説明

金属酸化物粒子用表面処理剤、ハードコート層形成用コーティング剤及びハードコートフィルム

【課題】分散性に優れた金属酸化物粒子を与える表面処理剤、並びに上記分散性に優れた金属酸化物粒子を含み、透明性及び耐擦傷性の向上したハードコートフィルムを与えるコーティング剤を提供する。
【解決手段】分子中にカルボン酸基と、1分子当たり4個以上のエチレン性不飽和基とを有する重合性化合物からなる金属酸化物粒子用表面処理剤、並びに(A)電離放射線硬化型化合物、及び(B)前記表面処理剤により表面処理された金属酸化物粒子を含むハードコート層形成用コーティング剤である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属酸化物粒子用表面処理剤、ハードコート層形成用コーティング剤及びハードコートフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、分散性に優れた金属酸化物粒子を与える表面処理剤、上記分散性に優れた金属酸化物粒子を含み、透明性及び耐擦傷性の向上したハードコートフィルムを与えるコーティング剤、及び上記の性能を有するハードコートフィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードコートフィルムは、各種画像表示装置、例えばLCD(液晶表示体)、CRT(ブラウン管)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、EL(エレクトロルミネッセンス)、あるいは光ディスクなどの表面保護の目的に用いられている。
また、携帯用の情報端末への入力装置として、タッチパネルが利用されている。このタッチパネルは、ディスプレイ画面を直接、指、ペンなどで触れることによってデータを入力する装置であって、一般に透明プラスチック基材の片面に錫ドープ酸化インジウム(ITO)膜などの透明導電性薄膜を積層したタッチ側プラスチック基板と、ガラスなどの透明基材の片面にITO膜などの透明導電性薄膜を積層したディスプレイ側透明基板とを、絶縁スペーサーを介して、各透明導電性薄膜が向き合うように対向配置させた構造を有している。そして、入力は、ペンや指でタッチ側プラスチック基板のタッチ入力面(透明導電性薄膜とは反対側の面を言う。)を押圧し、タッチ側プラスチック基板の透明導電性薄膜とディスプレイ側透明基板の透明導電性薄膜とを接触させて行う。
【0003】
しかしながら、このようなタッチパネルにおいては、入力操作を繰り返すことにより、すなわちタッチ側プラスチック基板の透明導電性薄膜とディスプレイ側透明基板の透明導電性薄膜とを接触を繰り返すことにより、タッチ側表面を損傷したり、タッチ側プラスチック基板(基材フィルム)の透明導電性薄膜が摩耗したり、クラックが発生したり、さらには基材から剥離してしまうなどの問題を生ずる。そこで、このような問題を解決するために、一般にタッチ側表面及び透明プラスチック基材と透明導電性薄膜との間に、合成樹脂からなるハードコート層を設けることが行われている。
また、タッチ側表面の改良のために、放射線等により硬化する樹脂と、金属酸化物等で表面処理された超微粒子酸化チタンを含有するハードコート層上に反射防止膜を設けた偏光フィルムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなハードコート層においては、耐擦傷性などのハードコート性能を向上させる目的で、該ハードコート層中に、シリカ粒子などの金属酸化物粒子を含有させることが行われている。この場合、前記の各用途においては、高い透明性が要求されるため、含有させる金属酸化物粒子は、粒径が小さいほどよい。
しかしながら、前記ハードコート層形成用のコーティング剤においては、金属酸化物粒子の粒径が小さくなると(ナノメートルレベル)、凝集が生じるようになり、その結果、耐擦傷性の向上効果が発揮されない上、透明性が低下するなどの問題が生じる。そこで、金属酸化物粒子の凝集を抑制して、分散性をよくするために金属酸化物粒子の表面処理剤(例えば、特許文献2参照)、反応性分散剤(例えば、特許文献3参照)、無機粒子に吸着するオリゴマー系分散剤(例えば、特許文献4参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−171603号公報
【特許文献2】特開2001−310423号公報
【特許文献3】特開2007−289943号公報
【特許文献4】特開2006−225513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような状況下になされたものであり、より一層分散性に優れた金属酸化物粒子を与える表面処理剤、上記分散性に優れた金属酸化物粒子を含み、透明性及び耐擦傷性の向上したハードコートフィルムを与えるコーティング剤、及び上記の性能を有するハードコートフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、分子中にカルボン酸基を有すると共に、エチレン性不飽和基をある個数以上含む重合性化合物が、表面処理剤としてその目的に適合し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0008】
すなわち、本発明は、
(1)分子中にカルボン酸基と、1分子当たり4個以上のエチレン性不飽和基とを有する重合性化合物からなる金属酸化物粒子用表面処理剤、
(2)(A)電離放射線硬化型化合物、及び(B)上記(1)に記載の表面処理剤により表面処理された金属酸化物粒子を含むことを特徴とするハードコート層形成用コーティング剤、及び
(3)透明基材上に、上記(2)に記載のコーティング剤の電離放射線による硬化物からなるハードコート層を有することを特徴とするハードコートフィルム、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、分散性に優れる金属酸化物粒子を与える表面処理剤、上記分散性に優れた金属酸化物粒子を含み、透明性及び耐擦傷性の向上したハードコートフィルムを与えるコーティング剤、及び上記の性能を有するハードコートフィルムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
まず、本発明の金属酸化物粒子用表面処理剤(以下、単に「表面処理剤」と称することがある。)について説明する。
[表面処理剤]
本発明の金属酸化物粒子用表面処理剤は、分子中にカルボン酸基と、1分子当たり4個以上のエチレン性不飽和基とを有する重合性化合物からなることを特徴とする。
【0011】
(重合性化合物の構造)
当該重合性化合物は、分子中にカルボン酸基を少なくとも一つ有していればよいが、その数は、後述の酸価を満たすものであることが好ましい。このカルボン酸基により、当該重合性化合物は、金属酸化物粒子表面に対する吸着性を発揮して、該粒子の凝集を抑制する。なお、このカルボン酸基の数が多すぎる(後述の酸価の上限を超える)と、粒子間の架橋が生じて、逆に粒子の凝集が起こるようになる。
当該重合性化合物は、前記のカルボン酸基と共に、さらにエチレン性不飽和基を1分子当たり4個以上含むことを要する。このエチレン性不飽和基を有することにより、当該重合性化合物は、電離放射線の照射により、重合、硬化する性質をもつようになる。また、1分子当たり4個以上のエチレン性不飽和基を有することにより、当該重合性化合物は嵩高となって、金属酸化物粒子の凝集を阻害する効果が大きくなる。
したがって、後述のハードコート層形成用コーティング剤に、この重合性化合物で表面処理された金属酸化物粒子を含有させた場合、該粒子は、凝集や沈降が抑制され、安定かつ良好に分散すると共に、ハードコート層形成時には、当該重合性化合物は、電離放射線の照射により重合硬化するので、前記金属酸化物粒子は、ハードコート層中にほぼ一次粒子のままの状態で均質に分散された形態で存在することができ、ハードコート層の耐擦傷性及び透明性を向上させることができる。
【0012】
当該重合性化合物において、エチレン性不飽和基の数が、1分子当たり4個未満では、前記ハードコート層中における金属酸化物粒子の分散状態が不十分となり、透明性及び耐擦傷性の向上効果が発揮されにくい。
また、1分子当たりのエチレン性不飽和基の個数の上限は、通常7個程度であり、これ以上のものの合成は困難である。
前記エチレン性不飽和基としては、電離放射線の照射により重合し得る基であればよく、特に制限はないが、重合性、硬化物の物性、入手性などの観点から、(メタ)アクリロイル基が好適である。なお、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。その他の類似用語も同様である。
【0013】
(重合性化合物の性状)
当該重合性化合物においては、エチレン性不飽和基当量は80〜200g/eqの範囲にあることが好ましい。エチレン性不飽和基当量が上記の範囲にあると、金属酸化物粒子に対する凝集抑制効果が良好に発揮されると共に、当該重合性化合物の電離放射線による硬化物が、硬度の高いものとなる。より好ましいエチレン性不飽和基当量は90〜130g/eqの範囲である。
また、酸価(JIS K 1557に準拠して測定)は、10〜50mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。この酸価が上記の範囲にあれば、金属酸化物粒子間の架橋が生じにくい上、該粒子表面に適度に吸着し、該粒子の凝集を効果的に抑制する。より好ましい酸価は20〜30mgKOH/gの範囲である。
さらに、分子量は、1分子中に導入されるエチレン性不飽和基の個数及びエチレン性不飽和基当量から、320〜1400程度であり、好ましくは360〜910である。
【0014】
(重合性化合物の製造)
当該重合性化合物は、分子中に少なくとも一つのカルボン酸基と、1分子当たり4個以上のエチレン性不飽和基、好ましくは(メタ)アクリロイル基を有することから、これらの基は、原料として多価アルコールを使用し、その水酸基とのエステル化反応により導入することができる。この場合、原料の多価アルコールとしては、1分子中に水酸基を5個以上有するものを用いることができる。このような多価アルコールとしては、入手性の観点から、トリグリセロール(OH:5)、テトラグリセロール(OH:6)、ジペンタエリスリトール(OH:6)、トリペンタエリスリトール(OH:8)及びソルビトール(OH:6)などを挙げることができる。
【0015】
次に、これらの多価アルコールを原料として用い、当該重合性化合物を製造する1例として、前記多価アルコールの水酸基1個を、カルボン酸基導入用官能基として残し、他の水酸基全てに、エチレン性不飽和基である(メタ)アクリロイル基を導入したのち、残存する水酸基にカルボン酸基を導入する方法について説明する。
まず、前記多価アルコールに、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸低級アルキル(メチル、エチル)エステル又は(メタ)アクリル酸ハライドなどを、公知の方法で反応させて、水酸基1個を残し、他の水酸基全てをエステル化した多価アルコールポリ(メタ)アクリレートを合成する。この多価アルコールポリ(メタ)アクリレートとしては、トリグリセロールテトラ(メタ)アクリレート、テトラグリセロールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
次に、これらの多価アルコールポリ(メタ)アクリレートに残存する1個の水酸基に、多価カルボン酸を従来公知の方法に従って反応させ、多価カルボン酸のモノエステルを形成させる。これにより、前記多価アルコールポリ(メタ)アクリレートに、1個以上のカルボン酸基が導入される。
【0016】
前記多価カルボン酸に特に制限はなく、脂肪族、脂環族、芳香族のいずれも用いることができる。脂肪族多価カルボン酸としては、例えばマロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などのアルカンジイル基の炭素数が1〜4の脂肪族ジカルボン酸類、さらにはブタンテトラカルボン酸などが挙げられる。脂環族多価カルボン酸としては、例えばシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、又はその酸無水物、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸又はその1,2−酸無水物、デカリン−2,6−ジカルボン酸、デカリン−2,3−ジカルボン酸又はその酸無水物などが挙げられる。芳香族多価カルボン酸としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸又はその酸無水物などが挙げられる。
本発明においては、前記多価カルボン酸の中で、多価カルボン酸のモノエステル化反応の容易さ及び入手性の観点から、酸無水物が好ましく、例えば無水コハク酸、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸の酸無水物、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸の1,2−酸無水物、デカリン−2,3−ジカルボン酸の酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸の酸無水物などが好適である。これらの中で得られる重合性化合物の表面処理剤としての性能の観点から、無水コハク酸の使用が好ましい。
【0017】
前記の多価アルコールポリ(メタ)アクリレートに無水コハク酸を反応させることにより、3−カルボキシプロピオン酸変性多価アルコールポリ(メタ)アクリレート、具体的には3−カルボキシプロピオン酸変性トリグリセロールテトラ(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピオン酸変性テトラグリセロールペンタ(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピオン酸変性トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、3−カルボキシプロピオン酸変性ソルビトールペンタ(メタ)アクリレートなどを得ることができる。これらの中で、当該重合性化合物として、(メタ)アクリロイル基当量が80〜200g/eqの範囲にあり、かつ酸価が10〜50mgKOH/gの範囲にある化合物が好ましく、特に性能及び入手性などの観点から、下記の構造を有する3−カルボキシプロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(重合性化合物I)が好ましい。
【0018】
【化1】

【0019】
(Rは水素原子又はメチル基を示す。)
【0020】
(金属酸化物粒子)
本発明の前記重合性化合物からなる表面処理剤が適用される金属酸化物粒子としては、特に制限はなく、この金属酸化物粒子が含有されるハードコート層の機能に応じて適宜選定される。
当該金属酸化物粒子としては、前記ハードコート層の耐擦傷性などのハードコート性能を向上させるには、硬度の高いものが好ましく、例えば、チタニア(TiO2)粒子、ジルコニア(ZrO2)粒子、アルミナ(Al23)粒子などを用いることができる。これらの金属酸化物粒子は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、金属酸化物粒子として、導電性粒子が要求される場合には、例えば酸化錫粒子、アンチモンドープ酸化錫(ATO)粒子、酸化インジウム粒子、錫ドープ酸化インジウム(ITO)粒子、酸化亜鉛粒子、アルミニウムドープ酸化亜鉛粒子、アンチモン酸亜鉛粒子などを一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。
当該金属酸化物粒子の形状に特に制限はないが、透明性を向上させる観点から、球状の粒子が好ましい。
【0021】
(金属酸化物粒子の表面処理)
前記金属酸化物粒子を、前述した本発明の表面処理剤を用いて表面処理する方法としては、例えば以下に示す方法を用いることができる。
必要に応じて用いられる溶媒中に、金属酸化物粒子100質量部と、前述の重合性化合物からなる表面処理剤を、好ましくは20〜100質量部、より好ましくは25〜80質量部の割合で、固形分濃度が1〜50質量%程度、好ましくは20〜40質量%になるように加え、該金属酸化物粒子の表面処理と分散を行い、表面処理剤と、表面処理された金属酸化物粒子とを含む分散体を調製する。
分散方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を採用できる。例えば、ペイントシェイカー、ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等を使用した分散や、超音波分散等が挙げられる。なお、得られる分散体をハードコート層形成用コーティング剤に用いる場合には、塗工性、塗料安定性および硬化被膜の透明性等の点から、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ等の分散メディアを使用するビーズミルによる分散が好ましい。ビーズ径は特に限定されないが、通常0.05〜2mm程度、好ましくは0.05〜0.5mmである。
【0022】
前記溶媒としては、前記表面処理剤が、金属酸化物粒子の表面に効果的に吸着して、該粒子の凝集を抑制する観点から、疎水性溶媒が好ましい。疎水性溶媒としては、例えばヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン等を挙げることができる。これらの溶媒は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明の表面処理剤と金属酸化物粒子との割合については、金属酸化物粒子100質量部に対して、表面処理剤が20〜100質量部の割合であれば、該金属酸化物粒子の凝集阻止効果が良好に発揮される。さらに、前記固形分濃度が1〜50質量%であれば、金属酸化物粒子の表面処理と分散処理を効果的に行うことができる。
【0023】
このようにして調製されてなる、本発明の表面処理剤と、表面処理された金属酸化物粒子とを含む分散体において、前記金属酸化物粒子の平均粒径は1〜200nmであることが好ましく、2〜100nmであることがより好ましい。平均粒径が1nm未満の金属酸化物粒子は得られにくく、一方200nmを超えると、当該分散体をハードコート層形成用コーティング剤に用いて形成されたハードコート層は、所望する透明性の向上効果が得られにくい上、当該分散体の貯蔵安定性が低下する傾向にある。
なお、上記分散体における金属酸化物粒子の平均粒径は、動的光散乱法で測定した値である。
【0024】
次に、本発明のハードコート層形成用コーティング剤について説明する。
[ハードコート層形成用コーティング剤]
本発明のハードコート層形成用コーティング剤(以下、単に「コーティング剤」と称することがある。)は、(A)電離放射線硬化型化合物、及び(B)前述した本発明の表面処理剤により表面処理された金属酸化物粒子を含むことを特徴とする。
【0025】
((A)電離放射線硬化型化合物)
本発明のコーティング剤において、(A)成分として用いられる電離放射線硬化型化合物とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するもの、すなわち、紫外線又は電子線などを照射することにより、架橋、硬化する化合物を指す。
本発明においては、この電離放射線硬化型化合物として、多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いることができる。
【0026】
多官能性(メタ)アクリレート系モノマーとしては、例えば1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオぺンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらの多官能性(メタ)アクリレート系モノマーは一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】
一方、(メタ)アクリレート系オリゴマーとしては、例えばポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリオールアクリレート系などが挙げられる。
ここで、ポリエステルアクリレート系オリゴマーとしては、例えば多価カルボン酸と多価アルコールの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより、又は、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。エポキシアクリレート系オリゴマーは、例えば、比較的低分子量のビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環と、(メタ)アクリル酸との反応でエステル化することにより得ることができる。
ウレタンアクリレート系オリゴマーは、例えばポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸との反応でエステル化することにより得ることができる。
ポリオールアクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸との反応でエステル化することにより得ることができる。これらの(メタ)アクリレート系オリゴマーは単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよく、また、前記の多官能性(メタ)アクリレート系モノマーと併用することもできる。
【0028】
((B)表面処理された金属酸化物粒子)
本発明のコーティング剤においては、(B)成分として、本発明の表面処理剤で表面処理された金属酸化物粒子が用いられる。前記の金属酸化物粒子及びその表面処理方法については、前述で説明したとおりである。
本発明においては、当該(B)成分の表面処理された金属酸化物粒子として、本発明の表面処理剤と、均質に分散されてなる表面処理された金属酸化物粒子とを含み、かつ金属酸化物粒子の平均粒径が、好ましくは1〜200nm、より好ましくは2〜100nmの範囲にある分散体が用いられる。
本発明のコーティング剤においては、固形分中の金属酸化物粒子の含有量は、形成されるハードコート層の耐擦傷性及び透明性のバランスの観点から、10〜80質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。
【0029】
(光重合開始剤)
本発明のコーティング剤には、所望により、光重合開始剤を含有させることができる。この光重合開始剤としては、例えばベンゾイン類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、ホスフィンオキシド類などを用いることができる。
具体的には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、p−ジメチルアミノ安息香酸エステルなどを挙げることができる。
これらは一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、全電離放射線硬化型化合物100質量部に対して、通常0.2〜10質量部の範囲で選ばれる。
【0030】
本発明のコーティング剤には、前記の(A)成分、(B)成分、所望により用いられる光重合開始剤以外に、各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、消泡剤などを含有させることができる。
また、本発明のコーティング剤は、有機溶媒によって、塗工に適した濃度や粘度になるように希釈することができる。この際使用する有機溶媒としては、前述したような疎水性溶媒が好ましい。
【0031】
次に、本発明のハードコートフィルムについて説明する。
[ハードコートフィルム]
本発明のハードコートフィルムは、透明基材上に、前述した本発明のコーティング剤の電離放射線による硬化物からなるハードコート層を有することを特徴とする。
【0032】
(透明基材)
本発明のハードコートフィルムにおいて用いられる透明基材に特に制限はないが、従来光学用ハードコートフィルムの基材として使用されている公知のプラスチックフィルムの中から、適宜選択して使用することができる。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリメチルぺンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリウレタン樹脂フィルム、ノルボルネン系重合体フィルム、環状オレフィン系重合体フィルム、環状共役ジエン系重合体フィルム、ビニル脂環式炭化水素重合体フィルム等を使用することができる。
これらの中で、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン系重合体フィルムなどが、基材としての性能などの観点から、好適に用いられる。
【0033】
前記プラスチックフィルムの厚さとしては特に制限はなく、ハードコートフィルムの用途に応じて適宜選定されるが、通常20〜300μm程度、好ましくは50〜250μmの範囲である。
透明基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、その表面に設けられる層との密着性を向上させる目的で、所望により片面又は両面に、プライマー処理、又は酸化法や凹凸化法などにより表面処理を施すことができる。上記酸化法としては、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理などが挙げられ、凹凸化法としては、例えばサンドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。これらの表面処理法は基材フィルムの種類に応じて適宜選ばれるが、一般にはコロナ放電処理法が効果及び操作性などの面から、好ましく用いられる。
【0034】
(ハードコート層の形成)
本発明のハードコートフィルムにおいては、前記の透明基材上に、前述した本発明のコーティング剤を塗工して塗工層を設け、これに電離放射線を照射して、架橋、硬化させることにより、ハードコート層を形成する。
前記コーティング剤の塗工方法に特に制限はなく、従来公知の方法を使用することができる。例えばバーコート法、ナイフコート法、マイヤーバーコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などを用いて塗工することができる。使用するコーティング剤に有機溶媒が含まれている場合は、塗工後に当該溶媒を乾燥して除去するのがよい。
【0035】
このようにして、透明基材上に設けられた塗工層に、紫外線又は電子線などの電離放射線を照射して、前記塗工層を架橋、硬化させる。
紫外線照射は、例えば高圧水銀ランプ、フュージョン社製Hランプ、キセノンランプなどによって得られ、照射量は、通常100〜500mJ/cm2程度である。一方、電子線照射の場合、電子線は電子線加速器などによって得られ、照射量は、通常150〜350kV程度である。電子線を使用する場合には、重合開始剤を添加することなく、硬化させ、ハードコート層を形成することができる。
このようにして形成されたハードコート層の厚さは、1〜100μmの範囲にあることが好ましい。ハードコート層の厚さが上記の範囲にあれば、良好な耐擦傷性が得られると共に、クラックの発生を抑制することができる。より好ましい厚さは5〜30μmの範囲である。
【0036】
(ハードコートフィルムの性状)
本発明のハードコートフィルムにおいては、ハードコート層表面の鉛筆硬度(JIS K 5400に準拠して測定)をH以上、好ましくは2H以上とすることができる。また、JIS K 7136に準拠して測定した全光線透過率を50%以上、好ましくは85%以上に、かつヘイズ値を5.0%以下、好ましくは1.0%以下にすることができる。
【0037】
本発明のハードコートフィルムにおけるハードコート層には、防眩性を付与する目的で、表面に凹凸形状を形成させることができる。凹凸形状を形成するには、例えば本発明のコーティング剤を塗工後、この未硬化層表面に凹凸形状を有する賦形フィルムをラミネートし、該未硬化層を電離放射線による硬化処理した後、上記賦形フィルムを剥離する方法などを用いることができる。
また、当該ハードコート層には、反射防止性を付与する目的で、反射防止層、例えばシロキサン系皮膜、フッ素系皮膜などを設けることができる。この場合、該反射防止層の厚さは、0.05〜1μm程度が適当である。この反射防止層を設けることにより、太陽光、蛍光灯などによる表面反射率が低下し、視認性が向上する。
【0038】
(粘着剤層)
本発明のハードコートフィルムにおいては、透明基材のハードコート層とは反対側の面に、液晶表示体の偏光板などの被着体に貼着させるための粘着剤層を形成させることができる。この粘着剤層を構成する粘着剤としては、光学用途に適した、例えばアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが好ましく用いられる。この粘着剤層の厚さは、通常5〜100μm、好ましくは10〜60μmの範囲である。
さらに、この粘着剤層の上に、必要に応じて剥離シートを設けることができる。この剥離シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンなどの各種プラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
【0039】
(用途)
本発明のハードコートフィルムは、良好な耐擦傷性及び透明性を有し、CRT、LCD、PDPなどのディスプレイに対して、耐擦傷性能などを付与する表面保護部材として好適に用いられ、特にLCDなどにおける偏光板貼付用として好適である。
また、タッチパネルにおけるタッチ側表面や、透明プラスチック基材と透明導電性薄膜との間に好適に設けることができる。
【実施例】
【0040】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例で得られた分散体における金属酸化物粒子の平均粒径や分散性及び各例で得られたハードコートフィルムの性能は、下記の方法に従って測定した。
(1)分散体における金属酸化物粒子の平均粒径
マイクロトラック(日機装社製 動的光散乱法)により測定した。
(2)分散体における金属酸化物粒子の分散性
分散体を24時間静置した後の沈降の有無、及び流動性の有無を目視にて評価した。評価基準は以下のとおりである。ここで、沈降ありとは、溶媒と分散体が分離している状態を示し、沈降なしとは、溶媒と分散体が分離していない状態を示す。また、流動性ありとは、容器を傾けると液面が流動し、流動性なしとは容器を傾けても液面が流動しないことを示す。
○:沈降なし、かつ流動性あり
×:沈降あり、もしくは流動性なし
【0041】
<ハードコートフィルムの性能>
(3)全光透過率及びヘイズ値
ヘイズメーター[日本電色工業社製、機種名「NDH-2000]を用い、JIS K 7136に準拠して全光線透過率及びヘイズ値を測定した。
(4)鉛筆硬度
JIS K 5400に準拠して、鉛筆引掻塗膜硬さ試験機[東洋精機社製]を用い、鉛筆硬度を測定した。
また、各例で使用した重合性化合物A〜Dは、下記の構造を有する。
【0042】
【化2】

【0043】
【化3】

【0044】
【化4】

【0045】
【化5】

【0046】
実施例1
(1)分散体の調製
重合性化合物A[東亞合成社製、商品名「M-520」、アクリロイル基当量100g/eq、酸価25mgKOH/g]を15質量部、平均一次粒子径12nmのアルミナ粒子[アエロジル社製、商品名「AluC」]を30質量部及び疎水性溶媒であるメチルイソブチルケトンを55質量部用い、以下に示す方法により、分散体を調製した。
上記重合性化合物、アルミナ微粒子、疎水性溶媒を混合し、さらにジルコニアビーズを用いてペイントシェイカーにより分散した。
得られた分散体におけるアルミナ粒子の平均粒径は65nmであり、また分散性の評価は○であった。
(2)ハードコートフィルムの作製
上記(1)で調製した分散体を用い、以下に示す方法により、ハードコートフィルムを作製した。
(1)で調製した分散体を86質量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを13質量%、及びイルガキュア184を1質量%混合し、光透過性樹脂基材として40μmのセルローストリアセテートフィルムを用い、当該基材上に、乾燥重量15g/m2となるように塗布した。70℃にて30秒乾燥し、紫外線200mJ/cm2を照射して実施例1のハードコートフィルムを作製した。
諸特性を表1に示す。
【0047】
比較例1
実施例1において、重合性化合物Aの代わりに重合性化合物Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、分散体を調製した。良好な分散体が得られなかった。
【0048】
比較例2
実施例1において、重合性化合物Aの代わりに重合性化合物Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、分散体を調製し、ハードコートフィルムを作製した。諸特性を表1に示す。
【0049】
比較例3
実施例1において、重合性化合物Aの代わりに重合性化合物Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、分散体を調製した。良好な分散体が得られなかった。
【0050】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の金属酸化物粒子用表面処理剤は、金属酸化物粒子の凝集を効果的に抑制することから、ハードコート層形成用コーティング剤に、前記表面処理剤により処理された金属酸化物粒子を用いた場合、該粒子は安定した良好な分散性を示し、透明性及び耐擦傷性の向上したハードコートフィルムを与えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子中にカルボン酸基と、1分子当たり4個以上のエチレン性不飽和基とを有する重合性化合物からなる金属酸化物粒子用表面処理剤。
【請求項2】
重合性化合物のエチレン性不飽和基当量が、80〜200g/eqである請求項1に記載の金属酸化物粒子用表面処理剤。
【請求項3】
重合性化合物の酸価が、10〜50mgKOH/gである請求項1又は2に記載の金属酸化物粒子用表面処理剤。
【請求項4】
金属酸化物粒子が、チタニア粒子、ジルコニア粒子及びアルミナ粒子の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の金属酸化物粒子用表面処理剤。
【請求項5】
(A)電離放射線硬化型化合物、及び(B)請求項1〜4のいずれかに記載の表面処理剤により表面処理された金属酸化物粒子を含むことを特徴とするハードコート層形成用コーティング剤。
【請求項6】
(A)成分が、多官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は(メタ)アクリレート系オリゴマーである請求項5に記載のハードコート層形成用コーティング剤。
【請求項7】
(B)成分が、金属酸化物粒子100質量部を、表面処理剤20〜100質量部により表面処理してなる平均粒径1〜200nmのものである請求項5又は6に記載のハードコート層形成用コーティング剤。
【請求項8】
コーティング剤の固形分における金属酸化物粒子の含有量が10〜80質量%である請求項5〜7のいずれかに記載のハードコート層形成用コーティング剤。
【請求項9】
透明基材上に、請求項5〜8のいずれかに記載のコーティング剤の電離放射線による硬化物からなるハードコート層を有することを特徴とするハードコートフィルム。
【請求項10】
ハードコート層の厚さが、1〜100μmである請求項9に記載のハードコートフィルム。

【公開番号】特開2010−275483(P2010−275483A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−131189(P2009−131189)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】