説明

金属母材複合材料、鉄合金、非鉄合金、及び超合金を含む材料での、摩擦攪拌接合を使用したクラック修復システム及び方法

【課題】摩擦攪拌接合を使用するシステム及び方法、及びクラックの修復又は様々な材料及び構造の予防保守を行うための摩擦攪拌プロセスを提供する。
【解決手段】前記構造には、パイプライン、船舶、及び原子炉格納容器が含まれ、摩擦攪拌接合及び摩擦攪拌プロセスは、金属母材複合材料、鉄合金、非鉄合金、及び超合金を含む様々な材料に実施でき、摩擦攪拌接合及び摩擦攪拌プロセスを、遠隔で及び水中や放射線が存在する過酷な環境で行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、工具の回転ピンを加工物に突っ込むことによって接合部を形成するための熱を発生する、摩擦攪拌接合に関する。更に詳細には、本発明は、クラックの修復、クラックの予防、及び材料の調整を摩擦攪拌接合プロセスで行うことに関する。本発明は、摩擦攪拌接合プロセスにより、溶接された材料の修復又は先制的保守を行うことができる。本発明は、特に、配管の修復及び保守に適しており、その重要な用途は核エネルギー産業である。
【背景技術】
【0002】
クラックの形成及び伝播は、金属及び合金構造及び構成要素を使用する多くの用途で重大な問題である。例えば、ガス及び石油化学製品の探索及び輸送で使用される配管は、交換及び修復を行う必要が常にある。更に、毎年数千マイルに及ぶ新規の配管が製造され、設置されている。
【0003】
クラックは、加荷重、水素脆化、腐食、応力腐食、材料の欠陥、及び特に融接の欠陥により発生するということは当該技術分野で周知である。詳細には、融接プロセスは、液相の凝固によって生じた残留応力、凝固割れ、小孔、粒界腐食を引き起こし易い大きな粒径、及び、熱による悪影響を受けたゾーンから始まるクラック開始箇所を導く。概して、経験則では、融接によりベース金属の物理的特性が30%乃至40%程度低下するものと仮定できる。物理的特性が低下し、クラック開始箇所が形成される理由は、欠陥が導入されてしまうこと、及び金属又は合金の粒構造が融接プロセスにより変化してしまうことである。
【0004】
特性を改善する(ベース金属の特性の95%を得ることができるようにする)ために高融点合金で摩擦攪拌接合を行う必要があったが、アルミニウム合金を除き、クラックを修復するための方法論が確立されてこなかった。
従って、金属母材複合材料、鉄合金、非鉄合金、及び超合金のクラックを修復するためのシステム及び方法が必要とされている。更に、これらの材料及びアルミニウムでクラックの予防を行うためのシステム及び方法が必要とされている。
【0005】
本発明の別の特徴は、どのような種類の溶接も実施困難な環境で使用するのに適用できるということに関する。例えば、融接は、流体環境又は水中環境で溶接部を修復するための実用的なプロセスではない。融接は、溶融相から形成された鋳造構造及び付随する欠陥のため、空気環境でも実施困難である。融接修復は、最良でも、クラックの一時的解決にしかならない。これは、このプロセスにより、すでに欠陥のある溶接領域に更に多くの欠陥が追加されてしまうためである。
【0006】
クラックの伝播の作用を受ける配管又は他の構造の破損は、環境に対してばかりでなく作業員の健康について重大な結果をもたらす問題である。例えば、原子炉格納容器を考慮されたい。このような環境で漏れが起こると、関連した人々の健康に重大な結果がもたらされる。
従って、このような環境で摩擦攪拌接合を行うためのシステムを提供することにより、クラックの修復ばかりでなく予防保守を行う上で、従来技術を越える利点がもたらされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、MMCs、鉄合金、及び超合金、並びに非鉄合金の摩擦攪拌接合を使用することによってクラックを修復できるシステム及び方法を提供することである。
別の目的は、摩擦攪拌接合を使用することによってクラックの開始及び伝播が起こらないようにできるシステム及び方法を提供することである。
【0008】
別の目的は、摩擦攪拌接合を使用して配管、船舶、及び他の構造の修復及び保守を可能にするシステム及び方法を提供することである。
別の目的は、水中環境及び原子炉環境を含む過酷な環境でのクラックの修復及び予防を行うことができるシステム及び方法を提供することである。
【0009】
別の目的は、構造の摩擦攪拌接合を遠隔制御するためのシステム及び方法を提供することである。
別の目的は、無線制御システム又は有線制御システムによって摩擦攪拌接合を行うためのシステム及び方法を提供することである。
【0010】
別の目的は、変更又は修復が行われる材料に穴が形成されないように、ランオフタブを使用する摩擦攪拌接合を行うためのシステム及び方法を提供することである。
別の目的は、ピンのない工具を使用する摩擦攪拌プロセスを行うためのシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
好ましい実施例では、本発明は、摩擦攪拌接合を使用するシステム及び方法、又は,
クラックの修復又は様々な材料及び構造の予防保守を行うための摩擦攪拌プロセスである。ここで、構造には、配管、船舶、及び原子炉格納構造が含まれ、摩擦攪拌接合及びプロセスは、金属母材複合材料、鉄合金、非鉄合金、及び超合金を含む様々な材料に実施でき、摩擦攪拌接合及びプロセスは、遠隔で、及び水中は放射線が存在する環境等の過酷な環境で、実施できる。
【0012】
本発明のこれらの及び他の目的、特徴、及び利点及び別の特徴は、添付図面を関連して以下の詳細な説明を読むことによりり当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、添付図面を参照すると、これらの図では、本発明の様々なエレメントに参照符号が付してあり、当業者は本発明を形成し使用できるようにこれを以下に論じる。以下の説明は本発明の原理の単なる例示であると理解されるべきであり、特許請求の範囲を狭めると考えられてはならない。
【0014】
本発明の現在の好ましい実施例は、摩擦攪拌接合を使用するシステム及び方法、及びクラックの修復及びクラックの発生の阻止を行うための摩擦攪拌プロセスである。更に、本発明は、当該技術分野において機能的に溶接不能の材料においてこれらの機能を実施できる。かくして、超研磨性工具を使用したとき、これらの機能を金属母材複合材料、鉄合金、非鉄合金、及び超合金に実施できる。
【0015】
本発明により、高融点合金のクラックの修復を行うことができる。これは、PCBN工具技術による。参考のため本願に組み込んだ特許文献は、金属母材複合材料、鉄合金、非鉄合金、及び超合金の摩擦攪拌接合を行うために多晶質立方晶窒化硼素(PCBN)をどのように使用するのかを教示する。工具取り扱い技術、冷却技術、及び機械制御技術と関連して本願明細書に開示するこれと同じPCBN工具及び改良されたPCBN工具を使用し、最新技術の動作−力制御ハードウェア及びソフトウェアを使用してクラックの修復を行うことができる。
【0016】
上文中に説明したように、融接は、流体中又は水中環境で溶接部を修復するためには実用的なプロセスではない。更に、融接は、鋳造構造が欠陥を含む溶融相のため、空気環境でも実施困難である。しかしながら、摩擦攪拌接合修復は、船舶、地上パイプライン、水中パイプライン、原子炉格納構造、及びクラックが存在する任意の他の構造的構成要素に存在するクラックを修復するための実用的な方法である。
【0017】
パイプライン産業に対する可能性のある利点は、特に魅力的である。例えば、摩擦攪拌接合により得られる優れた溶接部により、明らかに、良好な新たなパイプラインをその製造及び設置時に提供する。例えば、溶接産業で突き合わせ結合として周知の現象を考える。この現象では、溶接部の根本のところで30μm乃至50μm程度の非常に短い長さの溶接界面が、ぴったりとしかし真の金属結合なしで接触している。この小さな傷でさえ機械的特性を大幅に低下する。しかしながら、上文中で言及した仮特許出願に記載された動作−力制御ハードウェア及びソフトウェアを提供する改良機械制御技術を使用することにより、改良摩擦攪拌接合で最初から優れたパイプライン製品が得られる。
【0018】
しかし、クラックや不良融接部があるパイプラインが世界中に数千マイルも存在する。本発明は、クラックの修復に使用する場合、現存のパイプラインにも利点をもたらす。かくして、本発明は、パイプラインの外径(OD)や内径(ID)等の湾曲した表面にあるクラックを修復できる。
【0019】
更に、本発明の重要な特徴は、遠隔修復を可能にすることである。この必要性は、修復を必要とする幾つかのパイプラインの位置によって明らかにされる。人がアクセスするには小さ過ぎる環境や人が入るには危険過ぎる環境がある。
【0020】
危険な環境に関し、遠隔クラック修復の重要性を例示する一例は、核燃料棒を取り囲む水を保持する原子炉格納容器である。代表的には、直径が3.658m乃至4.572m(12フィート乃至15フィート)で、高さが4.572m乃至6.096m(15フィート乃至20フィート)のステンレス鋼製の格納容器には、数年に亘って高温が加わえられる。これらの格納容器は、融接、水から発生する水素への露出、及び腐食により、応力腐食割れが生じ始めている。格納容器が割れて漏れが生じると、放射能が漏れることにより健康上の重篤な結果がもたらされる。漏れを引き起こした格納容器を修復したり交換することは不可能ではないにしろ非常に困難である。
【0021】
現在、日本では、約18基乃至20基の原子力発電所が閉鎖されている。これは、一次側格納容器で割れが生じ、伝播したためである。更に、少なくとも日本、フランス、ドイツ、及び米国は、格納容器の割れを修復する能力を持たずに、深刻な放射線廃棄物の封じ込めの問題と直面している。融接は、新たな応力腐食箇所を導入してしまうため、修復に採用されない。
【0022】
本発明の重要な特徴は、遠隔制御式摩擦攪拌接合(FSW)スピンドルヘッドを提供することである。これは、格納容器に挿入され、吸引手段又は他の機械的手段を使用して格納容器に取り付けられ、次いで本明細書中に組み込んだ文献に説明されたFSWプロセスを使用してクラックの修復を遠隔で操作する。
【0023】
FSWスピンドルヘッドを遠隔で操作する考えを添付の図1、図2、及び図3に例示する。表面に取り付けられたスピンドルヘッドを使用して、パイプライン及び格納容器のID及びODを修復できる。多くの場合、クラックに沿って動き且つ修復を行うためにFSW工具を構造の表面に0.5mm程しか貫入させる必要がないため、マンドレルは不要である。
【0024】
従って、図1は、原子炉格納容器10のID12の斜視図である。スピンドルヘッドアッセンブリ14は、原子炉格納容器10のID12に取り付けられた状態で示してある。スピンドルヘッドアッセンブリ14は、スピンドルヘッドアッセンブリ14の工具を原子炉格納容器10の表面に押し付けることができ、これによってこの表面に少なくとも部分的に貫入するように十分な力で取り付けられている。原子炉格納容器10の材料を工具で変化させるため、部分的に貫入する必要がある。材料内に部分的に貫入することにより、スピンドルヘッドアッセンブリ14の工具は、表面のクラック又は他の欠陥を焼鈍できる。
【0025】
スピンドルヘッドアッセンブリ14が、これが取り付けられた表面に沿ってどこへでも移動できる必要がある。従って、スピンドルヘッドアッセンブリ14を牽引したり、摺動したり、押したり引いたりするための任意の方法、及び当業者に理解される方法を使用できる。
【0026】
作業の完了時にスピンドルヘッドアッセンブリ14のFSW工具のピンによってパイプラインや格納容器に穴を残すことがないようにするため、ランオフタブを使用して空所をなくすことができる。空所は、これを行わないと、ピンによって残される。しかしながら、多くの場合、ピンが小半径(sharp radii)を残さないので、この空所は、クラックの修復が行われた構造内に残っていてもよいということに着目されたい。本発明を使用してどのような曲面又は平面でも修復できる。
【0027】
遠隔制御式FSWスピンドルヘッドアッセンブリ14の考えは、遠隔制御式FSWスピンドルヘッドアッセンブリ14との双方向通信を可能にするため、有線技術又は無線技術の利点を取り入れることができる。無線通信は、赤外線、無線周波数、又は光学式の通信方法の形態をとってもよい。これらの方法は、遠隔通信のファクタを限定するものと考えられてはならない。スピンドルヘッドアッセンブリ14が操作される環境でスピンドルヘッドアッセンブリとの通信方法が決まる。
【0028】
本発明の別の重要な特徴は、作業が行われる構造の表面を加工したり調整したりするため、溶接でなく摩擦攪拌加工を使用することである。例えば、製造の分野の当業者には、一般的には研削又は他の製造プロセスで生じる、又は場合によっては環境への露呈によって生じる微小な表面亀裂として熱亀裂(heat checking)が知られている。加工及び調整という用語は、ピンを構造に実際に突っ込むことなく、FSW溶接工具を構造の表面に押し付けることによって生じる効果に関して使用される。
【0029】
摩擦攪拌プロセスの効果は、当業者には、任意の随意の位置及びパターンで直接的、局所的、及び制御された材料加工を行うことと理解される。このプロセスを容易に行うため、金属母材複合材料、鉄合金、非鉄合金、及び超合金の加工を行うことができるFSW工具は、FSW工具を含むけれども、ピンを含んでもよいし含まなくてもよいと考えられる。
【0030】
かくして、図4に示すように、ピンを含まないFSW工具20は、比較的広い表面を用いて加工を行う。ここで、工具の肩部22は、加工がなされるべき構造に押し付けられる。ピンを含まない工具20の肩部22は、材料に0.000635mm乃至0.00127mm(1/40000インチないし1/20000インチ)入り込む。工具20にピンを設けないことによる利点は、肩部22だけが接触する場合には、より広い領域がカバーできるということである。
【0031】
これとは対照的に、図5は、ピン32を持つFSW工具30を示す。ピン32の長さは、他のFSW工具で使用された従来のピンから大幅に短くできる。ピン32の長さを短くする理由は、例えば、更に多くの肩部32が加工を受ける材料と接触するため、カバー領域を広くしようとするためである。このようにカバー領域が広いため、加工を受ける材料にピン32を或る程度貫入するのが望ましい場合でも使用できる。かくして、図5の工具30は、或る程度の貫入が必要な場合、図4の工具20よりも良好に加工を行う。
【0032】
パイプラインの水中修復又は内部に水が入った格納容器の修復に関し、スピンドルヘッドアセンブリ14が水によって取り囲まれている場合やクラック修復又は加工箇所の周囲の真空空間内にある場合でも、FSWクラック修復又は加工を行うことができる。空気中で摩擦攪拌接合を行う場合でも、構造をできるだけ低温に保持する性能により、優れた溶接が得られるということに言及しておかなければならない。かくして、水は、クラック修復又は加工箇所の周囲に空気が排出されたエアポケットがある又はない、構造の周囲領域をできるだけ低温に保持する所望の機能に役立つ。
【0033】
上述の構成は、本発明の原理の適用の単なる例示であるということは理解されるべきである。当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び変形を施した構成を案出するであろう。特許請求の範囲は、このような変更及び変形を施した構成を含もうとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】曲面で使用されている遠隔摩擦攪拌接合システムの斜視図である。
【図2】曲面で使用されている遠隔摩擦攪拌接合システムの別の斜視図である。
【図3】曲面で使用されている遠隔摩擦攪拌接合システムの拡大斜視図である。
【図4】ピンを持たない摩擦攪拌接合工具の輪郭図である。
【図5】従来のピンよりも短いピンを備えた摩擦攪拌接合工具の輪郭図である。
【符号の説明】
【0035】
10 原子炉格納容器
12 内径
14 スピンドルヘッドアッセンブリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦攪拌接合の原理を使用してクラックを遠隔修復するためのシステムであって、
超研磨性コーティングを備えた摩擦攪拌接合工具、
材料への前記摩擦攪拌接合工具の貫入深さを制御するための、レーザーマイクロメーターを含む制御システム、及び
材料の平らな表面又は湾曲した表面に取り付けることができ、前記制御システムからのコマンドに応じて前記表面に沿って移動できる工具ホルダ
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記システムは、命令を前記制御システムに送出し且つ前記制御システムからフィードバックを受け取るための通信システムを更に含み、
前記通信システムは制御システムの作動を指令することによって材料のクラック修復を行うために使用される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、
前記摩擦攪拌接合工具は、
シャンク及び肩部を持つ工具、及び
前記肩部の少なくとも一部に配置された超研磨性材料であって、第1相及び第2相を有し、超高温−超高圧プロセスで製造される超研磨性材料、
を含む、ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記摩擦攪拌接合工具は、肩部表面から外方に延びるように前記シャンクと同軸に配置されたピンを更に含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、
前記摩擦攪拌接合工具は、ピンが長い場合よりも比較的広い前記肩部の領域が前記材料と接触するように、前記肩部表面にかなり近い短いピンを更に含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
摩擦攪拌プロセスの原理を使用して材料を遠隔加工するためのシステムであって、
超研磨性コーティングを備えた摩擦攪拌接合工具、
材料の表面に対する前記摩擦攪拌接合工具の接触力を制御するための制御システム、及び
材料の平らな表面又は湾曲した表面に取り付けることができ、前記制御システムからのコマンドに応じて前記表面に沿って移動できる工具ホルダ
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、
前記システムは、命令を前記制御システムに送出し且つ前記制御システムからフィードバックを受け取るための通信システムを更に含み、
前記通信システムは、前記制御システムの作動を指令することによって前記材料の加工を行うのに使用される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のシステムにおいて、
前記摩擦攪拌プロセス工具は、更に、
シャンク及び肩部を持つ工具、及び
前記肩部の少なくとも一部に配置された超研磨性材料であって、超高温−超高圧プロセスで製造される超研磨性材料
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記摩擦攪拌プロセス工具は、更に、肩部表面から外方に延びるように前記シャンクと同軸に配置されたピンを含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、
前記摩擦攪拌プロセス工具は、更に、ピンが長い場合よりも比較的広い前記肩部の領域が前記材料と接触するように、前記肩部表面にかなり近い短いピンを含む、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
摩擦攪拌接合の原理を使用してクラックを遠隔修復するための方法であって、
(1)超研磨性コーティングを備えた摩擦攪拌接合工具、平らな表面又は湾曲した表面に取り付けられ且つこうした表面に沿って移動する、前記摩擦攪拌接合工具用の工具ホルダ、及び前記摩擦攪拌接合工具の材料への貫入深さ及び前記工具ホルダの移動を制御するための制御システムを提供する工程、
(2)前記工具ホルダを前記材料に取り付ける工程、及び
(3)コマンド信号を前記制御システムに遠隔で送出し、材料の摩擦攪拌接合を開始することを前記摩擦攪拌接合工具に命令する工程
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
命令を前記制御システムに送出し且つ前記制御システムからフィードバックを受け取るための通信システムを提供する工程を更に含み、
前記通信システムは、前記制御システムの作動を指令することによって材料のクラック修復を行うために使用される、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
(1)シャンク及び肩部を持つ摩擦攪拌接合工具を提供する工程、及び
(2)超高温−超高圧プロセスで製造された超研磨性材料を前記肩部の少なくとも一部に配置する工程
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
肩部表面から外方に延びるように前記シャンクと同軸に配置されたピンを提供する工程を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
ピンが長い場合よりも比較的広い前記肩部の領域が前記材料と接触するように、前記肩部表面にかなり近い短いピンを提供する工程を含む、
ことを特徴とする方法。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−501129(P2007−501129A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522730(P2006−522730)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/025345
【国際公開番号】WO2005/084162
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(506039715)エスアイアイ・メガダイアモンド・インコーポレーテッド (6)
【出願人】(505289650)アドバンスト・メタル・プロダクツ・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】