鉄筋コンクリート橋脚
【課題】 橋脚下端付近及びラーメン橋脚の上端付近における軸方向鉄筋が大きな曲げモーメント作用時に座屈するのを有効に抑制するとともに、帯鉄筋及び中間拘束筋の配置を容易化する。
【解決手段】 橋脚コンクリート44中の表面近くに軸方向鉄筋41を配置し、この軸方向鉄筋より表面側のコンクリート中に、この軸方向鉄筋と接触又は近接するように横方向のプレキャストコンクリートの梁状部材42を配置する。この梁状部材にPC鋼材45によってプレストレスを導入し、上下方向に所定間隔をあけて、大きな曲げモーメントが作用する範囲に配置する。この梁状部材は、曲げ剛性によって軸方向鉄筋が外側に膨らみ出して座屈するのを有効に抑制する。
【解決手段】 橋脚コンクリート44中の表面近くに軸方向鉄筋41を配置し、この軸方向鉄筋より表面側のコンクリート中に、この軸方向鉄筋と接触又は近接するように横方向のプレキャストコンクリートの梁状部材42を配置する。この梁状部材にPC鋼材45によってプレストレスを導入し、上下方向に所定間隔をあけて、大きな曲げモーメントが作用する範囲に配置する。この梁状部材は、曲げ剛性によって軸方向鉄筋が外側に膨らみ出して座屈するのを有効に抑制する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリートフーチング又はケーソン等から立ち上げられ、橋桁を支持する橋脚に係り、特に地震時等において大きな曲げモーメントが繰り返し作用した場合に、大きな塑性変形を許容し、終局的な破壊が生じるのを抑制する鉄筋コンクリート橋脚に関する。
【背景技術】
【0002】
橋桁を支持する構造体として、鉄筋コンクリート橋脚は広く用いられている。一般に、鉄筋コンクリート橋脚は、フーチング又はケーソン等から上方に立ち上げられており、図13(a)に示すように支承103を介して連続桁102を支持する橋脚101、図13(b)に示すように、上端が橋桁105と連続して一体となったラーメン構造を形成する橋脚104などがある。
【0003】
図13(a)に示すような連続桁又は単純桁を支持する橋脚101では、地震時に大きな水平方向の慣性力が作用すると、橋脚101の下端付近に大きな曲げモーメントが作用する。また、図13(b)に示すようなラーメン構造では、橋脚104の下端の他に上端でも大きな曲げモーメントが作用する。このような大きな曲げモーメントに抵抗するために、橋脚のコンクリート断面内には、図14に示すように軸方向鉄筋110つまり上下方向の主鉄筋が配置され、これを取り囲むように軸線とほぼ直角方向の帯鉄筋111が配置されている。
【0004】
上記帯鉄筋111は、上下方向に所定間隔をあけて多数が配置されており、せん断力に抵抗するとともに、大きな曲げモーメントが作用したときに、軸方向鉄筋110が外側に膨らみ出すのを防止するものとなっている。つまり、次にような機構によって橋脚の終局耐力を向上するものとなっている。
【0005】
地震時の水平方向の慣性力等によって大きな曲げモーメントが橋脚断面に作用すると、引張縁付近では軸方向鉄筋110に降伏点に相当する応力度が作用し、圧縮縁付近ではコンクリートに圧縮強度を超える応力度が作用することがある。このように大きな曲げモーメントが繰り返し作用する場合には、圧縮側の軸方向鉄筋110より表面側のコンクリート、つまりかぶり部分のコンクリート112aが、図15(a)に示すように剥落し、大きな圧縮力によって軸方向鉄筋が座屈して外側に膨らみ出すことになる。このような状態となると軸方向鉄筋110の内側でコンクリート112の破壊が進み、橋脚は終局的な破壊に致る。
【0006】
これに対し、かぶり部分112aのコンクリートは大きな圧縮応力によって破壊し剥落しても、軸方向鉄筋110が座屈することなく維持されると、軸方向鉄筋110で囲まれた内側のコンクリート112は大きく崩れることなく保持され、橋脚はいわゆる塑性ヒンジとなって曲げモーメントに抵抗しつつ大きな塑性変形を許容することになる。このような状態では、地震動のエネルギーを吸収して、橋脚の振動が抑制されるとともに、終局的な倒壊が生じにくくなって、終局耐力が向上することが知られている。
【0007】
このため、鉄筋コンクリート橋脚には、曲げモーメントに抵抗する軸方向鉄筋110を配置するとともに、その周囲には、図15(b)に示すように軸方向鉄筋110を囲む横方向の帯鉄筋111を配置し、さらに中間拘束筋113によって橋脚の対向する側面付近の帯鉄筋を連結して相互の間隔を保持する。これにより、帯鉄筋111の曲げ剛性によって軸方向鉄筋110が外側に膨らみ出そうとするのを拘束するとともに、橋脚の対向する側面付近の間で帯鉄筋111の間隔を保持し、帯鉄筋111が外側へ押し出されるのを拘束して軸方向鉄筋110の座屈を防止するものとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような鉄筋コンクリート橋脚では次のような問題点がある。
上記のように帯鉄筋によって軸方向鉄筋の座屈を防止しようとすると、帯鉄筋としてかなり太径の鉄筋を用い、上下方向に小さな間隔で多数の帯鉄筋を密に配置しなければならない。また、それぞれの帯鉄筋は、橋脚の反対側の側面付近に配置される帯鉄筋と中間拘束筋によって連結する必要がある。このため、橋脚の下端付近、及びラーメン橋脚における上端付近で、軸方向鉄筋と帯鉄筋が極めて密に配置されることになり、鉄筋の組み立て作業が繁雑となって、作業効率が極めて悪いものとなる。
また、コンククリートの打設に際して、コンクリートが鉄筋間の隅々にまで充分に充填されない事態が生じやすくなってしまう。
【0009】
本願発明は、上記にような事情に鑑みてなされたものであり、橋脚下端付近及びラーメン橋脚の上端付近における軸方向鉄筋が大きな曲げモーメント作用時に座屈するのを有効に抑制するとともに、帯鉄筋及び中間拘束筋の配置を容易化することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、 鉄筋コンクリートからなり、支持地盤から上方に立ち上げられて橋桁を支持する橋脚であって、 コンクリート中の表面近くに軸方向鉄筋が配置され、 該軸方向鉄筋の表面側に、横方向のプレキャストコンクリートの梁状部材が、前記軸方向鉄筋と接触又は近接し、上下方向に所定間隔をあけて複数が配置され、 該プレキャストコンクリートの梁状部材は、該橋脚の反対側の側面に沿ってほぼ平行に配置された他のプレキャストコンクリートの梁状部材と所定間隔を保持するように連結されている鉄筋コンクリート橋脚を提供する。
【0011】
この橋脚では、大きな曲げモーメントが作用して、軸方向鉄筋のかぶり部分が剥落したときにも、プレキャストコンクリートの梁状部材が、軸方向鉄筋に接触又は近接した状態で維持される。このため、この梁状部材の曲げ剛性によって軸方向鉄筋が表面側に座屈するのが抑制される。
【0012】
なお、プレキャストコンクリートの梁状部材は、橋脚断面の全周にわたって配置し、これらを連結するのが望ましいが、反対側の側面に沿って配置された梁状部材を、橋脚断面を貫通する鋼棒又は鉄筋で連結するものであってもよい。また、全周にわたって梁状部材を配置した場合であっても、橋脚断面を貫通する鋼棒又は鉄筋で連結し、梁状部材に作用する曲げモーメントを低減するのが望ましい。
【0013】
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記梁状部材を構成するコンクリートは、該橋脚の本体部分を構成するコンクリートより強度が大きく設定されているものとする。
【0014】
この橋脚では、下端付近又は上端付近で大きな曲げモーメントが生じ、圧縮縁でコンクリートの破壊が生じて、軸方向鉄筋より表面側のかぶり部分のコンクリートが剥落しても、プレキャストコンクリートの梁状部材は大きく損傷することなく維持され、有効に軸方向鉄筋の座屈を抑えることができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記梁状部材にはプレストレスが導入されているものとする。
【0016】
この橋脚では、プレストレスによって梁状部材の曲げ耐力が大きくなっており、軸方向鉄筋の座屈を確実に抑制することができる。また、必要に応じてプレキャストコンクリートからなる梁状部材の断面を小さくすることができるし、橋脚の反対側の側面に沿って配置された梁状部材と連結する間隔を大きくすることができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記梁状部材には、複数の上下方向の貫通孔が設けられており、軸方向鉄筋が該貫通孔に挿通されているものとする。
【0018】
この橋脚では、軸方向鉄筋の変位が梁状部材によって確実に拘束される。そして、軸方向鉄筋が橋脚の側面に沿って2列以上配置されている場合に、表面側から2列目及びそれより内側の軸方向鉄筋も表面側に膨らみ出すのを拘束することができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 上下方向に間隔をあけて配置された複数の梁状部材間は、該梁状部材を構成するコンクリートと連続し、一体となった板状部によって連続しており、 該板状部及び前記梁状部材の連続体は該橋脚の全周を囲むように複数が配置され、 該橋脚の本体部分のコンクリートは、前記連続体を型枠として打設され、硬化して該板状部及び前記梁状部材と一体となっているものとする。
【0020】
上記のような構成により、梁状部材をあらかじめ上下方向に所定の間隔をあけて複数を一体にしておくことができ、効率よく梁状部材を配置することができる。また、プレキャストコンクリートの梁状部材を配置するとともに、橋脚本体部のコンクリートを打設するための型枠を設置することになり、作業効率が著しく向上する。さらに、複数の梁間には横方向の帯鉄筋を配置するのが望ましいが、プレキャスト部材内にあらかじめ帯鉄筋を配置しておくことができ、帯鉄筋の配置も効率よく行うことが可能となる。
【0021】
請求項6に係る発明は、 請求項5に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記板状部は、前記梁状部材の外側面と連続する立面を形成するものとする。
【0022】
このような橋脚では、プレキャストコンクリートの梁状部材を配置する範囲でも、橋脚の側面を凹凸のない平坦な立面とすることができ、橋脚の外観を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本願に係る発明では、橋脚の周囲を囲むようにプレキャストコンクりートの梁状部材を配置し、枠状に組み立てて軸方向鉄筋を拘束することにより、同様に軸方向鉄筋の座屈を抑制する帯鉄筋及び中間拘束筋を不要とするか又は必要量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、他の構成を備えたものを参考に示す平断面図である。また、図2は同じ橋脚の下端付近の立断面図である。
この鉄筋コンクリート橋脚1は、図13(a)に示す橋脚と同様にコンクリートのフーチング2上に立ち上げられ、プレストレストコンクリートの連続桁を支持するものである。この橋脚では、地震時における水平力によって下端付近に大きな曲げモーメントが繰り返し作用することになり、この部分に塑性ヒンジが生じる。
【0025】
この橋脚1は、図1に示すように中実の矩形断面となっており、側面に沿って軸方向鉄筋11(上下方向の鉄筋であって、主鉄筋となる)が配置されている。この軸方向鉄筋11は、図2に示すように下端部がフーチング2に埋め込まれて、鉛直方向に立ち上げられており、複数本が橋脚1の側面に沿って配列される。その配列は、この橋脚1の平断面内で表面側に凸状となる湾曲した仮想線に沿った位置となっている。上記軸方向鉄筋11の表面側には、ほぼ水平方向にPC鋼棒12が配置され、緊張力を導入して橋脚断面の隅角部で定着されている。
【0026】
このPC鋼棒12は、上記軸方向鉄筋11と接触し、表面側に凸状に湾曲した形状となっている。そして、橋脚1の4つの側面に沿って4本がそれぞれ配置され、隅角部で端部が交差するものとなっている。これらのPC鋼棒は図2に示すように上下方向に所定間隔で配置される。それぞれのPC鋼棒12は、コンクリート13中に埋め込んだ筒状のシース内に配置され、このシースが軸方向鉄筋11と接している。シース内には、PC鋼棒に緊張力を導入して定着した後にグラウトが注入され、コンクリートと一体とされている。
【0027】
橋脚のコンクリート13内には、上記PC鋼棒を反対側の側面付近に配置されたPC鋼棒と互いに連結する中間拘束筋14が配置されている。この中間拘束筋14は、大きな曲げモーメントが作用した時に、PC鋼棒12が外側に押し出されるのを拘束するように互いにPC鋼棒12を連結するものである。中間拘束筋14の両端部は、フック状に曲げ加工され、それぞれPC鋼棒12に係止されている。
【0028】
上記のようにPC鋼棒12が配置される範囲は、フーチング2と接合される下端から部材の有効高さdの2倍程度の高さまでとなっている。ここで有効高さdは、軸線と直角方向の断面内における圧縮縁から引張材(軸方向鉄筋)の図心までの距離であり、この橋脚の場合、図1中に符号Dで示す距離である。
【0029】
なお、上記橋脚1は、橋桁を支承を介して支持するものであり、橋脚上端部では大きな曲げモーメントは生じないが、図13(b)に示すようなラーメン構造の橋脚では上端付近も同様にPC鋼棒を配置することができる。そして、上記範囲以外は、図3に示すように軸方向鉄筋11を囲むように帯鉄筋15及び中間拘束筋16が配置されている。
【0030】
この鉄筋コンクリート橋脚1では、地震時等に大きな水平方向の慣性力が作用し、橋脚の下端付近で生じる大きな曲げモーメントで、軸方向鉄筋11より表面側のコンクリートつまりかぶり部分のコンクリートが剥落するような場合にも、PC鋼棒12が軸方向鉄筋を表面側から拘束し、軸方向鉄筋11が外側に膨らみ出して座屈するのを抑制する。
【0031】
上記PC鋼棒12は両端が定着プレート等によりしっかりとコンクリートに固定され、緊張力が導入されているので、湾曲した形状の内側に法線方向の力が作用する。この力は軸方向鉄筋11が外側に変位するのを拘束するものとなる。また、PC鋼棒12は、両端部がコンクリート13に固着され、中間部は中間拘束筋14によって位置が拘束されるとともに、それ自身が曲げ剛性を有することによって軸方向鉄筋11を拘束する。さらに、PC鋼棒12には緊張力が導入されているので、図16(a)に示すように、軸方向鉄筋11が表面側に変位しようとしてPC鋼棒12を表面側に変形させると緊張力による復元力が作用する。したがって、PC鋼棒の見かけの曲げ剛性(作用する力の幾何学的な方向等による効果を含む曲げ剛性)が大きくなり、PC鋼棒12の上下方向の配置間隔を大きく設定しても、軸方向鉄筋11の座屈を有効に抑制することができる。また、見かけの曲げ剛性が大きくなっているので、中間拘束筋14の配置間隔を大きくしても、PC鋼棒12が軸方向鉄筋11に対して大きな拘束力を有することになる。
【0032】
図4は、本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚の他の例を参考に示す平断面図である。
この橋脚20は、図1及び図2に示す橋脚と同様に下端付近に水平方向のPC鋼棒22が配置されているが、PC鋼棒22は直線状に配置され、定着端部付近つまり橋脚断面の隅角部は、PC鋼棒22の定着端部22aを保護するように断面が拡大されている。また、軸方向鉄筋21はPC鋼棒22に沿って配列され、いずれもがPC鋼棒22と接するように配置されている。
なお、上記PC鋼棒22の配置範囲及び中間拘束筋23の形状及び配置間隔等は、図1及び図2に記載の橋脚と同じである。
【0033】
この橋脚では、PC鋼棒22が直線状に配置されているので、導入された緊張力によって常に軸方向鉄筋21を内側に押し付ける力は作用しないが、PC鋼棒自体の曲げ剛性及び変位が生じたときの緊張力による復元力は作用し、軸方向鉄筋21の変位を強く拘束することができる。したがって、図1及び図2に示す橋脚と同様の効果が得られる。
【0034】
図5は、本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、断面が円形となったものを参考に示す平断面図である。
この橋脚30は断面が円形となっており、周面に沿って複数の軸方向鉄筋31が配置されている。そして、これらの軸方向鉄筋31に接触し、これらを囲むようにPC鋼より線32が環状に配置され、緊張力が導入された状態で両端部が一つの定着具33に定着されている。定着具33は、図6に示すように、二つの筒状部33a、33bがほぼX字状に一体となった形状であり、鋳造によって製作されるものである。PC鋼より線32a、32bは、互いに反対側から上記二つの筒状部33a、33bにそれぞれ挿通され、互いに反対方向に緊張してくさび33c及び環状のコーン33dによって定着される。また、一方をあらかじめくさび33cによって定着しておき、他方の端部から緊張力を導入して定着することもできる。
【0035】
定着具33は、橋脚の本体部分のコンクリート34に設けられた切り欠き34a内に配置され、緊張力を導入して定着した後に、上記切り欠き内にコンクリートを充填して定着具33が埋め込まれている。また、上記PC鋼より線32はシース35内に配置され、緊張力を導入した後にグラウトが注入されている。
【0036】
この橋脚30では、環状に配置されたPC鋼より線32によって軸方向鉄筋31を橋脚断面の中心方向に押しつける力が作用している。また、PC鋼より線32は、それ自体の曲げ剛性は小さいが、外側へ押し出されるような変形に対して強い復元力が作用し、軸方向鉄筋31が外側に膨らみ出そうとするのを強く拘束することができる。これにより、軸方向鉄筋31の座屈が有効に抑制される。
【0037】
図7は、請求項1,請求項2又は請求項3に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の平断面図である。また、図8は同じ橋脚の立断面図である。
この橋脚40は、中実の矩形断面を有するものであり、下端付近には水平方向のプレキャストコンクリートの梁状部材42が、橋脚の4つの側面に沿って、周囲を囲むように取り付けられている。そして、それぞれの梁状部材42は両端部がそれぞれ隣接する梁状部材と連結され、枠状に組み立てられている。
【0038】
上記梁状部材42は、図8に示すように上下方向に所定の間隔をあけて複数段に配置され、軸方向鉄筋41は上記梁状部材42の内側に接するように配置されている。上下に間隔をあけて配置された梁状部材42間では、図8に示すように軸方向鉄筋41を囲む帯鉄筋43が配置されている。そして、橋脚の本体部分を構成するコンクリート44は、上記軸方向鉄筋41、帯鉄筋43及び梁状部材42の一部を埋め込むように打設されている。
【0039】
上記梁状部材42には、軸線方向にPC鋼材45が配置され、緊張力が導入されている。これによって、プレストレスが導入されるとともに、これらのPC鋼材によって橋脚の4側面に沿って支持された梁状部材の両端部を互いに連結するものとなっている。
【0040】
上記PC鋼材45は、梁状部材42の平断面内で外側に凸状となるように配置され、梁状部材42に橋脚断面の内側にある軸方向鉄筋41から外側に押し出そうとする力が作用して、梁状部材42に曲げモーメントが作用しても、これに充分抵抗することができるようになっている。また、梁状部材42は平行に配置された反対側の梁状部材と互いに鉄筋46によって連結されており、内側から外側に作用する力による曲げモーメントが低減されるものとなっている。
【0041】
この橋脚40では、地震時に大きな曲げモーメントが下端付近に作用すると、軸方向鉄筋41に降伏点に近い応力度が作用するとともに、コンクリート44の圧縮縁には圧縮強度を超える応力度が発生し、コンクリートの圧縮破壊が表面近くから始まる。このとき、梁状部材42は断面が拡大されていること及び梁状部材42はプレキャストコンクリートからなりコンクリート強度が本体部分のコンクリート44より大きくなっていることから、梁状部材間のコンクリート44aから圧縮破壊が生じ、梁状部材42は、橋脚断面を囲んだ状態のまま残る。このため、橋脚下端に繰り返し大きな曲げモーメントが作用して、軸方向鉄筋41に大きな圧縮応力が生じ、軸方向鉄筋41が外側に座屈しようとしたときに、上記梁状部材42がこれを拘束する。したがって、軸方向鉄筋の座屈が抑制され、軸方向鉄筋の内側のコンクリートは急激に破壊することなく、塑性ヒンジとして大きな変形を許容することになる。
【0042】
図9は、請求項4に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の平断面図である。また、図10は同じ橋脚の立断面図である。
この橋脚50では、図7及び図8に示される橋脚と同様に、下端部の所定範囲に、プレキャストコンクリートの梁状部材52が、水平方向の枠状に組み立てられ、断面の周囲に支持されている。ただし、ここで用いられている梁状部材52は軸線方向に所定間隔で上下方向の貫通孔52aが設けられている。そして、橋脚の軸方向鉄筋51は4つの側面に沿ってそれぞれ2列ずつが配置され、外側列の軸方向鉄筋51aが、上記梁状部材52の貫通孔に挿通されている。また内側列の軸方向鉄筋51bは、枠状に連結された梁状部材52の内側面に接触するように配置されている。
【0043】
このような橋脚50では、軸方向鉄筋51が側面に沿って2列が配置されていても、それぞれの列について、軸方向鉄筋51の外側への変位が拘束され、外側へ座屈するのが拘束される。
【0044】
図11は、請求項5に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の立断面図である。
この橋脚60は、下端付近の所定範囲で、複数段に間隔をあけて配置されたプレキャストコンクリートの梁状部材62aが、一体に連続した板状部分62bによって連結され連続体となっている。つまり、プレキャストコンクリート部材として、複数の梁状部材62aとこれをらの間で連続する板状部分62bとからなるパネル状の連続体62を工場又は製作ヤードで製作し、これらをフーチング2から立ち上げられた軸方向鉄筋61の周囲を取り囲むように設置する。そして、これらを型枠として内側に本体部分のコンクリート64を打設したものである。また、上記板状部分62bにはあらかじめ帯鉄筋63を埋め込んでおくことにより、これらを組み立てる現場で帯鉄筋63を配置する必要がなくなる。また、これらパネル状の連続体62を組み立てるときに、平行な反対側の側面に沿って配置される連続体を互いに鉄筋66で連結することによってこれらのパネル状の連続体を所定位置にしっかりと組み立てることができ、さらに橋脚完成後は、これらの鉄筋66が中間拘束筋となる。したがって、このような橋脚を構築する際に、現場での作業を効率よく行うことが可能となる。
【0045】
図12は、請求項6に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の立断面図である。
この橋脚70は、図11に示す橋脚と同様に、複数のプレキャストコンクリートの梁状部材72aを上下方向に板状部分72bで連続するように形成した連続体72を用いるものであるが、梁状部材72aが板状部分72bより内側に突出しており、梁状部材72aの先端が軸方向鉄筋71に接触するものとなっている。そして、パネル状となったプレキャストコンクリートからなる連続体72の外側面は平坦な立面となっている。
【0046】
このように組み立てられたプレキャストコンクリートの連続体72を型枠として、これらに囲まれた内側に本体部分のコンクリート74を打設し、プレキャストコンクリート部材と本体部分のコンクリート74とを一体とする。このような橋脚70では、図11に記載の橋脚と同様に、効率よく構築することができるとともに、外側面を平坦な立面として良好な外観とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、他の構成を備えたものを参考に示す平断面図である。
【図2】図1に示す橋脚の下端付近の立断面図である。
【図3】図1に示す橋脚の上部の平断面図である。
【図4】本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚の他の例を参考に示す平断面図である。
【図5】本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、断面が円形となったものを参考に示す平断面図である。
【図6】図5に示す鉄筋コンクリート橋脚で用いられるPC鋼材の定着具を示す断面図及び正面図である。
【図7】請求項1,請求項2又は請求項3に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の平断面図である。
【図8】図7に示す橋脚の下端付近の立断面図である。
【図9】請求項4に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の平断面図である。
【図10】図9に示す橋脚の下端付近の立断面図である。
【図11】請求項5に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の立断面図である。
【図12】請求項6に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の立平断面図である。
【図13】本願発明に係る鉄筋コンクリート橋脚が適用される橋梁の例を示す概略側面図である。
【図14】従来の鉄筋コンクリート橋脚の平断面図である。
【図15】従来の鉄筋コンクリート橋脚の問題点を示す立断面図である。
【図16】本願発明におけるPC鋼材の緊張力の作用を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1、20、30、40、50、60、70 橋脚
2 フーチング
11、21、31、41、51、61、71 軸方向鉄筋
12、22 PC鋼棒
13、34、44、54、64、74 コンクリート
14、16、23 中間拘束筋
15、43、53、63、73 帯鉄筋
32 PC鋼より線
33 定着具
35 シース
42、52、62a、72a 梁状部材
45、55、65 PC鋼材
46、56、66 鉄筋
62、72 連続体
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コンクリートフーチング又はケーソン等から立ち上げられ、橋桁を支持する橋脚に係り、特に地震時等において大きな曲げモーメントが繰り返し作用した場合に、大きな塑性変形を許容し、終局的な破壊が生じるのを抑制する鉄筋コンクリート橋脚に関する。
【背景技術】
【0002】
橋桁を支持する構造体として、鉄筋コンクリート橋脚は広く用いられている。一般に、鉄筋コンクリート橋脚は、フーチング又はケーソン等から上方に立ち上げられており、図13(a)に示すように支承103を介して連続桁102を支持する橋脚101、図13(b)に示すように、上端が橋桁105と連続して一体となったラーメン構造を形成する橋脚104などがある。
【0003】
図13(a)に示すような連続桁又は単純桁を支持する橋脚101では、地震時に大きな水平方向の慣性力が作用すると、橋脚101の下端付近に大きな曲げモーメントが作用する。また、図13(b)に示すようなラーメン構造では、橋脚104の下端の他に上端でも大きな曲げモーメントが作用する。このような大きな曲げモーメントに抵抗するために、橋脚のコンクリート断面内には、図14に示すように軸方向鉄筋110つまり上下方向の主鉄筋が配置され、これを取り囲むように軸線とほぼ直角方向の帯鉄筋111が配置されている。
【0004】
上記帯鉄筋111は、上下方向に所定間隔をあけて多数が配置されており、せん断力に抵抗するとともに、大きな曲げモーメントが作用したときに、軸方向鉄筋110が外側に膨らみ出すのを防止するものとなっている。つまり、次にような機構によって橋脚の終局耐力を向上するものとなっている。
【0005】
地震時の水平方向の慣性力等によって大きな曲げモーメントが橋脚断面に作用すると、引張縁付近では軸方向鉄筋110に降伏点に相当する応力度が作用し、圧縮縁付近ではコンクリートに圧縮強度を超える応力度が作用することがある。このように大きな曲げモーメントが繰り返し作用する場合には、圧縮側の軸方向鉄筋110より表面側のコンクリート、つまりかぶり部分のコンクリート112aが、図15(a)に示すように剥落し、大きな圧縮力によって軸方向鉄筋が座屈して外側に膨らみ出すことになる。このような状態となると軸方向鉄筋110の内側でコンクリート112の破壊が進み、橋脚は終局的な破壊に致る。
【0006】
これに対し、かぶり部分112aのコンクリートは大きな圧縮応力によって破壊し剥落しても、軸方向鉄筋110が座屈することなく維持されると、軸方向鉄筋110で囲まれた内側のコンクリート112は大きく崩れることなく保持され、橋脚はいわゆる塑性ヒンジとなって曲げモーメントに抵抗しつつ大きな塑性変形を許容することになる。このような状態では、地震動のエネルギーを吸収して、橋脚の振動が抑制されるとともに、終局的な倒壊が生じにくくなって、終局耐力が向上することが知られている。
【0007】
このため、鉄筋コンクリート橋脚には、曲げモーメントに抵抗する軸方向鉄筋110を配置するとともに、その周囲には、図15(b)に示すように軸方向鉄筋110を囲む横方向の帯鉄筋111を配置し、さらに中間拘束筋113によって橋脚の対向する側面付近の帯鉄筋を連結して相互の間隔を保持する。これにより、帯鉄筋111の曲げ剛性によって軸方向鉄筋110が外側に膨らみ出そうとするのを拘束するとともに、橋脚の対向する側面付近の間で帯鉄筋111の間隔を保持し、帯鉄筋111が外側へ押し出されるのを拘束して軸方向鉄筋110の座屈を防止するものとなっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のような鉄筋コンクリート橋脚では次のような問題点がある。
上記のように帯鉄筋によって軸方向鉄筋の座屈を防止しようとすると、帯鉄筋としてかなり太径の鉄筋を用い、上下方向に小さな間隔で多数の帯鉄筋を密に配置しなければならない。また、それぞれの帯鉄筋は、橋脚の反対側の側面付近に配置される帯鉄筋と中間拘束筋によって連結する必要がある。このため、橋脚の下端付近、及びラーメン橋脚における上端付近で、軸方向鉄筋と帯鉄筋が極めて密に配置されることになり、鉄筋の組み立て作業が繁雑となって、作業効率が極めて悪いものとなる。
また、コンククリートの打設に際して、コンクリートが鉄筋間の隅々にまで充分に充填されない事態が生じやすくなってしまう。
【0009】
本願発明は、上記にような事情に鑑みてなされたものであり、橋脚下端付近及びラーメン橋脚の上端付近における軸方向鉄筋が大きな曲げモーメント作用時に座屈するのを有効に抑制するとともに、帯鉄筋及び中間拘束筋の配置を容易化することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、 鉄筋コンクリートからなり、支持地盤から上方に立ち上げられて橋桁を支持する橋脚であって、 コンクリート中の表面近くに軸方向鉄筋が配置され、 該軸方向鉄筋の表面側に、横方向のプレキャストコンクリートの梁状部材が、前記軸方向鉄筋と接触又は近接し、上下方向に所定間隔をあけて複数が配置され、 該プレキャストコンクリートの梁状部材は、該橋脚の反対側の側面に沿ってほぼ平行に配置された他のプレキャストコンクリートの梁状部材と所定間隔を保持するように連結されている鉄筋コンクリート橋脚を提供する。
【0011】
この橋脚では、大きな曲げモーメントが作用して、軸方向鉄筋のかぶり部分が剥落したときにも、プレキャストコンクリートの梁状部材が、軸方向鉄筋に接触又は近接した状態で維持される。このため、この梁状部材の曲げ剛性によって軸方向鉄筋が表面側に座屈するのが抑制される。
【0012】
なお、プレキャストコンクリートの梁状部材は、橋脚断面の全周にわたって配置し、これらを連結するのが望ましいが、反対側の側面に沿って配置された梁状部材を、橋脚断面を貫通する鋼棒又は鉄筋で連結するものであってもよい。また、全周にわたって梁状部材を配置した場合であっても、橋脚断面を貫通する鋼棒又は鉄筋で連結し、梁状部材に作用する曲げモーメントを低減するのが望ましい。
【0013】
請求項2に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記梁状部材を構成するコンクリートは、該橋脚の本体部分を構成するコンクリートより強度が大きく設定されているものとする。
【0014】
この橋脚では、下端付近又は上端付近で大きな曲げモーメントが生じ、圧縮縁でコンクリートの破壊が生じて、軸方向鉄筋より表面側のかぶり部分のコンクリートが剥落しても、プレキャストコンクリートの梁状部材は大きく損傷することなく維持され、有効に軸方向鉄筋の座屈を抑えることができる。
【0015】
請求項3に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記梁状部材にはプレストレスが導入されているものとする。
【0016】
この橋脚では、プレストレスによって梁状部材の曲げ耐力が大きくなっており、軸方向鉄筋の座屈を確実に抑制することができる。また、必要に応じてプレキャストコンクリートからなる梁状部材の断面を小さくすることができるし、橋脚の反対側の側面に沿って配置された梁状部材と連結する間隔を大きくすることができる。
【0017】
請求項4に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記梁状部材には、複数の上下方向の貫通孔が設けられており、軸方向鉄筋が該貫通孔に挿通されているものとする。
【0018】
この橋脚では、軸方向鉄筋の変位が梁状部材によって確実に拘束される。そして、軸方向鉄筋が橋脚の側面に沿って2列以上配置されている場合に、表面側から2列目及びそれより内側の軸方向鉄筋も表面側に膨らみ出すのを拘束することができる。
【0019】
請求項5に係る発明は、 請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 上下方向に間隔をあけて配置された複数の梁状部材間は、該梁状部材を構成するコンクリートと連続し、一体となった板状部によって連続しており、 該板状部及び前記梁状部材の連続体は該橋脚の全周を囲むように複数が配置され、 該橋脚の本体部分のコンクリートは、前記連続体を型枠として打設され、硬化して該板状部及び前記梁状部材と一体となっているものとする。
【0020】
上記のような構成により、梁状部材をあらかじめ上下方向に所定の間隔をあけて複数を一体にしておくことができ、効率よく梁状部材を配置することができる。また、プレキャストコンクリートの梁状部材を配置するとともに、橋脚本体部のコンクリートを打設するための型枠を設置することになり、作業効率が著しく向上する。さらに、複数の梁間には横方向の帯鉄筋を配置するのが望ましいが、プレキャスト部材内にあらかじめ帯鉄筋を配置しておくことができ、帯鉄筋の配置も効率よく行うことが可能となる。
【0021】
請求項6に係る発明は、 請求項5に記載の鉄筋コンクリート橋脚において、 前記板状部は、前記梁状部材の外側面と連続する立面を形成するものとする。
【0022】
このような橋脚では、プレキャストコンクリートの梁状部材を配置する範囲でも、橋脚の側面を凹凸のない平坦な立面とすることができ、橋脚の外観を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本願に係る発明では、橋脚の周囲を囲むようにプレキャストコンクりートの梁状部材を配置し、枠状に組み立てて軸方向鉄筋を拘束することにより、同様に軸方向鉄筋の座屈を抑制する帯鉄筋及び中間拘束筋を不要とするか又は必要量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、他の構成を備えたものを参考に示す平断面図である。また、図2は同じ橋脚の下端付近の立断面図である。
この鉄筋コンクリート橋脚1は、図13(a)に示す橋脚と同様にコンクリートのフーチング2上に立ち上げられ、プレストレストコンクリートの連続桁を支持するものである。この橋脚では、地震時における水平力によって下端付近に大きな曲げモーメントが繰り返し作用することになり、この部分に塑性ヒンジが生じる。
【0025】
この橋脚1は、図1に示すように中実の矩形断面となっており、側面に沿って軸方向鉄筋11(上下方向の鉄筋であって、主鉄筋となる)が配置されている。この軸方向鉄筋11は、図2に示すように下端部がフーチング2に埋め込まれて、鉛直方向に立ち上げられており、複数本が橋脚1の側面に沿って配列される。その配列は、この橋脚1の平断面内で表面側に凸状となる湾曲した仮想線に沿った位置となっている。上記軸方向鉄筋11の表面側には、ほぼ水平方向にPC鋼棒12が配置され、緊張力を導入して橋脚断面の隅角部で定着されている。
【0026】
このPC鋼棒12は、上記軸方向鉄筋11と接触し、表面側に凸状に湾曲した形状となっている。そして、橋脚1の4つの側面に沿って4本がそれぞれ配置され、隅角部で端部が交差するものとなっている。これらのPC鋼棒は図2に示すように上下方向に所定間隔で配置される。それぞれのPC鋼棒12は、コンクリート13中に埋め込んだ筒状のシース内に配置され、このシースが軸方向鉄筋11と接している。シース内には、PC鋼棒に緊張力を導入して定着した後にグラウトが注入され、コンクリートと一体とされている。
【0027】
橋脚のコンクリート13内には、上記PC鋼棒を反対側の側面付近に配置されたPC鋼棒と互いに連結する中間拘束筋14が配置されている。この中間拘束筋14は、大きな曲げモーメントが作用した時に、PC鋼棒12が外側に押し出されるのを拘束するように互いにPC鋼棒12を連結するものである。中間拘束筋14の両端部は、フック状に曲げ加工され、それぞれPC鋼棒12に係止されている。
【0028】
上記のようにPC鋼棒12が配置される範囲は、フーチング2と接合される下端から部材の有効高さdの2倍程度の高さまでとなっている。ここで有効高さdは、軸線と直角方向の断面内における圧縮縁から引張材(軸方向鉄筋)の図心までの距離であり、この橋脚の場合、図1中に符号Dで示す距離である。
【0029】
なお、上記橋脚1は、橋桁を支承を介して支持するものであり、橋脚上端部では大きな曲げモーメントは生じないが、図13(b)に示すようなラーメン構造の橋脚では上端付近も同様にPC鋼棒を配置することができる。そして、上記範囲以外は、図3に示すように軸方向鉄筋11を囲むように帯鉄筋15及び中間拘束筋16が配置されている。
【0030】
この鉄筋コンクリート橋脚1では、地震時等に大きな水平方向の慣性力が作用し、橋脚の下端付近で生じる大きな曲げモーメントで、軸方向鉄筋11より表面側のコンクリートつまりかぶり部分のコンクリートが剥落するような場合にも、PC鋼棒12が軸方向鉄筋を表面側から拘束し、軸方向鉄筋11が外側に膨らみ出して座屈するのを抑制する。
【0031】
上記PC鋼棒12は両端が定着プレート等によりしっかりとコンクリートに固定され、緊張力が導入されているので、湾曲した形状の内側に法線方向の力が作用する。この力は軸方向鉄筋11が外側に変位するのを拘束するものとなる。また、PC鋼棒12は、両端部がコンクリート13に固着され、中間部は中間拘束筋14によって位置が拘束されるとともに、それ自身が曲げ剛性を有することによって軸方向鉄筋11を拘束する。さらに、PC鋼棒12には緊張力が導入されているので、図16(a)に示すように、軸方向鉄筋11が表面側に変位しようとしてPC鋼棒12を表面側に変形させると緊張力による復元力が作用する。したがって、PC鋼棒の見かけの曲げ剛性(作用する力の幾何学的な方向等による効果を含む曲げ剛性)が大きくなり、PC鋼棒12の上下方向の配置間隔を大きく設定しても、軸方向鉄筋11の座屈を有効に抑制することができる。また、見かけの曲げ剛性が大きくなっているので、中間拘束筋14の配置間隔を大きくしても、PC鋼棒12が軸方向鉄筋11に対して大きな拘束力を有することになる。
【0032】
図4は、本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚の他の例を参考に示す平断面図である。
この橋脚20は、図1及び図2に示す橋脚と同様に下端付近に水平方向のPC鋼棒22が配置されているが、PC鋼棒22は直線状に配置され、定着端部付近つまり橋脚断面の隅角部は、PC鋼棒22の定着端部22aを保護するように断面が拡大されている。また、軸方向鉄筋21はPC鋼棒22に沿って配列され、いずれもがPC鋼棒22と接するように配置されている。
なお、上記PC鋼棒22の配置範囲及び中間拘束筋23の形状及び配置間隔等は、図1及び図2に記載の橋脚と同じである。
【0033】
この橋脚では、PC鋼棒22が直線状に配置されているので、導入された緊張力によって常に軸方向鉄筋21を内側に押し付ける力は作用しないが、PC鋼棒自体の曲げ剛性及び変位が生じたときの緊張力による復元力は作用し、軸方向鉄筋21の変位を強く拘束することができる。したがって、図1及び図2に示す橋脚と同様の効果が得られる。
【0034】
図5は、本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、断面が円形となったものを参考に示す平断面図である。
この橋脚30は断面が円形となっており、周面に沿って複数の軸方向鉄筋31が配置されている。そして、これらの軸方向鉄筋31に接触し、これらを囲むようにPC鋼より線32が環状に配置され、緊張力が導入された状態で両端部が一つの定着具33に定着されている。定着具33は、図6に示すように、二つの筒状部33a、33bがほぼX字状に一体となった形状であり、鋳造によって製作されるものである。PC鋼より線32a、32bは、互いに反対側から上記二つの筒状部33a、33bにそれぞれ挿通され、互いに反対方向に緊張してくさび33c及び環状のコーン33dによって定着される。また、一方をあらかじめくさび33cによって定着しておき、他方の端部から緊張力を導入して定着することもできる。
【0035】
定着具33は、橋脚の本体部分のコンクリート34に設けられた切り欠き34a内に配置され、緊張力を導入して定着した後に、上記切り欠き内にコンクリートを充填して定着具33が埋め込まれている。また、上記PC鋼より線32はシース35内に配置され、緊張力を導入した後にグラウトが注入されている。
【0036】
この橋脚30では、環状に配置されたPC鋼より線32によって軸方向鉄筋31を橋脚断面の中心方向に押しつける力が作用している。また、PC鋼より線32は、それ自体の曲げ剛性は小さいが、外側へ押し出されるような変形に対して強い復元力が作用し、軸方向鉄筋31が外側に膨らみ出そうとするのを強く拘束することができる。これにより、軸方向鉄筋31の座屈が有効に抑制される。
【0037】
図7は、請求項1,請求項2又は請求項3に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の平断面図である。また、図8は同じ橋脚の立断面図である。
この橋脚40は、中実の矩形断面を有するものであり、下端付近には水平方向のプレキャストコンクリートの梁状部材42が、橋脚の4つの側面に沿って、周囲を囲むように取り付けられている。そして、それぞれの梁状部材42は両端部がそれぞれ隣接する梁状部材と連結され、枠状に組み立てられている。
【0038】
上記梁状部材42は、図8に示すように上下方向に所定の間隔をあけて複数段に配置され、軸方向鉄筋41は上記梁状部材42の内側に接するように配置されている。上下に間隔をあけて配置された梁状部材42間では、図8に示すように軸方向鉄筋41を囲む帯鉄筋43が配置されている。そして、橋脚の本体部分を構成するコンクリート44は、上記軸方向鉄筋41、帯鉄筋43及び梁状部材42の一部を埋め込むように打設されている。
【0039】
上記梁状部材42には、軸線方向にPC鋼材45が配置され、緊張力が導入されている。これによって、プレストレスが導入されるとともに、これらのPC鋼材によって橋脚の4側面に沿って支持された梁状部材の両端部を互いに連結するものとなっている。
【0040】
上記PC鋼材45は、梁状部材42の平断面内で外側に凸状となるように配置され、梁状部材42に橋脚断面の内側にある軸方向鉄筋41から外側に押し出そうとする力が作用して、梁状部材42に曲げモーメントが作用しても、これに充分抵抗することができるようになっている。また、梁状部材42は平行に配置された反対側の梁状部材と互いに鉄筋46によって連結されており、内側から外側に作用する力による曲げモーメントが低減されるものとなっている。
【0041】
この橋脚40では、地震時に大きな曲げモーメントが下端付近に作用すると、軸方向鉄筋41に降伏点に近い応力度が作用するとともに、コンクリート44の圧縮縁には圧縮強度を超える応力度が発生し、コンクリートの圧縮破壊が表面近くから始まる。このとき、梁状部材42は断面が拡大されていること及び梁状部材42はプレキャストコンクリートからなりコンクリート強度が本体部分のコンクリート44より大きくなっていることから、梁状部材間のコンクリート44aから圧縮破壊が生じ、梁状部材42は、橋脚断面を囲んだ状態のまま残る。このため、橋脚下端に繰り返し大きな曲げモーメントが作用して、軸方向鉄筋41に大きな圧縮応力が生じ、軸方向鉄筋41が外側に座屈しようとしたときに、上記梁状部材42がこれを拘束する。したがって、軸方向鉄筋の座屈が抑制され、軸方向鉄筋の内側のコンクリートは急激に破壊することなく、塑性ヒンジとして大きな変形を許容することになる。
【0042】
図9は、請求項4に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の平断面図である。また、図10は同じ橋脚の立断面図である。
この橋脚50では、図7及び図8に示される橋脚と同様に、下端部の所定範囲に、プレキャストコンクリートの梁状部材52が、水平方向の枠状に組み立てられ、断面の周囲に支持されている。ただし、ここで用いられている梁状部材52は軸線方向に所定間隔で上下方向の貫通孔52aが設けられている。そして、橋脚の軸方向鉄筋51は4つの側面に沿ってそれぞれ2列ずつが配置され、外側列の軸方向鉄筋51aが、上記梁状部材52の貫通孔に挿通されている。また内側列の軸方向鉄筋51bは、枠状に連結された梁状部材52の内側面に接触するように配置されている。
【0043】
このような橋脚50では、軸方向鉄筋51が側面に沿って2列が配置されていても、それぞれの列について、軸方向鉄筋51の外側への変位が拘束され、外側へ座屈するのが拘束される。
【0044】
図11は、請求項5に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の立断面図である。
この橋脚60は、下端付近の所定範囲で、複数段に間隔をあけて配置されたプレキャストコンクリートの梁状部材62aが、一体に連続した板状部分62bによって連結され連続体となっている。つまり、プレキャストコンクリート部材として、複数の梁状部材62aとこれをらの間で連続する板状部分62bとからなるパネル状の連続体62を工場又は製作ヤードで製作し、これらをフーチング2から立ち上げられた軸方向鉄筋61の周囲を取り囲むように設置する。そして、これらを型枠として内側に本体部分のコンクリート64を打設したものである。また、上記板状部分62bにはあらかじめ帯鉄筋63を埋め込んでおくことにより、これらを組み立てる現場で帯鉄筋63を配置する必要がなくなる。また、これらパネル状の連続体62を組み立てるときに、平行な反対側の側面に沿って配置される連続体を互いに鉄筋66で連結することによってこれらのパネル状の連続体を所定位置にしっかりと組み立てることができ、さらに橋脚完成後は、これらの鉄筋66が中間拘束筋となる。したがって、このような橋脚を構築する際に、現場での作業を効率よく行うことが可能となる。
【0045】
図12は、請求項6に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の立断面図である。
この橋脚70は、図11に示す橋脚と同様に、複数のプレキャストコンクリートの梁状部材72aを上下方向に板状部分72bで連続するように形成した連続体72を用いるものであるが、梁状部材72aが板状部分72bより内側に突出しており、梁状部材72aの先端が軸方向鉄筋71に接触するものとなっている。そして、パネル状となったプレキャストコンクリートからなる連続体72の外側面は平坦な立面となっている。
【0046】
このように組み立てられたプレキャストコンクリートの連続体72を型枠として、これらに囲まれた内側に本体部分のコンクリート74を打設し、プレキャストコンクリート部材と本体部分のコンクリート74とを一体とする。このような橋脚70では、図11に記載の橋脚と同様に、効率よく構築することができるとともに、外側面を平坦な立面として良好な外観とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、他の構成を備えたものを参考に示す平断面図である。
【図2】図1に示す橋脚の下端付近の立断面図である。
【図3】図1に示す橋脚の上部の平断面図である。
【図4】本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚の他の例を参考に示す平断面図である。
【図5】本件発明と同様に軸方向鉄筋の変形を抑制することができる鉄筋コンクリート橋脚であって、断面が円形となったものを参考に示す平断面図である。
【図6】図5に示す鉄筋コンクリート橋脚で用いられるPC鋼材の定着具を示す断面図及び正面図である。
【図7】請求項1,請求項2又は請求項3に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の平断面図である。
【図8】図7に示す橋脚の下端付近の立断面図である。
【図9】請求項4に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の平断面図である。
【図10】図9に示す橋脚の下端付近の立断面図である。
【図11】請求項5に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の立断面図である。
【図12】請求項6に係る発明の一実施形態である鉄筋コンクリート橋脚の下端付近の立平断面図である。
【図13】本願発明に係る鉄筋コンクリート橋脚が適用される橋梁の例を示す概略側面図である。
【図14】従来の鉄筋コンクリート橋脚の平断面図である。
【図15】従来の鉄筋コンクリート橋脚の問題点を示す立断面図である。
【図16】本願発明におけるPC鋼材の緊張力の作用を説明する概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1、20、30、40、50、60、70 橋脚
2 フーチング
11、21、31、41、51、61、71 軸方向鉄筋
12、22 PC鋼棒
13、34、44、54、64、74 コンクリート
14、16、23 中間拘束筋
15、43、53、63、73 帯鉄筋
32 PC鋼より線
33 定着具
35 シース
42、52、62a、72a 梁状部材
45、55、65 PC鋼材
46、56、66 鉄筋
62、72 連続体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋コンクリートからなり、支持地盤から上方に立ち上げられて橋桁を支持する橋脚であって、
コンクリート中の表面近くに軸方向鉄筋が配置され、
該軸方向鉄筋の表面側に、横方向のプレキャストコンクリートの梁状部材が、前記軸方向鉄筋と接触又は近接し、上下方向に所定間隔をあけて複数が配置され、
該プレキャストコンクリートの梁状部材は、該橋脚の反対側の側面に沿ってほぼ平行に配置された他のプレキャストコンクリートの梁状部材と所定間隔を保持するように連結されていることを特徴とする鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項2】
前記梁状部材を構成するコンクリートは、該橋脚の本体部分を構成するコンクリートより強度が大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項3】
前記梁状部材にはプレストレスが導入されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項4】
前記梁状部材には、複数の上下方向の貫通孔が設けられており、軸方向鉄筋が該貫通孔に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項5】
上下方向に間隔をあけて配置された複数の梁状部材間は、該梁状部材を構成するコンクリートと連続し、一体となった板状部によって連続しており、
該板状部及び前記梁状部材の連続体は該橋脚の全周を囲むように複数が配置され、
該橋脚の本体部分のコンクリートは、前記連続体を型枠として打設され、硬化して該板状部及び前記梁状部材と一体となっていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項6】
前記板状部は、前記梁状部材の外側面と連続する立面を形成するものであることを特徴とする請求項5に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項1】
鉄筋コンクリートからなり、支持地盤から上方に立ち上げられて橋桁を支持する橋脚であって、
コンクリート中の表面近くに軸方向鉄筋が配置され、
該軸方向鉄筋の表面側に、横方向のプレキャストコンクリートの梁状部材が、前記軸方向鉄筋と接触又は近接し、上下方向に所定間隔をあけて複数が配置され、
該プレキャストコンクリートの梁状部材は、該橋脚の反対側の側面に沿ってほぼ平行に配置された他のプレキャストコンクリートの梁状部材と所定間隔を保持するように連結されていることを特徴とする鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項2】
前記梁状部材を構成するコンクリートは、該橋脚の本体部分を構成するコンクリートより強度が大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項3】
前記梁状部材にはプレストレスが導入されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項4】
前記梁状部材には、複数の上下方向の貫通孔が設けられており、軸方向鉄筋が該貫通孔に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項5】
上下方向に間隔をあけて配置された複数の梁状部材間は、該梁状部材を構成するコンクリートと連続し、一体となった板状部によって連続しており、
該板状部及び前記梁状部材の連続体は該橋脚の全周を囲むように複数が配置され、
該橋脚の本体部分のコンクリートは、前記連続体を型枠として打設され、硬化して該板状部及び前記梁状部材と一体となっていることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【請求項6】
前記板状部は、前記梁状部材の外側面と連続する立面を形成するものであることを特徴とする請求項5に記載の鉄筋コンクリート橋脚。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−133725(P2008−133725A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56182(P2008−56182)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【分割の表示】特願2002−252984(P2002−252984)の分割
【原出願日】平成14年8月30日(2002.8.30)
【出願人】(301031392)独立行政法人土木研究所 (107)
【出願人】(000173810)財団法人土木研究センター (4)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【出願人】(000166432)戸田建設株式会社 (328)
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【分割の表示】特願2002−252984(P2002−252984)の分割
【原出願日】平成14年8月30日(2002.8.30)
【出願人】(301031392)独立行政法人土木研究所 (107)
【出願人】(000173810)財団法人土木研究センター (4)
【出願人】(000174943)三井住友建設株式会社 (346)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【出願人】(000166432)戸田建設株式会社 (328)
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【Fターム(参考)】
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