説明

金属検知装置

【課題】少ない部品点数で電源回路を構成でき、コストを低減できるとともに装置を小さくできる金属検知装置を提供する。
【解決手段】金属検知装置1は、商用電源8を電源とする電気ドリル2を使用して壁3や床、地面などに穴を開ける際に埋設された金属体4を損傷させないように検知する検知回路6を有し、商用電源電圧を降圧する降圧トランス9の二次側端子間に整流ダイオード12と定電圧ダイオード13とを逆直列接続して成る電源回路7により検知回路6に電源を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ドリル等の電動工具を使用して壁や床、地面に穴を開ける際に水道管やガス管等の金属体に接触したことを検知する金属検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から電気ドリル等の電動工具を使用して建築物の壁や床、地面等に穴を開ける際に埋設されている水道管やガス管等を損傷させないために金属検知装置が用いられている。金属検知装置は電気ドリルの刃が水道管やガス管等の接地処理して埋設された金属体に接触したことを検知回路が検知して電気ドリルの電源を遮断したり、警報ブザーを発するようになっているが、検知回路に供給される電源電圧の変動に伴って検知感度が変動してしまい水道管やガス管等が検知できずに損傷させてしまう問題があった。これを解決する手段としては例えば特許文献1に記載の技術があり、この金属検知装置は、検知回路に電源を供給する電源回路が全波整流器と平滑コンデンサと定電圧ダイオードとで構成し、降圧トランスの二次側端子間に全波整流回路が接続され、全波整流回路の出力端子間に平滑コンデンサと定電圧ダイオードが並列に接続されている。そして商用交流電源を降圧トランスにより降圧し、この降圧トランスにより降圧された電圧を電源回路により直流の一定電圧を生成して検知回路に供給するようになっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−215263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の金属検知装置は電源回路を構成する部品点数が多いため、コストが高くなってしまい、また、装置が大きくなってしまうという欠点があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、商用電源を電源とする電動工具を使用する際に埋設された金属製物体を損傷させないように検知回路により検知する金属検知装置において、検知回路に電源を供給する電源回路は商用電源電圧を降圧する降圧トランスの二次側端子間に整流ダイオードと定電圧ダイオードとを逆直列接続して成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、少ない部品点数で電源回路を構成でき、コストを低減できるとともに装置を小さくできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る金属検知装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
金属検知装置は、商用電源を電源とする電動工具を使用して壁や床、地面などに穴を開ける際に埋設された金属体を損傷させないように検知する検知回路を有し、商用電源電圧を降圧する降圧トランスの二次側端子間に定電圧ダイオードと整流ダイオードとを逆直列接続して成る電源回路により検知回路に電源を供給する。
【実施例1】
【0009】
本発明に係る金属検知装置の実施例1を図1の添付図面に基づいて説明する。
【0010】
金属検知装置1は電気ドリル2等の電動工具を使用して建築物の壁3や床、地面等に穴を開ける際に埋設されている水道管やガス管、電線や電話線を配線した金属管等の金属体4を損傷させないように検知するものであり、例えば、電気ドリル2の電源を延長するために用いられるコードリール5等に設けられ、金属体4を検知する検知回路6と、検知回路6に電源を供給する電源回路7とを備えている。
【0011】
電源回路7は商用電源8に接続された降圧トランス9と、降圧トランス9の二次側の電源ライン10に整流ダイオード12のアノードを接続し、降圧トランス9の二次側のグランドライン11に定電圧ダイオード13のアノードを接続し、整流ダイオード12と定電圧ダイオード13のカソード同士を接続して降圧トランス9の二次側端子間に逆直列接続した整流ダイオード12と定電圧ダイオード13とで成り、商用電源電圧を降圧トランス9により降圧し、降圧トランス9により降圧された電圧を整流ダイオード12と定電圧ダイオード13とで一定電圧にして検知回路6に出力している。
【0012】
検知回路6は一端が電源回路7の電源ライン10に接続され、他端に電気ドリル2の接地線14が接続されている。そして、水道管やガス管等の接地処理された金属体4に電気ドリル2が接触すると閉回路が構成され、所定の抵抗値以下になるとフォトカプラ15がオンし、電気ドリル2が金属体4に接触したことを検知する。そして、検知回路6が金属体4を検知してフォトカプラ15がオンすると漏電遮断器16に信号を出力し、漏電遮断器16を動作させることで電路をオフして電気ドリル2への電源供給を遮断し、また、ブザー17を鳴動させて異常を知らせるようになっている。
【0013】
なお、スイッチ18をaの位置にすることで検知回路6が金属体4を検知したときに漏電遮断器16とブザー17が作動するように設定でき、スイッチ18をbの位置にすることで検知回路6が金属体4を検知したときに漏電遮断器16とブザー17が作動しないように設定でき、スイッチ18をcの位置にすることで検知回路6が金属体4を検知したときにブザー17だけを作動するように設定できる。
【0014】
このように構成した金属検知装置1は、商用電源電圧が変動した場合でも電源回路7により一定電圧が検知回路6に供給されるので、検知回路6は感度が変動することなく、安定して金属体4を検知することができる。
【符号の説明】
【0015】
1 金属検知装置
2 電気ドリル
3 壁
4 金属体
5 コードリール
6 検知回路
7 電源回路
8 商用電源
9 降圧トランス
10 電源ライン
11 グランドライン
12 整流ダイオード
13 定電圧ダイオード
14 接地線
15 フォトカプラ
16 漏電遮断器
17 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源を電源とする電動工具を使用する際に埋設された金属製物体を損傷させないように検知回路により検知する金属検知装置において、前記検知回路に電源を供給する電源回路は商用電源電圧を降圧する降圧トランスの二次側端子間に整流ダイオードと定電圧ダイオードとを逆直列接続して成ることを特徴とする金属検知装置。

【図1】
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