説明

金属表面の防錆方法

【課題】車体又は家電部品の防錆処理費用を軽減できる防錆方法を提供する。
【解決手段】部分的に金属表面を有し、該金属表面が少なくとも90%の亜鉛、アルミニウム及び/又はマグネシウム及び/又はかかる金属同士の合金もしくはかかる金属と他の合金元素との合金よりなり、清浄化、不動態化及び塗料塗布される車体又は家電部品の防錆処理方法であって、該不動態化のために、該車体又は家電部品を、pH1〜12、Ti、Zr、Hf、Si及び/又はBの錯フッ化物をTi、Zr、Hf、Si及び/又はBとして20〜500mg/L含有し、さらに特定の有機重合体を50〜2000mg/L含有する水溶液であって、その組成が結晶性亜鉛含有リン酸塩層が該金属表面上に形成されないように設定された水溶液である処理液と接触させることを特徴とする防錆処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体又は家電製品の、非鉄金属表面に防錆塗膜を形成させる、防錆処理の分野に関する。本発明は、特に、2以上の異なる非鉄金属の表面を有する金属部品に適している。本発明の特筆すべき特徴は有毒なクロムを使用しなくてよいことである。
【背景技術】
【0002】
光沢のある金属表面に防錆塗膜を析出させて防錆性能を高めることについて広範な従来技術がある。特に、アルミニウム表面のクロムフリー処理を扱う文献の例を以下に示す。この種の処理は、一般に、亜鉛表面にも適している。これに関して用いられる「化成処理」は、処理溶液の成分が金属表面と化学的に反応し、処理溶液の成分と金属表面からの金属原子の両方が含まれる防錆塗膜が形成されることを意味する。
【0003】
アルミニウム表面を、有機重合体と組み合わせた、ホウ素、ケイ素、チタンもしくはジルコニウムのフッ化物でクロムフリー化成処理して、永続的な防錆性能を達成し、引き続く塗料塗布のための基礎を与えることは、原則的には、知られている。
【0004】
米国特許第5,129,967号明細書
(a)ポリアクリル酸もしくはその単独重合体10〜16g/L、
(b)ヘキサフルオロジルコニウム酸12〜19g/L、
(c)フッ化水素酸0.17〜0.3g/L、及び
(d)0.6g/Lまでのヘキサフルオロチタン酸
を含有する、アルミニウムの無水洗処理(該文献では「その場で乾燥させる化成処理」(“dried in place conversion coating”と称している)のための処理浴を開示している。
【0005】
EP特許第8,942号明細書
(a)ポリアクリル酸もしくはそのエステル0.5〜10g/L、及び
(b)HZrF、HTiF及びHSiFの少なくとも1種0.2〜8g/L
を含有し、pH3.5未満である、好ましくはアルミニウム缶のための、処理溶液、及び
(a)ポリアクリル酸もしくはそのエステル25〜100g/L、
(b)HZrF、HTiF及びHSiFの少なくとも1種25〜100g/L、及び
(c)17〜120g/Lの遊離フッ素イオンを与える遊離フッ素イオン源
を含有する、処理溶液を再生するための水性濃縮液を開示している。
【0006】
ドイツ特許第2,433,704号明細書は、0.1〜5g/Lのポリアクリル酸又はその塩もしくはエステル、及びZrOとして計算して0.1〜3.5g/Lのフッ化ジルコニウム酸アンモニウムを含有することができる、特にアルミニウムへの、塗料密着性及び永続的な防錆性能を高める処理浴を開示している。この浴のpHは広範囲に亘ることができるが、最良の結果は一般にpHが6〜8の間で得られる。
【0007】
米国特許第4,992,116号明細書は、少なくとも
(a)1.1×10−5〜5.3×10−3mol/Lの濃度のリン酸イオン(1〜500mg/Lに相当する)
(b)Zr、Ti、Hf及びSiから選ばれる元素のフルオロ酸(fluoro acid)1.1×10−5〜1.3×10−3mol/L(元素によって1.6〜380mg/Lに相当する)、及び
(c)ポリ(ビニルフェノール)とアルデヒド及び有機アミンとの反応によって得られるポリフェノール化合物0.26〜20g/L
を含有し、2.5〜5のpHを有する、アルミニウムの化成処理のための処理浴を開示している。
ここで、フルオロ酸とリン酸イオンとのモル比は約2.5:1〜約1:10を維持する。
【0008】
WO92/07973号パンフレットは、酸性水溶液中の主要成分として、0.01〜約18重量%のHZrF及び0.01〜約10重量%の3−(N−C−C−アルキル−N−2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−4−ヒドロキシスチレン重合体を用いるアルミニウムのためのクロムフリー処理方法を教示している。任意成分は0.05〜10重量%の分散したSiO、0.06〜0.6重量%の該重合体のための溶解性促進剤、及び界面活性剤である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,129,967号明細書
【特許文献2】EP特許第8,942号明細書
【特許文献3】ドイツ特許第2,433,704号明細書
【特許文献4】米国特許第4,992,116号明細書
【特許文献5】WO92/07973号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
自動車車体等の車体は、現在、亜鉛メッキ鋼やアルミニウム等の鋼及び/又は他の金属材料から組み立てられている。組立て後、車体を清浄化し、塗装前に化成処理に付して、十分な防錆性及び十分な塗料密着性を達成している。車体は、ついで、塗装するが、この塗装は、今日一般に、陰極電着塗装によって行う。冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、回転式乾燥機(tumble driers)、調理器具、電子レンジ、時には、金属家具等の、金属部品(metal components)を有する家電製品も同様な処理に付すことができるが、これらの物品については防錆への要求がそれほど高くないので、これらには一般に、化成処理後、粉体塗料を塗布する。
【0011】
リン酸塩処理は家電製品の化成処理方法として広く行われている。車体については、化成処理は、もっぱら、いわゆる「層形成性」(layer-forming)リン酸亜鉛処理として行われる。この目的のために、車体を、約2.5〜約3.8のpHを有し、約0.3〜2g/Lの亜鉛イオン及び約10〜約20g/Lのリン酸イオンを含有する水溶液と接触させる。かかるリン酸塩処理溶液は、しばしば、約0.3〜2g/Lのマンガンイオン及び、しばしば、ニッケルしくは銅イオンも含有する。この処理によって、結晶性リン酸亜鉛鉄の層が鋼表面に形成され、結晶性リン酸亜鉛の層が亜鉛もしくはアルミニウム表面に形成される。
【0012】
かかる結晶性亜鉛含有リン酸塩層が防錆性能及び塗料密着性について十分な効果を上げるようにするために、現実のリン酸塩処理工程では、付加工程を伴わせる。例えば、リン酸塩処理前に、金属表面を、まず、一般に数工程で、清浄化し、ついで活性化する。この活性化工程では、金属表面を、第二リン酸アルカリ金属塩(secondary alkali metal phosphates)及びリン酸チタンコロイド状懸濁液(suspended
colloidal titanium phosphates)を主成分として含有する溶液と接触させる。引き続くリン酸塩処理の十分な品質を保証するために、この活性化処理は非常に注意深く制御しなければならない。特に、活性化浴は、リン酸塩処理浴と比較して、比較的早く消費されるので、数日〜数週間という短い間隔で新しいものと取り換えなければならない。したがって、活性化浴の監視及び管理は、リン酸塩処理ラインの管理及び監視経費のかなりの割合を占める。
【0013】
現実には、リン酸塩処理工程の後に、一般に、いわゆる後不動態化処理を行う。この後不動態化処理によって、結晶性リン酸塩層に残っている孔は塞がれ、防錆性及び塗料密着性が改善される。この目的のために、リン酸塩処理した金属表面を種々の成分を含有させることができる水溶液と接触させる。現在では、6価クロム、チタン及び/又はハフニウムの錯フッ化物(complex fluorides)、ビニルフェノール誘導体の反応性重合体又は銅イオンをベースにした後不動態化溶液が実際に使われている。これらの後不動態化処理浴も定期的に検査し、調整しなければならない。
【0014】
したがって、リン酸塩処理の形態の化成処理は、一般に、清浄化に加えて、少なくとも、活性化、リン酸塩処理及び後不動態化のための3つの処理浴を必要とし、それらの浴はすべて定期的に検査し、必要に応じ、調整しもしくは更新しなければならない。これら少なくとも3つの浴及びそれらの間の水洗浴は、広いスペースと大きな投資が必要とされること、したがって、車体や家電製品の製造のコストが増加することを意味する。
【0015】
現在のところ、一般に、自動車車体は、一般に、しばしば、アルミニウム及び/又は亜鉛もしくは合金亜鉛メッキした鋼の表面と連結した鋼表面を有している。しかしながら、自動車車体及び家電製品は、プラスチック部品を除き、その金属表面がもっぱら非鉄金属表面となるように組み立てられることができる。かかる非鉄金属表面の例として、(亜鉛メッキ鋼の使用による)亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、又はかかる元素と他の1以上の金属との合金が挙げられる。この種の物品の防錆処理にも、現在では、上述のリン酸塩処理がもっぱら用いられている。
【0016】
本発明の目的は、自動車車体又は家電製品の防錆処理の費用を、従来技術と比較して、軽減することである。本発明は、自動車車体又は家電製品の金属表面が事実上非鉄表面であるならば、リン酸塩処理のための一連の複雑な処理を短縮できるという見識(knowledge)に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、少なくとも部分的に金属表面を有し、その金属表面は、金属表面に基づいて、少なくとも90%の亜鉛、アルミニウム及び/又はマグネシウム及び/又はかかる金属同士の合金もしくはかかる金属と他の合金元素との合金よりなる、車体又は家電製品であって、清浄化され、不動態化され及び塗料を塗布される該車体又は家電製品の防錆処理方法であって、該不動態化のために、車体又は家電製品を、pH1〜12を有し、Ti、Zr、Hf、Si及び/又はBの錯フッ化物をTi、Zr、Hf、Si及び/又はBの含量が20〜500mg/Lとなるような量で及び有機重合体を50〜2000mg/L含有する水溶液であって、その組成が結晶性亜鉛含有リン酸塩層が該金属表面上に形成されないように設定された水溶液と接触させることを特徴とする該防錆処理方法に関する。
【0018】
上記元素の錯フッ化物は、対応するフルオロ酸又はそのアルカリ金属及び/又はアンモニウム塩の形態で、該水溶液中に導入することができる。しかし、該水溶液中で、フッ化水素酸もしくはフッ化物と上記金属のイオンとを反応させて該錯フッ化物を形成させることも可能である。例えば、チタンもしくはジルコニウムの酸化物もしくは塩とフッ化水素酸とを反応させることにより、かかる元素の錯フッ化物が生成する。
【0019】
該水溶液は、錯フッ化物に加え、遊離フッ素イオンを、例えば、フッ化水素酸又はアルカリ金属フッ化物もしくはフッ化アンモニウムの形態で含有することができる。遊離フッ素イオンの含量は、例えば、0.001〜1g/Lであることができる。遊離フッ素イオンの添加により、特に溶融亜鉛メッキ鋼又はアルミニウムの場合に、該水溶液の酸洗い作用ひいては化成皮膜の形成速度が増加する。
【0020】
本方法は、好ましくは、非被覆鋼表面を有さない自動車車体及び家電製品に用いられる。しかしながら、実際は、亜鉛メッキ鋼、リン酸塩処理鋼、有機的に被覆した鋼等の被覆鋼を用いる場合であっても、切断端(cut edges)、溶接点(weld points)もしくは研削点(grinding points)で露出している鋼表面についても用いることができる。しかしながら、本発明においては、金属表面の少なくとも90%、好ましくは95%、特に好ましくは99%が上述の金属、一般的には亜鉛メッキ鋼の表面である亜鉛よりなっているべきである。プラスチック表面、又はリン酸塩処理鋼表面もしくは有機被覆鋼表面等の非金属表面はこの面積関係に含まれない。
【発明の効果】
【0021】
本方法は、従来のリン酸塩処理と比較して、活性化及び後不動態化工程を省くことができるという大きな利点を有している。このことは、前処理ラインをより短くし、浴の管理及び処分に費やす時間を減らすことができることを意味する。これにより、処理管理が簡単になり、経費が軽減され、環境への負荷が軽減される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本方法で用いられる水性処理溶液は、原則的には、従来技術で知られている。従来技術の例は導入部に述べられている。現在まで、この種の処理浴は、金属ストリップ(metal strips)、金属板、金属缶等の複合性の少ない材料を処理するのに用いられてきた。自動車車体、家電製品等の複合製品には、かかる処理浴は、塗装前の唯1回の化成処理としては、現在まで用いられていなかった。特に、かかる処理浴は、複合金属製品が、化成処理の直後に、電着塗装や粉体塗装によって塗装されていた従来の処理においては、現在まで、用いられていなかった。
【0023】
本発明の一連の処理における不動態化のために用いられる水溶液は、Ti、Zr、Hf、Si及び/又はBの錯フッ化物を、Ti、Zr、Hf、Si及び/又はBの含量が50〜400mg/Lとなるような量で含有するのが好ましい。該水溶液は、好ましくは、有機重合体を100〜1000mg/L含有する。
【0024】
有機重合体は、例えば、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、タンニン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリカルボン酸、重合アルコール及び/又はこれとポリカルボン酸とのエステル化物、ポリ−4−ビニルフェノール化合物、アミノ基含有単独もしくは共重合体化合物、及びビニルピロリドンの重合体もしくは共重合体から選ぶことができる。金属表面処理の分野におけるかかる重合体の使用は公知である。
有機重合体は、例えば、一般式(I)
【0025】
【化1】

【0026】
(式中、
nは5〜100の間の数を表し、
xは、独立して、水素及び/又はCRROH基を表し、そこでR及びRは水素、又は炭素数1〜12の脂肪族及び/又は芳香族基を表す)
で表されるポリ−4−ビニルフェノール化合物から選ぶことができる。
【0027】
別の態様においては、有機重合体は、(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体よりなるアミノ基含有単独もしくは共重合体化合物から選ぶことができる。
【0028】
(a)式
【0029】
【化2】

【0030】
(式中、
〜Rは、単位のそれぞれについて独立に、水素、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜18のアリール基よりなる群から選ばれ、
〜Yは、単位のそれぞれについて独立に、水素、−CR11OR、−CHCl、炭素数1〜18のアルキルもしくはアリール基、及び下記一般式で表される基Z:
【0031】
【化3】

【0032】
よりなる群から選ばれるが、Y〜Yの少なくとも1種はZであることが必要であり、
〜R12は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、メルカプトアルキル基及びホスホアルキル基よりなる群から選ばれ、
12は−O(−1)又は−OHでもよく、
は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アシル基、アセチル基、ベンゾイル基、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシアルキル基、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル基、2−ヒドロキシ−2−アルキルフェニルエチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、プロピル基、アルキル基、アリル基、アルキルベンジル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、2−クロロプロペニル基、ナトリウム、カリウム、テトラアリールアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、テトラアリールホスホニウム、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはそれらの混合物もしくは共重合体の縮合物よりなる群から選ばれる)、
で表される単位の少なくとも1種を有する重合体物質;
【0033】
(b)式
【0034】
【化4】

【0035】
(式中、
及びRは、単位のそれぞれについて独立に、水素、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜18のアリール基よりなる群から選ばれ、
〜Yは、単位のそれぞれについて独立に、水素、−CROR、−CHCl、炭素数1〜18のアルキル基もしくはアリール基、及び下記一般式で表される基Z:
【0036】
【化5】

【0037】
よりなる群から選ばれるが、Y〜Yの少なくとも1種はZであることが必要であり、
〜R12は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、メルカプトアルキル基及びホスホアルキル基よりなる群から選ばれ、
12は−O(−1)又は−OHでもよく、
は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アシル基、アセチル基、ベンゾイル基、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルフェノキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシアルキル基、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル基、2−ヒドロキシ−2−アルキルフェニルエチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、プロピル基、アルキル基、アリル基、アルキルベンジル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、2−クロロプロペニル基、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはそれらの混合物の縮合物よりなる群から選ばれる)
で表される単位の少なくとも1種を有する重合体物質;
【0038】
(c)式
【0039】
【化6】

【0040】
(式中、W、Y〜Y及びR〜Rは上記(a)におけると同義である)
で表される構造を、少なくとも一部に有する、重合体物質であって、かかる一部が、少なくとも部分的に、単位のそれぞれについて独立に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ビニルメチルケトン、イソプロペニルメチルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸n−アミル、スチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ピリジン、ジアリルジメチルアンモニウム塩、1,3−ブタジエン、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、メタクリル酸n−デシル、N,N−ジアリルメラミン、N,N−ジ−n−ブチルアクリルアミド、イタコン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル、リン酸ジエチルビニル、ビニルホスホン酸、マレイン酸ジイソブチル、イタコン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジイソプロピル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジ−n−ノニル、マレイン酸ジ−n−ノニル、フマル酸ジオクチル、イタコン酸ジ−n−オクチル、イタコン酸ジ−n−プロピル、N−ドデシルビニルエーテル、酸性フマル酸エチル、酸性マレイン酸エチル、アクリル酸エチル、ケイ皮酸エチル、N−エチルメタクリルアミド、メタクリル酸エチル、エチルビニルエーテル、5−エチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン−1−オキシド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸イソブチル、イソブチルビニルエーテル、イソプレン、メタクリル酸イソプロピル、イソプロピルビニルエーテル、イタコン酸、メタクリル酸ラウリル、メタクリルアミド、メタクリル酸、メタクリロニトリル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルメタクリルアミド、N−アルキルオキシメチルアクリルアミド、N−アルキルオキシメチルメタクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、アクリル酸メチル、N−メチルメタクリルアミド、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2−メチル−5−ビニルピリジン、メタクリル酸n−プロピル、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、メタクリル酸ステアリル、スチレン、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホンアミド、臭化ビニル、9−ビニルカルバゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン−N−オキシド、4−ビニルピリミジン、及び4−ビニルピロリドンよりなる群から選ばれる1以上のモノマーと重合している該重合体物質
【0041】
(d)重合体物質(a)、(b)又は(c)の縮合した重合体であって、そこにおいて、縮合し得る形態の(a)、(b)もしくは(c)又はそれらの混合物は、アルデヒド、ケトンもしくはその混合物と共にフェノール、タンニン、ノボラック樹脂及びリグニン化合物よりなる群から選ばれる別の化合物と縮合して、縮合樹脂生成物を生成し、該縮合樹脂生成物は、その少なくとも一部に「Z」を付加することによって、さらに、(1)アルデヒドもしくはケトン及び/又は(2)2級アミンと反応して、酸と反応し得る最終アダクトを形成している該縮合した重合体。
【0042】
好ましい態様においては、上述の有機重合体は、該有機重合体の基Zの少なくとも一部が、アミンもしくはアンモニアと炭素数3〜8のケトースもしくはアルドースとの縮合によって生じた、ポリヒドロキシアルキルアミン官能部分を有していることで特徴付けられる。
【0043】
さらに、有機重合体は、1000〜10000の分子量を有するポリビニルフェノールとホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒドと2級有機アミンとの縮合生成物であることができる。この2級有機アミンは、好ましくは、メチルエタノールアミン及びn−メチルグルカミンから選ばれる。
【0044】
有機重合体がポリカルボン酸又はそのアニオンである場合には、それはアクリル酸もしくはメタクリル酸又はそれと、例えば1〜4の炭素数を有する、低級アルコールとのエステル化物の重合体又は共重合体から選ばれるのが好ましい。かかるポリカルボン酸の溶液もしくは懸濁液は、さらに、ポリビニルアルコール等の重合アルコールを含有していてもよく、及び/又はそれと重合アルコール及びポリカルボン酸とのエステル化物を一緒に存在させてもよい。皮膜が乾燥すると、それらは、少なくも部分的にエステルを形成して、互いに架橋する。
【0045】
別の態様においては、該水溶液はビニルピロリドンの重合体もしくは共重合体を含有することができる。ビニルピロリドンの単独もしくは共重合体として、好ましくは、表1に記載した重合体又は表1に記載したモノマーの重合体が挙げられる。
【0046】
【表1】

【0047】
本発明の一連の処理において、ビニルピロリドンの重合体もしくは共重合体を用いる場合には、該塗布溶液は、好ましくは、1〜6のpHを有するが、基体(substrate)、塗布のタイプ及び暴露時間によってはより狭い範囲が好ましいかもしれない。アルミニウム表面の処理の場合は、2〜4のpHが好ましく、亜鉛もしくは亜鉛メッキ鋼の処理の場合は、3〜5のpHが好ましい。
【0048】
本発明の一連の処理は、予めリン酸塩処理するか予め有機的に被覆した鋼又は同様に予め被覆した亜鉛メッキ鋼又はアルミニウムの表面を有する自動車車体又は家電製品にも適用可能である。この場合、該水溶液のpHは約3〜約10に調整するのが好ましい。約3.5〜約5のpHがより好ましい。すでに存在する防錆塗膜は本処理によって攻撃されず、むしろその防錆作用によって部分的に補強される。
【0049】
基体によっては、該水溶液は、さらに、金属Mn、Ce、Li、V、W、Mo、Mg、Zn、Co及びNiの1以上のイオンを、それぞれの場合について、0.001〜2g/L、好ましくは0.005〜0.5g/L含有していてもよい。しかし、環境上の理由から、Co及びNiイオンの使用は、可能な限り、避けるのが好ましい。これらの追加の金属イオンは防錆効果及び塗料密着性をさらに改善することができる。
【0050】
該水溶液は、さらに、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び/又はそのそれぞれのアニオン及び/又はそれぞれのエステルを、それぞれ0.001〜1.5g/L、好ましくは0.1〜1g/L含有することができる。該エステルはそれらが水溶性もしくは水分散性であるように選択すべきである。かかる添加物も防錆効果及び塗料密着性を改善する。しかしながら、本発明の基本的概念によれば、結晶性亜鉛含有リン酸塩層の形成に至るような添加物の組合せは選択すべきでない。その理由は、それによって、従来技術で公知で、さらに上述した活性化及び後不動態化工程を行う場合には十分な防錆効果をもたらすのみである慣用のリン酸亜鉛層を生ずるからである。しかしながら、このことは、正に、本発明が避けようとしていることである。これ(避けること)は、例えば、処理溶液が、0.3g/Lより高い濃度の亜鉛及び/又はマンガン及び3g/Lより高い濃度のリン酸もしくはリン酸イオンを同時に含有しないようにすることにより達成できる。
【0051】
しかしながら、該水溶液が、いわゆるリン酸塩処理促進剤としてリン酸塩処理の技術分野で知られている1以上の成分を含有することは有利である。かかる促進剤は、リン酸塩処理中、金属表面上に元素状水素の泡が生成するのを防ぐという主たる任務を有している。この効果は減極効果とも称せられる。従来のリン酸塩処理と同様に、かかる促進剤によって、本発明方法においても、化成皮膜の形成がより急速にかつより均一に起こる。したがって、該水溶液が下記から選ばれる1以上のリン酸塩処理促進剤を含有するのが好ましい。
0.05〜2g/Lのm−ニトロベンゼンスルホン酸イオン、
0.1〜10g/Lの遊離もしくは結合形態のヒドロキシルアミン、
0.05〜2g/Lのm−ニトロ安息香酸イオン、
0.05〜2g/Lのp−ニトロフェノール、
1〜70mg/Lの遊離もしくは結合形態の過酸化水素、
0.05〜10g/Lの有機N−オキシド、
0.1〜3g/Lのニトログアニジン、
1〜500mg/Lの亜硝酸イオン及び
0.5〜5g/Lの塩素酸イオン
【0052】
本発明方法の特別の目的は有毒なクロム化合物の使用を避けることであるので、該水溶液がクロムを含有しないことが好ましい。クロム化合物の該水溶液への添加は、個々の場合において、防錆に有効であるが、本発明方法を用いて達成される防錆効果は、塗布の箇所にクロム化合物を使用しなくても、十分である。
【0053】
自動車車体は異なる材料から作られることが多い。例えば、異なる方法で亜鉛メッキした鋼を互いに組み合わせたり、アルミニウム及び/又はマグネシウムまたはその合金の部品と組み合わせたりすることができる。本方法の特別の強みは、これらの場合でも、有効な防錆がかかる異なる材料の上に不動態化中に達成されることである。したがって、本発明の特定の態様は、車体又は家電製品が亜鉛、アルミニウムもしくはマグネシウム又はかかる金属間での合金又はかかる金属と他の合金元素との合金から選ばれる少なくとも2種の材料よりなる表面を有していることにより特徴付けられる。
【0054】
本発明の一連の処理中の不動態化工程で用いられる水溶液は、好ましくは、周囲温度(約15〜20℃)と約70℃の間の温度を有するが、25〜40℃の温度が好ましい。自動車車体又は家電製品は該水溶液と、該水溶液をスプレーするか該水溶液中に浸漬することにより、接触させることができるが、スプレー処理が好ましい。一般に、該水溶液は、不動態化工程で、自動車車体又は家電製品と約1〜約5分の間接触させるが、スプレー処理では1〜3分が好ましく、浸漬処理では2〜5分が好ましい。
【0055】
本発明によれば、不動態化工程の後に、車体又は家電製品に電着塗装に適した浸漬塗料又は粉体塗料を塗布する。車体に対しては、電着塗装、特に陰極電着塗装が好ましい。電気泳動的に析出することができる、最新の無鉛もしくは低鉛電着塗料、すなわち、塗料懸濁液中に乾燥固体kg当たり500mg未満の鉛しか含有しない浸漬塗料がこの目的のために好ましい。家電製品も電着塗装によって塗装することができる。しかしながら、コスト面から、この塗布は粉体塗装によるのが好ましい。
【0056】
したがって、本発明の一連の処理は、清浄化、不動態化及び塗装の必須工程によって特徴付けられる。これらの必須工程の間では、1以上のプロセス用水、水道水もしくは脱イオン水による水洗段階を設けることができる。水洗工程では、スプレー又は浸漬法を採用できる。典型的な一連の処理を実施例に示す。しかしながら、それらは実験室試験であり、そこでは不動態化と塗装との間で、自動車車体又は家電製品の工業的生産におけるよりも、より長い時間が経過している。このため、試験板は、不動態化及び水洗の後に、圧縮空気を用いて乾燥し、乾燥棚で貯蔵した。工業的適用においては、不動態化後に粉体塗料を用いる塗装を行うことになっている場合には、この乾燥は必要である。電着塗装により塗装を行う場合には、不動態化及び水洗後の該部品を、塗料浸漬浴に入れる前に、乾燥することは不必要である。
【実施例】
【0057】
試験のために以下の基体を用いた。
溶融亜鉛メッキ鋼板(HDG)
電解亜鉛メッキ鋼板(EG)
アルミニウム板、Al 6016等級(AC120)
【0058】
試験板を以下の処理操作に付した。すべての工程は浸漬法によって行った。
1.アルカリ性清浄化剤:Ridoline(R)1250iを用いる清浄化(2%,65℃、5分)
2.脱イオン水を用いる水洗
3.表2の試験製品を用いる処理による不動態化(pH4、30℃、3分)
4.脱イオン水を用いる水洗
5.圧縮空気の吹付けによる乾燥及び乾燥棚中での55℃での貯蔵
6.無鉛電着塗料Cathoguard(R)CG310(BASF)を用いる陰極電着塗装
【0059】
以下の腐食試験を上記のようにして前処理した試験板に対して行った。結果を表3〜5に示す。
VDA621−415に従う、気候条件を変化させる試験
10サイクル。片側膨れ幅(U/2)としての膨れ(mm)を表2に示す。
VDA621−427に従う、チッピング試験
塗料密着性はK値として示される。1は最良の値(塗料スポーリング(paint spalling)なし)を10は最悪の値(塗料の完全な剥離(compolete detachment of paint))を示す。
DIN50021に従う銅/酢酸で促進した塩スプレー試験(CASS、10日間)又はDIN50021に従う中性塩スプレー試験(SS、20日間)
膨れは上記の気候条件を変化させる試験と同様にして測定した。
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
【表4】

【0063】
【表5】

【0064】
予めリン酸塩処理した亜鉛メッキ鋼について、本前処理方法により研削点がどのように改善されるかを見るために別の試験を行った。実際には、自動車車体上の欠陥を研削によってなくす際に、かかる研削点が生じる。
【0065】
この試験のために、研削したもしくは研削していない、予めリン酸塩処理した電解亜鉛メッキ鋼を試験製品1及び2について試験した。ついで、陰極電着塗料Cathoguard(R)310を塗布した。腐食試験は、VDA621−427に従うチッピング試験と組み合わせた、VDA621−415に従う気候条件を変化させる試験(10サイクル)を行う形式を取った。結果を表6に示す。
【0066】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に金属表面を有し、その金属表面は、金属表面に基づいて、少なくとも90%の亜鉛、アルミニウム及び/又はマグネシウム及び/又はかかる金属同士の合金もしくはかかる金属と他の合金元素との合金よりなる、車体又は家電製品の部品であって、清浄化され、不動態化され及び塗料を塗布される該車体又は家電製品の部品の防錆処理方法であって、該不動態化のために、車体又は家電製品の部品を、pH1〜12を有し、Ti、Zr、Hf、Si及び/又はBの錯フッ化物をTi、Zr、Hf、Si及び/又はBの含量が20〜500mg/Lとなるような量で含有し、有機重合体であって、エポキシ樹脂、タンニン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリ−4−ビニルフェノール化合物、及びアミノ基含有単独もしくは共重合体化合物から選ばれる有機重合体を50〜2000mg/L含有する水溶液であって、その組成が結晶性亜鉛含有リン酸塩層が該金属表面上に形成されないように設定された該水溶液と接触させることを特徴とする該防錆処理方法。
【請求項2】
該水溶液がTi、Zr、Hf、Si及び/又はBの錯フッ化物をTi、Zr、Hf、Si及び/又はBの含量が50〜400mg/Lとなるような量で含有する請求項1記載の方法。
【請求項3】
該水溶液が該有機重合体を100〜1000mg/L含有する請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
ポリ−4−ビニルフェノール化合物が一般式(I)
【化1】

(式中、
nは5〜100の間の数を表し、
xは、独立して、水素及び/又はCRROH基を表し、そこでR及びRは水素、又は炭素数1〜12の脂肪族及び/又は芳香族基を表す)
で表されるポリ−4−ビニルフェノール化合物から選ばれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
アミノ基含有単独もしくは共重合体化合物が、(a)、(b)、(c)及び(d)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体としてのアミノ基含有単独もしくは共重合体化合物から選ばれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法:
(a)式
【化2】

(式中、
〜Rは、単位のそれぞれについて独立に、水素、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜18のアリール基よりなる群から選ばれ、
〜Yは、単位のそれぞれについて独立に、水素、−CR11OR、−CHCl、炭素数1〜18のアルキルもしくはアリール基、及び下記一般式で表される基Z:
【化3】

よりなる群から選ばれるが、Y〜Yの少なくとも1種はZであることが必要であり、
〜R12は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、メルカプトアルキル基及びホスホアルキル基よりなる群から選ばれ、
12は−O(−1)又は−OHでもよく、
は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アシル基、アセチル基、ベンゾイル基、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシアルキル基、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル基、2−ヒドロキシ−2−アルキルフェニルエチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、プロピル基、アルキル基、アリル基、アルキルベンジル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、2−クロロプロペニル基、ナトリウム、カリウム、テトラアリールアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、テトラアリールホスホニウム、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはそれらの混合物もしくは共重合体の縮合物よりなる群から選ばれる)
で表される単位の少なくとも1種を有する重合体物質;
(b)式
【化4】

(式中、
及びRは、単位のそれぞれについて独立に、水素、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数6〜18のアリール基よりなる群から選ばれ、
〜Yは、単位のそれぞれについて独立に、水素、−CROR、−CHCl、炭素数1〜18のアルキルもしくはアリール基、及び下記一般式で表される基Z:
【化5】

よりなる群から選ばれるが、Y〜Yの少なくとも1種はZであることが必要であり、
〜R12は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、メルカプトアルキル基及びホスホアルキル基よりなる群から選ばれ、
12は−O(−1)又は−OHでもよく、
は、単位のそれぞれについて独立に、水素、アシル基、アセチル基、ベンゾイル基、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルベンジルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルフェノキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−ブトキシ−2−ヒドロキシプロピル基、3−アルキルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシオクチル基、2−ヒドロキシアルキル基、2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル基、2−ヒドロキシ−2−アルキルフェニルエチル基、ベンジル基、メチル基、エチル基、プロピル基、アルキル基、アリル基、アルキルベンジル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、2−クロロプロペニル基、及びエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくはそれらの混合物の縮合物よりなる群から選ばれる)
で表される単位の少なくとも1種を有する重合体物質;
(c)式
【化6】

(式中、W、Y〜Y及びR〜Rは上記(a)におけると同義である)
で表される構造を、少なくとも一部に有する、重合体物質であって、かかる一部が、少なくとも部分的に、単位のそれぞれについて独立に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ビニルメチルケトン、イソプロペニルメチルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸n−アミル、スチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ピリジン、ジアリルジメチルアンモニウム塩、1,3−ブタジエン、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、m−クロロスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、メタクリル酸n−デシル、N,N−ジアリルメラミン、N,N−ジ−n−ブチルアクリルアミド、イタコン酸ジ−n−ブチル、マレイン酸ジ−n−ブチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル、リン酸ジエチルビニル、ビニルホスホン酸、マレイン酸ジイソブチル、イタコン酸ジイソプロピル、マレイン酸ジイソプロピル、フマル酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、フマル酸ジ−n−ノニル、マレイン酸ジ−n−ノニル、フマル酸ジオクチル、イタコン酸ジ−n−オクチル、イタコン酸ジ−n−プロピル、N−ドデシルビニルエーテル、酸性フマル酸エチル、酸性マレイン酸エチル、アクリル酸エチル、ケイ皮酸エチル、N−エチルメタクリルアミド、メタクリル酸エチル、エチルビニルエーテル、5−エチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン−1−オキシド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸イソブチル、イソブチルビニルエーテル、イソプレン、メタクリル酸イソプロピル、イソプロピルビニルエーテル、イタコン酸、メタクリル酸ラウリル、メタクリルアミド、メタクリル酸、メタクリロニトリル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルメタクリルアミド、N−アルキルオキシメチルアクリルアミド、N−アルキルオキシメチルメタクリルアミド、N−ビニルカプロラクタム、アクリル酸メチル、N−メチルメタクリルアミド、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2−メチル−5−ビニルピリジン、メタクリル酸n−プロピル、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、メタクリル酸ステアリル、スチレン、p−スチレンスルホン酸、p−スチレンスルホンアミド、臭化ビニル、9−ビニルカルバゾール、塩化ビニル、塩化ビニリデン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン−N−オキシド、4−ビニルピリミジン、及びN−ビニルピロリドンよりなる群から選ばれる1以上のモノマーと重合している該重合体物質
(d)重合体物質(a)、(b)又は(c)の縮合した重合体であって、そこにおいて、縮合し得る形態の(a)、(b)もしくは(c)又はそれらの混合物は、アルデヒド、ケトンもしくはその混合物と共にフェノール、タンニン、ノボラック樹脂及びリグニン化合物よりなる群から選ばれる別の化合物と縮合して、縮合樹脂生成物を生成し、該縮合樹脂生成物は、その少なくとも一部に「Z」を付加することによって、さらに、(1)アルデヒドもしくはケトン及び/又は(2)2級アミンと反応して、酸と反応し得る最終アダクトを形成している該縮合した重合体。
【請求項6】
アミノ基含有単独もしくは共重合体化合物の基Zの少なくとも一部が、アミンもしくはアンモニアと炭素数3〜8のケトースもしくはアルドースとの縮合に起因するポリヒドロキシアルキルアミン官能部分を有する請求項記載の方法。
【請求項7】
アミノ基含有単独もしくは共重合体化合物が1000〜10000の範囲の分子量を有するポリビニルフェノールとホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒドと2級有機アミンとの縮合生成物である請求項記載の方法。
【請求項8】
該水溶液が、さらに、金属Mn、Ce、Li、V、W、Mo、Mg、Zn、Co及びNiの1以上を、それぞれの場合について、0.001〜2g/L含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
該水溶液が、さらに、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及び/又はそのそれぞれのアニオン及び/又はそれぞれのエステルを、それぞれ0.001〜1.5g/L含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該水溶液が0.05〜2g/Lのm−ニトロベンゼンスルホン酸イオン、0.1〜10g/Lの遊離もしくは結合形態のヒドロキシルアミン、0.05〜2g/Lのm−ニトロ安息香酸イオン、0.05〜2g/Lのp−ニトロフェノール、1〜70mg/Lの遊離もしくは結合形態の過酸化水素、0.05〜10g/Lの有機N−オキシド、0.1〜3g/Lのニトログアニジン、1〜500mg/Lの亜硝酸イオン及び0.5〜5g/Lの塩素酸イオンから選ばれる1以上のリン酸塩処理促進剤を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該水溶液がクロムを含有しない請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
該車体又は家電製品の部品が亜鉛、アルミニウムもしくはマグネシウム又はかかる金属同士の合金もしくはかかる金属と他の合金元素との合金から選ばれる少なくとも2種の材料よりなる表面を有している請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
該車体又は家電製品の部品が、不動態化後、電着塗装に適した浸漬塗料、又は粉体塗料を塗布したものである請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。


【公開番号】特開2009−293129(P2009−293129A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176073(P2009−176073)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【分割の表示】特願2001−565428(P2001−565428)の分割
【原出願日】平成13年2月23日(2001.2.23)
【出願人】(000229597)日本パーカライジング株式会社 (198)
【Fターム(参考)】