説明

金属疲労損傷度の非破壊評価方法と超音波金属疲労損傷度測定装置

【課題】簡単な構造で小型であり、可搬性にも優れ、短時間で正確な金属疲労度の測定が可能な金属疲労損傷度の非破壊評価方法と超音波金属疲労損傷度測定装置を提供する。
【解決手段】金属材料12の表面に接触され超音波を送信する送信機14と、金属材料12の表面を伝播した超音波を受信する受信機16と、送信機14と受信機16とを一定間隔離して一体的に保持した本体部20とを備える。超音波が金属材料12の表面近傍を伝播する音圧減衰率もしくは伝播時間を測定し、既知の金属疲労度に対するそれらデータの関係から金属材料12の金属疲労度を算出する。超音波は、SH波を用いるものであり、金属部材は、マグネシウム合金等の六方晶系の結晶構造を有した金属材料を対象とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、超音波を用いて、金属材料である測定対象物を破壊することなく疲労度を測定する金属疲労損傷度の非破壊評価方法と超音波金属疲労損傷度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属疲労の非破壊検査法には、X線回折法や陽電子消滅法、電子後方錯乱回折法などがある。しかしながら、これらの方法は、金属疲労に伴う結晶の歪、原子空孔の増加、結晶の回転や転位の導入による回折像の乱れなど、いずれも極微小な変化を追うために、測定装置が高度で複雑な構成となる。そのため、原子炉など一部の高額設備を除いては、コスト的な側面から実用的な測定装置ではなかった。
【0003】
さらに、金属疲労評価は、非破壊検査であることが、実用上の大きな要求事項であるが、一般に、これらの機器はそれに対応できず、種々の現場で簡便に利用できる測定装置とはならない。
【0004】
一方、金属疲労の非破壊検査方法として、特許文献1,2に開示されているように、超音波を用いた検査方法が提案されている。特許文献1に開示された検査方法は、超音波が被検査体に伝播され、超音波の減衰係数、周波数、波形、伝播時間、受信感度などを測定して、その実測値が標準試料における同様のデータと比較し、判定しきい値との比較判断によって、材料の表面劣化、疲労等を相対的に診断するものである。また、特許文献2に開示された測定方法は、金属材料の表面に超音波を伝播させ、この超音波の伝播速度に基づいて、金属材料の疲労を測定するものである。特に、表面硬化した金属材料では、疲労によって残留圧縮応力が増加し、金属材料の表面を伝播する超音波の伝播速度が低下することを利用して、表面硬化した金属材料の疲労測定しているものである。
【特許文献1】特開平9−5309号公報
【特許文献2】特開2003−329657号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1、2に開示された金属疲労測定方法は、測定したその時点での状態を検知するものである。しかしながら、六方晶系の結晶構造を持つマグネシウムなどすべりによる変形が強く制限されている金属材料においては、その疲労過程において、マイクロクラックの発生により、残留応力の蓄積が断続的に開放されるという特徴的な疲労挙動を有する場合がある。このため、上記特許文献1,2に開示された金属疲労測定方法では、ある時点の超音波の伝播についての情報を得たとしても、残留応力の状態により超音波の伝播状態から得られる値が大きく異なり、同程度の疲労状態であったとしても、正確な疲労情報を得ることができない場合が考えられる。
【0006】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、簡単な構造で小型であり、可搬性にも優れ、短時間で正確な金属疲労度の測定が可能な金属疲労損傷度の非破壊評価方法と超音波金属疲労損傷度測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、金属材料の表面に接触し超音波を送信する送信機と、前記金属材料の表面近傍を伝播した前記超音波を受信する受信機と、前記送信機と受信機を一定間隔離して一体的に保持した本体部とを設け、前記超音波が前記金属材料の表面近傍を伝播する際の音圧減衰率若しくは伝播時間を測定し、既知の金属疲労損傷度に対する音圧減衰率若しくは伝播時間と、前記測定により得られた音圧減衰率若しくは伝播時間とを比較して、前記金属材料の金属疲労損傷度を算出する金属疲労損傷度の非破壊評価方法である。
【0008】
また、前記金属材料表面の金属疲労度測定部には、前記金属材料表面との密着を確実にするとともに前記金属材料表面での超音波の伝播を良好にする液体の媒体を塗布し、前記送信機と受信機に各々取り付けられ前記固体表面に接触する一対のプローブ部を、前記媒体を介して前記金属疲労度測定部に接触させるものである。
【0009】
前記超音波は、SH波を用いるものであり、前記金属部材は、マグネシウム合金等の六方晶系の結晶構造を有した金属材料である。
【0010】
またこの発明は、金属材料の表面に接触し超音波を送信する送信機と、前記金属材料の表面近傍を伝播した前記超音波を受信する受信機と、前記送信機と受信機とを一定間隔離して一体的に保持した本体部と、前記超音波が上記金属材料の表面近傍を伝播する際の音圧減衰率若しくは伝播時間を測定する測定手段と、測定した音圧減衰率若しくは伝播時間の履歴データの変化量を基にして、前記金属材料の金属疲労損傷度を解析算出する対する演算手段とを備えた超音波金属疲労損傷度測定装置である。
【0011】
前記本体部はコ字状に形成され、前記送信機はコ字状の前記本体部の一方の端部に設けられ、前記送信機の超音波出力部は前記金属材料表面側を向くとともに前記受信機の方を向いて設けられ、前記受信機はコ字状の前記本体部の他方の端部に設けられ、前記受信機の超音波受信部は前記金属材料表面側を向くとともに前記送信機側を向いて位置し、前記送信機の超音波出力部と前記受信機の超音波受信部には、各々前記金属材料表面に接触するプローブ部が設けられているものである。
【発明の効果】
【0012】
この発明の金属疲労損傷度の非破壊評価方法と超音波金属疲労損傷度測定装置によれば、簡単な構造で小型であり、測定対象物までの搬送や測定対象物への取り付けが容易に可能である。これにより、金属材料である測定対象物に対して、より頻繁に金属疲労度の測定が可能となり、製品の安全性や耐久性の評価を容易に行うことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下この発明の実施の形態について説明する。この発明の超音波金属疲労損傷度測定装置10は、図1に示すように、測定対象物である金属材料12の表面に接触させ超音波を送信する送信機14と、金属材料12の表面近傍を伝播した超音波を受信する受信機16を備える。送信機14と受信機16は、一定間隔離して位置し、これらを一体的に保持した本体部20に設けられている。送信機14は、超音波領域の周波数を発信する発信回路による発振回路部15を備え、受信機16も超音波領域の周波数を受信する受信回路を備えた受信回路部17を有している。
【0014】
本体部20には、金属材料12に送信機14と受信機16のプローブ部14a,16aを圧接させるための重り22と、重り22を金属材料12に確実に押し付ける押圧治具24が設けられている。圧接圧力は、適宜設定可能であるが、超音波の伝播を良好にするためには、例えば3MPa程度が好ましい。また、測定に際しては、金属材料12の表面に音響カップリング剤としてグリースが塗布され、プローブ部14a,16aに接する。グリースは吸湿の影響を避けるため油性が好ましい。
【0015】
本体部20は、送信機14と受信機16を一定間隔離すために例えば略コ字状に形成され、送信機14はコ字状の一方の端部に位置し、内部には圧電素子等の超音波出力部14bがプローブ部14aに接続して設けられている。超音波出力部14bは金属材料12の表面側を向くように配置されているとともに、受信機16の方を向いて斜めに設けられている。受信機16はコ字状の他方の端部に位置し、内部には圧電素子等の超音波受信部16bがプローブ部16aに接続して設けられている。超音波受信部16bも金属材料12の表面側を向くように配置されているとともに、送信機14の方を向いて斜めに設けられている。なお、これら超音波出入力部(14bおよび16b)の試験片表面に対する角度は、超音波を試験片の表層近傍に効率良く伝播させるため、試験片の固体音速に応じ、臨界角近傍に調整される。例えば、評価材料がマグネシウム合金の場合は、超音波出力部14bと超音波受信部16bのマグネシウム合金表面に対する角度は21°程度が望ましい。
【0016】
受信回路部17の出力は、受信した超音波によるアナログの電気信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ26に接続され、A/Dコンバータ26の出力は、受信した波形データを記憶する波形メモリ28に接続されている。波形メモリ28の出力は、ピーク検出器30に接続され、後述する演算処理を行うCPUやメモリを備えたマイクロコンピュータ等の演算処理装置32に接続されている。演算処理装置32には図示しないモニタや入出力装置、記憶装置等が接続されている。使用する超音波は、剪断水平波(本願発明ではSH波(Horizontally Polarized Shear Wave)と言う)である。
【0017】
この実施形態の超音波金属疲労度測定装置10の測定原理は、図2〜図4に示すように、本体部20に設けられ一定間隔離れて位置した送信機14と受信機16により、超音波sの伝播時間を測定するもので、超音波sの伝播時間は、金属材料12の内部応力の状態により異なることを利用している。測定には、超音波(SH波)を発振する超音波出力部14bと超音波受信部16bのプローブ14a,16aを対向配置し、金属材料12の表層近傍に超音波を伝播させ、その受信波形の変化量を演算することで、材料の金属疲労状態を評価する。
【0018】
超音波は弾性波であり、結晶構造の歪(応力状態)によってそのエネルギフローがシフトする。SH波の場合、送受信角を固定したプローブ間において、応力場が引張側にシフトすれば、音波エネルギはより材料の表層側に屈折迂回する(図2の一点鎖線s1)。一方、圧縮の場合はその逆に作用する(図2の二点鎖線s2)。これを音弾性効果と呼ぶ。本効果のため、上記SH波の伝播時間及び音圧の減衰率は、材料の応力状態に応じて変化する(図3)。つまり、伝播時間及び音圧の減衰率は、材料の応力状態が引張り側に変化した場合に減少し、逆に材料の応力状態が圧縮側へ変化した場合には増加する(図4)。
【0019】
本願発明の評価方法は、SH波を用いた透過法の非破壊検査法であり、上述の音弾性効果に基づく音圧減衰率または伝播時間の増減から、金属材料の残留応力の変動情報を正確に抽出・演算処理することで、特にマグネシウム合金の金属疲労非破壊評価を行うものである。
【0020】
マグネシウム合金は結晶構造が六方晶であり、常温ではすべり変形が生じにくい。また、マグネシウム合金は、繰り返しの応力に対し、介在物などを起点としたマイクロクラックを生じる。そのため、疲労過程において、残留応力の蓄積と解放を繰り返しながら破壊に至る。アルミニウム合金などすべりやすい結晶構造の材料では、疲労度の増加に伴い、残留応力がほぼ一方向に変化していくが、マグネシウム合金では、疲労蓄積によりマイクロクラックが生じるため、残留応力が一時的にある程度開放される。この挙動は繰り返され、残留応力の変動幅を狭めながら(応力変動幅を収束させながら)最終的に破壊に至る。このため、マグネシウム合金では、超音波振動の音圧減衰率もしくは伝播時間の収束量を演算することで、金属疲労損傷度を評価することが可能となる。
【0021】
超音波sの伝播時間T1は、図3に示すように、受信した超音波波形の最初のピークA1をピーク検出器30により検知して求め、送信時からピークA1までの期間が伝播時間T1となる。これらのタイミングは、演算処理装置32内のクロックにより同期を取って、送信時間及びピーク検出時間等が求められる。
【0022】
また、音圧減衰率の評価は、ピーク検出器30で検知されたピークをもとに演算処理装置32により行われるが、これは、時間的に早い音圧のピークを時間的に遅い音圧のピークで除して行う。例えば、図3中のプラス側のピークの比であるA1/A2などが評価指標となるが、必ずしも同じ符号の音圧ピークにより評価する必要はなく、例えば図3中において、A1に対し、A1に隣り合うA1とA2の間のマイナス側のピークとの関係を評価してもよい。このような異なる符号の音圧で減衰率を評価する場合は、その音圧の比を絶対値として扱うことで、図4の残留応力に対する関係を同じく表現することができる。なお、音圧減衰率はその変化率から、自然対数等により整理しても良い。
【0023】
伝播時間若しくは音圧減衰率と金属疲労損傷度の関係は、予め精密な金属疲労度測定機により、測定対象物と同じ材料について金属疲労損傷度を測定し、各々伝播時間若しくは音圧減衰率を測定し記録して、所定のテーブル又は演算式を作成して演算処理装置32のメモリに記憶させておく。そして、金属疲労損傷度が未知の部材の測定時には、このテーブルや式と、測定した伝播時間若しくは音圧減衰率から金属疲労損傷度を評価してモニタ等に表示する。
【0024】
具体的な装置においての評価方法としては、定期検査、もしくは設備にこの金属疲労損傷度測定機をインプラント化などして、超音波データの履歴蓄積を行う。音圧の対数減衰率、または伝播時間の測定データを記録し、後述する図5の実施例のようなグラフを求め、それらの上下包絡線幅比率、もしくは包絡線の微分係数の減少比率を、あらかじめ設定したデータベースのしきい値と比較することで、その装置の金属材料の疲労健全性を判断する。
【0025】
なお、疲労に伴う転位増殖や弾性率変化は、固体音速に強く影響し、伝播時間を大きく変化させる。そのため、伝播時間は音圧減衰率に比較し、残留応力の変動を正確に反映しない。従って、残留応力の変動をより正確に評価する必要がある場合は、音圧の減衰率を評価項とすることが望ましい。
【0026】
この実施形態の超音波金属疲労度測定装置10によれば、演算を行う演算処理装置32を1チップ化する等により、極めて小型の金属疲労損傷度測定装置を構成することができ、可搬性があり、任意の場所で任意の金属材料の疲労損傷度を測定することができる。また、金属疲労度を予測して、その材料の安全性や予測寿命等を簡単に求めることができ、幅広い製品検査等に利用可能なものである。
【0027】
なお、本発明の金属疲労損傷度の非破壊評価方法と超音波金属疲労損傷度測定装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本体部の形状はコ字状以外に、曲率面等の評価面形状に合わせた形状で、送信機と受信機が所定間隔離れて一体に設けられていればよい。また、適用可能な材料は、マグネシウム以外に、六方晶系の金属やそれらの合金に適用可能であり、例えばTiやCo、Zn、Zr、Be、Bi等の合金材料にも利用可能である。その他、立方晶系の金属においても、疲労破壊の過程で残留応力に収束を伴うものであれば適用可能である。超音波の周波数も適宜選択可能であり、表面に塗布する液体もグリースの他、超音波用のジェルやその他オイル等でも良い。
【実施例1】
【0028】
以下に、本願発明の一実施例として、マグネシウム合金AZ31圧延材の疲労試験の測定データを示す(測定条件:単軸引張、応力比0、応力振幅64MPa、加振周波数30Hz、試験温度:室温)。試験片の形状及び寸法(mm)を図6に示す。この試験片40の中央部の計測領域42を、この実施例の超音波金属疲労損傷度測定装置により測定した。図5は、疲労度N/Nf(N:金属材料に掛かる加重の繰り返し数、Nf:破壊に至った繰り返し数)に対する超音波の伝播時間及び音圧減衰率の関係を示す。
【0029】
この結果によれば、図5(a),(b)に示す通り、伝播時間及び音圧減衰率ともに、増減を繰り返しながら疲労破壊に至ることが確かめられ、新品からの測定データの上下の包絡線の、上下包絡線幅比率、もしくは包絡線の微分係数の減少比率を、あらかじめ設定したデータベースと比較することで、その金属材料の疲労損傷度を判断することができた。また、上下包絡線の傾向から疲労破壊に至る加重の繰り返し数や、その金属材料の使用期限等も予測することができた。
【0030】
また、図7に上記試験に用いたものと同ロットの試験片において、同一負荷を与え、X線回折により残留応力を測定した結果を示す。このグラフは、試験片への繰り返し荷重により、残留応力が疲労の蓄積とともに圧縮側へシフトし、途中解放を生じて、再び圧縮側に向うサイクルを繰り返していることを示している。
【0031】
図7に示す測定結果によれば、試験片の残留応力が変動しながら収束し、破断に至っている。このグラフの変動の傾向は、図5(b)に示す音圧減衰率と同様な傾向を示しており、応力の蓄積および解放を繰り返して、次第に変動幅を狭め破壊に至っていることから、音圧減衰率を測定することにより、繰り返し荷重による疲労破壊を予測することができることが確かめられた。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の一実施形態の超音波金属疲労損傷度測定装置を示す概略ブロック図である。
【図2】この実施形態の超音波金属疲労損傷度測定装置による超音波の金属材料内での伝播を説明した模式図である。
【図3】この実施形態の超音波金属疲労損傷度測定装置により受信した超音波の波形を示すグラフである。
【図4】この発明の超音波金属疲労損傷度測定における、金属材料の残留応力に対する超音波の伝播時間及び音圧減衰率の関係を示すグラフである。
【図5】この発明の一実施例の超音波金属疲労損傷度測定における、疲労度N/Nf(N:繰り返し加重数、Nf:破壊に至った繰り返し荷重数)に対する伝播時間(a)及び音圧減衰率(b)の関係を示すグラフである。
【図6】上記実施例の超音波金属疲労損傷度測定に用いたマグネシウム合金の試験片形状を示す正面図である。
【図7】上記実施例の試験に用いたものと同ロットの試験片において、同一負荷を与え、X線回折により残留応力を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0033】
10 超音波金属疲労損傷度測定装置
12 金属材料
14 送信機
14a,16a プローブ部
14b 超音波出力部
15 発振回路部
16 受信機
16b 超音波受信部
17 受信回路部
20 本体部
32 演算処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属材料の表面に接触し超音波を送信する送信機と、前記金属材料の表面近傍を伝播した前記超音波を受信する受信機と、前記送信機と受信機を一定間隔離して一体的に保持した本体部とを設け、前記超音波が前記金属材料の表面近傍を伝播する際の音圧減衰率若しくは伝播時間を測定し、既知の金属疲労損傷度に対する音圧減衰率若しくは伝播時間と、前記測定により得られた音圧減衰率若しくは伝播時間とを比較して、前記金属材料の金属疲労損傷度を算出することを特徴とする金属疲労損傷度の非破壊評価方法。
【請求項2】
前記金属材料表面の金属疲労度測定部には、前記金属材料表面との密着を確実にするとともに前記金属材料表面での超音波の伝播を良好にする液体の媒体を塗布し、前記送信機と受信機に各々取り付けられ前記固体表面に接触する一対のプローブ部を、前記媒体を介して前記金属疲労度測定部に接触させることを特徴とする請求項1記載の金属疲労損傷度の非破壊評価方法。
【請求項3】
前記超音波は、SH波を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の金属疲労損傷度の非破壊評価方法。
【請求項4】
前記金属部材は、六方晶系の結晶構造を有した金属材料である請求項1、2又は3記載の金属疲労損傷度の非破壊評価方法。
【請求項5】
金属材料の表面に接触し超音波を送信する送信機と、前記金属材料の表面近傍を伝播した前記超音波を受信する受信機と、前記送信機と受信機とを一定間隔離して一体的に保持した本体部と、前記超音波が上記金属材料の表面近傍を伝播する際の音圧減衰率若しくは伝播時間を測定する測定手段と、測定した音圧減衰率若しくは伝播時間の履歴データの変化量を基にして、前記金属材料の金属疲労損傷度を解析算出する対する演算手段とを備えたことを特徴とする超音波金属疲労損傷度測定装置。
【請求項6】
前記本体部はコ字状に形成され、前記送信機はコ字状の前記本体部の一方の端部に設けられ、前記送信機の超音波出力部は前記金属材料表面側を向くとともに前記受信機の方を向いて設けられ、前記受信機はコ字状の前記本体部の他方の端部に設けられ、前記受信機の超音波受信部は前記金属材料表面側を向くとともに前記送信機側を向いて位置し、前記送信機の超音波出力部と前記受信機の超音波受信部には、各々前記金属材料表面に接触するプローブ部が設けられていることを特徴とする請求項5記載の超音波金属疲労損傷度測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−38696(P2010−38696A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201050(P2008−201050)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000236920)富山県 (197)
【Fターム(参考)】