなわれた後の金属コイル112は、冷間圧延前に温度を大きく下げる必要があり、加えて、放熱しにくいコイル状の構造であることから、特に有効である。
【0069】
上記金属冷却装置の金属温度冷却手段110の測定対象となる金属を、図1に基づき説明する。
[金属温度測定手段の測定対象となる金属]
金属温度測定手段110により測定される金属コイル112は、室内に設置された全ての金属コイル112を対象(または複数の金属コイル112を対象)としてもよいし、いずれか1つの金属コイル112を対象としてもよい。
【0070】
なお、複数の金属コイル112を対象とした場合は、複数の金属温度測定手段110から制御装置201の入力部202に入力される金属温度T2のうち、一番低い金属温度T2を処理部203が選出し、その後の比較処理をおこなうようにすればよい。
【0071】
また、いずれか1つの金属コイル112を対象とする場合は、室内に設置された金属コイル112の中で温度が低い金属コイルを対象とするのが好ましい。これは、温度が低いものほど、室内露点温度に近く、結露が生じやすいためである。例えば、熱間圧延直後のコイル112と滞留コイル112が存在する場合は、滞留コイル112を測定すればよい。
【0072】
さらに、ダミーコイル113(室内に常時設置されている温度測定用コイル)を室内に設置し、ダミーコイル113の温度を金属温度測定手段110により測定するという構成をとってもよい。このような構成とすることで、製品である金属コイル112を直接測定する必要がなくなるため、金属温度測定手段110を金属コイル112に装着させる際に生じる金属コイル112表面への疵等のダメージを回避することができる。
なお、ダミーコイル113の温度を熱電対等の接触式の温度測定手段により測定する場合は、温度を正確に測定するため(誤って雰囲気温度を測定しないように)、ダミーコイル113の側面に電動ドリル等で開けた穴に、アルミ箔等の金属で包んだ熱電対等を前記穴に押し込み、ダミーコイル113と熱電対等とが空気等で絶縁されないように工夫することが好ましい。
また、このダミーコイル113は、コイル状のものに限定されず、金属シート材を積層したものでもよく、その積層シートの間に熱電対等の温度測定手段を挟む様に設置すれば、金属温度を正確に測定することができる。
そして、ダミーコイル113は室内に常時設置されているため、熱間圧延直後のコイル112より温度は低く、また、滞留コイル112と比較しても、温度は低いか同じである。なお、ダミーコイル113の材質は、熱間圧延を施したコイルと同じであることが好ましい。
【0073】
上記金属を載置する載置台(第一載置台114、第二載置台115)を、図1に基づき説明する。
[載置台]
載置台(第一載置台114、第二載置台115)とは、金属コイル112を載置する台である。第一載置台114は、金属冷却装置が設置されている室内の床面に設けられ、第二設置台115は、当該第一載置台114の上方に設けられる。なお、この載置台114、115には、金属コイル112が固定されるように、略コイル軸方向に溝(図示せず)が設けられている。
なお、従来、金属コイル112は2段積みにより載置していたが、このような載置方法では、金属コイル112と金属コイル112の外周部表面に共ズレによる疵等が発生してしまい、歩留まりの低下という問題を発生させていた。また、共ズレによる当該疵等の検査の工程、および疵等の除去といった工程が必要となり、工程数増によるコストアップという問題も有していた。しかし、本発明に係る載置台は、第一載置台114と、第二載置台115とから構成されていることから、2段積みによる共ヅレ等の疵が発生しないため、前記問題を回避することが可能である。
【0074】
なお、第一載置台114および第二載置台115に載置されたそれぞれの金属コイル112のコイル軸上に外気吐出口116の略中心が位置するように、第一載置台114および第二載置台115を設けることが好ましい。さらに、金属コイル112に対して、外気吐出口116からの外気が略コイル軸方向に吹き付けることとなるように、第一載置台114および第二載置台115を設けることが好ましい。
【0075】
金属コイル112は高温である場合も多いため、外気吐出口116と金属コイル112との間隔が1m以上となるように、第一載置台114および第二載置台115を設けることが好ましい。
なお、ダクト105の外気吐出口116が上下方向に三列存在する場合は、第二載置台115の上方にさらに第三載置台(図示せず)を設けてもよいし、外気吐出口116が上下方向に一列しか存在しない場合は、第一載置台114のみであってよい。
【0076】
次に、本発明に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手順(第一手順)について、図5、図6、図7、および図8を用いて説明する。
[制御手順(第一手順)]
まず、外気温度測定手段107、外気湿度測定手段108、およびダクト内湿度測定手段109より、外気温度T1、外気湿度H1、およびダクト内湿度H2が入力部202に入力される(ステップS11)。処理部203に対し、入力部202から外気温度T1、外気湿度H1、ダクト内湿度H2のデータ、記憶部204から外気温度判断基準値T1´、外気湿度判断基準値H1´、ダクト内湿度判断基準値H2´のデータが入力され、当該データに基づいて、処理部203が判定をおこなう(ステップS12)。
【0077】
外気温度T1≦外気温度判断基準値T1´、外気湿度H1≧外気湿度判断基準値H1´、およびダクト内湿度H2≧ダクト内湿度判断基準値H2´、のいずれかに該当する場合は、出力部205からミスト供給手段103に「停止」(OFF)信号が出力(ステップS13)され、処理が終了する。一方、外気温度T1≦外気温度判断基準値T1´、外気湿度H1≧外気湿度判断基準値H1´、およびダクト内湿度H2≧ダクト内湿度判断基準値H2´、のいずれにも該当しない場合は、そのまま処理が終了する。
なお、上記場合(図5の場合)の装置等の初期状況(上記制御手順をおこなう前の装置等の駆動状況)については、送風機101は駆動しており、ミスト供給手段103はミストを供給しているというものである。
【0078】
なお、ダクト内湿度H2≧ダクト内湿度判断基準値H2´の代わりに、ダクト内湿度H2−外気湿度H1≦3%という条件を用いてもよい。
【0079】
ミスト供給手段103に「停止」(OFF)信号が入力された場合は、ミスト供給手段103からのミストの供給が停止する。また、ミスト供給手段103がミストの供給を停止している状態でミスト供給手段103に「停止」(OFF)信号が入力された場合は、ミスト供給手段103はミストの供給を停止した状態を維持する。なお、ミスト供給手段103がミストの供給を停止した場合であっても、送風機101は駆動している。
【0080】
ステップS12の外気温度判断基準値T1´については、好ましくは23℃〜27℃、特に25℃であることが好ましい。当該基準値で判断することにより、外気温度が低く外気を冷却する必要がない場合に、過剰なミストの噴射を防止することができる。外気湿度判断基準値H1´については、好ましくは83%〜87%、特に85%であることが好ましい。当該基準値で判断することにより、降雨等で充分に外気に湿度が含まれている場合に、ミストの噴射を防止することで、金属コイルへのミストの付着、結露の発生を防止することができる。ダクト内湿度判断基準値H2´については、好ましくは58%〜62%、特に60%であることが好ましい。当該基準値で判断することにより、金属コイルに対し、湿度の高い外気の吹き付けを防止することで、金属コイルへのミストの付着、結露の発生を防止することができる。
【0081】
上記処理のステップS12において、条件を満たさない場合は処理を終了していたが、「出力部205からミスト供給手段103に「開始」(ON)信号が出力(ステップS14)され、処理が終了する」(図6)という構成であってもよい。
なお、上記場合(図6の場合)の装置等の初期状況については、送風機101は駆動しており、ミスト供給手段103はどのような状態であってもよい。
【0082】
ミスト供給手段103に「開始」(ON)信号が入力された場合は、ミスト供給手段103からノズル104へのミストの供給が開始する。また、ミスト供給手段103がミストの供給をおこなっている状態でミスト供給手段103に「開始」(OFF)信号が入力された場合は、ミスト供給手段103はミストの供給をおこなっている状態を維持する。
【0083】
上記処理は、1つの条件(ステップS12)により、ミスト供給手段103について「停止」または「開始/停止」の制御をしているが、2つの条件(図7のステップS12、ステップS15)を用いて、「供給量の少ないミスト供給」という制御をさらに行うことも可能である。
【0084】
詳細は、図7を用いて説明する。ステップS12とステップS14の間において、ステップS15を設ける。ステップS15において、外気温度T1≦外気温度補助判断基準値T1´´、外気湿度H1≧外気湿度補助判断基準値H1´´、およびダクト内湿度H2≧ダクト内湿度補助判断基準値H2´´の関係のいずれかに該当する場合は、出力部205からミスト供給手段103に「通常の供給量の1/2の量のミスト供給を行う」旨の信号を出力(ステップS16)し、いずれにも該当しない場合は、「開始」(ON)信号が出力(ステップS14)される。
これにより、さらに好適に、熱間圧延後の金属コイル112への結露を防止しつつ金属コイル112を冷却することができる。
なお、上記場合(図7の場合)の装置等の初期状況については、送風機101は駆動しており、ミスト供給手段103はどのような状態であってもよい。
【0085】
ミスト供給手段103に「通常の供給量の1/2の量のミスト供給を行う」旨の信号が入力された場合は、ミスト供給手段103からのミストの供給量が通常の供給量の1/2の量となる。また、ミスト供給手段103が通常の供給量の1/2の量のミスト供給をおこなっている状態でミスト供給手段103に当該信号が入力された場合は、ミスト供給手段103は通常の供給量の1/2の量のミスト供給をおこなっている状態を維持する。
【0086】
外気温度補助判断基準値T1´´については、好ましくは28℃〜32℃、特に30℃であることが好ましい。外気湿度補助判断基準値H1´´については、好ましくは78%〜82%、特に80%であることが好ましい。ダクト内湿度補助判断基準値H2´´については、好ましくは53%〜57%、特に55%であることが好ましい。
【0087】
また、ステップS16のミスト供給量については、通常の供給量の1/2の量に限定されるものではなく、1/4、3/4等の量でもよい。
【0088】
上記処理以外にも、2つの条件(図8のステップS12、ステップS17)に基づき、ミスト供給手段103について「開始/停止」の制御をすることも可能である。
【0089】
詳細は、図8を用いて説明する。ステップS12とステップS14の間において、ステップS17を設ける。このステップS17において、「外気温度T1>外気温度判断基準値T1´、かつ外気湿度H1<外気湿度補助判断基準値H1´´の場合」、および「外気温度T1>外気温度判断基準値T1´、かつダクト内湿度H2<ダクト内湿度補助判断基準値H2´´の場合」のいずれかに該当する場合は、出力部205からミスト供給手段103に「開始」(ON)信号が出力され(ステップS14)、いずれにも該当しない場合は、「停止」(OFF)信号が出力(ステップS13)される。
【0090】
当該条件(ステップS17)を設けることにより、外気湿度H1が外気湿度判断基準値H1´の近傍である場合、および、ダクト内湿度H2がダクト内湿度判断基準値H2´の近傍である場合に発生してしまう、ミスト供給手段103の「開始」(ON)、「停止」(OFF)の頻繁な変更を回避することができる。
なお、上記場合(図8の場合)の装置等の初期状況については、送風機101は駆動しており、ミスト供給手段103はどのような状態であってもよい。
【0091】
次に、本発明に係る金属冷却装置および金属冷却方法の制御手順(第二手順)について図9、図10、および図11を用いて説明する。
[制御手順(第二手順)]
まず、金属温度測定手段110および室内露点温度測定手段111より、金属温度T2と室内露点温度T3が入力部202に入力される(ステップS21)。処理部203に対し、入力部202から金属温度T2と室内露点温度T3のデータ、記憶部204から露点監視温度T23´のデータが入力され、当該データに基づいて、処理部203が判定をおこなう(ステップS22)。
【0092】
金属温度T2と室内露点温度T3の関係が、T2−T3≦露点監視温度T23´を満たす場合は、出力部205からミスト供給手段103に「停止」(OFF)信号が出力(ステップS23)され、処理が終了する。一方、金属温度T2と室内露点温度T3の関係が、T2−T3≦露点監視温度T23´を満たさない場合は、処理が終了する。
なお、上記場合(図9の場合)の装置等の初期状況については、送風機101は駆動しており、ミスト供給手段103はミストを供給しているというものである。
【0093】
ミスト供給手段103に「停止」(OFF)信号が出力された場合は、ミスト供給手段103からのミストの供給が停止する。また、ミスト供給手段103がミストの供給を停止している状態でミスト供給手段103に「停止」(OFF)信号が出力された場合は、ミスト供給手段103はミストの供給を停止した状態を維持する。なお、ミスト供給手段103がミストの供給を停止した場合であっても、送風機101は駆動している。
【0094】
ステップS22の露点監視温度T23´については、好ましくは2℃〜4℃、特に3℃であることが好ましい。当該基準値で判断することにより、金属コイルの温度が室内露点温度を下回る前に、過剰なミストの噴射を防止することができるため、金属コイルへの結露の発生を回避することができる。
【0095】
なお、複数の金属コイル112の温度を測定している場合は、ステップS22の処理の前に、複数の金属温度測定手段110から入力部202に入力される金属温度T2のうち、一番低い金属温度T2を選出し、ステップS22の処理をおこなうようにすればよい。
【0096】
上記処理のステップS22において、条件を満たさない場合は処理が終了していたが、「出力部205からミスト供給手段103に「開始」(ON)信号が出力(ステップS24)され、処理が終了する」(図10)という構成であってもよい。
なお、上記場合(図10の場合)の装置等の初期状況については、送風機101は駆動しており、ミスト供給手段103はどのような状態であってもよい。
【0097】
なお、ミスト供給手段103に「開始」(ON)信号が入力された場合は、ミスト供給手段103からノズル104へのミストの供給が開始する。また、ミスト供給手段103がミストの供給をおこなっている状態でミスト供給手段103に「開始」(OFF)信号が入力された場合は、ミスト供給手段103はミストの供給をおこなっている状態を維持する。
【0098】
上記処理は、1つの関係式(ステップS22)のみを用いて、ミスト供給手段102について「停止」または「開始/停止」の制御をしているが、2つの関係式(図11のステップS22、ステップS25)を用いて「供給量の少ないミスト供給」という制御をさらに行うことも可能である。
【0099】
詳細は、図11を用いて説明する。ステップS22とステップS24の間において、ステップS25を設ける。ステップS25において、T2−T3≦露点補助監視温度T23´´を満たす場合は、出力部205からミスト供給手段103に「通常の供給量の1/2の量のミスト供給を行う」旨の信号を出力(ステップS26)し、条件を満たさない場合は、「開始」(ON)信号が出力(ステップS24)される。
これにより、さらに好適に、熱間圧延後の金属コイル112への結露を防止しつつ金属コイル112を冷却することができる。
なお、上記場合(図11の場合)の装置等の初期状況については、送風機101は駆動しており、ミスト供給手段103はどのような状態であってもよい。
【0100】
ミスト供給手段103に「通常の供給量の1/2の量のミスト供給を行う」旨の信号が入力された場合は、ミスト供給手段103からのミストの供給量が通常の供給量の1/2の量となる。また、ミスト供給手段103が通常の供給量の1/2の量のミスト供給をおこなっている状態でミスト供給手段103に当該信号が入力された場合は、ミスト供給手段103は通常の供給量の1/2の量のミスト供給をおこなっている状態を維持する。
【0101】
ステップS25の露点補助監視温度T23´´については、好ましくは5℃〜7℃、特に6℃であることが好ましい。
また、ステップS26のミスト供給量については、通常の供給量の1/2の量に限定されるものではなく、1/4、3/4等の量でもよい。
【0102】
なお、複数の金属コイル112の温度を測定している場合で、かつ、ダクト105の外気吐出口116付近に風量調節手段401が一つずつ設けられている場合は、ミスト供給手段102の制御に変えて風量調節手段401をそれぞれ制御してもよい。
詳細には、ステップS22(およびステップS25)の条件を満たすか否かを、それぞれの金属温度測定手段110から出力される金属温度T2について判定し、対応するそれぞれの風量調節手段401に「停止」(「開始・停止」、「開始・停止・通常の噴射量の1/2の量のミスト噴射を行う」)の信号を出力する。
【0103】
風量調節手段401は、「停止」の信号が入力された場合は、仕切り板を送風方向と垂直となるように回動し、「開始」の信号が入力された場合は、仕切り板を送風方向と平行となるように回動し、「通常の噴射量の1/2の量のミスト噴射を行う」旨の信号が入力された場合は、仕切り板を送風方向に対し所定の角度となるように回動する。
【0104】
第一手順では、外気温度T1、外気湿度H1、およびダクト内湿度H2と判断基準値との関係を用いて、ミスト供給手段103を制御し、第二手順では、金属温度T2と室内露点温度T3との関係を用いて、ミスト供給手段103を制御しているが、これらの組み合わせに限定されるものではない。
【0105】
例えば、金属温度T2−室内露点温度T3≦T23´、外気温度T1≦T1´の関係のいずれかに該当する場合は、出力部205からミスト供給手段103に「停止」(OFF)信号が送信され、いずれにも該当しない場合は、出力部205からミスト供給手段103に「開始」(ON)信号が出力されるというように、第一手順の条件と第二手順の条件を組み合わせてもよい。
【0106】
また、温度測定手段および湿度測定手段のいずれか1つしか用意できない場合は、第一手順のいずれか1つの基準(例えば、外気湿度H2≧H2´の基準)のみを用いて、上記処理をおこなってもよい。
【0107】
なお、本発明は上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて適宜変更することが可能である。
【実施例】
【0108】
本発明に係る金属冷却装置および金属冷却方法について、本発明の要件を満たす場合と本発明の要件を満たさない場合とを対比して説明する。
[性能試験]
本発明に係る金属冷却装置および金属冷却方法について、金属コイルに対する「冷却性能」、金属コイルを冷却した際の「結露の有無」を確認するため、以下の試験をおこなった。
【0109】
[金属冷却装置]
まず、性能試験で使用した金属冷却装置を説明する。
金属冷却装置は、送風機、外気導入チャンバー、ミスト供給手段、24個のノズル、ダクト、フィルター、測定手段、制御装置から構成されるものを使用した。
【0110】
金属冷却装置のダクトは、外気吐出口(サイズは縦400mm、横700mm)を22個有するものを使用した。そして、当該外気吐出口の各々から、約15m/sの風速の外気が吐き出されるように、送風機の送風量および風速を調節した。
【0111】
金属冷却装置のミスト供給手段は、空気導入装置、水導入装置、および、ミスト供給ホースから構成されるものを使用した。空気導入装置は、0.4MPaの空気を4872NL/minで導入するものであった。また、水導入装置は、0.38MPaの水を42L/minで導入するものであった。
金属冷却装置のフィルターは、2枚使用し、外気導入チャンバーの開口を覆うように設置(風上側に孔径の大きいフィルター、風下側に孔径の小さいフィルター)した。
【0112】
金属冷却装置の制御装置については、所定条件(ステップS12、ステップS22)を満たす場合に「停止」の信号を、所定条件を満たさない場合に「開始」の信号をミスト供給手段に入力するものであった(図6、図10参照)。
【0113】
[測定手段]
外気温度測定手段・外気湿度測定手段については、ガラス製温度計・電気式湿度計を使用し、外気導入チャンバーの風上に設置した。ダクト内湿度測定手段については、電気式湿度計を使用し、ダクト内に設置した。金属温度測定手段については、熱電対を使用し、載置台に金属コイル(アルミニウム製コイル)と接触するように設置した。室内露点温度測定手段については、自動平衡式露点計を使用し、室内のダクト内に設置した。
【0114】
[冷却対象となる金属コイル]
冷却対象となる金属コイルは、熱間圧延後のJIS H 4000に規定される純アルミニウムA1050のものを使用した。このアルミニウム製コイルは円柱形状であり、アルミニウム製コイルのサイズは直径2m、幅2mであった。22個のアルミニウム製コイルをダクトのそれぞれの外気吐出口から1m離した位置(載置台上)に設置した。
【0115】
[性能試験の試験方法]
熱間圧延後のアルミニウム製コイルを250℃になるまで自然放熱により冷却し、その後、以下の方法により冷却をおこなった。
なお、性能試験は、アルミニウム製コイル周囲雰囲気温度が、40℃〜50℃、室外温度が、18℃〜27℃、室外湿度が50%〜90%という条件の下でおこなった。
【0116】
[冷却方法1]
送風機を駆動させるとともに、第一手順による制御のもと、ミスト供給手段を駆動させる方法によりアルミニウム製コイルを冷却した。なお、外気温度判断基準値T1´を25℃、外気湿度判断基準値H1´を85%、ダクト内湿度判断基準値H2´を60%と設定した。
【0117】
[冷却方法2]
送風機を駆動させるとともに、第二手順による制御のもと、ミスト供給手段を駆動させる方法でアルミニウム製コイルを冷却した。なお、露点監視温度T23´を3℃と設定した。
【0118】
[冷却方法3]
送風機を駆動させるとともに、第一手順による制御のもと、ミスト供給手段を駆動させる方法によりアルミニウム製コイルを冷却した。外気温度判断基準値T1´を30℃、外気湿度判断基準値H1´を80%、ダクト内湿度判断基準値H2´を55%と設定した。
【0119】
[冷却方法4]
送風機を駆動させるとともに、第二手順による制御のもと、ミスト供給手段を駆動させる方法でアルミニウム製コイルを冷却した。なお、露点監視温度T23´を5℃と設定した。
[冷却方法5]
送風機を駆動させるとともに、ミスト供給手段を駆動させる方法でアルミニウム製コイルを冷却した。なお、ミスト供給手段の制御はおこなっていない。
【0120】
[冷却方法6]
送風機は駆動させているが、ミスト供給手段からのミスト供給はおこなわず、アルミニウム製コイルを冷却した。
[冷却方法7]
送風機を駆動させず、ミスト供給手段からのミスト供給もおこなわず、アルミニウム製コイルを冷却した(自然放熱)。
【0121】
以下の表1に、性能試験の結果を示す。なお、冷却時間については、アルミニウム製コイルが250℃から60℃になるまでの時間であり、表1の冷却時間は、22個のアルミニウム製コイルの冷却時間の平均値である。また、アルミニウム製コイル表面における結露の有無は目視による確認で判断した。
【0122】
【表1】

【0123】
以上の結果から、ミストを噴射させながら冷却する方法(冷却方法1〜5、特に冷却方法1、2、5)によると、送風機のみにより冷却する方法(冷却方法6)、および自然放熱により冷却する方法(冷却方法7)と比べ、大幅に冷却時間を短縮できることがわかった。
【0124】
また、ミスト供給手段を制御しないで冷却する方法(冷却方法5)では、アルミニウム製コイル表面に結露が生じてしまったが、ミスト供給手段を制御しながら冷却する方法(冷却方法1〜4)によると、アルミニウム製コイル表面に結露は生じないということがわかった。
【符号の説明】
【0125】
101 送風機
102 外気導入チャンバー
103 ミスト供給手段
104 ノズル
105 ダクト
106 フィルター
107 外気温度測定手段
108 外気湿度測定手段
109 ダクト内湿度測定手段
110 金属温度測定手段
111 室内露点温度測定手段
112 金属コイル(熱間圧延直後のコイル、滞留コイル)
113 ダミーコイル
114 第一載置台
115 第二載置台
116 外気吐出口
117 圧延ロール
201 制御装置
202 入力部
203 処理部
204 記憶部
205 出力部
301 ミスト供給ホース
302 風圧測定手段
401 風量調節手段
402 風向調節手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却装置であって、
室外から前記室内に外気を送り込む送風機と、
前記送風機と前記室外を連通するように設置され、前記送風機に外気を導く外気導入チャンバーと、
前記送風機と前記室内を連通するように設置され、前記送風機により送り込まれた外気を前記室内に導くダクトと、
前記外気導入チャンバー内に、外気が導入する開口を覆うように設置した少なくとも1枚のフィルターと、
前記外気導入チャンバー内であって前記フィルターよりも外側に設置したノズルに、ミストを供給するミスト供給手段と、
前記室外の外気の温度(外気温度T1)を測定する外気温度測定手段と、
前記室外の外気の湿度(外気湿度H1)を測定する外気湿度測定手段と、
前記ダクト内の湿度(ダクト内湿度H2)を測定するダクト内湿度測定手段と、
前記ミスト供給手段の駆動を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記外気温度T1が外気温度判断基準値T1´よりも小さい場合(T1≦T1´)、前記外気湿度H1が外気湿度判断基準値H1´よりも大きい場合(H1≧H1´)、および前記ダクト内湿度H2がダクト内湿度判断基準値H2´よりも大きい場合(H2≧H2´)、のいずれかの条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする金属冷却装置。
【請求項2】
前記外気温度判断基準値T1´が25℃、前記外気湿度判断基準値H1´が85%、前記ダクト内湿度判断基準値H2´が60%、であることを特徴とする請求項1に記載の金属冷却装置。
【請求項3】
室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却装置であって、
室外から前記室内に外気を送り込む送風機と、
前記送風機と前記室外を連通するように設置され、前記送風機に外気を導く外気導入チャンバーと、
前記送風機と前記室内を連通するように設置され、前記送風機により送り込まれた外気を前記室内に導くダクトと、
前記外気導入チャンバー内に、外気が導入する開口を覆うように設置した少なくとも1枚のフィルターと、
前記外気導入チャンバー内であって前記フィルターよりも外側に設置したノズルに、ミストを供給するミスト供給手段と、
前記室内に置かれた前記金属コイルの温度(金属温度T2)を測定する金属温度測定手段と、
前記室内の露点温度(室内露点温度T3)を測定する室内露点温度測定手段と、
前記ミスト供給手段の駆動を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記金属温度T2と前記室内露点温度T3が、T2−T3≦露点監視温度T23´という条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする金属冷却装置。
【請求項4】
前記露点監視温度T23´は、3℃であることを特徴とする請求項3に記載の金属冷却装置。
【請求項5】
前記金属コイルは、前記室内の床面に設けられた第一載置台に、前記金属コイルのコイル軸方向が略並行となるように一列に設置(第一設置位置)されると共に、前記第一載置台の上方にさらに設けられた第二載置台に、前記金属コイルのコイル軸方向が略並行となるように一列に設置(第二設置位置)され、
前記ダクトの外気吐出口は、前記第一設置位置および前記第二設置位置に整列した前記金属コイルのそれぞれのコイル軸上に前記外気吐出口の略中心が位置するように設けられるとともに、前記金属コイルの略コイル軸方向に外気を吹き付けるように設けられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の金属冷却装置。
【請求項6】
前記ダクトの送風路に、送風路を仕切り板により開閉する1つ以上の風量調節手段を有することを特徴とする請求項5に記載の金属冷却装置。
【請求項7】
前記外気吐出口に、外気の風向を調節することができる風向調節手段を有することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の金属冷却装置。
【請求項8】
室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却方法であって、
ミスト供給手段によりミストが供給された外気を、送風機を用いて当該送風機と前記室内を連通するダクトを通して前記金属コイルに吹き付けるとともに、室外の外気の温度(外気温度T1)、室外の外気の湿度(外気湿度H1)、および前記ダクト内の湿度(ダクト内湿度H2)を測定する工程を有し、
前記外気温度T1が外気温度判断基準値T1´よりも小さい場合(T1≦T1´)、前記外気湿度H1が外気湿度判断基準値H1´よりも大きい場合(H1≧H1´)、および前記ダクト内湿度H2がダクト内湿度判断基準値H2´よりも大きい場合(H2≧H2´)、のいずれかの条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする金属冷却方法。
【請求項9】
室内に置かれた圧延後の金属コイルを冷却する金属冷却方法であって、
ミスト供給手段によりミストが供給された外気を、送風機を用いて当該送風機と前記室内を連通するダクトを通して前記金属コイルに吹き付けるとともに、前記室内に置かれた前記金属コイルの温度(金属温度T2)、および前記室内の露点温度(室内露点温度T3)を測定する工程を有し、
前記金属温度T2と前記室内露点温度T3が、T2−T3≦露点監視温度T23´という条件を満たす場合に、前記ミスト供給手段によるミストの供給を停止することを特徴とする金属冷却方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−167736(P2011−167736A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35006(P2010−35006)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】